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審決分類 |
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 H04W 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04W |
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管理番号 | 1375755 |
審判番号 | 不服2020-14148 |
総通号数 | 260 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-08-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-10-08 |
確定日 | 2021-08-02 |
事件の表示 | 特願2019-541225「拡張マシンタイプ通信のための帯域幅選択」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 8月 9日国際公開、WO2018/144768、令和 2年 2月27日国内公表、特表2020-506617、請求項の数(23)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2018年(平成30年)2月1日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2017年2月2日 インド、2017年10月20日 米国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和 元年12月20日 誤訳訂正書の提出 令和 2年 1月21日付け 拒絶理由通知書 令和 2年 3月13日 意見書、手続補正書の提出 令和 2年 6月 3日付け 拒絶査定 令和 2年10月 8日 拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提 出 令和 3年 1月 8日 上申書の提出 令和 3年 4月 2日 上申書の提出 第2 原査定の概要 原査定(令和2年6月3日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 1.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 記 ・請求項 1-23 ・引用文献等 1 引用例1:Qualcomm Incorporated,Support of larger data channel bandwidth[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #86 R1-166297,2016年8月13日アップロード,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_86/Docs/R1-166297.zip> 第3 本願発明について 本願の請求項1ないし23に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明23」という。)は、令和2年10月8日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし23に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1ないし23は以下のとおりの発明である。 「 【請求項1】 ワイヤレス通信のための方法であって、 ワイヤレスデバイスにおいて、制御チャネルの第1のインスタンス上のスケジューリングインジケータを受信するステップと、 前記受信されたスケジューリングインジケータに少なくとも部分的に基づいて、データ送信が前記ワイヤレスデバイス向けにスケジューリングされると判断するステップと、 前記データ送信に関連付けられた第1の周波数帯域を識別するステップと、 前記制御チャネルの第2のインスタンスに関連付けられた第2の周波数帯域を識別するステップであって、前記第2の周波数帯域は、前記制御チャネルの前記第1のインスタンスに関連付けられた周波数帯域とは異なる、ステップと、 前記第1および第2の周波数帯域ならびに前記ワイヤレスデバイスが利用可能な帯域幅に少なくとも部分的に基づいて、監視するべき第3の周波数帯域を識別するステップであって、前記第3の周波数帯域は、前記第1の周波数帯域を含み、前記第3の周波数帯域は、前記利用可能な帯域幅に少なくとも部分的に基づく、前記第2のインスタンスに関連付けられた帯域幅を含む、ステップと、 前記第1の周波数帯域において前記データ送信を、および前記第3の周波数帯域と重複する前記第2の周波数帯域において前記制御チャネルの前記第2のインスタンスの一部分を受信するステップとを含む、方法。 【請求項2】 前記第2の周波数帯域は、前記制御チャネルに割り振られたリソースブロックのセットを含む周波数帯域領域である、請求項1に記載の方法。 【請求項3】 前記第2の周波数帯域は、前記制御チャネルの制御チャネル探索空間に割り振られた少なくともいくつかのリソースブロックを含む周波数帯域領域である、請求項1に記載の方法。 【請求項4】 前記第2の周波数帯域は前記制御チャネルの狭帯域帯域幅である、請求項1に記載の方法。 【請求項5】 前記第1の周波数帯域は、前記データ送信に割り当てられたリソースブロックのセットを含む周波数帯域領域である、請求項1に記載の方法。 【請求項6】 前記第1の周波数帯域は、前記データ送信に割り当てられたリソースブロックのセットの狭帯域帯域幅である、請求項1に記載の方法。 【請求項7】 前記第1および第2の周波数帯域は、1つまたは複数のあらかじめ定義されたホッピングパターンに基づいて、複数のサブフレームにわたってホッピングし、前記第3の周波数帯域は、前記複数のサブフレームのうちの少なくとも1つのサブフレーム中で識別される、請求項1に記載の方法。 【請求項8】 前記制御チャネルの一部分の1つまたは複数の観察に少なくとも部分的に基づいて、前記制御チャネルを監視するステップであって、前記制御チャネルの前記一部分は、前記第2の周波数帯域の少なくとも一部分と重複する前記第3の周波数帯域に関連付けられたサブフレームのサブセットである、ステップをさらに含む、請求項7に記載の方法。 【請求項9】 前記制御チャネルを監視するステップと、 前記第3の周波数帯域に関連付けられた少なくとも1つのサブフレームが前記第2の周波数帯域中の前記制御チャネルのサブフレームと重複しないことに少なくとも部分的に基づいて、前記制御チャネルを監視するのを停止するステップとをさらに含む、請求項7に記載の方法。 【請求項10】 前記制御チャネルを監視するステップと、 前記第3の周波数帯域に関連付けられた少なくとも1つのサブフレームが前記第2の周波数帯域中の前記制御チャネルの制御チャネル探索空間のサブフレームと重複しないことに少なくとも部分的に基づいて、前記制御チャネルを監視するのを停止するステップとをさらに含む、請求項7に記載の方法。 【請求項11】 前記データ送信に関連付けられたサブフレームのセットに対応する、前記1つまたは複数のあらかじめ定義されたホッピングパターンのうちの第1のあらかじめ定義されたホッピングパターンは、前記制御チャネルに関連付けられたサブフレームのセットに対応する、前記1つまたは複数のあらかじめ定義されたホッピングパターンのうちの第2のあらかじめ定義されたホッピングパターンとは異なる、請求項7に記載の方法。 【請求項12】 前記第3の周波数帯域は、前記第2の周波数帯域との前記重複を最大限にするように識別される、請求項1に記載の方法。 【請求項13】 前記第3の周波数帯域は前記第1の周波数帯域と同じである、請求項1に記載の方法。 【請求項14】 前記制御チャネル用の前記周波数帯域は1.4メガヘルツ(MHz)帯域幅を含み、前記データ送信に関連付けられた前記利用可能な帯域幅は、5メガヘルツ(MHz)帯域幅または20MHz帯域幅のうちの1つを含む、請求項1に記載の方法。 【請求項15】 システムにおけるワイヤレス通信のための装置であって、 プロセッサと、 前記プロセッサと電子通信するメモリと、 前記メモリ中に記憶された命令とを備え、前記命令は、前記プロセッサによって実行されると、前記装置に、 ワイヤレスデバイスにおいて、制御チャネルの第1のインスタンス上のスケジューリングインジケータを受信することと、 前記受信されたスケジューリングインジケータに少なくとも部分的に基づいて、データ送信が前記ワイヤレスデバイス向けにスケジューリングされると判断することと、 前記データ送信に関連付けられた第1の周波数帯域を識別することと、 前記制御チャネルの第2のインスタンスに関連付けられた第2の周波数帯域を識別することであって、前記第2の周波数帯域は、前記制御チャネルの前記第1のインスタンスに関連付けられた周波数帯域とは異なる、ことと、 前記第1および第2の周波数帯域ならびに前記ワイヤレスデバイスが利用可能な帯域幅に少なくとも部分的に基づいて、監視するべき第3の周波数帯域を識別することであって、前記第3の周波数帯域は、前記第1の周波数帯域を含み、前記第3の周波数帯域は、前記利用可能な帯域幅に少なくとも部分的に基づく、前記第2のインスタンスに関連付けられた帯域幅を含む、ことと、 前記第1の周波数帯域において前記データ送信を、および前記第3の周波数帯域と重複する前記第2の周波数帯域において前記制御チャネルの前記第2のインスタンスの一部分を受信することとを行わせるように動作可能である、装置。 【請求項16】 前記第2の周波数帯域は、前記制御チャネルに割り振られたリソースブロックのセットを含む周波数帯域領域である、請求項15に記載の装置。 【請求項17】 前記第2の周波数帯域は、前記制御チャネルの制御チャネル探索空間に割り振られた少なくともいくつかのリソースブロックを含む周波数帯域領域である、請求項15に記載の装置。 【請求項18】 前記第2の周波数帯域は前記制御チャネルの狭帯域帯域幅である、請求項15に記載の装置。 【請求項19】 前記第1の周波数帯域は、前記データ送信に割り当てられたリソースブロックのセットを含む周波数帯域領域である、請求項15に記載の装置。 【請求項20】 前記第1の周波数帯域は、前記データ送信に割り当てられたリソースブロックのセットの狭帯域帯域幅である、請求項15に記載の装置。 【請求項21】 前記第1および第2の周波数帯域は、1つまたは複数のあらかじめ定義されたホッピングパターンに基づいて、複数のサブフレームにわたってホッピングし、前記第3の周波数帯域は、前記複数のサブフレームのうちの少なくとも1つのサブフレーム中で識別される、請求項15に記載の装置。 【請求項22】 前記命令は、前記プロセッサによって、 前記制御チャネルの一部分の1つまたは複数の観察に少なくとも部分的に基づいて、前記制御チャネルを監視することであって、前記制御チャネルの前記一部分は、前記第2の周波数帯域の少なくとも一部分と重複する前記第3の周波数帯域に関連付けられたサブフレームのサブセットである、ことをするようにさらに実行可能である、請求項21に記載の装置。 【請求項23】 前記命令は、前記プロセッサによって、 前記制御チャネルを監視することと、 前記第3の周波数帯域に関連付けられた少なくとも1つのサブフレームが前記第2の周波数帯域中の前記制御チャネルのサブフレームと重複しないことに少なくとも部分的に基づいて、前記制御チャネルを監視するのを停止することとをするようにさらに実行可能である、請求項21に記載の装置。」 第4 引用例1、引用発明等について 原査定の拒絶の理由に引用されたQualcomm Incorporated,Support of larger data channel bandwidth[online](当審訳:より広いデータチャネル帯域幅のサポート), 3GPP TSG RAN WG1 Meeting #86 R1-166297,2016年8月13日アップロード,インターネット<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_86/Docs/R1-166297.zip>(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに次の記載がある。(下線は当審が付与。) 「4.Interaction with MPDCCH and DCI Once the UE is configured with increased bandwidth operation, it only affects the PDSCH and PUSCH bandwidth [1]. The control channel (MPDCCH) bandwidth should be kept to 6RBs, and it should be feasible for the UE to monitor MPDCCH using a narrowband mode. This way, the UE can reduce power consumption while being able to decode the grants for wideband PDSCH. This operation is depicted in Figure 1 ![]() Figure 1 The UE monitors MPDCCH in narrowband mode until a wideband grant is received, then moves the RF to wideband mode This operation requires the scheduling timing to be similar to Rel-13 eMTC, i.e., MPDCCH is cross-subframe scheduled with a grant received in subframe N scheduling PDSCH in subframe N+2. Proposal 2: Wider bandwidth PDSCH, if defined, is cross subframe scheduled by MPDCCH. MPDCCH follows Rel-13 design, and can be decoded by a UE operating in narrowband mode (6RB).」(第2頁第5行目ないし第16行目) (当審訳: 4.MPDCCHおよびDCIとの相互作用 UEが帯域幅の増加動作で構成されると、PDSCHおよびPUSCH帯域幅にのみ影響する[1]。 制御チャネル(MPDCCH)の帯域幅は6RBに維持する必要があり、UEが狭帯域モードを使用してMPDCCHを監視できるようにする必要がある。このようにして、UEは、広帯域PDSCHの許可をデコードしながら、消費電力を削減できる。この操作を図1に示す。 図略 図1 UEは、広帯域許可を受信するまで狭帯域モードでMPDCCHを監視し、そしてRFを広帯域モードに移動する。 この操作では、スケジューリングのタイミングがリリース13 eMTCと同様である必要がある。つまり、MPDCCHは、サブフレームNで受信した許可を使用してサブフレーム間でスケジュールされ、サブフレームN+2でPDSCHをスケジューリングする。 提案2:より広い帯域幅のPDSCHは、定義されている場合、MPDCCHによってスケジュールされたクロスサブフレームである。 MPDCCHはリリース13の設計に従い、狭帯域モード(6RB)で動作するUEによってデコードできる。) 上記記載及び当業者における技術常識からみて、以下の技術的事項が記載されている。 a.図1によれば、MPDCCHが同じ帯域を使用した通信システムであることが読み取れることから、引用例1にはMPDCCHが同じ帯域を使用した通信システムのための方法が記載されているといえる。 b.上記記載に「MPDCCHは、サブフレームNで受信した許可を使用してサブフレーム間でスケジュールされ、サブフレームN+2でPDSCHをスケジューリングする。」と記載されていることから、サブフレームN+2でPDSCHが送信されるというスケジューリングを示す許可がサブフレームNで送信されるといえる。 そして、上記記載に「UEは、広帯域許可を受信するまで狭帯域モードでMPDCCHを監視し、そしてRFを広帯域モードに移動する。」と記載されていることから、UEは狭帯域モードでMPDCCHにおいて許可を監視し、許可を受信した場合に広帯域モードになって受信するといえる。 以上のことから、UEは、狭帯域モードでMPDCCHにおいてPDSCHが送信されるというスケジューリングを示す許可を監視し、許可を受信した場合に広帯域モードになって受信するといえる。 以上を総合すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「MPDCCHが同じ帯域を使用した通信システムのための方法であって、 UEは、狭帯域モードでMPDCCHにおいてPDSCHが送信されるというスケジューリングを示す許可を監視し、許可を受信した場合に広帯域モードになって受信する方法。」 第5 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 a.引用発明の「UE」は、本願発明1の「ワイヤレスデバイス」に含まれる。 b.引用発明の「MPDCCHが同じ帯域を使用した通信システム」は、ワイヤレス通信システムであることは明らかであるから、引用発明の「MPDCCHが同じ帯域を使用した通信システムのための方法」は、本願発明1の「ワイヤレス通信のための方法」に含まれる。 c.引用発明の「MPDCCH」は制御チャネルであるから、本願発明1の「制御チャネル」に相当する。そして、引用発明の「許可」はMPDCCHで運ばれるから、本願発明1と同様に、第1のインスタンス上で運ばれているといえる。また、引用発明の「許可」はPDSCHが送信されるというスケジューリングを示すことから、本願発明1の「スケジュールインジケータ」に相当する。よって、引用発明のUEが「MPDCCHにおいてPDSCHが送信されるというスケジューリングを示す許可を監視し、許可を受信」することは、本願発明1の「制御チャネルの第1のインスタンス上のスケジューリングインジケータを受信するステップ」に含まれる。 d.引用発明のUEが「許可を受信した場合に広帯域モードになって受信する」ことは、UEが、受信された許可に少なくとも部分的に基づいて、UE向けにスケジューリングされると判断していることは明らかである。よって、引用発明のUEが「許可を受信した場合に広帯域モードになって受信する」ことは、本願発明1の「前記受信されたスケジューリングインジケータに少なくとも部分的に基づいて、データ送信が前記ワイヤレスデバイス向けにスケジューリングされると判断するステップ」に含まれる。 以上のことから、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 (一致点) 「 ワイヤレス通信のための方法であって、 制御チャネルの第1のインスタンス上のスケジューリングインジケータを受信するステップ 前記受信されたスケジューリングインジケータに少なくとも部分的に基づいて、データ送信が前記ワイヤレスデバイス向けにスケジューリングされると判断するステップを含む方法。」 (相違点) 本願発明1では、 「 前記データ送信に関連付けられた第1の周波数帯域を識別するステップと、 前記制御チャネルの第2のインスタンスに関連付けられた第2の周波数帯域を識別するステップであって、前記第2の周波数帯域は、前記制御チャネルの前記第1のインスタンスに関連付けられた周波数帯域とは異なる、ステップと、 前記第1および第2の周波数帯域ならびに前記ワイヤレスデバイスが利用可能な帯域幅に少なくとも部分的に基づいて、監視するべき第3の周波数帯域を識別するステップであって、前記第3の周波数帯域は、前記第1の周波数帯域を含み、前記第3の周波数帯域は、前記利用可能な帯域幅に少なくとも部分的に基づく、前記第2のインスタンスに関連付けられた帯域幅を含む、ステップと、 前記第1の周波数帯域において前記データ送信を、および前記第3の周波数帯域と重複する前記第2の周波数帯域において前記制御チャネルの前記第2のインスタンスの一部分を受信するステップとを含む、」 のに対し、 引用発明ではMPDCCHが同じ帯域を使用した通信システムであり、当該発明特定事項が特定されていない点。 (2)相違点についての判断 相違点に関する発明特定事項の一部である「前記第2の周波数帯域は、前記制御チャネルの前記第1のインスタンスに関連付けられた周波数帯域とは異なる」点について、以下検討する。 引用発明ではMPDCCHが同じ帯域を使用していることから、「前記第2の周波数帯域は、前記制御チャネルの前記第1のインスタンスに関連付けられた周波数帯域とは異なる」という状態は発生しない。更に、引用発明において、「前記第2の周波数帯域は、前記制御チャネルの前記第1のインスタンスに関連付けられた周波数帯域とは異なる」という状態が起こりうるためには、MPDCCHの帯域を逐次違う帯域に変更することとなるが、引用発明においてMPDCCHの帯域を逐次違う帯域に変更する必要性がない。したがって、引用発明において「前記第2の周波数帯域は、前記制御チャネルの前記第1のインスタンスに関連付けられた周波数帯域とは異なる」という構成を採用する動機付けが認められない。 したがって、本願発明1は、引用発明ではなく、また、当業者であっても引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 2.本願発明2ないし23について 本願発明2ないし23も、本願発明1の「前記第2の周波数帯域は、前記制御チャネルの前記第1のインスタンスに関連付けられた周波数帯域とは異なる」という発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明ではなく、また、当業者であっても、引用発明に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。 第6 原査定についての判断 令和2年10月8日の手続補正により補正された本願発明1ないし23は「前記第2の周波数帯域は、前記制御チャネルの前記第1のインスタンスに関連付けられた周波数帯域とは異なる」という発明特定事項を備えるものであるから、上記「第5」のとおり、引用発明ではなく、また、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用例1に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。 したがって、原査定を維持することはできない。 第7 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2021-07-15 |
出願番号 | 特願2019-541225(P2019-541225) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(H04W)
P 1 8・ 113- WY (H04W) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 桑原 聡一 |
特許庁審判長 |
國分 直樹 |
特許庁審判官 |
本郷 彰 中木 努 |
発明の名称 | 拡張マシンタイプ通信のための帯域幅選択 |
代理人 | 村山 靖彦 |
代理人 | 黒田 晋平 |