ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する G10L 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する G10L 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する G10L 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する G10L |
---|---|
管理番号 | 1372980 |
審判番号 | 訂正2020-390114 |
総通号数 | 258 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-06-25 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2020-12-18 |
確定日 | 2021-03-09 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6567571号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6567571号の特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項12について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 経緯 本件訂正審判に係る特許第6567571号(以下、「本件特許」という。)は、2015年(平成27年)6月22日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2014年6月27日、欧州特許庁)を国際出願日として出願されたものであって、令和元年8月9日に特許権の設定登録がなされたものである。 そして、令和2年12月18日に特許権者ドルビー・インターナショナル・アーベーより、本件特許に対して本件訂正審判が請求された。 第2 請求の趣旨、訂正の内容 1 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6567571号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項12について訂正することを認める、との審決を求める、というものである。 2 訂正の内容 本件訂正審判に係る訂正の内容(以下、「訂正事項」という。)は、特許請求の範囲の請求項12を削除する、というものである。 第3 当審の判断 1 訂正の目的の適否について 訂正事項は、請求項の削除であるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 2 新規事項の追加の有無について 訂正事項は、請求項の削除であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 3 特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項は、請求項の削除であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 4 独立特許要件について 訂正事項は、請求項の削除であるから、独立特許要件の判断の対象となる請求項が存在しない。 第4 むすび 以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正事項は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定された事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 HOAデータ・フレーム表現(C(k))の圧縮のために、前記HOAデータ・フレームのチャネル信号について振幅変化に対応する非差分的な利得値の表現を2の指数(2^(e))として記述するための最低の整数ビット数β_(e)を決定する方法であって、各フレームにおける各チャネル信号はサンプル値のグループを含み、前記HOAデータ・フレームの各フレームの各チャネル信号(y_(1)(k-2),…,y_(I)(k-2))に対して差分利得値が割り当てられ、該差分利得値は現在HOAデータ・フレーム((k-2))におけるチャネル信号の第一のサンプル値の振幅の、直前のHOAデータ・フレーム((k-3))におけるチャネル信号の第二のサンプル値に対する変化を引き起こすものであり、結果として得られる利得適応されたチャネル信号はエンコーダ(16)においてエンコードされ、 前記HOAデータ・フレーム表現は空間領域においてO個の仮想スピーカー信号w_(j)(t)にレンダリングされており、それらの仮想スピーカーの位置は単位球上にあり、その単位球上で一様に分布させられるよう目標とされており、前記レンダリングは行列乗算w(t)=(Ψ)^(-1)・c(t)によって表現され、w(t)はすべての仮想スピーカー信号を含むベクトルであり、Ψは仮想スピーカー位置モード行列であり、c(t)は前記HOAデータ・フレーム表現の対応するHOA係数シーケンスのベクトルであり、 前記HOAデータ・フレーム表現(C(k))は 【数67】 となるよう正規化されており、当該方法は: ・チャネル信号を、 a)前記チャネル信号における優勢音信号(x(t))を表現するために、HOA係数シーケンスのベクトルc(t)に混合行列Aを乗算するサブステップであって、混合行列Aは正規化されたHOAデータ・フレーム表現の係数シーケンスの線形結合を表わす、サブステップ; b)前記チャネル信号における周囲HOA成分c_(AMB)(t)を表現するために、前記正規化されたHOAデータ・フレーム表現から前記優勢音信号を減算し、結果として得られる最小周囲HOA成分c_(AMB,MIN)(t)を、w_(MIN)(t)=Ψ_(MIN)^(-1)・c_(AMB,MIN)(t)を計算することによって変換し、||Ψ_(MIN)^(-1)||_(2)<1であり、Ψ_(MIN)は前記最小周囲HOA成分c_(AMB,MIN)(t)についてのモード行列である、サブステップ; c)前記HOA係数シーケンスc(t)のうち、空間変換が適用される前記周囲HOA成分の係数シーケンスに関係する一部を選択する、サブステップ; を実行することによって形成する段階と; ・前記整数ビット数β_(e)を 【数68】 に基づいて決定する段階であって、 【数69】 であり、NはHOA次数であり、N_(MAX)は関心対象の最大次数であり、Ω_(1)^((N)),…,Ω_(O)^((N))は前記仮想スピーカーの方向であり、O=(N+1)^(2)はHOA係数シーケンスの数であり、Kは前記モード行列の二乗されたユークリッド・ノルム||Ψ||_(2)^(2)とOとの間の比である、段階とを含む、 方法。 【請求項2】 HOAデータ・フレーム表現(C(k))の圧縮のために、前記HOAデータ・フレームのチャネル信号について振幅変化に対応する非差分的な利得値の表現を2の指数(2^(e))として記述するための最低の整数ビット数β_(e)を決定する装置であって、各フレームにおける各チャネル信号はサンプル値のグループを含み、前記HOAデータ・フレームの各フレームの各チャネル信号(y_(1)(k-2),…,y_(I)(k-2))に対して差分利得値が割り当てられ、該差分利得値は現在HOAデータ・フレーム((k-2))におけるチャネル信号の第一のサンプル値の振幅の、直前のHOAデータ・フレーム((k-3))におけるチャネル信号の第二のサンプル値に対する変化を引き起こすものであり、結果として得られる利得適応されたチャネル信号はエンコーダ(16)においてエンコードされ、 前記HOAデータ・フレーム表現(C(k))は空間領域においてO個の仮想スピーカー信号w_(j)(t)にレンダリングされており、それらの仮想スピーカーの位置は単位球上にあり、その単位球上で一様に分布させられるよう目標とされており、前記レンダリングは行列乗算w(t)=(Ψ)^(-1)・c(t)によって表現され、w(t)はすべての仮想スピーカー信号を含むベクトルであり、Ψは仮想スピーカー位置モード行列であり、c(t)は前記HOAデータ・フレーム表現の対応するHOA係数シーケンスのベクトルであり、 前記HOAデータ・フレーム表現(C(k))は 【数70】 となるよう正規化されており、当該装置は: ・前記チャネル信号(y_(1)(k-2),…,y_(I)(k-2))を、 a)前記チャネル信号における優勢音信号(x(t))を表現するために、HOA係数シーケンスの前記ベクトルc(t)に混合行列Aを乗算する動作であって、混合行列Aは正規化されたHOAデータ・フレーム表現の係数シーケンスの線形結合を表わす、動作; b)前記チャネル信号における周囲HOA成分c_(AMB)(t)を表現するために、前記正規化されたHOAデータ・フレーム表現から前記優勢音信号を減算し、結果として得られる最小周囲HOA成分c_(AMB,MIN)(t)を、w_(MIN)(t)=Ψ_(MIN)^(-1)・c_(AMB,MIN)(t)を計算することによって変換し、||Ψ_(MIN)^(-1)||_(2)<1であり、Ψ_(MIN)は前記最小周囲HOA成分c_(AMB,MIN)(t)についてのモード行列である、動作; c)前記HOA係数シーケンスc(t)のうち、空間変換が適用される前記周囲HOA成分の係数シーケンスに関係する一部を選択する、動作; を実行することによって形成する手段(12、13、14)と; ・前記整数ビット数β_(e)を 【数71】 に基づいて決定する手段(15、…、151)であって、 【数72】 であり、NはHOA次数であり、N_(MAX)は関心対象の最大次数であり、Ω_(1)^((N)),…,Ω_(O)^((N))は前記仮想スピーカーの方向であり、O=(N+1)^(2)はHOA係数シーケンスの数であり、Kは前記モード行列の二乗されたユークリッド・ノルム||Ψ||_(2)^(2)とOとの間の比である、手段とを含む、 装置。 【請求項3】 前記変換された最小周囲HOA成分に加えて、前記周囲HOA成分c_(AMB)(t)の変換されていない周囲係数シーケンスが前記チャネル信号(y_(1)(k-2),…,y_(I)(k-2))に含まれる、請求項1記載の方法。 【請求項4】 前記HOAデータ・フレームのうちの個々のものの前記チャネル信号に関連付けられた前記非差分的な利得値の表現(2^(e))がサイド情報として転送され、そのそれぞれがβ_(e)ビットによって表現される、請求項1もしくは3記載の方法。 【請求項5】 前記整数ビット数β_(e)が 【数73】 に設定され、e_(MAX)>0は利得制御(15、151)前のチャネル信号のサンプル値の振幅が閾値より小さいとの判定に基づいて前記ビット数β_(e)を増すはたらきをする、 請求項1、3および4のうちいずれか一項記載の方法。 【請求項6】 √K_(MAX)=1.5である、請求項1および3ないし5のうちいずれか一項記載の方法。 【請求項7】 前記混合行列Aが、モノラル優勢音信号の方向分布を表わすすべてのベクトルから形成されるモード行列のムーア・ペンローズの擬似逆行列を取ることによって、もとのHOA表現と優勢音信号のものとの間の残差のユークリッド・ノルムを最小にするよう決定される、請求項1および3ないし6のうちいずれか一項記載の方法。 【請求項8】 前記O個の仮想スピーカー信号の位置がβ_(e)の計算のために想定された位置と一致しないとの判定に基づいて、 ・該一致しない仮想スピーカー位置に基づいてモード行列Ψを計算し(51); ・該モード行列のユークリッド・ノルム||Ψ||_(2)を計算し(52); ・前記正規化における最大の許容される振幅を置き換える最大許容される振幅値 【数74】 を計算する(53)ことを含み、 【数75】 であり、Nは前記HOA次数であり、O=(N+1)^(2)はHOA係数シーケンスの数であり、Kは、前記モード行列の二乗されたユークリッド・ノルムとOとの比であり、N_(MAX,DES)は関心対象の次数でありΩ_(DES,1)^((N)),…Ω_(DES,1)^((N))は各次数について、前記HOAデータ・フレーム表現(C(k))の前記圧縮の実装のために想定された仮想スピーカーの方向であり、よってβ_(e)は、前記非差分的な利得値の底2に対する指数(e)を符号化するために 【数76】 によって選ばれたものである、 請求項1および3ないし7のうちいずれか一項記載の方法。 【請求項9】 コンピュータに請求項1および3ないし8のうちいずれか一項記載の方法を実行させるためのコンピュータ・プログラム。 【請求項10】 音または音場の圧縮された高次アンビソニックス(HOA)音表現をデコードする方法であって: 前記圧縮されたHOA表現を含むビットストリームを受領する段階であって、前記ビットストリームは前記圧縮されたHOA表現に対応するいくつかのHOA係数を含む、段階と; 最低の整数数β_(e)に基づいて前記圧縮されたHOA表現をデコードする段階であって、前記最低の整数数β_(e)は 【数78】 に基づいて決定され、 【数79】 であり、NはHOA次数であり、N_(MAX)は関心対象の最大次数であり、Ω_(1)^((N)),…,Ω_(O)^((N))は前記仮想スピーカーの方向であり、O=(N+1)^(2)はHOA係数シーケンスの数であり、Kは前記モード行列の二乗されたユークリッド・ノルム||Ψ||_(2)^(2)とOとの間の比である、段階とを含む、 方法。 【請求項11】 音または音場の圧縮された高次アンビソニックス(HOA)音表現をデコードする装置であって: 前記圧縮されたHOA表現を含むビットストリームを受領する手段であって、前記ビットストリームは前記圧縮されたHOA表現に対応するいくつかのHOA係数を含む、手段と; 最低の整数数β_(e)に基づいて前記圧縮されたHOA表現をデコードする手段であって、前記最低の整数数β_(e)は 【数80】 に基づいて決定され、 【数81】 であり、NはHOA次数であり、N_(MAX)は関心対象の最大次数であり、Ω_(1)^((N)),…,Ω_(O)^((N))は前記仮想スピーカーの方向であり、O=(N+1)^(2)はHOA係数シーケンスの数であり、Kは前記モード行列の二乗されたユークリッド・ノルム||Ψ||_(2)^(2)とOとの間の比である、手段とを有する、 装置。 【請求項12】(削除) |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2021-02-05 |
結審通知日 | 2021-02-10 |
審決日 | 2021-02-26 |
出願番号 | 特願2016-575016(P2016-575016) |
審決分類 |
P
1
41・
854-
Y
(G10L)
P 1 41・ 855- Y (G10L) P 1 41・ 851- Y (G10L) P 1 41・ 841- Y (G10L) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 山下 剛史 |
特許庁審判長 |
千葉 輝久 |
特許庁審判官 |
樫本 剛 川崎 優 |
登録日 | 2019-08-09 |
登録番号 | 特許第6567571号(P6567571) |
発明の名称 | 非差分的な利得値を表現するのに必要とされる最低整数ビット数をHOAデータ・フレーム表現の圧縮のために決定する方法および装置 |
代理人 | 伊東 忠彦 |
代理人 | 伊東 忠彦 |
代理人 | 伊東 忠重 |
代理人 | 宮崎 修 |
代理人 | 宮崎 修 |
代理人 | 伊東 忠重 |