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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  H05B
審判 全部申し立て 2項進歩性  H05B
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  H05B
管理番号 1378731
異議申立番号 異議2020-700612  
総通号数 263 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-11-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-08-18 
確定日 2021-08-23 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6651755号発明「照明システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6651755号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?5〕について訂正することを認める。 特許第6651755号の請求項1?5に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6651755号の請求項1?5に係る特許についての出願は、平成27年9月14日に出願され、令和2年1月27日にその特許権の設定登録がされ、同年2月19日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許の請求項1?5について、同年8月18日に特許異議申立人三木郁子(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、当審は、同年11月26日付けで取消理由を通知し、特許権者は、その指定期間内である令和3年2月1日に意見書の提出及び訂正の請求を行い、そして、同年3月25日付けで申立人に対し訂正請求があった旨の通知(特許法第120条の5第5項)をし、同年4月28日付けで申立人から意見書が提出されたものである。

第2 訂正の適否
1 訂正の内容
令和3年2月1日付け訂正請求書による訂正の請求は、「特許第6651755号の明細書、特許請求の範囲を本請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正後の請求項1?5について訂正することを求める。」というものであり、その訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、本件特許の願書に添付した明細書について、訂正請求書に添付した明細書に記載されたとおりに訂正するとともに、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲の請求項1?5について、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲の請求項1?5に記載されたとおりに訂正するものである。(下線は、訂正箇所を示すため、当審が付与したものである。)
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の
「照明機器を制御する照明制御装置と;
前記照明制御装置における前記照明機器への操作に基づく操作情報と、前記照明制御装置の設定情報とを保存する外部端末と;
前記外部端末から前記照明制御装置の設定情報を受信する他の照明制御装置と;
を具備することを特徴とする照明システム。」
を、
「照明機器を制御する第1照明制御装置と;
前記第1照明制御装置における前記照明機器への操作に基づく操作情報と、前記第1照明制御装置の設定であって、当該操作が行われた際における前記照明機器に対する操作を受け付ける操作部と前記照明機器との対応を示す設定情報とを前記第1照明制御装置から受信し保存する外部端末と;
前記外部端末から前記第1照明制御装置の設定情報を受信する第2照明制御装置と;
を具備することを特徴とする照明システム。」
に訂正する(請求項1を直接又は間接的に引用する請求項2?5も同様に訂正する)。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3の
「前記照明制御装置は、前記外部端末から取得した前記操作情報に基づいて前記照明機器への操作を再現する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明システム。」
を、
「前記第2照明制御装置は、前記外部端末から前記操作情報を受信し、受信した前記操作情報と、前記設定情報とに基づいて、前記第1照明制御装置による前記照明機器への操作を、当該第2照明制御装置と対応する照明機器に対して再現する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明システム。」
に訂正する(請求項3を直接又は間接的に引用する請求項4、5も同様に訂正する)。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項4の
「前記照明制御装置は、前記操作を行うユーザを認証し、認証後のユーザの前記操作を受け付け、
前記外部端末は、前記認証後のユーザ毎に前記操作情報を保存する
ことを特徴とする請求項1?3のいずれか1項に記載の照明システム。」
を、
「前記第1照明制御装置は、前記第1照明制御装置が有する操作部への操作を行うユーザを認証し、認証後のユーザによる前記第1照明制御装置が有する操作部への操作を受け付け、
前記外部端末は、前記認証後のユーザ毎に前記操作情報を保存する
ことを特徴とする請求項1?3のいずれか1項に記載の照明システム。」
に訂正する(請求項4を引用する請求項5も同様に訂正する)。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項5の
「前記外部端末は、前記認証後のユーザに前記操作情報に基づいて当該ユーザの操作に関する学習し、
前記照明制御装置は、前記外部端末から前記認証後のユーザに対応する学習結果に関する情報を取得する
ことを特徴とする請求項4に記載の照明システム。」
を、
「前記外部端末は、前記認証後のユーザによる操作の履歴を示す操作情報に基づいて当該ユーザの操作に関する特徴を学習し、
前記第2照明制御装置は、前記外部端末から前記認証後のユーザに対応する学習結果に関する情報を取得する
ことを特徴とする請求項4に記載の照明システム。」
に訂正する。

(5)訂正事項5
願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)の段落【0006】の
「本実施形態の照明システムは、照明制御装置と、外部サーバとを具備する。照明制御装置は、照明機器を制御する。外部サーバは、照明制御装置における照明機器への操作に基づく操作情報を保存する。」
を、
「本実施形態の照明システムは、第1照明制御装置と、外部サーバと、第2照明制御装置とを具備する。照明制御装置は、照明機器を制御する。外部サーバは、第1照明制御装置における照明機器への操作に基づく操作情報と、第1照明制御装置の設定であって、当該操作が行われた際における照明器に対する操作を受け付ける操作部と照明機器との対応を示す設定情報とを第1照明制御装置から受信し保存する。第2照明制御装置は、外部端末から第1照明制御装置の設定情報を受信する。」
に訂正する。

なお、訂正事項1?5は、訂正前に引用関係にある請求項1?5に対して請求されたものであるから、本件訂正請求は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項ごとに請求されたものである。

2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1について
訂正事項1に係る請求項1についての訂正における、訂正前の「照明制御装置」、「他の照明制御装置」をそれぞれ「第1照明制御装置」、「第2照明制御装置」とする訂正は、後述する訂正事項2における、訂正前の「前記照明制御装置」がいずれの「照明制御装置」を示すのか不明確であったのを「前記第1照明制御装置」として対応関係を明確とする訂正に整合させるものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
また、訂正前の「前記照明制御装置の設定情報」を「前記第1照明制御装置の設定であって、当該操作が行われた際における前記照明機器に対する操作を受け付ける操作部と前記照明機器との対応を示す設定情報」とする訂正については、本件特許明細書の段落【0029】の「操作対象となったフェーダやサブマスタ(SM)等」や「サブマスタフェーダ」との記載から、訂正前の「照明制御装置」は、照明機器に対する操作を受け付ける操作部といえるものを有していることは自明であり、さらに、同段落の「照明制御装置30は、シーンやキュー(CUE)やサブマスタ(SM)等を操作した際に複数の照明機器を制御するための調光情報と、フェーダ等の操作対象を示す情報とともにクラウドサーバ70へ送信してもよい。」との記載から、「設定情報」に関し、照明機器への操作が行われた際における照明機器に対する操作部と照明機器との対応を示す設定情報であることは自明であって、当該訂正は、訂正前の「前記照明制御装置の設定情報」を具体的に限定するものであるから特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするもの、及び、同項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。そして、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

(2)訂正事項2について
訂正事項2に係る請求項3についての訂正における、訂正前の「前記照明制御装置」を「第1照明制御装置」とする訂正は、訂正事項1による請求項1の訂正に整合させ、かつ、請求項1に記載される2つの「照明制御装置」のうちの「第1照明制御装置」であることを特定するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
また、訂正前の「前記外部端末から取得した前記操作情報に基づいて前記照明機器への操作を再現する」を「前記外部端末から前記操作情報を受信し、受信した前記操作情報と、前記設定情報とに基づいて、前記第1照明制御装置による前記照明機器への操作を、当該第2照明制御装置と対応する照明機器に対して再現する」とする訂正は、本件特許明細書の段落【0032】の「照明制御装置30から履歴情報の要求を受け付けたクラウドサーバ70は、要求に対応する履歴情報を抽出する」、同【0033】の「クラウドサーバ70から送信された履歴情報を照明制御装置30が受信した後、操作者OP1は、照明制御装置30において操作を再現する(ステップS24)。なお、ここでいう、操作の再現とは、受信した履歴情報を参照しつつ操作者OP1が操作部34を操作することにより行われてもよいし、受信した履歴情報に基づいて照明制御装置30が自動で行ってもよい。」、同【0069】の「照明システム1Aにおいて、所定の操作者OP1が照明制御装置30A-1において行った操作に関する操作情報を、他の照明制御装置30A-3において利用する例を示す。」、同【0080】の「照明制御装置30A-3から操作情報(履歴情報)の要求を受け付けたクラウドサーバ70Aは、要求に対応する操作情報(履歴情報)を抽出する(ステップS37)。例えば、クラウドサーバ70Aは、ステップS33で保存した操作情報LG11を、照明制御装置30A-3からの要求に対応する操作情報(履歴情報)として抽出する。その後、クラウドサーバ70Aは、ステップS37において抽出した履歴情報を照明制御装置30A-3へ送信する(ステップS38)。」、同【0081】の「クラウドサーバ70Aから送信された操作情報LG11を照明制御装置30A-3が受信した後、操作者OP1は、照明制御装置30A-3において操作を再現する(ステップS39)。」との記載から、「再現する」ことに関し、外部端末から操作情報を受信し、受信した操作情報と、設定情報とに基づいて、第1照明制御装置による照明機器への操作を、第2照明制御装置と対応する照明機器に対して再現するものであることは自明のことであって、当該訂正は、「再現する」ことの対象機器を具体的に特定し、また、「再現する」「操作」が基づく情報を特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項2は、 特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするもの、及び、同項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。そして、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

(3)訂正事項3について
訂正事項3に係る請求項4についての訂正における、訂正前の「前記照明制御装置」を「前記第1照明制御装置」とする訂正は、訂正事項1による請求項1の訂正に整合させ、かつ、請求項1に記載される2つの「照明制御装置」のうちの「第1照明制御装置」であることを特定するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
また、訂正前の「前記操作」を「前記第1照明制御装置が有する操作部への操作」とし、訂正前の「認証後のユーザの操作部への前記操作」を「認証後のユーザによる前記第1照明制御装置が有する操作部への操作」とする訂正は、本件特許明細書の段落【0074】の「まず、操作者OP1は、照明制御装置30A-1において操作者に関する認証(以下、「操作者認証」とする場合がある)を受ける(ステップS31)。」、同【0078】の「そして、操作者OP1は、照明制御装置30A-3において操作者認証を受ける(ステップS35)。これにより、照明制御装置30A-3は、入力される操作を操作者OP1の操作として受け付ける。」との記載から、「操作を行う」ことについて、第1照明制御装置が有する操作部への操作であること、及び、「操作を受け付ける」ことについて、認証後のユーザによる第1照明制御装置が有する操作部への操作を受け付けるものであることは自明のことであって、当該訂正は、「操作を行う」ことの対象、及び、「操作を受け付ける」ことの対象を特定し、さらに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項3は、 特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするもの、及び、同項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。そして、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

(4)訂正事項4について
訂正事項4に係る請求項5についての訂正における、訂正前の「前記照明制御装置」を「前記第2照明制御装置」とする訂正は、訂正事項1による請求項1の訂正に整合させ、かつ、請求項1に記載される2つの「照明制御装置」のうちの「第1照明制御装置」であることを特定するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
また、訂正前の「前記認証後のユーザに前記操作情報に基づいて当該ユーザの操作に関する学習し」を「前記認証後のユーザによる操作の履歴を示す操作情報に基づいて当該ユーザの操作に関する特徴を学習し」とする訂正は、本件特許明細書の段落【0085】の「また、クラウドサーバ70Aは、操作情報と操作を行った操作者とを対応付けに基づいて、認証後のユーザに操作情報に基づいてユーザの操作に関する学習を行ってもよい。例えば、クラウドサーバ70Aは、認証後のユーザに操作情報に基づいて、ユーザの操作に適した操作部34への制御アドレス等の割当に関する学習を行ってもよい。また、各照明制御装置30Aは、クラウドサーバ70Aから認証後のユーザに対応する学習結果に関する情報を取得してもよい。これにより、各照明制御装置30Aは、クラウドサーバ70Aにおける学習結果に基づいて、ユーザに適した設定を行うことが可能となる。」との記載より、「ユーザの操作に関する学習」に係る「操作情報」について、認証後のユーザによる操作の履歴を示す操作情報であることは自明のことであって、当該訂正は、「ユーザの操作に関する学習」に係る「操作情報」を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項4は、 特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。そして、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

(5)訂正事項5について
訂正事項5に係る本件特許明細書の段落【0006】についての訂正は、訂正事項1による請求項1の訂正に伴い、当該訂正の内容に段落【0006】の記載を整合させるものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
したがって、訂正事項5は、 特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。そして、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもないから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。

3 小括
上記のとおり、本件訂正の訂正事項1?5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?5〕について訂正することを認め、本件特許明細書を、訂正請求書に添付された訂正明細書のとおり、訂正後の段落【0006】について訂正することを認める。

第3 本件発明
上記「第2」のとおり、本件訂正が認められたから、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲の請求項1?5に係る発明(以下「本件発明1?5」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1?5に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。

「【請求項1】
照明機器を制御する第1照明制御装置と;
前記第1照明制御装置における前記照明機器への操作に基づく操作情報と、前記第1照明制御装置の設定であって、当該操作が行われた際における前記照明機器に対する操作を受け付ける操作部と前記照明機器との対応を示す設定情報とを前記第1照明制御装置から受信し保存する外部端末と;
前記外部端末から前記第1照明制御装置の設定情報を受信する第2照明制御装置と;
を具備することを特徴とする照明システム。
【請求項2】
前記外部端末は、前記操作情報として、段階的な前記照明機器の状態の制御において操作される操作部への操作に関する情報を保存する
ことを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記第2照明制御装置は、前記外部端末から前記操作情報を受信し、受信した前記操作情報と、前記設定情報とに基づいて、前記第1照明制御装置による前記照明機器への操作を、当該第2照明制御装置と対応する照明機器に対して再現する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記第1照明制御装置は、前記第1照明制御装置が有する操作部への操作を行うユーザを認証し、認証後のユーザによる前記第1照明制御装置が有する操作部への操作を受け付け、
前記外部端末は、前記認証後のユーザ毎に前記操作情報を保存する
ことを特徴とする請求項1?3のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項5】
前記外部端末は、前記認証後のユーザによる操作の履歴を示す操作情報に基づいて当該ユーザの操作に関する特徴を学習し、前記第2照明制御装置は、前記外部端末から前記認証後のユーザに対応する学習結果に関する情報を取得する
ことを特徴とする請求項4に記載の照明システム。」

第4 取消理由の概要
訂正前の請求項1?5に係る特許に対して、当審が令和2年11月26日付け取消理由通知書で特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。

理由1:本件の請求項1?5に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1?5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。

理由2:本件の請求項3?5に係る特許は、下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。


理由1について
刊行物等一覧
甲第1号証:特開2000-311788号公報
甲第2号証:特開2013-187180号公報
甲第3号証:特開2010-238572号公報
(それぞれ、申立人が提出した甲第1?3号証であり、以下「甲1?3」という。)

理由2について
請求項3は「請求項1または請求項2」を引用するものであるところ、「前記照明制御装置は、・・・・前記照明機器への操作を再現する」との記載があるが、「前記照明制御装置」及び「前記照明機器」が、何を特定しようとしているのか明らかでないため、請求項3に係る発明がどこまでを含むのか特定できず、明確でない。
請求項4、5にも「前記照明制御装置」との記載があるが、上記と同様の理由により、請求項4、5に係る発明がどこまでを含むのか特定できず、明確でない。

第5 当審の判断
第5-1 理由1について(特許法第29条第2項)
1 引用文献の記載事項等
(1)甲1
ア 記載事項
甲1には次の事項が記載されている(なお、下線は当審で付加した。以下同様。)。
(1a)「【請求項1】 照明負荷を調光する調光器と;前記照明負荷の明るさを調光制御するための調光制御レベルを調光データとして設定すると共に前記調光器の制御および前記調光器や照明負荷の状態監視を行う調光卓と;前記調光卓や前記調光器の制御操作および前記調光卓が検出し記憶している前記調光器や前記調光卓の状態情報の監視を行うためのクライアントPCと;前記クライアントPCからの制御情報を前記調光卓に伝えると共に前記調光卓からの状態情報を前記クライアントPCへ伝えるサーバーと;前記サーバーと前記クライアントPCとの間の情報伝達を行うネットワークと;を備えたことを特徴とする調光システム。」

(1b)「【0014】また、調光卓は、予め照明負荷の明るさを調光制御するための調光データをシーン毎に作成する。そして、照明演出時には、その作成したシーンを読み出され、シーンに設定された調光データにより照明負荷を制御しシ一ンを再生する。これにより、舞台やスタジオさらにはホール等の照明演出を行う。また、調光卓には、必要に応じて表示モニタが設置され、照明負荷や調光器の状態情報、さらには調光卓の状態情報を表示する。」

(1c)「【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わる調光システムの構成図である。
【0028】複数個の各々の照明負荷1には調光器2がそれぞれ設けられ、この調光器2により照明負荷1は点灯消灯制御や調光制御が行われる。調光卓3は、各々の調光器2の制御および各々の調光器2や照明負荷1の状態監視を行うものであり、その制御情報や監視情報を記憶している。例えば、照明負荷1の負荷容量、球切れ、過負荷、回路故障、レベルモニター等を記憶している。
【0029】また、調光卓3では、予め照明負荷1の調光制御のための調光データを設定したシーンが作成され、その作成されたシーンも記憶している。そして、照明演出時には、その作成したシーンを読み出すことによってシ一ンを再生し、シーンに設定された調光データにより照明負荷1を制御する。これにより、舞台やスタジオさらにはホール等の照明演出を行う。また、調光卓3には、図示省略の表示モニタが設置されており、照明負荷1や調光器2の状態情報、さらには調光卓3の状態情報を表示するようにしている。
【0030】そして、この調光卓3には、例えばRS232C等を用いてサーバー4が接続され、サーバー4はクライアントPC5が接続されたネットワーク6に接続されている。ネットワーク6は例えばインターネットやイントラネット等の汎用のネットワークである。サーバー4はクライアントPC5からの制御情報を調光卓に伝える機能、および調光卓3からの状態情報をクライアントPC5へ伝える機能を持つ。これにより、クライアントPC5はネットワーク6を介してサーバー4と情報伝達できることになる。
【0031】クライアントPC5は、ネットワーク6およびサーバー4を介して調光卓3や調光器2に制御信号を出力し調光卓や調光器2への制御操作を行う。また、調光卓3が検出し記憶している照明負荷1や調光器2の状態情報、調光卓3自体の状態情報、例えば電源低下や接続している調光器2の監視を行う。」

(1d)「【0048】次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図5は、本発明の第3の実施の形態に係わる調光システムの構成図である。この第5の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、調光卓3で作成した調光データをサーバー4へ送信する送信手段7と、サーバー4に記憶された調光データをダウンロードする受信手段8とを調光卓3に設けたものである。図5では、クライアントPCおよびネットワーク6の図示を省略している。
【0049】図5において、調光卓3では、予め照明負荷1の調光制御のための調光データを設定したシーンが作成されるが、その作成された調光データはその調光卓3に記憶されると共に、送信手段7によりサーバー4に送信される。サーバー4では各々の調光卓3から送信されてきた調光データをシーン毎に保存する。そして、他の調光卓3で既に作成済のシーンを、自己の調光卓3で使用するには、受信手段8によりサーバー4に記憶されたシーンの調光データをダウンロードして読み出す。
【0050】このように、調光卓3には、作成した照明演出のためのシーンの調光データをサーバー4へ送信する送信手段7と、サーバー4からのそのシーンの調光データを受信する受信手段8とを設ける。サーバー4は各々の調光卓3からの照明演出の調光データを受信して記憶し、読み出し要求のあったシーンの調光データを要求のあった調光卓3へ送信する。従って、他の調光卓3で作成された照明演出用の調光データを容易に取得できるので、作成済のシーン再生データの有効利用が図れる。」(なお、段落【0048】の「この第5の実施の形態は、」という記載は、「この第3の実施の形態は、」の誤記と認める。)

(1e)【図1】は次のとおりである。


(1f)【図5】は次のとおりである。


イ 甲1発明
上記アより、甲1には、特に「第3の実施の形態」に対応する次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認める。
「照明負荷1を調光する調光器2と、
前記照明負荷1の明るさを調光制御するための調光制御レベルを調光データとして設定すると共に前記調光器2の制御および前記調光器2や照明負荷1の状態監視を行う調光卓3と、
前記調光卓3や前記調光器2の制御操作および前記調光卓3が検出し記憶している前記調光器2や前記調光卓3の状態情報の監視を行うためのクライアントPC5と、
前記クライアントPC5からの制御情報を前記調光卓3に伝えると共に前記調光卓3からの状態情報を前記クライアントPC5へ伝えるサーバー4と、
前記サーバー4と前記クライアントPC5との間の情報伝達を行うネットワーク6と、
を備えた調光システムであって、
調光卓3で作成した調光データをサーバー4へ送信する送信手段7と、サーバー4に記憶された調光データをダウンロードする受信手段8とを調光卓3に設け、
調光卓3では、予め照明負荷1の調光制御のための調光データを設定したシーンが作成され、その作成された調光データはその調光卓3に記憶されると共に、送信手段7によりサーバー4に送信され、
サーバー4では各々の調光卓3から送信されてきた調光データをシーン毎に保存し、
読み出し要求のあったシーンの調光データを要求のあった調光卓3へ送信し、
他の調光卓3で既に作成済のシーンを、自己の調光卓3で使用するには、受信手段8によりサーバー4に記憶されたシーンの調光データをダウンロードして読み出す、調光システム。」

(2)甲2
ア 記載事項
甲2には次の事項が記載されている。
(2a)「【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の回路制御卓は、調光操作卓の制御装置の入力端末として機能しているため、調光操作卓側に不具合があると、回路制御卓も使用できなくなってしまう。
【0008】
しかも、調光操作卓の制御部が割付情報を記憶しているため、調光操作卓側に不具合があって割付情報が消えてしまったり、別の調光操作卓を持ち込んで使用する場合には、再度、最初から割付作業をしなければならず、手間と時間がかかり、スタジオの運用に影響する問題がある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、調光操作卓側に不具合が生じても、再度、割付作業をする手間と時間を省き、スタジオの運用への影響を少なくできる回路制御卓、およびこの回路制御卓を用いたスタジオ照明システムを提供することである。」

(2b)「【0017】
また、調光操作卓13は、調光操作卓本体21、およびこの調光操作卓本体21内に配置されている調光操作制御部22を有している。なお、図1では調光操作卓本体21と調光操作制御部22とを分けて図示している。
【0018】
調光操作卓本体21には、照明負荷11の調光レベルを調整するための複数のフェーダ23を含む複数の操作部24が設けられている。
【0019】
調光操作制御部22は、回路制御卓14から各フェーダ23に対応して複数の照明負荷11が割り付けられている割付情報を取得し、記憶している。そして、調光操作制御部22は、各フェーダ23が操作されることにより、割付情報に基づいて各フェーダ23に割り付けられている複数の照明負荷11の調光レベルを可変する調光信号を対応する調光器12に対して出力する。」

(2c)「【0020】
また、回路制御卓14は、入力手段としてのタッチパネル式のモニタ31、および割付制御部32を有している。・・・
【0025】
そして、割付制御部32は、調光操作卓13の各フェーダ23に対応してモニタ31の選択部35で選択される照明負荷11を割り付け、各フェーダ23に割り付けた割付情報(パッチデータ)を割付制御部32が有する記憶部に記憶するとともにネットワーク15を通じて他の機器へ出力する。
【0026】
さらに、割付制御部32は、割付情報を割り付けた調光操作卓13とは異なる別の調光操作卓に対し、記憶している割付情報をその別の調光操作卓に適用する機能を有している。
【0027】
さらに、割付制御部32は、照明負荷11の調光レベルに関する情報を取得し、この照明負荷11の調光レベルに関する情報をモニタ31の対応する選択部35に表示させる機能や、調光操作卓13および調光器12から各種情報を取得し、その情報を表示したり、異常がある場合にアラーム表示を表示したり、あるいは伝言情報を表示させる機能を有している。」

(2d)【図1】は次のとおりである。


イ 甲2技術
上記アより、甲2には次の技術的事項(以下「甲2技術」という。)が記載されているものと認める。
「調光操作卓13は、調光操作卓本体21、およびこの調光操作卓本体21内に配置されている調光操作制御部22を有し、
調光操作卓13の調光操作卓本体21には、照明負荷11の調光レベルを調整するための複数のフェーダ23を含む複数の操作部24が設けられ、
調光操作制御部22は、回路制御卓14から各フェーダ23に対応して複数の照明負荷11が割り付けられている割付情報を取得し、記憶し、各フェーダ23が操作されることにより、割付情報に基づいて各フェーダ23に割り付けられている複数の照明負荷11の調光レベルを可変する調光信号を対応する調光器12に対して出力し、
回路制御卓14は、割付制御部32を有しており、割付制御部32は、調光操作卓13の各フェーダ23に対応して照明負荷11を割り付け、各フェーダ23に割り付けた割付情報を割付制御部32が有する記憶部に記憶するとともにネットワーク15を通じて他の機器へ出力するものであり、割付制御部32は、割付情報を割り付けた調光操作卓13とは異なる別の調光操作卓に対し、記憶している割付情報をその別の調光操作卓に適用する機能を有している」技術。

(3)甲3
ア 記載事項
甲3には次の事項が記載されている。
(3a)「【0047】
利用者用端末16は、インターネット12を介して制御サーバ11にアクセス可能であり、データベース29に蓄積されているLED照明管10の履歴情報などを参照できるとともに、制御サーバ11に対してLED照明管10に対する調光指示を送信することもできる。」

(3b)「【0062】
また、利用者用端末16からも、LED26の調光制御をローカルに行うことができる。アプリケーションサーバ28によってインターネット12上に提供されているページに利用者用端末16からログインし、図3(b)に示す画面で「調光設定」を選択すると、図3(f)のような画面が表示される。利用者が、この画面で調光設定を行うと、その設定に応じた調光指示情報37が制御サーバ11に送信される。
【0063】
制御サーバ11は、利用者用端末16から調光指示情報37を受信すると、その指示内容に応じた調光制御情報31を作成し、指示されたLED照明管10に送信する。LED照明管10の制御部20は、その調光制御情報31にしたがってLED26の発光を調光することにより、利用者が利用者用端末16に設定したローカルの設定にしたがった調光制御が実現される。
【0064】
また、制御サーバ11は、利用者用端末16から調光指示情報37を受信したときには、その指示内容にしたがった調光制御情報31の内容を履歴情報としてデータベース29に記録する。
【0065】
したがって、その後、利用者用端末16から入力された調光指示情報37の内容も反映して調光の制御が行われるようになる。つまり、利用者からローカルの調光制御が行われたという状況を学習して、その結果を反映した制御が行われる。
【0066】
また、利用者は、利用者用端末16から、データベース29に蓄積されている履歴情報や管理情報を参照することもできる。アプリケーションサーバ28によってインターネット12上に提供されているページに利用者用端末16からログインし、図3(b)に示す画面で「エコモニター」を選択すると、図3(d)のような画面が表示される。さらに図3(d)において、所望のグラフを選択すると、図3(e)のように選択したグラフが拡大表示される。」

(3c)【図3】は次のとおりである。


イ 認定事項
上記記載事項(3c)の【図3】(a)の「ユーザーログイン」画面に「ID」、「PSW」と記載されており、それぞれ利用者のID、パスワードを示し、それらを入力して利用者を認証してログインすることは技術的に明らかである。そして、同【図3】(b)の「ユーザーTOPページ」画面は、認証後の利用者の操作を受け付けることが技術的に明らかである。

ウ 甲3技術
上記ア、イより、甲3には次の技術的事項(以下「甲3技術」という。)が記載されているものと認める。
「利用者用端末16は、インターネット12を介して制御サーバ11にアクセス可能であり、データベース29に蓄積されているLED照明管10の履歴情報などを参照できるとともに、制御サーバ11に対してLED照明管10に対する調光指示を送信することができ、
アプリケーションサーバ28によってインターネット12上に提供されているページに利用者用端末16の『ユーザーログイン』画面にID、パスワードを入力し、利用者を認証してログインし、
認証後の利用者の操作を受け付ける『ユーザーTOPページ』画面から、『調光設定』を選択し、利用者が、この画面で調光設定を行うと、その設定に応じた調光指示情報37が制御サーバ11に送信され、
制御サーバ11は、利用者用端末16から調光指示情報37を受信したときには、その指示内容にしたがった調光制御情報31の内容を履歴情報としてデータベース29に記録し、
利用者用端末16から入力された調光指示情報37の内容も反映し、利用者からローカルの調光制御が行われたという状況を学習して、その結果を反映した調光の制御が行われるようになる」技術。

2 対比・判断
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
(ア)後者の「照明負荷1」は前者の「照明機器」に相当し、同様に、「調光卓3」及び「自己の調光卓3」は「第1照明制御装置」に、「他の調光卓3」は「第2照明制御装置」に、「調光システム」は「照明システム」にそれぞれ相当する。

(イ)本件発明1の「外部端末」は、具体的には、本件特許明細書の段落【0009】に記載される「外部サーバ」のことであるから、後者の「サーバー4」と、前者の「外部端末」とは「端末」である点において共通するといえる。

(ウ)上記(ア)、(イ)を踏まえると、後者の
「照明負荷1を調光する調光器2と、
前記照明負荷1の明るさを調光制御するための調光制御レベルを調光データとして設定すると共に前記調光器2の制御および前記調光器2や照明負荷1の状態監視を行う調光卓3と」「を備える」
ということは、前者の
「照明機器を制御する第1照明制御装置と」「を具備する」
ということに相当するといえる。

(エ)前者の「前記第1照明制御装置における前記照明機器への操作に基づく操作情報と、前記第1照明制御装置の設定であって、当該操作が行われた際における前記照明機器に対する操作を受け付ける操作部と前記照明機器との対応を示す設定情報とを前記第1照明制御装置から受信し保存する外部端末と」「を具備する」という事項について、「操作情報」も「設定情報」も「照明機器の照明に係る情報」といえるものである。
そして、後者の
「前記調光卓3や前記調光器2の制御操作および前記調光卓3が検出し記憶している前記調光器2や前記調光卓3の状態情報の監視を行うためのクライアントPC5と、
前記クライアントPC5からの制御情報を前記調光卓3に伝えると共に前記調光卓3からの状態情報を前記クライアントPC5へ伝えるサーバー4と、
前記サーバー4と前記クライアントPC5との間の情報伝達を行うネットワーク6と、
を備え」、
「調光卓3で作成した調光データをサーバー4へ送信する送信手段7と、サーバー4に記憶された調光データをダウンロードする受信手段8とを調光卓3に設け、
調光卓3では、予め照明負荷1の調光制御のための調光データを設定したシーンが作成され、その作成された調光データはその調光卓3に記憶されると共に、送信手段7によりサーバー4に送信され、
サーバー4では各々の調光卓3から送信されてきた調光データをシーン毎に保存」
するという事項における、「照明負荷1の調光制御のための調光データ」も、「照明負荷1の照明に係る情報」といえるものである。また、「サーバー4では各々の調光卓3から送信されてきた調光データをシーン毎に保存」するということは、「サーバー4」は当該調光データを受信し保存していることは明らかである。
そうすると、上記(ア)、(イ)も踏まえると、後者の上記事項と、前者の上記事項とは、
「前記第1照明制御装置における前記照明機器の照明に係る情報を前記第1照明制御装置から受信し保存する端末と」「を具備する」
ことにおいて共通するといえる。

(オ)後者の
「読み出し要求のあったシーンの調光データを要求のあった調光卓3へ送信し、
他の調光卓3で既に作成済のシーンを、自己の調光卓3で使用するには、受信手段8によりサーバー4に記憶されたシーンの調光データをダウンロードして読み出す」
ということについて検討すると、「自己の調光卓3」も「他の調光卓3」もそれぞれが作成した「調光データ」を相互に利用できるものであるから、当然、
「読み出し要求のあったシーンの調光データを要求のあった調光卓3へ送信し、
自己の調光卓3で既に作成済のシーンを、他の調光卓3で使用するには、受信手段8によりサーバー4に記憶されたシーンの調光データをダウンロードして読み出す」
という事項も実質的に有しているものである。
そうすると、上記(ア)?(エ)を踏まえると、後者の上記事項と、前者の
「前記外部端末から前記第1照明制御装置の設定情報を受信する第2照明制御装置と」「を具備する」
こととは、
「前記端末から前記第1照明制御装置の照明機器の照明に係る情報を受信する第2照明制御装置と」「を具備する」
ことにおいて共通するといえる。

(カ)以上のことより、本件発明1と甲1発明との一致点、相違点は次のとおりと認める。
〔一致点〕
「照明機器を制御する第1照明制御装置と;
前記第1照明制御装置における前記照明機器の照明に係る情報を前記第1照明制御装置から受信し保存する端末と;
前記端末から前記第1照明制御装置の照明機器の照明に係る情報を受信する第2照明制御装置と;
を具備する照明システム。」

〔相違点1〕
「端末」に関し、本件発明1は、「外部端末」であるのに対し、甲1発明は、「サーバー4」(端末)が外部サーバー(すなわち外部端末)であることの特定がない点。

〔相違点2〕
「照明機器の照明に係る情報」に関し、本件発明1は、「外部端末」が保存する情報が、「前記照明機器への操作に基づく操作情報」と「前記第1照明制御装置の設定であって、当該操作が行われた際における前記照明機器に対する操作を受け付ける操作部と前記照明機器との対応を示す設定情報」であり、「第2照明制御装置」が受信する情報が、「設定情報」であるのに対し、甲1発明は、「サーバー4」(端末)が保存する情報は、「調光データ」であって、照明負荷1(照明機器)への操作に基づく操作情報と、調光卓3(第1照明制御装置)の設定であって、当該操作が行われた際における照明負荷1(照明機器)に対する操作を受け付ける操作部と照明負荷1(照明機器)との対応を示す設定情報であるのか明らかでなく、「他の調光卓3」(第2照明制御装置)がダウンロードして読み出す「調光データ」(上記(オ)参照。)が設定情報であるのかも明らかでない点。

イ 判断
上記相違点について以下検討する。
(ア)相違点1について
情報を保存するサーバーを内部に持つか、あるいは、外部に持つかについては、当業者であれば所望により適宜選択し得たことであり、甲1発明の「サーバー4」(端末)を外部に持たせるようにして、上記相違点1に係る本件発明1の事項を有するものとすることは、当業者にとって容易に想到し得たことである。

(イ)相違点2について
a 甲1発明における「調光データ」については、「調光卓3」において「調光データを設定したシーン」が作成されるものであるが、具体的にどのような手段により作成されるのか特定がない。
そして、「調光データを設定したシーン」は、操作部の操作によらずとも、例えばプログラミングをすること等により作成可能なものであり、特に甲1発明において「予め照明負荷1の調光制御のための調光データを設定したシーンが作成され」るということは、操作部の操作が必要な実際の舞台での上演等によらずに各々のシーン毎に任意に作成することも示唆されているといえる。
そうすると、調光卓は照明機器を操作するための操作部を有していることは技術常識であり、甲1発明の「調光卓3」においても「操作部」を有していることは自明といえたとしても、甲1発明が、上記相違点2に係る本件発明1の「前記照明機器への操作に基づく操作情報」を有するとは直ちにはいえないし、甲1発明の「調光データ」において、照明負荷1(照明機器)への操作に基づく操作情報に変更する動機付けもなく、さらに上記相違点2に係る本件発明1の「前記第1照明制御装置の設定であって、当該操作が行われた際における前記照明機器に対する操作を受け付ける操作部と前記照明機器との対応を示す設定情報」を有するものとすることまでは、甲1の開示内容(特に上記の示唆)からみて当業者であっても容易想到とはいえない。

b ここで、上記甲2技術について検討すると、甲2技術の「照明負荷11」は本件発明1の「照明機器」に相当し、以下同様に、「複数のフェーダ23を含む複数の操作部24」は「操作部」に、「別の調光操作卓」は「第2照明制御装置」にそれぞれ相当する。また、甲2技術の「調光操作卓13」は、その「調光操作卓本体21には、照明負荷11の調光レベルを調整するための複数のフェーダ23を含む複数の操作部24が設けられ」ているものであるから、「照明負荷11」を制御している装置といえるので、本件発明1の「第1照明制御装置」に相当する。
しかしながら、甲2技術は、「調光操作卓13」の「フェーダ23」を操作することで作成した調光レベルのデータを「別の調光操作卓」に適用するものではなく、「別の調光操作卓」に適用するのは、「回路制御卓14」の「割付制御部32」の「調光操作卓13の各フェーダ23に対応して照明負荷11を割り付け、各フェーダ23に割り付けた割付情報」である。
そうすると、甲1発明に甲2技術を適用したとしても、上記相違点2に係る本件発明1の「前記照明機器への操作に基づく操作情報」を「外部端末」に保存するものには至らない。
仮に、甲2技術の「調光操作卓13」と「回路制御卓14」の両者を合わせたものが、本件発明1の「第1照明制御装置」に相当すると解釈したとしても、上記と同様に、「別の調光操作卓」に適用するのは、当該「割付情報」であるので、甲1発明に甲2技術を適用したとしても、上記と同様に、上記相違点2に係る本件発明1の「前記照明機器への操作に基づく操作情報」を「外部端末」に保存するものには至らない。
以上のとおりであるから、甲1発明に甲2技術を適用したとしても、上記相違点2に係る本件発明1の事項を有するものには至らない。

c 申立人は令和3年4月28日付け意見書において、「回路制御卓14は調光操作卓に相当する。」(3頁18?19行)、及び「甲1発明において、甲2記載事項の割付情報を送信・受信することは、当業者にとって容易になし得ることである。その際、回路制御卓14(調光制御卓)から調光制御卓13に割付情報を直接送信する代わりに、回路制御卓14(調光制御卓)からサーバーを介して調光制御卓13に割付情報を送信することは、当業者であれば容易に想到し得たことである。」(4頁1?5行)と主張する(なお、2つめのかっこ書きにおける「調光制御卓13」は「調光操作卓13」の誤記と認め、同様に「(調光制御卓)」も「(調光操作卓)」の誤記と認める。)。
しかしながら、甲2において、「調光操作卓13」と「回路制御卓14」とは別の装置として記載されており(摘記(2b)?(2d)参照。)、申立人がいうような「回路制御卓14」が「調光操作卓」に相当するという認定はできないし、そもそも上記bのとおり、本件発明1の「第1照明制御装置」に相当するのは、甲2技術の「調光操作卓13」であり、同様に、本件発明1の「第2照明制御装置」に相当するのは、甲2技術の「調光操作卓13」ではなく「別の調光操作卓」であるから、本件発明1の「第2照明制御装置」に相当するのは甲2技術の「調光操作卓13」であるかのような申立人の上記主張はその前提において失当である。また、甲2技術の「調光操作卓13」と「回路制御卓14」の両者を合わせたものが、本件発明1の「第1照明制御装置」に相当すると解釈したとしても、本件発明1の「第2照明制御装置」に相当するのは、甲2技術の「別の調光操作卓」であることに変わりはなく、甲2技術を甲1発明に適用したとしても、上記相違点2に係る本件発明1の事項を有するものには至らないことは、上記bで述べたとおりである。
したがって、申立人の上記主張は採用できない。

d なお、取消理由通知において、請求項4、5に対し引用した甲3技術も、上記相違点2に係る本件発明1の事項を開示ないし示唆するものではない。

e よって、本件発明1は、甲1発明及び甲2技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

(2)本件発明2?5について
本件発明2?5は、本件発明1の発明特定事項を全て含み、請求項2?5において特定した事項をさらに付加することにより限定をしたものであるから、上記(1)で示したのと同様の理由により、甲1発明、甲2技術、及び甲3技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

第5-2 理由2について(特許法第36条第6項第2号)
本件訂正により、請求項3が引用する請求項1において、「照明制御装置」と「他の照明制御装置」を、それぞれ「第1照明制御装置」、「第2照明制御装置」と訂正し、それに合わせて請求項3において、「前記照明機器」を「当該第2照明制御装置と対応する照明機器」と訂正したので、各照明制御装置と照明機器との関係が明確となった。
また、本件訂正により、請求項4においても「前記照明制御装置は、前記操作を行うユーザを認証し、認証後のユーザの前記操作を受け付け」を、「前記第1照明制御装置は、前記第1照明制御装置が有する操作部への操作を行うユーザを認証し、認証後のユーザによる前記第1照明制御装置が有する操作部への操作を受け付け」と訂正したので、各照明制御装置と操作部との関係が明確となり、請求項5においても「前記照明制御装置は、前記外部端末から前記認証後のユーザに対応する学習結果に関する情報を取得する」を、「前記第2照明制御装置は、前記外部端末から前記認証後のユーザに対応する学習結果に関する情報を取得する」と訂正したので、各照明制御装置と学習結果に関する情報を取得することの関係が明確となった。
したがって、理由2により、本件発明3?5に係る特許を取り消すことはできない。

第5-3 取消理由通知で採用しなかった異議申立理由について
申立人は、本件発明1?3は、甲1に記載された発明であるとして、特許法第29条第1項第3号に該当する旨主張する。
しかしながら、本件発明1と甲1発明との間には、上記「第5-1 2(1)ア(カ)」で述べた相違点が存在するのであるから、本件発明1は甲1発明であるとはいえない。本件発明1の発明特定事項を全て含み、請求項2?3において特定した事項をさらに付加することにより限定をした本件発明2、3も同様である。
したがって、かかる主張は採用できない。

第6 むすび
以上のとおりであるから、本件発明1?5に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、取り消すことができない。
また、他に本件発明1?5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
照明システム
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スタジオや舞台等では、複数の照明機器により照明演出がなされている。このような照明演出を行う照明システムでは、照明機器を制御する照明制御装置における操作に関する操作情報が照明制御装置に記憶される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-265765号公報
【特許文献2】特開2012-069423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した照明システムにおいては、照明制御装置の制約等により、照明制御装置における操作情報を適切に管理することが難しいという課題がある。例えば、照明制御装置の記憶容量の制約により、十分な操作情報が記憶できない場合がある。
【0005】
本発明は、照明制御装置における操作情報を適切に管理する照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の照明システムは、第1照明制御装置と、外部サーバと、第2照明制御装置とを具備する。照明制御装置は、照明機器を制御する。外部サーバは、第1照明制御装置における照明機器への操作に基づく操作情報と、第1照明制御装置の設定であって、当該操作が行われた際における照明機器に対する操作を受け付ける操作部と照明機器との対応を示す設定情報とを第1照明制御装置から受信し保存する。第2照明制御装置は、外部端末から第1照明制御装置の設定情報を受信する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、照明制御装置における操作情報を適切に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、実施形態に係る照明システムを示す図である。
【図2】図2は、実施形態に係る照明システムを示す図である。
【図3】図3は、実施形態に係る照明制御装置の構成を示す図である。
【図4】図4は、実施形態に係る操作部情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図5】図5は、実施形態に係る調光情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図6】図6は、実施形態に係るクラウドサーバの構成を示す図である。
【図7】図7は、実施形態に係る操作履歴情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【図8】図8は、実施形態に係る照明機器の調光の再現の一例を示すシーケンス図である。
【図9】図9は、変形例に係る照明システムを示す図である。
【図10】図10は、変形例に係る照明制御装置の構成を示す図である。
【図11】図11は、変形例に係るクラウドサーバの構成を示す図である。
【図12】図12は、変形例に係る操作履歴情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下で説明する実施形態及び変形例に係る照明システム1、1Aは、照明機器10を制御する照明制御装置30、30Aと、照明制御装置30、30Aにおける照明機器10への操作に基づく操作情報を保存する外部サーバ(実施形態及び変形例においては「クラウドサーバ70、70A」)とを具備する。
【0010】
また、以下で説明する実施形態及び変形例に係る照明システム1、1Aにおいて、外部サーバは、操作情報として、段階的な照明機器10の状態の制御において操作される操作部への操作に関する情報を保存する。
【0011】
また、以下で説明する実施形態及び変形例に係る照明システム1、1Aにおいて、照明制御装置30、30Aは、外部サーバから取得した操作情報に基づいて照明機器10への操作を再現する。
【0012】
また、以下で説明する変形例に係る照明システム1Aにおいて、照明制御装置30Aは、操作を行うユーザを認証し、認証後のユーザの操作を受け付ける。外部サーバは、認証後のユーザ毎に操作情報を保存する。
【0013】
また、以下で説明する変形例に係る照明システム1Aにおいて、外部サーバは、認証後のユーザに操作情報に基づいて当該ユーザの操作に関する学習する。照明制御装置30Aは、外部サーバから認証後のユーザに対応する学習結果に関する情報を取得する。
【0014】
[実施形態]
まず、本発明の実施形態に係る照明システム1を図面に基づいて説明する。図1及び図2は、実施形態に係る照明システムを示す図である。具体的には、図1では、照明システム1において、照明制御装置30において所定の操作者OP1が行った操作に関する操作情報を収集し、外部サーバであるクラウドサーバ70に保存する例を示す。また、図2は、照明システム1において、クラウドサーバ70から操作履歴情報(以下、「履歴情報」とする)を取得した照明制御装置30において、履歴情報に基づく調光を再現する例を示す。
【0015】
[照明システムの構成]
照明システム1は、第1照明機器10Aと、第2照明機器10Bと、ノード20と、照明制御装置30と、調光盤40と、監視装置50と、端末装置60と、クラウドサーバ70とを具備する。以下では、第1照明機器10Aと第2照明機器10Bについて、特に区別なく説明する場合には、照明機器10と記載する。
【0016】
また、図1に示す照明システム1において、ノード20と、照明制御装置30と、調光盤40と、監視装置50とは、例えばイーサネット(登録商標)等による所定のネットワークNT1により通信可能に接続されるものとする。なお、ネットワークNT1は、照明システム1の導入先となるスタジオや劇場等の施設で使用されるLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)であってもよいし、インターネットであってもよい。
【0017】
第1照明機器10Aは、例えばLED(Light Emitting Diodes)等の半導体発光素子を光源とする照明機器10である。例えば、第1照明機器10Aは、バトン(図示省略)等により所定の位置に吊り下げられたり、所定の位置に置かれたりして用いられる。また、例えば、第1照明機器10Aは、照明制御装置30からノード20を経由して送信される制御情報に従って、明るさ、範囲、色彩等を変化させることで、スタジオや舞台等の照明演出を行う。また、第1照明機器10Aは、所定の通信プロトコル、例えばDMX規格に従った通信プロトコルや、DMXを拡張したRDM(Remote Device Management)規格に沿った通信方式LN1により、ノード20と双方向通信が可能である。
【0018】
第2照明機器10Bは、例えばハロゲンランプ等を光源とする照明機器10である。例えば、第2照明機器10Bは、バトン等により所定の位置に吊り下げられたり、所定の位置に置かれたりして用いられる。
【0019】
ノード20は、例えばDMXノードやRDMノードと称され、第1照明機器10Aを接続する装置である。すなわち、ノード20は、所定の通信プロトコル、例えばDMX規格に従った通信プロトコルや、DMXを拡張したRDM規格に沿った通信方式により、第1照明機器10Aと双方向通信が可能である。また、ノード20は、照明制御装置30と双方向通信が可能である。また、ノード20は、DMX規格やRDM規格等に従って、照明制御装置30から送信される制御情報を第1照明機器10Aに送信する。
【0020】
照明制御装置30は、各照明機器10に対して制御を行う操作者による操作を受付ける。例えば、照明制御装置30は、調光卓と称される装置である。照明制御装置30は、操作者による操作等に応じて、各照明機器10の調光等を制御する情報(信号)をノード20や調光盤40に送信する。
【0021】
調光盤40は、所定の送電ケーブルLN2により第2照明機器10Bに電力を供給する。また、調光盤40は、位相制御式の調光制御方式により第2照明機器10Bの調光を制御する。例えば、調光盤40は、照明制御装置30から制御内容を示す制御信号(又は、制御情報)を受信すると、制御信号(又は制御情報)に応じて、第2照明機器10Bに供給する電源電圧を変動させることにより、第2照明機器10Bの調光を制御する。例えば、調光盤40は、照明制御装置30から制御信報を受信すると、第2照明機器10Bの調光レベルに応じて、各第2照明機器10Bに印加する電圧を、例えば0V?100Vで調整して出力する。また、例えば、調光盤40には各第2照明機器10B用の位相制御式の調光器が設けられており、照明制御装置30からの制御信号に応じた各調光器の制御により、各調光器に対応した第2照明機器10Bが一括して調光制御されてもよい。
【0022】
監視装置50は、照明システム1の導入先に設けられ、ノード20や照明制御装置30や調光盤40等の動作を監視する装置である。例えば、監視装置50は、ノード20や照明制御装置30や調光盤40の動作を監視してもよい。また、照明システム1の導入先における管理者等は、監視装置50と所定のネットワークNT2により通信可能な端末装置60により、照明システム1の動作状況を確認してもよい。なお、ネットワークNT1とネットワークNT2とは共通のネットワークであってもよい。
【0023】
クラウドサーバ70は、照明システム1の導入先から遠隔にあるサービス提供者側の所定の地点に設けられる装置である。具体的には、クラウドサーバ70は、照明制御装置30における照明機器10への操作に基づく操作情報を保存する外部サーバである。また、クラウドサーバ70は、監視装置50と所定のネットワークNT3により双方向通信が可能である。例えば、ネットワークNT3は、専用通信回線や仮想プライベートネットワーク(Virtual Private Network)であってもよいし、インターネットであってもよい。また、クラウドサーバ70は、監視装置50が収集した情報を取得し保有する。クラウドサーバ70は、管理端末80A、及びタブレット端末やスマートフォン等の携帯端末80Bと所定のネットワークNT4により通信可能である。また、サービス提供者側の管理者A1は、管理端末80Aや携帯端末80B等により、クラウドサーバ70に収集された情報を確認し管理する。
【0024】
[照明システムにおける処理例]
まず、図1を用いて照明システム1における照明機器10の接続関係について説明する。図1に示すように、第1照明機器10Aは、電力供給のために用いるプラグPG11をコンセント装置JC11の電力供給用のジャックPS11に接続する(ステップS11)。これにより、第1照明機器10Aには、例えば商用電源CPから電力が供給される。なお、第1照明機器10Aには、調光盤40等から電力が供給されてもよい。また、第1照明機器10Aは、情報の送受信のために用いるプラグPG12をコンセント装置JC11の情報送受信用のジャックJC11-1に接続する(ステップS12)。これにより、第1照明機器10Aには、ノード20を介して照明制御装置30との情報の送受信が可能となる。
【0025】
また、第2照明機器10Bは、プラグPG21をコンセントCN20-1のジャックJC21に接続する(ステップS13)。これにより、第2照明機器10Bには、調光盤40からの電源電圧が供給される。また、コンセントCN20-1は、ネットワークNT1により照明制御装置30と情報の送受信が可能であってもよい。例えば、コンセントCN20-1には、NFCタグの情報を読み出し可能なNFCリーダライタが設けられてもよい。この場合、コンセントCN20-1のNFCリーダライタは、プラグPG21に設けられたNFCタグの情報を読み出して照明制御装置30へ送信してもよい。なお、図1に示すステップS11?S13は、説明のための順序であり、例えば、ステップS13における第2照明機器10Bの接続は、ステップS11及びS12における第1照明機器10Aの接続よりも前に行われてもよい。
【0026】
また、照明制御装置30は、操作者OP1による操作部34(図3参照)への操作に応じて、ノード20を経由して制御情報を第1照明機器10Aへ送信する(ステップS14)。例えば、照明制御装置30は、操作者OP1による操作部34のフェーダ34-1(図3参照)への操作に応じた制御情報を第1照明機器10Aへ送信する。ノード20を経由して照明制御装置30から制御情報を受信した第1照明機器10Aは、制御情報に従って、調光を制御する(ステップS15)。具体的には、第1照明機器10Aは、制御情報に従って、明るさ、範囲、色彩等を変化させる。
【0027】
また、照明制御装置30は、操作者OP1による操作部34への操作に応じて、調光盤40へ第2照明機器10Bを制御するための制御信号を送信する(ステップS16)。例えば、照明制御装置30は、操作者OP1による操作部34のフェーダ34-2(図3参照)への操作に応じた制御信号を調光盤40へ送信する。照明制御装置30から制御信号を受信した調光盤40は、対応する第2照明機器10Bへ電圧信号を送る(ステップS17)。また、第2照明機器10Bは、調光盤40からの電圧信号により、調光を制御する(ステップS18)。なお、図1に示すステップS14?S17は、説明のための順序であり、例えば、ステップS16における制御信号の送信は、ステップS14における制御情報の送信よりも前に行われてもよい。
【0028】
また、照明制御装置30は、ステップS14?S18において照明機器10に行った調光制御に関する操作情報をクラウドサーバ70へ送信する(ステップS19)。例えば、照明制御装置30は、操作部34における操作に関するアナログのレベル値等の情報をクラウドサーバ70へ送信する。なお、上記例においては説明のために、ステップS19において、照明制御装置30がクラウドサーバ70へ操作情報を送信する場合を示すが、照明制御装置30は、操作者OP1による操作部34への操作が行わる度に、随時クラウドサーバ70へ操作情報を送信してもよい。また、照明制御装置30は、第1照明機器10Aや第2照明機器10B(コンセントCN20-1)等から制御結果に関する情報を受信し、その情報も操作情報としてクラウドサーバ70へ送信してもよい。
【0029】
ここで、操作情報の内容としては、操作対象となったフェーダやサブマスタ(SM)等のレベル値、制御対象となる照明機器のDMXアドレス、照明機器に設定された照度や色彩等、操作対象又は制御対象と関連する任意の情報が操作情報としてクラウドサーバ70へ送信される。また、操作情報には、例えば、シーン、キュー(CUE)、サブマスタ(SM)等、複数の照明装置を同時に制御するための情報が含まれていてもよい。例えば、照明制御装置30は、操作者OP01によって所定のシーンを再現するボタンが押下された場合は、かかるボタンを識別する情報、制御対象となる照明機器のDMXアドレス、各照明機器に対して設定される照明の照度や色彩等を対応付けた調光情報を操作情報としてクラウドサーバ70へ送信してもよい。また、照明制御装置30は、操作者OP01によってサブマスタフェーダが操作された場合は、サブマスタフェーダのレベル、制御対象となる照明機器のDMXアドレス、各照明機器に対して設定される照明の照度や色彩等を対応付けた調光情報を操作情報としてクラウドサーバ70へ送信してもよい。すなわち、照明制御装置30は、シーンやキュー(CUE)やサブマスタ(SM)等を操作した際に複数の照明機器を制御するための調光情報と、フェーダ等の操作対象を示す情報とともにクラウドサーバ70へ送信してもよい。
【0030】
照明制御装置30から操作情報を受信したクラウドサーバ70は、受信した操作情報を保存する(ステップS20)。これにより、照明システム1は、クラウドサーバ70に保存された操作情報を操作履歴情報(履歴情報)として読み出し可能となる。
【0031】
次に、図2を用いて照明システム1における履歴情報に基づく調光の再現について説明する。図2に示すように、照明制御装置30において、操作者OP1は、クラウドサーバ70に履歴情報を要求する(ステップS21)。図2の例では、操作者OP1は、クラウドサーバ70にステップS19において送信した操作情報(履歴情報)を要求するものとして、以下説明する。
【0032】
照明制御装置30から履歴情報の要求を受け付けたクラウドサーバ70は、要求に対応する履歴情報を抽出する(ステップS22)。例えば、クラウドサーバ70は、ステップS20で保存した履歴情報を、照明制御装置30からの要求に対応する履歴情報として抽出する。その後、クラウドサーバ70は、ステップS22において抽出した履歴情報を照明制御装置30へ送信する(ステップS23)。
【0033】
クラウドサーバ70から送信された履歴情報を照明制御装置30が受信した後、操作者OP1は、照明制御装置30において操作を再現する(ステップS24)。なお、ここでいう、操作の再現とは、受信した履歴情報を参照しつつ操作者OP1が操作部34を操作することにより行われてもよいし、受信した履歴情報に基づいて照明制御装置30が自動で行ってもよい。例えば、照明制御装置30は、図1中のステップS14?S18において照明機器10に行った調光制御を再現することができる。
【0034】
図2の例で、照明制御装置30は、履歴情報に基づいて、ノード20を経由して制御情報を第1照明機器10Aへ送信する(ステップS25)。例えば、照明制御装置30は、図1中のステップS14における制御情報と同様の制御情報を第1照明機器10Aへ送信する。ノード20を経由して照明制御装置30から制御情報を受信した第1照明機器10Aは、制御情報に従って、調光を制御する(ステップS26)。例えば、第1照明機器10Aは、図1中のステップS15において行った調光制御と同様の調光制御を行うことにより、明るさ、範囲、色彩等を変化させる。
【0035】
また、照明制御装置30は、履歴情報に基づいて、調光盤40へ第2照明機器10Bを制御するための制御信号を送信する(ステップS27)。例えば、照明制御装置30は、図1中のステップS16における制御信号と同様の制御信号を調光盤40へ送信する。照明制御装置30から制御信号を受信した調光盤40は、対応する第2照明機器10Bへ電圧信号を送る(ステップS28)。また、第2照明機器10Bは、調光盤40からの電圧信号により、調光を制御する(ステップS29)。例えば、第2照明機器10Bは、図1中のステップS18において行った調光制御と同様の調光制御を行うことにより、明るさ、範囲、色彩等を変化させる。
【0036】
このように、照明制御装置30は、照明機器10に行った調光制御に関する操作情報をクラウドサーバ70に保存し、保存した履歴情報をクラウドサーバ70から取得することにより、過去に行った調光制御を再現することができる。照明システム1は、操作者OP1の操作情報を保存することにより、照明システム1において不具合等が発生した場合に、保存した操作情報を用いることにより、故障解析が容易になる。このように、照明システム1は、照明制御装置30における操作情報を適切に管理することができる。
【0037】
例えば、舞台やスタジオでの照明制御においては、複数の操作者OP01が同一の照明制御を行おうとしても、各操作者OP01の熟練度によりそれぞれ異なる雰囲気になりうる。また、操作者OP01によっては、舞台やスタジオの状態に応じて、シーンやキューとして設定された照明態様をその場で、すなわちアドリブで編集する場合も考えられる。このため、シーン、キュー、もしくはマスタフェーダの設定のみでは、照明態様を正確に再現することが困難となる。そこで、情報制御装置30は、照明機器の制御内容と共に操作部34の操作内容を履歴情報としてクラウドサーバ70に保持させ、クラウドサーバ70が保持した履歴情報を用いて照明機器の制御を行うことで、照明態様の正確な再現を実現することができる。
【0038】
[照明制御装置の構成例]
次に、図3を用いて、実施形態に係る照明制御装置30の構成について説明する。図3は、実施形態に係る照明制御装置の構成を示す図である。図3に示すように、照明制御装置30は、通信部31と、記憶部32と、表示部33と、操作部34と、制御部35とを有する。
【0039】
通信部31は、照明機器10やノード20や調光盤40や監視装置50等との間の通信を制御する機能を有し、例えば、NIC等により実現される。
【0040】
記憶部32は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部32は、図3に示すように、操作部情報記憶部32-1と、調光情報記憶部32-2とを有する。
【0041】
操作部情報記憶部32-1には、操作部34が有する複数のフェーダ34-1?34-3等と制御アドレス(対象アドレス)との対応が記憶される。ここで、制御アドレスについて説明する。照明機器10には、1つまたは複数の制御アドレスが予め設定されており、その制御アドレスを用いた制御に従って、照度、照明する光の色彩、照明する向き等の制御対象を変更する。すなわち、照明機器10には、制御対象のそれぞれに対して異なる制御アドレスが設定されており、自装置に設定された制御アドレスを示す制御信号を受信した場合は、その制御アドレスが示す制御対象を、受信した制御信号に従って制御態様を変更する。なお、照明機器10の制御対象としては、赤、青、緑、シアン、白(R:Red,G:Green,B:Blue,C:Cyan,W:Whyte)といった照明する光の色彩や、照度(Intensity)、照明する位置や照明装置10自体の位置を移動させる移動(Moving)等が採用される。各制御アドレスに対応するフェーダ34-1?34-3等は、照明機器10の制御対象に対応付けられる。
【0042】
例えば、図4は、実施形態に係る操作部情報記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。図4に示す例では、操作部情報記憶部32-1には、各フェーダ34-1?34-3を識別する操作部IDと制御アドレスとが対応付けて登録されている。例えば、図4に示す例では、各操作部ID「34-1」?「34-2」等に制御アドレス「AD1」?「AD2」等が対応付けて登録されている。
【0043】
なお、図4に示す例では、対応付けられた操作部IDと制御アドレスとに異なる値が設定されていたが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、1つの操作部IDに対して複数の制御アドレスを対応付けることにより、複数の制御アドレスに対して共通の制御信号を与えてもよい。このような対応付けを行った場合は、例えば、一つのフェーダにより複数の照明機器10を同時に制御することができる。
【0044】
また、調光情報記憶部32-2には、例えばシーンやキュー(CUE)やサブマスタ(SM)等と称される調光情報が記憶される。例えば、図5は、実施形態に係る調光情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。図5に示す例では、調光情報記憶部32-2には、各調光情報を識別する調光IDと対応する調光情報において制御される照明機器10の制御対象に対応する制御アドレス等が記憶されている。なお、図5では、図示することは省略するが、調光情報には、照明機器10の制御対象に対する具体的な制御内容を示す情報が含まれる。例えば、調光情報には、制御アドレス「AD1」に対応付けられた照明機器10の制御対象を出力50%にすることや、照明する光の色彩を示す色情報、色をどのように変化させること等、照明機器10に対して設定する各種の情報が含まれる。
【0045】
図3に戻り説明を続ける。表示部33は、例えば、液晶モニタ等により実現され、各種情報を表示する。表示部33は、後述する制御部35による制御に従い、照明制御装置30が収集した情報を表示する。
【0046】
操作部34は、各照明機器10に対する操作を受付けるものである。例えば、複数のフェーダ34-1?34-3等を有する。各フェーダ34-1?34-3等は、例えば各照明機器10の照度、色彩、照明する向き、動き等の操作を受付けるスライダである。なお、操作部34はタッチパネル等を利用して構成することもできる。また、操作部34は、各調光情報を対応付けるボタンやスイッチ等を有してもよい。
【0047】
制御部35は、各種の処理手順などを規定したプログラム及び所要データを記憶するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行するが、特に本発明に密接に関連するものとしては、受信部35-1、送信部35-2、及び操作制御部35-3を有する。
【0048】
受信部35-1は、外部からの各種情報を受信する。例えば、受信部35-1は、クラウドサーバ70から履歴情報を受信する。また、例えば、受信部35-1は、第1照明機器10Aから機器情報を受信してもよい。
【0049】
送信部35-2は、各種情報を送信する。例えば、送信部35-2は、第1照明機器10Aに制御情報を送信する。また、例えば、送信部35-2は、調光盤40に制御信号を送信する。また、送信部35-2は、クラウドサーバ70へ操作情報を送信する。
【0050】
操作制御部35-3は、操作者OP1がフェーダ34-1?34-3等を操作した場合、操作されたフェーダ34-1?34-3等の操作部IDと対応する制御アドレス(対象アドレス)を操作部情報記憶部32-1から取得し、取得した制御アドレスを含む制御情報を出力することで、操作されたフェーダ34-1?34-3等と対応する照明機器10の制御を行う。
【0051】
例えば、操作制御部35-3は、フェーダID「34-1」であるフェーダ34-1を操作者OP1が操作した場合は、フェーダID「34-1」と対応付けられた制御アドレス「AD1」に対応する照明機器10の制御対象が操作される。
【0052】
[クラウドサーバの構成例]
次に、図6を用いて、実施形態に係るクラウドサーバ70の構成について説明する。図6は、実施形態に係るクラウドサーバの構成を示す図である。図6に示すように、クラウドサーバ70は、通信部71と、記憶部72と、制御部73とを有する。
【0053】
通信部71は、照明システム1における導入先の各装置(例えば照明制御装置30や監視装置50等)との間の通信を制御する機能を有し、例えば、NIC等により実現される。
【0054】
記憶部72は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。実施形態に係る記憶部72は、図6に示すように、操作履歴情報記憶部72-1を有する。
【0055】
操作履歴情報記憶部72-1には、照明システム1の照明制御装置30において行われた調光制御に関する操作情報が記憶される。
【0056】
例えば、図7は、実施形態に係る操作履歴情報記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。図7に示す例では、操作履歴情報記憶部72-1には、履歴IDと操作情報とが対応付けて登録されている。履歴IDは、取得した操作情報を識別するための情報である。例えば、図7に示す例では、各履歴ID「LG1」?「LG2」等の各々に操作情報が対応付けられて、履歴情報として登録されている。例えば、図7に示す例では、履歴情報には、操作対象や操作開始時刻等の情報が含まれる。
【0057】
例えば、履歴ID「LG1」により識別される履歴情報には、操作開始時刻「T1」に調光情報「M1」による調光制御(例えば、図5に示した調光ID「M1」と対応する調光情報による制御)が開始されたことや、操作開始時刻「T2」に制御アドレス「AD1」に対応付けられた照明機器10の制御対象に対する調光制御が開始されたことを示す履歴情報が含まれる。なお、図7では、図示することは省略するが、履歴情報には、照明制御装置30から取得した情報であればどのような情報が含まれてもよい。例えば、履歴情報には、照明機器10の制御対象に対する具体的な制御内容を示す情報が含まれる。例えば、履歴情報には、制御アドレス「AD1」に対応付けられた照明機器10の制御対象を出力50%にすることや、色を変化させること等を示す情報が含まれてもよい。
【0058】
図6に戻り説明を続ける。制御部73は、各種の処理手順などを規定したプログラム及び所要データを記憶するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行するが、特に本発明に密接に関連するものとしては、受信部73-1、抽出部73-2、及び送信部73-3を有する。
【0059】
受信部73-1は、外部からの各種情報を受信する。例えば、受信部73-1は、照明制御装置30から操作情報を受信する。また、例えば、受信部73-1は、受信した操作情報を操作履歴情報記憶部72-1に記憶する。また、受信部73-1は、照明制御装置30から履歴情報の要求を受信する。
【0060】
抽出部73-2は、受信部73-1が受信した要求に応じて、操作履歴情報記憶部72-1から履歴情報を抽出する。例えば、抽出部73-2は、要求に対応する履歴IDに基づいて、操作履歴情報記憶部72-1から履歴情報を抽出する。例えば、抽出部73-2は、日付が指定された要求に応じて、対応する日付の操作開始時の操作が含まれる履歴情報を操作履歴情報記憶部72-1から抽出する。
【0061】
送信部73-3は、各種情報を送信する。例えば、送信部73-3は、抽出部73-2により抽出された履歴情報を照明制御装置30へ送信する。
【0062】
[照明機器の調光の再現]
次に、照明機器の調光の再現の一例を示す図である。図8は、実施形態に係る照明機器の調光の再現の一例を示すシーケンス図である。
【0063】
まず、照明制御装置30において操作者OP1は、照明機器10の調光を操作する(ステップS101)。例えば、操作者OP1は、照明制御装置30における操作部34のフェーダ34-1?34-3等を操作することにより、照明機器10の調光を制御する。
【0064】
その後、照明制御装置30は、操作情報をクラウドサーバ70へ送信する(ステップS102)。例えば、照明制御装置30は、操作者OP1による指示に応じて操作情報をクラウドサーバ70へ送信する。
【0065】
操作情報を受信したクラウドサーバ70は、操作情報を履歴情報として保存する(ステップS103)。例えば、クラウドサーバ70は、受信した操作情報を履歴情報として操作履歴情報記憶部72-1に記憶する。
【0066】
その後、照明制御装置30は、情報の要求をクラウドサーバ70へ送信する(ステップS104)。例えば、照明制御装置30は、操作者OP1による指示に応じてクラウドサーバ70へステップS102において送信した操作情報に対応する履歴情報の要求を送信する。
【0067】
情報の要求を受信したクラウドサーバ70は、要求に応じた履歴情報を抽出し、抽出した履歴情報を照明制御装置30へ送信する(ステップS105)。例えば、クラウドサーバ70は、ステップS103において保存した履歴情報を照明制御装置30へ送信する。
【0068】
履歴情報を受信した照明制御装置30は、受信した履歴情報に基づいて照明機器10の調光を再現する(ステップS106)。例えば、照明制御装置30は、ステップS101において行われた調光制御を再現する。
【0069】
[変形例]
なお、照明システムは、操作者を認証する機能を有してもよい。この点について、図9?図12を用いて説明する。なお、実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。具体的には、図9では、照明システム1Aにおいて、所定の操作者OP1が照明制御装置30A-1において行った操作に関する操作情報を、他の照明制御装置30A-3において利用する例を示す。
【0070】
[照明システムの構成]
照明システム1Aは、複数の照明制御装置30A-1?30A-3等とクラウドサーバ70Aとを具備する。以下では、照明制御装置30A-1?30A-3等について、特に区別なく説明する場合には、照明制御装置30Aと記載する。なお、照明システム1Aは、照明制御装置30Aに対応する照明機器やノード20や調光盤40や監視装置50や端末装置60等を具備するが、図示を省略する。
【0071】
照明制御装置30Aは、操作者の認証を受け付ける。また、照明制御装置30Aは、各照明機器10に対して制御を行う操作者による操作を受付ける。例えば、照明制御装置30Aは、調光卓と称される装置である。照明制御装置30Aは、操作者による操作等に応じて、各照明機器10の調光等を制御する情報(信号)をノード20や調光盤40に送信する。
【0072】
また、照明制御装置30A-1は、クラウドサーバ70Aと所定のネットワークNT11により双方向通信が可能である。また、照明制御装置30A-2は、クラウドサーバ70Aと所定のネットワークNT12により双方向通信が可能である。また、照明制御装置30A-3は、クラウドサーバ70Aと所定のネットワークNT13により双方向通信が可能である。例えば、ネットワークNT11?NT13は、専用通信回線や仮想プライベートネットワーク(Virtual Private Network)であってもよいし、インターネットであってもよい。また、各照明制御装置30Aは、同じ導入先において使用される照明制御装置30Aであってもよいし、異なる導入先において使用される照明制御装置30Aであってもよい。例えば、照明制御装置30A-1?30A-3が同じ導入先において使用される場合、ネットワークNT11?NT13は共通のネットワークであってもよい。
【0073】
クラウドサーバ70Aは、照明システム1Aの導入先から遠隔にあるサービス提供者側の所定の地点に設けられる装置である。具体的には、クラウドサーバ70Aは、照明制御装置30Aにおける照明機器10への操作に基づく操作情報を保存する外部サーバである。
【0074】
[照明システムにおける処理例]
まず、操作者OP1は、照明制御装置30A-1において操作者に関する認証(以下、「操作者認証」とする場合がある)を受ける(ステップS31)。これにより、照明制御装置30A-1は、入力される操作を操作者OP1の操作として受け付ける。なお、操作者認証は、例えば、パスワードを入力することにより行われてもよいし、指紋等の所定の生体情報に基づいて行われてもよい。
【0075】
その後、照明制御装置30A-1は、操作者OP1が行った操作情報(以下、「操作情報LG11」とする)をネットワークNT11を経由して、クラウドサーバ70Aへ送信する(ステップS32)。このとき、照明制御装置30A-1は、操作情報LG11に関する操作を行った操作者が操作者OP1であることを示す情報も送信する。
【0076】
照明制御装置30A-1から操作情報を受信したクラウドサーバ70Aは、受信した操作情報を保存する(ステップS33)。例えば、クラウドサーバ70Aは、操作情報LG11を操作者OP1が行った操作に関する情報として保存する。これにより、照明システム1Aは、クラウドサーバ70Aに保存された操作履歴情報(履歴情報)を操作者OP1が行った操作に関する情報として読み出し可能となる。
【0077】
ここから、操作者OP1が照明制御装置30A-1から他の照明制御装置30Aへ移動した場合を例に以下説明する。操作者OP1は照明制御装置30A-1から照明制御装置30A-3へ移動する(ステップS34)。
【0078】
そして、操作者OP1は、照明制御装置30A-3において操作者認証を受ける(ステップS35)。これにより、照明制御装置30A-3は、入力される操作を操作者OP1の操作として受け付ける。
【0079】
その後、照明制御装置30A-3は、ネットワークNT13を経由して、操作者OP1が行った操作に関する操作情報(履歴情報)を要求する(ステップS36)。図9では、照明制御装置30A-3は、操作者OP1が照明制御装置30A-1において行った操作に関する操作情報LG11を要求する。例えば、照明制御装置30A-3は、操作者OP1による指示に応じて、操作者OP1が行った操作に関する操作情報(履歴情報)を要求する。
【0080】
照明制御装置30A-3から操作情報(履歴情報)の要求を受け付けたクラウドサーバ70Aは、要求に対応する操作情報(履歴情報)を抽出する(ステップS37)。例えば、クラウドサーバ70Aは、ステップS33で保存した操作情報LG11を、照明制御装置30A-3からの要求に対応する操作情報(履歴情報)として抽出する。その後、クラウドサーバ70Aは、ステップS37において抽出した履歴情報を照明制御装置30A-3へ送信する(ステップS38)。
【0081】
クラウドサーバ70Aから送信された操作情報LG11を照明制御装置30A-3が受信した後、操作者OP1は、照明制御装置30A-3において操作を再現する(ステップS39)。
【0082】
このように、照明システム1Aにおいては、各照明制御装置30Aは、操作者の認証機能を有する。これにより、各照明制御装置30Aは、操作を行った操作者を判別可能となる。また、各照明制御装置30Aは、操作者OP1が照明機器10に行った調光制御に関する操作情報を操作者OP1と対応付けてクラウドサーバ70Aに保存する。これにより、照明システム1Aにおける操作者OP1は、使用する照明制御装置30Aにおいてクラウドサーバ70から操作情報(履歴情報)を取得することにより、他の照明制御装置30Aにおいて過去に行った調光制御を再現することができる。
【0083】
なお、照明システム1Aは、操作者OP01が照明制御装置30A-1に対して行った各種の設定を履歴情報としてクラウドサーバ70Aに保持させてもよい。例えば、照明システム1Aは、操作者OP01がどのフェーダにどのDMXアドレスを対応付けたか、どのフェーダにどの照明機器を対応付けたか、どのマスタフェーダにどの照明機器を対応付けたか、どのようなキュー又はシーンを設定したか等をクラウドサーバ70Aに保持させてもよい。このような情報をクラウドサーバ70Aに保持させた場合、照明システム1Aは、照明制御装置30A-1と同様の設定内容を照明制御装置30A-3に履歴情報として送信し、照明制御装置30A-3に設定を反映させる。この結果、操作者OP01は、移動先となるスタジオや舞台で設定を再度行わずとも、移動元となるスタジオや舞台と同様の操作により、照明態様を再現することができる。
【0084】
また、照明システム1Aは、操作情報と操作を行った操作者とを対応付けて保存することにより、照明システム1Aにおいて不具合等が発生した場合に、どの操作者の操作が不具合等の原因かの判別が容易になる。すなわち、照明システム1Aは、照明制御装置30における操作情報を適切に管理することができる。なお、操作者と対応付けてクラウドサーバ70Aに保存する情報は、操作情報に限らず、目的に応じて種々の情報であってもよい。例えば、操作者と対応付けてクラウドサーバ70Aに保存する情報は、フェーダ34-1?34-3等への制御アドレスの割当て等の情報であってもよい。
【0085】
また、クラウドサーバ70Aは、操作情報と操作を行った操作者とを対応付けに基づいて、認証後のユーザに操作情報に基づいてユーザの操作に関する学習を行ってもよい。例えば、クラウドサーバ70Aは、認証後のユーザに操作情報に基づいて、ユーザの操作に適した操作部34への制御アドレス等の割当に関する学習を行ってもよい。また、各照明制御装置30Aは、クラウドサーバ70Aから認証後のユーザに対応する学習結果に関する情報を取得してもよい。これにより、各照明制御装置30Aは、クラウドサーバ70Aにおける学習結果に基づいて、ユーザに適した設定を行うことが可能となる。
【0086】
[照明制御装置の構成例]
次に、図10を用いて、変形例に係る照明制御装置30Aの構成について説明する。図10は、変形例に係る照明制御装置の構成を示す図である。図10に示すように、照明制御装置30Aは、通信部31と、記憶部32と、表示部33と、操作部34と、制御部35とを有する。変形例に係る照明制御装置30Aは、制御部35に認証部35-4を有する点において、照明制御装置30と相違する。
【0087】
認証部35-3は、照明制御装置30Aを利用する操作者を認証する。例えば、認証部35-3は、パスワードや指紋等の所定の生体情報により照明制御装置30Aを利用する操作者を認証する。例えば、認証部35-3がパスワードにより操作者を認証する場合、照明制御装置30Aは、記憶部32に各操作者に対応するパスワードを記憶してもよい。なお、照明システム1Aが、ネットワークNT11?NT13等を経由してクラウドサーバ70Aにおいて操作者の認証を行う場合、照明制御装置30Aは、認証部35-3を有しなくてもよい。
【0088】
[クラウドサーバの構成例]
次に、図11を用いて、変形例に係るクラウドサーバ70Aの構成について説明する。図11は、変形例に係るクラウドサーバの構成を示す図である。図11に示すように、クラウドサーバ70Aは、通信部71と、記憶部72と、制御部73とを有する。変形例に係るクラウドサーバ70Aは、記憶部72の操作履歴情報記憶部72-1Aに操作者に関する情報を記憶する点において、クラウドサーバ70と相違する。
【0089】
変形例に係る記憶部72は、操作履歴情報記憶部72-1Aを有する。操作履歴情報記憶部72-1Aには、照明システム1Aの照明制御装置30Aにおいて行われた調光制御に関する操作情報がその操作を行った操作者と対応付けて記憶される。
【0090】
例えば、図12は、変形例に係る操作履歴情報記憶部に記憶された情報の一例を示す図である。図12に示す例では、操作履歴情報記憶部72-1Aには、履歴IDと操作情報とが対応付けて登録されている。履歴IDは、取得した操作情報を識別するための情報である。例えば、図12に示す例では、各履歴ID「LG11」?「LG12」等の各々に操作情報が対応付けられて、履歴情報として登録されている。例えば、図12に示す例では、履歴情報には、操作対象や操作開始時刻等の情報が含まれる。例えば、履歴ID「LG11」により識別される履歴情報に関する操作は、操作者ID「OP1」により識別される操作者により行われたことを示す。このように、操作履歴情報記憶部72-1Aには、履歴情報が対応する操作を行った操作者に対応付けて記憶される。
【0091】
本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これらの実施形態及び変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態や変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。また、この実施形態や変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0092】
1 照明システム
10A 第1照明機器
10B 第2照明機器
20 ノード
30 照明制御装置
40 調光盤
50 監視装置
60 端末装置
70 クラウドサーバ(外部サーバ)
80A 管理端末
80B 携帯端末
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明機器を制御する第1照明制御装置と;
前記第1照明制御装置における前記照明機器への操作に基づく操作情報と、前記第1照明制御装置の設定であって、当該操作が行われた際における前記照明機器に対する操作を受け付ける操作部と前記照明機器との対応を示す設定情報とを前記第1照明制御装置から受信し保存する外部端末と;
前記外部端末から前記第1照明制御装置の設定情報を受信する第2照明制御装置と;
を具備することを特徴とする照明システム。
【請求項2】
前記外部端末は、前記操作情報として、段階的な前記照明機器の状態の制御において操作される操作部への操作に関する情報を保存する
ことを特徴とする請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記第2照明制御装置は、前記外部端末から前記操作情報を受信し、受信した前記操作情報と、前記設定情報とに基づいて、前記第1照明制御装置による前記照明機器への操作を、当該第2照明制御装置と対応する照明機器に対して再現する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記第1照明制御装置は、前記第1照明制御装置が有する操作部への操作を行うユーザを認証し、認証後のユーザによる前記第1照明制御装置が有する操作部への操作を受け付け、
前記外部端末は、前記認証後のユーザ毎に前記操作情報を保存する
ことを特徴とする請求項1?3のいずれか1項に記載の照明システム。
【請求項5】
前記外部端末は、前記認証後のユーザによる操作の履歴を示す操作情報に基づいて当該ユーザの操作に関する特徴を学習し、
前記第2照明制御装置は、前記外部端末から前記認証後のユーザに対応する学習結果に関する情報を取得する
ことを特徴とする請求項4に記載の照明システム。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2021-08-10 
出願番号 特願2015-180350(P2015-180350)
審決分類 P 1 651・ 537- YAA (H05B)
P 1 651・ 113- YAA (H05B)
P 1 651・ 121- YAA (H05B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山崎 晶  
特許庁審判長 佐々木 一浩
特許庁審判官 一ノ瀬 覚
出口 昌哉
登録日 2020-01-27 
登録番号 特許第6651755号(P6651755)
権利者 東芝ライテック株式会社
発明の名称 照明システム  
代理人 特許業務法人酒井国際特許事務所  
代理人 特許業務法人酒井国際特許事務所  
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