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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する C21D 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する C21D |
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管理番号 | 1372970 |
審判番号 | 訂正2020-390097 |
総通号数 | 258 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-06-25 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2020-10-22 |
確定日 | 2021-02-12 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6636962号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6636962号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1?15]、[16?23]について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6636962号は、2015年(平成27年)7月3日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2014年7月3日 国際事務局(IB))を国際出願日とする出願である特願2016-575890号の請求項1?23に係る発明について、令和1年12月27日に特許権の設定登録がされ、令和2年1月29日に特許掲載公報が発行されたものである。 そして、令和2年10月22日に本件訂正審判が請求されたものである。 第2 請求の趣旨、及び訂正の内容 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6636962号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおりに訂正することを認める、との審決を求めるものであるが、審判請求書の第3頁6(3)アを参照すると、審判請求人は、一群の請求項ごとに訂正審判を請求していると認められるから、上記本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6636962号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1?15]、[16?23]について訂正することを認める、との審決を求めることを意図したものと解するのが相当である。 そして、請求人が求めている訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。(下線部分は訂正箇所である。) 1 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1の「以下の工程: -」の記載を「以下の工程:- 0.5mmから2mmの間の厚さを有する圧延鋼板を得るための圧延による該鋼でできた圧延鋼板を調整する工程であって、当該圧延は熱間圧延及び冷間圧延を含む工程、-」に訂正する。 2 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1の「該鋼でできた圧延鋼板を、鋼のAc_(3)変態点を超えるが1000℃未満の焼鈍温度TAにおいて均熱化し、60秒から200秒の間焼鈍温度において維持することにより焼鈍して、焼鈍された鋼板を得る工程」の記載を「該圧延鋼板を、鋼のAc_(3)変態点を超えるが1000℃未満の焼鈍温度TAにおいて均熱化し、60秒から200秒の間焼鈍温度において維持することにより焼鈍して、焼鈍された鋼板を得る工程」に訂正する。 3 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項15を削除する。 4 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項16の「少なくとも10.0%の全伸びTEを有する鋼板であって、」の記載を「少なくとも10.0%の全伸びTEを有する鋼板であって、該鋼板は、0.5mmから2mmの間の厚さを有する熱間圧延及び冷間圧延された鋼板であり、」に訂正する。 第3 当審の判断 1 一群の請求項 訂正前の請求項2?15は、訂正前の請求項1を直接的又は間接的に引用するものであって、訂正事項1及び2によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであり、また、訂正前の請求項17?23は、訂正前の請求項16を直接的又は間接的に引用するものであって、訂正事項4によって記載が訂正される請求項16に連動して訂正されるものであるから、本件訂正審判は、特許法第126条第3項に規定する、一群の請求項である請求項[1?15]、[16?23]ごとに請求されたものである。 2 訂正事項1について (1)訂正の目的について 訂正事項1に係る訂正は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1に係る「工程」が、「- 0.5mmから2mmの間の厚さを有する圧延鋼板を得るための圧延による該鋼でできた圧延鋼板を調整する工程であって、当該圧延は熱間圧延及び冷間圧延を含む工程」を含むことを限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 同様に、訂正後の請求項2ないし請求項15は、訂正後の請求項1に記載された「- 0.5mmから2mmの間の厚さを有する圧延鋼板を得るための圧延による該鋼でできた圧延鋼板を調整する工程であって、当該圧延は熱間圧延及び冷間圧延を含む工程」との記載を引用することにより、訂正後の請求項2ないし請求項15に係る発明において、「- 0.5mmから2mmの間の厚さを有する圧延鋼板を得るための圧延による該鋼でできた圧延鋼板を調整する工程であって、当該圧延は熱間圧延及び冷間圧延を含む工程」を含むものに限定するものであるから、訂正事項1の請求項2ないし請求項15に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 (2)新規事項追加の有無について 本件特許についての願書に添付した明細書又は特許請求の範囲(以下、「本件明細書等」という。)には、以下の記載がある。 「【請求項15】 圧延鋼板が圧延により調製され、圧延による圧延鋼板の調製が、熱間圧延および冷間圧延を含むことを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。」 「【0015】 圧延による鋼板の調製は、スラブの熱間圧延および任意に冷間圧延を含むことができる。」 「【0031】 こうした鋼を用いて、熱間圧延鋼板が製造される。こうした熱間圧延鋼板は、例えば2mmから5mmの間の厚みを有する。 【0032】 任意に、例えば0.5mmから2mmの間の厚みを有する冷間圧延鋼板を得るために、熱間圧延鋼板は冷間圧延される。当業者は、こうした熱間または冷間圧延鋼板を製造する方法を知っている。 【0033】 次に熱間または冷間圧延鋼板は、鋼板を焼鈍温度まで加熱することが可能な加熱ゾーン、焼鈍温度または焼鈍温度近傍に鋼板を維持することが可能な均熱化ゾーン、焼入れ温度QTまで鋼板を急速に冷却することが可能な冷却ゾーン、過時効温度PTまで鋼板を加熱することが可能な再加熱ゾーン、および過時効温度または過時効温度近傍に時間Ptの間鋼板を維持することが可能な過時効ゾーンを少なくとも備える、連続焼鈍ラインなどの連続熱処理ラインで熱処理される。任意に、過時効ゾーンは、少なくとも、亜鉛などの液体金属を含む溶融めっき浴および任意に合金化ゾーンを備える溶融めっきゾーンとすることができる。」 「【0038】 焼入れ前の組織が完全なオーステナイト系を所望される場合、焼鈍温度ATは鋼のAc_(3)変態点を超えなければならないが、得られる組織の延性に好ましくないオーステナイト系結晶粒を過度に粗大化させないために、1000℃未満にとどまることが好ましい。 【0039】 いずれの場合も、鋼板を焼鈍温度に少なくとも60秒維持することが好ましいが、200秒を超える必要はない。」 これらの記載によると、本件明細書等には、焼鈍された鋼板を得る工程の前に、「- 0.5mmから2mmの間の厚さを有する圧延鋼板を得るための圧延による該鋼でできた圧延鋼板を調整する工程であって、当該圧延は熱間圧延及び冷間圧延を含む工程」を含みうることについて記載されているといえる。 したがって、訂正事項1に係る訂正は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものでなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 よって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (3)特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否について 訂正事項1によって、本件訂正後の特許請求の範囲の請求項1?15に係る発明(以下、「本件訂正発明1」?「本件訂正発明15」という。)の技術的事項は減縮されており、訂正事項1に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (4)独立特許要件について 訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件訂正発明1?15は特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなくてはならないところ、本件訂正発明1?15が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由は発見しない。 したがって、本件訂正発明1?15は特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。 3 訂正事項2について (1)訂正の目的について 訂正事項2に係る訂正は、特許請求の範囲の請求項1の「該鋼でできた圧延鋼板を、鋼のAc_(3)変態点を超えるが1000℃未満の焼鈍温度TAにおいて均熱化し、60秒から200秒の間焼鈍温度において維持することにより焼鈍して、焼鈍された鋼板を得る工程」の記載を「該圧延鋼板を、鋼のAc_(3)変態点を超えるが1000℃未満の焼鈍温度TAにおいて均熱化し、60秒から200秒の間焼鈍温度において維持することにより焼鈍して、焼鈍された鋼板を得る工程」と訂正するものであり、上記訂正事項1により訂正後の請求項1に追加された「該鋼でできた圧延鋼板を調整する工程」との記載と整合を図り、「焼鈍された鋼板を得る工程」における記載を明瞭にするものであるから、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものに該当する。 (2)特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否、新規事項追加の有無について 訂正事項2に係る訂正は、訂正事項1によって訂正された特許請求の範囲の請求項1の記載との整合を図るための訂正にすぎないから、本件明細書等に記載した事項の範囲内での訂正であり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものともいえないから、特許法第126条第5項及び第6項に規定する要件に適合するものである。 4 訂正事項3について (1)訂正の目的について 訂正事項3に係る訂正は、訂正前の請求項15を削除するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 (2)特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否、新規事項追加の有無について 訂正事項3に係る訂正は、訂正前の請求項15を削除するものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内での訂正であり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものともいえない。 したがって、訂正事項3に係る訂正は、特許法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (3)独立特許要件について 訂正事項3に係る訂正は、独立特許要件の判断の対象となる訂正前の特許請求の範囲の請求項15を削除するものであるから、特許法第126条第7項の要件は課されない。 5 訂正事項4について (1)訂正の目的について 訂正事項4に係る訂正は、訂正前の特許請求の範囲の請求項16の「鋼板」が「該鋼板は、0.5mmから2mmの間の厚さを有する熱間圧延及び冷間圧延された鋼板」であることを限定するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 同様に、訂正後の請求項17ないし請求項23は、訂正後の請求項16に記載された「該鋼板は、0.5mmから2mmの間の厚さを有する熱間圧延及び冷間圧延された鋼板」との記載を引用することにより、訂正後の請求項17ないし請求項23に係る発明において、「該鋼板は、0.5mmから2mmの間の厚さを有する熱間圧延及び冷間圧延された鋼板」を含むものに限定するものであるから、訂正事項4の請求項17ないし請求項23に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 (2)新規事項の追加について 上記2(2)で摘記した本件明細書の【0031】?【0032】の記載を踏まえると、0.5mmから2mmの間の厚みを有する冷間圧延鋼板を得るために、熱間圧延鋼板は冷間圧延されることが読み取れるから、訂正事項4に係る訂正は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものでなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。 よって、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (3)特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否、新規事項追加の有無について 訂正事項4によって本件訂正後の特許請求の範囲の請求項16?23に係る発明(以下、「本件訂正発明16」?「本件訂正発明23」という。)の技術的事項は減縮されており、訂正事項4に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかであるから、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (4)独立特許要件について 訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件訂正発明16?23は特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなくてはならないところ、本件訂正発明16?23が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由は発見しない。 したがって、本件訂正発明16?23は特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるから、訂正事項4に係る訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。 第4 むすび 以上のとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とし、また同条第5ないし7項に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 質量パーセントで、 0.1%≦C≦0.25% 4.5%≦Mn≦10% 1%≦Si≦3% 0.03≦Al≦2.5% を含有する化学組成を有し、残部がFeおよび製錬に由来する不純物であり、化学組成が CMnIndex=Cx(1+Mn/3.5)≦0.6 である鋼でできた、1100MPaを超える引張強度、700MPaを超える降伏強度、少なくとも8.0%の一様伸びUEおよび少なくとも10.0%の全伸びTEを有する鋼板を製造する方法であって、以下の工程: - 0.5mmから2mmの間の厚さを有する圧延鋼板を得るための圧延による該鋼でできた圧延鋼板を調製する工程であって、当該圧延は熱間圧延及び冷間圧延を含む工程、 - 該圧延鋼板を、鋼のAc_(3)変態点を超えるが1000℃未満の焼鈍温度TAにおいて均熱化し、60秒から200秒の間焼鈍温度において維持することにより焼鈍して、焼鈍された鋼板を得る工程、 - マルテンサイトおよび残留オーステナイトを含有する冷却直後の組織を有する焼入れされた鋼板を得るのに十分な冷却スピードで、焼鈍された鋼板を190℃と80℃の間の焼入れ温度QTに冷却する工程、ここで、焼入れ温度QTは、該方法により製造された鋼板が少なくとも20%の残留オーステナイトおよび少なくとも65%のマルテンサイトを含有し、フェライトおよびベイナイトの含量の合計が10%未満である最終的な組織を有するような温度であり、 - 焼入れされた鋼板を、350℃と500℃の間の過時効温度PTにおいて、5秒を超える過時効時間Ptの間維持する工程、および - 鋼板を周囲温度まで冷却する工程 を含む、方法。 【請求項2】 鋼の化学組成が: 0.15%≦C≦0.25% 4.5%≦Mn≦5.5% 1.4%≦Si≦1.8% 0.03≦Al≦2.5% Cx(1+Mn/3.5)≦0.6 であり、焼鈍温度ATが760℃を超え、焼入れ温度QTが170℃未満であり、鋼板の最終的な組織が20%と30%の間の残留オーステナイトを含有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。 【請求項3】 焼入れ温度QTが150℃未満であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。 【請求項4】 過時効温度PTが380℃と470℃の間であり、過時効時間Ptが90秒と600秒の間であることを特徴とする、請求項2または3に記載の方法。 【請求項5】 鋼の化学組成が: 0.15%≦C≦0.25% 6.5%≦Mn≦7.5% 1.4%≦Si≦1.8% 0.03≦Al≦2.5% Cx(1+Mn/3.5)≦0.6 であり、焼鈍温度ATが710℃を超え、焼入れ温度QTが120℃と180℃の間であり、過時効温度PTが350℃と470℃の間であり、過時効時間Ptが5秒と600秒の間であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。 【請求項6】 鋼の化学組成が: 0.03%≦Al≦0.5% であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。 【請求項7】 鋼の化学組成が: Si+Al≧1.4% であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。 【請求項8】 鋼の化学組成が: 1.4%≦Al≦2.5% であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。 【請求項9】 過時効温度PTが440℃と470℃の間であり、過時効時間Ptが5秒と60秒の間であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。 【請求項10】 過時効温度PTにおける焼入れされた鋼板の保持の少なくとも一部が、焼入れされた鋼板を溶融めっき浴に通過させることにより実施されることを特徴とする、請求項9に記載の方法。 【請求項11】 溶融めっき浴に通過させた後、周囲温度に冷却する前に、鋼板が480℃と570℃の間の温度でさらに維持されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。 【請求項12】 焼鈍、焼入れおよび過時効が、連続熱処理ラインにおいて実施されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。 【請求項13】 連続熱処理ラインが、連続焼鈍ラインであることを特徴とする、請求項12に記載の方法。 【請求項14】 連続焼鈍ラインが溶融めっき区域を含むことを特徴とする、請求項13に記載の方法。 【請求項15】 (削除) 【請求項16】 質量パーセントで: 0.1%≦C≦0.25% 4.5%≦Mn≦10% 1%≦Si≦3% 0.03≦Al≦2.5% を含有する化学組成を有し、残部はFeおよび製錬に由来する不純物であり、化学組成が CMnIndex=Cx(1+Mn/3.5)≦0.6 である鋼でできた、1100MPaを超える引張強度、700MPaを超える降伏強度、少なくとも8.0%の一様伸びUEおよび少なくとも10.0%の全伸びTEを有する鋼板であって、該鋼板は、0.5mmから2mmの間の厚さを有する熱間圧延及び冷間圧延された鋼板であり、 鋼板が少なくとも20%の残留オーステナイトおよび少なくとも65%のマルテンサイトを含有し、フェライトおよびベイナイトの含量の合計が10%未満である組織を有することを特徴とする、鋼板。 【請求項17】 鋼の化学組成が: 0.15%≦C≦0.25% 4.5%≦Mn≦5.5% 1.4%≦Si≦1.8% 0.03≦Al≦2.5% CMnIndex=Cx(1+Mn/3.5)≦0.6 であることを特徴とする、請求項16に記載の鋼板。 【請求項18】 降伏強度YSが1100MPaを超え、引張強度TSが1350MPaを超え、一様伸びUEが10%を超え、全伸びTEが12%を超えることを特徴とする、請求項17に記載の鋼板。 【請求項19】 鋼の化学組成が: 0.15%≦C≦0.25% 6.5%≦Mn≦7.5% 1.4%≦Si≦1.8% 0.03≦Al≦2.5% Cx(1+Mn/3.5)≦0.6であり、 降伏強度YSが1000MPaを超え、引張強度TSが1100MPaを超えることを特徴とする、請求項16に記載の鋼板。 【請求項20】 鋼の化学組成が: 0.03%≦Al≦0.5% であることを特徴とする、請求項16から19のいずれか一項に記載の鋼板。 【請求項21】 鋼の化学組成が: Si+Al≧1.4% であることを特徴とする、請求項20に記載の鋼板。 【請求項22】 鋼の化学組成が: 1.4%≦Al≦2.5% であることを特徴とする、請求項16から19のいずれか一項に記載の鋼板。 【請求項23】 鋼板の少なくとも1つの面が、金属被覆を備える、請求項16から22のいずれか一項に記載の鋼板。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2021-01-13 |
結審通知日 | 2021-01-18 |
審決日 | 2021-02-02 |
出願番号 | 特願2016-575890(P2016-575890) |
審決分類 |
P
1
41・
853-
Y
(C21D)
P 1 41・ 851- Y (C21D) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 河野 一夫 |
特許庁審判長 |
粟野 正明 |
特許庁審判官 |
村川 雄一 井上 猛 |
登録日 | 2019-12-27 |
登録番号 | 特許第6636962号(P6636962) |
発明の名称 | 高強度鋼板を製造する方法およびこの方法により得られる鋼板 |
代理人 | 特許業務法人川口國際特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人川口國際特許事務所 |