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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  C11C
審判 全部申し立て 2項進歩性  C11C
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C11C
管理番号 1377821
異議申立番号 異議2021-700586  
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-10-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-06-22 
確定日 2021-09-03 
異議申立件数
事件の表示 特許第6803099号発明「エステル油の引火点を上昇させる方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6803099号の請求項1ないし5に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6803099号の請求項1?5に係る特許についての出願は、令和2年5月1日に出願され、同年12月2日にその特許権の設定登録がされ、同年12月23日に特許掲載公報が発行された。その後、請求項1?5に係る特許に対し、令和3年6月22日に特許異議申立人森田悠介(以下、単に「申立人」ということもある。)が、特許異議の申立てを行った。

第2 本件発明
特許第6803099号の請求項1?5の特許に係る発明(以下、「本件発明1」?「本件発明5」などといい、まとめて「本件発明」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?5に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
引火点が220度以上のエステル油と、分子量が300以上の酸化防止剤を混合することを特徴とする、エステル油の引火点を上昇させる方法。
【請求項2】
エステル油が、脂肪酸エステル、ポリオールエステル又はこれらの混合物であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
酸化防止剤が、フェノール系、アミン系、ピペリジン誘導体系、フォスファイト系、ラクトン系及び硫黄系からなる群から選択される1種以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
エステル油100質量部に対し、酸化防止剤が0.1?5.0質量部混合されることを特徴とする、請求項1?3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
酸化防止剤が混合されたエステル油の引火点が、酸化防止剤が混合されていないエステル油の引火点に対し、4度以上上昇していることを特徴とする、請求項1?4のいずれか1項に記載の方法。」

第3 申立理由の概要
申立人は、下記2の甲第1?11号証を提出し、次の1について主張している(以下、甲号証は、単に「甲1」などと記載する。)。
1 申立ての理由
(1)特許法第29条第1項第3号(同法第113条第2号)
ア 本件発明1?5は、甲1に記載された発明、及び、甲4?5の記載を参照すれば、甲1に記載された発明と同一である。
イ 本件発明1?5は、甲2に記載された発明、及び、甲4?5の記載を参照すれば、甲2に記載された発明と同一である。
(2)同法第29条第2項(同法第113条第2号)
ア 本件発明1?5は、甲1に記載された発明、及び、甲3?11の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
イ 本件発明1?5は、甲2に記載された発明、及び、甲3?11の記載に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
(3)同法第36条第6項第1号(同法第113条第4号)
甲1において、ポリオールエステル基油A(引火点302℃)、芳香族アミン系酸化防止剤B、芳香族アミン系酸化防止剤C、ホスファイト系酸化防止剤Dを混合した試料2(引火点300℃)、試料5(引火点302℃)、試料7(引火点300℃)、試料9(引火点300℃)、試料11(引火点284℃)、試料13(引火点290℃)、試料15(引火点278℃)、従来例1(引火点268℃)はいずれも、引火点が302℃以下であり、ポリオールエステル基油A単独での引火点以下である。甲2においても、ポリオールエステル基油A(引火点302℃)、芳香族アミン系酸化防止剤B、芳香族アミン系酸化防止剤C、ホスファイト系酸化防止剤Dを混合した試料2(引火点300℃)、試料5(引火点302℃)、試料7(引火点300℃)、試料9(引火点300℃)、試料15(引火点284℃)、試料17(引火点290℃)、試料19(引火点278℃)、試料20(引火点294℃)、従来例1(引火点268℃)はいずれも、引火点が302℃以下であり、ポリオールエステル基油A単独での引火点以下である。
そうすると、以上の各試料及び従来例は本件発明1ないし5における発明特定事項(A)引火点が220度以上のエステル油及び(B)分子量が300以上の酸化防止剤を充足する組成であるにも関わらず、これらを混合しても、発明特定事項(C)のエステル油の引火点を上昇させる方法とすることができない例が著しく多数存在することになる。
したがって、(A)引火点が220度以上のエステル油及び(B)分子量が300以上の酸化防止剤の全ての範囲にわたり、引火点が上昇したエステル油を提供するという課題を解決することができず、少なくともどのようなエステル油と酸化防止剤を選択すれば引火点が上昇するのかを過度な試行錯誤なく認識できるような記載を本件特許明細書は欠いており、本件発明1ないし5は、発明の詳細な説明において発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えるものである。したがって、出願時の技術常識に照らしても、請求項に係る発明の範囲まで、発明の詳細な説明に開示された内容を拡張ないし一般化できるとは言えない。

2 証拠方法
(1)甲1:特開2011-184604号公報
(2)甲2:特開2016-102143号公報
(3)甲3:特開平7-166184号公報
(4)甲4:油化製品総合カタログ、日油株式会社油化事業部、2015年7月作成(改訂13版)、表紙、目次、p.15-20、最後頁
(5)甲5:特許第5346499号公報
(6)甲6:岩倉正英、佐藤瓏、合成潤滑油の高圧熱分析(第1報)、石油学会誌、J.Japan Petrol.Inst.、1981年、第24巻、第6号、p.385-392
(7)甲7:山本次男、豊田信義、八木徹也、アルキル置換ジフェニルエーテル型合成潤滑油に関する研究、石油学会誌、J.Japan Petrol.Inst.、1979年、第22巻、第1号、p.38-43
(8)甲8:特開昭63-125598号公報
(9)甲9:市川雪則、潤滑油酸化劣化における化学発光、マテリアルライフ、1998年1月、第10巻、第1号、p.16-20
(10)甲10:太田静行、フライ油の劣化防止剤、油化学、1988年、第37巻、第5号、p.331-343
(11)甲11:大西章義、ポリマーメーカーから見た劣化評価と信頼性、マテリアルライフ、1990年10月、第2巻、第4号、p.213-220

第4 特許法第29条に関する申立ての理由についての当審の判断
1 甲1、2の記載
(1)甲1
甲1には、「高温用潤滑油組成物」(発明の名称)について、次の記載がある。
「【請求項1】
ポリオールエステルの基油と、芳香族アミン系酸化防止剤と、ホスファイト系酸化防止剤と、ホウ素含有極圧剤とを含む潤滑油組成物であって、芳香族アミン系酸化防止剤としてアルキル化ジフェニルアミンとアルキル化フェニルナフチルアミンの2種を含み、ポリオールエステルの含有量が75?95質量%、芳香族アミン系酸化防止剤の含有量がアルキル化ジフェニルアミン及びアルキル化フェニルナフチルアミン共に0.5?10質量%、ホスファイト系酸化防止剤の含有量が0.5?5質量%、ホウ素含有極圧剤の含有量が0.1?5質量%であることを特徴とする潤滑油組成物。」
「【技術分野】
【0001】
本発明は、引火点が高く且つ熱安定性に優れ、例えば150?290℃までの高温での使用に好適な高温用潤滑油組成物に関する。」
「【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記した従来の事情に鑑みてなされたものであり、引火点が300℃以上と高く、蒸発損失が少ないうえ、各種機械装置の開放系チェーン部での150?290℃の高温環境下、特に270℃を越える高温環境下において固化(酸化重合)及びスラッジ化し難くい、熱安定性に優れた高温用潤滑油組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、基油としてポリオールエステルを用い、アルキル化ジフェニルアミンとアルキル化フェニルナフチルアミンの2種の芳香族アミン系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、更にホウ素含有極圧剤を配合することによって、耐蒸発性及び低残渣性を向上させ、高引火点を有する高温用潤滑油組成物が得られることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至ったものである。
【0010】
即ち、本発明が提供する高温用潤滑油組成物は、ポリオールエステルの基油と、芳香族アミン系酸化防止剤と、ホスファイト系酸化防止剤と、ホウ素含有極圧剤とを含む潤滑油組成物であって、芳香族アミン系酸化防止剤としてアルキル化ジフェニルアミンとアルキル化フェニルナフチルアミンの2種を含み、ポリオールエステルの含有量が75?95質量%、芳香族アミン系酸化防止剤の含有量がアルキル化ジフェニルアミン及びアルキル化フェニルナフチルアミン共に0.5?10質量%、ホスファイト系酸化防止剤の含有量が0.5?5質量%、ホウ素含有極圧剤の含有量が0.1?5質量%であることを特徴とするものである。」
「【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、引火点が高く、蒸発損失が少ないことに加え、各種機械装置の開放系チェーン部の高温環境下において固化及びスラッジ化し難く、熱安定性に優れた潤滑油組成物を提供することができる。従って、本発明の潤滑油組成物は、連続式スチーマー、焼成オーブン、ヒートセッターテンター、各種乾燥機等の高温の開放系チェーン、特に150?290℃までの高温環境下でのチェーン部等の潤滑に好適に用いることができる。」
「【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の潤滑油組成物において基油として用いるポリオールエステルは、固化し難く、蒸発損失が少なく、高温安定性に優れ、引火点が高い等の特性を具えている。ポリオールエステルは、基油として公知のものを用いることができ、特にアルコール成分がネオペンチルポリオール、例えばジペンタエリスリトール(水酸基数6)を含むネオペンチルポリオールが好ましい。また、ポリオールエステルの酸成分は炭素数5?12のカルボン酸の混合物が好ましく、例えば、炭素数9のイソノナン酸(3,5,5-トリメチルヘキサン酸)を主成分とし、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸から選ばれる少なくとも一種の酸を更に含む混合物が好ましい。特にイソノナン酸は耐熱性に優れるため主成分として好適である。
(中略)
【0016】
基油であるポリオールエステルの含有量は、潤滑油組成物の全重量基準で75?95質量%の範囲とする。その理由は、ポリオールエステルの含有量が75質量%より少ないと、相対的に酸化防止剤成分が多くなるため、逆にスラッジの発生要因となり、またポリオールエステルの引火点を低下させる要因となるからである。また、95質量%より多くなると、相対的に酸化防止剤の成分が少なくなるため、耐蒸発性が低下することになるからである。
【0017】
本発明の潤滑油組成物では、芳香族アミン系酸化防止剤として、アルキル化フェニルアミンとアルキル化フェニルナフチルアミンとを同時に配合することが必要である。上記2種類の芳香族アミン系酸化防止剤を同時に組み合わせて使用することによって、潤滑油組成物の耐蒸発性が著しく改善されるなどの相乗的な効果が得られるからである。
(中略)
【0020】
上記アミン系酸化防止剤であるアルキル化ジフェニルアミンとアルキル化フェニルナフチルアミンの含有量は、潤滑油組成物の全量基準で共に、0.5?10質量%の範囲とする。アルキル化ジフェニルアミン又はアルキル化フェニルナフチルアミンの含有量が0.5質量%未満では、固化時間が短くなり、10質量%を超えると、固化時間は変わらないが、スラッジ量が多くなり且つ引火点が低下するため好ましくない。
(中略)
【0024】
上記ホスファイト系酸化防止剤の含有量は、潤滑油組成物の全量基準で0.5?5質量%の範囲とし、好ましくは1?4質量%の範囲とする。ホスファイト系酸化防止剤の含有量が0.5質量%よりも少なくなると固化時間が短くなり、逆に5質量%よりも多くなると、固化時間は変わらないが、スラッジ量が多くなり且つ引火点も低下するため好ましくない。」
「【実施例】
【0028】
[実施例1]
下記に示すポリオールエステルの基油(A)、芳香族アミン系酸化防止剤(B)及び(C)、ホスファイト系酸化防止剤(D)、及びホウ素含有極圧剤(E)を使用して、試料1?15の各潤滑油組成物を製造した。即ち、上記A?Eの各成分を下記表1に示す割合で配合し、撹拌機(HEIDON社製)により回転速度600rpmで20分間撹拌混合して、試料1?15の潤滑油組成物を得た。芳香族アミン系酸化防止剤(B)及び(C)は粉体であるのでポリオールエステルの基油(A)に予め90?100℃で加熱溶解させてから、ホスファイト系酸化防止剤(D)、及びホウ素含有極圧剤(E)などを加えて混合した。尚、その他の添加剤として腐食防止剤(F)を配合した。
【0029】
<潤滑油組成物の必須成分>
A=ポリオールエステル基油:ユニスターH-609B(商品名、日油社製、主成分:ジペンタエリスリトールとイソノナン酸(3,5,5-トリメチルヘキサン酸)のエステル)
B=芳香族アミン系酸化防止剤(アルキル化ジフェニルアミン):バンルーブ81(商品名、バンダービルト社製、主成分:オクチルジフェニルアミン)
C=芳香族アミン系酸化防止剤(アルキル化フェニルナフチルアミン):イルガノックスL06(商品名、チバ社製、主成分:N-オクチルフェニル-α-ナフチルアミン)
D=ホスファイト系酸化防止剤:アデカスタブ522A(商品名、アデカ社製)
E=ホウ素含有極圧剤:OLOA9750(商品名、シェブロン社製、主成分:ホウ酸カリウム)
【0030】
【表1】

【0031】
得られた本発明による潤滑油組成物の試料1?9と、比較例の試料10?15について、JISK2265-4に準拠する方法により引火点を測定すると共に、アルミ皿蒸発試験によって固化時間及びスラッジ量を測定し、得られた結果を下記表2に示した。また、市販の潤滑油についても、従来例1?2として上記と同様に評価し、その結果を下記表2に併せて示した。
【0032】
尚、上記アルミ皿蒸発試験では、直径6cm×厚さ1cmのアルミニウム製板の中央部を凹状に切削した皿に各試料油をそれぞれ0.2g採取して載せ、250℃のパネルヒーター上で連続して加熱し、8時間ごとに固化したかを確認することにより、各試料油が加熱減量して流動しなくなる時間(固化時間)と残ったスラッジ量(試料の量に対する質量%)を求めた。
【0033】
【表2】

【0034】
上記の結果から、比較例の試料10?15及び従来例1?2と比較して、本発明による試料1?9の各潤滑油組成物は、高い引火点を有すると共に、蒸発損失が少なく、スラッジ化し難いという優れた特性を兼ね備えていることが分る。具体的には、本発明による試料1?9の各潤滑油組成物は、引火点が300℃以上であって、固化時間が80時間以上と長く且つスラッジ量も10質量%未満と少なくなっている。」

(2)甲2
甲2には、「潤滑油組成物」(発明の名称)について、次の記載がある。
「【請求項1】
ポリオールエステルを基油とする潤滑油組成物であって、
アルキル化ジフェニルアミンとアルキル化フェニルナフチルアミンの2種を含む芳香族アミン系酸化防止剤と、
ホスファイト系酸化防止剤と、
ホウ素含有極圧剤と、
ジアルキルポリシロキサンと、を含み、
前記ポリオールエステルの含有量が75?95質量%であり、
前記芳香族アミン系酸化防止剤の含有量が前記アルキル化ジフェニルアミン及び前記アルキル化フェニルナフチルアミン共に0.5?10質量%であり、
前記ホスファイト系酸化防止剤の含有量が0.5?5質量%であり、
前記ホウ素含有極圧剤の含有量が0.1?5質量%であり、
前記ジアルキルポリシロキサンの含有量が1?100ppmであることを特徴とする潤滑油組成物。」
「【技術分野】
【0001】
本発明は、引火点が高く熱安定性に優れ、より高温環境下での使用に好適な高温用の潤滑油組成物に関する。」
「【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、高温用の潤滑油組成物の熱安定性が高まるに伴って、各種機械装置の開放系チェーン部をより高温な環境下で使用するニーズも高まる。すなわち、高温用の潤滑油組成物として、300℃以上の高温環境下での使用が可能になるようにするために、潤滑油組成物の耐熱範囲を高温領域に拡大させて、耐熱性を更に向上させる必要がある。
【0010】
特許文献5の潤滑油組成物は、蒸発損失が少ないうえ、各種機械装置の開放系チェーン部での150?290℃の高温環境下、特に270℃を超える高温環境下において固化(酸化重合)及びスラッジ化し難く、熱安定性を確保している。しかしながら、潤滑剤組成物を高温環境下で使用するに際しては、より高温領域に耐熱範囲を拡大して耐熱性を更に向上させ、かつ耐蒸発性を向上させて固化時間を延長させることが望まれる。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、高温環境下において固化(酸化重合)及びスラッジ化し難くした上で、より高温領域への耐熱範囲の拡大の可能な、新規かつ改良された潤滑油組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、ポリオールエステルを基油とする潤滑油組成物であって、アルキル化ジフェニルアミンとアルキル化フェニルナフチルアミンの2種を含む芳香族アミン系酸化防止剤と、ホスファイト系酸化防止剤と、ホウ素含有極圧剤と、ジアルキルポリシロキサンと、を含み、前記ポリオールエステルの含有量が75?95質量%であり、前記芳香族アミン系酸化防止剤の含有量が前記アルキル化ジフェニルアミン及び前記アルキル化フェニルナフチルアミン共に0.5?10質量%であり、前記ホスファイト系酸化防止剤の含有量が0.5?5質量%であり、前記ホウ素含有極圧剤の含有量が0.1?5質量%であり、前記ジアルキルポリシロキサンの含有量が1?100ppmであることを特徴とする。」
「【発明の効果】
【0026】
以上説明したように本発明によれば、高温環境下において固化時間を長くして固化(酸化重合)及びスラッジ化し難くした上で、引火点を上昇させてより高温領域に耐熱範囲を拡大して、熱安定性を確保できる。このため、連続式スチーマー、焼成オーブン、ヒートセッターテンター、各種乾燥機等の開放系チェーン部、特に300℃を超えるような高温環境下でも当該チェーン部の潤滑に好適に用いることができる。」
「【実施例】
【0049】
次に、本発明の一実施形態に係る潤滑剤組成物の実施例について説明する。なお、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
【0050】
下記に示すポリオールエステルの基油(A)、芳香族アミン系酸化防止剤(B)及び(C)、ホスファイト系酸化防止剤(D)、ホウ素含有極圧剤(E)、ジアルキルポリシロキサン(F)及び(G)、及びジメチルポリシロキサン(H)を使用して、試料1?20の各潤滑油組成物を製造した。すなわち、上記A?Hの各成分を下記表1に示す割合で配合し、攪拌機(HEIDON社製)により回転速度600rpmで20分間撹拌混合して、試料1?20の潤滑油組成物を得た。なお、ジアルキルポリシロキサンは、ホモミキサー等を使用して潤滑油組成物に直接添加して溶解又は分散させることによって添加することができる。また、必要に応じて、ジアルキルポリシロキサンを溶解することができる溶剤によって、予め希釈溶液を作成し、潤滑油組成物に加えて希釈、分散させることもできる。
【0051】
<潤滑油組成物の必須成分>
A=ポリオールエステル基油:ユニスターH-609BR(商品名、日油社製、主成分:ジペンタエリスリトールとイソノナン酸(3,5,5-トリメチルヘキサン酸)のエステル
B=芳香族アミン系酸化防止剤(アルキル化ジフェニルアミン):NAUGALUBE438L(商品名)、ケムチュラ社製、主成分:ジノニル化ジフェニルアミン
C=芳香族アミン系酸化防止剤(アルキル化フェニルナフチルアミン):NAUGALUBEAPAN(商品名、ケムチュラ社製、主成分:N-ドデシルフェニル-α-ナフチルアミン)
D=ホスファイト系酸化防止剤:アデカスタブ522A(商品名、アデカ社製)
E=ホウ素含有極圧剤:OLOA9750(商品名、シェブロン社製、主成分:ホウ酸カリウム)
F=ジアルキルポリシロキサン:KF96-1000cs(商品名、信越化学製、主成分:ジメチルポリシロキサン)
G=ジアルキルポリシロキサン:KF96-3万cs(商品名、信越化学製、主成分:ジメチルポリシロキサン)
H-(当審注:「H-」は「H」の誤記と認める。)=ジメチルポリシロキサン:KF96-100cs(商品名、信越化学社製、主成分:ジメチルポリシロキサン)
【0052】
【表1】

【0053】
特許文献5に記載の実施例による潤滑剤組成物の試料1?9と、得られた本発明の一実施形態に係る実施例による潤滑油組成物の試料10?13と、比較例の試料14?20について、JISK2265-4に準拠する方法により引火点を測定すると共に、アルミ皿蒸発試験によって固化時間及びスラッジ量を測定し、得られた結果を下記の表2に示した。また、市販の潤滑油についても、従来例1?2として上記と同様に評価し、その結果を下記の表2に併せて示した。
【0054】
なお、上記アルミ皿蒸発試験では、直径6cm×厚さ1cmのアルミニウム製板の中央部を凹状切削した皿に各試料油をそれぞれ0.2g採取して載せ、250℃のパネルヒーター上で連続して加熱し、8時間毎に固化したかを確認することにより、各試料油が加熱減量して流動しなくなる時間(固化時間)と残ったスラッジ量(試料の量に対する質量%)を求めた。
【0055】
【表2】



2 甲1、2に記載された発明(甲1発明、甲2発明)
(1)甲1発明
甲1は、「引火点が高く且つ熱安定性に優れ、例えば150?290℃までの高温での使用に好適な高温用潤滑油組成物」(【0001】)の製造方法に関するものであり、その実施例1(【0028】?【0030】)の表1には、
「ポリオールエステルの基油(A)、芳香族アミン系酸化防止剤(B)及び(C)、ホスファイト系酸化防止剤(D)、及びホウ素含有極圧剤(E)を使用して、試料1?15、従来例1、2の各潤滑油組成物を製造する方法であって、
上記A?Eの各成分を以下の表1に示す割合で配合し、撹拌機(HEIDON社製)により回転速度600rpmで20分間撹拌混合して、試料1?15、従来例1、2の潤滑油組成物を製造する方法。
ただし、
表1:


A=ポリオールエステル基油:ユニスターH-609B(商品名、日油社製、主成分:ジペンタエリスリトールとイソノナン酸(3,5,5-トリメチルヘキサン酸)のエステル)
B=芳香族アミン系酸化防止剤(アルキル化ジフェニルアミン):バンルーブ81(商品名、バンダービルト社製、主成分:オクチルジフェニルアミン)
C=芳香族アミン系酸化防止剤(アルキル化フェニルナフチルアミン):イルガノックスL06(商品名、チバ社製、主成分:N-オクチルフェニル-α-ナフチルアミン)
D=ホスファイト系酸化防止剤:アデカスタブ522A(商品名、アデカ社製)
E=ホウ素含有極圧剤:OLOA9750(商品名、シェブロン社製、主成分:ホウ酸カリウム)」(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

(2)甲2発明
甲2は、「引火点が高く熱安定性に優れ、より高温環境下での使用に好適な高温用の潤滑油組成物」(【0001】)の製造に関するものであり、その実施例(【0049】?【0055】)の表1には、
「ポリオールエステルの基油(A)、芳香族アミン系酸化防止剤(B)及び(C)、ホスファイト系酸化防止剤(D)、ホウ素含有極圧剤(E)、ジアルキルポリシロキサン(F)及び(G)、及びジメチルポリシロキサン(H)を使用して、試料1?20、従来例1、2の各潤滑油組成物を製造する方法であって、
上記A?Hの各成分を下記表1に示す割合で配合し、攪拌機(HEIDON社製)により回転速度600rpmで20分間撹拌混合して、試料1?20、従来例1、2の潤滑油組成物を製造する方法。
ただし、
表1:


A=ポリオールエステル基油:ユニスターH-609BR(商品名、日油社製、主成分:ジペンタエリスリトールとイソノナン酸(3,5,5-トリメチルヘキサン酸)のエステル
B=芳香族アミン系酸化防止剤(アルキル化ジフェニルアミン):NAUGALUBE438L(商品名)、ケムチュラ社製、主成分:ジノニル化ジフェニルアミン
C=芳香族アミン系酸化防止剤(アルキル化フェニルナフチルアミン):NAUGALUBEAPAN(商品名、ケムチュラ社製、主成分:N-ドデシルフェニル-α-ナフチルアミン)
D=ホスファイト系酸化防止剤:アデカスタブ522A(商品名、アデカ社製)
E=ホウ素含有極圧剤:OLOA9750(商品名、シェブロン社製、主成分:ホウ酸カリウム)
F=ジアルキルポリシロキサン:KF96-1000cs(商品名、信越化学製、主成分:ジメチルポリシロキサン)
G=ジアルキルポリシロキサン:KF96-3万cs(商品名、信越化学製、主成分:ジメチルポリシロキサン)
H=ジメチルポリシロキサン:KF96-100cs(商品名、信越化学社製、主成分:ジメチルポリシロキサン)」(以下、「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。

3 対比・判断
(1)本件発明1について
ア 本件発明1と甲1発明とを対比する。
甲1発明の「A=ポリオールエステル基油:ユニスターH-609B(商品名、日油社製、主成分:ジペンタエリスリトールとイソノナン酸(3,5,5-トリメチルヘキサン酸)のエステル」は、本件発明1の「エステル油」に相当する。
甲1発明の「B=芳香族アミン系酸化防止剤(アルキル化ジフェニルアミン):バンルーブ81(商品名、バンダービルト社製、主成分:オクチルジフェニルアミン)、C=芳香族アミン系酸化防止剤(アルキル化フェニルナフチルアミン):イルガノックスL06(商品名、チバ社製、主成分:N-オクチルフェニル-α-ナフチルアミン)」は、その組成からみて、いずれも、分子量が300以上であることは明らかであり、本件発明1の「分子量が300以上の酸化防止剤」に相当する。
甲1発明の「撹拌機(HEIDON社製)により回転速度600rpmで20分間撹拌混合」は、本件発明1の「混合」に相当する。
本件明細書の【0032】の「本発明は、特定のエステル油と特定の酸化防止剤とを混合することにより実施されるが、その際、他の添加剤がさらに配合されてもよい。」という記載からみて、本件発明1には、他の添加剤を混合することも含まれるから、甲1発明において、「E=ホウ素含有極圧剤:OLOA9750(商品名、シェブロン社製、主成分:ホウ酸カリウム)」等を混合することは、本件発明1との相違点にはならない。

そうすると、本件発明1と甲1発明とは、「エステル油と、分子量が300以上の酸化防止剤を混合する方法」である点で一致し、次の点で相違が認められる。
(相違点1)
エステル油の引火点について、本件発明1では、「220度以上」と特定されているのに対し、甲1発明の「A=ポリオールエステル基油:ユニスターH-609B(商品名、日油社製、主成分:ジペンタエリスリトールとイソノナン酸(3,5,5-トリメチルヘキサン酸)のエステル」の引火点は不明な点。
(相違点2)
本件発明1は、「エステル油の引火点を上昇させる方法」であるのに対し、甲1発明は、「潤滑油組成物を製造する方法」である点。

ここで、事案に鑑み、まず、相違点2について検討する。
甲1発明の「A=ポリオールエステル基油:ユニスターH-609B(商品名、日油社製、主成分:ジペンタエリスリトールとイソノナン酸(3,5,5-トリメチルヘキサン酸)のエステル」の引火点は不明であり、甲1の【表2】(【0033】)の試料1?15、従来例1、2の引火点の値からは、「A=ポリオールエステル基油:ユニスターH-609B(商品名、日油社製、主成分:ジペンタエリスリトールとイソノナン酸(3,5,5-トリメチルヘキサン酸)のエステル」の引火点に対して、「試料1?15、従来例1、2」の引火点が上昇したものであることは、直ちには理解することができない。
また、仮に、甲1に記載された「ユニスターH-609B」は「ユニスターH-609BR」の誤記であり、その引火点は、甲4の18頁の「7.4潤滑油剤用ポリオールエステル(代表物性)(2)」の表に示されたように、302℃であるとしても、「試料1?15、従来例1、2」には、引火点が302℃よりも低いもの、同じもの、及び高いものが含まれている。また、甲1には、実施例として試料1?9、比較例として試料10?15、従来例として従来例1?2が示されているものの、いずれも、引火点が302℃よりも低いものと高いものが含まれている。
さらに、甲1の【0008】の記載から明らかなように、甲1には、「引火点が300℃以上と高」い「高温用潤滑油組成物を提供することを目的とする」ことが記載されており、得られた潤滑油組成物の引火点が302℃よりも低くなったとしても300℃以上であればよく、引火点が上昇することは必ずしも必要ではないことが理解できる。
そうすると、甲1に記載された「試料1?15、従来例1、2」から、引火点が302℃よりも高くなるもの、すなわち、「エステル油の引火点を上昇させ」る技術思想を認定することはできない。
そして、甲1には、「エステル油の引火点を上昇させる」ことについては何ら記載がなく、甲3には、「耐オゾン性及び耐酸化性に優れた潤滑油組成物」(発明の名称)が記載され、甲3?甲11に、エステル油に酸化防止剤を含有させれば引火点が上昇することがあることが示されているとしても、甲1には、エステル油に酸化防止剤を含有させても、引火点が上昇しないものも記載されているのであるから、甲1発明を「エステル油の引火点を上昇させる方法」として用いる動機付けを見出すことができない。

そして、本件発明1の「エステル油の引火点を上昇させる方法」は、エステル油の引火点を上昇させるという、甲1発明からは予測し得ない格別顕著な作用効果を奏するものであり、その作用効果は本件明細書の実施例において確認されているといえる。

したがって、相違点1について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明ではないし、甲1発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

イ 本件発明1と甲2発明とを対比する。
甲2発明の「A=ポリオールエステル基油:ユニスターH-609BR(商品名、日油社製、主成分:ジペンタエリスリトールとイソノナン酸(3,5,5-トリメチルヘキサン酸)のエステル」は、本件発明1の「エステル油」に相当する。
甲2発明の「B=芳香族アミン系酸化防止剤(アルキル化ジフェニルアミン):NAUGALUBE438L(商品名)、ケムチュラ社製、主成分:ジノニル化ジフェニルアミン、及び、C=芳香族アミン系酸化防止剤(アルキル化フェニルナフチルアミン):NAUGALUBEAPAN(商品名、ケムチュラ社製、主成分:N-ドデシルフェニル-α-ナフチルアミン)」は、その組成からみて、いずれも、分子量が300以上であることは明らかであり、本件発明1の「分子量が300以上の酸化防止剤」に相当する。
本件明細書の【0032】の「本発明は、特定のエステル油と特定の酸化防止剤とを混合することにより実施されるが、その際、他の添加剤がさらに配合されてもよい。」という記載からみて、本件発明1には、他の添加剤を混合することも含まれるから、甲2発明において、「E=ホウ素含有極圧剤:OLOA9750(商品名、シェブロン社製、主成分:ホウ酸カリウム)、F=ジアルキルポリシロキサン:KF96-1000cs(商品名、信越化学製、主成分:ジメチルポリシロキサン)、G=ジアルキルポリシロキサン:KF96-3万cs(商品名、信越化学製、主成分:ジメチルポリシロキサン)、H=ジメチルポリシロキサン:KF96-100cs(商品名、信越化学社製、主成分:ジメチルポリシロキサン」等を混合することは、本件発明1との相違点にはならない。
甲2発明の「撹拌機(HEIDON社製)により回転速度600rpmで20分間撹拌混合」は、本件発明1の「混合」に相当する。
そうすると、本件発明1と甲2発明とは、「エステル油と、分子量が300以上の酸化防止剤を混合する方法」である点で一致し、次の点で相違が認められる。
(相違点3)
エステル油の引火点について、本件発明1では、「220度以上」と特定されているのに対し、甲2発明の「A=ポリオールエステル基油:ユニスターH-609BR(商品名、日油社製、主成分:ジペンタエリスリトールとイソノナン酸(3,5,5-トリメチルヘキサン酸)のエステル」の引火点は不明な点。
(相違点4)
本件発明1は、「エステル油の引火点を上昇させる方法」であるのに対し、甲2発明は、「潤滑油組成物を製造する方法」である点。

ここで、事案に鑑み、まず、相違点4について検討する。
甲2発明の「A=ポリオールエステル基油:ユニスターH-609BR(商品名、日油社製、主成分:ジペンタエリスリトールとイソノナン酸(3,5,5-トリメチルヘキサン酸)のエステル」の引火点は不明であり、甲2の【表2】(【0055】)の試料1?20、従来例1、2の引火点の値からは、「A=ポリオールエステル基油:ユニスターH-609BR(商品名、日油社製、主成分:ジペンタエリスリトールとイソノナン酸(3,5,5-トリメチルヘキサン酸)のエステル」の引火点に対して、「試料1?20、従来例1、2」の引火点が上昇したものであることは、直ちには理解することができない。
また、仮に、甲2に記載された「ユニスターH-609BR」の引火点は、甲4の18頁の「7.4潤滑油剤用ポリオールエステル(代表物性)(2)」の表に示されたように、302℃であるとしても、「試料1?20、従来例1、2」には、引火点が302℃よりも低いもの、同じもの、及び高いものが含まれている。また、甲2には、実施例として試料1?13、比較例として試料14?20、従来例として従来例1?2が示されているものの、いずれも、引火点が302℃よりも低いものと高いものが含まれている。
さらに、甲2の【0011】の記載から明らかなように、甲2には、「高温環境下において固化(酸化重合)及びスラッジ化し難くした上で、より高温領域への耐熱範囲の拡大の可能な、新規かつ改良された潤滑油組成物を提供することを目的とする」ことが記載されており、甲2に記載された潤滑油組成物において、その引火点が302℃よりも上昇することは必ずしも必要ではないことが理解できる。
そうすると、甲2に記載された「試料1?20、従来例1、2」から、引火点が302℃よりも高くなるもの、すなわち、「エステル油の引火点を上昇させ」る技術思想を認定することはできない。
そして、甲2には、「エステル油の引火点を上昇させる」ことについては何ら記載がなく、甲3には、「耐オゾン性及び耐酸化性に優れた潤滑油組成物」(発明の名称)が記載され、甲3?甲21に、エステル油に酸化防止剤を含有させれば引火点が上昇することあることが示されているとしても、甲2には、エステル油に酸化防止剤を含有させても、引火点が上昇しないものが記載されているのであるから、甲2発明を「エステル油の引火点を上昇させる方法」として用いる動機付けを見出すことができない。

そして、本件発明1は、「エステル油の引火点を上昇させる」という、甲2発明からは予測し得ない格別顕著な作用効果を奏するものであり、その作用効果は本件明細書の実施例において確認されているといえる。

したがって、相違点3について検討するまでもなく、本件発明1は、甲2発明ではないし、甲2発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

(2)本件発明2?5について
本件発明2?5は、本件発明1を引用し、さらに限定したものであるから、本件発明1と同様に、本件発明2?5は、甲1発明、甲2発明ではないし、甲1発明、甲2発明から当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

4 まとめ
上記3(1)、(2)で述べたとおり、申立人の特許法第29条についての申立理由には、理由がない。

第5 特許法第36条に関する申立ての理由についての当審の判断
申立人の主張は、要するに、(A)引火点が220度以上のエステル油及び(B)分子量が300以上の酸化防止剤を混合しても、発明特定事項(C)のエステル油の引火点を上昇させる方法とすることができない例が著しく多数存在することになり、本件発明1ないし5は、発明の詳細な説明において発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えるものであるというものである。
しかしながら、本件発明は、エステル油の引火点を上昇させる方法であって、エステル油の引火点が上昇しないものについては、本件発明に含まれないことから、本件発明に、「発明特定事項(C)のエステル油の引火点を上昇させる方法とすることができない例が著しく多数存在する」とはいえず、申立人の主張は採用することができない。

第6 むすび
以上のとおり、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件発明1?5に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明1?5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。

 
異議決定日 2021-08-25 
出願番号 特願2020-81352(P2020-81352)
審決分類 P 1 651・ 113- Y (C11C)
P 1 651・ 121- Y (C11C)
P 1 651・ 537- Y (C11C)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山本 悦司  
特許庁審判長 亀ヶ谷 明久
特許庁審判官 川端 修
蔵野 雅昭
登録日 2020-12-02 
登録番号 特許第6803099号(P6803099)
権利者 築野食品工業株式会社
発明の名称 エステル油の引火点を上昇させる方法  
代理人 岩谷 龍  
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