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審決分類 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する H02J
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する H02J
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する H02J
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する H02J
審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する H02J
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する H02J
管理番号 1379059
審判番号 訂正2021-390090  
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-12-24 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2021-06-09 
確定日 2021-10-08 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6591133号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6591133号の明細書、特許請求の範囲及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第6591133号は、平成31年3月18日(優先権主張 平成30年6月14日 日本国(JP))を国際出願日とする出願であって、令和1年9月27日に特許権の設定登録がなされた。
そして、令和3年6月9日に訂正審判請求がされたものである。

第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6591133号の明細書、特許請求の範囲、及び、図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲、及び、図面のとおり訂正することを求めるものである。

第3 訂正の内容
本件訂正の内容は、以下のとおりである。なお、下線は当審が付与した。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項6において、
「前記分散電源は、前記創エネ機器と前記第2の配電系統を介して接続される蓄エネ機器を更に含み、
前記出力抑制判断部は、前記蓄エネ機器の充電電力を用いて、前記創エネ機器の発電電力が抑制されているか否かを判断する、請求項3又は4に記載の電力管理システム。」
と記載されているのを、
「前記分散電源は、前記創エネ機器と前記第2の配電系統を介して接続される蓄エネ機器を更に含み、
前記出力抑制判断部は、前記分散電源に含まれる前記蓄エネ機器の充電電力を用いて、前記創エネ機器の発電電力が抑制されているか否かを判断する、請求項3又は4に記載の電力管理システム。」
に訂正する。(請求項6の記載を引用する請求項11、13も同様に訂正する。)

2 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項7において、
「前記過不足電力から前記交流電圧周波数を規定する第1の垂下特性は、前記運転計画作成部から前記第1の周期毎に前記主分散電源に送信され、
前記複数の分散電源において前記交流電圧周波数から前記修正値を規定する第2の垂下特性は、前記運転計画作成部から前記第2の周期毎に前記主分散電源に送信される、請求項1又は2に記載の電力管理システム。」
と記載されているのを、
「前記過不足電力から前記交流電圧周波数を規定する第1の垂下特性は、前記運転計画作成部から前記第1の周期毎に前記主分散電源に送信され、
前記複数の分散電源において前記交流電圧周波数から前記修正値を規定する第2の垂下特性は、前記運転計画作成部から前記第2の周期毎に前記複数の分散電源に送信される、請求項1又は2に記載の電力管理システム。」
に訂正する。(請求項7の記載を引用する請求項8ないし13も同様に訂正する。)

3 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項11において、
「前記分散電源は、前記創エネ機器と前記第2の配電系統を介して接続される蓄エネ機器を更に含み、
前記制御目標値は、前記創エネ機器から前記第2の配電系統への売買電力目標値と、前記蓄エネ機器から前記第2の配電系統への売買電力目標値とを含み、
前記修正値が加算される前の前記制御目標値は、前記創エネ機器において、前記蓄エネ機器よりも売電側の値に設定される、請求項 1、2、6及び7のいずれか1項に記載の電力管理システム。」
と記載されているのを、
「前記分散電源は、前記創エネ機器と前記第2の配電系統を介して接続される蓄エネ機器を更に含み、
前記制御目標値は、前記創エネ機器から前記第2の配電系統への売買電力目標値と、前記蓄エネ機器から前記第2の配電系統への売買電力目標値とを含み、
前記修正値が加算される前の前記制御目標値は、前記創エネ機器において、前記蓄エネ機器よりも売電側の値に設定される、請求項1、2、及び、7のいずれか1項に記載の電力管理システム。」
に訂正する。(請求項11の記載を引用する請求項13も同様に訂正する。)

4 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項12において、
「 前記制御目標値は、前記創エネ機器から前記第2の配電系統への売買電力目標値と、前記蓄エネ機器から前記第2の配電系統への売買電力目標値とを含み、
前記修正値が加算される前の前記制御目標値は、前記創エネ機器において、前記蓄エネ機器よりも売電側の値に設定される、請求項3?5、8及び9のいずれか1項に記載の電力管理システム。」
と記載されているのを、
「 前記制御目標値は、前記創エネ機器から前記第2の配電系統への売買電力目標値と、前記蓄エネ機器から前記第2の配電系統への売買電力目標値とを含み、
前記修正値が加算される前の前記制御目標値は、前記創エネ機器において、前記蓄エネ機器よりも売電側の値に設定される、請求項8及び9のいずれか1項に記載の電力管理システム。」
に訂正する。

5 訂正事項5
明細書の【0096】において、
「 電圧計610は、第3のDC/AC変換回路608より出力される電圧(AC)を計測する。電流計611は、第3のDC/AC変換回路608より出力される電流(AC)を計測する。通信インターフェイス回路612は、タウン蓄電池用電力変換装置21(第10の制御回路609)と、CEMS15との間で通信を行う。尚、第3のDC/DC変換回路603及び第3のDC/AC変換回路603の構成についても、公知のDC/DCコンバータ及びインバータの構成を適宜用いることが可能である。」
と記載されているのを、
「 電圧計610は、第3のDC/AC変換回路608より出力される電圧(AC)を計測する。電流計611は、第3のDC/AC変換回路608より出力される電流(AC)を計測する。通信インターフェイス回路612は、タウン蓄電池用電力変換装置21(第10の制御回路609)と、CEMS15との間で通信を行う。尚、第3のDC/DC変換回路603及び第3のDC/AC変換回路608の構成についても、公知のDC/DCコンバータ及びインバータの構成を適宜用いることが可能である。」
に訂正する。

6 訂正事項6
明細書の【0140】において、
「 CEMS15から、垂下特性情報としてfa,fb1,ka1,kb1を送信すると、太陽電池用電力変換装置2用の垂下特性線FC1を規定する垂下特性テーブルが、第2の制御回路209(図9)の垂下特性テーブル生成回路2093(図11)によって作成される。同様に、垂下特性情報としてfa2,fb2,ka2,kb2が送信されると、垂下特性線FC1を規定する垂下特性テーブルが作成され、垂下特性情報としてfa3,fb3,ka3,kb3が送信されると、垂下特性線FC3を規定する垂下特性テーブルが作成される。」
と記載されているのを、
「 CEMS15から、垂下特性情報としてfa,fb1,ka1,kb1を送信すると、太陽電池用電力変換装置2用の垂下特性線FC1を規定する垂下特性テーブルが、第2の制御回路209(図9)の垂下特性テーブル生成回路2093(図11)によって作成される。同様に、垂下特性情報としてfa2,fb2,ka2,kb2が送信されると、垂下特性線FC2を規定する垂下特性テーブルが作成され、垂下特性情報としてfa3,fb3,ka3,kb3が送信されると、垂下特性線FC3を規定する垂下特性テーブルが作成される。」
に訂正する。

7 訂正事項7
明細書の【0158】において、
「 垂下特性情報の内容、及び、垂下特性テーブル生成回路4093(図11)よる垂下特性テーブルの作成については、図18で説明した、太陽電池用電力変換装置2用の垂下特性と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。」
と記載されているのを、
「垂下特性情報の内容、及び、垂下特性テーブル生成回路4093(図13)による垂下特性テーブルの作成については、図18で説明した、太陽電池用電力変換装置2用の垂下特性と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。」
に訂正する。

8 訂正事項8
明細書の【0165】において、
「 垂下特性テーブル生成回路2093は、差分電力ΔPsb2を差分電力情報として出力する。第8の制御回路4094は、垂下特性テーブル生成回路4093からの差分電力情報、及び、周波数検出回路4092からの系統周波数情報が入力されると、CEMS15からの通知に基づく需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力目標値を、垂下特性テーブル生成回路2093より出力される差分電力情報を用いて修正することによって、蓄電池用電力変換装置4の最終的な売買電力目標値(以下、BAT制御目標値とも称する)を算出する。」
と記載されているのを、
「 垂下特性テーブル生成回路4093は、差分電力ΔPsb2を差分電力情報として出力する。第8の制御回路4094は、垂下特性テーブル生成回路4093からの差分電力情報、及び、周波数検出回路4092からの系統周波数情報が入力されると、CEMS15からの通知に基づく需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力目標値を、垂下特性テーブル生成回路4093より出力される差分電力情報を用いて修正することによって、蓄電池用電力変換装置4の最終的な売買電力目標値(以下、BAT制御目標値とも称する)を算出する。」
に訂正する。

9 訂正事項9
明細書の【0186】において、
「 図20を参照して、横軸には、上述した、タウン蓄電池20の実際の充放電のCEMS15から通知された運転計画に対する差異(過不足)から求められる、システムタウン内での需要家側からの供給電力の過不足量を定量的に示すための過不足電力Pv1が示される。過不足電力Pv1は、供給電力の不足量を正値とするように、上記の差異とは逆に、CEMS15から通知された充放電電力目標値(運転計画)からタウン蓄電池20の実際の充放電電力を減算することによって算出される。一方で、縦軸には、タウン蓄電池用電力変換装置21の出力周波数、即ち、第3のDC/AC変換回路(図14)から配電系統16に出力される交流電圧の周波数(系統周波数)が示される。」
と記載されているのを、
「 図20を参照して、横軸には、上述した、タウン蓄電池20の実際の充放電のCEMS15から通知された運転計画に対する差異(過不足)から求められる、システムタウン内での需要家側からの供給電力の過不足量を定量的に示すための過不足電力Pv1が示される。過不足電力Pv1は、供給電力の過剰量を正値とするように、上記の差異とは逆に、CEMS15から通知された充放電電力目標値(運転計画)からタウン蓄電池20の実際の充放電電力を減算することによって算出される。一方で、縦軸には、タウン蓄電池用電力変換装置21の出力周波数、即ち、第3のDC/AC変換回路(図14)から配電系統16に出力される交流電圧の周波数(系統周波数)が示される。」
に訂正する。

10 訂正事項10
明細書の【0187】において、
「 横軸の過不足電力Pv1は、供給電力の過剰時、即ち、タウン蓄電池20が運転計画よりも充電側で動作するときに正値(Pv1>0)とされる。一方で、不足電力Pv1は、供給電力の不足時、即ち、タウン蓄電池20が運転計画よりも放電側で動作するときには負値(Pv1<0)となる。」
と記載されているのを、
「 横軸の過不足電力Pv1は、供給電力の過剰時、即ち、タウン蓄電池20が運転計画よりも充電側で動作するときに正値(Pv1>0)とされる。一方で、過不足電力Pv1は、供給電力の不足時、即ち、タウン蓄電池20が運転計画よりも放電側で動作するときには負値(Pv1<0)となる。」
に訂正する。

11 訂正事項11
明細書の【0209】において、
「 又、上述のように、系統電圧の周波数が中心周波数fc(60Hz)より低い周波数帯では、太陽電池1からの発電電力を最大限取り出すために、蓄電池用電力変換装置4の垂下特性線FC2(点線)の折れ点周波数fb2は、太陽電池用電力変換装置2の垂下特性線FC2(図19の点線)の折れ点周波数fb2よりも低く設定される。」
と記載されているのを、
「 又、上述のように、系統電圧の周波数が中心周波数fc(60Hz)より低い周波数帯では、太陽電池1からの発電電力を最大限取り出すために、蓄電池用電力変換装置4の垂下特性線FC2(点線)の折れ点周波数fb2は、太陽電池用電力変換装置2の垂下特性線FC2(図18の点線)の折れ点周波数fb2よりも低く設定される。」
に訂正する。

12 訂正事項12
明細書の【0210】において、
「 一方で、系統電圧の周波数が中心周波数fc(60Hz)より高い周波数帯では、蓄電池用電力変換装置4の垂下特性線FC2(点線)の折れ点周波数fa2は、太陽電池用電力変換装置2の垂下特性線FC2(図19の点線)の折れ点周波数fa2よりも低く設定される。これにより、太陽電池1からの発電電力が抑制される前に、蓄電池用電力変換装置4からの放電電力を抑制、或いは、充電電力を増加することができる。」
と記載されているのを、
「 一方で、系統電圧の周波数が中心周波数fc(60Hz)より高い周波数帯では、蓄電池用電力変換装置4の垂下特性線FC2(点線)の折れ点周波数fa2は、太陽電池用電力変換装置2の垂下特性線FC2(図18の点線)の折れ点周波数fa2よりも低く設定される。これにより、太陽電池1からの発電電力が抑制される前に、蓄電池用電力変換装置4からの放電電力を抑制、或いは、充電電力を増加することができる。」
に訂正する。

13 訂正事項13
明細書の【0213】において、
「 具体的には、上述したように 、タウン蓄電池20が運転計画よりも放電側で動作しているため、需要家宅18から逆潮量される電力を増加させる場合は、系統周波数の低下に伴って、太陽電池用電力変換装置2の系統連系点での目標売買電力(PV制御目標値)が、蓄電池用電力変換装置4の目標売買電力(BAT制御目標値)よりも先に増加するように、垂下特性が生成される。この結果、図18及び図19に示されるように、ΔPsb1>0となる折れ点周波数fb1?fb3(図18)は、ΔPsb2>0となる折れ点周波数fb1?fb3(図19)よりもそれぞれ高くなるように、垂下特性線FC1?FC3は生成されている。」
と記載されているのを、
「 具体的には、上述したように 、タウン蓄電池20が運転計画よりも放電側で動作しているため、需要家宅18から逆潮流される電力を増加させる場合は、系統周波数の低下に伴って、太陽電池用電力変換装置2の系統連系点での目標売買電力(PV制御目標値)が、蓄電池用電力変換装置4の目標売買電力(BAT制御目標値)よりも先に増加するように、垂下特性が生成される。この結果、図18及び図19に示されるように、ΔPsb1>0となる折れ点周波数fb1?fb3(図18)は、ΔPsb2>0となる折れ点周波数fb1?fb3(図19)よりもそれぞれ高くなるように、垂下特性線FC1?FC3は生成されている。」
に訂正する。

14 訂正事項14
明細書の【0217】において、
「 交流系統周波数が中心周波数fc(図18?図20の例では60Hz)である場合には、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4では、差分電力ΔPsb1=ΔPsb=0に設定される。このため、CEM15からの各需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力目標値を、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の売買電力目標値とすると、太陽電池1及び蓄電池3の間での電力分配を制御できなくなる。これにより、太陽電池1の発電電力が抑制されているにも関わらず、当該売買電力目標値に従うために、蓄電池3から放電される、或いは、充電電力が絞られる等、自立運転確保のために好ましくない問題が発生することが懸念される。」
と記載されているのを、
「 交流系統周波数が中心周波数fc(図18?図20の例では60Hz)である場合には、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4では、差分電力ΔPsb1=ΔPsb=0に設定される。このため、CEMS15からの各需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力目標値を、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の売買電力目標値とすると、太陽電池1及び蓄電池3の間での電力分配を制御できなくなる。これにより、太陽電池1の発電電力が抑制されているにも関わらず、当該売買電力目標値に従うために、蓄電池3から放電される、或いは、充電電力が絞られる等、自立運転確保のために好ましくない問題が発生することが懸念される。」
に訂正する。

15 訂正事項15
明細書の【0264】において、
「 CEMS15は、停電フラグがリセットされると、復電を確認して、S103をYES判定とする。CEMS15は、復電が確認されると、S104により、タウン蓄電池用電力変換装置21に対して運転を停止するよう指示する。そして、CEMS15は、S105により、スマートグリッド内の各需要家宅18に対して、一旦各種負荷5の電源オフ、並びに、太陽電池用電力変換装置及び蓄電池用電力変換装置4の停止を指示する。更に、CEMS15は、S106により、開閉器22に対して、スマートタウンの配電系統16を変電所24と電気的に接続するための接続指示を出力する。これに応じて、開閉器22は、配電系統16及び17を電気的に接続する。」
と記載されているのを、
「 CEMS15は、停電フラグがリセットされると、復電を確認して、S103をYES判定とする。CEMS15は、復電が確認されると、S104により、タウン蓄電池用電力変換装置21に対して運転を停止するよう指示する。そして、CEMS15は、S105により、スマートグリッド内の各需要家宅18に対して、一旦各種負荷5の電源オフ、並びに、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の停止を指示する。更に、CEMS15は、S106により、開閉器22に対して、スマートタウンの配電系統16を変電所24と電気的に接続するための接続指示を出力する。これに応じて、開閉器22は、配電系統16及び17を電気的に接続する。」
に訂正する。

16 訂正事項16
明細書の【0299】において、
「 需要家運転計画作成ユニット1652は、上記入力情報にデータ処理を施し、5分周期及び30分周期の運転計画を作成するためのデータを生成する。当該データ生成は運転計画作成管理回路161から出力されるタイミング信号に基づいて実行される。データ生成を完了すると、需要家運転計画作成ユニット1652内の太陽電池出力抑制判断回路1658は、太陽電池1の発電電力抑制量を推定する。なお、太陽電池1による発電電力抑制量の算出方法については後述する(図35参照)。」
と記載されているのを、
「 需要家運転計画作成ユニット1652は、上記入力情報にデータ処理を施し、5分周期及び30分周期の運転計画を作成するためのデータを生成する。当該データ生成は運転計画作成管理回路161から出力されるタイミング信号に基づいて実行される。データ生成を完了すると、需要家運転計画作成ユニット1652内の太陽電池出力抑制判断回路1656は、太陽電池1の発電電力抑制量を推定する。なお、太陽電池1による発電電力抑制量の算出方法については後述する(図35参照)。」
に訂正する。

17 訂正事項17
明細書の【0337】において、
「 図33に示すようなSOC推移が計算されると、24時間の期間内において、SOC制御下限値Sminまで低下することがないかの確認が行われる。制御下限値Sminは、過放電を防止するために、SOC=0に対するマージンを持たせて設定することができる。図33の例では、時刻tAからの24時間を通じて、SOC>Sminとなっているが、仮に、SOCがSminよりも低下する期間が存在するときには、図30及び図320でのタウン蓄電池20及び蓄電池3の充放電計画(運転計画)が再度作成される。例えば、放電時の蓄電池3からの放電電力を小さくするように、運転計画に修正が加えられる。」
と記載されているのを、
「 図33に示すようなSOC推移が計算されると、24時間の期間内において、SOC制御下限値Sminまで低下することがないかの確認が行われる。制御下限値Sminは、過放電を防止するために、SOC=0に対するマージンを持たせて設定することができる。図33の例では、時刻tAからの24時間を通じて、SOC>Sminとなっているが、仮に、SOCがSminよりも低下する期間が存在するときには、図30及び図32でのタウン蓄電池20及び蓄電池3の充放電計画(運転計画)が再度作成される。例えば、放電時の蓄電池3からの放電電力を小さくするように、運転計画に修正が加えられる。」
に訂正する。

18 訂正事項18
明細書の【0346】において、
「 具体的には、30分周期の運転計を作成する場合は、上記発電電力抑制量(推定値)に基づく運転計画の補正は、蓄電池3についても実行されるので、タウン蓄電池用電力変換装置21に対しては予め定められた垂下特性を出力する。図20に示したように、タウン蓄電池用電力変換装置21に出力する垂下特性は、需要家宅18に設置された分散電源に出力する垂下特性とは異なり、過不足電力Pv1(図20)に対する、交流系統周波数を決定するように定められる。図20で説明したように、タウン蓄電池用電力変換装置21の垂下特性情報として、CEMS15は、折れ点電力Pa,Bb、及び、傾きkat,kbtの4個のデータを、タウン蓄電池用電力変換装置21に出力する。」
と記載されているのを、
「 具体的には、30分周期の運転計画を作成する場合は、上記発電電力抑制量(推定値)に基づく運転計画の補正は、蓄電池3についても実行されるので、タウン蓄電池用電力変換装置21に対しては予め定められた垂下特性を出力する。図20に示したように、タウン蓄電池用電力変換装置21に出力する垂下特性は、需要家宅18に設置された分散電源に出力する垂下特性とは異なり、過不足電力Pv1(図20)に対する、交流系統周波数を決定するように定められる。図20で説明したように、タウン蓄電池用電力変換装置21の垂下特性情報として、CEMS15は、折れ点電力Pa,Bb、及び、傾きkat,kbtの4個のデータを、タウン蓄電池用電力変換装置21に出力する。」
に訂正する。

19 訂正事項19
明細書の【0360】において、
「 CEMS15は、30分周期の運転計画の作成時刻であるとき(S152のYES判定時)には、S153により、タウン蓄電池20のSOC情報を再度確認する。更に、CEM15は、S154により、図28で説明したように、24時間後のSOC目標を生成する。更に、CEMS15は、S155により、図30?図32で説明したように、タウン蓄電池20の30分毎の運転計画を24時間分作成する。上述したように、今回の運転計画を反映させる時刻を起点として、1時間前から30分前までの余剰電力の合計値についても、各予測結果を元に作成することができる。」
と記載されているのを、
「 CEMS15は、30分周期の運転計画の作成時刻であるとき(S152のYES判定時)には、S153により、タウン蓄電池20のSOC情報を再度確認する。更に、CEMS15は、S154により、図28で説明したように、24時間後のSOC目標を生成する。更に、CEMS15は、S155により、図30?図32で説明したように、タウン蓄電池20の30分毎の運転計画を24時間分作成する。上述したように、今回の運転計画を反映させる時刻を起点として、1時間前から30分前までの余剰電力の合計値についても、各予測結果を元に作成することができる。」
に訂正する。

20 訂正事項20
明細書の【0385】において、
「 一方で、蓄電池3が最大充電電力で充電されていた場合には、太陽電池1の出力抑制が行われていると判断されるので、その際は、実測データを収集した当該時刻での発電電力の理想値を、発電電力予測回路157のデータベースより読み出すことができる。更に、読出した5分周期のデータを用いて、太陽電池1の発電電力推定値が算出される。具体的には、(充放電電力量(5分間毎の計画値))-(充放電電力量実績(5分間毎の計測値))+(消費電力量(5分間の計画値))-(消費電力量(5分間の実績値))+(天気予報を元に生成した発電電力(5分間の予測値)を5分毎に算出し、30分間分、すなわち、(36/5)=6個のデータを加算することによって、30分間での発電電力量推定値を算出することができる。このように算出された30分間での発電電力量推定値を、データベースから読出された同じ時間帯(30分)における発電電力量の理想値で除算することによって、発電電力推定係数を算出することができる。このように算出された発電電力推定係数は、太陽電池1での理想的な発電電力に対する、現在の天気での日射量の下での実際の発電電力の割合を、定量的に推定するパラメータに相当することが理解される。」
と記載されているのを、
「 一方で、蓄電池3が最大充電電力で充電されていた場合には、太陽電池1の出力抑制が行われていると判断されるので、その際は、実測データを収集した当該時刻での発電電力の理想値を、発電電力予測回路157のデータベースより読み出すことができる。更に、読出した5分周期のデータを用いて、太陽電池1の発電電力推定値が算出される。具体的には、(充放電電力量(5分間毎の計画値))-(充放電電力量実績(5分間毎の計測値))+(消費電力量(5分間の計画値))-(消費電力量(5分間の実績値))+(天気予報を元に生成した発電電力(5分間の予測値)を5分毎に算出し、30分間分、すなわち、(30/5)=6個のデータを加算することによって、30分間での発電電力量推定値を算出することができる。このように算出された30分間での発電電力量推定値を、データベースから読出された同じ時間帯(30分)における発電電力量の理想値で除算することによって、発電電力推定係数を算出することができる。このように算出された発電電力推定係数は、太陽電池1での理想的な発電電力に対する、現在の天気での日射量の下での実際の発電電力の割合を、定量的に推定するパラメータに相当することが理解される。」
に訂正する。

21 訂正事項21
明細書の【0390】において、
「 再び図34を参照して、CEMS15は、S158の処理を完了すると、S159により、次の5分周期のタウン蓄電池用電力変換装置21の運転計画を変更が必要か否かを判断する。具体的には、S159では、第1の運転計画作成回路1601(図4)が、次の5分周期の太陽電池1の発電電力抑制量(推定値)が予め定められた基準値と比較される。発電電力抑制量(推定値)が基準値未満である場合には、S159がYES判定とされて、タウン蓄電池20の運転計画作成(図27のS129)が終了される。」
と記載されているのを、
「 再び図34を参照して、CEMS15は、S158の処理を完了すると、S159により、次の5分周期のタウン蓄電池用電力変換装置21の運転計画を変更が必要か否かを判断する。具体的には、S159では、第1の運転計画作成回路1601(図4)が、次の5分周期の太陽電池1の発電電力抑制量(推定値)を予め定められた基準値と比較する。発電電力抑制量(推定値)が基準値未満である場合には、S159がNO判定とされて、タウン蓄電池20の運転計画作成(図27のS129)が終了される。」
に訂正する。

22 訂正事項22
明細書の【0393】において、
「 図36を参照して、CEMS5は、S201より、タウン蓄電池20のステータス情報(SOC)を取得する。CEMS15は、タウン蓄電池20のステータス情報の取得(S201)が完了すると、S202により、需要家宅18内の蓄電池3のステータス情報(SOC)を取得する。具体的には、S201,S202では、第1の運転計画作成回路1601(図3)が、分散電源ステータス管理回路155(図3)から等が当該ステータス情報を取得する。S202の処理は、全ての需要家宅18からの蓄電池3のステータス情報(SOC)が取得されるまで(S203のNO判定時)、繰り返し実行される。」
と記載されているのを、
「 図36を参照して、CEMS15は、S201より、タウン蓄電池20のステータス情報(SOC)を取得する。CEMS15は、タウン蓄電池20のステータス情報の取得(S201)が完了すると、S202により、需要家宅18内の蓄電池3のステータス情報(SOC)を取得する。具体的には、S201,S202では、第1の運転計画作成回路1601(図3)が、分散電源ステータス管理回路155(図3)から等が当該ステータス情報を取得する。S202の処理は、全ての需要家宅18からの蓄電池3のステータス情報(SOC)が取得されるまで(S203のNO判定時)、繰り返し実行される。」
に訂正する。

23 訂正事項23
明細書の【0423】において、
「 又、曇や雨の日と、晴れの日との間で、発電量推定用のテーブルを別個に準備することも可能である。特に、上述した東西の面に太陽電池1が設置されている場合には、晴れの日は太陽電池1に届く直達光が発電電力の主要成分になるが、曇や雨の場合は主に拡散光が発電電力の主成分となる。この結果、太陽電池1の各時刻に対する発電電力の推移(カーブ)が、晴れの日と雲りや雨の日とでは異なってくる。従って、曇や雨の日について、晴れの日とは別個の発電量推定用テーブルを準備することで、太陽電池1の発電電力の推精度を向上させることが可能である。尚、図35(S186,S187)で説明した発電電力推定係数の算出方法についても本実施の形態での例示に限定されるものではない。」
と記載されているのを、
「 又、曇や雨の日と、晴れの日との間で、発電量推定用のテーブルを別個に準備することも可能である。特に、上述した東西の面に太陽電池1が設置されている場合には、晴れの日は太陽電池1に届く直達光が発電電力の主要成分になるが、曇や雨の場合は主に拡散光が発電電力の主成分となる。この結果、太陽電池1の各時刻に対する発電電力の推移(カーブ)が、晴れの日と雲りや雨の日とでは異なってくる。従って、曇や雨の日について、晴れの日とは別個の発電量推定用テーブルを準備することで、太陽電池1の発電電力の推定精度を向上させることが可能である。尚、図35(S186,S187)で説明した発電電力推定係数の算出方法についても本実施の形態での例示に限定されるものではない。」
に訂正する。

24 訂正事項24
明細書の【0428】において、
「 又本実施の形態では、図1に示すように柱上トランス9の一次側にタウン蓄電池20を接続し、柱上トランス9の二次側に需要家18を配置した場合について説明したが、これに限るものではなく、柱上トランス9を介さずタウン蓄電池20の出力を需要家18に接続してもよいことは言うまでもない。具体的には、管理区画が20件程度の需要家で構成されていた場合は、タウン蓄電池20の出力を図1に示す柱上トランス9の二次側に接続し、柱上トランス9以下を管理区画として停電時にタウン蓄電池20と需要家分散電源(太陽電池用電力変換装置2、及び蓄電池用電力変換装置4) を上記要領で協調制御させれば同様の効果を奏することは言うまでもない。」
と記載されているのを、
「又本実施の形態では、図1に示すように柱上トランス9の一次側にタウン蓄電池20を接続し、柱上トランス9の二次側に需要家宅18を配置した場合について説明したが、これに限るものではなく、柱上トランス9を介さずタウン蓄電池20の出力を需要家宅18に接続してもよいことは言うまでもない。具体的には、管理区画が20件程度の需要家で構成されていた場合は、タウン蓄電池20の出力を図1に示す柱上トランス9の二次側に接続し、柱上トランス9以下を管理区画として停電時にタウン蓄電池20と需要家分散電源(太陽電池用電力変換装置2、及び蓄電池用電力変換装置4) を上記要領で協調制御させれば同様の効果を奏することは言うまでもない。」
に訂正する。

25 訂正事項25
図4において、
「消費電力実績管理部159出力」
「分散電源ステータス管理部155出力」
と記載されているのを、
「消贄電力実績管理回路159出力」
「分散電源ステータス管理回路155出力」
に訂正する。

26 訂正事項26
図14において、
「開閉器26」、
「柱上トランス90」、「柱上トランス92」、
と記載されているのを、
「開閉器22」、
「柱上トランス9」、「柱上トランス9」、
に訂正する。

27 訂正事項27
図34のS156において、
「需要家蓄電池30」
と記載されているのを、
「需要家蓄電池3」
に訂正する。

28 訂正事項28
図36のS205において、
「(案文後)」
と記載されているのを、
「(案分後)」
に訂正する。

第4 当審の判断
1 訂正事項1
(1)訂正の目的について
ア 訂正前の請求項6は訂正前の請求項3を引用し、訂正前の請求項3には「主分散電源に含まれる蓄エネ機器」が、訂正前の請求項6には「分散電源」に含まれる「蓄エネ機器」が、それぞれ記載されているところ、訂正前の請求項6の「前記出力抑制判断部は、前記蓄エネ機器の充電電力を用いて、前記創エネ機器の発電電力が抑制されているか否かを判断する」における「前記蓄エネ機器」とは、訂正前の請求項3に記載された「主分散電源に含まれる蓄エネ機器」又は訂正前の請求項6に記載された「分散電源」に含まれる「蓄エネ機器」のいずれを指すのか不明確であるから、訂正前の請求項6には明瞭でない点が存在する。

イ ここで、「分散電源」に関し、願書に添付した明細書には以下の記載がある。
「【0026】
以下、・・(中略)・・。即ち、本実施の形態では、各需要家宅18内に、「分散電源」として、太陽電池1及び蓄電池3を設置するものとして以下の説明を行う。太陽電池1は「創エネ機器」の一実施例に対応し、蓄電池3は「蓄エネ機器」の一実施例に対応する。」
「【0382】
CEMS15は、S184での分散電源のステータス情報の読込みが完了すると、S185では、太陽電池出力抑制判断回路1656によって太陽電池1の発電電力が抑制されているか否か、即ち、出力抑制が行われているか否かを判断する。・・(中略)・・。尚、蓄電池3が最大充電電力で充電されている場合についても、太陽電池1の出力抑制が行われていると判断することができる。」
「【0385】
一方で、蓄電池3が最大充電電力で充電されていた場合には、太陽電池1の出力抑制が行われていると判断される・・(中略)・・。」
「【0421】
又、太陽電池1の出力抑制の検出を、・・(中略)・・、例えば、同一需要家宅18内に設置された蓄電池3の充電電力で判断してもよいことはいうまでもない。具体的には、蓄電池3が現在のSOCで充電可能な最大充電電力で充電していた場合、太陽電池1が出力抑制を行っていると判断し、・・(中略)・・。」

ウ 上記各記載からすれば、「分散電源」に含まれる「蓄エネ機器」の充電電力を用いて、「創エネ機器」の出力抑制が行われているか否か、即ち、発電電力が抑制されているか否か判断されることが理解できる。
そうすると、訂正前の請求項6の「前記蓄エネ機器」を「前記分散電源に含まれる前記蓄エネ機器」と訂正する訂正事項1は、明細書等の記載に基づいて訂正前の不明瞭な点を正すものであるといえ、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであるといえる。

エ よって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項1に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、特許請求の範囲の明瞭でない記載の釈明を目的とするものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項1に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、特許請求の範囲の明瞭でない記載の釈明を目的とし、訂正前の不明瞭な点を正すものであり、発明のカテゴリーや対象,発明の目的を変更するものではないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

2 訂正事項2
(1)訂正の目的について
ア 訂正前の請求項7によれば、「複数の分散電源において前記交流電圧周波数から前記修正値を規定する第2の垂下特性」は「主分散電源」に送信される。

イ ここで、「第2の垂下特性」に関し、願書に添付した明細書には以下の記載がある。

「【0030】
図2を参照して、太陽電池1及び太陽電池用電力変換装置2により、創エネ機器による分散電源が構成され、蓄電池3及び蓄電池用電力変換装置4により、蓄エネ機器による分散電源が構成される。・・(中略)・・。」
「【0135】
図18は、太陽電池用電力変換装置2での差分電力を算出するための垂下特性を説明するための概念図である。」
「【0156】
図19には、蓄電池用電力変換装置4での差分電力を算出するための垂下特性を説明するための概念図が示される。」
「【0194】
次に、各分散電源の垂下特性の作成方法について更に説明する。
再び図18を参照して、太陽電池用電力変換装置2に通知される垂下特性は、上述のように、系統周波数(横軸)に対する差分電力ΔPsb1(縦軸)を算出するように規定される。・・(中略)・・。」
「【0204】
再び図19を参照して、蓄電池用電力変換装置4に通知される垂下特性は、上述のように、系統周波数(横軸)に対する差分電力ΔPsb2(縦軸)を算出するように規定される。・・(中略)・・。」
「【0270】
図26を参照して、CEMS15は、予め定められた30分周期の時刻になると各需要家宅18に対して、運転計画(具体的には、宅内配電系統10での売買電力目標値、並びに、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の垂下特性)を、HEMS7に通知する。・・(中略)・・。
【0271】
HEMS7は、運転計画及び垂下特性を受信すると、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の各々に対して、それぞれの系統連系点での売買電力目標値及び垂下特性を通知する。・・(中略)。」
「【0426】
・・(中略)・・。又、図18?図21での系統周波数は「交流電圧周波数」に対応し、図18及び図19の差分電力ΔPsb1,ΔPsb2は、「交流電圧周波数に応じた修正値」の一実施例に相当する。更に、図20に示されたタウン蓄電池用電力変換装置21へ通知される垂下特性は「第1の垂下特性」に対応する。同様に、図18に示された太陽電池用電力変換装置2へ通知される垂下特性、及び、図19に示された蓄電池用電力変換装置4へ通知される垂下特性の各々は、「第2の垂下特性」に対応する。」

ウ 上記各記載からすれば、分散電源において交流電圧周波数に応じた修正値を算出するように規定される「第2の垂下特性」は、「分散電源」に通知されることが理解でき、訂正前の請求項7に記載された「第2の垂下特性」が「主分散電源」に送信されることは、願書に添付した明細書の記載と整合せず、誤りであるといえる。
してみると、訂正前の請求項7の「主分散電源」を「複数の分散電源」に訂正する訂正事項2は、願書に添付した明細書の記載と整合させ、誤りを正す訂正であるといえる。

エ したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項2に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、特許請求の範囲の誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項2に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、特許請求の範囲の誤記の訂正を目的とするものであって、訂正前の誤記を正すものであり、発明のカテゴリーや対象,発明の目的を変更するものではないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項7、8ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、訂正事項2に係る訂正は、願書に添付した明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項7、8ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

3 訂正事項3、4
(1)訂正の目的について
訂正事項3は、訂正前の請求項11、13が引用する請求項を「請求項1、2、6及び7」から「請求項1、2、及び7」に訂正し、訂正前の請求項11、13が引用していた請求項から請求項6を削除するものであるから、多数項を引用している請求項の引用請求項数を削減するものである。
また、訂正事項4は、訂正前の請求項12が引用する請求項を「請求項3?5、8及び9」から「請求項8及び9」に訂正し、訂正前の請求項12が引用していた請求項から請求項3ないし5を削除するものであるから、多数項を引用している請求項の引用請求項数を削減するものである。
よって、訂正事項3、4に係る訂正は、特許法126条1項ただし書き1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項3、4に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項3、4に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項3、4に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、発明のカテゴリーや対象,発明の目的を変更するものではないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項3、4に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項11ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、訂正事項3、4に係る訂正は、願書に添付した特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項11ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

4 訂正事項5
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0096】には、「第3のDC/AC変換回路603」と記載されている。
しかし、該明細書の他の箇所には「第3のDC/AC変換回路603」の記載は見当たらない。そして、同段落【0096】の前段である同段落【0092】、【0093】によれば、同段落【0096】の記載が図14を説明するものであることは明らかであり、図14には「第3のDC/AC変換回路608」が示されている。また、同段落【0093】ないし【0096】にも、「第3のDC/AC変換回路608」が記載されている。
してみると、同段落【0096】の「第3のDC/AC変換回路603」が「第3のDC/AC変換回路608」の誤記であることは明らかである。
したがって、訂正事項5は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項5に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項5に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項5に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

5 訂正事項6
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0140】に「垂下特性情報としてfa2,fb2,ka2,kb2が送信されると、垂下特性線FC1を規定する垂下特性テーブルが作成され」と記載されている。
ここで、同段落【0140】によれば、「第2の制御回路209(図9)の垂下特性テーブル生成回路2093」は「垂下特性情報としてfa1,fb1,ka1,kb1」が送信されると、「垂下特性線FC1を規定する垂下特性テーブル」を作成するものであり、また、同段落【0200】に「太陽電池用電力変換装置2の垂下特性線FC2(図18)での折れ点周波数fb2」と、同段落【0201】に「太陽電池用電力変換装置2の垂下特性線FC2(図19)の折れ点周波数fa2」と、同段落【0209】に「太陽電池用電力変換装置2の垂下特性線FC2(図19の点線)の折れ点周波数fb2」と、同段落【0210】に「太陽電池用電力変換装置2の垂下特性線FC2(図19の点線)の折れ点周波数fa2」と、それぞれ記載されている。
してみると、同段落【0140】の「垂下特性情報としてfa2,fb2,ka2,kb2が送信されると、垂下特性線FC1を規定する垂下特性テーブルが作成され」の「垂下特性線FC1」が「垂下特性線FC2」の誤記であることは明らかである。
したがって、訂正事項6は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項6に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項6に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項6に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項6に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項6に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、明細書における誤記を訂正するものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

6 訂正事項7
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0158】に「垂下特性テーブル生成回路4093(図11)」と記載されている。
ここで、図11には、「垂下特性テーブル生成回路2093」が示されており、また、同段落【0088】に「図13を参照して、第4の制御回路409は、・・・、垂下特性テーブル生成回路4093、及び、・・を有する。」と記載され、図13には、「垂下特性テーブル生成回路4093」が示されているから、上記段落【0158】の「垂下特性テーブル生成回路4093(図11)」の「(図11)」は、「(図13)」の誤記であることは明らかである。
また、「垂下特性テーブル生成回路4093(図11)よる垂下特性テーブル」とは、日本語して不自然な表現であり、「垂下特性テーブル生成回路4093(図11)による垂下特性テーブル」の誤記であることも明らかである。
したがって、訂正事項7は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項7に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項7に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項7に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項7に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項7に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

7 訂正事項8
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の【0165】に「垂下特性テーブル生成回路2093は、差分電力ΔPsb2を差分電力情報として出力する。・・・、垂下特性テーブル生成回路2093より出力される差分電力情報」と記載されている。
ここで、該段落【0165】の前段である段落【0163】、【0164】を参照すれば、段落【0165】の記載が図13を説明するものであることは明らかであり、図13には「垂下特性テーブル生成回路4093」が示されている。そして、段落【0164】の「垂下特性テーブル生成回路4093は、・・・、蓄電池用電力変換装置4から宅内配電系統10への売買電力目標値を修正するための差分電力ΔPsb2を算出して、第8の制御回路4094に出力する。」と記載されていることから、上記段落【0165】の「垂下特性テーブル生成回路2093」は、「垂下特性テーブル生成回路4093」の誤りであることは明らかである。
したがって、訂正事項8は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項8に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項8に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項8に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項8に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項8に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

8 訂正事項9
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0186】に「図20を参照して、横軸には、・・・過不足電力Pvlが示される。過不足電力Pvlは、供給電力の不足量を正値とする」と記載されている。
しかし、同段落【0187】に「横軸の過不足電力Pvlは、供給電力の過剰時、即ち、タウン蓄電池20が運転計画よりも充電側で動作するときに正値(Pvl>0)とされる。」と、同段落【0188】に「図20に示される、・・・。例えば、垂下特性線FCtは、正側(電力過剰側)の折れ点電力Pa及び負側(電力不足側)の折れ点電力Pb」と記載されている。
してみると、上記段落【0186】の「供給電力の不足量を正値とする」とは、「供給電力の過剰量を正値とする」の誤りであることは明らかである。
したがって、訂正事項9は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項9に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項9に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項9に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項9に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項9に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

9 訂正事項10
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0187】に「不足電力Pvl」と記載されているが、明細書の他の箇所には「不足電力Pvl」との記載は見当たらず、また、同段落【0186】、【0191】、【0220】、【0249】等に一貫して「過不足電力Pvl」と記載されていることからすれば、上記段落【0187】の「不足電力Pvl」は、「過不足電力Pvl」の誤りであることは明らかである。
したがって、訂正事項10は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項10に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項10に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項10に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項10に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項10に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

10 訂正事項11、12
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0209】、【0210】に「太陽電池用電力変換装置2の垂下特性線FC2(図19の点線)」と記載されている。
ここで、同段落【0135】、【0136】によれば、「太陽電池用電力変換装置2での差分電力を算出するための垂下特性を説明するための概念図」は「図18」であり、同段落【0156】、【0157】によれば、「蓄電池用電力変換装置4での差分電力を算出するための垂下特性を説明するための概念図」は「図19」である。
してみると、上記段落【0209】、【0210】の「太陽電池用電力変換装置2の垂下特性線FC2(図19の点線)」の「図19」は「図18」の誤りであることは明らかである。
したがって、訂正事項11、12は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項11、12に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項11、12に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項11、12に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項11、12に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項11、12に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

11 訂正事項13
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0213】に「逆潮量」と記載されているが、明細書の他の箇所には「逆潮量」との記載は見当たらず、また、同段落【0188】、【0189】、【0216】、【0221】、【0245】ないし【0247】に一貫して「逆潮流」と記載されていることからすれば、上記段落【0213】の「逆潮量」は「逆潮流」の誤りであることは明らかである。
したがって、訂正事項13は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項13に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項13に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項13に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項13に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項13に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

12 訂正事項14、19
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0217】、【0360】に「CEM15」と記載されている。
ここで、明細書の他の箇所には、「CEM」なる用語は記載されておらず、同段落【0012】に「タウン全体(マイクログリッド)を管理するCEMS(Community Energy Management System)によって、各需要家に設置された太陽電池の発電電力量、及び、負荷の消費電力量を予測する。」と記載され、明細書の実施の形態が記載された箇所にも、一貫して「CEMS15」と記載されている。
してみると、上記段落【0217】、【0360】の「CEM15」は、「CEMS15」の誤りであることは明らかである。
したがって、訂正事項14、19は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項14、19に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項14、19に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項14、19に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項14、19に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項14、19に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

13 訂正事項15
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0264】に「太陽電池用電力変換装置及び蓄電池用電力変換装置4」と記載されているが、同段落【0022】、【0030】には、「太陽電池用電力変換装置2」及び「蓄電池用電力変換装置4」それぞれが記載されており、同明細書の他の箇所にも一貫して「太陽電池用電力変換装置2」と記載されているから、上記段落【0264】の「太陽電池用電力変換装置及び蓄電池用電力変換装置4」が、「太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4」の誤りであることは明らかである。
したがって、訂正事項15は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項15に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項15に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項15に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項15に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項15に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

14 訂正事項16
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0299】に「需要家運転計画作成ユニット1652内の太陽電池出力抑制判断回路1658」と記載されている。
しかし、明細書の他の箇所には「太陽電池出力抑制判断回路1658」との記載は見当たらず、同段落【0056】には「図7を参照して、需要家運転計画作成ユニット1652は、・・・、太陽電池出力抑制判断回路1656、・・を有する。」と記載され、図7には、「需要家運転計画作成ユニット1652」が「太陽電池出力抑制判断回路1656」を有することが示されており、明細書の他の箇所にも一貫して「太陽電池出力抑制判断回路1656」と記載されている。
してみれば、上記段落【0299】の「太陽電池出力抑制判断回路1658」は、「太陽電池出力抑制判断回路1656」の誤りであることは明らかである。
したがって、訂正事項16は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項16に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項16に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項16に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項16に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項16に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

15 訂正事項17
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0337】に「図30及び図320でのタウン蓄電池20及び蓄電池3の充放電計画(運転計画)」と記載されている。
ここで、訂正前の図面には「図320」は存在せず、同段落【0018】に「【図32】 需要家の蓄電池の充放電電力の計画例を示すグラフである。」、同段落【0333】に「図32には、需要家宅18に設置された蓄電池3は充放電電力の計画例を示すグラフが示される。」と記載され、図32の縦軸上側に「需要家蓄電池充放電電力計画[kWh]」が示されていることから、上記段落【0337】の「図320」は、「図32」の誤りであることは明らかである。
したがって、訂正事項17は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項17に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項17に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項17に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項17に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項17に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

16 訂正事項18
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0346】に「30分周期の運転計」と記載されているが、明細書の他の箇所には「運転計」との記載は見当たらず、また、同段落【0223】、【0232】、【0269】、【0275】、【0279】、【0300】等に一貫して「30分周期の運転計画」と記載されていることからすれば、上記段落【0346】の「30分周期の運転計」は、「30分周期の運転計画」の誤りであることは明らかである。
したがって、訂正事項18は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項18に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項18に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項18に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項18に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項18に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

17 訂正事項20
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0385】に「具体的には、(充放電電力量(5分間毎の計画値))?(充放電電力量実績(5分間毎の計測値))+(消費電力量(5分間の計画値))?(消費電力量(5分間の実績値))+(天気予報を元に生成した発電電力(5分間の予測値)を5分毎に算出し、30分間分、すなわち、(36/5)=6個のデータを加算することによって、30分間での発電電力量推定値を算出することができる。」と記載されている。
上記記載によれば、5分毎に、「(充放電電力量(5分間毎の計画値))?(充放電電力量実績(5分間毎の計測値))+(消費電力量(5分間の計画値))?(消費電力量(5分間の実績値))+(天気予報を元に生成した発電電力(5分間の予測値)」の算出で得られる値を、30分間分加算するのであるから、上記段落【0385】の「(36/5)=6個」は、「(30/5)=6個」の誤りであることは明らかである。
したがって、訂正事項20は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項20に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項20に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項20に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項20に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項20に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

18 訂正事項21
(1)訂正の目的について
ア 訂正前の明細書の段落【0390】に「再び図34を参照して、・・・。具体的には、S159では、第1の運転計画作成回路1601(図4)が、次の5分周期の太陽電池1の発電電力抑制量(推定値)が予め定められた基準値と比較される。」と記載されている。
ここで、上記段落【0390】の「第1の運転計画作成回路1601(図4)が、・・発電電力抑制量(推定値)が予め定められた基準値と比較される。」との記載は、助詞「が」が重複され主語と述語の関係が不明確であるところ、上記【0390】の「発電電力抑制量(推定値)が基準値未満である場合」、段落【0391】の「発電電力抑制量(推定値)が基準値以上である場合」、との各記載からすれば、「発電電力抑制量(推定値)」が「基準値」と比較される対象であって、その比較を行う主体は「第1の運転計画作成回路1601」であると解される。
してみると、上記段落【0390】の「第1の運転計画作成回路1601(図4)が、・・発電電力抑制量(推定値)が予め定められた基準値と比較される。」との記載は、「第1の運転計画作成回路1601(図4)が、・・発電電力抑制量(推定値)を予め定められた基準値と比較する。」の誤りであることは明らかである。

イ また、訂正前の明細書の段落【0390】に「発電電力抑制量(推定値)が基準値未満である場合には、S159がYES判定とされて、タウン蓄電池20の運転計画作成(図27のS129)が終了される。」と記載されているが、図34によれば、S159において「NO」と判定された場合、運転計画作成が「終了」となり、「YES」と判定された場合、S160の処理が実行されることから、上記段落【0390】の「YES」は「NO」の誤りであることは明らかである。

ウ したがって、訂正事項21は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項21に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項21に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項21に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものでああり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項21に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項21に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

19 訂正事項22
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0393】に「CEMS5」と記載されているが、明細書の他の箇所には、「CEMS5」なる用語は記載されておらず、段落【0024】に「各需要家及び各区画で共有されるスマートタウンの構成として、・・・、CEMS15、・・が配置される。」と記載され、他の箇所にも一貫して「CEMS15」と記載されているから、上記段落【0393】の「CEMS5」は、「CEMS15」の誤りであることは明らかである。
したがって、訂正事項22は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項22に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項22に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項22に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項22に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項22に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

20 訂正事項23
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0423】に「太陽電池1の発電電力の推精度」と記載されている。
ここで、「推精度」とは用語の意味が不明であるところ、段落【0423】の前段である段落【0422】の記載によれば、段落【0422】及び【0423】は「太陽電池1の発電量の推定方法」に関する記載であることからすれば、段落【0423】の「推精度」が「推定精度」の誤りであることは明らかである。
したがって、訂正事項23は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項23に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項23に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項23に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項23に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項23に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

21 訂正事項24
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0428】に「図1に示すように・・・、柱上トランス9の二次側に需要家18を配置した」、「柱上トランス9を介さずタウン蓄電池20の出力を需要家18に接続してもよい」と記載されている。
ここで、明細書の他の箇所には、「需要家18」なる用語は記載されておらず、段落【0022】に「各需要家宅18は、・・・を備える。」と記載され、他の箇所にも一貫して「需要家宅18」と記載されていることから、上記段落【0428】の「需要家18」が「需要家宅18」の誤りであることは明らかである。
したがって、訂正事項24は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項24に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項24に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項24に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項24に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項24に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

22 訂正事項25
(1)訂正の目的について
訂正前の図4に「消費電力実績管理部159出力」、「分散電源ステータス管理部155出力」と記載されている。
ここで、明細書の他の箇所には、「消費電力実績管理部159」及び「分散電源ステータス管理部155」なる用語は記載されておらず、明細書の段落【0035】に「図3を参照して、CEMS15は、・・・分散電源ステータス管理回路155、・・・、消費電力実績管理回路159、・・・を含む。」と記載され、また、段落【0044】に「運転計画作成回路160は、分散電源ステータス管理回路155、・・・、消費電力実績管理回路159より出力されるデータを元に、・・・を生成する。」と記載され、図3には、「消費電力実績管理回路159」、「分散電源ステータス管理回路155」の各出力が「運転計画作成回路160」に入力されることが図示されている。
してみると、訂正前の図4の「消費電力実績管理部159出力」、「分散電源ステータス管理部155出力」は、「消費電力実績管理回路159出力」、「分散電源ステータス管理回路155出力」の誤りであることは明らかである。
したがって、訂正事項25は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項25に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、図面における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項25に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項25に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、図面における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項25に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項25に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、図面における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

23 訂正事項26
(1)訂正の目的について
ア 訂正前の図14に「開閉器26」と記載されているが、明細書の他の箇所には、「開閉器26」なる用語は記載されておらず、図1を説明する段落【0024】、【0025】には「開閉器22」が記載され、図1には「タウン蓄電池用電力変換装置21」と接続される「開閉器22」が図示されていることからすれば、図1に示されたタウン蓄電池用電力変換装置21の構成を説明するブロック図として示される図14(段落【0092】を参照。)の「開閉器26」は、「開閉器22」の誤りであることは明らかである。

イ 訂正前の図14に「柱上トランス90」、「柱上トランス92」と記載されているが、明細書の他の箇所には、「柱上トランス90」、「柱上トランス92」なる用語は記載されておらず、明細書の段落【0023】に「尚、図1では、・・・。同様に、柱上トランスについても、区画を区別せずに説明する場合には、符号Q,R,Zを付さずに、単に柱上トランス9と表記する。」と記載され、図1には「タウン蓄電池用電力変換装置21」と接続される「柱上トランス9Q、9R、9Z」が図示されており、図1に示されたタウン蓄電池用電力変換装置21の構成を説明するための図14では区画は区別されていないから、図14の「柱上トランス90」、「柱上トランス92」は、「柱上トランス9」、「柱上トランス9」の誤りであることは明らかである。

ウ したがって、訂正事項26は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項26に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、図面における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項26に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項26に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、図面における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項26に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項26に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、図面における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

24 訂正事項27
(1)訂正の目的について
訂正前の図34のS156には、「需要家蓄電池30」と記載されているが、明細書の他の箇所には、「需要家蓄電池30」なる用語は記載されておらず、明細書の段落【0406】には「需要家蓄電池3」が記載され、さらに、同段落【0022】、【0026】、【0030】及び図2に「各需要家宅18」は「蓄電池3」を備えることが記載されているから、図34のS156の「需要家蓄電池30」は「需要家蓄電池3」の誤りであることは明らかである。
したがって、訂正事項27は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項27に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、図面における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項27に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項27に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、図面における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項27に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項27に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、明細書における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

25 訂正事項28
(1)訂正の目的について
訂正前の図36のS205に「タウン蓄電池20の充放電電力目標値(案文後)決定」と記載されている。
ここで、明細書の段落【0395】に「S205により、・・・タウン蓄電池20の充放電電力目標値(計画値)を作成する。具体的には・・、5分周期の太陽電池1の発電電力抑制量(推定値)を元に、タウン蓄電池20の案分電力を決定する」と記載され、段落【0396】、【0400】によれば、「案分」とは、太陽電池1からの発電電力をタウン蓄電池20及び蓄電池3で分けて充電する、又は、太陽電池1の発電量が予測した発電電力より不足する場合不足電力をタウン蓄電池20及び需要家宅18内の蓄電池3で分けて放電することであり、段落【0396】ないし【0405】によれば、「タウン蓄電池20の案分電力」とは、上記発電電力又は不足電力に対してタウン蓄電池20が担う充放電電力である。
してみれば、上記S205の「タウン蓄電池20の充放電電力目標値(案文後)決定」の「(案文後)」が「(案分後)」の誤りであることは明らかである。
したがって、訂正事項28は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる「誤記の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項28に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、図面における誤記の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてするものであること、すなわち新規事項を追加するものではないことは明らかである。
したがって、訂正事項28に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項28に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、図面における誤記の訂正を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項28に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は拒絶理由を発見しないとして特許されたものであり、また、訂正事項28に係る訂正は、上記(1)ないし(3)で指摘したとおり、図面における誤記の訂正を目的とするものであって、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではなく、新たな拒絶理由が生じるものでもないから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし13に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるといえる。

第5 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第1号ないし第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項ないし第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。

 
発明の名称 (54)【発明の名称】
電力管理システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力管理システムに関し、より特定的には、太陽電池等の再生可能エネルギを利用した創エネルギ機器(以下、「創エネ機器」とも称する)を含む複数の分散電源が交流で連携するマイクログリッドにおける停電時の自立運転に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷の低減に向け、二酸化炭素を排出しない太陽電池等の自然エネルギを利用した発電システムが各家庭に普及しつつある。又、東日本大震災以降の電力不足等に対応するため、蓄電池等の蓄エネルギ機器(以下「蓄エネ機器」とも称す)を具備したシステム、電気自動車を蓄電池として利用するシステム、及び、太陽電池(創エネ機器)と蓄電池(蓄エネ機器)とを組み合わせたシステム等の製品化が進められている。更に、政府は二酸化炭素の排出量を大幅に削減するために、住宅等の断熱性能等を向上させるとともに、太陽電池等の再生可能エネルギを利用した創エネ機器を設置し、住宅で使用する1年間の電力収支をゼロとするゼロエミッション住宅(以降「ZEH住宅」、或いは、単に「ZEH」とも称する)の普及が促進されている。
【0003】
更に、最近になり跡地開発と呼ばれる、工場や学校などの跡地を利用した大規模なタウン開発(例えば、神奈川県藤沢市のサスティナブル・スマートタウンや九州大学跡地開発等)が進められている。このような開発では、各戸に太陽電池が設置される事例も出てきている。又、上述したような政府の指針からも、今後のタウン開発では、ZEH住宅(各戸に数kWの創エネ機器(太陽電池等)の設置が前提となることが予測される。又、神奈川県藤沢市のサスティナブル・スマートタウンでは停電時、宅内に設置した太陽電池と蓄電池を用いて72時間宅内の重要負荷(例えば冷蔵庫)に電力を供給し、LCP(Life Continuity Performance)を確保することができる。しかしながら、72時間のLCPを確保するためには、例えば、重要負荷に供給する電力量を2kWh/日とした場合、各需要家宅内に設置される蓄電池は6kWh以上必要となる。このため、蓄電池が高価となり、需要家が負担するコスト(住宅購入費用)が大きくなることが懸念される。
【0004】
又、大規模な跡地開発の場合、1戸当り4kWの太陽電池を設置した場合、300戸程度のタウン規模になると、メガソーラが形成されることになる。このため、配電系統電圧の安定化のために、蓄電池やSVC等の配電系統安定化設備をタウン内に設置し対応する場合がある。その際、これら設備の導入に際しては、需要家も一部費用を負担する場合がある。従来、停電が発生した場合、神奈川県藤沢市のサスティナブル・スマートタウンように、需要家は系統連系点で配電系統から切り離し、需要家宅内の分散電源から重要負荷(例えば、冷蔵庫)に電力を供給する。その場合、昼間にピークカット等に需要家宅内の蓄電池を使用し、蓄電電力がほとんどなかった場合、蓄電池はあるが、重要負荷に電力が供給できないという問題点、或いは、上述したように72時間のLCPを確保するためには、6kWh以上の高価な蓄電池を購入しなければならないという問題点等がある。
【0005】
特開2015-126554(特許文献1)には、連系運転時に、再生可能エネルギを利用した発電設備及び蓄電池を備える需要家施設を含む複数の需要家施設(以下、「タウン」とも称する)を共通の系統電源に接続して構成される電力管理システムが開示されている。特許文献1の電力管理システムは、系統電源に接続される共通蓄電装置(タウン蓄電池)と、電力管理システムにおいて所定の電力管理を実行する需要家施設対応電力管理部と、差分電力算出部とを備えている。差分電力算出部は、需要家施設対応電力管理部による電力管理が行われている状態の下での、電力管理システムにおける各蓄電池に対する充電電力の余剰分又は各蓄電池から負荷に供給する電力の不足分に対応する差分電力を算出する。そして、算出された差分電力に基づいて、共通蓄電装置の充電又は放電を制御することによって、需要家施設の発電装置による発電電力の有効利用が促進される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2015-126554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述の配電系統安定化設備(タウン蓄電池やSVC等)がタウン内に配置されたマイクログリッドでは、タウン蓄電池を含む配電系統電圧安定化設備と需要家側分散電源とを連携協調させ、連系運転時は系統電圧の安定化を図る一方で、停電時にはタウン蓄電池を利用して需要家に電力を供給することにより、配電系統安定化設備の設備容量の削減、及び、需要家宅内の蓄電池容量の削減を図る検討が進められている。
【0008】
従って、特許文献1の電力管理システムにおいても、タウン蓄電池の蓄積エネルギを利用して、停電時の自立運転を実行できる可能性がある。特許文献1に記載されている電力管理システムでは、太陽電池等の創エネ機器の発電電力予測結果、及び、需要家宅内の負荷消費電力予測結果からタウン全体の電力の余剰分或いは不足分を算出し、当該算出結果、及び、タウン内に配置された蓄電池の効率特性に基づいて、充放電対象とする蓄電池を選択することによって、効率的な充放電を行うための運転計画が作成される。
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載されている制御を停電時の自立運転に適用した場合、には、上述の発電電力予測又は負荷消費電力予測に誤差が生じた場合が問題となる。例えば、太陽電池の発電電力予測が外れて、予測以上に余剰電力が発生した際は、蓄電池は充電できる余力があるにも関わらず太陽電池の発電量が抑制されること、或いは、余剰電力があるにも関わらずタウン蓄電池や需要家の蓄電池から不必要な放電が行われること、が懸念される。
【0010】
又、停電時の自立運転では、マイクログリッド内で、発電量や消費電力量についての予測外れに起因した電力(電力量)の過不足の吸収(いわゆる、「しわ取り」)を実現する必要がある。一般的には、タウン蓄電池を用いて、過不足を吸収することができるが、タウン蓄電池の容量を越える予測誤差が発生してしまうと、配電系統が維持できなくなることが懸念される。例えば、夜間の負荷の消費電力が予測を大幅に超えて大きくなった場合には、電力の同時同量を確保することができなくなり、配電系統が維持不能となる虞がある。
【0011】
従って、例えば、上述した72時間のLCPを確保する目的で、タウン蓄電池と需要家側分散電源(太陽電池等)の連携協調制御によって、停電時の自立運転の容量を増加させることが考えられる。
【0012】
具体的には、タウン全体(マイクログリッド)を管理するCEMS(Community Energy Management System)によって、各需要家に設置された太陽電池の発電電力量、及び、負荷の消費電力量を予測する。更に、当該予測結果、並びに、蓄電池(タウン蓄電池、及び、需要家内に設置された蓄電池)の蓄電電力量から、タウン蓄電池、需要家の蓄電池、及び、負荷の運転計画を作成して、CEMSから各需要家のHEMS(Home Energy Management System)に通知することで、上記連携協調制御を実現することができる。
【0013】
この際には、運転計画の見直し周期を短くして、予測修正の頻度を高くすることで、予測結果の誤差を抑制して、自立運転の継続性を高めることができる。一方、CEMSは300戸の需要家を管理しているので、運転計画を作成して通信する周期は一般的に30分程度となり、演算負荷の観点から、当該周期を短縮することが困難である。このため、運転計画は30分周期でしか見直されないことにより、例えば、太陽電池の発電電力が外れ、実際には余剰電力があるにもかかわらず発電電力を抑制してしまい、タウン蓄電池からは不必要な電力を放電してしまうといった問題点があった。
【0014】
本発明は、上記したような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、創エネ機器を含む複数の分散電源が設置された管理区画(例えば、工場、商用施設、又は、レジャー施設等を含むマイクログリッド)の停電時の自立運転において、複数の分散電源の運転計画を作成するための演算負荷を過度に増加させることなく、運転計画からの誤差が生じても、創エネ機器の出力を不必要に抑制することなく、電力の同時同量を確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明のある局面では、停電時に交流電圧を第1の配電系統に供給する主分散電源と、創エネ機器を含む複数の分散電源とが設置された管理区画の電力管理システムは、計測器と、通信部と、情報収集部と、発電電力予測部と、消費電力予測部と、運転計画作成部と、送信管理部とを備える。計測器は、複数の分散電源の各々に対して、第1の配電系統とトランスを介して接続された第2の配電系統を介して電気的に接続された負荷の消費電力を計測する。通信部は、主分散電源、複数の分散電源の各々、及び、計測器と通信する。情報収集部は、計測器で計測した消費電力、並びに、主分散電源及び複数の分散電源の各々のステータス情報を、通信部を介して収集する。発電電力予測部は、複数の分散電源での創エネ機器の発電電力を予測する。消費電力予測部は、停電時における負荷での消費電力を予測する。運転計画作成部は、情報収集部によって収集された、発電電力予測部による発電電力予測結果、消費電力予測部による消費電力予測結果、ステータス情報、及び、計測器による消費電力実績結果を元に、停電に対応する自立運転時における、主分散電源を制御する第1の運転計画及び複数の分散電源を制御するための第2の運転計画を作成する。送信管理部は、自立運転時において、通信部を介して、第1の運転計画を主分散電源へ送信するとともに、第2の運転計画を複数の分散電源の各々に送信する。自立運転時において、第1の運転計画は、情報収集部による情報収集周期以上に設定された第1の周期毎に更新されて主分散電源に送信される一方で、第2の運転計画は、第1の周期よりも長い第2の周期毎に更新されて複数の分散電源の各々に送信される。主分散電源は、第1の制御部を含む。第1の制御部は、主分散電源から第1の配電系統に出力される交流電圧周波数を、主分散電源における第1の運転計画に従った電力収支に対する過不足電力に応じて変化させる。複数の分散電源の各々は、第2の制御部を含む。第2の制御部は、第2の運転計画に対して第2の配電系統の交流電圧周波数に応じた修正値を加えた制御目標値に従って、分散電源の出力を制御する。
【0016】
本発明の他のある局面では、停電時に交流電圧を第1の配電系統に供給する主分散電源と、創エネ機器を含む複数の分散電源とが設置された管理区画の電力管理システムは、情報収集部と、発電電力予測部と、消費電力予測部と、運転計画作成部とを備える。情報収集部は、複数の分散電源の各々に対して、第1の配電系統と接続された第2の配電系統を介して電気的に接続された負荷の消費電力、並びに、主分散電源及び複数の分散電源の各々のステータス情報を収集する。発電電力予測部は、複数の分散電源での創エネ機器の発電電力を予測する。消費電力予測部は、停電時における負荷での消費電力を予測する。運転計画作成部は、情報収集部によって収集された、発電電力予測部による発電電力予測結果、消費電力予測部による消費電力予測結果、ステータス情報、及び、負荷の消費電力実績結果を元に、停電に対応する自立運転時における、主分散電源を制御する第1の運転計画及び複数の分散電源を制御するための第2の運転計画を作成する。自立運転時において、第1の運転計画は、情報収集部による情報収集周期以上に設定された第1の周期毎に更新されて主分散電源に送信される一方で、第2の運転計画は、第1の周期よりも長い第2の周期毎に更新されて複数の分散電源の各々に送信される。主分散電源は、第1の制御部を含む。第1の制御部は、主分散電源から第1の配電系統に出力される交流電圧周波数を、主分散電源における第1の運転計画に従った電力収支に対する過不足電力に応じて変化させる。複数の分散電源の各々は、第2の制御部を含む。第2の制御部は、第2の運転計画に対して第2の配電系統の交流電圧周波数に応じた修正値を加えた制御目標値に従って、分散電源の出力を制御する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、創エネ機器を含む複数の分散電源が設置された管理区画(マイクログリッド)において、創エネ機器の発電電力が第2の運転計画から外れて変化することで管理区画内での電力収支が崩れた場合には、第2の運転計画よりも短い周期で作成される第1の運転計画との誤差(過不足電力)に応じて、第1及び第2の配電系統を介して主分散電源及び複数の分散電源間で共有される交流電圧周波数(系統周波数)を変化させることを通じて、第2の運転計画を再作成することなく複数の分散電源の制御目標値を修正することができる。この結果、複数の分散電源の運転計画を作成するための演算負荷を過度に増加させることなく、運転計画からの誤差が生じても、創エネ機器の出力を不必要に抑制することなく、電力の同時同量を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本実施の形態に係る電力管理システムが適用されるマイクログリッドの一例であるスマートタウン内に配置された分散電源システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示された需要家宅内の各種設備の構成を更に説明するためのブロック図である。
【図3】本実施の形態におけるCEMSによる運転計画作成機能を説明するブロック図である。
【図4】図3に示された運転計画作成回路の構成を説明するブロック図である。
【図5】図4に示された第1の運転計画作成回路の構成を説明するブロック図である。
【図6】図4に示された需要家運転計画作成回路の構成を説明するブロック図である。
【図7】図6に示された需要家運転計画作成ユニットの構成を説明するブロック図である。
【図8】図7に示された第2の運転計画作成回路の構成を説明するブロック図である。
【図9】図1に示された太陽電池用電力変換装置及び蓄電池用電力変換装置の構成を説明するブロック図である。
【図10】図9に示された、太陽電池用電力変換装置の第1のDC/DC変換回路を制御する第1の制御回路の構成を説明するブロック図である。
【図11】図9に示された、太陽電池用電力変換装置の第1のDC/AC変換回路を制御する第2の制御回路の構成を説明するブロック図である。
【図12】図9に示された、蓄電池用電力変換装置の第2のDC/DC変換回路を制御する第3の制御回路の構成を説明するブロック図である。
【図13】図9に示された、蓄電池用電力変換装置の第2のDC/AC変換回路を制御する第4の制御回路の構成を説明するブロック図である。
【図14】図1に示されたタウン蓄電池用電力変換装置の構成を説明するブロック図である。
【図15】図14に示された、タウン蓄電池用電力変換装置の第3のDC/DC変換回路を制御する第9の制御回路の構成を説明するブロック図である。
【図16】図14に示された、タウン蓄電池用電力変換装置の第3のDC/AC変換回路を制御する第10の制御回路の構成を説明するブロック図である。
【図17】本実施の形態に係る電力管理システムにおける垂下特性を利用した同時同量制御の動作原理を説明する概念図である。
【図18】太陽電池用電力変換装置での差分電力を算出するための垂下特性を説明するための概念図である。
【図19】蓄電池用電力変換装置での差分電力を算出するための垂下特性を説明するための概念図である。
【図20】タウン蓄電池用電力変換装置の出力周波数を設定するための垂下特性を説明するための概念図である。
【図21】30分周期で作成された運転計画の一例を示す概念的なグラフである。
【図22】30分周期で生成された運転計画を元に動作した場合における最初の5分間での実測結果の一例を示す棒グラフである。
【図23】CEMSによる運転計画に従った30分間の動作イメージを説明する概念図である。
【図24】CEMSによる停電発生時の一連の処理を説明する第1のフローチャートである。
【図25】CEMSによる停電発生時の一連の処理を説明する第2のフローチャートである。
【図26】本実施の形態に係る電力システムでの停電時における各種機器間の動作シーケンス図である。
【図27】図26の運転計画を作成するステップでの処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図28】本実施の形態に係る電力システムでのタウン蓄電池の24時間分の目標SOCを説明するための概念図である。
【図29】スマートタウン内で発生する各時刻の余剰電力量の予測結果の一例を示すグラフである。
【図30】タウン蓄電池の充放電電力の計画例を示すグラフである。
【図31】タウン蓄電池の運転計画に従ったSOC推移の一例を示すグラフである。
【図32】需要家の蓄電池の充放電電力の計画例を示すグラフである。
【図33】需要家の蓄電池の運転計画に従ったSOC推移の計算結果の一例を示すグラフである。
【図34】図27のタウン蓄電池の運転計画を作成するステップでの処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図35】図34の太陽電池の発電電力抑制量を推定するステップでの処理の詳細を説明するフローチャートである。
【図36】図34のタウン蓄電池の運転計画を変更するステップでの処理の詳細を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下では、図中の同一又は相当部分には同一符号を付して、その説明は原則的に繰返さないものとする。
【0020】
(システム構成)
図1は、本発明の実施の形態に係る電力管理システムが適用されるマイクログリッドの一例であるスマートタウン内に配置された分散電源システムの構成を示すブロック図である。即ち、スマートタウンは「管理区画」の一実施例に対応する。
【0021】
図1を参照して、分散電源システムは、複数の区画(例えば、30区画程度)の集合体で構成されたスマートタウン内に配置される。当該スマートタウンを構成する複数の区画の各々は、共通の柱上トランス9に接続される複数の需要家(例えば、10軒程度)によって構成される。図1中には、区画19Q,19R,19Z、及び、区画19Q,19R,19Zにそれぞれ対応する柱上トランス9Q,9R,9Zが例示されるが、区画の数は任意である。又、区画19Qにおいて、需要家a及び需要家bが例示されるが、区画内の需要家数についても任意である。
【0022】
各需要家宅18は、太陽電池1、太陽電池用電力変換装置2、蓄電池3、蓄電池用電力変換装置4、需要家宅内の負荷5、分電盤6、HEMS7、スマートメータ8、宅内配電系統10、宅内通信ネットワーク11、及び、信号線12を備える。宅内通信ネットワーク11は、HEMS7と宅内の住設機器とを接続する。信号線12は、分電盤6で計測した各機器の消費電力等を、HEMS7へ送信する。
【0023】
尚、図1では、区画19Q内の需要家a及び需要家bの需要家宅18a,18bの構成を、上述の各要素の符号に添字a,bを付して例示しているが、各需要家宅でのシステムの構成は同様であるので、需要家を区別せずに説明する際には、符号a,bを付さずに表記するものとする。同様に、柱上トランスについても、区画を区別せずに説明する場合には、符号Q,R,Zを付さずに、単に柱上トランス9と表記する。
【0024】
更に、各需要家及び各区画で共有されるスマートタウンの構成として、変電所24と接続された配電系統17、各柱上トランス9間の柱上トランス1次側と接続された配電系統16、柱上トランス9及び各需要家間の柱上トランス2次側の配電系統14、宅外通信ネットワーク13、CEMS15、タウン蓄電池20、タウン蓄電池用電力変換装置21、開閉器22、クラウド23が配置される。
【0025】
CEMS15は、区画19Q?19Zで構成された街区内の需給電力を管理する。宅外通信ネットワーク13は、各需要家のHEMS7及びCEMS15の間を通信接続する。クラウド23は、天気予報情報等を配信する。CEMS15は、宅外通信ネットワーク13を経由して、クラウド23が配信する情報を取得することができる。タウン蓄電池用電力変換装置21は、タウン蓄電池20及び配電系統16の間で、直流/交流電力変換を実行する。変電所24と接続された配電系統17と、配電系統16との間には、開閉器22が設けられる。開閉器22によって、変電所24とスマートタウン内の配電系統14,16との間を電気的に切り離すことができる。
【0026】
以下、本実施の形態では、各需要家宅18は、太陽電池1(容量が4?6(kW)程度)が設置されたZEH住宅で構成されており、スマートタウン全体でメガソーラが構成されている場合について説明する。即ち、本実施の形態では、各需要家宅18内に、「分散電源」として、太陽電池1及び蓄電池3を設置するものとして以下の説明を行う。太陽電池1は「創エネ機器」の一実施例に対応し、蓄電池3は「蓄エネ機器」の一実施例に対応する。
【0027】
又、蓄電池3としては、1台の定置型バッテリを使用した構成を例示するが、2台以上の複数の蓄電池、あるいは他の分散電源機器と連携して、「畜エネ機器」を構成することも可能である。特に、電気自動車(EV:Electric Vehicle)、プラグインタイプのハイブリッド自動車(PHEV:Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、或いは、燃料電池自動車(FCV:Fuel Cell Vehicle)等の車載蓄電池を用いることも可能である。又は、定置型の蓄電池と、車載蓄電池との組み合わせによって、蓄電池3を構成することも可能である。
【0028】
同様に、太陽電池1の代わりに他の創エネ機器(例えば、燃料電池や風力発電設備)が配置されてもよい。或いは、太陽電池1に加えて、他の創エネ機器が更に配置されてもよい。又、本実施の形態では、各需要家宅18に、太陽電池1(創エネ機器)及び蓄電池(蓄エネ機器)の両方が配置された構成を例示するが、一部の需要家宅18については、太陽電池1及び蓄電池3の一方のみを有してもよい。
【0029】
図2には、図1に示された需要家宅18内の各種設備の構成を更に説明するためのブロック図が示される。
【0030】
図2を参照して、太陽電池1及び太陽電池用電力変換装置2により、創エネ機器による分散電源が構成され、蓄電池3及び蓄電池用電力変換装置4により、蓄エネ機器による分散電源が構成される。尚、上述のように、各需要家宅の電源システムには、創エネ機器による分散電源、及び、蓄エネ機器による分散電源の一方のみが配置されてもよい。
【0031】
負荷5は、例えば、エコキュート(登録商標)等の蓄熱機器51、エアコン52、冷蔵庫53、照明54、及び、IHクッキングヒータ55を含む。負荷5は、宅内配電系統10から供給された電力によって動作する。分電盤6の内部には、ブレーカ単位で消費電力を計測するための電力計測回路61が配置される。電力計測回路61による測定値は、信号線12を経由して、HEMS7へ送信される。HEMS7は、宅内通信ネットワーク11を経由して、負荷5の各機器及びスマートメータ8との間でデータの授受が可能である。
【0032】
各需要家宅18には、柱上トランス9からスマートメータ8を介して、宅内配電系統10に電力が供給される。更に、HEMS7には宅外通信ネットワーク13を介してCEMS15が接続される。HEMS7は、宅外通信ネットワーク13を介して、CEMS15との間で、データの授受が可能である。
【0033】
CEMS15は、図1及び図2で説明した分散電源システムの運用計画を定期的に作成する。なお、本実施の形態における運転計画の作成は、ある時刻での運転計画を新規に作成すること、及び、運転計画が既に作成された時刻での運転計画を修正又は補正により再作成することの両方の意味を含むものとする。
【0034】
図3は、本実施の形態におけるCEMS15による運転計画作成機能を説明するブロック図である。
【0035】
図3を参照して、CEMS15は、通信回路151、情報収集回路152、データ送信管理回路153、データ受信管理回路154、分散電源ステータス管理回路155、発電電力実績管理回路156、発電電力予測回路157、消費電力予測回路158、消費電力実績管理回路159、運転計画作成回路160、及び、運転計画作成管理回路161を含む。
【0036】
通信回路151は、宅外通信ネットワーク13を介して、各需要家宅18内に設置されたHEMS7、タウン蓄電池用電力変換装置21、及び、クラウド23との間で通信によって情報を授受する。
【0037】
情報収集回路152は、通信回路151を介して入手した、各需要家宅18の消費電力量、太陽電池1及び蓄電池3のステータス情報、並びに、タウン蓄電池20のステータス情報と、クラウド23を介して入手した天気予報情報等とを、収集及び管理する。
【0038】
データ送信管理回路153は、通信回路151を介して、CEMS15で作成した運転計画の送信、或いは、各需要家宅18で計測した消費電力量などの送信要求の送信等を管理する。データ受信管理回路154は、通信回路151を介して受信したデータを管理する。
【0039】
分散電源ステータス管理回路155は、情報収集回路152より出力される分散電源のステータス情報(需要家宅18内の太陽電池用電力変換装置2から受信した太陽電池1の発電電力量、及び、太陽電池1の制御モード(詳細は後述する)を管理する。更に、分散電源ステータス管理回路155は、蓄電池用電力変換装置4から出力される、蓄電池3の充放電電力量、SOC(State of Charge)、及び、SOH(State of Health)を管理する。分散電源ステータス管理回路155は、更に、タウン蓄電池用電力変換装置21から出力される、タウン蓄電池20の充放電電力量、SOC、及び、SOHについても管理する。
【0040】
発電電力実績管理回路156は、情報収集回路152より出力される、各需要家宅18の太陽電池1の発電電力量を管理する。発電電力実績管理回路156は、各需要家宅18から通知される発電量実績値を元に、日付毎、時間毎(例えば30分毎)、及び、天気実績毎にデータベースを構築する。
【0041】
発電電力予測回路157は、情報収集回路152より出力される天気予報情報、及び、発電電力実績管理回路156で生成した発電量実績データベースを元に、各需要家宅18の太陽電池1の発電電力を予測する。
【0042】
消費電力実績管理回路159は、情報収集回路152より出力される各需要家宅18の負荷5の消費電力実績値を管理する。消費電力実績管理回路159は、連系運転時は、各需要家宅18から通知される消費電力実績値を元に、月毎、曜日毎、時間毎(例えば30分毎)、及び、天気実績(外気温実績を含む)毎にデータベースを構築する。
【0043】
消費電力予測回路158は、情報収集回路152より出力される天気予報情報(外気温予測情報を含む)、及び、消費電力実績管理回路159で生成した消費電力実績データベースを元に、各需要家宅18の負荷5の消費電力を予測する。
【0044】
運転計画作成回路160は、分散電源ステータス管理回路155、発電電力実績管理回路156、発電電力予測回路157、消費電力予測回路158、及び、消費電力実績管理回路159より出力されるデータを元に、タウン蓄電池20の充放電計画(5分周期、及び、30分周期)、タウン蓄電池用電力変換装置21の垂下特性、各需要家宅18の系統連系点での売買電力、太陽電池用電力変換装置2用の垂下特性、並びに、蓄電池用電力変換装置4用の垂下特性を生成する。運転計画作成管理回路161は、CEMS15の運転計画作成機能全体の動作を管理する。
【0045】
ここで、タウン蓄電池用電力変換装置21、並びに、各需要家宅18の太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の各々で用いられる垂下特性とは、電力系統での一般的な現象である、発電機の発電電力に対する負荷での消費電力の過不足に応じて、系統周波数が上昇(電力余剰時)又は低下(電力不足時)する特性を意味している。本実施の形態では、後述の説明で明らかになるように、垂下特性を介して、マイクログリッド内での全体的な電力バランスが、各変換装置間で共有される。
【0046】
図4は、図3に示された運転計画作成回路160の構成を説明するブロック図である。
図4を参照して、運転計画作成回路160は、需要家運転計画作成回路1651、及び、第1の運転計画作成回路1601を有する。
【0047】
需要家運転計画作成回路1651は、各需要家宅18の系統連系点での売買電力、太陽電池用電力変換装置2用の垂下特性、及び、蓄電池用電力変換装置4用の垂下特性を生成する。第1の運転計画作成回路1601は、タウン蓄電池20の充放電計画(5分周期、及び、30分周期)、並びに、タウン蓄電池用電力変換装置21の垂下特性を生成する。
【0048】
図5は、図4に示された第1の運転計画作成回路1601の構成を説明するブロック図である。
【0049】
図5を参照して、第1の運転計画作成回路1601は、余剰電力予測合計回路1605、出力抑制電力合計回路1606、タウン蓄電池充放電電力決定回路1607、タウン蓄電池垂下特性生成回路1608、タウン蓄電池運転計画作成回路1609、及び、需要家系統連系点電力生成回路1610を有する。
【0050】
余剰電力予測合計回路1605は、需要家運転計画作成回路1651内の後述する余剰電力予測回路1655より出力される、個々の需要家宅18の余剰電力の予測結果を合計する。出力抑制電力合計回路1606は、需要家運転計画作成回路1651内の後述する太陽電池出力抑制判断回路1656から出力される、個々の需要家宅18の太陽電池1の出力抑制電力推定値を合計する。タウン蓄電池充放電電力決定回路1607は、余剰電力予測合計回路1605、及び、出力抑制電力合計回路1606の出力に基づき、タウン蓄電池20からの充放電電力を決定する。タウン蓄電池垂下特性生成回路1608は、余剰電力予測合計回路1605、出力抑制電力合計回路1606、及び、タウン蓄電池充放電電力決定回路1607からの出力を元にタウン蓄電池20の垂下特性を生成する。
【0051】
タウン蓄電池運転計画作成回路1609は、運転計画作成管理回路161から出力されるタイミング信号に応じて、タウン蓄電池充放電電力決定回路1607、及び、需要家運転計画作成回路1651内の後述する第2の運転計画作成回路1657からの情報を元にタウン蓄電池20の運転計画を作成する。本実施の形態では、運転計画作成管理回路161は、5分周期のタイミング信号及び30分周期のタイミング信号の2種類のタイミング信号を出力するものとする。
【0052】
需要家系統連系点電力生成回路1610は、余剰電力予測回路1655、太陽電池出力抑制判断回路1656、及び、タウン蓄電池運転計画作成回路1609からの出力を元に、個々の需要家宅18の系統連系点(図1及び図2の宅内配電系統10)での売買電力目標値を生成する。売買電力目標値は、分散電源から宅内配電系統10へ電力を出力する売電方向を正値で示し、その反対の買電方向を負値で示すものとする。
【0053】
図6は、図4に示された需要家運転計画作成回路1651の構成を説明するブロック図である。
【0054】
図6を参照して、需要家運転計画作成回路1651は、需要家宅18毎に設けられた需要家運転計画作成ユニット1652を有する。図6中には、図1の需要家宅18a及び18bの運転計画を作成するための需要家運転計画作成ユニット1652a及び1652bが例示される。実際には、需要家運転計画作成回路1651内には、CEMS15が管理している需要家数に対応した個数の需要家運転計画作成ユニット1652が実装される。
【0055】
図7は、図6に示された需要家運転計画作成ユニット1652の各々の構成を説明するブロック図である。図6に示された需要家運転計画作成ユニット1652は、複数の需要家宅18のうちの需要家宅18xの運転計画を作成するものであるとする。
【0056】
図7を参照して、需要家運転計画作成ユニット1652は、余剰電力予測回路1655、太陽電池出力抑制判断回路1656、及び、第2の運転計画作成回路1657を有する。
【0057】
余剰電力予測回路1655は、発電電力予測回路157及び消費電力予測回路158からの需要家宅18xでの余剰電力を予測する。太陽電池出力抑制判断回路1656は、需要家宅18xに設置された太陽電池1の発電量予測結果、消費電力予測結果、発電量実績、及び、消費電力実績、並びに、需要家宅18xの太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4からのステータス情報を元に、当該太陽電池1が出力抑制を行っている否かを判断する。出力抑制を行っていると判断した場合は、太陽電池出力抑制判断回路1656は、更に、出力抑制された電力値を予測する。
【0058】
第2の運転計画作成回路1657は、運転計画作成管理回路161から出力されるタイミング信号(30分周期のタイミング信号を想定)の受信に応じて、余剰電力予測回路1655、太陽電池出力抑制判断回路1656、及び、需要家系統連系点電力生成回路1610からの出力、並びに、蓄電池用電力変換装置4からのステータス情報を元に、需要家宅18xの系統連系点での売買電力目標値及び垂下特性を生成する。この結果、図6の需要家運転計画作成回路1651によって、個々の需要家宅18について、系統連系点での売買電力目標値及び垂下特性が個別に生成される。
【0059】
図8は、図7に示された第2の運転計画作成回路1657の構成を説明するブロック図である。図7に示された需要家運転計画作成ユニット1652についても、複数の需要家宅18のうちの需要家宅18xの運転計画を作成するものである。
【0060】
図8を参照して、第2の運転計画作成回路1657は、需要家分散電源用垂下特性生成回路1661、及び、運転計画補正回路1662を有する。
【0061】
運転計画補正回路1662は、運転計画作成管理回路161から出力されるタイミング信号(30分周期のタイミング信号を想定)の受信に応じて、分散電源ステータス管理回路155、需要家系統連系点電力生成回路1610、及び、余剰電力予測回路1655からの出力に基づき、運転計画を補正する。需要家分散電源用垂下特性生成回路1661は、運転計画作成管理回路161から出力されるタイミング信号(30分周期のタイミング信号を想定)の受信に応じて、余剰電力予測回路1655、分散電源ステータス管理回路155、及び、運転計画補正回路1662の出力から、需要家宅18xの垂下特性を生成する。
【0062】
次に、図9?図16を用いて、図1中の太陽電池用電力変換装置2、蓄電池用電力変換装置4、及び、タウン蓄電池用電力変換装置21の構成を詳細に説明する。
【0063】
図9は、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の構成を説明するブロック図である。
【0064】
図9を参照して、太陽電池用電力変換装置2は、電圧計201、電流計202、第1のDC/DC変換回路203、第1の制御回路204、直流母線205、電圧計206、電流計207、第1のDC/AC変換回路208、第2の制御回路209、電圧計210、電流計211、及び、通信インターフェイス回路212を含む。
【0065】
電圧計201は、太陽電池1から出力される電圧(DC)を計測する。電流計202は、太陽電池1から出力される電流(DC)を計測する。第1のDC/DC変換回路203は、太陽電池1より出力される第1の直流電圧の直流電力を、第2の直流電圧の直流電力に変換する。第1の制御回路204は、第1のDC/DC変換回路203を制御する。直流母線205は、第1のDC/DC変換回路203より出力される第2の直流電圧を第1のDC/AC変換回路208に供給する。電圧計206は直流母線205の電圧を計測する。電流計207は、第1のDC/DC変換回路203より出力される電流(DC)を計測する。
【0066】
第1のDC/AC変換回路208は、第1のDC/DC変換回路203より出力される直流電力を交流電力に変換する。第2の制御回路209は、第1のDC/AC変換回路208を制御する。電圧計210は、第1のDC/AC変換回路208より出力される電圧(AC)を計測する。電流計211は、第1のDC/AC変換回路208より出力される電流(AC)を計測する。通信インターフェイス回路212は、太陽電池用電力変換装置2(第2の制御回路209)とHEMS7との間で通信を行う。
【0067】
蓄電池用電力変換装置4は、電圧計401、電流計402、第2のDC/DC変換回路403、第3の制御回路404、直流母線405、電圧計406、電流計407、第2のDC/AC変換回路408、第4の制御回路409、電圧計410、電流計411、及び、通信インターフェイス回路412を含む。
【0068】
電圧計401は、蓄電池3から出力される電圧(DC)を計測する。電流計402は蓄電池3から出力される電流(DC)を計測する。第2のDC/DC変換回路は、蓄電池3より出力される第3の直流電圧の直流電力を、第4の直流電圧の直流電力に変換する。第3の制御回路404は、第2のDC/DC変換回路403を制御する。直流母線405は、第2のDC/DC変換回路403より出力される第4の直流電圧を、第2のDC/AC変換回路408に供給する。
【0069】
電圧計406は、直流母線405の電圧を計測する。電流計407は、第2のDC/DC変換回路403より出力される直流電流を計測する。第2のDC/AC変換回路408は、第2のDC/DC変換回路403より出力される直流電力を交流電力に変換する。第4の制御回路409は、第2のDC/AC変換回路408を制御する。電圧計410は、第2のDC/AC変換回路408より出力される電圧(AC)を計測する。電流計411は、第2のDC/AC変換回路408より出力される電流(AC)を計測する。通信インターフェイス回路412は、蓄電池用電力変換装置4(第4の制御回路409)とHEMS7との間で通信を行う。
【0070】
尚、第1のDC/DC変換回路203及び第2のDC/DC変換回路403、並びに、第1のDC/AC変換回路208及び第2のDC/AC変換回路408の構成としては、公知のDC/DCコンバータ及びインバータの構成を適宜用いることが可能である。又、蓄電池3にリチウムイオンバッテリを用いる場合は、バッテリ側に内蔵されたバッテリ管理ユニット(BMU)が、蓄電量、充放電の可否、及び、充電時の最大充電電流などを管理して、第3の制御回路404に通知する構成とされることが一般的である。但し、本実施の形態では、説明を簡単にするため、蓄電量、充放電の可否、及び、充電時の最大充電電流などの管理は、統一的に、第3の制御回路404及び第9の制御回路604で実行されるものとして説明する。
【0071】
図10は、太陽電池用電力変換装置2の第1のDC/DC変換回路203(図9)を制御する第1の制御回路204(図9)の構成を説明するブロック図である。
【0072】
図10を参照して、第1の制御回路204は、MPPT(Maximum Power Point Tracking)制御回路2041、電圧制御回路2042、切換回路2043、及び、第5の制御回路2044を有する。MPPT制御回路2041は、電圧計201及び電流計202の計測値に基づき、いわゆる、最大電力点追従制御のために、太陽電池1より発電される電力を最大限取り出すために、太陽電池1の最大電力点をサーチする。具体的には、MPPT制御回路2041は、電圧計201によって測定される直流電圧を、上記最大電力点に対応する電圧に制御するための第1のDC/DC変換回路の制御指令値を生成する。
【0073】
電圧制御回路2042は、電圧計206の計測値に基づき、直流母線205の直流電圧(第2の直流電圧)を、予め定められた目標電圧(例えば、350V)に維持するための、第1のDC/DC変換回路203の制御指令値を生成する。
【0074】
第5の制御回路2044は、MPPT制御回路2041及び電圧制御回路2042への制御パラメータ及び制御目標値等を出力するとともに、太陽電池1の発電状態などを管理する。第5の制御回路2044は、切換回路2043の制御信号を更に出力する。
【0075】
切換回路2043は、第5の制御回路2044からの制御信号に従って、MPPT制御回路2041及び電圧制御回路2042の出力のうちの一方を、第1のDC/DC変換回路203の制御指令値として選択的に出力する。
【0076】
後述するように、第1のDC/DC変換回路203は、MPPTモード又は電圧制御モードで制御される。切換回路2043は、MPPTモードでは、MPPT制御回路2041が生成した制御指令値を出力する一方で、電圧制御モードでは、電圧制御回路2042が生成した制御指令値を出力するように制御される。
【0077】
図11は、太陽電池用電力変換装置2の第1のDC/AC変換回路(図9)を制御する第2の制御回路209(図9)の構成を説明するブロック図である。
【0078】
図11を参照して、第2の制御回路209は、位相検出回路2091、周波数検出回路2092、垂下特性テーブル生成回路2093、及び、第6の制御回路2094を有する。
【0079】
位相検出回路2091は、電圧計210で計測した交流の電圧波形から、宅内配電系統10の電圧位相を検出する。周波数検出回路2092は、位相検出回路2091で検出した交流電圧波形のゼロクロス点の周期から、宅内配電系統10の交流電圧の周波数を検出する。
【0080】
垂下特性テーブル生成回路2093は、通信インターフェイス回路212を介して受信した垂下特性情報をテーブルデータに展開する。更に、垂下特性テーブル生成回路2093は、展開した垂下特性テーブルに従って、周波数検出回路2092で検出した交流電圧周波数情報から、配電系統14の電力の過不足(すなわち、マイクログリッド内の電力バランス)を検知することができる。当該検知結果により、太陽電池1の発電電力の過不足が、垂下特性テーブル生成回路2093から第6の制御回路2094へ通知される。
【0081】
第6の制御回路2094は、垂下特性テーブル生成回路2093からの太陽電池1の発電量の過不足情報を元に、太陽電池1の発電電力の制御目標を第5の制御回路2044に通知する。更に、第6の制御回路2094は、第1のDC/AC変換回路208を制御する制御指令値を生成する。
【0082】
図12は、蓄電池用電力変換装置4の第2のDC/DC変換回路403(図9)を制御する第3の制御回路404(図9)の構成を説明するブロック図である。
【0083】
図12を参照して、第3の制御回路404は、充電制御回路4041、放電制御回路4042、切換回路4043、及び、第7の制御回路4044を有する。
【0084】
充電制御回路4041は、蓄電池3の充電制御を行う際の第2のDC/DC変換回路403の制御指令値を生成する。放電制御回路4042は、蓄電池3からの放電制御を行う際の第2のDC/DC変換回路403の制御指令値を生成する。第7の制御回路4044は、充電制御回路4041及び放電制御回路4042への制御パラメータ及び制御目標値等を出力するとともに、蓄電池3の充電量、充電電流、放電電力量などを管理する。第7の制御回路4044は、切換回路4043の制御信号を更に出力する。
【0085】
切換回路4043は、第7の制御回路4044からの制御信号に従って、充電制御回路4041及び放電制御回路4042の出力のうちの一方を、第2のDC/DC変換回路403の制御指令値として選択的に出力する。
【0086】
切換回路4043は、蓄電池3の充電が指示される際には充電制御回路4041が生成した制御指令値を出力する一方で、蓄電池3の放電が指示される際には放電制御回路4042が生成した制御指令値を出力するように制御される。
【0087】
図13は、蓄電池用電力変換装置4の第2のDC/AC変換回路403(図9)を制御する第4の制御回路409(図9)の構成を説明するブロック図である。
【0088】
図13を参照して、第4の制御回路409は、位相検出回路4091、周波数検出回路4092、垂下特性テーブル生成回路4093、及び、第8の制御回路4094を有する。
【0089】
位相検出回路4091は、電圧計410で計測した交流の電圧波形から、配電系統10の電圧位相を検出する。周波数検出回路4092は、位相検出回路4091で検出した交流電圧波形のゼロクロス点の周期から、配電系統10の交流電圧の周波数を検出する。
【0090】
垂下特性テーブル生成回路4093は、通信インターフェイス回路412を介して受信した垂下特性情報をテーブルデータに展開する。更に、垂下特性テーブル生成回路4093は、展開した垂下特性テーブルに従って、周波数検出回路4092で検出した交流電圧周波数情報から、配電系統14の電力の過不足(すなわち、マイクログリッド内の電力バランス)を検知する。当該検知結果により、蓄電池3の充放電電力の過不足が、垂下特性テーブル生成回路4093から第8の制御回路4094へ通知される。
【0091】
第8の制御回路4094は、垂下特性テーブル生成回路4093からの蓄電池3の充放電電力の過不足情報を元に、蓄電池3の充放電電力の制御目標を第7の制御回路4044に通知する。更に、第8の制御回路4094は、第2のDC/AC変換回路408を制御する制御指令値を生成する。
【0092】
図14には、図1に示されたタウン蓄電池用電力変換装置21の構成を説明するブロック図が示される。
【0093】
図14を参照して、タウン蓄電池用電力変換装置21は、電圧計601、電流計602、第3のDC/DC変換回路603、第9の制御回路604、直流母線605、電圧計606、電流計607、第3のDC/AC変換回路608、第10の制御回路609、電圧計610、電流計611、及び、通信インターフェイス回路612を有する。
【0094】
電圧計601は、タウン蓄電池20から出力される電圧(DC)を計測する。電流計602は、タウン蓄電池20から出力される電流(DC)を計測する。電流計602による電流値では、タウン蓄電池20の放電時には正であり、タウン蓄電池20の充電時には負であるものとする。第3のDC/DC変換回路603は、タウン蓄電池20より出力される第5の直流電圧を、第6の直流電圧に変換して直流母線605へ出力する。第9の制御回路604は、第3のDC/DC変換回路603を制御する。直流母線605は、第3のDC/DC変換回路603より出力される第6の直流電圧を、第3のDC/AC変換回路608に供給する。
【0095】
電圧計606は、直流母線605の電圧を計測する。電流計607は、第3のDC/DC変換回路603より出力される直流電流を計測する。第3のDC/AC変換回路608は、第3のDC/DC変換回路603より出力される直流電力を交流電力に変換する。第10の制御回路609は、第3のDC/AC変換回路608を制御する。
【0096】
電圧計610は、第3のDC/AC変換回路608より出力される電圧(AC)を計測する。電流計611は、第3のDC/AC変換回路608より出力される電流(AC)を計測する。通信インターフェイス回路612は、タウン蓄電池用電力変換装置21(第10の制御回路609)と、CEMS15との間で通信を行う。尚、第3のDC/DC変換回路603及び第3のDC/AC変換回路608の構成についても、公知のDC/DCコンバータ及びインバータの構成を適宜用いることが可能である。
【0097】
図15は、タウン蓄電池用電力変換装置21の第3のDC/DC変換回路603(図14)を制御する第9の制御回路604(図14)の構成を説明するブロック図である。
【0098】
図15を参照して、第9の制御回路604は、充電制御回路6041、放電制御回路6042、切換回路6043、及び、第11の制御回路6044を有する。
【0099】
充電制御回路6041は、タウン蓄電池20の充電制御を行う際の第3のDC/DC変換回路603の指令値を算出する。放電制御回路6042は、タウン蓄電池20からの放電制御を行う際の第3のDC/DC変換回路603の指令値を算出する。
【0100】
第11の制御回路6044は、充電制御回路6041及び放電制御回路6042への制御パラメータ及び制御目標値等を出力するとともに、タウン蓄電池20の充電量、充電電流、放電電力量などを管理する。第11の制御回路6044は、切換回路6043の制御信号を更に出力する。
【0101】
切換回路6043は、第11の制御回路6044からの制御信号に従って、充電制御回路6041及び放電制御回路6042の出力のうちの一方を、第3のDC/DC変換回路603の制御指令値として選択的に出力する。切換回路6043は、タウン蓄電池20の充電が指示される際には充電制御回路6041が生成した制御指令値を出力する一方で、タウン蓄電池20の放電が指示される際には放電制御回路6042が生成した制御指令値を出力するように制御される。
【0102】
図16は、タウン蓄電池用電力変換装置21の第3のDC/AC変換回路608(図14)を制御する第10の制御回路609(図14)の構成を説明するブロック図である。
【0103】
図16を参照して、第10の制御回路609は、正弦波発生回路6091、垂下特性テーブル生成回路6092、及び、第12の制御回路6094を有する。
【0104】
垂下特性テーブル生成回路6092は、通信インターフェイス回路612(図14)を介して受信した垂下特性情報をテーブルデータに展開する。更に、垂下特性テーブル生成回路6092は、展開した垂下特性テーブルに従って、第12の制御回路6094から出力される、配電系統16での電力の過不足情報から、配電系統16に出力されるべき電圧周波数を算出する。算出された電圧周波数は、正弦波発生回路6091に出力される。
【0105】
正弦波発生回路6091は、タウン蓄電池用電力変換装置21から配電系統16に出力される交流電圧の目標値となる正弦波を発生する。当該正弦波は、垂下特性テーブル生成回路6092から伝達された電圧周波数を有するように生成される。当該電圧周波数は、予め定められた中心周波数fcに対して、±fα(Hz)の範囲内に設定される。例えば、fc=60(Hz)であり、電圧周波数は、59.8?60.2(Hz)の範囲内で可変とされる。
【0106】
第12の制御回路6094は、電圧計610及び電流計611の検出値に基づくタウン蓄電池20の実際の充放電電力と、タウン蓄電池20の充放電電力目標値との比較に従って、配電系統16での電力の過不足情報を生成する。生成された電力の過不足情報は、垂下特性テーブル生成回路6092へ伝達される。更に、第12の制御回路6094は、正弦波発生回路6091から出力される正弦波に従って、第3のDC/AC変換回路608を制御する制御指令値を生成する。例えば、第3のDC/AC変換回路608は、20kHz程度のスイッチング周波数でのPWM(Pulse Width Modulation)制御によって、上記電圧周波数に従った交流電圧を出力するように制御される。
【0107】
(停電時の自立運転)
以下では、図1?図16に示されたスマートタウンでの停電時の自立運転について説明する。
【0108】
再び図1を参照して、停電発生時には、CEMS15は、開閉器22に対して遮断指令を出力することにより、配電系統16を変電所24から電気的に切り離す。これにより、スマートタウン全体が変電所24から切り離されると、スマートタウン内での電力供給を継続するための、タウン蓄電池用電力変換装置21を交流電圧源とした自立運転が実行される。本実施の形態では、自立運転は、72時間のLCPを確保することを目的として実行されるものとする。
【0109】
CEMS15は、自立運転において、72時間のLCPを実現するために、基本的には、冷蔵庫53及び夜間照明54等の「重要負荷」への供給電力(例えば、2[kWh]程度)を72時間分確保することを目標に、運転計画を作成する。当該運転計画には、各需要家宅18の系統連系点での売買電力計画、及び、タウン蓄電池20の充放電計画が含まれる。
【0110】
各需要家宅18において、HEMS7は、停電発生を検出すると、宅内の負荷5に対して一旦全ての電源を落とすように指令する。例えば、HEMS7は、分電盤6に対して、全ブレーカを自動的に遮断状態とすることで、宅内配電系統10を配電系統14から一旦解列するように指令する。
【0111】
CEMS15は、スマートタウン全体の配電系統14,16が変電所24から切り離され、かつ、各需要家宅18が配電系統14から解列されると、タウン蓄電池用電力変換装置21に対して、電圧源として動作するよう指令する。タウン蓄電池用電力変換装置21は、CEMS15からの当該指示を受信すると、タウン蓄電池20の直流電力を交流電力に変換することによる交流電圧源としての動作を開始する。
【0112】
停電発生直後、各需要家宅18を配電系統から解列する理由について説明する。停電直後、開閉器22でスマートタウン全体を変電所24から解列した後、需要家宅18内の負荷5を解列せずにタウン蓄電池用電力変換装置21を交流電圧源として起動すると、スイッチが切られていない負荷(例えば、照明及びドライヤー等のスイッチを切らないと電源が投入されてしまう負荷)が一斉に起動する。これにより、電流が過大となってタウン蓄電池用電力変換装置21が起動できないことが懸念される。従って、本実施の形態では、需要家宅18内の負荷5、太陽電池用電力変換装置2、及び、蓄電池用電力変換装置4が配電系統14から一旦解列された後に、タウン蓄電池用電力変換装置21が交流電圧源として起動する。
【0113】
HEMS7は、タウン蓄電池用電力変換装置21の起動による自立運転の開始後には、各需要家宅18における配電系統14の交流電圧が安定した時点で、ユーザに対して負荷5の各スイッチをオフしているかを確認した後、重要負荷へ電力を供給するためのブレーカの投入を許可する。この際のユーザとの情報の授受は、HEMS7のユーザーインターフェイス回路(図示せず)に対するユーザ入力操作によって実現することができる。これにより、各需要家宅18では、手動による、ブレーカの投入操作及び重要負荷の電源の再オン操作により、自立運転下で重要負荷の作動を確保することが可能となる。
【0114】
HEMS7は、重要負荷に対する電力供給が開始される際に、太陽電池1及び蓄電池3のステータス情報を可能な範囲で収集し、収集結果をCEMS15に通知する。左記通知完了後、HEMS7は、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4が接続されているブレーカを自動的に接続状態とする。重要負荷への電力供給の開始後、需要家宅18内の太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4は、タウン蓄電池用電力変換装置21より出力される交流電圧を用いて起動する。
【0115】
HEMS7は、CEMS15から送信される系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力目標値に基づき、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4を制御する。自立運転時には、上述した運転計画を構成する、各需要家宅18の系統連系点での売買電力計画に従って、各需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力目標値が定められて、需要家宅18毎に個別に、CEMS15からHEMS7へ送信される。
【0116】
本実施の形態に係る電力管理システムでは、自立運転時には、太陽電池用電力変換装置2、蓄電池用電力変換装置4、及び、タウン蓄電池用電力変換装置21によって、図17に示される垂下特性を用いた電力の同時同量制御が実行される。自立運転時には、上述のように、タウン蓄電池用電力変換装置21が交流電圧源として動作するように制御される一方で、各需要家宅18内の太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4は、連系運転時(通常運転時)と同様に、交流電流源として動作するように制御される。この役割分担の下では、交流電圧源として動作するタウン蓄電池用電力変換装置21は、配電系統14に対するタウン蓄電池20の出力電力に基づき、自立系統として動作しているスマートタウン内全体での電力(電力量)の過不足を検出することができる。
【0117】
一方で、交流電流源として動作する需要家宅18内の太陽電池用電力変換装置2内の第2の制御回路209は、第1のDC/DC変換回路203から供給される太陽電池1の発電電力を交流電流に変換して宅内配電系統10に供給する。その際、第2の制御回路209は、直流母線205の電圧を用いて太陽電池1の発電量を検出することができる。同様に、蓄電池用電力変換装置4内の第4の制御回路409は、直流母線405の電圧を用いて蓄電池3の充放電電力を検出することができる。一方で、第2の制御回路209及び第4の制御回路409は、宅内配電系統10の交流電圧から、直接、スマートタウン内の配電系統での電力の過不足を直接検出することができない。
【0118】
従って、本実施の形態では、タウン蓄電池用電力変換装置21が検出した電力の過不足を、垂下特性を用いて、各需要家宅18内に設置した分散電源に通知することとする。以下、垂下特性を利用した電力の同時同量制御について説明する。
【0119】
図17には、本実施の形態に係る電力管理システムにおける垂下特性を利用した同時同量制御の動作原理を説明する概念図が示される。
【0120】
図17を参照して、横軸は、スマートタウン内全体での電力バランスを示し、縦軸は、自立運転時の系統周波数を示す。
【0121】
電力バランスが“0”の状態は、スマートタウン内全体での総供給電力及び総消費電力が等しい状態である。スマートタウン内の総供給電力は、タウン蓄電池20の放電電力、各需要家宅18の太陽電池1の発電電力の合計値、及び、各需要家宅18の蓄電池3の放電電力(放電時)の合計値の総和に相当する。一方で、自立運転時には、通常、タウン蓄電池20は放電専用で運用されるので、スマートタウン内の総消費電力は、各需要家宅18の負荷5での消費電力の合計値に相当する。
【0122】
図17に示されるように、総消費電力が総供給電力よりも大きい場合(電力バランスが正)には、系統周波数は、消費電力が大きくなるほど、予め定められた中心周波数fc(例えば、60Hz)から徐々に低下される。例えば、タウン蓄電池20の放電電力を交流電力に変換するタウン蓄電池用電力変換装置21によって、配電系統16に出力する交流電圧周波数をfcから低下させることができる。配電系統16の交流電圧周波数は、柱上トランス9によって、配電系統14(柱上トランス二次側)及び各需要家宅18の宅内配電系統10にも伝達される。
【0123】
図11及び図13で説明したように、宅内配電系統10の交流電圧周波数は、太陽電池用電力変換装置2(第6の制御回路2094)及び蓄電池用電力変換装置4(第8の制御回路4094)、即ち、各需要家宅18の分散電源側で検出することができる。従って、各需要家宅18の分散電源において、系統周波数の低下が検知されると、電力バランスを維持するために、分散電源からの出力電力が増加するように制御目標値(分散電源)が修正される。即ち、太陽電池1の発電電力の増加及び/又は蓄電池3の放電電力の増加(或いは、充電から放電への切替)が実行される。
【0124】
反対に、総供給電力が総消費電力よりも大きい場合(電力バランスが負)には、系統周波数は、供給電力が大きくなるほど、中心周波数fcから徐々に上昇される。各需要家宅18の分散電源において、系統周波数の上昇が検知されると、電力バランスを“0”に戻すために、分散電源からの出力電力が減少するように制御目標値(分散電源)が修正される。即ち、太陽電池1の発電電力の抑制及び/又は蓄電池3の放電電力の減少(或いは、放電から充電への切替)が実行される。
【0125】
このように、本実施の形態に係る電力管理システムでは、自立運転時において、スマートタウン内での電力バランスに係る情報を、配電系統10,14,16での交流電圧の周波数(即ち、系統周波数)を介して共有することによって、スマートタウン内での総供給電力及び総消費電力を均衡させるための電力の同時同量制御を実行する。
【0126】
以下に、自立運転時の制御動作について説明する。まず、再び図9?図11を用いて太陽電池用電力変換装置2の動作を説明する。
【0127】
本実施の形態では、太陽電池用電力変換装置2は、太陽電池1から出力される直流電圧が予め定められた基準値以上になった場合に起動する。太陽電池用電力変換装置2の起動時には、第1の制御回路204中の第5の制御回路2044(図10)は、MPPT制御回路2041(図10)に対して、太陽電池1からの出力電力が最大になるようにMPPT制御を開始するように指示する。更に、第5の制御回路2044は、切換回路2043に対して、MPPT制御回路2041からの制御指令値を選択するよう制御信号を出力する。
【0128】
一方、第2の制御回路209中の第6の制御回路2094(図11)は、電圧計206によって検出される直流母線205の直流電圧が一定になるように、DC/AC変換回路208から出力する交流電流の振幅(電流指令値)を算出する。具体的な電流指令値の生成方法について以下に説明する。
【0129】
上述のように、本実施の形態に係る電力管理システムでは、停電時の自立運転では、タウン蓄電池用電力変換装置21が、スマートタウン内の交流配電系統の交流電圧源として動作する一方で、需要家宅18に設置された分散電源は、各需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)の交流電圧を基準に電流源として動作する。
【0130】
この場合、タウン蓄電池用電力変換装置21は、配電系統16の交流電圧を管理するため、配電系統16における電力の過不足から、スマートタウン内全体での電力の過不足を検出することができる。一方、電流源として動作する需要家宅18内の分散電源は、宅内配電系統10への出力電力を目標値に従って制御する態様で動作するため、宅内配電系統10における電力の過不足については直接検出することができない。
【0131】
上述のように、タウン蓄電池用電力変換装置21は、電力の過不足を検出した場合、まず始めに、タウン蓄電池20からの充放電電力を制御することによって、スマートタウン内の電力の同時同量を確保する。更に、電力が不足していた場合には、系統周波数、すなわち、タウン蓄電池用電力変換装置21から配電系統16への出力周波数を、図17で説明した垂下特性に従って低下させる。反対に、電力が過剰である場合には、交流系統電圧の周波数、すなわち、タウン蓄電池用電力変換装置21の出力周波数は、垂下特性に従って上昇される。尚、実際には、CEMS15から通知された垂下特性に従って、タウン蓄電池用電力変換装置21の出力周波数は設定される。
【0132】
需要家宅18内に設置された分散電源は、系統連系点(宅内配電系統10)での交流電圧の周波数を検出し、スマートタウン内全体での電力供給量の過不足を、CEMS15から通知される垂下特性に基づき判断する。なお、CEMS15からの運転計画(垂下特性を含む)は、HEMS7で一旦受信された後、HEMS7から通信インターフェイス回路212を介して、第2の制御回路209に通知される。尚、垂下特性の生成方法の詳細については、後程詳細に説明する。
【0133】
図9及び図11に戻って、太陽電池用電力変換装置2の動作の説明を続ける。第2の制御回路209(図9)中の位相検出回路2091(図11)は、電圧計210から出力される交流電圧のゼロクロス点を検出する。位相検出回路2091(図11)で検出したゼロクロス点情報は、図11に示された周波数検出回路2092及び第6の制御回路2094に入力される。
【0134】
周波数検出回路2092は、入力されたゼロクロス点検出情報の周期を計測することにより、宅内配電系統10の交流電圧周波数、即ち、系統周波数を算出する。周波数検出回路2092で算出された周波数情報は、垂下特性テーブル生成回路2093及び第6の制御回路2094に出力される。垂下特性テーブル生成回路2093は、系統周波数が入力されると、CEMS15から通知された垂下特性に従って、太陽電池用電力変換装置2から宅内配電系統10への売買電力目標値を修正するための差分電力を算出して、第6の制御回路2094に出力する。第6の制御回路2094では、CEMS15からの通知に基づく売買電力目標値と、当該差分電力とに基づいて、太陽電池用電力変換装置2の売買電力目標値が算出される。
【0135】
図18は、太陽電池用電力変換装置2での差分電力を算出するための垂下特性を説明するための概念図である。
【0136】
図18を参照して、CEMS15からの通知に基づく太陽電池用電力変換装置2用の垂下情報は、系統周波数に対する差分電力ΔPsb1を算出するための、図中の垂下特性線FC1?FC3を規定するための垂下特性テーブルが得られるように定められる。差分電力ΔPsb1は、売買電力目標値と同様に、分散電源から宅内配電系統10へ電力を出力する売電方向を正値で示し、その反対の買電方向を負値で示すものとする。
【0137】
ここで、垂下特性線FC1?FC3は、電力管理システムの状況(例えば、タウン蓄電池20のSOC)に応じて、垂下特性が可変に設定され得ることを表現するものである。以下では、垂下特性線FC1?FC3を包括して、垂下特性線FCとも称する。
【0138】
垂下特性線FCに従って、系統周波数が高周波側の折れ点周波数fa及び低周波側の折れ点周波数fbの間のときは、ΔPsb1=0とされる。系統周波数がfaよりも高い領域では、周波数に比例して傾きkaでΔPsb1は減少され(ΔPsb1<0)、系統周波数がfbよりも低い領域では、周波数に比例して傾きkbでΔPsb1は増加される(ΔPsb1>0)。
【0139】
垂下特性情報としては、上述の折れ点周波数fa,fb、及び、傾きka,kbの4個のデータを送信することで、第2の制御回路209(図9)の垂下特性テーブル生成回路2093(図11)において垂下特性テーブルを作成することができる。CEMS15からHEMS7へ送信される垂下特性情報を当該4個のデータとすることで、通信トラヒックの削減を図ることができる。
【0140】
CEMS15から、垂下特性情報としてfa1,fb1,ka1,kb1を送信すると、太陽電池用電力変換装置2用の垂下特性線FC1を規定する垂下特性テーブルが、第2の制御回路209(図9)の垂下特性テーブル生成回路2093(図11)によって作成される。同様に、垂下特性情報としてfa2,fb2,ka2,kb2が送信されると、垂下特性線FC2を規定する垂下特性テーブルが作成され、垂下特性情報としてfa3,fb3,ka3,kb3が送信されると、垂下特性線FC3を規定する垂下特性テーブルが作成される。
【0141】
図11を参照して、垂下特性テーブル生成回路2093は、図18の垂下特性に従って算出された差分電力ΔPsb1を差分電力情報として出力する。第6の制御回路2094は、垂下特性テーブル生成回路2093からの差分電力情報、及び、周波数検出回路2092からの系統周波数情報が入力されると、CEMS15からの通知に基づく需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力目標値を、垂下特性テーブル生成回路2093より出力される差分電力情報を用いて修正することによって、太陽電池用電力変換装置2の最終的な売買電力目標値(以下、PV制御目標値とも称する)を算出する。
【0142】
なお、本実施の形態に係る電力管理システムでは、HEMS7において、CEMS15から通知された需要家宅18の系統連系点での売買電力目標値を加工することによって、太陽電池用電力変換装置2の売買電力目標値と、蓄電池用電力変換装置4の売買電力目標値とが生成される。例えば、太陽電池1からの発電電力を優先的に使用するように、太陽電池用電力変換装置2の売買電力目標値が設定されるとともに、需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力目標値(CEMS15による設定)が満足されるように、蓄電池用電力変換装置4の売買電力目標値が設定される。
【0143】
更に、太陽電池用電力変換装置2の売買電力目標値に対して、垂下特性に従う、系統周波数の検出値に対応する差分電力ΔPsb1が加算されることによって、太陽電池用電力変換装置2のPV制御目標値が設定される。後述するが、蓄電池用電力変換装置4についても、HEMS7で設定された売買電力目標値を、垂下特性に従う差分電力で修正することによって、最終的な売買電力目標値(PV制御目標値)が設定される。
【0144】
差分電力ΔPsb1が反映されたPV制御目標値は、第6の制御回路2094(図11)から第1の制御回路204中の第5の制御回路2044(図10)に通知される。また、本実施の形態に係る電力管理システムでは、分電盤6内の電力計測回路61(図2)で計測された、需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力については、信号線12に出力された後、第6の制御回路2094(図11)を介して第5の制御回路2044(図10)に通知することができる。
【0145】
第5の制御回路2044は、通知されたPV制御目標値から、計測された系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力を減算する。減算結果により、宅内配電系統10に電力が過剰供給されている場合には、太陽電池1の発電電力が抑制される。
【0146】
具体的には、MPPT制御回路2041の出力を選択していた場合には(以下、「MPPT制御モード」と称する)、太陽電池1の制御モードは電圧制御モードに移行される。第5の制御回路2044は、電圧制御モードへの移行時には、MPPT制御回路2041から現在の第1のDC/DC変換回路203へ供給している指令値、及び、図示していないPI(比例積分)制御器の積分値情報等を読み込み後、MPPT制御回路2041に停止指示を出力する。MPPT制御モードは、「創エネ機器の第1の制御モード」の一実施例に対応する。
【0147】
一方で、第5の制御回路2044は、電圧制御回路2042に対しては、MPPT制御回路2041から読み込んだ制御指令値、及び、上述の積分値情報などを加工した情報を初期値として、電圧制御回路2042内のPI制御器(図示せず)にセットするとともに、電圧制御の開始指示を出力する。
【0148】
第5の制御回路2044は、電圧制御モードでは、第6の制御回路2094から通知されたPV制御目標値(売買電力目標値)と太陽電池1の発電電力とが一致するように、太陽電池1からの出力電圧(電圧計201の検出値)を制御する。第5の制御回路2044は、電圧制御モードでは、電圧制御回路2042からの制御指令値を出力するように、切換回路2043の制御信号を生成する。これにより、太陽電池1からの出力電圧の制御によって、太陽電池1の発電電力がPV制御目標値に従って制御される。電圧制御モードは、「創エネ機器の第2の制御モード」の一実施例に対応する。
【0149】
これに対して、通知されたPV制御目標値からの計測された売買電力の減算結果より、宅内配電系統10への供給電力が不足している場合には、太陽電池1の発電電力を増加しようとする制御が行われる。具体的には、MPPT制御モードの選択時には、最大電力での発電を維持するために、MPPT制御モードが維持される。一方で、電圧制御モードの選択時には、太陽電池1の発電電力が増加されるように、太陽電池1の出力電圧が制御される。更に、太陽電池1の出力電圧が、基準値以下になると、第5の制御回路2044は、太陽電池1の制御モードを、電圧制御モードからMPPT制御モードへ切換える。
【0150】
第5の制御回路2044は、MPPT制御モードへの移行時には、電圧制御回路2042から現在の制御指令値、及び、PI制御器(図示せず)回路の積分値情報等を読み込み後、電圧制御回路2042に停止指示を出力する。
【0151】
一方で、第5の制御回路2044は、MPPT制御回路2041に対しては、MPPT制御回路2041から読み込んだ現在の制御指令値、及び、上述の積分値情報などを加工した情報を初期値として、MPPT制御回路2041内のPI制御器(図示せず)にセットするとともに、MPPT制御の開始指示を出力する。MPPT制御モードでは、太陽電池1の発電電力が最大となるように、太陽電池1の出力電圧が調整される。
【0152】
MPPT制御回路2041は、太陽電池1の発電電力が最大となるように、第1のDC/DC変換回路203の制御指令値を生成する。更に、第5の制御回路2044は、MPPT制御モードでは、MPPT制御回路2041からの制御指令値を出力するように、切換回路2043の制御信号を生成する。
【0153】
MPPT制御モード及び電圧制御モードの各々において、第1のDC/DC変換回路203の出力は、第1のDC/AC変換回路208で交流電力に変換されて、宅内配電系統10へ供給される。
【0154】
次に、再び図9、図12、図13及び図19を用いて、蓄電池用電力変換装置4の動作を説明する。
【0155】
本実施の形態では、蓄電池用電力変換装置4の起動は、HEMS7から指示される。蓄電池3を使用しない場合は、蓄電池用電力変換装置4は、スリープモード(起動時間には数分程度を要するが、消費電力が数十μW程度の動作モード)で待機するよう構成される。なお、CEMS15からの運転計画(垂下特性を含む)は、太陽電池用電力変換装置2と同様に、HEMS7で一旦受信された後、HEMS7から通信インターフェイス回路412を介して第4の制御回路409に通知される。CEMS15から通知される垂下特性情報は、図18で説明した、太陽電池用電力変換装置2に通知される垂下特性情報のフォーマットと同様とすることができる。
【0156】
図19には、蓄電池用電力変換装置4での差分電力を算出するための垂下特性を説明するための概念図が示される。
【0157】
図19を参照して、CEMS15からの垂下特性情報に従って、蓄電池用電力変換装置4における系統周波数に対する差分電力ΔPsb2を算出するための、図中の垂下特性線FC1?FC3を規定するように、垂下特性テーブルが展開される。差分電力ΔPsb2は、差分電力ΔPsb1と同様に、分散電源から宅内配電系統10へ電力を出力する売電方向を正値で示し、その反対の買電方向を負値で示すものとする。
【0158】
垂下特性情報の内容、及び、垂下特性テーブル生成回路4093(図13)による垂下特性テーブルの作成については、図18で説明した、太陽電池用電力変換装置2用の垂下特性と同様であるので、詳細な説明は繰り返さない。
【0159】
この結果、蓄電池用電力変換装置4についても、図18と同様の垂下特性線FCを設定することができる。垂下特性線FCは、例えば、垂下特性情報として送信される、上述の折れ点周波数fa,fb、及び、傾きka,kbに従って設定される。図17と同様に、電力管理システムの状況(例えば、タウン蓄電池20のSOC)に応じて、垂下特性が可変に設定することができる。即ち、垂下特性情報に従って、3種類の垂下特性線FC1?FC3を作成することができる。
【0160】
特に、蓄電池用電力変換装置4の垂下特性については、当該需要家宅18毎に蓄電池3のSOCに応じて折れ点周波数fa,fbを変化させることが好ましい。具体的には、低SOCの蓄電池3では、高SOCの蓄電池3よりも、中心周波数からの小さい周波数変化量(|fc-fa|)で、充電電力増加のための差分電力ΔPsb2(ΔPsb2<0)が生じるように垂下特性を作成することが好ましい。図19の例では、低SOCの蓄電池3では、高SOCの蓄電池3よりも、折れ点周波数faを低く(中心周波数fcに近く)設定することができる。
【0161】
反対に、高SOCの蓄電池3において、低SOCの蓄電池3よりも、中心周波数fcからの小さい周波数変化量(|fc-fb|)で、放電電力増加のための差分電力ΔPsb2(ΔPsb2>0)が生じるように垂下特性を作成することが好ましい。図19の例では、高SOCの蓄電池3では、低SOCの蓄電池3よりも、折れ点周波数fbを高く(中心周波数fcに近く)設定することができる。このようにすると、低SOCの蓄電池3が優先的に充電されるとともに、高SOCの蓄電池3が優先的に放電されるように、各需要家宅18での蓄電池3を適切に(過充電及び過放電を回避するように)充放電することができる。
【0162】
尚、太陽電池用電力変換装置2の垂下特性情報と、蓄電池用電力変換装置4の垂下情報とは別個に設定される。即ち、2セット(例えば、4個/1セット)の垂下特性情報が、CEMS15からHEMS7に設定されることにより、太陽電池用電力変換装置2での差分電力ΔPsb1を算出するための垂下特性(図18)と、蓄電池用電力変換装置4での差分電力ΔPsb2を算出するための垂下特性(図19)とが個別に作成される。
【0163】
再び図13を参照して、第4の制御回路409中の位相検出回路4091は、電圧計410から出力される交流系統電圧のゼロクロス点を検出する。位相検出回路4091で検出したゼロクロス点は、周波数検出回路4092及び第8の制御回路4094に入力される。
【0164】
周波数検出回路4092は、入力されたゼロクロス点検出情報の周期を計測することにより、宅内配電系統10の交流電圧周波数、即ち、系統周波数を算出する。周波数検出回路4092で検出された周波数情報は、垂下特性テーブル生成回路4093及び第8の制御回路4094に入力される。垂下特性テーブル生成回路4093は、交流系統電圧の周波数が入力されると、図19に示された垂下特性に従って、蓄電池用電力変換装置4から宅内配電系統10への売買電力目標値を修正するための差分電力ΔPsb2を算出して、第8の制御回路4094に出力する。
【0165】
垂下特性テーブル生成回路4093は、差分電力ΔPsb2を差分電力情報として出力する。第8の制御回路4094は、垂下特性テーブル生成回路4093からの差分電力情報、及び、周波数検出回路4092からの系統周波数情報が入力されると、CEMS15からの通知に基づく需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力目標値を、垂下特性テーブル生成回路4093より出力される差分電力情報を用いて修正することによって、蓄電池用電力変換装置4の最終的な売買電力目標値(以下、BAT制御目標値とも称する)を算出する。
【0166】
第8の制御回路4094は、CEMS15から通知された需要家宅18の系統連系点での売買電力目標値を元にHEMS7で生成された蓄電池用電力変換装置4の売買電力目標値に対して、系統周波数の検出値に対応する差分電力ΔPsb2を加算することによって、蓄電池用電力変換装置4のBAT制御目標値を設定する。上述のように、HEMS7では、太陽電池1からの発電電力を優先的に使用するように配慮して、蓄電池用電力変換装置4の売買電力目標値は設定されている。
【0167】
差分電力ΔPsb2が反映されたBAT制御目標値は、第8の制御回路4094(図13)から第3の制御回路404中の第7の制御回路4044(図12)に通知される。また、太陽電池用電力変換装置2の場合と同様に、分電盤6内の電力計測回路61(図2)で計測された、需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力が、信号線12及び第8の制御回路4094(図13)を介して、第7の制御回路4044(図12)に通知される。
【0168】
第7の制御回路4044は、通知されたBAT制御目標値から、計測された系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力を減算する。減算結果により、宅内配電系統10に電力が過剰供給されている場合には、蓄電池3によって過剰電力を充電する。
【0169】
具体的には、充電制御回路4041の出力を選択していた場合(以下、「充電モード」と称する)には、第7の制御回路4044は、充電制御回路4041による目標充電電力を増加させる。一方、放電制御回路4042の出力を選択していた場合(以下、「放電モードとも称する)では、第7の制御回路4044は、放電制御回路4042による目標放電電力を減少させる。
【0170】
放電モード時に、目標放電電力を“0”にしても宅内配電系統10に電力が過剰供給されている場合には、第7の制御回路4044は、蓄電池3の制御モードを放電モードから充電モードへ切換える。具体的には、第7の制御回路4044は、放電制御回路4042の停止指示を出力するとともに、充電制御回路4041の起動指示を出力する。充電モードでは、充電制御回路4041の出力を選択するように、切換回路4043の制御信号が生成される。
【0171】
充電モード及び放電モード間の切換については、指令値、及び、図示しないPI制御器の積分値情報は“0”に初期化されるので、太陽電池用電力変換装置2での制御モード切換時のような、初期値の引継ぎは実行されない。
【0172】
これに対して、通知されたBAT制御目標値からの計測された売買電力の減算結果より、宅内配電系統10への供給電力が不足している場合には、蓄電池3からの放電電力が増加される。
【0173】
具体的には、第7の制御回路4044は、放電モードの選択時には、放電制御回路4042での目標放電電力を増加させる。一方で、充電モードの選択時には、充電制御回路4041の目標充電電力が減少される。充電モード時に、目標充電電力を“0”にしても宅内配電系統10への供給電力が不足している場合には、蓄電池3の制御モードは、充電モードから放電モードへ切換えられる。具体的には、第7の制御回路4044は、充電制御回路4041の停止指示を出力するとともに、放電制御回路4042の起動指示を出力する。更に、放電制御回路4042の出力を選択するように、切換回路4043の制御信号が生成される。
【0174】
次に、再び図14?図16を用いて、タウン蓄電池用電力変換装置21の動作を説明する。
【0175】
上述のように、停電時の自立運転では、タウン蓄電池用電力変換装置21は交流電圧源として動作して、スマートタウン内の配電系統を支える。停電発生後、上述した手順で交流電圧源として起動したタウン蓄電池用電力変換装置21は、CEMS15から通知される運転計画に基づきタウン蓄電池20の充放電を制御する。
【0176】
具体的には、自立運転時には、第9の制御回路604内の第11の制御回路6044(図15)は、電圧計606より出力される直流母線605の電圧から、スマートタウン内の電力の過不足を判断する。
【0177】
例えば、タウン蓄電池20が充電モードで動作していたときには、直流母線605の電圧が目標電圧より高い場合は、スマートタウン内での電力供給が過剰であると判断される。この場合には、充電制御回路6041は、充電電力を増加させるように、第3のDC/DC変換回路603(図14)の制御指令値を生成する。一方で、タウン蓄電池20が放電モードで動作していたときには、放電制御回路6042は、タウン蓄電池20の放電電力を低下するように、第3のDC/DC変換回路603(図14)の制御指令値を生成する。
【0178】
更に、放電モードにおいて放電電力を“0”まで低下しても、直流母線605の電圧が目標電圧より高い場合には、第11の制御回路6044は、タウン蓄電池20の制御モードを放電モードから充電モードへ切換える。この際には、第11の制御回路6044は、放電制御回路6042に停止指示を出力するとともに、充電制御回路6041に起動指示を出力する。更に、充電制御回路6041の出力を選択するように、切換回路6043の制御信号が生成される。
【0179】
尚、蓄電池用電力変換装置4の制御と同様に、充電モード及び放電モード間の切換については、太陽電池用電力変換装置2での制御モード切換時のような、初期値の引継ぎは実行されない。
【0180】
これに対して、直流母線605の電圧が上記目標電圧より低い場合は、スマートタウン内での電力供給が不足していると判断される。この場合には、第9の制御回路604内の第11の制御回路6044(図15)は、タウン蓄電池20が放電モードで動作していたときには、放電制御回路6042は、タウン蓄電池20の放電電力を増加するように、第3のDC/DC変換回路603(図14)の制御指令値を生成する。一方で、タウン蓄電池20が充電モードで動作していたときには、充電制御回路6041は、タウン蓄電池20の充電電力量を低下するように、第3のDC/DC変換回路603(図14)の制御指令値を生成する。
【0181】
更に、充電モードにおいて、充電電力を“0”まで低下しても、直流母線605の電圧が目標電圧より低い場合には、第11の制御回路6044は、タウン蓄電池20の制御モードを充電モードから放電モードへ切換える。この際には、第11の制御回路6044は、充電制御回路6041に停止指示を出力するとともに、放電制御回路6042に起動指示を出力する。更に、放電制御回路6042の出力を選択するように、切換回路6043の制御信号が生成される。このように、タウン蓄電池20からスマートタウン内への供給電力は、第9の制御回路604によって制御される。
【0182】
次に、第10の制御回路609(図14)の動作を説明する。
第10の制御回路609は、第3のDC/DC変換回路603から出力されるタウン蓄電池20の充放電電力(正値が放電を示し、充電が負値を示す)から、CEMS15から通知された充放電電力目標値(運転計画)を減算することによって、CEMS15から通知された運転計画との差異を求める。例えば、タウン蓄電池20の充放電電力は、電圧計606によって検出される直流母線605の電圧と、電流計607によって検出される直流母線605の電流とを乗算することによって算出することができる。上記減算結果が正値である場合には、タウン蓄電池20は運転計画よりも放電電力が多い、又は、充電電力が少ない(以下、放電側動作、又は、単に放電側とも記す)ことになる。反対に、減算結果が負値である場合には、タウン蓄電池20は運転計画よりも充電電力が多い、又は、放電電力が少ない(以下、充電側動作、又は、単に充電側とも記す)ことになる。
【0183】
次に、タウン蓄電池20の実際の充放電のCEMS15から通知された運転計画に対する差異を反映した、第3のDC/AC変換回路608の制御について説明する。
【0184】
第12の制御回路6094(図16)は、通信インターフェイス回路612(図14)を介して、CEMS15からタウン蓄電池用電力変換装置21の垂下特性情報を受信すると、当該垂下特性情報を垂下特性テーブル生成回路6092に出力する。
【0185】
図20には、タウン蓄電池用電力変換装置21の垂下特性を説明するための概念図が示される。
【0186】
図20を参照して、横軸には、上述した、タウン蓄電池20の実際の充放電のCEMS15から通知された運転計画に対する差異(過不足)から求められる、システムタウン内での需要家側からの供給電力の過不足量を定量的に示すための過不足電力Pvlが示される。過不足電力Pvlは、供給電力の過剰量を正値とするように、上記の差異とは逆に、CEMS15から通知された充放電電力目標値(運転計画)からタウン蓄電池20の実際の充放電電力を減算することによって算出される。一方で、縦軸には、タウン蓄電池用電力変換装置21の出力周波数、即ち、第3のDC/AC変換回路(図14)から配電系統16に出力される交流電圧の周波数(系統周波数)が示される。
【0187】
横軸の過不足電力Pvlは、供給電力の過剰時、即ち、タウン蓄電池20が運転計画よりも充電側で動作するときに正値(Pvl>0)とされる。一方で、過不足電力Pvlは、供給電力の不足時、即ち、タウン蓄電池20が運転計画よりも放電側で動作するときには負値(Pvl<0)となる。
【0188】
タウン蓄電池用電力変換装置21の垂下特性情報は、図20に示される、垂下特性線FCtを規定するための垂下特性テーブルが得られるように定められる。例えば、垂下特性線FCtは、正側(電力過剰側)の折れ点電力Pa及び負側(電力不足側)の折れ点電力Pbの間では、系統周波数を中心周波数fc(例えば、60Hz)に設定するように定められる。更に、垂下特性線FCtによれば、Pvl>Paの領域(供給過剰)では、各需要家宅18から逆潮流される電力を減少させるために、Pvlに比例して傾きkatで系統周波数は上昇される。
【0189】
一方で、Pvl<Pbの領域(供給不足)では、各需要家宅18から逆潮流される電力を増加させるために、Pvlに比例して傾きkbtで系統周波数は低下される。なお、系統周波数の変化範囲は、予め定められた下限周波数(例えば、59.8Hz)及び上限周波数(例えば、60.2Hz)の範囲内に制限される。
【0190】
タウン蓄電池用電力変換装置21の垂下特性情報としても、上述の折れ点電力Pa,Pb、及び、傾きkat,kbtの4個のデータをCEMS15から送信することで、通信トラヒックの削減を図ることができる。
【0191】
再び図16を参照して、第12の制御回路6094は、図20の過不足電力Pvlを算出して過不足電力情報として出力する。垂下特性テーブル生成回路6092は、CEMS15からの垂下特性情報に基づき、図20の垂下特性線FCtを規定する、タウン蓄電池用電力変換装置21の垂下特性テーブルを作成する。更に、垂下特性テーブル生成回路6092は、第12の制御回路6094からの過不足電力情報と、上記垂下特性テーブル情報とから、系統周波数を決定する。垂下特性テーブル生成回路6092によって設定された系統周波数は、正弦波発生回路6091に入力される。
【0192】
正弦波発生回路6091は、電圧計610より出力される配電系統16の交流電圧の計測結果、及び、垂下特性テーブル生成回路6092から周波数情報(系統周波数)を元に、第3のDC/AC変換回路608から出力される交流電圧の基準となる正弦波を生成して、第12の制御回路6094へ出力する。
【0193】
一方、第12の制御回路6094は、正弦波発生回路6091からの正弦波を目標値として、第3のDC/AC変換回路608の制御目標値を出力する。第3のDC/AC変換回路608は、第12の制御回路6094からの当該制御指令値に従って動作することにより、設定された系統周波数を有する交流電圧を配電系統16へ出力する。
【0194】
次に、各分散電源の垂下特性の作成方法について更に説明する。
再び図18を参照して、太陽電池用電力変換装置2に通知される垂下特性は、上述のように、系統周波数(横軸)に対する差分電力ΔPsb1(縦軸)を算出するように規定される。ここで、太陽電池1は、創エネ機器であるため発電電力の制御(出力電力制御)しか行うことができない。
【0195】
本実施の形態では、図20で説明した垂下特性に従って系統周波数が上昇すると、差分電力ΔPsb1<0に設定される。従って、差分電力ΔPsb1が加算された、太陽電池用電力変換装置2のPV制御目標値が減少する。反対に、図20で説明した垂下特性に従って、スマートタウン内の供給電力が不足するために系統周波数が低下すると、差分電力ΔPsb1>0に設定される。従って、差分電力ΔPsb1が加算された、太陽電池用電力変換装置2のPV制御目標値が増加する。
【0196】
CEMS15は、自立運転開始からの経過時間、タウン蓄電池20の蓄電電力量(SOC)、需要家宅18内の蓄電池3の蓄電電力量(SOC)、及び、スマートタウン内のSOC合計値から、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の垂下特性を生成する。
【0197】
具体的には、CEMS15は、72時間のLCPを確保する上で必要となる、蓄電池3及びタウン蓄電池20の蓄電電力量を算出し、その算出結果に基づき垂下特性を生成する。例えば、これらのSOCデータから、垂下特性線FC1(実線)、FC2(点線)、及び、FC3(一点鎖線)を切換えるように、垂下特性は生成される。
【0198】
例えば、72時間のLCPを確保する上で必要となる蓄電電力量(SOC)が確保できている場合は、基本的な垂下特性として、垂下特性線FC1(実線)が設定される。
【0199】
これに対して、72時間のLCPを実現できる蓄電電力量(SOC)が確保できていない場合は、垂下特性線FC2(点線)が設定される。垂下特性線FC2では、系統周波数が60Hzより低い周波数帯において太陽電池1からの発電電力を最大限取り出すために、低周波側の折れ点周波数fb2が、上述の垂下特性線FC1(実線)と比較して、中心周波数fc(60Hz)に近付けられる。
【0200】
その際、図19に示される、蓄電池用電力変換装置4の垂下特性線FC2(点線)では、低周波側の折れ点周波数fb2は、太陽電池用電力変換装置2の垂下特性線FC2(図18)での折れ点周波数fb2よりも低く設定される。これにより、CEMS15に運転計画に対してタウン蓄電池20が放電側である場面において、より早い段階から、太陽電池用電力変換装置2の発電電力の増加を促すことができる。
【0201】
同様に、系統電圧の周波数が60Hzより高い周波数帯では、太陽電池用電力変換装置2の垂下特性線FC2(図19)の折れ点周波数fa2は、蓄電池用電力変換装置4の垂下特性線FC2(図19)折れ点周波数fa2よりも、高く設定される。これにより、太陽電池1の発電電力抑制よりも、余剰電力の蓄電池3への充電を優先することができる。具体的には、蓄電池3が放電を行っている場合には、太陽電池1の発電電力抑制よりも、蓄電池3からの放電電力の抑制が優先される。一方で、蓄電池3が充電されている場合には、太陽電池1の発電電力抑制よりも、蓄電池3の充電電力が優先される。
【0202】
この結果、72時間のLCPを実現できる蓄電電力量(SOC)が確保できていない場面では、太陽電池1の発電電力を確保することを優先しつつ、スマートタウン内の電力バランスを確保するように、垂下特性を設定することができる。
【0203】
一方で、タウン蓄電池20及び需要家宅18内の蓄電池3が満充電に近い状態では、蓄電池3からの放電を優先させるため、垂下特性線FC3(一点鎖線)が設定される。垂下特性線FC3では、運用計画に従った売買電力目標値(太陽電池用電力変換装置2)が維持されるように、傾きka3、kb3が小さく設定される。
【0204】
再び図19を参照して、蓄電池用電力変換装置4に通知される垂下特性は、上述のように、系統周波数(横軸)に対する差分電力ΔPsb2(縦軸)を算出するように規定される。ここで、需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)での運転計画に基づく売買電力のしわ取り(発電量及び負荷消費電力量予測誤差等に起因する売買電力の変動の吸収)は、蓄エネ機器である蓄電池3が主体的に行う。
【0205】
蓄電池用電力変換装置4においても、図20で説明した垂下特性に従って、タウン蓄電池20が運転計画よりも充電側で動作して系統周波数が上昇すると、差分電力ΔPsb2<0に設定される。従って、差分電力ΔPsb2が加算された、蓄電池用電力変換装置4のBAT制御目標値が減少する。反対に、図20で説明した垂下特性に従って、タウン蓄電池20が運転計画よりも放電側で動作して系統周波数が低下すると、差分電力ΔPsb2>0に設定される。従って、差分電力ΔPsb2が加算された、蓄電池用電力変換装置4のBAT制御目標値が増加する。
【0206】
蓄電池用電力変換装置4の垂下特性についても、上述のように、自立運転開始からの経過時間、タウン蓄電池20の蓄電電力量(SOC)、需要家宅18内の蓄電池3の蓄電電力量(SOC)、及び、スマートタウン内のSOC合計値から、CEMS15によって生成される。
【0207】
例えば、72時間のLCPを確保する上で必要となる蓄電電力量(SOC)が確保できている場合は、基本的な垂下特性として、垂下特性線FC1(実線)が設定される。
【0208】
これに対して、72時間のLCPを実現できる蓄電電力量(SOC)が確保できていない場合は、垂下特性線FC2(点線)が設定される。垂下特性線FC2では、蓄電池3からの放電電力を増加、又は、充電電力を減少するために、系統周波数が60Hzより低い周波数帯において、低周波側の折れ点周波数fb2(点線)が、上述の垂下特性線FC1(実線)の折れ点周波数fb1と比較して、中心周波数fc(60Hz)に近付けられる。
【0209】
又、上述のように、系統電圧の周波数が中心周波数fc(60Hz)より低い周波数帯では、太陽電池1からの発電電力を最大限取り出すために、蓄電池用電力変換装置4の垂下特性線FC2(点線)の折れ点周波数fb2は、太陽電池用電力変換装置2の垂下特性線FC2(図18の点線)の折れ点周波数fb2よりも低く設定される。
【0210】
一方で、系統電圧の周波数が中心周波数fc(60Hz)より高い周波数帯では、蓄電池用電力変換装置4の垂下特性線FC2(点線)の折れ点周波数fa2は、太陽電池用電力変換装置2の垂下特性線FC2(図18の点線)の折れ点周波数fa2よりも低く設定される。これにより、太陽電池1からの発電電力が抑制される前に、蓄電池用電力変換装置4からの放電電力を抑制、或いは、充電電力を増加することができる。
【0211】
更に、図18と同様に、タウン蓄電池20及び需要家宅18内の蓄電池3が満充電に近い状態では、蓄電池3からの放電を優先させるため、垂下特性線FC3(一点鎖線)が設定される。
【0212】
本実施の形態では、需要家宅18内には太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の2台の分散電源が設置されている。従って、CEMS15は、上述したように、創エネ機器である太陽電池1の出力を優先させる一方で、蓄電池3からの放電はなるべく控えるように、自立運転中の運転計画を作成する。
【0213】
具体的には、上述したように、タウン蓄電池20が運転計画よりも放電側で動作しているため、需要家宅18から逆潮流される電力を増加させる場合は、系統周波数の低下に伴って、太陽電池用電力変換装置2の系統連系点での目標売買電力(PV制御目標値)が、蓄電池用電力変換装置4の目標売買電力(BAT制御目標値)よりも先に増加するように、垂下特性が生成される。この結果、図18及び図19に示されるように、ΔPsb1>0となる折れ点周波数fb1?fb3(図18)は、ΔPsb2>0となる折れ点周波数fb1?fb3(図19)よりもそれぞれ高くなるように、垂下特性線FC1?FC3は生成されている。
【0214】
これにより、太陽電池1の発電電力が抑制されていた場合に、ΔPsb2=0かつΔPsb1>0となると、太陽電池用電力変換装置2から出力される電力が増加する一方で、蓄電池用電力変換装置4のBAT制御目標値が変化しない。このため、蓄電池用電力変換装置4は、蓄電池3の放電時には放電電力を減少する一方で、蓄電池3の充電時には充電電力を増加するように動作する。
【0215】
反対に、タウン蓄電池20が運転計画よりも充電側で動作しているため、需要家宅18からの逆潮電力を減少させる場合は、蓄電池用電力変換装置4に通知する垂下特性の高周波側の折れ点周波数を太陽電池用電力変換装置2に通知する垂下特性の高周波側の折れ点周波数より低くすることで、蓄電池3の放電電力の抑制、あるいは充電電力の増加が先に開始され、更に交流系統電圧の周波数を上げることで、太陽電池1からの出力を抑制するよう動作させることで、需要家宅18からの逆潮電力の抑制を図る。
【0216】
需要家宅18から逆潮流される電力を減少させる場合には、系統周波数の上昇に伴って、蓄電池3の放電電力の抑制、或いは、充電電力の増加が先に開始された後、供給電力が過剰であり続けて、交流系統周波数が更に上昇すると、太陽電池1の発電電力を抑制する態様とすることが好ましい。従って、太陽電池用電力変換装置2の系統連系点での目標売買電力(PV制御目標値)が、蓄電池用電力変換装置4の目標売買電力(BAT制御目標値)よりも先に減少するように、垂下特性が生成される。この結果、図18及び図19に示されるように、ΔPsb1<0となる折れ点周波数fa1?fa3(図18)は、ΔPsb2<0となる折れ点周波数fa1?fa3(図19)よりもそれぞれ低くなるように、垂下特性線FC1?FC3は生成されている。
【0217】
交流系統周波数が中心周波数fc(図18?図20の例では60Hz)である場合には、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4では、差分電力ΔPsb1=ΔPsb=0に設定される。このため、CEMS15からの各需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力目標値を、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の売買電力目標値とすると、太陽電池1及び蓄電池3の間での電力分配を制御できなくなる。これにより、太陽電池1の発電電力が抑制されているにも関わらず、当該売買電力目標値に従うために、蓄電池3から放電される、或いは、充電電力が絞られる等、自立運転確保のために好ましくない問題が発生することが懸念される。
【0218】
このため、本実施の形態では、上述のように、HEMS7は、太陽電池1(創エネ機器)及び蓄電池3を持つ需要家に対しては、CEMS15から通知された需要家宅18の系統連系点での売買電力目標値を加工することによって、太陽電池用電力変換装置2の売買電力目標値と、蓄電池用電力変換装置4の売買電力目標値とを生成する。具体的には、CEMS15による売買電力目標値に対して、太陽電池用電力変換装置2の売買電力目標値にはオフセット値を加算し、蓄電池用電力変換装置4の売買電力目標値には当該オフセット値を減算するように、加工することにより、太陽電池1の発電電力を優先することができる。
【0219】
更に、このように加工された太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の売買電力目標値に対して、図18及び図19で説明した垂下特性に従う差分電力ΔPsb1,ΔPsb2を加算して、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の最終的な売買電力目標値(PV制御目標値及びBAT制御目標値)が設定される。これにより、太陽電池1の出力確保を優先した上で、システムタウン内での電力供給の不足及び過剰を解消することができる。
【0220】
次に、タウン蓄電池用電力変換装置21に供給する垂下特性について説明する。
再び図20を参照して、タウン蓄電池用電力変換装置21の垂下特性は、タウン蓄電池20の実際の充放電のCEMS15から通知された運転計画に対する差異を示す過不足電力Pvl(横軸)に対する系統周波数(縦軸)を算出するように規定される。CEMS15は、自立運転開始からの経過時間、タウン蓄電池20の蓄電電力量(SOC)、需要家宅18内の蓄電池3の蓄電電力量(SOC)、発電量実績値、消費電力実績値、太陽電池1、蓄電池3のステータス情報、発電量予測値、及び、消費電力予測値から垂下特性を生成する。具体的には、折れ点電力Pa,Bb、及び、傾きkat,kbtが変化される。
【0221】
例えば、タウン蓄電池20が満充電ではなく、発電量実績値、消費電力実績値から、需要家宅18の太陽電池1が発電電力の抑制制御を行っていたと判断した場合は、需要家宅18から逆潮流される電力を増加させるように、垂下特性を設定する。具体的には、折れ点電力Pbが、デフォルトの特性よりも中心周波数fc(60Hz)に近付けられる。
【0222】
なお、本実施の形態では、詳細は後述するが、タウン蓄電池用電力変換装置21の運転計画が5分周期で作成される一方で、需要家宅18内の分散電源の運転計画は、それよりも長い周期(例えば、30分周期)で通知されるものとする。
【0223】
タウン蓄電池用電力変換装置21は、CEMS15から5分周期で通知される運転計画での充放電電力目標値に従って、図20に示す垂下特性を用いて、交流系統周波数を制御する。従って、タウン蓄電池用電力変換装置21の運転計画が5分周期で更新される場合に、各需要家宅18内の分散電源の30分周期の運転計画(売買目標電力値)が更新されなくても、図20の垂下特性に従って交流系統周波数を変化させると、図18及び図19の垂下特性に従って、各需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)における売買電力を調整することが可能となる。例えば、交流系統周波数を下げることで、各需要家宅18内の太陽電池1の発電電力を増加させることによって、タウン蓄電池20からの不必要な放電、或いは、太陽電池1の発電電力の不必要な抑制を回避することができる。
【0224】
特に、タウン蓄電池20の充電電力(SOC)が計画値よりも少ない場合に、太陽電池1が発電電力を抑制していると判断されるときには、図18及び図19の垂下特性において、少なくとも、低周波側の折れ点周波数fb2を右側にシフト(中心周波数fcに近付ける方向に修正)することで、供給電力が少量不足しても、需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)での逆潮流電力を増加することができる。
【0225】
上述のように太陽電池用電力変換装置2、蓄電池用電力変換装置4、及び、タウン蓄電池用電力変換装置21に通知する垂下特性を作成することにより下記の利点が生じる。一般的に、CEMS15から各需要家宅18への運転計画の通知周期は、運転計画を作成するための実測データをCEMS15が各需要家宅18から収集する周期よりも長く設定される。
【0226】
各需要家宅18の運転計画は、天気予報情報、太陽電池1の発電電力実績から生成したデータベースを使用して予測した発電量予測結果、及び、消費電力実績から生成したデータベースを元に予測した消費電力予測結果から作成される。その際、使用する天気予報では、おおむね“晴れ”、“雲”、“雨”、“雪”等で表される。例えば、“晴れ”は、雲ひとつない青空の場合も、全天の50%が雲に覆われていても、天気予報は“晴れ”となる。よって、発電電力の予測に際しては、天気予報が当たっていた場合においても大きな誤差が発生する可能性がある。
【0227】
72時間のLCPを確保するためには、上述のような予測誤差をできる限り小さくし、創エネ機器である太陽電池1からの発電電力をできる限り抑制することなく消費することが望まれる。従って、本実施の形態では、上述したように5分周期で、発電量実績値、消費電力実績値、並びに、太陽電池1及び蓄電池3のステータス情報を収集して、当該予測値及び実測値から、タウン蓄電池20の運転計画を5分周期で作成する。
【0228】
予測誤差の最小化を測るためには、実績値を用いて、タウン蓄電池20に加えて、需要家宅18内の分散電源の運転計画についても5分周期(計測結果の収集周期)で見直すことが理想的である。
【0229】
しかしながら、CEMS15は、上述多数の需要家宅18を管理するので、各需要家宅18の運転計画を短周期(例えば、5分周期)で作成する場合には、高い演算性能(CPU能力)が要求されることが懸念される。本実施の形態では、CEMS15で300戸の住宅を管理する場合を想定しているが、実際には、運用コスト(CPU性能及びネットワークトラヒック等)の面から、1台で数千?数万軒の需要家を管理するケースも想定される。
【0230】
このため、各需要家宅18の運転計画作成の短周期化は、大きな演算性能の上昇を要求する。一方で、タウン蓄電池20は、スマートタウン内の需要家宅18で共有されるので、タウン蓄電池20の運転計画を短周期で作成しても、演算性能の上昇は顕著ではない。例えば、タウン蓄電池20の運転計画を30分周期から5分周期で作成するようにしても、CPU性能の増加は数(%)程度で対応できることが期待される。
【0231】
従って、本実施の形態では、タウン蓄電池20の運転計画を5分周期で作成し、需要家宅18の運転計画については30分周期で作成するものとしている。なお、需要家宅18の運転計画の作成周期(30分)を、タウン蓄電池20の運転計画の作成周期(5分)の倍数とすることにより、需要家宅18の運転計画の作成を、タウン蓄電池20の運転計画の作成と同期させることができる。
【0232】
次に、タウン蓄電池20の運転計画作成方法について説明する。
上述のように、本実施の形態では、タウン蓄電池用電力変換装置21の運転計画には、需要家宅18の運転計画と併せて作成される30分周期の運転計画と、タウン蓄電池側単独で5分周期で作成される運転計画との2種類がある。
【0233】
30分周期の運転計画は、天気予報情報を用いて予測した、太陽電池1の発電量予測結果及び負荷5の消費電力予測結果、並びに、1時間前から30分前までの30分間における、太陽電池1の発電電力実績、消費電力実績、及び、各分散電源のステータス情報等から作成される。一方で、5分周期の運転計画は、10分前から5分前までの5分間における太陽電池1の発電抑制量を推定するとともに、太陽電池1の発電が抑制されていると推定されると30分周期で作成された運転計画に補正を加えることによって作成される。太陽電池1の発電抑制量は、10分前から5分前までの5分間における、太陽電池1の発電電力実績、消費電力実績、及び、各分散電源のステータス情報等から推定される。太陽電池1の発電が抑制されていると判断された場合には、推定された発電抑制量(電力)に基づき、運転計画(目標充放電電力)及びタウン蓄電池20用の垂下特性が生成される。
【0234】
次に、上記5分周期で実施されるタウン蓄電池20の運転計画及び垂下特性の作成イメージを、図21?図23を用いて説明する。
【0235】
図21は、30分周期で作成された運転計画の一例を示す概念的なグラフである。図21の縦軸は電力量(kWh)を示す。
【0236】
図21を参照して、一番左側の消費電力量(W1)、及び、2番目の太陽電池1の発電電力量(W2)の予測値に基づき、3番目に示される需要家宅18内の蓄電池3の放電電力量(W3)、及び、4番目に示されるタウン蓄電池20から需要家宅18に供給される電力量W4(図21の例では、放電電力量)が求められる。
【0237】
図21の例では、消費電力量(予測値)が発電電力量(予測値)より大きいため(W1>W2)、CEMS15は、電力量の不足分(ΔW1=W1-W2)を、需要家宅18内の蓄電池3とタウン蓄電池20で分担して負荷5に供給するように、運転計画及び垂下特性を生成する。すなわち、運転計画は、ΔW1=W3+W4となるように作成される。
【0238】
本実施の形態では、CEMS15による運転計画は、上述のように、需要家宅18の運転計画は、系統連系点(宅内配電系統)での売買電力目標値(売電時に正値)を含み、タウン蓄電池20の運転計画は、タウン蓄電池20からの充放電電力目標値(放電時に正値)を含む。
【0239】
図22には、30分周期で生成された運転計画を元に動作した場合における最初の5分間での実測結果(電力量)の一例が示される。
【0240】
図22に示される例では、実測した消費電力量は、図21の予測値とほぼ同等である一方で、太陽電池1の発電電力量が、図21の予測値の2倍以上である。例えば、天気予報では“曇”であったが、実績は“晴れ”であったケースでこのような実績となる。これにより、ΔW2の余剰電力量が発生する。
【0241】
この結果、需要家宅18に通知される30分毎の運転計画(図21)では、需要家宅18では蓄電池3からの放電を計画していたのに対して、図22に太陽電池1の発電電力量が多くなったため、各需要家宅18の蓄電池3は充電される。具体的には、蓄電池用電力変換装置4は、太陽電池用電力変換装置2から出力された太陽電池1の発電電力を、最大充電電力で蓄電池3に充電する。
【0242】
この結果、スマートタウン内全体では、タウン蓄電池20の充放電電力量W5(W5>0)及び太陽電池1の発電電力量W2の和と、蓄電池3の充電電力量Wch及び消費電力量W1の和とが均衡する(W2+W5=W1+Wch)。
【0243】
一方で、太陽電池1は、蓄電池3が最大充電電力で充電されているので、発電可能電力に対して発電電力が抑制された状態である。すなわち、図22の例では、太陽電池1が発電電力を抑制しているにも関わらず、結果として、タウン蓄電池20が不必要な放電を行っていることになる。
【0244】
従って、本実施の形態では、タウン蓄電池20の運転計画を立案する際に、消費電力量実績及び太陽電池1の発電電力量実績、並びに、太陽電池用電力変換装置2内の第1の制御回路204による太陽電池1の制御モード(MPPT制御モード/電圧制御モード)情報、及び、蓄電池3の充放電電力情報を元に、太陽電池1が出力抑制を行っている否か、及び、タウン蓄電池20がどのくらいの電力を充電できるかが推定される。
【0245】
詳細は後述するが、例えば、太陽電池1の制御モードが電圧制御モードである場合に、CEMS15は太陽電池1が出力抑制を行っていると判断することができる。更に、蓄電池3の充電電力に基づき、需要家宅18から宅内配電系統10に逆潮流可能な電力を算出することができる。
【0246】
CEMS15は、各需要家宅18から逆潮流可能な電力から、タウン蓄電池20に充電可能な電力を算出することができる。当該算出結果を元に、タウン蓄電池20の運転計画(充電電力)が決定される。タウン蓄電池20への充電電力を決定すると、タウン蓄電池用電力変換装置21に送付する垂下特性を生成する。
【0247】
本実施の形態では、上述した理由により、各需要家宅18の運転計画が30分毎に作成される一方で、タウン蓄電池20の運転計画は5分周期で更新される。需要家宅18内の太陽電池用電力変換装置2は、需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力を、運転計画が反映された制御目標値になるように制御する。このため、運転計画値によっては、各需要家宅18からタウン蓄電池20に供給される逆潮流電力を増加させることはできない。
【0248】
従って、本実施の形態では、図18?図20に示した垂下特性を用いて、タウン蓄電池用電力変換装置21から出力する系統周波数を下げることで、需要家宅18からの逆潮電力を増加させる。例えば、図22のケースでは、タウン蓄電池20の運転計画を放電から充電に変更するように、タウン蓄電池20の充放電電力目標値を変更する。しかしながら、需要家宅18での運転計画値(売買電力目標値)は更新されないので、需要家宅18からの逆潮流電力は変わらない。従って、タウン蓄電池20は、充電を計画するように運転計画が変更されたのに、放電を継続する結果となる。
【0249】
これにより、図20の横軸に示した過不足電力Pvlが、Pvl<0方向に増大するので、タウン蓄電池用電力変換装置21が出力する系統周波数が低くなる。これに応じて、図18の垂下特性に従って差分電力ΔPsb1を加算することによって、太陽電池用電力変換装置2のPV制御目標値は、売電方向に補正される。この結果、需要家宅18内の太陽電池用電力変換装置2は、太陽電池1から取り出す発電電力を増加させることができる。
【0250】
一方で、蓄電池用電力変換装置4は、既に最大充電電力で蓄電池3を充電しているため、太陽電池1の発電電力が増加すると、各需要家宅18から逆潮流される電力が増加する。増加した逆潮流電力は、タウン蓄電池20に充電される。
【0251】
図23には、運転計画に従った30分間の動作イメージを説明する概念図が示される。図23中には、太陽電池1全体による発電電力Ppvが太線で示され、更に、負荷5全体の消費電力Pcw及び蓄電池3全体の充電電力Phtと、タウン蓄電池20の充電電力Pchtとが示される。
【0252】
図23を参照して、最初の5分間では、図22に示したように、CEMS15によって作成された運転計画に従って、タウン蓄電池20が放電する。この結果、太陽電池1の発電電力Ppvが発電可能電力に対して抑制されている状態で、タウン蓄電池20が運転計画に対して放電側で動作することで(Pcht<0)を伴って、スマートタウン内の電力が均衡している。
【0253】
5分間が経過すると、5分間での消費電力量及び発電電力量の実績値(図22)に従って、タウン蓄電池20の運転計画が充電に変更される。これに応じて、以降の25分間においては、需要家宅18側では、運転計画が更新されなくとも、垂下特性に従って、系統周波数の低下に応じて、需要家宅18内の太陽電池1の発電電力抑制が解除されるとともに、逆潮流される電力が増加する。この結果、太陽電池1の発電電力を確保するとともに、逆潮電力(余剰電力)をタウン蓄電池20で充電することができる。
【0254】
このように、タウン蓄電池20の運転計画を、各需要家宅18の運転計画よりも短い更新することで、CEMS15のCPU性能を過度に高めることなく、発電電力や消費電力の予測が外れた場合でも、タウン蓄電池20からの不必要な放電、及び、太陽電池1での不必要な出力抑制を、最小限に抑えることが可能となる。
【0255】
次に、CEMS15の具体的な動作を説明する。なお、以下のCEMS15による各ステップの処理に対応した、太陽電池用電力変換装置2、蓄電池用電力変換装置4、HEMS7、及び、タウン蓄電池用電力変換装置21の個別動作については、詳細な説明は繰り返さない。
【0256】
図24及び図25は、CEMS15による停電発生時の一連の処理を説明するフローチャートである。
【0257】
図24を参照して、CEMS15は、ステップ(以下、単に「S」とも表記する)101において、停電中か否かを確認する。本実施の形態では、図1中の開閉器22及び変電所24を接続する配電系統17の交流電圧の実効値が、開閉器22に設けられた電圧計(図示せず)によって計測される。配電系統17の交流実効電圧が、予め定められた期間以上に亘って、予め定められた判定電圧以下であった場合には、交流実効電圧の計測結果とともに、変電所24からの配電系統17への電力供給が途絶えた旨を示す停電情報が、開閉器22からCEMS15に通知される。
【0258】
CEMS15は、開閉器22からの停電情報を、通信回路151(図3)を介して情報収集回路152(図3)で受信する。情報収集回路152は、開閉器22より受信した停電情報を分散電源ステータス管理回路155(図13)に通知する。分散電源ステータス管理回路155は、停電情報を受信すると、その旨を、運転計画作成回路160(図3)に通知する。運転計画作成回路160は、停電情報を受信すると、内部のレジスタ(図示せず)に停電フラグをセットする。当該停電フラグに従って、S101の判定を実行することができる。
【0259】
CEMS15は、停電フラグのセットに応じて、スマートグリッド内の各需要家宅18に対して、一旦配電系統14から解列するとともに、需要家宅18内の負荷5の電源オフ、並びに、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の停止を指示する。同様に、タウン蓄電池用電力変換装置21に対しても、配電系統16から一旦解列するよう指示する。
【0260】
運転計画作成回路160は、運転計画作成管理回路161(図3)に対しても停電フラグ情報を出力する。CEMS15は、スマートタウン内の各需要家宅18及びタウン蓄電池用電力変換装置21に対する上記指示の送信後、S102により、開閉器22に対して、スマートタウンの配電系統16を変電所24と接続される配電系統17から解列するように、遮断指示を出力する。
【0261】
なお、停電検出時における上記各種指示は、運転計画作成回路160から一旦データ送信管理回路153に出力された後に、データ送信管理回路153から通信回路151を介して、各機器に通知することができる。
【0262】
CEMS15は、停電発生後には、S103により復電したか否かを逐次確認する。開閉器22は、遮断状態においても、変電所24と接続された配電系統17の交流電圧実効値を計測する。従って、計測された交流電圧実効値が、予め定められた期間を超えて判定電圧以上であったときに、停電検出時と同様に、交流実効電圧の計測結果とともに、変電所24からの配電系統17への電力供給が復帰した旨を示す復電情報が、開閉器22からCEMS15に通知される。
【0263】
CEMS15は、開閉器22からの復電情報を、通信回路151(図3)を介して情報収集回路152で受信する。情報収集回路152は、開閉器22より受信した復電情報を分散電源ステータス管理回路155(図3)に通知する。分散電源ステータス管理回路155は、復電情報を受信すると、その旨を運転計画作成回路160(図3)に通知する。運転計画作成回路160は復電情報を受信すると、内部レジスタの上記停電フラグをリセットする。当該停電フラグに従って、S103の判定を実行することができる。
【0264】
CEMS15は、停電フラグがリセットされると、復電を確認して、S103をYES判定とする。CEMS15は、復電が確認されると、S104により、タウン蓄電池用電力変換装置21に対して運転を停止するよう指示する。そして、CEMS15は、S105により、スマートグリッド内の各需要家宅18に対して、一旦各種負荷5の電源オフ、並びに、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の停止を指示する。更に、CEMS15は、S106により、開閉器22に対して、スマートタウンの配電系統16を変電所24と電気的に接続するための接続指示を出力する。これに応じて、開閉器22は、配電系統16及び17を電気的に接続する。
【0265】
なお、復電検出時における上記各種指示についても、運転計画作成回路160から一旦データ送信管理回路153に出力された後に、データ送信管理回路153から通信回路151を介して各機器に通知することができる。CEMS15は、S106の完了後には、停電が検知されない間、S101による停電検出処理を繰り返す。
【0266】
CEMS15は、停電検出後に復電が確認されない場合(S103のNO判定時)には、停電時の処理を開始する。本実施の形態では、上述したように、停電時には、5分周期の処理と、30分周期の処理との2種類の処理をCEMS15が実行する。
【0267】
図26には、本実施の形態に係る電力システムでの停電時における各機器の動作シーケンス図が示される。
【0268】
30分周期の処理は、例えば、13時00分、13時30分等の時刻から開始される。一方で、5分周期の処理は、13時05分、13時10分…等の時刻から開始される。又、各種計測結果の収集は、例えば、13時00分?13時05分の期間(5分間)の計測結果は、当該期間が終了する13時05分から収集が開始されて、更に次の期間が開始される13時10分からの運転計画に反映されるものとする。
【0269】
又、30分周期の運転計画は、クラウド23内の天気予報の更新周期にあわせて更新される。例えば、23時に天気予報が更新された場合は、23時以降の24時間の運転計画が30分刻みで作成される。以降は、上述した要領で、5分周期で収集した各種実測結果を元に5分周期、及び、30分周期の運転計画が補正される。なお、詳細は省略するが、本実施の形態では、停電発生時は、負荷の運転計画が連系運転(通常運転)時の運転計画と異なるため、負荷の消費電力予測結果を差し替えて、運転計画を作成する。
【0270】
図26を参照して、CEMS15は、予め定められた30分周期の時刻になると各需要家宅18に対して、運転計画(具体的には、宅内配電系統10での売買電力目標値、並びに、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の垂下特性)を、HEMS7に通知する。本実施の形態では、CEMS15及び需要家宅18間の通信は、HEMS7が一旦受けた後、HEMS7から需要家宅18内の各機器に通知される。
【0271】
HEMS7は、運転計画及び垂下特性を受信すると、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の各々に対して、それぞれの系統連系点での売買電力目標値及び垂下特性を通知する。その際に、上述したように、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の売買電力目標値は、CEMS15から送信された売買電力目標値を加工することによって生成されている。例えば、太陽電池1からの発電電力を優先して使用するために、太陽電池用電力変換装置2の売買電力目標値は、蓄電池用電力変換装置4の売買電力目標値よりも大きくなるように生成される。その際の、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の売買電力目標値の差分は、蓄電池3の充電電力量(SOC)基づいて設定することができる。具体的には、SOCが少ない場合(例えば、SOC≦0.8の場合)には、SOCが多い場合(例えば、SOC>0.8の場合)と比較して、差分を大きくすることができる。
【0272】
CEMS15は、各需要家宅18への運転計画の送信を完了すると、タウン蓄電池用電力変換装置21に対して、運転計画(充放電電力目標値及び垂下特性)を送信する。運転計画の送信が完了すると、CEMS15は、各種計測データの収集を開始する。具体的には、タウン蓄電池用電力変換装置21への運転計画送信か完了すると、データ送信管理回路153(図3)は、運転計画作成管理回路161(図3)にその旨を通知する。運転計画作成管理回路161は、通信完了通知を受け取ると、図示していない時計から現在の時刻情報を確認し、各種計測データの収集開始時刻か否かを確認する。収集時刻であった場合は、CEMS15は、タウン蓄電池用電力変換装置21に対してステータス情報を送信するよう要求信号を送信する。ステータス情報の送信要求を受信するとタウン蓄電池用電力変換装置21は、所定の時刻(5分周期)に収集した、タウン蓄電池20のSOC情報、容量維持率(SOH)情報及び、5分間の充放電電力量をCEMS15へ送信する。CEMS15は、タウン蓄電池用電力変換装置21からステータス情報の受信を完了すると、各需要家宅18内のHEMS7に対して、計測結果及び分散電源のステータス情報を送信するよう要求信号を送信する。
【0273】
HEMS7は、図示していない時計を確認し、所定の時刻(5分周期)になると、太陽電池用電力変換装置2から、5分間の発電電力量、ステータス情報(起動、発電、停止)、及び、現在の制御モード(MPPT制御、又は、電圧制御)情報を収集する。HEMS7は、太陽電池用電力変換装置2のステータス情報の収集を完了すると、蓄電池用電力変換装置4から、5分間の充放電電力量、蓄電池3のSOC情報、及び、容量維持率(SOH)情報を収集する。その後、HEMS7は、分電盤6内の電力計測回路61から、5分間の各ブレーカの消費電力量を収集する。そして、CEMS15からステータスの送信要求を受信すると、上記収集したデータがHEMS7からCEMS15に送信される。
【0274】
CEMS15は、各需要家宅18からのステータス情報の収集を完了すると、各種データベースの更新、及び、タウン蓄電池20の運転計画(充放電電力及び垂下特性)の見直しを行う。運転計画の見直しを完了すると、見直し結果がタウン蓄電池用電力変換装置21に通知される。CEMS7は、タウン蓄電池用電力変換装置21への通知が完了すると、次の5分周期の処理が開始されるまで、次の30分周期に送付する各需要家宅18の運転計画、及び、タウン蓄電池用電力変換装置21の運転計画の補正を行う。
【0275】
本実施の形態では、13時30分から使用する30分周期の運転計画は、12時30分?13時00分の間で収集した実測結果を元に、13時00分?13時30分の間の処理の空き時間を使用して作成される。この際に、数千軒の需要家の運転計画を立案するケースを想定すると、標準的なクラウドサーバのCPU処理能力では、数分?十数分の処理時間が必要となる可能性もある。従って、実測データを使用した運転計画の補正についても、上述のように、30分以上前に収集したデータを使用することが現実的である。
【0276】
CEMS15内の時計(図示せず)が所定の時刻(30分周期)を示すと、CEMS15は、ステータス情報及び実測結果の収集完了後、運転計画の作成及び送信を上述した要領で実行する。なお、本実施の形態では、30分周期に各需要家宅18のHEMS7及びタウン蓄電池用電力変換装置21に送信される運転計画は、30分前までに収集した実測データを元に補正を施したものが使用される。
【0277】
再び図24を参照して、S107以降の動作について説明する。CEMS15は、停電検出後に復電が確認されない場合(S103のNO判定時)には、S107により、各需要家宅18への運転計画送信時刻(予め定められた30分周期の送信時刻)か確認する。本実施の形態では、CEMS15内の運転計画作成管理回路161で5分周期の各種計測情報の収集、5分周期の運転計画の生成及び送信、並びに、30分単位の運転計画の生成及び送信タイミングが管理される。運転計画作成管理回路161によって管理された送信タイミングに従って、データ送信管理回路153、データ受信管理回路154、及び、運転計画作成回路160が動作する。
【0278】
CEMS15は、運転計画送信時刻の到来時(S107のYES判定時)には、S108により、タウン蓄電池20の運転計画を送信する。具体的には、運転計画作成管理回路161(図3)が、運転計画作成回路160に対して30分周期のタウン蓄電池用電力変換装置21の運転計画をデータ送信管理回路153に出力するよう指示する。更に、運転計画作成管理回路161は、データ送信管理回路153(図3)に対して、タウン蓄電池用電力変換装置21への送信指示を出力する。データ送信管理回路153は、運転計画作成管理回路161から送信指示を受けると、運転計画作成回路から受け取った運転計画を、通信回路151を介して、タウン蓄電池用電力変換装置21に送信する。
【0279】
CEMS15は、S108による、30分周期の運転計画のタウン蓄電池用電力変換装置21への送信を完了すると、S109に処理を進めて、各需要家へ運転計画を送信する。具体的には、運転計画作成管理回路161(図3)が、運転計画作成回路160に対して、1軒目の需要家宅18の運転計画を出力するように指示するとともに、データ送信管理回路153に対して、運転計画作成回路160が出力した運転計画を、需要家宅18(1軒目)に送信するよう指示する。データ送信管理回路153は、運転計画作成管理回路161から送信指示を受けると、運転計画作成回路から出力された運転計画を、通信回路151を介して需要家宅18に通知する。
【0280】
CEMS15は、スマートタウン内の全ての需要家宅18に対して運転計画の送信が完了するまで(S110のNO判定時)、S109による、1軒の需要家宅18に対する運転計画の通知を繰り返し実行する。
【0281】
CEMS15は、30分毎の運転計画送信時刻でなかった場合(S107のNO判定時)、又は、30分毎の運転計画送信時刻において、全ての需要家宅18への運転計画の送信が完了した場合(S110のYES判定時)には、S111へ処理を進める。
【0282】
CEMS15は、S111により、計測情報収集時刻(予め定められた5分周期の送信時刻)であるか否かを確認する。計測情報収集時刻でない場合(S111のNO判定時)には、処理はS103に戻される。
【0283】
一方で、CEMS15は、計測情報収集時刻であった場合(S111のYES判定時)には、まずS112により、タウン蓄電池20の情報を収集する。具体的には、計測情報収集時刻(例えば、13時05分)になると、運転計画作成管理回路161(図3)は、データ送信管理回路153(図3)に対して、タウン蓄電池用電力変換装置21への計測情報通知要求パケットを出力するよう指示する。データ送信管理回路153は、運転計画作成管理回路161から計測情報通知要求パケットの送信指示を受けると、予め定められたパケットを、通信回路151を介してタウン蓄電池用電力変換装置21に送信する。一方、データ受信管理回路154は、情報収集回路152に対して、通信回路151を介してタウン蓄電池用電力変換装置21からの計測情報に関する情報を入手したか否かを確認する。データ受信管理回路154は、当該情報の入手を確認できた場合には、その旨を運転計画作成管理回路161に通知する。一方、データ受信管理回路154は、計測情報通知要求パケットの送信から予め定められた時間が経過しても当該情報が受信されない場合は、計測情報通知要求パケットの再送要求を、運転計画作成管理回路161に通知する。運転計画作成管理回路161は、再送要求を受け取ると、データ送信管理回路153に対して、タウン蓄電池用電力変換装置21に計測情報通知要求パケットを再度送信するように指示する。
【0284】
CEMS15は、S112によりタウン蓄電池20の情報収集を完了すると、S113により、需要家宅18の各種計測結果及び情報を収集する。具体的には、運転計画作成管理回路161(図3)は、データ送信管理回路153(図3)に対して、1軒目の需要家宅18の計測情報の収集を行うように指示する。その際に、運転計画作成管理回路161は、データ受信管理回路154に対しても、1軒目の需要家宅18の計測情報を受信するように指示する。データ送信管理回路153は、運転計画作成管理回路161からの送信指示を受けると、計測情報通知要求パケットを1軒目の需要家宅18に送信する。一方、データ受信管理回路154は、情報収集回路152に対して、通信回路151を介して需要家宅18からの計測情報に関する情報を入手したか否かを確認する。データ受信管理回路154は、当該情報を入手できた場合は、その旨を運転計画作成管理回路161に通知する。一方で、データ受信管理回路154は、計測情報通知要求パケットの送信から予め定められた時間が経過しても当該情報が受信されない場合は、計測情報通知要求パケットの再送要求を、運転計画作成管理回路161に通知する。
【0285】
CEMS15は、スマートタウン内の全ての需要家宅18からの計測情報の収集が完了するまで(S114のNO判定時)、S113による、各需要家宅18からの計測情報の収集を繰り返し実行する。CEMS15は、全ての需要家宅18からの計測情報の収集が完了した場合(S114のYES判定時)には、S115に処理を進めて、運転計画を作成する。
【0286】
図27には、S115(運転計画を作成するステップ)での処理の詳細を説明するフローチャートが示される。
【0287】
図27を参照して、CEMS15は、運転計画の作成(S115)が開始されると、S121により、消費電力実測結果に基づくデータベースを構築する。具体的には、CEMS15内の情報収集回路152(図3)が、タウン蓄電池用電力変換装置21及び各需要家宅18内のHEMS7から収集した各種情報を、分散電源ステータス管理回路155、発電電力実績管理回路156、及び、消費電力実績管理回路159に出力する。分散電源ステータス管理回路155は、情報収集回路152から出力されたタウン蓄電池20のステータス情報(SOC、SOH、及び、5分間の充放電電力量)、各需要家宅18の蓄電池3のステータス情報(SOC、SOH、及び、5分間の充放電電力量)、並びに、太陽電池1のステータス情報(発電電力量、ステータス(待機、停止、発電)、及び、運転モード)を、メモリ(図示せず)に記憶する。
【0288】
又、消費電力実績管理回路159は、需要家宅18毎のデータベースを構築するために、各需要家宅18の消費電力実績を、メモリ(図示せず)に時刻情報とともに記憶する。通常時には、クラウド23から当該時刻の天気実績情報を入手すると、天気実績別、月別、及び、曜日別に構築されたデータベースから消費電力実績データが読出されるともに、今回実測したデータと併せた学習によって新たな消費電力実績データが生成されて、データベースに書き戻される。
【0289】
これに対して、停電時は、発生頻度が低く、使用する負荷も限られるため、本実施の形態では、メモリ(図示せず)に記憶した消費電力実績を元に、負荷消費電力の予測を行うことで、データベースを構築する。或いは、負荷消費電力の予測に際して、通常時の負荷消費電力のデータベースを活用することも可能である。具体的には、朝及び夕方の負荷消費電力カーブから、重要負荷である照明の点灯時刻の予測や、電子レンジなどの調理機器の一時使用などの時間帯予測に使用することが可能である。
【0290】
CEMS15は、S121によるデータベースの構築が完了すると、S122により、発電電力実測結果に基づくデータベースを構築する。具体的には、CEMS15内の発電電力実績管理回路156(図3)が、発電量実績結果を元にデータベースの更新を行う。しかしながら、停電時には、同時同量制御のため発電電力の抑制が行われている可能性がある。このため、本実施の形態では、発電電力実績管理回路156は、発電電力実測結果に加え、太陽電池1の制御モード、負荷消費電力量実績、売買電力量実績、蓄電池3の充放電実績を、時刻情報とともにメモリ(図示せず)記憶して、データベースを構築する。
【0291】
CEMS15は、スマートタウン内の全ての需要家宅18についてのデータベースの構築を完了するまで(S123のNO判定時)、S121及びS122を繰り返し実行する。
【0292】
CEMS15は、スマートタウン内の全ての需要家宅18についてのデータベース構築処理が完了すると(S123のYES判定時)、S124により、天気予報データを収集する。具体的には、運転計画作成管理回路161(図3)は、データ送信管理回路153(図3)に対して、クラウド23から天気予報情報を取得するように指示する。データ送信管理回路153は、当該指示を受けると、クラウド23に対して、最新の天気予報情報の送信を要求する、天気予報情報送信要求パケットを送付する。通信回路151を介してクラウド23からの最新の天気予報データが取得されると、当該天気予報データは、発電電力予測回路157及び消費電力予測回路158へ通知される。
【0293】
CEMS15は、S124により天気予報データが収集されると、S125により、太陽電池1の発電力を予測する。具体的には、発電電力予測回路157は、新たな天気予報情報を受信すると、前回取得した天気予報情報との比較により、データが更新されているか否か確認する。天気予報データが更新されている場合には、発電電力予測回路157は、発電電力実績管理回路156に構築された通常時の発電量実績データベースを元に、需要家宅18毎に、30分刻みで24時間分の太陽電池1の発電電力を予測する。一方で、天気予報データが更新されていなかった場合には、前回予測した予測結果がそのまま使用される。
【0294】
CEMS15は、太陽電池1の発電量予測が完了すると(S125)、S126により、停電時の消費電力を予測する。上述したように、停電時には、使用される負荷5が通常時とは異なるため、消費電力も異なってくる。従って、消費電力実績管理回路159内のメモリ(図示せず)に記憶されている実績データを元に、停電時の消費電力が予測される。具体的には、本実施の形態では、消費電力実績がメモリに記憶されていない、停電発生直後では、重要負荷である冷蔵庫の平均消費電力を、停電時の消費電力予測値として使用する。停電発生から24時間が経過するまでは、消費電力実績に基づくデータベースが構築されないため、運転計画作成の直前に実測した消費電力データを予測値として使用することができる。停電発生からの24時間経過以降では、メモリ内に構築された24時間分の消費電力実績のデータベースを元に、負荷5の消費電力を予測することができる。
【0295】
CEMS15は、S127により、太陽電池1の発電電力予測値(S125)から停電時の消費電力予測値(S126)を減算することによって、太陽電池1の余剰電力を算出する。S127の演算は、余剰電力予測回路1655(図7)により実行される。
【0296】
CEMS15は、スマートタウン内の全ての需要家宅18に対して上記S125?S127の予測処理が完了するまで(S128のNO判定時)、S125?S127の処理を繰り返し実行する。全ての需要家宅18に対して各種予測処理が完了すると(S128のYES判定時)、タウン蓄電池20の運転計画作成(S129)及び需要家の蓄電池3の運転計画作成(S131)に処理が進められる。
【0297】
ここで、再び図3?図8を用いて、各需要家宅18及びタウン蓄電池20の運転計画の作成について説明する。
【0298】
各需要家宅18の運転計画は、運転計画作成回路160(図3)内の需要家運転計画作成回路1651(図4)によって作成される。需要家運転計画作成回路1651には、需要家宅18毎に需要家運転計画作成ユニット1652(図6)が実装される。需要家運転計画作成ユニット1652には、需要家宅18毎に予測した太陽電池1の発電量予測結果、及び、負荷5の消費電力予測結果が入力される。更に、需要家運転計画作成ユニット1652には、5分周期に各需要家宅18から通知される、太陽電池1の発電量実績値、負荷5の消費電力実績値、蓄電池3のSOC、SOH、及び、充放電電力実績値、並びに、太陽電池1のステータス情報及び制御モードが入力される。
【0299】
需要家運転計画作成ユニット1652は、上記入力情報にデータ処理を施し、5分周期及び30分周期の運転計画を作成するためのデータを生成する。当該データ生成は運転計画作成管理回路161から出力されるタイミング信号に基づいて実行される。データ生成を完了すると、需要家運転計画作成ユニット1652内の太陽電池出力抑制判断回路1656は、太陽電池1の発電電力抑制量を推定する。なお、太陽電池1による発電電力抑制量の算出方法については後述する(図35参照)。
【0300】
再び図7を参照して、需要家運転計画作成ユニット1652内の第2の運転計画作成回路1657(図7)は、需要家宅18の30分周期の運転計画を作成する。運転計画には、系統連系点である宅内配電系統10での売買電力目標値、並びに、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4に通知する垂下特性が含まれる。その際、第2の運転計画作成回路1657では、運転計画補正回路1662(図8)が、運転計画の補正は、第1の運転計画作成回路1601内の需要家系統連系点電力生成回路1610(図5)で算出された、需要家宅18の系統連系点での売買電力(実績値)を元に、運転計画を補正する。
【0301】
又、S125での処理は、発電電力予測回路157(図3)によって実行され、S126での処理は、消費電力予測回路158(図3)によって実行される。上述のように、余剰電力予測回路1655(図7)が、発電電力予測回路157による需要家宅18の太陽電池1の発電電力予測結果から、消費電力予測回路158による消費電力予測結果を減算することによって余剰電力を予測する。余剰電力予測合計回路1605による余剰電力算出結果は、第2の運転計画作成回路1657、第1の運転計画作成回路1601内の余剰電力予測合計回路1605、及び、需要家系統連系点電力生成回路1610に入力される。余剰電力予測合計回路1605によって算出された余剰電力が、余剰電力予測合計回路1605によって合計されることにより、S127の処理が実現される。
【0302】
一方、需要家運転計画作成ユニット1652内の太陽電池出力抑制判断回路1656は、太陽電池1の発電電力抑制量を推定する。発電電力抑制量の推定は、30分周期及び5分周期での運転計画作成の両方で実行される。30分周期の運転計画作成時は、1時間前から30分前までの30分の予測結果及び実測結果から、太陽電池1の発電電力抑制量が推定される。又、タウン蓄電池用電力変換装置21に通知される5分周期の運転計画作成時には、10分前から5分前までの5分間の予測結果及び実測結果から、太陽電池1の発電電力抑制量が推定される。
【0303】
第2の運転計画作成回路1657は、需要家系統連系点電力生成回路1610から出力される需要家宅18の系統連系点での売買電力(実績)、太陽電池出力抑制判断回路1656より出力される太陽電池1の発電電力抑制量の推定結果、及び、需要家宅18内の分散電源のステータス情報から、需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力目標値、並びに、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の垂下特性を生成する。
【0304】
再び図8を参照して、第2の運転計画作成回路1657内の需要家分散電源用垂下特性生成回路1661は、分散電源ステータス管理回路155から出力される蓄電池3のSOC及びSOH情報、余剰電力予測回路1655から出力される余剰電力予測情報、並びに、運転計画補正回路1662から出力される運転計画の補正結果を元に、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の垂下特性を作成する。
【0305】
まず、太陽電池用電力変換装置2の低周波側の垂下特性の作成について説明する。余剰電力の予測結果から運転計画の補正結果を減算することで、蓄電池3に供給可能な充電電力量が算出されると、当該充電電力量が正の場合には、蓄電池3に充電できる電力があると判断される。この場合には、タウン蓄電池20が運転計画に対して放電側で動作した際に、太陽電池1の余剰電力をすぐに供給するために、図18中の垂下特性線FC2(点線)に例示されるように、低周波側の折れ点周波数(fb2)を中心周波数fc(60Hz)に近付けるように垂下特性が生成される。
【0306】
折れ点周波数fb2及び中心周波数fcの差分は、蓄電池3に供給可能な充電電力量が多いほど(即ち、低SOCの蓄電池3ほど)小さくすることができる。又、低周波側の折れ点周波数fb2より低周波側の垂下特性における直線の傾き(kb2)についても、蓄電池3に供給可能な充電電力に基づいて決定することができる。具体的には、垂下特性の下限周波数(例えば、59.8Hz)において、差分電力ΔPsb1が、当該蓄電池3に供給可能な充電電力となるように、傾きkb2を決定することができる。なお、余剰電力がない場合は、中心周波数fcより低周波側は予め定められた垂下特性(例えば、垂下特性線FC1)を使用することができる。
【0307】
次に、太陽電池用電力変換装置2の高周波側の垂下特性の作成について説明する。上述のように、本実施の形態では、需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)における蓄電池用電力変換装置4の売買電力目標値を、太陽電池用電力変換装置2の売買電力目標値よりも小さくしている。このため、両者の売買電力目標値の差に起因して、太陽電池用電力変換装置2の出力電力の一部を、蓄電池用電力変換装置4を介して蓄電池3に充電することが可能である。従って、太陽電池1が発電電力を抑制していた場合には、蓄電池3への充電電力分、太陽電池1からの発電電力を増加させることができる。即ち、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の売買電力目標値の間に差分を設けることで、太陽電池1の発電電力の活用を最大限に図ることができる。
【0308】
本実施の形態では、高周波側の垂下特性については、予め定められた垂下特性(例えば、垂下特性線FC1)を固定的に使用することができる。或いは、図18で説明したように、例えば、タウン蓄電池20のSOCに基づき垂下特性を変化させることも可能である。この場合には、タウン蓄電池20によって優先的に太陽電池1の余剰電力を充電できるように垂下特性は生成される。
【0309】
同様に、蓄電池用電力変換装置4の垂下特性の生成について説明する。上述したように、配電系統には太陽電池1の発電電力を優先的に供給する必要がある。従って、スマートタウン内の供給電力が不足して系統周波数が低下した場合は、まず、太陽電池用電力変換装置2からの供給電力を増加させる必要がある。従って、図18及び図19で説明したように、低周波側では、蓄電池用電力変換装置4の折れ点周波数fb1?fb3は、太陽電池用電力変換装置2用の折れ点周波数fb1?fb3よりも低い周波数とされている。
【0310】
一方で、高周波側については、図18及び図19で説明したように、太陽電池1が出力抑制を開始する前に余剰電力を充電するために、蓄電池用電力変換装置4の折れ点周波数fa1?fa3は、太陽電池用電力変換装置2用の高周波側の折れ点周波数fa1?fa3よりも高い周波数とされる。尚、本実施の形態では、低周波側及び高周波側の各々における直線の傾きka,kbについては、タウン蓄電池20のSOC残量と、72時間のLCPを実現するために必要となるSOC(計画値)との比較結果に基いて決定される。
【0311】
再び図8を参照して、運転計画補正回路1662の機能について説明する。上述したように、需要家宅18の運転計画については、天気予報情報を元に太陽電池1の発電電力、及び、負荷の消費電力の予測結果を元に、24時間分の運転計画が30分周期で作成される。天気予報は、通常、1日に3?4回更新されるが、天気予報が前回の周期(30分前)から更新されていないときは、運転計画は更新されない。
【0312】
運転計画補正回路1662は、上記運転計画から推定した太陽電池1の余剰電力予測結果、発電電力実績、及び、消費電力実績、分散電源のステータス情報から生成した太陽電池1の出力抑制量情報、並びに、蓄電池3及びタウン蓄電池20のSOC情報から、需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)の売買電力目標値を補正する。具体的には、タウン蓄電池20のSOCが計画値より低く、太陽電池1が出力抑制を実施している場合には、売買電力目標値を増加(すなわち、売電側に変化)させることでタウン蓄電池20の充電を促すように、運転計画が補正される。その際に、売買電力目標値の増加量は、蓄電池3のSOC及びタウン蓄電池の20のSOCから、太陽電池1の発電電力増加量についての蓄電池3及びタウン蓄電池20の間での案分比率を求め、当該案分比率に従ったタウン蓄電池20の充電電力に対応させて決定することができる。
【0313】
再び図5を参照して、第1の運転計画作成回路1601内の余剰電力予測合計回路1605は、各需要家宅18の需要家運転計画作成ユニット1652内の余剰電力予測回路1655(図7)で算出された、各需要家宅18での余剰電力を合計することによって、スマートタウン全体の余剰電力予測値を出力する。出力抑制電力合計回路1606は、各需要家宅18の需要家運転計画作成ユニット1652内の太陽電池出力抑制判断回路1656(図7)で算出された、各需要家宅18での太陽電池1の発電電力抑制量の推定値を合計することによって、スマートタウン全体での太陽電池1の発電電力抑制量(推定値)を出力する。
【0314】
余剰電力予測合計回路1605、及び、出力抑制電力合計回路1606からの出力は、タウン蓄電池充放電電力決定回路1607及びタウン蓄電池垂下特性生成回路1608に入力される。タウン蓄電池充放電電力決定回路1607は、スマートタウン全体の余剰電力予測値(合計)と、スマートタウン全体での太陽電池1の発電電力抑制量(推定値の合計)とから、タウン蓄電池20の運転計画(充放電計画)を作成する。
【0315】
次に、図28?図33を用いて、タウン蓄電池20の充放電計画の作成について説明する。
【0316】
図28には、タウン蓄電池20の24時間分の目標SOCを説明するための概念図が示される。図28の横軸は、停電発生時からの経過時間を示し、縦軸はタウン蓄電池20のSOCを示す。
【0317】
本実施の形態に係る電力管理システムでは、CEMS15は、上述のように、停電発生時から72時間が経過するまでの間、冷蔵庫等の重要負荷に対する電力供給を継続することを目標として運転計画を作成する。従って、停電発生時点でタウン蓄電池20が満充電(SOC=1.0)である場合における72時間分の本来の目標SOCは、図中の実線に従って設定される。
【0318】
一方で、タウン蓄電池20の目標SOCは、現時点でのSOC実績を元に、停電発生から72時間後のSOC=0となるように、現時点から24時間分が作成される。
【0319】
例えば、停電発生からA時間が経過した時刻tAの時点では、時刻tAにおけるSOC(実績値)が、停電発生後から72時間が経過した時刻teにSOC=0まで減少する近似直線(図中の点線)に従って、時刻tAから24時間後におけるタウン蓄電池20の目標SOC(Sr*(tA))が算出される。即ち、Sr*(tA)は、点線で示された近似直線上の点となる。これにより、当該近似直線に沿って、時刻tAから24時間分の目標SOCが生成される。
【0320】
同様に、停電発生から24時間以上が経過した時刻tBにおいては、時刻tBでのSOC(実績値)が、時刻teにおいてSOC=0まで減少する近似直線(図中の一点鎖線)に従って、時刻tBから24時間後におけるタウン蓄電池20の目標SOC(Sr*(tB))が算出される。当該近似直線に沿って、時刻tBから24時間分の目標SOCが生成される。
【0321】
又、停電発生から48時間以上が経過した時刻tCにおいては、時刻tCでのSOC(実績値)が停電発生後から72時間にSOC=0迄減少する近似直線(図中の二点鎖線)に沿って、時刻tC?te迄の各時点でのタウン蓄電池20の目標SOCが算出される。
【0322】
タウン蓄電池充放電電力決定回路1607(図5)は、24時間後の目標SOCの算出を完了すると、スマートタウン内で発生する余剰電力の24時間分の予測結果を元に、需要家宅18の蓄電池3、及び、タウン蓄電池20の充放電電力を決定する。
【0323】
図29は、スマートタウン内で発生する各時刻の余剰電力量の予測結果の一例を示すグラフである。図29の横軸は、0時から24時までの時刻を示す。図29の縦軸には、各時刻での余剰電力量予測値が示される。余剰電力量予測値の負値は、電力不足を意味している。
【0324】
図29を参照して、太陽電池1が発電しない夜間では、余剰電力量の予測値が負となっているため、蓄電池3及びタウン蓄電池20からの出力(放電)によって、スマートタウン内の供給電力を確保する必要がある。本実施の形態では、余剰電力予測結果から必要となった供給電力(放電電力)が、タウン蓄電池20の充放電電力及び各需要家宅18に設置された蓄電池3の充放電電力の間で案分される。例えば、本実施の形態では、蓄電池3のSOC及びSOHから算出した充電可能電力量と、タウン蓄電池20のSOC及びSOHから算出したタウン蓄電池20の充電可能電力量との比に従って、上記供給電力(放電電力)を案分することができる。ここで、充電可能電力量とは、現在のSOCから満充電状態までの受入れ可能な電力量(kWh)に相当する。
【0325】
反対に、太陽電池1による発電電力が大きい昼間において、余剰電力を充電する必要がある場合にも、充電可能電力量の比に従って、余剰電力を充電する際のタウン蓄電池20の充放電電力及び各需要家宅18の蓄電池3の充放電電力を案分することができる。或いは、タウン蓄電池20の充放電電力及び蓄電池3の充放電電力について、充電時には、充電可能電力量の比に従って案分する一方で、放電時には、充電電力量(kWh)の比に従って案分することも可能である。
【0326】
タウン蓄電池充放電電力決定回路1607は、このようにして充放電電力の案分が実行されると、案分結果に基づき、タウン蓄電池20の充放電計画(運転計画)を作成するとともに、当該運転計画に基づくタウン蓄電池20のSOCの推移を求める。
【0327】
図30は、タウン蓄電池20は充放電電力の計画例を示すグラフである。図30の横軸は、図29と同様に、0時から24時までの時刻を示す。図30の縦軸には、各時刻でのタウン蓄電池20の充放電電力目標値が示される。
【0328】
図30を参照して、各時刻における充放電電力目標値は、正値がタウン蓄電池20の放電を示し、負値がタウン蓄電池20の充電を示している。従って、図29の縦軸に示された余剰電力量予測値の正負を逆転した値に、タウン蓄電池20による案分比率(0?1.0)乗算することで、充放電電力目標値が求められる。
【0329】
図31には、図30の運転計画に従ったタウン蓄電池20のSOC推移の計算結果の一例が示される。図31にも、0時から24時までの24時間のSOC推移が示される。
【0330】
図31を参照して、0時におけるSOC実績を初期値として、図30に示された充放電電力目標値に従ってタウン蓄電池20が充放電された際のSOC推移を算出することができる。図31に示された充放電計画に従って、7時30分まではSOCが減少する一方で、7時30分からはSOCが上昇していることが理解される。
【0331】
図31に示すようなSOC推移が計算されると、24時間の期間内において、24時間後の目標SOC(Sr*)よりもSOCが低下することがないかの確認が行われる。図31の例では、時刻tAからの24時間を通じて、タウン蓄電池20のSOCがSr*よりも高くなっているが、仮に、SOCがSr*よりも低下する期間が存在するときには、図30でのタウン蓄電池20の充放電計画(運転計画)が再度作成される。例えば、放電時のタウン蓄電池20からの放電電力を小さくするように、運転計画に修正が加えられる。
【0332】
同様に、需要家宅18の蓄電池3についても、タウン蓄電池20と同様に、充放電計画(運転計画)の作成、及び、運転計画に従ったSOC推移の算出が実行される。
【0333】
図32には、需要家宅18に設置された蓄電池3は充放電電力の計画例を示すグラフが示される。図32の横軸は、図30と同様に、0時から24時までの時刻を示す。図32の縦軸には、各時刻での蓄電池3(スマートタウン全体)の充放電電力目標値が示される。
【0334】
図32を参照して、各時刻における充放電電力目標値は、正値が蓄電池3の放電を示し、負値が蓄電池3の充電を示している。従って、図29の縦軸に示された余剰電力量予測値の正負を逆転した値から、図30の縦軸に示されたタウン蓄電池20の充放電電力目標値を減算することによって、蓄電池3の充放電電力目標値を求めることができる。
【0335】
図33には、図32の運転計画に従った蓄電池3のSOC推移の計算結果の一例が示される。図33にも、時刻tA(図28)を起点する24時間のSOC推移が示される。
【0336】
図33を参照して、時刻tAにおけるSOC実績を初期値として、図32に示された充放電電力目標値に従って蓄電池3が充放電された際のSOC推移を算出することができる。図32に示された充放電計画に従って、7時30分まではSOCが減少する一方で、7時30分からはSOCが上昇していることが理解される。
【0337】
図33に示すようなSOC推移が計算されると、24時間の期間内において、SOCが制御下限値Sminまで低下することがないかの確認が行われる。制御下限値Sminは、過放電を防止するために、SOC=0に対するマージンを持たせて設定することができる。図33の例では、時刻tAからの24時間を通じて、SOC>Sminとなっているが、仮に、SOCがSminよりも低下する期間が存在するときには、図30及び図32でのタウン蓄電池20及び蓄電池3の充放電計画(運転計画)が再度作成される。例えば、放電時の蓄電池3からの放電電力を小さくするように、運転計画に修正が加えられる。
【0338】
上記のような、天気予報を反映した余剰電力量の予測に基づく運転計画の作成(図29?図33)は、クラウド23からダウンロードした天気予報が更新されていた場合に限定して実行することができる。当該運転計画をベースに、以降では、実測結果に基づく運転計画の補正を周期的に加えることによって、運転計画が周期的(5分周期、又は、30分周期)に作成される。具体的には、太陽電池出力抑制判断回路1656(図7)によって算出される発電電力抑制量(推定値)元に、運転計画の補正が実行される。尚、発電電力抑制量は、太陽電池1の発電電力が予測値より小さく、蓄電池3及びタウン蓄電池20からの放電電力が大きくなっている場合に、負値となるように算出される。
【0339】
運転計画が30分周期で作成される場合には、運転計画を反映させる1時間前から30分前までの期間での実測データを元に、太陽電池1の発電電力抑制量の推定結果に基づき、運転計画が補正される。具体的には、当該時間帯の30分間に太陽電池1の発電電力が抑制されており、発電電力の一部が捨てられていた判断した場合は、当該捨てられていた発電電力を、蓄電池3及びタウン蓄電池20に充電するように補正して、運転計画が作成される。その際には、蓄電池3及びタウン蓄電池20の間で、それぞれの充電電力は、蓄電池3のSOC平均値とタウン蓄電池20のSOCとに従って案分することができる。例えば、本実施の形態では、SOCが小さいほうに充電電力を多く割り当てるものとする。
【0340】
発電電力抑制量の推定結果が負値の場合には、蓄電池3及びタウン蓄電池20からの放電電力は、蓄電池3のSOC平均値及びタウン蓄電池20のSOCの比に従って案分される。具体的には、SOCの大きい方から放電電力が大きくなるように案分して、30分周期で運転計画が作成される。
【0341】
5分周期の運転計画(タウン蓄電池20)を作成する際は、太陽電池出力抑制判断回路1656から出力される当該運転計画を反映させる10分前から5分前までの間に計測した、太陽電池1の発電電力実績、負荷5の消費電力実績、蓄電池3の充放電電力実績、タウン蓄電池20の充放電電力実績、及び、分散電源のステータス情報から、タウン蓄電池20の充電電力が決定される。
【0342】
タウン蓄電池充放電電力決定回路1607(図5)は、発電電力抑制量の推定値が正の場合、即ち、売買電力目標値に従って太陽電池1が発電電力を抑制していると推定した場合には、タウン蓄電池20の運転計画が放電であるときには、太陽電池1の発電電力抑制量の推定値分、タウン蓄電池20の放電電力を削減するように、補正後の運転計画を作成する。更に、タウン蓄電池20の放電電力を0としても、発電電力抑制量の推定値分に届かない場合には、余っている電力を充電するために、タウン蓄電池20の運転計画を放電から充電モードへ補正する。又、タウン蓄電池20の運転計画が充電であるときには、太陽電池1の発電電力抑制量の推定値分、タウン蓄電池20の充電電力を増加させる。尚、増加後の充電電力が、タウン蓄電池用電力変換装置21の最大充電電力(定格)よりも大きい場合には、タウン蓄電池用電力変換装置21が最大充電電力(定格)でタウン蓄電池20を充電するよう運転計画が作成される。
【0343】
一方で、タウン蓄電池充放電電力決定回路1607(図5)は、発電電力抑制量の推定値が負の場合、即ち、太陽電池1の発電電力が予測値より小さく、タウン蓄電池20及び蓄電池3から供給する電力が運転計画より大きい場合には、タウン蓄電池20及び蓄電池3の放電電力を増加するように、補正後の運転計画を作成する。例えば、タウン蓄電池20の現在のSOC情報及び24時間後の目標SOC(図28)、並びに、蓄電池3のSOCから電力量の案分を決定する。具体的には、発電電力抑制量の推定値分の不足電力をタウン蓄電池20のみから供給しても、図31のように算出されるタウン蓄電池20のSOC推移が、24時間後の目標SOCを下回らない場合は、タウン蓄電池20の放電電力の増加のみで不足電力をまかなう。一方で、24時間後の目標値を下回る場合には、上記不足電力の一部を蓄電池3から供給することを前提に、運転計画が補正される。
【0344】
このようにして、タウン蓄電池20の運転計画の作成(天気予報の更新による作成、及び、太陽電池1の発電電力抑制量に基づく補正による作成の両方を含む)が完了すると、作成された運転計画は、タウン蓄電池垂下特性生成回路1608(図5)、及び、タウン蓄電池運転計画作成回路1609(図5)に出力される。
【0345】
タウン蓄電池垂下特性生成回路1608(図5)に対しては、上記発電電力抑制量(推定値)に基づく補正前の運転計画についても併せて出力される。タウン蓄電池垂下特性生成回路1608は、タウン蓄電池充放電電力決定回路1607からタウン蓄電池20の運転計画を受け取ると、タウン蓄電池用電力変換装置21の垂下特性を生成する。
【0346】
具体的には、30分周期の運転計画を作成する場合は、上記発電電力抑制量(推定値)に基づく運転計画の補正は、蓄電池3についても実行されるので、タウン蓄電池用電力変換装置21に対しては予め定められた垂下特性を出力する。図20に示したように、タウン蓄電池用電力変換装置21に出力する垂下特性は、需要家宅18に設置された分散電源に出力する垂下特性とは異なり、過不足電力Pvl(図20)に対する、交流系統周波数を決定するように定められる。図20で説明したように、タウン蓄電池用電力変換装置21の垂下特性情報として、CEMS15は、折れ点電力Pa,Bb、及び、傾きkat,kbtの4個のデータを、タウン蓄電池用電力変換装置21に出力する。
【0347】
次に、5分周期の運転計画を作成する際の垂下特性の生成について説明する。5分周期の運転計画は、タウン蓄電池20のみで作成される。一方、需要家宅18内に設置された分散電源は、30分周期で通知される運転計画に基づき動作する。このため、太陽電池1の発電電力が抑制されている場合には、運転計画の作成(補正)に頼ることなく、太陽電池1の発電電力を増加させる必要がある。
【0348】
本実施の形態に係る電力管理システムでは、垂下特性を利用することで、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の需要家宅18の系統連系点での売買電力目標値である、PV制御目標値及びBAT制御目標値を変更することで、各需要家宅18から配電系統への供給電力を増加させる。
【0349】
再び図21?図23を参照して、垂下特性を用いたタウン蓄電池用電力変換装置21の動作を説明する。図21には、30分周期で需要家宅18及びタウン蓄電池用電力変換装置21に通知される運転計画(W3,W4)、並びに、当該運転計画の元となった、太陽電池1の発電電力量(W2)及び負荷5の消費電力量(W1)の予測結果が示されている。
【0350】
図21において、30分周期の運転計画(例えば、13時00分からの30分間の運転計画)では、タウン蓄電池20が放電を行うことが計画作成されていた。しかしながら、12時55分から13時00分までの実測結果が、図22のように、太陽電池1の発電電力が予測値よりも大きく、発電電力が抑制されている場合でも、タウン蓄電池20からは、CEMS15からの運転計画に従った放電電力が出力される。
【0351】
なお、需要家宅18内の蓄電池3については、上述のように、CEMS15からの運転計画である需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力目標値を加工することによって、蓄電池用電力変換装置4の売買電力目標値が、太陽電池用電力変換装置2の売買電力目標値よりも小さく設定されているため、運転計画作成時には、蓄電池3の放電が計画されていたとしても、太陽電池1の余剰電力は、少なくとも、蓄電池用電力変換装置4による最大充電電力(即ち、蓄電池3の最大充電電力)までは、蓄電池3に充電される。但し、太陽電池1の発電可能電力が、蓄電池3の最大充電電力を超える場合には、当該超過分の発電電力は抑制されることになる。
【0352】
13時05分でのタウン蓄電池用電力変換装置21の運転計画は、上記発電電力の抑制量を推定し、当該推定結果に基づく補正を加えるように作成される。図22に例示したケースでは、抑制された発電電力を充電するよう運転計画が作成され、タウン蓄電池用電力変換装置21に通知される。タウン蓄電池用電力変換装置21は、上記運転計画を受信すると、13時05分から充放電目標値を変更する。
【0353】
一方で、需要家宅18に送付された運転計画は変更されていないため、需要家宅18から配電系統への供給電力(売買電力)は変わらない。従って、タウン蓄電池用電力変換装置21は、需要家宅18から配電系統への供給電力が増加するまでは放電を継続する。しかしながら、タウン蓄電池20の充放電電力目標値が変わっているため、図20の横軸に示された過不足電力Pvlが発生する(Pvl<0)。本実施の形態では、タウン蓄電池用電力変換装置21の垂下特性は、例えば図21及び図22のケースでは、新たな運転計画値(充放電電力目標値)と、30分周期で作成した元もとの運転計画値(充放電電力目標値)との差分から、系統周波数が59.9(Hz)に設定されるように作成される。
【0354】
このように垂下特性を生成することで、自立運転中において、日射急変又は負荷急変によって配電系統に供給する電力が急変した場合についても、需要家宅18の運転計画を修正することなく、需要家宅18内の分散電源から配電系統に供給する電力を制御することが可能になる。
【0355】
尚、垂下特性をデフォルトに固定した場合には、過不足電力Pvlの変化に応じて、当該垂下特性上で、系統周波数が上限周波数(例えば、60.2Hz)又は下限周波数(例えば、59.8Hz)に達すると、需要家宅18からの売買電力をこれ以上制御できなくなる。これに対して、本実施の形態では、上述のように、需要家宅18内の分散電源からの供給電力の増加、或いは、減少を制御できるように、垂下特性を変化させることができる。なお、垂下特性における傾きは、例えば、系統周波数の上限周波数において、需要家宅18内の分散電源から配電系統へ供給する電力が“0”になるように決めることができる。又、差分電力が負の範囲についてはデフォルトテーブルを使用することも可能である。
【0356】
再び図27に戻って、CEMS15による運転計画の作成処理について説明する。図24及び図25に示されるように、各種計測情報の収集時刻毎、即ち、本実施の形態では、5分周期で、S115(図25)による運転計画生成が実行される。すなわち、図27のS121?S128の処理についても、5分周期で実行される。
【0357】
CEMS15は、全ての需要家宅18に対して各種予測処理が完了すると(S128のYES判定時)、S129により、タウン蓄電池20の運転計画を作成する。
【0358】
図34には、S129(タウン蓄電池の運転計画を作成するステップ)での処理の詳細を説明するフローチャートが示される。
【0359】
図34を参照して、CEMS15は、S151により、分散電源ステータス管理回路155(図3)が5分周期で受信した、タウン蓄電池用電力変換装置21から通知されたタウン蓄電池20のステータス情報(SOC、SOH、及び、充放電電力量等)を確認する。CEMS15は、S152では、30分周期の運転計画を作成する時刻か否か確認する。具体的には、運転計画作成時刻(タイミング)は、運転計画作成管理回路161(図3)で管理されており、運転計画作成管理回路161から運転計画作成回路160に対して5分周期及び30分周期のタイミング信号が通知される。従って、S152の判定は、当該タイミング信号(30分周期)の入力の有無に従って実行することができる。
【0360】
CEMS15は、30分周期の運転計画の作成時刻であるとき(S152のYES判定時)には、S153により、タウン蓄電池20のSOC情報を再度確認する。更に、CEMS15は、S154により、図28で説明したように、24時間後のSOC目標を生成する。更に、CEMS15は、S155により、図30?図32で説明したように、タウン蓄電池20の30分毎の運転計画を24時間分作成する。上述したように、今回の運転計画を反映させる時刻を起点として、1時間前から30分前までの余剰電力の合計値についても、各予測結果を元に作成することができる。
【0361】
この際に、太陽電池出力抑制判断回路1656(図7)から出力される1時間前から30分前までの計測結果から推定した、30分間の各需要家宅18の太陽電池1の発電電力抑制量が、出力抑制電力合計回路1606(図5)で合計される。タウン蓄電池充放電電力決定回路1607(図5)は、余剰電力予測合計回路1605(図5)から出力される1時間前から30分前までの余剰電力の合計値と、当該時刻の太陽電池出力抑制判断回路1656の出力とから、天気予報に基づく太陽電池1の発電電力予測結果と、負荷5の消費電力予測結果との誤差を推定する。
【0362】
本実施の形態は、停電時の自立運転について説明しているため、制御誤差については、天気予報に基づく太陽電池1の発電電力の予測誤差が支配的になる。詳細は後述するが、図21及び図22を再び用いて簡単に発電量抑制量の推定方法を説明する。
【0363】
図21には、天気予報を元に作成した需要家宅18内の太陽電池1の発電電力量の予測値、負荷5の消費電力量の予測値、並びに、蓄電池3及びタウン蓄電池20の運転計画が示されている。同様に、図22には、負荷5の実際の消費電力量、太陽電池1の実際の発電電力量、蓄電池3の実際の充放電電力量、タウン蓄電池20の実際の充放電電力量が示されている。
【0364】
図21及び図22から理解されるように、少なくとも、需要家宅18内の蓄電池3の(放電電力(計画値)-充電電力実績(放電が正、かつ充電が負))と、(消費電力(計画値)-消費電力(実績値))の和が、太陽電池1の発電電力予測誤差となる。又、太陽電池1の制御モードが電圧制御モードであった場合は、更に太陽電池1が発電電力を抑制していると判断する。当該制御モードは、太陽電池1のステータス情報によって検知することができる。
【0365】
太陽電池1が発電電力を抑制していると判断した場合は、出力抑制を解除した場合での太陽電池1の発電電力量が予測される。本実施の形態では、発電電力予測回路157(図3)内に、太陽電池1の設置位置情報(緯度及び経度)、並びに、設置方位(設置角度情報を含む)に基づいて算出された、各時刻での太陽電池1の理想的な発電電力量がデータベースとして予め記憶される。例えば、本実施の形態では、5分周期で運転計画を作成するため、上記太陽電池1の設置位置及び設置角度に基づいて、太陽電池1の日射量の理想値が算出されて、更に、算出された理想日射量を元に5分間の太陽電池1の発電電力量の理想値が求められて予めデータベースに記憶されている。
【0366】
当該時刻での発電量(5分周期の運転計画では5分間の発電電力量、30分周期の運転計画では30分間の発電電力量)をデータベースから読出すことによって、理想的な発電電力に対する、実測した発電電力の比を算出することができる。更に、今回運転計画を算出する当該時刻における理想的な発電電力量(5分周期の運転計画では5分間の発電電力量、30分周期の運転計画では30分間の発電電力量)をデータベースより読出して、先ほど算出した発電電力の比を乗算することで、出力抑制を解除した場合における発電電力量を推定することができる。
【0367】
又、需要家宅18内の太陽電池1の実測した発電電力が発電量予測結果より小さく、かつ、蓄電池3が放電を行っていた場合には、発電量予測結果に対して実際の発電電力が小さいと判断することができる。この場合、発電量予測結果と、実測した発電電力の比を算出する。次に、今回運転計画を算出する当該時刻の太陽電池1の発電電力量の予測値に、先ほど算出した発電電力の比を乗算することで実際の発電電力量を推定することができる。
【0368】
再び図34を参照して、CEMS15は、S155では、上記発電電力量の予測値(スマートタウン内の全ての需要家宅18内の太陽電池1の発電電電力の合計)、及び、負荷5の消費電力予測結果(スマートタウン内の全ての需要家宅18内の負荷5の消費電力の合計)から余剰電力を推定する。そして、タウン蓄電池充放電電力決定回路1607(図5)により、余剰電力推定結果、タウン蓄電池20のSOC、及び、蓄電池3のSOCから、余剰電力をタウン蓄電池20及び蓄電池3に案分することによって、タウン蓄電池20の充放電電力目標値(30分単位で24時間分)が決定される。
【0369】
このようにタウン蓄電池20の充放電電力目標値の決定が完了すると、タウン蓄電池垂下特性生成回路1608(図5)は、タウン蓄電池用電力変換装置21に通知する垂下特性を上述した要領で生成する。タウン蓄電池充放電電力決定回路1607、及び、タウン蓄電池垂下特性生成回路1608の出力は、タウン蓄電池運転計画作成回路1609(図9)に入力される。その際に、タウン蓄電池20の充放電計画は、需要家系統連系点電力生成回路1610(図5)に入力される。需要家系統連系点電力生成回路1610では、余剰電力予測回路1655及び太陽電池出力抑制判断回路1656からの出力、並びに、タウン蓄電池20の充放電計画から、需要家宅18の系統連系点での売買電力目標値(運転計画)が30分単位で24時間分生成される。
【0370】
具体的には、まず始めに、上記太陽電池1の発電電力予測値(スマートタウン内の全ての需要家宅18内の太陽電池1の発電電力の合計)、負荷5の消費電力予測値(スマートタウン内の全ての需要家宅18内の負荷5の消費電力の合計)、及び、タウン蓄電池20の充放電電力目標値から、全ての需要家宅18での蓄電池3の充放電電力の合計値を30分単位で24時間分生成する。具体的には、(太陽電池1の発電電力予測値)-(負荷5の消費電力予測値)-(タウン蓄電池20の充放電電力目標値)が、30分単位で算出される。この演算によって、全ての需要家宅18での蓄電池3の充放電電力目標値(合計)が算出されると、各需要家宅18間で充放電電力目標値(合計)が案分される。
【0371】
本実施の形態では、充放電電力目標値が負の場合(即ち、充電時)には、蓄電池3のSOCの比に従って、低SOCの蓄電池3に多く充電電力が割り振られるように、充放電電力目標値(合計値)が案分される。具体的には、需要家宅18毎に、ΔSOC=1.0-SOC(実績)を算出するとともに、スマートタウン内の全ての需要家宅18のΔSOCを合計して、Σ(ΔSOC)が算出される。更に、各需要家宅18の充放電電力目標値については、全ての需要家宅18での充放電電力目標値(合計)と、当該需要家宅18での(ΔSOC/Σ(ΔSOC))との乗算によって算出することができる。
【0372】
一方で、充放電電力目標値が正の場合(即ち、放電時)には、蓄電池3のSOCの比に従って、高SOCの蓄電池3に多く放電電力が割り振られるように、充放電電力目標値(合計値)が案分される。具体的には、各需要家宅18の充放電電力目標値については、全ての需要家宅18での充放電電力目標値(合計)と、当該需要家宅18での(SOC/Σ(ΔSOC))との乗算によって算出することができる。
【0373】
尚、次の時間帯(30分)については、上記案分に従って各需要家宅18の蓄電池3が充電又は放電された後のSOCから、上記ΔSOC/Σ(ΔSOC)、又は、SOC/Σ(ΔSOC)を再計算することで、当該時間帯における全ての需要家宅18での充放電電力目標値(合計)を、各需要家宅18の充放電電力目標値に案分することができる。
【0374】
各需要家宅18内の蓄電池3の充放電電力目標値の算出が終了すると、需要家系統連系点電力生成回路1610(図5)は、各需要家宅18での太陽電池1の発電電力推定値、負荷5の消費電力予測値、及び、案分された蓄電池3の充放電電力目標値から、需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力目標値を決定する。具体的には、(太陽電池1の発電電力予測値)-(負荷5の消費電力予測値)+(案分された蓄電池3の充放電電力目標値)の演算により、需要家宅18の系統連系点での売買電力目標値が、30分単位で24時間分生成される。需要家系統連系点電力生成回路1610(図5)で各需要家宅18の系統連系点での売買電力目標値(運転計画)の生成が終了すると、その結果は、第2の運転計画作成回路1657(図7)に通知される。
【0375】
第2の運転計画作成回路1657(図7)は、各需要家宅18の系統連系点での売買電力目標値(運転計画)が通知されると、需要家分散電源用垂下特性生成回路1661(図8)によって、上記太陽電池1の発電電力予測値(補正後)及び負荷5の消費電力予測値から、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の垂下特性を上述した要領で生成する。生成された垂下特性は、運転計画補正回路1662(図8)及びデータ送信管理回路153(図3)へ出力される。
【0376】
運転計画補正回路1662は、各需要家の系統連系点での売買電力(運転計画)、上記発電電力量の推定結果(補正後)、負荷5の消費電力予測結果及びSOC情報から蓄電池3のSOCの推移を計算し、SOCが予め定められた範囲(本実施の形態では、0.0?1.0の間)内から逸脱していないかを確認し、逸脱していた場合は運転計画に補正を施す(S156)。S156を終了すると、運転計画作成回路160は30分周期の運転計画の作成が完了したと判断し、運転計画作成管理回路161から次の運転計画作成指示が入力されるまで待機する。
【0377】
再び図34を参照して、CEMS15は、30分周期の運転計画の作成時刻ではないとき(S152のNO判定時)、即ち、5分周期の運転計画の作成タイミングであるときには、S158により、各需要家宅18の太陽電池1の発電電力抑制量を推定する。このとき、需要家運転計画作成ユニット1652(図6)内の太陽電池出力抑制判断回路1656(図7)が、当該発電電力抑制量を推定する。
【0378】
図35は、S158(太陽電池1の発電電力抑制量を推定するステップ)での処理の詳細を説明するフローチャートである。
【0379】
図35を参照して、CEMS15は、需要家宅18の太陽電池1の発電電圧制御量の推定(S158)が開始されると、S181により、天気予報に基づく需要家宅18内の太陽電池1の発電電力予測値、及び、負荷5の消費電力予測値を、発電電力予測回路157(図3)及び消費電力予測回路158(図3)によって取得する。
【0380】
次に、CEMS15は、S182により、需要家宅18に送付した運転計画を取得する。更に、CEMS15は、S183により、太陽電池1の発電電力実績、蓄電池3の充放電電力実績、負荷5の消費電力実績、及び、系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力実績を、分散電源ステータス管理回路155(図3)、発電電力実績管理回路156(図3)、及び、消費電力実績管理回路159(図3)によって取得する。
【0381】
CEMS15は、S184により、分散電源ステータス管理回路155(図3)から、太陽電池1の制御モード(MPPT制御/電圧制御)、ステータス情報(停止/発電/待機)、並びに、蓄電池3のSOC及びSOH情報を収集する。
【0382】
CEMS15は、S184での分散電源のステータス情報の読込みが完了すると、S185では、太陽電池出力抑制判断回路1656によって太陽電池1の発電電力が抑制されているか否か、即ち、出力抑制が行われているか否かを判断する。S185では、少なくとも、太陽電池1の制御モードが電圧制御モードであるときに、出力抑制が行われていると判断される。尚、蓄電池3が最大充電電力で充電されている場合についても、太陽電池1の出力抑制が行われていると判断することができる。
【0383】
CEMS15は、太陽電池1の出力抑制が行われていると判断すると(S185のYES判定時)、S186により、太陽電池出力抑制判断回路1656(図7)によって発電電力推定用係数を算出する。具体的には、発電電力予測回路157(図3)内に予め記憶された各時刻での太陽電池1の理想的な発電電力量のデータベースから、当該時刻の発電量(5分周期の運転計画では5分間の発電電力量、30分周期の運転計画では30分間の発電電力量)が読出される。上述のように、理想的な発電電力量は、太陽電池1の設置位置情報(緯度及び経度)、並びに、設置方位(設置角度情報を含む)に基づいて予め算出されたものがデータベースに記憶されている。
【0384】
S186では、データベースに基づく理想的な発電電力に対する、実測した各種計測データを元に算出した発電電力の比(以下、発電電力推定用係数と記す)が算出される。具体的には、上述したように、需要家宅18内の蓄電池3の(放電電力(計画値)-充電電力実績(放電が正、かつ充電が負))と、(消費電力量(計画値)-消費電力量(実績値))の和が太陽電池1の発電電力予測誤差となるので、その際に、蓄電池3が最大充電電力(定格)で充電されてない場合には、天気予報に基づく元の太陽電池1の発電電力予測値に対して、上記太陽電池1の発電電力予測誤差を加算することによって、太陽電池1の発電電力推定値を算出することができる。
【0385】
一方で、蓄電池3が最大充電電力で充電されていた場合には、太陽電池1の出力抑制が行われていると判断されるので、その際は、実測データを収集した当該時刻での発電電力の理想値を、発電電力予測回路157のデータベースより読み出すことができる。更に、読出した5分周期のデータを用いて、太陽電池1の発電電力推定値が算出される。具体的には、(充放電電力量(5分間毎の計画値))-(充放電電力量実績(5分間毎の計測値))+(消費電力量(5分間の計画値))-(消費電力量(5分間の実績値))+(天気予報を元に生成した発電電力(5分間の予測値)を5分毎に算出し、30分間分、すなわち、(30/5)=6個のデータを加算することによって、30分間での発電電力量推定値を算出することができる。このように算出された30分間での発電電力量推定値を、データベースから読出された同じ時間帯(30分)における発電電力量の理想値で除算することによって、発電電力推定係数を算出することができる。このように算出された発電電力推定係数は、太陽電池1での理想的な発電電力に対する、現在の天気での日射量の下での実際の発電電力の割合を、定量的に推定するパラメータに相当することが理解される。
【0386】
CEMS15は、太陽電池1の出力抑制が行われていないと判断すると(S185のNO判定時)、S187により、太陽電池1の発電電力量実績を元に発電電力推定係数を算出する。S185がNO判定の場合には、太陽電池用電力変換装置2によって、太陽電池1はMPPT制御されている。従って、太陽電池1の発電電力量の実測値は、現在の天候(日照量)の下での発電可能電力での発電実績を示すものと推定できる。このため、太陽電池1の発電電力量(実測値)を、データベースから読出された上記発電電力量の理想値で除算することによって、同様の発電電力推定係数を算出することができる。
【0387】
CEMS15は、S186又はS187による発電電力推定係数の算出を完了すると、S188により、算出された発電電力推定係数に基づいて太陽電池1の発電電力推定値を算出する。具体的には、太陽電池出力抑制判断回路1656(図7)は、発電電力予測回路157(図3)の上記データベースから、太陽電池1の設置位置及び設置角度に基づく、発電電力量の理想値を、24時間分読出す。太陽電池出力抑制判断回路1656は、読み出した発電電力量に基づく発電電力の理想値と、上記発電電力推定係数とを乗算することによって、5分周期の太陽電池1の発電電力推定値(発電電力の実績値推定結果)を24時間分生成する。
【0388】
S188では、太陽電池1の発電電力推定値の算出を完了すると、太陽電池出力抑制判断回路1656(図7)は、上記需要家宅18内の太陽電池1の天気予報に基づく発電電力予測結果、負荷5の消費電力予測結果、及び、需要家宅18に送付した運転計画から蓄電池3の充放電電力目標値(運転計画)を更に算出することができる。そして、上記5分周期の太陽電池1の発電電力推定値から、太陽電池1の発電電力実績、蓄電池3の充放電電力目標値、負荷5の消費電力実績値、及び、系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力実績値を減算することによって、5分周期の太陽電池1の発電電力抑制量(推定値)についても、更に算出することができる。
【0389】
CEMS15は、S188での太陽電池1の発電電力推定値及び発電電力抑制量(推定値)の生成を完了すると(24時間分)、S189により、全ての需要家宅18についての発電電力推定値及び発電電力抑制量(推定値)の生成が完了したかを確認する。完了していない場合は(S189のNO判定時)、処理がS181に戻されて、各需要家宅18に対するS181?S188の処理が実行される。一方で、CEMS15は、全ての需要家宅18の発電量推定値及び発電電力抑制量(推定値)の生成が完了した場合は(S189のYES判定時)には、需要家宅18の太陽電池1の出力抑制量推定(図34のS158)を終了する。
【0390】
再び図34を参照して、CEMS15は、S158の処理を完了すると、S159により、次の5分周期のタウン蓄電池用電力変換装置21の運転計画を変更が必要か否かを判断する。具体的には、S159では、第1の運転計画作成回路1601(図4)が、次の5分周期の太陽電池1の発電電力抑制量(推定値)を予め定められた基準値と比較する。発電電力抑制量(推定値)が基準値未満である場合には、S159がNO判定とされて、タウン蓄電池20の運転計画作成(図27のS129)が終了される。
【0391】
一方で、CEMS15は、発電電力抑制量(推定値)が基準値以上である場合には、運転計画の変更が必要と判断して、S159をYESとする。これにより、CEMS15は、S160により、タウン蓄電池20の運転計画(充放電計画)を変更するために、次の30分周期の運転計画作成までの5分毎の充放電計画を作成する。
【0392】
図36は、S160(タウン蓄電池20の運転計画を変更するステップ)での処理の詳細を説明するフローチャートである。
【0393】
図36を参照して、CEMS15は、S201により、タウン蓄電池20のステータス情報(SOC)を取得する。CEMS15は、タウン蓄電池20のステータス情報の取得(S201)が完了すると、S202により、需要家宅18内の蓄電池3のステータス情報(SOC)を取得する。具体的には、S201,S202では、第1の運転計画作成回路1601(図3)が、分散電源ステータス管理回路155(図3)から等が当該ステータス情報を取得する。S202の処理は、全ての需要家宅18からの蓄電池3のステータス情報(SOC)が取得されるまで(S203のNO判定時)、繰り返し実行される。
【0394】
CEMS15は、全ての需要家宅18から蓄電池3のステータス情報(SOC)を取得すると(S203のYES判定時)、S204により、全ての需要家宅18での蓄電池3の平均SOCを算出する。
【0395】
CEMS15は、平均SOCの算出(S204)を完了すると、S205により、第1の運転計画作成回路1601内のタウン蓄電池充放電電力決定回路1607からタウン蓄電池用電力変換装置21に通知するタウン蓄電池20の充放電電力目標値(計画値)を作成する。具体的には、S188(図35)で算出された、5分周期の太陽電池1の発電電力抑制量(推定値)を元に、タウン蓄電池20の案分電力を決定することができる。
【0396】
具体的には、太陽電池1の発電電力抑制量が正の場合(太陽電池1から更なる発電電力が取り出せる場合)には、抑制された発電電力をタウン蓄電池20及び需要家宅18内の蓄電池3で案分して充電することができる。この際に、タウン蓄電池20のSOC及び蓄電池3の平均SOCの比に従って、低SOC側に充電電力が多く割り振られる。
【0397】
具体的には、タウン蓄電池20のSOC(SOCtw)と、需要家宅18内の蓄電池3の平均SOC(SOCav)とを用いて、太陽電池1の発電電力抑制量(推定値)Pspのうちの、タウン蓄電池20に充電する案分電力Ptwは、下記の式(1)に従って算出することができる。
【0398】
Ptw=(1.0-SOCtw)/{(1.0-SOCtw)+(1.0-SOCav)}・Psp …(1)
同様に、太陽電池1の発電電力抑制量(推定値)Pspのうちの、需要家宅18の蓄電池3(全体)に充電する案分電力Pusrは、下記の式(2)に従って算出することができる。
【0399】
Pusr=(1.0-SOCav)/{(1.0-SOCtw)+(1.0-SOCav)}・Psp …(2)
また、需要家宅18間での蓄電池3の案分電力として、太陽電池1の発電電力抑制量(推定値)Pspのうちの、x番目(x:自然数)の需要家宅18の蓄電池3に充電される案分電力Pusr(x)は、下記の式(3)に従って算出することができる。式(3)において、SOCxはx番目の需要家宅18の蓄電池3のSOCを示し、Σ(ΔSOCx)は、全ての需要家宅18での(1.0-SOCx)の合計値を示す。
【0400】
Pusr(x)=(1.0-SOCx)/Σ(ΔSOCx)・Pusr …(3)
一方で、太陽電池1の発電電力抑制量が負の場合(太陽電池1の発電量が天気予報より予測した発電電力より小さい場合)は、不足電力をタウン蓄電池20、及び、需要家宅18内の蓄電池3で案分して放電することができる。この際に、タウン蓄電池20のSOC及び蓄電池3の平均SOCの比に従って、高SOC側に放電電力が多く割り振られる。
【0401】
具体的には、太陽電池1の発電電力抑制量(推定値)Pspのうちの、タウン蓄電池20から放電する案分電力Ptwは、下記の式(4)に従って算出することができる。
【0402】
Ptw=SOCtw/(SOCtw+SOCav)・Psp …(4)
同様に、太陽電池1の発電電力抑制量(推定値)Pspのうちの、需要家宅18の蓄電池3(全体)から放電する案分電力Pusrは、下記の式(5)に従って算出することができる。
【0403】
Pusr=SOCav/(SOCtw+SOCav)・Psp …(5)
又、太陽電池1の発電電力抑制量(推定値)Pspのうちの、x番目(x:自然数)の需要家宅18の蓄電池3から放電される案分電力Pusr(x)は、下記の式(6)に従って算出することができる。尚、式(6)中のΣ(SOCx)は、全ての需要家宅18のSOCxの合計値を示す。
【0404】
Pusr(x)=SOCx/Σ(SOCx)・Pusr …(6)
なお、本実施の形態では、上記5分周期の運転計画作成完了後、5分間の上記タウン蓄電池20及び各需要家宅18内の蓄電池3の案分電力から、それぞれのSOCを算出し、算出結果を元に次の5分周期のタウン蓄電池20の運転計画を作成する。この処理は、24時間分の運転計画が作成するまで繰り返される。
【0405】
CEMS15は、24時間分のタウン蓄電池20の案分電力(充放電電力)を決定すると(S205)、S206により、タウン蓄電池20へ通知する垂下特性を生成する。具体的には、タウン蓄電池垂下特性生成回路1608(図5)が、タウン蓄電池充放電電力決定回路1607(図5)から出力されるタウン蓄電池20の案分電力(充放電電力)を元に、タウン蓄電池用電力変換装置21に通知する垂下特性を上述した要領で生成する。これにより、図34のS160の処理が終了される。
【0406】
再び図34を参照して、CEMS15は、S160の処理を完了すると、図27に戻ってS130を実行する。CEMS15は、S130では、各需要家蓄電池3の運転計画作成時刻か否かを判断する。具体的には、作成した運転計画(系統連系点での売買電力目標値)に基づき、需要家宅18内の分散電源の制御を開始する時刻の1時間前から30分前までの各種実績データの収集が完了しているかによって、S130の判断を実行することができる。
【0407】
データの収集が完了していない場合には、S130がNO判定とされて、運転計画作成が終了される。一方で、データ収集が完了していた場合は、CEMS15は、S130をYES判定として、S131により、需要家の蓄電池3の運転計画を24時間分作成する。具体的には、運転計画補正回路1662(図8)によって、S156で生成された30分周期の24時間分の蓄電池3の運転計画、太陽電池1の発電電力推定値(発電電力の実績値推定結果)、負荷5の消費電力予測結果から、各需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統10)での売買電力目標値が算出される。
【0408】
売買電力目標値の算出が完了すると、算出された売買電力目標値(運転計画)を元に、各需要家宅18内の分散電源に通知する垂下特性が更に生成させる。尚、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4に通知する垂下特性の生成については上述のとおりであるので、詳細な説明は繰り返さない。S131において、需要家宅18内の蓄電池3の運転計画(系統連系点での充放電電力目標値、並びに、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4に通知する垂下特性)の生成が完了すると、図25のS116で5分周期の運転計画をタウン蓄電池用電力変換装置21に送信した後に、処理は、図24のS103に戻される。このようにして、停電時には、これまで説明した自立運転のための一連の制御処理を繰り返し実行することができる。
【0409】
以上説明したように、本実施の形態に係る電力管理システムによれば、停電時の自立運転では、タウン蓄電池20の蓄積エネルギを用いてタウン蓄電池用電力変換装置21が交流配電系統の電圧源として動作するとともに、需要家宅18側の分散電源(太陽電池1及び/又は蓄電池3)を電流源として動作させる。更に、タウン蓄電池20及び需要家宅18内の分散電源が連携及び協調して停電時の配電系統を支えることにより、需要家宅18毎に配電系統から解列して自立運転を行う場合と比較して、負荷急変(例えば、IHクッキングヒータや電子レンジ等の高電力機器の使用)等に柔軟に対応することが可能である。即ち、管理区画(スマートタウン)内での自立運転の対応力が高められる。
【0410】
又、各需要家宅18の蓄電池3及びタウン蓄電池20の両方の容量を用いた自立運転を実現できる。このため、同レベルのLCPの確保に必要となる需要家宅18側の蓄電池容量が削減されるので、住宅購入時の費用を削減することも可能である。
【0411】
特に、各蓄電池3及びタウン蓄電池20の充電電力量(SOC)、太陽電池1の発電電力量予測、及び、負荷5の消費電力予測結果に基づき、タウン蓄電池20及び需要家宅18側の分散電源の運転計画を作成して、スマートタウン全体での供給電力を管理するので、各需要家宅18内の蓄電池3のSOCにばらつきがあっても、長時間の自立運転を安定に実施することができる効果がある。
【0412】
太陽電池1の発電量予測が外れると、太陽電池1の発電電力を抑制しているにも関わらずタウン蓄電池20から不必要な放電が行われることが懸念されるが、本実施の形態に係る電力管理システムでは、太陽電池1の発電電力実測値及びステータス情報、負荷5の消費電力の実測値、並びに、系統連系点での売買電力実績値等に基づき、太陽電池1の発電電力を抑制していると判断される場合には、タウン蓄電池20の運転計画を修正することができる。
【0413】
特に、太陽電池1の発電量予測値や負荷5の消費電力予測値に基づき運転計画に補正をかけるので、運転計画作成の際の各種予測値の精度の向上が図れ、太陽電池1が出力抑制されているにもかかわらずタウン蓄電池20が放電するようなケースを最小限にとどめることができる効果がある。
【0414】
更に、タウン蓄電池20の運転計画に対する実際の出力電力(充放電電力)の過不足に応じて、タウン蓄電池用電力変換装置21が出力する交流電圧周波数(系統周波数)を変化させるとともに、各需要家宅18の分散電源側では、太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の制御目標値を、系統周波数の変化に応じて、運転計画による制御目標値から修正することができる。
【0415】
従って、需要家宅18の運転計画が更新されるまでの間においても、スマートタウン内の供給電力の過不足を検出できるタウン蓄電池20側で交流系統電圧の周波数を制御することで、運転計画に対する電力の過不足状況を、各需要家宅18の分散電源側に通知することができる。この結果、需要家宅18内の分散電源が交流系統周波数に応じて出力(売買電力)を制御することにより、タウン蓄電池20及び需要家宅18間の通信を行うことなく、スマートタウン内の配電系統の電力の同時同量を実現することが可能である。
【0416】
この結果、需要家宅18毎に作成される分散電源の運転計画の作成周期を短縮することなく、等価的に、タウン蓄電池20の運転計画の作成周期に従って、分散電源の制御目標値を修正することが可能である。従って、需要家宅18内の実測結果等の収集周期(タウン蓄電池20のステータス情報の収集を含む)を、少なくとも、需要家宅18に送付する運転計画の作成周期よりも短くするとともに、タウン蓄電池20の運転計画の作成周期を、需要家宅18の分散電源の運転計画の作成周期より短くすることで、CEMS15での処理負荷を増大させることなく、太陽電池1が出力を抑制しているにも関わらず、タウン蓄電池20から放電する等のケースを最小限に抑えることができる。
【0417】
更に、需要家宅18に内の蓄電池3に通知する垂下特性を、特に、蓄電池3の充電電力量(SOC)に基づいて生成することにより、具体的には、低SOCの蓄電池3では、高SOCの蓄電池3よりも、中心周波数からの小さい周波数変化量で、充電電力増加のための差分電力が生じるように垂下特性を作成することができる。これにより、スマートタウン内の供給電力に余剰があるときには、低SOCの蓄電池3を優先的に充電することができる。同様に、高SOCの蓄電池3において、低SOCの蓄電池3よりも、中心周波数からの小さい周波数変化量で、放電電力増加のための差分電力が生じるように垂下特性を作成することができる。これにより、スマートタウン内の供給電力が不足しているときには、高SOCの蓄電池3から優先的に放電することができる。この結果、スマートタウン内での電力の同時同量のための自立運転において、太陽電池1の発電量予測値及び/又は負荷5の消費電力予測値に誤差が発生した場合にも、各需要家宅18の蓄電池3を適切に充放電することができる。
【0418】
更に、太陽電池用電力変換装置2、蓄電池用電力変換装置4、及び、タウン蓄電池用電力変換装置21用に作成する垂下特性は、図18?図20の例示に限定されるものではない。特に、需要家宅18内の太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4に送付する垂下特性は、スマートタウン内での供給電力が過剰の場合、太陽電池1の発電電力が抑制される前に蓄電池3への充電電力が増加するように、高周波側の垂下特性を作成するとともに、スマートタウン内での供給電力が少ない場合は、蓄電池3の放電電力を増加させる系統周波数より、太陽電池1の発電電力目標値(PV制御目標値)の増加を開始する系統周波数を高く設定すれば、同様の効果を奏することができる。
【0419】
又、太陽電池用電力変換装置2に通知する垂下特性については、全ての需要家宅18で同一とする一方で、蓄電池3に通知する垂下特性を、タウン蓄電池20のSOC及び各需要家宅18内の蓄電池のSOCに基づいて決定することも可能である。このようにすると、スマートタウン内の太陽電池1の発電電力の抑制制御等を、全ての需要家宅18でほぼ同時に開始することが可能となる。又、蓄電池3及びタウン蓄電池20の充電は、個々の蓄電池のSOCに基づき垂下特性を生成することによって、低SOCの蓄電池から優先的に充電を開始することが可能となる。更に、太陽電池1の出力抑制は、全ての蓄電池の充電電力が増加した後に開始されるようにすると、蓄電池に充電できるにもかかわらず太陽電池1の出力を抑制することがなく、太陽電池1の発電電力を有効利用することが可能になる。
【0420】
又、各需要家宅18に通知する運転計画は、本実施の形態での例示における、各需要家宅18の系統連系点(宅内配電系統)での売買電力に限定されるものではなく、蓄電池3の充放電電力、又は、太陽電池1の発電電力等を運転計画で直接定めてもよい。或いは、同一需要家宅18内の太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4に対して、HEMS7から通知する系統連系点での売買電力目標値ついては、蓄電池用電力変換装置4に通知する売買電力目標値を太陽電池用電力変換装置2に通知する売買電力目標値よりも一律に小さくする例を説明したが、このような例示に限定されることなく、センサー誤差などを補正した売買電力で、蓄電池用電力変換装置4の余剰電力の充電動作が太陽電池用電力変換装置2の太陽電池1の出力抑制動作より先に開始される指令値であれば、同様の効果を奏すること可能である。
【0421】
又、太陽電池1の出力抑制の検出を、本実施の形態では太陽電池用電力変換装置2より通知される太陽電池1の制御モードで判断したがこれに限るものではなく、例えば、同一需要家宅18内に設置された蓄電池3の充電電力で判断してもよいことはいうまでもない。具体的には、蓄電池3が現在のSOCで充電可能な最大充電電力で充電していた場合、太陽電池1が出力抑制を行っていると判断し、その出力抑制を行っていると判断した需要家宅18の数が予め定められた基準値以上の場合にタウン全体として出力抑制が行われていると判断してもよいことはいうまでもない。
【0422】
更に、太陽電池1の発電量の推定方法についても、本実施の形態での例示に限定されるものではない。例えば、太陽電池1の理想的な発電電力の計算について、本実施の形態では、太陽電池1が設置されている位置情報(緯度及び経度)情報と、設置方位(設置角度情報を含む)に基づく太陽電池1上の日射量の推定から算出したが、その際、東西の面に太陽電池1が配置されている場合などは、それぞれの面の日射量を上記情報で推定し、それぞれの面の太陽電池1の容量を元に発電電力を推定することができる。又、前後2週間の28日間の各時刻における最大発電電力を理想的な発電量として使用しても、同様の効果を奏することができる。この場合、例えば、特定の時間帯に、近くの建物の影が太陽電池1にかかる等の、周辺の日射環境の影響を考慮することができるので、より正確な推定が可能となる。
【0423】
又、曇や雨の日と、晴れの日との間で、発電量推定用のテーブルを別個に準備することも可能である。特に、上述した東西の面に太陽電池1が設置されている場合には、晴れの日は太陽電池1に届く直達光が発電電力の主要成分になるが、曇や雨の場合は主に拡散光が発電電力の主成分となる。この結果、太陽電池1の各時刻に対する発電電力の推移(カーブ)が、晴れの日と雲りや雨の日とでは異なってくる。従って、曇や雨の日について、晴れの日とは別個の発電量推定用テーブルを準備することで、太陽電池1の発電電力の推定精度を向上させることが可能である。尚、図35(S186,S187)で説明した発電電力推定係数の算出方法についても本実施の形態での例示に限定されるものではない。
【0424】
本実施の形態では、タウン蓄電池20及び需要家宅18内の蓄電池3の間での充放電電力の案分について、SOCに従って決定する例を説明したが、これ以外の手法で案分することも可能である。例えば、タウン蓄電池20への案分決定後、各需要家宅18内の蓄電池3への充放電電力の案分比率は、各蓄電池3の蓄電エネルギ(kWh)に従って決定してもよい。停電時は、需要家宅18内の冷蔵庫及び照明等の重要負荷に主に電力が供給されるため、72時間のLCP実現には各蓄電池3に蓄積されたエネルギ量が重要となるからである。各需要家宅18内の蓄電池3の蓄電容量(SOC=1.0のときの蓄積エネルギ)が異なる場合、SOCのみで案分比率を制御すると、充電電力量が小さな蓄電池3から多く放電されることが懸念される。例えば、需要家宅18内に設置される定置型蓄電池は2?4(kWh)程度の蓄電容量であるが、電気自動車の場合は、蓄電容量が20kWhを超えるものもある。この場合、電気自動車の車載蓄電池(例えば、蓄電容量が24(kWh))のSOC=0.5で、蓄電容量が2(kWh)の定置型蓄電池のSOC=0.8であった場合、それぞれの蓄電エネルギは、は12(kWh)及び1.6(kWh)となる。この場合、SOCを元に充放電電力を案分すると、蓄積エネルギ少ない定置型蓄電池に多くの放電電力を分担することになる。一方で、蓄積エネルギで放電電力の案分を決定した場合には、電気自動車に多くの放電電力を分担させることができる。更に、タウン蓄電池20及び各需要家宅18内の蓄電池3の案分についても、本実施の形態では、需要家宅18内の蓄電池3のSOC平均値と、タウン蓄電池20のSOCとの比に従って案分比率を算出したが、上記と同様に、需要家宅18の蓄電池3の蓄積エネルギの合計値と、タウン蓄電池20の蓄積エネルギとの比に従って案分比率を決定することが可能である。
【0425】
又、本実施の形態において、図1における、タウン蓄電池20及びタウン蓄電池用電力変換装置21は「主分散電源」の一実施例に対応する。各需要家宅18での、太陽電池1及び太陽電池用電力変換装置2、並びに、蓄電池3及び蓄電池用電力変換装置4の各々は「分散電源」の一実施例に対応する。又、配電系統16は「第1の配電系統」の一実施例に対応し、宅内配電系統10は「第2の配電系統」の一実施例に対応する。
【0426】
又、タウン蓄電池用電力変換装置21の運転計画は「第1の運転計画」に対応し、作成周期の5分は「第1の周期」の一例に対応する。同様に、需要家宅18内の分散電源の運転計画は「第2の運転計画」に対応し、作成周期の30分は「第2の周期」の一例に対応する。又、図18?図21での系統周波数は「交流電圧周波数」に対応し、図18及び図19の差分電力ΔPsb1,ΔPsb2は、「交流電圧周波数に応じた修正値」の一実施例に相当する。更に、図20に示されたタウン蓄電池用電力変換装置21へ通知される垂下特性は「第1の垂下特性」に対応する。同様に、図18に示された太陽電池用電力変換装置2へ通知される垂下特性、及び、図19に示された蓄電池用電力変換装置4へ通知される垂下特性の各々は、「第2の垂下特性」に対応する。
【0427】
更に、電力計測回路61(図2)は「計測器」の一実施例に対応し、通信回路151(図3)は「通信部」の一実施例に対応し、情報収集回路152(図3)は「情報収集部」の一実施例に対応する。発電電力予測回路(図3)は「発電電力予測部」の一実施例に対応、消費電力予測回路158(図3)は「消費電力予測部」の一実施例に対応する。運転計画作成回路160(図3)は「運転計画作成部」の一実施例に対応し、データ送信管理回路153(図3)は「送信管理部」の一実施例に対応する。又、太陽電池出力抑制判断回路1656(図7)は「出力抑制判断部」の一実施例に対応する。第10の制御回路609(図14及び図16)は「第1の制御部」の一実施例に対応し、第2の制御回路209(図9及び図11)及び第4の制御回路409(図9及び図13)の各々は「第2の制御部」の一実施例に対応する。
【0428】
又本実施の形態では、図1に示すように柱上トランス9の一次側にタウン蓄電池20を接続し、柱上トランス9の二次側に需要家宅18を配置した場合について説明したが、これに限るものではなく、柱上トランス9を介さずタウン蓄電池20の出力を需要家宅18に接続してもよいことは言うまでもない。具体的には、管理区画が20件程度の需要家で構成されていた場合は、タウン蓄電池20の出力を図1に示す柱上トランス9の二次側に接続し、柱上トランス9以下を管理区画として停電時にタウン蓄電池20と需要家分散電源(太陽電池用電力変換装置2、及び蓄電池用電力変換装置4)を上記要領で協調制御させれば同様の効果を奏することは言うまでもない。
【0429】
更に、本実施の形態では、停電時に各需要家に電力を供給する自立運転制御に関する場合について説明したが、例えば、山間部の農村地域の数十世帯でマイクログリッドを構成し、オフグリッドのタウンへの電力供給に本システムを適用しても、各需要家に対して安定に電力を供給することができると共に、配電系統設備としての蓄電池や太陽電池、コジェネレーションなどの創エネ機器の容量を最適化することができる効果を有することは言うまでもない。
【0430】
変形例の説明.
尚、本実施の形態では、説明を分かりやすくするために太陽電池用電力変換装置2及び蓄電池用電力変換装置4の制御回路を、図3?図11、及び図27に示すようにハードウェア(H/W)で構成する場合について説明したが、各ブロックに記載された、各ブロック或いは一部のブロックの機能を、CPU(Central Processing Unit)上に実装したソフトウェア(S/W)で実現しても同様の制御機能を実現することが可能である。或いは、少なくとも一部のブロックについて、ソフトウェア及びハードウェアの機能分割によって、同様の制御機能を実現することも可能である。
【0431】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0432】
1 太陽電池、2 太陽電池用電力変換装置、3 蓄電池(需要家宅)、4 蓄電池用電力変換装置、5 負荷、6 分電盤、8 スマートメータ、9,9Q,9R,9Z 柱上トランス、10 宅内配電系統、11 宅内通信ネットワーク、12 信号線、13 宅外通信ネットワーク、14 配電系統(柱上トランス二次側)、16 配電系統(柱上トランス一次側)、17 配電系統(変電所)、18,18a,18b,18x 需要家宅、19Q,19R,19Z 区画、20 タウン蓄電池、21 タウン蓄電池用電力変換装置、22 開閉器、23 クラウド、24 変電所、51 蓄熱機器、52 エアコン、53 冷蔵庫、54 照明、55 クッキングヒータ、61 電力計測回路、151 通信回路、152 情報収集回路、153 データ送信管理回路、154 データ受信管理回路、155 分散電源ステータス管理回路、156 発電電力実績管理回路、157 発電電力予測回路、158 消費電力予測回路、159 消費電力実績管理回路、160 運転計画作成回路、161 運転計画作成管理回路、201,206,210,401,406,410,601,606,610 電圧計、202,207,211,402,407,411,602,607,611 電流計、203 第1のDC/DC変換回路、204 第1の制御回路、205,405,605 直流母線、208 第1のDC/AC変換回路、209 第2の制御回路、212,412,612 通信インターフェイス回路、403 第2のDC/DC変換回路、404 第3の制御回路、408 第2のDC/AC変換回路、409 第4の制御回路、603 第3のDC/DC変換回路、604 第9の制御回路、608 第3のDC/AC変換回路、609 第10の制御回路、1601 第1の運転計画作成回路、1605 余剰電力予測合計回路、1606 出力抑制電力合計回路、1607 タウン蓄電池充放電電力決定回路、1608 タウン蓄電池垂下特性生成回路、1609 タウン蓄電池運転計画作成回路、1610 需要家系統連系点電力生成回路、1651 需要家運転計画作成回路、1652 需要家運転計画作成ユニット、1655 余剰電力予測回路、1656,1658 太陽電池出力抑制判断回路、1657 第2の運転計画作成回路、1661 需要家分散電源用垂下特性生成回路、1662 運転計画補正回路、2041 MPPT制御回路、2042 電圧制御回路、2043,4043,6043 切換回路、2044 第5の制御回路、2091,4091 位相検出回路、2092,4092 周波数検出回路、2093,4093,6092 垂下特性テーブル生成回路、2094 第6の制御回路、4041,6041 充電制御回路、4042,6042 放電制御回路、4044 第7の制御回路、4094 第8の制御回路、6044 第11の制御回路、6091 正弦波発生回路、6094 第12の制御回路、FC1?FC3,FCt 垂下特性線、fa,fa1,fa2,fa3,fb,fb1,fb2,fb3 折れ点周波数、fc 中心周波数。
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
停電時に交流電圧を第1の配電系統に供給する主分散電源と、創エネ機器を含む複数の分散電源とが設置された管理区画の電力管理システムであって、
前記複数の分散電源の各々に対して、前記第1の配電系統とトランスを介して接続された第2の配電系統を介して電気的に接続された負荷の消費電力を計測する計測器と、
前記主分散電源、前記複数の分散電源の各々、及び、前記計測器と通信する通信部と、
前記計測器で計測した消費電力、並びに、前記主分散電源及び前記複数の分散電源の各々のステータス情報を、前記通信部を介して収集する情報収集部と、
前記複数の分散電源での前記創エネ機器の発電電力を予測する発電電力予測部と、
停電時における前記負荷での消費電力を予測する消費電力予測部と、
前記情報収集部によって収集された、前記発電電力予測部による発電電力予測結果、前記消費電力予測部による消費電力予測結果、前記ステータス情報、及び、前記計測器による消費電力実績結果を元に、停電に対応する自立運転時における、前記主分散電源を制御する第1の運転計画及び前記複数の分散電源を制御するための第2の運転計画を作成する運転計画作成部と、
前記自立運転時において、前記通信部を介して、前記第1の運転計画を前記主分散電源へ送信するとともに、前記第2の運転計画を前記複数の分散電源の各々に送信する送信管理部とを備え、
前記自立運転時において、前記第1の運転計画は、前記情報収集部による情報収集周期以上に設定された第1の周期毎に更新されて前記主分散電源に送信される一方で、前記第2の運転計画は、前記第1の周期よりも長い第2の周期毎に更新されて前記複数の分散電源の各々に送信され、
前記主分散電源は、
前記主分散電源から前記第1の配電系統に出力される交流電圧周波数を、前記主分散電源における前記第1の運転計画に従った電力収支に対する過不足電力に応じて変化させる第1の制御部を含み、
前記複数の分散電源の各々は、
前記第2の運転計画に対して前記第2の配電系統の交流電圧周波数に応じた修正値を加えた制御目標値に従って、前記分散電源の出力を制御する第2の制御部を含む、電力管理システム。
【請求項2】
停電時に交流電圧を第1の配電系統に供給する主分散電源と、創エネ機器を含む複数の分散電源とが設置された管理区画の電力管理システムであって、
前記複数の分散電源の各々に対して、前記第1の配電系統と接続された第2の配電系統を介して電気的に接続された負荷の消費電力、並びに、前記主分散電源及び前記複数の分散電源の各々のステータス情報を収集する情報収集部と、
前記複数の分散電源での前記創エネ機器の発電電力を予測する発電電力予測部と、
停電時における前記負荷での消費電力を予測する消費電力予測部と、
前記情報収集部によって収集された、前記発電電力予測部による発電電力予測結果、前記消費電力予測部による消費電力予測結果、前記ステータス情報、及び、前記負荷の消費電力実績結果を元に、停電に対応する自立運転時における、前記主分散電源を制御する第1の運転計画及び前記複数の分散電源を制御するための第2の運転計画を作成する運転計画作成部とを備え、
前記自立運転時において、前記第1の運転計画は、前記情報収集部による情報収集周期以上に設定された第1の周期毎に更新されて前記主分散電源に送信される一方で、前記第2の運転計画は、前記第1の周期よりも長い第2の周期毎に更新されて前記複数の分散電源の各々に送信され、
前記主分散電源は、
前記主分散電源から前記第1の配電系統に出力される交流電圧周波数を、前記主分散電源における前記第1の運転計画に従った電力収支に対する過不足電力に応じて変化させる第1の制御部を含み、
前記複数の分散電源の各々は、
前記第2の運転計画に対して前記第2の配電系統の交流電圧周波数に応じた修正値を加えた制御目標値に従って、前記分散電源の出力を制御する第2の制御部を含む、電力管理システム。
【請求項3】
前記第2の周期は、前記第1の周期の整数倍に設定され、
前記電力管理システムは、
前記情報収集部によって収集された前記ステータス情報及び前記消費電力実績結果に基づき、前記創エネ機器の発電電力が抑制されているか否かを判断する出力抑制判断部を更に備え、
前記運転計画作成部は、前記第2の周期毎に前記第1の運転計画を作成するとともに、前記第2の周期が経過するまでの期間では、前記出力抑制判断部によって前記創エネ機器の発電電力が抑制されていると判断された場合に、前記主分散電源からの出力電力を抑制するように、又は、前記主分散電源に含まれる蓄エネ機器の蓄積エネルギを増加するように、前記第1の周期毎に前記第1の運転計画を変更する、請求項1又は2に記載の電力管理システム。
【請求項4】
前記運転計画作成部は、前記出力抑制判断部によって前記創エネ機器の発電電力が抑制されていると判断された場合には、前記発電電力の抑制量推定値に従って、前記主分散電源からの出力電力を抑制するように、又は、前記主分散電源に含まれる前記蓄エネ機器の蓄積エネルギを増加するように、前記第1の運転計画を修正する、請求項3記載の電力管理システム。
【請求項5】
前記創エネ機器の制御モードは、発電電力の最大動作点で運転する第1の制御モードと、前記発電電力を制御する第2の制御モードとを有し、
前記出力抑制判断部は、前記創エネ機器の前記制御モードを用いて、前記創エネ機器の発電電力が抑制されているか否かを判断する、請求項3又は4に記載の電力管理システム。
【請求項6】
前記分散電源は、前記創エネ機器と前記第2の配電系統を介して接続される蓄エネ機器を更に含み、
前記出力抑制判断部は、前記分散電源に含まれる前記蓄エネ機器の充電電力を用いて、前記創エネ機器の発電電力が抑制されているか否かを判断する、請求項3又は4に記載の電力管理システム。
【請求項7】
前記過不足電力から前記交流電圧周波数を規定する第1の垂下特性は、前記運転計画作成部から前記第1の周期毎に前記主分散電源に送信され、
前記複数の分散電源において前記交流電圧周波数から前記修正値を規定する第2の垂下特性は、前記運転計画作成部から前記第2の周期毎に前記複数の分散電源に送信される、請求項1又は2に記載の電力管理システム。
【請求項8】
前記分散電源は、前記創エネ機器と前記第2の配電系統を介して接続される蓄エネ機器を更に含み、
前記第2の垂下特性は、前記創エネ機器及び前記蓄エネ機器の間で別個に設定される、請求項7に記載の電力管理システム。
【請求項9】
前記蓄エネ機器の前記第2の垂下特性は、前記蓄エネ機器からの放電電力を増加するような前記修正値を生じさせるための周波数変化量が、蓄積エネルギが多い前記蓄エネ機器において、前記蓄積エネルギが少ない前記蓄エネ機器よりも小さくなるように作成され、かつ、前記蓄積エネルギの充電電力を増加するような前記修正値を生じさせるための周波数変化量が、前記蓄積エネルギが少ない前記蓄エネ機器において、前記蓄積エネルギが多い前記蓄エネ機器よりも小さくなるように作成される、請求項8記載の電力管理システム。
【請求項10】
前記複数の分散電源の各々、前記負荷、及び、前記第2の配電系統は、前記管理区画内の需要家毎に配置されており、
前記第2の運転計画は、各前記需要家の前記分散電源から前記第2の配電系統への売買電力を規定する、請求項1?9のいずれか1項に記載の電力管理システム。
【請求項11】
前記分散電源は、前記創エネ機器と前記第2の配電系統を介して接続される蓄エネ機器を更に含み、
前記制御目標値は、前記創エネ機器から前記第2の配電系統への売買電力目標値と、前記蓄エネ機器から前記第2の配電系統への売買電力目標値とを含み、
前記修正値が加算される前の前記制御目標値は、前記創エネ機器において、前記蓄エネ機器よりも売電側の値に設定される、請求項1、2、及び、7のいずれか1項に記載の電力管理システム。
【請求項12】
前記制御目標値は、前記創エネ機器から前記第2の配電系統への売買電力目標値と、前記蓄エネ機器から前記第2の配電系統への売買電力目標値とを含み、
前記修正値が加算される前の前記制御目標値は、前記創エネ機器において、前記蓄エネ機器よりも売電側の値に設定される、請求項8及び9のいずれか1項に記載の電力管理システム。
【請求項13】
前記第2の周期は、前記第1の周期の整数倍に設定される、請求項1、2及び6?11のいずれか1項に記載の電力管理システム。
【図面】




































 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2021-09-08 
結審通知日 2021-09-14 
審決日 2021-09-28 
出願番号 特願2019-536111(P2019-536111)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (H02J)
P 1 41・ 851- Y (H02J)
P 1 41・ 856- Y (H02J)
P 1 41・ 855- Y (H02J)
P 1 41・ 852- Y (H02J)
P 1 41・ 854- Y (H02J)
最終処分 成立  
前審関与審査官 杉田 恵一  
特許庁審判長 酒井 朋広
特許庁審判官 山本 章裕
畑中 博幸
登録日 2019-09-27 
登録番号 特許第6591133号(P6591133)
発明の名称 電力管理システム  
代理人 特許業務法人深見特許事務所  
代理人 特許業務法人深見特許事務所  
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