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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する B41J |
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管理番号 | 1372971 |
審判番号 | 訂正2020-390112 |
総通号数 | 258 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-06-25 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2020-12-14 |
確定日 | 2021-02-19 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6795280号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6795280号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件特許第6795280号は,平成26年5月26日に特願2014-107674号として出願した特許出願に係り,令和2年11月16日にその特許権の設定の登録がなされ,令和2年12月14日に本件訂正審判の請求がなされた。 2.審判請求の要旨 本件審判請求の趣旨は,本件特許第6795280号の特許請求の範囲を,本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める,との審決を求めるものである。(以下,特許第6795280号の明細書,特許請求の範囲及び図面を,それぞれ「願書に添付した明細書」,「本件特許請求の範囲」及び「願書に添付した図面」という。) その訂正内容は,次のとおりである。 <訂正事項1> 本件特許請求の範囲の請求項1において, 「前記搬送方向の幅方向」を, 「前記搬送経路の幅方向」と訂正する。 3.訂正事項1についての当審の判断 (1)訂正の目的 訂正事項1に係る訂正前の「前記搬送方向」は,当該記載が「前記」という語句を用いているところからみて,当該記載より前に「搬送方向」という発明特定事項が存在することを前提として記載されていたことは明らかであるところ,本件特許請求の範囲の請求項1においては,これより前に「搬送方向」なる発明特定事項は記載がなく,他の請求項並びに願書に添付した明細書にも「搬送方向」なる語句は存在しない。 また,訂正事項1を含む本件特許請求の範囲の記載は,「ケーブル群」が,「折り返して延在」することを限定しているものであって,願書に添付した明細書の段落【0021】及び【0022】には以下のとおりの記載がある。(下線は,当審によるもの。) 「【0021】 そして,本実施の形態に係るプリンタPにおいては,図1乃至図4に示すように,搬送経路の一方側に,ケーブル群20を収納可能な収納空間31を有した収納ケース30が設けられている。収納ケース30は,ヘッドブラケット5の上流側上部に配置され,機台1の側面板1aと固定板13との間に架設されている。詳しくは,収納ケース30は,上側に開口32を有した容器状のケース本体33と,ケース本体33の開口32を開閉可能に塞ぐ蓋40とを備えて構成されている。 【0022】 ケース本体33は,底壁34と,底壁34に連設され開口32を形成する側壁35とを備えて構成されている。底壁34は上流側から下流側に向けて上向きに傾斜形成されており,ケース本体33はこの底壁34が搬送経路側に向くように配置されている。搬送経路の幅方向一側壁35(a)は,側面板1aの貫通孔22の位置に接合されており,この一側壁35には,貫通孔22に対応して形成されるとともに,ケーブル群20の基端側が挿通されケーブル群20を収納空間31に引き通す第一開放口36が形成されている。また,底壁34には,搬送経路の一方側に延在するケーブル群20を収納空間31に出し入れ可能にする第二開放口37が形成されている。第二開放口37は,底壁34の面積の50%?70%を切除した大きさに形成されている。」 さらに,願書に添付した図面の特に【図4】からは,以下の事項が看て取れる。 「収納ケース30の左端にある第一開放口36から収納空間の左から右方向のほぼ全幅にわたって延在するように,収納ケース30の収納空間31に引き通されたケーブル群20は,収納空間31の右端側で折り返され,収納ケース30の底壁34にある第二開放口37から収納空間31に対して出し入れ可能とされていること。」 そして,「収納空間の左から右方向のほぼ全幅」は,「搬送経路の幅方向」に相当することは明らかであるから,願書に添付した明細書,及び,願書に添付した図面には,「ケーブル群」が「搬送経路の幅方向」に「折り返して延在」することが記載されているといえる。 以上のことより,訂正事項1に係る本件特許請求の範囲の「前記搬送方向の幅方向」は,「前記搬送経路の幅方向」の誤記であることは明らかであり,訂正前の「前記搬送方向の幅方向」を「前記搬送経路の幅方向」と訂正する訂正事項1は,特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する誤記の訂正を目的とするものに該当する。 (2)願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること 訂正事項1は,「(1)訂正の目的」で検討したとおり,願書に添付した明細書の段落【0021】及び【0022】,願書に添付した明細書の図面【図4】に記載されている事項に基づいて誤記を訂正するものであって,願書に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内でするものであることは明らかである。 したがって,訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明は,同法126条5項の規定に適合する。 (3)実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではないこと 訂正事項1は,明らかな誤記を訂正するためのものであるため,新規事項の追加に該当せず,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではないことは明らかである。 したがって,訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明は,同法126条6項の規定に適合する。 (4)特許出願の際に独立して特許を受けることができること 訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明は,拒絶すべき理由を有しない特許発明において,明らかな誤記を正しい記載に訂正しただけのものであるから,特許出願の際独立して特許を受けることができない発明でないことは明らかである。 したがって,訂正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明は,同法126条7項の規定に適合する。 4.むすび 以上のとおりであるから,本件訂正審判の請求は,特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものである。また,同条第5項乃至第7項の規定にも適合する。 よって,結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 プリンタであって、 用紙が搬送される搬送経路の一方側に設けられ前記搬送経路上に搬送される用紙に印字を行う印字ヘッドと、 前記搬送経路の一方側において前記搬送経路の幅方向に折り返して延在し、先端に前記印字ヘッドがコネクタを介して着脱可能に接続され、他端が前記プリンタ内に接続されるケーブル群と、 前記印字ヘッドが着脱可能に取り付けられるヘッドブラケットと、 前記搬送経路の他方側に設けられ前記印字ヘッドが対峙するプラテンローラと、 を備え、 前記ケーブル群は、前記印字ヘッドが前記ヘッドブラケットから外されたときに、前記印字ヘッドが前記ケーブル群と前記コネクタを介して接続されたまま前記印字ヘッド及び前記コネクタを前記プリンタの外まで移動可能な長さを有する、 プリンタ。 【請求項2】 前記搬送経路の一方側に、前記ケーブル群を収納可能な収納空間を有する収納ケースを設けた請求項1記載のプリンタ。 【請求項3】 前記収納ケースを、前記ケーブル群の基端側が挿通され前記ケーブル群を前記収納空間 に引き通す第一開放口と、前記搬送経路の一方側に延在する前記ケーブル群を前記収納空間に出し入れ可能にする第二開放口とを備えて構成した請求項2記載のプリンタ。 【請求項4】 前記ヘッドブラケットは、回動軸を中心に回動可能に機台に設けられ、回動させることで、前記印字ヘッドを前記プラテンローラに対峙させる印字位置と、前記プラテンローラから離間する離間位置との二つの位置に移動可能であり、前記離間位置で上記印字ヘッドを上記ヘッドブラケットから取り外すと、前記ケーブル群が前記収納ケースから引出し可能になる請求項2又は3記載のプリンタ。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2021-01-19 |
結審通知日 | 2021-01-25 |
審決日 | 2021-02-09 |
出願番号 | 特願2014-107674(P2014-107674) |
審決分類 |
P
1
41・
852-
Y
(B41J)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 神谷 健一 |
特許庁審判長 |
藤田 年彦 |
特許庁審判官 |
吉村 尚 尾崎 淳史 |
登録日 | 2020-11-16 |
登録番号 | 特許第6795280号(P6795280) |
発明の名称 | プリンタ |
代理人 | 特許業務法人後藤特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人後藤特許事務所 |