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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F28F
管理番号 1377060
審判番号 不服2020-14011  
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-10-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-10-06 
確定日 2021-08-12 
事件の表示 特願2019-103235「伝熱管及び熱交換器」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年12月10日出願公開、特開2020-197339〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、令和元年 5月31日を出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和2年 3月10日付け:拒絶理由通知書
令和2年 5月15日 :意見書、手続補正書の提出
令和2年 6月30日付け:拒絶査定
令和2年10月 6日 :審判請求書、同時に手続補正書の提出

第2 令和2年10月 6日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和2年10月 6日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。

「管軸方向と直交する幅方向に間隔をあけて複数の通路(41,42)が形成された伝熱管であって、
少なくとも2つの前記通路(41,42)のうち一方の通路(42)には、管軸方向から見て、該通路(42)の内周面に沿って並び、径方向内側に突出する複数の突起部(45)が設けられ、
前記突起部(45)は、管軸方向から見て、該突起部(45)の両辺に沿ってそれぞれ延びる2つの直線がなす角度が鋭角となるように形成され、
少なくとも2つの前記通路(41,42)は、管軸方向から見たときの該通路(41,42)の幅方向長さW、該通路(41,42)の濡れ縁長さL、該通路(41,42)の断面積Aによって設定される第1パラメータL/W及び第2パラメータA/Wが互いに異なっている伝熱管。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、令和2年 5月15日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。

「管軸方向と直交する幅方向に間隔をあけて複数の通路(41,42)が形成された伝熱管であって、
少なくとも2つの前記通路(41,42)のうち一方の通路(42)には、径方向内側に突出する突起部(45)が設けられ、
前記突起部(45)は、管軸方向から見て、該突起部(45)の両辺に沿ってそれぞれ延びる2つの直線がなす角度が鋭角となるように形成され、
少なくとも2つの前記通路(41,42)は、管軸方向から見たときの該通路(41,42)の幅方向長さW、該通路(41,42)の濡れ縁長さL、該通路(41,42)の断面積Aによって設定される第1パラメータL/W及び第2パラメータA/Wが互いに異なっている伝熱管。」

2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「突起部(45)」に関して、「突起部(45)」が「管軸方向から見て、該通路(42)の内周面に沿って並」んでいること、及び「複数」設けられることの限定を新たに付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。そして、本件補正は、新規事項を追加するものではない。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項
ア 原査定の拒絶の理由で引用文献3として引用された本願出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、実願昭59-106374号(実開昭61-66760号)のマイクロフィルム(昭和61年 5月 8日出願公開。以下、単に「引用文献」という。)には、以下の記載がある(下線は理解の一助のために当審が付与したものである。)。

(ア)
「第1図に示すように、このエバポレータE2は、冷媒が流れる複数の冷媒通路7c,7dが形成された液管としての異形管1と、ルーバ8が形成され冷媒と空気との熱伝達率を高めるためのフィン2とを有する。」(第5ページ第16行-第20行)

(イ)
「特に本考案にあっては、空気風下側にある複数個の冷媒通路7dの流路壁7cに、第2図(A)に示すような三角形状の多数の凹凸や、同図(B)に示するような四角形状の多数の凹凸を形成してある。また、その他の形状の凹凸を設けてもよい。」(第6ページ第1行-第5行)

(ウ)
「このようなエバポレータE2では、流路壁7eの凹凸のために空気風下側の伝熱面積が増し、空気風上側にてある程度冷却された空気と熱交換するにも拘わらず、熱交換量が増加することになる。このため、風上側冷媒通路7cで空気と熱交換した冷媒の温度と、風下側冷媒通路7dで空気と熱交換した冷媒の温度との温度差が小さくなり、これらが混合して流出される出口側導管内の冷媒温度が均一化される。」(第6ページ第11行-第19行)

(エ)


」(第1図)

(オ)


」(第2図(A))

イ 上記アの各記載から、引用文献には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。

(ア)
ア(ア)から、エバポレータE2の異形管1に冷媒が流れる複数の冷媒通路7c,7dが形成されている点。

(イ)
ア(エ)から、エバポレータE2の異形管1において、冷媒通路7c,7d内で冷媒の流れる方向と直交する方向に間隔をあけて複数の冷媒通路7c,7dが形成されていることが看取できる。

(ウ)
ア(イ)から、風下側にある冷媒通路7dの流路壁7cに三角形状の多数の凹凸が形成されている点。

(エ)
ア(オ)から、凹凸における凸部が、冷媒の流れる方向から見て、冷媒通路7dの内側に突出し、冷媒通路7dの流路壁7eに沿って並んでいることが看取できる。

(オ)
ア(エ)から、風下側にある冷媒通路7dの流路壁7eに凹凸が形成されている一方、風上側にある冷媒通路7cの流路壁には凹凸が形成されていないことが看取できる。

(カ)
ア(ウ)から、流路壁7eの凹凸のために風下側にある冷媒通路7dの伝熱面積が増したことで、風上側にある冷媒通路7cで空気と熱交換した冷媒の温度と、風下側にある冷媒通路7dで空気と熱交換した冷媒の温度との温度差を小さくした点。

ウ 上記ア、イから、引用文献には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「冷媒が流れる複数の冷媒通路7c,7dが形成されたエバポレータE2の異形管1であって、
冷媒通路7c,7d内で冷媒の流れる方向と直交する方向に間隔をあけて複数の冷媒通路7c,7dが形成され、
風下側にある冷媒通路7dの流路壁7eに三角形状の多数の凹凸が形成され、
凹凸における凸部は、冷媒の流れる方向から見て、冷媒通路7dの内側に突出し、冷媒通路7dの流路壁7eに沿って並んでおり、
風下側にある冷媒通路7dの流路壁7eに凹凸が形成されている一方、風上側にある冷媒通路7cの流路壁には凹凸が形成されておらず、
流路壁7eの凹凸のために風下側にある冷媒通路7dの伝熱面積が増したことで、風上側にある冷媒通路7cで空気と熱交換した冷媒の温度と、風下側にある冷媒通路7dで空気と熱交換した冷媒の温度との温度差が小さくなるように構成された、
エバポレータE2の異形管1。」

(3)引用発明との対比
ア 本件補正発明と引用発明とを、その機能、構造または技術的意義を考慮して対比する。
引用発明の「冷媒通路7c,7d」は、本件補正発明の「通路(41,42)」に、
引用発明の「冷媒通路7c,7d内で冷媒の流れる方向」は、本件補正発明の「管軸方向」に、
引用発明の「冷媒の流れる方向と直交する方向」は、本件補正発明の「幅方向」に、
引用発明の「流路壁7e」は、本件補正発明の「内周面」に、
引用発明の「凹凸における凸部」は、本件補正発明の「突起部(45)」に、
引用発明の「冷媒通路7dの内側」は、本件補正発明の「径方向内側」に、それぞれ相当する。
また、引用発明の「風下側にある冷媒通路7dの流路壁7eに」「多数の凹凸が形成され」ていることは、本件補正発明の「少なくとも2つの前記通路(41,42)のうち一方の通路(42)には、」「複数の突起部(45)が設けられ」ていることに相当する。
また、引用発明の「風下側にある冷媒通路7dの流路壁7e」に形成された「凹凸」が「三角形状」であることと本件補正発明の「前記突起部(45)は、管軸方向から見て、該突起部(45)の両辺に沿ってそれぞれ延びる2つの直線がなす角度が鋭角となるように形成され」ていることは、「突起部が管軸方向から見て該突起部の両辺に沿ってそれぞれ延びる2つの直線が角度をなすように形成されている」という限りにおいて一致している。
また、引用発明の「風下側にある冷媒通路7dの流路壁7eに凹凸が形成されている一方、風上側にある冷媒通路7cの流路壁には凹凸が形成されて」いないことと本件補正発明の「少なくとも2つの前記通路(41,42)は、管軸方向から見たときの該通路(41,42)の幅方向長さW、該通路(41,42)の濡れ縁長さL、該通路(41,42)の断面積Aによって設定される第1パラメータL/W及び第2パラメータA/Wが互いに異なっている」ことは、「少なくとも2つの通路は管軸方向から見たときの通路の形状が互いに異なっている」という限りにおいて一致している。
そして、引用発明の「異形管1」は、エバポレータE2で用いられるものであり、冷媒と空気とを熱交換させるためのものであるから、「伝熱管」であるといえる。

イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

<一致点>
「管軸方向と直交する幅方向に間隔をあけて複数の通路が形成された伝熱管であって、
少なくとも2つの通路のうち一方の通路には、管軸方向から見て、該通路の内周面に沿って並び、径方向内側に突出する複数の突起部が設けられ、
突起部が、管軸方向から見て、該突起部の両辺に沿ってそれぞれ延びる2つの直線が角度をなすように形成され、
少なくとも2つの通路は管軸方向から見たときの通路の形状が互いに異なっている、
伝熱管。」

<相違点1>
「突起部」の形状に関して、本件補正発明では、「前記突起部(45)は、管軸方向から見て、該突起部(45)の両辺に沿ってそれぞれ延びる2つの直線がなす角度が鋭角となるように形成され」ているのに対し、引用発明の三角形状である「凹凸」における凸部では、その両辺に沿ってそれぞれ延びる2つの直線がなす角度が鋭角に形成されているか否か不明である点。

<相違点2>
「少なくとも2つの通路」の構成に関して、本件補正発明では、「少なくとも2つの前記通路(41,42)は、管軸方向から見たときの該通路(41,42)の幅方向長さW、該通路(41,42)の濡れ縁長さL、該通路(41,42)の断面積Aによって設定される第1パラメータL/W及び第2パラメータA/Wが互いに異なっている」のに対し、引用発明では、「風下側にある冷媒通路7dの流路壁7eに凹凸が形成されている一方、風上側にある冷媒通路7cの流路壁には凹凸が形成されておらず、流路壁7eの凹凸のために風下側にある冷媒通路7dの伝熱面積が増したことで、風上側にある冷媒通路7cで空気と熱交換した冷媒の温度と、風下側にある冷媒通路7dで空気と熱交換した冷媒の温度との温度差が小さくなるように構成され」ているものの、上記のように定義される2つのパラメータが風上側にある冷媒通路7cと風下側にある冷媒通路7dとの間で異なるか否かは不明である点。

(4)判断
ア 上記各相違点について検討する。

<相違点1について>
引用発明において、凸部の両辺に沿ってそれぞれ延びる2つの直線がなす角度を具体的にどの程度の大きさに設定するかは、異形管1に求められる強度や熱交換効率、異形管1を製造する際の加工性等を考慮して当業者が適宜決定し得ることである。
また、例えば、特開平6-185885号公報の段落【0012】-【0014】、図1、図2に記載された凝縮伝熱管1の突起12、特開2000-154987号公報の段落【0022】-【0026】、図1-4に記載された扁平伝熱管2の突起6、特開昭63-116095号公報の第2ページ左上欄第19行-右上欄第10行、第1図、第2図に記載された偏平熱交換器管11のインナフィン16に示されるように、冷媒流路の内側に突出する突起部を備える伝熱管において、管軸方向から見て、該突起部の両辺に沿ってそれぞれ延びる2つの直線がなす角度が鋭角となるように形成することは、本願出願前から広く知られた周知技術(以下、単に「周知技術」という。)である。
よって、当該周知技術を勘案すれば、引用発明において、凹凸における凸部の形状を、冷媒の流れる方向から見て、凸部の両辺に沿ってそれぞれ延びる2つの直線がなす角度が鋭角となるように形成し、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

<相違点2について>
引用発明では、上記認定のとおり、「流路壁7eの凹凸のために風下側にある冷媒通路7dの伝熱面積が増したことで、風上側にある冷媒通路7cで空気と熱交換した冷媒の温度と、風下側にある冷媒通路7dで空気と熱交換した冷媒の温度との温度差が小さくなるように構成され」ており、風上側にある冷媒通路7cと風下側にある冷媒通路7dとでは伝熱面積が異なっているものと認められる。
そして、引用発明の風上側にある冷媒通路7cと風下側にある冷媒通路7dの伝熱面積を異ならせるために、通路の濡れ縁長さLや通路の断面積Aを異なるように設定することは、当業者が適宜なし得る設計的事項である。また、その結果として、冷媒の流れる方向から見たときの冷媒通路の幅方向長さW、通路の濡れ縁長さL、通路の断面積Aによって設定される第1パラメータL/W及び第2パラメータA/Wが互いに異なるようになることは、自然と満たされることであるから、前記第1パラメータL/W及び第2パラメータA/Wが互いに異なっているものとすることは、当業者にとって格別困難なことではない。

したがって、本件補正発明は、引用発明及び上記周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

イ 請求人の主張について
請求人は、審判請求書において、
「引用文献3には、第2図に示すように、流路壁7eの先端部は、直角に形成されている(第2図(A))か、軸方向に平行に延びている(第2図(B))構成しか開示されていません。
ここで、流路壁7eの先端部(突起部)を鋭角に形成しようとすると、突起部の加工が困難であるとともに、突起部の強度が低下して折れ曲がり易くなります。そのため、引用文献3の第2図(A)、(B)の発明を知り得た当業者が、あえて、流路壁7eの先端部(突起部)を鋭角に形成しようとする動機付けはないものと思料します。
これに対し、本願発明では、『通路(42)の濡れ縁長さを長くして、熱交換効率を高める(本願の段落[0013]参照)』ことを主たる目的としています。
そして、本願発明者らが鋭意検討した結果、本願発明では、突起部(45)の先端部を鋭角に形成することで、より多くの突起部(45)を周方向に並べて配置して、放熱面積を確保できるようにしました。」、
「本願発明は、引用文献3の発明に比べて、『通路(42)の濡れ縁長さを長くして、熱交換効率を高める(本願の段落[0013]参照)』ことができるという格別の効果を奏することができます。
これに対し、引用文献3の発明では、『流路壁7eの凹凸のために空気風下側の伝熱面積が増し(引用文献3の第6頁11行目-12行目参照)』ていることを十分に理解した上で、流路壁7eの先端部の加工性や強度の確保を優先して、直角に形成されている(第2図(A))か、軸方向に平行に延びている(第2図(B))構成を採用しています。
そのため、引用文献3の発明を知り得た当業者が、放熱面積を増やすために、これ以上、突起部の加工性や強度を低下させてまで、突起部の先端を鋭角に形成しようとする動機付けはないものと考えます。」
と主張する。
しかし、上記主張については、上記ア<相違点1について>で記載したとおりであり、また、引用文献において、凹凸における凸部の先端形状を第2図(a)に示されるように略直角に形成した理由や凸部の強度や加工性に関する記述が見受けられないことを踏まえると、凸部の先端形状を鋭角に形成しようとすることに阻害要因があるとはいえない。そして、引用発明は、風下側にある冷媒通路7dの伝熱面積を増やして熱交換量を大きくしようとするものであり、凸部の先端形状として伝熱面積を大きくすることのできる鋭角の形状を採用する動機付けが存在する。
したがって、請求人の主張は採用できない。

3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
令和2年10月 6日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和2年 5月15日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1,3,4に係る発明は、本願出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献3に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献3:実願昭59-106374号(実開昭61-66760号)のマイクロフィルム

3 引用文献の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献3の記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「突起部(45)」が「管軸方向から見て、該通路(42)の内周面に沿って並」んでいること、及び「複数」設けられていることの限定を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明及び上記周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び上記周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2021-06-03 
結審通知日 2021-06-08 
審決日 2021-06-24 
出願番号 特願2019-103235(P2019-103235)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F28F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 笹木 俊男  
特許庁審判長 松下 聡
特許庁審判官 後藤 健志
平城 俊雅
発明の名称 伝熱管及び熱交換器  
代理人 特許業務法人前田特許事務所  

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