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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  B29C
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  B29C
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  B29C
審判 全部申し立て 2項進歩性  B29C
管理番号 1377811
異議申立番号 異議2021-700480  
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-10-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-05-19 
確定日 2021-08-30 
異議申立件数
事件の表示 特許第6790398号発明「二軸配向ポリプロピレンフィルム、金属膜積層フィルムおよびフィルムコンデンサ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6790398号の請求項1ないし10に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6790398号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし10に係る特許についての出願は、平成28年3月23日(優先権主張 平成27年3月27日)に出願された特願2016-58163号に係る出願であって、令和2年11月9日にその特許権の設定登録(請求項の数10)がされ、同年同月25日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許に対し、令和3年5月19日に特許異議申立人 笠原 佳代子(以下、「申立人1」という。)により、及び、同年同月25日に特許異議申立人 豊田 英徳(以下、「申立人2」という。)により、それぞれ特許異議の申立て(対象請求項:請求項1ないし10)がされたものである。

第2 本件発明
本件特許の請求項1ないし10に係る発明は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定される次のとおりのものである(以下、それぞれ「本件発明1」ないし「本件発明10」といい、これらを総称して「本件発明」という場合がある。)。

「【請求項1】
ポリプロピレン樹脂を主成分とする二軸配向ポリプロピレンフィルムであって、長手方向のヤング率E_(MD)および幅方向のヤング率E_(TD)がともに2.5GPa以上であり、以下の厚み斑の測定方法により測定した長手方向の厚み斑が0?10%であり、以下の厚み斑の測定方法により測定した幅方向の厚み斑が0?10%であり、かつDSC測定において158?180℃の範囲に融解ピークを2つ以上有する二軸配向ポリプロピレンフィルム。
厚み斑の測定方法:二軸配向ポリプロピレンフィルムの任意の場所から長手方向102mm、幅方向102mmの正方形となるように切り出し試料とし、10.5mmφ超硬球面測定子を備える接触式の膜厚計にて、測定荷重を0.06Nとして、長手方向については試料の幅方向中央部において1mm間隔で100ヶ所、幅方向についても試料の長手方向中央部において1mm間隔で100ヶ所の厚みを測定する。長手方向、幅方向それぞれにおいて厚みの最大値、最小値、及び100ヶ所の平均値を用いて、下記式より厚み斑を求める。
厚み斑(%)=((厚み最大値-厚み最小値)/100ヶ所の厚み平均値)×100
【請求項2】
長手方向のヤング率E_(MD)と幅方向のヤング率E_(TD)の関係が次式(1)を満たす、請求項1に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
0.5≦E_(MD)/E_(TD)≦1.2 ・・・(1)
【請求項3】
120℃、15分の処理条件による長手方向および幅方向の熱収縮率がともに-1?5%である、請求項1または2に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項4】
140℃、15分の処理条件による長手方向および幅方向の熱収縮率がともに-1?10%である、請求項1?3のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項5】
一方の面と他方の面との動摩擦係数μdが0.5?1.2である、請求項1?4のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項6】
光沢度が両面ともに120?150%である、請求項1?5のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項7】
フィルム厚みが0.5?3μmである、請求項1?6のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項8】
コンデンサ用誘電体として用いられる、請求項1?7のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレンフィルム。
【請求項9】
請求項8に記載の二軸配向ポリプロピレンフィルムの少なくとも片面に金属層を形成してなる金属膜積層フィルム。
【請求項10】
請求項9に記載の金属膜積層フィルムを巻回してなるフィルムコンデンサ。」

第3 申立理由の概要
各申立人が主張する申立理由はそれぞれ以下のとおりである。

1 申立人1(笠原)が提出した特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要
令和3年5月19日に申立人1が提出した特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要は次のとおりである。

(1)申立理由1-1(甲第1号証に基づく進歩性)
本件特許の請求項1ないし10に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証に記載された発明に基づいて、その優先日前にこの発明の属する技術分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の上記請求項に係る特許は、同法第 113条第2号に該当し取り消すべきものである。

(2)申立理由1-2(明確性要件)
本件特許の請求項1ないし10に係る特許は、下記の理由で特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し取り消すべきものである。

・「DSC測定において158?180℃の範囲に融解ピークを2つ以上有する」が、どのような手法でピーク分離をおこない、どの程度のショルダーピークまでが「溶融ピーク」の計数の対象となるのかわからない。

(3)証拠方法
甲第1号証 :国際公開第2015/012324号
甲第2号証の1:梅村ら「加熱エージングによる二軸延伸ポリプロピレンフィルムの構造と電気特性の変化」電気学会論文誌A、105巻、第3号、p.37-44、昭和60年3月発行)
甲第2号証の2: L.R.Spenser,Jr.:“DSC analysis of films”,Mo dern Packaging、46巻、第2号、p.45-47、昭和48年2月発行
甲第2号証の3:再公表2009/060944号
甲第2号証の4:橋本ら「OPP/CPP フィルムの熱接合部および境界部の力学的特性に及ぼす接合温度の影響」日本包装学会誌、22巻、第3号、p.227-237、平成25年6月1日発行
甲第2号証の5:特開2010-280795号公報
甲第3号証 :特開2001-247693号公報
甲第4号証 :特開2007-246898号公報

表記については、おおむね申立人1の特許異議申立書の記載に従った。以下、順に「甲1-1」ないし「甲1-4」という。

2 申立人2(豊田)が提出した特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要
令和3年5月25日に申立人2が提出した特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要は次のとおりである。

(1)申立理由2-1(甲第1号証に基づく新規性進歩性)
本件特許の請求項1ないし4、7及び8に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるか、本件特許の請求項1ないし10に係る発明は、当該発明に基づいて、その優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1ないし10に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。

(2)申立理由2-2(甲第2号証に基づく新規性進歩性)
本件特許の請求項1ないし4、7及び8に係る発明は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第2号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるか、本件特許の請求項1ないし10に係る発明は、当該発明に基づいて、その優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1ないし10に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。

(2)申立理由2-3(実施可能要件)
本件特許の請求項1ないし10に係る特許は、下記アないしキの点で特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し取り消すべきものである。

ア ポリプロピレンの「メソペンタッド分率」が規定されていない。
イ 長手方向のヤング率E_(MD)と幅方向のヤング率E_(TD)の比の値が規定されていない。
ウ 「動摩擦係数μd」が規定されていない。
エ 「光沢度」が規定されていない。
オ 「厚み」が規定されていない。
カ 「DSC測定において158?180℃の範囲に融解ピークを2つ以上有する」ことにおけるピークの数の確認方法が不明である。
キ 「DSC測定において158?180℃の範囲に融解ピークを2つ以上有する」を規定するが、その規定だけでは本件発明の課題を解決できない場合を包含している。

(3)申立理由2-4(サポート要件)
本件特許の請求項1ないし10に係る特許は、上記(2)のアないしオ、キの点で特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し取り消すべきものである。

(3)申立理由2-5(明確性要件)
本件特許の請求項1ないし10に係る特許は、下記の点で特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し取り消すべきものである。

・「DSC測定において158?180℃の範囲に融解ピークを2つ以上有する」を規定するが、溶融ピークの数の確認方法が不明である。

(4)証拠方法
甲第1号証:国際公開第2015/012324号
甲第2号証:国際公開第2013/111779号
甲第3号証:電気学会論文誌A 論文60-A20 105巻3号 149?156頁(昭和60(1985)年3月に公開)
甲第4号証:特開2007-84813号公報
甲第5号証:特開2001-59033号公報
甲第6号証:国際公開第2014/148547号
甲第7号証:国際公開第2012/002123号
甲第8号証:国際公開第2014/142264号
甲第9号証:特開2010-280795号公報

表記については、おおむね申立人2の特許異議申立書の記載に従った。以下、順に「甲2-1」ないし「甲2-9」という。

第4 当審の判断
合議体は、以下述べるように、申立人1の申立理由1-1?1-2、申立人2の申立理由2-1?2-5には、いずれも理由はないと判断する。

1 明確性要件(申立理由1-2及び申立理由2-5)について
(1)明確性要件の判断基準
特許を受けようとする発明が明確であるかは、特許請求の範囲の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。

(2)明確性要件の判断
ア 本件特許の請求項1の記載は、上記第2の【請求項1】のとおりであり、それ自体不明確な記載はなく、また、本件特許の発明の詳細な説明の【0060】において、どのように測定するのかも具体的に説明されている。
イ そして、当業者であれば、「DSC測定において」の「溶融ピーク」がどのようなものであるかは理解しているし、段落【0060】の測定方法で行ったときの数も明確に理解できる。
ウ したがって、本件発明に関して、特許請求の範囲の記載は、特許請求の範囲の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願時における技術常識を基礎として第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえない。

(3)申立人1及び2の主張の検討
ア 申立人1は、「どのような手法でピーク分離を行ない、どの程度のショルダーピークまでが計数の対照となるか全く記載されていない。その結果、メインピークに加えて微小なサブピークを含む場合(例えば甲1-1の図1(当審注:当該「図1」は、「図2」の誤記と認める。)の実施例1の場合)に、これを包含するとなると、第三者に不足(当審注:「不測」の誤記と認める。)の不利益を及ぼすことが明らかである」(特許異議申立書の28頁)と主張し、申立人2は、「融解ピークの数の確認方法が不明であるため不明確である。・・・融解ピークは、明確にピークとして認識できるものもあれば、例えば、甲2-4の図3のように、融解ピークが主ピークのショルダーピークとして観測される場合もある。特に、主ピークが大きくショルダーピークが小さい場合は、融解ピークが1つに見えてしまう可能性もある。このように、融解ピークの数の具体的な確認方法が不明である」(特許異議申立書の54頁)と主張する。
イ 上記主張について検討すれば、DSC測定を行う当業者において、「溶融ピーク」がどのようなものかは明らかであって、下記の甲1-1の図2の実線の実施例1においては、150?180度の範囲に溶融ピークが1つしかないことは明らかである。また、当業者は、「溶融ピーク」と「ショルダー」の違いを認識しているから、下記甲2-4の図2では溶融ピークは2つあるし、下記甲2-4の図3での溶融ピークは1つであることは明らかである。
なお、DSC測定時の横軸の縮尺を大きくすれば、甲1-1の図2や甲2-4の図2及び3の曲線はなめらかではなくなり、凹凸が存在するかもしれないが、当業者はそのような凹凸をDSC測定においての溶融ピークとは認識しないから、申立人1及び2の主張は失当であって採用できない。
<甲1-1 図2>


<甲2-4 図2>

<甲2-4 図3>

(3)明確性についてのまとめ
したがって、申立人1の申立理由1-2及び申立人2の申立理由2-5によっては、本件特許の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。請求項1を引用する請求項2ないし10に係る特許も同様である。

2 サポート要件(申立理由2-4)について
(1)サポート要件の判断基準
特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明であって、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明が解決しようとする課題を解決できると認識できる範囲内のものであるか否か、また、その記載がなくとも、当業者が出願時の技術常識に照らし、当該発明が解決しようとする課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断されるべきである。

(2)特許請求の範囲の記載
本件特許の特許請求の範囲の記載は、上記第2のとおりである。

(3)発明の詳細な説明の記載
本件特許の発明の詳細な説明は、おおむね次のとおりである。

・「【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムコンデンサ用誘電体として用いた場合、厚み斑が小さいため加工時の搬送性に優れ、且つ耐電圧特性に優れる二軸配向ポリプロピレンフィルムに関する。詳しくは、厚み斑の小さいフィルムを良好な製膜性で作製でき、加工性、耐電圧特性に優れるだけでなく、従来製膜が困難であったフィルム厚みまで薄膜化することが可能な、フィルムコンデンサ用誘電体に好適に用いることができる二軸配向ポリプロピレンフィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
二軸配向ポリプロピレンフィルムは、透明性、機械特性、電気特性などに優れるため、包装用途、テープ用途、ケーブルラッピングやコンデンサをはじめとする電気用途などの様々な用途に用いられている。
【0003】
この中でもコンデンサ用途は、その優れた耐電圧特性、低損失特性から直流用途、交流用途に限らず高電圧コンデンサ用に特に好ましく用いられている。最近では、各種電気設備がインバーター化されつつあり、それに伴いコンデンサの小型化、大容量化の要求が一層強まってきている。そのような市場、特に自動車用途(ハイブリッドカー用途含む)や太陽光発電、風力発電用途の要求を受け、二軸配向ポリプロピレンフィルムの耐電圧性を向上させ、生産性、加工性を維持させつつ、フィルムを薄膜化していくことが必須な状況となってきている。
【0004】
耐電圧特性、加工性を向上させる手段として、二軸配向ポリプロピレンフィルムの厚み斑を抑制することが有効であると考えられている。また、製膜時の延伸性を均一化することで厚み斑を抑制することは、延伸時のフィルム破れを抑制することができ生産性や薄膜化にも有効であると言える。
【0005】
上記のように二軸配向ポリプロピレンフィルムの延伸性を均一化する方法はこれまで様々な検討がなされてきた。例えば、異なる分子量分布を持つポリプロピレン同士を混合し分子量分布を制御することで延伸性を改善する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、混合する低分子量分布ポリプロピレンの融点は約80℃と低温であるため、特に100℃を超える高温での耐電圧特性に劣るものであった。
【0006】
また、高立体規則性ポリプロピレンに分岐構造を有する高溶融張力ポリプロピレンを添加することで立体性を高めながら延伸性を改善し、厚みの均一性を向上させる方法が提案されている(例えば、特許文献2、3参照)。しかしながら、高溶融張力ポリプロピレン未添加品対比、厚み斑や耐電圧特性が改善するもののその効果は限定的であり、現在のコンデンサに求められる特性には満たないものであった。さらに、第2成分を添加することは、工程数増加や原料費の観点でコストアップに繋がるため、ベースとなるポリプロピレンの改質もしくは製膜条件で改善することが理想的である。他にも、延伸均一性を改善する目的でポリブテン-1を添加する方法が提案されている(例えば、特許文献4)。しかしながら、ポリブテン-1未添加品と対比した場合、延伸性や耐電圧特性が改善するもののその効果は限定的であり、現在のコンデンサに求められる特性には満たないものであった。
【先行技術文献】
・・・(略)・・・
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の課題は、上記した問題点を解決することにある。すなわち、例えば延伸助剤として第2成分を添加しなくとも延伸均一性に優れ、厚み斑が小さく、加工性、耐電圧特性に優れるだけでなく、従来製膜が困難であったフィルム厚みまで薄膜化することが可能な二軸配向ポリプロピレンフィルムを提供することであり、それにより、様々なフィルムコンデンサに好適に使用できる二軸配向ポリプロピレンフィルムを提供することにある。」

・「【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題は、ポリプロピレン樹脂を主成分とする二軸配向ポリプロピレンフィルムであって、長手方向のヤング率E_(MD)および幅方向のヤング率E_(TD)がともに2.5GPa以上であり、以下の厚み斑の測定方法により測定した長手方向の厚み斑が0?10%であり、以下の厚み斑の測定方法により測定した幅方向の厚み斑が0?10%であり、かつDSC測定において158?180℃の範囲に融解ピークを2つ以上有する二軸配向ポリプロピレンフィルムによって達成することができる。
・・・(略)・・・
【発明の効果】
【0010】
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムをコンデンサ用誘電体として用いた場合、コンデンサ作製時の加工性と、耐電圧特性に優れており、コンデンサ用誘電体として好適に使用することができる。」

・「【0012】
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、ポリプロピレン樹脂を主成分とする。なお、「主成分」とは、特定の成分が全成分中に占める割合が50質量%以上であることを意味し、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、特に好ましくは95質量%以上である。
【0013】
かかるポリプロピレン樹脂としては、主としてプロピレンの単独重合体からなるが、本発明の目的を損なわない範囲で他の不飽和炭化水素による共重合成分などを含有してもよいし、プロピレンが単独ではない重合体がブレンドされていてもよい。このような共重合成分やブレンド物を構成する単量体成分として、例えば、エチレン、プロピレン(共重合されたブレンド物の場合)、1-ブテン、1-ペンテン、3-メチルペンテン-1、3-メチルブテン-1、1-ヘキセン、4-メチルペンテン-1、5-エチルヘキセン-1、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン、ビニルシクロヘキセン、スチレン、アリルベンゼン、シクロペンテン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネンなどが挙げられる。共重合量またはブレンド量は、耐電圧特性、寸法安定性の観点から、共重合量は1mol%未満とするのが好ましい。」

・「【0015】
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルム、および当該フィルムを構成する上記ポリプロピレン樹脂のメソペンタッド分率(mmmm)は、後述のとおり二軸延伸後に安定した結晶形態を有するフィルムを得る観点、すなわち融解ピークを2つ以上とさせる観点で0.980?0.995の範囲内であることが好ましく、0.983?0.995であるとより好ましく、0.986?0.995であるとさらに好ましく、0.990?0.995であると特に好ましい。・・・(略)・・・
ポリプロピレン樹脂、および二軸配向ポリプロピレンフィルムのメソペンタッド分率を上記の範囲内とするためには、n-ヘプタンなどの溶媒で得られた樹脂パウダーを洗浄する方法や、触媒および/または助触媒の選定、組成の選定を適宜行う方法などが好ましく採用される。
・・・(略)・・・
【0017】
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、長手方向(フィルム製膜時にフィルムが流れる方向)の厚み斑が0?10%である。長手方向の厚み斑は0?8%であるとより好ましく、0?6%であるとさらに好ましく、0?4%以下であると特に好ましい。長手方向の厚み斑が10%を超える場合、製膜および加工時のフィルム搬送、巻取工程において張力変動が生じ、フィルムロールの巻姿を低下させたり、場合によってはフィルムが破断してしまうことがある。さらに、耐電圧特性評価において、フィルム厚みの薄い箇所に局所的に電圧が集中し耐電圧を著しく低下させる場合がある。長手方向の厚み斑を上記の範囲内とするためには、上述したポリプロピレン樹脂を使用して、後述する通りフィルム製膜時の押出工程、キャスト工程、縦延伸工程、熱処理工程を特定の条件とすることで初めて達成することができる。
【0018】
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、幅方向(長手方向とフィルム平面上で直交する方向)の厚み斑が0?10%である。幅方向の厚み斑は0?8%であるとより好ましく、0?6%であるとさらに好ましく、0?4%以下であると特に好ましい。幅方向の厚み斑が10%を超える場合、製膜および加工時のフィルム搬送工程において搬送シワが生じ易く、フィルムロールの巻姿を低下させたり、場合によってはフィルムが破断してしまうことがある。さらに、耐電圧特性評価において、フィルム厚みの薄い箇所に局所的に電圧が集中し耐電圧を著しく低下させる場合がある。幅方向の厚み斑を上記の範囲内とするためには、上述したポリプロピレン樹脂を使用して、後述する通りフィルム製膜時の押出工程、横延伸工程、熱処理工程を特定の条件とすることで初めて達成することができる。長手方向および幅方向の厚み斑は、以下の方法により測定することができる。二軸配向ポリプロピレンフィルムの任意の場所から長手方向102mm、幅方向102mmの正方形となるように切り出し試料とし、10.5mmφ超硬球面測定子を備える接触式の膜厚計にて、測定荷重を0.06Nとして、長手方向については試料の幅方向中央部において1mm間隔で100ヶ所、幅方向についても試料の長手方向中央部において1mm間隔で100ヶ所の厚みを測定する。長手方向、幅方向それぞれにおいて厚みの最大値、最小値、及び100ヶ所の平均値を用いて、下記式より厚み斑を求める。なお、接触式の膜厚計としては、例えば株式会社ミツトヨ社製“ライトマチック”(登録商標)VL-50A(10.5mmφ超硬球面測定子を備える。)を用いることができる。
厚み斑(%)=((厚み最大値-厚み最小値)/100ヶ所の厚み平均値)×100
【0019】
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、当該フィルムをDSC測定した場合において158?180℃の範囲に融解ピークを2つ以上有することを特徴とする。この複数の融解ピークはポリプロピレンのα晶に起因するピークであり、高温側のピークはα晶が安定した形態に結晶転移したことに由来するものと考えられる。すなわち、高温側にα晶の融解ピークが存在する場合、その二軸配向ポリプロピレンフィルムが耐熱性に優れることを意味し、その結果、高温下での耐電圧特性に優れる傾向にあることを本発明では見出したものである。α晶の融解ピークが2つ以上になる理由として、ある一定条件下での環境にて上述したポリプロピレン樹脂を使用して、後述する通りフィルム製膜時の押出工程、縦延伸工程、横延伸工程を特定の条件とすることで二軸配向したポリプロピレンフィルム中に従来より安定なα晶が生成するためと考えており、上記した条件をとることで初めて発現することを本発明により見出した。158?180℃の範囲に融解ピークが1つしか存在しない場合、通常のα晶のみでフィルムが構成されていることを意味し、高温下での耐電圧特性に劣ることがある。また、158℃未満に2つ目以上の融解ピークが存在する場合、α晶に起因するピークではないと考えられ、本発明が求める高温での耐電圧特性を達成することはできないものと推定される。
【0020】
本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムは、長手方向のヤング率E_(MD)および幅方向のヤング率E_(TD)がともに2.5GPa以上であることが重要である。長手方向および幅方向のヤング率は、ともに2.8GPa以上であると好ましく、ともに3.0GPa以上であるとより好ましく、ともに3.3GPa以上であるとさらに好ましい。長手方向および幅方向のいずれかのヤング率が2.5GPa未満の場合、製膜および加工時のフィルム搬送工程において搬送シワが生じ易く、フィルムロールの巻姿を悪化させたり、場合によってはフィルムが破断してしまうことがある。さらに、耐電圧特性に劣ることもある。本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムのヤング率は、いずれの方向ともに、実質的に5.0GPaが上限である。長手方向および幅方向のヤング率をともに上記の範囲とするためには、上述したポリプロピレン樹脂を使用して、後述する通りフィルム製膜時の縦延伸工程、横延伸工程、熱処理工程を特定の条件とすることで達成することができる。」

・「【0036】
次に本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムの製造方法を以下に説明するが、必ずしもこれに限定されるものではない。
【0037】
まず、上述した好ましいポリプロピレン樹脂を単軸の溶融押出機に供給し、220?250℃にて溶融押出を行う。次に、ポリマー管の途中に設置したフィルターにて、異物や変性ポリマーなどを除去した後、Tダイよりキャストドラム上に吐出し、未延伸シートを得る。なお、押出の際、Tダイでのせん断速度を100?1,500sec^(-1)とすることが長手方向、幅方向の厚み斑を低減する観点、二軸延伸後に安定した結晶形態を有するフィルムを得る点で好ましい。より好ましくは150?1,000sec^(-1)であり、さらに好ましくは200?800sec^(-1)、特に好ましくは300?600sec^(-1)ある。Tダイでのせん断速度は式(2)で表される。Tダイでのせん断速度が100sec^(-1)未満の場合、せん断が十分にかからず未延伸シート中の結晶配列が不十分となるため、その後の延伸工程において均一延伸が困難となり厚み斑に優れた二軸配向ポリプロピレンフィルムが得られない。一方、Tダイでのせん断速度が1,500sec^(-1)を超える場合、過剰にせん断がかかってしまい、長手方向に強く配向した未延伸シートを延伸する際にフィルム破断が起きやすくなる。
・・・(略)・・・
【0039】
また、キャストドラムは、長手方向の厚み斑を低減する観点、動摩擦係数や光沢度を適切な範囲に制御できる観点から、表面温度が60?120℃であることが好ましい。70?110℃であるとより好ましく、80?100℃であるとさらに好ましく、90?100℃であると特に好ましい。Tダイから吐出された溶融シートがキャストドラムに着地し、キャストドラムに密着している時間としては、溶融シートを固化させ結晶成長を促す、すなわち長手方向の厚み斑を発生させない観点から、1秒以上であることが好ましく、1.5秒であればより好ましく、2秒以上であればさらに好ましく、2.5秒以上であれば特に好ましい。
【0040】
キャストドラムへシートを密着させる方法としては、静電印加法、エアーナイフ法、ニップロール法、水中キャスト法などの手法を採用することができるが、長手方向、および幅方向の厚み斑、高速製膜化の観点でエアーナイフ法が好ましい。エアーナイフとシート着地点との距離は、長手方向の厚み斑の観点で1?10mmであることが好ましく、1?8mmであるとより好ましく、2?8mmであるとさらに好ましく、2?5mmであると特に好ましい。エアーナイフとシート着地点との距離が10mmを超えて離れている場合、Tダイから吐出された溶融シートがエアーナイフのエアーにより振動し易く、特に長手方向の厚み斑を悪化させることがある。エアーナイフのエアー温度は60?80℃であることが長手方向、および幅方向の厚み斑を低減する観点、製膜性の観点で好ましく、60?75℃であればより好ましく、60?70℃であるとさらに好ましく、62?68℃であると特に好ましい。エアーナイフのエアー温度が60℃未満の場合、溶融シートの結晶生成が不十分となり長手方向、幅方向の厚み斑が悪化するだけでなく、延伸工程でフィルム破断しやすくなることがある。一方、エアーナイフのエアー温度が80℃を超える場合、溶融シートの結晶化が進行しすぎ、後の延伸工程でフィルム破断が生じやすくなることがある。エアーナイフのエアー温度を上記の範囲内に制御することで、Tダイから吐出された溶融シートがエアーにより過剰に結晶化することを抑制し、均一な構造を有した未延伸シートを得ることができる。
【0041】
上記未延伸シートは、後述する延伸工程において、均一に延伸することができるため、長手方向、および幅方向の厚み斑発生を抑制し、延伸工程でのフィルム破断も抑制することができる。エアーナイフの吹き出しエアー速度は80?120m/sであると好ましい。吹き出しエアー速度が80m/s未満の場合、シートの密着性が不足し均一な構造の未延伸シートが得られないことがある。一方、吹き出しエアー速度が120m/sを超える場合、Tダイから吐出された溶融シートがエアーナイフのエアーにより振動し易く、特に長手方向の厚み斑を悪化させることがある。キャストドラムへシートを密着させる際、特にシートの端部の成形が後の延伸性に影響するので、端部にスポットエアーを吹き付けてキャストドラムに密着させることが好ましい。
【0042】
次に、得られた未延伸シートを二軸延伸し、二軸配向せしめる。具体的な延伸条件としては、まず、未延伸シートを長手方向に延伸する温度を制御する。温度制御の方法は、温度制御された回転ロールを用いる方法、熱風オーブンを使用する方法などを採用することができる。長手方向に延伸する際のフィルム温度としては、長手方向の厚み斑を低減する観点から100?150℃であると好ましく、より好ましくは110?145℃、さらに好ましくは120?145℃、特に好ましくは130?145℃である。延伸倍率としては、長手方向、幅方向の厚み斑を低減する観点、二軸延伸後に安定した結晶形態を有するフィルムを得る点、ヤング率、熱収縮率を適切な範囲に制御できる観点で4?6.5倍であると好ましく、より好ましくは4.5?6倍、さらに好ましくは5?6倍、特に好ましくは5.5?6倍である。延伸倍率を高くするほど長手方向の厚み斑は良くなり、耐電圧特性にも優れるが、6.5倍を超えて延伸すると、縦延伸工程でのフィルム破断や次の横延伸工程でフィルム破れが起きやすくなってしまう場合がある。
・・・(略)・・・
【0044】
次に、テンター式延伸機にフィルム端部を把持させて導入する。そして、幅方向の厚み斑を低減する観点、二軸延伸後に安定した結晶形態を有するフィルムを得る点で好ましくは140?165℃、より好ましくは142?163℃、さらに好ましくは144?160℃、特に好ましくは145?155℃に加熱して幅方向に8?15倍、より好ましくは9?14倍、さらに好ましくは10?13倍、特に好ましくは10?12倍延伸を行う。なお、このときの横延伸速度としては、幅方向の厚み斑を低減する観点、二軸延伸後に安定した結晶形態を有するフィルムを得る点、ヤング率、熱収縮率を適切な範囲に制御できる観点で15,000?30,000%/分で行うことが好ましく、18,000?28,000%/分であればより好ましく、20,000?28,000%/分であればさらに好ましく、20,000?25,000%/分であれば特に好ましい。」

・「【実施例】
・・・(略)・・・
【0059】
(5)長手方向、幅方向厚み斑
二軸配向ポリプロピレンフィルムの任意の場所から長手方向102mm、幅方向102mmの正方形となるように切り出し試料とし、接触式の膜厚計株式会社ミツトヨ社製“ライトマチック”(登録商標)VL-50A(10.5mmφ超硬球面測定子、測定荷重0.06N)にて測定した。厚み測定位置は、長手方向については、試料の幅方向中央部において1mm間隔で100ヶ所、幅方向についても同様に、試料の長手方向中央部において1mm間隔で100ヶ所とした。長手、幅方向それぞれにおいて最大値、最小値、100ヶ所の平均値より、下記式より厚み斑を求めた。
【0060】
厚み斑(%)=((厚み最大値-厚み最小値)/100ヶ所の厚み平均値)×100
(6)融解ピーク温度、融解ピーク数(158?180℃)
二軸配向ポリプロピレンフィルム5mgを試料としてアルミニウム製パンに封入し、示差走査熱量計(DSC)(セイコー電子工業株式会社製RDC220)を用いて測定した。窒素雰囲気下で室温から280℃まで20℃/分で昇温(ファーストラン)し、5分間保持した後、30℃まで20℃/分で冷却した。上記ファーストランで観察された融解ピーク温度、および158?180℃の範囲内に存在する融解ピーク数を求めた。なお、本測定を3回行い、個々の融解ピークについて3個のデータの平均値を本発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムの融解ピーク温度とした。
・・・(略)・・・
【0069】
(15)コンデンサ製造における素子加工性
後述する各実施例、および比較例において得られた二軸配向ポリプロピレンフィルムの片面に、株式会社ULVAC社製真空蒸着機でアルミニウムを8Ω/□となるように真空蒸着した。その際、長手方向に走るマージン部を有するストライプ状に蒸着した(蒸着部の幅39.0mm、マージン部の幅1.0mmの繰り返し)。ついで、各蒸着部の中央と各マージン部の中央に刃を入れてスリットし、左右いずれかの端部に0.5mmのマージン部を有する全幅20mmのテープ状巻取リールを作製した。得られたリールの左マージン、および右マージンのもの各1本ずつを幅方向に蒸着部分がマージン部より0.5mmはみ出すように2枚を重ね合わせて巻回し、静電容量10μFの巻回体を得た。素子巻回には株式会社皆藤製作所社製KAW-4NHBを使用した。
【0070】
上記コンデンサ製造の際、巻き始めから巻き終わりまでを目視で観察し、シワやずれが発生したものを不合格とし、不合格となったものの数により素子加工性を評価した。なお、コンデンサ素子は50個作製し、下記判断基準により評価した。
【0071】
○:不良品なし
△:不良品1?2個
×:不良品3個以上
(16)高温耐電圧特性
JIS C2330(2001)に準じて、125℃に温調した熱風オーブン中に電極を設置し、二軸配向ポリプロピレンフィルムの絶縁破壊電圧を測定した。なお、本測定を5回行い、その平均値を求め、上記(11)項で求めたフィルム厚みで除して1μm当たりの高温絶縁破壊電圧(V/μm)を求めた。高温耐電圧特性は、上記高温絶縁破壊電圧を下記の基準により評価した。
【0072】
○:450V/μm以上
△:400V/μm以上、450V/μm未満
×:400V/μm未満
(実施例1)
ポリプロピレン樹脂(プライムポリマー社製、融点:166℃、MFR:2.5g/10分、mmmm:0.991)100質量%を単軸の溶融押出機に供給し、230℃で溶融押出を行い、25μmカットの焼結フィルターで異物除去を行った。なお、押出の際のTダイでかかるせん断速度は600sec^(-1)であった。Tダイから吐出された溶融シートを90℃に表面温度を制御したキャストドラム上に密着させ、キャストドラムに4秒間接するようにキャストして未延伸シートを得た。溶融シートをキャストドラム上に密着させるためにエアーナイフおよび端部スポットエアーを用いた。エアーナイフとシート着地点との距離は2mmに設定し、62℃に温調したエアーを吹き出し速度100m/sで吹き付けた。ついで、130℃に加熱したセラミックロールを用いて予熱を行いフィルムの長手方向に5.8倍延伸を行った。この際の長手方向の延伸速度は2,500,000%/分であり、ネックダウン率は98%であった。また、フィルムの延伸性を向上させる目的でフィルム延伸部の両側からラジエーションヒーターにより熱量を与えることで、縦延伸においてフィルム破れの発生はなく製膜性に優れていた。次に端部をクリップで把持して145℃で幅方向に延伸速度22,000%/分で10倍延伸した。さらに、155℃で7秒間の熱処理を行い、幅方向に10%の弛緩を行った。その後、室温まで除冷した後にフィルムの片面に25W・min/m^(2)の処理強度でコロナ放電処理を施し、クリップで把持したフィルムの耳部をカットして除去した。なお、表面処理した面をA面、未処理面をB面と呼ぶこととした。端部を除去したフィルムを巻取機で巻取り、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0073】
(実施例2)
押出の際のTダイでかかるせん断速度を150sec^(-1)とした以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0074】
(実施例3)
ポリプロピレン樹脂のメソペンタッド分率(mmmm)が0.980のものに変更した以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0075】
(実施例4)
押出の際のTダイでかかるせん断速度を200sec^(-1)とした以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0076】
(実施例5)
押出の際のTダイでかかるせん断速度を100sec^(-1)とした以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0077】
(実施例6)
エアーナイフとシート着地点との距離を5mmとした以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0078】
(実施例7)
エアーナイフとシート着地点との距離を6mmとした以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0079】
(実施例8)
エアーナイフとシート着地点との距離を10mmとした以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0080】
(実施例9)
Tダイから吐出された溶融シートがキャストドラムと密着する時間を2秒とした以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0081】
(実施例10)
Tダイから吐出された溶融シートがキャストドラムと密着する時間を1.5秒とした以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0082】
(実施例11)
Tダイから吐出された溶融シートがキャストドラムと密着する時間を1秒とした以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0083】
(実施例12)
キャスト工程でのエアーナイフのエアー温度を60℃とした以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表1に示す。
【0084】
(実施例13)
長手方向の延伸速度を1,500,000%/分とした以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。
【0085】
(実施例14)
長手方向の延伸速度を1,000,000%/分とした以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。
【0086】
(実施例15)
幅方向の延伸速度を18,000%/分とした以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。
【0087】
(実施例16)
幅方向の延伸速度を15,000%/分とした以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。
【0088】
(比較例1)
押出の際のTダイでかかるせん断速度を90sec^(-1)とした以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。
【0089】
(比較例2)
ポリプロピレン樹脂のメソペンタッド分率(mmmm)が0.978のものに変更した以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。
【0090】
(比較例3)
キャスト工程でのエアーナイフのエアー温度を90℃とした以外は実施例1と同様に作製した。結果、縦延伸工程においてフィルム破断が発生し、二軸配向ポリプロピレンフィルムを得ることができなかった。
【0091】
(比較例4)
キャスト工程でのエアーナイフのエアー温度を50℃とした以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。
【0092】
(比較例5)
キャスト工程でのエアーナイフのエアー吹き出し速度を130m/sとした以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。
【0093】
(比較例6)
長手方向の延伸倍率を3.8倍とした以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。
【0094】
(比較例7)
幅方向の延伸倍率を7倍とした以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。
【0095】
(比較例8)
キャストドラムの表面温度を121℃とした以外は実施例1と同様に作製し、厚み2.5μmの二軸配向ポリプロピレンフィルムを得た。得られたフィルムの物性を表2に示す。





(4)サポート要件の判断
発明の詳細な説明の【0001】ないし【0008】によると、本件発明1ないし10の解決しようとする課題は、「延伸助剤として第2成分を添加しなくとも延伸均一性に優れ、厚み斑が小さく、加工性、耐電圧特性に優れるだけでなく、従来製膜が困難であったフィルム厚みまで薄膜化することが可能な二軸配向ポリプロピレンフィルムを提供すること」である(以下、「発明の課題」」という。)。
そして、「長手方向のヤング率E_(MD)および幅方向のヤング率E_(TD)がともに2.5GPa以上であ」ること、「長手方向の厚み斑が0?10%であり、幅方向の厚み斑が0?10%であ」ること、及び、「DSC測定において158?180℃の範囲に融解ピークを2つ以上有する」ことの技術的意義について、それぞれ、発明の詳細な説明の【0017】、【0018】、【0019】及び【0020】に詳細に記載されている。
また、発明の詳細な説明の【0053】ないし【0097】には、具体的な実施例が記載され、当該実施例について、長手方向及び横方向の「厚み班(%)」及び「ヤング率(GPa)」、フィルムの評価結果である「素子加工性」及び「高温耐電圧特性」が記載され、長手方向のヤング率E_(MD)および幅方向のヤング率E_(TD)がともに2.5GPa以上であり、長手方向の厚み斑が0?10%で、幅方向の厚み斑が0?10%であり、DSC測定において158?180℃の範囲に融解ピークを2つ以上有する実施例は、比較例と対比して、フィルムの評価が優れていることも記載されている。
そうすると、当業者は、長手方向のヤング率E_(MD)および幅方向のヤング率E_(TD)がともに2.5GPa以上であり、長手方向の厚み斑が0?10%であり、幅方向の厚み斑が0?10%であり、DSC測定において158?180℃の範囲に融解ピークを2つ以上有する二軸配向ポリプロピレンフィルムは、発明の課題を解決できると理解する。
そして、本件発明1は、これらの事項を包含する二軸配向ポリプロピレンフィルムであるから、発明の詳細な説明の上記記載に接した当業者は、本件発明1は、発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであると理解するし、請求項1を直接又は間接的に引用する本件発明2ないし10についても、発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであると理解する。
よって、本件発明1ないし10は、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるというべきであり、本件特許の特許請求の範囲の記載は、サポート要件に適合する。

(5)申立人の主張の検討
申立人2は、サポート要件に関し、上記第3 2(2)に記載のアないしオ、キの点で特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない旨主張している。
ア 主張アないしオについて
確かに、本件特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0015】において、本件発明の二軸配向ポリプロピレフィルムを構成するポリプロピレン樹脂の「メソペンタッド分率」に関し、その技術的意義と望ましい数値範囲が記載されているが、このメソペンタッド分率は、本件発明1の二軸配向ポリプロピレンフィルムを得るための樹脂の好ましい条件にすぎないと当業者は発明の詳細な説明の記載から理解できる。また、本件発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムに関する長手方向のヤング率E_(MD)と幅方向のヤング率E_(TD)の比の値、「動摩擦係数μd」、「光沢度」及び「厚み」に関し、発明の詳細な説明の段落【0022】、【0025】、【0026】及び【0027】には、その技術的な意義と望ましい数値範囲が記載されているが、これらは、本件発明の課題を解決すると認識できる本件発明1の発明特定事項を有する二軸配向ポリプロピレンフィルムにおいて、これらを追加的に満たすことで更に性能が向上する条件であると当業者は認識する。したがって、申立人2の主張は失当であって採用できない。
イ 主張キについて
申立人2は、上記第3 2(2)に記載のキに関し「本件特許明細書の【0019】には、「DSC測定において158?180℃の範囲に融解ピークを2つ以上有する」ことの技術的意義が説明されているが、同段落の末尾に、「158℃未満に2つ以上の融解ピークが存在する場合、α晶に起因するピークではないと考えられ、本発明が求める高温での耐電圧特性を達成することはできないものと推定される。」と記載されている。これは、「DSC測定において158?180℃の範囲に融解ピークを2つ以上有する」場合でも、158℃未満に例えば3つ目以上の融解ピークが存在する場合には、本発明の課題が解決できないことを自認していると認められる。そうすると、本件発明1は、すべての発明特定事項を満たしていたとしても、158℃未満に例えば3つ目以上の融解ピークが存在する場合には所望の課題が解決できない発明を包含することになる。」と主張する。
しかしながら、158℃未満にピークがある二軸配向ポリプロピレンフィルムであっても、158℃未満のピークがあるもので158?180℃にピークが2つある樹脂と、158?180℃にピークが一つの樹脂とを比べれば、1つのものに比べて厚み班が小さく、加工性、耐電圧特性に優れたものとなると当業者は理解できるから、申立人2の主張は失当であり、採用できない。

(6)サポート要件のまとめ
したがって、申立人2の申立理由2-4によっては、本件特許の請求項1ないし10に係る特許を取り消すことはできない。

3 実施可能要件(申立理由2-3)について
(1)実施可能要件の判断基準
本件発明は、「二軸配向ポリプロピレンフィルム」及び当該二軸配向ポリプロピレンフィルムを利用した「金属膜積層フィルム」及び「フィルムコンデンサ」という物の発明である。そして、物の発明について、実施可能要件を充足するためには、発明の詳細な説明に、当業者が、発明の詳細な説明の記載及び出願時の技術常識に基づいて、過度の試行錯誤を要することなく、その物を製造し、使用することができる程度の記載があるか否かを検討して判断されるべきである。

(2)発明の詳細な説明の記載
本件特許の発明の詳細な説明には、上記2(3)の記載がある。

(3)実施可能要件の判断
ア 本件特許の発明の詳細な説明の段落【0017】?【0027】には、本件発明の各発明特定事項について具体的に記載され、本件発明の二軸配向ポリプロピレンフィルムの製造方法について、発明の詳細な説明の段落【0034】、【0036】ないし【0044】に具体的な製造条件を含めて記載されている。
また、本件特許の発明の詳細な説明の段落【0053】ないし【0097】には、本件発明の実施例が具体的に記載されている。

イ したがって、本件発明について、発明の詳細な説明に、当業者が、発明の詳細な説明の記載及び出願時の技術常識に基づいて、過度の試行錯誤を要することなく、その物を製造し、使用することができる程度の記載があるといえる。

(4)申立人2の主張の検討
申立人2は、実施可能要件に関し、上記第3 2(2)に記載のアないしキの点で特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない旨主張している。
ア 主張アないしオについて
実施可能要件の判断基準は、上記(1)のとおりであって、上記第3 2(2)に記載のアないしオの点が特許請求の範囲に規定されていないことをもって、実施不可能であるということはできないから、申立人2の上記第3 2(2)に記載のアないしオの点に関する主張は失当である。
イ 主張カ及びキについて
申立人2は、上記第3 2(2)に記載のカに関し「本件特許発明では、融解ピークの数が発明を特定するための重要な事項であり、本件特許明細書の【0060】には、融解ピーク数の求め方が一応記載されているようである。しかし、融解ピークは、明確にピークとして認識できるものもあれば、例えば、甲2-4の図3のように、融解ピークが主ピークのショルダーピークとして観測される場合もある。特に、主ピークが大きくショルダーピークが小さい場合は、融解ピークが1つに見えてしまう可能性もある。このように、融解ピークの数が発明を特定するための重要な事項であるにもかかわらず、その確認方法が明確に記載されていない」と主張する。
しかしながら、当業者であれば、「DSC測定において」の「溶融ピーク」がどのようなものであるかは理解しているし、段落【0060】の測定方法で行ったときの数も明確に測定できるといえるから、申立人2の主張は失当であって採用できない。
申立人2の実施可能要件に関する上記第3 2(2)に記載のキの主張は、上記2(5)イと同じであるが、158℃未満にピークがある二軸配向ポリプロピレンフィルムであっても、158℃未満のピークがあるもので158?180℃にピークが2つある樹脂と、158?180℃にピークが一つの樹脂とを比べれば、1つのものに比べて厚み班が小さく、加工性、耐電圧特性に優れたものとなり、本件発明は実施できるといえるから、申立人2の主張は失当であり、採用できない。

(5)実施可能要件についてのまとめ
したがって、申立人2の申立理由2-3によっては、本件特許の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。請求項1を引用する請求項2ないし10に係る特許も同様である。

4 甲1-1(甲2-1と同じ、以下略)に基づく新規性進歩性(申立理由1-1、2-1、2-2)について
(1)甲1-1発明
甲1-1の[請求項1]、[0011]、[0027]、[0037]、[0072]、[0075]、[0080]及び表3並びに図2に記載された事項を、実施例1に関して整理するとともに、図2に示されている示差走査熱量測定(DSC)で得られたチャートからみて、当該実施例1のフィルムの、DSC測定において158?180℃の範囲に融解ピークは1つであるといえるから、甲1-1には次の発明が記載されていると認める。

<甲1-1実施例1発明>
「ポリプロピレン樹脂として、Mw/Mn=7.7、Mz+1/Mn=140、MFR=5.0g/10分、メソペンタッド分率[mmmm]=97.3%であるプロピレン単独重合体(日本ポリプロ(株)製「ノバテック(登録商標)PP SA4L」:共重合モノマー量は0モル%;以下「PP-1」と略する)を用い、このポリプロピレン樹脂を、60mm押出機を用いて、250℃でTダイよりシート状に押出し、30℃の冷却ロールで冷却固化した後、135℃で長さ方向(MD方向)に4.5倍に縦延伸し、次いで両端をクリップで挟み、熱風オーブン中に導いて、170℃で予熱後、160℃で横方向(TD方向)に8.2倍に横延伸し、次いで6.7%のリラックスを掛けながら168℃で熱処理し、その後、フィルムの片面にコロナ処理を行い、ワインダーで巻き取って、得られた延伸ポリプロピレンフィルムであって、
MD方向のヤング率は、2.6GPa、TD方向のヤング率は、4.7GPaであり、
厚み均一性が7%であり、
フィルム厚み20μmであり、
DSC測定において158?180℃の範囲に融解ピークは1つである、
延伸ポリプロピレンフィルム。」

(2)本件発明1について
ア 本件発明1と甲1-1実施例1発明とを対比する。
甲1-1実施例1発明の「延伸ポリプロピレンフィルム」は、プロピレン単独重合体(日本ポリプロ(株)製「ノバテック(登録商標)PP SA4L」:共重合モノマー量は0モル%;以下「PP-1」と略する)を用い、シート状に押出されたものを長さ方向(MD方向)に4.5倍に縦延伸し、次いで横方向(TD方向)に8.2倍に横延伸しているから、本件発明1の「ポリプロピレン樹脂を主成分とする二軸配向ポリプロピレンフィルム」に相当する。
甲1-1実施例1発明の「厚み均一性が7%」とは、甲1-1の厚み均一性の測定方法に関する「11)厚み均一性(厚み斑)(単位:%)巻き取ったフィルムロールから長さが1mの正方形のサンプルを切り出し、MD方向およびTD方向にそれぞれ10等分して測定用サンプルを100枚用意した。測定用サンプルのほぼ中央部を接触式のフィルム厚み計で厚みを測定した。得られた100点のデータの平均値Aを求め、また最小値と最大値の差(絶対値)Bを求め、(B/A)×100の式を用いて計算した値をフィルムの厚み斑とした。」(段落[0075])の記載から、本件発明1における「以下の厚み斑の測定方法により測定した長手方向の厚み斑が0?10%であり、以下の厚み斑の測定方法により測定した幅方向の厚み斑が0?10%であり、
厚み斑の測定方法:二軸配向ポリプロピレンフィルムの任意の場所から長手方向102mm、幅方向102mmの正方形となるように切り出し試料とし、10.5mmφ超硬球面測定子を備える接触式の膜厚計にて、測定荷重を0.06Nとして、長手方向については試料の幅方向中央部において1mm間隔で100ヶ所、幅方向についても試料の長手方向中央部において1mm間隔で100ヶ所の厚みを測定する。長手方向、幅方向それぞれにおいて厚みの最大値、最小値、及び100ヶ所の平均値を用いて、下記式より厚み斑を求める。
厚み斑(%)=((厚み最大値-厚み最小値)/100ヶ所の厚み平均値)×100」を満たす蓋然性が高い。
甲1-1実施例1発明の延伸ポリプロピレンフィルムのMD方向のヤング率は、2.6GPa、TD方向のヤング率は、4.7GPaであるから、甲1-1実施例1発明は、本件発明1の「長手方向のヤング率E_(MD)および幅方向のヤング率E_(TD)がともに2.5GPa以上であり」を満たす。

そうすると、本件発明1と甲1-1実施例1発明は、
「ポリプロピレン樹脂を主成分とする二軸配向ポリプロピレンフィルムであって、長手方向のヤング率E_(MD)および幅方向のヤング率E_(TD)がともに2.5GPa以上であり、以下の厚み斑の測定方法により測定した長手方向の厚み斑が0?10%であり、以下の厚み斑の測定方法により測定した幅方向の厚み斑が0?10%である、二軸配向ポリプロピレンフィルム。
厚み斑の測定方法:二軸配向ポリプロピレンフィルムの任意の場所から長手方向102mm、幅方向102mmの正方形となるように切り出し試料とし、10.5mmφ超硬球面測定子を備える接触式の膜厚計にて、測定荷重を0.06Nとして、長手方向については試料の幅方向中央部において1mm間隔で100ヶ所、幅方向についても試料の長手方向中央部において1mm間隔で100ヶ所の厚みを測定する。長手方向、幅方向それぞれにおいて厚みの最大値、最小値、及び100ヶ所の平均値を用いて、下記式より厚み斑を求める。
厚み斑(%)=((厚み最大値-厚み最小値)/100ヶ所の厚み平均値)×100」
で一致し、以下の点で相違する。

<相違点1>
DSC測定において158?180℃の範囲に融解ピークに関し、本件発明1は、「2つ以上有する」と特定するのに対して、甲1-1実施例1発明は、1つである点。

以下、相違点について検討する。
まず、相違点1は、実質的な相違点であるから、本件発明1は甲1-1実施例1発明、すなわち、甲1-1に記載された発明ではない。
次に、甲1-1には、甲1-1実施例1発明におけるDSC測定において158?180℃の範囲に融解ピークに関して、2つ以上有するものとする動機付けとなる記載はなく、申立人1及び2が提示するいずれの証拠にもそのような記載は存在しない。
してみれば、当業者において、甲1-1実施例1発明において、DSC測定において158?180℃の範囲に融解ピークを2つ以上有するようにすることは想到容易とはいえない。
そして、当該相違点1に係る構成を有することにより、例えば延伸助剤として第2成分を添加しなくとも延伸均一性に優れ、厚み斑が小さく、加工性、耐電圧特性に優れるだけでなく、従来製膜が困難であったフィルム厚みまで薄膜化することが可能な二軸配向ポリプロピレンフィルムを提供できるとの格別の効果を奏するものである。
よって、本件発明1は、甲1-1に記載された発明ではないし、甲1-1実施例1発明、すなわち甲1-1に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。

イ 申立人1及び2の主張の検討
申立人1及び2は、以下の主張をする。
(ア)甲2-1(甲1-1)の図2によれば、実施例1のフィルムのDSCチャート(実線)では、一見すると170℃に溶融ピークが1つの存在しているように見えるが、つぶさに見ると164℃付近にシュルダーピークが存在している。・・・図2に示す実施例1のDSCチャート(実線)では、170℃の溶融ピークに加え、その低温側に膨らみを有していることから、164℃付近にショルダーピークが存在していると考えられる。これにより、実施例1のポリプロピレンフィルムは、DSC測定において158?180℃の範囲に融解ピークを2つ以上有するといえる。(申立人2)
(イ)甲2-3によれば、二軸延伸ポリプロピレンフィルムを加熱エージング(150℃、20 日間)した後にDSC測定すると、少なくとも171℃及び163℃付近に2つの融解ピークが生じることが知られている。具体的には、甲2-3の図2(点線のグラフ)より、加熱エージング後のフィルムB(二軸延伸ポリプロピレンフィルム)のDSC曲線において、M_(p1)ピーク (171℃)及びM_(p2)ピーク(163℃(435K)付近)に2つのピークが現れている。M_(p1)ピーク (171℃)は、 アイソタクチックポリプロピレンのα形結晶形の融解によるものであり、M_(p2)ピーク (163℃付近)はそれよりも熱安定性の低い結晶層の融解によるものとされている。よって、加熱処理により得られる二軸延伸ポリプロピレンフィルムがM_(p1)ピーク (171℃)及びM_(p2)ピーク (163℃付近)を有することは周知であったことが理解できる。また、M_(p2)ピークとM_(p1)ピークのピーク強度は、フィルムにおけるそれぞれの結晶層の存在割合に起因するものと認められるから、図2のフィルムBのように明瞭な2つのM_(p2)ピークとM_(p1)ピークとを示す場合もあれば、M_(p2)ピークの結晶層の割合が少なく、M_(p1)ピーク結晶層の割合が多い場合には、M_(p2)ピークがサブピークとなり、M_(p1)ピークのショルダーとして検出されることになる。この点、例えば、甲2-4の図3には、ポリプロピレンフィルムに2つ以上の融解ピークがある場合でも、ショルダーピークとして観測されることが例示されている。また、DSCの融解曲線の形状がピーク温度に対して線対称でなく、ピークの裾が膨れたりテーリングしている場合、その位置に1以上のピーク(ショルダーピーク)が存在することもよく知られていることである。さらに、甲2-9の【0057】には、「・・・ニ軸延伸ポリプロピレンフィルムのDSC測定においては、100℃から190℃の間には、図3に示す通り、少なくとも2つ以上の融解ピークを得ることができ、その最も高温側の融解ピーク曲線のピークトップ(頂点)は、170℃以上175℃以下の範囲に出現する。この最高温側融解ピークの他に、引き続き低温側、大凡155℃?170℃の温度範囲に、少なくとも1つ以上の融解ピークが出現する」と記載されている。同甲2-9の【0066】には、「・・・高温側の融解ピークは、フィルム中において比較的微結晶の大きさが大きなサイズ、つまり熱的に安定な結晶の存在及び存在量を表す。一方、低温側のピークは、大きさがやや小さく熱的に不安定(準安定)な微結晶の存在とその存在量を示すことになる。」と記載されている。これより、所定の条件で二軸延伸して得られる延伸ポリプロピレンフィルムにおいて(例えば、甲9の【0080】、実施例等)、融解ピーク曲線のピークトップ(頂点)は、170℃以上175℃以下の範囲に出現し、引き続き低温側、大凡155℃?170℃の温度範囲に、少なくとも1つ以上の融解ピークが出現することは、周知の事実であると認められる。上記の事実に基づけば、甲2-1で得られる二軸延伸ポリプロピレンフィルムにおいても同様に、170℃以上175℃以下の範囲(例えば、171℃)、及び155℃?170℃の温度範囲(例えば、163℃付近)に2つの融解ピークを有するであろうことは容易に理解できる。(申立人2)
(ウ)甲1-1の発明では、150℃でPETフィルムに匹敵する低収縮率を有し、高剛性である延伸ポリプロピレンフィルムを提供することを目的とし、結晶性が向上し易く、押出や延伸が容易な、ポリプロピレンを用いて、結晶化度が十分でかつ高温で融解する割合が多く(要件(e))、結晶の配向度が高い(要件(d))延伸フィルムを得たところに、その技術的意義を有し、特に、長周期サイズをより大きくする(結晶サイズも大きくなる)ことで、融解ピーク温度を高めて、高温での熱収縮率(耐熱性)を、更に改善することを特徴とするものである。一方で、前述したように、本件特許の優先日前に「二軸延伸ポリプロピレンフィルムにおいて、α晶 (158?180℃の範囲)の高温側の融解ピークと共に、低温側の融解ピークが生じ得ること」が、当業者に周知技術であったといえる(甲1-2の1?甲1-2の5)。そうすると、甲1-1発明において、158?180℃の範囲に融解ピークを2つ以上有するか否かは、設計上の微差に過ぎないといえる。また、甲2-1発明の実施例1?6においても、下記の表のように、本件発明で好ましいとされる製造条件を概ね採用しており、融解曲線が示されていない実施例2?6については、低温側にも融解ピークを有する可能性が十分ある。(申立人1)
(エ)また、甲1-2の3には、「二軸延伸ポリプロピレンフィルムにおいて、α晶の高温側の融解ピークと共に、低温側の融解ピークが生じ得ること」が記載されていると共に、「微結晶厚が大きくなるほど、融点が高くなること」が記載されている。従って、甲2-1発明において、融解ピーク温度を高めて、高温での熱収縮率(耐熱性)を改善する際に、甲1-2の3のように「微結晶厚が大きくなるほど、融点が高くなる」結果として、当業者に周知の構成D(融解ピークを2つ以上有すること)を採用することは、当業者にとって容易に想到し得ることである。(申立人1)
以下、上記主張(ア)ないし(エ)について検討する。
主張(ア)について
甲2-1(甲1-1)の図2は下記のとおりであって、当該図面における実施例1のポリプロピレンフォルムのDSCチャートでは、158?180℃の範囲に融解ピークは1つしか存在していない。また、たとえ膨らみがあるとしても、それは溶融ピークということはできないから、申立人2の主張(ア)は失当であって採用できない。



主張(イ)について
DSC測定において、158?180℃の範囲に融解ピークを2つ以上有する二軸延伸ポリプロピレンフィルムが周知であったとしても、甲2-1(甲1-1)実施例1発明においては、158?180℃の範囲に溶融ピークは1つであり、これを2つ以上有するものとする動機はないから、申立人の主張(イ)は採用できない。
主張(ウ)について
甲1-2の1ないし甲1-2の5に、「二軸延伸ポリプロピレンフィルムにおいて、α晶(158?180℃の範囲)の高温側の融解ピークと共に、低温側の融解ピークが生じ得ること」が記載されているとしても、甲1-1実施例1発明のDCS曲線は、上記図2のとおりであって、そこには、158?180℃の範囲には溶融ピークは1つしかないのであるから、これを設計上の微差ということはできず、申立人1の主張(ウ)も採用できない。
主張(エ)について
たとえ、甲1-2の3に「二軸延伸ポリプロピレンフィルムにおいて、α晶の高温側の融解ピークと共に、低温側の融解ピークが生じ得ること」が記載されていると共に、「微結晶厚が大きくなるほど、融点が高くなること」が記載されているとしても、相違点となる「158?180℃の範囲に溶融ピークを2つ以上有する」ことに関する記載はないから、当該相違点の構成を甲1-2の3の記載により想到容易ということはできず、申立人1の主張(エ)も採用できない。

(3)本件発明2ないし10について
本件発明1が、甲1-1に記載された発明ではなく、また、甲1-1に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないのは上記(2)のとおりであるから、本件発明1の特定事項をすべて有し、更に限定する本件発明2ないし4、7及び8についても同様に甲1に記載された発明ではなく、また、本件発明1の特定事項をすべて有し、更に限定する本件発明2ないし10は、甲1-1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

(4)甲1-1に基づく新規性進歩性(申立理由1-1、2-1、2-2)のまとめ
以上のとおりであるから、申立人1の申立理由1-1及び申立人2の申立理由2-1と申立理由2-2には、理由がない。

5 甲2-2に基づく新規性進歩性(申立理由2-3)について
(1)甲2-2発明
甲2-2の[請求項1]、[0001]、[0010]、[0056]、[0057]、[0059]、[0060]、[0062]?[0064]、[0082]、[0091]、[0093]、[0095]、[0099]?[0106]、[0112]の表3並びに図1に記載された事項を、実施例1に関して整理するとともに、図1に示されている示差走査熱量測定(DSC)で得られたチャートからみて、当該実施例1のフィルムの、DSC測定において158?180℃の範囲に融解ピークは1つであるといえるから、甲2-2には次の発明が記載されていると認める。

<甲2-2実施例1発明>
「ポリプロピレン樹脂として、Mw/Mn=7.7、Mz+1/Mn=140、MFR=5.0g/10分、メソペンタッド分率[mmmm]=97.3%であるプロピレン単独重合体(日本ポリプロ(株)製「ノバテック(登録商標)PP SA4L」:共重合モノマー量は0モル%;以下「PP-1」と略する)を用い、このポリプロピレン樹脂を、65mm押出機を用いて、250℃でTダイよりシート状に押出し、30℃の冷却ロールで冷却固化した後、135℃で長さ方向(MD方向)に4.5倍に縦延伸し、次いで両端をクリップで挟み、熱風オーブン中に導いて、170℃で予熱後、160℃で横方向(TD方向)に8.2倍に横延伸し、次いで6.7%のリラックスを掛けながら168℃で熱処理し、その後、フィルムの片面にコロナ処理を行い、ワインダーで巻き取って、得られた延伸ポリプロピレンフィルムであって、
MD方向のヤング率は、2.6GPa、TD方向のヤング率は、4.7GPaであり、
厚み均一性が7%であり、
フィルム厚み20μmであり、
DSC測定において158?180℃の範囲に融解ピークは1つである、
延伸ポリプロピレンフィルム。」

(2)本件発明1について
ア 本件発明1と甲2-2実施例1発明とを対比する。
甲2-2実施例1発明の「延伸ポリプロピレンフィルム」は、プロピレン単独重合体(日本ポリプロ(株)製「ノバテック(登録商標)PP SA4L」:共重合モノマー量は0モル%;以下「PP-1」と略する)を用い、シート状に押出されたものを長さ方向(MD方向)に4.5倍に縦延伸し、次いで横方向(TD方向)に8.2倍に横延伸しているから、本件発明1の「ポリプロピレン樹脂を主成分とする二軸配向ポリプロピレンフィルム」に相当する。
甲2-2実施例1発明の「厚み均一性が7%」とは、甲2-2の厚み均一性の測定方法に関する「(14)厚み班(厚み均一性)(%)巻き取ったフィルムロールから長さが1mの正方形のサンプルを切り出し、MD方向およびTD方向にそれぞれ10等分して測定用サンプルを100枚用意した。測定用サンプルのほぼ中央部を接触式のフィルム厚み計で厚みを測定した。得られた100点のデータの平均値Aを求め、また最小値と最大値の差(絶対値)Bを求め、(B/A)×100の式を用いて計算した値をフィルムの厚み斑とした。」(段落[0099])の記載から、本件発明1における「以下の厚み斑の測定方法により測定した長手方向の厚み斑が0?10%であり、以下の厚み斑の測定方法により測定した幅方向の厚み斑が0?10%であり、
厚み斑の測定方法:二軸配向ポリプロピレンフィルムの任意の場所から長手方向102mm、幅方向102mmの正方形となるように切り出し試料とし、10.5mmφ超硬球面測定子を備える接触式の膜厚計にて、測定荷重を0.06Nとして、長手方向については試料の幅方向中央部において1mm間隔で100ヶ所、幅方向についても試料の長手方向中央部において1mm間隔で100ヶ所の厚みを測定する。長手方向、幅方向それぞれにおいて厚みの最大値、最小値、及び100ヶ所の平均値を用いて、下記式より厚み斑を求める。
厚み斑(%)=((厚み最大値-厚み最小値)/100ヶ所の厚み平均値)×100」を満たす蓋然性が高い。
甲2-2実施例1発明の延伸ポリプロピレンフィルムのMD方向のヤング率は、2.6GPa、TD方向のヤング率は、4.7GPaでありことから、甲2-2実施例1発明は、本件発明1の「長手方向のヤング率E_(MD)および幅方向のヤング率E_(TD)がともに2.5GPa以上であり」を満たす。

そうすると、本件発明1と甲2-2実施例1発明は、
「ポリプロピレン樹脂を主成分とする二軸配向ポリプロピレンフィルムであって、長手方向のヤング率E_(MD)および幅方向のヤング率E_(TD)がともに2.5GPa以上であり、以下の厚み斑の測定方法により測定した長手方向の厚み斑が0?10%であり、以下の厚み斑の測定方法により測定した幅方向の厚み斑が0?10%である、二軸配向ポリプロピレンフィルム。
厚み斑の測定方法:二軸配向ポリプロピレンフィルムの任意の場所から長手方向102mm、幅方向102mmの正方形となるように切り出し試料とし、10.5mmφ超硬球面測定子を備える接触式の膜厚計にて、測定荷重を0.06Nとして、長手方向については試料の幅方向中央部において1mm間隔で100ヶ所、幅方向についても試料の長手方向中央部において1mm間隔で100ヶ所の厚みを測定する。長手方向、幅方向それぞれにおいて厚みの最大値、最小値、及び100ヶ所の平均値を用いて、下記式より厚み斑を求める。
厚み斑(%)=((厚み最大値-厚み最小値)/100ヶ所の厚み平均値)×100」
で一致し、以下の点で相違する。

<相違点2>
DSC測定において158?180℃の範囲に融解ピークに関し、本件発明1は、「2つ以上有する」と特定するのに対して、甲2-2実施例1発明は、1つである点。

以下、相違点について検討すると、相違点2は相違点1と同じであるから、その判断は、上記4(2)のとおりである。
よって、本件発明1は、甲2-2実施例1発明、すなわち甲2-2に記載された発明ではないし、甲2-2に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。

(3)本件発明2ないし10について
本件発明1が、甲2-2に記載された発明ではなく、また、甲2-2に記載された発明から当業者が容易に発明をすることができたものとはいえないのは上記(2)のとおりであるから、本件発明1の特定事項をすべて有し、更に限定する本件発明2ないし4、7及び8についても同様に甲2-2に記載された発明ではなく、また、本件発明1の特定事項をすべて有し、更に限定する本件発明2ないし10は、甲2-2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

(4)甲2-2に基づく新規性進歩性(申立理由2-3)のまとめ
以上のとおりであるから、申立人2の申立理由2-3には、理由がない。

第5 むすび
したがって、申立人1及び2の主張する特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件特許の請求項1ないし10に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項1ないし10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。

 
異議決定日 2021-08-20 
出願番号 特願2016-58163(P2016-58163)
審決分類 P 1 651・ 537- Y (B29C)
P 1 651・ 113- Y (B29C)
P 1 651・ 536- Y (B29C)
P 1 651・ 121- Y (B29C)
最終処分 維持  
前審関与審査官 浅野 昭  
特許庁審判長 加藤 友也
特許庁審判官 大島 祥吾
植前 充司
登録日 2020-11-09 
登録番号 特許第6790398号(P6790398)
権利者 東レ株式会社
発明の名称 二軸配向ポリプロピレンフィルム、金属膜積層フィルムおよびフィルムコンデンサ  
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