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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B60R
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  B60R
管理番号 1371672
異議申立番号 異議2020-700181  
総通号数 256 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-04-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-03-17 
確定日 2020-12-18 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6575472号発明「車載光学センサ装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6575472号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 特許第6575472号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 1 手続の経緯
特許第6575472号の請求項1に係る特許についての出願は、平成28年 9月13日に出願され、令和1年 8月30日にその特許権の設定登録がされ、令和 1年 9月18日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、令和 2年 3月17日に特許異議申立人横山淑子(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審は、令和 2年 6月18日付けで取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間内である令和 2年 8月20日に意見書の提出及び訂正の請求を行い、令和 2年 9月15日付けで訂正請求があった旨が通知され(特許法第120条の5第5項)、その訂正の請求に対して、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたところ、申立人からは応答がなかった。

2 訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
令和 2年8月20日の訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)による訂正の内容は、以下のとおりである。なお、訂正箇所に下線を付した。
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、「車載光学センサ装置において、前記通気口は、前記車載光学センサ装置下方からの空気流を取り込むことができる」とあるのを、「車載光学センサ装置において、前記センサ室に対して前記車両の前進方向且つ下方の前記ブラケットの縁部であって前記ウインドシールドガラスに対向する面に配置され、前記車両の左右方向にそれぞれ延びる第1遮光壁、第2遮光壁及び第3遮光壁を有し、前記第1遮光壁及び第2遮光壁は、前記車両の左右方向に所定の間隔をあけて配置され、前記第3遮光壁は、前記第1遮光壁と前記第2遮光壁に対して更に前記車両の前進方向且つ下方に配置され、前記第1遮光壁の長手方向における前記第2遮光壁側の端部が、前記第3遮光壁の長手方向における一端部に前記車両の前後方向においてオーバーラップし、且つ前記第2遮光壁の長手方向における前記第1遮光壁側の端部が、前記第3遮光壁の長手方向における他端部に前記車両の前後方向においてオーバーラップし、前記通気口は、それぞれが、前記車載光学センサ装置下方からの空気流を取り込むことができる」に訂正する。
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に「前記通気口から前記ブラケット内に入射した入射光」とあるのを「前記通気口から前記センサ室内に入射した入射光」に訂正する。
ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1に「入射光が前記光学センサによって直接受光されない位置に開口した、車載光学センサ装置」とあるのを「入射光が前記光学センサによって直接受光されない位置に開口した、第1通気口、第2通気口及び第3通気口を含み、前記第1通気口が、前記第1遮光壁の前記端部と前記第3遮光壁の前記一端部との間に形成され、前記第2通気口が、前記第2遮光壁の前記端部と前記第3遮光壁の前記他端部との間に形成され、前記第3通気口が、前記第1通気口と前記2通気口との間において前記ブラケットの縁部に形成された開口を含むとともに当該開口から前記ウインドシールドガラスから遠ざかるように延びる通気口である、車載光学センサ装置」に訂正する。
(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
ア 訂正事項1、3について
(ア)訂正の目的の適否
訂正事項3は、訂正前の請求項1に係る発明の発明特定事項の1つである「通気口」が、「第1通気口」、「第2通気口」及び「第3通気口」を含むことを特定するものであるところ、それらの通気口の構成を特定するために、訂正事項1により、訂正前の請求項1に係る発明の発明特定事項として含まれていなかった「第1遮光壁」、「第2遮光壁」及び「第3遮光壁」に関する事項を追加するものであり、訂正事項1、3により、「通気口」に係る構成を限定するものである。
すなわち、訂正事項1、3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
(イ)新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、願書に添付した明細書(以下、「本件特許明細書」という。)の段落【0021】の「・・・(略)・・・遮光璧50(第1遮光璧51、第2遮光璧52及び第3遮光璧53)は、ブラケット20下方の縁部22に配置される。・・・(略)・・・第1遮光璧51及び第2遮光璧52は車両の前進方向と垂直な方向を長手方向とし、縁部22において同一直線上に所定の間隔L1をあけて整列している。・・・(略)・・・」(下線は当審で付加。以下同様。)との記載、同【0022】の「第3遮光璧53は第1遮光璧51及び第2遮光璧52と平行に所定の間隔L2をあけて配置されている。更に、第3遮光璧53は第1遮光璧51とのオーバーラップ量がL3となり、第2遮光璧52とのオーバーラップ量がL4となるように配置されている。・・・(略)・・・」との記載、同【0023】の「・・・(略)・・・第1通気口61、第2通気口62及び第3通気口63は、併せて通気口60とも称呼され、本発明の通気口に相当する。」との記載、及び、【図1】、【図3】における「第1遮光璧51」、「第2遮光璧52」、「第3遮光璧53」の配置位置の記載等からみて、新規事項の追加に該当しない。
また、訂正事項3は、同【0022】の「・・・(略)・・・第1遮光璧51と、第3遮光璧53と、縁部22と、ウインドシールドガラス12との間には第1通気口61が開口する。同様に、第2遮光璧52と、第3遮光璧53と、縁部22と、ウインドシールドガラス12との間には第2通気口62が開口する。」との記載、同【0023】の「第1遮光璧51(又は第2遮光璧52)と第3遮光璧53との間であって、第3遮光璧53の両端を超えない範囲において、ブラケット20(縁部22)には第3通気口63が開口している。第3通気口63はブラケット20の下方に向かって延びている。第1通気口61、第2通気口62及び第3通気口63は、併せて通気口60とも称呼され、本発明の通気口に相当する。」との記載、同【0024】の「通気口60は光学センサ33よりも車両の前進方向且つ下方位置(言い換えると、光学センサ33よりも低い位置であって且つ光学センサ33より前方の位置)に開口している。従って、通気口60は、本装置10下方のデフロスタ15から流出する空気流を取り込むことができる。第1通気口61及び第2通気口62は、遮光璧50に対して斜め方向に流れ込む空気流を効率的に取り込むことができる。一方、第3通気口63は、遮光璧50に対して垂直に流れ込む空気流を効率的に取り込むことができる。」との記載、同【0026】の「第1通気口61から入射する光(以下、「第1入射光」と称呼する。)の到達範囲は、角度θ1の範囲R1である。第2通気口62から入射する光(以下、「第2入射光」と称呼する。)の到達範囲は、角度θ2の範囲R2である。」との記載、同【0027】の「・・・(略)・・・図3からわかるように第1入射光は光学センサ50の何れにも入射しない。」との記載、同【0028】の「・・・(略)・・・図3からわかるように第2入射光は光学センサ50の何れにも入射しない。」との記載、同【0029】の「第3通気口63の下方(空気導入側)63aから入射する光(以下、「第3入射光」と称呼する。)は図3(A-A断面図)に示したように、第3通気口63の壁面63bに遮られ、センサ室34内に進入することができない。従って、第3入射光は光学センサ33の何れにも入射しない。」との記載、及び、【図1】、【図3】におけるにおける「第1遮光璧51」、「第2遮光璧52」、「第3遮光璧53」の配置位置の記載等からみて、新規事項の追加に該当しない。
そして、上記(ア)から明らかなように、訂正事項1、3は、特許請求の範囲を減縮するものである。さらに、訂正事項1、3は、カテゴリーや対象、目的を変更するものでないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものにも該当しない。
イ 訂正事項2について
(ア)訂正の目的の適否
訂正前の請求項1には、「前記ウインドシールドガラスに取り付けられるとともに、前記光学センサモジュールを固定し、外部と前記センサ室との間を連通する通気口」(以下、「事項A」とする。)と記載されている。また、訂正前の請求項1の他の部分には、「前記通気口は、前記車載光学センサ装置下方からの空気流を取り込むことができるように前記光学センサよりも前記車両の前進方向且つ下方位置に開口するとともに、前記通気口から前記ブラケット内に入射した入射光が前記光学センサによって直接受光されない位置に開口した」(以下、「事項B」とする。)と記載されている。事項Aから、車載光学センサ装置の外部から、光が通気口を通って入射する空間は、センサ室であることが明らかであるところ、事項Bでは、「前記ブラケット内」と記載していた。訂正事項2は、事項Bの「前記ブラケット内」という記載を「前記センサ室内」に訂正し、事項Aと事項Bとの整合を図るものである。
すなわち、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(イ)新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
上記(ア)から明らかなように、訂正事項2は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。さらに、訂正事項2は、カテゴリーや対象、目的を変更するものでないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものにも該当しない。
(3)独立特許要件
本件においては、訂正前の請求項1について特許異議の申立てがされているので、訂正前の請求項1に係る訂正事項1?3に関して、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第7項に規定する独立特許要件は課されない。
(4)小括
以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするもの、及び、同第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1について訂正することを認める。

3 訂正後の本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項1係る発明(以下、「本件発明1」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「車両前方領域からの光学情報をウインドシールドガラスを通して受光する光学センサと、
前記光学センサを備えるとともに前記光学センサと前記ウインドシールドガラスとの間に形成される空間であるセンサ室を有する光学センサモジュールと、
前記ウインドシールドガラスに取り付けられるとともに、前記光学センサモジュールを固定し、外部と前記センサ室との間を連通する通気口が形成されるブラケットと、
前記車両の車室内側から前記光学センサモジュールを覆うことにより前記車室内の光の前記光学センサヘの映り込みを防止する遮光カバーと、
を備えた車載光学センサ装置において、
前記センサ室に対して前記車両の前進方向且つ下方の前記ブラケットの縁部であって前記ウインドシールドガラスに対向する面に配置され前記車両の左右方向にそれぞれ延びる第1遮光壁、第2遮光壁及び第3遮光壁を有し、
前記第1遮壁及び前記第2遮光壁は、前記車両の左右方向に所定の間隔をあけて配置され、
前記第3遮光壁は前記第1遮光壁と前記第2遮光壁に対して更に前記車両の前進方向且つ下方に配置され、
前記第1遮光壁の長手方向における前記第2遮光壁側の端部が、前記第3遮光壁の長手方向における一端部に前記車両の前後方向においてオーバーラップし、且つ前記第2遮光壁の長手方向における前記第1遮光壁側の端部が、前記第3遮光壁の長手方向における他端部に前記車両の前後方向においてオーバーラップし、
前記通気口は、それぞれが、前記車載光学センサ装置下方からの空気流を取り込むことができるように前記光学センサよりも前記車両の前進方向且つ下方位置に開口するとともに、前記通気口から前記センサ室内に入射した入射光が前記光学センサによって直接受光されない位置に開口した、第1通気口、第2通気口及ぴ第3通気口を含み、
前記第1通気口が、前記第1遮光壁の前記端部と前記第3遮光壁の前記一端部との間に形成され、
前記第2通気口が、前記第2遮光壁の前記端部と前記第3遮光壁の前記他端部との間に形成され、
前記第3通気口が、前記第1通気口と前記第2通気口との間において前記ブラケットの縁部に形成された開口を含むとともに当該開口から前記ウインドシールドガラスから遠ざかるように延びる通気口である、
車載光学センサ装置。」

4 取消理由通知に記載した取消理由について
(1)取消理由の概要
訂正前の請求項1に係る特許に対して、当審が令和 2年 6月18日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
ア 請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明である。よって、請求項1に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。
イ 請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に想到することができたものである。よって、請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。
(2)甲第1号証の記載事項及び甲第1号証に記載された発明
ア 記載事項
甲第1号証(米国特許出願公開第2016/0167595号明細書)には、以下の記載がある。
甲第1号は英文であるため、申立人が甲第1号証抄訳文として提出した抄訳文を参考に当審で付した訳文を[ ]内に用いる。
下線は当審で付与。以下、同様。
「[0003]
Motor vehicles increasingly are equipped with windshield-mounted digital camera modules for observing the roadway in front of the vehicle. The camera modules contain a digital imager, as well as a microcomputer for analyzing the digital video signals generated by the imager. Some camera modules include multiple (e.g. stereo) imagers, and perhaps even multiple microcomputers (e.g., a dedicated image processor and a module processor). The camera modules perform various functions including lane departure warning, lane keeping assistance, automatic high beam control, forward crash warning, and traffic sign recognition. Even more sophisticated autonomous vehicle functions will likely be implemented in or with such camera modules in the future.
[自動車が車両の前の道路を観察するためのフロントガラスに取り付けられたデジタルカメラモジュールを装備することが増えている。カメラモジュールは、デジタル撮像装置、ならびに撮像装置によって生成されたデジタル映像信号を分析するためのマイクロコンピュータを含む。いくつかのカメラモジュールは、複数の(例えば、ステレオ)画像装置、および場合によってはさらに複数のマイクロコンピュータ(例えば、専用画像プロセッサとモジュール・プロセッサ)を含む。カメラモジュールは、車線逸脱警報、車線維持支援、自動高ビーム制御、前方衝突警告、交通標識検出を含む様々な機能を実行する。更に高度な自律的車両機能は、将来、このようなカメラモジュールにおいて、またはこれを用いて実行されることが多い。]

「[0007]
In accordance with another example embodiment of the present invention, apparatus is provided for use with a camera module having an imager that is adapted for mounting on the inside surface of a vehicle window such that the imager looks out through the vehicle window. The apparatus comprising a camera mounting element having an opening sized and positioned to permit a flow of air onto the window surface through which the imager looks and also to block light reflections that might otherwise impinge on the imager from below the module. The camera mounting element includes a frame defining an opening for receiving a flow of air from below the apparatus, the frame channeling the flow of air onto the window surface through which the imager looks. The frame includes plural elements that protrude into the opening and towards the window glass, with the spacing between the elements and the window glass being selected to prevent light reflections from passing there between. The plural elements are vertically and horizontally spaced across at least a portion of the opening such that air can flow between the elements but rays of light reflecting up towards the frame from below are blocked by at least one of the elements.
[本発明の別の例示的な実施形態によれば、装置は、車両のウインドウを通して見えるように車両のウインドウの内面に取り付けるように適合されたイメージャを有するカメラモジュールと共に使用するために提供される。この装置は、イメージャが見るウインドウ表面への空気の流れを可能にすると共に、モジュールの下からイメージャに影響を与える可能性のある光の反射を遮るように大きさと位置とが特定された開口部を有するカメラ取り付け要素を含む。カメラ取り付け要素は、装置の下から空気の流れを受け入れるための開口部を画定するフレームを含み、フレームは、イメージャが見るウインドウ表面に空気の流れを導く。フレームは、開口部とウインドウガラスに向かって突出する複数の要素を含み、要素とウインドウガラスの間の間隔は、光の反射がその間を通過しないように選択されている。複数の要素は、空気が要素間を流れることができるが、下からフレームに向かって反射する光線が要素の少なくとも1つによって遮られるように、開口部の少なくとも一部にわたって垂直方向及び水平方向に間隔が空けられる。]」

「[0014]
Referring to FIG. 1, a camera module 10 is removably attached to a vehicle forward windshield 12 via a camera mounting system including a bracket 14. Bracket 14 has locking tabs that resiliently engage matching detents in module 10. The lower portion of bracket 14 is angled away from the window glass to provide an air channel 16 through which defroster air may pass to reach and defog the window surface through which the camera module 10 looks.
[図1に示すように、カメラモジュール10は、ブラケット14を含むカメラ取り付けシステムを介して車両のフロントウインドシールド12に取り外し可能に取り付けられている。ブラケット14は、モジュール10の一致する戻り止めに弾性的に係合するロックタブを有する。ブラケット14の下部はウインドウガラスから離れるように角度が付けられており、デフロスタ空気が通過してカメラモジュール10が見るウインドウ表面に到達して、曇りを除去する空気チャネル16を提供する。]」

「[0015]
As seen in FIG. 2, the module 10 includes a forward facing CMOS imager 20 that looks through a lens assembly 24. Lens assembly 24 is held in proper registration over the imager by a lens bracket 22. The imager and lens assembly plugs into a main printed circuit board (“PCB”) 26, making electrical connection with the components mounted thereon, including an image processor chip and a microcomputer. The microcomputer operates under software program control to use information from the imager to provide appropriate output information. A connector at the rear of PCB 26 provides connection with the rest of the vehicle, supplying power to the module while also providing a conduit for appropriate input/output messages between the module and the vehicle. The circuitry, including PCB 26 with imager and lens assembly attached, slides into guides within a housing 28 that is closed by a rear cover 30.
[図2に示されるように、モジュール10は、レンズアセンブリ24を通して見える前方向きCMOSイメージャ20を含む。レンズアセンブリ24は、レンズブラケット22によってイメージャ上に適切に位置合わせされて保持される。イメージャ及びレンズアセンブリは、メインプリント回路基板(「PCB」)26に差し込まれ、イメージプロセッサチップやマイクロコンピュータなど、搭載されているコンポーネントと電気的に接続される。マイクロコンピュータは、ソフトウェアプログラム制御の下で動作し、イメージャからの情報を使用して適切な出力情報を提供する。PCB26の後部のコネクタは、車両の残りの部分との接続を提供し、モジュールに電力を供給しながら、モジュールと車両との間の適切な入出力メッセージのための導管も提供する。イメージャとレンズアセンブリが取り付けられたPCB26は、リアカバー30によって閉じられるハウジング28内のガイドにスライドする。]」

「[0016]
When thus mounted in the housing, the imager and lens assembly will be aligned with an aperture 32 in housing 34. The imager and lens are positioned and oriented to have a field of view forward of the module 10. When the module is snapped into the bracket 14, the camera field of view aligns with a predetermined portion of the roadway forward of the vehicle. Aperture 32 is at the back of a module sight cavity defined in housing 34 by opposing vertical walls 34 and a lower deck 36. The side walls and lower deck are each slanted, flaring away from aperture 32 at an angle sufficient to keep them outside of the field of view of imager 20.
[このようにハウジングに取り付けられると、イメージャとレンズのアセンブリは、ハウジング34の開口部32と位置合わせされる。イメージャ及びレンズは、モジュール10の前方に視野を持つように配置及び方向付けされている。モジュールがブラケット14に嵌め込まれると、カメラの視野は車両の前方の道路の所定の部分と整列する。開口部32は、対向する垂直壁34及び下部デッキ36によってハウジング34に画定されたモジュールサイトキャビティの後方にある。側壁と下部デッキはそれぞれ傾斜しており、イメージャ20の視野外にそれらを保持するのに十分な角度で開口32から離れるように広がっている。]」

「[0019]
Mounting bracket 14 further has integrally formed therewith a ramp 44 forming a continuation of the slanted lower deck surface 46 of bracket sight cavity 40. Ramp 44 is folded downward away from surface 46 along a fold line 48. When bracket 14 is mounted on a vehicle window, fold line 48 is rather close to the vehicle window but is spaced therefrom by a selected amount, thereby defining an air gap. Since ramp 44 is folded downward away from the fold line at an angle greater than the angle of the window glass, ramp 44 projects away from the window glass, providing a guide surface and entry path for air flow from the vehicle window defroster and through the air gap. Defroster air flow is guided by ramp 44 through the air gap between fold line 48 and the vehicle window glass and thus onto the window surface covered by bracket sight cavity 40. The flow of defroster air into and through the bracket sight cavity keeps the portion of the vehicle window that is within the camera's field of view clear of unwanted fogging.
[取付ブラケット14は更に、ブラケットサイトキャビティ40の傾斜した下部デッキ表面46の連続を形成する傾斜面44と一体に形成されている。傾斜面44は、折り線48に沿って表面46から離れるように下向きに折り曲げられている。ブラケット14が車両のウインドウに取り付けられたとき、折り線48は車両のウインドウにかなり近いが、そこから選択された量だけ間隔が空けられ、それによってエアギャップが画定される。傾斜面44はウインドウガラスの角度よりも大きい角度で折り線から下向きに折り曲げられているため、傾斜面44はウインドウガラスから離れて突出し、車両のウインドウデフロスタからの空気の流れのための誘導面と入口経路を提供する。デフロスタの空気の流れは、傾斜面44によって、折り線48と車両のウインドウガラスの間のエアギャップを通り、ブラケットサイトキャビティ40で覆われたウインドウの表面に導かれる。ブラケットサイトの空洞にデフロスタの空気が流れ込むと、カメラの視野内にある車両のウインドウ部分が不要な曇りから守られる。]」

「[0023]
In accordance with this embodiment of the present invention, however, light reflections are blocked by several diamond-shaped upright structures 52, 54, and 56 formed on ramp 44. The structures are spaced from one another, thereby still permitting defroster air flow through to bracket sight cavity 40. Each structure 52, 54, 56 projects from the surface of ramp 44 towards the window glass, and has a height chosen such that the top surface of each structure (as seen in FIG. 4) is parallel to the window glass and is spaced therefrom by a small gap, e.g. about 1 mm. The gap is provided to allow additional defroster air flow between the top surface of each structure and the window glass. If the gap is small enough, and the top surface is broad enough, light reflections will not bleed through the gap and into the bracket sight cavity 40. More specifically, if the top surface of each structure is broader in the direction of light travel, then the gap may be made larger and, conversely, if the top surface is narrower in the direction of light travel, then the gap should be smaller to prevent reflection bleed-through. The actual functional relationship between the top surface breadth and resulting gap spacing will be dependent upon dashboard and window geometry, and may be determined by conventional ray tracing, in a computer model, of light reflections from the dashboard surface below the camera module up onto the window glass. Such ray tracing analysis will preferably take into account reflections from the outside surface of the window glass as well as the inside surface, and also light transmission and reflection effects introduced by surface coatings or internal (e.g., PVB) layers.
[本発明のこの実施形態によれば、傾斜面44に形成された、いくつかのダイヤモンド形状の直立構造体52、54及び56によって光の反射が防止される。構造体は、互いに間隔を置いて配置されており、それによりブラケットサイトキャビティ40へのデフロスタの空気の流れを可能にする。各構造52、54、56は、傾斜部44の表面からウインドガラスに向かって突出している。各構造体の高さは、各構造の上面(図4にみられるように)がウインドウガラスに平行であり、ウインドウガラスから例えば約1mmである小さなギャップを介して離間するように選択されている。ギャップは、各構造の上面とウインドウガラスの間に追加のデフロスタ空気の流れを可能にするために設けられている。ギャップが十分に小さく、上面が十分に広い場合、光の反射は、ギャップを通ってブラケットのブラケットサイトキャビティ40に漏れない。より具体的には、各構造の上面が光の進行方向に広い場合、ギャップを大きくすることができ、逆に、上面が光の進行方向に狭い場合、反射の漏れを防ぐためにギャップを小さくする必要がある。上面の幅と結果として設定されるギャップの実際の機能的な関係は、ダッシュボードとウインドウのジオメトリに依存し、コンピュータモデルにおける、カメラモジュールの下のダッシュボード表面から上方のウインドウガラスへの光反射の標準的な光軌道によって決定される。そのような光線追跡分析は、ウインドウガラスの外側表面及び内側表面からの反射、及び表面コーティング又は内部(たとえば、PVB)層により導入される光透過及び反射効果も考慮することが好ましい。]」

「[0026]
Because of the transverse overlap of the structures, light reflected from a point vertically below the bracket will be fully blocked by light blocking structures 52, 54, and 56. Of course, reflections from the dashboard will not arise just from a single point vertically below the bracket, but will instead arise from an extended horizontal expanse of the dashboard. Reflections from off-center portions of the dashboard could thread obliquely through the spaces between the structures. To avoid this, it is desirable to have a somewhat greater overlap of structures 52, 54, and 56. The overlap of the structures will be chosen to optimize the blocking of light reflections from dashboard while minimizing the interference with the flow of defroster air onto the window glass adjacent the bracket optical sight cavity. The structures are, moreover, outside of the field of vision of the camera because they are disposed on the ramp 44, which slants away from the deck of sight cavity 40.
[構造の横方向のオーバーラップのため、ブラケットの垂直下のポイントから反射された光は、光遮断構造体52、54、及び56によって完全に遮断される。もちろん、ダッシュボードからの反射は、ブラケットの垂直方向の1つの点からだけではなく、ダッシュボードの拡張された水平方向の延長部からも発生する。ダッシュボードの中心から外れた部分からの反射は、構造体間の空間を斜めに通り抜ける可能性がある。これを避けるために、構造52、54、56のオーバーラップをいくらか大きくすることが望ましい。構造のオーバーラップは、ダッシュボードからの光反射の遮断を最適化すると同時に、ブラケット光学サイトキャビティに隣接するウインドウガラスへのデフロスタ空気の流れの干渉を最小限に抑えるように選択される。更に、構造物はブラケットサイトキャビティ40から離れて傾斜している傾斜面44上に配置されているため、カメラの視野の外側にある。]」

以下の図面が記されている。
[Fig.1]


[Fig.2]


[Fig.4]


イ 認定事項
上記アの記載事項から、以下のことが認定できる。
(ア)段落[0007]の「装置は、・・・カメラモジュールと共に使用するために提供される。この装置は、イメージャが見るウインドウ表面への空気の流れを可能にすると共に、モジュールの下からイメージャに影響を与える可能性のある光の反射を遮るように大きさと位置とが特定された開口部を有するカメラ取り付け要素を含む」との記載、及び[0014]の「カメラモジュール10は、ブラケット14を含むカメラ取り付けシステムを介して車両のフロントウインドシールド12に取り外し可能に取り付けられている。」との記載から、引用文献1は、カメラモジュール10及びカメラモジュール10と共に使用するためのブラケットを含む装置に関するものであること。
(イ)段落[0003]の「自動車が車両の前の道路を観察するためのフロントガラスに取り付けられたデジタルカメラモジュールを装備することが増えている。」との記載、段落[0007]の「車両のウインドウを通して見えるように車両のウインドウの内面に取り付けるように適合されたイメージャを有するカメラモジュール」との記載、段落[0015]の「モジュール10は、レンズアセンブリ24を通して見える前方向きCMOSイメージャ20を含む。レンズアセンブリ24は、レンズブラケット22によってイメージャ上に適切に位置合わせされて保持される。イメージャ及びレンズアセンブリは、メインプリント回路基板(「PCB」)26に差し込まれ、イメージプロセッサチップやマイクロコンピュータなど、搭載されているコンポーネントと電気的に接続される。・・・イメージャとレンズアセンブリが取り付けられたPCB26は、リアカバー30によって閉じられるハウジング28内のガイドにスライドする」との記載、及び段落[0016]の「イメージャとレンズのアセンブリは、ハウジング34の開口部32と位置合わせされる。イメージャ及びレンズは、モジュール10の前方に視野を持つように配置及び方向付けされている。」との記載から、カメラモジュール10は、車両のフロントガラス(ウインドウ12)を通して外部を見るイメージャ20及びレンズアセンブリ24、イメージャ20及びレンズアセンブリ24が取り付けられるメインプリント回路基板26、並びにメインプリント回路基板26を覆うリアカバー30及びハウジング28を備えること。
(ウ)段落[0007]の「装置は、車両のウインドウを通して見えるように車両のウインドウの内面に取り付けるように適合されたイメージャを有するカメラモジュールと共に使用するために提供される」との記載、段落[0014]の「カメラモジュール10は、ブラケット14を含むカメラ取り付けシステムを介して車両のフロントウインドシールド12に取り外し可能に取り付けられている」との記載から、カメラモジュール10と共に使用するための装置は、車両のフロントガラス(ウインドウ12)の内面に取り付けられ、カメラモジュール10を固定するブラケット14を含むこと。
(エ)Fig.1及びFig.4から、ブラケット14は車両の前方方向且つ下方の縁部であって、ウインドウに対向する面に傾斜面44を有するものと認められ、段落[0007]の「カメラ取り付け要素は、装置の下から空気の流れを受け入れるための開口部を画定するフレームを含み、フレームは、イメージャが見るウインドウ表面に空気の流れを導く。」との記載、段落[0014]の「ブラケット14の下部はウインドウガラスから離れるように角度が付けられており、デフロスタ空気が通過してカメラモジュール10が見るウインドウ表面に到達して、曇りを除去する空気チャネル16を提供する」との記載、及び段落[0019]の「取付ブラケット14は更に、ブラケットサイトキャビティ40の傾斜した下部デッキ表面46の連続を形成する傾斜面44と一体に形成されている。傾斜面44は、折り線48に沿って表面46から離れるように下向きに折り曲げられている。ブラケット14が車両のウインドウに取り付けられたとき、折り線48は車両のウインドウにかなり近いが、そこから選択された量だけ間隔が空けられ、それによってエアギャップが画定される。傾斜面44はウインドウガラスの角度よりも大きい角度で折り線から下向きに折り曲げられているため、傾斜面44はウインドウガラスから離れて突出し、車両のウインドウデフロスタからの空気の流れのための誘導面と入口経路を提供する。デフロスタの空気の流れは、傾斜面44によって、折り線48と車両のウインドウガラスの間のエアギャップを通り、ブラケットサイトキャビティ40で覆われたウインドウの表面に導かれる。ブラケットサイトの空洞にデフロスタの空気が流れ込むと、カメラの視野内にある車両のウインドウ部分が不要な曇りから守られる」との記載から、ブラケット14は車両の前方方向且つ下方の縁部であって、ウインドウに対向する面に傾斜面44を有し、傾斜面44は車両のフロントガラス(ウインドウ12)との間のエアチャネル16により装置の下から空気の流れを受け入れ、受け入れた空気の流れはイメージャが見る車両のフロントガラス表面に導かれること。
(オ)段落[0007]の「フレームは、開口部とウインドウガラスに向かって突出する複数の要素を含み、要素とウインドウガラスの間の間隔は、光の反射がその間を通過しないように選択されている。複数の要素は、空気が要素間を流れることができるが、下からフレームに向かって反射する光線が要素の少なくとも1つによって遮られるように、開口部の少なくとも一部にわたって垂直方向及び水平方向に間隔が空けられる」との記載、段落[0023]の「傾斜面44に形成された、いくつかのダイヤモンド形状の直立構造体52、54及び56によって光の反射が防止される。構造体は、互いに間隔を置いて配置されており、それによりブラケットサイトキャビティ40へのデフロスタの空気の流れを可能にする」との記載、及び段落[0026]の「構造の横方向のオーバーラップのため、ブラケットの垂直下のポイントから反射された光は、光遮断構造体52、54、及び56によって完全に遮断される」との記載から、ブラケット14の傾斜面44は、互いに間隔を置いて形成され、複数の直立構造体52、54及び56を有し、複数の直立構造体52、54及び56により、イメージャ20に影響を与える可能性のあるカメラモジュール10の下からの光の反射を遮るように、複数の直立構造体52、54及び56と車両のフロントガラス(ウインドウ12)との間隔、並びに複数の直立構造体52、54及び56同士の間隔が特定されること。
(カ)Fig.1及びFig.4から、直立構造体52、54及び56は、車両の左右方向にそれぞれ延びるものであり、前記直立構造体52及び56は、前記車両の左右方向に所定の間隔をあけて配置され、前記直立構造体54は前記直立構造体52及び前記直立構造体56に対して車両の後方方向且つ上方に配置され、前記直立構造体52の長手方向における前記直立構造体56側の端部が前記直立構造体54の長手方向における一端部に車両の前後方向においてオーバーラップし、且つ前記直立構造体56の長手方向における前記直立構造体52側の端部が、前記直立構造体54の長手方向における他端部に前記車両の前後方向においてオーバーラップし、前記エアチャネル16の一部が、前記直立構造体52の前記端部と前記直立構造体54の前記一端部との間、及び前記直立構造体56の前記端部と前記直立構造体54の前記他端部との間に形成されるものと認められる。
ウ 甲第1号証に記載された発明
上記ア及びイから、甲第1号証には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。
「車両のフロントガラス(ウインドウ12)を通して外部を見るイメージャ20及びレンズアセンブリ24、前記イメージャ20及びレンズアセンブリ24が取り付けられるメインプリント回路基板26、並びに前記メインプリント回路基板26を覆うリアカバー30及びハウジング28を備えたカメラモジュール10と、
前記車両のフロントガラス(ウインドウ12)の内面に取り付けられ、前記カメラモジュール10を固定するブラケット14を有し、
前記ブラケット14は車両の前方方向且つ下方の縁部であって、フロントガラス(ウインドウ12)に対向する面に傾斜面44を有し、前記傾斜面44は、前記車両のフロントガラス(ウインドウ12)との間のエアチャネル16により装置の下から空気の流れを受け入れ、受け入れた空気の流れはイメージャ20が見るフロントガラス表面に導かれるものであるとともに、互いに間隔を置いて形成されて車両の左右方向にそれぞれ延びる複数の直立構造体52、54及び56を有し、前記直立構造体52及び56は、車両の左右方向に所定の間隔をあけて配置され、直立構造体54は直立構造体52及び56に対して車両の後方方向且つ上方に配置され、前記直立構造体52の長手方向における前記直立構造体56側の端部が前記直立構造体54の長手方向における一端部に車両の前後方向においてオーバーラップし、且つ前記直立構造体56の長手方向における前記直立構造体52側の端部が、前記直立構造体54の長手方向における他端部に前記車両の前後方向においてオーバーラップし、前記複数の直立構造体52、54及び56により、前記イメージャ20に影響を与える可能性のある前記カメラモジュール10の下からの光の反射を遮るように、前記複数の直立構造体52、54及び56と前記車両のフロントガラス(ウインドウ12)との間隔、並びに前記複数の直立構造体52、54及び56同士の間隔が特定され、
前記エアチャネル16の一部が、前記直立構造体52の前記端部と前記直立構造体54の前記一端部との間、及び前記直立構造体56の前記端部と前記直立構造体54の前記他端部との間に形成され、
前記カメラモジュール10及び前記カメラモジュール10と共に使用するための前記ブラケット14を含む装置。」

(3)当審の判断
(3-1)対比
本件発明1と引用発明とを対比すると、その意味、機能または構造からみて、
ア 後者の「車両のフロントガラス(ウインドウ12)を通して外部を見るイメージャ20及びレンズアセンブリ24」は前者の「車両前方領域からの光学情報をウインドシールドガラスを通して受光する光学センサ」に相当する。
イ 後者の「前記イメージャ20及びレンズアセンブリ24が取り付けられるメインプリント回路基板26」は、)Fig.1、2から、イメージャ20及びレンズアセンブリ24と、車両のフロントガラス(ウインドウ12)との間に空間が形成されるように配置されており、該空間はセンサ室といえるものであるから、前者の「前記光学センサを備えるとともに前記光学センサと前記ウインドシールドガラスとの間に形成される空間であるセンサ室を有する光学センサモジュール」に相当する。
ウ 後者の「前記カメラモジュール10を固定する」ことは該カメラモジュール10に備えられた「メインプリント回路基板26」をも固定するものといえるから、後者の「前記車両のウインドウ12の内面に取り付けられ、前記カメラモジュール10を固定するブラケット14」と、前者の「前記ウインドシールドガラスに取り付けられるとともに、前記光学センサモジュールを固定し、外部と前記センサ室との間を連通する通気口が形成されるブラケット」とは、前記ウインドシールドガラスに取り付けられるとともに、前記光学センサモジュールを固定するブラケット」の点で共通する。
エ 後者の「前記メインプリント回路基板26を覆うリアカバー30及びハウジング28」は、Fig.1、2から、車両の車室内側からメインプリント回路基板26を覆うものといえるものであり、前記車室内の光のイメージャ20及びレンズアセンブリ24への映り込みを防止する機能を有することは技術常識であるから、前者の「前記車両の車室内側から前記光学センサモジュールを覆うことにより前記車室内の光の前記光学センサへの映り込みを防止する遮光カバー」に相当する。
オ 後者の「前記カメラモジュール10及び前記カメラモジュール10と共に使用するためのブラケットを含む装置」は、前者の「車載光学センサ装置」に相当する。
カ 後者の「前記傾斜面44」は、「前記ブラケット14」の「車両の前方方向且つ下方の縁部であって、フロントガラス(ウインドウ12)に対向する面に」「有」するものであるところ、「互いに間隔を置いて形成されて車両の左右方向にそれぞれ延びる複数の直立構造体52、54及び56を有し、前記直立構造体52及び56は、車両の左右方向に所定の間隔をあけて配置され、直立構造体54は直立構造体52及び56に対して車両の後方方向且つ上方に配置され、前記直立構造体52の長手方向における前記直立構造体56側の端部が前記直立構造体54の長手方向における一端部に車両の前後方向においてオーバーラップし、且つ前記直立構造体56の長手方向における前記直立構造体52側の端部が、前記直立構造体54の長手方向における他端部に前記車両の前後方向においてオーバーラップし、前記複数の直立構造体52、54及び56により、前記イメージャ20に影響を与える可能性のある前記カメラモジュール10の下からの光の反射を遮るように、前記複数の直立構造体52、54及び56と前記車両のフロントガラス(ウインドウ12)との間隔、並びに前記複数の直立構造体52、54及び56同士の間隔が特定され」、「エアチャネル16」は、「前記傾斜面44」と「前記車両のフロントガラス(ウインドウ12)との間」に形成されるものであって、「装置の下から空気の流れを受け入れ、受け入れた空気の流れはイメージャ20が見るフロントガラス表面に導かれるものであ」り、「前記エアチャネル16の一部が、前記直立構造体52の前記端部と前記直立構造体54の前記一端部との間、及び前記直立構造体56の前記端部と前記直立構造体54の前記他端部との間に形成され、」ることから、後者の「前記ブラケット14は車両の前方方向且つ下方の縁部であって、フロントガラス(ウインドウ12)に対向する面に傾斜面44を有し、前記傾斜面44は、前記車両のフロントガラス(ウインドウ12)との間のエアチャネル16により装置の下から空気の流れを受け入れ、受け入れた空気の流れはイメージャ20が見るフロントガラス表面に導かれるものであるとともに、互いに間隔を置いて形成されて車両の左右方向にそれぞれ延びる複数の直立構造体52、54及び56を有し、前記直立構造体52及び56は、車両の左右方向に所定の間隔をあけて配置され、直立構造体54は直立構造体52及び56に対して車両の後方方向且つ情報に配置され、前記直立構造体52の長手方向における前記直立構造体56側の端部が前記直立構造体54の長手方向における一端部に車両の前後方向においてオーバーラップし、且つ前記直立構造体56の長手方向における前記直立構造体52側の端部が、前記直立構造体54の長手方向における他端部に前記車両の前後方向においてオーバーラップし、前記複数の直立構造体52、54及び56により、前記イメージャ20に影響を与える可能性のある前記カメラモジュール10の下からの光の反射を遮るように、前記複数の直立構造体52、54及び56と前記車両のフロントガラス(ウインドウ12)との間隔、並びに前記複数の直立構造体52、54及び56同士の間隔が特定され、前記エアチャネル16の一部が、前記直立構造体52の前記端部と前記直立構造体54の前記一端部との間、及び前記直立構造体56の前記端部と前記直立構造体54の前記他端部との間に形成され」ることと、前者の「前記センサ室に対して前記車両の前進方向且つ下方の前記ブラケットの縁部であって前記ウインドシールドガラスに対向する面に配置され前記車両の左右方向にそれぞれ延びる第1遮光壁、第2遮光壁及び第3遮光壁を有し、前記第1遮壁及び前記第2遮光壁は、前記車両の左右方向に所定の間隔をあけて配置され、前記第3遮光壁は前記第1遮光壁と前記第2遮光壁に対して更に前記車両の前進方向且つ下方に配置され、前記第1遮光壁の長手方向における前記第2遮光壁側の端部が、前記第3遮光壁の長手方向における一端部に前記車両の前後方向においてオーバーラップし、且つ前記第2遮光壁の長手方向における前記第1遮光壁側の端部が、前記第3遮光壁の長手方向における他端部に前記車両の前後方向においてオーバーラップし、前記通気口は、それぞれが、前記車載光学センサ装置下方からの空気流を取り込むことができるように前記光学センサよりも前記車両の前進方向且つ下方位置に開口するとともに、前記通気口から前記センサ室内に入射した入射光が前記光学センサによって直接受光されない位置に開口した、第1通気口、第2通気口及ぴ第3通気口を含み、前記第1通気口が、前記第1遮光壁の前記端部と前記第3遮光壁の前記一端部との間に形成され、前記第2通気口が、前記第2遮光壁の前記端部と前記第3遮光壁の前記他端部との間に形成され、前記第3通気口が、前記第1通気口と前記第2通気口との間において前記ブラケットの縁部に形成された開口を含むとともに当該開口から前記ウインドシールドガラスから遠ざかるように延びる通気口である」こととは、「前記センサ室に対して前記車両の前進方向且つ下方の前記ブラケットの縁部であって前記ウインドシールドガラスに対向する面に配置され前記車両の左右方向にそれぞれ延びる第1遮光壁、第2遮光壁及び第3遮光壁を有し、前記第1遮壁及び前記第2遮光壁は、前記車両の左右方向に所定の間隔をあけて配置され、前記第3遮光壁は前記第1遮光壁と前記第2遮光壁に対して更に前記車両の前後方向且つ上下方向にずれた位置に配置され、前記第1遮光壁の長手方向における前記第2遮光壁側の端部が、前記第3遮光壁の長手方向における一端部に前記車両の前後方向においてオーバーラップし、且つ前記第2遮光壁の長手方向における前記第1遮光壁側の端部が、前記第3遮光壁の長手方向における他端部に前記車両の前後方向においてオーバーラップし、前記通気口は、それぞれが、前記車載光学センサ装置下方からの空気流を取り込むことができるように前記光学センサよりも前記車両の前進方向且つ下方位置に開口するとともに、前記通気口から前記センサ室内に入射した入射光が前記光学センサによって直接受光されない位置に開口した、第1通気口、第2通気口を含み、前記第1通気口が、前記第1遮光壁の前記端部と前記第3遮光壁の前記一端部との間に形成され、前記第2通気口が、前記第2遮光壁の前記端部と前記第3遮光壁の前記他端部との間に形成され」る点で共通する。

(3-2)一致点及び相違点
そうすると、両者は、本件発明1の用語を用いて表現すると、次の点で一致する。
「車両前方領域からの光学情報をウインドシールドガラスを通して受光する光学センサと、
前記光学センサを備えるとともに前記光学センサと前記ウインドシールドガラスとの間に形成される空間であるセンサ室を有する光学センサモジュールと、
前記ウインドシールドガラスに取り付けられるとともに、前記光学センサモジュールを固定するブラケットと、
前記車両の車室内側から前記光学センサモジュールを覆うことにより前記車室内の光の前記光学センサへの映り込みを防止する遮光カバーと、
を備えた車載光学センサ装置において、
前記センサ室に対して前記車両の前進方向且つ下方の前記ブラケットの縁部であって前記ウインドシールドガラスに対向する面に配置され前記車両の左右方向にそれぞれ延びる第1遮光壁、第2遮光壁及び第3遮光壁を有し、
前記第1遮壁及び前記第2遮光壁は、前記車両の左右方向に所定の間隔をあけて配置され、
前記第3遮光壁は前記第1遮光壁と前記第2遮光壁に対して更に前記車両の前後方向且つ上下方向にずれた位置に配置され、
前記第1遮光壁の長手方向における前記第2遮光壁側の端部が、前記第3遮光壁の長手方向における一端部に前記車両の前後方向においてオーバーラップし、且つ前記第2遮光壁の長手方向における前記第1遮光壁側の端部が、前記第3遮光壁の長手方向における他端部に前記車両の前後方向においてオーバーラップし、
前記通気口は、それぞれが、前記車載光学センサ装置下方からの空気流を取り込むことができるように前記光学センサよりも前記車両の前進方向且つ下方位置に開口するとともに、前記通気口から前記センサ室内に入射した入射光が前記光学センサによって直接受光されない位置に開口した、第1通気口、第2通気を含み、前記第1通気口が、前記第1遮光壁の前記端部と前記第3遮光壁の前記一端部との間に形成され、前記第2通気口が、前記第2遮光壁の前記端部と前記第3遮光壁の前記他端部との間に形成される車載光学センサ装置」である点で一致し、以下の相違点1、2で相違する。
<相違点1>
本件発明1の「第3遮光壁」は「前記第1遮光壁と前記第2遮光壁に対して更に前記車両の前進方向且つ下方に配置され」るのに対し、
引用発明の「直立構造体54」は、「直立構造体52及び56に対して車両の後方方向且つ上方に配置され」る点。
<相違点2>
本件発明1の「前記第3通気口が、前記第1通気口と前記第2通気口との間において前記ブラケットの縁部に形成された開口を含むとともに当該開口から前記ウインドシールドガラスから遠ざかるように延びる通気口である」のに対し、
引用発明は、そのような構成を備えていない点。

(3-3)判断
上記相違点1について検討する。
引用発明の「直立構造体54」は、直立構造体52及び56に対して車両の後方方向且つ上方に配置されることにより、前記直立構造体52の前記端部と前記直立構造体54の前記一端部との間、及び前記直立構造体56の前記端部と前記直立構造体54の前記他端部との間にエアチャネル16の一部を形成するものであり、エアチャネル16の一部を形成するために、前記直立構造体54を前記直立構造体52及び56に対して車両の前後方向且つ上下方向にずれた位置とするために、本件発明1のように、車両の前進方向且つ下方に配置する構成に変更することは当業者であれば適宜なし得る設計的事項である。

上記相違点2について検討する。
「車載光学センサ装置」の技術分野において、ウインドシールドガラスに取り付けられるとともに、光学センサモジュールを固定するブラケットの縁部に、外部とセンサ室との間を連通する通気口が形成されたものとして、当該通気口を前記ウインドシールドガラスから遠ざかるように延びるものとすることは、引用文献1には記載または示唆されているとはいえず、周知の技術でもない。
よって、相違点2を容易想到とすることはできない。

そして、出願時の技術常識を参酌しても、引用発明について、エアチャネル16の一部として、直立構造体52の端部と直立構造体54の一端部との間、及び直立構造体56の端部と直立構造体54の他端部との間において、ブラケット14の縁部に形成された開口、及び前記開口からフロントガラス(ウインドウ12)から遠ざかるように延びる部分を形成し、エアチャネル16の一部として形成することは、当業者といえども容易に想到し得たことではない。そして、空気流を効率的に取り込むことができるという格別顕著な効果を得られることを、当業者が予測し得たとは認められない。
したがって、本件発明1は、引用発明ではなく、さらに引用発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

(4)特許異議申立書に記載された特許異議申立理由について
申立人は、その特許異議申立書において、本件発明1は、甲第1号証(米国特許出願公開第2016/0167595号明細書)に記載された発明であり、あるいは、甲第1号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到することができたものである旨主張している。
しかしながら、上記のとおり、本件発明1と、甲第1号証に記載された発明とを対比すると、少なくとも上記(3-2)で挙げた相違点2を有しているといえることから、本件発明1は甲第1号証に記載された発明ではなく、さらに、その相違点2を容易想到とすることはできないから、本件発明1を容易想到とすることはできない。

5 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。

 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前方領域からの光学情報をウインドシールドガラスを通して受光する光学センサと、
前記光学センサを備えるとともに前記光学センサと前記ウインドシールドガラスとの間に形成される空間であるセンサ室を有する光学センサモジュールと、
前記ウインドシールドガラスに取り付けられるとともに、前記光学センサモジュールを固定し、外部と前記センサ室との間を連通する通気口が形成されるブラケットと、
前記車両の車室内側から前記光学センサモジュールを覆うことにより前記車室内の光の前記光学センサへの映り込みを防止する遮光カバーと、
を備えた車載光学センサ装置において、
前記センサ室に対して前記車両の前進方向且つ下方の前記ブラケットの縁部であって前記ウインドシールドガラスに対向する面に配置され、前記車両の左右方向にそれぞれ延びる第1遮光壁、第2遮光壁及び第3遮光壁を有し、
前記第1遮光壁及び前記第2遮光壁は、前記車両の左右方向に所定の間隔をあけて配置され、
前記第3遮光壁は、前記第1遮光壁と前記第2遮光壁に対して更に前記車両の前進方向且つ下方に配置され、
前記第1遮光壁の長手方向における前記第2遮光壁側の端部が、前記第3遮光壁の長手方向における一端部に前記車両の前後方向においてオーバーラップし、且つ前記第2遮光壁の長手方向における前記第1遮光壁側の端部が、前記第3遮光壁の長手方向における他端部に前記車両の前後方向においてオーバーラップし、
前記通気口は、それぞれが、前記車載光学センサ装置下方からの空気流を取り込むことができるように前記光学センサよりも前記車両の前進方向且つ下方位置に開口するとともに、前記通気口から前記センサ室内に入射した入射光が前記光学センサによって直接受光されない位置に開口した、第1通気口、第2通気口及び第3通気口を含み、
前記第1通気口が、前記第1遮光壁の前記端部と前記第3遮光壁の前記一端部との間に形成され、
前記第2通気口が、前記第2遮光壁の前記端部と前記第3遮光壁の前記他端部との間に形成され、
前記第3通気口が、前記第1通気口と前記第2通気口との間において前記ブラケットの縁部に形成された開口を含むとともに当該開口から前記ウインドシールドガラスから遠ざかるように延びる通気口である、
車載光学センサ装置。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2020-12-08 
出願番号 特願2016-178168(P2016-178168)
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (B60R)
P 1 651・ 121- YAA (B60R)
最終処分 維持  
前審関与審査官 宮地 将斗  
特許庁審判長 島田 信一
特許庁審判官 須賀 仁美
氏原 康宏
登録日 2019-08-30 
登録番号 特許第6575472号(P6575472)
権利者 トヨタ自動車株式会社
発明の名称 車載光学センサ装置  
代理人 特許業務法人プロスペック特許事務所  
代理人 特許業務法人プロスペック特許事務所  
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