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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する C08L |
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管理番号 | 1371940 |
審判番号 | 訂正2020-390102 |
総通号数 | 257 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-05-28 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2020-10-28 |
確定日 | 2021-01-15 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6598475号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6598475号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6598475号(請求項の数11。以下、「本件特許」という。)は、平成27年3月5日を出願日とする特許出願(特願2015-044066号)に係るものであって、令和1年10月11日に設定登録されたものである。 その後、令和2年10月28日に、訂正審判(以下、「本件訂正審判」という。)の請求がなされたものである。 第2 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6598475号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるものである。 第3 訂正の内容 本件訂正審判の請求に係る訂正の内容は、以下の訂正事項1のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示す。 ・訂正事項1 特許請求の範囲に 「【請求項1】 ジエン系ゴム(A)と、シリカ(B)と、シランカップリング剤(C)と、グアニジン類、システイン類、チオ尿素類、チオシアン酸アンモニウム、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、チアジアゾール類から選ばれる少なくとも一種の活性剤(D)との全部又は一部、並びに、グリセリン脂肪酸エステル(E)を含む第1混合物を調製し、該第1混合物を混練することによって予備組成物を調製する、A工程と、 前記予備組成物に加硫剤(F)を加えて第2混合物を調製し、該第2混合物を混練することによってゴム組成物を調製する、B工程と、 を含むゴム組成物の製造方法により製造されるゴム組成物であって、 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)が、グリセリンと、2種以上の脂肪酸とのエステルであって、該グリセリン脂肪酸エステルを構成する2種以上の脂肪酸のうち、最も多い脂肪酸成分が全脂肪酸中に10?90質量%であることを特徴とする、 ゴム組成物。 【請求項2】 前記2種以上の脂肪酸のうち、最も多い脂肪酸成分が全脂肪酸中に15?80質量%である、請求項1に記載のゴム組成物。 【請求項3】 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)が、グリセリン脂肪酸モノエステルを50?100質量%含む、請求項1又は2に記載のゴム組成物。 【請求項4】 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)が、グリセリン脂肪酸モノエステルを60?99質量%含む、請求項3に記載のゴム組成物。 【請求項5】 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)が、グリセリン脂肪酸モノエステルを85?98質量%含む、請求項4に記載のゴム組成物。 【請求項6】 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)を構成する脂肪酸が、炭素数8?22である、請求項1?5のいずれか一項に記載のゴム組成物。 【請求項7】 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)を構成する2種以上の脂肪酸のうち、最も多い脂肪酸成分と2番目に多い脂肪酸成分は、一方が炭素数16の脂肪酸で他方が炭素数18の脂肪酸である、請求項6に記載のゴム組成物。 【請求項8】 前記炭素数が16の脂肪酸と前記炭素数が18の脂肪酸との質量比が90/10?10/90である、請求項7に記載のゴム組成物。 【請求項9】 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)の配合量が、前記シリカ(B)100質量部に対して0.5?20質量部である、請求項1?8のいずれか一項に記載のゴム組成物。 【請求項10】 前記活性剤(D)が、チオ尿素、ジエチルチオ尿素、チアジアゾール類から選ばれる少なくとも一種である、請求項1?9のいずれか一項に記載のゴム組成物。 【請求項11】 請求項1?10のいずれか一項に記載のゴム組成物を用いたことを特徴とする、タイヤ。」 と記載されているのを、 「【請求項1】 ジエン系ゴム(A)と、シリカ(B)と、シランカップリング剤(C)と、グアニジン類、システイン類、チオ尿素類、チオシアン酸アンモニウム、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、チアジアゾール類から選ばれる少なくとも一種の活性剤(D)との全部又は一部、並びに、グリセリン脂肪酸エステル(E)を含む第1混合物を調製し、該第1混合物を混練することによって予備組成物を調製する、A工程と、 前記予備組成物に加硫剤(F)を加えて第2混合物を調製し、該第2混合物を混練することによってゴム組成物を調製する、B工程と、 を含むゴム組成物の製造方法により製造されるタイヤ用ゴム組成物であって、 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)が、グリセリンと、2種以上の脂肪酸とのエステルであって、該グリセリン脂肪酸エステルを構成する2種以上の脂肪酸のうち、最も多い脂肪酸成分が全脂肪酸中に10?90質量%であることを特徴とする、 タイヤ用ゴム組成物。 【請求項2】 前記2種以上の脂肪酸のうち、最も多い脂肪酸成分が全脂肪酸中に15?80質量%である、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。 【請求項3】 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)が、グリセリン脂肪酸モノエステルを50?100質量%含む、請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。 【請求項4】 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)が、グリセリン脂肪酸モノエステルを60?99質量%含む、請求項3に記載のタイヤ用ゴム組成物。 【請求項5】 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)が、グリセリン脂肪酸モノエステルを85?98質量%含む、請求項4に記載のタイヤ用ゴム組成物。 【請求項6】 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)を構成する脂肪酸が、炭素数8?22である、請求項1?5のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物。 【請求項7】 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)を構成する2種以上の脂肪酸のうち、最も多い脂肪酸成分と2番目に多い脂肪酸成分は、一方が炭素数16の脂肪酸で他方が炭素数18の脂肪酸である、請求項6に記載のタイヤ用ゴム組成物。 【請求項8】 前記炭素数が16の脂肪酸と前記炭素数が18の脂肪酸との質量比が90/10?10/90である、請求項7に記載のタイヤ用ゴム組成物。 【請求項9】 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)の配合量が、前記シリカ(B)100質量部に対して0.5?20質量部である、請求項1?8のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物。 【請求項10】 前記活性剤(D)が、チオ尿素、ジエチルチオ尿素、チアジアゾール類から選ばれる少なくとも一種である、請求項1?9のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物。 【請求項11】 請求項1?10のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物を用いたことを特徴とする、タイヤ。」 に訂正する。 第4 当審の判断 1 訂正の目的について 上記訂正事項1は、本件訂正前の請求項1?11に記載された発明特定事項である「ゴム組成物」について、「タイヤ用ゴム組成物」とその用途について限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 したがって、上記訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 2 特許請求の範囲の実質拡張又は変更について 上記訂正事項1は、本件訂正前の請求項1?11に記載された発明特定事項を限定するものであるから、特許請求の範囲を拡張するものではなく、また、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 したがって、上記訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に規定する要件に適合するものである。 3 新規事項の追加について 上記訂正事項1は、本件の願書に添付した明細書の段落【0069】及び【0070】の「また、本発明のゴム組成物は、後述するタイヤを始め、防振ゴム、ベルト、ホース等の種々のゴム製品に利用できる。」及び「本発明のタイヤは、上述したゴム組成物を用いたことを特徴とする。本発明のタイヤは、前記ゴム組成物が用いられているため、転がり抵抗が小さく、破壊特性、耐摩耗性に優れる。ここで、前記ゴム組成物を用いるタイヤの部位としては、トレッド等が挙げられる。」との記載に基づくものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものでない。 したがって、上記訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてしたものであるから、特許法第126条第5項に規定する要件に適合するものである。 4 独立特許要件について 上記「1 訂正の目的について」で検討したとおり、上記訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1?11に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものか否かについて検討するに、これら発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由は発見しない。 したがって、上記訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。 第5 むすび 以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ジエン系ゴム(A)と、シリカ(B)と、シランカップリング剤(C)と、グアニジン類、システイン類、チオ尿素類、チオシアン酸アンモニウム、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、チアジアゾール類から選ばれる少なくとも一種の活性剤(D)との全部又は一部、並びに、グリセリン脂肪酸エステル(E)を含む第1混合物を調製し、該第1混合物を混練することによって予備組成物を調製する、A工程と、 前記予備組成物に加硫剤(F)を加えて第2混合物を調製し、該第2混合物を混練することによってゴム組成物を調製する、B工程と、 を含むゴム組成物の製造方法により製造されるタイヤ用ゴム組成物であって、 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)が、グリセリンと、2種以上の脂肪酸とのエステルであって、該グリセリン脂肪酸エステルを構成する2種以上の脂肪酸のうち、最も多い脂肪酸成分が全脂肪酸中に10?90質量%であることを特徴とする、 タイヤ用ゴム組成物。 【請求項2】 前記2種以上の脂肪酸のうち、最も多い脂肪酸成分が全脂肪酸中に15?80質量%である、請求項1に記載のタイヤ用ゴム組成物。 【請求項3】 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)が、グリセリン脂肪酸モノエステルを50?100質量%含む、請求項1又は2に記載のタイヤ用ゴム組成物。 【請求項4】 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)が、グリセリン脂肪酸モノエステルを60?99質量%含む、請求項3に記載のタイヤ用ゴム組成物。 【請求項5】 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)が、グリセリン脂肪酸モノエステルを85?98質量%含む、請求項4に記載のタイヤ用ゴム組成物。 【請求項6】 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)を構成する脂肪酸が、炭素数8?22である、請求項1?5のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物。 【請求項7】 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)を構成する2種以上の脂肪酸のうち、最も多い脂肪酸成分と2番目に多い脂肪酸成分は、一方が炭素数16の脂肪酸で他方が炭素数18の脂肪酸である、請求項6に記載のタイヤ用ゴム組成物。 【請求項8】 前記炭素数が16の脂肪酸と前記炭素数が18の脂肪酸との質量比が90/10?10/90である、請求項7に記載のタイヤ用ゴム組成物。 【請求項9】 前記グリセリン脂肪酸エステル(E)の配合量が、前記シリカ(B)100質量部に対して0.5?20質量部である、請求項1?8のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物。 【請求項10】 前記活性剤(D)が、チオ尿素、ジエチルチオ尿素、チアジアゾール類から選ばれる少なくとも一種である、請求項1?9のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物。 【請求項11】 請求項1?10のいずれか一項に記載のタイヤ用ゴム組成物を用いたことを特徴とする、タイヤ。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2020-12-21 |
結審通知日 | 2020-12-24 |
審決日 | 2021-01-07 |
出願番号 | 特願2015-44066(P2015-44066) |
審決分類 |
P
1
41・
851-
Y
(C08L)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 水野 明梨 |
特許庁審判長 |
杉江 渉 |
特許庁審判官 |
近野 光知 安田 周史 |
登録日 | 2019-10-11 |
登録番号 | 特許第6598475号(P6598475) |
発明の名称 | ゴム組成物及びタイヤ |
代理人 | 杉村 憲司 |
代理人 | 冨田 和幸 |
代理人 | 冨田 和幸 |
代理人 | 杉村 光嗣 |
代理人 | 杉村 憲司 |
代理人 | 杉村 光嗣 |