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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  G08B
管理番号 1375846
異議申立番号 異議2020-700216  
総通号数 260 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-08-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-03-27 
確定日 2021-04-12 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6584771号発明「表示灯」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6584771号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項2、5、6、7、8について訂正することを認める。 特許第6584771号の請求項2に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6584771号(以下「本件特許」という。)の請求項1ないし6に係る特許についての出願は、平成26年12月12日に出願した特願2014-252252号(優先権主張 平成26年3月24日)の一部を平成26年12月12日に新たな特許出願としたものであって、令和元年9月13日にその特許権の設定登録がされ、同年10月2日に特許掲載公報が発行された。
その後の本件特許異議の申立ての経緯は次のとおりである。

令和2年 3月27日 :特許異議申立人 藤本 歩(以下「特許異議申
立人」という。)より請求項2に係る特許に対
する特許異議の申立て
令和2年 6月16日付け:取消理由通知書
令和2年 8月17日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
令和2年 9月 3日付け:訂正請求があった旨の通知書(特許法第120
条の5第5項)
令和2年10月 6日 :特許異議申立人による意見書の提出
令和2年11月17日付け:取消理由通知書
令和3年 1月20日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出(
以下「本件訂正請求」という。)
令和3年 2月 4日付け:訂正請求があった旨の通知書(特許法第120
条の5第5項)

なお、令和2年 8月17日にされた訂正請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。
また、特許異議申立人は、令和3年 2月 4日付けの訂正請求があった旨の通知に対して、指定した期間内に応答しなかった。


第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は以下のとおりである(下線は、訂正箇所を示す。)。
(1)訂正事項1
a 特許請求の範囲の請求項2に「取付面に取り付けられて防災機器の位置を表示する表示灯であって、発光源を収容する本体部と、前記発光源が発光する光を透光させて光る発光表示部とを有し、該発光表示部は前記取付面に平行な平面部を有するリング状に形成されており、かつ正面視においてリング状の発光表示部の内周側に発信機が配置され、取付状態において該発信機の前面部、前記発光表示部の平面部及び前記取付面が面一になっていることを特徴とする表示灯。」と記載されているのを、「開口部を有する取付面に取り付けられて防災機器の位置を表示する表示灯であって、発光源を収容する本体部と、前記発光源が発光する光を透光させて光る発光表示部とを有し、該発光表示部は前記取付面に平行な平面部を有するリング状に形成されており、かつ正面視においてリング状の発光表示部の内周側に発信機が配置され、前記発光表示部の平面部の外周から奥側に向かう側面の部分が前記取付面に設けられた開口部の縁に内側から当接して、表示灯の位置決めをする機能を有しており、取付状態において前記発信機の前面部、前記発光表示部の平面部及び前記取付面が面一になっていることを特徴とする表示灯。」に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項5に「前記発光表示部は、その両サイド部が上下部よりも明るく光るように、前記発光源の配置及び/又は輝度が設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表示灯。」と記載されているもののうち、請求項2を引用しているものについて請求項5として、「取付面に取り付けられて防災機器の位置を表示する表示灯であって、発光源を収容する本体部と、前記発光源が発光する光を透光させて光る発光表示部とを有し、該発光表示部は前記取付面に平行な平面部を有するリング状に形成されており、かつ正面視においてリング状の発光表示部の内周側に発信機が配置され、取付状態において前記発信機の前面部、前記発光表示部の平面部及び前記取付面が面一になっており、前記発光表示部は、その両サイド部が上下部よりも明るく光るように、前記発光源の配置及び/又は輝度が設定されていることを特徴とする表示灯。」に訂正する(請求項5の記載を引用する請求項8も同様に訂正する)。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項5に「前記発光表示部は、その両サイド部が上下部よりも明るく光るように、前記発光源の配置及び/又は輝度が設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表示灯。」と記載されているのを、請求項6として「前記発光表示部は、その両サイド部が上下部よりも明るく光るように、前記発光源の配置及び/又は輝度が設定されていることを特徴とする請求項1、3、4のいずれか一項に記載の表示灯。」に訂正する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項6に「両サイドに配置された前記発光源が他の発光源よりも前記発光表示部に最も近くなるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示灯。」と記載されているもののうち、請求項2を引用しているものについて請求項7として、「取付面に取り付けられて防災機器の位置を表示する表示灯であって、発光源を収容する本体部と、前記発光源が発光する光を透光させて光る発光表示部とを有し、該発光表示部は前記取付面に平行な平面部を有するリング状に形成されており、かつ正面視においてリング状の発光表示部の内周側に発信機が配置され、取付状態において前記発信機の前面部、前記発光表示部の平面部及び前記取付面が面一になっており、両サイドに配置された前記発光源が他の発光源よりも前記発光表示部に最も近くなるように配置されていることを特徴とする表示灯。」に訂正する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項6に「両サイドに配置された前記発光源が他の発光源よりも前記発光表示部に最も近くなるように配置されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の表示灯。」と記載されているのを、請求項8として、
「両サイドに配置された前記発光源が他の発光源よりも前記発光表示部に最も近くなるように配置されていることを特徴とする請求項1、3、4、5のいずれか一項に記載の表示灯。」に訂正する。

(6)別の訂正単位とする求め
訂正後の請求項5、6、7及び8については、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することを求める。

2 訂正要件についての判断
(1)一群の請求項について
訂正事項1?5に係る訂正前の請求項2、5、6は、請求項5、6がそれぞれ請求項2を直接的又は間接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項2に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項2、5、6に対応する訂正後の請求項2、5?8は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について

ア 訂正事項1
(ア)訂正の目的
訂正前の請求項2は、「表示灯」が取り付けられる取付面が開口部を有する旨を特定しておらず、また、「発光表示部」と取付面の開口部との関係についても特定されていなかったところ、訂正後の請求項2は、「開口部を有する取付面に」との記載、及び「前記発光表示部の平面部の外周から奥側に向かう側面の部分が前記取付面に設けられた開口部の縁に内側から当接して、表示灯の立置決めをする機能を有しており、」との記載を追加することにより、訂正後の請求項2に係る発明を上記によって特定された構成からなるものに限定するものである。

また、訂正前の請求項2において、「取付状態において該発信機の前面部、前記発光表示部の平面部及び前記取付面が面一になっている」の記載のうち「該発信機」を「前記発信機」と訂正することは、訂正前の面一になっている「該発信機の前面部」、「前記発光表示部の平面部」及び「前記取付面」について、「該」という文言と「前記」という文言が混在して用いられたものを、「前記」という文言に揃えようとする訂正であり、明瞭でない記載の釈明をするものである。

よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」、及び特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
本件特許の願書に添付された明細書、特許請求の範囲及び図面(以下、「本件特許明細書等」という。)には、次の事項が記載されている。
「【0019】
<取付部>
取付部9は、表示灯1を壁面5に取り付けるためのものであり、前述したように外周壁部7の前端側の外周面から外方に張り出す略正方形のフランジ状に形成されている。
・・・中略・・・
取付部9には、発光表示部11の外周を縁取るリング状の立片部9bが設けられている。すなわち、発光表示部11であるリング状の傾斜面の外周縁部にリング状の立片部9bが設けられている。立片部9bは、表示灯1が壁面5に取り付けられる際に、壁面5に設けられた開口部の縁に内側から当接して(図3参照)、表示灯1の位置決め(位置合せ)をする機能を有している。」

「【0046】
[実施の形態4]
図14、図15は本発明の実施の形態3の表示灯の説明図であり、実施の形態1乃至3と同一部分には同一の符号を付してある。
本実施の形態4に係る表示灯46は、取付面となる壁面5に取り付けられて防災機器の位置を表示する表示灯であって、
外周壁部7と発信機収容部13を有し、発光源としての発光素子15を収容する本体部43と、発光素子15が発光する光を透光させて光る発光表示部47とを有し、発光表示部47は壁面5と平行な平面部47aを有するリング状に形成されており、かつリング状の発光表示部47に囲まれた部位(正面視における発光表示部47の内周側)に発信機3が配置され、その前面が発光表示部47よりも奥側に位置するようになっている。
【0047】
実施の形態1との関係では、実施の形態1において、壁面5の開口に取り付ける際に位置決めのために設けているリング状の立片部9bの幅を広くすることで、発光表示部として機能するようにしたものである。別の観点からは、実施の形態1における傾斜面を発信機取付面部21又は壁面5と平行な平面にしたということもできる。
【0048】
・・・中略・・・
また、発信機3の押ボタン格納部33の厚みよりも垂下面の深さをほぼ等しく設定しても良い。その場合、壁面5、発信機3の前面カバーおよび発光表示部47の平面部47aがほぼ面一となり視認性を確保しつつ、美観性を高めることができる。」










上記のように、表示灯1は、壁面5に設けられた開口部に取り付けられる。
また、実施の形態4の表示灯は、位置決めをするために設けているリング状の立片部9bを発光表示部47として機能するようにしたものであるから、発光表示部47は立片部9bの、壁面5に設けられた開口部の縁に内側から当接して、位置決めをする機能を有するものであって、この場合、発光表示部47の平面部47aの外周は、表示灯46を前からみた立片部9bの外周となる。さらに、図15から、開口部の縁に内側から当接しているのは、発光表示部の平面部47aの外周から奥側に向かう側面の部分であることが、看て取れる。

したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の事項であり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。

(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項1は、「表示灯」が取り付けられる取付面が開口部を有する旨を特定し、「発光表示部」と取付面の開口部との関係について特定することで、訂正前の請求項2の記載を減縮し、及び明瞭でない記載の釈明を行うものであり、訂正前の請求項2に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。

イ 訂正事項2について
(ア)訂正の目的
訂正事項2は、訂正前の請求項5が請求項1乃至4のいずれか一項を引用する記載であるところ、引用請求項を削減し、請求項2のみを引用するものについて、請求項間の引用関係を解消して、請求項2の記載を引用しないものとして独立形式請求項へ改め、及び訂正前の請求項2において、「取付状態において該発信機の前面部、前記発光表示部の平面部及び前記取付面が面一になっている」の記載のうち「該発信機」を「前記発信機」として、面一になっている「該発信機の前面部」、「前記発光表示部の平面部」及び「前記取付面」について、「該」という文言と「前記」という文言が混在して用いられたものを、「前記」という文言に揃えようとする訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」、及び特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正である。
また、請求項5の記載を引用する請求項8も同様である。

(イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項2は、引用請求項数の削減をしたことで、訂正前の請求項5の記載を減縮し、及び明瞭でない記載の釈明を行うものであり、かつその他の実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。

(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項2は、引用請求項数の削減をしたことで、訂正前の請求項5の記載を減縮し、及び明瞭でない記載の釈明を行うものであり、当該訂正により訂正前の請求項5に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。

ウ 訂正事項3について
(ア)訂正の目的
訂正事項3は、訂正前の請求項5が請求項1乃至4のいずれか一項を引用する記載であるところ、請求項1、3、4のいずれか一項を引用するものへの訂正であり、引用請求項数の削減であって、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」及び特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。

(イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項3は、引用請求項数の削減をしたことで、訂正前の請求項5の記載を減縮するものであり、かつその他の実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。

(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項3は、訂正前の請求項5が引用していた請求項2の引用を削除したものであり、当該訂正により訂正前の請求項5に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。

エ 訂正事項4について
(ア)訂正の目的
訂正事項4は、訂正前の請求項6が請求項1乃至5のいずれか一項を引用する記載であるところ、引用請求項を削減し、請求項2のみを引用するものについて、請求項間の引用関係を解消して、請求項2の記載を引用しないものとして独立形式請求項へ改め、及び訂正前の請求項2において、「取付状態において該発信機の前面部、前記発光表示部の平面部及び前記取付面が面一になっている」の記載のうち「該発信機」を「前記発信機」として、面一になっている「該発信機の前面部」、「前記発光表示部の平面部」及び「前記取付面」について、「該」という文言と「前記」という文言が混在して用いられたものを、「前記」という文言に揃えようとする訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」、及び特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とする訂正である。

(イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項4は、引用請求項数の削減をしたことで、訂正前の請求項6の記載を減縮し、及び明瞭でない記載の釈明を行うものであり、かつその他の実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。

(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項4は、引用請求項数の削減をしたことで、訂正前の請求項6の記載を減縮し、及び明瞭でない記載の釈明を行うものであり、当該訂正により訂正前の請求項6に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。

オ 訂正事項5について
(ア)訂正の目的
訂正事項5は、訂正前の請求項6が請求項1乃至5のいずれか一項を引用する記載であるところ、請求項1、3、4、5のいずれか一項を引用するものへの訂正であり、引用請求項数の削減であって、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」及び特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。

(イ)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項5は、引用請求項数の削減をしたことで、訂正前の請求項6の記載を減縮するものであり、かつその他の実質的な内容の変更を伴うものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
したがって、訂正事項5は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。

(ウ)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項5は、訂正前の請求項6が引用していた請求項2の引用を削除したものであり、当該訂正により訂正前の請求項6に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項5は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。

(3)独立特許要件について
本件において、訂正前の請求項2について特許異議の申立てがされているので、訂正前の請求項2に係る訂正事項1に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
訂正事項2?5は、特許異議の申立てがされていない訂正前の請求項5、6について、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とすることを含む訂正を行うものである。したがって、かかる訂正により訂正された請求項5?8に係る発明については、独立特許要件を検討する必要があるので、以下検討する。

ア 訂正後の請求項5に係る発明について
訂正後の請求項5は訂正前の請求項5のうち請求項2のみを引用するものに相当する。
そして、訂正後の請求項5の「前記発光表示部は、その両サイド部が上下部よりも明るく光るように、前記発光源の配置及び/又は輝度が設定されている」という構成は、特許異議申立人が提出した各甲号証、並びに特許異議申立人による意見書に添付された各参考資料に記載も示唆もされていない。
また、他に訂正後の請求項5に係る発明が特許を受けることができないとする理由も発見しない。
したがって、訂正後の請求項5に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。

イ 訂正後の請求項6に係る発明について
訂正後の請求項6は、訂正前の請求項5のうち請求項1、3、4のいずれか一項の記載を引用するものに相当する。
そして、訂正後の請求項6の「前記発光表示部は、その両サイド部が上下部よりも明るく光るように、前記発光源の配置及び/又は輝度が設定されている」という構成は、特許異議申立人が提出した各甲号証、並びに特許異議申立人による意見書に添付された各参考資料に記載も示唆もされていない。
また、他に訂正後の請求項6に係る発明が特許を受けることができないとする理由も発見しない。
したがって、訂正後の請求項6に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。

ウ 訂正後の請求項7に係る発明について
訂正後の請求項7は、訂正前の請求項6のうち請求項2のみを引用するものに相当する。
そして、訂正後の請求項7の「両サイドに配置された前記発光源が他の発光源よりも前記発光表示部に最も近くなるように配置されている」という構成は、特許異議申立人が提出した各甲号証、並びに特許異議申立人による意見書に添付された各参考資料に記載も示唆もされていない。
また、他に訂正後の請求項7に係る発明が特許を受けることができないとする理由も発見しない。
したがって、訂正後の請求項7に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。

エ 訂正後の請求項8に係る発明について
訂正後の請求項8は訂正前の請求項6のうち請求項1、3、4、5を引用するものに相当する。
そして、訂正後の請求項8の「両サイドに配置された前記発光源が他の発光源よりも前記発光表示部に最も近くなるように配置されている」という構成は、特許異議申立人が提出した各甲号証、並びに特許異議申立人による意見書に添付された各参考資料に記載も示唆もされていない。
また、他に訂正後の請求項8に係る発明が特許を受けることができないとする理由も発見しない。
したがって、訂正後の請求項8に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。

3 まとめ
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号、及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第3項並びに第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定、及び特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の規定に適合するものである。
そして、特許権者は、訂正後の請求項5、6、7及び8については、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別の訂正単位として扱われることを求めているところ、上記のとおり、訂正事項1乃至5に係る訂正は認められるものであるから、訂正後の請求項2、5、6、7及び8について、請求項ごとに訂正することを認める。


第3 訂正後の本件発明
本件訂正請求により訂正された請求項2に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項2に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。

「 開口部を有する取付面に取り付けられて防災機器の位置を表示する表示灯であって、
発光源を収容する本体部と、前記発光源が発光する光を透光させて光る発光表示部とを有し、
該発光表示部は前記取付面に平行な平面部を有するリング状に形成されており、かつ正面視においてリング状の発光表示部の内周側に発信機が配置され、
前記発光表示部の平面部の外周から奥側に向かう側面の部分が前記取付面に設けられた開口部の縁に内側から当接して、表示灯の位置決めをする機能を有しており、取付状態において前記発信機の前面部、前記発光表示部の平面部及び前記取付面が面一になっていることを特徴とする表示灯。」


第4 取消理由の概要
1 訂正前の請求項2に係る特許に対して、当審が令和2年 6月16日付けで通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。

請求項2に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証に記載された事項に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項2に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

甲第1号証:意匠登録第1460558号公報
甲第2号証:特開2010-167068号公報


2 令和2年 8月17日の訂正請求による訂正後の請求項2に係る特許に対して、当審が令和2年11月17日付けで通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。

本件特許は、特許請求の範囲の請求項2の記載が下記の点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

本件特許の【図3】、【図9】、【図11】、【図15】を参照するに、請求項2の「前記発光表示部の平面部の外周」とは、取付面である壁面5と面一な平行部分と解され、また、同請求項の「前記取付面に設けられた開口部の縁」とは、取付面である壁面5の厚み部分と解される。
してみると、取付面である壁面5と面一な平行部分である「前記発光表示部の平面部の外周」と、取付面である壁面5の厚み部分である「前記取付面に設けられた開口部の縁」とが、「内側から当接」することを特定している、請求項2に記載の「前記発光表示部の平面部の外周が前記取付面に設けられた開口部の縁に内側から当接して」との発明特定事項が、どのような構成を特定しているのか、明確でない。


第5 当審の判断
1 令和2年 6月16日付けで通知した取消理由について
(1) 甲第1号証の記載事項
甲第1号証には、次の記載がある(下線は、当審で付与した。)。
a 「本物品は、消火栓格納箱若しくは消火栓格納箱の付近に設置され、消火栓格納箱の位置及び自動火災報知設備の発信機の位置を示すための表示灯である。本物品は、分解参考斜視図及び使用状態参考横断面図に示す如く、中央部に発信機を取り付けるための略矩形状の開口を有し、赤色に着色された半透明部材から成る環状の表示灯本体と、表示灯本体に着脱自在に螺着され、表示灯本体を消火栓格納箱等へ取り付けるための環状の取り付け部材と、表示灯本体と取り付け部材との間に挟持固定され、発光ダイオード(LEDランプ)を等角度ごとに取り付けた環状の基板とから構成されており、表示灯本体の環状空間に配置された発光ダイオードの光を正面及び周囲に環状に放射するようにしたものである。」(【意匠に係る物品の説明】第1行?第7行)

b 「本物品は、使用状態参考図に示す如く、環状に発光させることによって視認性の向上を図れる。また、本物品は、その中央部に発信機を取り付けられるため、本物品及び発信機の設置に必要な面積を、表示灯と発信機を別々の位置に設置していた従来のものに比較して小さくすることができる。」(【意匠に係る物品の説明】第10行?第12行)

c 「【使用状態参考横断面図】



d 「【使用状態参考図】




(2)引用発明
上記cの使用状態横断面図より、甲第1号証の物品である表示灯は、使用状態において、表示灯本体が正面板に取り付けられることが看て取れる。また、正面板は、表示灯本体を取り付けている部分に開口を有していることが看て取れる。
さらに、甲第1号証の表示灯の使用状態において正面から見た面を表示灯の表面とすると、表示灯本体の表面部及び発信機の表面部は、正面板より突出しており、表示灯本体は、環状の表示灯本体の外周方向に向かって、奥方向へ傾斜していることが、看て取れる。

そうすると、甲第1号証には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「開口を有する正面板に取り付けられて自動火災報知設備の発信機の位置を表示する表示灯であって、
表示灯は、赤色に着色された半透明部材から成る環状の表示灯本体を有し、表示灯本体の環状空間に配置された発光ダイオードの光を正面及び周囲に環状に放射するようにされ、
表示灯の中央部に発信機を取り付けるための略矩形状の開口を有し、使用状態において、表示灯本体の表面部は、環状の表示灯本体の外周方向に向かって、奥方向へ傾斜しており、表示灯本体と発信機の表面部は正面板より突出している、表示灯。」

(3)対比
引用発明の、「正面板」、「開口」、「自動火災報知設備の発信機」、「環状」、「発光ダイオード」、「表面」は、それぞれ、本件発明の「取付面」、「開口部」、「防災機器」、「リング状」、「発光源」、「前面」に相当する。
引用発明の「表示灯本体」は、半透明部材から成り、表示灯本体の環状空間に配置された発光ダイオードの光を放射することから、本件発明の「発光源を収容する本体部」、「発光源が発光する光を透光させて光る発光表示部」に対応する。
引用発明の発信機を取り付けるための略矩形状の開口を有する「表示灯の中央部」は、本件発明の「発光表示部の内周側」に対応する。

そうすると、本件発明と引用発明は、
「開口部を有する取付面に取り付けられて防災機器の位置を表示する表示灯であって、
発光源を収容する本体部と、前記発光源が発光する光を透光させて光る発光表示部とを有し、
該発光表示部はリング状に形成されており、かつ正面視においてリング状の発光表示部の内周側に発信機が配置されている表示灯。」である点で一致し、

次の点で相違する。
相違点1:本件発明は、発光表示部が、「前記取付面に平行な平面部を有する」リング状に形成されるのに対して、引用発明は、「表示灯本体の表面部は、環状の表示灯本体の外周方向に向かって、奥方向へ傾斜して」いる点。

相違点2:本件発明は、「前記発光表示部の平面部の外周から奥側に向かう側面の部分が前記取付面に設けられた開口部の縁に内側から当接して、表示灯の位置決めをする機能を有し」ているのに対して、引用発明は、当該構成について、特定されていない点。

相違点3:本件発明は、「取付状態において前記発信機の前面部、前記発光表示部の平面部及び前記取付面が面一になっている」のに対して、引用発明は、「表示灯本体と発信機の表面部は正面板より突出している」点。

(4)判断
事案に鑑み、相違点2について、検討する。

a 甲第2号証には、発信機5を前面パネル9に装着する手順として、【0036】?【0037】、図2、図4に記載されるように、「ガイド基板17を上記発信機5裏面5bに固定」し、「その後、上記ガイド基板17のガイド板18a,18bが上記前面パネル9裏面9aのL型アングル14,14の支持板14b,14b間に位置するように、上記発信機5の前面5a’を上記パネル9の透孔11に宛が」うことが記載されている。
そうすると、表示灯の位置決めは、「ガイド基板17のガイド板18a,18b」及び「前面パネル9裏面9aのL型アングル14,14の支持板14b,14b」によりなされるものであり、発光表示部の平面部の外周から奥側に向かう側面の部分が前記取付面に設けられた開口部の縁に内側から当接して、表示灯の位置決めをする機能を有するものではない。

b 特許異議申立人は、意見書において、参考資料1(特開2011-86224号公報)、参考資料2(実開平4-15787号公報)を証拠方法として、「発光表示部の平面部が取付面に設けられた開口部の縁に内側から当接して、表示灯の位置決めをする機能を有することは周知技術にすぎない。」旨、主張する(意見書3ページ?4ページ)ので、当該主張について、検討する。

(a)参考資料1には、次の事項が記載されている。
「【0048】
図9は本発明による発信機構造の他の実施形態を断面で示した説明図であり、図9(A)に通常状態を示し、図9(B)に押し釦スイッチを操作した状態を示している。
【0049】
図9(A)において、通報装置扉24に設けた取付穴72の背後にはカバー102とカバー104が固定ネジに対するナットにより取付固定されている。カバー102には嵌合穴110が設けられ、ここに枠部材106の外周側から裏面に向けて突出した嵌合爪108を嵌合し、枠部材106をカバー102に取り付けている。
【0050】
枠部材106の内周側には、裏面側に向けて係止爪112が円周方向の複数個所に分かれて形成されている。この係止爪112に対しては有機ガラス板などを用いた保護板96が装着されている。
【0051】
カバー104に対しては押し釦スイッチ80が取り付けられている。押し釦スイッチ80は前方にスイッチノブ82を突出し、スイッチノブ82の内部に応答表示灯84を設けている。またスイッチノブ82の外側には防水キャップ86が装着されている。スイッチノブ82は透明または半透明なプラスチック材料で形成され、更に防水キャップ86は透光性のあるシリコンゴムなどを使用している。
【0052】
押し釦スイッチ80の後方には端子88により信号線90が接続され、この後方についても防水カバー92が装着されている。」





そうすると、参考資料1には、発信機を通報装置扉24に取り付けるために、枠部材106を取付孔72の縁に内側から当接させて、発信機の位置決めをしているか否かは明記されておらず、当接させることが当然であるとまではいえない。

(b)参考資料2には、次の事項が記載されている。なお、参考資料2として、実願平2-54905号(実開平4-15787号)のマイクロフィルムを引用する。
「(実施例)
以下、本考案の実施例を図面に基づき説明する。
第1図及び第2図において、1は押釦スイッチで、スイッチ本体1aから押釦1bが出退自在に設けられ、該押釦1bが引出状態のときはオフ状態であり、押込状態のときはオン状態であり、押釦1bを操作しない限り引出状態から押込状態にならないが、押釦1bの押込力を解放すると、自動的に引出状態になってオフ状態になる。
2は発信機ケースでその内部にスイッチ取付具4が固着され、合成樹脂製の取付板5が取付ねじ6により着脱可能に取付けられている。
7は金属製のカバーで、中央に押釦スイッチ操作孔8が設けられると共に、取付板5に固定ねじ9により着脱自在に固定されている。
10は合成樹脂製の保護板、11はばね導線からなる保護板係止部材、12はコイル状の保護板復帰ばね、13は保護板押えカバー兼散光部材である。
・・・中略・・・
なお、前記散光部13aは、カバー7の押釦スイッチ操作孔8と、保護板10の間にあって、前端面がカバー7の前面のよりも若干前方に突出し、側方からでも、見易いようになっており、図外のタッピングねじにより取付板5に固着されている。」(4ページ11行?7ページ2行)





そうすると、参考資料2には、押釦スイッチ1をカバー7に取り付けるために、保護板押えカバー兼散光部材13を押釦スイッチ操作孔8の縁に内側から当接させて、押釦スイッチの位置決めをしているか否かは明記されておらず、当接させることが当然であるとまではいえない。

(c)以上のように、参考資料1及び2を勘案しても、発光表示部の平面部が取付面に設けられた開口部の縁に内側から当接して、表示灯の位置決めをする機能を有することは、周知技術とはいえない。

c まとめ
よって、相違点1,3について検討するまでもなく、本件発明は、引用発明、甲第2号証に記載された事項、及び参考資料1,2に記載された事項によっては、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

2 令和2年11月17日付けで通知した取消理由について
令和2年11月17日付けで通知した取消理由は、令和2年 8月17日に提出された訂正請求に基づく請求項2に対するものであったところ、本件訂正請求により、令和2年 8月17日に提出された訂正請求は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなされる。
そして、本件訂正後の請求項2は、「表示灯の位置決めをする機能」について、「前記発光表示部の平面部の外周から奥側に向かう側面の部分が前記取付面に設けられた開口部の縁に内側から当接」することが特定されることにより、令和2年11月17日付けで通知した取消理由で指摘した事項は明確となり、取消理由は解消した。

また、特許異議申立人は、意見書において、令和2年 8月17日に提出された訂正請求に基づく請求項2に係る発明は、「発明の詳細な説明に記載されたものでない。」旨、及び「明確に記載されたものではない。」旨、主張(意見書4ページ?6ページ)する。
しかしながら、本件訂正後の請求項2に係る発明は、「表示灯の位置決めをする機能」について、「前記発光表示部の平面部の外周から奥側に向かう側面の部分が前記取付面に設けられた開口部の縁に内側から当接」することが特定されるものであり、当該特定事項は、本件特許明細書等の【0019】、【0046】、【0047】、図3,及び図15に記載された事項であって、明確な記載であるから、意見書での上記主張は、採用できない。


第6 むすび
したがって、令和2年 6月16日付けの取消理由通知及び令和2年11月17日付けの取消理由通知に記載した取消理由、又は特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、本件請求項2に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。


 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付面に取り付けられて防災機器の位置を表示する表示灯であって、
発光源を収容する本体部と、前記発光源が発光する光を透光させて光る発光表示部とを有し、
該発光表示部はリング状に形成されると共に、奥側に向かって垂下し、かつ取付状態において前記取付面から突出しない垂下面となっており、かつリング状の発光表示部に囲まれた部位に発信機が配置され、その前面部が発光表示部よりも奥側に位置して視認可能になっていることを特徴とする表示灯。
【請求項2】
開口部を有する取付面に取り付けられて防災機器の位置を表示する表示灯であって、
発光源を収容する本体部と、前記発光源が発光する光を透光させて光る発光表示部とを有し、
該発光表示部は前記取付面に平行な平面部を有するリング状に形成されており、かつ正面視においてリング状の発光表示部の内周側に発信機が配置され、
前記発光表示部の平面部の外周から奥側に向かう側面の部分が前記取付面に設けられた開口部の縁に内側から当接して、表示灯の位置決めをする機能を有しており、取付状態において前記発信機の前面部、前記発光表示部の平面部及び前記取付面が面一になっていることを特徴とする表示灯。
【請求項3】
取付面に取り付けられて防災機器の位置を表示する表示灯であって、
発光源を収容する本体部と、前記発光源が発光する光を透光させて光る発光表示部とを有し、
該発光表示部は前記取付面に平行な平面部を有するリング状に形成されると共に、奥側に向かって垂下し、かつ取付状態において前記取付面から突出しない垂下面を有し、
かつ正面視においてリング状の発光表示部の内周側に発信機が配置され、その前面部が発光表示部よりも奥側に位置するようになっていることを特徴とする表示灯。
【請求項4】
前記発光表示部は、奥側かつ該発光表示部の内周側に向かって傾斜する傾斜面を有することを特徴とする請求項3記載の表示灯。
【請求項5】
取付面に取り付けられて防災機器の位置を表示する表示灯であって、
発光源を収容する本体部と、前記発光源が発光する光を透光させて光る発光表示部とを有し、
該発光表示部は前記取付面に平行な平面部を有するリング状に形成されており、かつ正面視においてリング状の発光表示部の内周側に発信機が配置され、取付状態において前記発信機の前面部、前記発光表示部の平面部及び前記取付面が面一になっており、
前記発光表示部は、その両サイド部が上下部よりも明るく光るように、前記発光源の配置及び/又は輝度が設定されていることを特徴とする表示灯。
【請求項6】
前記発光表示部は、その両サイド部が上下部よりも明るく光るように、前記発光源の配置及び/又は輝度が設定されていることを特徴とする請求項1、3、4のいずれか一項に記載の表示灯。
【請求項7】
取付面に取り付けられて防災機器の位置を表示する表示灯であって、
発光源を収容する本体部と、前記発光源が発光する光を透光させて光る発光表示部とを有し、
該発光表示部は前記取付面に平行な平面部を有するリング状に形成されており、かつ正面視においてリング状の発光表示部の内周側に発信機が配置され、取付状態において前記発信機の前面部、前記発光表示部の平面部及び前記取付面が面一になっており、
両サイドに配置された前記発光源が他の発光源よりも前記発光表示部に最も近くなるように配置されていることを特徴とする表示灯。
【請求項8】
両サイドに配置された前記発光源が他の発光源よりも前記発光表示部に最も近くなるように配置されていることを特徴とする請求項1、3、4、5のいずれか一項に記載の表示灯。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2021-04-01 
出願番号 特願2014-252417(P2014-252417)
審決分類 P 1 652・ 121- YAA (G08B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山岸 登  
特許庁審判長 佐藤 智康
特許庁審判官 谷岡 佳彦
衣鳩 文彦
登録日 2019-09-13 
登録番号 特許第6584771号(P6584771)
権利者 能美防災株式会社
発明の名称 表示灯  
代理人 石川 壽彦  
代理人 石川 壽彦  

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