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審決分類 |
審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する H04N 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する H04N 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する H04N 審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する H04N 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する H04N |
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管理番号 | 1378100 |
審判番号 | 訂正2021-390086 |
総通号数 | 263 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-11-26 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2021-05-31 |
確定日 | 2021-08-05 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6866452号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6866452号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 経緯 本件訂正審判に係る特許第6866452号(以下、「本件特許」という。)は、平成29年2月28日に出願した特願2017-37330号の一部を令和元年10月24日に新たな特許出願としたものであって、令和3年4月9日に特許権の設定登録がなされ、その後、令和3年5月31日に本件訂正審判の請求がなされた。 第2 請求の趣旨、訂正の内容 1 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6866452号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲の通り、訂正後の請求項1について訂正することを認める、との審決を求めるというものである。 2 訂正の内容 訂正の内容は、以下のとおりである。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1の第5パラグラフにおいて、 「 前記伝送制御信号内にも、前記VUI内の伝送特性に対応した情報が配置され、前記伝送特性に対応した情報とは異なる位置に、さらに前記映像信号のダイナミックレンジが、ハイダイナミックレンジ(High Dynamic Range:HDR)であるか否かを示す識別用の情報が記述され、前記識別用の情報は、前記識別用の情報は、コンポーネントタイプ(Component_Typ)により前記1080/iまたは1080/60/pも識別している、前記放送信号を受信する受信方法であり、」とあるのを 「 前記伝送制御信号内にも、前記VUI内の伝送特性に対応した情報が配置され、前記伝送特性に対応した情報とは異なる位置に、さらに前記映像信号のダイナミックレンジが、ハイダイナミックレンジ(High Dynamic Range:HDR)であるか否かを示す識別用の情報が記述され、前記識別用の情報は、コンポーネントタイプ(Component_Typ)により前記1080/iまたは1080/60/pも識別している、前記放送信号を受信する受信方法であり、」と訂正する。 第3 訂正事項1についての当審の判断 1 訂正の目的の適否について 訂正前の特許請求の範囲の請求項1の上記第5パラグラフのうち、「前記識別用の情報は、前記識別用の情報は、コンポーネントタイプ(Component_Typ)により前記1080/iまたは1080/60/pも識別している、前記放送信号を受信する受信方法であり、」との記載(以下、「記載A」という。)について検討する。 記載Aにおける「前記識別用の情報は、コンポーネントタイプ(Component_Typ)により前記1080/iまたは1080/60/pも識別している」との記載(以下、「記載a」という。)は、主述関係の文法に基づけば、「前記識別用の情報は、」を主語とし、「コンポーネントタイプ(Component_Typ)により前記1080/iまたは1080/60/pも識別している」を述語とする文として明確なものであるし、技術的意味からしても、識別用の情報が識別している対象を特定する旨の文として明確なものである。 しかしながら、記載aの直前にある「前記識別用の情報は、」との記載は、記載aの主語である同内容の「前記識別用の情報は、」との記載に連接するものとなっており、文において同じ主語が連接することは、通常は認められないことであり、さらに、記載aの直前にある「前記識別用の情報は、」との記載は、記載Aにおける記載aに後続する動詞である「前記放送信号を受信する」及び「受信方法であり、」のいずれにも複文の主語として対応するものではないことから、「前記識別用の情報は、前記識別用の情報は、」との記載が、誤って重複して記載されたものであることは明らかである。 次に、記載aが明細書及び図面の記載と整合するものであるか検討する。 明細書及び図面には以下の記載がある。 「【0152】 図15Aは、図14Bに示したコンポーネント種別のビットアサインに対して拡張した例を示している。1501の「コンポーネント種別=0xB4」および1503の「コンポーネント種別=0xE4」が、拡張したビットアサインである。例えばコンポーネント内容=0x9でコンポーネント種別=0xB4の場合1501、映像符号化のコーデック種別がH.265、符号化映像フォーマットが1080i(1125i)、アスペクト比が16:9であるHDRコンテンツであることを意味している。これにより、図14Bに示す未定義の領域1403および1404が、図15Aに領域1502および1504のように変わる。 【0153】 図15Bは、上記図14Cに示した地上デジタルテレビジョン放送で運用する場合のビットアサインに対して、上記図15Aの拡張を適用した例を示している。1505から1508までのビットアサインが、図15Aに示す拡張に対応して、地上デジタルテレビジョン放送の運用において拡張されたものである。図15Aの拡張における1501は、1506に対応し、図15Aの拡張における1503は、1508に対応する。また、コーデック種別の追加に伴い、1505および1507も追加されている。 【0154】 図15Cは、上記図14Dに示したBS/広帯域CSデジタル放送で運用する場合のビットアサインに対して、上図15Aの拡張を適用した例を示している。1509から1512までのビットアサインが、図15Aに示す拡張に対応して、BS/広帯域CSデジタル放送の運用において拡張されたものである。図15Aの拡張における1501は、1510に対応し、図15Aの拡張における1503は、1512に対応する。また、コーデック種別の追加に伴い、1509および1511も追加されている。」 「【0157】 送信局200は、コンポーネント記述子の各フィールドの値の設定処理を開始すると(S1600)、当該番組がHDRコンテンツ放送の番組かどうかの判断を行う(S1601)。当該番組がHDRコンテンツ放送の番組の場合は、コンポーネント記述子の(コンポーネント内容、コンポーネント種別)の組み合わせに「H.265|MPEG-H HEVC、映像1080i(1125i)、アスペクト比16:9、HDRあり」=(0x9、0xB4)あるいは「H.265|MPEG-H HEVC、映像1080p(1125p)、アスペクト比16:9、HDRあり」=(0x9、0xE4)を設定する(S1602)。当該番組がHDRコンテンツ放送の番組でない場合は、コンポーネント記述子の(コンポーネント内容、コンポーネント種別)の組み合わせに「映像1080i(1125i)、アスペクト比16:9、パンベクトルなし」=(0x1、0xB3)を設定(S1603)する。」 「【0162】 統合制御器521は、伝送制御信号の中からEITを抽出する(S1611)と、さらにその中からコンポーネント記述子の抽出を行う(S1612)。統合制御器521は、コンポーネント記述子の抽出を行うと、さらにコンポーネント内容とコンポーネント種別の抽出を行う(S1613)。統合制御器521は、コンポーネント内容とコンポーネント種別の抽出を行うと、各々の値の判定を行う(S1614)。」 「【図15A】 ![]() 」 「【図15B】 ![]() 」 「【図15C】 ![]() 」 【0162】の記載によれば、コンポーネント種別は、伝送制御信号の中のEITにおけるコンポーネント記述子に存在するものとされ、【0157】、並びに、【0152】?【0154】及び【図15A】?【図15C】の記載によれば、HDRコンテンツ放送の番組の場合に設定されるコンポーネント記述子の(コンポーネント内容、コンポーネント種別)の組み合わせが、映像1080iの場合に(0x9、0xB4)、映像1080pの場合に(0x9、0xE4)とされ、HDRコンテンツ放送の番組でない場合に設定される前記組み合わせが、映像1080iの場合に(0x9、0xB3)、映像1080pの場合に(0x9、0xE3)とされている。 当該記載事項は、HDRコンテンツ放送の番組であるか否かに応じてそれぞれ異なる値に設定されるコンポーネント種別が、映像1080iと映像1080pに対してもそれぞれ異なる値に設定されているから、記載aと整合するものである。 以上から、請求項1に記載されている「前記識別用の情報は、前記識別用の情報は、」との記載は、「前記識別用の情報は、」との明らかな誤記であるといえる。 よって、請求項1に記載されている「前記識別用の情報は、前記識別用の情報は、」との記載を「前記識別用の情報は、」と訂正するものである訂正事項1は、上記明らかな誤記を訂正するものであり、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。 2 新規事項の追加の有無について 上記1のとおり、訂正事項1は、明らかな誤記を訂正するものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「当初明細書等」という。)の記載に基づくものであり、当初明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではないから、当初明細書等に記載した事項の範囲においてされたものであり、特許法第126条第5項に規定する要件に適合するものである。 3 特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 上記1のとおり、訂正事項1は、明らかな誤記を訂正するものであって、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないということができるから、特許法第126条第6項に規定する要件に適合するものである。 4 独立特許要件について 上記1のとおり、訂正事項1は、明らかな誤記を訂正するものであって、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由はないから、特許法第126条第7項に規定する要件に適合するものである。 第4 むすび 以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定された事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項、第6項及び第7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 2K放送としての放送信号が、1080/iまたは1080/60/pの映像信号を含む放送信号であり、 前記映像信号のコーディク種別はハイエフィシェンシービデオコーディング(High Efficiency Video Coding:HEVC)を採用しており、 前記映像信号のダイナミックレンジを指定する情報が前記HEVCの映像ストリームに挿入されるビデオユーザビリティーインフォメーション(Video_usablity_information:VUI)に記述されており、 さらに前記放送信号に対して前記VUIとは異なる伝送制御信号が配置されており、 前記伝送制御信号内にも、前記VUI内の伝送特性に対応した情報が配置され、前記伝送特性に対応した情報とは異なる位置に、さらに前記映像信号のダイナミックレンジが、ハイダイナミックレンジ(High Dynamic Range:HDR)であるか否かを示す識別用の情報が記述され、前記識別用の情報は、コンポーネントタイプ(Component_Typ)により前記1080/iまたは1080/60/pも識別している、前記放送信号を受信する受信方法であり、 前記放送信号をチューナが受信して復調することで多重化ストリームを取得し、デマルチプレクサが前記多重化ストリームから映像ストリームを分離し、映像デコーダが映像ストリームをデコードして前記映像信号を取得するに際し、 制御手段が、 前記多重化ストリームに含まれている前記伝送制御信号を解析することで、前記映像信号の前記ダイナミックレンジが、前記ハイダイナミックレンジ(High Dynamic Range:HDR)であるか否かを示す識別用の情報を把握し、さらに前記識別用の情報が有する前記コンポーネントタイプ(Component_Typ)により前記1080/iまたは1080/60/pの識別情報を把握し、 また、前記VUIも解析することで、前記映像信号の前記ダイナミックレンジを把握して、前記映像デコーダのデコード処理を制御することを特徴とする放送信号受信方法。 【請求項2】 2K放送としての放送信号が、1080/iまたは1080/60/pの映像信号を含む放送信号であり、 前記映像信号のコーディク種別はハイエフィシェンシービデオコーディング(High Efficiency Video Coding:HEVC)を採用しており、 前記映像信号のダイナミックレンジを指定する情報が前記HEVCの映像ストリームに挿入されるビデオユーザビリティーインフォメーション(Video_usablity_information:VUI)に記述されており、 さらに前記放送信号に対して前記VUIとは異なる伝送制御信号が配置されており、 前記伝送制御信号内にも、前記VUI内の伝送特性に対応した情報が配置され、前記伝送特性に対応した情報とは異なる位置に、さらに前記映像信号のダイナミックレンジが、ハイダイナミックレンジ(High Dynamic Range:HDR)であるか否かを示す識別用の情報が記述され、前記識別用の情報は、コンポーネントタイプ(Component_Typ)により前記1080/iまたは1080/60/pも識別している、前記放送信号を受信する受信装置であり、 前記放送信号を受信して復調することで多重化ストリームを取得するチューナと、 前記多重化ストリームから映像ストリームを分離するデマルチプレクサと、 前記映像ストリームをデコードして前記映像信号を得る映像デコーダと、 前記受信装置を制御する制御手段を有し、 前記制御手段が、 前記多重化ストリームに含まれている前記伝送制御信号を解析する手段と、 前記映像信号の前記ダイナミックレンジが、前記ハイダイナミックレンジ(High Dynamic Range:HDR)であるか否かを示す識別用の情報を把握する手段と、 さらに前記識別用の情報が有する前記コンポーネントタイプ(Component_Typ)により前記1080/iまたは1080/60/pの識別情報を把握する手段と、 前記VUIも解析することで、前記映像信号の前記ダイナミックレンジを把握する手段を備え、 前記映像デコーダのデコード処理を制御することを特徴とする放送信号受信装置。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2021-07-02 |
結審通知日 | 2021-07-08 |
審決日 | 2021-07-26 |
出願番号 | 特願2019-193573(P2019-193573) |
審決分類 |
P
1
41・
854-
Y
(H04N)
P 1 41・ 855- Y (H04N) P 1 41・ 856- Y (H04N) P 1 41・ 852- Y (H04N) P 1 41・ 841- Y (H04N) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 富樫 明 |
特許庁審判長 |
清水 正一 |
特許庁審判官 |
川崎 優 樫本 剛 |
登録日 | 2021-04-09 |
登録番号 | 特許第6866452号(P6866452) |
発明の名称 | 放送信号受信方法及び放送信号受信装置 |
代理人 | 特許業務法人スズエ国際特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人スズエ国際特許事務所 |