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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04W
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 H04W
管理番号 1378144
審判番号 不服2020-17419  
総通号数 263 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-11-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-12-21 
確定日 2021-10-05 
事件の表示 特願2019-524785「端末、無線基地局及び無線通信方法」拒絶査定不服審判事件〔平成30年12月27日国際公開、WO2018/235208、請求項の数(6)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2017年(平成29年)6月21日を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和2年 3月27日 手続補正書の提出
令和2年 5月13日付け 拒絶理由通知書
令和2年 7月31日 意見書、手続補正書の提出
令和2年 9月16日付け 拒絶査定
令和2年12月21日 拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提出
令和3年 3月24日 上申書の提出

第2 原査定の概要
原査定(令和2年9月16日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

1.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


●理由1及び理由2
・請求項 1、5-6
・引用文献等 2

●理由2
・請求項 1、3-6
・引用文献等 1

・請求項 2
・引用文献等 1-3

引用例1:NTT DOCOMO, INC.,Discussion on remaining details on multiple SS block transmissions in wideband CC for NR[online],3GPP TSG RAN WG1 NR Ad-Hoc#2 R1-1711059,Internet, 2017年6月17日アップロード
引用例2:LG Electronics,Discussion on DL beam management[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #89 R1-1707604,Internet,2017年5月6日アップロード
引用例3:MediaTek,[Intel],[Samsung],[AT&T],[Nokia],[NTT DoCoMo],WF On RRM measurement[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #89 R1-1709810,Internet,2017年5月19日アップロード

第3 本願発明について
本願の請求項1ないし6に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明6」という。)は、令和2年12月21日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1ないし6は以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
メジャメント期間における測定用の同期信号(SS)ブロックを示す情報を受信する受信部と、
前記情報によって示される前記SSブロックを用いて、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、及び、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)の少なくとも一つを測定する制御部と、
を具備し、
前記情報は、一以上のセルで送信される前記SSブロックをリストによって示すことを特徴とする端末。
【請求項2】
周期が異なる複数のメジャメント期間が設定される場合、前記情報は、前記複数のメジャメント期間の少なくとも一つに関連付けられることを特徴とする請求項1に記載の端末。
【請求項3】
前記受信部は、上位レイヤシグナリングを用いて、前記情報を受信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の端末。
【請求項4】
前記SSブロックは、第1の周波数帯域又は前記第1の周波数帯域よりも高い第2の周波数帯域で送信されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の端末。
【請求項5】
メジャメント期間における測定用の同期信号(SS)ブロックを示す情報を送信する送信部と、
前記情報によって示される前記SSブロックを用いて測定される、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、
及び、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)の少なくとも一つの受信を制御する制御部と、
を具備し、
前記情報は、一以上のセルで送信される前記SSブロックをリストによって示すことを特徴とする無線基地局。
【請求項6】
端末において、
メジャメント期間における測定用の同期信号(SS)ブロックを示す情報を受信する工程と、
前記情報によって示される前記SSブロックを用いて、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、及び、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)の少なくとも一つを測定する工程と、
を有し、
前記情報は、一以上のセルで送信される前記SSブロックをリストによって示すことを特徴とする無線通信方法。」

第4 引用発明等について
1.引用例1
原査定の拒絶の理由に引用されたNTT DOCOMO, INC.,Discussion on remaining details on multiple SS block transmissions in wideband CC for NR(当審訳:NRのための広帯域CCにおける複数のSSブロック送信に関する残りの詳細に関する考察)[online],3GPP TSG RAN WG1 NR Ad-Hoc#2 R1-1711059,Internet, 2017年6月17日アップロード(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに次の記載がある。(下線は当審が付与。)

「2.4 Number of SS blocks for RRM measurement
For UE#1 and UE#4 in scenario (b) in Figure 2-1, it is possible to monitor multiple SS blocks within a wideband CC for RRM measurement since it was agreed that UE can be informed of the presence/parameters of the SS block(s) and parameters necessary for RRM measurement. SS block based RSRP measurement results (especially after L1/L3 filtering) would be almost same for the multiple SS blocks within a wideband CC when the multiple SS blocks are transmitted with the same power/beam/transmit antenna location. Therefore, for SS block based RSRP measurement for a wideband CC, monitoring single SS block would be sufficient.
(略)
・If RSRQ or SINR is supported as measurement quantity, RSRQ or SINR on different frequency locations may include different interference level according to traffic amount in each narrower bandwidth CC. In such case, UE may be configured to perform RSRQ or SINR measurement on multiple SS block locations.
(略)
・UE can also be configured with RRM measurement on other SS block location(s) within wideband CC as something similar to inter-frequency measurement.

2.5 How to inform the presence/parameters of the SS block(s)
(略)
As argued in [2], using RMSI can be considered to enable RRM measurement on multiple SS block locations as early as possible, while using other SI or RRC signalling can also be considered as candidate mechanism to inform the presence/parameters of the SS blocks.」(3ページ8行ないし39行)
(当審訳:2.4 RRM測定用のSSブロック数
図2-1のシナリオ(b)のUE#1およびUE#4の場合、UEは、SSブロックのプレゼンス/パラメータとRRM測定に必要なパラメータを通知されることができることに合意されたので、RRM測定用の広帯域CC内の複数のSSブロックを監視することが可能である。SSブロックベースのRSRP測定結果(特にL1/L3フィルタリング後)は、複数のSSブロックが同じ電力/ビーム/送信アンテナ位置で送信されたときに広帯域CC内の複数のSSブロックについてほぼ同じである。したがって、広帯域CCのSSブロックベースのRSRP測定の場合は、単一のSSブロックを監視するだけで十分である。
(略)
・RSRQ又はSINRが測定量としてサポートされている場合、異なる周波数位置上のRSRQまたはSINRは、各狭い帯域幅CCにおけるトラフィック量に従って異なる干渉レベルを含み得る。そのような場合、UEは、複数のSSブロック位置でRSRQ又はSINR測定を実行するように構成されてもよい。
(略)
・UEはまた、周波数間測定と同様のものとして、広帯域CC内の他のSSブロック位置でRRM測定を用いて構成することもできる。

2.5 SSブロックのプレゼンス/パラメータを通知する方法
(略)
[2]で主張されているように、RMSIを使用すると、できるだけ早く複数のSSブロック位置でRRM測定を可能にすると考えることができる。また、他のSIまたはRRCシグナリングを使用すると、SSブロックのプレゼンス/パラメータを通知するための候補メカニズムと見なすこともできる。)

上記記載及び当業者における技術常識からみて、引用例1には以下の技術的事項が記載されている。

(1)上記記載の「2.5」に「RRCシグナリングを使用すると、SSブロックのプレゼンス/パラメータを通知するための候補メカニズムと見なすこともできる。」と記載され、及び、上記記載の「2.4」に「UEは、SSブロックのプレゼンス/パラメータとRRM測定に必要なパラメータを通知される」と記載されていることから、SSブロックのプレゼンス/パラメータが通知されるのはUEであり、UEはRRCシグナリングを使用しSSブロックのプレゼンスが通知されるといえる。

(2)上記記載の「2.4」に「UEは、SSブロックのプレゼンス/パラメータとRRM測定に必要なパラメータを通知されることができることに合意されたので、RRM測定用の広帯域CC内の複数のSSブロックを監視することが可能である。」と記載されていることから、UEはSSブロックのプレゼンスを利用して、SSブロックを監視するといえる。
また、上記記載の「2.4」に「UEは、複数のSSブロック位置でRSRQ又はSINR測定を実行するように構成されてもよい。」と記載されていることから、UEはSSブロックでRSRQ又はSINR測定を実行するといえる。
よって、UEはSSブロックのプレゼンスを利用して、SSブロックでRSRQ又はSINR測定を実行するといえる。

以上を総合すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

「 RRCシグナリングを使用しSSブロックのプレゼンスが通知され、
SSブロックのプレゼンスを利用して、SSブロックでRSRQ又はSINR測定を実行する、
UE。」

2.引用例2
原査定の拒絶の理由に引用されたLG Electronics,Discussion on DL beam management(当審訳:DLビーム管理に関する議論)[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #89 R1-1707604,Internet,2017年5月6日アップロード(以下、「引用例2」という。)には、図面とともに次の記載がある。(下線は当審が付与。)

「2.Discussion on DL beam management details
(略)


Figure 1: An example of whole DL beam management procedure.
As shown in Figure 1, DL beam management procedure can be two stages. TRP(s) and UE are able to have a coarse beam (e.g. a group of beams) alignment utilizing SS burst, and then the best TRP Tx beam(s) and UE Rx beam(s) can be found by using CSI-RS type B for beam management. In that case, a CSI-RS resource for beam management could be mapped to the coarse beam (i.e., the group of beams) so that finer Tx beam(s) selection and reporting could be done by antenna port selection within the CSI-RS resource. More details can be found in our companion contribution [1].
Proposed #2: Beam reporting should include CRI and port index within the selected CRI.
For the hierarchical beam management as shown in Figure 1, L1/L2 reporting of SS block measurement would be required. Note the L1/L2 reporting may include a cell identifier and/or SS block index associated the cell ID to cover multi-cell scenario at least for supporting efficient CoMP operation. Moreover, NR considered that the maximum number of SS blocks and the hypothesis of the cell ID would be up to 64 and 1000, respectively. In order to reduce the reporting overhead, neighbor cell ID list and/or its SS block subset restriction to be configured to UE for beam measurement may be needed. 」
(3ページ3行ないし4ページ7行)
(当審訳:2.DLビーム管理の詳細についての考察
(図略)
図1:DLビーム管理手順全体の例
図1に示すように、DLビーム管理手順は2段階にできる。TRP(s)とUEは、SSバーストを利用して粗いビーム(ビームのグループなど)合わせを行うことができ、そして、ビーム管理のためにCSI-RSタイプBを使用することによって、最良のTRP TXビームおよびUE RXビームを見出すことができる。その場合、ビーム管理のためCSI-RSリソースを粗いビーム(つまり、ビームのグループ)にマッピングして、CSI-RSリソースのアンテナポート選択によってより細かいTxビームの選択とレポートを行うことができる。詳細については、参考文献[1]に見ることができる。
提案#2:ビームレポートには、選択されたCRI内のCRIとポートインデックスを含める必要がある。
図1に示すような階層ビーム管理では、SSブロック測定のL1/L2レポートが必要になります。L1/L2レポートには、少なくとも効率的なCoMP操作をサポートするために、マルチセルシナリオをカバーするために、セルIDおよび/またはセルIDに関連付けられたSSブロックインデックスが含まれる場合があることに注意する。さらに、NRは、SSブロックの最大数とセルIDの仮説がそれぞれ最大64と1000になると考えられる。レポートのオーバーヘッドを削減するために、ビーム測定のためにUEに構成されたネイバーセルIDリストおよび/またはそのSSブロックサブセット制限が必要になる。)

上記記載及び当業者における技術常識からみて、引用例2には以下の技術的事項が記載されている。

a.上記記載に「SSブロック測定」と記載されており、SSブロックはダウンリンクの信号であるから、UEがSSブロックの測定を行うことは明らかである。よって、UEはSSブロックを測定することが記載されているといえる。

b.上記記載に「ビーム測定のためにUEに構成されたネイバーセルIDリストおよび/またはそのSSブロックサブセット制限が必要になる。」と記載されていることから、UEは測定のためにネイバーセルIDリストが必要であるといえる。

以上を総合すると、引用例2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。

「SSブロックを測定し、測定のためにネイバーセルIDリストが必要である、UE。」

3.引用例3
原査定の拒絶の理由に引用されたMediaTek,[Intel],[Samsung],[AT&T],[Nokia],[NTT DoCoMo],WF On RRM measurement[online],3GPP TSG RAN WG1 Meeting #89 R1-1709810,Internet,2017年 5月19日アップロード(以下、「引用例3」という。)には、図面とともに次の記載がある。(下線は当審が付与。)

「-Option 1. a single SS burst set periodicity and a single information regarding measurement timing/duration are indicated per frequency layer.」(3ページ7行ないし8行)
(当審訳:-オプション1.単一のSSバーストセット周期性と測定タイミング/測定期間に関する単一の情報が周波数層ごとに表示される。)

上記記載によれば、引用例3には、次の技術的事項が記載されていると認められる。

「単一のSSバーストセット周期性と測定タイミング/測定期間に関する単一の情報が周波数層ごとに表示される。」

第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)引用発明2との対比
本願発明1と引用発明2とを対比すると、次のことがいえる。
a.引用発明2の「UE」は、本願発明1の「端末」に相当する。

b.引用発明2の「SSブロック」に同期信号が含まれることは技術常識であり、引用発明2の「SSブロック」は、本願発明の「同期信号(SS)ブロック」に相当する。また、引用発明2のUEが測定するための制御部を有するは自明である。
よって、本願発明1の「前記情報によって示される前記SSブロックを用いて、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、及び、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)の少なくとも一つを測定する制御部と、を具備」と、引用発明2の「SSブロックを測定」とは、「SSブロックを用いて測定する制御部を具備」するの点で共通する。

以上のことから、本願発明1と引用発明2との一致点及び相違点は、次のとおりである。

(一致点)
「SSブロックを用いて測定する制御部を具備するUE。」

(相違点)
1.本願発明1では、「メジャメント期間における測定用の同期信号(SS)ブロックを示す情報を受信する受信部」を具備し、受信部で受信する「前記情報は、一以上のセルで送信される前記SSブロックをリストによって示す」のに対し、引用発明2ではUEに測定のためにネイバーセルIDリストが必要であるが、当該発明特定事項が特定されていない点。
2.測定について、本願発明1では、「RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、及び、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)の少なくとも一つ」を測定するのに対し、引用発明2では測定を行っているが、当該発明特定事項が特定されていない点。

(2)引用発明1との対比
本願発明1と引用発明1とを対比すると、次のことがいえる。

a.引用発明1の「UE」は、本願発明1の「端末」に相当する。

b.引用発明1の「SSブロック」に同期信号が含まれることは技術常識であり、引用発明1の「SSブロック」でRSRQ又はSINR測定を実行することから、引用発明1の「SSブロック」は、本願発明の「測定用の同期信号(SS)ブロック」に相当する。また、引用発明1では、SSブロックでRSRQ又はSINR測定することから、SSブロックは測定期間に含まれるといえる。よって、引用発明1の「SSブロック」は、本願発明の「メジャメント期間における測定用の同期信号(SS)ブロック」に相当する。
そして、引用発明1の「SSブロックのプレゼンス」は「メジャメント期間における測定用の同期信号(SS)ブロックに関する情報」といえることから、本願発明1の「メジャメント期間における測定用の同期信号(SS)ブロックを示す情報」と、引用発明1の「SSブロックのプレゼンス」とは、「メジャメント期間における測定用同期信号(SS)ブロックに関する情報」の点で共通する。
更に、引用発明1のUEでは「RRCシグナリングを使用しSSブロックのプレゼンスが通知され」ることから、引用発明1のUEは受信部を具備し、受信部でSSブロックのプレゼンスを受信するといえる。
よって、本願発明1の「メジャメント期間における測定用の同期信号(SS)ブロックを示す情報を受信する受信部」と、引用発明1の「SSブロックのプレゼンスが通知され」ることとは、「メジャメント期間における測定用の同期信号(SS)ブロックに関する情報を受信する受信部」である点で共通する。

c.引用発明1では「SSブロックのプレゼンスを利用して、SSブロックでRSRQ又はSINR測定を実行」していることから、SSブロックのプレゼンスによって示されるSSブロックを用いて、RSRQ又はSINR測定することは明らかである。そして,当該測定のための制御部をUEが具備することは明らかである。
また、引用発明1の「SSブロックのプレゼンス」とは、上記「b」で説示したとおり、「メジャメント期間における測定用の同期信号(SS)ブロックに関する情報といえることから、本願発明1と同様に、受信部で受信する「前記情報」といえる。
よって、引用発明1の「SSブロックのプレゼンスを利用して、SSブロックでRSRQ又はSINR測定を実行」することは、本願発明1の「前記情報によって示される前記SSブロックを用いて、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、及び、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)の少なくとも一つを測定する制御部」に含まれる。

以上のことから、本願発明1と引用発明1との一致点及び相違点は、次のとおりである。

(一致点)
「 メジャメント期間における測定用の同期信号(SS)ブロックに関する情報を受信する受信部と、
前記情報によって示される前記SSブロックを用いて、RSRP(Reference Signal Received Power)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、及び、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)の少なくとも一つを測定する制御部と、
を具備する
UE。」

(相違点)
メジャメント期間における測定用の同期信号(SS)ブロックに関する情報に関して、本願発明1では、「メジャメント期間における測定用の同期信号(SS)ブロックを示す情報」であり、受信部で受信する「前記情報は、一以上のセルで送信される前記SSブロックをリストによって示す」のに対し、引用発明1ではSSブロックのプレゼンスであるが、当該発明特定事項が特定されていない点。

(3)相違点についての判断
上記(1)の(相違点1)及び上記(2)の(相違点)に関する本願発明1の発明特定事項の一部である、受信部で受信する「メジャメント期間における測定用の同期信号(SS)ブロックを示す情報」が「一以上のセルで送信される前記SSブロックをリストによって示す」点について、以下検討する。
「メジャメント期間における測定用の同期信号(SS)ブロックを示す情報」が「一以上のセルで送信される前記SSブロックをリストによって示す」点は引用例1ないし引用例3に記載されておらず、公知技術でも周知技術でもない。
したがって、上記(1)の(相違点1)及び上記(2)の(相違点)に関する他の部分について、及び、上記(1)の(相違点2)について判断するまでもなく、本願発明1は、引用発明2ではなく、また、当業者であっても引用発明1又は引用発明2に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2.本願発明5及び6について
本願発明5及び6は、少なくとも本願発明1の「メジャメント期間における測定用の同期信号(SS)ブロックを示す情報」が「一以上のセルで送信される前記SSブロックをリストによって示す」という発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明2ではなく、また、当業者であっても、引用発明1又は引用発明2に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。

3.本願発明2について
本願発明2は、少なくとも本願発明1の「メジャメント期間における測定用の同期信号(SS)ブロックを示す情報」が「一以上のセルで送信される前記SSブロックをリストによって示す」という発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1及び引用例2、3に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。

4.本願発明3及び4について
本願発明3及び4は、少なくとも本願発明1の「メジャメント期間における測定用の同期信号(SS)ブロックを示す情報」が「一以上のセルで送信される前記SSブロックをリストによって示す」という発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明1に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。

第6 原査定についての判断
令和2年12月21日の手続補正により補正された本願発明1ないし6は、少なくとも「メジャメント期間における測定用の同期信号(SS)ブロックを示す情報」が「一以上のセルで送信される前記SSブロックをリストによって示す」という発明特定事項を備えるものであるから、上記「第5」のとおり、本願発明1、5及び6は引用発明2ではなく、また、当業者であっても引用発明2に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。さらに、本願発明1、3ないし6は引用発明1に基づいて、また本願発明2は引用発明1及び引用例2、3に記載された事項に基づいて、容易に発明をすることができたものとはいえない。

したがって、原査定を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。


 
審決日 2021-09-15 
出願番号 特願2019-524785(P2019-524785)
審決分類 P 1 8・ 113- WY (H04W)
P 1 8・ 121- WY (H04W)
最終処分 成立  
前審関与審査官 三枝 保裕  
特許庁審判長 廣川 浩
特許庁審判官 本郷 彰
中木 努
発明の名称 端末、無線基地局及び無線通信方法  
代理人 守屋 芳隆  
代理人 青木 宏義  
代理人 天田 昌行  

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