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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B65G |
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管理番号 | 1378112 |
審判番号 | 不服2021-5329 |
総通号数 | 263 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-11-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2021-04-24 |
確定日 | 2021-09-29 |
事件の表示 | 特願2020-181117「部品供給装置」拒絶査定不服審判事件〔請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件に係る出願は、令和2年10月29日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和3年1月 4日付け:拒絶理由通知書 令和3年2月12日 :意見書、手続補正書の提出 令和3年3月25日付け:拒絶査定(以下、「原査定」という。) 令和3年4月24日 :審判請求書の提出 第2 原査定の概要 原査定の概要は以下のとおりである。 (進歩性)この出願の請求項1?6に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献1:実願昭55-135628号(実開昭57-58536号)の マイクロフィルム 引用文献2:特開昭62-201720号公報 引用文献3:特公昭61-58367号公報(周知技術を示す文献) 引用文献4:特公平4-43728号公報(周知技術を示す文献) 第3 本願発明 本願の請求項1?6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明6」という。)は、令和3年2月12日にした手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。 「【請求項1】 外観上、円柱状、円筒状、又は角柱状の複数の部品を長手方向に収容して上方から下方に搬送するための垂直方向に設けられた搬送パイプと、 搬送方向に回転自在に設けられ、かつ、前記搬送パイプを両側から挟むように設けられた一対の第1の搬送ローラと、 前記一対の第1の搬送ローラの下方に、搬送方向に回転自在に設けられ、かつ、前記搬送パイプを両側から挟むように設けられた一対の第2の搬送ローラと、を有し、 前記一対の第1の搬送ローラが前記搬送パイプに収容された部品を両側から直接挟むことができるように前記搬送パイプの両側に一対の第1の切欠きが設けられ、 前記一対の第2の搬送ローラが前記搬送パイプに収容された部品を両側から直接挟むことができるように前記搬送パイプの両側に一対の第2の切欠きが設けられ、 前記一対の第1の搬送ローラが上の部品のみを両側から直接挟んだ際に、前記一対の第2の搬送ローラが直ぐ下の部品のみを両側から直接挟むことができるように、前記一対の第1の搬送ローラの回転の中心点から前記一対の第2の搬送ローラの回転の中心点までの垂直方向の距離を、搬送される部品一本の長手方向の長さを超え、かつ、搬送される部品二本の長手方向の長さ未満となるように、前記一対の第1の搬送ローラと前記一対の第2の搬送ローラとを配置し、 搬送される部品と接する前記一対の第2の搬送ローラの周速を搬送される部品と接する前記一対の第1の搬送ローラの周速よりも速く設けたことを特徴とする部品供給装置。 【請求項2】 外観上、円柱状、円筒状、又は角柱状の複数の部品を長手方向に収容して上流から下流に搬送するための水平方向に設けられた搬送パイプと、 前記搬送パイプに収容された複数の部品を搬送するための空気搬送手段と、 搬送方向に回転自在に設けられ、かつ、前記搬送パイプを両側から挟むように設けられた一対の第1の搬送ローラと、 前記一対の第1の搬送ローラの下流側に、搬送方向に回転自在に設けられ、かつ、前記搬送パイプを両側から挟むように設けられた一対の第2の搬送ローラと、を有し、 前記一対の第1の搬送ローラが前記搬送パイプに収容された部品を両側から直接挟むことができるように前記搬送パイプの両側に一対の第1の切欠きが設けられ、 前記一対の第2の搬送ローラが前記搬送パイプに収容された部品を両側から直接挟むことができるように前記搬送パイプの両側に一対の第2の切欠きが設けられ、 前記一対の第1の搬送ローラが上流側の部品のみを両側から直接挟んだ際に、前記一対の第2の搬送ローラが直ぐ隣の下流側の部品のみを両側から直接挟むことができるように、前記一対の第1の搬送ローラの回転の中心点から前記一対の第2の搬送ローラの回転の中心点までの水平方向の距離を、搬送される部品一本の長手方向の長さを超え、かつ、搬送される部品二本の長手方向の長さ未満となるように、前記一対の第1の搬送ローラと前記一対の第2の搬送ローラとを配置し、 搬送される部品と接する前記一対の第2の搬送ローラの周速を搬送される部品と接する前記一対の第1の搬送ローラの周速よりも速く設けたことを特徴とする部品供給装置。 【請求項3】 前記一対の第1の搬送ローラに同期して回転自在に取り付けられた一対の第1の歯車と、 前記一対の第1の歯車と噛み合うように回転自在に設けられた一対の第2の歯車と、 前記一対の第2の搬送ローラに同期して回転自在に取り付けられ、かつ、前記一対の第2の歯車と噛み合うように設けられた一対の第3の歯車と、 前記一対の第1の搬送ローラ、前記一対の第2の歯車、又は前記一対の第2の搬送ローラのうちいずれかを回転駆動させるためのモータと、を有することを特徴とする請求項1又は2記載の部品供給装置。 【請求項4】 前記一対の第1の搬送ローラに同期して回転自在に取り付けられた一対の第1のプーリと、 前記一対の第2の搬送ローラに同期して回転自在に取り付けられた一対の第2のプーリと、 前記一対の第1のプーリの一方のプーリと前記一対の第2のプーリの一方のプーリとを繋ぐ第1のタイミングベルトと、 前記一対の第1のプーリの他方のプーリと前記一対の第2のプーリの他方のプーリとを繋ぐ第2のタイミングベルトと、 前記一対の第1の搬送ローラ又は前記一対の第2の搬送ローラのうちいずれかを回転駆動させるためのモータと、を有することを特徴とする請求項1又は2記載の部品供給装置。 【請求項5】 前記一対の第1の搬送ローラを回転駆動させるための一対の第1のモータと、 前記一対の第2の搬送ローラを回転駆動させるための一対の第2のモータと、を有することを特徴とする請求項1又は2記載の部品供給装置。 【請求項6】 前記部品が、コイルばね、であることを特徴とする請求項1、2、3、4、又は5記載の部品供給装置。」 第4 引用文献に記載された事項及び引用発明 1.引用文献1に記載された事項及び引用発明について 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに、以下の事項が記載されている(下線は当審において付した。以下同様。)。 (1)「第1図において、コイルばね供給装置はコイルばね分離機1と、分離機1から導出され先端部がほぼ垂直に垂下するコイルばねガイド用パイプ2と、パイプ2内に整列されたコイルばね列係止機構3とからなる。係止機構3は基板4上に支持金具5が直立して固着され、支持金具5の上部にはエアシリンダ6が固着されている。そして、エアシリンダ6の駆動軸7の先端には、平面視コ字形をしたストッパ保持金具8が固着され、保持金具8の対向2辺には第1(下位)のストップピン9と第2(上位)のストップピン10とが段違いに対向取着されている。一方、保持金具8の上部から外側に延長する軸11は、支持金具5の上部に穿設された貫通ガイド孔12と摺動自在に嵌合している。さらに、ストップピン9と10は、パイプ2の先端部に穿設された貫通孔13及び14とそれぞれ摺動自在に嵌合するようにされている。 今、エアシリンダ6を駆動させて駆動軸7を最退行位置(第1図の状態)にすると、ストップピン9はパイプ2をほぼ貫通するようになる反面、ストップピン10はパイプ2の外側に位置するようになる。従って、パイプ3内に整列するコイルばね列は、最下位コイルばね15の下端面がストップピン9に接して係止される。次いで、エアシリンダ6を逆駆動して駆動軸7を最突出させ、第2図に示す状態にすると、ストップピン9はパイプ貫通孔13から抜出してパイプ2の外側に位置するため、コイルばね15が落下する反面、ストップピン10はパイプ貫通孔14に嵌合し、コイルばね15の直上位コイルばね15´の中央部を横切ってパイプ2をほぼ貫通するようになる。次いで、駆動軸7が再退行するようにエアシリンダ6を駆動させると、ストップピン9及び10とパイプ2との相対関係は再び第1図に示す如くなるため、コイルばね15´を最下位とするコイルばね列はストップピン9の上に落下積載される。以下、前記エアシリンダ駆動をくり返すことにより、パイプ2の先端から、コイルばねが1個づつ供給される。」(明細書第2ページ第4行?第4ページ第2行) (2)「第1図 」 (3)明細書第2ページ第7?8行の「パイプ2内に整列されたコイルばね列」という記載、及び、第1図の図示内容から、「コイルばね」が複数あることが看取できる。 摘記事項(1)?(2)及び認定事項(3)から、上記引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 【引用発明】 「コイルばね分離機1と、分離機1から導出され先端部がほぼ垂直に垂下し、複数のコイルばねをパイプ2内で整列させて落下させるコイルばねガイド用パイプ2と、第1(下位)のストップピン9と第2(上位)のストップピン10とが段違いに対向取着され、ストップピン9と10は、パイプ2の先端部に穿設された貫通孔13及び14とそれぞれ摺動自在に嵌合するようにされている、コイルばね列係止機構3とからなるコイルばね供給装置。」 2.引用文献2に記載された事項について 同じく原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2には、図面とともに以下の事項が記載されている (1)「第1図(イ)(ロ)において、(1)は半導体装置、(2)は半導体装置(1)の案内レール、(4a)(4b)は分離ローラ、(5a)(5b)はこの分離ローラの後行程に近接して配置された搬送ローラ、(6)は上記各ローラの周囲に設けられた弾性体である。 次に動作について説明する。連続して送られてきた半導体装置(1)は、案内レール(2)上を図示しない回転装置によつて矢印方向に連続回転している分離ローラ(4a)(4b)によりA方向に分離される。そしてその後行程に近接して上記分離ローラ(4a)(4b)より周速の速い搬送ローラ(5a)(5b)が矢印方向に高速連続回転することにより、半導体装置(1)はさらに進行方向(A)に進み、間欠的に送り出されることになる。」(第2ページ右上欄第1行?第14行) (2)「第1図 」 第5 対比・判断 1.本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比する。 引用発明の「複数のコイルばね」は、本願発明1の「外観上、円柱状、円筒状、又は角柱状の複数の部品」に相当し、引用発明の「複数のコイルばねをパイプ2内で整列させ」ることは、本願発明1の「複数の部品を長手方向に収容して」いることに相当し、引用発明の「複数のコイルばね」を「落下させる」ことは、本願発明1の「複数の部品」を「上方から下方に搬送する」ことに相当し、引用発明の「先端部がほぼ垂直に垂下し」ていることは、本願発明1の「垂直方向に設けられた」ことに相当する。したがって、引用発明の「分離機1から導出され先端部がほぼ垂直に垂下し、複数のコイルばねをパイプ2内で整列させて落下させるコイルばねガイド用パイプ2」は、本願発明1の「外観上、円柱状、円筒状、又は角柱状の複数の部品を長手方向に収容して上方から下方に搬送するための垂直方向に設けられた搬送パイプ」に相当する。 引用発明の「コイルばね供給装置」は、本願発明1の「部品供給装置」に相当する。 以上のことから、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 【一致点1】 「外観上、円柱状、円筒状、又は角柱状の複数の部品を長手方向に収容して上方から下方に搬送するための垂直方向に設けられた搬送パイプを有する、 部品供給装置。」 【相違点1】 本願発明1では、「搬送方向に回転自在に設けられ、かつ、前記搬送パイプを両側から挟むように設けられた一対の第1の搬送ローラと、 前記一対の第1の搬送ローラの下方に、搬送方向に回転自在に設けられ、かつ、前記搬送パイプを両側から挟むように設けられた一対の第2の搬送ローラと、を有し、 前記一対の第1の搬送ローラが前記搬送パイプに収容された部品を両側から直接挟むことができるように前記搬送パイプの両側に一対の第1の切欠きが設けられ、 前記一対の第2の搬送ローラが前記搬送パイプに収容された部品を両側から直接挟むことができるように前記搬送パイプの両側に一対の第2の切欠きが設けられ、 前記一対の第1の搬送ローラが上の部品のみを両側から直接挟んだ際に、前記一対の第2の搬送ローラが直ぐ下の部品のみを両側から直接挟むことができるように、前記一対の第1の搬送ローラの回転の中心点から前記一対の第2の搬送ローラの回転の中心点までの垂直方向の距離を、搬送される部品一本の長手方向の長さを超え、かつ、搬送される部品二本の長手方向の長さ未満となるように、前記一対の第1の搬送ローラと前記一対の第2の搬送ローラとを配置し、 搬送される部品と接する前記一対の第2の搬送ローラの周速を搬送される部品と接する前記一対の第1の搬送ローラの周速よりも速く設けた」のに対し、引用発明では、かかる構成が特定されていない点。 (2)判断 第4の2.で示したとおり、引用文献2には、回転装置によつて連続回転している分離ローラ(4a)(4b)と、この分離ローラ(4a)(4b)の後行程に近接して配置された搬送ローラ(5a)(5b)とを有し、搬送ローラ(5a)(5b)が分離ローラ(4a)(4b)より周速の速い高速連続回転することにより、半導体装置(1)を分離、搬送することが記載されている。 しかしながら、引用文献2には、本願発明1が備える「前記一対の第1の搬送ローラが前記搬送パイプに収容された部品を両側から直接挟むことができるように前記搬送パイプの両側に一対の第1の切欠きが設けられ、 前記一対の第2の搬送ローラが前記搬送パイプに収容された部品を両側から直接挟むことができるように前記搬送パイプの両側に一対の第2の切欠きが設けられ」ること、及び、「一対の第1の搬送ローラ」と「一対の第2の搬送ローラ」の配置に関して、「前記一対の第1の搬送ローラが上の部品のみを両側から直接挟んだ際に、前記一対の第2の搬送ローラが直ぐ下の部品のみを両側から直接挟むことができるように、前記一対の第1の搬送ローラの回転の中心点から前記一対の第2の搬送ローラの回転の中心点までの垂直方向の距離を、搬送される部品一本の長手方向の長さを超え、かつ、搬送される部品二本の長手方向の長さ未満となる」ことが、ともに記載も示唆もされていない。 そして、上記各事項が、引用発明に対し、引用文献2に記載された事項を採用する際に、当業者が適宜なし得る設計的事項であるともいえない。 してみれば、引用発明に対し、引用文献2に記載された事項を採用したとしても、上記相違点1に係る本願発明1の構成とすることは、当業者といえども容易に想到し得たことではない。 したがって、本願発明1は、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 2.本願発明2について (1)対比 本願発明2と引用発明とを対比する。 引用発明の「複数のコイルばね」は、本願発明2の「外観上、円柱状、円筒状、又は角柱状の複数の部品」に相当し、引用発明の「複数のコイルばねをパイプ2内で整列させ」ることは、本願発明2の「複数の部品を長手方向に収容して」いることに相当し、引用発明の「複数のコイルばね」を「落下させる」ことは、本願発明2の「複数の部品」を「上流から下流に搬送する」ことに相当する。したがって、引用発明の「分離機1から導出され先端部がほぼ垂直に垂下し、複数のコイルばねをパイプ2内で整列させて落下させるコイルばねガイド用パイプ2」は、「外観上、円柱状、円筒状、又は角柱状の複数の部品を長手方向に収容して上流から下流に搬送するための搬送パイプ」という限りにおいて、本願発明2の「外観上、円柱状、円筒状、又は角柱状の複数の部品を長手方向に収容して上流から下流に搬送するための水平方向に設けられた搬送パイプ」と一致する。 引用発明の「コイルばね供給装置」は、本願発明2の「部品供給装置」に相当する。 以上のことから、本願発明2と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 【一致点2】 「外観上、円柱状、円筒状、又は角柱状の複数の部品を長手方向に収容して上流から下流に搬送するための搬送パイプを有する、 部品供給装置。」 【相違点2】 本願発明2では、「搬送パイプ」が、「水平方向に設けられ」、「前記搬送パイプに収容された複数の部品を搬送するための空気搬送手段」を有しているのに対し、引用発明では、「コイルばねガイド用パイプ2」が、「ほぼ垂直に垂下し」ているものであり、「空気搬送手段」を有しているかが特定されていない点。 【相違点3】 本願発明2では、「搬送方向に回転自在に設けられ、かつ、前記搬送パイプを両側から挟むように設けられた一対の第1の搬送ローラと、 前記一対の第1の搬送ローラの下流側に、搬送方向に回転自在に設けられ、かつ、前記搬送パイプを両側から挟むように設けられた一対の第2の搬送ローラと、を有し、 前記一対の第1の搬送ローラが前記搬送パイプに収容された部品を両側から直接挟むことができるように前記搬送パイプの両側に一対の第1の切欠きが設けられ、 前記一対の第2の搬送ローラが前記搬送パイプに収容された部品を両側から直接挟むことができるように前記搬送パイプの両側に一対の第2の切欠きが設けられ、 前記一対の第1の搬送ローラが上流側の部品のみを両側から直接挟んだ際に、前記一対の第2の搬送ローラが直ぐ隣の下流側の部品のみを両側から直接挟むことができるように、前記一対の第1の搬送ローラの回転の中心点から前記一対の第2の搬送ローラの回転の中心点までの水平方向の距離を、搬送される部品一本の長手方向の長さを超え、かつ、搬送される部品二本の長手方向の長さ未満となるように、前記一対の第1の搬送ローラと前記一対の第2の搬送ローラとを配置し、 搬送される部品と接する前記一対の第2の搬送ローラの周速を搬送される部品と接する前記一対の第1の搬送ローラの周速よりも速く設けた」のに対し、引用発明では、かかる構成が特定されていない点。 (2)判断 事案に鑑み、上記相違点3について検討する。 上記相違点3は、1.(1)で示した上記相違点1と実質的に同等の相違点と認められる。 してみれば、1.(2)で示した判断と同様の理由により、引用発明に対し、引用文献2に記載された事項を採用したとしても、上記相違点3に係る本願発明2の構成とすることは、当業者といえども容易に想到し得たことではない。 したがって、相違点2について検討するまでもなく、本願発明2は、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。 3.本願発明3?6について 本願発明3?6は、本願発明1、2を限定するものであって、本願発明1の「搬送方向に回転自在に設けられ、かつ、前記搬送パイプを両側から挟むように設けられた一対の第1の搬送ローラと、 前記一対の第1の搬送ローラの下方に、搬送方向に回転自在に設けられ、かつ、前記搬送パイプを両側から挟むように設けられた一対の第2の搬送ローラと、を有し、 前記一対の第1の搬送ローラが前記搬送パイプに収容された部品を両側から直接挟むことができるように前記搬送パイプの両側に一対の第1の切欠きが設けられ、 前記一対の第2の搬送ローラが前記搬送パイプに収容された部品を両側から直接挟むことができるように前記搬送パイプの両側に一対の第2の切欠きが設けられ、 前記一対の第1の搬送ローラが上の部品のみを両側から直接挟んだ際に、前記一対の第2の搬送ローラが直ぐ下の部品のみを両側から直接挟むことができるように、前記一対の第1の搬送ローラの回転の中心点から前記一対の第2の搬送ローラの回転の中心点までの垂直方向の距離を、搬送される部品一本の長手方向の長さを超え、かつ、搬送される部品二本の長手方向の長さ未満となるように、前記一対の第1の搬送ローラと前記一対の第2の搬送ローラとを配置し、 搬送される部品と接する前記一対の第2の搬送ローラの周速を搬送される部品と接する前記一対の第1の搬送ローラの周速よりも速く設けた」点、及び、本願発明2の「搬送方向に回転自在に設けられ、かつ、前記搬送パイプを両側から挟むように設けられた一対の第1の搬送ローラと、 前記一対の第1の搬送ローラの下流側に、搬送方向に回転自在に設けられ、かつ、前記搬送パイプを両側から挟むように設けられた一対の第2の搬送ローラと、を有し、 前記一対の第1の搬送ローラが前記搬送パイプに収容された部品を両側から直接挟むことができるように前記搬送パイプの両側に一対の第1の切欠きが設けられ、 前記一対の第2の搬送ローラが前記搬送パイプに収容された部品を両側から直接挟むことができるように前記搬送パイプの両側に一対の第2の切欠きが設けられ、 前記一対の第1の搬送ローラが上流側の部品のみを両側から直接挟んだ際に、前記一対の第2の搬送ローラが直ぐ隣の下流側の部品のみを両側から直接挟むことができるように、前記一対の第1の搬送ローラの回転の中心点から前記一対の第2の搬送ローラの回転の中心点までの水平方向の距離を、搬送される部品一本の長手方向の長さを超え、かつ、搬送される部品二本の長手方向の長さ未満となるように、前記一対の第1の搬送ローラと前記一対の第2の搬送ローラとを配置し、 搬送される部品と接する前記一対の第2の搬送ローラの周速を搬送される部品と接する前記一対の第1の搬送ローラの周速よりも速く設けた」点と同一の構成を備えるものであるから、本願発明1、2と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明1?6は、当業者が引用発明及び引用文献2に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2021-09-08 |
出願番号 | 特願2020-181117(P2020-181117) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(B65G)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 土田 嘉一 |
特許庁審判長 |
間中 耕治 |
特許庁審判官 |
中村 大輔 内田 博之 |
登録日 | 2021-10-08 |
登録番号 | 特許第6957060号(P6957060) |
発明の名称 | 部品供給装置 |
代理人 | 川井 雅登 |