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審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A63F
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1371046
審判番号 訂正2020-390091  
総通号数 256 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-04-30 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2020-10-05 
確定日 2020-12-11 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6319196号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6319196号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 事案の概要
1 手続の経緯
特願2015-120119号は、平成27年6月15日の出願であって、平成30年2月23日に特許査定され、その後、請求項1及び2に係る発明について、同年4月13日に特許権の設定の登録がされ(特許第6319196号、以下「本件特許」という。)、令和2年10月5日に訂正審判(以下「本件審判」という。)が請求されたものである。

2 請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、「特許第6319196号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。また、請求人が求める訂正の内容は、以下のとおりである。

3 訂正の内容
(1)訂正事項1
本件特許の特許請求の範囲の請求項1に
「複数種類の処理を実行し、処理の実行に際して内部記憶手段に情報を一時的に記憶させる制御手段を備え、
当該制御手段は、
前記複数種類の処理のうち第1所定処理を実行する第1所定処理実行手段と、
前記複数種類の処理のうち第2所定処理を実行する第2所定処理実行手段と、
前記第1所定処理を開始する場合には前記内部記憶手段に記憶された情報を退避記憶手段に退避させることなく、前記第2所定処理を開始する場合又は開始した後に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記退避記憶手段に退避させる退避実行手段と、
前記第2所定処理を終了する場合又は終了した後に、前記退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させる復帰実行手段と、
を備え、
割込み条件が成立したことに基づいて割込み処理が開始された場合には前記第1所定処理が実行される構成であり、
前記第1所定処理を実行している状況から前記第2所定処理を開始する場合には当該第2所定処理を開始する前における前記第1所定処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該第2所定処理を終了して前記第1所定処理に復帰する場合にはその復帰した第1所定処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記第2所定処理において前記割込み処理の実行が許可されないことを特徴とする遊技機。」と記載されているのを、

「複数種類の処理を実行し、処理の実行に際して内部記憶手段に情報を一時的に記憶させる制御手段を備え、
当該制御手段は、
前記複数種類の処理のうち、プログラム記憶手段における所定アドレス範囲内の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域内処理を実行する領域内処理実行手段と、
前記複数種類の処理のうち、前記プログラム記憶手段における前記所定アドレス範囲の外部のアドレス範囲の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域外処理を実行する領域外処理実行手段と、
前記領域内処理を開始する場合には前記内部記憶手段に記憶された情報を退避記憶手段に退避させることなく、前記領域外処理を開始する場合又は開始した後に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記退避記憶手段に退避させる退避実行手段と、
前記領域外処理を終了する場合又は終了した後に、前記退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させる復帰実行手段と、
前記領域内処理及び前記領域外処理を実行可能な特定処理を実行する手段と、
を備え、
前記特定処理が実行されている状況において割込み条件が成立したことに基づいて割込み処理が開始された場合には前記領域内処理が実行される構成であり、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記領域外処理を開始する場合には当該領域外処理を開始する前における前記領域内処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該領域外処理を終了して前記領域内処理に復帰する場合にはその復帰した領域内処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記領域外処理において前記割込み処理の実行が許可されないことを特徴とする遊技機。」に訂正する。

なお、下線は当合議体が付したものであり、訂正箇所及び訂正に関連する箇所等を表す。以下同様。

(2)訂正事項2
本件特許の明細書の段落【0007】に、
「上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、複数種類の処理を実行し、処理の実行に際して内部記憶手段に情報を一時的に記憶させる制御手段を備え、
当該制御手段は、
前記複数種類の処理のうち第1所定処理を実行する第1所定処理実行手段と、
前記複数種類の処理のうち第2所定処理を実行する第2所定処理実行手段と、
前記第1所定処理を開始する場合には前記内部記憶手段に記憶された情報を退避記憶手段に退避させることなく、前記第2所定処理を開始する場合又は開始した後に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記退避記憶手段に退避させる退避実行手段と、
前記第2所定処理を終了する場合又は終了した後に、前記退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させる復帰実行手段と、
を備え、
割込み条件が成立したことに基づいて割込み処理が開始された場合には前記第1所定処理が実行される構成であり、
前記第1所定処理を実行している状況から前記第2所定処理を開始する場合には当該第2所定処理を開始する前における前記第1所定処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該第2所定処理を終了して前記第1所定処理に復帰する場合にはその復帰した第1所定処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記第2所定処理において前記割込み処理の実行が許可されないことを特徴とする。」と記載されているのを、

「上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、複数種類の処理を実行し、処理の実行に際して内部記憶手段に情報を一時的に記憶させる制御手段を備え、
当該制御手段は、
前記複数種類の処理のうち、プログラム記憶手段における所定アドレス範囲内の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域内処理を実行する領域内処理実行手段と、
前記複数種類の処理のうち、前記プログラム記憶手段における前記所定アドレス範囲の外部のアドレス範囲の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域外処理を実行する領域外処理実行手段と
前記領域内処理を開始する場合には前記内部記憶手段に記憶された情報を退避記憶手段に退避させることなく、前記領域外処理を開始する場合又は開始した後に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記退避記憶手段に退避させる退避実行手段と、
前記領域外処理を終了する場合又は終了した後に、前記退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させる復帰実行手段と、
前記領域内処理及び前記領域外処理を実行可能な特定処理を実行する手段と、
を備え、
前記特定処理が実行されている状況において割込み条件が成立したことに基づいて割込み処理が開始された場合には前記領域内処理が実行される構成であり、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記領域外処理を開始する場合には当該領域外処理を開始する前における前記領域内処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該領域外処理を終了して前記領域内処理に復帰する場合にはその復帰した領域内処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記領域外処理において前記割込み処理の実行が許可されないことを特徴とする。」
と訂正する。

第2 当合議体の判断
以下、本件訂正前の請求項1を、「訂正前請求項1」という。また、訂正前請求項1に係る発明を、「訂正前発明1」という。
訂正後についても、「訂正前」を「訂正後」に変えて同様に、「訂正後請求項1」、「訂正後発明1」という。

1 特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について
(1)訂正事項1
訂正前発明1では、「第1所定処理」及び「第2所定処理」のそれぞれがどのような処理であるのかが特定されていなかった。これに対して、訂正後発明1では、訂正前発明1における「第1所定処理」を「プログラム記憶手段における所定アドレス範囲内の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域内処理」と限定するとともに、訂正前発明1における「第2所定処理」を「プログラム記憶手段における前記所定アドレス範囲の外部のアドレス範囲の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域外処理」と限定した。
また、訂正後発明1では、訂正前発明1における「第1所定処理を実行する第1所定処理実行手段」を「プログラム記憶手段における所定アドレス範囲内の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域内処理を実行する領域内処理実行手段」と限定するとともに、訂正前発明1における「第2所定処理を実行する第2所定処理実行手段」を「前記プログラム記憶手段における前記所定アドレス範囲の外部のアドレス範囲の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域外処理を実行する領域外処理実行手段」と限定した。
また、訂正後発明1は「前記領域内処理及び前記領域外処理を実行可能な特定処理を実行する手段と、」「を備え」るという構成を追加し、さらに訂正前発明1の「前記第1所定処理が実行される構成」について「前記特定処理が実行されている状況において割込み条件が成立したことに基づいて割込み処理が開始された場合には前記領域内処理が実行される構成であり、」と訂正することで、特定処理に対して割込み処理が割り込んで開始されること、及びその特定処理に第1所定処理及び第2所定処理が含まれていることを限定するものとなった。
また、「前記領域内処理及び前記領域外処理を実行可能な特定処理を実行する手段と、」との訂正と整合させるために、訂正前の請求項1における「前記第1所定処理を実行している状況から前記第2所定処理を開始する場合には当該第2所定処理を開始する前における前記第1所定処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、」という記載を、「前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記領域外処理を開始する場合には当該領域外処理を開始する前における前記領域内処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、」という記載に変更するための訂正を行っている。
以上のとおり、訂正事項1により訂正された事項はすべて特許請求の範囲の減縮といえるから、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、請求項2は、請求項1の記載を引用して記載されており、前記請求項1についての訂正により、請求項2についても訂正されることとなるところ、請求項2についての訂正も、同様である。

(2)訂正事項2
訂正事項2は、本件明細書等の段落【0007】の記載を、訂正事項1による特許請求の範囲の訂正に伴い、整合性を図るための訂正であるから、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。

(3)小括
訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とし、訂正事項2は、同条同項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

2 特許法第126条第5項(新規事項の有無)について
(1)訂正事項1について
ア 訂正後発明1の「前記複数種類の処理のうち、プログラム記憶手段における所定アドレス範囲内の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域内処理を実行する領域内処理実行手段と、前記複数種類の処理のうち、前記プログラム記憶手段における前記所定アドレス範囲の外部のアドレス範囲の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域外処理を実行する領域外処理実行手段と、」に関して、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲、明細書又は図面(以下「本件明細書等」という。)には、以下の記載がある。
「【0240】 図31は主側ROM73におけるプログラム及びデータの設定態様を説明するための説明図である。主側MPU72にて実行される制御が特定制御と非特定制御とで区別されていることに対応させて、図31に示すように、主側ROM73においても特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータと、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータとが記憶されているエリアのアドレスが明確に区別されている。具体的には、アドレスX(1)?X(k+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに特定制御用のプログラムが集約して記憶されている。また、アドレスX(1)?X(k+2)に連続するアドレスX(k+3)?X(k+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(k+6)?X(m+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに特定制御用のデータが集約して記憶されている。また、アドレスX(k+6)?X(m+2)に連続するアドレスX(m+3)?X(m+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(m+6)?X(n+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに非特定制御用のプログラムが集約して記憶されている。また、アドレスX(m+6)?X(n+2)に連続するアドレスX(n+3)?X(n+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(n+6)?X(p+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに非特定制御用のデータが集約して記憶されている。なお、上記のようなプログラム及びデータとアドレスとの関係は、主側ROM73における物理アドレス及び主側MPU72において認識されるメモリマップ上の論理アドレスの両方において設定されている。」
以上の記載から、本件明細書等の「アドレスX(1)?X(k+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリア」が訂正後発明1の「プログラム記憶手段における所定アドレス範囲の記憶領域」に対応し、同じく「アドレスX(1)?X(k+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに」「集約して記憶されている」「特定制御用のプログラム」が訂正後発明1の「プログラム記憶手段における所定アドレス範囲内の記憶領域に記憶されているプログラム」に対応し、同じく「特定制御」が訂正後発明1の「領域内処理」に対応するといえる。そして、本件明細書等において、「特定制御」が主側MPU72で実行されるのが明らかであるから、訂正後発明1の「領域内処理を実行する領域内処理実行手段」も本件明細書等に記載されているといえる。
また、本件明細書等の「アドレスX(m+6)?X(n+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリア」は、「アドレスX(1)?X(k+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリア」(所定アドレス範囲)の外部のアドレス範囲の記憶領域であるといえるから、訂正後発明1の「前記プログラム記憶手段における前記所定アドレス範囲の外部のアドレス範囲の記憶領域」に対応する。
また、本件明細書等の「アドレスX(m+6)?X(n+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに」「集約して記憶されている」「非特定制御用のプログラム」が訂正後発明1の「前記プログラム記憶手段における前記所定アドレス範囲の外部のアドレス範囲の記憶領域に記憶されているプログラム」に対応し、同じく「非特定制御」が訂正後発明1の「領域外処理」に対応するといえる。そして、本件明細書等において、「非特定制御」が主側MPU72で実行されるのが明らかであるから、訂正後発明1の「領域外処理を実行する領域外処理実行手段」も本件明細書等に記載されているといえる。
そうすると、訂正後発明1の「前記複数種類の処理のうち、プログラム記憶手段における所定アドレス範囲内の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域内処理を実行する領域内処理実行手段と、前記複数種類の処理のうち、前記プログラム記憶手段における前記所定アドレス範囲の外部のアドレス範囲の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域外処理を実行する領域外処理実行手段と、」が本件明細書等に記載されていることは明らかである。

イ 訂正後発明1の「前記領域内処理及び前記領域外処理を実行可能な特定処理を実行する手段」及び「前記特定処理が実行されている状況において割込み条件が成立したことに基づいて割込み処理が開始された場合には前記領域内処理が実行される構成であり、」に関して、本件明細書等には、以下の記載がある。
「【0089】
<主側MPU72の通常処理>
次に、主側MPU72にて実行される通常処理について図10のフローチャートに基づき説明する。
【0090】
まず次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い(ステップS301)、その後に表示クリア処理を実行する(ステップS302)。表示クリア処理では、前回のゲームで所定の表示が行われるように特別表示部67が表示制御されている場合、その所定の表示が消去されるようにする。これにより、特別表示部67は何も表示さていない消灯状態となる。
【0091】
その後、開始待ち処理を実行する(ステップS303)。図11は開始待ち処理を示すフローチャートである。開始待ち処理では、前回のゲームでいずれかのリプレイ入賞が発生している場合(ステップS401:YES)、前回のゲームにおけるベット数と同数の遊技媒体がベットされた状態とするための自動投入処理を行う(ステップS402)。具体的には、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたベットカウンタの値を、前回のゲームにおけるベット数に対応する値に設定する。ベットカウンタは、各ゲームにおける遊技媒体のベット数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
・・・略・・・
【0095】
開始待ち処理では、投入メダル検出センサ45a,45bに対する不正を監視するための第1非特定制御処理を実行する(ステップS412)。当該第1非特定制御処理の処理内容については後に詳細に説明する。
・・・略・・・
【0097】
開始待ち処理では、リセットボタン56に対する不正を監視するための第2非特定制御処理を実行する(ステップS416)。当該第2非特定制御処理の処理内容については後に詳細に説明する。
・・・略・・・
【0098】
通常処理(図10)の説明に戻り、ステップS303の開始待ち処理の実行後、メダルのベット数が規定数(本実施形態では「3」)に達しているか否かを判定し(ステップ304)、ベット数が規定数に達していない場合には開始待ち処理(ステップS303)に戻る。ベット数が規定数に達している場合にはスタートレバー41が操作されたか否かを判定する(ステップS305)。スタートレバー41が操作されていない場合には、開始待ち処理(ステップS303)に戻る。一方、スタートレバー41が操作された場合には、メインラインMLを有効化させた後に、既に説明した受付禁止処理を実行する(ステップS306)。これにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45a,45bにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。その後、今回のゲームにおける役の抽選を行うための抽選処理を実行し(ステップS307)、各リール32L,32M,32Rを今回の抽選処理(ステップS307)の結果に対応した態様で駆動制御するためのリール制御処理を実行する(ステップS308)。
【0099】
その後、メダル払出処理を実行する(ステップS309)。メダル払出処理では、今回のゲームにおいて小役入賞が成立している場合に、当該小役入賞に対応した枚数のメダル又は仮想メダルを遊技者に付与するための処理を実行する。具体的には、仮想メダルを付与する場合にはクレジットカウンタに今回の小役入賞に対応した値を加算し、クレジットカウンタの値が上限貯留数に達している場合にはその上限貯留数を超えた数分のメダルがメダル受け皿59に払い出されるようにホッパ装置53を駆動制御する。
【0100】
その後、今回のゲームの結果に対応する遊技状態の設定を可能とするための遊技終了時の対応処理を実行する(ステップS310)。そして、既に説明した受付許可処理を実行する(ステップS311)。これにより、メダル投入口45から投入されたメダルは、投入メダル検出センサ45a,45bにて検出された後にホッパ装置53にて回収される。」

「【0239】
<特定制御と非特定制御との区別について>
次に、主側MPU72にて実行される特定制御と非特定制御との違いについて説明する。本スロットマシン10では主側MPU72にて実行される各種制御のうち、一部の不正監視に関する制御が非特定制御とされ、それ以外の不正監視に関する制御及び遊技者による遊技操作に基づき遊技を進行させるための制御を含めて非特定制御以外の制御が特定制御とされている。特定制御について詳細には、主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に実行されるメイン処理(図8)による制御、及び定期的に実行されるタイマ割込み処理(図9)による制御は特定制御に含まれている。また、開始待ち処理(図11)にて実行される第1非特定制御処理及び第2非特定制御処理及びリール制御処理(図19)にて実行される第3非特定制御処理を除く、通常処理(図10)による制御、例えばスタートレバー41の操作に基づき実行される役の抽選処理、リール32L,32M,32Rの駆動制御及び全てのリール32L,32M,32Rが回転した場合における特典の付与制御は特定制御に含まれている。」

「【0247】
次に、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して主側MPU72にて実行される第1非特定制御処理及び第2非特定制御処理について説明する。まず第1非特定制御処理について説明する。」

以上の記載から、本件明細書等の「通常処理」が訂正後発明1の特定処理に対応し、同じく「タイマ割込み処理」が訂正後発明1の「割込み処理」に対応する。そして、本件明細書等には、通常処理(特定処理)に対してタイマ割込み処理(割込み処理)が割り込んで開始されることが記載されているとともに、通常処理(特定処理)に、特定制御(領域内処理)及び非特定制御(領域外処理)が含まれることが本件明細書等に記載されていることは明らかである。
してみると、訂正後発明1の「前記領域内処理及び前記領域外処理を実行可能な特定処理を実行する手段」及び「前記特定処理が実行されている状況において割込み条件が成立したことに基づいて割込み処理が開始された場合には前記領域内処理が実行される構成であり、」は、本件明細書等に記載されている。

ウ 請求項2は、請求項1の記載を引用して記載されており、前記請求項1についての訂正により、請求項2についても訂正されることとなるところ、請求項2についての訂正も、同様である。

エ したがって、訂正事項1は、本件明細書等の記載に基づくものであって、本件明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてされたものである。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の段落【0007】について、訂正事項1と同様の訂正をしたものである。
したがって、訂正事項2は、訂正事項1と同様の理由により、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。

(3)小括
訂正事項1及び2は、特許法第126条第5項の規定に適合する。

3 特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であって、本件特許の特許請求の範囲、明細書又は図面の記載に接した当業者ならば、訂正前発明1を訂正後発明1のとおり理解したことは当然である。
したがって、請求項1についての訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。
また、請求項2は、請求項1の記載を引用して記載されており、前記請求項1についての訂正により、請求項2についても訂正されることとなるところ、請求項2についての訂正が、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもないことは、明らかである。

(2)訂正事項2について
訂正事項2は、特許請求の範囲の請求項1に対応する明細書の段落【00007】について、訂正事項1と同様の訂正をしたものである。
したがって、訂正事項2の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張するものではなく、かつ、実質上特許請求の範囲を変更するものでもない。

(3)小括
訂正事項1及び2は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

4 特許法第126条第7項について
訂正前発明1と同様、訂正後発明1が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。

5 一群の請求項について
本件審判は、特許権全体に対して請求されたものであり、請求項ごとに請求されたものではないから、一群の請求項に関する特許法第126条第3項及び第4項の規定に適合するか否かの検討を要しない。

第3 むすび
以上のとおりであるから、訂正事項1及び2は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第4項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、CPUなどの制御手段、ROMなどの読み出し専用の記憶手段及びRAMなどの読み書き両用の記憶手段などを備えている。制御手段は、読み書き両用の記憶手段への情報の書き込み及び当該記憶手段からの情報の読み出しを行いながら、読み出し専用の記憶手段から読み出したプログラムに従って処理を実行する。この処理の実行に際しては、制御手段に対してセンサなどからの情報の入力が行われるとともに、電動アクチュエータや発光素子などに対する制御手段からの情報の出力が行われる。なお、制御手段、読み出し専用の記憶手段及び読み書き両用の記憶手段などが1チップ化されたものも知られている。
【0003】
スロットマシンについて具体的には、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて役の抽選処理が実行される。また、役の抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が役の抽選処理における当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。当該特典の付与として、例えば遊技媒体が付与される(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-045989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記例示等のような遊技機においては各種制御を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【0006】
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、各種制御を好適に行うことが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく請求項1記載の発明は、複数種類の処理を実行し、処理の実行に際して内部記憶手段に情報を一時的に記憶させる制御手段を備え、
当該制御手段は、
前記複数種類の処理のうち、プログラム記憶手段における所定アドレス範囲内の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域内処理を実行する領域内処理実行手段と、
前記複数種類の処理のうち、前記プログラム記憶手段における前記所定アドレス範囲の外部のアドレス範囲の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域外処理を実行する領域外処理実行手段と、
前記領域内処理を開始する場合には前記内部記憶手段に記憶された情報を退避記憶手段に退避させることなく、前記領域外処理を開始する場合又は開始した後に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記退避記憶手段に退避させる退避実行手段と、
前記領域外処理を終了する場合又は終了した後に、前記退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させる復帰実行手段と、
前記領域内処理及び前記領域外処理を実行可能な特定処理を実行する手段と、
を備え、
前記特定処理が実行されている状況において割込み条件が成立したことに基づいて割込み処理が開始された場合には前記領域内処理が実行される構成であり、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記領域外処理を開始する場合には当該領域外処理を開始する前における前記領域内処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該領域外処理を終了して前記領域内処理に復帰する場合にはその復帰した領域内処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記領域外処理において前記割込み処理の実行が許可されないことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、各種制御を好適に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態におけるスロットマシンの正面図である。
【図2】前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。
【図3】各リールの図柄配列を示す図である。
【図4】表示窓から視認可能となる図柄と組合せラインとの関係を示す説明図である。
【図5】入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。
【図6】(a)?(i)各入賞が発生した場合の停止図柄の態様を説明するための説明図である。
【図7】スロットマシンの電気的構成図である。
【図8】主側MPUにて実行されるメイン処理を示すフローチャートである。
【図9】主側MPUにて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。
【図10】主側MPUにて実行される通常処理を示すフローチャートである。
【図11】主側MPUにて実行される開始待ち処理を示すフローチャートである。
【図12】主側MPUにて実行される抽選処理を示すフローチャートである。
【図13】通常モード用抽選テーブルの一例を示す図である。
【図14】通常モード用抽選テーブルが選択された場合におけるリールの停止順序と成立する入賞態様との関係を説明するための説明図である。
【図15】第1RTモード用抽選テーブルの一例を示す図である。
【図16】第1RTモード用抽選テーブルが選択された場合におけるリールの停止順序と成立する入賞態様との関係を説明するための説明図である。
【図17】第2RTモード用抽選テーブルの一例を示す図である。
【図18】第2RTモード用抽選テーブルが選択された場合におけるリールの停止順序と成立する入賞態様との関係を説明するための説明図である。
【図19】主側MPUにて実行されるリール制御処理を示すフローチャートである。
【図20】主側MPUにて実行される入賞判定処理を示すフローチャートである。
【図21】主側MPUにて実行される遊技終了時の対応処理を示すフローチャートである。
【図22】主側MPUにて実行されるART準備状態処理を示すフローチャートである。
【図23】主側MPUにて実行されるART状態処理を示すフローチャートである。
【図24】主側MPUにて実行されるART終了分岐処理を示すフローチャートである。
【図25】(a)特別表示部の正面図であり、(b)特別表示部の表示内容を説明するための説明図である。
【図26】(a),(b)画像表示装置における報知内容と特別表示部における表示内容との関係を説明するための説明図である。
【図27】主側MPUにて実行される報知制御処理を示すフローチャートである。
【図28】主側MPUにて実行される分岐対応の報知制御処理を示すフローチャートである。
【図29】演出側MPUにて実行される報知用処理を示すフローチャートである。
【図30】(a)?(d)特別表示部及び画像表示装置のそれぞれにおいて当選役との関係の報知が行われる様子を示すタイムチャートである。
【図31】主側ROMにおけるプログラム及びデータの設定態様を説明するための説明図である。
【図32】主側RAMにおける各エリアの設定態様を説明するための説明図である。
【図33】主側MPUにて実行される第1非特定制御処理を示すフローチャートである。
【図34】主側MPUにて実行される第2非特定制御処理を示すフローチャートである。
【図35】主側MPUにて実行される第3非特定制御処理を示すフローチャートである。
【図36】第2の実施形態における主側MPUにて実行される開始待ち処理を示すフローチャートである。
【図37】主側MPUにて実行される第1非特定制御処理を示すフローチャートである。
【図38】(a)第3の実施形態における主側MPUにて実行される開始待ち処理を示すフローチャートであり、(b)主側MPUにて実行されるリール制御処理を示すフローチャートである。
【図39】主側MPUにて実行される非特定制御の呼び出し処理を示すフローチャートである。
【図40】第4の実施形態における主側MPUにて実行される非特定制御の呼び出し処理を示すフローチャートである。
【図41】主側MPUにて実行される第1非特定制御処理を示すフローチャートである。
【図42】第5の実施形態における主側MPUにて実行される分岐対応の報知制御処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるスロットマシンに本発明を適用した場合の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図であり、図2はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図である。
【0011】
図2に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、複数の木製パネルが固定されることにより、全体として前方に開放された箱状に形成されている。
【0012】
筐体11の前面側には、前面扉12が取り付けられている。前面扉12はその左側部を回動軸として、筐体11の内部空間を開閉可能とするように筐体11に支持されている。なお、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置13によって開放不能に施錠状態とされており、この施錠状態は、キーシリンダ14への所定のキーによる解錠操作により解除される。
【0013】
前面扉12の中央部上寄りには、図1に示すように、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル20が設けられている。遊技パネル20には、縦長の3つの表示窓部21L,21M,21Rが横並びとなるように形成されている。表示窓部21L,21M,21Rは透明又は半透明な材質により形成されており、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。
【0014】
図2に示すように、筐体11は仕切り板によりその内部が上下2分割されており、仕切り板の上部にはリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状にそれぞれ形成された左リール32L、中リール32M及び右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リール32L,32M,32Rの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓部21L,21M,21Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓部21L,21M,21Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓部21L,21M,21Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
【0015】
これら各リール32L,32M,32Rは、それぞれが図示しないステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。
【0016】
図1に示すように、遊技パネル20の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。メダルがベットされているときにこのスタートレバー41が操作されると、各リール32L,32M,32Rが一斉に回転を始める。
【0017】
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるストップボタン42,43,44が設けられている。各ストップボタン42,43,44は停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓部21L,21M,21Rの直下にそれぞれ配置されている。各ストップボタン42,43,44は、左リール32Lが回転を開始してから所定時間が経過すると停止させることが可能な状態となる。
【0018】
なお、スタートレバー41の操作に基づき各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、各ストップボタン42,43,44の操作に基づき各リール32L,32M,32Rが回転を停止して、メダル付与及び遊技状態の管理といった各種処理の実行が完了するまでが、1回のゲーム(遊技回)に相当する。
【0019】
表示窓部21L,21M,21Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45から投入されたメダルは、図2に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ52によって、受付許可時であればホッパ装置53へ導かれ、受付禁止時であれば前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口58からメダル受け皿59へと導かれる。なお、ホッパ装置53は、有効ライン上に遊技媒体の付与に対応した入賞が成立した場合に、貯留タンクに貯留されたメダルを、メダル排出口58を通じてメダル受け皿59に払い出す機能を有している。
【0020】
メダル投入口45の下方には、図1に示すように、メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ52内に詰まった際に押される返却ボタン46が設けられている。また、表示窓部21L,21M,21Rの下方左側には、クレジットされた仮想メダルを一度にベット可能な最大分投入するための第1クレジット投入ボタン47と、仮想メダルを一度に2枚投入するための第2クレジット投入ボタン48と、仮想メダルを一度に1枚投入するための第3クレジット投入ボタン49とが設けられている。
【0021】
スタートレバー41の左側には、精算ボタン51が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算ボタン51を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口58から払い出されるようになっている。
【0022】
筐体11の内部においてホッパ装置53の左方には、図2に示すように、電源装置54が設けられている。電源装置54には、電源投入時や電源遮断時に操作される電源スイッチ55と、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのリセットボタン56と、スロットマシン10の設定状態を「設定1」から「設定6」の範囲で変更するために操作される設定キー挿入孔57とが設けられている。
【0023】
<各リール32L,32M,32Rに付されている図柄>
次に、各リール32L,32M,32Rに付されている図柄について説明する。
【0024】
図3には、左リール32L、中リール32M及び右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0?20まで付されているが、これら番号は主制御装置70が表示窓部21L,21M,21Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
【0025】
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの20番目)、「リプレイ1」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの15番目)、「リプレイ2」図柄(例えば、左リール32Lの11番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの10番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「リプレイ3」図柄(例えば、左リール32Lの6番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの5番目)の9種類がある。そして、図3に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
【0026】
図4は、表示窓部21L,21M,21Rの正面図である。各表示窓部21L,21M,21Rは、対応するリール32L,32M,32Rに付された21個の図柄のうち図柄全体が視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓部21L,21M,21Rを介して視認可能な状態となる。
【0027】
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rの図柄が視認可能となる位置を結ぶようにして、1本のメインラインMLが設定されている。メインラインMLは、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだラインである。規定数のメダルがベットされた状態で各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、当該メインラインML上に当選役に対応した入賞が成立した場合には、メダルの払い出しという利益、再遊技という利益及び遊技状態の移行のいずれかが付与される。
【0028】
つまり、本スロットマシン10では、入賞が成立し得るラインとして1本のメインラインMLのみが設定されている。そして、当該メインラインMLは一直線に延びるラインではなく、折り曲げラインとして設定されている。したがって、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL1と、左リール32Lの上段図柄、中リール32Mの上段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL2と、左リール32Lの中段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの中段図柄を結んだサブラインSL3と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの下段図柄及び右リール32Rの下段図柄を結んだサブラインSL4と、左リール32Lの下段図柄、中リール32Mの中段図柄及び右リール32Rの上段図柄を結んだサブラインSL5といった1直線に延びるライン上に、入賞対象となる図柄の組合せが成立したとしても、入賞は成立しない。
【0029】
以下、図5及び図6を参照しながら、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明する。図5は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を説明するための説明図であり、図6(a)?図6(i)は各入賞が発生した場合の停止図柄の態様を説明するための説明図である。
【0030】
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1?第12補填入賞、第1ベル入賞、第2ベル入賞、第1スイカ入賞及び第2スイカ入賞がある。
【0031】
詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかである場合、第1補填入賞?第9補填入賞のいずれかとなる。また、メインラインML上において左から「赤7」図柄、「ベル」図柄及び「ベル」図柄が停止した場合、第10補填入賞となり、メインラインMLにおいて左から「BAR」図柄、「ベル」図柄及び「ベル」図柄が停止した場合、第11補填入賞となり、メインラインMLにおいて左から「スイカ」図柄、「ベル」図柄及び「ベル」図柄が停止した場合、第12補填入賞となる。第1補填入賞?第12補填入賞のいずれかとなった場合、遊技媒体の付与対象数が「1」となる。
【0032】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「ベル」図柄である場合、第1ベル入賞となる。第1ベル入賞となった場合、遊技媒体の付与対象数が「4」となる。
【0033】
第1ベル入賞となる場合、図6(a)に示すように、下段のサブラインSL4において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。遊技者は、同一の図柄の組合せが一直線のライン上に停止表示されると入賞が成立したと認識し易い。この場合に、第1ベル入賞に際して同一の「ベル」図柄の組合せを停止表示させることにより、メインラインMLにおける入賞成立態様の多様化を図った構成において入賞の発生を遊技者に認識させ易くすることが可能となる。
【0034】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第2ベル入賞となる。第2ベル入賞となった場合、遊技媒体の付与対象数が「9」となる。
【0035】
第2ベル入賞となる場合、図6(b)に示すように、右上がりのサブラインSL5において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。これにより、第2ベル入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、第2ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL5であり、第1ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL4とは異なる。かかる相違により、遊技者に第1ベル入賞と第2ベル入賞とを区別させることが可能となる。
【0036】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「スイカ」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合、第1スイカ入賞となる。第1スイカ入賞となった場合、遊技媒体の付与対象数が「4」となる。
【0037】
第1スイカ入賞となる場合、図6(c)に示すように、右下がりのサブラインSL1において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「スイカ」図柄となり得る。これにより、第1スイカ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、左リール32Lの停止タイミングによっては「スイカ」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。なお、「チェリー」図柄が上段、中段又は下段を通過するタイミングで左リール32Lを停止操作する場合には、第1スイカ入賞に際して、サブラインSL1にて「スイカ」図柄の組合せが停止表示される。
【0038】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「BAR」図柄及び「赤7」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「スイカ」図柄である場合、第2スイカ入賞となる。第2スイカ入賞となった場合、遊技媒体の付与対象数が「4」となる。
【0039】
第2スイカ入賞となる場合、図6(d)に示すように、下段のサブラインSL4において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「スイカ」図柄となる。これにより、第2スイカ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、第2スイカ入賞に際して「スイカ」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL4であり、第1スイカ入賞に際して「スイカ」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL1とは異なる。かかる相違により、遊技者に第1スイカ入賞と第2スイカ入賞とを区別させることが可能となる。
【0040】
メダル(又は仮想メダル)をベットすることなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される入賞として、通常リプレイ入賞、ベルリプレイ入賞、第1チェリーリプレイ入賞、第2チェリーリプレイ入賞、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞がある。
【0041】
詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、通常リプレイ入賞となる。
【0042】
通常リプレイ入賞となる場合、図6(e)に示すように、中段のサブラインSL3において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかとなる。これにより、通常リプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。
【0043】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄、「BAR」図柄、「赤7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、ベルリプレイ入賞となる。
【0044】
ベルリプレイ入賞となる場合、図6(f)に示すように、上段のサブラインSL2において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「ベル」図柄となる。これにより、ベルリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。また、ベルリプレイ入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL2であり、第1ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL4及び第2ベル入賞に際して「ベル」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL5とは異なる。かかる相違により、遊技者にベルリプレイ入賞を第1ベル入賞及び第2ベル入賞に対して区別させることが可能となる。
【0045】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄、「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第1チェリーリプレイ入賞となる。
【0046】
第1チェリーリプレイ入賞となる場合、図6(g)に示すように、右下がりのサブラインSL1において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「チェリー」図柄となり得る。これにより、第1チェリーリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、左リール32L又は右リール32Rの停止タイミングによっては「チェリー」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。第1チェリーリプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置63にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「チェリー」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「チェリー」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42?44が停止操作されることにより、サブラインSL1において2個の「チェリー」図柄又は3個の「チェリー」図柄が停止表示され得る。
【0047】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「白7」図柄、「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第2チェリーリプレイ入賞となる。
【0048】
第2チェリーリプレイ入賞となる場合、図6(h)に示すように、上段のサブラインSL2において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「チェリー」図柄となり得る。これにより、第2チェリーリプレイ入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、各リール32L,32M,32Rの停止タイミングによっては「チェリー」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。第2チェリーリプレイ入賞に対応した役に当選した場合、前面扉12に設けられた画像表示装置63にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「チェリー」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「チェリー」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42?44が停止操作されることにより、サブラインSL2において2個の「チェリー」図柄又は3個の「チェリー」図柄が停止表示され得る。また、第2チェリーリプレイ入賞に際して「チェリー」図柄の組合せが停止表示されるラインはサブラインSL2であり、第1チェリーリプレイ入賞に際して「チェリー」図柄の組合せが停止表示されるサブラインSL1とは異なる。かかる相違により、遊技者に第1チェリーリプレイ入賞と第2チェリーリプレイ入賞とを区別させることが可能となる。
【0049】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかである場合、第1RTリプレイ入賞となる。ここで、第1RTリプレイ入賞となるか否かに関して、中リール32Mの停止図柄は任意であるため、例えば左リール32Lにおいて1番目の「リプレイ1」図柄がメインラインML上に停止表示されているとともに右リール32Rにおいて1番目の「リプレイ3」図柄がメインラインML上に停止表示されている状況で中リール32Mの4番目の「白7」図柄が上段に停止表示されると、「白7」図柄の組合せが一直線上に停止表示されることとなってしまう。そこで、第1RTリプレイ入賞となる場合、後述するリール制御処理において、一直線上に停止表示されている3個の図柄が全て同一図柄となる事象が発生しないように中リール32Mの停止制御が行われる。
【0050】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「白7」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「ベル」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかである場合、第2RTリプレイ入賞となる。第2RTリプレイ入賞となる場合、一直線上に停止表示されている3個の図柄が全て同一図柄となる事象が発生しない。
【0051】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかであり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「チェリー」図柄及び「スイカ」図柄のいずれかである場合、第1転落リプレイ入賞となる。第1転落リプレイ入賞となる場合、一直線上に停止表示されている3個の図柄が全て同一図柄となる事象が発生しない。
【0052】
メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「ベル」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「チェリー」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「リプレイ1」図柄、「リプレイ2」図柄及び「リプレイ3」図柄のいずれかである場合、第2転落リプレイ入賞となる。第2転落リプレイ入賞となる場合、一直線上に停止表示されている3個の図柄が全て同一図柄となる事象が発生しない。
【0053】
上記いずれかのリプレイ入賞となった場合、メダル及び仮想メダルの両方についてベットを不要としながら次ゲームの遊技を行うことが可能となる。具体的には、メダルを3枚ベットしたゲームにおいていずれかのリプレイ入賞となった場合、メダル及び仮想メダルの両方についてベットを不要としながら、3枚ベット状態で次ゲームの遊技を開始することが可能となる。
【0054】
また、上記各種リプレイ入賞のうち、第1RTリプレイ入賞、第2RTリプレイ入賞、第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞は、リプレイ入賞の特典の付与契機となるだけではなく遊技状態の移行契機となる。本スロットマシン10では役の抽選処理において抽選対象となる役の種類及び各役の当選確率が相違するように複数種類の遊技状態が設定されており、これら遊技状態間の移行は遊技状態の移行契機となるリプレイ入賞が成立した場合に発生する。各遊技状態の内容及び各遊技状態への移行条件については後に詳細に説明する。
【0055】
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞として、BB(ビッグボーナス)入賞がある。詳細には、メインラインML上において左リール32Lの停止図柄が「スイカ」図柄であり、中リール32Mの停止図柄が「赤7」図柄であり、右リール32Rの停止図柄が「赤7」図柄である場合、BB入賞となる。BB入賞が成立した場合には、遊技状態がBB状態に移行する。
【0056】
BB状態とは、後述する通常モードであって非AT状態である場合(この状態を通常遊技状態ともいう)よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の付与期待枚数が高くなる遊技状態である。さらにいうと、BB状態とは、当該BB状態以外のいずれの遊技状態よりも単位ゲーム数あたりの遊技媒体の付与期待数が高くなる遊技状態である。具体的には、第2ベル入賞の成立を可能とさせる役に他の遊技状態の場合よりも高い確率(例えば約1/1.1)で当選するとともに、当該役に当選した場合には各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの回転位置に対するストップボタン42?44の停止操作タイミングとは無関係に第2ベル入賞が成立することとなる。BB状態は、複数ゲームに亘って継続し、ゲームの実行内容に応じた事象の発生に基づき終了条件が成立した場合に終了する。当該終了条件は任意であるが、本スロットマシン10ではBB状態が開始されてから付与された遊技媒体の合計数が終了基準数(例えば「350」)以上となることが終了条件として設定されている。
【0057】
BB入賞となる場合、図6(i)に示すように、右下がりのサブラインSL1において各リール32L,32M,32Rの停止図柄が全て「赤7」図柄となり得る。これにより、BB入賞となったことを遊技者に認識させ易くなる。但し、各リール32L,32M,32Rの停止タイミングによっては「赤7」図柄の組合せが一直線上に停止表示されない。BB入賞に対応した役に当選した場合、その当選したゲームにおいて又はその当選したゲーム以降であってBB役に当選した状態が持ち越されたゲームにおいて、前面扉12に設けられた画像表示装置63にて、チャンス報知として各リール32L,32M,32Rにおいて「赤7」図柄を停止表示させようとする動機付けとなる演出が実行される。当該演出を確認して「赤7」図柄を停止表示させようとして各ストップボタン42?44が停止操作されることにより、サブラインSL1において3個の「赤7」図柄が停止表示され得る。
【0058】
<各種報知及び各種演出を実行するための装置>
次に、各種報知及び各種演出を実行するための装置について説明する。
【0059】
前面扉12の上部には、図1に示すように、上部ランプ61及びスピーカ62が設けられているとともに画像表示装置63が設けられている。上部ランプ61は、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した態様で発光制御されるとともに、入賞結果に応じた態様で発光制御される。また、上部ランプ61は、画像表示装置63における表示演出に対応した発光演出が行われるように発光制御される。スピーカ62は左右一対として設けられており、スロットマシン10において異常が発生した場合に当該異常に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御されるとともに、入賞結果に対応した音又は音声が出力されるように音出力制御される。また、スピーカ62は、画像表示装置63における表示演出に対応した音出力演出が行われるように音出力制御される。
【0060】
画像表示装置63は表示面を有しており、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されているが、液晶表示装置に限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。スロットマシン10において異常が発生した場合には当該異常に対応した画像が当該表示面にて表示されるように表示制御される。また、画像表示装置63は、内部抽選における役の当選結果及び各ゲームにおける入賞結果に対応した画像が表示面にて表示されるように表示制御される。
【0061】
前面扉12の遊技パネル20には、表示窓部21L,21M,21Rの下方の位置に、貯留記憶された仮想メダルの数を表示するクレジット表示部65と、小役入賞時に付与対象となった遊技媒体数を表示する付与数表示部66と、画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合にその報知される内容に対応した表示が行われる特別表示部67とがそれぞれ設けられている。これら表示部65?67は7セグメント表示器によって構成されており、各セグメントには緑色などの単色発光タイプのLEDが用いられている。但し、これに限定されることはなく、表示部65?67の一部又は全部が、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。
【0062】
<各種制御装置>
スロットマシン10には、各種制御装置が設けられている。具体的には、図2に示すように、リールユニット31の上方には、主制御装置70が設けられている。当該主制御装置70は、筐体11の背板に取り付けられている。主制御装置70は、主制御基板71が基板ボックスに収容されて構成されている。基板ボックスを開放する場合には、締結状態を解除する必要があり、当該締結状態の解除に際して破壊箇所が生じることとなる。当該破壊箇所の有無を確認することで、基板ボックスが開放されたか否かを簡易的に確認することが可能となる。
【0063】
スロットマシン10には、主制御装置70以外にも演出制御装置80が設けられている。演出制御装置80は、前面扉12において画像表示装置63の後方に重ねて配置されている。演出制御装置80は、主制御装置70から受信したコマンドに基づき、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63の制御を実行する。なお、演出制御装置80は、主制御装置70と同様に、基板ボックス内に制御基板が収容されてなる。
【0064】
<スロットマシン10の電気的構成>
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図7のブロック図に基づいて説明する。
【0065】
主制御装置70は、遊技の主たる制御を司る主制御基板71を具備している。主制御基板71には、MPU72が搭載されている。MPU72には、当該MPU72により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM73と、そのROM73内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM74と、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路75と、割込回路、データ入出力回路、乱数発回路などが内蔵されている。なお、MPU72に対してROM73及びRAM74が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
【0066】
MPU72には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU72の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップボタン42,43,44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a,43a,44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a,45b、各クレジット投入ボタン47,48,49の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ47a,48a,49a、精算ボタン51の操作を検出する精算検出センサ51a、ホッパ装置53の払出検出センサ、リセットボタン56の操作を検出するリセット検出センサ56a、設定キー挿入孔57に設定キーが挿入されたことを検出する設定キー検出センサ57a等の各種センサが接続されており、これら各センサからの信号はMPU72に入力される。
【0067】
ちなみに、投入メダル検出センサ45a,45bは、メダル投入口45から投入されたメダルがホッパ装置53に誘導される場合に通過する誘導通路において当該誘導通路の通路方向に2個並設させて設けられている。つまり、投入メダル検出センサ45a,45bとして、上記誘導通路の上流側に設けられた第1投入メダル検出センサ45aと、当該第1投入メダル検出センサ45aよりも上記誘導通路の下流側に設けられた第2投入メダル検出センサ45bとを備えている。第1投入メダル検出センサ45aがON状態であって第2投入メダル検出センサ45bがOFF状態である状態となった後に、第1投入メダル検出センサ45a及び第2投入メダル検出センサ45bの両方がON状態となり、さらに第1投入メダル検出センサ45aがOFF状態であって第2投入メダル検出センサ45bがON状態である状態となることで、1枚のメダルが投入されたことがMPU72にて特定される。なお、上記一連のサイクルが終了して第1投入メダル検出センサ45a及び第2投入メダル検出センサ45bの両方がOFF状態となるよりも前に新たなメダルが第1投入メダル検出センサ45aにて検出されることがないように、上記誘導通路が形成されている。
【0068】
MPU72の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ52に設けられたセレクタ駆動部52a、ホッパ装置53の払出モータ、特別表示部67及び演出制御装置80等が接続されている。各ゲームにおいてはリールユニット31の各リール32L,32M,32Rの回転駆動制御がMPU72により行われる。既に説明したとおりセレクタ52は、メダル投入口45から投入されたメダルを、受付許可時であれば投入メダル検出センサ45a,45bにて検出させた後にホッパ装置53へ導き、受付禁止時であれば投入メダル検出センサ45a,45bにて検出させることなくメダル受け皿59へ排出する機能を有する。セレクタ駆動部52aはセレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換えるための機能を有しており、具体的にはセレクタ52に設けられた通路切換片を受付許可用の位置と受付禁止用の位置との間で動作させる。MPU72はセレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力状態及び停止状態を切り換えることにより、セレクタ52の状態を受付許可状態と受付禁止状態との間で切り換える。
【0069】
また、MPU72は、小役入賞が成立してメダルの払い出しを実行する場合にはホッパ装置53の駆動制御を実行する。また、MPU72は、各ゲームの各タイミングで演出制御装置80にコマンドを送信するとともに、画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序を報知させるためのコマンドを演出制御装置80に送信する場合にはその報知させる内容に対応した表示が行われるように特別表示部67の表示制御を実行する。この場合、画像表示装置63の直接的な表示制御は演出制御装置80により行われるのに対して、特別表示部67の直接的な表示制御はMPU72により行われる。つまり、相対的に複雑な表示制御の実行対象となる画像表示装置63については演出制御装置80において直接的な表示制御が実行され、相対的に簡素な表示制御の実行対象となる特別表示部67についてはMPU72において直接的な表示制御が実行される。これにより、MPU72の処理負荷の軽減を図りながら、演出への注目度の向上を重視した表示と、信頼性を重視した表示との両方を行うことが可能となる。
【0070】
MPU72の入力側には、電源装置54に設けられた停電監視回路が接続されている(図示略)。電源装置54には、主制御装置70をはじめとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部及び停電監視回路が搭載されており、停電監視回路は、外部電源から電源部に印加されている電圧を監視し、当該電圧が基準電圧以下となった場合にMPU72に停電信号を出力する。MPU72は、停電信号を受信することにより停電時処理を実行し、復電後において停電前の処理状態への復帰を可能とする。また、電源装置54には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電断中電力としてバックアップ電力をRAM74に供給するための電断中電源部が設けられている。これにより、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況であっても、電断中電源部においてバックアップ電力を供給可能な状況(例えば1日や2日)ではRAM74においてデータが記憶保持される。但し、電源装置54に設けられたリセットボタン56を押圧操作した状態でスロットマシン10の電源のON操作を行うことで、RAM74に記憶保持されているデータは初期化される。
【0071】
演出制御装置80は、各種報知や各種演出の実行制御を実行するためのサブ制御基板81を具備している。サブ制御基板81には、MPU82が搭載されている。MPU82には、当該MPU82により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM83、及びそのROM83内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM84が内蔵されているとともに、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路、割込回路、データ入出力回路及び乱数発回路などが内蔵されている。
【0072】
なお、MPU82に対してROM83及びRAM84が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。また、RAM84には、外部電源からの動作電力の供給が遮断されている状況において電源装置54の電断中電源部からバックアップ電力が供給されないが、RAM84に対してバックアップ電力が供給される構成としてもよい。
【0073】
MPU82には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU82の入力側には、既に説明したとおり主制御装置70のMPU72が接続されており、当該MPU72から各種コマンドを受信する。MPU82の出力側には、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63が接続されている。MPU82は、主制御装置70のMPU72から受信したコマンドに基づき、上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御、及び画像表示装置63の表示制御を実行することで、各種報知や各種演出が行われるようにする。なお、以下の説明では説明の便宜上、主制御装置70のMPU72、ROM73及びRAM74をそれぞれ主側MPU72、主側ROM73及び主側RAM74といい、演出制御装置80のMPU82、ROM83及びRAM84をそれぞれ演出側MPU82、演出側ROM83及び演出側RAM84という。
【0074】
<主側MPU72のメイン処理>
次に、主側MPU72により実行される処理について説明する。まず、主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に当該主側MPU72において起動されるメイン処理について図8のフローチャートを参照しながら説明する。
【0075】
メイン処理ではまず初期化処理を実行する(ステップS101)。初期化処理では、タイマ割込み処理による割込みを許可し、さらに主側MPU72内のレジスタ群及びI/O装置等に対する各種の初期設定を行う。
【0076】
初期化処理が終了した後は設定キーが設定キー挿入孔57に挿入されてON操作が行われているか否かを判定する(ステップS102)。ON操作が行われている場合には(ステップS102:YES)、電源スイッチ55のON操作に際してリセットボタン56がON操作されていないのであれば(ステップS103:NO)、一部クリア処理を実行し(ステップS104)、電源スイッチ55のON操作に際してリセットボタン56がON操作されているのであれば(ステップS103:YES)、全部クリア処理を実行する(ステップS105)。つまり、主側RAM74を初期化するための操作が行われることなくスロットマシン10の設定値の変更が行われる場合には一部クリア処理が実行され、主側RAM74を初期化するための操作が行われた場合には全部クリア処理が実行される。
【0077】
一部クリア処理では主側RAM74における一部のエリアを初期化し、全部クリア処理では主側RAM74における全部のエリアを初期化する。一部クリア処理では、主側RAM74においてBB状態であるか否かを示すデータが記憶されたエリア、BB状態における遊技媒体の合計付与数を示すデータが記憶されたエリア、AT状態であるか否かを示すデータが記憶されたエリア、AT状態の終了条件を特定するためのデータが記憶されたエリア、及び後述する抽選モードの種類を示すデータが記憶されたエリアを除く、主側RAM74の各エリアを「0」クリアする。この場合、当選役が記憶されたエリアは「0」クリアされる。全部クリア処理では、一部クリア処理において「0」クリアの実行対象外とされるエリアを含めて主側RAM74の全エリアを「0」クリアする。これにより、一部クリア処理が実行されたとしてもBB状態、AT状態及び抽選モードは電源遮断前の状態に維持され、全部クリア処理が実行された場合には電源遮断前の状態とは無関係に通常遊技状態となる。
【0078】
なお、上記構成に限定されることはなく、BB状態で電源が遮断された場合において一部クリア処理が実行された場合にはBB状態ではない状態となる構成としてもよく、AT状態で電源が遮断された場合において一部クリア処理が実行された場合にはAT状態ではない状態となる構成としてもよく、後述する第1RTモード又は第2RTモードで電源が遮断された場合において一部クリア処理が実行された場合にはそれらRTモードではない状態となる構成としてもよい。また、一部クリア処理が実行されたとしても、BB役に当選したことを示すデータが記憶されたエリアが「0」クリアされない構成としてもよい。
【0079】
ステップS104又はステップS105の処理を実行した後は、当選確率設定処理を実行する(ステップS106)。当選確率設定処理では、設定キーが挿入されてON操作されていることを条件として現在の設定値を読み込むとともに、遊技パネル20に設けられた特別表示部67に現在の設定値を表示する。特別表示部67は画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合にそれに対応する報知を実行するための表示部であり、設定変更に際しての設定値の表示用として兼用される。なお、当選確率設定処理の直前において主側RAM74における設定値のデータを記憶するためのエリアは確実に初期化されているため、特別表示部67に表示される設定値は「設定1」に対応する「1」である。当選確率設定処理では、リセットボタン56が操作される度に設定値を1更新するとともに、その更新後の設定値を特別表示部67に表示する。なお、設定値が「設定6」である状況でリセットボタン56が操作された場合には設定値は「設定1」に更新される。スタートレバー41が操作された後に設定キーのON操作が解除された場合に当選確率設定処理を終了する。この場合、特別表示部67における設定値の表示が終了される。当選確率設定処理を実行した後は、通常処理に移行する(ステップS108)。通常処理については後に詳細に説明する。
【0080】
メイン処理において設定キーのON操作が行われていない場合(ステップS102:NO)、ステップS108以降の復電処理を実行する。復電処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させるための処理である。
【0081】
復電処理では、主側RAM74を確認することでスロットマシン10の設定値が正常か否かを判定する(ステップS108)。具体的には、設定値が「設定1」?「設定6」のいずれかである場合に正常であると判定し、「0」又は「7」以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、停電フラグに「1」がセットされているか否かを確認する(ステップS109)。停電フラグは主側RAM74に設けられており、主側MPU72への動作電力の供給が停止される場合において予め定められた停電時処理が正常に実行された場合には当該停電フラグに「1」がセットされることとなる。停電フラグに「1」がセットされている場合には、RAM判定値が正常であるか否かを確認する(ステップS110)。具体的には、主側RAM74のチェックサム値を調べ、その値が正常であるか否かを確認する。
【0082】
ステップS108?ステップS110の全てにおいて肯定判定をした場合には、前回の電断時における停電時処理が正常に実行されたことを意味する。この場合、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに保存されたスタックポインタの値を主側MPU72のスタックポインタに書き込み、主側RAM74における後述する特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させることで、主側MPU72のレジスタの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる(ステップS111)。また、主側RAM74の停電フラグを「0」クリアする(ステップS112)。その後、復電処理の実行を認識させるための復電コマンドを演出側MPU82に送信した後に(ステップS113)、電源遮断前の番地に戻る(ステップS114)。
【0083】
一方、ステップS108?ステップS110のいずれかで否定判定をした場合には動作禁止処理を実行する。動作禁止処理では、次回のタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止し(ステップS115)、主側MPU72の全ての出力ポートを「0」クリアすることにより当該出力ポートに接続された全てのアクチュエータをOFF状態とし(ステップS116)、ホール管理者等にエラーの発生を報知するためのエラー報知処理を実行する(ステップS117)。そして、無限ループとなる。当該動作禁止処理は、全部クリア処理(ステップS105)が実行されることにより解除される。
【0084】
<主側MPU72のタイマ割込み処理>
次に、主側MPU72にて実行されるタイマ割込み処理について、図9のフローチャートを参照しながら説明する。なお、タイマ割込み処理は、例えば1.49msecごとに起動される。
【0085】
レジスタ退避処理(ステップS201)では、後述する通常処理で使用している主側MPU72内の全レジスタの値を主側RAM74における後述する特定制御用のスタックエリア74bに退避させる。ステップS202では停電フラグに「1」がセットされているか否かを確認し、停電フラグに「1」がセットされているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
【0086】
停電フラグは、電源装置54の停電監視回路からの停電信号が主側MPU72に入力された場合にセットされる。停電時処理では、まずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、主側MPU72のスタックポインタの値を主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに保存する。その後、主側MPU72の出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時に主側RAM74のデータが正常か否かを判定するための判定値を算出して当該主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに保存し、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。
【0087】
ステップS202にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、主側MPU72自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれのステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入力ポートに接続された各種センサの状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、異常報知を解除するための解除操作が行われているか否かを監視し、異常報知を解除するための解除操作が行われていることを特定した場合には異常報知を解除するための異常報知解除コマンドを演出側MPU82に送信する。これにより、いずれの種類の異常報知が行われている状況であってもその異常報知が解除される。なお、キーシリンダ14に対して所定の錠操作が行われている状況においてリセットボタン56が押圧操作されることで、異常報知を解除するための解除操作が行われたことになる。
【0088】
ステップS209では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS210では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部へ出力するカウンタ処理を行う。ステップS211では、各種コマンドを演出側MPU82へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS212では、入出力ポートからI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS213では、先のステップS201にて主側RAM74における後述する特定制御用のスタックエリア74bに退避させた各レジスタの値をそれぞれ主側MPU72内の対応するレジスタに復帰させる。その後、ステップS214にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
【0089】
<主側MPU72の通常処理>
次に、主側MPU72にて実行される通常処理について図10のフローチャートに基づき説明する。
【0090】
まず次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い(ステップS301)、その後に表示クリア処理を実行する(ステップS302)。表示クリア処理では、前回のゲームで所定の表示が行われるように特別表示部67が表示制御されている場合、その所定の表示が消去されるようにする。これにより、特別表示部67は何も表示さていない消灯状態となる。
【0091】
その後、開始待ち処理を実行する(ステップS303)。図11は開始待ち処理を示すフローチャートである。開始待ち処理では、前回のゲームでいずれかのリプレイ入賞が発生している場合(ステップS401:YES)、前回のゲームにおけるベット数と同数の遊技媒体がベットされた状態とするための自動投入処理を行う(ステップS402)。具体的には、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたベットカウンタの値を、前回のゲームにおけるベット数に対応する値に設定する。ベットカウンタは、各ゲームにおける遊技媒体のベット数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
【0092】
開始待ち処理では、投入メダル検出センサ45a,45bにて既に説明したような正規の順序でメダルを検出している場合(ステップS403:YES)、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたベットカウンタの値が最大規定数である「3」以上でなければ(ステップS404:NO)、そのベットカウンタの値を1加算し(ステップS405)、ベットカウンタの値が最大規定数である「3」以上であれば(ステップS404:YES)、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたクレジットカウンタの値を1加算する(ステップS406)。クレジットカウンタは、貯留記憶されている仮想メダルの数を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。なお、自動投入処理(ステップS402)が実行されている場合、本スロットマシン10においてはベットカウンタの値が最大規定数以上となっているため、正規の順序でメダルが検知された場合には(ステップS403:YES)、クレジットカウンタの値が1加算される。
【0093】
開始待ち処理では、いずれかのクレジット投入ボタン47?49が操作されている場合(ステップS407:YES)、その操作に対応するベット数が設定されるようにするためのクレジット投入の対応処理を実行する(ステップS408)。クレジット投入の対応処理では、第1クレジット投入ボタン47が操作されている場合にはその時点でベット可能な最大分の遊技媒体がベットされた状態となるようにし、第2クレジット投入ボタン48又は第3クレジット投入ボタン49が操作された場合にはそれに対応するベット状態となるようにする。この場合、仮想メダルがそのベットに際して使用された場合にはそのベットされた仮想メダルの数分の値が上記クレジットカウンタから減算される。また、操作されたクレジット投入ボタン47?49に対応するベット数に設定するために必要な数の仮想メダルが貯留記憶されていない場合には、貯留記憶されている仮想メダルとの関係でベット可能な最大分の遊技媒体がベットされた状態となる。なお、自動投入処理(ステップS402)が実行されている場合、クレジット投入ボタン47?49の操作は無効化される。
【0094】
開始待ち処理では、ベットカウンタの値が最大規定数以上であってクレジットカウンタの値が上限貯留数(具体的には「50」)以上である場合(ステップS409:YES)、受付禁止処理を実行する(ステップS410)。受付禁止処理では、セレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力を停止することでセレクタ52を受付禁止状態に設定する。これにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45a,45bにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。なお、既に受付禁止状態である場合にはその状態を維持させる。一方、ベットカウンタの値が最大規定数未満である場合又はクレジットカウンタの値が上限貯留数未満である場合(ステップS409:NO)、受付許可処理を実行する(ステップS411)。受付許可処理では、セレクタ駆動部52aへの駆動信号の出力を開始することでセレクタ52を受付許可状態に設定する。これにより、メダル投入口45から投入されたメダルは、投入メダル検出センサ45a,45bにて検出された後にホッパ装置53にて回収される。なお、既に受付許可状態である場合にはその状態を維持させる。
【0095】
開始待ち処理では、投入メダル検出センサ45a,45bに対する不正を監視するための第1非特定制御処理を実行する(ステップS412)。当該第1非特定制御処理の処理内容については後に詳細に説明する。
【0096】
開始待ち処理では、精算ボタン51が操作されている場合であって(ステップS413:YES)、自動投入処理(ステップS402)が実行されていない場合(ステップS414:NO)、ベットカウンタ及びクレジットカウンタの合計数に対応するメダルがメダル排出口58を介してメダル受け皿59に排出されるようにするためにホッパ装置53を駆動制御する(ステップS415)。これにより、内部的に貯留された遊技媒体が実際のメダルとして遊技者に払い出されることとなる。
【0097】
開始待ち処理では、リセットボタン56に対する不正を監視するための第2非特定制御処理を実行する(ステップS416)。当該第2非特定制御処理の処理内容については後に詳細に説明する。
【0098】
通常処理(図10)の説明に戻り、ステップS303の開始待ち処理の実行後、メダルのベット数が規定数(本実施形態では「3」)に達しているか否かを判定し(ステップ304)、ベット数が規定数に達していない場合には開始待ち処理(ステップS303)に戻る。ベット数が規定数に達している場合にはスタートレバー41が操作されたか否かを判定する(ステップS305)。スタートレバー41が操作されていない場合には、開始待ち処理(ステップS303)に戻る。一方、スタートレバー41が操作された場合には、メインラインMLを有効化させた後に、既に説明した受付禁止処理を実行する(ステップS306)。これにより、メダル投入口45にメダルが投入されたとしても、当該メダルは投入メダル検出センサ45a,45bにて検出されることなくメダル受け皿59へ排出される。その後、今回のゲームにおける役の抽選を行うための抽選処理を実行し(ステップS307)、各リール32L,32M,32Rを今回の抽選処理(ステップS307)の結果に対応した態様で駆動制御するためのリール制御処理を実行する(ステップS308)。
【0099】
その後、メダル払出処理を実行する(ステップS309)。メダル払出処理では、今回のゲームにおいて小役入賞が成立している場合に、当該小役入賞に対応した枚数のメダル又は仮想メダルを遊技者に付与するための処理を実行する。具体的には、仮想メダルを付与する場合にはクレジットカウンタに今回の小役入賞に対応した値を加算し、クレジットカウンタの値が上限貯留数に達している場合にはその上限貯留数を超えた数分のメダルがメダル受け皿59に払い出されるようにホッパ装置53を駆動制御する。
【0100】
その後、今回のゲームの結果に対応する遊技状態の設定を可能とするための遊技終了時の対応処理を実行する(ステップS310)。そして、既に説明した受付許可処理を実行する(ステップS311)。これにより、メダル投入口45から投入されたメダルは、投入メダル検出センサ45a,45bにて検出された後にホッパ装置53にて回収される。
【0101】
通常処理(図10)のステップS307にて実行される抽選処理について、図12のフローチャートを参照しながら説明する。
【0102】
まず役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する(ステップS501)。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0?65535の乱数を生成しており、主側MPU72は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値を主側RAM74に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
【0103】
乱数を取得した後、役の当否判定を行うための抽選テーブルを主側ROM73における後述する特定制御用のデータから読み出す(ステップS502)。ここで、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔57に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて抽選処理を実行させるのかを設定することができる。なお、「設定n」よりも「設定n+1」の方が遊技者にとって有利な当選確率となる。また、同一の段階の設定値であっても主側MPU72において抽選テーブルが相違する抽選モードとして、通常モードと、第1RTモードと、第2RTモードとの3種類が存在している。また、遊技状態として、これら各抽選モードの状態とは別にBB状態が存在している。ステップS502では、現状の設定値と、現状の遊技状態との組合せに対応する抽選テーブルを選択する。
【0104】
「設定3」である場合を例に挙げて、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのそれぞれに対応する抽選テーブルについて説明する。まず通常モードである場合に選択される通常モード用抽選テーブルについて説明する。図13は通常モード用抽選テーブルを説明するための説明図である。なお、以下の説明では図14の説明図を適宜参照する。
【0105】
通常モード用抽選テーブルには、図13に示すように、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。ポイント値PVは、対応する抽選役の当選確率をフリーランカウンタの最大値(「65535」)との関係で定めるものである。
【0106】
具体的には、インデックス値IV=1には、第2ベル当選データと、第1補填当選データと、第5補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=1で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞、第5補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42?44の操作タイミングによっては、第1補填入賞、第5補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
【0107】
本スロットマシン10においてはストップボタン42?44が操作されてから最大4図柄分まで滑らせることが可能なリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。換言すれば、ストップボタン42?44が操作されてから規定時間(190msec)が経過するまでに停止させるリール制御が各リール32L,32M,32Rについて行われる。このようなリール制御が行われることにより、当選している役に対応した入賞を成立させ易くすることが可能となるとともに、当選していない役に対応した入賞が成立してしまうことを回避することが可能となる。但し、滑らせることが可能なリール32L,32M,32Rの回転量が上記のように制限されているため、一のリール32L,32M,32Rにおいて、入賞を成立させるための図柄の組合せを構成する構成図柄間に5図柄以上が存在していると、対応するストップボタン42?44の操作タイミングによっては当該構成図柄がメインラインML上に停止しないことが起こり得る(当該事象を所謂「取りこぼし」ともいう)。第1?第12補填入賞、第1?第2スイカ入賞及びBB入賞は、当該取りこぼしが発生し得る入賞態様である。
【0108】
インデックス値IV=2には、図13に示すように、第2ベル当選データと、第2補填当選データと、第4補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=2で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2補填入賞、第4補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42?44の操作タイミングによっては、第2補填入賞、第4補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
【0109】
インデックス値IV=3には、図13に示すように、第2ベル当選データと、第2補填当選データと、第6補填当選データと、第7補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=3で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2補填入賞、第6補填入賞及び第7補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42?44の操作タイミングによっては、第2補填入賞、第6補填入賞及び第7補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
【0110】
インデックス値IV=4には、図13に示すように、第2ベル当選データと、第3補填当選データと、第5補填当選データと、第7補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=4で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2ベル入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第3補填入賞、第5補填入賞及び第7補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42?44の操作タイミングによっては、第3補填入賞、第5補填入賞及び第7補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
【0111】
インデックス値IV=5には、図13に示すように、第1ベル当選データと、第1補填当選データと、第3補填当選データと、第4補填当選データと、第5補填当選データと、第8補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=5で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が中リール32Mである場合に第1ベル入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞、第3補填入賞、第4補填入賞、第5補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42?44の操作タイミングによっては、第1補填入賞、第3補填入賞、第4補填入賞、第5補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。この取りこぼしが発生する確率は、インデックス値IV=1?4の場合よりも低い。
【0112】
インデックス値IV=6には、図13に示すように、第1ベル当選データと、第1補填当選データと、第2補填当選データと、第4補填当選データと、第6補填当選データと、第8補填当選データと、第9補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=6で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が右リール32Rである場合に第1ベル入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1補填入賞、第2補填入賞、第4補填入賞、第6補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42?44の操作タイミングによっては、第1補填入賞、第2補填入賞、第4補填入賞、第6補填入賞、第8補填入賞及び第9補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。この取りこぼしが発生する確率は、インデックス値IV=1?4の場合よりも低い。
【0113】
インデックス値IV=7には、図13に示すように、第1スイカ当選データと、第2スイカ当選データと、第10補填当選データと、第11補填当選データと、第12補填当選データとが設定されている。インデックス値IV=7で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が左リール32Lである場合に第1スイカ入賞又は第2スイカ入賞が成立し得る。但し、各ストップボタン42?44の操作タイミングによっては、第1スイカ入賞及び第2スイカ入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。また、第1停止が中リール32M又は右リール32Rである場合には、第10補填入賞、第11補填入賞及び第12補填入賞のいずれかが発生し得る。但し、各ストップボタン42?44の操作タイミングによっては、第10補填入賞、第11補填入賞及び第12補填入賞のいずれの入賞も発生しない可能性がある。
【0114】
インデックス値IV=8には、図13に示すように、ベルリプレイ当選データが設定されている。インデックス値IV=8で当選となった場合、図14に示すように、各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なくベルリプレイ入賞が確実に発生する。
【0115】
インデックス値IV=9には、図13に示すように、第1チェリーリプレイ当選データが設定されている。インデックス値IV=9で当選となった場合、図14に示すように、各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく第1チェリーリプレイ入賞が確実に発生する。
【0116】
インデックス値IV=10には、図13に示すように、第2チェリーリプレイ当選データが設定されている。インデックス値IV=10で当選となった場合、図14に示すように、各リール32L,32M,32Rの停止順序及び各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく第2チェリーリプレイ入賞が確実に発生する。
【0117】
インデックス値IV=11には、図13に示すように、BB当選データが設定されている。インデックス値IV=11で当選となった場合、図14に示すように、各リール32L,32M,32Rの停止順序に関係なくBB入賞が発生し得る。但し、各ストップボタン42?44の操作タイミングよっては、BB入賞が発生しない可能性がある。ここで、BB当選データ以外の当選データは入賞が成立したか否かに関係なく当選となったゲームにて消去され、当選となったゲームの次以降のゲームには持ち越されない。これに対して、BB当選データは、主側RAM74のクリアが行われる場合を除き、当選となったゲームの次以降のゲームであってもBB入賞が成立するまで記憶保持される。この場合に、BB当選データが持ち越されている状態のゲームにおいてはBB当選データに対応するインデックス値IV値は抽選対象から除外される。これにより、BB当選データが既に記憶保持されているにも関わらずBB当選データが新たに記憶されてしまわないようにすることが可能となり、複数のBB当選データが累積して記憶されてしまわないようにすることが可能となる。
【0118】
インデックス値IV=12?15には、図13に示すように、通常リプレイ当選データと、第1RTリプレイ当選データとが設定されている。この場合、インデックス値IV=12で当選となった場合、図14に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に第1RTリプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に第1RTリプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に第1RTリプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に第1RTリプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。
【0119】
図13の通常モード用抽選テーブルが選択される場合、インデックス値IV=1の際に当選となる確率、インデックス値IV=2の際に当選となる確率、インデックス値IV=3の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=4の際に当選となる確率は、それぞれ約1/9.3であり、インデックス値IV=5の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=6の際に当選となる確率は、それぞれ約1/12.9であり、インデックス値IV=7の際に当選となる確率は約1/66.8であり、インデックス値IV=8の際に当選となる確率は約1/122であり、インデックス値IV=9の際に当選となる確率は約1/212であり、インデックス値IV=10の際に当選となる確率は約1/423であり、インデックス値IV=11の際に当選となる確率は約1/218であり、インデックス値IV=12の際に当選となる確率、インデックス値IV=13の際に当選となる確率、インデックス値IV=14の際に当選となる確率、及びインデックス値IV=15の際に当選となる確率は、それぞれ約1/28.0である。
【0120】
ここで、通常モード用抽選テーブルには、既に説明したとおり、インデックス値IV=12?15の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第1RTリプレイ当選データが設定されている(図13参照)。これらインデックス値IV=12?15のいずれかに当選する確率は約1/7.0である。そして、インデックス値IV=12?15のいずれかで当選となった場合、リール32L,32M,32Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に第1RTリプレイ入賞が成立し、抽選モードが通常モードから第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、抽選処理(図12)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
【0121】
次に、「設定3」であって第1RTモードである場合に選択される第1RTモード用抽選テーブルについて説明する。図15及び図16は第1RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
【0122】
第1RTモード用抽選テーブルにおいては、図15に示すように、インデックス値IV=1?11のそれぞれに設定されている当選役データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図13)と同一となっている。この場合、インデックス値IV=1?7には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1?7のそれぞれに設定されている当選役データ及び各当選確率が同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード及び第1RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。また、インデックス値IV=11には通常モード用抽選テーブルと同様にBB当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード及び第1RTモードにおいてBB役に当選する確率は同一となっている。
【0123】
インデックス値IV=12以降に設定されている当選役データは、通常モードと相違している。詳細には、第1RTモード用抽選テーブルにおいては、図15に示すように、インデックス値IV=12?15の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に第2RTリプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=12?15のいずれかに当選する確率は約1/10.1である。インデックス値IV=12で当選となった場合、図16に示すように、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に第2RTリプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第1RTモードにおいてインデックス値IV=12?15のいずれかで当選となり、リール32L,32M,32Rの第1停止、第2停止及び第3停止の停止順序が当選となった役に対応する停止順序となった場合に、第2RTリプレイ入賞が成立して抽選モードが第1RTモードから第2RTモードに移行する。第2RTモードに移行した場合、抽選処理(図12)において参照される抽選テーブルは第2RTモード用抽選テーブルとなる。
【0124】
第1RTモード用抽選テーブルには、図15に示すように、インデックス値IV=16?21の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第1転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=16?21のいずれかに当選する確率は約1/10.9である。
【0125】
第1RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=16で当選となった場合、図16に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=17で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=18で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=19で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=20で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=21で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第1転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが通常モードに移行する。通常モードに移行した場合、抽選処理(図12)において参照される抽選テーブルは通常モード用抽選テーブルとなる。
【0126】
第1RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=22に通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=22において当選となる確率は他の役に当選する確率よりも高く設定されており、具体的には約1/6.7で当選となる。そして、このインデックス値IV=22で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの停止操作タイミングとは無関係に通常リプレイ入賞が成立することとなる。
【0127】
第1RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=8?10及び12?22にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第1RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(以下、リプレイ確率ともいう)は、約1/2.8となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/6.3となっている。つまり、第1RTモードは通常モードよりもリプレイ確率が高い遊技状態となっている。
【0128】
次に、「設定3」であって第2RTモードである場合に選択される第2RTモード用抽選テーブルについて説明する。図17及び図18は第2RTモード用抽選テーブルを説明するための説明図である。
【0129】
第2RTモード用抽選テーブルにおいては、図17に示すように、インデックス値IV=1?11のそれぞれに設定されている当選役データ及び各インデックス値IVの当選確率が、通常モード用抽選テーブル(図13)及び第1RTモード用抽選テーブル(図15)と同一となっている。この場合、インデックス値IV=1?7には遊技媒体の付与を可能とする役が設定されており、当該インデックス値IV=1?7のそれぞれに設定されている当選役データ及び各当選確率が同一となっていることにより、遊技媒体の付与を可能とする役の種類及びそれらの役の当選確率は通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのそれぞれにおいて相互に同一となっている。また、インデックス値IV=11には通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同様にBB当選データが設定されており、その当選確率は通常モード用抽選テーブル及び第1RTモード用抽選テーブルと同一となっている。つまり、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードにおいてBB役に当選する確率は同一となっている。
【0130】
インデックス値IV=12以降に設定されている当選役データは、通常モード及び第1RTモードと相違している。詳細には、第2RTモード用抽選テーブルにおいては、図17に示すように、インデックス値IV=12?17の当選データとして、通常リプレイ当選データ以外に、第2転落リプレイ当選データが設定されている。これらインデックス値IV=12?17のいずれかに当選する確率は約1/5.5である。
【0131】
第2RTモード用抽選テーブルにおいてインデックス値IV=12で当選となった場合、図18に示すように、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=13で当選となった場合、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=14で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が右リール32Rである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=15で当選となった場合、第1停止が中リール32Mであり、第2停止が右リール32Rであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=16で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が左リール32Lであり、第3停止が中リール32Mである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。また、インデックス値IV=17で当選となった場合、第1停止が右リール32Rであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が左リール32Lである場合に通常リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生し、それ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が各ストップボタン42?44の操作タイミングに関係なく確実に発生する。第2転落リプレイ入賞が成立した場合、抽選モードが第1RTモードに移行する。第1RTモードに移行した場合、抽選処理(図12)において参照される抽選テーブルは第1RTモード用抽選テーブルとなる。
【0132】
第2RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=18に通常リプレイ当選データのみが設定されている。インデックス値IV=18において当選となる確率は他の役に当選する確率よりも高く設定されており、具体的には約1/6.3で当選となる。そして、このインデックス値IV=18で当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序及び各リール32L,32M,32Rの停止操作タイミングとは無関係に通常リプレイ入賞が成立することとなる。
【0133】
第2RTモード用抽選テーブルにはインデックス値IV=8?10及び12?18にリプレイ入賞の成立を可能とさせる役が設定されている。そして、これら役の当選確率が既に説明したような確率に設定されていることにより、第2RTモードにおいてリプレイ入賞の成立を可能とさせる役の当選確率(以下、リプレイ確率ともいう)は、約1/2.8となっている。これに対して、通常モードにおけるリプレイ確率は約1/6.3となっている。つまり、第2RTモードは通常モードよりもリプレイ確率が高い遊技状態となっている。一方、第1RTモードにおけるリプレイ確率は約1/2.8となっている。つまり、第2RTモードはリプレイ確率が第1RTモードと同一となっている。但し、第1RTモードにおけるリプレイ確率が第2RTモードにおけるリプレイ確率と同一である構成に限定されることはなく、例えば第1RTモードと第2RTモードとでリプレイ確率が若干相違しているものの略同一である構成としてもよく、第2RTモードの方が第1RTモードよりもリプレイ確率が高い構成としてもよく、第1RTモードの方が第2RTモードよりもリプレイ確率が高い構成としてもよい。
【0134】
なお、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブルは「設定1」?「設定6」のそれぞれに1対1で対応させて設定されており、設定値が高いほどBB役の当選確率が高くなる構成となっているが、各抽選モードにおいて設定されているリプレイ確率はいずれの設定値であっても同一又は略同一となっている。また、BB役に当選している状況であればBB役に重複して当選しないように、通常モード、第1RTモード及び第2RTモードのいずれであったとしてもBB役が抽選対象から除外される。また、主側ROM73には、通常モード用抽選テーブル、第1RTモード用抽選テーブル及び第2RTモード用抽選テーブル以外にもBB状態である場合に抽選処理(図12)にて参照されるBB用抽選テーブルが記憶されている。BB用抽選テーブルにおいては、抽選対象の役として、第2ベル役、第1スイカ役の2種類のみが設定されており、第2ベル役の当選確率は約1/1.1に設定され、第1スイカ役の当選確率は約1/50に設定されている。これにより、BB状態においては単位ゲーム数あたりにおける遊技媒体の付与期待数が他の遊技状態よりも高くなる。
【0135】
抽選処理(図12)の説明に戻り、抽選テーブルを選択した後(ステップS502)、インデックス値IVを「1」とし(ステップS503)、役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する(ステップS504)。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS501にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである「1」と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
【0136】
その後、インデックス値IVと対応する役の当否判定を行う(ステップS505)。役の当否判定では判定値DVが「65535」を超えたか否かを判定する。「65535」を超えた場合には、そのときのインデックス値IVと対応する当選役のデータを主側RAM74にセットするための当選データの取得処理を実行する(ステップS506)。当選データの取得処理では、参照対象となっている抽選テーブルにおいて今回のインデックス値IVに対して設定されている当選データの全てが主側RAM74にセットされる。当該当選データがセットされた状態は、その当選データがBB当選データ以外の当選データであれば当該当選データに対応した入賞成立の有無に関係なく今回のゲームの終了後に「0」クリアされ、BB当選データであれば入賞が成立した場合に「0」クリアされる。
【0137】
判定値DVが「65535」を超えなかった場合には(ステップS505:NO)、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはインデックス値IVを1加算し(ステップS507)、インデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する(ステップS508)。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS504に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS504では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS505では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
【0138】
ステップS506の処理を実行した場合、又はステップS508にて否定判定をした場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。この場合には、リール停止制御用の停止情報を設定する停止情報第1設定処理を実行した後に(ステップS509)、演出内容の決定処理を実行する(ステップS510)。演出内容の決定処理では、今回のゲームにおいて上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63において実行する演出の大枠の内容を決定するための処理を実行する。当該大枠の内容として、BB状態又は後述するAT状態が発生することの期待度が徐々に低くなるように高期待度内容と中期待度内容と低期待度内容とが設定されている。演出内容の決定処理では所定ゲーム数以内にAT状態に移行するか否かという条件と、今回のゲームにおいて当選となっている役という条件との組合せに対応する抽選テーブルを利用して、演出の大枠の内容を抽選により決定する。
【0139】
BB状態及びAT状態ではない状況について具体的には、所定ゲーム数以内にAT状態に移行することが決定されている状況においてBB役に当選した場合には98%の確率で高期待度内容が選択されるとともに2%の確率で中期待度内容が選択され、所定ゲーム数以内にAT状態に移行することが決定されている状況においてBB役に当選しなかった場合には80%の確率で高期待度内容が選択されるとともに20%の確率で中期待度内容が選択され、所定ゲーム数以内にAT状態に移行することが決定されていない状況においてBB役に当選した場合には70%の確率で高期待度内容が選択されるとともに各15%の確率で中期待度内容及び低期待度内容が選択され、所定ゲーム数以内にAT状態に移行することが決定されていない状況であってBB役に当選していない状況においてインデックス値IV=7?10のいずれかに当選している場合には30%の確率で高期待度内容が選択されるとともに各35%の確率で中期待度内容及び低期待度内容が選択され、所定ゲーム数以内にAT状態に移行することが決定されていない状況であってBB役に当選していない状況においてインデックス値IV=7?10のいずれにも当選していない場合には80%の確率で低期待度内容が選択されるとともに20%の確率で中期待度内容が選択される。
【0140】
演出内容の決定処理において決定された大枠の内容に対応する情報はゲーム開始コマンドに設定され、そのゲーム開始コマンドは演出側MPU82への送信対象としてセットされる(ステップS511)。ゲーム開始コマンドとは、新たなゲームが開始されたことを演出側MPU82に認識させるためのコマンドであって、主側MPU72にて決定された演出の大枠の内容を演出側MPU82に認識させるためのコマンドであり、タイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。
【0141】
演出側MPU82は、ゲーム開始コマンドを受信した場合、後述する報知用処理(図29)におけるその他の処理(ステップS1409)にて、今回のゲームにおける演出の大枠の内容を当該ゲーム開始コマンドから把握し、その把握した演出の大枠の内容に応じた態様で演出の細部の内容を抽選により決定する。そして、その決定した演出の内容に対応するデータテーブルを演出側ROM83から演出側RAM84に読み出し、その読み出したデータテーブルに従って上部ランプ61の発光制御、スピーカ62の音出力制御及び画像表示装置63の表示制御を実行する。
【0142】
ここで、主側MPU72における演出内容の決定処理では全ての遊技状態において、インデックス値IV=1?6のいずれで当選となったとしても同一の態様で演出内容の抽選処理が実行されるとともに、インデックス値IV=12以降のいずれで当選となったとしても同一の態様で演出内容の抽選処理が実行される。そして、特別表示部67においてリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が実行される場合を除き、インデックス値IV=1?6及びインデックス値IV=12以降のいずれかに当選している場合においてその個別のインデックス値IVを特定可能とする情報が、主側MPU72から演出側MPU82に送信されない。これにより、特別表示部67においてリール32L,32M,32Rの停止順序の報知が実行されていないにも関わらず、演出側MPU82により直接的に制御される画像表示装置63などの演出実行手段においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されてしまわないようにすることが可能となる。
【0143】
その後、報知制御処理を実行する(ステップS512)。報知制御処理では、詳細は後述するが、特別表示部67の表示制御を行うための処理を実行するとともに、特別表示部67における表示内容に対応する報知が画像表示装置63にて実行されるようにするための処理を実行する。
【0144】
次に、通常処理(図10)のステップS308にて実行されるリール制御処理について、図19のフローチャートを参照しながら説明する。
【0145】
リール制御処理では、まず各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う(ステップS601)。回転開始処理では、前回のゲームで役の抽選処理(図12)の結果に対応するリール32L,32M,32Rの回転が開始された時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回のゲームのためのウエイト時間を再設定するとともに、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットする。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理(図9)におけるステップS206のステッピングモータ制御処理にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、主側MPU72は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、各ストップボタン42?44の図示しないランプを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
【0146】
回転開始処理に続き、投入メダル検出センサ45a,45bに対する不正を監視するための第3非特定制御処理を実行する(ステップS602)。当該第3非特定制御処理の処理内容については後に詳細に説明する。その後、ストップボタン42?44のいずれかが操作されたか否かを判定する(ステップS603)。いずれのストップボタン42?44も操作されていない場合には、ストップボタン42?44のいずれかが操作されるまでステップS602の第3非特定制御処理を実行する。ストップボタン42?44のいずれかが操作されたと判定した場合には、回転中のリールと対応するストップボタンが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する(ステップS604)。停止指令が発生していない場合には、ステップS602に戻り、ストップボタン42?44のいずれかが操作されるまでステップS602の第3非特定制御処理を実行する。停止指令が発生した場合には、停止指令コマンドをセットする(ステップS605)。
【0147】
停止指令コマンドとは、いずれかのストップボタン42?44が操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく演出側MPU82に送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS606?ステップS612に示す停止制御処理を行う。
【0148】
停止制御処理では、ストップボタン42?44が操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する(ステップS606)。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。その後、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する(ステップS607)。
【0149】
本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップボタン42?44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS607では、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに格納されている停止情報に基づいてスベリ数として「0」?「4」のいずれかの値を算出する。
【0150】
その後、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する(ステップS608)。そして、今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し(ステップS609)、等しくなった場合にはリールの回転を停止させるリール停止処理を行う(ステップS610)。その後、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する(ステップS611)。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、停止情報第2設定処理を行い(ステップS612)、ステップS602に戻る。
【0151】
ここで、停止情報とは、各リール32L,32M,32Rの停止態様を、抽選処理(図12)の結果に対応したものとするための情報であり、当該停止情報を利用することにより、各ストップボタン42?44が停止操作された場合に基点位置に到達している到達図柄に対するスベリ数(具体的には「0」?「4」)を算出することが可能となる。当該停止情報としては、各図柄とスベリ数との対応関係を示すスベリ数データが、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応させて主側ROM73に予め記憶されている。但し、これに限定されることはなく、各抽選結果及び各リール32L,32M,32Rの停止順序に対応するスベリ数データを、リール32L,32M,32Rの回転中などに導出する構成としてもよい。
【0152】
上記停止情報を設定するための処理として、抽選処理(図12)のステップS509にて実行される停止情報第1設定処理と、リール制御処理(図19)のステップS612にて実行される停止情報第2設定処理とが存在している。停止情報第1設定処理では、抽選処理結果に応じて停止情報を設定する。停止情報第2設定処理では、停止情報第1設定処理又は前回の停止情報第2設定処理にて主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選データと、リール32L,32M,32Rの停止順序と、停止しているリール32L,32M,32Rの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。
【0153】
ステップS611にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS613にて入賞判定処理を実行した後に、入賞結果コマンドを演出側MPU82への出力対象としてセットする(ステップS614)。入賞結果コマンドには、今回の入賞成立の有無を示すデータが含まれているとともに、入賞が成立している場合にはその入賞の種類を示すデータが含まれている。
【0154】
図20は入賞判定処理を示すフローチャートである。入賞判定処理では、まず左リール32LにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類と、中リール32MにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類と、右リール32RにおいてメインラインML上に停止している図柄の種類と、を把握する(ステップS701?ステップS703)。ここで、各リール32L,32M,32Rのそれぞれに対しては対応するリール32L,32M,32Rが1周したことを検出するためのインデックスセンサが設けられている。主側MPU72はインデックスセンサから非検出信号を受信している状態から検出信号を受信している状態に変更された場合にそのインデックスセンサに対応するリール32L,32M,32Rが基準位置に復帰したことを特定する。また、各リール32L,32M,32Rを回転駆動させるための駆動手段として既に説明したとおりステッピングモータが用いられているが、主側MPU72は上記基準位置に復帰したと特定してからのステッピングモータへの駆動信号の出力数(すなわちステッピングモータのステップ数)を利用して各リール32L,32M,32Rの回転位置を特定する。なお、この出力数は主側MPU72のレジスタ又は主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに記憶される。
【0155】
ステップS701?ステップS703では、それぞれのリール32L,32M,32Rについて上記基準位置に復帰したと特定してからのステッピングモータへの駆動信号の出力数を利用して回転位置を特定し、その特定した回転位置からメインラインML上に停止表示されている図柄の種類を特定する。そして、各リール32L,32M,32RにおいてメインラインML上に停止表示されている各図柄について、図柄の種類毎に設定されている2バイトデータを主側ROM73から読み出す。その後、図柄組合せの論理演算処理として、ステップS701?ステップS703にて把握した各2バイトデータを同一の順番のビット同士でAND処理することで、図柄の組合せに対応した2バイトデータを導出する(ステップS704)。
【0156】
その後、ステップS704において導出した2バイトデータがいずれかの入賞データに対応しているか否かを判定する(ステップS705)。ステップS705にて肯定判定をした場合には、その入賞データが今回のゲームの開始時に抽選処理(図12)にて選択された当選役と対応しているか否かを判定する(ステップS706)。当選役と対応している場合(ステップS706:YES)、入賞対応処理を実行する(ステップS707)。入賞対応処理では、その入賞が小役入賞であればメダル払出処理においてメダル又は仮想メダルの付与を可能とするように払出対象となるメダルの数を主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられた払出対象カウンタにセットする。一方、その入賞がリプレイ入賞であれば、次回の開始待ち処理(図11)にて自動投入処理(ステップS402)が実行されるようにするためのフラグ設定処理を実行する。
【0157】
一方、当選役と対応していない場合には(ステップS706:NO)、異常報知コマンドを演出側MPU82への出力対象としてセットする(ステップS708)。演出側MPU82は、当該異常報知コマンドを受信することにより、不正入賞に対応した異常報知をスピーカ62及び画像表示装置63により実行する。その後、ステップS709にて動作禁止処理を実行した後に、無限ループとなることで遊技の進行を停止させる。動作禁止処理では、次回のタイマ割込み処理を禁止し、主側MPU72の全ての出力ポートを「0」クリアすることにより当該出力ポートに接続された全てのアクチュエータをOFF状態とする。この動作禁止状態は、全部クリア処理(ステップS105)が実行されることにより解除される。
【0158】
次に、通常処理(図10)のステップS310にて実行される遊技終了時の対応処理について図21のフローチャートを参照しながら説明する。
【0159】
遊技終了時の対応処理では、BB役の当選状態又はBB状態である場合(ステップS801:YES)、BB用処理を実行する(ステップS802)。BB用処理では、BB役に当選している状態であれば今回のゲームにおいてBB入賞が発生したか否かを判定し、BB入賞が発生しているのであれば主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたBB状態フラグに「1」をセットすることで、遊技状態をBB状態に移行させる。これにより、次回以降のゲームにおける抽選処理(図12)ではBB用抽選テーブルが参照されることとなる。また、BB状態に移行したことを示すコマンドを演出側MPU82に送信することで、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63においてBB状態用の演出を開始させる。なお、BB状態に移行させた場合に主側RAM74からBB当選データを消去することで、BB役に当選した状態を解除する。
【0160】
BB状態におけるBB用処理では、今回のゲームにおいて遊技媒体の付与が発生したか否かを判定し、遊技媒体の付与が発生している場合には主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられた合計付与数カウンタに今回のゲームにおいて付与された遊技媒体の数を加算する。そして、その加算後における合計付与数カウンタの値が終了基準数に対応する値以上であるか否かを判定する。終了基準数に対応する値未満であればそのままBB用処理を終了する。終了基準数に対応する値以上であれば、主側RAM74のBB状態フラグを「0」クリアすることでBB状態を終了させる。また、BB状態が終了したことを示すコマンドを演出側MPU82に送信することで、上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63におけるBB状態用の演出を終了させる。
【0161】
なお、BB状態が終了した場合、BB状態の開始前における抽選モードがいずれのモードであったとしても抽選モードは通常モードとなる。また、AT状態においてBB状態が開始された場合、BB状態の開始前における状態に関係なくBB状態の終了後には後述するART準備状態処理が実行される状態となる。ちなみに、AT状態においてBB状態に移行した場合には、ART状態の実行回を1回増加させるべく、後述する残ART実行カウンタの値が1加算される。
【0162】
BB役の当選状態及びBB状態のいずれでもなく(ステップS801:NO)、さらにAT状態ではない場合(ステップS803:NO)、RTモードの移行処理(ステップS804)、移行チャンス管理処理(ステップS805)及びゲーム数解除管理処理(ステップS806)を実行する。なお、BB状態及びAT状態のいずれでもない状態におけるゲームにおいて中リール32M又は右リール32Rが最初に停止された場合、左リール32Lから停止すべきことを示す報知が実行されるものの、その後のゲームにおいて利益の付与を制限するようなペナルティは付与されない。
【0163】
RTモードの移行処理では、今回のゲームにおいて第1RTリプレイ入賞が発生していることを特定した場合には第1RTモードに移行させ、今回のゲームにおいて第2RTリプレイ入賞が発生していることを特定した場合には第2RTモードに移行させる。また、RTモードの移行処理では、今回のゲームにおいて第2転落リプレイ入賞が発生していることを特定した場合には第1RTモードに移行させ、今回のゲームにおいて第1転落リプレイ入賞が発生していることを特定した場合には通常モードに移行させる。
【0164】
移行チャンス管理処理(ステップS805)では、今回のゲームが通常モードであって役の抽選処理(図12)にてインデックス値IV=7?10のいずれかにて当選となったか否かを判定する。通常モードにおいてインデックス値IV=7?10のいずれかにて当選となっている場合、AT状態への移行抽選処理を実行する。AT状態への移行抽選処理は、BB役の当選状態、BB状態及びAT状態のいずれでもない状況であって主側MPU72の抽選モードが通常モードである場合に実行される。AT状態への移行抽選処理では、インデックス値IV=7?10のそれぞれに対応したAT移行抽選テーブルを主側ROM73における後述する特定制御用のデータから読み出すとともに、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aにおいて定期的(例えば2msec周期)に更新される抽選用カウンタの値を読み出し、抽選用カウンタの値を上記AT移行抽選テーブルに対して照合する。AT移行抽選テーブルは、インデックス値IV=7で当選となった場合には5%の確率でAT移行当選となり、インデックス値IV=8で当選となった場合には10%の確率でAT移行当選となり、インデックス値IV=9で当選となった場合には15%の確率でAT移行当選となり、インデックス値IV=10で当選となった場合には20%の確率でAT移行当選となるように設定されている。
【0165】
AT状態への移行抽選処理にてAT移行当選となった場合、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたAT状態カウンタに「1」をセットする。AT状態カウンタは、主側MPU72にてAT状態であるか否かを特定するとともにAT状態である場合にはAT状態の滞在モードを特定するためのカウンタである。非AT状態である場合はAT状態カウンタの値が「0」であり、AT状態である場合にはAT状態カウンタの値が1以上である。AT状態カウンタに「1」がセットされることにより、遊技終了時の対応処理における次回の処理回では、後述するART準備状態処理(ステップS808)を実行することとなる。
【0166】
また、AT状態への移行抽選処理にてAT移行当選となった場合、AT状態の実行回の抽選処理を実行する。AT状態が開始される場合、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたARTゲーム数カウンタに1実行回の継続ゲーム数がセットされ、ARTゲーム数カウンタの値が「0」となった場合にその1実行回が終了する。AT状態の実行回の抽選処理では、その実行回の回数を抽選により決定する。AT状態の実行回の抽選処理では、実行回抽選テーブルを主側ROM73における後述する特定制御用のデータから読み出すとともに、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aにおいて定期的(例えば2msec周期)に更新される抽選用カウンタの値を読み出し、抽選用カウンタの値を上記実行回抽選テーブルに対して照合する。実行回抽選テーブルは、1回の実行回が50%の確率で選択され、2回の実行回が30%の確率で選択され、3回の実行回が15%の確率で選択され、5回の実行回が5%の確率で選択されるように設定されている。AT状態の実行回の抽選処理にて選択された実行回の値は、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられた残ART実行カウンタにセットされる。ARTゲーム数カウンタはART状態の1実行回における残りの継続ゲーム数を主側MPU72にて特定するためのカウンタであり、残ART実行カウンタはART状態の残りの実行回を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
【0167】
なお、AT状態への移行抽選処理にてAT移行当選となった場合にはそのゲームでAT状態への移行が行われる構成に限定されることはなく、AT状態への移行抽選処理にてAT移行当選となった場合には所定の前兆ゲーム数(例えば32ゲーム)が消化された後に、AT状態への移行が行われる構成としてもよい。この場合、前兆ゲーム数の計測が行われている状況における各ゲームにおいてAT状態への移行を遊技者に期待させることが可能な演出を上部ランプ61、スピーカ62及び画像表示装置63にて実行することで遊技者の期待感を好適に高めることが可能となる。
【0168】
ゲーム数解除管理処理(ステップS806)では、AT状態が前回終了する場合に設定された解除ゲーム数分のゲームがAT状態への新たな移行が発生することなく消化された場合にAT状態に移行させるための処理を実行する。つまり、1ゲームが終了する度に解除ゲーム数の値を1減算し、残りの解除ゲーム数の値が「0」となった場合には主側RAM74のAT状態カウンタに「1」をセットする。これにより、遊技終了時の対応処理における次回の処理回では、後述するART準備状態処理(ステップS808)を実行することとなる。また、AT状態カウンタに「1」をセットする場合には、主側RAM74の残ART実行カウンタに「1」をセットする。
【0169】
主側RAM74のAT状態カウンタの値が1以上である場合、AT状態であることを意味するため、ステップS803にて肯定判定をしてステップS807に進む。ステップS807ではAT状態カウンタの値を把握し、その把握した値に対応する処理を実行する。具体的には、AT状態カウンタの値が「1」であればART準備状態処理を実行し(ステップS808)、AT状態カウンタの値が「2」であればART状態処理を実行し(ステップS809)、AT状態カウンタの値が「3」であればART終了分岐処理を実行する(ステップS810)。ステップS802の処理を実行した場合、ステップS806の処理を実行した場合、又はステップS808?ステップS810のいずれかの処理を実行した場合、ゲーム終了コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS811)。ゲーム終了コマンドは、1ゲームが終了したことを演出側MPU82に認識させるためのコマンドであり、当該コマンドはタイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。以下、ステップS808?ステップS810の各処理について説明する。
【0170】
まずART準備状態処理(ステップS808)について説明する。
【0171】
ART準備状態は、ART状態への移行可能条件が成立した場合において、ART状態に移行する前に滞在することとなる状態である。ART準備状態では、ペナルティ状態ではないことを条件として、インデックス値IV=1?6のいずれかで当選となった場合にベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。また、ART準備状態では、通常モード用抽選テーブル(図13)又は第1RTモード用抽選テーブル(図15)におけるインデックス値IV=12?15のいずれか(以下、昇格対象役ともいう)で当選となった場合に第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞を成立させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序(以下、昇格発生用の停止順序ともいう)が報知される。ART状態への移行は、ART準備状態処理又はART終了分岐処理が実行されている状況において、第1RTモードにて昇格対象役で当選となり昇格発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されて抽選モードが第2RTモードに移行した場合に発生する。
【0172】
図22はART準備状態処理を示すフローチャートである。ART準備状態処理では、ペナルティ事象が発生したか否かを判定する(ステップS901)。ペナルティ事象には、昇格対象役で当選となった場合において昇格発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されなかったことが含まれる。ART準備状態においては昇格対象役に当選した場合には昇格発生用の停止順序が画像表示装置63にて報知されることとなるが、当該報知が実行されているにも関わらず昇格発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されない事象はペナルティ事象となる。
【0173】
ペナルティ事象が発生している場合(ステップS901:YES)、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたペナルティフラグに「1」をセットする(ステップS902)。ペナルティフラグは、ART準備状態においてペナルティ事象が発生したことを主側MPU72にて特定するためのフラグである。ペナルティフラグに「1」がセットされている場合、インデックス値IV=1?6のいずれかで当選となったとしてもベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。なお、ペナルティフラグはART準備状態からART状態に移行する場合に「0」クリアされる。
【0174】
ART準備状態処理では、今回のゲームにおいてインデックス値IV=7?10のいずれかに当選しており(ステップS903:YES)、さらに主側RAM74のペナルティフラグに「1」がセットされていない場合(ステップS904:NO)、初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理を実行する(ステップS905)。初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理では、ART準備状態からART状態に移行した場合における当該ART状態の継続ゲーム数を上乗せするか否かを決定するとともに、上乗せする場合にはその上乗せゲーム数を決定する。初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理では、インデックス値IV=7?10のそれぞれに対応した初期継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルを主側ROM73における後述する特定制御用のデータから読み出すとともに、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aにおいて定期的(例えば2msec周期)に更新される抽選用カウンタの値を読み出し、当該抽選用カウンタの値を上記初期継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルに対して照合する。初期継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルは、IV=7→IV=8→IV=9→IV=10の順序で上乗せが発生する確率が高くなり、さらに当該順序で上乗せゲームの獲得期待ゲーム数が多くなるように設定されている。初期継続ゲーム数の上乗せ抽選処理にて上乗せ当選となった場合(ステップS906:YES)、当該上乗せ抽選処理にて選択された上乗せゲーム数を主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられた初期上乗せカウンタに加算する(ステップS907)。初期上乗せカウンタは、ART状態に移行した場合における当該ART状態の継続ゲーム数の上乗せ分を主側MPU72にて特定するためのカウンタである。
【0175】
ART準備状態処理では、今回のゲームにおいて第2RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合(ステップS908:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタに「2」をセットする(ステップS909)。これにより、主側MPU72は遊技終了時の対応処理(図21)における次回の処理回においてART状態処理(ステップS809)を実行することとなり、遊技状態がART準備状態からART状態に移行する。また、抽選モードが第2RTモードとなるようにするために、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aのデータ設定を行う(ステップS910)。その後、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値が「0」であることを条件として(ステップS911:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値を1減算する(ステップS912)。
【0176】
ART準備状態処理では、その他のRTモードの移行処理を実行する(ステップS913)。その他のRTモードの移行処理では、第1RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させ、第1転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には通常モードに移行させ、第2転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させる。
【0177】
次に、遊技終了時の対応処理(図21)におけるART状態処理(ステップS809)について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。
【0178】
ART状態処理では、今回の処理回がART準備状態又はART終了分岐状態からART状態に移行した直後の処理回であるか否かを判定することで、今回の処理回がART状態の開始タイミングであるか否かを判定する(ステップS1001)。ART状態の開始タイミングである場合(ステップS1001:YES)には、ARTゲーム数カウンタへのセット処理を実行する(ステップS1002)。
【0179】
ARTゲーム数カウンタへのセット処理では、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値が1以上であれば、主側RAM74の初期上乗せカウンタの値を当該ARTゲーム数カウンタの値に加算する。これにより、ART状態の途中でBB状態に移行して当該BB状態の終了後にART状態に再度移行する場合には、その実行途中であったART状態の実行回における残りの継続ゲーム数に対してART準備状態において発生した継続ゲーム数の上乗せ分が加算される。一方、ARTゲーム数カウンタへのセット処理では、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値が「0」であれば、当該ARTゲーム数カウンタに初期継続ゲーム数である「50」をセットした後に、主側RAM74の初期上乗せカウンタの値を当該ARTゲーム数カウンタの値に加算する。これにより、ART状態の1実行回が新たに開始される場合には、ART状態の1実行回における初期継続ゲーム数に対してART準備状態において発生した継続ゲーム数の上乗せ分が加算される。
【0180】
ART状態処理では、今回のゲームにおいてインデックス値IV=7?10のいずれかで当選している場合(ステップS1003:YES)、継続ゲーム数の上乗せ抽選処理を実行する(ステップS1004)。継続ゲーム数の上乗せ抽選処理では、ART状態の継続ゲーム数を上乗せするか否かを決定するとともに、上乗せする場合にはその上乗せゲーム数を決定する。継続ゲーム数の上乗せ抽選処理では、インデックス値IV=7?10のそれぞれに対応した継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルを主側ROM73における後述する特定制御用のデータから読み出すとともに、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aにおいて定期的(例えば2msec周期)に更新される抽選用カウンタの値を読み出し、当該抽選用カウンタの値を上記継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルに対して照合する。継続ゲーム数の上乗せ抽選テーブルは、IV=7→IV=8→IV=9→IV=10の順序で上乗せが発生する確率が高くなり、さらに当該順序で上乗せゲームの獲得期待ゲーム数が多くなるように設定されている。継続ゲーム数の上乗せ抽選処理にて上乗せ当選となった場合(ステップS1005:YES)、当該上乗せ抽選処理にて選択された上乗せゲーム数を主側RAM74のARTゲーム数カウンタに加算する(ステップS1006)。
【0181】
ART状態処理では、主側RAM74のARTゲーム数カウンタの値を1減算する(ステップS1007)。そして、その1減算後におけるARTゲーム数カウンタの値が「0」となっている場合(ステップS1008:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が「0」であって通常モードであるか否かを判定する(ステップS1009)。残ART実行カウンタの値が1以上である場合又は通常モードではない場合(ステップS1009:NO)、主側RAM74のAT状態カウンタに「3」をセットする(ステップS1010)。これにより、主側MPU72は遊技終了時の対応処理(図21)における次回の処理回においてART終了分岐処理(ステップS810)を実行することとなり、遊技状態がART状態からART終了分岐状態に移行する。一方、残ART実行カウンタの値が「0」であって通常モードである場合(ステップS1009:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタを「0」クリアする(ステップS1011)。これにより、AT状態が終了することとなる。
【0182】
ART状態処理では、RTモードの移行処理を実行する(ステップS1012)。RTモードの移行処理では、第1RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させ、第2RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第2RTモードに移行させ、第1転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には通常モードに移行させ、第2転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させる。
【0183】
次に、遊技終了時の対応処理(図21)におけるART終了分岐処理(ステップS810)について説明する。
【0184】
ART終了分岐状態は、ART状態の1実行回が終了した場合に滞在する遊技状態である。ART終了分岐状態では、ペナルティ状態ではないことを条件として、インデックス値IV=1?6のいずれかで当選となった場合にベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。また、ART終了分岐状態においては主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば最終的にART状態に復帰し、当該残ART実行カウンタの値が「0」であってもART状態に復帰し得る。ここで、ART状態の1実行回が終了した場合にART終了分岐状態に移行するため、ART終了分岐状態に移行したタイミングにおいて抽選モードが第2RTモードとなっている可能性が高い。この場合において残ART実行カウンタの値が1以上であったとしても、第2RTモードから第1RTモードへの移行を一旦発生させて、その後に第2RTモードに再度移行するのに合わせてART状態の新たな実行回が開始される。
【0185】
ART終了分岐状態であっても上記のとおりインデックス値IV=1?6のいずれかで当選となった場合にはベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されるため、遊技者にとって有利な状態となる。この場合に、残ART実行カウンタの値が1以上であったとしても、少なくとも抽選モードが第2RTモードから第1RTモードに移行するまではART終了分岐状態に滞在することとなる。その一方、ART終了分岐状態において第2RTモードである場合、第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても当該第2転落リプレイ入賞の発生を回避するためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。これにより、ART終了分岐状態においては遊技者の予測が当たり第2転落リプレイ入賞の発生を回避させれば、ART終了分岐状態を継続させることが可能となる。よって、遊技者自身の予測によって遊技者に有利なART終了分岐状態を継続させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0186】
図24はART終了分岐処理を示すフローチャートである。ART終了分岐処理では、ペナルティ事象が発生したか否かを判定する(ステップS1101)。ペナルティ事象には、昇格対象役(通常モード用抽選テーブル(図13)におけるIV=12?15及び第1RTモード用抽選テーブル(図15)におけるIV=12?15)で当選となった場合において昇格発生用の停止順序が報知されているにも関わらず、昇格発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されなかったことが含まれる。また、ペナルティ事象には、第1RTモード用抽選テーブル(図15)におけるIV=16?21のいずれかで当選となった場合において転落回避用の停止順序が報知されているにも関わらず、転落発生用の停止順序でリール32L,32M,32Rが停止されたことが含まれる。
【0187】
ペナルティ事象が発生している場合(ステップS1101:YES)、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aに設けられたペナルティフラグに「1」をセットする(ステップS1102)。ペナルティフラグは、ペナルティ事象が発生したことを主側MPU72にて特定するためのフラグである。ペナルティフラグに「1」がセットされている場合、インデックス値IV=1?6のいずれかで当選となったとしてもベル入賞の成立を可能とするためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。なお、ペナルティフラグはART終了分岐状態が終了する場合に「0」クリアされる。
【0188】
ART終了分岐処理では、第2RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合(ステップS1103:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば(ステップS1104:YES)、当該残ART実行カウンタの値を1減算した後に(ステップS1105)、主側RAM74のAT状態カウンタに「2」をセットする(ステップS1106)。一方、残ART実行カウンタの値が「0」であれば、ステップS1105の処理を実行することなく、AT状態カウンタに「2」をセットする(ステップS1106)。これにより、主側MPU72は遊技終了時の対応処理(図21)における次回の処理回においてART状態処理(ステップS809)を実行することとなり、遊技状態がART終了分岐状態からART状態に移行する。また、抽選モードが第2RTモードとなるようにするために、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aのデータ設定を行う(ステップS1107)。
【0189】
ここで、詳細は後述するように、ART終了分岐状態においては残ART実行カウンタの値が1以上である状況において第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。これにより、残ART実行カウンタの値が1以上である状況であれば、第1RTモードにおいて第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選することで、遊技者はART状態の新たな実行回を容易に開始させることが可能となる。一方、残ART実行カウンタの値が「0」である状況においては第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない。この場合、遊技者は第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序を予測して停止操作を行うこととなり、その予測した停止順序が第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序であれば第2RTリプレイ入賞が発生し、ART状態の新たな実行回が開始されることとなる。つまり、残ART実行カウンタの値が「0」であっても遊技者の予測に基づきART状態の新たな実行回を開始させることが可能となる。よって、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0190】
ART終了分岐処理では、第1転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合(ステップS1108:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が「0」であれば(ステップS1109:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタの値を「0」クリアする(ステップS1110)。これにより、AT状態が終了することとなる。また、抽選モードが通常モードとなるようにするために、主側RAM74における後述する特定制御用のワークエリア74aのデータ設定を行う(ステップS1111)。
【0191】
ここで、詳細は後述するように、ART終了分岐状態においては残ART実行カウンタの値が1以上である状況において第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合、第1転落リプレイ入賞の発生を回避させることが可能なリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。これにより、残ART実行カウンタの値が1以上である状況であれば、第1RTモードにおいて第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても、遊技者は第1転落リプレイ入賞の発生を容易に回避させることが可能となる。また、仮に、当該状況において第1転落リプレイ入賞を発生させてしまったとしても、ART終了分岐状態は継続される。これにより、残ART実行カウンタの値が1以上である状況においては、遊技者の操作ミスによって第1転落リプレイ入賞を発生させてしまったとしても、ART終了分岐状態を継続させることが可能となる。
【0192】
一方、残ART実行カウンタの値が「0」である状況において第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第1転落リプレイ入賞の発生を回避させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない。この場合、遊技者は第1転落リプレイ入賞の発生を回避させるリール32L,32M,32Rの停止順序を予測して停止操作を行うこととなり、その予測した停止順序が第1転落リプレイ入賞の発生を回避させることが可能な停止順序であれば第1転落リプレイ入賞が発生しない。これにより、ART終了分岐状態においては遊技者の予測が当たり第1転落リプレイ入賞の発生を回避させれば、ART終了分岐状態を継続させることが可能となる。よって、遊技者自身の予測によって遊技者に有利なART終了分岐状態を継続させることが可能となり、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
【0193】
ART終了分岐処理では、その他のRTモードの移行処理を実行する(ステップS1112)。その他のRTモードの移行処理では、第1RTリプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させ、第2転落リプレイ入賞が発生したことを特定した場合には第1RTモードに移行させる。
【0194】
<報知制御処理>
次に、主側MPU72において抽選処理(図12)におけるステップS512にて実行される報知制御処理について説明する。報知制御処理では、リール32L,32M,32Rの停止順序を報知するための制御を実行するとともに、第1RTモードにおいて第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役又は第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したことを報知するための制御を実行する。この場合、報知制御処理においては各種報知を画像表示装置63にて行わせるためのコマンドの設定処理を実行するとともに、当該コマンドの設定処理を実行する場合には当該コマンドにおいて指示する報知内容に対応する表示を特別表示部67にて行わせるための設定処理を実行する。報知制御処理の具体的な処理内容の説明に先立ち、特別表示部67について詳細に説明する。
【0195】
図25(a)は特別表示部67の正面図である。特別表示部67には、7個の表示用セグメント101?107が設けられている。各表示用セグメント101?107は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメント101?107のみを点灯させることができるとともに、任意の組合せの表示用セグメント101?107を点灯させることができる。上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメント101?107においてはいずれも同一の色が表示されることとなるが、これに限定されることはなく、各表示用セグメント101?107において異なる色が表示される構成としてもよく、各表示用セグメント101?107のそれぞれにおいて複数種類の色を表示することが可能な構成としてもよい。第1?第7表示用セグメント101?107はいずれも直線状の表示用セグメントであり、所謂7セグメント表示器となるように第1?第7表示用セグメント101?107が配列されている。これにより、特別表示部67において、数字の「1」?「9」及びアルファベットの「H」といったように複数種類の表示を行うことが可能である。なお、特別表示部67は上記のようなセグメント表示器である構成に限定されることはなく、複数種類の記号、数字又は文字を表示することが可能であれば、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置を用いてもよい。
【0196】
本スロットマシン10では、既に説明したとおり、インデックス値IV=1?6のいずれかで当選となった場合、リール32L,32M,32Rの停止順序が所定の停止順序となった場合にベル入賞が発生する。また、通常モード用抽選テーブル(図13及び図14)を利用して抽選処理(図12)が実行される場合、インデックス値IV=12?15のいずれかで当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序が所定の停止順序となることで第1RTリプレイ入賞が成立し、第1RTモード用抽選テーブル(図15及び図16)を利用して抽選処理(図12)が実行される場合、インデックス値IV=12?15のいずれかで当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序が所定の停止順序となることで第2RTリプレイ入賞が成立する。また、第1RTモード用抽選テーブル(図15及び図16)を利用して抽選処理(図12)が実行される場合、インデックス値IV=16?21のいずれかで当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序が所定の停止順序となることで通常リプレイ入賞が成立しそれ以外の場合には第1転落リプレイ入賞が成立する。また、第2RTモード用抽選テーブル(図17及び図18)を利用して抽選処理(図12)が実行される場合、インデックス値IV=12?17のいずれかで当選となった場合にはリール32L,32M,32Rの停止順序が所定の停止順序となることで通常リプレイ入賞が成立しそれ以外の場合には第2転落リプレイ入賞が成立する。
【0197】
このようにリール32L,32M,32Rの停止順序に対応して入賞の成立態様が相違する構成において、画像表示装置63において報知され得るリール32L,32M,32Rの停止順序としては、第1停止が中リール32Mであり第2停止及び第3停止のリール32L,32M,32Rの種類が任意である停止順序と、第1停止が右リール32Rであり第2停止及び第3停止のリール32L,32M,32Rの種類が任意である停止順序と、第1停止が左リール32Lであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が右リール32Rである停止順序と、第1停止が左リール32Lであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が中リール32Mである停止順序と、第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rである停止順序と、第1停止が中リール32Mであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が左リール32Lである停止順序と、第1停止が右リール32Rであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が中リール32Mである停止順序と、第1停止が右リール32Rであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が左リール32Lである停止順序と、が存在している。これら停止順序は、合計で8種類存在している。
【0198】
また、ART終了分岐状態においては、第2RTモード用抽選テーブル(図17及び図18)におけるインデックス値IV=12?17のいずれかで当選となった場合、抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が画像表示装置63にて実行されるものの第2転落リプレイ入賞の発生を回避させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。また、ART終了分岐状態においては、第1RTモード用抽選テーブル(図15及び図16)におけるインデックス値IV=12?15のいずれかで当選となった場合、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が「0」であれば、抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が画像表示装置63にて実行されるものの第2RTリプレイ入賞を発生させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。また、ART終了分岐状態においては、第1RTモード用抽選テーブル(図15及び図16)におけるインデックス値IV=16?21のいずれかで当選となった場合、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が「0」であれば、抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が画像表示装置63にて実行されるものの第1転落リプレイ入賞の発生を回避させるためのリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されない。
【0199】
上記構成において、特別表示部67では当選役との関係で画像表示装置63にて報知される内容に対応させた表示が行われる。特別表示部67の表示内容について、図25(b)を参照しながら説明する。
【0200】
特別表示部67の表示内容は、画像表示装置63における上記8種類の停止順序の報知内容に1対1で対応させて設定されているとともに、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないが抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が行われることに対応させて設定されている。具体的には、第1停止が中リール32Mであり残りは任意であることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「1」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が右リール32Rであり残りは任意であることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「2」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が左リール32Lであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が右リール32Rであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「3」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が左リール32Lであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が中リール32Mであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「4」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「5」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が中リール32Mであり第2停止が右リール32Rであり第3停止が左リール32Lであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「6」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が右リール32Rであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が中リール32Mであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「7」の数字が表示内容として設定されており、第1停止が右リール32Rであり第2停止が中リール32Mであり第3停止が左リール32Lであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「8」の数字が表示内容として設定されており、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないが抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が画像表示装置63にて行われることに対応させて「H」の文字が表示内容として設定されている。なお、第1停止が左リール32Lであり残りは任意であることを示す報知が画像表示装置63にて行われ得る構成においては、特別表示部67の表示内容として当該停止順序の報知に対応する表示内容が設定されている構成としてもよい。
【0201】
上記のように特別表示部67の表示内容が設定されていることにより、画像表示装置63における異なる種類の報知内容間において特別表示部67の表示内容が重複しないこととなる。これにより、特別表示部67の表示内容を画像表示装置63における報知内容に対応付けることが可能となる。
【0202】
なお、画像表示装置63における上記各報知内容に対して特別表示部67の表示内容が1対1で対応させて設定されている構成に限定されることはなく、上記各報知内容の一部又は全部に対しては特別表示部67の複数種類の表示内容が対応させて設定されている構成としてもよい。この場合であっても、異なる種類の報知内容間において特別表示部67の表示内容が重複しないようにすることで、特別表示部67の表示内容を画像表示装置63における報知内容に対応付けることが可能となる。
【0203】
図26(a)及び図26(b)は画像表示装置63における報知内容と特別表示部67における表示内容との関係を説明するための説明図である。
【0204】
画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合、図26(a1)に示すように、画像表示装置63にはゲームを終了させるために必要な停止操作の回数と同数の単位表示画像G1?G3が表示され、各単位表示画像G1?G3においてリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示が行われる。具体的には、左リール32Lに対応する左単位表示画像G1と、中リール32Mに対応する中単位表示画像G2と、右リール32Rに対応する右単位表示画像G3とが表示される。そして、図26(a1)においては第1停止が中リール32Mであり第2停止が左リール32Lであり第3停止が右リール32Rである場合の停止順序が報知される様子を示しているため、左単位表示画像G1には左リール32Lの停止順序に対応する「2」の画像が表示され、中単位表示画像G2には中リール32Mの停止順序に対応する「1」の画像が表示され、右単位表示画像G3には右リール32Rの停止順序に対応する「3」の画像が表示される。
【0205】
画像表示装置63においては上記のようにリール32L,32M,32Rの停止順序そのものを報知する画像が表示されるのに対して、特別表示部67では図26(a2)に示すように、上記リール32L,32M,32Rの停止順序に対応する「5」の表示が行われる。つまり、画像表示装置63においてはリール32L,32M,32Rの数に対応する単位表示画像G1?G3が表示されるとともに各単位表示画像G1?G3において対応するリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示が行われるのに対して、特別表示部67ではリール32L,32M,32Rの数とは無関係な表示が行われる。これにより、特別表示部67においてリール32L,32M,32Rの停止順序の報知内容に対応する表示が行われるとしても、画像表示装置63における表示内容に遊技者を注目させることが可能となる。
【0206】
画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることが報知される場合、図26(b1)に示すように、画像表示装置63にはゲームを終了させるために必要な停止操作の回数と同数の単位表示画像G1?G3が表示されるものの、各単位表示画像G1?G3においてリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する画像表示は行われない。具体的には、左単位表示画像G1、中単位表示画像G2及び右単位表示画像G3のそれぞれにおいて同一の画像として「?」の画像が表示される。また、各単位表示画像G1?G3とは別に、抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像として「狙え!!」という文字画像G4が表示される。
【0207】
画像表示装置63においては上記のように抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が表示されるのに対して、特別表示部67では図26(b2)に示すように、抽選モードの分岐タイミングであることに対応する「H」の表示が行われる。この「H」の表示は、リール32L,32M,32Rの停止順序には対応していない。このように画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない場合には、特別表示部67においてもリール32L,32M,32Rの停止順序を特定不可とする表示が行われるようにすることで、リール32L,32M,32Rの停止順序を遊技者に予測させるという遊技内容が特別表示部67の表示内容によって消失されてしまわないようにすることが可能となる。
【0208】
ここで、図1に示すように、特別表示部67の表示範囲は画像表示装置63の表示範囲よりも狭い範囲となっている。これにより、画像表示装置63に比べて特別表示部67に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。また、特別表示部67は、リール32L,32M,32Rを視認可能とする表示窓部21L,21M,21Rを挟んで画像表示装置63側とは逆側に存在している。これにより、画像表示装置63に対して特別表示部67が離間された位置に配置されることとなり、これによっても特別表示部67に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。
【0209】
図27は報知制御処理を示すフローチャートである。
【0210】
報知制御処理では、インデックス値IV=1?6のいずれかで当選となった場合(ステップS1201:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタの値が1以上であって、主側RAM74のペナルティフラグの値が「0」であることを条件として(ステップS1202:YES、ステップS1203:NO)、第1表示データの設定処理を実行する(ステップS1204)。第1表示データの設定処理では、主側ROM73において後述する特定制御用のデータとして設けられた表示対応テーブルを参照することで、今回当選となったインデックス値IVにおいてベル入賞の発生を可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73において後述する特定制御用のデータの一部を記憶するためのエリアとして設けられた表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、ベル入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0211】
その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1205)。報知実行コマンドは、今回のゲームにおいて当選役と関係する報知を実行すべきことを演出側MPU82に認識させるためのコマンドであり、停止順コマンドは、今回のゲームにおいて報知すべきリール32L,32M,32Rの停止順序を演出側MPU82に認識させるためのコマンドである。報知実行コマンドは1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドが送信対象としてセットされる。停止順コマンドは、画像表示装置63にて報知させる停止順序の種類に1対1で対応させて設定されており、ステップS1205ではベル入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1205にてセットされた各種コマンドは、タイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。
【0212】
報知制御処理では、第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする役又は第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって(ステップS1206:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタの値が「1」又は「2」である場合(ステップS1207:YES)、第1表示データの設定処理を実行する(ステップS1208)。第1表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であれば当該第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握し、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であれば当該第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、第1RTリプレイ入賞又は第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0213】
その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1209)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。停止順コマンドについては第1RTリプレイ入賞及び第2RTリプレイ入賞のうち今回の当選役に対応する側の入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1209にてセットされた各種コマンドは、タイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。
【0214】
報知制御処理では第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役又は第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって(ステップS1210:YES)、主側RAM74のAT状態カウンタの値が「2」である場合、又はAT状態カウンタの値が「1」であって第2RTモードではない場合(ステップS1211:YES、ステップS1212:NO)、第1表示データの設定処理を実行する(ステップS1213)。第1表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であれば当該第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握し、第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であれば当該第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、第1転落リプレイ入賞又は第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0215】
その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1214)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。停止順コマンドについては第1転落リプレイ入賞及び第2転落リプレイ入賞のうち今回の当選役に対応する側の入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1214にてセットされた各種コマンドはタイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。ちなみに、この場合に送信される停止順コマンドには、ステップS1213にて選択された特別表示部67の報知内容に対応する停止順序の情報がセットされている。
【0216】
なお、AT状態カウンタの値が「1」である場合というのはART準備状態であり、ART準備状態においては第2RTモードである場合には第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても当該第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序を報知しない構成とすることで、第2RTモードにおいてART準備状態が開始された場合には第1RTモードに移行させる契機を生じさせることが可能となる。ART準備状態からART状態への移行は第1RTモードから第2RTモードに移行した場合に発生するため、第2RTモードにおいてART準備状態が開始された場合には第1RTモードに一旦移行させることで、ART準備状態からART状態への移行契機を発生させる機会を担保することが可能となる。
【0217】
報知制御処理では、主側RAM74のAT状態カウンタの値が「3」である場合、すなわちART終了分岐状態である場合(ステップS1215:YES)、分岐対応の報知制御処理を実行する(ステップS1216)。分岐対応の報知制御処理について図28のフローチャートを参照しながら説明する。
【0218】
第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS1301:YES)、第2表示データの設定処理を実行する(ステップS1302)。ART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、第2表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0219】
その後、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1303)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。このセットされた報知実行コマンドは、タイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。この場合に、上記のとおりART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。
【0220】
分岐対応の報知制御処理では、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS1304:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば(ステップS1305:YES)、第1表示データの設定処理を実行する(ステップS1306)。ART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり残ART実行カウンタの値が1以上であれば第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合には第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序が報知される。したがって、第1表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0221】
その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1307)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。停止順コマンドについては第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1307にてセットされた各種コマンドは、タイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。ちなみに、この場合に送信される停止順コマンドには、ステップS1306にて選択された特別表示部67の報知内容に対応する停止順序の情報がセットされている。
【0222】
一方、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合(ステップS1304:YES、ステップS1305:NO)、第2表示データの設定処理を実行する(ステップS1308)。ART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり残ART実行カウンタの値が「0」であれば第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、第2表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0223】
その後、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1309)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。このセットされた報知実行コマンドは、タイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。この場合に、上記のとおりART終了分岐状態である場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合、既に説明したとおり第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。
【0224】
分岐対応の報知制御処理では、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS1310:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば(ステップS1311:YES)、第1表示データの設定処理を実行する(ステップS1312)。ART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり残ART実行カウンタの値が1以上であれば第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合には第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序が報知される。したがって、第1表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0225】
その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1313)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。停止順コマンドについては第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する停止順コマンドを主側ROM73から読み出して送信対象としてセットする。ステップS1313にてセットされた各種コマンドは、タイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。
【0226】
一方、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合(ステップS1310:YES、ステップS1311:NO)、第2表示データの設定処理を実行する(ステップS1314)。ART終了分岐状態である場合、既に説明したとおり残ART実行カウンタの値が「0」であれば第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序は報知されない。したがって、第2表示データの設定処理では、主側ROM73の表示対応テーブルを参照することで、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示内容のデータの種類を把握する。そして、その把握した種類の表示内容のデータを主側ROM73の表示データ記憶エリアから読み出し、その読み出した表示内容のデータに従って特別表示部67の表示制御を実行する。これにより、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知しないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知に対応する表示が特別表示部67にて開始される。
【0227】
その後、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS1315)。報知実行コマンドは既に説明したとおり1種類のみ設定されており、画像表示装置63における報知内容に関係なく同一の報知実行コマンドがセットされる。このセットされた報知実行コマンドは、タイマ割込み処理(図9)におけるコマンド出力処理(ステップS211)にて演出側MPU82に送信される。この場合に、上記のとおりART終了分岐状態である場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合、既に説明したとおり第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。
【0228】
なお、第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば、当該第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序に対応する表示内容となるように特別表示部67の表示制御が実行されるとともに、当該停止順序が画像表示装置63にて報知されるように報知実行コマンド及び停止実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする。
【0229】
次に、演出側MPU82にて実行される報知用処理について図29のフローチャートを参照しながら説明する。報知用処理は例えば4msec周期で実行される。
【0230】
主側MPU72から報知実行コマンド及び停止順コマンドの両方を受信している場合(ステップS1401:YES)、停止順コマンドに対応するリール32L,32M,32Rの停止順序の画像を画像表示装置63にて表示するために必要なデータの設定を行う(ステップS1402)。但し、このタイミングでは今回の停止順コマンドに対応したリール32L,32M,32Rの停止順序の画像は画像表示装置63にて表示されない。その後、演出側RAM84に設けられた計測用カウンタに報知遅延期間に対応する値をセットする(ステップS1403)。報知遅延期間はリール32L,32M,32Rが回転を開始して定速回転となるまでの加速期間よりも短い期間として設定されており、例えば0.5msecに設定されている。計測用カウンタにセットされた値は、報知用処理が開始される度に減算される。
【0231】
報知用処理では、主側MPU72から報知実行コマンド及び停止順コマンドのうち報知実行コマンドのみを受信し、当該報知実行コマンドを受信するタイミングの前後の監視期間において停止順コマンドを受信していない場合(ステップS1404:YES)、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像を画像表示装置63にて表示するために必要なデータの設定を行う(ステップS1405)。但し、このタイミングでは抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像は画像表示装置63にて表示されない。その後、演出側RAM84に設けられた計測用カウンタに報知遅延期間に対応する値をセットする(ステップS1406)。この報知遅延期間に対応する値は、ステップS1403の場合と同様である。
【0232】
報知用処理では、演出側RAM84の計測用カウンタを利用して計測している報知遅延期間が経過した場合(ステップS1407:YES)、報知開始処理を実行する(ステップS1408)。報知開始処理では、今回がステップS1403にてセットされた報知遅延期間が経過したタイミングである場合には、ステップS1402にて設定したデータに基づき画像表示装置63にて画像を表示させる。これにより、例えば図26(a1)に示すように、今回の停止順コマンドに対応したリール32L,32M,32Rの停止順序が画像表示装置63にて表示される。一方、報知開始処理では、今回がステップS1406にてセットされた報知遅延期間が経過したタイミングである場合には、ステップS1405にて設定したデータに基づき画像表示装置63にて画像を表示させる。これにより、例えば図26(b1)に示すように、リール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が画像表示装置63にて表示される。
【0233】
報知用処理では、その他の処理を実行する(ステップS1409)。その他の処理では、例えば主側MPU72からゲーム終了コマンドを受信している場合、そのゲームにおいて画像表示装置63に最終的に表示した画像の表示を終了させて、次のゲームの開始を待機する画像の表示を開始する。この場合、リール32L,32M,32Rの停止順序を報知する画像が表示されている状態でゲーム終了コマンドを受信した場合には、その停止順序を報知する画像の表示を終了させる。また、抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が表示されている状態でゲーム終了コマンドを受信した場合には、その画像の表示を終了させる。
【0234】
次に、図30のタイムチャートを参照しながら、特別表示部67及び画像表示装置63のそれぞれにおいて当選役との関係の報知が行われる様子について説明する。図30(a)はリール32L,32M,32Rの回転期間を示し、図30(b)はリール32L,32M,32Rの加速期間を示し、図30(c)は特別表示部67における当選役に関する報知の実行期間を示し、図30(d)は画像表示装置63における当選役に関する報知の実行期間を示す。
【0235】
t1のタイミングで、図30(a)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が開始され、図30(b)に示すようにリール32L,32M,32Rの加速期間が開始される。また、t1のタイミングで、図30(c)に示すように主側MPU72による直接的な表示制御に基づき特別表示部67において当選役との関係の報知が開始される。
【0236】
その後、リール32L,32M,32Rの加速期間における途中のタイミングであるt2のタイミングで、図30(d)に示すように演出側MPU82による直接的な表示制御に基づき画像表示装置63において当選役との関係の報知が開始される。つまり、当選役に関する報知が画像表示装置63だけではなく特別表示部67においても行われる構成において、主側MPU72により直接的に表示制御される特別表示部67にて当選役に関する報知が開始された後に、演出側MPU82により直接的に表示制御される画像表示装置63にて当選役に関する報知が開始される。
【0237】
その後、t3のタイミングで、図30(b)に示すようにリール32L,32M,32Rの加速期間が終了し、リール32L,32M,32Rにおいて定速回転が開始される。その後、t4のタイミングで図30(a)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が停止される。この場合、当該t4のタイミングで、図30(d)に示すように画像表示装置63における当選役に関する報知が終了される。その後、t5のタイミングで、図30(c)に示すように特別表示部67における当選役に関する報知が終了される。そして、その後のt6のタイミングで図30(a)に示すようにリール32L,32M,32Rの回転が新たに開始される。但し、当該ゲームでは当選役に関する報知は実行されない。
【0238】
上記構成の場合、主側MPU72により直接的に表示制御される特別表示部67にて当選役に関する報知が開始されたタイミング以降に、演出側MPU82により直接的に表示制御される画像表示装置63にて当選役に関する報知が開始され、演出側MPU82により直接的に制御される画像表示装置63における当選役に関する報知が終了したタイミング以降に、主側MPU72により直接的に表示制御される特別表示部67における当選役に関する報知が終了する。つまり、画像表示装置63にて当選役に関する報知が実行されている期間は、特別表示部67にて当選役に関する報知が実行されている期間にその全体が含まれることとなる。これにより、画像表示装置63にて当選役に関する報知が実行されている場合には確実に特別表示部67において当選役に関する報知が実行されることとなり、画像表示装置63にて実行されている当選役に関する報知が不正行為によるものであるか否かの確認を特別表示部67の表示内容を利用して行う場合において、当該確認を任意のタイミングで行うことが可能となる。
【0239】
<特定制御と非特定制御との区別について>
次に、主側MPU72にて実行される特定制御と非特定制御との違いについて説明する。本スロットマシン10では主側MPU72にて実行される各種制御のうち、一部の不正監視に関する制御が非特定制御とされ、それ以外の不正監視に関する制御及び遊技者による遊技操作に基づき遊技を進行させるための制御を含めて非特定制御以外の制御が特定制御とされている。特定制御について詳細には、主側MPU72への動作電力の供給が開始された場合に実行されるメイン処理(図8)による制御、及び定期的に実行されるタイマ割込み処理(図9)による制御は特定制御に含まれている。また、開始待ち処理(図11)にて実行される第1非特定制御処理及び第2非特定制御処理及びリール制御処理(図19)にて実行される第3非特定制御処理を除く、通常処理(図10)による制御、例えばスタートレバー41の操作に基づき実行される役の抽選処理、リール32L,32M,32Rの駆動制御及び全てのリール32L,32M,32Rが回転した場合における特典の付与制御は特定制御に含まれている。
【0240】
図31は主側ROM73におけるプログラム及びデータの設定態様を説明するための説明図である。主側MPU72にて実行される制御が特定制御と非特定制御とで区別されていることに対応させて、図31に示すように、主側ROM73においても特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータと、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータとが記憶されているエリアのアドレスが明確に区別されている。具体的には、アドレスX(1)?X(k+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに特定制御用のプログラムが集約して記憶されている。また、アドレスX(1)?X(k+2)に連続するアドレスX(k+3)?X(k+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(k+6)?X(m+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに特定制御用のデータが集約して記憶されている。また、アドレスX(k+6)?X(m+2)に連続するアドレスX(m+3)?X(m+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(m+6)?X(n+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに非特定制御用のプログラムが集約して記憶されている。また、アドレスX(m+6)?X(n+2)に連続するアドレスX(n+3)?X(n+5)はデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスX(n+6)?X(p+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアに非特定制御用のデータが集約して記憶されている。なお、上記のようなプログラム及びデータとアドレスとの関係は、主側ROM73における物理アドレス及び主側MPU72において認識されるメモリマップ上の論理アドレスの両方において設定されている。
【0241】
上記のように特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータと、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータとが、対応する制御を実行するための処理の実行順序とは関係なく、異なる範囲のアドレスのエリアに記憶されていることにより、例えば特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータのみをチェックする場合にはこれら特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータが記憶されたアドレス範囲のエリアのみをチェックすればよく、例えば非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータのみをチェックする場合にはこれら非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータが記憶されたアドレス範囲のエリアのみをチェックすればよい。よって、プログラム及びデータを特定制御と非特定制御とで区別してチェックする場合の作業を効率的に行うことが可能となる。また、それに伴ってプログラム及びデータを特定制御と非特定制御とで区別して修正する場合の作業を効率的に行うことが可能となる。
【0242】
特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータが記憶されたエリアのアドレス範囲と、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータが記憶されたエリアのアドレス範囲との間に何らデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレス範囲が設定されていることにより、特定制御用のアドレス範囲と非特定制御用のアドレス範囲との境界をチェック作業に際して把握し易くなる。
【0243】
特定制御用のアドレス範囲及び非特定制御用のアドレス範囲のそれぞれにおいて、プログラムとデータとが、対応する制御を実行するための処理の実行順序とは関係なく、異なる範囲のアドレスのエリアに記憶されていることにより、プログラムとデータとで区別してチェックする場合の作業を効率的に行うことが可能となる。また、プログラムが記憶されたエリアのアドレス範囲と、データが記憶されたエリアのアドレス範囲との間に何らデータが記憶されていない未使用のエリアのアドレス範囲が設定されていることにより、プログラムのアドレス範囲とデータのアドレス範囲との境界をチェック作業に際して把握し易くなる。
【0244】
図32は主側RAM74における各エリアの設定態様を説明するための説明図である。主側MPU72にて実行される制御が特定制御と非特定制御とで区別されていることに対応させて、図32に示すように、主側RAM74においても特定制御用のワークエリア74a及び特定制御用のスタックエリア74bのアドレス範囲と、非特定制御用のワークエリア74c及び非特定制御用のスタックエリア74dのアドレス範囲とが明確に区別されている。具体的には、アドレスY(1)?Y(r+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが特定制御用のワークエリア74aとして設定されている。また、アドレスY(1)?Y(r+2)に連続するアドレスY(r+3)?Y(r+5)は未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(r+6)?Y(s+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが特定制御用のスタックエリア74bとして設定されている。また、アドレスY(r+6)?Y(s+2)に連続するアドレスY(s+3)?Y(s+5)は未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(s+6)?Y(t+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが非特定制御用のワークエリア74cとして設定されている。また、アドレスY(s+6)?Y(t+2)に連続するアドレスY(t+3)?Y(t+5)は未使用のエリアのアドレスとなっており、その後に続けてアドレスY(t+6)?Y(u+2)の範囲内における連続する各アドレスのエリアが非特定制御用のスタックエリア74dとして設定されている。なお、上記のような各エリアとアドレスとの関係は、主側RAM74における物理アドレス及び主側MPU72において認識されるメモリマップ上の論理アドレスの両方において設定されている。
【0245】
上記のように特定制御用のワークエリア74aと、非特定制御用のワークエリア74cとが区別して設定されていることにより、主側MPU72において特定制御を実行する場合と非特定制御を実行する場合とで主側RAM74の異なるエリアが使用されることとなる。これにより、特定制御及び非特定制御のうち一方を実行する場合に他方において必要な主側RAM74のデータが消去されてしまうといった事象を発生しづらくさせることが可能となる。
【0246】
特定制御用のスタックエリア74bと、非特定制御用のスタックエリア74dとが区別して設定されていることにより、特定制御を実行する場合に主側MPU72のレジスタに記憶されたデータを退避する場合と非特定制御を実行する場合に主側MPU72のレジスタに記憶されたデータを退避する場合とでそれぞれ異なるエリアが使用されることとなる。これにより、特定制御及び非特定制御のうち一方を実行している状況において主側MPU72のレジスタに記憶されたデータを退避する場合に、他方において退避されている主側MPU72のレジスタのデータが消去されてしまうといった事象を発生しづらくさせることが可能となる。
【0247】
次に、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して主側MPU72にて実行される第1非特定制御処理及び第2非特定制御処理について説明する。まず第1非特定制御処理について説明する。
【0248】
第1非特定制御処理は、既に説明したとおり開始待ち処理(図11)におけるステップS412にて実行される。第1非特定制御処理が開始される場合について詳細には、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して開始待ち処理(図11)を実行している状態において特定制御用のプログラムにて第1非特定制御処理の呼び出しが指定されていることにより、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用することで実行される第1非特定制御処理が開始される。つまり、第1非特定制御処理を呼び出す処理は特定制御用のプログラムに設定されており、第1非特定制御処理は非特定制御用のプログラムに設定されている。図33は第1非特定制御処理を示すフローチャートである。
【0249】
第1非特定制御処理では、まずタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止する(ステップS1501)。タイマ割込み処理(図9)は既に説明したとおり特定制御において実行される処理に含まれている。第1非特定制御処理が開始された場合にタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止することで、非特定制御に対応している処理を実行している途中で特定制御に対応する処理を実行する必要が生じない。
【0250】
その後、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避させる(ステップS1502)。これにより、第1非特定制御処理が実行される直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。後述するように第1非特定制御処理が終了して特定制御に対応する処理に復帰する場合には、特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが主側MPU72のレジスタに復帰される。これにより、第1非特定制御処理が終了して特定制御に対応する処理に復帰する場合には、主側MPU72のレジスタのデータ状態を第1非特定制御処理が開始される前の状態に復帰させることが可能となる。
【0251】
その後、特定制御用のスタックエリア74bにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる(ステップS1503)。第1非特定制御処理が終了する場合にはこのスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出すことで、特定制御用のスタックエリア74bにおいて主側MPU72のレジスタに復帰させるべきデータが記憶されているエリアの範囲を特定することが可能となる。
【0252】
その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから非特定制御用のスタックポインタの値を読み出す(ステップS1504)。そして、その読み出した非特定制御用のスタックポインタの値から、主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS1505)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を非特定制御が前回実行された状態に復帰させることが可能となる。
【0253】
その後、第1投入メダル検出センサ45aがONであるか否かを判定し(ステップS1506)、ONである場合には(ステップS1506:YES)、主側MPU72のレジスタに設定された第1投入検出フラグに「1」をセットする(ステップS1507)。なお、第1投入検出フラグに「1」がセットされた状態は、第2投入メダル検出センサ45bにおいてメダルを検出している状態から検出していない状態となった場合に「0」クリアされる。ステップS1506にて否定判定をした場合、又はステップS1507の処理を実行した場合、第2投入メダル検出センサ45bがONであるか否かを判定する(ステップS1508)。第2投入メダル検出センサ45bがONである場合には(ステップS1508:YES)、上記第1投入検出フラグに「1」がセットされているか否かを判定する(ステップS1509)。
【0254】
第1投入検出フラグに「1」がセットされていない場合(ステップS1509:NO)、正規のメダルの投入であれば第1投入メダル検出センサ45aにてメダルが検出された後に第2投入メダル検出センサ45bにてメダルが検出されるはずであるのに対して、第1投入メダル検出センサ45aにてメダルが検出されていない状況下で第2投入メダル検出センサ45bにてメダルが検出されたこととなる。この場合、不正用治具を利用して投入メダル検出センサ45a,45bにメダルの通過を誤検出させる行為が行われた可能性がある。そこで、異常報知コマンドを演出側MPU82に送信する(ステップS1510)。なお、開始待ち処理(図11)が実行されている状況における第1非特定制御処理の最長の実行周期は、第1投入メダル検出センサ45aにてメダルを検出している最短期間、第1投入メダル検出センサ45aにてメダルの検出を開始してから第2投入メダル検出センサ45bにてメダルの検出が開始されるまでの最短期間、及び第2投入メダル検出センサ45bにてメダルを検出している最短期間のいずれよりも短く設定されている。
【0255】
演出側MPU82は、当該異常報知コマンドを受信することにより、投入メダル検出センサ45a,45bに対する不正行為が行われたことに対応した異常報知をスピーカ62及び画像表示装置63により実行する。この異常報知状態は、第1非特定制御処理が終了した後に実行されるタイマ割込み処理(図9)の異常解除判定処理(ステップS208)にて、キーシリンダ14に対する解錠操作が行われたことが特定されている状況においてリセットボタン56が操作されたことが特定された場合に演出側MPU82に異常解除コマンドが送信されることで解除される。つまり、非特定制御を実行している状況で開始された異常報知を解除するか否かの監視処理及び当該異常報知を解除するための解除処理は特定制御として実行される。主側MPU72は非特定制御が実行されている期間よりも特定制御が実行されている期間の方が長く設定されているため、当該特定制御として上記監視処理及び上記解除処理を実行することで異常報知の解除操作が行われた場合に異常報知を即座に解除することが可能となる。なお、キーシリンダ14には解除操作が行われたことを特定するためのセンサが設けられており、このセンサの検出信号は主側MPU72に入力される。
【0256】
異常報知コマンドを送信した後は、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに設けられた投入異常カウンタの値を1加算する(ステップS1511)。そして、投入異常カウンタの値が「3」以上である場合(ステップS1512:YES)、無限ループとなることで遊技の進行を停止させる。この動作禁止状態は、全部クリア処理(ステップS105)が実行されることにより解除される。
【0257】
ちなみに、投入異常カウンタは第1非特定制御処理が40000回実行された場合又は主側RAM74が初期化された場合に「0」クリアされる。ゲームが開始されることなく開始待ち処理(図11)が繰り返し実行される場合、第1非特定制御処理が40000回実行されるまでに約40秒を要する。これにより、投入メダル検出センサ45a,45bに対する異常行為が所定期間内に所定回数発生した場合に遊技の進行を停止させる構成において、投入異常カウンタの「0」クリアを非特定制御による処理として実行することが可能となる。
【0258】
ステップS1508にて否定判定をした場合、ステップS1509にて肯定判定をした場合、又はステップS1512にて否定判定をした場合、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避させる(ステップS1513)。これにより、第1非特定制御処理から特定制御に対応する処理に復帰する直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。既に説明したとおり第1非特定制御処理が開始される場合には、非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが主側MPU72のレジスタに復帰される。これにより、第1非特定制御処理が開始される場合には、主側MPU72のレジスタのデータ状態を非特定制御用のデータ状態に復帰させることが可能となる。
【0259】
その後、非特定制御用のスタックエリア74dにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための非特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる(ステップS1514)。非特定制御に対応する処理を次回実行する場合にはこのスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出すことで、非特定制御用のスタックエリア74dにおいて主側MPU72のレジスタに復帰させるべきデータが記憶されているエリアの範囲を特定することが可能となる。
【0260】
その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから特定制御用のスタックポインタの値を読み出す(ステップS1515)。そして、その読み出した特定制御用のスタックポインタの値から、主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS1516)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を今回の第1非特定制御処理が開始される直前における特定制御用の状態に復帰させることが可能となる。
【0261】
その後、タイマ割込み処理(図9)の実行を許可する(ステップS1517)。これにより、定期的にタイマ割込み処理(図9)が起動される状態となる。そして、本第1非特定制御処理を終了する。第1非特定制御処理が終了することにより、特定制御用のプログラムを利用して開始待ち処理(図11)におけるステップS413を実行する。なお、第1非特定制御処理が終了した場合に開始待ち処理(図11)において復帰すべき処理がステップS413であることを示すデータは、第1非特定制御処理が開始される前に特定制御用のワークエリア74aに記憶されている。但し、当該データが非特定制御用のワークエリア74cに記憶されている構成としてもよい。
【0262】
次に、第2非特定制御処理について説明する。
【0263】
第2非特定制御処理は、既に説明したとおり開始待ち処理(図11)におけるステップS416にて実行される。第2非特定制御処理が開始される場合について詳細には、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して開始待ち処理(図11)を実行している状態において特定制御用のプログラムにて第2非特定制御処理の呼び出しが指定されていることにより、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用することで実行される第2非特定制御処理が開始される。つまり、第2非特定制御処理を呼び出す処理は特定制御用のプログラムに設定されており、第2非特定制御処理は非特定制御用のプログラムに設定されている。図34は第2非特定制御処理を示すフローチャートである。
【0264】
第2非特定制御処理では、まずタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止する(ステップS1601)。タイマ割込み処理(図9)は既に説明したとおり特定制御において実行される処理に含まれている。第2非特定制御処理が開始された場合にタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止することで、非特定制御に対応している処理を実行している途中で特定制御に対応する処理を実行する必要が生じない。
【0265】
その後、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避させる(ステップS1602)。これにより、第2非特定制御処理が実行される直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。後述するように第2非特定制御処理が終了して特定制御に対応する処理に復帰する場合には、特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが主側MPU72のレジスタに復帰される。これにより、第2非特定制御処理が終了して特定制御に対応する処理に復帰する場合には、主側MPU72のレジスタのデータ状態を第2非特定制御処理が開始される前の状態に復帰させることが可能となる。
【0266】
その後、特定制御用のスタックエリア74bにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる(ステップS1603)。第2非特定制御処理が終了する場合にはこのスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出すことで、特定制御用のスタックエリア74bにおいて主側MPU72のレジスタに復帰させるべきデータが記憶されているエリアの範囲を特定することが可能となる。
【0267】
その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから非特定制御用のスタックポインタの値を読み出す(ステップS1604)。そして、その読み出した非特定制御用のスタックポインタの値から、主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS1605)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を非特定制御が前回実行された状態に復帰させることが可能となる。
【0268】
その後、キーシリンダ14に対する解錠操作が行われていない状況においてリセットボタン56が操作されたか否かを判定する(ステップS1606)。既に説明したとおりスピーカ62及び画像表示装置63により異常報知が実行されている状態は、キーシリンダ14に対して解錠操作を行うとともにリセットボタン56を操作することで解除することができる。この場合、キーシリンダ14に対する解錠操作を行わなくてもリセットボタン56を操作すれば異常報知が実行されている状態を解除することができると考える不正行為者が想定され、当該不正行為者は例えば投入メダル検出センサ45a,45bに対して不正行為を行うことで開始されてしまった異常報知の実行状態を解除するためにキーシリンダ14に対する解錠操作を行うことなく不正用治具を筐体11内に挿入してリセットボタン56を不正に操作することが考えられる。このような行為が行われた場合にはステップS1606にて肯定判定をし、異常報知コマンドを演出側MPU82に送信する(ステップS1607)。
【0269】
演出側MPU82は、当該異常報知コマンドを受信することにより、リセットボタン56の不正操作が行われたことに対応した異常報知をスピーカ62及び画像表示装置63により実行する。その後、無限ループとなることで遊技の進行を停止させる。この動作禁止状態は、全部クリア処理(ステップS105)が実行されることにより解除される。
【0270】
ステップS1606にて否定判定をした場合、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避させる(ステップS1608)。これにより、第2非特定制御処理から特定制御に対応する処理に復帰する直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。既に説明したとおり第2非特定制御処理が開始される場合には、非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが主側MPU72のレジスタに復帰される。これにより、第2非特定制御処理が開始される場合には、主側MPU72のレジスタのデータ状態を非特定制御用のデータ状態に復帰させることが可能となる。
【0271】
その後、非特定制御用のスタックエリア74dにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための非特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる(ステップS1609)。非特定制御に対応する処理を次回実行する場合にはこのスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出すことで、非特定制御用のスタックエリア74dにおいて主側MPU72のレジスタに復帰させるべきデータが記憶されているエリアの範囲を特定することが可能となる。
【0272】
その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから特定制御用のスタックポインタの値を読み出す(ステップS1610)。そして、その読み出した特定制御用のスタックポインタの値から、主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS1611)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を今回の第2非特定制御処理が開始される直前における特定制御用の状態に復帰させることが可能となる。
【0273】
その後、タイマ割込み処理(図9)の実行を許可する(ステップS1612)。これにより、定期的にタイマ割込み処理(図9)が起動される状態となる。そして、本第2非特定制御処理を終了する。第2非特定制御処理が終了することにより、特定制御用のプログラムを利用して通常処理(図10)におけるステップS304を実行する。なお、第2非特定制御処理が終了した場合に復帰すべき処理が通常処理(図10)のステップS304であることを示すデータは、第2非特定制御処理が開始される前に特定制御用のワークエリア74aに記憶されている。但し、当該データが非特定制御用のワークエリア74cに記憶されている構成としてもよい。
【0274】
次に、第3非特定制御処理について説明する。
【0275】
第3非特定制御処理は既に説明したとおりリール制御処理(図19)におけるステップS602にて実行される。第3非特定制御処理が開始される場合について詳細には、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用してリール制御処理(図19)を実行している状態において特定制御用のプログラムにて第3非特定制御処理の呼び出しが指定されていることにより、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用することで実行される第3非特定制御処理が開始される。つまり、第3非特定制御処理を呼び出す処理は特定制御用のプログラムに設定されており、第3非特定制御処理は非特定制御用のプログラムに設定されている。図35は第2非特定制御処理を示すフローチャートである。
【0276】
第3非特定制御処理では、まずタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止する(ステップS1701)。タイマ割込み処理(図9)は既に説明したとおり特定制御において実行される処理に含まれている。第3非特定制御処理が開始された場合にタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止することで、非特定制御に対応している処理を実行している途中で特定制御に対応する処理を実行する必要が生じない。
【0277】
その後、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避させる(ステップS1702)。これにより、第3非特定制御処理が実行される直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。後述するように第3非特定制御処理が終了して特定制御に対応する処理に復帰する場合には、特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが主側MPU72のレジスタに復帰される。これにより、第3非特定制御処理が終了して特定制御に対応する処理に復帰する場合には、主側MPU72のレジスタのデータ状態を第3非特定制御処理が開始される前の状態に復帰させることが可能となる。
【0278】
その後、特定制御用のスタックエリア74bにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる(ステップS1703)。第3非特定制御処理が終了する場合にはこのスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出すことで、特定制御用のスタックエリア74bにおいて主側MPU72のレジスタに復帰させるべきデータが記憶されているエリアの範囲を特定することが可能となる。
【0279】
その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから非特定制御用のスタックポインタの値を読み出す(ステップS1704)。そして、その読み出した非特定制御用のスタックポインタの値から、主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS1705)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を非特定制御が前回実行された状態に復帰させることが可能となる。
【0280】
その後、いずれかの投入メダル検出センサ45a,45bがONであるか否かを判定する(ステップS1706)。既に説明したとおり通常処理(図10)ではリール32L,32M,32Rの回転を開始する前に受付禁止処理(ステップS306)を実行するため、リール制御処理(図19)において回転開始処理(ステップS601)が実行された後は基本的には投入メダル検出センサ45a,45bにてメダルが検出されることはない。この状況においていずれかの投入メダル検出センサ45a,45bがONとなる状況というのはメダル投入口45から不正用治具が挿入されている可能性が高い。そこでステップS1706にて肯定判定をした場合には、異常報知コマンドを演出側MPU82に送信する(ステップS1707)。
【0281】
演出側MPU82は、当該異常報知コマンドを受信することにより、投入メダル検出センサ45a,45bに対する不正行為が行われたことに対応した異常報知をスピーカ62及び画像表示装置63により実行する。その後、無限ループとなることで遊技の進行を停止させる。この動作禁止状態は、全部クリア処理(ステップS105)が実行されることにより解除される。
【0282】
ステップS1706にて否定判定をした場合、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避させる(ステップS1708)。これにより、第3非特定制御処理から特定制御に対応する処理に復帰する直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。既に説明したとおり第3非特定制御処理が開始される場合には、非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが主側MPU72のレジスタに復帰される。これにより、第3非特定制御処理が開始される場合には、主側MPU72のレジスタのデータ状態を非特定制御用のデータ状態に復帰させることが可能となる。
【0283】
その後、非特定制御用のスタックエリア74dにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための非特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる(ステップS1709)。非特定制御に対応する処理を次回実行する場合にはこのスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出すことで、非特定制御用のスタックエリア74dにおいて主側MPU72のレジスタに復帰させるべきデータが記憶されているエリアの範囲を特定することが可能となる。
【0284】
その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから特定制御用のスタックポインタの値を読み出す(ステップS1710)。そして、その読み出した特定制御用のスタックポインタの値から、主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS1711)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を今回の第3非特定制御処理が開始される直前における特定制御用の状態に復帰させることが可能となる。
【0285】
その後、タイマ割込み処理(図9)の実行を許可する(ステップS1712)。これにより、定期的にタイマ割込み処理(図9)が起動される状態となる。そして、本第3非特定制御処理を終了する。第3非特定制御処理が終了することにより、特定制御用のプログラムを利用してリール制御処理(図19)におけるステップS603を実行する。なお、第3非特定制御処理が終了した場合にリール制御処理(図19)において復帰すべき処理がステップS603であることを示すデータは、第3非特定制御処理が開始される前に特定制御用のワークエリア74aに記憶されている。但し、当該データが非特定制御用のワークエリア74cに記憶されている構成としてもよい。
【0286】
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
【0287】
開始待ち処理(図11)において第1非特定制御処理及び第2非特定制御処理が実行される場合には主側MPU72のレジスタにその時点で記憶されているデータが主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避される。同様に、リール制御処理(図19)において第3非特定制御処理が実行される場合には主側MPU72のレジスタにその時点で記憶されているデータが主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避される。これにより、非特定制御に対応する処理が実行される場合に、特定制御に対応する処理の実行に際して主側MPU72のレジスタに記憶されたデータが書き換えられてしまわないようにすることが可能となる。また、非特定制御に対応する処理が終了する場合に、特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが主側MPU72のレジスタに復帰される。これにより、非特定制御に対応する処理が終了した場合には当該非特定制御に対応する処理の実行前における主側MPU72のレジスタの状態から特定制御に対応する処理を実行することが可能となる。
【0288】
非特定制御に対応する処理が実行される場合にはタイマ割込み処理(図9)の実行が禁止される。これにより、特定制御用のスタックエリア74bにデータが退避された状態で非特定制御に対応する処理が実行されている状況においてさらに処理の割込みが発生してしまうことを阻止することが可能となる。よって、データを退避するための処理構成が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
【0289】
開始待ち処理(図11)では非特定制御に対応する処理として、第1非特定制御処理(ステップS412)が実行されるとともに第2非特定制御処理(ステップS416)が実行される構成において、第1非特定制御処理と第2非特定制御処理とが一連の処理として集約されているのではなく、さらに第1非特定制御処理が終了する場合にタイマ割込み処理の実行が一旦許可されるとともに第2非特定制御処理が開始される場合にタイマ割込み処理の実行が再度許可される。これにより、非特定制御に対応する処理を実行するためにタイマ割込み処理の実行が継続して禁止される期間を短くすることが可能となり、第1非特定制御処理と第2非特定制御処理との間でタイマ割込み処理が実行される機会を担保することが可能となる。
【0290】
特定制御に対応する処理の実行に際して主側MPU72のレジスタに記憶されたデータの特定制御用のスタックエリア74bに対する退避と復帰が、第1非特定制御処理及び第2非特定制御処理のそれぞれに対応させて個別に行われる。これにより、第1非特定制御処理及び第2非特定制御処理のそれぞれにおいて上記データの退避が行われるようにするとともに、第1非特定制御処理と第2非特定制御処理との間でタイマ割込み処理が実行される機会が担保された構成において、特定制御に対応する処理の実行に際して主側MPU72のレジスタに記憶されたデータが特定制御用のスタックエリア74bに退避された状況においてタイマ割込み処理が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
【0291】
非特定制御に対応する処理が実行される場合にはその時点における主側MPU72のレジスタのデータが特定制御用のスタックエリア74bに退避されるだけではなく、非特定制御に対応する処理が終了する場合にはその時点における主側MPU72のレジスタのデータが非特定制御用のスタックエリア74dに退避される。これにより、特定制御に対応する処理が実行される場合と、非特定制御に対応する処理が実行される場合とで、主側MPU72のレジスタのデータ状態をそれに合わせて切り換えることが可能となり、特定制御に対応する処理及び非特定制御に対応する処理のそれぞれを適切に行うことが可能となる。
【0292】
主側ROM73において、特定制御に対応する処理を実行するための特定制御用のプログラムのアドレス群と、非特定制御に対応する処理を実行するための非特定制御用のプログラムのアドレス群とが明確に区別されている。これにより、特定制御に対応する処理及び非特定制御に対応する処理のうち一方のみのプログラムのチェックや修正を行う場合の作業性を向上させることが可能となる。
【0293】
主側RAM74においても特定制御に対応する処理を実行する場合の使用エリアのアドレス群と非特定制御に対応する処理を実行する場合の使用エリアのアドレス群とが、特定制御用のワークエリア74a及び非特定制御用のワークエリア74cとして明確に区別されている。これにより、特定制御に対応する処理及び非特定制御に対応する処理のうち一方の処理を実行する場合に他方の処理において利用されている情報が書き換えられてしまわないようにすることが可能となる。
【0294】
主側MPU72における抽選処理(図12)にてインデックス値IV=1?6のいずれかで当選となった場合にベル入賞の成立を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されることで、その報知を確認した遊技者はその停止順序に従ってリール32L,32M,32Rを停止させることでベル入賞を成立させることが可能となる。これは第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする役及び第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合も同様であり、報知されている停止順序に従ってリール32L,32M,32Rを停止させることで当選となっている役に対応するリプレイ入賞を成立させることが可能となる。また、第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選となった場合に第2転落リプレイ入賞の成立を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されることで、その報知を確認した遊技者はその停止順序に従ってリール32L,32M,32Rを停止させることで第2転落リプレイ入賞の成立を回避させることが可能となる。これは第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合も同様である。当該構成において、上記のように所定の停止順序となることで所定の入賞が発生する所定対応役に当選した場合に、停止順序の報知が演出側MPU82の制御に基づき画像表示装置63にて実行される構成であることにより、画像表示装置63への遊技者の注目度を高めるべく画像表示装置63にて報知を実行させるための処理負荷が高くなったとしても、その影響が主側MPU72に及ばないようにすることが可能となる。
【0295】
但し、演出側MPU82の制御に基づき画像表示装置63にて停止順序の報知が実行される構成においては、主側MPU72と演出側MPU82との間の通信経路や演出側MPU82に対して不正を施すことで画像表示装置63にて停止順序の報知を不正に行わせている状態にしながら、利益を不正に得ようとする行為が想定される。この場合、画像表示装置63にて停止順序の報知が実行されていることに起因して、その不正行為が行われていることが遊技ホールの管理者にとって分かりづらくなってしまうことが想定される。
【0296】
これに対して、演出側MPU82により制御される画像表示装置63にて停止順序の報知が実行されるだけではなく、主側MPU72により直接的に制御される特別表示部67においてその報知対象の停止順序に対応する報知が行われる。これにより、停止順序の報知が画像表示装置63において実行されている場合に特別表示部67においても報知対象の停止順序に対応する報知が実行されているのかを目視確認することで、上記のような不正行為が行われているか否かの確認を行うことが可能となる。
【0297】
所定の停止順序となることで所定の入賞が発生する所定対応役に当選していない場合、特別表示部67において役の抽選処理の結果に対応する報知が実行されない。これにより、特別表示部67の役割を明確なものとすることが可能となる。
【0298】
画像表示装置63において停止順序の報知が実行される場合、特別表示部67においてその報知対象の停止順序に対応する報知が実行される。これにより、画像表示装置63において実行されている停止順序の報知が正規のものであるか否かの確認を停止順序の報知が実行される場合には毎回行うことが可能となる。
【0299】
特別表示部67における停止順序に対応する報知は画像表示装置63における停止順序の報知よりも、報知対象となっている停止順序の内容を遊技者が把握しづらい態様で行われる。これにより、画像表示装置63だけではなく特別表示部67が設けられた構成において画像表示装置63への遊技者の注目度を高めることが可能となる。よって、特別表示部67における報知態様を簡素な態様としたとしても遊技者に違和感を与えづらくなる。
【0300】
特別表示部67の表示範囲は画像表示装置63の表示範囲よりも狭い。これにより、画像表示装置63だけではなく特別表示部67が設けられた構成において画像表示装置63への遊技者の注目度を高めることが可能となる。よって、特別表示部67における報知態様を簡素な態様としたとしても、遊技者に違和感を与えづらくなる。
【0301】
画像表示装置63において停止順序の報知を実行することを可能とする停止順コマンドが主側MPU72から演出側MPU82に送信される構成において、当該停止順コマンドには役の抽選処理の結果そのものは含まれない。これにより、主側MPU72と演出側MPU82との間の通信経路に不正にアクセスして停止順コマンドを不正に取得したとしても、その停止順コマンドから役の抽選処理の結果を把握しようとすることを不可とすることが可能となる。よって、停止順コマンドを取得することによる不正行為を実質的に無効化させることが可能となる。
【0302】
画像表示装置63における停止順序の報知及び特別表示部67における停止順序に対応する報知を実行するか否かの決定が主側MPU72において集約して実行される。これにより、主側MPU72と演出側MPU82との間で双方向通信を行わなくても、画像表示装置63にて停止順序の報知が実行される場合に特別表示部67にて停止順序に対応する報知が実行されるようにすることが可能となる。
【0303】
画像表示装置63にて実行される停止順序の報知の種類が複数種類設定されている構成において、特別表示部67においては停止順序の報知の種類に対応する態様で報知が実行される。これにより、停止順序の報知の種類が複数種類設定されている構成であっても、特別表示部67における報知の内容を確認することで今回のゲームに対応する停止順序の報知の内容を把握することが可能となる。
【0304】
所定の停止順序となった場合に所定の入賞が発生する所定対応役に当選した場合であっても画像表示装置63において停止順序の報知が実行されない場合には、特別表示部67において停止順序に対応する報知は実行されない。これにより、停止順序の報知が画像表示装置63において実行されるのが好ましくない状況において、特別表示部67において停止順序に対応する報知が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
【0305】
停止順序の報知は実行されないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が画像表示装置63にて表示される場合、特別表示部67において停止順序に対応する報知は実行されない。これにより、停止順序の報知が画像表示装置63において実行されるのが好ましくない状況において、特別表示部67において停止順序に対応する報知が実行されてしまわないようにすることが可能となる。また、抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が画像表示装置63にて表示される場合、停止順序に対応する報知ではないものの画像表示装置63における表示内容に対応する表示が特別表示部67にて実行される。これにより、抽選モードの分岐タイミングであることを示す画像が画像表示装置63にて表示されている場合であっても、特別表示部67を確認することでその画像表示装置63に表示されている画像が正規のものか否かを確認することが可能となる。
【0306】
特別表示部67において停止順序に対応する報知が開始されるタイミング以降のタイミングで画像表示装置63において停止順序の報知が開始される。これにより、画像表示装置63において停止順序の報知が開始されたタイミングで特別表示部67を確認することで、その停止順序の報知が正規のものであるか否かを確認することが可能となる。
【0307】
特別表示部67における停止順序に対応する報知が開始されるタイミング以降に画像表示装置63における停止順序の報知が開始される構成であったとしても、停止操作の無効期間において画像表示装置63における停止順序の報知が開始される。これにより、停止操作が有効化される前に画像表示装置63における停止順序の報知の内容を遊技者に認識させることが可能となる。
【0308】
画像表示装置63における停止順序の報知が終了した後に特別表示部67における停止順序に対応する報知が終了する。これにより、画像表示装置63における停止順序の報知が終了する前に特別表示部67における停止順序に対応する報知が終了してしまうことがないため、画像表示装置63における停止順序の報知が正規のものであるか否かを確認する機会を多くすることが可能となる。
【0309】
<第2の実施形態>
本実施形態では、主側MPU72にて非特定制御が実行される場合の処理構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、上記第1の実施形態との相違点について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。図36は本実施形態における開始待ち処理を示すフローチャートである。
【0310】
開始待ち処理では、ステップS1801のその他の処理として、上記第1の実施形態における開始待ち処理(図11)のステップS401?ステップS411と同一の処理を実行する。その後、タイマ割込み処理(図9)の実行を禁止し(ステップS1802)、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避させる(ステップS1803)。これにより、第1非特定制御処理が実行される直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。ちなみに、これらステップS1801?ステップS1803の処理は特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
【0311】
その後、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して第1非特定制御処理を実行する(ステップS1804)。図37は本実施形態における第1非特定制御処理を示すフローチャートである。
【0312】
第1非特定制御処理では、まず特定制御用のスタックエリア74bにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる(ステップS1901)。第1非特定制御処理が終了して開始待ち処理に復帰する場合にはこのスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出すことで、特定制御用のスタックエリア74bにおいて主側MPU72のレジスタに復帰させるべきデータが記憶されているエリアの範囲を特定することが可能となる。
【0313】
その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから非特定制御用のスタックポインタの値を読み出す(ステップS1902)。そして、その読み出した非特定制御用のスタックポインタの値から、主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS1903)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を非特定制御が前回実行された状態に復帰させることが可能となる。
【0314】
その後、ステップS1904のその他の処理として、上記第1の実施形態における第1非特定制御処理(図33)のステップS1506?ステップS1512と同一の処理を実行する。これにより、投入メダル検出センサ45a,45bに対して不正行為が行われているか否かの監視処理が実行されるとともに、当該不正行為が行われていた場合にはそれに対処するための処理が実行される。
【0315】
その後、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避させる(ステップS1905)。これにより、第1非特定制御処理から特定制御に対応する処理に復帰する直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。既に説明したとおり第1非特定制御処理が開始される場合には、非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが主側MPU72のレジスタに復帰される。これにより、第1非特定制御処理が開始される場合には、主側MPU72のレジスタのデータ状態を非特定制御用のデータ状態に復帰させることが可能となる。
【0316】
その後、非特定制御用のスタックエリア74dにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための非特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる(ステップS1906)。非特定制御に対応する処理を次回実行する場合にはこのスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出すことで、非特定制御用のスタックエリア74dにおいて主側MPU72のレジスタに復帰させるべきデータが記憶されているエリアの範囲を特定することが可能となる。その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから特定制御用のスタックポインタの値を読み出す(ステップS1907)。
【0317】
第1非特定制御処理が終了した場合、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用してステップS1805?ステップS1809の処理を実行する。具体的には、第1非特定制御処理のステップS1907にて読み出したスタックポインタの値から、主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS1805)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を今回の第1非特定制御処理が開始される直前における特定制御用の状態に復帰させることが可能となる。その後、タイマ割込み処理(図9)の実行を許可する(ステップS1806)。これにより、定期的にタイマ割込み処理(図9)が起動される状態となる。
【0318】
その後、ステップS1807のその他の処理として上記第1の実施形態における開始待ち処理(図11)のステップS413?ステップS415と同一の処理を実行する。その後、タイマ割込み処理(図9)の実行を禁止し(ステップS1808)、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避させる(ステップS1809)。これにより、第2非特定制御処理が実行される直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。
【0319】
その後、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して第2非特定制御処理を実行する(ステップS1810)。第2非特定制御処理では、第1非特定制御処理と同様に、まず特定制御用のスタックエリア74bにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる。その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから非特定制御用のスタックポインタの値を読み出す。そして、その読み出した非特定制御用のスタックポインタの値から、主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる。その後、上記第1の実施形態における第2非特定制御処理(図34)のステップS1606?ステップS1607と同一の処理を実行する。これにより、リセットボタン56の不正操作が行われているか否かの監視処理が実行されるとともに、当該不正行為が行われていた場合にはそれに対処するための処理が実行される。その後、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避させる。また、非特定制御用のスタックエリア74dにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための非特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる。その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから特定制御用のスタックポインタの値を読み出す。
【0320】
第2非特定制御処理が終了した場合、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用してステップS1811?ステップS1812の処理を実行する。具体的には、第2非特定制御処理の最後に読み出したスタックポインタの値から、主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS1811)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を今回の第2非特定制御処理が開始される直前における特定制御用の状態に復帰させることが可能となる。その後、タイマ割込み処理(図9)の実行を許可する(ステップS1812)。これにより、定期的にタイマ割込み処理(図9)が起動される状態となる。
【0321】
なお、第3非特定制御処理についても、当該第3非特定制御処理を開始する前に特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して、ステップS1802?ステップS1803と同一の処理を実行する。また、第3非特定制御処理が開始される場合に非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用してステップS1901?ステップS1903と同一の処理を実行する。また、第3特定制御処理が終了する場合に非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用してステップS1905?ステップS1907と同一の処理を実行する。また、第3非特定制御処理を終了してリール制御処理に復帰した場合に特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して、ステップS1805?ステップS1806と同一の処理を実行する。
【0322】
以上詳述した本実施形態によれば、非特定制御に対応する処理を開始する場合にはその時点における主側MPU72のレジスタに記憶されたデータを主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避する処理、及び非特定制御に対応する処理を終了する場合には特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる処理は、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。また、特定制御に対応する処理であるタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止する処理、及びタイマ割込み処理(図9)の実行を許可する処理も、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。これにより、特定制御に対応する処理及び特定制御に対応する処理の実行に際して利用されるデータを扱う処理を実行するためのプログラム及びデータを、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータに集約することが可能となる。
【0323】
<第3の実施形態>
本実施形態では、主側MPU72にて非特定制御が実行される場合の処理構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、上記第1の実施形態との相違点について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0324】
図38(a)は本実施形態における開始待ち処理を示すフローチャートであり、図38(b)は本実施形態におけるリール制御処理を示すフローチャートである。図38(a)に示すように開始待ち処理では、ステップS2001のその他の処理として、上記第1の実施形態における開始待ち処理(図11)のステップS401?ステップS411と同一の処理を実行し、ステップS2002にて第1非特定制御処理の代わりに非特定制御の呼び出し処理を実行し、ステップS2003のその他の処理として、上記第1の実施形態における開始待ち処理(図11)のステップS413?ステップS415と同一の処理を実行し、ステップS2004にて第2非特定制御処理の代わりに非特定制御の呼び出し処理を実行する。また、図38(b)に示すようにリール制御処理では、ステップS2101では上記第1の実施形態におけるリール制御処理(図19)のステップS601と同様に回転開始処理を実行し、ステップS2102にて第3非特定制御処理の代わりに非特定制御の呼び出し処理を実行し、ステップS2103?ステップS2108では上記第1の実施形態におけるリール制御処理(図19)のステップS603?ステップS614と同一の処理を実行する。
【0325】
図39は開始待ち処理(図38(a))のステップS2002及びステップS2004、並びにリール制御処理(図38(b))のステップS2102にて実行される非特定制御の呼び出し処理を示すフローチャートである。当該非特定制御の呼び出し処理は、後述するステップS2204にて起動される非特定制御処理を除き、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。
【0326】
非特定制御の呼び出し処理では、まずタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止し(ステップS2201)、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避させる(ステップS2202)。これにより、非特定制御処理が実行される直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。
【0327】
その後、特定制御用のデータとして主側ROM73に記憶されているモジュールアドレステーブルを主側RAM74における特定制御用のワークエリア74aに読み出し、今回の呼び出し対象に対応した非特定制御処理を実行するための非特定制御用のプログラムが記憶された主側ROM73のエリアのアドレスをそのモジュールアドレステーブルから取得する(ステップS2203)。モジュールアドレステーブルは、非特定制御の呼び出し処理の実行契機となる処理の種類と、実行対象となる非特定制御処理を実行するための非特定制御用のプログラムの開始アドレスとの対応関係が設定されている。具体的には、開始待ち処理(図38(a))のステップS2002にて実行された非特定制御の呼び出し処理であれば第1非特定制御処理を実行するための非特定制御用のプログラムの開始アドレスが取得され、開始待ち処理(図38(a))のステップS2004にて実行された非特定制御の呼び出し処理であれば第2非特定制御処理を実行するための非特定制御用のプログラムの開始アドレスが取得され、リール制御処理(図38(b))のステップS2102にて実行された非特定制御の呼び出し処理であれば第3非特定制御処理を実行するための非特定制御用のプログラムの開始アドレスが取得される。
【0328】
その後、ステップS2203にて取得したアドレスに対応する種類の非特定制御処理を実行する(ステップS2204)。この場合、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用してその非特定制御処理を実行する。当該非特定制御処理としては第1非特定制御処理と、第2非特定制御処理と、第3非特定制御処理とが存在しているが、これら第1?第3非特定制御処理の処理内容は上記第2の実施形態における第1?第3非特定制御処理の処理内容と同一である。この場合、各非特定制御処理においては最初の処理として、まず特定制御用のスタックエリア74bにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる。その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから非特定制御用のスタックポインタの値を読み出す。そして、その読み出した非特定制御用のスタックポインタの値から、主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる。その後、今回の非特定制御処理に対応する不正監視処理を実行する。その後、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避させる。また、非特定制御用のスタックエリア74dにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための非特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる。その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから特定制御用のスタックポインタの値を読み出す。
【0329】
今回の実行対象となった非特定制御処理の実行が終了した場合、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用してステップS2205及びステップS2206の処理を実行する。具体的には、今回実行された非特定制御処理における最後の処理にて読み出したスタックポインタの値から、主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS2205)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を今回の非特定制御処理が開始される直前における特定制御用の状態に復帰させることが可能となる。その後、タイマ割込み処理(図9)の実行を許可する(ステップS2206)。これにより、定期的にタイマ割込み処理(図9)が起動される状態となる。
【0330】
以上詳述した本実施形態によれば、非特定制御に対応する処理を開始する場合にはその時点における主側MPU72のレジスタに記憶されたデータを主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避する処理、及び非特定制御に対応する処理を終了する場合には特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる処理は、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。また、特定制御に対応する処理であるタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止する処理、及びタイマ割込み処理(図9)の実行を許可する処理も、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される。これにより、特定制御に対応する処理及び特定制御に対応する処理の実行に際して利用されるデータを扱う処理を実行するためのプログラム及びデータを、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータに集約することが可能となる。
【0331】
また、特定制御用のスタックエリア74bにデータを退避させるための処理、特定制御用のスタックエリア74bからデータを復帰させるための処理、タイマ割込み処理の実行を禁止する処理、及びタイマ割込み処理の実行を許可する処理は、第1非特定制御処理、第2非特定制御処理及び第3非特定制御処理のそれぞれに対して設定されているのではなく、第1非特定制御処理、第2非特定制御処理及び第3非特定制御処理の中から実行対象の処理を呼び出すための処理に対して設定されている。これにより、特定制御用のプログラムの容量をその分だけ抑えることが可能となる。
【0332】
<第4の実施形態>
本実施形態では、非特定制御の呼び出し処理の内容が上記第3の実施形態と異なっている。以下、この相違点について説明する。なお、上記第3の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
【0333】
上記第3の実施形態における非特定制御の呼び出し処理(図39)は、ステップS2204の非特定制御処理を除き、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される構成としたが、本実施形態における非特定制御の呼び出し処理はその全てが非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。つまり、開始待ち処理(図38(a))のステップS2002及びステップS2004、並びにリール制御処理(図38(b))のステップS2102では、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して、非特定制御の呼び出し処理が開始されるようにするための設定処理が行われるだけで、非特定制御の呼び出し処理自体は非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。
【0334】
図40は本実施形態における非特定制御の呼び出し処理を示すフローチャートである。
【0335】
まずタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止し(ステップS2301)、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避させる(ステップS2302)。これにより、非特定制御の呼び出し処理が実行される直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。
【0336】
その後、特定制御用のスタックエリア74bにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる(ステップS2303)。非特定制御の呼び出し処理が終了して開始待ち処理又はリール制御処理に復帰する場合にはこのスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出すことで、特定制御用のスタックエリア74bにおいて主側MPU72のレジスタに復帰させるべきデータが記憶されているエリアの範囲を特定することが可能となる。
【0337】
その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから非特定制御用のスタックポインタの値を読み出す(ステップS2304)。そして、その読み出した非特定制御用のスタックポインタの値から、主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS2305)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を非特定制御が前回実行された状態に復帰させることが可能となる。
【0338】
その後、非特定制御用のデータとして主側ROM73に記憶されているモジュールアドレステーブルを主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに読み出し、今回の呼び出し対象に対応した非特定制御処理を実行するための非特定制御用のプログラムが記憶された主側ROM73のエリアのアドレスをそのモジュールアドレステーブルから取得する(ステップS2306)。モジュールアドレステーブルは、上記第3の実施形態と同様に、非特定制御の呼び出し処理の実行契機となる処理の種類と、実行対象となる非特定制御処理を実行するための非特定制御用のプログラムの開始アドレスとの対応関係が設定されている。具体的には、開始待ち処理(図38(a))のステップS2002にて実行された非特定制御の呼び出し処理であれば第1非特定制御処理を実行するための非特定制御用のプログラムの開始アドレスが取得され、開始待ち処理(図38(a))のステップS2004にて実行された非特定制御の呼び出し処理であれば第2非特定制御処理を実行するための非特定制御用のプログラムの開始アドレスが取得され、リール制御処理(図38(b))のステップS2102にて実行された非特定制御の呼び出し処理であれば第3非特定制御処理を実行するための非特定制御用のプログラムの開始アドレスが取得される。
【0339】
ちなみに、開始待ち処理(図38(a))のステップS2002及びステップS2004、並びにリール制御処理(図38(b))のステップS2102では、非特定制御の呼び出し処理が開始されるようにするための設定処理を実行するだけではなく、非特定制御の呼び出し処理の実行契機となった処理の種類を示すデータを主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる処理を実行する。ステップS2306ではその非特定制御用のワークエリア74cに記憶されたデータを利用して非特定制御の呼び出し処理の実行契機となった処理の種類を特定し、それに対応した種類の非特定制御処理に対応する開始アドレスをモジュールアドレステーブルから取得する。但し、当該構成に限定されることはなく、開始待ち処理(図38(a))のステップS2002及びステップS2004、並びにリール制御処理(図38(b))のステップS2102では、非特定制御の呼び出し処理の実行契機となった処理の種類を示すデータを主側RAM74における特定制御用のワークエリア74aに記憶させ、ステップS2306ではその特定制御用のワークエリア74aに記憶されたデータを利用して非特定制御の呼び出し処理の実行契機となった処理の種類を特定し、それに対応した種類の非特定制御処理に対応する開始アドレスをモジュールアドレステーブルから取得する構成としてもよい。
【0340】
その後、ステップS2306にて取得したアドレスに対応する種類の非特定制御処理を実行する(ステップS2307)。当該非特定制御処理としては第1非特定制御処理と、第2非特定制御処理と、第3非特定制御処理とが存在している。これら各非特定制御処理では、タイマ割込み処理(図9)の実行を許可又は禁止するための処理、及び主側MPU72のレジスタに記憶されたデータを退避又は復帰させるための処理を実行することなく、各非特定制御処理に対応する不正監視を行うための処理を実行する。第1非特定制御処理について具体的には、図41のフローチャートに示すように、ステップS2401?ステップS2407にて、上記第1の実施形態における第1非特定制御処理(図33)のステップS1506?ステップS1512の処理のみを実行する。第2非特定制御処理では、上記第1の実施形態における第2非特定制御処理(図34)のステップS1606及びステップS1607の処理のみを実行する。第3非特定制御処理では、上記第1の実施形態における第3非特定制御処理(図35)のステップS1706及びステップS1707の処理のみを実行する。
【0341】
非特定制御の呼び出し処理では、ステップS2307にて非特定制御処理を実行した後は、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における非特定制御用のスタックエリア74dに退避させる(ステップS2308)。これにより、非特定制御の呼び出し処理から特定制御に対応する処理に復帰する直前に主側MPU72のレジスタに記憶されていたデータがそのまま別保存されることとなる。既に説明したとおり非特定制御の呼び出し処理が開始される場合には、非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータが主側MPU72のレジスタに復帰される。これにより、非特定制御の呼び出し処理が開始される場合には、主側MPU72のレジスタのデータ状態を非特定制御用のデータ状態に復帰させることが可能となる。
【0342】
その後、非特定制御用のスタックエリア74dにおいてレジスタの退避データが記憶された範囲を特定するための非特定制御用のスタックポインタの値を、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cに記憶させる(ステップS2309)。非特定制御の呼び出し処理を次回実行する場合にはこのスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出すことで、非特定制御用のスタックエリア74dにおいて主側MPU72のレジスタに復帰させるべきデータが記憶されているエリアの範囲を特定することが可能となる。
【0343】
その後、主側RAM74における非特定制御用のワークエリア74cから特定制御用のスタックポインタの値を読み出す(ステップS2310)。そして、その読み出したスタックポインタの値から、主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータが記憶されたエリアの範囲を特定し、その特定したエリアの範囲に記憶されているデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる(ステップS2311)。これにより、主側MPU72のレジスタの状態を今回の非特定制御の呼び出し処理が開始される直前における特定制御用の状態に復帰させることが可能となる。その後、タイマ割込み処理(図9)の実行を許可する(ステップS2312)。これにより、定期的にタイマ割込み処理(図9)が起動される状態となる。
【0344】
以上詳述した本実施形態によれば、非特定制御に対応する処理を実行する場合にデータを退避及び復帰する処理、並びにタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止及び許可する処理はいずれも非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを利用して実行される。これにより、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータの容量を抑えることが可能となる。
【0345】
また、非特定制御に対応する処理を実行する場合にデータを退避及び復帰する処理、並びにタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止及び許可する処理は、第1非特定制御処理、第2非特定制御処理及び第3非特定制御処理のそれぞれに対して設定されているのではなく、第1非特定制御処理、第2非特定制御処理及び第3非特定制御処理の中から実行対象の処理を呼び出すための処理に対して設定されている。これにより、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータの容量をその分だけ抑えることが可能となる。
【0346】
<第5の実施形態>
本実施形態では、主側MPU72にて実行される分岐対応の報知制御処理の処理内容が上記第1の実施形態と相違している。以下、上記第1の実施形態との相違点について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。図42は本実施形態における分岐対応の報知制御処理を示すフローチャートである。
【0347】
第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS2501:YES)、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS2502)。この場合に、ART終了分岐状態である場合、第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。これにより、画像表示装置63ではリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることが報知される。また、今回は特別表示部67において当選役に関する報知は実行されない。
【0348】
分岐対応の報知制御処理では、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS2503:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば(ステップS2504:YES)、表示データの設定処理を実行する(ステップS2505)。これにより、第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS2506)。これにより、画像表示装置63では第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。
【0349】
一方、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合(ステップS2503:YES、ステップS2504:NO)、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS2507)。この場合に、ART終了分岐状態である場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第1転落リプレイ入賞の発生を回避可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。これにより、画像表示装置63ではリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることが報知される。また、今回は特別表示部67において当選役に関する報知は実行されない。
【0350】
分岐対応の報知制御処理では、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合(ステップS2508:YES)、主側RAM74の残ART実行カウンタの値が1以上であれば(ステップS2509:YES)、表示データの設定処理を実行する(ステップS2510)。これにより、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示が特別表示部67にて開始される。その後、報知実行コマンド及び停止順コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS2511)。これにより、画像表示装置63では第2RTリプレイ入賞の発生を可能とするリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される。
【0351】
一方、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選した場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合(ステップS2508:YES、ステップS2509:NO)、報知実行コマンドを演出側MPU82への送信対象としてセットする(ステップS2512)。この場合に、ART終了分岐状態である場合であって残ART実行カウンタの値が「0」である場合、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役に当選したとしても第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする停止順序は報知されない。したがって、停止順コマンドは演出側MPU82に送信されない。これにより、画像表示装置63ではリール32L,32M,32Rの停止順序は報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることが報知される。また、今回は特別表示部67において当選役に関する報知は実行されない。
【0352】
以上の構成によれば、画像表示装置63において抽選モードの分岐タイミングであることが報知されるとしてもリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されない場合には、特別表示部67において報知が実行されない。これにより、画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合にのみ特別表示部67において報知が実行されることとなり、特別表示部67の役割を明確なものとすることが可能となる。
【0353】
<他の実施形態>
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施形態の構成に対して個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。また、上記各実施形態の構成を相互に組み合わせて適用してもよく、上記各実施形態の構成を相互に組み合わせた構成に対して以下の別形態の構成を個別に又は組み合わせて適用してもよい。
【0354】
(1)上記各実施形態では主側ROM73を1個のみ設け、その1個の主側ROM73に対して特定制御用のプログラム、特定制御用のデータ、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータの全てが記憶されている構成としたが、これに代えて、主側MPU72に対してバスを介して複数(例えば2個)の主側ROM73を接続し、そのうちの一部(例えば1個)の主側ROM73に特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを記憶させ、それとは異なる主側ROM73(例えば1個)に非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータを記憶させる構成としてもよい。この場合、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータと、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータとのうち一方のみをチェックする場合には、それに対応する主側ROM73のみを取り出してチェックすることが可能となる。また、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータと、非特定制御用のプログラム及び非特定制御用のデータとのうち一方のみを複数の機種間で共通して利用する場合には、それに対応する主側ROM73を共通して使用することが可能となる。
【0355】
(2)上記各実施形態では、非特定制御に対応する処理を実行する場合にはタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止した後に、主側MPU72の全レジスタのデータを主側RAM74における特定制御用のスタックエリア74bに退避させる構成としたが、これに代えて、主側MPU72の全レジスタのデータを特定制御用のスタックエリア74bに退避させた後にタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止する構成としてもよい。
【0356】
(3)上記各実施形態では、非特定制御に対応する処理を終了する場合には特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させた後にタイマ割込み処理(図9)の実行を許可する構成としたが、これに代えて、タイマ割込み処理(図9)の実行を許可した後に特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる構成としてもよい。
【0357】
(4)上記各実施形態では非特定制御用のスタックエリア74dが設けられており、非特定制御に対応する処理を終了する場合には主側MPU72の全レジスタのデータが非特定制御用のスタックエリア74dに退避され、非特定制御に対応する処理を実行する場合には非特定制御用のスタックエリア74dに退避されたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる構成としたが、非特定制御用のスタックエリア74dが設けられておらず、非特定制御に対応する処理が実行された場合に主側MPU72のレジスタに記憶されたデータは非特定制御に対応する処理を終了する場合に退避されることなく消去される構成としてもよい。この場合、非特定制御に対応する処理を終了して特定制御に対応する処理を開始する場合には、主側MPU72の全レジスタのデータを一旦消去した後に、特定制御用のスタックエリア74bに退避されたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる構成としてもよい。これにより、特定制御に対応する処理を実行する場合に不要なデータが主側MPU72のレジスタに残ったままとなった状態で特定制御に対応する処理が再開されてしまわないようにすることが可能となる。
【0358】
(5)第1の実施形態における開始待ち処理(図11)において第1非特定制御処理と第2非特定制御処理とが連続した処理順序となるように設定されている構成としてもよい。この場合であっても、第1非特定制御処理が終了する場合には当該第1非特定制御処理を開始する場合に特定制御用のスタックエリア74bに退避させたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させるとともにタイマ割込み処理(図9)の実行を一旦許可し、その後に第2非特定制御処理を開始する場合には主側MPU72の全レジスタのデータを特定制御用のスタックエリア74bに退避させるとともにタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止する構成としてもよい。これにより、第1非特定制御処理と第2非特定制御処理とが連続した処理順序となるように設定されている構成であったとしても、これら第1非特定制御処理と第2非特定制御処理との間においてタイマ割込み処理(図9)が実行される機会を担保することが可能となる。
【0359】
(6)非特定制御に対応する処理を実行する場合にはタイマ割込み処理(図9)の実行を禁止する構成に代えて、非特定制御に対応する処理の実行途中であってもタイマ割込み処理(図9)の割込みが発生し得る構成としてもよい。この場合、タイマ割込み処理(図9)の終了後には実行途中であった非特定制御に対応する処理が再開されることとなる。したがって、タイマ割込み処理(図9)の開始に際して、主側MPU72の全レジスタのデータを非特定制御用のスタックエリア74dに退避させ、当該タイマ割込み処理(図9)が終了する場合に非特定制御用のスタックエリア74dに退避させたデータを主側MPU72のレジスタに復帰させる構成とする。
【0360】
本構成においては、タイマ割込み処理(図9)は特定制御に対応する処理及び非特定制御に対応する処理のいずれに対しても割り込んで実行されることとなる。したがって、タイマ割込み処理(図9)の開始に際して、現状実行されている処理が特定制御に対応する処理及び非特定制御に対応する処理のいずれであるかを特定し、特定制御に対応する処理であれば主側MPU72の全レジスタのデータを特定制御用のスタックエリア74bに退避させ、非特定制御に対応する処理であれば主側MPU72の全レジスタのデータを非特定制御用のスタックエリア74dに退避させる。そして、タイマ割込み処理(図9)を終了する場合にはその開始に際してデータの退避を行った対象が特定制御用のスタックエリア74b及び非特定制御用のスタックエリア74dのいずれであるのかを特定し、その特定したスタックエリア74b,74dから主側MPU72のレジスタにデータを復帰させる構成とする。
【0361】
(7)非特定制御に対応する処理を実行する場合における、タイマ割込み処理(図9)の実行を禁止するための処理(ステップS1501に相当)、主側MPU72の全レジスタのデータを特定制御用のスタックエリア74bに退避させる処理(ステップS1502に相当)、特定制御用のスタックエリア74bに対応するスタックポイントの値を非特定制御用のワークエリア74cに保存する処理(ステップS1503に相当)、非特定制御用のスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出す処理(ステップS1504に相当)、非特定制御用のスタックエリア74dから主側MPU72のレジスタにデータを復帰させる処理(ステップS1505に相当)、主側MPU72の全レジスタのデータを非特定制御用のスタックエリア74dに退避させる処理(ステップS1513に相当)、非特定制御用のスタックエリア74dに対応するスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cに保存する処理(ステップS1514に相当)、特定制御用のスタックポインタの値を非特定制御用のワークエリア74cから読み出す処理(ステップS1515に相当)、特定制御用のスタックエリア74bから主側MPU72のレジスタにデータを復帰させる処理(ステップS1516に相当)、及びタイマ割込み処理(図9)の実行を許可するための処理(ステップS1517に相当)が全て、特定制御用のプログラム及び特定制御用のデータを利用して実行される構成としてもよい。
【0362】
(8)主側RAM74において特定制御用のワークエリア74aと非特定制御用のワークエリア74cとが明確に区別されている構成に代えて、特定制御に対応する処理及び非特定制御に対応する処理のいずれが実行される場合であっても主側RAM74の共通のワークエリアが使用される構成としてもよい。これにより、主側RAM74のエリアを使用する場合の自由度を高めることが可能となる。
【0363】
(9)上記各実施形態では主側MPU72の全レジスタのデータを特定制御用のスタックエリア74bに退避させた場合におけるスタックポインタの情報を非特定制御用のワークエリア74cに保存する構成としたが、これに代えて、当該スタックポインタの情報を特定制御用のワークエリア74aに保存する構成としてもよい。
【0364】
(10)非特定制御に対応する処理として、第1非特定制御処理、第2非特定制御処理及び第3非特定制御処理において監視対象となっている不正行為とは異なる種類の不正行為の発生を監視するための処理が設定されている構成としてもよい。また、非特定制御に対応する処理として、第1非特定制御処理、第2非特定制御処理及び第3非特定制御処理などといった不正行為の発生を監視するための処理に加えて又は代えて、不正行為の発生を監視するための処理とは異なる処理が設定されている構成としてもよい。例えば、スロットマシン10の動作試験を行う場合に利用される試験情報を外部出力するための処理が非特定制御に対応する処理として設定されている構成としてもよい。
【0365】
(11)画像表示装置63においてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合及びリール32L,32M,32Rの停止順序が報知されないものの抽選モードの分岐タイミングであることが報知される場合にのみ特別表示部67において表示が行われる構成に限定されることはなく、これら以外の場合においても特別表示部67において表示が行われる構成としてもよい。例えば、画像表示装置63において停止順序の報知及び抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が実行されない状況であっても、所定の停止順序となった場合に所定の入賞が発生する所定対応役に当選した場合には特別表示部67においてそれに対応する報知が行われる構成としてもよい。また、例えば画像表示装置63において停止順序の報知が実行されないものの抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が実行される場合には特別表示部67において停止順序に対応する報知が行われる構成としてもよい。但し、画像表示装置63において停止順序が報知されないにも関わらず遊技者が停止順序を明確に特定可能な態様で特別表示部67において報知が行われると、例えばインデックス値IV=1?6のいずれかに当選した場合にはAT状態であるか否かに関係なくベル入賞が成立してしまうこととなる。したがって、そのような状況において特別表示部67にて報知を行う場合には停止順序を特定しづらい態様で当該報知が行われるようにすることが好ましい。
【0366】
(12)役の抽選処理の結果に対応する報知が演出側MPU82の制御に基づき画像表示装置63などにて実行される場合には、それに対応する報知が特別表示部67において行われる構成としてもよい。例えば、全てのリール32L,32M,32Rの回転が終了する前に、そのゲームにおける役の抽選処理の結果に対応する表示色でキャラクタや文字などの画像が画像表示装置63にて表示される構成においては、その画像が表示されるよりも前のタイミング、その画像の表示タイミングと同時のタイミング又はその画像が表示された後のタイミングにおいて、当該ゲームの役の抽選処理の結果に対応する表示又はその表示色に対応する表示が特別表示部67において実行される構成としてもよい。より具体的には、通常リプレイ役が当選となった場合に画像表示装置63にて青色のキャラクタや文字などの画像が表示される場合には、それに対応する青色対応表示が特別表示部67において行われるようにし、第1スイカ役又は第2スイカ役が当選となった場合に画像表示装置63にて緑色のキャラクタや文字などの画像が表示される場合には、それに対応する緑色対応表示が特別表示部67において行われるようにする構成が考えられる。これにより、役の抽選処理の結果に対応する表示色が画像表示装置63にて報知される場合には、それに対応する表示が特別表示部67において行われることとなる。なお、当該構成を、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて入賞役が変化する構成ではないスロットマシンに適用してもよく、リール32L,32M,32Rの停止順序が演出側MPU82の制御に基づき報知される構成ではないスロットマシンに適用してもよい。
【0367】
(13)役の抽選処理の結果に関係なく各ゲームにおいて特別表示部67にて何らかの表示が行われる構成としてもよい。この場合、役の抽選処理の結果に対応する報知が特別表示部67において行われる構成としてもよいが、特別表示部67を確認することで役の抽選処理の結果が遊技者に明確に把握されてしまうのは好ましくないため、役の抽選処理の結果を特定しづらい態様で当該報知が行われるようにすることが好ましい。
【0368】
(14)画像表示装置63において停止順序の報知が行われる場合にはその停止順序に対応する報知が特別表示部67において行われるが、画像表示装置63において停止順序の報知が行われない場合には役の抽選処理の結果を特定不可とするような表示が特別表示部67において行われる構成としてもよい。例えば、画像表示装置63において停止順序の報知が行われない場合には特別表示部67の表示内容が抽選により決定され、その抽選結果に対応する表示が特別表示部67において行われる構成としてもよい。これにより、画像表示装置63において停止順序の報知が行われる場合には当該停止順序に対応する報知が特別表示部67にて行われるようにしながら、停止順序の報知が行われない場合には特別表示部67の表示内容を不規則なものとすることが可能となる。この場合、特別表示部67の機能が遊技者にとって分かりづらくなり、特別表示部67に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。
【0369】
(15)画像表示装置63において停止順序の報知が行われる場合及び抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が行われる場合には、それに対応する報知が特別表示部67において行われるが、それ以外の場合においては役の抽選処理の結果を特定不可とするような表示が特別表示部67において行われる構成としてもよい。例えば、画像表示装置63において停止順序の報知及び抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が行われない場合には特別表示部67の表示内容が抽選により決定され、その抽選結果に対応する表示が特別表示部67において行われる構成としてもよい。
【0370】
(16)主側MPU72に動作電力が供給されている場合には特別表示部67において何らかの表示が常時行われている構成としてもよい。例えば、画像表示装置63において停止順序の報知が行われる場合及び抽選モードの分岐タイミングであることを示す報知が行われるゲームにおいてはそれに対応する報知が特別表示部67において行われ、それ以外の場合には待機中であることを示す待機表示が特別表示部67において行われる構成としてもよい。これにより、主側MPU72と特別表示部67との間の電気経路に何らかの異常が発生しているか否かの確認、及び特別表示部67に故障が発生しているか否かの確認を、特別表示部67を目視するだけで行うことが可能となる。
【0371】
(17)画像表示装置63において停止順序の報知が実行されている期間が、特別表示部67において停止順序に対応する報知が実行されている期間に含まれている構成としたが、これに限定されることはなく、画像表示装置63において停止順序の報知が実行されている期間の少なくとも一部が、特別表示部67において停止順序に対応する報知が実行されている期間に含まれていない構成としてもよい。例えば、特別表示部67における停止順序に対応する報知が開始されたタイミング以降に画像表示装置63において停止順序の報知が開始されるものの画像表示装置63において停止順序の報知が実行されている途中で特別表示部67における停止順序に対応する報知が終了される構成としてもよく、特別表示部67における停止順序に対応する報知が終了したタイミング以降に画像表示装置63における停止順序の報知が開始される構成としてもよく、画像表示装置63において停止順序の報知が開始された後に特別表示部67における停止順序に対応する報知が開始され、画像表示装置63において停止順序の報知が終了したタイミング以降に特別表示部67における停止順序に対応する報知が終了する構成としてもよく、画像表示装置63において停止順序の報知が開始された後に特別表示部67における停止順序に対応する報知が開始され、画像表示装置63において停止順序の報知が終了するよりも前のタイミングで特別表示部67における停止順序に対応する報知が終了する構成としてもよい。特別表示部67において停止順序に対応する報知が実行されている期間を、画像表示装置63において停止順序の報知が実行されている期間よりも短くすることにより、特別表示部67に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。
【0372】
(18)特別表示部67がクレジット表示部65又は付与数表示部66といった他の情報を報知するための表示部内に設けられている構成としてもよい。例えば、クレジット表示部65及び付与数表示部66のうち一方である対象表示部が当該対象表示部の外縁を区画する区画枠部と、対象表示部の報知対象の情報を報知するための報知発光部とを備えた構成において、特別表示部67が対象表示部の区画枠部に区画された領域内において報知発光部と隣接する位置に配置されている構成としてもよい。この場合、特別表示部67に対する遊技者の注目度を低下させることが可能となる。
【0373】
(19)特別表示部67に入賞の結果に影響を与えるリール32L,32M,32Rの数と同数の単位表示部を設定し、各単位表示部において対応するリール32L,32M,32Rの停止順序に対応する表示を実行する構成としてもよい。この場合、特別表示部67においても画像表示装置63と同様にリール32L,32M,32Rの停止順序を遊技者に明確に把握させることを可能とする報知が実行されることとなる。
【0374】
(20)第1RTリプレイ入賞の発生を可能とする役、第2RTリプレイ入賞の発生を可能とする役、第1転落リプレイ入賞の発生を可能とする役及び第2転落リプレイ入賞の発生を可能とする役の少なくとも一つの役については、リール32L,32M,32Rの停止順序が所定の停止順序となった場合に対応する抽選モードの移行契機となるリプレイ入賞が発生するのではなく、少なくとも一のリール32L,32M,32Rについてその回転位置に対する停止操作タイミングが所定の操作タイミングとなった場合に対応する抽選モードの移行契機となるリプレイ入賞が発生する構成としてもよい。この場合、その役について移行契機となるリプレイ入賞の発生を可能とさせる場合又は当該リプレイ入賞の発生を回避可能とさせる場合には、画像表示装置63においては停止操作タイミングを遊技者が認識可能となる報知が行われるとともに、特別表示部67においては当該報知内容に対応する報知が行われることとなる。
【0375】
(21)演出側MPU82の制御により停止態様の報知を実行するための装置は、画像表示装置63に限定されることはなく、当該画像表示装置63に代えて又は加えて、停止態様を報知するための専用発光部が演出側MPU82により制御されることで停止態様の報知が実行される構成としてもよく、スピーカ62が演出側MPU82により制御されることで停止態様の報知が実行される構成としてもよい。
【0376】
(22)停止態様の報知を実行するか否かが主側MPU72により決定される構成は必須ではなく、停止態様の報知を実行するか否かの決定が主側MPU72及び演出側MPU82のそれぞれにおいて行われる構成としてもよく、停止態様の報知を実行するか否かの決定が演出側MPU82において行われる構成としてもよい。但し、停止態様の報知を実行するか否かの決定が演出側MPU82において行われる構成の場合、その決定結果の情報が演出側MPU82から主側MPU72に送信される必要がある。
【0377】
(23)インデックス値IV=1?6のいずれかで当選となった場合においてベル入賞成立対応の停止順序とは異なる停止順序でリール32L,32M,32Rが停止された場合にはメダルの払出が発生しない構成としてもよい。
【0378】
(24)メインラインMLが折れ曲がりラインである構成に限定されることはなく、直線状のラインである構成としてもよい。また、サブラインSL1?SL5において同一図柄の組合せが停止したとしても入賞の成立とならない構成としてもよい。この場合、同一図柄の組合せが停止して入賞の成立となる状況は、メインラインMLにおいて同一図柄の組合せが停止する状況のみとなる。また、有効ラインがメインラインMLの1本のみである構成に限定されることはなく、有効ラインが2本、3本又は4本以上である構成としてもよい。この場合、ベットされた遊技媒体の数が多いほど有効ラインの数が多くなる構成としてもよく、ベットされた遊技媒体の数とは無関係に最大数の有効ラインが設定される構成としてもよい。
【0379】
(25)演出側MPU82の制御に基づき画像表示装置63などにて実行される役の抽選処理の結果に対応する報知の内容に対して、特別表示部67における表示内容が1対1で対応している構成に限定されることはなく、画像表示装置63などにて実行される役の抽選処理の結果に対応する1種類の報知の内容に対して、特別表示部67における表示内容が複数種類設定されている構成としてもよい。
【0380】
例えば、画像表示装置63にてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合、そのゲームにおいて当選となっている役の種類に1対1で対応する表示が特別表示部67にて行われる構成としてもよい。この場合、同一の停止順序が画像表示装置63にて報知される状況であっても、そのゲームにおいて当選となった役の種類に応じて特別表示部67における表示内容が相違することとなる。
【0381】
また、画像表示装置63にてリール32L,32M,32Rの停止順序が報知される場合、その停止順序の報知内容に対応する複数種類の表示内容から抽選により選択された一の表示内容が選択され、その選択された表示内容が特別表示部67にて表示される構成としてもよい。例えば、第1停止が左リール32Lであり、第2停止が中リール32Mであり、第3停止が右リール32Rであることを示す報知が画像表示装置63にて実行される場合、特別表示部67においては「3」、「L」及び「H」のいずれかが抽選により決定されて表示される構成としてもよい。この場合であっても、同一の停止順序が画像表示装置63にて報知される状況であっても、特別表示部67における表示内容が相違し得ることとなる。
【0382】
上記各構成によれば、特別表示部67において報知されている内容が遊技者にとって分かりづらくなる。但し、演出側MPU82の制御に基づき画像表示装置63などにて実行される役の抽選処理の結果に対応する報知の内容に特別表示部67の表示内容を対応させるべく、画像表示装置63において所定の報知が実行される場合に特別表示部67にて表示され得る表示内容と、画像表示装置63において所定の報知とは異なる報知が実行される場合に特別表示部67にて表示され得る表示内容とが完全に相違する構成とすることが好ましい。
【0383】
(26)特別表示部67においては役の抽選処理の結果に対応する表示が実行される構成としてもよい。この場合、役の抽選処理の結果に対して、特別表示部67における表示内容が1対1で対応している構成としてもよい。また、当該構成に代えて、役の抽選処理の各結果に対して、特別表示部67における表示内容が複数種類設定されている構成としてもよい。例えば、BB役が設定されているIV=11が当選となった場合、特別表示部67においては「L」、「H」及び「F」のいずれかが抽選により決定されて表示され、第1スイカ役及び第2スイカ役が設定されているIV=7が当選となった場合、特別表示部67においては「1」、「5」及び「8」のいずれかが抽選により決定されて表示され、ベルリプレイ役が設定されているIV=8が当選となった場合、特別表示部67においては「2」及び「4」のいずれかが抽選により決定されて表示される構成としてもよい。これにより、特別表示部67において役の抽選処理の結果に対応する表示が行われるようにしながら、特別表示部67を確認したとしてもその役の抽選処理の結果を遊技者が把握しづらくなる。但し、役の抽選処理の結果に特別表示部67の表示内容を対応させるべく、役の抽選処理の結果が所定の結果である場合に特別表示部67にて表示され得る表示内容と、役の抽選処理の結果が当該所定の結果とは異なる結果である場合に特別表示部67にて表示され得る表示内容とが完全に相違する構成とすることが好ましい。この場合、役の抽選処理の一の結果に対して設定されている特別表示部67の表示内容の種類はいずれの役の抽選処理の結果であっても同数である構成としてもよく、役の抽選処理の結果に応じて異なる数である構成としてもよい。
【0384】
なお、当該構成を、リール32L,32M,32Rの停止順序に応じて入賞役が変化する構成ではないスロットマシンに適用してもよく、リール32L,32M,32Rの停止順序が演出側MPU82の制御に基づき報知される構成ではないスロットマシンに適用してもよい。例えば、演出側MPU82の制御に基づき画像表示装置63などにて入賞可能な役の種類に対応する報知が実行される構成に対して当該構成を適用してもよい。
【0385】
(27)特別表示部67において役の抽選処理の結果に対応する表示が実行される構成である場合、全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止した後に、特別表示部67における役の抽選処理の結果に対応する表示が開始される構成としてもよい。この場合、リール32L,32M,32Rが回転している状況において特別表示部67を確認したとしても、そのゲームにおける役の抽選処理の結果が特定されてしまわないようにすることが可能となる。但し、これに限定されることはなく、役の抽選処理が実行された後であって全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止される前に、特別表示部67における役の抽選処理の結果に対応する表示が開始される構成としてもよい。
【0386】
(28)主側MPU72から演出側MPU82に送信される情報の種類は上記各実施形態におけるものに限定されることはなく、例えば遊技媒体の付与に対応する入賞が成立した場合、その入賞により付与される遊技媒体の数の情報が主側MPU72から演出側MPU82に送信される構成としてもよい。この場合、入賞により付与される遊技媒体の数の情報を画像表示装置63などにおいて報知することが可能となる。また、全てのリール32L,32M,32Rが停止していない状況であっても一部のリール32L,32M,32Rの回転が停止される場合又は停止された場合に、それに対応する情報が主側MPU72から演出側MPU82に送信される構成としてもよい。この場合、リール32L,32M,32Rの回転状況に対応する演出を画像表示装置63などにおいて行うことが可能となる。
【0387】
(29)表示窓部21L,21M,21Rを介して視認可能な図柄を裏側から照らすためのバックライトがリール32L,32M,32Rの裏側に設けられている構成としてもよい。この場合、入賞が成立した場合に当該バックライトを利用して図柄を裏側から照らすことで、入賞が成立したことを遊技者に認識させ易くなる。当該構成において、第1ベル役、第2ベル役、第1スイカ役、第2スイカ役、通常リプレイ役、ベルリプレイ役、第1チェリーリプレイ役、第2チェリーリプレイ役及びBB役のように、対応する入賞が成立する場合にメインラインML上においては同一の図柄の組合せが停止表示されないものの、サブラインSL1?SL5において同一の図柄の組合せが停止表示される構成においては、サブラインSL1?SL5上に停止表示されている同一の図柄の組合せの全体をバックライトで照らすとサブラインSL1?SL5がメインラインMLであると遊技者に誤認させてしまうおそれがある。したがって、このような誤認の発生を防止する上では、いずれかのサブラインSL1?SL5に同一の図柄の組合せが停止表示される状況でメインラインML上において入賞が成立している場合、同一の図柄の組合せとはなっていないがメインラインMLに停止表示されている図柄の組合せをバックライトで照らす構成としてもよい。また、当該構成に加えて又は代えて、同一の図柄の組合せが停止表示されているサブラインSL1?SL5とメインラインMLとが交差している位置に停止表示されている少なくとも1個の図柄をバックライトで照らす構成としてもよい。また、これら構成に加えて又は代えて、同一の図柄の組合せが停止表示されているサブラインの全体を照らさないようにしながら、当該サブライン上に停止表示されている一部の図柄と当該サブライン上とは異なる位置に停止表示されている図柄とをバックライトで照らす構成としてもよい。
【0388】
(30)全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止した後に入賞となった役の種類を画像表示装置63にて報知する構成としてもよい。当該構成において、第1ベル役、第2ベル役、第1スイカ役、第2スイカ役、通常リプレイ役、ベルリプレイ役、第1チェリーリプレイ役、第2チェリーリプレイ役及びBB役のように、対応する入賞が成立する場合にメインラインML上においては同一の図柄の組合せが停止表示されないものの、サブラインSL1?SL5において同一の図柄の組合せが停止表示される構成においては、サブラインSL1?SL5上に停止表示されている同一の図柄の組合せの全体を画像表示装置63に表示するとサブラインSL1?SL5がメインラインMLであると遊技者に誤認させてしまうおそれがある。したがって、このような誤認の発生を防止する上では、同一の図柄の組合せが停止表示されているサブラインSL1?SL5とメインラインMLとが交差している位置に停止表示されている少なくとも1個の図柄を画像表示装置63に表示する構成としてもよい。また、メインラインMLに停止表示されている図柄の組合せを画像表示装置63に明示しながら、サブラインSL1?SL5に停止表示されている同一の図柄の組合せ又は当該同一の図柄の組合せに対応する図柄を画像表示装置63に表示する構成としてもよい。また、サブラインSL1?SL5に停止表示されている同一の図柄の組合せをそのまま画像表示装置63に表示しないものの、当該同一の図柄の組合せを構成している1個の図柄を画像表示装置63に表示する構成としてもよい。この場合、当該図柄を全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止するタイミングよりも前のタイミングで一旦表示させて、全てのリール32L,32M,32Rの回転停止後においてもその表示を継続させる構成としてもよく、当該図柄を全てのリール32L,32M,32Rの回転が停止するタイミングよりも前のタイミングにて一旦表示させた後に、全てのリール32L,32M,32Rの回転停止後においてその表示を消す構成としてもよい。
【0389】
(31)上記実施形態では、小役入賞が成立した場合にメダルを払い出す特典を付与する構成としたが、かかる構成に限定されるものではなく、遊技者に何らかの特典が付与される構成であればよい。例えば、小役入賞が成立した場合にメダル以外の賞品を払い出す構成であってもよい。また、現実のメダル投入やメダル払出機能を有さず、遊技者の所有するメダルをクレジット管理するスロットマシンにおいては、クレジットされたメダルの増加が特典の付与に相当する。
【0390】
(32)本発明を所謂Bタイプのスロットマシンに適用してもよく、またCタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはRTゲーム、CTゲーム又はATゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよい。
【0391】
(33)各リール32L,32M,32Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報としての機能を有するものであればよい。
【0392】
(34)上記各実施形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、遊技媒体として遊技球を利用して遊技が行われるパチンコ機に対して適用してもよく、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。
【0393】
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
【0394】
<特徴A群>
特徴A1.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
当該絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
当該開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72における抽選処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42?44)と、
前記開始操作手段が操作されて所定開始条件が成立したことに基づき前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記絵柄の変動表示後に前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞の成立として当該当選役対応の制御を実行する対応実行手段(主側MPU72におけるメダル払出処理及び遊技終了時の対応処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記対応実行手段は、前記役の抽選処理にて所定対応役に当選し、前記絵柄の変動表示の停止操作態様が所定態様となったことに基づいて、それに対応する制御を実行する所定対応実行手段(主側MPU72におけるステップS804、ステップS909、ステップS910、ステップS1012、ステップS1106、ステップS1107、ステップS1110及びステップS1111の処理を実行する機能)を備え、
当該遊技機は、
前記役抽選手段を有する第1制御手段(主側MPU72)と、
当該第1制御手段により制御される第1報知手段(特別表示部67)と、
前記第1制御手段が送信する情報に基づき報知が実行されるように第2報知手段(画像表示装置63)を制御する第2制御手段(演出側MPU82)と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうちいずれかの態様に対応する第1報知が実行されるように前記第1報知手段を制御する第1報知制御手段(主側MPU72におけるステップS1204、ステップS1208、ステップS1213、ステップS1306及びステップS1312の処理を実行する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうち前記第1報知の対象となる側の態様に対応する第2報知が実行されるように前記第2報知手段を制御する第2報知制御手段(演出側MPU82におけるステップS1402の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
【0395】
特徴A1によれば、役の抽選処理にて所定対応役に当選した場合に所定態様に対応する報知又は所定態様にならないようにするための態様に対応する報知が実行されることで、その報知を確認した遊技者は停止操作態様を所定態様とすること又は所定態様としないことが可能となり、所定対応役に対応する制御を実行させること又は所定対応役に対応する制御を実行させないことが可能となる。当該構成において、所定対応役に当選した場合に第2報知が第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて実行される構成であることにより、第2報知への遊技者の注目度を高めるべく第2報知手段にて報知を実行させるための処理負荷が高くなったとしても、その影響が第1制御手段に及ばないようにすることが可能となる。
【0396】
但し、第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて第2報知が実行される構成においては、第1制御手段と第2制御手段との間の通信経路や第2制御手段に対して不正を施すことで第2報知手段にて第2報知を不正に行わせている状態にしながら、利益を不正に得ようとする行為が想定される。この場合、第2報知手段にて第2報知が実行されていることに起因して、その不正行為が行われていることが遊技ホールの管理者にとって分かりづらくなってしまうことが想定される。
【0397】
これに対して、第2制御手段により制御される第2報知手段にて第2報知が行われるだけではなく、第1制御手段により直接的に制御される第1報知手段において第1報知が行われる。これにより、第2報知が第2報知手段において実行されている場合に第1報知手段においても第1報知が実行されているのかを目視確認することで、上記のような不正行為が行われているか否かの確認を行うことが可能となる。
【0398】
以上より、停止態様の報知を実行するための制御を好適に行うことが可能となる。
【0399】
なお、上記特徴A1の構成において、
「前記絵柄表示手段は、絵柄を変動表示する絵柄表示領域(リール32L,32M,32R)を複数備え、
前記停止操作手段は、前記絵柄表示領域に対応させて複数設けられており、
前記絵柄表示制御手段は、前記停止操作手段が操作されたことに基づき当該停止操作手段に対応する前記絵柄表示領域における絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御し、
前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様は、前記複数の絵柄表示領域における絵柄の変動表示が所定対応の順序で停止されることである」
という構成を適用してもよい。
【0400】
特徴A2.前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選していない場合、前記第1報知手段にて前記役の抽選処理の結果に対応する報知が実行されないようにすることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
【0401】
特徴A2によれば、所定対応役に当選していない場合には第1報知手段にて役の抽選処理の結果に対応する報知が実行されないことにより、第1報知手段の役割を明確なものとすることが可能となる。
【0402】
特徴A3.前記第1報知制御手段は、前記第2報知手段において前記第2報知が実行される場合、前記第1報知手段において前記第1報知が実行されるようにすることを特徴とする特徴A1又はA2に記載の遊技機。
【0403】
特徴A3によれば、第2報知手段において第2報知が実行されている場合には第1報知手段において第1報知が実行されることとなるため、第2報知手段において実行されている第2報知が正規のものであるか否かの確認を第2報知が実行される場合には毎回行うことが可能となる。
【0404】
特徴A4.前記第1報知制御手段は、前記第1報知手段における前記第1報知の方が前記第2報知手段における前記第2報知よりも、報知対象となっている停止操作態様の内容を遊技者が把握しづらい態様となるようにすることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
【0405】
特徴A4によれば、第1報知手段及び第2報知手段の両方が設けられた構成において第2報知手段への遊技者の注目度を高めることが可能となる。これにより、第1報知手段における報知態様を簡素な態様としたとしても、遊技者に違和感を与えづらくなる。
【0406】
特徴A5.前記第1報知手段の表示範囲は、前記第2報知手段の表示範囲よりも狭いことを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
【0407】
特徴A5によれば、第1報知手段及び第2報知手段の両方が設けられた構成において第2報知手段への遊技者の注目度を高めることが可能となる。これにより、第1報知手段における報知態様を簡素な態様としたとしても、遊技者に違和感を与えづらくなる。
【0408】
特徴A6.前記第1制御手段は、前記第2報知手段において前記第2報知を実行することを可能とする所定情報を送信する送信手段(主側MPU72におけるステップS1205、ステップS1209、ステップS1214、ステップS1307及びステップS1313の処理を実行する機能)を備え、
前記所定情報には、前記役の抽選処理の結果そのものは含まれないことを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
【0409】
特徴A6によれば、第1制御手段と第2制御手段との間の通信経路に不正にアクセスして所定情報を不正に取得したとしても、その所定情報から役の抽選処理の結果を把握しようとすることを不可とすることが可能となる。これにより、所定情報を取得することによる不正行為を実質的に無効化させることが可能となる。
【0410】
特徴A7.前記第1制御手段は、
前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうちいずれかの態様に対応する報知を実行するか否かを決定する決定手段(主側MPU72におけるステップS1201?ステップS1203、ステップS1206?ステップS1207、ステップS1210?ステップS1212、ステップS1304?ステップS1305及びステップS1310?ステップS1311の処理を実行する機能)と、
当該決定手段により報知を実行することが決定された場合に所定情報を送信する送信手段(主側MPU72におけるステップS1205、ステップS1209、ステップS1214、ステップS1307及びステップS1313の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1報知制御手段は、前記決定手段により報知を実行することが決定されたことに基づいて、前記第1報知が実行されるように前記第1報知手段を制御し、
前記第2報知制御手段は、前記送信手段が前記所定情報を送信したことに基づいて、前記第2報知が実行されるように前記第2報知手段を制御することを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
【0411】
特徴A7によれば、第1報知手段における第1報知及び第2報知手段における第2報知を実行するか否かの決定が第1制御手段において集約して実行される。これにより、第1制御手段と第2制御手段との間で双方向通信を行わなくても、第2報知が実行される場合には第1報知が実行されるようにすることが可能となる。
【0412】
特徴A8.前記所定対応役は、それに対応する制御が実行されるようにするための前記所定態様の内容を相違させて複数種類存在しており、
前記第1報知制御手段は、前記所定対応役の種類に対応する態様で前記第1報知が実行されるようにすることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
【0413】
特徴A8によれば、所定対応役が複数種類存在している構成であっても、第1報知手段における第1報知の内容を確認することで今回の遊技回に対応する報知内容を把握することが可能となる。
【0414】
特徴A9.前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合であって、前記所定態様及び前記所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知が前記第2報知手段にて実行されていない状況において、前記所定態様及び前記所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能とする報知が前記第1報知手段において実行されないようにすることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
【0415】
特徴A9によれば、所定態様及び所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知が第2報知手段において実行されていないにも関わらず第1報知手段において実行されてしまわないようにすることが可能となる。
【0416】
特徴A10.前記第2報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知は実行されないようにするものの特別報知が実行されるように前記第2報知手段を制御する手段(演出側MPU82におけるステップS1405の処理を実行する機能)を備え、
前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合であって前記第2報知手段において前記特別報知が実行される場合、前記所定態様及び前記所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能とする報知が前記第1報知手段において実行されないようにすることを特徴とする特徴A1乃至A9のいずれか1に記載の遊技機。
【0417】
特徴A10によれば、所定態様及び所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知は実行されないものの特別報知が第2報知手段において実行されている状況において、所定態様及び所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知が第1報知手段において実行されないようにすることが可能となる。
【0418】
特徴A11.前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合であって前記第2報知手段において前記特別報知が実行される場合、当該状況に対応する報知が実行されるように前記第1報知手段を制御することを特徴とする特徴A10に記載の遊技機。
【0419】
特徴A11によれば、第2報知手段において特別報知が実行されている場合であっても、第1報知手段を確認することでその特別報知が正規のものか否かを確認することが可能となる。
【0420】
特徴A12.前記第1報知手段における前記第1報知及び前記第2報知手段における前記第2報知の両方が実行される場合、前記第1報知手段において前記第1報知が開始されるタイミング以降のタイミングで前記第2報知手段において前記第2報知が開始されることを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
【0421】
特徴A12によれば、第2報知手段において第2報知が開始されたタイミングで第1報知手段を確認することで、その第2報知が正規のものであるか否かを確認することが可能となる。
【0422】
特徴A13.前記絵柄の変動表示が開始される場合、その開始タイミングから所定期間に亘って前記絵柄の変動表示の停止操作が無効化されるようにする手段を備え、
前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定期間が経過する前の所定タイミングで前記第1報知が前記第1報知手段にて開始されるようにし、
前記第2報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定タイミングよりも後のタイミングであって前記所定期間が経過する前のタイミングで前記第2報知が前記第2報知手段にて開始されるようにすることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
【0423】
特徴A13によれば、第1報知が開始されるタイミング以降に第2報知が開始される構成であったとしても、停止操作の無効期間において第2報知が開始されるようにすることが可能となり、停止操作が有効化される前に第2報知の内容を遊技者に認識させることが可能となる。
【0424】
特徴A14.前記第1報知手段における前記第1報知及び前記第2報知手段における前記第2報知の両方が実行される場合、前記第2報知手段において前記第2報知が終了するタイミング以降のタイミングで前記第1報知手段において前記第1報知が終了することを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
【0425】
特徴A14によれば、第2報知が終了する前に第1報知が終了してしまうことがないため、第2報知が正規のものであるか否かを確認する機会を多くすることが可能となる。
【0426】
なお、特徴A1?A14の構成に対して、特徴A1?A14、特徴B1?B4、特徴C1?C3、特徴D1?D11、特徴E1?E3、特徴F1?F2のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0427】
<特徴B群>
特徴B1.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
当該絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
当該開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72における抽選処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42?44)と、
前記開始操作手段が操作されて所定開始条件が成立したことに基づき前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記絵柄の変動表示後に前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞の成立として当該当選役対応の制御を実行する対応実行手段(主側MPU72におけるメダル払出処理及び遊技終了時の対応処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記対応実行手段は、前記役の抽選処理にて所定対応役に当選し、前記絵柄の変動表示の停止操作態様が所定態様となったことに基づいて、それに対応する制御を実行する所定対応実行手段(主側MPU72におけるステップS804、ステップS909、ステップS910、ステップS1012、ステップS1106、ステップS1107、ステップS1110及びステップS1111の処理を実行する機能)を備え、
当該遊技機は、
前記役抽選手段を有する第1制御手段(主側MPU72)と、
当該第1制御手段により制御される第1報知手段(特別表示部67)と、
前記第1制御手段が送信する情報に基づき報知が実行されるように第2報知手段(画像表示装置63)を制御する第2制御手段(演出側MPU82)と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうちいずれかの態様に対応する第1報知が実行されるように前記第1報知手段を制御する第1報知制御手段(主側MPU72におけるステップS1204、ステップS1208、ステップS1213、ステップS1306及びステップS1312の処理を実行する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうち前記第1報知の対象となる側の態様に対応する第2報知が実行されるように前記第2報知手段を制御する第2報知制御手段(演出側MPU82におけるステップS1402の処理を実行する機能)を備え、
前記第1報知手段における前記第1報知及び前記第2報知手段における前記第2報知の両方が実行される場合、前記第1報知手段において前記第1報知が開始されるタイミング以降のタイミングで前記第2報知手段において前記第2報知が開始されることを特徴とする遊技機。
【0428】
特徴B1によれば、役の抽選処理にて所定対応役に当選した場合に所定態様に対応する報知又は所定態様にならないようにするための態様に対応する報知が実行されることで、その報知を確認した遊技者は停止操作態様を所定態様とすること又は所定態様としないことが可能となり、所定対応役に対応する制御を実行させること又は所定対応役に対応する制御を実行させないことが可能となる。当該構成において、所定対応役に当選した場合に第2報知が第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて実行される構成であることにより、第2報知への遊技者の注目度を高めるべく第2報知手段にて報知を実行させるための処理負荷が高くなったとしても、その影響が第1制御手段に及ばないようにすることが可能となる。
【0429】
但し、第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて第2報知が実行される構成においては、第1制御手段と第2制御手段との間の通信経路や第2制御手段に対して不正を施すことで第2報知手段にて第2報知を不正に行わせている状態にしながら、利益を不正に得ようとする行為が想定される。この場合、第2報知手段にて第2報知が実行されていることに起因して、その不正行為が行われていることが遊技ホールの管理者にとって分かりづらくなってしまうことが想定される。
【0430】
これに対して、第2制御手段により制御される第2報知手段にて第2報知が行われるだけではなく、第1制御手段により直接的に制御される第1報知手段において第1報知が行われる。これにより、第2報知が第2報知手段において実行されている場合に第1報知手段においても第1報知が実行されているのかを目視確認することで、上記のような不正行為が行われているか否かの確認を行うことが可能となる。
【0431】
また、第1報知手段において第1報知が開始されるタイミング以降のタイミングで第2報知手段において第2報知が開始される。これにより、第2報知手段において第2報知が開始されたタイミングで第1報知手段を確認することで、その第2報知が正規のものであるか否かを確認することが可能となる。
【0432】
以上より、停止態様の報知を実行するための制御を好適に行うことが可能となる。
【0433】
特徴B2.前記絵柄の変動表示が開始される場合、その開始タイミングから所定期間に亘って前記絵柄の変動表示の停止操作が無効化されるようにする手段を備え、
前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定期間が経過する前の所定タイミングで前記第1報知が前記第1報知手段にて開始されるようにし、
前記第2報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定タイミングよりも後のタイミングであって前記所定期間が経過する前のタイミングで前記第2報知が前記第2報知手段にて開始されるようにすることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
【0434】
特徴B2によれば、第1報知が開始されるタイミング以降に第2報知が開始される構成であったとしても、停止操作の無効期間において第2報知が開始されるようにすることが可能となり、停止操作が有効化される前に第2報知の内容を遊技者に認識させることが可能となる。
【0435】
特徴B3.前記第1報知手段における前記第1報知及び前記第2報知手段における前記第2報知の両方が実行される場合、前記第2報知手段において前記第2報知が終了するタイミング以降のタイミングで前記第1報知手段において前記第1報知が終了することを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
【0436】
特徴B3によれば、第2報知が終了する前に第1報知が終了してしまうことがないため、第2報知が正規のものであるか否かを確認する機会を多くすることが可能となる。
【0437】
特徴B4.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
当該絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
当該開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72における抽選処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42?44)と、
前記開始操作手段が操作されて所定開始条件が成立したことに基づき前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記絵柄の変動表示後に前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞の成立として当該当選役対応の制御を実行する対応実行手段(主側MPU72におけるメダル払出処理及び遊技終了時の対応処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記対応実行手段は、前記役の抽選処理にて所定対応役に当選し、前記絵柄の変動表示の停止操作態様が所定態様となったことに基づいて、それに対応する制御を実行する所定対応実行手段(主側MPU72におけるステップS804、ステップS909、ステップS910、ステップS1012、ステップS1106、ステップS1107、ステップS1110及びステップS1111の処理を実行する機能)を備え、
当該遊技機は、
前記役抽選手段を有する第1制御手段(主側MPU72)と、
当該第1制御手段により制御される第1報知手段(特別表示部67)と、
前記第1制御手段が送信する情報に基づき報知が実行されるように第2報知手段(画像表示装置63)を制御する第2制御手段(演出側MPU82)と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうちいずれかの態様に対応する第1報知が実行されるように前記第1報知手段を制御する第1報知制御手段(主側MPU72におけるステップS1204、ステップS1208、ステップS1213、ステップS1306及びステップS1312の処理を実行する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうち前記第1報知の対象となる側の態様に対応する第2報知が実行されるように前記第2報知手段を制御する第2報知制御手段(演出側MPU82におけるステップS1402の処理を実行する機能)を備え、
前記第1報知手段における前記第1報知及び前記第2報知手段における前記第2報知の両方が実行される場合、前記第2報知手段において前記第2報知が終了するタイミング以降のタイミングで前記第1報知手段において前記第1報知が終了することを特徴とする遊技機。
【0438】
特徴B4によれば、役の抽選処理にて所定対応役に当選した場合に所定態様に対応する報知又は所定態様にならないようにするための態様に対応する報知が実行されることで、その報知を確認した遊技者は停止操作態様を所定態様とすること又は所定態様としないことが可能となり、所定対応役に対応する制御を実行させること又は所定対応役に対応する制御を実行させないことが可能となる。当該構成において、所定対応役に当選した場合に第2報知が第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて実行される構成であることにより、第2報知への遊技者の注目度を高めるべく第2報知手段にて報知を実行させるための処理負荷が高くなったとしても、その影響が第1制御手段に及ばないようにすることが可能となる。
【0439】
但し、第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて第2報知が実行される構成においては、第1制御手段と第2制御手段との間の通信経路や第2制御手段に対して不正を施すことで第2報知手段にて第2報知を不正に行わせている状態にしながら、利益を不正に得ようとする行為が想定される。この場合、第2報知手段にて第2報知が実行されていることに起因して、その不正行為が行われていることが遊技ホールの管理者にとって分かりづらくなってしまうことが想定される。
【0440】
これに対して、第2制御手段により制御される第2報知手段にて第2報知が行われるだけではなく、第1制御手段により直接的に制御される第1報知手段において第1報知が行われる。これにより、第2報知が第2報知手段において実行されている場合に第1報知手段においても第1報知が実行されているのかを目視確認することで、上記のような不正行為が行われているか否かの確認を行うことが可能となる。
【0441】
また、第2報知手段において第2報知が終了するタイミング以降のタイミングで第1報知手段において第1報知が終了する。これにより、第2報知が終了する前に第1報知が終了してしまうことがないため、第2報知が正規のものであるか否かを確認する機会を多くすることが可能となる。
【0442】
以上より、停止態様の報知を実行するための制御を好適に行うことが可能となる。
【0443】
なお、上記特徴B1又はB4の構成において、
「前記絵柄表示手段は、絵柄を変動表示する絵柄表示領域(リール32L,32M,32R)を複数備え、
前記停止操作手段は、前記絵柄表示領域に対応させて複数設けられており、
前記絵柄表示制御手段は、前記停止操作手段が操作されたことに基づき当該停止操作手段に対応する前記絵柄表示領域における絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御し、
前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様は、前記複数の絵柄表示領域における絵柄の変動表示が所定対応の順序で停止されることである」
という構成を適用してもよい。
【0444】
なお、特徴B1?B4の構成に対して、特徴A1?A14、特徴B1?B4、特徴C1?C3、特徴D1?D11、特徴E1?E3、特徴F1?F2のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0445】
<特徴C群>
特徴C1.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
当該絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
当該開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72における抽選処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42?44)と、
前記開始操作手段が操作されて所定開始条件が成立したことに基づき前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記絵柄の変動表示後に前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞の成立として当該当選役対応の制御を実行する対応実行手段(主側MPU72におけるメダル払出処理及び遊技終了時の対応処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記対応実行手段は、前記役の抽選処理にて所定対応役に当選し、前記絵柄の変動表示の停止操作態様が所定態様となったことに基づいて、それに対応する制御を実行する所定対応実行手段(主側MPU72におけるステップS804、ステップS909、ステップS910、ステップS1012、ステップS1106、ステップS1107、ステップS1110及びステップS1111の処理を実行する機能)を備え、
当該遊技機は、
前記役抽選手段を有する第1制御手段(主側MPU72)と、
当該第1制御手段により制御される第1報知手段(特別表示部67)と、
前記第1制御手段が送信する情報に基づき報知が実行されるように第2報知手段(画像表示装置63)を制御する第2制御手段(演出側MPU82)と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうちいずれかの態様に対応する第1報知が実行されるように前記第1報知手段を制御する第1報知制御手段(主側MPU72におけるステップS1204、ステップS1208、ステップS1213、ステップS1306及びステップS1312の処理を実行する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうち前記第1報知の対象となる側の態様に対応する第2報知が実行されるように前記第2報知手段を制御する第2報知制御手段(演出側MPU82におけるステップS1402の処理を実行する機能)を備え、
前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合であって、前記所定態様及び前記所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知が前記第2報知手段にて実行されていない状況において、前記所定態様及び前記所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能とする報知が前記第1報知手段において実行されないようにすることを特徴とする遊技機。
【0446】
特徴C1によれば、役の抽選処理にて所定対応役に当選した場合に所定態様に対応する報知又は所定態様にならないようにするための態様に対応する報知が実行されることで、その報知を確認した遊技者は停止操作態様を所定態様とすること又は所定態様としないことが可能となり、所定対応役に対応する制御を実行させること又は所定対応役に対応する制御を実行させないことが可能となる。当該構成において、所定対応役に当選した場合に第2報知が第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて実行される構成であることにより、第2報知への遊技者の注目度を高めるべく第2報知手段にて報知を実行させるための処理負荷が高くなったとしても、その影響が第1制御手段に及ばないようにすることが可能となる。
【0447】
但し、第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて第2報知が実行される構成においては、第1制御手段と第2制御手段との間の通信経路や第2制御手段に対して不正を施すことで第2報知手段にて第2報知を不正に行わせている状態にしながら、利益を不正に得ようとする行為が想定される。この場合、第2報知手段にて第2報知が実行されていることに起因して、その不正行為が行われていることが遊技ホールの管理者にとって分かりづらくなってしまうことが想定される。
【0448】
これに対して、第2制御手段により制御される第2報知手段にて第2報知が行われるだけではなく、第1制御手段により直接的に制御される第1報知手段において第1報知が行われる。これにより、第2報知が第2報知手段において実行されている場合に第1報知手段においても第1報知が実行されているのかを目視確認することで、上記のような不正行為が行われているか否かの確認を行うことが可能となる。
【0449】
また、所定態様及び所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知が第2報知手段において実行されていないにも関わらず第1報知手段において実行されてしまわないようにすることが可能となる。
【0450】
以上より、停止態様の報知を実行するための制御を好適に行うことが可能となる。
【0451】
特徴C2.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(リールユニット31)と、
当該絵柄表示手段における絵柄の変動表示を開始させるべく操作される開始操作手段(スタートレバー41)と、
当該開始操作手段が操作されたことに基づいて役の抽選処理を実行する役抽選手段(主側MPU72における抽選処理を実行する機能)と、
前記絵柄表示手段における絵柄の変動表示を停止させるべく操作される停止操作手段(ストップボタン42?44)と、
前記開始操作手段が操作されて所定開始条件が成立したことに基づき前記絵柄の変動表示が開始され、前記停止操作手段が操作されたことに基づき前記絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御する絵柄表示制御手段(主側MPU72におけるリール制御処理を実行する機能)と、
前記絵柄の変動表示後に前記役の抽選処理にて当選となった役に対応した停止結果が表示されている場合に、当選役対応の入賞の成立として当該当選役対応の制御を実行する対応実行手段(主側MPU72におけるメダル払出処理及び遊技終了時の対応処理を実行する機能)と、
を備えている遊技機において、
前記対応実行手段は、前記役の抽選処理にて所定対応役に当選し、前記絵柄の変動表示の停止操作態様が所定態様となったことに基づいて、それに対応する制御を実行する所定対応実行手段(主側MPU72におけるステップS804、ステップS909、ステップS910、ステップS1012、ステップS1106、ステップS1107、ステップS1110及びステップS1111の処理を実行する機能)を備え、
当該遊技機は、
前記役抽選手段を有する第1制御手段(主側MPU72)と、
当該第1制御手段により制御される第1報知手段(特別表示部67)と、
前記第1制御手段が送信する情報に基づき報知が実行されるように第2報知手段(画像表示装置63)を制御する第2制御手段(演出側MPU82)と、
を備え、
前記第1制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうちいずれかの態様に対応する第1報知が実行されるように前記第1報知手段を制御する第1報知制御手段(主側MPU72におけるステップS1204、ステップS1208、ステップS1213、ステップS1306及びステップS1312の処理を実行する機能)を備え、
前記第2制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様のうち前記第1報知の対象となる側の態様に対応する第2報知が実行されるように前記第2報知手段を制御する第2報知制御手段(演出側MPU82におけるステップS1402の処理を実行する機能)を備え、
前記第2報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合に前記所定態様及び前記所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知は実行されないようにするものの特別報知が実行されるように前記第2報知手段を制御する手段(演出側MPU82におけるステップS1405の処理を実行する機能)を備え、
前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合であって前記第2報知手段において前記特別報知が実行される場合、前記所定態様及び前記所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能とする報知が前記第1報知手段において実行されないようにすることを特徴とする遊技機。
【0452】
特徴C2によれば、役の抽選処理にて所定対応役に当選した場合に所定態様に対応する報知又は所定態様にならないようにするための態様に対応する報知が実行されることで、その報知を確認した遊技者は停止操作態様を所定態様とすること又は所定態様としないことが可能となり、所定対応役に対応する制御を実行させること又は所定対応役に対応する制御を実行させないことが可能となる。当該構成において、所定対応役に当選した場合に第2報知が第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて実行される構成であることにより、第2報知への遊技者の注目度を高めるべく第2報知手段にて報知を実行させるための処理負荷が高くなったとしても、その影響が第1制御手段に及ばないようにすることが可能となる。
【0453】
但し、第2制御手段の制御に基づき第2報知手段にて第2報知が実行される構成においては、第1制御手段と第2制御手段との間の通信経路や第2制御手段に対して不正を施すことで第2報知手段にて第2報知を不正に行わせている状態にしながら、利益を不正に得ようとする行為が想定される。この場合、第2報知手段にて第2報知が実行されていることに起因して、その不正行為が行われていることが遊技ホールの管理者にとって分かりづらくなってしまうことが想定される。
【0454】
これに対して、第2制御手段により制御される第2報知手段にて第2報知が行われるだけではなく、第1制御手段により直接的に制御される第1報知手段において第1報知が行われる。これにより、第2報知が第2報知手段において実行されている場合に第1報知手段においても第1報知が実行されているのかを目視確認することで、上記のような不正行為が行われているか否かの確認を行うことが可能となる。
【0455】
また、所定態様及び所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知は実行されないものの特別報知が第2報知手段において実行されている状況において、所定態様及び所定態様とならないようにするための態様を遊技者が認識可能となる報知が第1報知手段において実行されないようにすることが可能となる。
【0456】
以上より、停止態様の報知を実行するための制御を好適に行うことが可能となる。
【0457】
なお、上記特徴C1又はC2の構成において、
「前記絵柄表示手段は、絵柄を変動表示する絵柄表示領域(リール32L,32M,32R)を複数備え、
前記停止操作手段は、前記絵柄表示領域に対応させて複数設けられており、
前記絵柄表示制御手段は、前記停止操作手段が操作されたことに基づき当該停止操作手段に対応する前記絵柄表示領域における絵柄の変動表示が停止されるように前記絵柄表示手段を制御し、
前記所定態様及び前記所定態様にならないようにするための態様は、前記複数の絵柄表示領域における絵柄の変動表示が所定対応の順序で停止されることである」
という構成を適用してもよい。
【0458】
特徴C3.前記第1報知制御手段は、前記役の抽選処理にて前記所定対応役に当選した場合であって前記第2報知手段において前記特別報知が実行される場合、当該状況に対応する報知が実行されるように前記第1報知手段を制御することを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
【0459】
特徴C3によれば、第2報知手段において特別報知が実行されている場合であっても、第1報知手段を確認することでその特別報知が正規のものか否かを確認することが可能となる。
【0460】
なお、特徴C1?C3の構成に対して、特徴A1?A14、特徴B1?B4、特徴C1?C3、特徴D1?D11、特徴E1?E3、特徴F1?F2のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0461】
上記特徴A群、上記特徴B群及び上記特徴C群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【0462】
遊技機の一種として、スロットマシンや遊技媒体としてメダルではなく遊技球を利用してスロットマシンと同様の遊技を行うことを可能とした遊技機等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。また、当該内部抽選の結果を遊技者に予測させたり、認識させたりするための演出が行われる構成が一般的である。
【0463】
スロットマシンについて具体的には、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて役の抽選処理が実行される。また、役の抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が役の抽選処理における当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。
【0464】
上記のようにストップボタンに対する停止操作に基づきリールの回転が停止される遊技機においては、リールの停止態様を所定の態様とすることが報知され、その報知に従ってリールの停止操作を行うことでそれに対応する制御が実行される構成が知られている。例えば、リールの停止順序が報知され、その報知された停止順序に従った順番でリールを停止させることで所定の入賞が成立し、当該所定の入賞に対応するメダルが払い出される構成が知られている。また、リールの停止順序が報知され、その報知された停止順序に従った順番でリールを停止させることで所定の入賞が成立し、当該所定の入賞に対応する遊技状態の移行が発生する構成が知られている。このような停止態様の報知は、上記役の抽選処理を実行する制御手段から情報を受信した他の制御手段が報知用制御を実行することで行われる。
【0465】
ここで、上記例示等のような遊技機においては停止態様の報知を実行するための制御が好適に行われる必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【0466】
<特徴D群>
特徴D1.複数種類の処理が所定の実行順序となるように設定された特定処理(開始待ち処理、リール制御処理)を実行し、処理の実行に際して内部記憶手段(主側MPU72のレジスタ)に情報を一時的に記憶させる制御手段(主側MPU72)を備え、
当該制御手段は、
前記複数種類の処理のうち第1所定処理を実行する第1所定処理実行手段(主側MPU72におけるステップS401?ステップS411、ステップS413?ステップS415、ステップS601及びステップS603?ステップS614の処理などを実行する機能)と、
前記複数種類の処理のうち第2所定処理を実行する第2所定処理実行手段(第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態であれば主側MPU72における第1非特定制御処理、第2非特定処理及び第3非特定制御処理を実行する機能、第4の実施形態であれば非特定制御の呼び出し処理、第1非特定制御処理、第2非特定処理及び第3非特定制御処理を実行する機能)と、
前記第1所定処理を開始する場合には前記内部記憶手段に記憶された情報を退避記憶手段(特定制御用のスタックエリア74b)に退避させることなく、前記第2所定処理を開始する場合又は開始した後に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記退避記憶手段に退避させる退避実行手段(第1の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1502、ステップS1602及びステップS1702の処理を実行する機能、第2の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1803及びステップS1809の処理を実行する機能、第3の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS2202の処理を実行する機能、第4の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS2302の処理を実行する機能)と、
前記第2所定処理を終了する場合又は終了した後に、前記退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させる復帰実行手段(第1の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1516、ステップS1611及びステップS1711の処理を実行する機能、第2の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1805及びステップS1811の処理を実行する機能、第3の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS2205の処理を実行する機能、第4の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS2311の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0467】
特徴D1によれば、特定処理に含まれる第1所定処理が実行される場合には内部記憶手段に記憶された情報の退避記憶手段への退避が実行されないのに対して、特定処理に含まれる第2所定処理が実行される場合には内部記憶手段に記憶された情報の退避記憶手段への退避が実行される。これにより、第2所定処理が実行される場合に、第1所定処理の実行に際して内部記憶手段に記憶された情報が書き換えられてしまわないようにすることが可能となる。また、第2所定処理を終了する場合又は終了した後に、退避記憶手段に退避された情報が内部記憶手段に復帰される。これにより、第2所定処理が終了した場合には当該第2所定処理の実行前における内部記憶手段の状態から第2所定処理とは異なる処理を実行することが可能となる。以上より、各種制御を好適に行うことが可能となる。
【0468】
特徴D2.前記第2所定処理は、前記制御手段への動作電力の供給が停止される場合に実行される処理、及び割込み条件が成立した場合に他の処理に対して割り込んで実行される処理のいずれでもないことを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
【0469】
特徴D2によれば、動作電力の供給が停止される場合及び割込み処理が実行される場合のいずれでもない状況であっても第2所定処理が実行される場合には内部記憶手段に記憶された情報が退避記憶手段に退避される。これにより、第2所定処理が実行される場合に、第1所定処理の実行に際して内部記憶手段に記憶された情報が書き換えられてしまわないようにすることが可能となり、第2所定処理とは異なる処理群の処理が実行される場合における内部記憶手段の情報の正確性を高めることが可能となる。
【0470】
特徴D3.前記制御手段は、
割込み条件が成立した場合に前記特定処理に対して割り込んで割込み処理を実行する割込み実行手段(主側MPU72における割込み処理を実行する機能)と、
前記第2所定処理を開始する場合又は開始した後に前記割込み処理の実行を禁止する設定手段(第1の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1501、ステップS1601及びステップS1701の処理を実行する機能、第2の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1802及びステップS1808の処理を実行する機能、第3の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS2201の処理を実行する機能、第4の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS2301の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
【0471】
特徴D3によれば、第2所定処理が実行される場合には割込み処理の実行が禁止される。これにより、内部記憶手段に記憶された情報が退避記憶手段に退避された状況においてさらに処理の割込みが発生してしまうことを阻止することが可能となる。よって、内部記憶手段に記憶された情報を退避するための処理構成が複雑化してしまわないようにすることが可能となる。
【0472】
特徴D4.前記制御手段は、前記複数種類の処理のうちの一部の処理として、前記第2所定処理が実行された後に第3所定処理を実行する第3所定処理実行手段(主側MPU72における第2非特定制御処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段は、前記第2所定処理を終了する場合又は終了した後に前記割込み処理の実行を許可し、前記第3所定処理を開始する場合又は開始した後に前記割込み処理の実行を禁止することを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
【0473】
特徴D4によれば、特定処理に含まれる第3所定処理が実行される場合にも割込み処理の実行が禁止される構成において、第2所定処理が終了した場合に割込み処理の実行が一旦許可されて、第3所定処理が実行される場合に割込み処理の実行が再度禁止される。これにより、割込み処理の実行が禁止される期間を短くすることが可能となり、第2所定処理と第3所定処理との間で割込み処理が実行される機会を担保することが可能となる。
【0474】
特徴D5.前記退避実行手段は、前記第3所定処理を開始する場合又は開始した後に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記退避記憶手段に退避させ、
前記復帰実行手段は、前記第3所定処理を終了する場合又は終了した後に、前記退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
【0475】
特徴D5によれば、内部記憶手段に記憶された情報の退避と復帰が第2所定処理及び第3所定処理のそれぞれに対応させて個別に行われる。これにより、第2所定処理及び第3所定処理のそれぞれにおいて情報の退避が行われるようにするとともに、第2所定処理と第3所定処理との間で割込み処理が実行される機会が担保された構成において、内部記憶手段に記憶された情報が退避記憶手段に退避された状況において割込み処理が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
【0476】
特徴D6.前記退避記憶手段は、
前記第2所定処理を開始する場合又は開始した場合に、前記内部記憶手段に記憶された情報が退避される第1退避記憶手段(特定制御用のスタックエリア74b)と、
前記第2所定処理を終了する場合又は終了した場合に、前記内部記憶手段に記憶された情報が退避される第2退避記憶手段(非特定制御用のスタックエリア74d)と、
を備え、
前記退避実行手段は、
前記第2所定処理を開始する場合又は開始した後に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記第1退避記憶手段に退避させる手段(第1の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1502、ステップS1602及びステップS1702の処理を実行する機能、第2の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1803及びステップS1809の処理を実行する機能、第3の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS2202の処理を実行する機能、第4の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS2302の処理を実行する機能)と、
前記第2所定処理を終了する場合又は終了した後に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記第2退避記憶手段に退避させる手段(第1の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1513、ステップS1608及びステップS1708の処理を実行する機能、第2の実施形態及び第3の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1905の処理を実行する機能、第4の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS2308の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記復帰実行手段は、
前記第2所定処理を終了する場合又は終了した後に、前記第1退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させる手段(第1の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1516、ステップS1611及びステップS1711の処理を実行する機能、第2の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1805及びステップS1811の処理を実行する機能、第3の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS2205の処理を実行する機能、第4の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS2311の処理を実行する機能)と、
前記第2所定処理を開始する場合又は開始した後に、前記第2退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させる手段(第1の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1505、ステップS1605及びステップS1705の処理を実行する機能、第2の実施形態及び第3の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1903の処理を実行する機能、第4の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS2305の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
【0477】
特徴D6によれば、第2所定処理が実行される場合にはその時点における内部記憶手段の情報が第1退避記憶手段に退避されるだけではなく、第2所定処理が終了する場合にはその時点における内部記憶手段の情報が第2退避記憶手段に退避される。これにより、第1所定処理に対応する処理群の処理が実行される場合と、第2所定処理に対応する処理群の処理が実行される場合とで、内部記憶手段に記憶される情報を切り換えることが可能となり、各処理群の処理を適切に行うことが可能となる。
【0478】
特徴D7.前記制御手段において処理を実行するために必要なプログラムを記憶した所定記憶手段(主側ROM73)を備え、
前記第2所定処理を含めて、処理の実行に際して前記内部記憶手段に記憶された情報が前記退避記憶手段に退避されることとなる特別処理群に含まれる各種処理を実行するためのプログラムは、前記所定記憶手段において、前記特別処理群とは異なる処理群であって前記第1所定処理を含む処理群である所定処理群に含まれる各種処理を実行するためのプログラムが記憶されたエリアのアドレス群とは区別されたアドレス群のエリアに集約させて記憶されていることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
【0479】
特徴D7によれば、所定記憶手段において、所定処理群の各種処理を実行するためのプログラムのアドレス群と、特別処理群の各種処理を実行するためのプログラムのアドレス群とが明確に区別されている。これにより、所定処理群及び特別処理群のうち一方のみのプログラムのチェックや修正を行う場合の作業性を向上させることが可能となる。
【0480】
特徴D8.前記所定処理群に含まれる第1の処理よりも後であって第2の処理よりも前に前記特別処理群に含まれる第3の処理が実行され、前記特別処理群に含まれる第4の処理は前記第2の処理よりも後に実行されることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
【0481】
特徴D8によれば、処理の実行順序とは無関係に所定処理群と特別処理群との分類が行われており、それら分類された処理群毎に所定記憶手段におけるプログラムのアドレス群が明確に区別されている。これにより、分類された処理群毎にプログラムのチェックや修正を行う場合の作業性を向上させることが可能となる。
【0482】
特徴D9.前記制御手段において処理を実行する場合に情報が一時的に記憶される特定記憶手段(主側RAM74)を備え、
前記特定記憶手段は、前記制御手段において前記所定処理群に含まれる処理が実行される場合に利用されるエリア(特定制御用のワークエリア74a)と、前記制御手段において前記特別処理群に含まれる処理が実行される場合に利用されるエリア(非特定制御用のワークエリア74c)とが、それぞれ異なるアドレス群に集約されるように設定されていることを特徴とする特徴D7又はD8に記載の遊技機。
【0483】
特徴D9によれば、特定記憶手段においても処理群毎に使用エリアのアドレス群が明確に区別されている。これにより、一方の処理群に含まれる処理を実行する場合に、他方の処理群に含まれる処理において利用されている情報が書き換えられてしまわないようにすることが可能となる。
【0484】
特徴D10.処理の実行に際して前記内部記憶手段に記憶された情報が前記退避記憶手段に退避されることとなる特別処理群として、前記第2所定処理以外にも複数種の処理が存在しており、
前記制御手段は、
前記特別処理群のうちいずれの種類の処理を実行すべきであるかを特定するための特定処理を実行する特定手段(第3の実施形態では主側MPU72におけるステップS2203の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2306の処理を実行する機能)と、
当該特定処理により特定された種類の処理を開始させる開始手段(第3の実施形態では主側MPU72におけるステップS2204の処理を実行する機能、第4の実施形態では主側MPU72におけるステップS2307の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記退避実行手段は、前記特定処理により特定された種類の処理が前記開始手段により開始される前に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記退避記憶手段に退避させることを特徴とする特徴D1乃至D9のいずれか1に記載の遊技機。
【0485】
特徴D10によれば、特別処理群に含まれる処理を実行する場合に、内部記憶手段に記憶された情報を退避記憶手段に退避されるための処理が、特別処理群に含まれる各処理のそれぞれにおいて実行されるのではなく、特別処理群において実行対象となる処理を特定するための処理側において集約して実行される。これにより、特別処理群に含まれる各処理のそれぞれにおいて上記退避させるための処理が設定されている構成に比べてプログラム容量を抑えることが可能となる。
【0486】
特徴D11.前記第2所定処理は、遊技者の操作に基づき正規の遊技を進行させるための処理とは異なる処理であることを特徴とする特徴D1乃至D10のいずれか1に記載の遊技機。
【0487】
特徴D11によれば、遊技者の操作に基づき正規の遊技を進行させるための処理とは異なる処理を実行する場合に、当該正規の遊技を進行させるための処理において利用されている内部記憶手段の情報が書き換えられてしまわないようにすることが可能となる。
【0488】
なお、特徴D1?D11の構成に対して、特徴A1?A14、特徴B1?B4、特徴C1?C3、特徴D1?D11、特徴E1?E3、特徴F1?F2のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0489】
上記特徴D群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【0490】
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、CPUなどの制御手段、ROMなどの読み出し専用の記憶手段及びRAMなどの読み書き両用の記憶手段などを備えている。制御手段は、読み書き両用の記憶手段への情報の書き込み及び当該記憶手段からの情報の読み出しを行いながら、読み出し専用の記憶手段から読み出したプログラムに従って処理を実行する。この処理の実行に際しては、制御手段に対してセンサなどからの情報の入力が行われるとともに、電動アクチュエータや発光素子などに対する制御手段からの情報の出力が行われる。なお、制御手段、読み出し専用の記憶手段及び読み書き両用の記憶手段などが1チップ化されたものも知られている。
【0491】
スロットマシンについて具体的には、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて役の抽選処理が実行される。また、役の抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が役の抽選処理における当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。当該特典の付与として、例えば遊技媒体が付与される。
【0492】
ここで、上記例示等のような遊技機においては各種制御を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【0493】
<特徴E群>
特徴E1.処理を実行する制御手段(主側MPU72)と、
当該制御手段において処理を実行するために必要なプログラムを記憶した所定記憶手段(主側ROM73)と、
を備え、
当該制御手段により実行される処理として、複数種類の処理を含む所定処理群(特定制御に対応する処理群)と、複数種類の処理を含む特別処理群(非特定制御に対応する処理群)とが存在しており、
前記特別処理群に含まれる各種処理を実行するためのプログラムは、前記所定記憶手段において、前記所定処理群に含まれる各種処理を実行するためのプログラムが記憶されたエリアのアドレス群とは区別されたアドレス群のエリアに集約させて記憶されていることを特徴とする遊技機。
【0494】
特徴E1によれば、所定記憶手段において、所定処理群の各種処理を実行するためのプログラムのアドレス群と、特別処理群の各種処理を実行するためのプログラムのアドレス群とが明確に区別されている。これにより、所定処理群及び特別処理群のうち一方のみのプログラムのチェックや修正を行う場合の作業性を向上させることが可能となる。
【0495】
特徴E2.前記所定処理群に含まれる第1の処理よりも後であって第2の処理よりも前に前記特別処理群に含まれる第3の処理が実行され、前記特別処理群に含まれる第4の処理は前記第2の処理よりも後に実行されることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
【0496】
特徴E2によれば、処理の実行順序とは無関係に所定処理群と特別処理群との分類が行われており、それら分類された処理群毎に所定記憶手段におけるプログラムのアドレス群が明確に区別されている。これにより、分類された処理群毎にプログラムのチェックや修正を行う場合の作業性を向上させることが可能となる。
【0497】
特徴E3.前記制御手段において処理を実行する場合に情報が一時的に記憶される特定記憶手段(主側RAM74)を備え、
前記特定記憶手段は、前記制御手段において前記所定処理群に含まれる処理が実行される場合に利用されるエリア(特定制御用のワークエリア74a)と、前記制御手段において前記特別処理群に含まれる処理が実行される場合に利用されるエリア(非特定制御用のワークエリア74c)とが、それぞれ異なるアドレス群に集約されるように設定されていることを特徴とする特徴E1又はE2に記載の遊技機。
【0498】
特徴E3によれば、特定記憶手段においても処理群毎に使用エリアのアドレス群が明確に区別されている。これにより、一方の処理群に含まれる処理を実行する場合に、他方の処理群に含まれる処理において利用されている情報が書き換えられてしまわないようにすることが可能となる。
【0499】
なお、特徴E1?E3の構成に対して、特徴A1?A14、特徴B1?B4、特徴C1?C3、特徴D1?D11、特徴E1?E3、特徴F1?F2のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0500】
上記特徴E群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【0501】
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、CPUなどの制御手段、ROMなどの読み出し専用の記憶手段及びRAMなどの読み書き両用の記憶手段などを備えている。制御手段は、読み書き両用の記憶手段への情報の書き込み及び当該記憶手段からの情報の読み出しを行いながら、読み出し専用の記憶手段から読み出したプログラムに従って処理を実行する。この処理の実行に際しては、制御手段に対してセンサなどからの情報の入力が行われるとともに、電動アクチュエータや発光素子などに対する制御手段からの情報の出力が行われる。なお、制御手段、読み出し専用の記憶手段及び読み書き両用の記憶手段などが1チップ化されたものも知られている。
【0502】
スロットマシンについて具体的には、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて役の抽選処理が実行される。また、役の抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が役の抽選処理における当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。当該特典の付与として、例えば遊技媒体が付与される。
【0503】
ここで、上記例示等のような遊技機においては各種処理を実行するためのプログラムの管理を好適に行えるようにすることが好ましく、この点について未だ改良の余地がある。
【0504】
<特徴F群>
特徴F1.複数種類の処理を実行し、処理の実行に際して内部記憶手段(レジスタ)に情報を一時的に記憶させる制御手段(主側MPU72)を備え、
当該制御手段により実行される処理として、複数種類の処理を含む所定処理群と、複数種類の処理を含む特別処理群とを含めて複数の処理群が存在しており、
前記制御手段は、
前記所定処理群の処理を実行している状況から当該所定処理群とは異なる処理群の処理を実行する状況となる場合、前記内部記憶手段に記憶された情報を第1退避記憶手段(特定制御用のスタックエリア74b)に退避させる第1退避実行手段(第1の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1502、ステップS1602及びステップS1702の処理を実行する機能、第2の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1803及びステップS1809の処理を実行する機能、第3の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS2202の処理を実行する機能、第4の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS2302の処理を実行する機能)と、
前記特別処理群の処理を実行している状況から当該特別処理群とは異なる処理群の処理を実行する状況となる場合、前記内部記憶手段に記憶された情報を第2退避記憶手段(非特定制御用のスタックエリア74d)に退避させる第2退避実行手段(第1の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1513、ステップS1608及びステップS1708の処理を実行する機能、第2の実施形態及び第3の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1905の処理を実行する機能、第4の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS2308の処理を実行する機能)と、
前記所定処理群とは異なる処理群の処理を実行している状況から前記所定処理群の処理を実行する状況となる場合、前記第1退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させる第1復帰実行手段(第1の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1516、ステップS1611及びステップS1711の処理を実行する機能、第2の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1805及びステップS1811の処理を実行する機能、第3の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS2205の処理を実行する機能、第4の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS2311の処理を実行する機能)と、
前記特別処理群とは異なる処理群の処理を実行している状況から前記特別処理群の処理を実行する状況となる場合、前記第2退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させる第2復帰実行手段(第1の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1505、ステップS1605及びステップS1705の処理を実行する機能、第2の実施形態及び第3の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS1903の処理を実行する機能、第4の実施形態であれば主側MPU72におけるステップS2305の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
【0505】
特徴F1によれば、所定処理群の処理を実行している状況から所定処理群とは異なる処理群の処理を実行する状況となる場合にはその時点における内部記憶手段に記憶された情報が第1退避記憶手段に一時的に退避され、特別処理群の処理を実行している状況から特別処理群とは異なる処理群の処理を実行する状況となる場合にはその時点における内部記憶手段に記憶された情報が第2退避記憶手段に一時的に退避される。これにより、所定処理群の処理が実行される場合と、特別処理群の処理が実行される場合とで、内部記憶手段に記憶される情報を切り換えることが可能となり、各処理群の処理を適切に行うことが可能となる。
【0506】
特徴F2.前記制御手段は、割込み条件が成立した場合にそれまで実行されていた処理に割り込んで割込み処理を実行する割込み実行手段(主側MPU72における割込み処理を実行する機能)を備え、
前記第1退避実行手段は、前記所定処理群に含まれる特定処理を実行している状況において前記割込み処理による割込みが発生する場合、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記第1退避記憶手段に退避させることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
【0507】
特徴F2によれば、割込み処理による割込みが発生する場合に内部記憶手段の情報を退避させるための第1退避記憶手段を利用して、所定処理群の処理を実行している状況から所定処理群とは異なる処理群の処理を実行する状況となった場合における内部記憶手段の情報を退避させることが可能となる。
【0508】
なお、特徴F1?F2の構成に対して、特徴A1?A14、特徴B1?B4、特徴C1?C3、特徴D1?D11、特徴E1?E3、特徴F1?F2のうちいずれか1又は複数の構成を適用してもよい。これにより、その組み合わせた構成による相乗的な効果を奏することが可能となる。
【0509】
上記特徴F群に係る発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
【0510】
遊技機の一種として、パチンコ遊技機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、CPUなどの制御手段、ROMなどの読み出し専用の記憶手段及びRAMなどの読み書き両用の記憶手段などを備えている。制御手段は、読み書き両用の記憶手段への情報の書き込み及び当該記憶手段からの情報の読み出しを行いながら、読み出し専用の記憶手段から読み出したプログラムに従って処理を実行する。この処理の実行に際しては、制御手段に対してセンサなどからの情報の入力が行われるとともに、電動アクチュエータや発光素子などに対する制御手段からの情報の出力が行われる。なお、制御手段、読み出し専用の記憶手段及び読み書き両用の記憶手段などが1チップ化されたものも知られている。
【0511】
スロットマシンについて具体的には、メダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されて新たなゲームが開始される場合に制御手段にて役の抽選処理が実行される。また、役の抽選処理が実行された場合には制御手段にて回転開始制御が実行されることによりリールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップボタンが操作された場合には制御手段にて回転停止制御が実行されることによりリールの回転が停止される。そして、リールの回転停止後の停止結果が役の抽選処理における当選役に対応したものである場合には、当該当選役に対応した特典が遊技者に付与される。当該特典の付与として、例えば遊技媒体が付与される。
【0512】
ここで、上記例示等のような遊技機においては各種制御を好適に行う必要があり、この点について未だ改良の余地がある。
【0513】
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
【0514】
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
【0515】
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
【符号の説明】
【0516】
10…スロットマシン、31…リールユニット、32L,32M,32R…リール、41…スタートレバー、42?44…ストップボタン、47?49…クレジット投入ボタン、63…画像表示装置、67…特別表示部、72…主側MPU、73…主側ROM、74…主側RAM、74a…特定制御用のワークエリア、74b…特定制御用のスタックエリア、74c…非特定制御用のワークエリア、74d…非特定制御用のスタックエリア、82…演出側MPU。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の処理を実行し、処理の実行に際して内部記憶手段に情報を一時的に記憶させる制御手段を備え、
当該制御手段は、
前記複数種類の処理のうち、プログラム記憶手段における所定アドレス範囲内の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域内処理を実行する領域内処理実行手段と、
前記複数種類の処理のうち、前記プログラム記憶手段における前記所定アドレス範囲の外部のアドレス範囲の記憶領域に記憶されているプログラムを利用した処理である領域外処理を実行する領域外処理実行手段と、
前記領域内処理を開始する場合には前記内部記憶手段に記憶された情報を退避記憶手段に退避させることなく、前記領域外処理を開始する場合又は開始した後に、前記内部記憶手段に記憶された情報を前記退避記憶手段に退避させる退避実行手段と、
前記領域外処理を終了する場合又は終了した後に、前記退避記憶手段に退避された情報を前記内部記憶手段に復帰させる復帰実行手段と、
前記領域内処理及び前記領域外処理を実行可能な特定処理を実行する手段と、
を備え、
前記特定処理が実行されている状況において割込み条件が成立したことに基づいて割込み処理が開始された場合には前記領域内処理が実行される構成であり、
前記特定処理における前記領域内処理を実行している状況から前記領域外処理を開始する場合には当該領域外処理を開始する前における前記領域内処理にて前記割込み処理の実行が禁止され、当該領域外処理を終了して前記領域内処理に復帰する場合にはその復帰した領域内処理にて前記割込み処理の実行が許可され、前記領域外処理において前記割込み処理の実行が許可されないことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
遊技媒体を利用して遊技が行われることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2020-11-10 
結審通知日 2020-11-17 
審決日 2020-12-01 
出願番号 特願2015-120119(P2015-120119)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A63F)
P 1 41・ 851- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 東 治企  
特許庁審判長 石井 哲
特許庁審判官 鉄 豊郎
澤田 真治
登録日 2018-04-13 
登録番号 特許第6319196号(P6319196)
発明の名称 遊技機  
代理人 安藤 悟  
代理人 安藤 悟  

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