• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G03B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G03B
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G03B
管理番号 1374692
審判番号 不服2020-7137  
総通号数 259 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-05-26 
確定日 2021-06-10 
事件の表示 特願2018-168859「写真シール作成装置」拒絶査定不服審判事件〔平成30年12月13日出願公開、特開2018-197883〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成26年11月27日(優先権主張平成26年4月25日)に出願した特願2014-92140号の一部を平成30年9月10日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成30年 9月10日 :上申書
令和 元年 7月24日付け :拒絶理由通知(同年7月30日発送)
令和 元年 9月26日 :意見書
令和 2年 2月18日付け :拒絶査定(同年2月27日送達)
令和 2年 5月26日 :本件審判請求・手続補正書

第2 令和2年5月26日付け手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和2年5月26日付け手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1?7の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。

「【請求項1】
チルト角が調整可能なカメラと、
前記カメラに取り込まれた被写体としての利用者の動画像であるライブビュー画像とともに、前記ライブビュー画像に映る前記利用者が操作することで前記カメラのチルト角を所定角度ずつ調整するためのGUIを表示するモニタと
を備え、
前記モニタは、前記GUIの1つとして、前記カメラの現在のチルト角を表すためのインジケータを表示する
写真シール作成装置。
【請求項2】
前記インジケータには、前記所定角度ずつの目盛りが振られている
請求項1に記載の写真シール作成装置。
【請求項3】
前記インジケータには、さらに、あらかじめ設定された角度を示す表示がなされる
請求項2に記載の写真シール作成装置。
【請求項4】
前記あらかじめ設定された角度は、初期状態の前記カメラのチルト角である
請求項3に記載の写真シール作成装置。
【請求項5】
前記あらかじめ設定された角度は、前記利用者の顔を含む上半身を撮影する際に推奨されるチルト角である
請求項3に記載の写真シール作成装置。
【請求項6】
前記インジケータには、前記利用者の顔を含む上半身を撮影する際に推奨されるチルト角として、所定の角度範囲を示す表示がなされる
請求項5に記載の写真シール作成装置。
【請求項7】
前記モニタには、前記GUIとして、上下方向に延在する直線状の前記インジケータに加え、前記カメラのチルト角を上に向ける際に操作されるボタンと、前記カメラのチルト角を下に向ける際に操作されるボタンとが表示される
請求項1乃至6のいずれかに記載の写真シール作成装置。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲
出願当初の特許請求の範囲の請求項1?7の記載は、次のとおりである。

「【請求項1】
チルト角が調整可能なカメラと、
前記カメラに取り込まれた被写体としての利用者の動画像であるライブビュー画像とともに、前記カメラのチルト角を所定角度ずつ調整するためのGUIを表示するモニタと
を備え、
前記モニタは、前記GUIの1つとして、前記カメラの現在のチルト角を表すためのインジケータを表示する
写真シール作成装置。
【請求項2】
前記インジケータには、前記所定角度ずつの目盛りが振られている
請求項1に記載の写真シール作成装置。
【請求項3】
前記インジケータには、さらに、あらかじめ設定された角度を示す表示がなされる
請求項2に記載の写真シール作成装置。
【請求項4】
前記あらかじめ設定された角度は、初期状態の前記カメラのチルト角である
請求項3に記載の写真シール作成装置。
【請求項5】
前記あらかじめ設定された角度は、前記利用者の顔を含む上半身を撮影する際に推奨されるチルト角である
請求項3に記載の写真シール作成装置。
【請求項6】
前記インジケータには、前記利用者の顔を含む上半身を撮影する際に推奨されるチルト角として、所定の角度範囲を示す表示がなされる
請求項5に記載の写真シール作成装置。
【請求項7】
前記モニタには、前記GUIとして、上下方向に延在する直線状の前記インジケータに加え、前記カメラのチルト角を上に向ける際に操作されるボタンと、前記カメラのチルト角を下に向ける際に操作されるボタンとが表示される
請求項1乃至6のいずれかに記載の写真シール作成装置。」

2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である、「チルト角を所定角度ずつ調整する」ことについて「ライブビュー画像に映る前記利用者が操作することで」と限定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とする補正を含むものである。
そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明1」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定する要件を満たすか)について検討する。

(1)本件補正発明1について
本件補正発明1は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献について
ア 引用文献1
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1である、特開2004-93923号公報(平成16年3月25日公開)には、図面とともに、次の記載がある。
a 「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被写体を撮影するとともに、該撮影により取得された画像に基づき、所望の場合には該画像に編集処理を施した上で、シール紙などのプリント紙にプリント出力する写真プリントシステムおよび該システムに用いられるプリント紙ユニットに関するものである。」

b 「【0047】
撮影装置15は、主に利用者を被写体として写真撮影を行う装置であり、図3に示されるように、上下方向に移動可能であり、かつ上下方向に傾斜可能であるように本体装置11の背面中央部に配備される。これにより、被写体を様々なアングルから撮影することができる。また、筐体12の内部において撮影装置15の後方の空間が撮影を行う撮影空間となる。
【0048】
なお、撮影装置15の移動や傾斜は、利用者が手動で行ってもよいし、本体装置11にモータなどの駆動装置を設けて本体装置11が自動的に行うようにしてもよい。」

c 「【0076】
まず、撮影前の処理を行う(S12)。すなわち、撮影枚数の選択、撮影時間の選択、全身撮影またはクローズアップ撮影の選択や、撮影アングルの調整が行なわれる。また、被写体の背景に背景カーテンなどの背景装置が配備されている場合には、背景装置の選択や調整が行われる。なお、この撮影前の処理において、プリント紙44上での分割数または分割パターンの選択を行うようにすることもできる。利用者13は、タッチパネル16に表示される選択ボタン、調整ボタン、撮影装置15からのライブビュー画像などを利用して、前記の選択や調整を行う。
【0077】
前記ステップS12は、タッチパネル16に表示される撮影開始ボタンを利用者13が押すまで繰り返される(S13)。前記の選択や調整が終了し、利用者13がタッチパネル16に表示されるライブビュー画像を見ながら、所望のポーズをとり、所望のタイミングで撮影開始ボタンを押すと、筐体12内の通常の照明が消灯される(S14)。」

d 図3は以下のとおりである。


(イ)上記記載及び図面から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。なお、括弧内は認定の根拠箇所である(以下同様)。

引用発明
「被写体を撮影するとともに、該撮影により取得された画像に基づき、所望の場合には該画像に編集処理を施した上で、シール紙などのプリント紙にプリント出力するプリント紙ユニットであって(【0001】)、
撮影装置15は、主に利用者を被写体として写真撮影を行う装置であり、上下方向に移動可能であり、かつ上下方向に傾斜可能であるように本体装置11の背面中央部に配備され、被写体を様々なアングルから撮影することができ(【0047】)、
撮影装置15の移動や傾斜は、本体装置11にモータなどの駆動装置を設けて本体装置11が自動的に行うようにしてもよく(【0048】)、
撮影前の処理を行う(S12)に際して、撮影枚数の選択、撮影時間の選択、全身撮影またはクローズアップ撮影の選択や、撮影アングルの調整が行なわれ、利用者13は、タッチパネル16に表示される選択ボタン、調整ボタン、撮影装置15からのライブビュー画像などを利用して、前記の選択や調整を行う(【0076】)、
プリント紙ユニット。」

イ 引用文献2
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された引用文献2である、特開平10-200807号公報(平成10年7月31日公開)には、図面とともに、次の記載がある。
a 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカメラで撮影した映像をパソコンモニタ等のディスプレイ上に表示し、その映像により通信、対話、監視などを行い、表示されている映像を見ている側からパン、チルト、ズームなどのカメラ制御を行うシステムにおいて利用される。たとえばTV会議システムの自側、または、相手側カメラ制御の操作方法、制御方法に関する。また、遠隔にあるカメラの映像により監視を行う監視システムのカメラ制御の操作方法、制御方法に関する。」

b 「【0019】図3は本発明の特徴であるビデオウィンドウ21の詳細を示している。ウィンドウ21の内部には現在通信している相手の人物Aの映像32が表示されている。また、本ウィンドウは相手側、または、自分側のカメラおよび、カメラ雲台1,2,1a,2aを制御するための垂直スクロールバー(24,25,26,27よりなる)および、水平スクロールバー(28,29,30,31よりなる)を持つ。24,25は上下方向微少カメラ移動ボタンで、ここをマウスカーソル22でクリックすることにより、自側、または、相手側のカメラを微少量だけ上下に移動することができる。
【0020】27は上下方向カメラ移動部で、ここをマウスカーソル22でクリックすることによっても、カメラを移動することができる。ただし、27をクリックした場合は24、25をクリックした場合よりカメラ移動は大きい。26は上下方向スクロールボックスで、ここをマウスカーソル22でドラッグ移動することにより、カメラ移動することができる。この場合、カメラ移動量はドラッグ移動量に比例して移動する。また、スクロールボックス26は、パン、チルト、ズームなどを調整して見ることができる映像の全範囲の中で、現在表示している映像がどの範囲であるかを示している。水平スクロールバー(28,29,30,31)についてもカメラ移動方向が水平方向となるだけで、その他の機能は垂直スクロールバー(24,25,26,27)と同様である。」

c 図3は以下のとおりである。


d 上記bにおいて「【0019】・・・本ウィンドウは相手側、または、自分側のカメラおよび、カメラ雲台1,2,1a,2aを制御するための垂直スクロールバー(24,25,26,27よりなる)・・・を持ち、24,25は上下方向微少カメラ移動ボタンで、ここをマウスカーソル22でクリックすることにより、自側、または、相手側のカメラを微少量だけ上下に移動することができる」ので、マウスカーソルでクリックするごとに所定角度ずつカメラが移動することは明らかであるから、垂直スクロールバーはカメラのチルト角を所定角度ずつ調整するためのGUIであるといえる。

e 上記bにおいて「【0020】・・・スクロールボックス26は、パン、チルト、ズームなどを調整して見ることができる映像の全範囲の中で、現在表示している映像がどの範囲であるかを示している」から、垂直スクロールバーのスクロールボックスは、カメラの現在のチルト角がどの程度であるか表すためのインジケータである。

(イ)上記記載及び図面から、引用文献2には、次の技術事項が記載されていると認められる。

「カメラで撮影した映像をパソコンモニタ等のディスプレイ上に表示し、表示されている映像を見ている側からチルトなどのカメラ制御を行うに際し(【0001】)、
ビデオウィンドウ21は相手側、または、自分側のカメラおよび、カメラ雲台1,2,1a,2aを制御するための垂直スクロールバー(24,25,26,27よりなる)を持ち(【0019】)、
垂直スクロールバーはカメラのチルト角を所定角度ずつ調整するためのGUIであり(d)、
垂直スクロールバーのスクロールボックスは、カメラの現在のチルト角がどの程度であるのか表すためのインジケータであること(e)。」

(3)対比
本件補正発明1と引用発明を対比する。
ア 引用発明の「撮影装置15」は、「主に利用者を被写体として写真撮影を行う装置であり、上下方向に移動可能であり、かつ上下方向に傾斜可能である」から、本件補正発明1の「チルト角が調整可能なカメラ」に相当する。

イ 引用発明において、「主に利用者を被写体として写真撮影を行う装置」であること、及び「撮影装置15の移動や傾斜は、本体装置11にモータなどの駆動装置を設けて本体装置11が自動的に行うようにしてもよく」、「撮影前の処理を行う(S12)に際して、・・・撮影アングルの調整が行なわれ、利用者13は、タッチパネル16に表示される選択ボタン、調整ボタン、撮影装置15からのライブビュー画像などを利用して、前記の選択や調整を行う」ものであるから、利用者が被写体となり、自らのライブビュー画像を利用して、タッチパネルに表示される調整ボタンを操作することによりチルト角などの撮影アングルの調整が行われていることは明らかである。
したがって、引用発明の「ライブビュー画像」、「タッチパネル」、「調整ボタン」は、それぞれ本件補正発明1の「ライブビュー画像」、「モニタ」、「GUI」に相当すると共に、引用発明は、本件補正発明1の「前記カメラに取り込まれた被写体としての利用者の動画像であるライブビュー画像とともに、前記ライブビュー画像に映る前記利用者が操作することで前記カメラのチルト角を所定角度ずつ調整するためのGUIを表示するモニタ」との構成を有する。

ウ 引用発明の「プリント紙ユニット」は「被写体を撮影するとともに、該撮影により取得された画像に基づき、所望の場合には該画像に編集処理を施した上で、シール紙などのプリント紙にプリント出力する」ものであるから、本件補正発明1の「写真シール作成装置」に相当する。

エ 上記ア?ウから、本件補正発明1と引用発明は、 以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違する。

<一致点>
「チルト角が調整可能なカメラと、
前記カメラに取り込まれた被写体としての利用者の動画像であるライブビュー画像とともに、前記ライブビュー画像に映る前記利用者が操作することで前記カメラのチルト角を調整するためのGUIを表示するモニタと
を備える、
写真シール作成装置。」

<相違点>
モニタに表示されるGUIについて、本件補正発明が、チルト角を「所定角度ずつ」調整するためのものであるとともに「GUIの1つとして、前記カメラの現在のチルト角を表すためのインジケータを」有するのに対し、引用発明はそのような特定がなされていない点。

(4)判断
ア 相違点について
引用文献2には、カメラ制御を行うに際し、モニタ上に垂直スクロールバーのGUIを表示して、カメラのチルト角を所定角度ずつ調整すること、及びスクロールボックスによって、カメラの現在のチルト角がどの程度であるか表すことが記載されている。
また、引用発明は、「撮影アングルの調整が行なわれ、利用者13は、タッチパネル16に表示される・・・調整ボタン、撮影装置15からのライブビュー画像などを利用して、・・・調整を行う」ことから、モニタ上に具体的にどのような形で調整ボタン等を表示するかは、同様の技術分野の技術を参考にして、当業者が適宜選択できることである。
そして、引用発明と引用文献2に記載された技術事項とは、モニタ上の表示を利用してカメラのチルト角の制御を行うという同一の技術分野に属するから、引用発明において、調整ボタン等の手段として、引用文献2に記載された技術事項を採用して、相違点に係る本件補正発明1の構成のようにすることは当業者が容易に想到しうる程度のことにすぎない。
なお、本件補正発明1の「カメラの現在のチルト角を表すためのインジケータ」が、チルト角の具体的な数値を表示することを意味していたとしても、一般的に角度などを表示するに際して、具体的な数値を表示するか、概念的な程度を表示するかは適宜選択しうる事項にすぎず、具体的な数値を表示するようにすることは、当業者が引用文献2に記載された技術事項を採用するに際して、適宜選択しうる設計事項にすぎない。

イ 作用効果について
相違点に係る本件補正発明1の効果について、引用発明及び引用文献2に記載された技術事項から、当業者が予測しうる程度のものにすぎない。

ウ 請求人の主張について
請求人は、審判請求書において、「引用文献2の構成は、遠隔側の被写体を撮影するためのシステムであって、利用者自らを被写体とする写真シール作成装置に、引用文献2に記載の構成を採用することが、当業者が容易に想到し得たものであるとは思料できない。」(6頁下から2行?7頁1行)と主張している。
しかしながら、上記アで説示したように、一般的に、同様の技術分野の技術を採用することは、通常行われることであるところ、引用発明と引用文献2に記載された技術事項とは、モニタ上の表示を利用してカメラの制御を行うという同一の技術分野に属するから、引用発明において、引用文献2に記載された技術事項を採用することに格別の困難性はない。
よって、請求人の主張は採用できない。

(5)小括
したがって、本件補正発明1は、引用発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
令和2年5月26日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本件補正前の請求項1に係る発明は、出願当初の特許請求の範囲の請求項1に係る発明であるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、上記第2の[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、
「この出願の請求項1に係る発明は、その優先日前に頒布された引用文献1、2に記載された発明に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない」
というものである。

3 進歩性について
(1)引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1、2及びその記載事項は、上記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明1から、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である、「チルト角を所定角度ずつ調整する」ことについて「ライブビュー画像に映る前記利用者が操作することで」との限定事項を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに限定したものに相当する本件補正発明1が、前記第2の[理由]2に記載したとおり、引用発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

 
審理終結日 2021-03-30 
結審通知日 2021-04-06 
審決日 2021-04-23 
出願番号 特願2018-168859(P2018-168859)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G03B)
P 1 8・ 121- Z (G03B)
P 1 8・ 572- Z (G03B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 藏田 敦之  
特許庁審判長 瀬川 勝久
特許庁審判官 井上 博之
佐藤 洋允
発明の名称 写真シール作成装置  
代理人 西川 孝  
代理人 稲本 義雄  
代理人 三浦 勇介  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ