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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1374196
審判番号 不服2020-2918  
総通号数 259 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-03-03 
確定日 2021-06-01 
事件の表示 特願2016-531343「導電性基板、積層導電性基板、導電性基板の製造方法、積層導電性基板の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 1月 7日国際公開、WO2016/002679、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2015年(平成27年)6月26日(優先権主張平成26年6月30日)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成28年12月27日 :特許協力条約第19条補正の写し提出書
平成30年 7月27日付け:拒絶理由通知書
平成30年10月 1日 :意見書の提出
平成31年 3月28日付け:拒絶理由通知書
令和 元年 6月 7日 :意見書の提出
令和 元年11月28日付け:拒絶査定
令和 2年 3月 3日 :拒絶査定不服審判請求書の提出
令和 3年 2月 9日付け:拒絶理由(当審拒絶理由)通知書
令和 3年 4月 19日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。

本願請求項1ないし7に係る発明は、以下の引用文献AないしDに記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

[引用文献等一覧]
A 特開2010-21480号公報
B 特開2013-129183号公報
C 特開2012-79238号公報
D 特開2012-198879号公報(周知技術を示す文献)

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

本願請求項1ないし7に係る発明は、以下の引用文献1及び2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

[引用文献等一覧]
1 特開2008-311565号公報(当審において新たに引用した文献)
2 特開2010-21480号公報(拒絶査定の引用文献A)

第4 本願発明
本願請求項1ないし7に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明7」という。)は、令和3年4月19日に提出された手続補正書に係る手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1ないし7は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
透明基材と、
前記透明基材の少なくとも一方の面上に形成された酸素を含有するNi-Cr合金層である密着層と
前記密着層上に形成された金属層と、
前記金属層上に湿式法により形成された、ニッケルと亜鉛とを含有する黒化層と、を有する導電性基板。
【請求項2】
前記黒化層に含まれるニッケル及び亜鉛のうち、ニッケルの占める割合が重量比で40wt%以上99wt%以下である請求項1に記載の導電性基板。
【請求項3】
前記密着層、前記金属層、及び前記黒化層がパターン化されている請求項1または2に記載の導電性基板。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の導電性基板を複数枚積層した積層導電性基板。
【請求項5】
透明基材の少なくとも一方の面上に酸素を含有するNi-Cr合金層密着層を形成する密着層形成工程と、
前記密着層上に金属層を形成する金属層形成工程と、
前記金属層上に湿式法により、ニッケルと亜鉛とを含有する黒化層を形成する黒化層形成工程と、を有する導電性基板の製造方法。
【請求項6】
前記密着層、前記金属層、及び前記黒化層をパターニングするパターニング工程を有する請求5に記載の導電性基板の製造方法。
【請求項7】
請求項5または6に記載の導電性基板の製造方法により得られた導電性基板を複数枚積層する積層工程を有する積層導電性基板の製造方法。」

第5 引用文献、引用発明等
1 引用文献1について
ア 引用文献1記載事項
当審拒絶理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。なお、下線は、強調のため当審が付与した。(以降においても同様。)

「【0001】
本発明は、PDP(プラズマディスプレイパネル)などのディスプレイ(画像表示装置)の前面に配置する複合フィルタに関し、さらに詳しくは、ディスプレイから発生する電磁波を遮蔽(シールド)する電磁波遮蔽機能と共に、近赤外線吸収機能、及び表面保護機能を有する、ディスプレイ用複合フィルタに関するものである。」

「【0014】
本発明に係る複合フィルタは、透明樹脂基材の一方の面に、少なくとも、複数の開口部とこれを囲繞し区画するライン部を有する導電性メッシュ層を備えた電磁波遮蔽シートの、一方の面に粘着剤層と、他方の面に反射防止機能、防眩機能、及び耐擦傷機能よりなる群から選択される1種以上の機能を有する表面保護層が形成され、
前記導電性メッシュ層は、導電体層と該導電体層の少なくとも透明樹脂基材側に設けられた黒化層とを含む積層構造を有し、該黒化層は、ニッケルと銅と酸素を含む合金からなる黒化層(Ni-Cu-O黒化層)であり、
前記粘着剤層は、一般式MxWyOz(但し、M元素は、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、Bi、Iのうちから選択される1種類以上の元素、Wはタングステン、Oは酸素、0.001≦x/y≦1.1、2.2≦z/y≦3.0)で表される複合タングステン酸化物微粒子を含有することを特徴とする。」

「【0036】
「電磁波遮蔽シートの層構成の変形例」
図4A乃至図4Cは、本発明に係る導電体層の層構成の他の例を模式的に示した断面図である。
図4Aには、透明樹脂基材11上に本発明に係る黒化層13、銅スパッタ層14、銅メッキ層15、本発明に係る第2黒化層80の順で積層されている導電性メッシュ層16Bが図示されている(以下、第2黒化層と称し、第2黒化層80については、後述する)。
図4Bには、透明樹脂基材11上に本発明に係る黒化層13、銅スパッタ層14、銅メッキ層15、公知の黒化層81の順で積層されている導電性メッシュ層16Cが図示されている(以下、公知の黒化層と称し、公知の黒化層81については後述する)。
図4Cには、透明樹脂基材11上に下地層(通常は、Ni-Cr合金層)18、銅スパッタ層14、銅メッキ層15、本発明に係る黒化層13の順で積層されている導電性メッシュ層16Dが図示されている。
本発明において、銅スパッタ層14を省略できる。また、図示は省略するが、透明樹脂基材上に、少なくともNi-Cr合金の下地層、銅スパッタ層、本発明に係る黒化層、銅メッキ層の各層がこの順で積層している導電体層であっても良い。さらに、前記各導電体層上には、防錆層などの他の層が形成されていても良い。」

「【0051】
(黒化層)
本発明において黒化層13としては、Ni-Cu-Oの3元素からなる化合物(以下、(Ni-Cu-O)化合物と称する)を用いる。電磁波遮蔽用シート10への外光を吸収させて、ディスプレイの画像の視認性を向上するために、図4Aや図4Bのように直接又は図4Cのように他の層を介して透明樹脂基材11上に黒化層13を形成する。黒化層13の形成方法は特に限定されないが、スパッタ法、真空蒸着法などの気相成膜によって好適に形成することができる。堆積速度が速く密着性にすぐれることから特にスパッタ法が好ましい。
スパッタ法では、Ni-Cu(ニッケル-銅合金)をターゲットとし、所望量の酸素ガスを供給しながら高電圧をかけてイオン化したアルゴンをぶつけて、ターゲットをイオン化して弾き飛ばして透明樹脂基材11上に堆積させて黒化層13を形成する。この黒化層13は、透明樹脂基材11及び後述する銅スパッタ層14、前述した銅メッキ層15との密着性に優れ下地層としての機能を有することから下地層を形成する工程を省略することもできる。本発明に係る黒化層13は黒色度が高いため、外光を吸収して外光反射(ぎらつき感)を抑えることができる。」

「【0064】
(電磁波遮蔽シートの製造方法)
図6は、本発明に係る電磁波遮蔽シート10の製造方法の一例を示したフローシートである。PETフィルムなどの透明樹脂基材11上に黒化層を形成する黒化層形成工程90を行い、その後スパッタ法により銅を堆積させる銅スパッタ層形成工程91を行う。その後に銅メッキ層形成工程92を行う。この銅メッキ層形成工程92の際に、銅結晶の結晶配向性を調節することにより、銅層の硬度と伸び率が上昇するために、銅層の薄膜化を図ることができる。さらに、PDPパネル光の乱反射、裏面反射を抑制して画像のコントラストをより向上させる目的で、銅メッキ層上に更に第2黒化層80を形成する第2黒化層形成工程95を行っても良いが、省略しても良い。また、銅スパッタ層形成工程91も省略できる。最後に、パターニング工程93で所望の形状の開口部を形成することで、電磁波遮蔽シート10が得られる。」

「【0085】
本発明において、銅メッキ層15の上面又は第2黒化層80の上面など、導電性メッシュ層16の最上面に公知の黒化層81を形成して、その公知の黒化層81を含めた導電性メッシュ層とすることもできる。
図4Bに示した公知の黒化層81の形成は、銅メッキ層15面を粗化するか、全可視光スペクトルに亘って光吸収性材料を付与する(黒化)か、或いは両者を併用するかの何れかにより行なうことが出来る。銅メッキ層15を粗化して公知の黒化層81を形成する場合には、銅を硫酸、硫酸銅及び硫酸コバルトなどからなる電解液中で、陰極電解処理を行って、カチオン性粒子を付着させるカソーディック電着が挙げられる。カチオン性粒子を設けることでより粗化し、同時に黒色が得られる。カチオン性粒子としては、銅粒子、銅と他の金属との合金粒子が適用できるが、好ましくは銅-コバルト合金の粒子である。該カチオン性粒子の粒径は、黒濃度の点から、平均粒径0.1μm?1μm程度が好ましい。その他、黒化層形成法として、ニッケル-亜鉛合金、硫化ニッケル、或いはこれらの複合体からなる黒化ニッケルメッキ、並びに酸化銅も好適に使用できる。」

「【0094】
スパッタ法や金属電解メッキ法に先立ち導電処理を行い、図4Cに示す下地層18を形成する下地層形成工程110を行う。
下地層18の形成方法としては、公知の導電性を持つ材料の薄膜を形成すればよい。導電性を持つ材料としては、例えば金、銀、白金、銅、アルミニウム、錫、鉄、ニッケル、クロムなどの金属、或いはこれらの金属の合金(例えば、ニッケル-クロム合金)から成る。また、酸化スズ、ITO、ATOなどの透明な金属酸化物でもよい。導電処理は単層あるいは多層(例えば、ニッケル-クロム合金と銅層との積層)であってもよく、これらの材料を公知の真空蒸着法、スパッタリング法、無電解メッキ法などの方法で形成し下地層とする。下地層の厚みは、メッキ時に必要な導電性が得られればよいので、0.001?1μm程度の極薄い層であることが好ましい。」

「【図4B】



「【図4C】



「【図6】



イ 引用発明
前記アより、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「 PDP(プラズマディスプレイパネル)などのディスプレイから発生する電磁波を遮蔽(シールド)する電磁波遮蔽機能と共に、近赤外線吸収機能、及び表面保護機能を有する、ディスプレイ用複合フィルタであって、
複合フィルタは、透明樹脂基材の一方の面に、少なくとも、複数の開口部とこれを囲繞し区画するライン部を有する導電性メッシュ層を備えた電磁波遮蔽シートの、一方の面に粘着剤層と、他方の面に反射防止機能、防眩機能、及び耐擦傷機能よりなる群から選択される1種以上の機能を有する表面保護層が形成され、
前記導電性メッシュ層(電磁波遮蔽シート)は、導電体層と該導電体層の少なくとも透明樹脂基材側に設けられた黒化層とを含む積層構造を有し、
図4Bには、透明樹脂基材11上に黒化層13、銅スパッタ層14、銅メッキ層15、公知の黒化層81の順で積層されている導電性メッシュ層16Cが図示され、
銅スパッタ層14を省略でき、
黒化層13としては、Ni-Cu-Oの3元素からなる化合物(以下、(Ni-Cu-O)化合物と称する)を用い、スパッタ法では、Ni-Cu(ニッケル-銅合金)をターゲットとし、所望量の酸素ガスを供給しながら高電圧をかけてイオン化したアルゴンをぶつけて、ターゲットをイオン化して弾き飛ばして透明樹脂基材11上に堆積させて黒化層13を形成し、黒化層13は、透明樹脂基材11及び後述する銅スパッタ層14、前述した銅メッキ層15との密着性に優れ下地層としての機能を有することから下地層を形成する工程を省略することもでき、
電磁波遮蔽シート10の製造方法は、PETフィルムなどの透明樹脂基材11上に黒化層を形成する黒化層形成工程90を行い、その後スパッタ法により銅を堆積させる銅スパッタ層形成工程91を行い、その後に銅メッキ層形成工程92を行い、銅メッキ層上に更に第2黒化層80を形成する第2黒化層形成工程95を行っても良いが、省略しても良く、また、銅スパッタ層形成工程91も省略でき、最後に、パターニング工程93で所望の形状の開口部を形成し、
図4Bに示した公知の黒化層81の形成は、銅メッキ層15面を粗化するか、全可視光スペクトルに亘って光吸収性材料を付与する(黒化)か、或いは両者を併用するかの何れかにより行なうことが出来、銅メッキ層15を粗化して公知の黒化層81を形成する場合には、銅を硫酸、硫酸銅及び硫酸コバルトなどからなる電解液中で、陰極電解処理を行って、カチオン性粒子を付着させるカソーディック電着が挙げられ、
カチオン性粒子としては、銅粒子、銅と他の金属との合金粒子が適用できるが、好ましくは銅-コバルト合金の粒子であり、その他、黒化層形成法として、ニッケル-亜鉛合金、硫化ニッケル、或いはこれらの複合体からなる黒化ニッケルメッキ、並びに酸化銅も好適に使用できる、
図4Cに示す下地層18の形成方法としては、公知の導電性を持つ材料の薄膜を形成すればよく、導電性を持つ材料としては、例えば金、銀、白金、銅、アルミニウム、錫、鉄、ニッケル、クロムなどの金属、或いはこれらの金属の合金(例えば、ニッケル-クロム合金)から成る
ディスプレイ用複合フィルタ。」

2 引用文献2について
当審拒絶理由及び原査定に引用された引用文献2(拒絶査定の引用文献A)には、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0001】
本発明は、白黒のコントラストが向上されることにより鮮明な画像が得られるディスプレイ用光学フィルタに関する。」

「【0037】
(黒化処理層)
電磁波シールド層において、透明基板と接する面以外の面上には、黒化処理層が形成される。
【0038】
黒化処理層は、電磁波シールド層表面を酸化処理又は硫化処理によって形成されるのが好ましい。特に酸化処理は、より優れた防眩効果を得ることができ、さらに廃液処理の簡易性及び環境安全性の点からも好ましい。
【0039】
前記黒化処理として酸化処理を行う場合には、黒化処理液として、一般には次亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、ペルオキソ二硫酸と水酸化ナトリウムの混合水溶液等を使用することが可能であり、特に経済性の点から、次亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、又は亜塩素酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液を使用することが好ましい。
【0040】
前記黒化処理として硫化処理を行う場合には、黒化処理液として、一般には硫化カリウム、硫化バリウム及び硫化アンモニウム等の水溶液を使用することが可能であり、好ましくは、硫化カリウム及び硫化アンモニウムであり、特に低温で使用可能である点から、硫化アンモニウムを使用することが好ましい。
【0041】
また、黒化処理層は、電磁波シールド層表面に黒色めっき処理によって形成されてもよい。黒色めっき金属としては、ニッケル及び亜鉛の合金、又はニッケル及びスズの合金などが好ましく挙げられる。これにより、黒色度合い及び導電性に優れる黒色合金層が得られ、防眩性の付与とともに電磁波シールド性を向上させることができる。ニッケルと亜鉛又はスズとの合金からなる黒化処理層におけるニッケルと亜鉛又はスズとの質量比(Ni/Zn)は、0.4?1.4、特に0.2?1.2とするのが好ましい。」

よって、引用文献2(引用文献A)には、次の事項が記載されていると認められる。

「 白黒のコントラストが向上されることにより鮮明な画像が得られるディスプレイ用光学フィルタであって、
電磁波シールド層において、透明基板と接する面以外の面上には、黒化処理層が形成され、
黒化処理層は、電磁波シールド層表面を酸化処理又は硫化処理によって形成されるのが好ましく、前記黒化処理として酸化処理又は硫化処理を行う場合には、黒化処理液を使用し、
また、黒化処理層は、電磁波シールド層表面に黒色めっき処理によって形成されてもよく、黒色めっき金属としては、ニッケル及び亜鉛の合金、又はニッケル及びスズの合金などが好ましく挙げられ、ニッケルと亜鉛又はスズとの合金からなる黒化処理層におけるニッケルと亜鉛又はスズとの質量比(Ni/Zn)は、0.4?1.4、特に0.2?1.2とするのが好ましいこと。」

3 引用文献Bについて
原査定に引用された引用文献Bには、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0009】
本発明は上記のような事情を鑑みてなされたものであり、配線部の金属光沢反射光によりタッチパネル下に配置されるディスプレイの視認性を低下することなく、メッシュ状としても2枚のフィルムの貼り合わせのズレが生じない透明導電性フィルムに適用することが可能な積層体を提供することを目的とする。」

「【0010】
上記課題を解決するため、本発明の積層体は以下の構成をとる。
(1) 少なくとも黒化層を2層、基材を1層有する積層体。
(2) 金属層を有することを特徴とする、前記(1)に記載の積層体。
(3) チタン、ニッケル、及びクロムからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含む密着層を有することを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の積層体。
(4) 黒化層(以下、黒化層A1という)、金属層(以下、金属層A1という)、基材、黒化層(以下、黒化層A2という)、金属層(以下、金属層A2という)を、この順に有することを特徴とする、前記(1)?(3)のいずれかに記載の積層体。
(5) 金属層A1と基材の間に、密着層を有し、さらに、基材と黒化層A2の間に密着層を有することを特徴とする、前記(4)に記載の積層体。
(6) 黒化層(以下、黒化層B1という)、金属層(以下、金属層B1という)、黒化層(以下、黒化層B2という)、基材を、この順に有することを特徴とする、前記(1)?(3)のいずれかに記載の積層体。
(7) 黒化層B2と基材の間に、密着層を有することを特徴とする、前記(6)に記載の積層体。
(8) 黒化層(以下、黒化層C1という)、金属層(以下、金属層C1という)、黒化層(以下、黒化層C2という)、基材、黒化層(以下、黒化層C3という)、金属層(以下、金属層C2という)、黒化層(以下、黒化層C4という)を、この順に有することを特徴とする、前記(1)?(3)のいずれかに記載の積層体。
(9) 黒化層C2と基材の間に、密着層を有し、さらに、基材と黒化層C3の間に、密着層を有することを特徴とする、前記(8)に記載の積層体。
(10) 全光線透過率が20%以上であることを特徴とする前記(1)?(9)のいずれかに記載の積層体。
(11) 黒化層及び金属層が、パターン状であることを特徴とする、前記(2)?(10)のいずれかに記載の積層体。
(12) 表面抵抗率が0.001Ω/sq.以上3,000Ω/sq.以下であることを特徴とする前記(1)?(11)のいずれかに記載の積層体。」

よって、引用文献Bには、次の事項が記載されているといえる。

「 配線部の金属光沢反射光によりタッチパネル下に配置されるディスプレイの視認性を低下することなく、メッシュ状としても2枚のフィルムの貼り合わせのズレが生じない透明導電性フィルムに適用することが可能な積層体であって、
積層体は、
チタン、ニッケル、及びクロムからなる群より選ばれる少なくとも1つの元素を含む密着層を有し、
黒化層A1、金属層A1、基材、黒化層A2、金属層A2を、この順に有し、金属層A1と基材の間に、密着層を有し、さらに、基材と黒化層A2の間に密着層を有すること。」

4 引用文献Cについて
原査定に引用された引用文献Cには、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0001】
本件は、反射色度に優れたセンサー電極アレイ、投影型静電容量方式のタッチパネルに用いて好適なセンサー電極アレイ、センサー電極アレイの使用方法、製造方法及び静電容量方式タッチパネルに関する。」

「【0009】
図1は、第一の本発明のタッチパネル10の断面図を示しており、図1(a)の上側のタッチ者側から、タッチ面を構成する透明材料層16、絶縁層を兼ねる粘着層19、第一のセンサー電極アレイ11、易接着層18、可撓性透明基板15、絶縁層を兼ねる粘着層19’、第二のセンサー電極アレイ12、易接着層18’、可撓性透明基板15’、粘着層19”、剥離フィルム17から構成される多層構成の静電容量方式タッチパネルを例示している。図1の下部の粘着層と剥離フィルムは、本発明のタッチパネルを画像表示装置などに付着させるための要件であり、なくともよい。図1(b)は、可撓性透明基板15の両面に易接着層、センサー電極アレイ、粘着層が対称的に積層されている点で図1(a)と異なる構成である。…(以下省略)」

「【0039】
図9は、本発明のタッチパネルの態様である図1(a)及び図1(b)、図2(c)及び図2(d)の第一と第二のセンサー電極アレイ11と12のタッチ者側表面に黒化層20及び20’を設けた図である。図9(b)の第二センサー電極アレイの黒化層は、易接着層と電極アレイの間に設けられている。…(以下省略)」

「【0050】
〔黒化層に用いる材料と層の形成方法〕
本発明の黒化層を構成する主成分はニッケル、クロム、亜鉛、錫、及び銅の中から選択される元素を含む少なくとも1種の化合物であれば良く、導電性であっても非導電性であっても良い。本発明の方法に加えて、染色法等の方法を組み合わせて使用してもよい。
本発明における黒化層の好適な積層方法の例としては、メッキ処理とケミカルエッチング法が挙げられる。
メッキ処理としては公知の黒色メッキと呼ばれるものであれば特に制限はなく、黒色ニッケルメッキ、黒色クロムメッキ、黒色Sn-Ni合金メッキ、Sn-Ni-Cu合金メッキ、黒色亜鉛クロメート処理等が例として挙げられる。具体的には、日本化学産業(株)製の黒色メッキ浴(商品名、ニッカブラック、Sn-ni合金系)、(株)金属化学工業製の黒色メッキ浴(商品名、エボニ-クロム85シリ-ズ、Cr系)、ディップソール(株)性クロメート剤(商品名、ZB-541、亜鉛メッキ黒色クロメート剤)を使用することができる。メッキ法としては無電解メッキ、電解メッキのどちらの方法でも良く、緩やかな条件であっても高速メッキであっても良い。メッキ厚みは黒色として認知できれば厚みは限定されないが、通常のメッキ厚みは5μm以下が好適である。」

よって、引用文献Cには、次の事項が記載されているといえる。

「 反射色度に優れたセンサー電極アレイ、投影型静電容量方式のタッチパネルにおいて、
上側のタッチ者側から、タッチ面を構成する透明材料層16、絶縁層を兼ねる粘着層19、第一のセンサー電極アレイ11、易接着層18、可撓性透明基板15、絶縁層を兼ねる粘着層19’、第二のセンサー電極アレイ12、易接着層18’、可撓性透明基板15’、粘着層19”、剥離フィルム17から構成され、
第一と第二のセンサー電極アレイ11と12のタッチ者側表面に黒化層20及び20’を設け、
黒化層を構成する主成分はニッケル、クロム、亜鉛、錫、及び銅の中から選択される元素を含む少なくとも1種の化合物であれば良く、
黒化層の好適な積層方法の例としては、メッキ処理とケミカルエッチング法が挙げられること。」

4 引用文献Dについて
原査定に引用された引用文献Dには、図面とともに次の事項が記載されている。

「【0001】
本発明は、タッチパネル(タッチスクリーン)に関する。特に、細線パターンによる電極の列が形成されたマルチタッチ可能な抵抗膜方式のタッチパネルに関する。」

「【0048】
〔本発明の電極の形成方法〕
次に本発明の上部電極群及び下部電極群の形成方法について説明する。
はじめに電極を形成する材料として、金属箔、あるいは薄膜としての利用(上記A))の場合の形成方法を図9を参照しながら説明する。図9の(a)はタッチ面を兼ねる上部透明基板11であり、たとえば約100μmのPETフィルムである。このフィルムの表面を清浄化し、次いでこのフィルムの表面に、金属あるいは合金の薄層21を設ける(図9の(b))。金属あるいは合金の薄層21を設ける前に、前述の易接着層を設けることが好ましいが、本図面では省略した。
金属あるいは合金の薄層を設ける方法には真空製膜法と化学的製膜法とがあるが、膜が薄い場合は蒸着法などの真空製膜法が用いられる。スパッタ法やイオンプレーティング法は蒸着法よりも導電性のよい膜が得られやすく好ましい方法である。膜厚が500nmを超える場合には電解メッキ法や無電解メッキ法を用いることができ、低コストで製膜でき好ましい。
【0049】
金属は上記に記載した材料を用いることができるが、銀、銅、アルミニウムあるいはこれらの合金が好ましく用いられる。薄層の形成方法にはスパッタ法などが用いられるが、他の方法であってもよい。形成した金属の薄層の厚みは、薄いほど剥離しにくいので好ましいが、薄いと抵抗が高くなりタッチパネルとしての応答性が悪くなるため、0.1μm以上3μm以下が好ましく、0.2μm以上2μm以下がより好ましい。剥離を防止するためには、「線幅/厚み」の比率を2.5以上とすることが好ましく、4以上とすることが更に好ましい。
次に上記で形成した金属薄膜上にフォトレジスト膜を形成しフォトマスク(図4a、図6などからマスクを起こしたもの)を用いて露光し、現像液で現像することにより硬化したレジスト膜のパターンを形成する。これをエッチング液によりエッチングして電極細線以外の部分を除去し、残った電極際線上の硬化したレジスト膜を剥離除去することにより金属細線からなる電極パターンを形成する(図9の(c))。図9の(c)の51が形成された電極の導電性細線51を表している。
次に上記で形成されたセンサー電極に必要に応じて黒化層45を設ける(図9の(d))。黒化層(被覆層)の厚みは、5μm以下が好ましく、3μm以下がより好ましく、0.2μm以上2μm以下が特に好ましい。次にこの黒化層(被覆層)の電極細線を被覆していない視認部上の黒化層をフォトリソグラフィー法により除去することにより、視認性、耐久性に優れたパターンの電極パターンを形成することができる(図9の(e))。」

よって、引用文献Dには、次の事項が記載されているといえる。

「細線パターンによる電極の列が形成されたマルチタッチ可能な抵抗膜方式のタッチパネルにおいて、
電極の形成方法は、
上部透明基板11の表面に、金属あるいは合金の薄層21を設け、金属あるいは合金の薄層21を設ける前に、易接着層を設けることが好ましく、
次に、金属薄膜上にフォトレジスト膜を形成しフォトマスクを用いて露光し、現像液で現像することにより硬化したレジスト膜のパターンを形成し、これをエッチング液によりエッチングして電極細線以外の部分を除去し、残った電極細線上の硬化したレジスト膜を剥離除去することにより金属細線からなる電極パターンを形成すること。」

第6 当審拒絶理由についての判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。

(ア)引用発明の「透明樹脂基材11」は、「本願発明1」の「透明基材」に相当する。

(イ)本願発明1の「密着層」に関して、本願明細書は次の記載がある。
「【0047】
上述のように金属層は透明基材上に形成することができるが、透明基材上に金属層を直接形成した場合に、透明基材と金属層との密着性は十分ではない場合がある。このため、透明基材の上面に直接金属層を形成した場合、製造過程、または、使用時に透明基材から金属層が剥離する場合がある。
【0048】
そこで、本実施形態の導電性基板においては、透明基材と金属層との密着性を高めるため、透明基材上に密着層を配置することができる。
【0049】
透明基材と金属層との間に密着層を配置することにより、透明基材と金属層との密着性を高め、透明基材から金属層が剥離することを抑制できる。」

以上の記載からすると、本願発明1の「密着層」は、「透明基材」と、その上に積層される「金属層」との間の密着性を高めるための層といえる。

一方、引用発明は、
「 前記導電性メッシュ層(電磁波遮蔽シート)は、導電体層と該導電体層の少なくとも透明樹脂基材側に設けられた黒化層とを含む積層構造を有し、
図4Bには、透明樹脂基材11上に黒化層13、銅スパッタ層14、銅メッキ層15、公知の黒化層81の順で積層されている導電性メッシュ層16Cが図示され、
銅スパッタ層14を省略でき」及び
「黒化層13は、透明樹脂基材11及び後述する銅スパッタ層14、前述した銅メッキ層15との密着性に優れ下地層としての機能を有することから下地層を形成する工程を省略することもでき」
との構成を備えることから、引用発明の「ディスプレイ用複合フィルタ」に用いられる「導電性メッシュ層(電磁波遮蔽シート)」は、「銅スパッタ層14」を省略した場合、「透明樹脂基材11」、「黒化層13」、「銅メッキ層15」、「公知の黒化層81」の順に積層された積層構造を有し、「黒化層13」は、透明樹脂基材11及び銅メッキ層15との密着性に優れ下地層としての機能を有するものであるから、「透明樹脂基材11」と「銅メッキ層15」との間の密着性を高める機能を備えた「密着層」といい得るものである。
また、引用発明の「黒化層13」は、「透明樹脂基材11」の一面上に形成されたものである。
また、引用発明の「黒化層13」は、「Ni-Cu-Oの3元素からなる化合物(以下、(Ni-Cu-O)化合物と称する)」であって、「スパッタ法では、Ni-Cu(ニッケル-銅合金)をターゲットとし、所望量の酸素ガスを供給しながら高電圧をかけてイオン化したアルゴンをぶつけて、ターゲットをイオン化して弾き飛ばして透明樹脂基材11上に堆積させて」形成される合金層であるから、本願発明1の「酸素を含有するNi-Cr合金層」とは、「酸素を含有する合金層」である点において共通する。
以上から、引用発明の「黒化層13」と、本願発明1の「前記透明基材の少なくとも一方の面上に形成された酸素を含有するNi-Cr合金層」である密着層」とは、「前記透明基材の少なくとも一方の面上に形成された酸素を含有する合金層」である点において共通する。

(ウ)前記(イ)を参酌すると、引用発明は、「ディスプレイ用複合フィルタ」に用いられる「導電性メッシュ層(電磁波遮蔽シート)」は、「銅スパッタ層14」を省略した場合、「黒化層13」上に形成された「銅メッキ層15」を備えるものである。
また、引用発明の「銅メッキ層15」は、「金属層」といい得るものである。
よって、引用発明は、本願発明1の「前記密着層上に形成された金属層」を備える。

(エ)引用発明において、「公知の黒化層81」として「銅-コバルト合金」を用いる場合には、「電解液中で、陰極電解処理」を行う「カソーディック電着」すなわち「湿式法」により形成するものであるが、当該「黒化層81」として「ニッケル-亜鉛合金」からなる「黒化ニッケルメッキ」を用いる場合の「黒化層形成法」としては、前記した「カソーディック電着」その他の「湿式法」を含むことを具体的に特定するものではない。
よって、前記(イ)を参酌すると、引用発明の「公知の黒化層81」は、「銅メッキ層15」(金属層)上に形成された「ニッケルと亜鉛を含有する黒化層」である場合を含むものの、その形成方法が「湿式法」であることまでは特定するものではない。
以上から、引用発明の「公知の黒化層81」と本願発明1の「前記金属層上に湿式法により形成された、ニッケルと亜鉛とを含有する黒化層」とは、「前記金属層上に形成された、ニッケルと亜鉛とを含有する黒化層」である点において共通する。

(オ)引用発明の「ディスプレイ用複合フィルタ」又はその「導電性メッシュ層(電磁波遮蔽シート)」は、「導電性基板」といい得るものである。
よって、前記(ア)ないし(エ)を参酌すると、引用発明の「ディスプレイ用複合フィルタ」又はその「導電性メッシュ層(電磁波遮蔽シート)」と本願発明1の「導電性基板」とは「透明基材」と、「密着層」と、「金属層」と、「黒化層」とを含有する「導電性基板」である点において共通する。

(2)一致点・相違点
以上から、本願発明1と引用発明とは、以下の点において一致ないし相違する。

[一致点]
「 透明基材と、
前記透明基材の少なくとも一方の面上に形成された酸素を含有する合金層である密着層と
前記密着層上に形成された金属層と、
前記金属層上に形成された、ニッケルと亜鉛とを含有する黒化層と、を含有する導電性基板。」

[相違点]
<相違点1>
「密着層」の「酸素を含有する合金層」が、本願発明1は、「酸素を含有するNi-Cr合金層」であるのに対し、引用発明の「黒化層13」の組成は、「Ni-Cu-O化合物(合金)」である点。

<相違点2>
「黒化層」は、本願発明1は、「湿式法により形成された」ものであるのに対し、引用発明の「公知の黒化層81」は、「ニッケル-亜鉛合金」からなる「黒化ニッケルメッキ」を形成する「その他、黒化層形成法」が「湿式法」であることを具体的に特定していない点。

(3)相違点についての判断
相違点1について検討すると、相違点1に係る本願発明1の「酸素を含有するNi-Cr合金層である密着層」という構成は、上記引用文献1及び2には記載されておらず、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
なお、引用文献1には、密着性の機能を備える「下地層18」を「透明樹脂基材11」と「銅メッキ層15」の間に設けてなる構成(【0036】、【図4C】)が記載されている。当該構成において、「下地層18」は、「金、銀、白金、銅、アルミニウム、錫、鉄、ニッケル、クロムなどの金属、或いはこれらの金属の合金(例えば、ニッケル-クロム合金)」で構成されるものであるが、「酸素」を含有することは記載されていないし、そのことが、本願優先日前において周知技術であるともいえない。
したがって、仮に、「黒化層13」に替えて、当該「黒化層13」と同様に密着性の機能を備える「下地層18」を採用したとしても、相違点1に係る本願発明1の「酸素を含有するNi-Cr合金層である密着層」という構成には至らない。
したがって、相違点2について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用文献1及び2に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2ないし4について
本願発明2ないし4も、本願発明1の「酸素を含有するNi-Cr合金層である密着層」と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用文献1及び2に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

3 本願発明5について
本願発明5は、本願発明1を製造方法として特定したものであって、本願発明1の「酸素を含有するNi-Cr合金層である密着層」を形成する工程を備えるものである。
よって、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用文献1及び2に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

4 本願発明6及び7について
本願発明6及び7も、本願発明5の「酸素を含有するNi-Cr合金層である密着層」を形成する工程と同一の構成を備えるものであるから、本願発明5と同じ理由により、当業者であっても、引用文献1及び2に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

第7 原査定についての判断
令和3年4月19日に提出された手続補正書に係る手続補正により、補正後の請求項1ないし4は、「酸素を含有するNi-Cr合金層である密着層」という技術的事項を有し、また、補正後の請求項5ないし7は「酸素を含有するNi-Cr合金層である密着層」を形成する工程という技術的事項を有するものとなった。これらの構成は、原査定における引用文献AないしD(当審拒絶理由における引用文献2を含む。)には記載されておらず(引用文献B及びCには、「密着層」又は「黒化層」が、ニッケルとクロムを含むことについて示唆があるが、さらに酸素を含むことは記載も示唆もなく、本願優先日前における周知技術を参酌しても自明とはいえない。)、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明1ないし7は、当業者であっても、原査定における引用文献AないしDに基いて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第8 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-05-11 
出願番号 特願2016-531343(P2016-531343)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 原 秀人  
特許庁審判長 稲葉 和生
特許庁審判官 林 毅
小田 浩
発明の名称 導電性基板、積層導電性基板、導電性基板の製造方法、積層導電性基板の製造方法  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 伊東 忠重  
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