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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F |
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管理番号 | 1377083 |
審判番号 | 不服2020-15900 |
総通号数 | 262 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-10-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2020-11-17 |
確定日 | 2021-09-02 |
事件の表示 | 特願2019-214996「対話型創造活動支援装置およびそのプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 3年 6月 3日出願公開、特開2021- 86398、請求項の数(8)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続きの経緯 本願は,令和1年11月28日の出願であって,令和2年3月30日付けで拒絶理由通知がされ,令和2年6月5日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされ,令和2年8月20日付けで拒絶査定(以下,「原査定」という。)がなされたが,これに対し,令和2年11月17日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正がなされたものである。 第2 令和2年8月20日付けの原査定の概要 1.令和2年8月20日付けの原査定の概要は以下のとおりである。 (1)本願請求項1,5に係る発明は,以下の引用文献1-3に基づいて,本願請求項6-8,13に係る発明は,以下の引用文献1-4に基づいて,その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2011-076364号公報 2.特開2002-288201号公報 3.特開平7-225772号公報 4.特開2002-073660号公報 (2)この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。 請求項9-13に係る発明は,明確でない。 第3 審判請求時の補正について 審判請求時の補正は,特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。 審判請求時の補正は,請求項9-14の削除を目的とするものである。 第4 本願発明 本願請求項1-8に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明8」という。)は,令和2年11月17日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-8に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1は以下のとおりの発明である。 なお,符号A-Hは,説明のために当審で付与したものであり,以下「構成A」-「構成H」という。 「【請求項1】 A 対話部,対象設定部,および,情報取得部を備え, B 前記対話部,および,前記情報取得部は,前記対象設定部に接続され, C 前記対話部は, 対象者から情報を取得する情報受信部,および,対象者に対して情報を提示する情報提示部を備える, A 対話型創造活動支援装置であって, D 前記対象設定部は, 前記対話部において取得した情報に基づいて対象を決定する対象調整部, 決定した対象を記憶する対象記憶部,および, 比較部を備え, E 前記情報取得部は, 有線または無線により,外部に対して,前記対象設定部において決定した対象に関する情報を検索する情報検索部,および, 検索した結果である検索結果情報を記憶する検索結果記憶部を備え, F 前記比較部は対象と前記検索結果情報とを比較し,前記対象と前記検索結果情報との差異を含む比較結果を生成し, G 前記対話部はさらに,前記比較結果を,前記情報提示部を通じて対象者に提示し,対象者からの情報を,前記情報受信部を通じて取得し, H 前記対象調整部は,前記情報受信部を通じて取得した結果に基づいて,対象を決定することを特徴とする, A 対話型創造活動支援装置。」 なお,本願発明2-8の概要は以下のとおりである。 本願発明2-8は,本願発明1をさらに減縮した発明である。 第5 引用文献,引用発明等 1.引用文献1 (1)原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1(特開2011-076364号公報)には,以下の事項が記載されている。(当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。以下同様。) 「【0021】 本発明の第1の実施形態に係る検索結果調整装置10は,検索条件設定部102,検索部104,検索結果判定部106,代替条件生成部108,代替条件選択部110,出力結果選択部112,出力部114,検索結果一時リスト202,代替条件リスト204,検索対象データベース302,条件変更用データベース304,を主に有する。 【0022】 検索結果調整装置10は,既に設定された検索条件による検索結果の件数が所定の値の範囲内に収まっていない場合に,設定された検索条件の一部の条件項目の値を変更して代替条件を生成し,代替条件による検索を試行して所定の範囲に収めるための条件をユーザに提案する機能を有する。このとき,条件項目の値は数値的又は言葉の意味的に上位語又は下位語に変換される。かかる処理を実行するための検索結果調整装置10の各機能部について,次に説明をする。以下,求人情報検索の場合を例に挙げる。 【0023】 検索条件設定部102は,ユーザ又は代替条件選択部110からの検索条件に関する情報の入力を受付けて所定の形式に成形し,検索部104に検索条件を送信する機能を有する。検索条件は,検索条件項目及びその値,を1又は2以上含むものであってよい。例えば,検索条件項目とは,希望職種,勤務地,年収,などの項目である。そして,その値とは例えば,希望職種の値としては,エンジニア,SE,などの値であってよい。 【0024】 検索部104は,検索条件設定部102から検索条件を受信し,検索対象データベース302に格納された検索対象情報の中から,検索条件に当てはまる情報を検索結果として抽出する機能を有する。また,検索部104は,検索結果を検索結果判定部106に送信する。」 「【0027】 検索結果一時リスト202は,検索結果を一時的に保存しておくためのリストである。検索結果一時リスト202は,検索結果判定部106によってデータが追加されていき,消去の指示があるまで保持される。また,検索結果一時リスト202は,出力結果選択部112から参照される。」 「【0037】 代替条件選択部110は,代替条件リスト204に登録された代替条件に対する処理が全て終了したか否かを判定し,全て終了している場合には,終了した旨を通知する信号を送信し,未処理の代替条件がある場合には,次に処理する代替条件を選択して選択した代替条件を検索条件設定部102に送信する機能を有する。具体的には,代替条件選択部110は,検索結果判定部106から検索結果の件数が所定の範囲内に適合した情報を受信した場合,又は,代替条件生成部108から処理終了の信号を受信した場合に,代替条件リスト204の中身を確認し,代替条件リスト204の代替条件が全て処理済であった場合には,出力結果選択部112に対して,ユーザに出力すべき出力結果を選択するよう支持する信号を送信する。そして,代替条件リスト204に未処理の代替条件が存在している場合には,代替条件選択部110は,代替条件リスト204の未処理の代替条件のうち,先頭のものを取得して,検索条件設定部102に送信する。」 「【0039】 出力部114は,出力結果選択部112から検索結果データを受け取り,ユーザに対して画面などのインタフェースで出力させる機能を有する。」 「【0072】 また,例えば,図10に示した出力例1300は,さらに対話インタフェースを用いてユーザからの承諾を得たものだけを表示する例を示したものである。まず,初期条件から作成された文章1302を表示し,ユーザからの回答を受け付ける。そして,「はい」という回答を例えばキーボード入力,音声入力などで受け付けると,代替条件のひとつ1304を表示させる。そして,表示した代替条件による検索結果の表示を望むか否かに対するユーザの回答を受付け,望まない場合には,次の代替条件1306を表示する。そして,表示した代替条件による検索結果の表示を望むか否かに対するユーザの回答を再び受付け,ユーザが表示を望む場合には,検索結果1308を表示する。ここでは,検索結果1308は,求人票番号と会社名を表示し,詳細はリンク先に表示することとした。」 「【図10】 」 段落【0072】及び【図10】からは,例えば,「代替条件1306」の表示では,「検索条件」である「職種はSE,東京都港区,年収800万円以上」と,「代替条件」である「職種はSE,東京都勤務,年収800万円以上」の差異である「東京都勤務」が強調されているので,“代替条件の表示は,検索条件と代替条件の差異を含む”ことが読み取れる。 (2)上記引用文献1の記載(特に下線部の記載)より,上記引用文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 なお,符号a-iは,説明のために当審で付与したものであり,以下「構成a」-「構成i」という。 「a 検索結果調整装置は,検索条件設定部,検索部,代替条件選択部,出力部,及び,検索結果一時リストを有し, b 求人情報検索の場合を例として, c 検索条件設定部は,ユーザ又は代替条件選択部からの検索条件の入力を受付け, d 検索部は,検索条件設定部から検索条件を受信し,検索対象データベースから,検索条件に当てはまる検索結果を抽出し, e 検索結果一時リストは,検索結果を保存しておくためのリストであり, f 代替条件選択部は,代替条件を検索条件設定部に送信し, g 出力部は,検索結果をユーザに対して画面で出力させ, h 代替条件を表示し,表示した代替条件による検索結果の表示を望むか否かに対するユーザの回答をキーボードで受付け,ユーザが表示を望む場合には,検索結果を表示し, i 代替条件の表示は,検索条件と代替条件の差異を含む, a 検索結果調整装置。」 2.引用文献2 (1)原査定の拒絶の理由で引用された引用文献2(特開2002-288201号公報)には,以下の事項が記載されている。 「【0005】【発明が解決しようとする課題】特許文献の関連技術検索の例で見られるように,実際のテキストベースに対する検索は単純な質問応答ではなく,検索対象があいまいで,正誤の判断が難しい,さらに対象となる件数が時に非常に多くなってくるなどの特徴を持っている。このために,従来,検索結果について未加工の情報をそのまま提示しても,ユーザの取捨選択,必要な情報の抜粋等の手間が大きくなるなどの問題があった。【0006】 本発明は以上の問題点に鑑み,ユーザの質問の意図を解析することにより,ユーザの扱えるような量に情報の量を調節したり,得られた情報を整理,取捨選択してユーザの見やすい形で提示できるようにすることを目的としている。」 3.引用文献3 (1)原査定の拒絶の理由で引用された引用文献3(特開平7-225772号公報)には,以下の事項が記載されている。 「【0008】ところで,以上のような試行錯誤的な検索システムの一例として,特許情報検索がある。この特許情報検索においては,インデキシング検索が中心となるが,その技術要素,目的,入出力などのキーワードをAND,OR論理結合したブール式で検索を行っている。このような検索においては,入力キーワードが適切に設定できている場合には,数十件程度の適当数の検索データが適切な内容でヒットされるが,入力キーワードの設定が不適切な場合には,数十万件程度の莫大な数の無関係なデータがヒットされてしまう可能性がある。このような不都合な事態を回避するためには,1)特許情報の分布を判断しながら初期キーワードを適切に設定し,2)実際に検索し,背景知識を用いて条件を変更しながら,試行錯誤的に関連する特許情報を妥当な件数で獲得する,という作業を行うことが重要である。」 4.引用文献4 (1)原査定の拒絶の理由で引用された引用文献4(特開2002-073660号公報)には,以下の事項が記載されている。 「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は,電子情報を蓄積したデータベースから,所望の電子情報を検索する情報検索システムに関する。」 「【0010】【発明が解決しようとする課題】本発明は上記問題点を解決するもので,常時情報処理装置側CPU1に接続した状態で検索するのではなく,情報処理装置101側での所定の検索が終了した後,端末102側のみで有効な検索が可能な情報検索システムを構築することにより,情報処理装置側CPU1の負担を軽減し,検索者の作業性を向上する事を目的とする。」 第6 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明を対比する。 ア.構成Cについて 構成c,hを参照すれば,引用発明は,「ユーザ」から「検索条件」及び「回答」となる情報を「受付け」ているので,本願発明1の「対象者から情報を取得する情報受信部」を備えているといえる。 構成g,hを参照すれば,引用発明の「画面」は,「ユーザに対して」,「検索結果」や「代替条件」という情報を,「出力」又は「表示」するものであるので,本願発明1の「対象者に対して情報を提示する情報提示部」に相当する。 したがって,引用発明と,本願発明1とは,「対象者から情報を取得する情報受信部,および,対象者に対して情報を提示する情報提示部を備える」「対話部」を備える点で一致する。 イ.構成Dについて 構成cを参照すれば,引用発明の「ユーザ」から「受付け」た「検索条件」は,「ユーザ」から「受付け」た“情報に基づいて決定”されているといえるので,本願発明1の「前記対話部において取得した情報に基づいて決定する」「対象」に相当する。 したがって,引用発明と,本願発明1とは,「前記対話部において取得した情報に基づいて対象を決定する対象調整部」を備える点で一致する。 一般的に,装置は処理に用いる情報を記憶する記憶部を備えているので,引用発明が「検索条件」を記憶する“記憶部”を備えていることは明らかである。 したがって,引用発明と,本願発明1とは,「決定した対象を記憶する対象記憶部」を備えている点で一致する。 したがって,引用発明と,本願発明1とは,下記の点(相違点1)で相違するものの,本願発明1の「対象設定部」が有する「前記対話部において取得した情報に基づいて対象を決定する対象調整部」及び「決定した対象を記憶する対象記憶部」を備える点で共通する。 ウ.構成Eについて 構成dに記載された,引用発明の「検索対象データベース」と,本願発明1の「外部」は,下記の点(相違点2)で相違するものの,“データベース”である点で共通する。 そして,上記イ.のとおり,引用発明における「検索条件」は,本願発明1の「前記対話部において取得した情報に基づいて決定する」「対象」に相当し,引用発明の構成dにおいて,「検索対象データベースから検索条件に当てはまる検索結果を抽出」することは,本願発明1の「情報検索部」が,「前記対象設定部において決定した対象に関する情報を検索する」ことに相当する。 また,一般的に,電子的なデータは有線または無線により通信がなされるので,引用発明の「検索対象データベース」と「検索部」が,“有線または無線により”通信がなされていることは明らかである。 よって,引用発明の「検索部」と,本願発明1の「情報検索部」とは,下記の点(相違点2)で相違するものの,“有線または無線により,データベースに対して,前記対象設定部において決定した対象に関する情報を検索する情報検索部”である点で共通する。 また,引用発明は,「検索結果を保存しておくためのリストであ」る「検索結果一時リスト」を「有」しているところ,「検索結果一時リスト」は情報であり,一般的に,装置は処理に用いる情報を記憶する記憶部を備えているので,引用発明が,「検索結果一時リスト」という情報を記憶する“記憶部”を「有」していることは,明らかである。 よって,引用発明と,本願発明1とは,「検索した結果である検索結果情報を記憶する検索結果記憶部」を備えている点で一致する。 したがって,引用発明と,本願発明1とは,下記の点(相違点2)で相違するものの,“有線または無線により,データベースに対して,前記対象設定部において決定した対象に関する情報を検索する情報検索部,および,検索した結果である検索結果情報を記憶する検索結果記憶部を備え”る“情報取得部”を備えている点で共通する。 エ.構成Gについて 構成hに記載された,引用発明の「回答」は,「ユーザ」からの情報であるので,本願発明1の「対象者からの情報」に相当する。 よって,上記ア.での検討も踏まえれば,引用発明は,「対象者からの情報を,前記情報受信部を通じて取得し」ていることは,明らかである。 したがって,引用発明と,本願発明1とは,“対象者からの情報を,前記情報受信部を通じて取得”する“対話部”を備えている点で一致する。 オ.構成Hについて 構成hによれば,引用発明は,「ユーザの回答」に基づいて,「表示」する「検索結果」を,「代替条件」「に当てはまる検索結果」に“決定”しているから,引用発明と,本願発明1とは,「前記情報受信部を通じて取得した結果に基づいて,対象を決定する」「対象調整部」を備えている点で一致する。 カ.構成Bについて 一般に,ある電子データを処理する複数の一連の構成は,“接続され”ているといえる。 したがって,引用発明と,本願発明1とは,各構成が“接続され”ている点で一致する。 キ.構成Aについて 上記ア.?カ.の検討を踏まえれば,引用発明と,本願発明1とは,「対話部,情報取得部を備え」ている点,及び,比較部の有無を除き,「対象設定部」を有する点で一致する。 構成c,hによれば,引用発明の「検索結果調整装置」は,「ユーザ」から「検索条件の入力を受付け」,「代替情報を表示し」,「ユーザの回答をキーボードで受付け」,「検索結果を表示」しているので,“対話型”の「装置」であるといえる。 また,引用発明において,「求人情報検索」は「例」であるので,引用発明の「検索結果調整装置」は,一般的な情報検索にも用いることができることは明らかである。 そして,一般的な情報検索は,“創造活動支援”であるといえるから,引用発明の「検索結果調整装置」は,“創造活動支援”を行う「装置」であるといえる。 したがって,引用発明の「検索結果調整装置」と,本願発明1の「対話型創造活動支援装置」とは,比較部の有無を除き,「対話部,対象設定部,および,情報取得部を備え」る「対話型創造活動支援装置」である点で一致する。 したがって,上記の検討内容を踏まえると,本願発明1と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。 (一致点) 「対話部,対象設定部,および,情報取得部を備え, 前記対話部,および,前記情報取得部は,前記対象設定部に接続され, 前記対話部は, 対象者から情報を取得する情報受信部,および,対象者に対して情報を提示する情報提示部を備える, 対話型創造活動支援装置であって, 前記対象設定部は, 前記対話部において取得した情報に基づいて対象を決定する対象調整部, 決定した対象を記憶する対象記憶部 を備え, 前記情報取得部は, 有線または無線により,データベースに対して,前記対象設定部において決定した対象に関する情報を検索する情報検索部,および, 検索した結果である検索結果情報を記憶する検索結果記憶部を備え, 前記対話部はさらに,対象者からの情報を,前記情報受信部を通じて取得し, 前記対象調整部は,前記情報受信部を通じて取得した結果に基づいて,対象を決定することを特徴とする, 話型創造活動支援装置。」 (相違点) (相違点1) 本願発明1の対象設定部は,「対象と前記検索結果情報とを比較し,前記対象と前記検索結果情報との差異を含む比較結果を生成」する「比較部」を備え,生成した「前記対象と前記検索結果情報との差異を含む比較結果」を情報提示部を通じて対象者に提示するものであるのに対して,引用発明は,そのような構成を備えていない点。 (相違点2) 本願発明1は,「外部に対して」検索するものであるのに対して,引用発明が「検索」する「検索対象データベース」は,外部ではない点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑み,上記相違点1について検討する。 引用発明の「検索対象データベース」は,「代替条件」によって検索すれば,「代替条件」通りの「検索結果」が得られるものであるので,引用発明の「検索条件と代替条件の差異」は,「検索条件」(本願発明1の「対象」に相当)と「代替条件」との比較によって生成されたもので充分であるから,引用発明に対して,本願発明1の比較部に相当する構成を付加し,「検索条件」と「代替条件による検索結果」とを比較して,その結果を提示する構成とすることは,当業者であっても,容易に想到し得ることとはいえない。 また,引用文献2-4にも,相違点1に係る構成が開示されているとも認められないし,本件出願日前に周知であったともいえない。 したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても,引用発明,及び,引用文献2-4に記載の技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2.本願発明2-8について 本願発明2-8は,本願発明1をさらに減縮した発明であり,本願発明1の上記相違点1に係る構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用発明及び引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。 第7 原査定についての判断 1.理由2(特許法第29条第2項)について 令和2年11月17日付け手続補正により補正された請求項1-8は,上記相違点1に係る構成を有しており,上記のとおり,本願発明1-8は,引用発明及び引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて,当業者が容易に発明できたものではない。 2.理由4(特許法第36条第6項第2号について) 令和2年11月17日付け手続補正により,理由4の対象であった請求項9-13が削除された結果,この拒絶理由は解消した。 第8 むすび 以上のとおり,本願発明1-8は,当業者が引用発明及び引用文献2-4に記載された技術的事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。 したがって,原査定の理由によっては,本願を拒絶することはできない。 また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2021-08-20 |
出願番号 | 特願2019-214996(P2019-214996) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G06F)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 松尾 真人 |
特許庁審判長 |
篠原 功一 |
特許庁審判官 |
塚田 肇 須田 勝巳 |
発明の名称 | 対話型創造活動支援装置およびそのプログラム |
代理人 | 谷口 智利 |