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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 特174条1項 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1370662
審判番号 不服2019-3503  
総通号数 255 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-03-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-03-13 
確定日 2021-02-16 
事件の表示 特願2016-519634「付着された光発生源を用いたキーボードバックライティング」拒絶査定不服審判事件〔平成26年12月18日国際公開、WO2014/201187、平成28年 7月25日国内公表、特表2016-521893、請求項の数(20)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2014年(平成26年)6月11日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年6月12日 米国、2013年6月12日 米国、2013年6月13日 米国、2013年6月14日 米国、2013年6月17日 米国、2013年6月18日 米国、2013年6月19日 米国、2013年10月23日 米国、2013年11月13日 米国、2013年11月26日 米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成29年 6月 7日 手続補正書の提出
平成30年 3月20日付け 拒絶理由通知書
平成30年 6月 7日 意見書、手続補正書の提出
平成30年11月 2日付け 拒絶査定
平成31年 3月13日 審判請求書、手続補正書の提出
令和 2年 8月 3日付け 拒絶理由通知書
令和 2年11月 4日 意見書、手続補正書(以下、この手続補
正書による手続補正を「本件補正」とい
う。)の提出

第2 原査定の概要
原査定(平成30年11月2日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

平成30年6月7日付け手続補正書でした補正は、国際出願日における国際特許出願の明細書若しくは図面(図面の中の説明に限る。)の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の翻訳文(特許協力条約第19条(1)の規定に基づく補正後の請求の範囲の翻訳文が提出された場合にあっては、当該翻訳文)又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く。)(以下、翻訳文等という。)(誤訳訂正書を提出して明細書、特許請求の範囲又は図面について補正をした場合にあっては、翻訳文等又は当該補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面)に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由(令和2年8月3日付け拒絶理由)の概要は次のとおりである。

請求項1ないし20に係る発明は、その優先権主張日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先権主張日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
1.特開2006-60334号公報
2.特開平11-194874号公報
3.特表2013-504861号公報
4.特開2007-280810号公報

第4 本願発明
本願請求項1ないし20に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明20」という。)は、本件補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし20に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1ないし20は以下のとおりである。

「【請求項1】
キーボードアセンブリであって、
キーのフットプリントを画成しているキートップを含む前記キーであって、前記キートップは、前記フットプリント内で整列された半透明のキー刻印を有する、前記キーと、
前記キーのキー押下と機械的に相互作用するキー機構であって、前記キー機構は、前記キーの前記半透明のキー刻印の垂直に下に配置され、かつ、前記キーの前記フットプリント内に含まれ、前記キー機構は、少なくとも1つのラバードーム又はシザーメカニズムの1つ又はそれ以上のブレードを含む、前記キー機構と、
前記キーの前記半透明のキー刻印の垂直に下に付着された第1のグループのLEDおよび第2のグループのLEDを含む、少なくとも2つのグループのLEDであって、前記第1のグループのLED又は前記第2のグループのLEDの少なくとも1つは、前記キーおよびキー機構の前記フットプリント内の前記キー機構上に直接的に付着されており、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDは、前記キーの前記半透明のキー刻印を照らすように構成され、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDのうちの少なくとも1つは、複数のLEDを含む、前記少なくとも2つのグループのLEDと
を備えたことを特徴とするキーボードアセンブリ。
【請求項2】
電源と、
前記キー機構上に直接的に付着された伝導性トレースであって、前記伝導性トレースは、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDを前記電源へ電気によって接続する、前記伝導性トレースと
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項3】
前記少なくとも2つの別々のグループのLEDは、前記伝導性トレース上に直接的に付着されることを特徴とする請求項2に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項4】
前記キーは、複数の半透明のキー刻印を含み、
前記少なくとも2つの別々のグループのLEDは、前記キーの前記複数の半透明のキー刻印の下に付着され、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDの各々は、前記キーの前記複数の半透明のキー刻印のうちの少なくとも1つを照らすように構成される
ことを特徴とする請求項1に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも2つの別々のグループのLEDのうちの少なくとも1つのグループは、個別に処理され、かつ、個別におよび個々に前記複数の半透明のキー刻印のうちの1つの半透明のキー刻印を照らすように個別に制御可能であることを特徴とする請求項1に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項6】
前記キー機構は、少なくともレジストおよびリターン構造および/またはキーレベリング構造を含み、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDのうちの少なくとも1つのグループは、前記レジストおよびリターン構造および/または前記キーレベリング構造上に付着されて、前記少なくとも1つのキーの前記半透明のキー刻印を照らすことを特徴とする請求項1に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項7】
前記少なくとも2つの別々のグループのLEDは、前記キー機構によって拡散された光を介して前記少なくとも1つのキーを照らすことを特徴とする請求項1に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項8】
前記少なくとも2つの別々のグループのLEDは、前記キー機構上に印刷または噴霧されたことを特徴とする請求項1に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項9】
前記各LEDは、最長15-20ミクロンである断面を有することを特徴とする請求項1に記載のキーボードアセンブリ。
【請求項10】
複数のキーをキーボードアセンブリの中へ組み入れるステップであって、各キーは、前記キーのフットプリントを画成しているキートップを含み、前記キートップは、前記フットプリント内で整列された半透明のキー刻印を有する、ステップと、
各キーについてのキー機構を提供するステップであって、前記キー機構は、前記それぞれのキーのキー押下と機械的に相互作用し、前記キー機構は、前記それぞれのキーの前記半透明のキー刻印の垂直に下に配置され、かつ、前記それぞれのキーの前記フットプリント内に含まれる、該ステップと、
電気による伝導性トレースを前記キー機構上に直接的に付着させるステップと、
前記それぞれのキーの前記フットプリント内の前記半透明のキー刻印の垂直に下に、少なくとも2つの別々のグループのLEDを前記キー機構の外表面上に直接的に付着させるステップであって、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDのうちの少なくとも1つのグループは、複数のLEDを含み、前記キー機構は、少なくとも1つのラバードーム又はシザーメカニズムの1つ又はそれ以上のブレードを含む、該ステップと、
前記電気による伝導性トレースを介して、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDを電源へ接続するステップであって、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDは、電力供給が前記電気による伝導性トレースへ電力を供給するときに、前記それぞれのキーの前記半透明のキー刻印を照らすように構成される、該ステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記付着させるステップは、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDのうちの少なくとも1つのグループを、前記キー機構のキー押下機構上または内へ付着させることを含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記付着させるステップは、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDのうちの少なくとも1つのグループを付着させて、前記少なくとも1つのグループが、
前記少なくとも2つの別々のグループのLEDから発散し、および
前記キー機構によって反射して拡散された
光を介して前記それぞれのキーを照らすようにすることをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記付着させるステップは、液体またはゲルを前記キー機構上に印刷または噴霧することを含み、前記液体またはゲルは、その中に浮遊させられた前記少なくとも2つの別々のグループのLEDを有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記それぞれのキーの前記キー押下を検出するように構成されたセンサ層を提供するステップをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記付着させるステップは、液体またはゲルを前記キー機構上に噴霧または印刷することを含み、前記液体またはゲルは、その中に浮遊させられた前記少なくとも2つの別々のグループのLEDを有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項16】
キーボードのためのバックライティング装置であって、前記バックライティング装置は、
キーボードアセンブリ上のキーであって、前記キーは、前記キーのフットプリントを画成しているキートップを含み、前記キートップは、前記フットプリント内で整列された半透明のキー刻印を有する、前記キーと、
前記キーのキー押下と機械的に相互作用するキー機構であって、前記キー機構は、前記キーの前記半透明のキー刻印の垂直に下に配置され、かつ、前記キーの前記フットプリント内に含まれ、前記キー機構は、少なくとも1つのラバードーム又はシザーメカニズムの1つ又はそれ以上のブレードを含む、前記キー機構と、
前記キー機構の表面上に直接的に付着された少なくとも2つの別々のグループのLEDであって、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDは、前記キーの前記半透明のキー刻印の垂直に下に、かつ、前記キーおよびキー機構の前記フットプリント内に付着され、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDは、前記キーおよび/または前記キーの前記半透明のキー刻印を照らすように構成され、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDのうちの少なくとも1つのグループは、複数のLEDを含む、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDと、
前記少なくとも2つの別々のグループのLEDを電気によって接続する伝導性トレースと
を備えたことを特徴とするバックライティング装置。
【請求項17】
前記伝導性トレースは、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDを電源へ電気によって接続することを特徴とする請求項16に記載のバックライティング装置。
【請求項18】
前記キー機構は、前記キーの前記キートップと機械的に相互作用し、および、前記キーの前記キー押下を提供するように構成されたレジストおよびリターン構造およびレベリング構造を含み、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDは、前記レジストおよびリターン構造および/または前記レベリング構造上または内に付着されることを特徴とする請求項16に記載のバックライティング装置。
【請求項19】
キー押下センサを含むセンサ層をさらに備え、各キー押下センサは、複数のキーのうちの前記少なくとも1つのキーの前記キー押下を検出して、キーボードコントローラに前記キー押下を示すように構成され、前記キー押下センサは、伝導性キースイッチセンサ、容量性センサ、または電気による抵抗センサのうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項16に記載のバックライティング装置。
【請求項20】
前記伝導性トレースは、前記キー機構上に直接的に付着され、
前記少なくとも2つの別々のグループのLEDは、前記伝導性トレース上に直接的に付着されることを特徴とする請求項16に記載のバックライティング装置。」

第5 引用文献の記載及び引用発明等
1 引用文献1について
当審拒絶理由に引用された引用文献1には、以下の事項が記載されている(下線は、当審で付した。以下同じ。)。

「【技術分野】
【0001】
本発明は携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Data Assistance,Personal Digital Assistants:個人向け携帯型情報通信機器)等の携帯端末機器に適用されるキーボタン構造に関し、特にキーボタンに割り当てられている複数の文字を表示する構造及びそのキーボタン構造を有する携帯端末機器に関する。」

「【0028】
図1は本発明の第1の実施例に係る携帯電話機のキーボタンの構造を示す断面図である。
【0029】
図1において、キーボタンは、携帯電話機の筐体表面から突出しユーザにより押下される透光材質のキートップ1と、プリント基板2に形成される接点3と、接点3の上方に設けられ押下に応じて接点間を電気的に接続する弾力性の金属ドーム4と、金属ドーム4を覆うように固定する弾力性の透光材質のドーム固定シート5と、ドーム固定シート5内に設けられるキーバックライト6と、キートップ1の裏面側に設けられドーム固定シート5の中央部分を押下する突起(押し子)を形成された透光材質のラバーシート7とを有している。
【0030】
キートップ1の裏面には、キーボタンに割り当てられている文字が種類別に抜き文字印刷されて形成される遮光部8を設けている。
【0031】
図2は、テンキー及び記号キーのキートップに印刷される遮光部8の各文字の種類にバックライトを照射した状態で表面から見た一例を示す図である。
【0032】
数字、かな文字、アルファベット等の文字種類毎に文字表示の領域が定められている。すなわち、テンキーでは、数字(1,2,3,4,5,6,7,8,9,0)が、記号キーでは、記号(*,#)が遮光部の左側の表示領域に配置されている。かな文字の表示領域はテンキーの1から9については右側上部に、0については右側上部及び右側下部に配置されている。アルファベットの表示領域は1及び0を除くテンキーについては右側下部に配置されている。
【0033】
また、キーボタンに割り当てられている文字の部分は光を通過させるが、文字部分以外は遮光するように抜き文字印刷されている。
【0034】
キーバックライト6は、例えば、薄膜EL(エレクトロルミネセンス)であり、キートップ1の裏面の遮光部8の文字表示領域を背面から照光する。
【0035】
またキーバックライト6は、後に説明するように、遮光部8の文字表示領域をそれぞれ個別に独立して照光できるように、数字表示領域を照光するキーバックライト6-1と、かな表示領域を照光するキーバックライト6‐2と、アルファベット表示領域を照光するキーバックライト6‐3とに分割して配置されている。
【0036】
遮光部8は、文字表示領域毎にキーバックライトから光を受け、抜き文字印刷された文字部分を透過する光によって、キーボタンに割り当てられた文字が文字種類毎に明るく見える。
【0037】
図3は、遮光部8の文字表示領域とキーバックライト6との配置関係を示している。
【0038】
同図を参照すると、数字「2」、かな文字「か」、アルファベット「ABC」がそれぞれ割り当てられたキーボタンの遮光部8の一例と、その各領域を照射する数字表示領域照光用バックライト6‐1、かな文字表示領域照光用バックライト6‐2及びアルファベット表示領域照光用バックライト6‐3との対応関係が示されている。各表示領域は、それぞれ個別のバックライトの照光を受ける。」

「【0052】
また、キーバックライト6は、薄膜EL(エレクトロルミネセンス)に限定されるものではなく、例えば、LED等を使用することも可能である。
【0053】
図12はキーボタン構造の他の実施例を示す断面図である。
【0054】
この実施例におけるキーボタン構造の図1に示したキーボタン構造との相違点は、遮光部8をキートップ1の表面に設けている点である。その他の各構成要素は図1に示したものと同じであるので説明は省略する。そして、このように遮光部をキートップの表面に設けても、裏面に設けた場合と同様の効果が得られる
この構造のキーボタン構造は、第1の実施例のキーボタン構造と同様に図7の携帯電話機に適用し、点灯制御を行うことができる。」

【図1】

【図12】


上記記載から、引用文献1には、以下の発明が記載されている。

「携帯端末機器に適用されるキーボタン構造であって、
ユーザにより押下される透光材質のキートップ1と、プリント基板2に形成される接点3と、接点3の上方に設けられ押下に応じて接点間を電気的に接続する弾力性の金属ドーム4と、金属ドーム4を覆うように固定する弾力性の透光材質のドーム固定シート5と、ドーム固定シート5内に設けられるキーバックライト6と、キートップ1の裏面側に設けられドーム固定シート5の中央部分を押下する突起(押し子)を形成された透光材質のラバーシート7とを有し、
キートップ1の裏面には、キーボタンに割り当てられている文字が種類別に抜き文字印刷されて形成される遮光部8を設けられ、
キーバックライト6-1?6-3は、複数のLEDであり、キートップ1の裏面の遮光部8の文字表示領域をそれぞれ個別に独立して照光し、
遮光部8は、文字表示領域毎にキーバックライトから光を受け、抜き文字印刷された文字部分を透過する光によって、キーボタンに割り当てられた文字が文字種類毎に明るく見えるように構成された、
キーボタン構造。」

2 引用文献2について
当審拒絶理由に引用された引用文献2には、以下の事項が記載されている。

「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力キーの文字をキー内部から照明するバックライト付きキーボードに関する。」

「【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、マトリクス状に区分された複数のキー操作検出領域を有する透明な接触式センサパネルと、透明な素材で形成され、前記検出領域に対応して前記センサパネルの表面側に配設された複数の押下式キーと、前記検出領域に対応して前記センサパネルの背面側に配設された複数の発光素子と、前記キーの操作面に形成され、前記センサパネルを透過した前記発光素子からの光で照明される文字パターンとを備えるバックライト付きキーボードで達成できる。」

「【0013】センサパネル10の下側には、中間基板40と回路基板50が積層されている。中間基板40には発光素子30を配置する穴が形成されている。この発光素子30は例えば発光ダイオード(LED)である。回路基板50には、発光ダイオード30の他に、キーボード全体を制御する回路部品が実装される。この制御回路には、多重化された機能を有するキー20に対応する複数の発光素子30A,30Bの中の、モード選択(シフト)操作に対応したものだけを点灯させる制御機能が含まれる。」

【図1】


3 引用文献3について
当審拒絶理由に引用された引用文献3には、以下の事項が記載されている。

「【0076】
結果として、本明細書で用いるとき、「堆積」は、衝撃式であるか非衝撃式であるかにかかわらず、現時点で既知であるか又は将来開発される、あらゆる印刷、コーティング、圧延、噴霧、積層、スパッタリング、メッキ、スピンキャスト(又はスピンコーティング)、蒸着、ラミネーション、付着及び/又は他の堆積プロセスを意味し、指し、かつ含み、「印刷」は、衝撃式であるか非衝撃式であるかにかかわらず、現時点で既知であるか又は将来開発される、限定ではなく、例えばスクリーン印刷、インクジェット印刷、電気光学印刷、電子インク印刷、フォトレジスト及び他のレジスト印刷、熱転写印刷、レーザージェット印刷、磁気印刷、パッド印刷、フレキソ印刷、ハイブリッドオフセットリソグラフィー、グラビア並びに他の凸版印刷を含む、あらゆる印刷、コーティング、圧延、噴霧、積層、スピンコーティング、ラミネーション及び/又は付着プロセスを意味し、指し、かつ含む。こうした全てのプロセスを、本明細書では堆積プロセスとみなし、等価的に利用することができ、それらは本発明の範囲内にある。同様に重要なことには、例示的な堆積又は印刷プロセスは、著しい製造管理又は制約が不要である。特定の温度又は圧力が不要である。既知の印刷又は他の堆積プロセスの標準規格を超えるクリーンルーム又は濾過空気は不要である。しかしながら、様々な実施形態を形成する様々な連続的に堆積した層の適切な位置合せ(レジストレーション)のため等、一貫性のために、比較的一定の温度(後述する、例外もあり得る)及び湿度が望ましい場合もある。さらに、利用される様々な化合物を、例えば熱硬化若しくは乾燥させ、雰囲気条件下で空気乾燥させ、又はuv硬化させることができる様々なポリマー、バインダー又は他の分散剤に含めることができ、こうした変形の全てが本発明の範囲内にある。」

「【0084】
図11は、本発明の教示による装置の実施形態の複数の第1の導体110及び複数の基板粒子120を備えた例示的な基部100、100A、100B、100C、100Dの斜視図である。図12は、本発明の教示による装置の実施形態の複数の第1の導体110及び複数の基板粒子120を備えた第5の例示的な基部100Dの(40-40’平面を通る)断面図である。1つ又は複数の第1の導体110の堆積に続き、材料(導電性インク又はポリマー等)を硬化させるか又は部分的に硬化させて、固体又は半固体を形成することができる。他の実施形態では、1つ又は複数の第1の導体110を、液体形態又は部分的に硬化した形態のままにし、後に硬化させることができる。1つ又は複数の第1の導体110の堆積に続き、任意のこうした硬化、部分的硬化により、又は硬化なしに、複数の基板粒子120の懸濁液が、キャビティ、チャネル又は溝105内の1つ又は複数の第1の導体110の上に堆積し、(大部分が)対応する第1の導体110とのオーミックコンタクト265を形成する。
【0085】
多くの例示的な実施形態では、複数の基板粒子120は、p+シリコン又はGaN基板等の半導体基板からなり、そのためそれらの複数の基板粒子120を複数の半導体粒子120と呼ぶことができる。他の例示的な実施形態では、複数の基板粒子120は、後述するように、有機発光ダイオード又はポリマー発光ダイオードを作製するのに適している化合物又は混合物等、他の有機材料、無機材料又はポリマー材料を含むことができ、そのため、それらの複数の基板粒子120を、複数の発光基板粒子120又は光起電力基板粒子120と呼ぶこともできる。基板粒子120として用いられる多種多様の適切なタイプの基板について後により詳細に説明する。したがって、本明細書において、複数の基板粒子120又は等価的に複数の基板(半導体)粒子120と言及する場合はいつでも、現時点で既知であるか又は将来開発されるあらゆる種類の発光用途、光起電力用途又は他の電子用途での使用に適している、何らかの種類の粒子形態での任意の有機基板又は無機基板を意味し含むものと解釈するべきであり、あらゆるこうした基板は均等でありかつ特許請求される本発明の範囲内にあるとみなされる。」

「【0095】
他の例示的な実施形態では、複数の基板粒子120は、限定ではなく例として、図26?図31に示すように、ファセット状、長円形(楕円形)、実質的に矩形、実質的に平坦、又は実質的に不規則若しくは非球形等、他の形状及び形態を有することができる。例えば、ファセット状の基板粒子120は、発光に有用である可能性がある。同様に例えば、従来技術による従来のダイオードの形状及びサイズ等、実質的に矩形な又は実質的に平坦な基板粒子120を、選択された例示的な実施形態で利用することもできる。さらに、複数の基板粒子120は、光又は他の電磁(EM)波の複数の波長での放出、吸収又は光共振を提供する等のために、種々のサイズを利用して、無数のサイズ及び形状のうちのいずれを有することもできる。限定ではなく例として定ではなく、例示的な実施形態では、基板粒子120は、実質的に球形であり(所定公差内)、約10ミクロン?40ミクロンの範囲であり、場合によっては約25ミクロン?40ミクロン又は25ミクロン?30ミク
ロンの範囲である。例示的な実施形態では、1つ又は複数の第1の導体110との対応するオーミックコンタクトを形成するのを容易にするために、p又はp+(同様にP又はP+とも呼ぶ)半導体であるように(例えばボロン又は別の元素により)ドープしたシリコン、GaAs又はGaNが利用される。他の実施形態では、n又はn+(同様にN又はN+とも呼ぶ)ドーパントレベルを利用することもできる。」

「【0103】
別の例示的な実施形態では、こうしたn型ドーピングを提供するために、様々な「スピンオン」材料を、スピニング加工、噴霧又は印刷によって堆積させることができる。こうした実施形態では、限定ではなく例としてリン、ヒ素又はアンチモンをドープしたガラスの膜が、シリコン粒子等の複数の基板粒子120の表面に堆積し、加熱されて、(図15に示すように)基板粒子120の上に更なる層(及び基板粒子120との界面においてpn接合)を形成するか、又はこの膜から複数の半導体(シリコン)粒子120内に拡散を引き起こす。例示的なn型ドーパント又はスピンオン材料には、限定ではなく例として、Emulsitone Emitter Diffusion Source N-250、埋込層用のArsenosilicafilm及びAntimonysilicafilm、Phosphorosilicafilm5×1020並びに太陽電池用のPhosphorofilm等、米国ニュージャージー州ホイッパニーのEmulsitone Companyから入手可能なドーパントが含まれる。これらの例示的なドーパント又はスピンオン材料は堆積され、Emulsiton Emitter Diffusion Source N-250の場合等、用途及びドーパントに応じて、最初に150℃?200℃まで15分間加熱して膜を硬化させ、それに続き、15分間?30分間800℃?1200℃、又は所望の若しくは選択された特性(所望の浸透深さ等)の程度で、200℃?300℃以下の温度等、その製造のその時点におけるデバイスの他の部分に悪影響を与えることなく、接合275及び/若しくは層若しくは領域255を形成することができる任意のより低温で加熱することができる。
【0104】
図15は、本発明の教示による装置の実施形態の、接合275も形成しそれによりダイオード155を備える、層又は領域255Aの堆積に続く、複数の第1の導体110及び複数の基板粒子120を備えた第5の例示的な基部100Dの断面図であり、同様に本発明の教示によるダイオード155のin situでの製造の別の変形を例示する役割を果たす。こうした例示的な実施形態に対し、ダイオード155は、接合275を形成するように基板粒子120に結合された層又は領域255Aを備えている。(図15は、斜視図には別個に示していない、1つ又は複数の絶縁体135及び層又は領域255Aの堆積に続く、図12の(40-40’平面を通る)断面図の変形とみなすこともできる。図15は、同様に斜視図には別個に示していない、層又は領域255Aの堆積に続く、図16の(50-50’平面を通る)断面図の変形とみなすこともできる。)
【0105】
図16及び図17を参照して後により詳細に説明するように、1つ又は複数の絶縁体(又は絶縁層)135を堆積させて、1つ又は複数の第2の導体140と1つ又は複数の第1の導体110との間に電気的絶縁を設けることができる。この例示的な実施形態の場合、複数の基板粒子120の堆積に続き、1つ又は複数の絶縁体(又は絶縁層)135を堆積させて、次いで層又は領域255Aを堆積させることができる。他の例示的な実施形態では、後述するように、ダイオード155のin situでの作製の後に1つ又は複数の絶縁体(又は絶縁層)135を堆積させることができる。
【0106】
また一例として、第1の多数キャリア(例えばp+又はn+)を有する半導体を備えている複数の基板粒子120の場合、第2の多数キャリア(例えば対応してn+又はp+)を有する層又は領域255Aが作製され、接合275も形成される。半導体基板粒子120の場合、接合275は概してpn(又はPN)接合275であり、有機基板粒子又はポリマー基板粒子120の場合、接合275は、限定ではなく例としてOLED又はPLEDを作製するために利用される有機層又はポリマー層の間の接合とみなすことができる。第1の多数キャリアを有する半導体基板タイプ(例えばp+シリコン)の場合、プラズマ堆積又はスパッタリングを用いる等の、堆積プロセスの一部として、第2の多数キャリアを有する半導体材料(例えば、リンをドープしたシリコン等、n型ドーパント)が、複数の基板粒子120の第1の部分又は上方部分及び任意の1つ又は複数の絶縁体135の上に(その最上部に)堆積する。さらに、様々な実施形態では、第2の多数キャリアを有する半導体材料を第1の面(又は側)の上に堆積させ、複数の基板粒子120の第1の部分又は上方部分、1つ又は複数の絶縁体135及び隆起又は頂115(領域277として示す)を覆うことができる。対応する堆積した第2の多数キャリア(n型)半導体材料は、基板粒子120の上方部分との連続した結晶又は他の結合剤を形成する等、基板粒子120の各々を含む連続的な半導体本体を形成し、この場合は、第1の多数キャリア(p型)半導体基板粒子120との対応する接合275(この場合はpn接合275)を画定するn型層又は領域255Aである、堆積した層又は領域255Aを形成する。例示的な実施形態では、(n型)層又は領域255A(及び対応するpn接合275)が、基板粒子120の上の「キャップ」として形成され、複数の基板粒子120が実質的に球形である場合の半球形殻形状等、実質的に湾曲した殻形状でもあり、また、実質的に平面かつ平坦なpn接合又は半導体基板のウェル内の実質的に平面かつ平坦なpn接合を有する通常の従来技術によるダイオードとは著しく対照的である。別の実施形態では、第2の多数キャリア(n型)半導体材料が、絶縁体135及び隆起115も覆う層として堆積する場合、接合275はまた、基板粒子120との界面において「キャップ」としても形成され、複数の基板粒子120が実質的に球形である場合の半球形殻形状等、実質的に湾曲した殻形状でもある。逆に、第1の多数キャリア(p型)層又は領域255Aは、第2の多数キャリア(n型)半導体粒子120の上に形成することができ、均等であり、本発明の範囲内にあるとみなされる。1つ又は複数の絶縁体135の堆積及び層又は領域255Aの形成に続き、1つ又は複数の第2の導体140並びに他の特徴及び要素を後述するように(図18で開始し続く)堆積させることができる。この方法を用いて作製される例示的な装置700の実施形態を、図37?図40を参照して例示し後述する。」

4 引用文献4について
当審拒絶理由に引用された引用文献4には、以下の事項が記載されている。

「【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理機器、測定機器、医療機器などにおける入力装置として用いられるキーボードのキースイッチ構造に関し、特に暗い環境下でも良好な操作性を確保できる照光機能を有するキースイッチ構造に関する。」

「【0018】
バックプレート17は、以上の各部品を搭載するように下部に配置されもので、透過性部材により形成されている。このバックプレート17にはメンブレンシート16の透孔16gに対応してメンブレンシート16と同等の厚さのスペーサ突起17bが形成されており、各スペーサ突起17bの中央にホルダー15の溶着用ピン15aを通す穴17aが貫通するように設けられていて、更にバックプレート17の下面側において各穴17aの周囲に凹部(座ぐり)が形成されている。バックプレート17の上面は凹凸形状に形成され、下部から透過してきた光を上方へ拡散する。」

【図2】


第6 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明を対比すると次のことがいえる。

ア 引用発明の「携帯端末機器に適用されるキーボタン」と本願発明1の「キーボードアセンブリ」は、キーの部品である点で一致する。

イ 引用発明の「キートップ1」は、キーの大きさを規定していることが自明であるから、本願発明1の「キーのフットプリントを画成」すると同様の機能を有しているといえる。
そして、引用発明の「キートップ1」は、透光材質で構成され、裏面に、キーボタンに割り当てられている文字が種類別に抜き文字印刷されて形成される遮光部8を設けているから、本願発明1の「前記フットプリント内で整列された半透明のキー刻印を有する」と同様の構成を備えていると認められる。
そうすると、引用発明の「キートップ1」は、本願発明1の「キーのフットプリントを画成しているキートップを含む前記キーであって、前記キートップは、前記フットプリント内で整列された半透明のキー刻印を有する、前記キー」に相当する。

ウ 引用発明の「プリント基板2に形成される接点3と、接点3の上方に設けられ押下に応じて接点間を電気的に接続する弾力性の金属ドーム4と、金属ドーム4を覆うように固定する弾力性の透光材質のドーム固定シート5と、」「キートップ1の裏面側に設けられドーム固定シート5の中央部分を押下する突起(押し子)を形成された透光材質のラバーシート7」と、本願発明1の「前記キーのキー押下と機械的に相互作用するキー機構であって、前記キー機構は、前記キーの前記半透明のキー刻印の垂直に下に配置され、かつ、前記キーの前記フットプリント内に含まれ、前記キー機構は、少なくとも1つのラバードーム又はシザーメカニズムの1つ又はそれ以上のブレードを含む、前記キー機構」とは、「前記キーのキー押下と機械的に相互作用するキー機構であって、前記キー機構は、前記キーの前記半透明のキー刻印の垂直に下に配置され、かつ、前記キーの前記フットプリント内に含まれる、前記キー機構」である点で共通する。

エ 引用発明の「キーバックライト6」は、キートップ1の裏面の遮光部8の文字表示領域をそれぞれ個別に独立して照光していることを考慮すると、キーボタンに割り当てられている文字が種類別に抜き文字印刷されて形成される遮光部8の下、即ち垂直下に設けられているといえる。そうすると、引用発明の「複数のLEDであり、キートップ1の裏面の遮光部8の文字表示領域をそれぞれ個別に独立して照光し」、「ドーム固定シート5内に設けられるキーバックライト6」と、本願発明1の「前記キーの前記半透明のキー刻印の垂直に下に付着された第1のグループのLEDおよび第2のグループのLEDを含む、少なくとも2つのグループのLED」とは、「前記キーの前記半透明のキー刻印の垂直に下に設けられた第1のグループのLEDおよび第2のグループのLEDを含む、少なくとも2つのグループのLED」である点で共通する。

オ また、引用発明の上記「キーバックライト6」は、上記ウで検討した「キー機構」を構成する、ドーム固定シート5内に設けられていることを考慮すると、キー機構上に設けられているといえるから、引用発明の上記「キーバックライト6」と、本願発明1の「前記第1のグループのLED又は前記第2のグループのLEDの少なくとも1つは、前記キーおよびキー機構の前記フットプリント内の前記キー機構上に直接的に付着されており、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDは、前記キーの前記半透明のキー刻印を照らすように構成され、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDのうちの少なくとも1つは、複数のLEDを含む、前記少なくとも2つのグループのLED」とは、「前記第1のグループのLED又は前記第2のグループのLEDの少なくとも1つは、前記キーおよびキー機構の前記フットプリント内の前記キー機構上に設けられており、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDは、前記キーの前記半透明のキー刻印を照らすように構成され、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDのうちの少なくとも1つは、複数のLEDを含む、前記少なくとも2つのグループのLED」である点で共通する。

カ そうすると、本願発明1と引用発明とは以下の点で一致し、また相違する。

[一致点]
「キーの部品であって、
キーのフットプリントを画成しているキートップを含む前記キーであって、前記キートップは、前記フットプリント内で整列された半透明のキー刻印を有する、前記キーと、
前記キーのキー押下と機械的に相互作用するキー機構であって、前記キー機構は、前記キーの前記半透明のキー刻印の垂直に下に配置され、かつ、前記キーの前記フットプリント内に含まれる、前記キー機構と、
前記キーの前記半透明のキー刻印の垂直に下に設けられた第1のグループのLEDおよび第2のグループのLEDを含む、少なくとも2つのグループのLEDであって、前記第1のグループのLED又は前記第2のグループのLEDの少なくとも1つは、前記キーおよびキー機構の前記フットプリント内の前記キー機構上に設けられており、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDは、前記キーの前記半透明のキー刻印を照らすように構成され、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDのうちの少なくとも1つは、複数のLEDを含む、前記少なくとも2つのグループのLEDと
を備えたことを特徴とするキーの部品。」

[相違点1]
「キーの部品」について、請求項1に係る発明は「キーボードアセンブリ」であるのに対して、引用発明は「携帯端末機器に適用されるキーボタン」である点。

[相違点2]
本願発明1の「前記キー機構」は、「少なくとも1つのラバードーム又はシザーメカニズムの1つ又はそれ以上のブレードを含む」のに対して、引用発明は対応する構成を備えていない点。

[相違点3]
「前記キーの前記半透明のキー刻印の垂直に下に設けられた第1のグループのLEDおよび第2のグループのLEDを含む、少なくとも2つのグループのLEDであって、前記第1のグループのLED又は前記第2のグループのLEDの少なくとも1つは、前記キーおよびキー機構の前記フットプリント内の前記キー機構上に設けられており、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDは、前記キーの前記半透明のキー刻印を照らすように構成され、前記少なくとも2つの別々のグループのLEDのうちの少なくとも1つは、複数のLEDを含む、前記少なくとも2つのグループのLED」について、本願発明1の「少なくとも2つのグループのLED」は、「前記キーの前記半透明のキー刻印の垂直に下に付着され」、また「前記キーおよびキー機構の前記フットプリント内の前記キー機構上に直接的に付着されて」いるのに対して、引用発明の「キーバックライト6」は、金属ドーム4を覆うように固定する弾力性の透光材質のドーム固定シート5内に設けられていることから、「前記キーの前記半透明のキー刻印の垂直に下に付着され」ているとはいえず、又、「前記キーおよびキー機構の前記フットプリント内の前記キー機構上に直接的に付着されて」いるとはいえない点。

(3)相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点3について検討すると、相違点3に係る本願発明1の「少なくとも2つのグループのLED」が、「前記キーの前記半透明のキー刻印の垂直に下に付着され」、また「前記キーおよびキー機構の前記フットプリント内の前記キー機構上に直接的に付着されて」いる点は、上記引用文献2ないし4には記載されておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても、引用発明、引用文献2ないし4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2 本願発明2ないし9について
本願発明2ないし9も、本願発明1の「前記キーの前記半透明のキー刻印の垂直に下に付着され」、また「前記キーおよびキー機構の前記フットプリント内の前記キー機構上に直接的に付着されて」いる、「少なくとも2つのグループのLED」を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2ないし4に記載され技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

3 本願発明10について
本願発明10は、本願発明1の「前記キーおよびキー機構の前記フットプリント内の前記キー機構上に直接的に付着されて」いる、「少なくとも2つのグループのLED」に対応する、「少なくとも2つの別々のグループのLEDを前記キー機構の外表面上に直接的に付着させるステップ」を備えているから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2ないし4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

4 本願発明11ないし15について
本願発明11ないし15は、本願発明10の「少なくとも2つの別々のグループのLEDを前記キー機構の外表面上に直接的に付着させるステップ」を備えているから、本願発明10と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2ないし4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

5 本願発明16について
本願発明16は、本願発明1の「前記キーおよびキー機構の前記フットプリント内の前記キー機構上に直接的に付着されて」いる、「少なくとも2つのグループのLED」に対応する、「前記キー機構の表面上に直接的に付着された少なくとも2つの別々のグループのLED」及び「2つの別々のグループのLEDは、」「前記キーおよびキー機構の前記フットプリント内に付着されて」いることを備えているから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2ないし4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

6 本願発明17ないし20について
本願発明17ないし20は、本願発明16の「前記キー機構の表面上に直接的に付着された少なくとも2つの別々のグループのLED」及び「2つの別々のグループのLEDは、」「前記キーおよびキー機構の前記フットプリント内に付着されて」いることを備えているから、本願発明16と同じ理由により、当業者であっても、引用発明、引用文献2ないし4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第7 原査定についての判断
本件補正により、請求項1ないし13及び15ないし18並びに20の「パッケージ化されていないLED」という事項は削除されており、その結果、手続補正書でした補正は、翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものでないという、原査定の拒絶の理由は解消した。

第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-01-26 
出願番号 特願2016-519634(P2016-519634)
審決分類 P 1 8・ 55- WY (G06F)
P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 菅原 浩二  
特許庁審判長 稲葉 和生
特許庁審判官 小田 浩
角田 慎治
発明の名称 付着された光発生源を用いたキーボードバックライティング  
代理人 特許業務法人 谷・阿部特許事務所  
代理人 特許業務法人 谷・阿部特許事務所  
代理人 特許業務法人 谷・阿部特許事務所  
代理人 特許業務法人 谷・阿部特許事務所  
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