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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  E04H
管理番号 1376778
異議申立番号 異議2021-700353  
総通号数 261 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-09-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-04-20 
確定日 2021-08-16 
異議申立件数
事件の表示 特許第6770791号発明「駐車装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6770791号の請求項1ないし7に係る特許を維持する。 
理由 1 手続の経緯
特許第6770791号の請求項1?7に係る特許についての出願は、平成27年6月18日に出願され、令和2年9月30日にその特許権の設定登録がされ、令和2年10月21日に特許掲載公報が発行された。その後、その請求項1?7に係る特許に対し、令和3年4月20日に特許異議申立人川股くみ子(以下「申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。


2 本件発明
特許第6770791号の請求項1?7の特許に係る発明(以下「本件発明1」等といい、全体の発明を「本件発明」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?7に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
入出庫口から見て横方向に並ぶ複数のパレットと、
前記複数のパレットにそれぞれ対応して入出庫口に配置されたゲートと、
前記ゲートから見て前記パレット側の位置に配置され所定の情報を表示する表示部と、
前記ゲートから見て前記パレットと反対側の位置に配置され解除コードが入力される入力部と、
前記パレットの間に障害物があることを検知する検知部と、
前記入力部へ入力された前記解除コードと前記所定の情報との関係が所定の条件を満たす場合に、前記ゲートの閉鎖を可能とする制御部と、
を備え、
前記表示部は、入出庫口から前記パレットを見たときに前記複数のパレットの間に配置され、
前記入力部は、対応する前記表示部と同じ複数のパレットの間に配置され、
前記検知した場合に、前記表示部に所定の情報を表示する駐車装置。
【請求項2】
入出庫口から見て横方向に並ぶ複数のパレットと、
所定の位置に配置され所定の情報を表示する表示部と、
前記所定の位置とパレットを介して反対側の位置に配置され解除コードが入力される入力部と、
前記入力部へ入力された前記解除コードと前記所定の情報との関係が所定の条件を満たす場合に、前記パレットの搬送を可能とする制御部と、
前記パレットの間に障害物があることを検知する検知部と、
を備え、
前記表示部は、入出庫口から前記パレットを見たときに前記複数のパレットの間に配置され、
前記入力部は、対応する前記表示部と同じ複数のパレットの間に配置され、
前記検知した場合に、前記表示部に所定の情報を表示する
駐車装置。
【請求項3】
前記検知部と前記表示部とが対応する位置に配置される請求項1または2に記載の駐車装置。
【請求項4】
前記検知した場合に所定の報知を行う報知部をさらに有する請求項1乃至3のいずれか一に記載の駐車装置。
【請求項5】
前記検知部と前記表示部と前記報知部とが対応する位置に配置される請求項4に記載の駐車装置。
【請求項6】
前記所定の情報は、文字、数字、又は色であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の駐車装置。
【請求項7】
前記所定の条件とは、前記解除コードと前記所定の情報とが一致することである請求項1乃至6の何れか一に記載の駐車装置。」


3 申立理由の概要
申立人は、主たる証拠及び従たる証拠として以下の甲第1号証及び甲第3号証(以下、それぞれ「甲1」、「甲3」という。)を、技術常識や周知技術の例として以下の甲第2、4、5号証(以下、それぞれ「甲2」、「甲4」、「甲5」という。)を提出し、請求項1?7に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1?7に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。

甲1:特開平9-209591号公報
甲2:「機械式駐車装置の安全機能に関する認証基準」、
公益社団法人立体駐車場工業会、平成26年12月5日
甲3:特開平7-62918号公報
甲4:特開2007-170004号公報
甲5:特開2015-134983号公報


4 文献の記載
(1)甲1
ア 甲1には、以下の事項が記載されている。(下線は、異議の決定で付した。以下同様。)
(ア)「【0024】
【発明の実施の形態】本発明に係る立体駐車設備の実施の形態を図面に基づいて説明する。まず、本立体駐車設備の構成単位となる基本ユニットにつき、模式図により説明する。例えば、1つの横行段と、その上方及び下方に位置する2つの昇降段とにより、上下3層の立体駐車設備を構成する場合、基本ユニットは、図16に示すように、入出庫口路面R(または入出庫口床面)に面した横行段内で横行可能な横行パレットP1のみを有する第1基本ユニットA1と、図17に示すように、昇降段である上段または下段と横行段との間で昇降可能な2つの昇降パレットP2及びP3のみを有する第2基本ユニットA2と、図18に示すように、横行パレットP1並びに2つの昇降パレットP2及びP3を有する第3基本ユニットA3の3種類である。
【0025】前記第1乃至第3基本ユニットA1乃至A3を横方向に選択的に組み合せることにより、所望の収容台数の立体駐車設備容易に設計できる。例えば、図19の立体駐車設備は、1つの第2基本ユニットA2と3つの第3基本ユニットA3とを組み合せることにより、最大限11台の車両の収容が可能となるように構成したものである。ここでは、横行段が入出庫口路面Rに面し、且つ、第2基本ユニットA2の横行段内に車両1台分の空きスペースが予め設けられている。」

(イ)「【0029】図19及び図20に示すように、各立体駐車設備のパレットの駆動制御等を行う制御装置1は、好ましくは、1台の親機2と、各基本ユニットに対応して設けられる複数台の子機3とにより構成される。そして、各基本ユニットに属するパレットの駆動及びパレットの位置検出等は、各子機3が行う一方、親機2は各子機3を介して立体駐車設備内の全てのパレットの位置を把握するとともに、移動が必要なパレットを有する子機3に対して当該パレットの駆動を指令するようになっている。なお、各基本ユニット毎に子機3を設ける代わりに、例えば、図24に示すように、2つの基本ユニットをそれぞれ1制御単位として、この制御単位毎に1台の子機3を設け、前述と同様の制御を行うこともできる。」

(ウ)「【0033】以下、より具体的な実施の形態を説明する。図1に示すように、この立体駐車設備は3層型で、且つ横方向に3列の並びとなっており、第1列Iは第2基本ユニットA2(図17参照)により、第2列II及び第3列III は各々の第3基本ユニットA3(図18参照)により構成されて、最大限8台の車両の収容が可能である。すなわち、この立体駐車設備は、第2列II及び第3列III の横行段内に、各々左側に横行可能な2個の横行パレットP12、P13を備え、第1列I乃至第3列III における各上段の昇降段内に、各々横行段との間で昇降可能な昇降パレットP21、P22、P23を備え、更に第1列I乃至第3列III の下段の昇降段内に、各々横行段との間で昇降可能な昇降パレットP31、P32、P33を備えている。図1に示す状態では、第1列I内の昇降パレットP21が横行段に下降している。なお、ここでは、各パレットにそれぞれパレット番号が付与されており、例えば、上段の昇降パレットP21、P22及びP23のパレット番号が“1”、“2”及び“3”、横行パレットP12及びP13のパレット番号が“4”及び“5”、下段の昇降パレットP31、P32及びP33のパレット番号が“6”、“7”及び“8”である。」

(エ)「【0036】前記横行段に面した入出庫口路面には、入出庫時のみに上昇して、車両の通過を許容する昇降ゲート4が設けられている。更に、前記横行段には、前記発光素子5及び受光素子6からなり、車両のはみ出しの有無を検出する光電スイッチ(図1には図示せず)が設置される。
【0037】本立体駐車設備では第1列I乃至第3列III がそれぞれ独立した制御単位をなし、第1列I乃至第3列III の各基本ユニットA2、A3、A3に属するパレットの駆動の制御等を行うために、第1乃至第3子機3a乃至3cが個別に設けられ、更に、第3子機3cに隣接して親機2が設置されている。
【0038】図2に示すように、親機2及び第1乃至第3子機3a乃至3cは、ループ状に接続され、親機2とそれに隣接する子機3a、3c間及び隣接する子機3a乃至3c間には信号線11が設けられる一方、親機2と第1子機3a間及び隣接する子機3a乃至3c間には電源線12が設けられている。これらの親機2及び各子機3a乃至3cとしては、以下の表1に各々役割を記載したNO.1制御盤T1乃至NO.4制御盤T4のいずれかが選択的に用いられる。親機2としてはNO.1制御盤T1が使用されるが、表1から明らかなように、このNO.1制御盤T1は、親機2及び各子機3a乃至3c間の通信管理及び本立体駐車設備全体の制御を司るものである。
【0039】
【表1】(省略)
【0040】第1子機3aとしてはNO.2制御盤T2が使用されるが、このNO.2制御盤T2は、昇降ゲート4並びに上段及び下段の各昇降パレットP21、P31の駆動制御を司るものである。また、第2及び第3子機3b及び3cとしてはNO.3制御盤T3が使用されるが、このNO.3制御盤T3は、第2列II及び第3列III の横行パレットP12、P13並びに上段及び下段の各昇降パレットP22、P23、P32、P33の駆動制御を司るものである。
【0041】前記NO.1制御盤T1からなる親機2は、電源部2a及びプログラマブルコントローラ(PC)2bを備え、このプログラマブルコントローラ2bは前記在車検知光電スイッチ10及び入出庫操作装置13との間で信号の授受を行うようになっている。入出庫操作装置13は、例えば、エレクトロルミネセンス素子からなり、表示面がタッチスイッチとして兼用されるディスプレー14を備えたCPUを内蔵している。このCPUは、ID番号の設定及び照合、入出庫される車両の車番の記憶等が行えるとともに、本立体駐車設備を有料駐車場としても使用できるように、駐車料金の管理を行うための駐車料金管理管理プログラムを備えたものである。なお、入出庫操作装置13には、非常時に各パレットの駆動を停止させる非常停止スイッチ13aと、当該立体駐車設備の作動モードを、各パレットの駆動等を行う運転モードと、保守、点検用の保守モードとの間で切り換えるための切換スイッチ13bとが設けられている。
【0042】親機2は、前記ディスプレー14上に表示される後述の各種タッチスイッチによるタッチ入力に基づいて、各子機3a乃至3cに所定のパレットの駆動を指令するパレット駆動信号等を送信するとともに、各子機3a乃至3cにより検出されて親機2に送信されてくる動作情報、つまり、各基本ユニットに属するパレットの駆動状況を、ディスプレー14上に動作情報画面(後述)として表示するようになっている。
【0043】また、親機2のプログラマブルコントローラ2aは、時計機能を有し、横行段内に位置するいずれかのパレットに対する前記在車検知光電スイッチ10の検出結果が在車から空車へ反転した際、またはその逆の反転が生じた際に、当該パレットへの入出庫時間(入出庫時刻)がプログラマブルコントローラ2aに自動的に記憶されるようになっている。更に、親機2は、パーソナルコンピュータ等の外部機器に対してデータの出力を行う外部出力端子を有するとともに、在車または空車信号、満車信号、アラーム信号等の出力を行うようになっている。
【0044】NO.2制御盤T2またはNO.3制御盤T3からなる第1乃至第3子機3a乃至3cは、それぞれ電源部3dと、プログラマブルコントローラ3eと、動力部3fとを有する。各動力部3fは、リレー及び電磁開閉器等で構成され、前記インダクションモータ7及び前記落下防止装置のソレノイド15に大電流(最大20A)及び高電圧(最大415V)を供給して、これらを作動させるようになっている。また、各子機3a乃至3cには、自らが支配するパレットに付随する各種リミットスイッチLSの検出信号が入力されると共に、第1及び第3子機3a及び3cは、それぞれ前記発光素子5及び受光素子6を制御するように構成されている。なお、前記NO.2制御盤T2乃至NO.4制御盤T4は、仕様自体は全て共通であって、図示しない選択スイッチにより、NO.2乃至NO.4のいずれの制御盤として用いられるかが選択されるようになっている。
【0045】前述のように、親機2及び子機3a乃至3cをループ状に接続した制御装置1において、親機2から送信されるパレット駆動信号等の各信号を、各子機3a乃至3c間で順次転送し、最後に第3子機3cから親機2に転送するようにすれば、第3子機3cから親機2に転送された信号が、親機2が送信した信号と異なる場合、断線もしくはいずれかの制御盤の異常が生じているものとして、直ちに立体駐車設備の作動を停止することができる。なお、親機2と子機3a乃至3cの接続方法はループ状に限らず、例えば、スター状に接続しても良い。
【0046】次に、マンション等の集合住宅に本立体駐車設備を設けた場合における、入出庫のための操作手順をディスプレー14への表示内容とともに説明する。図3のフローチャートにおいて、まず、前記入出庫操作装置13の切換スイッチ13bの切換位置により、前記運転モードまたは保守モードのいずれが選択されているかが親機2により判定され(S1)、保守モードが選択されていれば、ディスプレー14に所定の保守メニューが表示される(S2)。この保守メニューは、例えば、ID番号の設定、保守情報の表示等、複数のメニューを含むことができるが、ここでは詳述しない。
【0047】前記保守メニューから保守情報の表示が選択された場合は、ディスプレー14に前記保守情報が表示され、同時に終了スイッチ16が表示される(S3)。前記保守情報は、例えば、各種リミットスイッチLSの作動回数、電磁開閉器の作動回数、モータ累積作動時間等を表示することができるが、ここでは詳述しない。S3で終了スイッチ16(タッチスイッチ)がタッチされると、不図示の感知部によりこれが感知され、S2の保守メニューに復帰する。
【0048】S1において、運転モードが選択されていれば、S4に進むが、通常の非操作時にはディスプレー14に何も表示されない。その後、操作者がディスプレー14の表示面の任意の箇所にタッチしたこと(S5)を条件として、ディスプレー14に図4中S6のID番号入力画面(図面上ではID画面と表記する)が表示される。
【0049】このID番号入力画面では、ID番号(暗証番号)の入力を求めるメッセージと、ID番号を入力するためのテンキー17(タッチスイッチ)と、4桁のID番号の入力状況を示す4つの点滅部18と、ID番号の入力を中止して、操作を終了させるための終了スイッチ19(タッチスイッチ)とが表示され、テンキー17によりID番号が1桁入力される毎に点滅部18が1つずつ点灯されるとともに、終了スイッチ19がタッチされた時は、S4の初期画面に復帰するようになっている。
【0050】集合住宅用の立体駐車設備においては、各パレット毎、つまり、各使用者毎に異なるID番号が設定され、入出庫操作装置13のCPUに記憶されている。S6におけるID番号の入力が完了すると、前記CPUにより前記ID番号がいずれかのパレットのID番号と一致するか否かが判定され(S7)、いずれのパレットのID番号とも一致しない場合、S8でID番号不一致のメッセージが表示され、且つ、終了スイッチ21とID番号入力画面復帰スイッチ22(ともにタッチスイッチ)とが表示される。終了スイッチ21がタッチされた場合、S4の初期画面に復帰し、ID番号入力画面復帰スイッチ22がタッチされた場合は、S6のID番号入力画面に復帰して、ここで、再度ID番号を入力することができる。
【0051】S7において、入力されたID番号がいずれかのパレットのID番号と一致した場合、続いて、S9で操作画面が表示される。この操作画面では、入力されたID番号に対応するパレットのパレット番号と、パレット呼出の可否の選択を求めるメッセージとが表示され、同時に取消スイッチ23と作動スイッチ24(ともにタッチスイッチ)とが表示される。操作者は表示されたパレット番号が目的のパレットのパレット番号と一致しているか否かを確認し、一致していない場合、取消スイッチ23をタッチすることにより、S6のID番号入力画面に復帰する。一方、表示されたパレット番号が目的のパレットのパレット番号と一致しており、且つ呼出を実行する場合は、作動スイッチ24にタッチすることにより、S10以下で目的のパレットの呼出が開始される。このように、前記操作画面では、取消スイッチ23または作動スイッチ24により、取消または呼出開始が選択される。
【0052】前述のように、入力されたID番号に対応するパレットのパレット番号を表示して、目的のパレットのパレット番号との一致、不一致を確認した上でパレット呼出を開始するようにしたので、万一、操作者が誤入力したID番号が他人のパレットのパレット番号と偶然に一致した場合でも、他人の車両を呼び出す以前に操作を中止することができる。」

(オ)「【0060】パレット呼出動作が順調に進行し、呼出が終了すると、S18において、パレット呼出終了のメッセージが表示され、同時にゲート閉スイッチ33(タッチスイッチ)が表示される。その後、S19で操作者が車両の入出庫を行った後、前記ゲート閉スイッチ33がタッチされると、昇降ゲート4の閉動作が開始されると共に、図7中S20においてゲート閉動作中である旨のメッセージが表示される。
【0061】昇降ゲート4の閉鎖中に万一の事故の発生等により、非常停止スイッチ13aがオン動作されると、前記S11と同様に本立体駐車設備の非常停止が行われるとともに、S21で非常停止のメッセージが表示され、且つ、ブザーによる警報音が発生される。また、S20で安全光線が遮断されると、S23に進んで、S13と同様に安全光線遮断のメッセージが表示され、同時に確認スイッチ34(タッチスイッチ)が表示される。安全確認後、安全スイッチ34がタッチされると、前記S6のID番号入力画面に復帰する。
【0062】S20において、昇降ゲート4の閉動作が終了すると、S22でゲート閉じ動作完了のメッセージが表示され、且つ、終了スイッチ35とID番号入力画面復帰スイッチ36(ともにタッチスイッチ)が表示される。終了スイッチ35がタッチされると、S4の初期画面に復帰し、一方、ID番号入力画面復帰スイッチ36がタッチされると、S6のID番号入力画面に復帰する。
【0063】以上のように、この実施の形態によれば、パレット呼出動作を、操作者がディスプレー14に表示されるメッセージを参照しながら、ディスプレー14上の各種タッチスイッチに適宜タッチすることにより、対話形式で行えるようにしたので、操作勝手が良好になる。また、パレットの呼出の進行段階に伴って、ディスプレー14上で複数の動作情報画面を切り換えて表示するようにしたので、操作者は呼出の進行状況を逐次知得することができる。
【0064】また、安全光線が遮断されたり、チェーン8の緩みが発生した場合は、前記非常用リミットスイッチ等がこれを検出して、各子機3a乃至3cの動力部3fへの電源供給を停止することにより、直ちにパレットの駆動を中断するとともに、不具合の発生をディスプレー14上に表示するようにしたので、安全性が向上すると同時に、操作者はいかなる不具合が生じているかを速やかに知得して、迅速且つ的確に対処できるようになる。
【0065】また、予め、パレット毎に異なるID番号を設定し、ディスプレー14上のID番号入力画面で入力されたID番号がいずれかのパレットのID番号と一致することを確認した場合のみ、パレット呼出動作を許容するようにしたので、部外者によるパレット呼出が事実上禁止されるとともに、ディスプレー14の表示面に対する鳥の接触や紙屑の付着等によって誤操作が生じることもなくなる。しかも、従来のように各操作者がキーを携帯する必要もない。なお、パレット番号を確認した上でパレット呼出を開始するようにしたので(図4中S9)、万一、誤入力したID番号が偶然にいずれかのパレットのID番号と一致した場合も、他人のパレットを誤って呼び出す不具合も少なくなる。」

(カ)図1、図2は以下のとおり。

【図1】


【図2】



イ 上記アからみて、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認める。
「3層型で、かつ横方向に3列の並びとなっている立体駐車設備であって、
第1列Iは、昇降段である上段または下段と横行段との間で昇降可能な2つの昇降パレットP2及びP3のみを有する第2基本ユニットA2により、第2列II及び第3列III は、各々の横行パレットP1並びに2つの昇降パレットP2及びP3を有する第3基本ユニットA3により構成され、横行段が入出庫口路面Rに面しており、
第2列II及び第3列III の横行段内に、各々左側に横行可能な2個の横行パレットP12、P13を備え、第1列I乃至第3列III における各上段の昇降段内に、各々横行段との間で昇降可能な昇降パレットP21、P22、P23を備え、更に第1列I乃至第3列III の下段の昇降段内に、各々横行段との間で昇降可能な昇降パレットP31、P32、P33を備えており、
前記横行段に面した入出庫口路面には、入出庫時のみに上昇して、車両の通過を許容する昇降ゲート4が設けられ、更に、前記横行段には、前記発光素子5及び受光素子6からなり、車両のはみ出しの有無を検出する光電スイッチが設置されており、
第1列I乃至第3列III の各基本ユニットA2、A3、A3に属するパレットの駆動の制御等を行うために、第1乃至第3子機3a乃至3cが個別に設けられ、更に、第3子機3cに隣接して親機2が設置され、親機2及び第1乃至第3子機3a乃至3cは、ループ状に接続され、
1台の親機2と、各基本ユニットに対応して設けられる3台の子機3により制御装置1が構成され、
親機2は、表示面がタッチスイッチとして兼用されるディスプレー14を備えたCPUを内蔵した入出庫操作装置13との間で信号の授受を行うようになっており、
親機2は、前記ディスプレー14上に表示される後述の各種タッチスイッチによるタッチ入力に基づいて、各子機3a乃至3cに所定のパレットの駆動を指令するパレット駆動信号等を送信するとともに、各子機3a乃至3cにより検出されて親機2に送信されてくる動作情報、つまり、各基本ユニットに属するパレットの駆動状況を、ディスプレー14上に動作情報画面(後述)として表示するようになっており、
入出庫のための操作手順は、
運転モードまたは保守モードのいずれが選択されているかが親機2により判定され(S1)、
運転モードが選択されていれば、S4に進み、通常の非操作時にはディスプレー14に何も表示されないが、操作者がディスプレー14の表示面の任意の箇所にタッチしたこと(S5)を条件として、ディスプレー14にS6のID番号入力画面が表示され、
S6におけるID番号の入力が完了すると、前記CPUにより前記ID番号がいずれかのパレットのID番号と一致するか否かが判定され(S7)、
S7において、入力されたID番号がいずれかのパレットのID番号と一致した場合、続いて、S9で操作画面が表示され、この操作画面では、入力されたID番号に対応するパレットのパレット番号と、パレット呼出の可否の選択を求めるメッセージとが表示され、
表示されたパレット番号が目的のパレットのパレット番号と一致しており、且つ呼出を実行する場合は、作動スイッチ24にタッチすることにより、S10以下で目的のパレットの呼出が開始され、
パレット呼出動作が順調に進行し、呼出が終了すると、S18において、パレット呼出終了のメッセージが表示され、同時にゲート閉スイッチ33(タッチスイッチ)が表示され、その後、S19で操作者が車両の入出庫を行った後、前記ゲート閉スイッチ33がタッチされると、昇降ゲート4の閉動作が開始されると共に、S20においてゲート閉動作中である旨のメッセージが表示され、
S20で安全光線が遮断されると、S23に進んで、S13と同様に安全光線遮断のメッセージが表示され、同時に確認スイッチ34(タッチスイッチ)が表示され、安全確認後、安全スイッチ34がタッチされると、前記S6のID番号入力画面に復帰し、
S20において、昇降ゲート4の閉動作が終了すると、S22でゲート閉じ動作完了のメッセージが表示され、且つ、終了スイッチ35とID番号入力画面復帰スイッチ36(ともにタッチスイッチ)が表示され、終了スイッチ35がタッチされると、S4の初期画面に復帰する、
立体駐車設備。」

(2)甲3
ア 甲3には、以下の事項が記載されている。
(ア)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機械式駐車装置の安全確認装置に関するものである。」

(イ)「【0005】即ち、図2は機械式駐車装置の代表例である垂直循環式駐車装置の乗入部の平面を示したもので、出入口1からケージ2に入庫された自動車3が投光器と受光器からなる複数個の光電装置PH1?PH4により正規の位置に格納されているかをチェックし、万一自動車3の停止位置が前方又は後方に偏っている場合には、案内灯4にその旨表示して適正位置に誘導させるように運用される。
【0006】そして、正規の位置に自動車3が格納されたならば、運転者が自動車3から降り出入口1を通じて退出し、その後管理人などが駐車場内に人がいないこと,自動車のドアが閉じていることなどを確認してから操作盤5を操作してケージ2を運転させることになる。」

(ウ)「【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、管理人などが駐車装置内(塔内)の人の有無などを確認する場合は飽くまで目視で行うことになるため、駐車装置内を隅々まで見渡して確実に安全確認を行うかは偏に確認を行う人の態度にかかっており、常に安全を確保する方法としては甚だ心許ない。又、構造上自動車3の影に隠れるような死角がどうしてもできてしまい、特に通常操作盤5の付近に位置する管理人にとっては、いちいち出入口1の反操作盤側までいって駐車場内を覗き込む手間をついつい面倒がってしまい、安全確認を疎かにする虞れも考えられる。本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、安全確認を行う人がどのような人であっても間違いなく安全確認が行われる安全確認装置を提供することを目的とする。」

(エ)「【0010】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を用いて説明する。図1は本発明に係る確認装置を備えた駐車装置の平面図、図3は図1における操作盤の正面図、図4は安全確認装置のブロック図であり、図中図2と同一符号のものは同一のものを示す。
【0011】10は、安全確認を行う人の死角になりがちな塔内の奥に設けられた表示装置で、例えば各ケージ2が出入口1に到着する度に乱数を表示し乱数信号10aを出力する装置、20は出入口1の側方に設けられた操作盤で、入庫釦21と出庫釦22とテンキーボード23と2組みの数字をディジタル表示する表示器24などからなる。30は表示装置10の乱数信号10aと表示器24の出力信号24aを比較し一致していれば確認信号30aを出力して駐車装置の運転を可能にする比較装置である。
【0012】要するに、ケージ2内に自動車3が入庫されてケージ2を循環運転させるには、そのときに表示装置10により表示されている乱数と同じ数字をテンキーボード23を使って入力し表示器24に表示されない限り運転動作が不可能となるものである。
【0013】つまり、操作盤20を操作する管理人などは、駐車装置の運転に先だって必ず通常死角となる領域を自ら出入口1の反操作盤20から見渡すことにより人の有無をしっかり確認するとともに、その際表示装置10によって表示されている乱数を見て、それと同じ数字をテンキーボード23により入力して比較装置30から確認信号30aを出力させない限り駐車装置を運転させることはできない。」

(オ)「【0015】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、駐車装置を運転操作する人が通常死角となる領域を自ら積極的に目視確認した後、操作盤を決められたルールに従って正確に操作しなければ運転ができないため、極めて安全な機械式駐車装置を得ることができる。」

(カ)図1、図3は以下のとおり。
【図1】


【図3】


イ 上記アからみて、甲3には、次の技術事項(以下「甲3技術事項」という。)が記載されているものと認める。
「出入口1から自動車3をケージ2に入庫し、運転者が自動車3から降り出入口1を通じて退出し、その後管理人などが駐車場内に人がいないこと,自動車のドアが閉じていることなどを確認してから操作盤5を操作してケージ2を運転させる、機械式駐車装置である垂直循環式駐車装置において、
各ケージ2が出入口1に到着する度に乱数を表示し乱数信号10aを出力する装置であって、安全確認を行う人の死角になりがちな塔内の奥に設けられた表示装置10、
入庫釦21と出庫釦22とテンキーボード23と2組みの数字をディジタル表示する表示器24などからなり、出入口1の側方に設けられた操作盤20、
表示装置10の乱数信号10aと表示器24の出力信号24aを比較し一致していれば確認信号30aを出力して駐車装置の運転を可能にする比較装置30、
を備え、
操作盤20を操作する管理人などは、駐車装置の運転に先だって必ず通常死角となる領域を自ら出入口1の反操作盤20から見渡すことにより人の有無をしっかり確認するとともに、その際表示装置10によって表示されている乱数を見て、それと同じ数字をテンキーボード23により入力して比較装置30から確認信号30aを出力させない限り駐車装置を運転させることはできない、
垂直循環式駐車装置。」


5 当審の判断
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲1発明を対比する。
(ア)甲1発明の「横行パレットP1」及び「昇降パレットP2及びP3」、「昇降ゲート4」、「ディスプレー14」、「立体駐車設備」は、その構成及び機能からみて、それぞれ本件発明1の「パレット」、「ゲート」、「表示部」、「駐車装置」に相当する。
甲1発明において、「横行段が入出庫口路面Rに面して」ていることから、「横行段」と「入出庫口路面R」との間には、本件発明1と同様に「入出庫口」が備えられていることは明らかである。
そして、甲1発明の「前記横行段に面した入出庫口路面に」「設けられ」た「入出庫時のみに上昇して、車両の通過を許容する昇降ゲート4」は、本件発明1の「入出庫口に配置されたゲート」に相当する。
甲1発明の「立体駐車設備」は、「3層型で、かつ横方向に3列の並びとなって」おり、「第1列Iは、昇降段である上段または下段と横行段との間で昇降可能な2つの昇降パレットP2及びP3のみを有する第2基本ユニットA2により、第2列II及び第3列III は、各々の横行パレットP1並びに2つの昇降パレットP2及びP3を有する第3基本ユニットA3により構成され」ており、「第2列II及び第3列III の横行段内に、各々左側に横行可能な2個の横行パレットP12、P13を備え、第1列I乃至第3列III における各上段の昇降段内に、各々横行段との間で昇降可能な昇降パレットP21、P22、P23を備え、更に第1列I乃至第3列III の下段の昇降段内に、各々横行段との間で昇降可能な昇降パレットP31、P32、P33を備えて」いることから、「入出庫口路面Rに面」する「横行段」内に、「2個の横行パレットP12、P13」を含む2又は3の「パレット」が「横方向」に「並びとな」ることが明らかであるところ、甲1発明において「入出庫口路面Rに面」する「横行段」内で「横方向」に「並びとな」る上記2又は3の「パレット」は、本件発明1の「入出庫口から見て横方向に並ぶ複数のパレット」に相当する。
甲1発明の「1台の親機2と」「3台の子機3により」「構成され」る「制御装置1」は、本件発明1の「制御部」に相当する。
甲1発明において、「S20で安全光線が遮断されると、S23に進んで、S13と同様に安全光線遮断のメッセージが表示され、同時に確認スイッチ34(タッチスイッチ)が表示され」ることから、甲1発明は、本件発明1と同様に「障害物があることを検知する検知部」を備えることは明らかである。
甲1発明において、「ディスプレー14」の「表示面」の「タッチスイッチ」は、本件発明1の「入力部」に相当し、また、該「タッチスイッチ」は、その操作の都合により「入出庫口路面R」に面し、つまり「昇降ゲート4」からみて「入出庫口路面Rに面」する「横行段」内に「横方向」に「並びとな」るパレットと反対側の位置に配置されることは、自明な事項であるから、甲1発明の「タッチスイッチ」は、本件発明1の「前記ゲートから見て前記パレットと反対側の位置に配置され」「る入力部」に相当する。

(イ)上記(ア)からみて、本件発明1と甲1発明とは、
「入出庫口から見て横方向に並ぶ複数のパレットと、
入出庫口に配置されたゲートと、
表示部と、
前記ゲートから見て前記パレットと反対側の位置に配置される入力部と、
障害物があることを検知する検知部と、
制御部と、
を備える駐車装置。」で一致するものの、以下の点で相違している。

〔相違点1〕ゲートが、本件発明1は、「前記複数のパレットにそれぞれ対応して入出庫口に配置され」ているのに対し、甲1発明は、そのような配置ではない点。
〔相違点2〕表示部及び入力部について、本件発明1は、「表示部」が、「前記ゲートから見て前記パレット側の位置に配置され所定の情報を表示する」ものであって、「入出庫口から前記パレットを見たときに前記複数のパレットの間に配置され」、「入力部」が、「対応する前記表示部と同じ複数のパレットの間に配置され、」「解除コードが入力される」のに対し、甲1発明は、「ディスプレー14」及び「タッチスイッチ」について、そのような特定がない点。
〔相違点3〕障害物があることを検知する検知部が、本件発明1は、「前記パレットの間に障害物があることを検知」し、「前記検知した場合に、前記表示部に所定の情報を表示」させるのに対し、甲1発明は、そのような障害物かどうか不明であって、検知した場合に、表示部に所定の情報を表示するものでもない点。
〔相違点4〕制御部が、本件発明1は、「前記入力部へ入力された前記解除コードと前記所定の情報との関係が所定の条件を満たす場合に、前記ゲートの閉鎖を可能とする」のに対し、甲1発明は、そのような特定がない点。

イ 判断
(ア)上記アの相違点1?4のうち、まず相違点2について検討する。
甲1発明の「ディスプレー14」は、その表示面が「タッチスイッチ」として兼用されるものであるから、甲1発明の「ディスプレー14」と「タッチスイッチ」は同一の部材ということができ、そのような「ディスプレー14」と「タッチスイッチ」を、本件発明1のように、「前記ゲートから見て前記パレット側の位置に配置され」る「表示部」と、「前記ゲートから見て前記パレットと反対側の位置に配置され」た「入力部」の位置関係、つまり、前記ゲートから見て、パレット側もしくはパレットと反対側の位置という別々の位置に配置する動機付けはない。
また、甲3には上記4(2)イに示した甲3技術事項が記載されている。
甲3技術事項が備える「乱数を表示」する「表示装置10」は、「操作盤20を操作する管理人などは、」「通常死角となる領域を自ら出入口1の反操作盤10から見渡すことにより人の有無をしっかり確認する」ために、「安全確認を行う人の死角になりがちな塔内の奥に設けられ」ているものであるから、甲3技術事項の「表示装置10」の構成を甲1発明の「ディスプレー14」に適用したとしても、本件発明1のように、「入力部」を「対応する前記表示部と同じ複数のパレットの間に配置」して、死角とならない位置関係に配置するものとはならないし、本件発明1の「所定の情報」に相当する「乱数」を表示するものともならない。
そして、甲2、甲4、甲5をみても、対応する所定の情報を表示する表示部と入力部を同じ複数のパレットの間に配置することは、記載も示唆もされていない。
したがって、甲1発明に甲3技術事項及び甲2、甲4、甲5に記載の事項を適用することにより、上記相違点2に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
よって、その他の相違点を検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明、甲3技術事項、甲2、甲4、甲5に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものではない。

(イ)申立人は、甲1には、センサによって人が検知された場合に、乗降室内の安全確認をユーザーに行わせるものであって、甲1発明に甲3技術事項を適用した場合には、乗降室内のどこかに表示装置は配置されていれば足り、そして、乗降室内における表示装置の具体的な設置位置は、駐車装置の構造や乗降室内に設置されている各種機器類との配置に応じて、当業者が適宜決定し得る事項に過ぎない旨(特許異議申立書14頁下から6?末行)、表示装置の配置位置は、一配置例にすぎず、限定的に解釈されるべきではない旨(特許異議申立書15頁2?5行)主張している。
しかしながら、上記(ア)で説示したとおり、甲3技術事項の「表示装置10」の位置には特有の意味があるから、当業者が適宜決定し得る事項とはいえず、申立人の主張は採用できない。

(2)本件発明2について
ア 対比
本件発明2と甲1発明を対比する。
上記(1)アでの対比は、本件発明2と甲1発明の対比についても実質的に同様である。
また、甲1発明の「タッチスイッチ」は、本件発明2の「所定の位置とパレットを介して反対側の位置に配置され」る「入力部」に相当する。
よって、本件発明2と甲1発明とは、
「入出庫口から見て横方向に並ぶ複数のパレットと、
表示部と、
入力部と、
制御部と、
障害物があることを検知する検知部と、
を備える駐車装置。」で一致するものの、以下の点で相違している。

〔相違点A〕表示部及び入力部について、本件発明2は、「表示部」が、「所定の位置に配置され所定の情報を表示する」ものであって、「入出庫口から前記パレットを見たときに前記複数のパレットの間に配置され」、「入力部」が、「前記所定の位置とパレットを介して反対側の位置に配置され」、「対応する前記表示部と同じ複数のパレットの間に配置され」、「解除コードが入力される」のに対し、甲1発明は、「ディスプレー14」及び「タッチスイッチ」について、そのような特定がない点。
〔相違点B〕障害物があることを検知する検知部が、本件発明2は、「前記パレットの間に障害物があること検知」し、「前記検知した場合に、前記表示部に所定の情報を表示」させるのに対し、甲1発明は、そのような障害物かどうか不明であって、検知した場合に、表示部に所定の情報を表示するものでもない点。
〔相違点C〕制御部が、本件発明2は、「前記入力部へ入力された前記解除コードと前記所定の情報との関係が所定の条件を満たす場合に、前記パレットの搬送を可能とする」のに対し、甲1発明は、そのような特定がない点。

イ 判断
上記アの相違点A?Cのうち、まず相違点Aについて検討する。
甲1発明の「ディスプレー14」は、その表示面が「タッチスイッチ」として兼用されるものであるから、甲1発明の「ディスプレー14」と「タッチスイッチ」は同一の部材ということができ、そのような「ディスプレー14」と「タッチスイッチ」を、本件発明2のように、「所定の位置に配置され」る「表示部」と、「前記所定の位置とパレットを介して反対側の位置に配置され」た「入力部」の位置関係、つまり、パレットを介して反対側の位置という別々の位置に配置する動機付けはない。
また、甲3には上記4(2)イに示した甲3技術事項が記載されている。
甲3技術事項が備える「乱数を表示」する「表示装置10」は、「操作盤20を操作する管理人などは、」「通常死角となる領域を自ら出入口1の反操作盤10から見渡すことにより人の有無をしっかり確認する」ために、「安全確認を行う人の死角になりがちな塔内の奥に設けられ」ているものであるから、甲3技術事項の「表示装置10」の構成を甲1発明の「ディスプレー14」に適用したとしても、本件発明2のように、「入力部」を「対応する前記表示部と同じ複数のパレットの間に配置」して、死角とならない位置関係に配置するものとはならないし、本件発明2の「所定の情報」に相当する「乱数」を表示するものともならない。
そして、甲2、甲4、甲5をみても、対応する所定の情報を表示する表示部と入力部を同じ複数のパレットの間に配置することは、記載も示唆もされていない。
したがって、甲1発明に甲3技術事項及び甲2、甲4、甲5に記載の事項を適用することにより、上記相違点Aに係る本件発明2の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
よって、その他の相違点を検討するまでもなく、本件発明2は、甲1発明、甲3技術事項、甲2、甲4、甲5に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものではない。

(3)本件発明3ないし7について
本件発明3ないし7は、本件発明1又は2の構成を全て含み、さらに限定を付加する発明であるから、上記(1)又は(2)に示した理由と同様の理由により、甲1発明、甲3技術事項、甲2、甲4、甲5に記載の事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものではない。


6 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1?7に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1?7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。

 
異議決定日 2021-08-06 
出願番号 特願2015-123128(P2015-123128)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (E04H)
最終処分 維持  
前審関与審査官 佐藤 美紗子  
特許庁審判長 長井 真一
特許庁審判官 有家 秀郎
住田 秀弘
登録日 2020-09-30 
登録番号 特許第6770791号(P6770791)
権利者 日本発條株式会社 株式会社ニッパツパーキングシステムズ
発明の名称 駐車装置  
代理人 特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ  
代理人 特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ  
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