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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する C03B |
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管理番号 | 1379052 |
審判番号 | 訂正2021-390083 |
総通号数 | 264 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-12-24 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2021-05-27 |
確定日 | 2021-09-28 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6299888号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6299888号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔10-15〕について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件訂正審判の請求に係る特許第6299888号(以下、「本件特許」という。)は、2016年(平成28年)1月29日(優先権主張 平成27年2月5日 日本国(JP))を国際出願日とする出願であって、平成30年3月9日に特許権の設定登録がなされ、その後、令和3年5月27日に本件訂正審判が請求された。 第2 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6299888号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項10?15について訂正することを認める、との審決を求めるものである。 第3 本件訂正の内容 本件訂正審判の請求に係る訂正(以下、「本件訂正」という。)は、特許法第126条第3項の規定に従い、一群の請求項を構成する請求項10?15を訂正単位とするものであって、その内容は次のとおりである(当審注:下線部分が訂正箇所である。)。 本件特許の特許請求の範囲の請求項10に 「前記第1面が凹面である、請求項1?9のいずれか一項に記載の曲面カバーガラス。」 と記載されているのを、 「車載用表示部材の前面に配置される曲面カバーガラスであり、 前記第1面が凹面であり、前記第2面が表示部材の表示面と対向するように配置される、請求項1?9のいずれか一項に記載の曲面カバーガラス。」 に訂正する(請求項10を直接的又は間接的に引用する請求項11?15についても同様に訂正する。)。 第4 当審の判断 1 訂正の目的について 本件訂正前の請求項10では「前記第1面が凹面である、請求項1?9のいずれか一項に記載の曲面カバーガラス」と記載され、請求項1?9のいずれか一項に記載の曲面カバーガラスの第1面が凹面であることを特定している。 これに対し、本件訂正後の請求項10では、「車載用表示部材の前面に配置される曲面カバーガラスであり」と記載され、曲面カバーガラスの用途を特定し、さらに、「第2面が表示部材の表示面と対向するように配置される」との記載を追加することで、曲面カバーガラスを車載用表示部材の前面に配置する際の位置関係を特定するものであるから、特許請求の範囲を減縮しようとするものである。 したがって、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 2 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるかについて 本件特許の明細書の【0017】には「車載用表示部材のカバーガラスとして使用する場合、外部に露出する側の面、すなわち、表示面となる側の面を、ガラス板状体の第1面とする。この場合、車載用表示部材の表示面と対向する面がガラス板状体の第2面であり、車載用表示部材と、ガラス板状体の第2面と、接着される。」と記載され、また、同【0026】には「つまり、本実施形態の表面カバーガラスは、屈曲部を有するガラス板状体であれば、任意の曲面形状を採用できる。車載表示部材の視認性の向上の観点からは、車載用表示部材のカバーガラスとして使用する際に表示面となる第1面が凹面であることが好ましい。」と記載されていることから、本件訂正は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 3 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて 前記1で述べたとおり、本件訂正は、曲面カバーガラスの用途を特定しつつ、曲面カバーガラスを車載用表示部材の前面に配置する際の位置関係を特定するものであり、本件訂正前の請求項10に記載された発明のカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものに該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 4 特許出願の際に独立して特許を受けることができることについて 前記1で検討したとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そこで、本件訂正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討すると、当該発明は、前記のとおり本件特許に係る発明をさらに減縮するものであり、その新規性・進歩性等の判断について改めて見直すべき事情は見当たらず、また、本件訂正に起因する記載不備も認められないなど、当該発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。 したがって、本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 5 小括 以上のとおり、請求項10?15からなる一群の請求項に係る本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とし、かつ同条第5項から第7項までの規定に適合する。 第5 むすび 以上の検討のとおり、本件訂正審判の請求は、適法にされたものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 第1面と、 前記第1面に対向する第2面と、 前記第1面と前記第2面を接続する少なくとも一つの端面を有するガラス板状体からなり、 前記ガラス板状体は化学強化されてなり、 前記第1面上の任意の点からの接線方向をX軸とし、前記第1面の中心からの接線方向のうち、前記X軸に直交する方向をY軸とし、前記X軸と前記Y軸に直交する方向をZ軸とするとき、 前記X軸は、前記第1面上の任意の点における前記第1面の接線方向のうち、前記X軸と前記Z軸を通るXZ平面における前記第1面の断面の第1曲率半径R_(1)が最小となる方向であり、 前記第1面は、前記第1面上の少なくとも1点において前記X軸方向にその表面が屈曲した屈曲部を有しており、第1曲率半径R_(1)が300?10000mmであり、 前記第1面上において、曲率半径が300mm未満である特異屈曲部が、単位面積1mm^(2)あたり10箇所以下である、曲面カバーガラス。 【請求項2】 第1面と、 前記第1面に対向する第2面と、 前記第1面と前記第2面を接続する少なくとも一つの端面を有するガラス板状体からなり、 前記ガラス板状体は化学強化ガラスからなり、 前記第1面の任意の点における接線方向のいずれかをX軸とし、前記任意の点における第1面の接線方向のうち、前記X軸に直交する方向をY軸とし、前記X軸と前記Y軸に直交する方向をZ軸とするとき、 前記X軸は、前記第1面上の任意の点における前記第1面の接線方向のうち、前記X軸と前記Z軸を通るXZ平面における前記第1面の断面の第1曲率半径R_(1)が最小となる方向であり、 前記第1面は、前記第1面上の少なくとも1点において前記X軸方向にその表面が屈曲した屈曲部を有しており、第1曲率半径R_(1)が300?10000mmであり、 前記第1面上において、曲率半径が300mm未満である特異屈曲部が、単位面積1mm^(2)あたり10箇所以下である、曲面カバーガラス。 【請求項3】 前記第1面のうち、少なくとも前記端面と隣接する部位における任意の1点において、もしくは、前記端面から100mm以内の範囲にある任意の1点において、前記屈曲部を有する、請求項1または2に記載の曲面カバーガラス。 【請求項4】 前記屈曲部上の少なくとも1点において、前記Y軸方向にも前記第1面が屈曲しており、 前記Y軸と前記Z軸を通るYZ平面における前記ガラス板状体の第1面の断面の第2曲率半径R_(2)が300?10000mmである、請求項1?3のいずれか一項に記載の曲面カバーガラス。 【請求項5】 前記第1面のうち、少なくとも前記端面と隣接する部位における任意の1点において、もしくは、前記端面から100mm以内の範囲にある任意の1点において、前記Y軸と前記Z軸を通るYZ平面における前記ガラス板状体の第1面の断面の第2曲率半径R_(2)が300?10000mmである、請求項1?4のいずれか一項に記載の曲面カバーガラス。 【請求項6】 前記曲面カバーガラスをなす前記ガラス板状体の平均厚みt_(ave)が2mm以下である、請求項1?5のいずれか一項に記載の曲面カバーガラス。 【請求項7】 前記屈曲部における厚みの最大値t_(max)と、最小値t_(min)と、の比t_(max)/t_(min)が1.0?1.5である、請求項1?6のいずれか一項に記載の曲面カバーガラス。 【請求項8】 前記第1面の二次元投影寸法における最大長が50mm以上1000mm以下である、請求項1?7のいずれか一項に記載の曲面カバーガラス。 【請求項9】 前記第1面の表面圧縮応力の最大値が600MPa以上である、請求項1?8のいずれか一項に記載の曲面カバーガラス。 【請求項10】 車載用表示部材の前面に配置される曲面カバーガラスであり、 前記第1面が凹面であり、前記第2面が表示部材の表示面と対向するように配置される、請求項1?9のいずれか一項に記載の曲面カバーガラス。 【請求項11】 請求項1?10のいずれか一項に記載の曲面カバーガラスの製造方法であって、 前記曲面カバーガラスを真空成形法により成形する曲面カバーガラスの製造方法。 【請求項12】 表示部材の表示面上に、前記表示面に前記第2面が対向するように、請求項1?10のいずれか一項に記載の曲面カバーガラスが配置された車載用表示部材。 【請求項13】 前記表示部材の表示面と、前記曲面カバーガラスの前記第2面と、が接着されている、請求項12に記載の車載用表示部材。 【請求項14】 前記表示部材がパネルディスプレイである、請求項12または13に記載の車載用表示部材。 【請求項15】 前記表示部材がフラットパネルディスプレイである、請求項12または13に記載の車載用表示部材。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2021-08-24 |
結審通知日 | 2021-08-30 |
審決日 | 2021-09-14 |
出願番号 | 特願2016-573334(P2016-573334) |
審決分類 |
P
1
41・
851-
Y
(C03B)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 田中 永一 |
特許庁審判長 |
日比野 隆治 |
特許庁審判官 |
大光 太朗 後藤 政博 |
登録日 | 2018-03-09 |
登録番号 | 特許第6299888号(P6299888) |
発明の名称 | 曲面カバーガラス及びその製造方法、並びに車載用表示部材 |
代理人 | 竹本 洋一 |
代理人 | 伊東 秀明 |
代理人 | 蜂谷 浩久 |
代理人 | 竹本 洋一 |
代理人 | 伊東 秀明 |
代理人 | 蜂谷 浩久 |