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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02B
管理番号 1379213
審判番号 不服2020-15603  
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-11-11 
確定日 2021-10-21 
事件の表示 特願2016-222251「光学積層体および該光学積層体を用いた有機エレクトロルミネセンス表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成29年 6月 8日出願公開、特開2017-102443〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 事案の概要
1 手続等の経緯
特願2016-222251号(以下「本件出願」という。)は、平成28年11月15日(先の出願に基づく優先権主張 平成27年11月20日)を出願日とする特許出願であって、その手続等の経緯は、概略、以下のとおりである。
令和2年 4月20日付け:拒絶理由通知書
平成2年 7月15日提出:意見書
平成2年 7月15日提出:手続補正書
令和2年 8月17日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
令和2年11月11日提出:審判請求書

2 本願発明
本件出願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和2年7月15日にされた手続補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定されるとおりの、次のものである。
「有機エレクトロルミネセンス表示装置に用いられる光学積層体であって、
表面保護層と偏光子と光学補償層とをこの順に備え、
該表面保護層が可撓性であり、有機エレクトロルミネセンス表示装置のカバーガラスを代替する機能を有し、かつ、偏光子の保護層として機能し、
該表面保護層が、表面側から順にハードコート層と樹脂フィルムとを含み、
該樹脂フィルムが、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂またはポリエチレンテレフタレート系樹脂から構成される、
光学積層体。」

3 原査定の理由
原査定の拒絶の理由は、概略、本願発明は、先の出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、先の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用例1:特開2004-361774号公報
引用例2:特開2014-170221号公報(周知技術を示す文献)
引用例3:特開2004-91618号公報(周知技術を示す文献)
引用例4:特開2006-163343号公報(周知技術を示す文献)
引用例5:国際公開第2015/064581号(周知技術を示す文献)
引用例6:特開2003-215341号公報(周知技術を示す文献)
引用例7:国際公開第2014/185001号(周知技術を示す文献)
(当合議体注:引用例1は、主引用例であり、引用例2?引用例7はいずれも、周知技術を示すために例示されたものである。)

第2 当合議体の判断
1 引用例の記載及び引用発明
(1) 引用例1の記載
原査定の拒絶の理由において引用された特開2004-361774号公報(以下「引用例1」という。)は、先の出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物であるところ、そこには、以下の記載がある。なお、下線は当合議体が付したものであり、引用発明の認定や判断等に活用した箇所を示す。
ア 「【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光層を有してなるフレキシブルディスプレイにおいて、背面側に反射面を有し、出射面側に円偏光機能を有する前面板を有し、該前面板が厚み200μm以下であることを特徴とするフレキシブルディスプレイ。
【請求項2】
前面板が、直線偏光板およびλ/4位相差板からなり、出射面側から直線偏光板、λ/4位相差板の順に配置されてなる請求項1記載のフレキシブルディスプレイ。」

イ 「【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光層を有してなるフレキシブルディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
発光層を有してなるフレキシブルディスプレイは、軽量で薄いのみならず可撓性を有するので、平面ではない面への設置が可能であり、また、破損しにくいので、携帯用機器への搭載が期待されている。
【0003】
発光層を有してなるフレキシブルディスプレイは、従来は、ITO薄膜等の透明導電性膜製の透明電極を備えた可撓性のある透明なフィルム基板と、アルミニウム等の金属製の背面電極との間に低分子有機EL層からなる発光層を挟んで構成されていた(例えば、特許文献1参照。)が、出射面側から入射した外部光が背面電極で反射してコントラストが下がる問題点があり、さらにコントラストの高いフレキシブルディスプレイが求められていた。
・・・略・・・
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、発光層を有してなるフレキシブルディスプレイであって、コントラストが高くかつ可撓性を有したフレキシブルディスプレイを提供することにある。
【0006】
本発明者は、前記課題を解決するために、発光層を有してなるフレキシブルディスプレイの構成について鋭意検討を重ねた結果、背面側に反射面を配置して、発光層から背面側に出た光を反射して発光光の輝度を向上させ、出射面側に円偏光機能を有する前面板を配置して、反射面で反射した外部光を遮り、該前面板を一定以下の厚みとすることにより、該フレキシブルディスプレイはコントラストが高くかつ可撓性を有したフレキシブルディスプレイとなることを見出し、本発明を完成させるに到った。
【0007】
すなわち本発明は、発光層を有してなるフレキシブルディスプレイにおいて、背面側に反射面を有し、出射面側に円偏光機能を有する前面板を有し、該前面板が厚み200μm以下であることを特徴とするフレキシブルィスプレイを提供する。」

ウ 「【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のフレキシブルディスプレイは、発光層を有してなるフレキシブルディスプレイであって、背面側に反射面を有し、出射面側に円偏光機能を有する前面板を有し、該前面板が厚み200μm以下であるものである。
以下に、本発明のフレキシブルディスプレイの各構成要素について説明する。
【0009】
発光層から出た光の半分は出射面側に出るが、半分は背面側に出る。そこで、本発明のフレキシブルディスプレイにおいては、背面側に反射面を配置し、発光層から背面側に出た光を反射させ、光を出射面側に向けることにより発光光の輝度を向上させている。
・・・略・・・
【0010】
しかしながら、背面側に反射面を配置しただけでは、出射面側から入射した外部光が反射面で反射し、発光光が出ていないときにおいても出射光が存在することになり、コントラストを低下させる。そこで、本発明のフレキシブルディスプレイは、円偏光機能を有する前面板を設置することにより、反射面で反射して出射面から出射する外部光を遮り、コントラストを向上させる構成とした。円偏光機能を有する前面板は、直線偏光板とλ/4位相差板とを積層することにより構成することができる。ただし、出射面側が直線偏光板であり、反射板側がλ/4位相差板とすることが好ましい。
【0011】
前記直線偏光板としては、これに入射する光のうちある特定の直線偏光だけを透過させるという直線偏光の機能を有する板であれば特に限定されず、具体的には、一軸延伸されたポリビニルアルコールフィルムにヨウ素、二色性染料等の二色性色素が吸着配向されてなる偏光子フィルム等を挙げることができる。この偏光子フィルムの片面又は両面には、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等のセルロース樹脂からなるフィルムが積層されていても良い。この直線偏光板の厚さは、好ましくは180μm以下であり、より好ましくは100μm以下、さらに好ましくは80μm以下である。直線偏光板の厚みが180μmを超える場合、フレキシブルディスプレイの可撓性が損なわれるので好ましくない。また、厚さの下限は直線偏光板が十分な直線偏光性能を有する限り特に限定されるものではないが、通常40μm以上である。
【0012】
前記λ/4位相差板としては、これに入射する光のうち特定の直線偏光を円偏光に変換して透過させ、前記直線偏光と垂直方向の直線偏光を、前記円偏光とは逆向き回りの円偏光に変換して透過させるという円偏光の機能を有する板であれば特に限定されず、具体的には、例えばポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂等からなり延伸されたフィルムが挙げられる。このλ/4位相差板の厚さは、好ましくは120μm以下であり、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは40μm以下である。λ/4位相差板の厚みが120μmを超えると、フレキシブルディスプレイの可撓性が損なわれるので好ましくない。また、厚さの下限は十分な位相差性能を有する限り特に限定されるものではないが、通常10μm以上である。
・・・略・・・
【0014】
本発明におけるの前面板の厚みとは、直線偏光板とλ/4位相差板の各要素、あるいは直線偏光板、λ/4位相差板と円偏光分離板の各要素の厚みと、必要に応じて粘着層を含む前面板全体の厚みを指し、好ましくは200μm以下、より好ましくは180μm以下、さらに好ましくは160μm以下である。200μmを超える場合、フレキシブルディスプレイの可撓性が損なわれるので好ましくない。また、厚さの下限は十分な偏光性能を有する限り特に限定されるものではないが、通常100μm以上である。
【0015】
前面板に直線偏光板とλ/4位相差板とを用いる場合には、λ/4位相差板の遅相軸と直線偏光板の透過軸とが45°±1°の角度範囲で交差するように配置するのが好ましく、45°±0.2°の角度範囲で交差するように配置するのがさらに好ましい。
・・・略・・・
【0017】
本発明のフレキシブルディスプレイは、発光層に電圧を印加して発光させるための電極として通常は、背面側に背面電極を有する。背面電極の発光層側の面を反射面として用いることもできる。背面電極の材料は特に限定されないが、通常は例えば、アルミニウム、銀、金、カルシウム、バリウム等が用いられる。
【0018】
さらに、本発明のフレキシブルディスプレイはフィルム基板を用いて構成することができる。フィルム基板としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PES(ポリエーテルサルフォン)、PI(ポリイミド)等の透明な樹脂製フィルムにITO等の透明電極を形成してなるフィルム、または樹脂とSiO2等の無機物とが複合化されたフィルムにITO等の透明電極を形成してなるフィルムを用いることができる。また、通常これらのフィルム基板には、ガスバリア層、耐熱層、平坦化層等の層が積層される場合が多いが、その種類、構成についてはフレキシブルディスプレイの性能を実質的に損なわない限り特に限定するものではない。
・・・略・・・
【0021】
そして、本発明のフレキシブルディスプレイは、さらに発光層を有してなる。発光層の発光物質として、低分子有機EL用発光物質、高分子有機EL用発光物質、無機EL用発光物等を用いることができる。
・・・略・・・
【0023】
以下に本発明に係るフレキシブルディスプレイの実施の形態を、図面を参照して説明するが、本発明は、図面により具体的に示した実施の態様に限定されるものではない。
・・・略・・・
【0024】
まず、第1の実施の形態を、図1と図7を参照して説明する。図1に示されるフレキシブルディスプレイにおいて、(1a)は直線偏光板、(1b)はλ/4位相差板、(4)は発光層、(5)は反射面を有する背面電極である。ITO等の導電膜からなる透明電極(3)と背面電極(5)との間に発光層(4)が配置されると共に、前記透明電極(3)の出射面側にフィルム基板(2)が積層一体化されている。透明電極(3)と背面電極(5)間に所定の電圧を印加することにより、発光層(4)から発光が行われて所望の表示を形成し得るようになされている。
【0025】
フィルム基板(2)の出射面側には、λ/4位相差板(1b)が積層されると共に、該λ/4位相差板(1b)の更に出射面側に直線偏光板(1a)が積層一体化されている。このような積層一体化を行うには、例えばアクリル系粘着剤等の透明で光学的に等方性の粘着剤を用いてこれらを貼合すれば良い。かかるλ/4位相差板(1b)及び直線偏光板(1a)からなる前面板(1)はフィルム基板と離間して配置されていても良いが、光損失を防止する観点および厚みを抑制する観点から、その離間間隔は極力小さくするのが好ましく、特に好ましい実施の形態は基板と積層一体化する構成である。前記λ/4位相差板(1b)の遅相軸と直線偏光板(1a)の透過軸とが45°±1°の角度範囲で交差するように配置されている。
【0026】
この第1実施形態のフレキシブルディスプレイにおける作用機構について図7を参照して説明する。まず、金属反射面(5)での光反射率を100%とすると、図7(イ)に示すように、外部から入射する外部光は、直線偏光板(1a)によって50%が直線偏光となって透過し、該直線偏光はλ/4位相差板(1b)を通過して右円偏光となり、次いで、該右円偏光は反射面(5)でその全量が反射されて、反射時に円偏光の回りの向きが反転し、左円偏光(50%)となり、該左円偏光はλ/4位相差板(1b)を通過して直線偏光板(1a)の透過軸と垂直な直線偏光(50%)となり、直線偏光板(1a)によって吸収され、結果的には入射光がすべて遮蔽されることとなる。即ち、外部光の反射面における反射率は0%と視認されることとなる。
【0027】
一方、発光層(4)からの発光光は、図7(ロ)に示すように、λ/4位相差板(1b)を通過して右円偏光(50%)および左円偏光(50%)となり、該左右円偏光は直線偏光板(1a)を通過して、該直線偏光板(1a)の透過軸と垂直な直線偏光成分(50%)が吸収され、残りの該直線偏光板(1a)の透過軸と平行な偏光成分(50%)が直線偏光板(1a)をそのまま透過する。即ち、発光光の50%が出射面から取り出されることとなる。
【0028】
このように、反射面(5)での光反射率が100%とした場合には、理論的には、発光部(4)からの発光光、即ち表示光は50%透過し、一方、外部光の反射光は全く出射しない。反射光を遮蔽しつつ表示光を50%透過させ得るので、高いコントラストの表示を実現することができると共に、十分な表示輝度を確保できて明るい表示を実現できる。
・・・略・・・
【0036】
本発明のフレキシブルディスプレイの構成としては、図1および図2に示した出射面側から前面板、フィルム基板、透明電極、発光層、反射面の順に配置する構成とすることができる。
・・・略・・・
【0037】
なお、例えば耐擦傷性向上、表面反射の防止等を目的として、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、直線偏光板(1a)の前面側にハードコート層、反射防止層を設置する構成を採用することもできる。
・・・略・・・
【0038】
なお、図7および図8において、引き出し線の付いていない数字は、各段階での初期光量に対する光量を%単位で表示したものであり、また「*」は自然光または偏光が解消された光を示し、直線矢印は直線偏光を示し、また円弧状矢印は円偏光を示す。」

エ 「【0039】
【実施例】
以下、本発明の実施例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
・・・略・・・
【0040】
実施例1
<高分子蛍光体の合成>
発光層に用いる高分子蛍光体は、次のようにして製造することができる。
2,5-ジオクチルオキシ-p-キシリレンジブロミドをN,N-ジメチルホルムアミド溶媒中、トリフェニルホスフィンと反応させてホスホニウム塩を合成する。得られたホスホニウム塩47.75重量部、及びテレフタルアルデヒド6.7重量部を、エチルアルコールに溶解させる。5.8重量部のリチウムエトキシドを含むエチルアルコール溶液をホスホニウム塩とジアルデヒドのエチルアルコール溶液に滴下し、室温で3時間重合させる。一夜室温で放置した後、沈殿を濾別し、エチルアルコールで洗浄後、クロロホルムに溶解し、これにエタノールを加えると沈澱が生成する。これを減圧乾燥すれば、8重量部程度の重合体が得られる。これを高分子蛍光体1とする。モノマーの仕込み比から計算される高分子蛍光体1の繰り返し単位とそのモル比を下記に示す。
・・・略・・・
該高分子蛍光体1のポリスチレン換算の数平均分子量は、1.0×10^(4)程度となる。
【0041】
<フレキシブルディスプレイの作製と評価>
フレキシブルディスプレイは次のようにして製造することができる。
スパッタリングによって40nmの厚みのITO(透明電極)を付けたPES製フィルム基板を、5cm×5cm角に切り出し、洗浄、乾燥の後、該フィルム基板上にポリビニールカルバゾールの1.0重量%クロロホルム溶液を用いて、ディッピングにより50nmの厚みでポリビニールカルバゾール層を成膜する(正孔輸送層)。さらにその上に、高分子蛍光体1の1重量%トルエン溶液を用いて、スピンコートにより50nmの厚みで高分子蛍光体1の層を成膜する。さらに、これを減圧下150℃で1時間程度乾燥した後、電子輸送層として、トリス(8-キノリノール)アルミニウム(Alq3)を0.1?0.2nm/sの速度で35nm蒸着する。その上に背面電極としてリチウム-アルミニウム合金(リチウム濃度:1重量%)を40nm蒸着して背面電極とし、UV硬化型の封止剤を用いてPES製フィルムを硬化封止し、高分子蛍光体を用いてなる発光層を有したフィルム基板を得ることができる。蒸着のときの真空度はすべて8×10^(-6)Torr以下がよい。この発光層を有したフィルム基板の基板側に、直線偏光板(住友化学工業(株)製、SRW062AP、厚み100μm)およびλ/4位相差板(住友化学工業(株)製、SEF440138T、厚み40μm)をアクリル系粘着材を用いて貼合する。直線偏光板とλ/4位相差板を貼合してなる前面板の厚みは150μmとなる。こうして作製することができたフレキシブルディスプレイに、12.5Vを印加すると、電流密度75.6mA/cm^(2)程度の電流が流れ、垂直方向での輝度は2000cd/m^(2)程度と高く、外部光の金属反射面での反射も少なく、可撓性も有しているフレキシブルディスプレイとなる。
【0042】
【発明の効果】
本発明のフレキシブルディスプレイは、高いコントラストで表示することができ、輝度が高く、しかも高い可撓性を有したフレキシブルディスプレイであるので、工業的に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】出射面側から前面板、フィルム基板、透明電極、発光層、反射面の順に配置する
構成とし、前面板が直線偏光板とλ/4位相差板からなる本発明のフレキシブルディスプレイの断面図。
・・・略・・・
【図7】図1のフレキシブルディスプレイの作用機構の説明図。
・・・略・・・
【符号の説明】
(1)…前面板
(1a)…直線偏光板
(1b)…λ/4位相差板
・・・略・・・
(2)…フィルム基板
(3)…透明電極
(4)…発光層
(5)…反射面を有する背面電極
(6)…円偏光
(7)…直線偏光」

オ 「【図1】



カ 「【図7】



(2) 引用発明
ア 引用例1でいう「本発明は、発光層を有してなるフレキシブルディスプレイに関する」ものであるところ、引用例1の【0024】?【0028】には、図1と図7を参照して「第1の実施形態」が説明されている。

イ 上記ア(特に、【0024】?【0025】及び図1)より、引用例1には、次の「λ/4位相差板(1b)及び直線偏光板(1a)からなる前面板(1)」の発明(以下「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「λ/4位相差板(1b)及び直線偏光板(1a)からなる前面板(1)であって、
ITO等の導電膜からなる透明電極(3)と背面電極(5)との間に発光層(4)が配置されると共に、前記透明電極(3)の出射面側にフィルム基板(2)が積層一体化され、透明電極(3)と背面電極(5)間に所定の電圧を印加することにより、発光層(4)から発光が行われて所望の表示を形成し得るようになされたフレキシブルディスプレイのフィルム基板(2)の出射面側に、λ/4位相差板(1b)が積層されると共に、該λ/4位相差板(1b)の更に出射面側に直線偏光板(1a)が積層一体化される、
λ/4位相差板(1b)及び直線偏光板(1a)からなる前面板(1)」。

2 対比及び判断
(1) 対比
本願発明と引用発明を対比すると以下のとおりとなる。
ア 「表面保護層」、「偏光子」、「光学補償層」及び「光学積層体」
(ア) 引用発明の「前面板(1)」は、「λ/4位相差板(1b)及び直線偏光板(1a)からな」り、「フレキシブルディスプレイのフィルム基板(2)の出射面側に」、「λ/4位相差板(1b)が積層され」、「該λ/4位相差板(1b)の更に出射面側に直線偏光板(1a)が積層一体化され」たものである。

(イ) 上記(ア)の「前面板(1)」の配置及び構成より、引用発明の「前面板(1)」は、「λ/4位相差板(1b)」と「直線偏光板(1a)」を「積層」したものであることが理解できる。同様に、引用発明の「前面板(1)」は、「フレキシブルディスプレイ」の「フィルム基板(2)の出射面側」に「積層」されること、「λ/4位相差板(1b)」が「フレキシブルディスプレイ」側に位置し、「直線偏光板(1a)」が視認側に位置していることが理解できる(当合議体注:図1からも理解できることである。)。

(ウ) 偏光板は、偏光子の片側あるいは両側に偏光子を保護する樹脂フィルムを有するものであることは技術常識である。
そうすると、上記(イ)より、引用発明の「直線偏光板(1a)」は、少なくとも偏光子の視認側に偏光子を保護する樹脂フィルムを有していることは明らかである(当合議体:偏光子は保護を必要とするものであるから、「フレキシブルディスプレイ」への積層後に視認側最表面となる「前面板(1)」(「直線偏光板(1a)」)の視認側に偏光子が直に露出することはない。)。
また、上記(イ)より、引用発明の「直線偏光板(1a)」における偏光子の視認側の偏光子を保護する樹脂フィルムは、可撓性を有する(当合議体注:「前面板(1)」が可撓性を有しないと、「積層」される「フレキシブルディスプレイ」の可撓性を損なうこととなる。引用発明の「直線偏光板(1a)」における偏光子の視認側の偏光子を保護する樹脂フィルムが可撓性を有することは、樹脂フィルムとの文言からも理解される。引用例1の【0011】、【0012】及び【0014】の記載からも理解される。)。
そうしてみると、引用発明の「直線偏光板(1a)」における偏光子及び偏光子の視認側の偏光子を保護する樹脂フィルムは、それぞれ本願発明の「偏光子」及び「表面保護層」に相当する。また、引用発明の「直線偏光板(1a)」における偏光子の視認側の偏光子を保護する樹脂フィルムと、本願発明の「表面保護層」は、「可撓性であり」、「かつ、偏光子の保護層として機能し」ている点、及び、「樹脂フィルムを」「含」む点で共通する。

(エ) 引用発明の「前面板(1)」における「λ/4位相差板(1b)」は、その文言が意味するとおり、通過する光に対してλ/4の位相差を与える機能を有する。
そうすると、引用発明の「λ/4位相差板(1b)」は、光学補償機能を有するということができる。
また、上記(イ)より、引用発明の「λ/4位相差板(1b)」は、「直線偏光板(1a)」に「積層」されたものである。
してみると、引用発明の「前面板(1)」における「λ/4位相差板(1b)」は、本願発明の「光学補償層」に相当する。

(オ) 上記(ア)?(エ)より、引用発明の「前面板(1)」は、視認側からみて、偏光子を保護する樹脂フィルムと偏光子と「λ/4位相差板(1b)」とをこの順に備えている、ということができる。
以上総合すると、引用発明の「前面板(1)」は、本願発明の「光学積層体」に相当する。また、引用発明の「前面板(1)」は、本願発明の「光学積層体」の、「表面保護層と偏光子と光学補償層とをこの順に備え」との要件を満足する。

イ 「有機エレクトロルミネセンス」
(ア) 引用発明の「フレキシブルディスプレイ」は、「ITO等の導電膜からなる透明電極(3)と背面電極(5)との間に発光層(4)が配置されると共に、前記透明電極(3)の出射面側にフィルム基板(2)が積層一体化され、透明電極(3)と背面電極(5)間に所定の電圧を印加することにより、発光層(4)から発光が行われて所望の表示を形成し得るようになされた」ものである。

(イ) 上記(ア)の「フレキシブルディスプレイ」の全構成からみて、引用発明の「フレキシブルディスプレイ」は、表示装置ということができる。
そうすると、引用発明の「フレキシブルディスプレイ」と、本願発明の「有機エレクトロルミネセンス表示装置」は、「表示装置」である点で共通する。
また、上記ア(ア)より、引用発明の「前面板(1)」は、本願発明の「光学積層体」の、「表示装置に用いられる」との要件を満足する。

(2) 一致点及び相違点
ア 一致点
本願発明と引用発明は、次の構成で一致する。
「表示装置に用いられる光学積層体であって、
表面保護層と偏光子と光学補償層とをこの順に備え、
該表面保護層が可撓性であり、かつ、偏光子の保護層として機能し、
該表面保護層が樹脂フィルムを含む、
光学積層体。」

イ 相違点
本願発明と引用発明とは、次の点で相違、又は一応相違する。
(相違点1)
本願発明は、「表示装置」が、「有機エレクトロルミネセンス表示装置」であり、「表面保護層」が、「有機エレクトロルミネセンス表示装置のカバーガラスを代替する機能を有し」ているのに対して、引用発明は、そのようなものであるのかどうか一応明らかでない点。

(相違点2)
「表面保護層」が、本願発明は、「表面側から順にハードコート層と樹脂フィルムとを含み」、「該樹脂フィルムが、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂またはポリエチレンテレフタレート系樹脂から構成される」ものであるのに対し、引用発明は、そのようなものとなっていない点。

(3) 判断
ア 相違点1について
(ア) 先の出願時において、自発光型のフレキシブルディスプレイとしては、有機エレクトロルミネセンス表示装置が主流である。
そうすると、引用例1の【0024】?【0025】、図1及び図7の記載に接した当業者は、引用発明の「ITO等の導電膜からなる透明電極(3)と背面電極(5)との間に発光層(4)が配置され」、「透明電極(3)と背面電極(5)間に所定の電圧を印加することにより、発光層(4)から発光が行われて所望の表示を形成し得るようになされている」「フレキシブルディスプレイ」は、有機エレクトロルミネセンス表示装置であると理解する(当合議体注:仮にそうでないとしても、引用例1の【0021】の記載、あるいは【0040】?【0041】の実施例1に基づき、引用発明の「前面板(1)」を、「有機エレクトロルミネセンス表示装置」に用いることは、設計上のことである。)。

続いて、「有機エレクトロルミネセンス表示装置のカバーガラスを代替する機能」の点について検討する。
カバーガラスは、先の出願前に慣用されている技術であって、有機EL表示装置などの表示装置の視認側最表面に配置され、表示装置の視認側最表面を覆う(カバーする)機能を果たすものである。
そこで、引用発明についてみると、その「前面板(1)」は、「フレキシブルディスプレイのフィルム基板(2)の出射面側に」「積層一体化」され、視認側最表面に配置されるものである。
また、引用発明の「前面板(1)」の「直線偏光板(1a)」において視認側に設けられる保護フィルムは、偏光子の保護層として機能している。
そうすると、当該保護フィルムは、「前面板(1)」が「フレキシブルディスプレイ」に積層一体化された後に、表示装置の視認側最表面に配置されるものであり、表示装置の視認側最表面を覆う(カバーする)機能を果たすものということができる。また、偏光子の保護層として機能する以上、「フレキシブルディスプレイ」を保護する機能も果たしていることは当業者にとって明らかである。
このように、引用発明の「前面板(1)」の「直線偏光板(1a)」において視認側に設けられる保護フィルムは、有機エレクトロルミネセンス表示装置として積層一体化された後には、その視認側最表面に配置されるものであり、同表示装置の視認側最表面を覆う(カバーする)ものである点において、同表示装置のカバーガラスを代替する機能を有しているということができる。
してみると、相違点1は相違点を構成しない。

(イ) 本件出願の明細書の【0012】、【0023】等の記載では、「好ましくは、2H以上の鉛筆硬度と1000g荷重で300回往復摩擦しても傷を生じない耐擦傷性とを有する。表面保護層がこのような表面特性を有することにより、表面保護層が有機EL表示装置のカバーガラスの代替として良好に機能し得る。」とされているが、当該記載は好適な一態様を例示したものと理解されるものであり、当該記載を以て、本件出願の請求項1に記載された「有機エレクトロルミネセンス表示装置のカバーガラスを代替する機能を有し」という特定事項が、本願発明の表面保護層について表面の硬度や耐擦傷性を、当該記載に示された範囲に限定しているものとは考え難い。
しかしながら、仮に、「カバーガラスを代替する機能」という特定事項が、視認側最表面の硬度や耐擦傷性について特定していると解釈するとして、そしてまた、引用発明の「前面板(1)」の「直線偏光板(1a)」における視認側の(偏光子を保護する)保護フィルムが、表面の硬度や耐擦傷性において優れているとまではいえないと仮定するとしても、以下のとおりである。
有機EL表示装置などの表示装置の視認側最表面が、硬度や耐擦傷性に優れていることが好ましいことは、当業者にとって明らかなことであり、引用例1の【0037】にも、耐擦傷性の向上を目的として、直線偏光板(1a)の前面側にハードコート層を設置する構成を採用することができる旨の記載がある。
そうすると、引用発明について視認側最表面の硬度や耐擦傷性の向上を目指す当業者であれば、引用発明の「前面板(1)」において「直線偏光板(1a)」の偏光子の視認側の偏光子を保護する樹脂フィルムとして、公知の樹脂フィルムの中から硬度や耐擦傷性に優れたものを選択し、さらに、硬度や耐擦傷性に優れたハードコート層を樹脂フィルムの視認側表面に設けた構成として、表示装置の視認側最表面が硬度や耐擦傷性に優れる構成とすることは、容易になし得たことである(当合議体注:表面硬度を、鉛筆硬度で評価すること、表面の耐擦傷性の評価を、スチールウールを所定荷重で複数回往復摩擦させることにより行うことは、いずれも先の出願時の技術常識である。)。

イ 相違点2について
(ア) 偏光板の偏光子を保護する保護フィルムとして使用できる機械的強度に優れる材料として、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂あるいはポリエチレンテレフタレート系樹脂などがあることは、例えば、原査定の拒絶の理由において引用された特開2014-170221号公報(特に、【0044】の記載及び【0048】の「(メタ)アクリル系樹脂として、高い耐熱性、高い透明性、高い機械的強度を有する点で、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂が特に好ましい。」との記載を参照。以下「引用例2」という。)、特開2009-120805号公報(特に、【0097】及び【0110】の記載を参照。)、特開2014-209180号公報(特に、【0025】及び【0030】の記載を参照。)等に記載されているように、先の出願前に周知のことである。
また、引用例1の【0037】には、「例えば耐擦傷性向上、表面反射の防止等を目的として、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、直線偏光板(1a)の前面側にハードコート層、反射防止層を設置する構成を採用することもできる。」と記載されている。さらに、偏光子を保護する保護フィルムの偏光子との反対側の表面(最も外側となる表面)にハードコート層を形成することは、先の出願前に周知・慣用の技術である(例えば、引用例2の【0054】にも、「保護フィルム40の偏光子と反対側の表面には、必要に応じて、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、アンチグレア処理等の表面処理が施されていてもよい。」との記載がある。)。
そうすると、引用例1でも、表示装置の視認側最表面には「耐擦傷性向上」を目的とした公知技術を採用することが示唆されているから、引用発明において、「直線偏光板(1a)」における視認側最表面の(偏光子を保護する)樹脂フィルムを、高い機械的強度を有することが知られた、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂からなる構成、あるいは、機械的強度に優れる、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂あるいはポリエチレンテレフタレート系樹脂からなる構成とするとともに、当該樹脂フィルムの視認側表面に更にハードコート層を形成した構成として、相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである(当合議体注:水分の侵入により有機EL表示装置や偏光子の性能が劣化することが技術常識であるところ、(メタ)アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂は、(トリアセチルセルロースに比較して)低透湿度である点でも好ましいとも当業者は考える。)。

(イ) 相違点1及び相違点2をまとめて検討しても同様である。その際、前記ア(イ)における仮の解釈と仮定に基づいて検討を行ったとしても同様である。
すなわち、「前面板(1)」の「直線偏光板(1a)」における視認側表面の硬度や耐擦傷性の向上を目指す当業者が、引用例1の【0037】や上記の周知・慣用の各技術に基づき、引用発明において、相違点1及び相違点2に係る本願発明の構成とすることは、容易になし得たことである。

ウ 本願発明の効果について
(ア) 本願発明の効果として、本件出願の明細書の【0007】には、「有機EL表示装置用光学積層体において、カバーガラスを代替する機能を有し、かつ、偏光子の保護層として機能する表面保護層を用いることにより、非常に薄く、かつ、屈曲可能または折りたたみ可能な有機EL表示装置にも好適に適用され得る光学積層体が得られ得る。」と記載されている。

(イ) しかしながら、上記(ア)の本願発明の各効果は、引用例1の記載や周知・慣用の技術に基づいて、当業者が予測できる、あるいは期待する効果にすぎない。あるいは、上記(ア)の本願発明の各効果は、引用発明、あるいは相違点2(あるいは相違点1及び相違点2)に係る設計変更を施してなる引用発明が奏する効果にすぎない。

エ 審判請求書の主張について
(ア) 請求人は、審判請求書の「3.本願発明が特許されるべき理由」「(2)本願発明と引用文献に記載の発明との対比」において、「表面保護層が、ハードコート層および、耐久性に優れた上記樹脂を含む樹脂フィルムから形成されることで、有機EL表示装置のカバーガラスを代替する機能を有することができます・・・略・・・。」、「拒絶査定によれば、引用文献1の直線偏光板が、偏光子の保護層を備えることは自明であり、当該保護層が本願の表面保護層に該当するとのご認定をいただいております。しかし、引用文献1は、本願発明の上記構成の表面保護層を開示も示唆もしません。」、「引用文献1は、該直線偏光板が、偏光子フィルムの片面又は両面にTACまたはジアセチルセルロース等のセルロース系樹脂からなるフィルムが積層されてもよい旨を開示するのみです([0011])。すなわち、本願発明における、カバーガラスを代替する機能を有する上記表面保護層と、引用文献1の発明における、上記偏光子の保護層とは明確に異なります。」、「また、拒絶査定によれば、引用文献1において、保護層の材料が特段限定されていないとのご認定をいただいております。しかし、上記のとおり、引用文献1の明細書[0011]において保護層の材料は限定されているため、本認定には承服できません。」、「さらに、本願の比較例2?6における表面保護フィルムの材料として、TACが用いられています([0133]および表1)。当該比較例2?6においては、実施例と比較して、鉛筆硬度、耐擦傷性および耐屈曲性のバランスに劣ることが明確に示されています(表1)。すなわち、本願発明は、表面保護フィルムとしてのTACの使用を排除するものです。したがって、保護層の材料としてのTACを開示する引用文献1を主引例として、本願発明に到達する動機付けはありません。」、「したがって、本願発明と引用文献1の発明とは明確に異なります。さらに、引例1の保護層を、本願発明の上記構成に改変する動機付けはありません。」、「したがって、引用文献1に、引用文献2および3を如何に組み合わせても、本願発明には到達し得ません。」と主張する。

(イ) しかしながら、引用例1の【0011】の「この偏光子フィルムの片面又は両面には、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース等のセルロース樹脂からなるフィルムが積層されていても良い。」との記載は、技術常識のとおり、偏光子には適宜、保護フィルムが適用されても良いことを示しているにすぎず、同段落の最初に「直線偏光板」は「これに入射する光のうちある特定の直線偏光だけを透過させるという直線偏光の機能を有する板であれば特に限定され」ないと記載されているように、偏光子の構成はもとより、樹脂フィルムの素材についても、特に限定していると当業者に解釈されるものとは考えられない(当合議体注:「?セルロース樹脂からなるフィルムが積層されていても良い。」との記載(特に、下線部)からも明らかなことである。)。そして、引用発明の「直線偏光板(1a)」についても同じある。
そして、引用発明が、「表面保護層」が「有機エレクトロルミネセンス表示装置のカバーガラスを代替する機能を有し」との要件を充足することについては、前記アに示したとおりである。さらに、引用例1の【0037】の記載や引用例2等に例示された周知・慣用技術に基づき、相違点2に係る本願発明の構成とすることが、当業者が容易になし得たものであることは、前記イに示したとおりである。
したがって、請求人の上記主張を採用することはできない。

第3 まとめ
以上のとおり、本願発明は、引用例1に記載された発明及び周知・慣用の技術に基づいて、先の出願日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本件出願は拒絶すべきものである。
よって、結論とおり審決する。
 
審理終結日 2021-08-06 
結審通知日 2021-08-10 
審決日 2021-08-31 
出願番号 特願2016-222251(P2016-222251)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 後藤 慎平  
特許庁審判長 榎本 吉孝
特許庁審判官 下村 一石
河原 正
発明の名称 光学積層体および該光学積層体を用いた有機エレクトロルミネセンス表示装置  
代理人 籾井 孝文  
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