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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C09D
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  C09D
審判 全部申し立て 2項進歩性  C09D
管理番号 1376693
異議申立番号 異議2020-700535  
総通号数 261 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-09-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-07-29 
確定日 2021-05-25 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6671531号発明「水性塗料組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6671531号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?9〕について訂正することを認める。 特許第6671531号の請求項1、2及び5?9に係る特許を維持する。 特許第6671531号の請求項3及び4に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6671531号の請求項1?9に係る特許についての出願は、令和元年9月3日の出願であって、令和2年3月5日にその特許権の設定登録がされ、同年3月25日に特許掲載公報が発行された。その後、その請求項1?9に係る特許に対し、同年7月29日に特許異議申立人エスケー化研株式会社(以下、「申立人」ともいう。)は特許異議の申立てを行い、当審は同年11月18日付けで取消理由を通知した。この取消理由通知に対して、特許権者は令和3年1月21日に意見書の提出及び訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)を行った。その訂正の請求に対して、申立人は同年3月23日に意見書を提出した。

第2 訂正の可否についての判断
1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正の内容は、次の訂正事項1?9のとおりである。なお、訂正前の請求項2?9は、訂正前の請求項1の記載を引用し、訂正事項9に係る明細書の訂正は請求項1?9に係る発明に関するものであるから、本件訂正は、一群の請求項1?9について請求されている。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)のSP値は、9.5?10.9の範囲内である、」と記載されているのを、
「アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)のSP値は、9.5?10.9(cal/cm^(3))^(1/2)の範囲内であり、」と訂正する
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に、
「前記アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)は、モノマー混合物のエマルション重合物であり、
前記モノマー混合物は、アルコキシシリル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーを含み、
前記モノマー混合物はさらに、メタクリル酸メチル、アクリル酸n-ブチル及びアクリル酸2-エチルヘキシルからなる群から選択される1種又はそれ以上を含み、
前記モノマー混合物100質量部に対する、メタクリル酸メチル、アクリル酸n-ブチル及びアクリル酸2-エチルヘキシルからなる群から選択される1種又はそれ以上の合計量は、68?99.9質量部の範囲内である、」とする発明特定事項を追加する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3を削除する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4を削除する。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5において、「請求項1?4いずれかに記載の水性塗料組成物。」とあるのを、「請求項1又は2記載の水性塗料組成物。」と訂正する。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6において、「請求項1?5いずれかに記載の水性塗料組成物。」とあるのを、「請求項1、2及び5いずれかに記載の水性塗料組成物。」と訂正する。
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項7において、「請求項1?6いずれかに記載の水性塗料組成物。」とあるのを、「請求項1、2、5及び6いずれかに記載の水性塗料組成物。」と訂正する。
(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項8において、「請求項1?7いずれかに記載の水性塗料組成物。」とあるのを、「請求項1、2及び5?7いずれかに記載の水性塗料組成物。」と訂正する。
(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項9において、「請求項1?8いずれかに記載の水性塗料組成物。」とあるのを、「請求項1、2及び5?8いずれかに記載の水性塗料組成物。」と訂正する。

2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
(1)訂正事項1について
本件明細書【0058】にSP値の実測方法として引用された文献(乙第1号証)に示された、トルエンのSP値及び乙第2号証に記載されたトルエンのSP値の単位((cal/cm^(3))^(1/2))からみて、本件請求項1に記載されたSP値の単位は、「(cal/cm^(3))^(1/2)」と解するのが合理的であるところ、訂正事項1は、SP値の単位を「(cal/cm^(3))^(1/2)」と明記するものであるから、訂正事項1は、不明瞭な記載の釈明を目的とするものであって、新規事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。請求項1を引用する、請求項2及び5?9についても、同様である。
(2)訂正事項2について
訂正事項2は、訂正前の請求項3及び4、並びに、本件明細書の【0046】の「上記モノマー混合物100質量部に対する、メタクリル酸メチル、アクリル酸n-ブチル及びアクリル酸2-エチルヘキシルからなる群から選択される1種又はそれ以上の合計量は、20?99.9質量部の範囲内であるのが好ましく、40?99.9質量部の範囲内であるのがより好ましく、50?99.9質量部の範囲内であるのがさらに好ましく、68?99.9質量部:の範囲内であるのが特に好ましい。」という記載に基づいて、「アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)」について、特定するものであり、訂正事項2は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。
(3)訂正事項3及び4について
訂正事項3は請求項3を削除するものであり、訂正事項4は請求項4を削除するものであるから、訂正事項3及び4は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。
(4)訂正事項5?9について
訂正事項3及び4に伴って、訂正事項5は、請求項5の引用請求項について、「請求項1?4」とあるのを、「請求項1又は2」と訂正するものであり、訂正事項6は、請求項6の引用請求項について、「請求項1?5」とあるのを、「請求項1、2及び5」と訂正するものであり、訂正事項7は、請求項7の引用請求項について、「請求項1?6」とあるのを、「請求項1、2、5及び6」と訂正するものであり、訂正事項8は、請求項8の引用請求項について、「請求項1?7」とあるのを、「請求項1、2及び5?7」と訂正するものであり、訂正事項9は、請求項9の引用請求項について、「請求項1?8」とあるのを、「請求項1、2及び5?8」と訂正するものであり、いずれも、引用請求項を減少させるものであるから、訂正事項5?9は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、新規事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。
(5)小括
以上のとおり、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、訂正事項2?9は、同ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、いずれも、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?9〕について訂正することを認める。

第3 本件発明
第2で述べたとおり、本件訂正は認められるので、本件訂正請求により訂正された請求項1、2及び5?9に係る発明は、訂正特許請求の範囲の請求項1、2及び5?9に記載された次の事項により特定されるとおりのものである(以下、各請求項に係る発明を、項番号に応じて「本件発明1」などといい、まとめて「本件発明」という。)。
「【請求項1】
フッ素樹脂エマルション(A)、及びアクリルシリコーン樹脂エマルション(B)、を含む、水性塗料組成物であって、
前記フッ素樹脂エマルション(A)は、含フッ素シード重合エマルションであり、及び前記アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)のSP値は、9.5?10.9(cal/cm^(3))^(1/2)の範囲内であり、
前記アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)は、モノマー混合物のエマルション重合物であり、
前記モノマー混合物は、アルコキシシリル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーを含み、
前記モノマー混合物はさらに、メタクリル酸メチル、アクリル酸n-ブチル及びアクリル酸2-エチルヘキシルからなる群から選択される1種又はそれ以上を含み、
前記モノマー混合物100質量部に対する、メタクリル酸メチル、アクリル酸n-ブチル及びアクリル酸2-エチルヘキシルからなる群から選択される1種又はそれ以上の合計量は、68?99.9質量部の範囲内である、
水性塗料組成物。
【請求項2】
前記アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)は、水酸基価が30mgKOH/g以下である、請求項1記載の水性塗料組成物。
【請求項3】(削除)
【請求項4】(削除)
【請求項5】
前記フッ素樹脂エマルション(A)は、含フッ素重合体粒子をシードとした、ラジカル重合性不飽和モノマーのシード重合物のエマルションである、請求項1又は2記載の水性塗料組成物。
【請求項6】
前記水性塗料組成物中に含まれるフッ素樹脂エマルション(A)及びアクリルシリコーン樹脂エマルション(B)の固形分質量比は、(A):(B)=20:80?90:10の範囲内である、請求項1、2及び5いずれかに記載の水性塗料組成物。
【請求項7】
フッ素樹脂エマルション(A)及びアクリルシリコーン樹脂エマルション(B)の固形分質量比が50:50である混合物の、乾燥塗膜の膜厚が50μmである塗膜のヘイズ値が4.10以下である、請求項1、2、5及び6いずれかに記載の水性塗料組成物。
【請求項8】
建材塗装又は建築物塗装用水性塗料組成物である、請求項1、2及び5?7いずれかに記載の水性塗料組成物。
【請求項9】
請求項1、2及び5?8いずれかに記載の水性塗料組成物の製造方法であって、下記工程:
含フッ素重合体粒子の水性分散液中で、ラジカル重合性不飽和モノマーを、含フッ素重合体粒子にシード重合して、フッ素樹脂エマルション(A)を得る工程、アルコキシシリル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーを含むモノマー混合物をエマルション重合して、アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)を得る工程、及び
前記フッ素樹脂エマルション(A)及びアクリルシリコーン樹脂エマルション(B)を混合して、水性塗料組成物を得る工程、
を包含する、
水性塗料組成物の製造方法。」

第4 取消理由の概要
訂正前の請求項1?9に係る特許に対して、令和2年11月18日付けで特許権者に通知した取消理由は、次のようなものである。
「〔理由1(明確性要件)〕
本件請求項1に記載されたアクリルシリコーン樹脂エマルション(B)のSP値の測定方法が不明であり、また、SP値の単位が不明であるから、請求項1及び請求項1を引用する請求項2?9の記載は、特許法第36条第6項第2号に適合するものではない。
よって、本件請求項1?9に係る発明に係る特許は、同法第36条第6項第2号の規定を満たさない特許出願に対してなされたものであり、同法第113条第1項第4号の規定により取り消されるべきものである。
〔理由2(実施可能要件)〕
上記理由1で述べたように、本件明細書の発明の詳細な説明には、アクリルシリコーン樹脂エマルションの「SP値」の測定条件或いは計算条件が明らかにされておらず、SP値の単位も不明であるため、本件発明1を具現化するに用いられるアクリルシリコーン樹脂として、どのようなものを用いればよいのか、理解できないことから、発明の詳細な説明の記載は特許法第36条第4項第1号に適合するものではない。
よって、本件請求項1?9に係る発明に係る特許は、同法第36条第4項第1号の規定を満たさない特許出願に対してなされたものであり、同法第113条第1項第4号の規定により取り消されるべきものである。
〔理由3(進歩性)〕
本件請求項1?9に係る発明は、以下の甲1?甲7に記載された発明に基いて、本件出願日前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、本件請求項1?9に係る発明に係る特許は、同法第29条の規定に違反してなされたものであり、同法第113条第1項第2号の規定により取り消されるべきものである。
<刊行物一覧>
甲1:特開2015-110768号公報(特許異議申立人の提出した甲第1号証)
甲2:特開2007-191570号公報(特許異議申立人の提出した甲第2号証)
甲3:特開2012-214794号公報(特許異議申立人の提出した甲第3号証)
甲4:特開2015-875号公報(特許異議申立人の提出した甲第4号証)
甲5:特開2004-307719号公報(特許異議申立人の提出した甲第5号証)
甲6:特開2015-67777号公報(特許異議申立人の提出した甲第6号証)
甲7:JISハンドブック8 建築I(材料) 財団法人日本規格協会 2006年1月25日 第一版第一刷発行(特許異議申立人の提出した甲第7号証)」

第5 取消理由に対する当審の判断
1 理由1(明確性要件)について
上記第2 2(1)で述べたように、本件請求項1に記載されたSP値の単位は、「(cal/cm^(3))^(1/2)」と解するのが合理的であるところ、SP値の測定について、本件明細書には、次の記載がある。
「【0057】
上記SP値とは、solubility parameter(溶解性パラメーター)の略であり、溶解性の尺度となるものである。SP値は数値が大きいほど極性が高く、逆に数値が小さいほど極性が低いことを示す。
【0058】
例えば、SP値は次の方法によって実測することができる[参考文献:SUH、CLARKE、J.P.S.A-1、5、1671?1681(1967))]。
【0059】
サンプルとして、有機溶剤0.5gを100mlビーカーに秤量し、アセトン10mlを、ホールピペットを用いて加え、マグネティックスターラーにより溶解したものを使用する。このサンプルに対して測定温度20℃で、50mlビュレットを用いて貧溶媒を滴下し、濁りが生じた点を滴下量とする。貧溶媒は、高SP貧溶媒としてイオン交換水を用い、低SP貧溶媒としてn-ヘキサンを使用して、それぞれ濁点測定を行う。有機溶剤のSP値δは下記計算式によって与えられる。
δ=(V_(ml)^(1/2)δ_(ml)+V_(mh)^(1/2)δ_(mh))/(V_(ml)^(1/2)+V_(mh)^(1/2))
V_(m)=V_(1)V_(2)/(φ_(1)V_(2)+φ_(2)V_(1))
δ_(m)=φ_(1)δ_(1)+φ_(2)δ_(2)
Vi:溶媒の分子容(ml/mol)
φi:濁点における各溶媒の体積分率
δi:溶媒のSP値
ml:低SP貧溶媒混合系
mh:高SP貧溶媒混合系
【0060】
なお、アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)が複数種のアクリルシリコーン樹脂エマルションを含む場合、アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)のSP値は、各単量体のSP値を用いて、アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)成分中における固形分質量比を元に平均値を算出することによって、求めることができる。」

そうすると、上記【0059】の記載から、当業者は有機溶剤のSP値を求めることができるといえる。また、樹脂のSP値については、既知の有機溶剤のSP値に基づき、上記参考文献(乙第1号証)の記載を参考にして求めることができるといえる。そして、上記【0060】の記載から、アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)のSP値は、各単量体のSP値を求め、アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)成分中における固形分質量比を元に平均値を算出することによって、求めることができるといえる。
したがって、本件請求項1に記載されたアクリルシリコーン樹脂エマルション(B)のSP値の測定方法が不明であるということはできないし、SP値の単位が不明であるということもできない。

2 理由2(実施可能要件)について
上記1で述べたように、本件請求項1に記載されたアクリルシリコーン樹脂エマルション(B)が不明確であるということはできないから、本件発明1を具現化するに用いられるアクリルシリコーン樹脂として、どのようなものを用いればよいのか、理解できないとはいえない。

3 理由3(進歩性)について
(1)甲1の記載
摘記1a:
「【0001】
本発明は、成膜助剤に関する。さらに詳しくは、例えば、塗料などの原料として用いられるフッ素樹脂エマルションなどに好適に使用することができる成膜助剤に関する。
【0002】
フッ素系樹脂に対する密着性および相溶性が良好である水性被覆組成物を製造するために、ターシャリーブチル(メタ)アクリレート、エチレン性不飽和カルボン酸単量体およびその他のエチレン性単量体から得られる共重合体からなるエマルションを用いることが提案されている(中略)。」
摘記1b:
「【0113】
本発明において、エマルション粒子を構成する重合体の原料として用いられる全単量体成分の溶解パラメーター(以下、SP値ともいう)は、温水凍結安定性を向上させる観点から、好ましくは13.0(J/cm^(3))^(1/2)以上、より好ましくは14.0(J/cm^(3))^(1/2)以上であり、低温造膜性、耐温水性および耐候性を向上させる観点から、好ましくは17.5(J/cm^(3))^(1/2)以下、より好ましくは16.5(J/cm^(3))^(1/2)以下である。」
摘記1c:
「【0122】
フッ素樹脂エマルションとしては、例えば、トリフルオロエチレン単位、テトラフルオロエチレン単位、ペンタフルオロプロピレン単位、ヘキサフルオロプロピレン単位、クロロトリフルオロエチレン単位、フッ化ビニリデン単位などの単位の1種類または2種類以上を有するフッ素樹脂エマルションが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。フッ素樹脂エマルションは、商業的に容易に入手することができるものであり、その例として、旭硝子(株)製の商品名:ルミフロン(登録商標)、ダイキン工業(株)製の商品名:ゼッフル(登録商標)、セントラル硝子(株)製の商品名:セフラルコートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。」
摘記1d:
「【0144】
実施例4
滴下ロート、攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコ内に、脱イオン水1010部を仕込んだ。
【0145】
滴下ロートに、脱イオン水96部、乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR-10〕の25%水溶液40部、メチルメタクリレート235部、シクロヘキシルメタクリレート100部およびメタクリル酸5部からなる1段目用プレエマルションを調製した。
【0146】
前記で得られた1段目用プレエマルションのうち、単量体成分の総量の5%にあたる71部を前記フラスコ内に添加し、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温し、3.5%過硫酸アンモニウム水溶液14部をフラスコ内に添加し、乳化重合を開始した。
【0147】
次に、1段目用プレエマルションの残部、3.5%過硫酸アンモニウム水溶液86部および2.5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液40部を60分間かけてフラスコ内に滴下させた。滴下終了後、80℃の温度で60分間維持することにより、1段目の乳化重合を終了した。
【0148】
その後、脱イオン水97部、乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR-10〕の25%水溶液40部、2-エチルヘキシルアクリレート75部、シクロヘキシルメタクリレート150部、メチルメタクリレート50部、n-ブチルアクリレート50部および1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジルメタクリレート5部からなる2段目のプレエマルション、3.5%過硫酸アンモニウム水溶液86部および2.5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液40部を60分間かけてフラスコ内に滴下した。滴下終了後、80℃の温度で60分間維持することにより、2段目の乳化重合を終了した。
【0149】
次に、脱イオン水97部、乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR-10〕の25%水溶液40部、2-エチルヘキシルアクリレート120部、シクロヘキシルメタクリレート200部、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジルメタクリレート5部およびγ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン5部からなる3段目のプレエマルション、3.5%過硫酸アンモニウム水溶液86部および2.5%亜硫酸水素ナトリウム水溶液40部を60分間かけてフラスコ内に滴下した。滴下終了後、80℃の温度で60分間維持することにより、3段目の乳化重合を終了した。得られた反応混合物を室温まで冷却した後、フラスコの内容物のpHが8以上となるように25%アンモニア水をフラスコ内に添加し、300メッシュの金網で濾過することにより、水性樹脂エマルションを得た。
【0150】
前記で得られた水性樹脂エマルションに含まれているエマルション粒子の平均粒子径は160nmであり、エマルション粒子の内層を構成する重合体のガラス転移温度は99℃、外層を構成する重合体のガラス転移温度は7℃であり、重合体全体のガラス転移温度は34℃、単量体成分のSP値は16.0(J/cm3)1/2であった。前記で得られた水性樹脂エマルションを成膜助剤Dとして用いた。…
【0183】
実施例10
滴下ロート、攪拌機、窒素導入管、温度計および還流冷却管を備えたフラスコ内に、脱イオン水1010部を仕込んだ。
【0184】
滴下ロートに、脱イオン水290部、乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR-10〕の25%水溶液120部、2-エチルヘキシルアクリレート195部、n-ブチルアクリレート50部、シクロヘキシルメタクリレート450部、メチルメタクリレート285部、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジルメタクリレート10部およびγ-メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン10部からなるプレエマルションを調製した。
【0185】
前記で得られたプレエマルションのうち、単量体成分の総量の5%にあたる71部を前記フラスコ内に添加し、ゆるやかに窒素ガスを吹き込みながら80℃まで昇温し、3.5%過硫酸アンモニウム水溶液14部をフラスコ内に添加し、乳化重合を開始した。
【0186】
次に、プレエマルションの残部を180分間かけてフラスコ内に滴下させた。滴下終了後、80℃の温度で120分間維持し、フラスコの内容物のpHが9となるように25%アンモニア水をフラスコ内に添加することにより、乳化重合を終了した。
【0187】
前記で得られた反応混合物を室温まで冷却した後、300メッシュの金網で濾過することにより、水性樹脂エマルションを得た。
【0188】
前記で得られた水性樹脂エマルションに含まれているエマルション粒子の平均粒子径は150nmであり、エマルション粒子を構成する重合体のガラス転移温度は34℃であり、単量体成分のSP値は7.83(J/cm^(3))^(1/2)であった。前記で得られた水性樹脂エマルションを成膜助剤Jとして用いた。…
【0218】
実験例
表1に示す種類の成膜助剤およびフッ素樹脂エマルションを用い、フッ素樹脂エマルション100部あたり表1に示す量で成膜助剤を用い、フッ素樹脂エマルションと成膜助剤とを混合し、得られた混合物に2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート〔チッソ(株)製、品番:CS-12〕10部を添加し、ホモディスパーで回転数1000min-1にて10分間均一な組成となるように撹拌した後、消泡剤〔サンノプコ(株)製、商品名:ノプコ8034L〕0.5部を添加し、クレーブス単位粘度計〔ブルックフィールド社製、品番:KU-1〕を用いて25℃で測定したときの粘度が80KUとなるように増粘剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカノールUH-420〕を添加し、30分間均一な組成となるように撹拌することにより、評価用試料を調製した。(中略)
【0226】
JIS A5430(2004年)に準ずるスレート板〔日本テストパネル(株)製、縦:70mm、横:150mm、厚さ:6mm〕に溶剤系シーラー〔エスケー化研(株)製、商品名:EXシーラー〕を乾燥後の塗布量が20g/m2となるようにエアスプレーで塗布し、23℃の大気中にて24時間乾燥させた後、前記エナメル塗料を6ミルアプリケーターで塗布し、100℃の熱風乾燥機で10分間乾燥させた。(中略)
【0232】
評価用試料100部、前記白色ペースト45部および黒色ペースト〔横浜化成(株)製、商品名:ユニラント88、コンクブラック〕5部を混合し、クレーブス単位粘度計〔ブルックフィールド社製、品番:KU-1〕を用いて25℃で測定したときの粘度が65KUとなるように増粘剤〔(株)日本触媒製、商品名:アクリセットWR-503A〕を添加し、30分間均一な組成となるように撹拌することにより、エナメル塗料を得た。(中略)
【0237】



(2)甲1に記載された発明(甲1発明)
甲1の摘記1d(【0218】)には、実験例として、「表1に示す種類の成膜助剤およびフッ素樹脂エマルションを用い、フッ素樹脂エマルション100部あたり表1に示す量で成膜助剤を用い、フッ素樹脂エマルションと成膜助剤とを混合し」評価用試料を調製することが記載されている。
また、【0232】には「評価用試料100部、前記白色ペースト45部および黒色ペースト〔横浜化成(株)製、商品名:ユニラント88、コンクブラック〕5部を混合」などすることでエナメル塗料を得ることが記載されている。
そして、【0237】の【表1】には、実験番号6として、フッ素樹脂Em(フッ素樹脂エマルション)Cと成膜助剤Dを30部、実験番号12として、フッ素樹脂EmCと成膜助剤Jを30部用いるものが記載されている。
ここで、成膜助剤Dは、メチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メタクリル酸、2?エチルヘキシルアクリレート、nーブチルアクリレート、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジルメタクリレートとγ?メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランを三段階で乳化重合させて得られた、単量体成分のSP値が16.0(J/cm^(3)) ^(1/2)の水性樹脂エマルションである(【0144】?【0150】)。
また、成膜助剤Jは、2-エチルヘキシルアクリレート、n?ブチルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジルメタクリレート、γ?メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランを乳化重合させて得られた単量体成分のSP値が7.83(J/cm^(3)) ^(1/2)の水性樹脂エマルションである(【0183】?【0188】)。
そうすると、成膜助剤のSP値に着目すると、甲1には、
「フッ素樹脂Em(フッ素樹脂エマルション)Cと成膜助剤を含むエナメル塗料であって、水性樹脂エマルションである成膜助剤の単量体成分のSP値((J/cm^(3)) ^(1/2))が7.83(成膜助剤J)又は16.0(成膜助剤D)であるエナメル塗料」(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

(3)対比・判断
ア 本件発明1について
本件発明1と甲1発明とを対比する。
甲1発明の「フッ素樹脂Em(フッ素樹脂エマルション)C」は、本件発明1の「フッ素樹脂エマルション(A)」に相当する。
また、甲1発明の「水性樹脂エマルションである成膜助剤」は、γ?メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランのような「アルコキシシリル基含有ラジカル重合不飽和モノマー」に相当するモノマーと、「2-エチルヘキシルアクリレート(アクリル酸2-エチルヘキシルと同義)、n?ブチルアクリレート(アクリル酸n-ブチルと同義)、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート(メタクリル酸メチルと同義)、1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジルメタクリレート」などの「他のラジカル重合性不飽和モノマー」に相当するモノマーとの混合物を重合することによって調製したものであるから、本件発明1の「アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)」であって、「前記アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)は、モノマー混合物のエマルション重合物であり、前記モノマー混合物は、アルコキシシリル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーを含み、前記モノマー混合物はさらに、メタクリル酸メチル、アクリル酸n-ブチル及びアクリル酸2-エチルヘキシルからなる群から選択される1種又はそれ以上を含み、」という構成を充足する。
そして、甲1発明のエナメル塗料は、水性樹脂エマルションを含むものであるから、本件発明1の「水性塗料」に相当する。
そうすると、本件発明1と甲1発明とは、
「フッ素樹脂エマルション(A)、及びアクリルシリコーン樹脂エマルション(B)、を含み、
前記アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)は、モノマー混合物のエマルション重合物であり、
前記モノマー混合物は、アルコキシシリル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーを含み、
前記モノマー混合物はさらに、メタクリル酸メチル、アクリル酸n-ブチル及びアクリル酸2-エチルヘキシルからなる群から選択される1種又はそれ以上を含む、
水性塗料組成物。」という点において一致し、以下の点で相違する。
(相違点1)
本件発明1の「フッ素樹脂エマルション」が「含フッ素シード重合エマルション」であるのに対して、甲1発明の「フッ素樹脂Em(フッ素樹脂エマルション)C」は「含フッ素シード重合エマルション」ではない点。
(相違点2)
本件発明1の「アクリルシリコーン樹脂エマルション」は、SP値((cal/cm^(3)) ^(1/2))が「9.5?10.9」であるのに対して、甲1発明の成膜助剤は、「単量体成分のSP値((J/cm^(3)) ^(1/2))は、7.83又は16.0」である点。
(相違点3)
本件発明1では、「モノマー混合物100質量部に対する、メタクリル酸メチル、アクリル酸n-ブチル及びアクリル酸2-エチルヘキシルからなる群から選択される1種又はそれ以上の合計量は、68?99.9質量部の範囲内である」点が特定されているのに対し、甲1発明では、このような規定はされていない点。

ここで、事案に鑑み、相違点2、3について順に検討する。
(相違点2について)
甲1発明の成膜助剤の単量体成分のSP値((J/cm^(3)) ^(1/2)は、その単位が本件発明1で規定されるものと異なるところ、技術常識に照らし、仮に、その単位を換算することができたとしても、本件発明1の範囲内のものであるということはできない。
また、甲1には、成膜助剤の単量体成分のSP値について、単に数値が示されているにとどまり、どのようなSP値がとりうることができるのか、又は、どのようなSP値が好ましいものなのかといった記載はなく、甲1発明の成膜助剤の単量体成分のSP値を本件発明1に規定される範囲内のものとする動機付けを見出すことができない。
(相違点3について)
甲1発明の「成膜助剤J」及び「成膜助剤D」について、「モノマー混合物100質量部に対する、メタクリル酸メチル、アクリル酸n-ブチル及びアクリル酸2-エチルヘキシルからなる群から選択される1種又はそれ以上の合計量」について求めると、いずれも53質量部と求めることができ、本件発明1で規定される範囲内のものではない。また、甲1には、当該合計量についての記載はなく、上記合計量を本件発明1で規定する範囲内のものとする動機付けを見出すことができない。
(本件発明1の効果について)
本件明細書には、「アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)のSP値が上記範囲内であることによって、フッ素樹脂エマルション(A)との親和性(相溶性)が向上し、得られる塗膜の外観が向上する利点がある。」(【0056】)、「上記モノマー混合物100質量部に対する、メタクリル酸メチル、アクリル酸n-ブチル及びアクリル酸2-エチルヘキシルからなる群から選択される1種又はそれ以上の合計量は、20?99.9質量部の範囲内であるのが好ましく、40?99.9質量部の範囲内であるのがより好ましく、50?99.9質量部の範囲内であるのがさらに好ましく、68?99.9質量部の範囲内であるのが特に好ましい。理論に拘束されるものではないが、モノマー混合物の組成が上記条件を満たすことによって、フッ素樹脂エマルション(A)およびアクリルシリコーン樹脂エマルション(B)における相溶性がより良好となり、その結果、より良好なヘイズ値が達成されると考えられる。」(【0046】)と記載されている。
そうすると、本件発明1は、上記相違点2及び3に係る発明特定事項を備えることで、フッ素樹脂エマルション(A)との親和性(相溶性)が向上し、得られる塗膜の外観が向上し、フッ素樹脂エマルション(A)およびアクリルシリコーン樹脂エマルション(B)における相溶性がより良好となり、その結果、より良好なヘイズ値が達成されるという、甲1発明からは予測し得ない、格別顕著な作用効果を奏するものであるということができ、このような作用効果は、実施例において確認されている。
(まとめ)
甲2?7にも本件発明1の上記相違点に係る発明特定事項は示されておらず、上記相違点1について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1?7に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである、とすることはできない。

イ 本件発明2及び5?9について
本件発明2及び5?9は、本件発明1を引用し、さらに特定するものであるから、本件発明1と同様に、甲1?7に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである、とすることはできない。

第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由はない。
なお、申立人は、令和3年3月23日付け意見書において、サポート要件違反について主張しているものの、本件発明が、本件発明の課題を解決しないものであるとする具体的な根拠について示しているとはいえず、採用することができない。

第7 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1、2及び5?9に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1、2及び5?9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
本件請求項3及び4に係る特許は、訂正により削除されたため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により、この特許についての特許異議の申立ては却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。

 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フッ素樹脂エマルション(A)、及び
アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)、
を含む、水性塗料組成物であって、
前記フッ素樹脂エマルション(A)は、含フッ素シード重合エマルションであり、及び
前記アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)のSP値は、9.5?10.9(cal/cm^(3))^(1/2)の範囲内であり、
前記アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)は、モノマー混合物のエマルション重合物であり、
前記モノマー混合物は、アルコキシシリル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーを含み、
前記モノマー混合物はさらに、メタクリル酸メチル、アクリル酸n-ブチル及びアクリル酸2-エチルヘキシルからなる群から選択される1種又はそれ以上を含み、
前記モノマー混合物100質量部に対する、メタクリル酸メチル、アクリル酸n-ブチル及びアクリル酸2-エチルヘキシルからなる群から選択される1種又はそれ以上の合計量は、68?99.9質量部の範囲内である、
水性塗料組成物。
【請求項2】
前記アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)は、水酸基価が30mgKOH/g以下である、請求項1記載の水性塗料組成物。
【請求項3】(削除)
【請求項4】(削除)
【請求項5】
前記フッ素樹脂エマルション(A)は、含フッ素重合体粒子をシードとした、ラジカル重合性不飽和モノマーのシード重合物のエマルションである、請求項1又は2記載の水性塗料組成物。
【請求項6】
前記水性塗料組成物中に含まれるフッ素樹脂エマルション(A)及びアクリルシリコーン樹脂エマルション(B)の固形分質量比は、(A):(B)=20:80?90:10の範囲内である、請求項1、2及び5いずれかに記載の水性塗料組成物。
【請求項7】
フッ素樹脂エマルション(A)及びアクリルシリコーン樹脂エマルション(B)の固形分質量比が50:50である混合物の、乾燥塗膜の膜厚が50μmである塗膜のヘイズ値が4.10以下である、請求項1、2、5及び6いずれかに記載の水性塗料組成物。
【請求項8】
建材塗装又は建築物塗装用水性塗料組成物である、請求項1、2及び5?7いずれかに記載の水性塗料組成物。
【請求項9】
請求項1、2及び5?8いずれかに記載の水性塗料組成物の製造方法であって、下記工程:
含フッ素重合体粒子の水性分散液中で、ラジカル重合性不飽和モノマーを、含フッ素重合体粒子にシード重合して、フッ素樹脂エマルション(A)を得る工程、
アルコキシシリル基含有ラジカル重合性不飽和モノマーを含むモノマー混合物をエマルション重合して、アクリルシリコーン樹脂エマルション(B)を得る工程、及び
前記フッ素樹脂エマルション(A)及びアクリルシリコーン樹脂エマルション(B)を混合して、水性塗料組成物を得る工程、
を包含する、
水性塗料組成物の製造方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2021-05-12 
出願番号 特願2019-160571(P2019-160571)
審決分類 P 1 651・ 536- YAA (C09D)
P 1 651・ 537- YAA (C09D)
P 1 651・ 121- YAA (C09D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 吉岡 沙織  
特許庁審判長 天野 斉
特許庁審判官 川端 修
木村 敏康
登録日 2020-03-05 
登録番号 特許第6671531号(P6671531)
権利者 日本ペイント・インダストリアルコ-ティングス株式会社
発明の名称 水性塗料組成物  
代理人 後藤 裕子  
代理人 山本 宗雄  
代理人 後藤 裕子  
代理人 吉田 環  
代理人 澤内 千絵  
代理人 吉田 環  
代理人 山尾 憲人  
代理人 山尾 憲人  
代理人 澤内 千絵  
代理人 山本 宗雄  

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