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審決分類 審判 査定不服 特39条先願 取り消して特許、登録 G06K
管理番号 1371418
審判番号 不服2020-11531  
総通号数 256 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-04-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-08-19 
確定日 2021-03-16 
事件の表示 特願2019- 49386「RFIDタグ付きメガネおよびRFIDタグ付き物品」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 9月 5日出願公開、特開2019-149168、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,2018年4月12日を国際出願日(優先権主張 平成29年7月14日 日本)とする特願2018-545522号の一部を,平成31年3月18日に新たな特許出願として出願されたものであって,令和1年12月3日付けで拒絶理由通知がされ,令和2年1月6日付けで意見書が提出されると同時に手続補正がされたが,令和2年5月28日付けで拒絶査定(原査定)がされ,これに対し,令和2年8月19日に拒絶査定不服審判の請求がされると同時に手続補正がされたものである。


第2 原査定の概要
原査定(令和2年5月28日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

(同日出願)この出願の請求項1?7に係る発明は,同日出願された下記の出願に係る発明と同一と認められ,かつ,下記の出願に係る発明は特許されており協議を行うことができないから,特許法第39条第2項の規定により特許を受けることができない。

引 用 文 献 等 一 覧
1. 特願2018-545522号(特許第6531873号公報)


第3 本願発明
本願請求項1ないし7に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明7」という。)は,令和2年8月19日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される発明であり,以下のとおりのものである。

「【請求項1】
メガネレンズと、当該メガネレンズを保持する金属製リムと、を有するメガネと、平面寸法が前記メガネレンズより小さなRFIDタグと、を備え、
前記RFIDタグは、
基材と、
前記基材に搭載され、第1入出力端子および第2入出力端子を有するRFIC素子と、
前記基材に形成され、一端が前記第1入出力端子に接続される第1接続端であり、他端が第1開放端である第1ダイポールエレメント、および、一端が前記第2入出力端子に接続される第2接続端であり、他端が第2開放端である第2ダイポールエレメントで構成されるダイポール型アンテナと、
で構成され、
前記ダイポール型アンテナの形成領域は、平面視で長手方向および短手方向をもち、前記長手方向の互いに対向する端部である第1端部および第2端部を有し、前記短手方向の互いに対向する側部である第1側部および第2側部を有し、
前記RFIDタグは、前記第1側部が前記金属製リムに沿うように前記メガネレンズに貼着され、
前記第1開放端は前記第2開放端に比べて前記第1側部寄りの位置にあり、
前記第1ダイポールエレメントのうち前記第1側部に近接して沿い前記長手方向に延伸する部分および前記第1開放端は容量結合部を構成し、
前記金属製リムと前記容量結合部とが容量結合する、
ことを特徴とするRFIDタグ付きメガネ。
【請求項2】
絶縁体部と、当該絶縁体部の周縁の全部または一部を囲む金属部と、を有する物品と、平面寸法が前記絶縁体部より小さなRFIDタグと、を備え、
前記RFIDタグは、
基材と、
前記基材に搭載され、第1入出力端子および第2入出力端子を有するRFIC素子と、
前記基材に形成され、一端が前記第1入出力端子に接続される第1接続端であり、他端が第1開放端である第1ダイポールエレメント、および、一端が前記第2入出力端子に接続される第2接続端であり、他端が第2開放端である第2ダイポールエレメントで構成されるダイポール型アンテナと、
で構成され、
前記ダイポール型アンテナの形成領域は、平面視で長手方向および短手方向をもち、前記長手方向の互いに対向する端部である第1端部および第2端部を有し、前記短手方向の互いに対向する側部である第1側部および第2側部を有し、
前記RFIDタグは、前記第1側部が前記金属部に沿うように前記絶縁体部に貼着され、
前記第1開放端は前記第2開放端に比べて前記第1側部寄りの位置にあり、
前記第1ダイポールエレメントのうち前記第1側部に近接して沿い前記長手方向に延伸する部分および前記第1開放端は容量結合部を構成し、
前記金属部と前記容量結合部とが容量結合する、
ことを特徴とするRFIDタグ付き物品。
【請求項3】
前記第1開放端は前記第1ダイポールエレメントの形成領域のうち前記第1側部寄りの位置にある、請求項2に記載のRFIDタグ付き物品。
【請求項4】
前記RFIC素子は、RFICチップと、前記RFICチップと前記ダイポール型アンテナとのインピーダンスを整合させるインピーダンス整合回路とを一体化した素子である、請求項2または3に記載のRFIDタグ付き物品。
【請求項5】
前記第1ダイポールエレメントの一部は前記RFIC素子と前記第1側部との間に配置されていて、前記第2ダイポールエレメントの一部は前記RFIC素子と前記第2側部との間に配置されている、請求項2から4のいずれかに記載のRFIDタグ付き物品。
【請求項6】
前記ダイポール型アンテナは、前記長手方向の寸法が前記短手方向の寸法の2倍以上である、請求項2から5のいずれかに記載のRFIDタグ付き物品。
【請求項7】
前記RFIC素子は前記ダイポール型アンテナを介してUHF帯で通信する、請求項2から6のいずれかに記載のRFIDタグ付き物品。」

第4 同日出願
原査定の拒絶の理由に引用された,本願と同一出願人による同日の出願とみなされる特願2018-545522号(特許第6531873号)の請求項1ないし7に係る発明(以下,「同日出願発明1」ないし「同日出願発明7」という。)は,その掲載公報の特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項 1】
メガネレンズと、当該メガネレンズを保持する金属製リムと、を有するメガネと、平面寸法が前記メガネレンズより小さなRFIDタグと、を備え、
前記RFIDタグは、
基材と、
前記基材に搭載され、第1入出力端子および第2入出力端子を有するRFIC素子と、
前記基材に形成され、一端が前記第1入出力端子に接続される第1接続端であり、他端が第1開放端である第1ダイポールエレメント、および、一端が前記第2入出力端子に接続される第2接続端であり、他端が第2開放端である第2ダイポールエレメントで構成されるダイポール型アンテナと、
で構成され、
前記ダイポール型アンテナの形成領域は、平面視で長手方向および短手方向をもち、前記長手方向の互いに対向する端部である第1端部および第2端部を有し、前記短手方向の互いに対向する側部である第1側部および第2側部を有し、
前記第1ダイポールエレメントは、前記第1接続端から前記第1端部方向へ延伸するとともに前記第1側部方向に向かってミアンダ状に蛇行する導体パターンであり、
前記第2ダイポールエレメントは、前記第2接続端から前記第2端部方向へ延伸するとともに前記第2側部方向に向かってミアンダ状に蛇行する導体パターンであり、
前記RFIDタグは、前記第1ダイポールエレメントの開放端が、前記第2ダイポールエレメントの開放端よりも、前記金属製リムに近接するように前記メガネレンズに貼着された、
ことを特徴とするRFIDタグ付きメガネ。
【請求項2】
絶縁体部と、当該絶縁体部の周縁の全部または一部を囲む金属部と、を有する物品と、平面寸法が前記絶縁体部より小さなRFIDタグと、を備え、 前記RFIDタグは、
基材と、
前記基材に搭載され、第1入出力端子および第2入出力端子を有するRFIC素子と、
前記基材に形成され、一端が前記第1入出力端子に接続される第1接続端であり、他端が第1開放端である第1ダイポールエレメント、および、一端が前記第2入出力端子に接続される第2接続端であり、他端が第2開放端である第2ダイポールエレメントで構成されるダイポール型アンテナと、
で構成され、
前記ダイポール型アンテナの形成領域は、平面視で長手方向および短手方向をもち、前記長手方向の互いに対向する端部である第1端部および第2端部を有し、前記短手方向の互いに対向する側部である第1側部および第2側部を有し、
前記第1ダイポールエレメントは、前記第1接続端から前記第1端部方向へ延伸するとともに前記第1側部方向に向かってミアンダ状に蛇行する導体パターンであり、
前記第2ダイポールエレメントは、前記第2接続端から前記第2端部方向へ延伸するとともに前記第2側部方向に向かってミアンダ状に蛇行する導体パターンであり、
前記RFIDタグは、前記第1ダイポールエレメントの開放端が、前記第2ダイポールエレメントの開放端よりも、前記金属部に近接するように前記絶縁体部に貼着された、
ことを特徴とするRFIDタグ付き物品。
【請求項3】
前記第1開放端は前記第1ダイポールエレメントの形成領域のうち前記第1側部寄りの位置にある、請求項2に記載のRFIDタグ付き物品。
【請求項4】
前記RFIC素子は、RFICチップと、前記RFICチップと前記ダイポール型アンテナとのインピーダンスを整合させるインピーダンス整合回路とを一体化した素子である、請求項2または3に記載のRFIDタグ付き物品。
【請求項5】
前記第1ダイポールエレメントの一部は前記RFIC素子と前記第1側部との間に配置されていて、前記第2ダイポールエレメントの一部は前記RFIC素子と前記第2側部との間に配置されている、請求項2から4のいずれかに記載のRFIDタグ付き物品。
【請求項6】
前記ダイポール型アンテナは、前記長手方向の寸法が前記短手方向の寸法の2倍以上である、請求項2から5のいずれかに記載のRFIDタグ付き物品。
【請求項7】
前記RFIC素子は前記ダイポール型アンテナを介してUHF帯で通信する、請求項2から6のいずれかに記載のRFIDタグ付き物品。」


第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)同日出願発明1を先願とし,本願発明1を後願と仮定したとき
ア 本願発明1と同日出願発明1とを対比する。
(ア)本願発明1と,同日出願発明1は,
「メガネレンズと,当該メガネレンズを保持する金属製リムと,を有するメガネと,平面寸法が前記メガネレンズより小さなRFIDタグと,を備え,
前記RFIDタグは,
基材と,
前記基材に搭載され,第1入出力端子および第2入出力端子を有するRFIC素子と,
前記基材に形成され,一端が前記第1入出力端子に接続される第1接続端であり,他端が第1開放端である第1ダイポールエレメント,および,一端が前記第2入出力端子に接続される第2接続端であり,他端が第2開放端である第2ダイポールエレメントで構成されるダイポール型アンテナと,
で構成され,
前記ダイポール型アンテナの形成領域は,平面視で長手方向および短手方向をもち,前記長手方向の互いに対向する端部である第1端部および第2端部を有し,前記短手方向の互いに対向する側部である第1側部および第2側部を有する,RFIDタグ付きメガネ」
の点では一致する。

したがって,本願発明1と同日出願発明1との間には,以下の一致点と相違点とがある。

〈一致点〉
「メガネレンズと,当該メガネレンズを保持する金属製リムと,を有するメガネと,平面寸法が前記メガネレンズより小さなRFIDタグと,を備え,
前記RFIDタグは,
基材と,
前記基材に搭載され,第1入出力端子および第2入出力端子を有するRFIC素子と,
前記基材に形成され,一端が前記第1入出力端子に接続される第1接続端であり,他端が第1開放端である第1ダイポールエレメント,および,一端が前記第2入出力端子に接続される第2接続端であり,他端が第2開放端である第2ダイポールエレメントで構成されるダイポール型アンテナと,
で構成され,
前記ダイポール型アンテナの形成領域は,平面視で長手方向および短手方向をもち,前記長手方向の互いに対向する端部である第1端部および第2端部を有し,前記短手方向の互いに対向する側部である第1側部および第2側部を有する,
RFIDタグ付きメガネ。」

〈相違点1〉
本願発明1では「前記RFIDタグは,前記第1側部が前記金属製リムに沿うように前記メガネレンズに貼着され、前記第1開放端は前記第2開放端に比べて前記第1側部寄りの位置にあり、前記第1ダイポールエレメントのうち前記第1側部に近接して沿い前記長手方向に延伸する部分および前記第1開放端は容量結合部を構成し、前記金属製リムと前記容量結合部とが容量結合する」ものであるのに対して,同日出願発明1ではその旨の特定がされていない点。

イ 相違点についての判断
同日出願発明1では,「第1ダイポールエレメントは,前記第1接続端から前記第1端部方向へ延伸するとともに前記第1側部方向に向かってミアンダ状に蛇行する導体パターンであり、前記第2ダイポールエレメントは、前記第2接続端から前記第2端部方向へ延伸するとともに前記第2側部方向に向かってミアンダ状に蛇行する導体パターンであ」り,「第1ダイポールエレメント」は,「第2側部」から「第1側部」に向かっているといえ,また,「第2ダイポールエレメント」は,「第1側部」から「第2側部」に向かっているといえる。
しかしながら,「第1ダイポールエレメント」及び「第2ダイポールエレメント」の短手方向(「第1側部方向」または「第2側部方向」)の長さが,「RFIDタグ」の短手方向の長さの半分以下である際には,「第1ダイポールエレメントの開放端」は「第2側部」側にあり,「第2ダイポールエレメントの開放端」は「第1側部」側にあるといえ,「前記第1開放端は前記第2開放端に比べて前記第1側部寄りの位置にあ」るものではない。
さらに,同日出願発明1は,「RFIDタグは,前記第1ダイポールエレメントの開放端が,前記第2ダイポールエレメントの開放端よりも,前記金属製リムに近接するように前記メガネレンズに貼着され」るものであるから,上記の際には,同日出願発明1では,「第2側部」が金属製リムに近接するようになるものと認められ,「前記RFIDタグは,前記第1側部が前記金属製リムに沿うように前記メガネレンズに貼着され」るものでもない。
また,「第1ダイポールエレメント」及び「第2ダイポールエレメント」の短手方向の長さが,「RFIDタグ」の短手方向の長さの半分以下である際には,「第1ダイポールエレメント」は「第2側部」側にあるものであり,「第1ダイポールエレメント」には「第1側部」に近接する部分はないものと認められることから,同日出願発明1は,「前記第1ダイポールエレメントのうち前記第1側部に近接して沿い前記長手方向に延伸する部分および前記第1開放端は容量結合部を構成し,前記金属製リムと前記容量結合部とが容量結合する」ものでもない。
そして,本願発明1の相違点1の構成が課題解決のための具体化手段における微差であるともいえない。
したがって,本願発明1と同日出願発明1とは,実質同一ではない。

(2)本願発明1を先願とし,同日出願発明1を後願と仮定したとき
ア 同日出願発明1と本願発明1とを対比する。
(ア)同日出願発明1と,本願発明1は,
「メガネレンズと,当該メガネレンズを保持する金属製リムと,を有するメガネと,平面寸法が前記メガネレンズより小さなRFIDタグと,を備え,
前記RFIDタグは,
基材と,
前記基材に搭載され,第1入出力端子および第2入出力端子を有するRFIC素子と,
前記基材に形成され,一端が前記第1入出力端子に接続される第1接続端であり,他端が第1開放端である第1ダイポールエレメント,および,一端が前記第2入出力端子に接続される第2接続端であり,他端が第2開放端である第2ダイポールエレメントで構成されるダイポール型アンテナと,
で構成され,
前記ダイポール型アンテナの形成領域は,平面視で長手方向および短手方向をもち,前記長手方向の互いに対向する端部である第1端部および第2端部を有し,前記短手方向の互いに対向する側部である第1側部および第2側部を有する,RFIDタグ付きメガネ。」
の点では一致する。

(イ)本願発明1では,「前記RFIDタグは、前記第1側部が前記金属製リムに沿うように前記メガネレンズに貼着され、前記第1開放端は前記第2開放端に比べて前記第1側部寄りの位置にあ」るものであるから,「第1ダイポールエレメントの開放端」は,「第2ダイポールエレメントの開放端」よりも「金属製リム」に近接しているといえる。
したがって,同日出願発明1と,本願発明1は,「前記RFIDタグは,前記第1ダイポールエレメントの開放端が,前記第2ダイポールエレメントの開放端よりも,前記金属製リムに近接するように前記メガネレンズに貼着された」の点では一致する。

したがって,同日出願発明1と本願発明1との間には,以下の一致点と相違点とがある。

〈一致点〉
「メガネレンズと,当該メガネレンズを保持する金属製リムと,を有するメガネと,平面寸法が前記メガネレンズより小さなRFIDタグと,を備え,
前記RFIDタグは,
基材と,
前記基材に搭載され,第1入出力端子および第2入出力端子を有するRFIC素子と,
前記基材に形成され,一端が前記第1入出力端子に接続される第1接続端であり,他端が第1開放端である第1ダイポールエレメント,および,一端が前記第2入出力端子に接続される第2接続端であり,他端が第2開放端である第2ダイポールエレメントで構成されるダイポール型アンテナと,
で構成され,
前記ダイポール型アンテナの形成領域は,平面視で長手方向および短手方向をもち,前記長手方向の互いに対向する端部である第1端部および第2端部を有し,前記短手方向の互いに対向する側部である第1側部および第2側部を有し,
前記RFIDタグは,前記第1ダイポールエレメントの開放端が,前記第2ダイポールエレメントの開放端よりも,前記金属製リムに近接するように前記メガネレンズに貼着された,
RFIDタグ付きメガネ。」

〈相違点2〉
同日出願発明1では「前記第1ダイポールエレメントは、前記第1接続端から前記第1端部方向へ延伸するとともに前記第1側部方向に向かってミアンダ状に蛇行する導体パターンであり、前記第2ダイポールエレメントは、前記第2接続端から前記第2端部方向へ延伸するとともに前記第2側部方向に向かってミアンダ状に蛇行する導体パターンであ」るのに対して,本願発明1では「第1ダイポールエレメント」及び「第2ダイポールエレメント」にその旨の特定がされていない点。

イ 相違点についての判断
本願発明1では「第1ダイポールエレメント」及び「第2ダイポールエレメント」の構造に関しては特に限定されておらず,また,同日出願発明1の相違点2の構成が課題解決のための具体化手段における微差であるともいえない。
したがって,同日出願発明1と本願発明1とは,実質同一ではない。

(3)小括
上記(1)及び(2)のとおり,同日出願発明1を先願として,本願発明1を後願としたとき,また,本願発明1を先願として,同日出願発明1を後願としたとき,いずれも,両者は実質同一とはいえないことから,結局,両者は実質同一ではない。

2 本願発明2について
本願発明2及び同日出願発明2は,いずれも,概ね,本願発明1及び同日出願発明1の「メガネレンズ」,「金属リム」,「物品」を,各々,「絶縁体」,「金属部」,「物品」としたものであるから,同様に,本願発明2と同日出願発明2とは実質同一ではない。

3 本願発明3ないし7について
本願発明3ないし7と,同日出願発明3ないし7とは同様の限定をおこなうものであるが,本願発明3ないし7は,本願発明2を更に限定したものであって,同日出願発明3ないし7は,同日出願発明2を更に限定したものであるので,同様に,本願発明3ないし7と同日出願発明3ないし7とは実質同一ではない。


第6 原査定について
<特許法39条2項について>
審判請求時の補正により,本願発明1ないし7は上記第3に示したとおりのものとなっており,同日出願発明1ないし7とは実質同一ではない。したがって,原査定の理由を維持することはできない。


第7 むすび
以上のとおり,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-02-26 
出願番号 特願2019-49386(P2019-49386)
審決分類 P 1 8・ 4- WY (G06K)
最終処分 成立  
前審関与審査官 梅沢 俊  
特許庁審判長 田中 秀人
特許庁審判官 山澤 宏
小林 秀和
発明の名称 RFIDタグ付きメガネおよびRFIDタグ付き物品  
代理人 特許業務法人 楓国際特許事務所  

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