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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C08J
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 C08J
管理番号 1369756
審判番号 不服2019-12276  
総通号数 254 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-02-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-09-17 
確定日 2021-01-04 
事件の表示 特願2017-536348「耐衝撃性材料,マット体およびマット体の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 7月14日国際公開,WO2016/110122,平成30年 4月12日国内公表,特表2018-510224〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,2015年(平成27年) 9月 7日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2015年 1月 8日(CN)中華人民共和国)を国際出願日とする出願であって,その出願後の手続経緯は以下のとおりである。
平成29年 7月 6日 :手続補正書の提出
平成30年 8月16日付:拒絶理由通知書
平成30年11月20日 :意見書及び手続補正書の提出
平成31年 4月26日付:拒絶査定
令和 1年 9月17日 :審判請求書及び手続補正書(以下,当該手続補正書でなされた補正を「本件補正」という。)の提出

第2 令和 1年 9月17日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和 1年 9月17日にされた手続補正を却下する。

[理由]
1 本件補正の内容
本件補正は,特許請求の範囲の請求項1について下記(2)から(1)へ補正する補正を含むものである(下線部は,補正箇所である。)。
(1)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1
「表面が有機シリコンコーティングまたはポリウレタンコーティングされた,相互に平行な繊維状フィラメントの運動方向が変更された基層を含み,
塗布・乾燥後のコーティング被膜後としての前記有機シリコンコーティングは,
65?130質量部の有機シリコン,
0?7質量部の溶媒,
0?16質量部の硬化剤,
0?12質量部の触媒,
の組成分を含有し,
塗布・乾燥後のコーティング被膜後としての前記ポリウレタンコーティングは,
65 ?130質量部のポリウレタン,
0?7質量部の溶媒,
0?16質量部の硬化剤,
0?12質量部の触媒,
の組成分を含有し,
前記基層を構成する繊維状フィラメントの各々が前記コーティングされていることを特徴とする衝撃吸収材料。」

(2)本件補正前の特許請求の請求項1
「表面が有機シリコンコーティングまたはポリウレタンコーティングされた,相互に平行な繊維状フィラメントの運動方向が変更された基層を含み,
塗布・乾燥後のコーティング被膜後としての前記有機シリコンコーティングは,
65?130質量部の有機シリコン,
0?7質量部の溶媒,
0?16質量部の硬化剤,
0?12質量部の触媒,
の組成分を含有し,
塗布・乾燥後のコーティング被膜後としての前記ポリウレタンコーティングは,
65 ?130質量部のポリウレタン,
0?7質量部の溶媒,
0?16質量部の硬化剤,
0?12質量部の触媒,
の組成分を含有することを特徴とする衝撃吸収材料。」

2 補正の適否
本件補正は,本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「基層」について,「前記基層を構成する繊維状フィラメントの各々が前記コーティングされている」なる限定を付加する補正であって,本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから,特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで,本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について,以下,検討する。

(1)本件補正発明について
本件補正発明は,上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献2の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献2(中国特許出願公開第104194282号明細書)には,下記の内容が記載されている。なお,原文の摘記は省略し,該当する箇所の訳文のみを記載する。
「1.質量組成には,
熱可塑性ポリエステルエラストマー50?100部,
熱可塑性ポリウレタンエラストマー3?18部,
ポリ塩化ビニル10?30部,
熱可塑性ポリオレフィンエラストマー0?10部が含まれる
ことを特徴とする衝撃吸収材料。
2.前記衝撃吸収材料の質量組成には更に助剤が含まれ,
前記助剤には,
可塑剤0?2部,
安定剤0?1部,
酸化防止剤0?1部,
潤滑剤0?1部,および
防汚処理剤0?2部が含まれることを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収材料。」(第2頁第1ないし12行)
「8.請求項1?2のいずれかに記載の原材料を均一に混合した後,相互に平行な繊維状フィラメントに成形する工程(1)と,
前記繊維状フィラメント間で衝撃点が生じるように相互に平行な前記繊維状フィラメントの運動方向を変更し,かつ,ネット構造を形成するために熱の作用により結合力を発生させて半製品1を得る工程(2)と,
前記半製品1を対応するサイズに切断して半製品2を得る工程(3)と,
前記半製品2を圧縮成形または膨張成形して半製品3を得る工程(4)と,
前記半製品3の粗端をトリミングして,最終製品を得る工程(5)と,
を含むことを特徴とする請求項3に記載の衝撃吸収材料からなる多目的マット体の製造方法。
9.工程(2)においては,更に,半製品1を防汚処理剤が充填されたプールを通過した後に,余分な防汚処理剤を押し出し,防汚処理剤をオーブンで半製品1の表面に均一に硬化させる,防汚処理工程が含まれることを特徴とする請求項8に記載のマット体の製造方法。」(第2頁第24ないし34行)
「[0011] 更に,前記繊維状フィラメントの直径は0.05mm?3.00mmである。更に,本発明は,
請求項1?3のいずれかに記載の原材料を均一に混合した後,相互に平行な繊維状フィラメントに成形する工程(1)と,
繊維状フィラメント間で衝撃点が生じるように相互に平行な前記繊維状フィラメントの運動方向を変更し,かつ,ネット構造を形成するために熱の作用により結合力を発生させて半製品1を得る工程(2)と,
前記半製品1を対応するサイズに切断して半製品2を得る工程(3)と,
前記半製品2を圧縮成形または膨張成形して半製品3を得る工程(4)と,
前記半製品3の粗端をトリミングして,最終製品を得る工程(5)と,
を含むことを特徴とするマット体の製造方法を提供する。
[0012] 更に,工程(2)においては,更に半製品1を防汚処理剤が充填されたプールに投入し,余分な防汚処理剤を押し出し,防汚処理剤をオーブンで半製品1の表面に均一に硬化させる。」
「[0017] 本発明の衝撃吸収材料からなるマット体は,2段階の熱間加工方法により成形されるものであり,まず衝撃吸収材料の原材料を均一に混合した後,押出機および対応する金型で前記原材料を相互に平行な繊維状フィラメントに成形し,当該フィラメントの直径を0.05mm?3.00mmの範囲に制御することができる。
繊維状フィラメント間で衝撃点が生じるように相互に平行な前記繊維状フィラメントの運動方向を変更し,かつ,ネット構造を形成するために熱の作用により結合力を発生させて半製品1を得る。当該半製品1の密度は25KG/M^(3)?125KG/M^(3)とする。」
「[0021] 防汚性能が求められるような製品の使用条件に応じて,半製品1を防汚処理剤が充填されたプールに投入し,圧力コントローラーで余分な防汚処理剤を押し出し,その後,防汚処理剤を開放型オーブンで半製品1の表面に均一に硬化させる。
最終製品のサイズおよび使用要件に応じて,切断機で半製品1を所定のサイズに切断して,半製品2を得る。
前記半製品2を対応する予熱した金型内に入れ,当該金型全体は中空厚肉構造であり,上部成形板および下部成形板を含む。金型内の中空部は最終製品のサイズに合わせ,金型の壁内には上面と下面を相互に繋げる通気ダクトが設けられ,且つ各通気ダクト内にミニヒーターが設けられる。第2中間製品を予熱後の金型内に入れた後,高温空気循環装置を起動させ,高温空気が一定の温度および速度で金型の上面から上部成形板に流入し,通気ダクトを介して半製品2を流れ,下部成形板から流出し,恒温収集装置に入り,その後再び上部成形板の通気ダクトに流入することを一定時間繰り返し,半製品2を十分に膨張成形または圧縮成形して,半製品3を得る。
半製品3の粗端を除去して,最終製品を得る。」

(3)引用発明2
上記(2)より,引用文献2には次のとおりの発明が記載されていると認められる(以下,「引用発明2」という。)。
「衝撃吸収材料の原材料を均一に混合した後,相互に平行な繊維状フィラメントに成形する工程(1)と,
前記繊維状フィラメント間で衝撃点が生じるように相互に平行な前記繊維状フィラメントの運動方向を変更し,かつ,ネット構造を形成するために熱の作用により結合力を発生させて半製品1を得て,更に,半製品1を防汚処理剤が充填されたプールを通過した後に,余分な防汚処理剤を押し出し,防汚処理剤をオーブンで半製品1の表面に均一に硬化させる,防汚処理を行う工程(2)と,
を含む製造方法から製造される,半製品1に防汚処理を行ったもの。」

(4)引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された本願の優先日前に日本国内において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献1(特開2014-74123号公報)には,次の記載がある。
「【0011】
本発明の医療用固定具は,ウレタンフォームからなる基材と,ポリエステルポリオールを含む主剤とイソシアネートプレポリマーを含む硬化剤とを反応させて得られる溶剤系ウレタン塗料により形成されたものであって,前記基材の表面を被覆するコーティング層とを備えるものである。
【0012】
また,本発明の他の医療用固定具は,ウレタンフォームからなる基材と,ポリジメチルシロキサン系共重合体と,ポリカプロラクトンと,ポリシロキサンとを含む塗料組成物により形成されたものであって,前記基材の表面を被覆するコーティング層とを備えるものである。
【0013】
また,本発明の他の医療用固定具は,ウレタンフォームからなる基材と,水性ウレタン塗料により形成されたものであって,前記基材の表面を被覆するコーティング層とを備えるものである。
【0014】
上記のような構成によれば,基材であるウレタンフォームに対する付着性がよく,薄くて柔軟性があり,ウレタンフォームの変形によく追随するコーティング層を備える医療用固定具を提供できる。このため,基材とコーティング層との双方が,被験者の体に程よい柔軟性と弾力性でフィットし,被験者に苦痛を与えない。また,繰り返し使用しても,コーティング層が破れたり,基材から剥がれたりしにくいため,医療用固定具を長期間使用できる。さらに,基材の表面にコーティング層により撥水性を付与することができ,表面を布等にて拭くだけで汚れを除去することができるから,医療用固定具を清潔に保ちつつ,繰り返し使用することができる。」

(5)引用文献1に記載された技術
上記記載の「ポリエステルポリオールを含む主剤とイソシアネートプレポリマーを含む硬化剤とを反応させて得られる溶剤系ウレタン塗料により形成された」コーティング層はウレタンコーティング層であり,また,上記記載の「ポリジメチルシロキサン系共重合体と,ポリカプロラクトンと,ポリシロキサンとを含む塗料組成物により形成された」コーティング層は有機シリコンコーティング層である。
したがって,上記(4)より,引用文献1には,次の技術が記載されていると認められる。
「基材の表面にウレタンコーティング層や有機シリコンコーティング層により撥水性を付与することができ,汚れの除去を容易にする技術。」

(6)対比・判断
本件補正発明と引用発明2とを対比する。
引用発明2における「半製品1」は,本件補正発明の「基層」に相当する。
引用発明2は「半製品1を防汚処理剤が充填されたプールを通過した後に,余分な防汚処理剤を押し出し,防汚処理剤をオーブンで半製品1の表面に均一に硬化させる,防汚処理」が行われたものであって,「前記繊維状フィラメント間で衝撃点が生じるように相互に平行な前記繊維状フィラメントの運動方向を変更し」たものであるから,引用発明2の半製品1(基層)は,基層を構成する繊維状フィラメントの各々がコーティングされていて,表面が防汚処理剤でコーティングされた,相互に平衡な繊維状フィラメントの運動方向が変更された基層,と言える。
引用発明2の「半製品1に防汚処理を行ったもの」は,衝撃吸収材料の原料から製造されるものであるから,本件補正発明の「衝撃吸収材料」に相当する。

そうすると,本件補正発明と引用発明とは,以下の点で一致する。
<一致点>
「表面が防汚処理剤でコーティングされた,相互に平行な繊維状フィラメントの運動方向が変更された基層を含み,
前記基層を構成する繊維状フィラメントの各々が前記コーティングされている衝撃吸収材料。」

そして,本件補正発明と引用発明2とは,以下の点で相違する。
<相違点1>
基層を構成する繊維状フィラメントの各々について,本件補正発明は「有機シリコンコーティングまたはポリウレタンコートされて」おり,さらに「塗布・乾燥後のコーティング被膜後としての前記有機シリコンコーティングは,
65?130質量部の有機シリコン,
0?7質量部の溶媒,
0?16質量部の硬化剤,
0?12質量部の触媒,
の組成分を含有し,
塗布・乾燥後のコーティング被膜後としての前記ポリウレタンコーティングは,
65 ?130質量部のポリウレタン,
0?7質量部の溶媒,
0?16質量部の硬化剤,
0?12質量部の触媒,
の組成分を含有し」と特定するのに対し,引用発明2ではそのような特定がない点。

そこで,上記相違点1について判断する。
引用文献1には,上記(5)のとおり,基材の表面にウレタンコーティング層や有機シリコンコーティング層により撥水性を付与することができ,汚れの除去を容易にする技術が記載されている。
引用発明2と,引用文献1に記載された技術とは,いずれも基材の表面にコーティングを施して防汚性を付与するものであるから,引用発明2の防汚処理剤によるコーティングを施すに際し,具体的なコーティングの選択として,引用文献1に記載されたウレタンコーティングや有機シリコンコーティングを採用することは当業者が容易に想到し得ることである。また,ウレタンコーティングや有機シリコンコーティングを繊維状の物体に施す具体的な方法として,コーティング液を含浸させる方法は周知慣用であることから(例えば,特表2012-522063号公報の【0065】,【0124】ないし【0131】,特開2005-219267号公報の【0009】,【0054】),引用発明2に記載の,防汚処理剤が充填されたプールに投入する方法がそのまま採用できる。
してみると,引用発明2における防汚処理剤のコーティングを,ウレタンコーティングや有機シリコンコーティングとすることは当業者が容易に想到し得ることである。また,その際のウレタンコーティング組成物の成分及び有機シリコンコーティング組成物の成分について,溶媒,硬化剤及び触媒の量比を本件補正発明1で特定される範囲内に定めることも当業者が適宜に設計する事項である。

<本件補正発明の効果についての検討>
本件補正発明の「コーティング」に関する効果については,本件特許明細書に「コーティングの存在は,材料および完成品の断熱性,白色度,耐摩耗性,耐黄変性,防水性および防汚性を向上させるだけでなく,完成品の繊維状フィラメント間の結合強度および支持強度を増加させ,製品寿命を延ばす。」(【0016】)と記載されている。
上記記載の効果について検討する。
引用発明2については,本件補正発明と同様の製法により,繊維状フィラメントをコーティングする際にプールに投入する方法を採用するものであるから,繊維状フィラメント間に防汚処理剤が含浸され,本件補正発明と同様に繊維状フィラメント間の結合強度および支持強度を増加させ,製品寿命を延ばすことは引用発明2が当然に備える効果である。
有機シリコンコーティングが撥水性に基づく防汚性の他,耐擦過傷性や表面摩擦強さ,すなわち耐摩耗性を発揮すること(引用文献1の【0086】,特開2005-219267号公報の【0054】,【0059】),ウレタンコーティングが表面摩擦強さや撥水性を発揮すること(特表2012-522063号公報の【0147】及び【0148】)等は周知である。また,断熱性,白色度,耐黄変性については,引用発明2や引用文献1記載のコーティングの構成から当業者が予測可能な効果であって格別のものでもない。
本件補正発明の塗布・乾燥後のコーティング被膜後としての有機シリコンコーティングの組成分又はポリウレタンコーティングの組成分の数値を限定することについては,本件特許明細書には,その技術的意義及び臨界的意義については記載されていない。
してみると,本件補正発明が奏する効果は引用発明2が当然に備えている効果であるか又は当業者の適宜設計により発揮し得る効果であって格別のものではない。

以上のことより,本件補正発明は,引用発明2,引用文献1に記載された事項及び周知慣用技術に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法29条2項の規定により,特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 まとめ
よって,本件補正は,上記2のとおり特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するものであるので,同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
したがって,上記[補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
令和 1年 9月17日にされた手続補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項1ないし8に係る発明は,平成30年11月20日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定されるものであるところ,その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,その請求項1に記載された事項により特定される,前記第2の1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は,この出願の請求項1に係る発明は,本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献2に記載された発明及び引用文献1に記載された事項に基いて,その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない,という理由を含むものである。

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献2ないし1及びその記載事項は,前記第2の2(2)ないし(5)に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は,本件補正発明から,「基層」に係る限定事項を削除したものである。
そうすると,本願発明の発明特定事項を全て含み,さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が,前記第2の2に記載したとおり,引用発明2に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本願発明も,引用発明2,引用文献1に記載された事項及び周知慣用技術に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり,本願発明は,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであるから,他の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶されるべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2020-07-31 
結審通知日 2020-08-04 
審決日 2020-08-17 
出願番号 特願2017-536348(P2017-536348)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (C08J)
P 1 8・ 121- Z (C08J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 飛彈 浩一  
特許庁審判長 加藤 友也
特許庁審判官 神田 和輝
大島 祥吾
発明の名称 耐衝撃性材料、マット体およびマット体の製造方法  
代理人 山内 博明  

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