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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する H04N |
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管理番号 | 1372979 |
審判番号 | 訂正2020-390110 |
総通号数 | 258 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-06-25 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2020-12-01 |
確定日 | 2021-02-24 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6779554号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6779554号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2、4ないし7、9ないし11〕について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 経緯 本件訂正審判に係る特許第6779554号(以下、「本件特許」という。)に係る発明は、令和2年6月29日に特許出願されたものであって、令和2年10月16日に特許権の設定登録がなされたものである。 そして、令和2年12月1日に特許権者である株式会社シータより、本件特許に対して本件訂正審判の請求がなされたものである。 第2 請求の趣旨及び訂正の内容 1 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6779554号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり請求項1、2、4ないし7、9ないし11について訂正することを認めるとの審決を求める、というものである。 2 訂正の内容 本件訂正審判に係る訂正の内容は、以下のとおりである。 なお、下線は、訂正の箇所である。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「をむ方法。」と記載されているのを、「を含む方法。」に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に「をむ方法。」と記載されているのを、「を含む方法。」に訂正する。 第3 当審の判断 (1)一群の請求項について 訂正前の請求項4ないし7、9ないし11は、訂正前の請求項1または請求項2の記載を直接若しくは間接に引用しているものであるから、訂正前の請求項1、2、4ないし7、9ないし11は、一群の請求項である。そして、訂正事項1、2に係る訂正後の請求項1、2、4ないし7、9ないし11は、訂正前の請求項1、2、4ないし7、9ないし11に対応するものであるから、一群の請求項である。 したがって、訂正特許請求の範囲の請求項1、2、4ないし7、9ないし11は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。 (2)訂正事項1について ア 訂正の目的について 訂正前の請求項1には、「をむ方法。」と記載されており、日本語として意味をなしていない。 また、訂正前の請求項1には、 「コンピュータが、 立体視画像の撮像に用いられる併設された第1の光学系及び第2の光学系のうちの前記第1の光学系により撮像された第1の画像に変更を加えた画像を出力する方法であって、 前記第1の画像に写り込んだ前記第2の光学系の外形の像に対応した部分画像であって、前記第2の光学系により撮像された画像の一部である部分画像を特定することと、 前記第1の画像に基づいて前記部分画像に変換を施した変換画像を取得することと、 前記第1の画像の前記像を前記変換画像に置き換えることと を含み、 前記変換画像を取得することは、 前記第1の画像における前記第2の光学系の外形の像の近傍の画像の色相、明度又は彩度に基づいて、前記部分画像の色相、明度又は彩度を変更すること をむ方法。」 との記載、すなわち、「・・・を含み、・・・をむ方法。」と記載されている。(下線は、強調のために当審で付したものである。以下同様。) さらに、請求項4?7の末尾は、それぞれ、「を含む、請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の方法。」、「を含む請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。」、「を含む請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。」、「を更に含み、・・・請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。」と記載されている。 加えて、明細書の段落0085には、「前記変換画像を取得することは、 前記第1の画像における前記第2の光学系の外形の像の近傍の画像の色相、明度又は彩度に基づいて、前記部分画像の色相、明度又は彩度を変更することを含む・・・方法。」と記載されている。 そうすると、請求項1の「・・・を含み、・・・」との記載、及び、請求項4?7の「を含む」、「を更に含み」との記載、段落0085の記載から、請求項1の「をむ方法。」は、「を含む方法。」を意味していると認められる。 また、「をむ方法。」を「を含む方法。」と異なる意味に解釈すべき合理的理由は認められない。 以上のことから、訂正前の請求項1の「をむ方法。」は「を含む方法。」の誤記であることは明らかである。 よって、訂正前の請求項1の「をむ方法。」を「を含む方法。」に訂正することは、明細書、特許請求の範囲又は図面の記載などから明らかな字句・語句の誤りを、本来の正しい記載に訂正しようとするものである。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、誤記の訂正を目的とする訂正に該当する。 イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること 上記アで述べたとおり、訂正事項1は、誤記を訂正するものであり、訂正前後の特許請求の範囲の記載が示す内容に変化がないから、新たな技術的事項を導入するものではない。 したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないこと 上記アで述べたとおり、訂正事項1は、誤記を訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでない。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 エ 独立特許要件について 上記ウのとおり、訂正事項1に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、本件発明は拒絶の理由を発見しないとして特許されたものであって、当該事情を変更する新たな事由もないことから、本件発明は特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。 したがって、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 (3)訂正事項2について ア 訂正の目的について 訂正前の請求項2には、「をむ方法。」と記載されており、日本語として意味をなしていない。 また、訂正前の請求項2には、 「コンピュータが、 立体視画像の撮像に用いられる併設された第1の光学系及び第2の光学系のうちの前記第1の光学系により撮像された第1の画像に変更を加えた画像を出力する方法であって、 前記第1の画像に写り込んだ前記第2の光学系の外形の像に対応した部分画像であって、前記第2の光学系により撮像された画像の一部である部分画像を特定することと、 前記第1の画像に基づいて前記部分画像に変換を施した変換画像を取得することと、 前記第1の画像の前記像を前記変換画像に置き換えることと を含み、 前記部分画像を特定することは、 前記第1の光学系及び第2の光学系の特性データを用いて特定された領域の情報を前記部分画像の領域と定めること をむ方法。」 との記載、すなわち、「・・・を含み、・・・をむ方法。」と記載されている。 さらに、請求項4?7の末尾は、それぞれ、「を含む、請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の方法。」、「を含む請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。」、「を含む請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。」、「を更に含み、・・・請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。」と記載されている。 加えて、明細書の段落0085には、部分画像を特定することに関して、請求項2とは異なる構成ではあるが、「前記部分画像を特定することは、 前記第1の光学系及び第2の光学系の種類に対応してあらかじめ定められた領域の情報を前記部分画像の領域と定めることを含む・・・方法。」と記載されている。 そうすると、請求項2の「・・・を含み、・・・」との記載、及び、請求項4?7の「を含む」、「を更に含み」との記載、段落0085の記載から、請求項2の「をむ方法。」は、「を含む方法。」を意味していると認められる。 また、「をむ方法。」を「を含む方法。」と異なる意味に解釈すべき合理的理由は認められない。 以上のことから、訂正前の請求項2の「をむ方法。」は「を含む方法。」の誤記であることは明らかである。 よって、訂正前の請求項2の「をむ方法。」を「を含む方法。」に訂正することは、明細書、特許請求の範囲又は図面の記載などから明らかな字句・語句の誤りを、本来の正しい記載に訂正しようとするものである。 したがって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、誤記の訂正を目的とする訂正に該当する。 イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であること 上記アで述べたとおり、訂正事項2は、誤記を訂正するものであり、訂正前後の特許請求の範囲の記載が示す内容に変化がないから、新たな技術的事項を導入するものではない。 したがって、訂正事項2は、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合する。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないこと 上記アで述べたとおり、訂正事項2は、誤記を訂正するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでない。 したがって、訂正事項2は、特許法第126条第6項の規定に適合する。 エ 独立特許要件について 上記ウのとおり、訂正事項2に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、本件発明は拒絶の理由を発見しないとして特許されたものであって、当該事情を変更する新たな事由もないことから、本件発明は特許出願の際に独立して特許を受けることができるものである。 したがって、訂正事項2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 第4 むすび 以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第3項、第5項ないし第7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 コンピュータが、 立体視画像の撮像に用いられる併設された第1の光学系及び第2の光学系のうちの前記第1の光学系により撮像された第1の画像に変更を加えた画像を出力する方法であって、 前記第1の画像に写り込んだ前記第2の光学系の外形の像に対応した部分画像であって、前記第2の光学系により撮像された画像の一部である部分画像を特定することと、 前記第1の画像に基づいて前記部分画像に変換を施した変換画像を取得することと、 前記第1の画像の前記像を前記変換画像に置き換えることと を含み、 前記変換画像を取得することは、 前記第1の画像における前記第2の光学系の外形の像の近傍の画像の色相、明度又は彩度に基づいて、前記部分画像の色相、明度又は彩度を変更すること を含む方法。 【請求項2】 コンピュータが、 立体視画像の撮像に用いられる併設された第1の光学系及び第2の光学系のうちの前記第1の光学系により撮像された第1の画像に変更を加えた画像を出力する方法であって、 前記第1の画像に写り込んだ前記第2の光学系の外形の像に対応した部分画像であって、前記第2の光学系により撮像された画像の一部である部分画像を特定することと、 前記第1の画像に基づいて前記部分画像に変換を施した変換画像を取得することと、 前記第1の画像の前記像を前記変換画像に置き換えることと を含み、 前記部分画像を特定することは、 前記第1の光学系及び第2の光学系の特性データを用いて特定された領域の情報を前記部分画像の領域と定めること を含む方法。 【請求項3】 コンピュータが、 立体視画像の撮像に用いられる併設された第1の光学系及び第2の光学系のうちの前記第1の光学系により撮像された第1の画像に変更を加えた画像を出力する方法であって、 前記第1の画像に写り込んだ前記第2の光学系の外形の像に対応した部分画像であって、前記第2の光学系により撮像された画像の一部である部分画像を特定することと、 前記第1の画像に基づいて前記部分画像に変換を施した変換画像を取得することと、 前記第1の画像の前記像を前記変換画像に置き換えることと、 前記部分画像の領域を拡大又は縮小する指示を、オペレータから受け取ることと を含む方法。 【請求項4】 前記部分画像は、前記第2の光学系が存在しないとした場合に、前記第1の画像に含まれることとなる画像を形成する元となる被写体を撮像した画像を含む、 請求項1ないし3のうちいずれか1項に記載の方法。 【請求項5】 前記変換画像を取得することは、 前記第1の画像における前記第2の光学系の外形の像の近傍の画像と、前記部分画像とが滑らかに接続されるように前記部分画像を歪曲させること を含む請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。 【請求項6】 前記変換画像を取得することは、 前記部分画像が前記像の近傍の画像に重なるように前記部分画像の境界を前記像の近傍の前記画像にシフトさせ前記部分画像の前記境界の近傍の透明度を前記像から前記像の外側であって前記像の近傍の前記画像の方向に滑らかに高くなるようにすること を含む請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。 【請求項7】 前記コンピュータが、 所定の時期に、前記第1の光学系及び前記第2の光学系のそれぞれで撮像された画像を取得して、前記第1の光学系により撮像された画像と、前記第2の光学系により撮像された画像とを比べて、前記第1の光学系と前記第2の光学系とのずれの補正値を算出すること を更に含み、 前記変換は、算出した前記補正値を用いて実行される、 請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。 【請求項8】 コンピュータが、 立体視画像の撮像に用いられる併設された第1の光学系及び第2の光学系のうちの前記第1の光学系により撮像された第1の画像に変更を加えた画像を出力する方法であって、 所定の時期に、前記第1の光学系及び前記第2の光学系のそれぞれで撮像された画像を取得して、前記第1の光学系により撮像された画像と、前記第2の光学系により撮像された画像とを比べて、前記第1の光学系と前記第2の光学系とのずれの補正値を算出することと、 前記第1の画像に写り込んだ前記第2の光学系の外形の像に対応した部分画像であって、前記第2の光学系により撮像された画像の一部である部分画像を特定することと、 算出した前記補正値を用いつつ、前記第1の画像に基づいて前記部分画像に変換を施して、変換画像を取得することと、 前記第1の画像の前記像を前記変換画像に置き換えることと を含む、方法。 【請求項9】 請求項1から8のいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させる画像出力プログラム。 【請求項10】 請求項9に記載のプログラムをインストールした画像出力装置。 【請求項11】 請求項1から8のいずれか1項に記載の方法により前記画像を生産する方法。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2021-01-22 |
結審通知日 | 2021-01-27 |
審決日 | 2021-02-12 |
出願番号 | 特願2020-111822(P2020-111822) |
審決分類 |
P
1
41・
852-
Y
(H04N)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 益戸 宏 |
特許庁審判長 |
千葉 輝久 |
特許庁審判官 |
渡辺 努 小池 正彦 |
登録日 | 2020-10-16 |
登録番号 | 特許第6779554号(P6779554) |
発明の名称 | 画像を出力する方法、プログラム及び装置 |
代理人 | 鶴谷 裕二 |
代理人 | 鶴谷 裕二 |