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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する G10L 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する G10L 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する G10L 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する G10L 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する G10L |
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管理番号 | 1375267 |
審判番号 | 訂正2021-390045 |
総通号数 | 260 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-08-27 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2021-03-11 |
確定日 | 2021-05-12 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6760566号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6760566号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
第1 経緯 本件訂正審判に係る特許第6760566号(以下、「本件特許」という。)は、平成28年12月28日(優先権主張 平成28年7月13日)に特許出願されたものであって、令和2年9月7日に特許権の設定登録がなされ、その後、令和3年3月11日に本件訂正審判の請求がなされた。 第2 請求の趣旨、訂正の内容 1 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6760566号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求めるというものである。 2 訂正の内容 訂正の内容は、以下のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1の「最後に表示した前記第1言語の第2文字情報に改行を示す制御文字が含まれない場合」を、「最後に表示した前記第2言語の第1文字情報に改行を示す制御文字が含まれない場合」に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1の「前記最後に表示した前記第1言語の第2文字情報を消去してから表示し」を、「前記最後に表示した前記第2言語の第1文字情報を消去してから表示し」に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項1の「前記最後に表示した前記第1言語の第2文字情報に改行を示す制御文字が含まれる場合」を、「前記最後に表示した前記第2言語の第1文字情報に改行を示す制御文字が含まれる場合」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項2の「最後に表示した前記第1言語の第2文字情報に改行を示す制御文字が含まれない場合」を、「最後に表示した前記第2言語の第1文字情報に改行を示す制御文字が含まれない場合」に訂正する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項2の「前記最後に表示した前記第1言語の第2文字情報を消去してから表示し」を、「前記最後に表示した前記第2言語の第1文字情報を消去してから表示し」に訂正する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項2の「前記最後に表示した前記第1言語の第2文字情報に改行を示す制御文字が含まれる場合」を、「前記最後に表示した前記第2言語の第1文字情報に改行を示す制御文字が含まれる場合」に訂正する。 (7)訂正事項7 特許請求の範囲の請求項3の「最後に表示した前記第1言語の第2文字情報に改行を示す制御文字が含まれない場合」を、「最後に表示した前記第2言語の第1文字情報に改行を示す制御文字が含まれない場合」に訂正する。 (8)訂正事項8 特許請求の範囲の請求項3の「前記最後に表示した前記第1言語の第2文字情報を消去してから表示し」を、「前記最後に表示した前記第2言語の第1文字情報を消去してから表示し」に訂正する。 (9)訂正事項9 特許請求の範囲の請求項3の「前記最後に表示した前記第1言語の第2文字情報に改行を示す制御文字が含まれる場合」を、「前記最後に表示した前記第2言語の第1文字情報に改行を示す制御文字が含まれる場合」に訂正する。 第3 当審の判断 1 訂正事項1?訂正事項3について (1)訂正の目的の適否について 本件特許の特許公報に記載された特許請求の範囲の請求項1は、次のとおりである。 【請求項1】 音声の入力を受け付ける音声入力部と、 所定時間毎に、前記音声入力部が受け付けた音声の音声データを前記音声入力部が以前に受け付けた音声の音声データと結合した結合音声データの音声を、第1言語の文字情報に変換することを、音声認識手段に指令する音声認識指令部と、 前記音声認識手段によって変換された前記第1言語の第1文字情報を受信する毎に、前記第1言語の第1文字情報を第2言語に翻訳することを、翻訳手段に指令する翻訳指令部と、 前記翻訳手段によって翻訳された前記第2言語の第1文字情報を、最後に表示した前記第1言語の第2文字情報に改行を示す制御文字が含まれない場合、前記最後に表示した前記第1言語の第2文字情報を消去してから表示し、前記最後に表示した前記第1言語の第2文字情報に改行を示す制御文字が含まれる場合、改行してから表示する表示部とを備える端末装置。 請求項1の「第1言語の第1文字情報を第2言語に翻訳する」との記載から、「第1言語」及び「第2言語」は、それぞれ翻訳前の言語及び翻訳後の言語のことである。 また、請求項1の「音声認識手段によって変換された前記第1言語の第1文字情報を受信する毎に、前記第1言語の第1文字情報を第2言語に翻訳することを、翻訳手段に指令する翻訳指令部」との記載から、「第1文字情報」は、音声認識手段によって変換されたものであって、かつ、翻訳指令部において受信される毎に第1言語から第2言語に翻訳することを、翻訳手段に指令される文字情報のことである。 すると、請求項1の「前記翻訳手段によって翻訳された前記第2言語の第1文字情報」は、上述した『音声認識手段によって変換されたものであって、かつ、翻訳指令部において受信される毎に第1言語から第2言語に翻訳することを、翻訳手段に指令される文字情報』が第2言語に翻訳されたものであるから、翻訳指令部において受信される毎に第1言語から第2言語に翻訳することを翻訳手段に指令されて、翻訳された第2言語の文字情報のことである。 そして、請求項1の「前記翻訳手段によって翻訳された前記第2言語の第1文字情報を、・・・表示し、・・・表示する表示部」との記載から、「前記翻訳手段によって翻訳された前記第2言語の第1文字情報」は表示部に「表示」されるものであり、当該「第2言語の第1文字情報」は、上述のとおり、翻訳指令部において受信される毎に第1言語から翻訳された第2言語の文字情報のことであるから、上記「表示」される「前記翻訳手段によって翻訳された前記第2言語の第1文字情報」は、上記翻訳指令部において受信される毎のものである。 すると、請求項1の表示部には、「第2言語の第1文字情報」が、翻訳指令部において受信される毎に、翻訳されて表示されることから、毎回表示される文字情報が「第2言語の第1文字情報」であり、上記「最後に表示した」「文字情報」も「第2言語の第1文字情報」である。 また、本件特許の明細書における変形例3(段落0082?0095、段落0087で省略された説明に対応する段落0042?0046、図8、9)は、音声入力した端末装置において、翻訳結果も表示するものであり、請求項1に係る発明に対応するものと認められる。 当該変形例3に対応する段落0093の「このとき、翻訳結果受付部1118は、S408で最後に表示した翻訳結果を消去してから、今回受信した翻訳結果を表示する。即ち、表示される翻訳結果が更新される。ただし、翻訳結果受付部1118は、S408で最後に表示した翻訳結果に改行を示す制御文字が含まれる場合、最後に表示した翻訳結果を消去せずに、改行してから、今回受信した翻訳結果を表示する。文字情報に改行を示す制御文字が含まれる場合、表示される文字情報は更新されない。」との記載によれば、最後に表示したものは、今回受信したものと同じ「翻訳結果」とされており、「第1文字情報」及び「第2文字情報」の記載や、文字情報が複数種類のものに特定されるような記載は存在しない。 以上から、請求項1に3箇所記載されている「最後に表示した前記第1言語の第2文字情報」は、いずれも「最後に表示した前記第2言語の第1文字情報」との明らかな誤記であるといえる。 よって、訂正事項1?訂正事項3は、上記明らかな誤記を訂正するものであり、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。 (2)新規事項の追加の有無について 上記(1)のとおり、訂正事項1?訂正事項3は、明らかな誤記を訂正するものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)の記載に基づくものであり、当初明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではないから、当初明細書等に記載した事項の範囲においてされたものであり、特許法第126条第5項に規定する要件に適合するものである。 (3)特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 上記(1)のとおり、訂正事項1?訂正事項3は、明らかな誤記を訂正するものであって、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないということができるから、特許法第126条第6項に規定する要件に適合するものである。 (4)独立特許要件について 上記(1)のとおり、訂正事項1?訂正事項3は、明らかな誤記を訂正するものであって、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由はないから、特許法第126条第7項に規定する要件に適合するものである。 2 訂正事項4?訂正事項6について 訂正事項4?訂正事項6に対応する、請求項2に3箇所記載されている「最後に表示した前記第1言語の第2文字情報」も、上記1と同様の理由により、「最後に表示した前記第2言語の第1文字情報」との明らかな誤記といえるものであって、訂正事項4?訂正事項6は、上記1と同様の理由により、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定された事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項、第6項及び第7項の規定に適合するものである。 3 訂正事項7?訂正事項9について 訂正事項7?訂正事項9に対応する、請求項3に3箇所記載されている「最後に表示した前記第1言語の第2文字情報」も、上記1と同様の理由により、「最後に表示した前記第2言語の第1文字情報」との明らかな誤記といえるものであって、訂正事項7?訂正事項9は、上記1と同様の理由により、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定された事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項、第6項及び第7項の規定に適合するものである。 第4 むすび 以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1?訂正事項9は、いずれも特許法第126条第1項ただし書第2号に規定された事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項、第6項及び第7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 音声の入力を受け付ける音声入力部と、 所定時間毎に、前記音声入力部が受け付けた音声の音声データを前記音声入力部が以前に受け付けた音声の音声データと結合した結合音声データの音声を、第1言語の文字情報に変換することを、音声認識手段に指令する音声認識指令部と、 前記音声認識手段によって変換された前記第1言語の第1文字情報を受信する毎に、前記第1言語の第1文字情報を第2言語に翻訳することを、翻訳手段に指令する翻訳指令部と、 前記翻訳手段によって翻訳された前記第2言語の第1文字情報を、最後に表示した前記第2言語の第1文字情報に改行を示す制御文字が含まれない場合、前記最後に表示した前記第2言語の第1文字情報を消去してから表示し、前記最後に表示した前記第2言語の第1文字情報に改行を示す制御文字が含まれる場合、改行してから表示する表示部とを備える端末装置。 【請求項2】 コンピュータが、 音声の入力を受け付け、 所定時間毎に、受け付けた音声の音声データを以前に受け付けた音声の音声データと結合した結合音声データの音声を、第1言語の文字情報に変換することを、音声認識手段に指令し、 前記音声認識手段によって変換された前記第1言語の第1文字情報を受信する毎に、前記第1言語の第1文字情報を第2言語に翻訳することを、翻訳手段に指令し、 前記翻訳手段によって翻訳された前記第2言語の第1文字情報を、最後に表示した前記第2言語の第1文字情報に改行を示す制御文字が含まれない場合、前記最後に表示した前記第2言語の第1文字情報を消去してから表示し、前記最後に表示した前記第2言語の第1文字情報に改行を示す制御文字が含まれる場合、改行してから表示する ことを実行する翻訳方法。 【請求項3】 コンピュータが、 音声の入力を受け付け、 所定時間毎に、受け付けた音声の音声データを以前に受け付けた音声の音声データと結合した結合音声データの音声を、第1言語の文字情報に変換することを、音声認識手段に指令し、 前記音声認識手段によって変換された前記第1言語の第1文字情報を受信する毎に、前記第1言語の第1文字情報を第2言語に翻訳することを、翻訳手段に指令し、 前記翻訳手段によって翻訳された前記第2言語の第1文字情報を、最後に表示した前記第2言語の第1文字情報に改行を示す制御文字が含まれない場合、前記最後に表示した前記第2言語の第1文字情報を消去してから表示し、前記最後に表示した前記第2言語の第1文字情報に改行を示す制御文字が含まれる場合、改行してから表示する ことを実行するための翻訳プログラム。 【請求項4】 前記表示部は、前記翻訳手段によって翻訳された前記第2言語の第1文字情報を、前記第1言語の第1文字情報とともに表示する 請求項1に記載の端末装置。 【請求項5】 前記コンピュータが、 前記翻訳手段によって翻訳された前記第2言語の第1文字情報を、前記第1言語の第1文字情報とともに表示する ことを実行する請求項2に記載の翻訳方法。 【請求項6】 前記コンピュータが、 前記翻訳手段によって翻訳された前記第2言語の第1文字情報を、前記第1言語の第1文字情報とともに表示する ことを実行するための請求項3に記載の翻訳プログラム。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2021-04-13 |
結審通知日 | 2021-04-16 |
審決日 | 2021-04-27 |
出願番号 | 特願2016-256488(P2016-256488) |
審決分類 |
P
1
41・
852-
Y
(G10L)
P 1 41・ 854- Y (G10L) P 1 41・ 856- Y (G10L) P 1 41・ 855- Y (G10L) P 1 41・ 841- Y (G10L) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 岩田 淳 |
特許庁審判長 |
清水 正一 |
特許庁審判官 |
樫本 剛 川崎 優 |
登録日 | 2020-09-07 |
登録番号 | 特許第6760566号(P6760566) |
発明の名称 | 端末装置、翻訳方法、及び、翻訳プログラム |
代理人 | 特許業務法人秀和特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人秀和特許事務所 |