• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
管理番号 1373063
審判番号 不服2019-5692  
総通号数 258 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-06-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-04-26 
確定日 2021-04-13 
事件の表示 特願2016-541961「モバイル通信装置およびその動作方法」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 3月19日国際公開,WO2015/038221,平成29年 1月12日国内公表,特表2017-501498〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は,2014年7月1日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2013年9月12日 アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって,
平成28年5月10日付けで特許法第184条の4第1項の規定による明細書,請求の範囲,及び,図面(図面の中の説明に限る)の日本語による翻訳文が提出され,平成29年6月16日付けで審査請求がなされ,平成30年4月10日付けで審査官により拒絶理由が通知され,これに対して平成30年7月17日付けで意見書が提出されると共に手続補正がなされたが,平成30年12月20日付けで審査官により拒絶査定がなされ(謄本送達;平成31年1月4日),これに対して平成31年4月26日付けで審判請求がなされると共に手続補正がなされ,令和1年7月18日付けで審査官により特許法164条3項の規定に基づく報告がなされ,令和1年10月24日付けで上申書の提出がなされ,令和2年2月10日付けで当審により拒絶理由が通知され,これに対して令和2年4月28日付けで意見書が提出されると共に手続補正がなされたものである。

第2.本願発明について
本願の請求項1に係る発明(以下,これを「本願発明」という)は,令和2年4月28日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された,次のとおりのものである。

「複数の動作ステータスを有するモバイル通信装置(10)であって,
筐体(12)と,
前記筐体に接続された入力装置(17)であって,前記入力装置(17)を作動することにより,ユーザは前記動作ステータスの変更および検証のうち少なくとも1つを行うことができる,入力装置(17)と,
前記入力装置(17)と通信して接続され,前記モバイル通信装置(10)の前記動作ステータスに基づいてフィードバックを前記ユーザに提供するように構成されたインジケータ(19,21)と,
を備え,
第1のペルソナが第2のペルソナと通信して接続されるように,前記モバイル通信装置で実行される前記第1のペルソナに含まれる第1の信頼された実行環境と前記モバイル通信装置で実行される前記第2のペルソナに含まれる第2の信頼された実行環境との間で相互信頼が確立され,
前記インジケータは,前記モバイル通信装置(10)で実行されている前記第1のペルソナ(110)に関連付けられた第1の視覚的インジケータ(19)と前記モバイル通信装置(10)で実行されている前記第2のペルソナ(120)に関連付けられた第2の視覚的インジケータ(21)とを備え,
前記入力装置(17)および前記インジケータ(19,21)は,前記入力装置および前記インジケータが前記モバイル通信装置(10)で実行されている信頼されていないコードからアクセス不能であるように,ハードウェアにおいて隔離されている,装置。」

第3.当審拒絶理由の概略
当審による令和2年2月10日付けの拒絶理由(以下,これを「当審拒絶理由」という)は,概略次のとおりである。

「本願の請求項1に係る発明は,引用文献1に記載の発明と,引用文献2,及び,引用文献3に記載の技術事項に基づいて,当業者が容易に発明することができたものである。

引用文献一覧
1.米国特許出願公開第2013/0117742号明細書(2013年5月9日公開)
2.国際公開第2013/061156号(国際公開日;2013年5月2日)
3.特開2009-116889号公報(2009年5月28日公開)」

第4.引用文献に記載の事項
1.当審拒絶理由に引用された,本願の第1国出願前に既に公知である,米国特許出願公開第2013/0117742号明細書(2013年5月9日公開,以下,これを「引用文献1」という)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。

A.「[0030] FIG.1A is a schematic illustration of a mobile device according to one or more embodiments of the invention. The mobile device shown in FIG.1A is a personal mobile device 100 having a touch screen 101 and a plurality of keys 102. Personal mobile device 100 may be smartphone, a tablet computing device, and in general any computing device that is portable and configured for wireless connectivity with a network. Personal mobile device 100, conceptually, provides access to a completely separate work mobile device 105 that is generally isolated and operates separately from personal mobile device 100 (illustrated in dashed lines to indicate the work mobile device 105 is running as a software component inside personal mobile device 100). As further discussed below, in one embodiment, work mobile device 105 operates as a virtual machine running within a virtualization platform that is itself running on top of the operating system of personal mobile device 100. As further detailed in FIG.1B, personal mobile device 100 comprises hardware 110 that includes a framebuffer 115 that stores display data and drives the user interface display on touch screen 101. Personal mobile device 100 also includes firmware that includes host operating system (OS) 120, and host applications 135 running on top of host OS 120. In one embodiment, host OS 120 is the Android^(TM) operating system provided by Google, Inc., and includes a composite window manager 125 (known in the Android operating system as SurfaceFlinger) that manages and controls access by host applications 135 to framebuffer 115 for display of user interfaces on touch screen 101. In the embodiment of FIG.1B, the firmware of personal mobile device 100 also includes a virtualization module 130 that is a trusted operating system level component that is able to sign, authenticate or otherwise grant privileged (e.g., superuser) access to certain applications or components running on top of host OS 120. In particular, a hypervisor application 140 that is installed on top of host OS 120 interacts with virtualization module 130 in order to obtain elevated capabilities and execute in privileged modes. In one embodiment, hypervisor 140 is downloaded and installed by a user of personal mobile device 100 from an application store (e.g., Android Market, iPhone App Store, Amazon Appstore, various carrier or device manufacturer based application stores, etc.). Once installed, hypervisor 140 (or a management component related thereto) can establish a connection with the IT department of the user's employer and download a work device image 160 (e.g., stored on the file system of host OS 120) that can be accessed by a virtual machine that is launched by hypervisor 140 to serve as work mobile device 105. It should be recognized that, in alternative embodiments, work mobile device 105 may be configured with drivers and other appropriate virtualization software to interface directly with hardware 110 so that work mobile device 105 runs directly on top of hardware 110 and host OS 120 is not interposed between work mobile device 105 and hardware 110 (such an embodiment sometimes referred to as a “bare metal” hypervisor, as opposed to a “hosted” hypervisor as depicted in FIG.1B).
(【0007】
図1Aは,本発明の1つ又は複数の実施形態による携帯機器の概略図である。図1Aに示す携帯機器は,タッチスクリーン101及び複数のキー102を有する個人用携帯機器100である。個人用携帯機器100は,スマートフォン,タブレットコンピューティング装置,及び一般的に携帯可能であり,ネットワークと無線通信するように構成される任意のコンピューティング装置とすることができる。個人用携帯機器100は,個人用携帯機器100から全体的に分離され,別々に動作する完全に別の仕事用携帯機器105へのアクセスを概念的に提供する(仕事用携帯機器105が個人用携帯機器100内のソフトウェアコンポーネントとして実行されていることを示すために破線で示す)。以下で更に論じるように,一実施形態では仕事用携帯機器105が,個人用携帯機器100のオペレーティングシステム上で実行される仮想化プラットフォーム内で実行される仮想マシンとして動作する。図1Bに更に詳細に示すように,個人用携帯機器100は,表示データを記憶しタッチスクリーン101上でユーザインターフェイス表示を駆動する,フレームバッファ115を含むハードウェア110を含む。個人用携帯機器100は,ホストオペレーティングシステム(OS)120,及びホストOS120上で実行されるホストアプリケーション135を含むファームウェアも含む。一実施形態では,ホストOS120がグーグル株式会社(Google,Inc.)によって提供されるアンドロイド(Android)(商標)オペレーティングシステムであり,タッチスクリーン101上にユーザインターフェイスを表示するための,ホストアプリケーション135によるフレームバッファ115へのアクセスを管理し制御する,(アンドロイド(Android)オペレーティングシステムではサーフェイスフリンガ(SurfaceFlinger)として知られる)複合ウィンドウマネージャ125を含む。図1Bの実施形態では,個人用携帯機器100のファームウェアが,ホストOS120上で実行される特定のアプリケーション又はコンポーネントへの特権的(例えばスーパユーザ)アクセスをサインし,認証し,或いは付与することができる,オペレーティングシステムレベルの高信頼コンポーネントである仮想化モジュール130も含む。具体的には,高められた機能を得て特権モードで実行するために,ホストOS120上にインストールされるハイパーバイザアプリケーション140が仮想化モジュール130と対話する。一実施形態では,ハイパーバイザ140が,個人用携帯機器100のユーザにより,アプリケーションストア(例えばアンドロイドマーケット(Android Market),アイフォンアプリケーションストア(iPhone App Store),アマゾンアプリケーションストア(Amazon Appstore),様々なキャリア又は装置製造業者ベースのアプリケーションストア等)からダウンロードされインストールされる。インストールされると,ハイパーバイザ140(又はそれに関係する管理コンポーネント)がユーザの雇用主のIT部門と通信を確立し,仕事用携帯機器105として機能するためにハイパーバイザ140によって起動される仮想マシンによってアクセス可能な(例えばホストOS120のファイルシステム上に記憶される)仕事用機器イメージ160をダウンロードすることができる。代替的実施形態では,仕事用携帯機器105がハードウェア110上で直接実行され,仕事用携帯機器105とハードウェア110との間にホストOS120を介在させないように(かかる実施形態は,図1Bに示す「ホスト型」ハイパーバイザに対立するものとして「ベアメタル」ハイパーバイザと呼ばれることがある),仕事用携帯機器105は,ハードウェア110と直接インターフェイスするためのドライバ及び他の適切な仮想化ソフトウェアを用いて構成されても良いことを理解すべきである。(引用文献1の日本語公報である,特表2014-531625号公報より引用。以下,同じ))

B.「[0032] As further depicted in FIG.1B , hypervisor 140 also includes a user interface (UI) proxy application 155 that, as further detailed herein, serves as a user interface intermediary between personal mobile device 100 and work mobile device 105 by copying contents of virtual framebuffer 150 into hardware framebuffer 115, when requested, so that the UI environment of work mobile device 105 (hereafter referred to as“work environment”) can be displayed in place of the UI environment of personal mobile device 100 (hereafter referred to as “personal environment”).
[0033] FIG.2 illustrates one embodiment of UI environments for personal mobile device 100 and work mobile device 105 and a mechanism for switching between the two. As depicted, a personal environment for personal mobile device 100 includes a personal desktop 210 that includes icons for a variety of installed applications accessible from personal mobile device 100. Personal desktop 210 also includes a work icon 200 and a notification bar 220 that displays system information for personal mobile device 100 (e.g., as time, battery strength, network signal strength, etc.) as well as notifications from various applications. When the user touches work icon 200 in the personal environment, touch screen 101 switches to a work environment for work mobile device 105 and displays a work desktop 215. As depicted, work desktop 215 includes icons for a variety of installed applications accessible from work mobile device 105 as well as a home icon 205 that enables the user to switch back to the personal environment. As further depicted in the embodiment of FIG.2, the notification bar displayed in work desktop 215 is the same notification bar 220 that is generated by personal desktop 210 and controlled by host OS 120 (i.e., rather than being a separate notification bar that is generated by guest OS 170 specifically for work mobile device 105). As such, even while a user is the work environment, notifications generated by applications in the personal environment will be displayed in notification bar 220 in work desktop 215.」
(【0009】
図1Bに更に示すように,ハイパーバイザ140は,本明細書で更に詳述するように,個人用携帯機器100のUI環境(以下,「私的環境」と呼ぶ)の代わりに仕事用携帯機器105のUI環境(以下,「仕事環境」と呼ぶ)を表示できるように,仮想フレームバッファ150のコンテンツを要求時にハードウェアフレームバッファ115内にコピーすることにより,個人用携帯機器100と仕事用携帯機器105との間のユーザインターフェイス媒介として働くユーザインターフェイス(UI)プロキシアプリケーション155も含む。
【0010】
図2は,個人用携帯機器100及び仕事用携帯機器105のUI環境の一実施形態,及びそれらの間で切替えを行うためのメカニズムを示す。図示のように,個人用携帯機器100の私的環境は,個人用携帯機器100からアクセス可能な様々なインストール済みアプリケーション用のアイコンを含む個人用デスクトップ210を含む。個人用デスクトップ210は更に,仕事アイコン200,及び個人用携帯機器100向けのシステム情報(例えば時間,電池強度,ネットワーク信号強度等)並びに様々なアプリケーションからの通知を表示する通知バー220を含む。ユーザが私的環境内で仕事アイコン200に触れると,タッチスクリーン101が仕事用携帯機器105の仕事環境に切り替わり,仕事用デスクトップ215を表示する。図示のように,仕事用デスクトップ215は,仕事用携帯機器105からアクセス可能な様々なインストール済みアプリケーション用のアイコン,並びにユーザが私的環境に切り替え復帰することを可能にするホームアイコン205を含む。図2の実施形態に更に示すように,仕事用デスクトップ215内に表示される通知バーは,個人用デスクトップ210によって生成され,ホストOS120によって制御されるのと同じ通知バー220である(即ちゲストOS170によって仕事用携帯機器105専用に生成される別の通知バーではない)。そのため例えユーザが仕事環境である間でも,私的環境内のアプリケーションによって生成される通知が仕事用デスクトップ215内の通知バー220内に表示される。)

C.「[0035] FIG.3A is a flow diagram that illustrates a process of switching from personal mobile device 100 to work mobile device 105. The process includes steps carried out by host OS 120, UI proxy 155, and hypervisor 140 of personal mobile device 100, and steps carried out by VMM 145 of work mobile device 105. The process begins at step 302 when host OS 120 (e.g., by way of a launcher application in one embodiment) receives user indication of a switch from personal mobile device 100 to work mobile device 105. The user indication, as noted above, may be a user selection of work icon 200 on personal desktop 210. In response to the user indication of the switch (e.g., selection of work icon 200), at step 304, host OS 120 requests UI proxy 155 to launch or wake up. For example, a launch action associated with work icon 200 causes host OS 120 to launch (or wake up) UI proxy 155 in a manner similar to launch actions for other icons displayed in personal desktop 210 for other applications 135. In one such embodiment, the launch action associated with work icon 200 may be execution of a file system command that launches or wake up an executable file corresponding to UI proxy 155 (and possibly to further provide additional command line flags or parameters indicating to UI proxy 155 that it should execute a particular sequence of actions relating to “powering ON” work mobile device 105).
[0036] At step 306, UI proxy 155, in response to the request from host OS 120, launches or wakes up. Then, at step 308, UI proxy 155 requests hypervisor 140 to present a lock screen display to the user for the submission of credentials (e.g., password, pin, or pattern, etc.) to authenticate himself for access to work mobile device 105. In response, hypervisor 140 carries out user authentication at steps 310 - 316. At step 310 , hypervisor 140 presents a lock screen to the user and prompts the user for credentials for accessing work mobile device 105. If, at step 312, the user fails to provide proper credentials, then authentication fails at step 314. If, at step 312, the user enters proper credentials, hypervisor 140 may launch or otherwise wake up a VMM 145 thread and transmit a virtual power ON command to VMM 145 to wake up work mobile device 105 (step 316).」
(【0012】
図3Aは,個人用携帯機器100から仕事用携帯機器105に切り替えるプロセスを示すフローチャートである。このプロセスは,個人用携帯機器100のホストOS120,UIプロキシ155,及びハイパーバイザ140によって実行されるステップ,並びに仕事用携帯機器105のVMM145によって実行されるステップを含む。このプロセスは,ホストOS120が,(例えば一実施形態ではランチャアプリケーションにより)個人用携帯機器100から仕事用携帯機器105への切替えのユーザ指示を受け取るステップ302から始まる。上記のユーザ指示は,個人用デスクトップ210上の仕事アイコン200のユーザによる選択とすることができる。切替えについてのユーザ指示(例えば仕事アイコン200の選択)に応答し,ステップ304で,ホストOS120がUIプロキシ155に起動するか又はウェイクアップするように要求する。例えば,仕事アイコン200に関連する起動動作は,他のアプリケーション135用に個人用デスクトップ210内に表示される他のアイコンの動作を起動するのと似た方法で,ホストOS120にUIプロキシ155を起動(又はウェイクアップ)させる。そのような一実施形態では,仕事アイコン200に関連する起動動作は,UIプロキシ155に対応する実行可能ファイルを起動又はウェイクアップするファイルシステムコマンドを実行すること(及びことによると,仕事用携帯機器105の「電源をオン」にすることに関係する一連の特定の動作を実行すべきことをUIプロキシ155に知らせる追加のコマンドラインフラグ又はパラメータを更に提供すること)であり得る。
【0013】
ステップ306において,UIプロキシ155が,ホストOS120からの要求に応答して起動又はウェイクアップする。次いでステップ308で,仕事用携帯機器105にアクセスするために自身を認証するために,認証情報(例えばパスワード,ピン,又はパターン等)を提出するためのロックスクリーン表示をユーザに提示するようにUIプロキシ155がハイパーバイザ140に要求する。それに応答して,ステップ310?ステップ316において,ハイパーバイザ140がユーザ認証を実行する。ステップ310で,ハイパーバイザ140がロックスクリーンをユーザに提示し,仕事用携帯機器105にアクセスするための認証情報をユーザに促す。ステップ312で,ユーザが適切な認証情報を与えない場合,ステップ314で認証は失敗する。ステップ312でユーザが適切な認証情報を入力する場合,ハイパーバイザ140はVMM145スレッドを起動し或いはウェイクアップし,仕事用携帯機器105をウェイクアップするために仮想的な電源オンコマンドをVMM145に伝送する(ステップ316)。)

D.「[0052] In addition to switching between personal and work environments utilizing work and personal icons as in FIG.2 or swiping motions as in FIG.4 or utilizing a unified home screen as in FIG. 5A, alternative embodiments may utilize other techniques to switch between personal and work environments. FIGS.6A and 6B illustrate another alternative user interface for such switching. In FIG.6A, personal mobile device 100 includes a notification bar 220 having a work icon 600 for switching the user to work mobile device 105. Similarly, FIG.6B illustrates a user interface for work mobile device 105 that includes notification bar 220 having a personal icon 605 for switching the user to personal mobile device 100. In both cases, by, for example, swiping down on notification bar 220 to expand it, a user can subsequently select work icon 600 or personal icon 605 to switch to the work environment or personal environment, respectively. In one embodiment, when UI proxy 155 is launched or woken up to provide hardware framebuffer 115 with the work desktop 215 (as further detailed in steps 306, 308, 322 and 324 of FIG.3A), UI proxy 155 may additionally transmit a notification request to host OS 120 requesting a display of personal icon 605 in notification bar 220, that when selected by the user, switches the user from the work environment to the personal environment in a manner similar to the steps of FIG.3B. Similarly, when a user selects personal icon 605 to switch to the personal environment, the termination of UI proxy 115 as described in steps 340 - 342 in FIG.3B may include an additional step to request host OS 120 to display work icon 600 in notification bar 220, that when selected by the user, switches the user back to the work environment in a manner similar to the steps of FIG.3A.」
(【0029】
図2にあるような仕事アイコン及び個人アイコン,図4にあるようなスワイプ動作,又は図5Aにあるような統合ホームスクリーンを利用して私的環境と仕事環境とを切り替えることに加え,代替的実施形態は私的環境と仕事環境とを切り替えるための他の技法を利用しても良い。図6A及び図6Bは,かかる切替えのための別の代替的ユーザインターフェイスを示す。図6Aでは,個人用携帯機器100が,ユーザを仕事用携帯機器105に切り替えるための仕事アイコン600を有する通知バー220を含む。同様に図6Bは,ユーザを個人用携帯機器100に切り替えるための個人アイコン605を有する,通知バー220を含む仕事用携帯機器105のユーザインターフェイスを示す。どちらの場合にも,例えば通知バー220上で下にスワイプして通知バー220を展開することにより,ユーザは仕事アイコン600又は個人アイコン605を選択して仕事環境又は私的環境のそれぞれに切り替えることができる。一実施形態では,(図3Aのステップ306,308,322,及び324で更に詳述するように)ハードウェアフレームバッファ115に仕事用デスクトップ215を提供するためにUIプロキシ155が起動されるか又はウェイクアップされると,UIプロキシ155は,通知バー220内に個人アイコン605を表示することを要求する通知要求をホストOS120に更に伝送することができ,この個人アイコン605は,ユーザによって選択されるとき,図3Bのステップと同様の方法でユーザを仕事環境から私的環境に切り替える。同様に,ユーザが個人アイコン605を選択して私的環境に切り替えるとき,図3Bのステップ340?342で説明したUIプロキシ155の終了が,通知バー220内に仕事アイコン600を表示することをホストOS120に要求する追加のステップを含むことができ,この仕事アイコン600は,ユーザによって選択されるとき,図3Aのステップと同様の方法でユーザを仕事環境に再び切り替える。)

E.「[0066] It should be recognized that the calendar application examples depicted in FIGS.13A-13C are merely exemplary and that calendar information is just one type of information that can be shared between the personal and work environments at varying levels of detail. For example, contact information is another type of information that can be similarly considered. A user operating in the personal environment may see the names and phone numbers of contacts maintained within work mobile device 105, but may be blocked from obtaining the contact's job title and e-mail address. As such, if a telephone call comes in through the user's personal line but from a work contact, there is sufficient information sharing between the two environments that the work contact can be identified as the originator of the call. Another example where some contact information sharing between the two environments may be useful is telephone calls originated by the user from the personal environment to a work contact or from the work environment to a personal contact. In such cases, there should be a transparent switch in environments so that a telephone call to a personal contact should use the personal wireless subscription plan and a telephone call to a work contact should use the work wireless subscription plan. Another example of an application that can benefit from levels of sharing between personal and work environments are multimedia applications such as a picture gallery application. For example, an employer may allow images from a work-related picture gallery to be accessed by a personal-related picture gallery at lower resolution. For example, if the user's work-related picture gallery includes confidential and detailed architectural designs, a low resolution version of designs that are accessible in the personal environment will not compromise the confidentiality of the designs since the low resolution version will not provide sufficient detail.」
(【0043】
図13A?図13Cに示したカレンダアプリケーションの例は単に例示的であり,カレンダ情報は私的環境と仕事環境との間で異なる詳細レベルで共有できる一種の情報に過ぎないことを理解すべきである。例えば,連絡先情報は,同様に考えることができる別の種類の情報である。私的環境内で操作しているユーザは,仕事用携帯機器105内に保持される連絡先の名前と電話番号は見ることができるが,連絡先の役職及び電子メールアドレスを得るのは妨げられる場合がある。そのため,着信がユーザの個人回線を介してだが,仕事の連絡先からある場合,発呼者として仕事の連絡先が識別できるという2つの環境間の十分な情報の共有がある。2つの環境間で幾らかの連絡先情報を共有することが有用であり得るもう1つの例は,私的環境から仕事の連絡先に又は仕事環境から私的連絡先にユーザによって発呼される通話である。そのような事例では,私的連絡先への通話が個人用無線加入プランを使用し,仕事の連絡先への通話が仕事用無線加入プランを使用するように,環境内にトランスペアレント・スイッチ(transparent switch)があるべきである。私的環境と仕事環境との間の一定の共有の利益を受けることができるアプリケーションのもう1つの例は,ピクチャギャラリー・アプリケーション(picture gallery application)などのマルチメディア・アプリケーションである。例えば雇用主は,仕事関連のピクチャギャラリーからの画像が,より低い解像度で私的なピクチャギャラリーによってアクセスされることを許可することができる。例えばユーザの仕事関連のピクチャギャラリーが機密の建築設計(architectural design)及び詳細な建築設計を含む場合,低解像度バージョンは十分な詳細を与えないので,私的環境内でアクセス可能な低解像度バージョンの設計によって設計の機密性が損なわれることはない。)

F.「[0071] It should be recognized that the flow of FIG.14 is merely exemplary of how data can be filtered and shared between the personal and work environments to provide user interface capabilities such as those depicted in FIGS.13A-13C. In particular, FIG.14 depicts a flow to share data between the personal and work environments when the file systems of host OS 120 and guest OS 170 are separated and cannot be accessed by the other operating system (e.g., work device image 160 which represents the virtual disk accessible by work mobile device 105 is an encrypted file stored on the file system of host OS 120, but can only be accessed by guest OS 170 and not host OS 120 due to such encryption). However, in alternative embodiments, where guest OS 170 and host OS 120 may share access to a common file system, the user interfaces depicted in FIGS.13A-13C may be implemented in a manner different from the flow of FIG.14.」
(【0048】
図14のフローは,図13A?図13Cに示すようなユーザインターフェイス機能を提供するために,どのようにデータをフィルタし,私的環境と仕事環境との間で共有できるのかについての例示に過ぎないことを理解すべきである。具体的には,図14は,ホストOS120のファイルシステムとゲストOS170のファイルシステムとが分かれており,他方のオペレーティングシステムによってアクセスできない(例えば仕事用携帯機器105によってアクセス可能な仮想ディスクを表す仕事用機器イメージ160はホストOS120のファイルシステム上に記憶された暗号化ファイルだが,かかる暗号化のためゲストOS170によってのみアクセス可能であり,ホストOS120はアクセスできない)場合の,私的環境と仕事環境との間でデータを共有するためのフローを示す。しかし,ゲストOS170及びホストOS120が共通のファイルシステムへのアクセスを共有できる代替的実施形態では,図14のフローとは異なる方法で図13A?図13Cに示したユーザインターフェイスを実装することができる。)

G.「



H.「



2.当審拒絶理由に引用された,本願の第1国出願前に既に公知である,国際公開第2013/061156号(国際公開日;2013年5月2日,以下,これを「引用文献2」という)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。

I.「Persona Switching

[0073] Switching between personas in the systems and methodologies described herein typically involves changing the state of a persona from background to foreground. This may be accomplished in a variety of ways. For example, switching may be accomplished through an appropriate finger gesture, as by tapping on the tab of a background persona. Switching may also be accomplished by using a hardware button or combination of buttons, such as double-clicking on the home button of the mobile technology platform.」
(本明細書で説明されるシステム及び方法論におけるペルソナの切り替えは,通常,ペルソナの状態をバックグランドからフォアグランドに変更することを伴う。これは,様々な方法で実現できる。たとえば,切り替えは,背景のペルソナのタブをタップするなどの,適当な指のジェスチャで実行できる。切り替えは,モバイル・テクノロジ・プラットフォームのホームボタンをダブルクリックするなど,ハードウェアボタンの組み合わせを使用して行うこともできる。<当審にて訳出>)

3.当審拒絶理由に引用された,本願の第1国出願前に既に公知である,特開2009-116889号公報(2009年5月28日公開,以下,これを「引用文献3」という)には,関連する図面と共に,次の事項が記載されている。

K.「【0058】
つまり,認証領域14は,CPRM技術のライセンスを受けたアプリケーションからのみアクセス可能であり,通常のアプリケーションからはアクセス不可能な隠し領域である。この認証領域14を第1の記憶領域という。」

第5.引用文献1に記載の発明
1.上記Aの「Personal mobile device 100 may be smartphone, a tablet computing device, and in general any computing device that is portable and configured for wireless connectivity with a network. Personal mobile device 100, conceptually, provides access to a completely separate work mobile device 105 that is generally isolated and operates separately from personal mobile device 100 (illustrated in dashed lines to indicate the work mobile device 105 is running as a software component inside personal mobile device 100)(個人用携帯機器100は,スマートフォン,タブレットコンピューティング装置,及び一般的に携帯可能であり,ネットワークと無線通信するように構成される任意のコンピューティング装置とすることができる。個人用携帯機器100は,個人用携帯機器100から全体的に分離され,別々に動作する完全に別の仕事用携帯機器105へのアクセスを概念的に提供する(仕事用携帯機器105が個人用携帯機器100内のソフトウェアコンポーネントとして実行されていることを示すために破線で示す))」という記載から,引用文献1には,
“仕事用携帯機器105が,ソフトウェアコンポーネントとして実行される個人用携帯機器100”が記載されていることが読み取れる。

2.上記Aの「The mobile device shown in FIG.1A is a personal mobile device 100 having a touch screen 101 and a plurality of keys 102(図1Aに示す携帯機器は,タッチスクリーン101及び複数のキー102を有する個人用携帯機器100である)」という記載と,上記Gに引用した【図1A】に開示の事項から,引用文献1においては,
“個人用携帯機器100は,複数のキー102”を有するものであることが読み取れる。

3.上記Bの「FIG.2 illustrates one embodiment of UI environments for personal mobile device 100 and work mobile device 105 and a mechanism for switching between the two. As depicted, a personal environment for personal mobile device 100 includes a personal desktop 210 that includes icons for a variety of installed applications accessible from personal mobile device 100(図2は,個人用携帯機器100及び仕事用携帯機器105のUI環境の一実施形態,及びそれらの間で切替えを行うためのメカニズムを示す。図示のように,個人用携帯機器100の私的環境は,個人用携帯機器100からアクセス可能な様々なインストール済みアプリケーション用のアイコンを含む個人用デスクトップ210を含む)」という記載,同じく,上記Bの「When the user touches work icon 200 in the personal environment, touch screen 101 switches to a work environment for work mobile device 105 and displays a work desktop 215(ユーザが私的環境内で仕事アイコン200に触れると,タッチスクリーン101が仕事用携帯機器105の仕事環境に切り替わり,仕事用デスクトップ215を表示する)」という記載,及び,上記Cの「The process begins at step 302 when host OS 120 (e.g., by way of a launcher application in one embodiment) receives user indication of a switch from personal mobile device 100 to work mobile device 105. The user indication, as noted above, may be a user selection of work icon 200 on personal desktop 210. In response to the user indication of the switch (e.g., selection of work icon 200), at step 304, host OS 120 requests UI proxy 155 to launch or wake up. For example, a launch action associated with work icon 200 causes host OS 120 to launch (or wake up) UI proxy 155 in a manner similar to launch actions for other icons displayed in personal desktop 210 for other applications 135(このプロセスは,ホストOS120が,(例えば一実施形態ではランチャアプリケーションにより)個人用携帯機器100から仕事用携帯機器105への切替えのユーザ指示を受け取るステップ302から始まる。上記のユーザ指示は,個人用デスクトップ210上の仕事アイコン200のユーザによる選択とすることができる。切替えについてのユーザ指示(例えば仕事アイコン200の選択)に応答し,ステップ304で,ホストOS120がUIプロキシ155に起動するか又はウェイクアップするように要求する。例えば,仕事アイコン200に関連する起動動作は,他のアプリケーション135用に個人用デスクトップ210内に表示される他のアイコンの動作を起動するのと似た方法で,ホストOS120にUIプロキシ155を起動(又はウェイクアップ)させる)」という記載から,引用文献1においては,
“操作することで,前記個人用携帯機器100から前記仕事用携帯機器105へ,あるいは,前記仕事用携帯機器105から前記個人用携帯機器100へ環境切替えを行うことができる”ものであることが読み取れる,

4.上記Aの「in one embodiment, work mobile device 105 operates as a virtual machine running within a virtualization platform that is itself running on top of the operating system of personal mobile device 100. As further detailed in FIG.1B, personal mobile device 100 comprises hardware 110 that includes a framebuffer 115 that stores display data and drives the user interface display on touch screen 101. Personal mobile device 100 also includes firmware that includes host operating system (OS) 120, and host applications 135 running on top of host OS 120. In one embodiment, host OS 120 is the Android^(TM) operating system provided by Google, Inc., and includes a composite window manager 125 (known in the Android operating system as SurfaceFlinger) that manages and controls access by host applications 135 to framebuffer 115 for display of user interfaces on touch screen 101(一実施形態では仕事用携帯機器105が,個人用携帯機器100のオペレーティングシステム上で実行される仮想化プラットフォーム内で実行される仮想マシンとして動作する。図1Bに更に詳細に示すように,個人用携帯機器100は,表示データを記憶しタッチスクリーン101上でユーザインターフェイス表示を駆動する,フレームバッファ115を含むハードウェア110を含む。個人用携帯機器100は,ホストオペレーティングシステム(OS)120,及びホストOS120上で実行されるホストアプリケーション135を含むファームウェアも含む。一実施形態では,ホストOS120がグーグル株式会社(Google,Inc.)によって提供されるアンドロイド(Android)(商標)オペレーティングシステムであり,タッチスクリーン101上にユーザインターフェイスを表示するための,ホストアプリケーション135によるフレームバッファ115へのアクセスを管理し制御する,(アンドロイド(Android)オペレーティングシステムではサーフェイスフリンガ(SurfaceFlinger)として知られる)複合ウィンドウマネージャ125を含む)」という記載,上記Dの「In addition to switching between personal and work environments utilizing work and personal icons as in FIG.2 or swiping motions as in FIG.4 or utilizing a unified home screen as in FIG. 5A, alternative embodiments may utilize other techniques to switch between personal and work environments. FIGS.6A and 6B illustrate another alternative user interface for such switching. In FIG.6A, personal mobile device 100 includes a notification bar 220 having a work icon 600 for switching the user to work mobile device 105. Similarly, FIG.6B illustrates a user interface for work mobile device 105 that includes notification bar 220 having a personal icon 605 for switching the user to personal mobile device 100(図2にあるような仕事アイコン及び個人アイコン,図4にあるようなスワイプ動作,又は図5Aにあるような統合ホームスクリーンを利用して私的環境と仕事環境とを切り替えることに加え,代替的実施形態は私的環境と仕事環境とを切り替えるための他の技法を利用しても良い。図6A及び図6Bは,かかる切替えのための別の代替的ユーザインターフェイスを示す。図6Aでは,個人用携帯機器100が,ユーザを仕事用携帯機器105に切り替えるための仕事アイコン600を有する通知バー220を含む。同様に図6Bは,ユーザを個人用携帯機器100に切り替えるための個人アイコン605を有する,通知バー220を含む仕事用携帯機器105のユーザインターフェイスを示す)」という記載,及び,上記Hに引用した【図2】に開示の事項から,引用文献1においては,
“操作するためのアイコンを含む個人用携帯機器100のUI環境である「私的環境」,及び,仕事用携帯機器105のUI環境である「仕事環境」とを表示する,タッチスクリーン101を具備する”ものであることが読み取れる。

5.上記Fの「 FIG.14 depicts a flow to share data between the personal and work environments when the file systems of host OS 120 and guest OS 170 are separated and cannot be accessed by the other operating system (e.g., work device image 160 which represents the virtual disk accessible by work mobile device 105 is an encrypted file stored on the file system of host OS 120, but can only be accessed by guest OS 170 and not host OS 120 due to such encryption)(図14は,ホストOS120のファイルシステムとゲストOS170のファイルシステムとが分かれており,他方のオペレーティングシステムによってアクセスできない(例えば仕事用携帯機器105によってアクセス可能な仮想ディスクを表す仕事用機器イメージ160はホストOS120のファイルシステム上に記憶された暗号化ファイルだが,かかる暗号化のためゲストOS170によってのみアクセス可能であり,ホストOS120はアクセスできない)場合の,私的環境と仕事環境との間でデータを共有するためのフローを示す)」という記載から,引用文献1に記載された技術の分野においては,必要に応じて,
“アクセスできないように構成する”ことが周知であることが,引用文献1から読み取れる。

6.以上,上記1.?5.において検討した事項から,引用文献1には,次の発明(以下,これを「引用発明」という)が記載されているものと認める。

「仕事用携帯機器105が,ソフトウェアコンポーネントとして実行される個人用携帯機器100であって,
前記個人用携帯機器100は,複数のキー102と,
操作することで,前記個人用携帯機器100から前記仕事用携帯機器105へ,あるいは,前記仕事用携帯機器105から前記個人用携帯機器100へ環境切替えを行うことができ,
操作するためのアイコンを含む個人用携帯機器100のUI環境である「私的環境」,及び,仕事用携帯機器105のUI環境である「仕事環境」とを表示する,タッチスクリーン101と,
を具備する個人用携帯機器100。」

第6.本願発明と引用発明との対比
1.引用発明における「個人用携帯機器100のUI環境である「私的環境」,及び,仕事用携帯機器105のUI環境である「仕事環境」」が,
本願発明における「複数の動作ステータス」に相当し,
引用発明における「個人用携帯機器100」は,上記「個人用携帯機器100のUI環境である「私的環境」,及び,仕事用携帯機器105のUI環境である「仕事環境」」を有するものであるから,
引用発明における「仕事用携帯機器105が,ソフトウェアコンポーネントとして実行される個人用携帯機器100」が,
本願発明における「複数の動作ステータスを有するモバイル通信装置(10)」に相当する。

2.引用発明における「個人用携帯機器100」が,「筐体」を有することは明らかであって,
引用発明が有する「筐体」が,
本願発明における「筐体(12)」に相当する。

3.引用発明において,「タッチスクリーン」は,「操作することで,前記個人用携帯機器100から前記仕事用携帯機器105へ,あるいは,前記仕事用携帯機器105から前記個人用携帯機器100へ環境切替えを行うことができ」るものであって,上記2.において言及した「個人用携帯機器100」の「筐体」に接続されていることは,明らかであり,
また,「前記仕事用携帯機器105から前記個人用携帯機器100へ環境切替えを行う」ことは,動作ステータスの変更を行うことに他ならないから,
本願発明における「筐体に接続された入力装置(17)であって,前記入力装置(17)を作動することにより,ユーザは前記動作ステータスの変更および検証のうち少なくとも1つを行うことができる,入力装置(17)」と,
“筐体に接続された入力手段であって,前記入力手段を作動することにより,ユーザは動作ステータスの変更を行うことができる,入力手段」である点で共通する。

4.引用発明において,「タッチスクリーン」は,「操作するためのアイコンを含む個人用携帯機器100のUI環境である「私的環境」,及び,仕事用携帯機器105のUI環境である「仕事環境」とを表示する」するものであって,
引用発明における「私的環境」を表示している状態の「タッチスクリーン」と,「仕事環境」を表示している状態の「タッチスクリーン」と,
本願発明における「モバイル通信装置(10)で実行されている前記第1のペルソナ(110)に関連付けられた第1の視覚的インジケータ(19)と前記モバイル通信装置(10)で実行されている前記第2のペルソナ(120)に関連付けられた第2の視覚的インジケータ(21)」とは,
“モバイル通信装置(10)で実行されている第1の状態に関連付けられた表示部と,前記モバイル通信装置(10)で実行されている第2の状態に関連付けられた第2の表示手段”である点で共通し,
引用発明において,「タッチスクリーン」は,上記3.において検討した,「入力手段を作動させること」の結果を表示するものであり,当該「結果」が,
本願発明における「フィードバック」に相当するものであって,
引用発明における「タッチスクリーン」の“入力機能”と,“表示機能”が通信していることは,明らかであるから,
引用発明における“入力手段を作動させた結果を表示するタッチスクリーン”と
本願発明における「入力装置(17)と通信して接続され,前記モバイル通信装置(10)の前記動作ステータスに基づいてフィードバックを前記ユーザに提供するように構成されたインジケータ(19,21)」とは,
“入力手段と通信して接続され,モバイル通信装置(10)の動作ステータスに基づいてフィードバックを提供するように構成された表示手段”である点で共通する。

5.以上,上記1.?上記4.において検討した事項から,本願発明と,引用発明との,一致点,及び,相違点は,次のとおりである。

[一致点]
複数の動作ステータスを有するモバイル通信装置(10)であって,
筐体(12)と,
前記筐体に接続された入力手段であって,前記入力手段を作動することにより,ユーザは動作ステータスの変更を行うことができる,入力手段と,
前記入力手段と通信して接続され,前記モバイル通信装置(10)の動作ステータスに基づいてフィードバックを提供するように構成された表示手段と,
を備え,
前記表示手段は,モバイル通信装置(10)で実行されている第1の状態に関連付けられた表示手段と,前記モバイル通信装置(10)で実行されている第2の状態に関連付けられた第2の表示手段とを備える,措置。

[相違点1]
“入力手段”,及び,“表示手段”について,
本願発明においては,「入力装置(17)」,及び,「インジケータ(19,20)」であるのに対して,
引用発明においては,「タッチスクリーン」である点。

[相違点2]
“状態”に関して,
本願発明においては,「ペルソナ」であるのに対して,
引用発明においては,「ペルソナ」という用語が用いられていない点。

[相違点3]
本願発明においては,「第1のペルソナが第2のペルソナと通信して接続されるように,前記モバイル通信装置で実行される前記第1のペルソナに含まれる第1の信頼された実行環境と前記モバイル通信装置で実行される前記第2のペルソナに含まれる第2の信頼された実行環境との間で相互信頼が確立され」ているのに対して,
引用発明においては,そのような構成についての言及がない点。

[相違点4]
本願発明においては,「入力装置(17)および前記インジケータ(19,21)は,前記入力装置および前記インジケータが前記モバイル通信装置(10)で実行されている信頼されていないコードからアクセス不能であるように,ハードウェアにおいて隔離されている」ものであるのに対して,
引用発明においては,そのような構成については,特に言及されていない点。

第7.相違点についての当審の判断
1.[相違点1]について
引用発明も,「タッチスクリーン101」のほか,入力用の「複数のキー102」を有しており,当該「複数のキー」が,通信として,「タッチスクリーン101」に接続されていることは明らかである。
そして,当該「複数のキー102」から入力された結果が,「タッチスクリーン101」に表示されることも,当業者には自明の事項である。
よって,[相違点1]は,格別のものではない。

2.[相違点2]について
引用文献2には,「ペルソナ」を切り替える点が記載されていて,上記Hに引用した,引用文献1の【図2】に開示されている事項を踏まえると,【図2】において,左側の個人用携帯機器100から,右側の仕事用携帯機器105へと環境切替えを行う場合,引用文献2における「バックグランド」の「ペルソナ」が,引用文献1における「仕事用携帯機器105」に相当し,「フォアグランド」の「ペルソナ」が「個人用携帯機器100」に相当する。
そして,引用発明も,引用文献2に記載の事項も,携帯端末機器の環境切替えに関する技術であるから,
引用発明において,引用文献2に記載の事項を参酌して,「ペルソナ」という用語を導入することは,当業者が適宜なし得る事項である。
よって,[相違点2]は,格別のものではない。

3.[相違点3]について
引用発明においても,「仕事環境」内でアクセス可能なデータを,「私的環境」内でアクセスする場合に,安全性を担保する点について言及されている(上記Eに記載の内容を参照)。また,上記Fには,「仕事環境」と,「私的環境」との間で「データを共有する」点について言及されている。上記Fには,「相互信頼」については言及されていないが,2つの環境間でセキュアな関係が必要な場合に“相互認証”,“暗号化”等を行って安全性を担保することは,セキュリティの技術分野にあっては周知の技術事項である。
よって,[相違点3]は,格別のものではない。

4.[相違点4]について
当該[相違点4]は,当審拒絶理由において,平成31年4月26日付けの手続補正により補正された請求項4について検討した事項と同じものである。
当該[相違点4]に係る本願発明の構成について,本願明細書の発明の詳細な説明においては,その段落【0044】に,
「モバイル通信装置10は(図1に示す)セキュリティ・ボタン17および/またはLED19および21のようなセキュリティ機能を備える。当該セキュリティ機能は,入力画面が真正であることの検証を容易にするために,モバイル通信装置10で実行されている信頼されていないコードからアクセス不能なハードウェアにおいて隔離されている。」
との記載があるが,「モバイル通信装置10で実行されている信頼されていないコードからアクセス不能なハードウェアにおいて隔離されている」ことを実現するための具体的構成については,特に言及されていない。
一方,引用発明においても,「隔絶」される態様は異なるものの,上記「第5.引用文献1に記載の発明」の4.において引用した,上記Fの記載にもあるように,必要に応じて,所定の構成に対してアクセスを制限することが,本願の第1国出願前に当業者には広く知られた手法であり,ハードウェア的に隔絶する点も,引用文献を提示するまでもなく,当業者には周知であることは,当審拒絶理由においても指摘したとおりである。
よって,[相違点4]は,格別のものではない。

5.以上,上記1.?上記4.において検討したとおり,[相違点1]?[相違点4]は格別のものではなく,そして,本願発明の構成によってもたらされる効果も,当業者であれば当然に予測可能なものに過ぎず格別なものとは認められない。
よって,本願発明は,引用発明と,引用文献2,及び,引用文献3に記載の技術事項に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

第8.むすび
したがって,本願発明は,本願の特許出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって,結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2020-11-04 
結審通知日 2020-11-09 
審決日 2020-11-27 
出願番号 特願2016-541961(P2016-541961)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 岸野 徹  
特許庁審判長 田中 秀人
特許庁審判官 小林 秀和
石井 茂和
発明の名称 モバイル通信装置およびその動作方法  
代理人 黒田 晋平  
代理人 村山 靖彦  
代理人 崔 允辰  
代理人 阿部 達彦  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ