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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 H02J
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H02J
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H02J
管理番号 1379434
審判番号 不服2020-17461  
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-12-21 
確定日 2021-10-28 
事件の表示 特願2017- 17968「充電装置及び電力需給システム」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 8月 9日出願公開、特開2018-126015〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成29年2月2日の出願であって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。

令和 2年 6月26日付け:拒絶理由通知
令和 2年 8月31日 :意見書、手続補正書の提出
令和 2年 9月14日付け:拒絶査定
令和 2年12月21日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 令和2年12月21日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和2年12月21日にされた手続補正を却下する。

[理由]
1 補正の概要
令和2年12月21日にされた手続補正による補正(以下、「本件補正」という。)は、令和2年8月31日に手続補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された発明特定事項により特定される、
「分散電源から給電されて電力系統との間で電力を入出力する配電回路からの電力により電動車両の蓄電池を充電するための最大充電電流値を決定する制御部を備え、
前記制御部は、第1処理と、第2処理と、のうち、少なくとも前記第2処理を有し、
前記第1処理は、前記配電回路から前記電力系統に出力される第1電力が第1閾値よりも大きい場合、前記最大充電電流値を大きくする処理を含み、
前記第2処理は、前記電力系統から前記配電回路に入力される第2電力が第2閾値よりも大きい場合、前記最大充電電流値を小さくする処理を含む、
充電装置。」
との発明(以下、「本願発明」という。)を、

「分散電源から給電されて電力系統との間で電力を入出力する配電回路からの電力により電動車両の蓄電池を充電するための最大充電電流値を決定する制御部を備え、
前記制御部は、第1処理と、第2処理と、を有し、
前記第1処理は、前記配電回路から前記電力系統に出力される第1電力が第1閾値よりも大きい場合、前記最大充電電流値を大きくする処理を含み、
前記第2処理は、前記電力系統から前記配電回路に入力される第2電力が第2閾値よりも大きい場合、前記最大充電電流値を小さくする処理を含み、
前記制御部は、
前記蓄電池を常に満充電の状態にするための強制充電モード、
決められた時間帯に前記蓄電池を充電する許可時間充電モード、
前記第1電力が発生した場合にのみ、前記蓄電池を充電する逆潮充電モード、及び
前記決められた時間帯であるか否かの判定結果、及び前記第1電力が発生しているか否かの判定結果に基づいて前記蓄電池を充電する逆潮・許可時間充電モード
のいずれかで、前記第1処理と前記第2処理との少なくとも一方を実行する
充電装置。」
との発明(以下、「本件補正発明」という。)とする補正を含むものである。なお、下線部は、補正箇所を示す。

2 補正の適否
請求項1に係る上記本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「制御部」について、「第1処理と、第2処理と、のうち、少なくとも前記第2処理を有し、」とあったところを、「第1処理と、第2処理と、を有し、」と限定し、さらに、該「制御部」について、「前記蓄電池を常に満充電の状態にするための強制充電モード、決められた時間帯に前記蓄電池を充電する許可時間充電モード、前記第1電力が発生した場合にのみ、前記蓄電池を充電する逆潮充電モード、及び前記決められた時間帯であるか否かの判定結果、及び前記第1電力が発生しているか否かの判定結果に基づいて前記蓄電池を充電する逆潮・許可時間充電モードのいずれかで、前記第1処理と前記第2処理との少なくとも一方を実行する」ことを限定するものであり、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
また、特許法第17条の2第3項、第4項に違反するところはない。
そこで、本件補正による請求項1に記載された発明(以下、「本件補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下に検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記「1」に記載したとおりのものである。

(2)引用文献の記載事項
ア 引用文献1
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された、特開2012-191773号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。

「【技術分野】
【0001】
本発明は、宅内機器の運転を妨げずに蓄電池を充電できる蓄電池充電制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電装置や風力発電装置は、再生可能エネルギによる電源装置として広く実用化されている。また、クリーンなエネルギを利用した燃料電池も、次世代の自家発電電源装置として実用化が図られている。これらの自家発電電源装置により供給される電力は、宅内機器により消費されるとともに、余剰分が蓄電池に蓄積される。さらに、売電のために一部が送配電線側に送り出される。
(中略)
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
既知の従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。
自家発電電源装置により発電した電力は、宅内配線に供給されて使用される。また、その一部は売電のため送配電線側へ送り出される。さらに、余剰分の電力で蓄電池を充電して夜間に使用する。一方、自家発電電源装置の発電能力が低い場合には、送配電線から夜間電力を受け入れて蓄電池を充電する。この電力を昼間に使用する。ここで、蓄電池に夜間電力を充電するときには、蓄電池は他の電力機器と同様に、電源に対する負荷として動作する。即ち、電源から蓄電池に向かって負荷電流が流れる。
【0005】
このように蓄電池を充電しながら暖房機や給湯器を動作させると、契約電力容量を越えてしまう場合がある。特に、蓄電池の特性上、充電開始時には大きな充電電流が流れ、充電終了時には充電電流が減少する。これにより、他の電力機器の使用を妨げ、ブレーカを動作させてしまうおそれもある。充電電流を十分に低く設定しておけば、この問題は無いが、充電時間が長時間になってしまう。
(中略)
【0020】
図1は実施例1の蓄電池充電制御システム10を示すブロック図である。
図のシステム10は、一般家庭のような建物に設置される。この建物には、送配電線路14から分電盤16を介して宅内配線15に商用電力が供給されている。また、この建物には、自家発電電源装置24が設けられている。さらに、建物内部で使用する電力を蓄積するための蓄電池26が設けられている。この図の蓄電池の場所に、電気自動車27の蓄電池も接続できる。
【0021】
この蓄電池26に電力を充電するために、第1充電回路28と第2充電回路30とが設けられている。また、この蓄電池26から宅内配線15側に電力を供給するために放電回路32が設けられている。第1充電回路28と第2充電回路30と放電回路32のいずれかに蓄電池26を選択的に接続をするために、スイッチ回路33が設けられている。
【0022】
また、自家発電電源装置24の余剰電力の売電制御をするために、よく知られたパワーコンディショナ18が設けられている。さらに、宅内配線15に流れる負荷電流を測定し、積算電力を電力会社にリモートで読み取らせるために、よく知られたスマートメータ20が設けられている。まず、以上の部分について、各部の具体的な構成の説明をする。
【0023】
[自家発電電源装置]
蓄電池26の充電には、自家発電電源装置24と、送配電線路14から供給される電力を使用する。自家発電電源装置24は、太陽エネルギを電気エネルギに変換して出力する太陽光発電装置の他に、風力エネルギを電気エネルギに変換して出力する風力発電装置や、水素等を燃料として発電する燃料電池が良く知られている。この他に、熱エネルギや水力波力を電気エネルギに変換して出力する電源装置も知られている。これらは全て、本発明のシステムで自家発電電源装置として使用することができる。
【0024】
[送配電線路と宅内配線]
送配電線路14は、電力会社から商用電源を供給するための線路である。宅内配線15は、送配電線路14と分電盤16を介して接続される。宅内配線15は、送配電線路14と分電盤16等の受電設備により隔てられた配電設備で、住宅やマンション等に設置された宅内機器22を駆動するための電力を供給する。分電盤16は、宅内配電用の分岐回路やブレーカ等を内蔵した機器である。
【0025】
[蓄電池]
蓄電池26は充放電により電力を蓄積したり放出したりする機能を持つ2次電池である。蓄電池26は、自家発電電源装置24から供給される電力の蓄積に使用される。また、電気自動車等の任意の電池使用機器の蓄電池も、このシステムによる充電の対象である。図のスイッチ回路33を使用して、複数の蓄電池を同時に第1充電回路28や第2充電回路30に接続したり、選択的に接続をしたりして、充電が制御される。
(中略)
【0027】
[充放電回路]
蓄電池26の充放電のために以下の回路を備えている。
第1充電回路28は、自家発電電源装置24の電力を受け入れて要求されている直流電力を出力し蓄電池26を充電する回路である。第2充電回路30は、宅内配線15の電力を受け入れて要求されている直流電力を出力し、蓄電池26を充電する回路である。放電回路32は、蓄電池26の電力を受け入れて要求されている交流電力を出力し、宅内配線15に供給する回路である。
(中略)
【0029】
[蓄電池の放電制御]
図1に示したシステムは、例えば、HEMS(ホームエネルギマネージメントサービス)管理サーバ34により制御されるとよい。HEMS管理サーバ34は、一般住宅等の建物内部のエネルギ供給量とエネルギ消費量とを詳細にモニターして、その結果をディスプレイ40に表示したり、例えば、エアコンの運転を制御して、適正温度に制御するといった機能を持つ。この実施例では、このHEMS管理サーバ34に、蓄電池26の充電制御機能を付与する。なお、蓄電池26の充電制御専用のコンピュータを使用しても、同様の制御が可能である。
【0030】
図1に示したHEMS管理サーバ34は、既知のコンピュータであって、演算処理装置36と記憶装置38とを備える。演算処理結果を表示するためのディスプレイ40は、例えば、タッチパネルによりデータ入力のためのインタフェースを兼ねることができる。
【0031】
演算処理装置36の部分に示した各手段は、コンピュータプログラムによって機能する機能ブロックである。HEMS制御手段42と負荷電流測定手段44と充電電流計算手段46と蓄電池充電制御手段48とが設けられている。記憶装置38には、演算処理のために、図2に例示したような、各種のデータが記憶される。これらを総合して、図1では、HEMS管理データ50と表示した。
【0032】
負荷電流測定手段44は、スマートメータ20を通じて送配電線路14からの受電電力を監視して、宅内機器22に供給される負荷電流ILを測定する機能を持つ。充電電流計算手段46は、測定された負荷電流ILと蓄電池26の充電電流IBとを加算したとき、受電電力PTに関する契約電力容量PKから求められる最大許容負荷電流IAを越えない範囲で、蓄電池26の適正充電電流IBBを計算する機能を持つ。
【0033】
蓄電池充電制御手段48は、蓄電池26を適正充電電流IBBで充電するとともに、測定された負荷電流ILが一定量ICだけ変化するたびに、蓄電池26の適正充電電流IBBを再計算して、蓄電池26の充電電流を変更する機能を持つ。実際の充電電流は、計算をして得た適正充電電流IBB以下であればよい。また、実際には、負荷電流ILが一定量IC以上変化したことを検出したときに、蓄電池26の適正充電電流IBBを再計算すればよく、負荷電流ILの検出タイミングは任意である。
(中略)
【0037】
なお、受電設備や電気機器の容量は電力で表示されるものが多いが、商用電源の受電電圧は一定だから、電流値に着目して計算をするとよい。100ボルト系と200ボルト系の2系統の宅内配線がある場合には、いずれか一方、例えば、100ボルト系に換算をして上記の電流値の計算をするとよい。
(中略)
【0040】
充電電流計算手段46(図1)は、負荷電流をILとし、蓄電池26の充電電流をIBとし、最大許容負荷電流をIAとしたとき、IA-(IL+IB)が負荷電流の予備分IRとなるように制御する。即ち、(IL+IB)が(IA-IR)を越えない範囲で蓄電池26の適正充電電流IBBを計算する。IRは、他の宅内機器22の使用を妨げないように余裕を持たせるためのもので、例えば、最大許容負荷電流をIAの10%というように設定してもよい。
(中略)
【0042】
図4は別の充電制御の説明図である。
図4のグラフの形式は図3と同様である。この実施例では、宅内機器22の負荷電流ILが一定値IC以上(例えば、10アンペア以上)変化したとき、蓄電池の充電電流IBを変更するように制御する。そのときの電流値の計算方法は図3の例と同様でよい。また、宅内機器22の負荷電流ILが閾値(例えば、最大許容負荷電流IAの80%)を越えたときは自動的に充電電流IBを遮断する。
【0043】
図3や図4を見てわかるように、送配電線路から深夜電力を受電できる時間帯は、比較的大電流での充電が可能である。一方、昼間に自家発電電源装置24を使用して蓄電池26を充電する場合にはきめの細かい制御が必要になる。なお、充電する蓄電池の充電完了時刻に指定がなければ、小さい電流で充電をし、例えば、昼間は自家発電電源装置24から充電して、残りは深夜電力を充電するといった制御が可能である。
【0044】
この場合には、自家発電電源装置24を使用して蓄電池の充電を開始して、充電が中断したときには、指定された時刻まで待って充電を再開するように制御する。廉価な夜間電力送電開始時を、充電再開時刻に指定しておくとよい。また、逆に廉価な夜間電力を使用して充電を開始しても、充電が完了しないまま、夜間電力送電時刻を過ぎたときには、充電を中断させる。そして、自家発電電源装置24が動作する時刻に充電を再開するとよい。」

図1




図3




(イ)引用文献1の上記記載及び図面によれば、次の事項が記載されている。
a 上記段落【0001】、【0020】によれば、引用文献1には、「蓄電池充電制御システム10」が記載されている。

b 上記段落【0020】、【0021】及び図1によれば、蓄電池充電制御システム10には、分電盤16、自家発電電源装置24、蓄電池26、蓄電池26に電力を充電するための第1充電回路28及び第2充電回路30が設けられている。
そして、段落【0020】の「蓄電池の場所に、電気自動車27の蓄電池も接続できる。」、段落【0025】の「電気自動車等の任意の電池使用機器の蓄電池も、このシステムによる充電の対象である。」との記載から、「蓄電池26」は、電気自動車の蓄電池であるといえる。
さらに、段落【0023】の「自家発電電源装置24は、太陽エネルギを電気エネルギに変換して出力する太陽光発電装置・・が良く知られている。」との記載から、「自家発電電源装置24」は「太陽光発電装置」であるといえる。
よって、引用文献1には、分電盤16、太陽光発電装置である自家発電電源装置24、電気自動車の蓄電池である蓄電池26、蓄電池26に電力を充電するための第1充電回28及び第2充電回路30が設けられた蓄電池充電制御システム10が記載されているといえる。

c 段落【0020】によれば、送配電線路14から分電盤16を介して宅内配線15に商用電力が供給され、段落【0024】によれば、送配電線路14は、電力会社から商用電源を供給するための線路である。
また、段落【0022】によれば、蓄電池充電制御システム10には、自家発電電源装置24の余剰電力の売電制御をするためのパワーコンディショナ18が設けられ、売電のために余剰電力が電力系統側へ送られることは技術常識である。そして、図1によれば、パワーコンデショナ18からの電力が分電盤16に送られることが見て取れるから、引用文献1に記載された蓄電池充電制御システム10では、売電のために自家発電電源装置24の余剰電力は分電盤16を介して送配電線路14へ送られるといえる。
よって、引用文献1に記載された蓄電池充電制御システム10では、電力会社から商用電源を供給するための線路である送配電線路14から分電盤16を介して宅内配線15に商用電力が供給され、売電のために自家発電電源装置24の余剰電力が分電盤16を介して送配電線路14へ送られるといえる。

d 段落【0027】に、「第2充電回路30は、宅内配線15の電力を受け入れて要求されている直流電力を出力し、蓄電池26を充電する回路である。」と記載され、図1によれば、分電盤16から送られる電力を受けて第2充電回路30が蓄電池26を充電することが見て取れる。
よって、引用文献1の「蓄電池26」は、分電盤16からの電力により充電されるといえる。

e 段落【0029】によれば、蓄電池充電制御システム10は、HEMS(ホームエネルギマネージメントサービス)管理サーバ34により制御される。
そして、段落【0030】ないし【0031】によれば、HEMS管理サーバ34は、演算処理装置36を備え、演算処理装置36は、コンピュータプログラムによって機能する機能ブロックである充電電流計算手段46と蓄電池充電制御手段48とが設けられる。
さらに、段落【0032】、【0040】によれば、充電電流計算手段46は、測定された負荷電流をILとし、蓄電池26の充電電流をIBとし、受電電力PTに関する契約電力容量PKから求められる最大許容負荷電流をIAとしたとき、IA-(IL+IB)が負荷電流の予備分IRとなるように、(IL+IB)が(IA-IR)を越えない範囲で蓄電池26の適正充電電流IBBを計算し、IRは他の宅内機器22の使用を妨げないように余裕をもたせるために最大許容負荷電流IAの10%と設定される。
また、段落【0033】によれば、蓄電池充電制御手段48は、蓄電池26を適正充電電流IBBで充電するとともに、測定された負荷電流ILが一定量ICだけ変化するたびに、蓄電池26の適正充電電流IBBを再計算して、蓄電池26の充電電流を変更する機能を持ち、実際の充電電流は、計算をして得た適正充電電流IBB以下である。
よって、引用文献1には、蓄電池充電制御システム10は、HEMS(ホームエネルギマネージメントサービス)管理サーバ34により制御され、HEMS管理サーバ34は、測定された負荷電流をILとし、蓄電池26の充電電流をIBとし、受電電力PTに関する契約電力容量PKから求められる最大許容負荷電流をIAとしたとき、IA-(IL+IB)が負荷電流の予備分IRとなるように、(IL+IB)が(IA-IR)を越えない範囲で蓄電池26の適正充電電流IBBを計算し、IRは他の宅内機器22の使用を妨げないように余裕をもたせるために最大許容負荷電流IAの10%と設定され、蓄電池26を適正充電電流IBBで充電するとともに、測定された負荷電流ILが一定量ICだけ変化するたびに、蓄電池26の適正充電電流IBBを再計算して、蓄電池26の充電電流を変更し、実際の充電電流は、計算をして得た適正充電電流IBB以下であることが記載されているといえる。

f 段落【0043】、【0043】によれば、蓄電池充電制御システム10は、昼間は自家発電電源装置24から充電し、残りは深夜電力を充電する制御の場合、自家発電電源装置24を使用して蓄電池の充電を開始して、充電が中断したときには、夜間電力送電開始時を指定された充電再開時刻まで待って充電を再開するように制御し、また、夜間電力を使用して充電を開始して、充電が完了しないまま夜間電力送電時刻を過ぎたときには、充電を中断させ、自家発電電源装置24が動作する時刻に充電を再開することが記載されているといえる。

(ウ)以上aないしfによれば、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。

「分電盤16、太陽光発電装置である自家発電電源装置24、電気自動車の蓄電池である蓄電池26、蓄電池26に電力を充電するための第1充電回28及び第2充電回路30が設けられた蓄電池充電制御システム10において、
電力会社から商用電源を供給するための線路である送配電線路14から分電盤16を介して宅内配線15に商用電力が供給され、売電のために自家発電電源装置24の余剰電力が分電盤16を介して送配電線路14側へ送られ、
蓄電池26は、分電盤16からの電力により充電され、
蓄電池充電制御システム10は、HEMS(ホームエネルギマネージメントサービス)管理サーバ34により制御され、
HEMS管理サーバ34は、測定された負荷電流をILとし、蓄電池26の充電電流をIBとし、受電電力PTに関する契約電力容量PKから求められる最大許容負荷電流をIAとしたとき、IA-(IL+IB)が負荷電流の予備分IRとなるように、(IL+IB)が(IA-IR)を越えない範囲で蓄電池26の適正充電電流IBBを計算し、IRは他の宅内機器22の使用を妨げないように余裕をもたせるために最大許容負荷電流IAの10%と設定され、蓄電池26を適正充電電流IBBで充電するとともに、測定された負荷電流ILが一定量ICだけ変化するたびに、蓄電池26の適正充電電流IBBを再計算して、蓄電池26の充電電流を変更し、実際の充電電流は、計算をして得た適正充電電流IBB以下であり、
昼間は自家発電電源装置24から充電し、残りは深夜電力を充電する制御の場合、自家発電電源装置24を使用して蓄電池の充電を開始して、充電が中断したときには、夜間電力送電開始時を指定された充電再開時刻まで待って充電を再開するように制御し、また、夜間電力を使用して充電を開始して、充電が完了しないまま夜間電力送電時刻を過ぎたときには、充電を中断させ、自家発電電源装置24が動作する時刻に充電を再開する、
蓄電池充電制御システム10。」

イ 引用文献2
(ア)原査定の拒絶の理由で引用された、特開2016-127634号公報(以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに、次の記載がある。

「【0018】
<第1実施形態>
図1は、太陽光発電システム100の第1構成例を示すブロック図である。太陽光発電システム100は、たとえば単相三線の通電路Pを介して商用電力系統CS及び電力負荷系統LSと電気的に接続される電力制御システムである。この太陽光発電システム100では、太陽電池ストリング1及び蓄電装置2と商用電力系統CSとによる系統連系運転が可能である。また、太陽光発電システム100では、発電した電力を直流から交流に変換し、通電路Pを介して商用電力系統CSに逆潮流(出力)して、該電力を電力会社に売電することも可能となっている。なお、以下では、通電路Pを介して商用電力系統CSに逆潮流されて売電される電力を逆潮流電力と呼び、逆潮流電力及びその電力値をWCで表す。また、商用電力系統CSから買電されて通電路Pに出力される電力を受電電力と呼ぶ。
(中略)
【0020】
第2通電路Pbは商用電力系統CSに接続されている。この第2通電路Pbには、電力量計Mが設けられている。電力量計Mは、第2通電路Pbにおいて電力が流れる方向、その電力量及び電力値を検知する電力検知器であり、その検知結果を示す検知信号をPCS3に出力する。たとえば、電力量計Mは、第2通電路Pbにおいて太陽光発電システム100から商用電力系統CSに向かって電力が流れる場合、太陽光発電システム100が商用電力系統CSに売電していることと逆潮流電力の電力量及び電力値とを検知する。また、電力量計Mは、第2通電路Pbにおいて商用電力系統CSから太陽光発電システム100及び/又は電力負荷系統LSに向かって電力が流れる場合、太陽光発電システム100が商用電力系統CSから買電していることと受電電力の電力量及び電力値とを検知する。
(中略)
【0025】
PCS3は、太陽電池ストリング1及び蓄電装置2と商用電力系統CSとの間に設けられる電力制御装置である。PCS3は、通常時には、たとえばMPPT(Maximum Power Point Tracking)制御により、発電電力Wgが最大となるように太陽電池ストリング1の動作電圧(動作点)を制御する。但し、PCS3は、太陽電池ストリング1での発電量を制限する必要がある場合、太陽電池ストリング1の動作電圧を最大出力動作電圧からずれた値に設定して、その発電電力Wgを調整する。このほか、PCS3は、蓄電装置2の充放電機能を制御することもできる。たとえばPCS3は、蓄電装置2に充電電力を供給して充電させたり、蓄電装置2を放電させて放電電力Wdの供給を受けたりする。
【0026】
このPCS3は、DC/DCコンバータ31と、双方向インバータ32と、双方向DC/DCコンバータ33と、平滑コンデンサ34と、通信部35と、記憶部36と、制御部37と、を有する。DC/DCコンバータ31、双方向インバータ32、及び双方向DC/DCコンバータ33はバスラインBLを介して相互に接続されている。(中略)
(中略)
【0029】
双方向DC/DCコンバータ33は、制御部37により制御される充放電電力変換部であり、バスラインBL及び蓄電装置2間に設けられている。双方向DC/DCコンバータ33は、バスラインBLから入力される直流電力を蓄電装置2に適した直流の充電電力にDC/DC変換して蓄電装置2に出力することができる。また、双方向DC/DCコンバータ33は、蓄電装置2の放電電力Wdを双方向インバータ32の仕様に応じた電力にDC/DC変換してバスラインBLに出力することもできる。なお、以下では、双方向DC/DCコンバータ33がバスラインBLから入力される電力を電力変換して蓄電装置2に出力することを充電方向Aの電力変換と呼ぶ。さらに、充電方向Aの電力変換を充電変換と呼び、充電変換する電力の電力変換量を充電変換量と呼ぶ。また、双方向DC/DCコンバータ33が蓄電装置2の放電電力Wdを電力変換してバスラインBLに出力することを放電方向Bの電力変換と呼ぶ。さらに、放電方向Bの電力変換を放電変換と呼び、放電変換する電力の電力変換量を放電変換量と呼ぶ。
(中略)
【0040】
次に、太陽光発電システム100の電力制御方法について説明する。図3は、第1実施形態での電力制御処理を説明するためのフローチャートである。なお、図3において、売電の場合、双方向インバータ32は逆変換方向bに設定される。これは、後述する他の図(たとえば図7、図9、及び図11)でも同様である。
【0041】
まず、太陽光発電システム100から商用電力系統CSに逆潮流電力WCが逆潮流されて売電されているか否かが判定される(S101)。売電されていると判定されない場合(S101でNO)、処理は後述するS140に進む。売電されていると判定される場合(S101でYES)、双方向DC/DCコンバータ33が充電方向Aに設定されているか否かが判定される(S110)。充電方向Aに設定されていると判定されない場合(S110でNO)、処理は後述するS120に進む。
【0042】
充電方向Aに設定されていると判定される場合(S110でYES)、逆潮流電力WCが上限設定値WSに達するか否かが判定される(S111)。逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定される場合(S111でYES)、逆潮流電力WCを減少させるべく、双方向DC/DCコンバータ33の充電変換量を増加させる(S112)。そのため、発電電力Wgのうち、蓄電装置2に供給される充電電力は多くなり、第1通電路Paに出力される電力は少なくなる。そして、処理はS101に戻る。」

図1




(イ)引用文献2の上記記載及び図面によれば、次の事項が記載されている。
a 上記段落【0018】によれば、引用文献1には、単相三線の通電路Pを介して商用電力系統CS及び電力負荷系統LSと電気的に接続され、発電した電力を直流から交流に変換し、通電路Pを介して商用電力系統CSに逆潮流(出力)して、該電力を電力会社に売電することも可能な太陽光発電システム100が記載されている。

b 段落【0020】によれば、太陽光発電システム100は、太陽光発電システム100から商用電力系統CSに向かって電力が流れる場合、太陽光発電システム100が商用電力系統CSに売電していることと逆潮流電力の電力量及び電力値とを検知する電力量計Mを備える。

c 段落【0025】、【0026】、【0029】によれば、太陽光発電システム100は、太陽電池ストリング1及び蓄電装置2と商用電力系統CSとの間に設けられる電力制御装置であるPCS3を備え、PCS3は、入力される直流電力を蓄電装置2に適した直流の充電電力にDC/DC変換して蓄電装置2に出力する充電変換を行う双方向DC/DCコンバータ33を有する。

d 段落【0041】、【0042】によれば、太陽光発電システム100から商用電力系統CSに逆潮流電力WCが逆潮流されて売電され、逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定される場合、逆潮流電力WCを減少させるべく、双方向DC/DCコンバータ33の充電変換量を増加させ、蓄電装置2に供給される充電電力を多くする。

(ウ)以上aないしdによれば、引用文献2には、次の技術事項(以下、「引用文献2に記載された技術事項」という。)が記載されている。

「単相三線の通電路Pを介して商用電力系統CS及び電力負荷系統LSと電気的に接続され、発電した電力を直流から交流に変換し、通電路Pを介して商用電力系統CSに逆潮流(出力)して、該電力を電力会社に売電することも可能な太陽光発電システム100において、太陽光発電システム100から商用電力系統CSに向かって電力が流れる場合、太陽光発電システム100が商用電力系統CSに売電していることと逆潮流電力の電力量及び電力値とを検知する電力量計Mと、太陽電池ストリング1及び蓄電装置2と商用電力系統CSとの間に設けられる電力制御装置であるPCS3を備え、PCS3は、入力される直流電力を蓄電装置2に適した直流の充電電力にDC/DC変換して蓄電装置2に出力する充電変換を行う双方向DC/DCコンバータ33を有し、太陽光発電システム100から商用電力系統CSに逆潮流電力WCが逆潮流されて売電され、逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定される場合、逆潮流電力WCを減少させるべく、双方向DC/DCコンバータ33の充電変換量を増加させ、蓄電装置2に供給される充電電力を多くすること。」

(3)引用発明との対比
本件補正発明と引用発明とを対比する。

ア 引用発明の「太陽光発電装置である自家発電電源装置24」及び「電力会社から商用電源を供給するための線路である送配電線路14」は、本件補正発明の「分散電源」及び「電力系統」に相当し、引用発明の「分電盤16」は電力を分配する回路といえるから、本件補正発明の「配電回路」に相当する。
また、引用発明では、「電力会社から商用電源を供給するための線路である送配電線路14から分電盤16を介して宅内配線15に商用電力が供給され、自家発電電源装置24の余剰電力が分電盤16を介して送配電線路14側へ送られ」るのであるから、引用発明の「分電盤16」は、「自家発電電源装置24」から「余剰電力」が給電され「送配電線路14」との間で電力を入出力するといえ、本件補正発明の「分散電源から給電されて電力系統との間で電力を入出力する配電回路」に相当する。
そして、引用発明の「蓄電池26は、分電盤16からの電力により充電され」、「蓄電池26」は「電気自動車の蓄電池」である。よって、引用発明では、「分電盤16からの電力」により「電気自動車の蓄電池」である「蓄電池26」が「充電」されるといえ、このことは、本件補正発明の「配電回路からの電力により電動車両の蓄電池を充電する」ことに相当する。
さらに、引用発明の「HEMS管理サーバ34」は、「蓄電池26の適正充電電流IBBを計算」する。そして、「実際の充電電流は、計算をして得た適正充電電流IBB以下であ」ることから、「適正充電電流IBB」とは、「充電電流」がそれを越えない電流、即ち、最大の「充電電流」であるといえる。よって、引用発明における「蓄電池26」の最大の「充電電流」を計算する「HEMS管理サーバ34」は、本件補正発明の「蓄電池を充電するための最大充電電流値を決定する制御部」に相当する。
してみると、引用発明における「自家発電電源装置24」から「余剰電力」が給電され「送配電線路14」との間で電力を入出力する「分電盤16からの電力」により「電気自動車の蓄電池」である「蓄電池26」を「充電」するための最大の「充電電流」を計算する「HEMS管理サーバ34」は、本件補正発明の「分散電源から給電されて電力系統との間で電力を入出力する配電回路からの電力により電動車両の蓄電池を充電するための最大充電電流値を決定する制御部」に相当する。

イ 引用発明の「HEMS管理サーバ34」は、「測定された負荷電流をILとし、蓄電池26の充電電流をIBとし、受電電力PTに関する契約電力容量PKから求められる最大許容負荷電流をIAとしたとき、IA-(IL+IB)が負荷電流の予備分IRとなるように制御、即ち、(IL+IB)が(IA-IR)を越えない範囲で蓄電池26の適正充電電流IBBを計算」するところ、「HEMS管理サーバ34」が「測定された負荷電流IL」と「蓄電池26の充電電流IB」に基づいて「適正充電電流」を計算し、「IR」が「他の宅内機器22の使用を妨げないように余裕をもたせるために最大許容負荷電流IAの10%と設定され」ていることからすれば、(IL+IB)が(IA-IR)を越えるケースは当然想定されていることであり、(IL+IB)が(IA-IR)を越えた場合、「HEMS管理サーバ34」が蓄電池26の適正充電電流IBBを小さくするよう制御することは明らかである。
そして、引用発明の「HEMS管理サーバ34」における「適正充電電流IBB」の「計算」は、「HEMS管理サーバ34」における一つの「処理」といえる。
よって、引用発明と本件補正発明とは、「制御部は、第2処理を有し、前記第2処理は、所定の条件の場合、最大充電電流値を小さくする処理を含」む点で共通する。
ただし、制御部に関し、本件補正発明は、「第1処理、を有し、前記第1処理は、前記配電回路から前記電力系統に出力される第1電力が第1閾値よりも大きい場、前記最大充電電流値を大きくする処理を含」み、第2処理が「前記電力系統から前記配電回路に入力される第2電力が第2閾値よりも大きい場合」最大充電電流値を小さくするのに対し、引用発明は、「第1処理」について特定されておらず、「第2処理」が「電力系統から前記配電回路に入力される第2電力が第2閾値よりも大きい場合」に最大充電電流値を小さくすることが特定されていない点で相違する。

ウ 引用発明において、「昼間は自家発電電源装置24から充電し、残りは深夜電力を充電する制御の場合、自家発電電源装置24を使用して蓄電池の充電を開始して、充電が中断したときには、夜間電力送電開始時を指定された充電再開時刻まで待って充電を再開するように制御し、また、夜間電力を使用して充電を開始して、充電が完了しないまま夜間電力送電時刻を過ぎたときには、充電を中断させ、自家発電電源装置24が動作する時刻に充電を再開する」ことは、指定された時間帯に蓄電池を充電する1つの充電モードであるといえ、本件補正発明の「決められた時間帯に前記蓄電池を充電する許可時間充電モード」に相当する。
なお、本件補正発明の「前記制御部は、前記蓄電池を常に満充電の状態にするための強制充電モード、決められた時間帯に前記蓄電池を充電する許可時間充電モード、前記第1電力が発生した場合にのみ、前記蓄電池を充電する逆潮充電モード、及び前記決められた時間帯であるか否かの判定結果、及び前記第1電力が発生しているか否かの判定結果に基づいて前記蓄電池を充電する逆潮・許可時間充電モードのいずれかで、前記第1処理と前記第2処理との少なくとも一方を実行する」との発明特定事項は、「制御部」が「・・・強制充電モード、・・・許可時間充電モード、・・・逆潮充電モード、及び・・・逆潮・許可時間充電モード」の「いずれか」で、「前記第1処理と前記第2処理との少なくとも一方を実行する」ことを規定しているのみであって、「・・・強制充電モード、・・・許可時間充電モード、・・・逆潮充電モード、及び・・・逆潮・許可時間充電モード」の各モード全てを備えることを必須の要件とするものではないから、本件補正発明における「制御部」が「前記蓄電池を常に満充電の状態にするための強制充電モード」、「前記第1電力が発生した場合にのみ、前記蓄電池を充電する逆潮充電モード」及び「前記決められた時間帯であるか否かの判定結果、及び前記第1電力が発生しているか否かの判定結果に基づいて前記蓄電池を充電する逆潮・許可時間充電モード」の「いずれかで、前記第1処理と前記第2処理との少なくとも一方を実行する」ことは、引用発明に対する相違点とはいえない。
そして、引用発明では、「深夜電力を充電する制御の場合」においても「蓄電池26の適正充電電流IBB」が「計算」されることは明らかであり、上記イを踏まえれば、引用発明と本件補正発明とは、「制御部は、決められた時間帯に前記蓄電池を充電する許可時間充電モードで、前記第2処理を実行する」点で一致する。

エ 引用発明の「蓄電池充電制御システム」は、「分電盤16」、「自家発電電源装置24、「電気自動車の蓄電池である蓄電池26」、「蓄電池26に電力を充電するための第1充電回28及び第2充電回路30」等の装置からなるから、本件補正発明の「充電装置」に相当する。

よって、アないしエによれば、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は以下のとおりである。

(一致点)
「分散電源から給電されて電力系統との間で電力を入出力する配電回路からの電力により電動車両の蓄電池を充電するための最大充電電流値を決定する制御部を備え、
前記制御部は、第2処理を有し、
前記第2処理は、所定の条件の場合、前記最大充電電流値を小さくする処理を含み、
前記制御部は、
決められた時間帯に前記蓄電池を充電する許可時間充電モードで、前記第2処理を実行する
充電装置。」

(相違点)
制御部に関し、本件補正発明は、「第1処理を有し、前記第1処理は、前記配電回路から前記電力系統に出力される第1電力が第1閾値よりも大きい場合、前記最大充電電流値を大きくする処理を含」み、第2処理が「前記電力系統から前記配電回路に入力される第2電力が第2閾値よりも大きい場合、前記最大充電電流値を小さくする」のに対し、引用発明は、「第1処理」について特定されておらず、「第2処理」が「電力系統から前記配電回路に入力される第2電力が第2閾値よりも大きい場合」に最大充電電流値を小さくすることが特定されていない点。

(4)相違点に対する判断
ア 「第1処理」について
(ア)上記「(2) イ」で述べたように、引用文献2には、「単相三線の通電路Pを介して商用電力系統CS及び電力負荷系統LSと電気的に接続され、発電した電力を直流から交流に変換し、通電路Pを介して商用電力系統CSに逆潮流(出力)して、該電力を電力会社に売電することも可能な太陽光発電システム100において、太陽光発電システム100から商用電力系統CSに向かって電力が流れる場合、太陽光発電システム100が商用電力系統CSに売電していることと逆潮流電力の電力量及び電力値とを検知する電力量計Mと、太陽電池ストリング1及び蓄電装置2と商用電力系統CSとの間に設けられる電力制御装置であるPCS3を備え、PCS3は、入力される直流電力を蓄電装置2に適した直流の充電電力にDC/DC変換して蓄電装置2に出力する充電変換を行う双方向DC/DCコンバータ33を有し、太陽光発電システム100から商用電力系統CSに逆潮流電力WCが逆潮流されて売電され、逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定される場合、逆潮流電力WCを減少させるべく、双方向DC/DCコンバータ33の充電変換量を増加させ、蓄電装置2に供給される充電電力を多くすること。」の技術事項が記載されている。
つまり、引用文献2には、商用電力系統に逆潮流(出力)して電力を電力会社に売電する際、逆潮流電力が上限設定値に達すると判定される場合、蓄電装置に供給される充電電力を多くすることが記載されているといえる。

(イ)そして、引用発明の「蓄電池充電制システム10」と引用文献2の「太陽光発電システム100」とは、蓄電池を充電する充電装置と太陽光発電装置を備えた電力システムという共通の技術分野に属し、さらに、発電した電力を商用電力系統側に送ることにより電力を電力会社に売電するという共通の機能を有するものである。
してみると、引用発明に引用文献2に記載された技術事項を採用し、「売電のために自家発電電源装置24の余剰電力が分電盤16を介して送配電線路14側へ送られ」、「送配電線路14側へ送られ」ている「電力」、即ち、逆潮流電力が上限設定値に達すると判定された場合、蓄電装置2に供給される充電電力を多くすることは容易に想到し得たことであり、充電電力を多くするために「HEMS管理サーバ34」において「適正充電電流IBB」を大きくするように計算することは、当業者にとって格別の技術的困難性を伴うことではない。

(ウ)よって、相違点に係る「第1処理」は、引用発明に引用文献2に記載された技術事項を採用することにより当業者が容易になし得たことである。

イ 「第2処理」について
(ア)引用文献1の【発明が解決しようとする課題】の欄には、「ここで、蓄電池に夜間電力を充電するときには、蓄電池は他の電力機器と同様に、電源に対する負荷として動作する。即ち、電源から蓄電池に向かって負荷電流が流れる。」(段落【0004】を参照)、「このように蓄電池を充電しながら暖房機や給湯器を動作させると、契約電力容量を越えてしまう場合がある。特に、蓄電池の特性上、充電開始時には大きな充電電流が流れ、充電終了時には充電電流が減少する。これにより、他の電力機器の使用を妨げ、ブレーカを動作させてしまうおそれもある。充電電流を十分に低く設定しておけば、この問題は無いが、充電時間が長時間になってしまう。」(段落【0005】を参照。)と記載されており、該記載からすれば、引用発明は、夜間に蓄電池を充電する場合、他の機器を動作させると契約電力容量を越えてしまうという課題を解決するために成されたものである。

(イ)ここで、引用発明の「自家発電電源装置24」は、太陽光発電装置であることから、夜間では電力が出力されないため、夜間における引用発明の「負荷電流」と「蓄電池26への充電電流」の和は、「送配電線路14」から「分電盤16」に供給される電流に相当する。
そして、引用発明の「HEMS管理サーバ34」は、「測定された負荷電流をILとし、蓄電池26の充電電流をIBとし、受電電力PTに関する契約電力容量PKから求められる最大許容負荷電流をIAとしたとき、IA-(IL+IB)が負荷電流の予備分IRとなるように制御、即ち、(IL+IB)が(IA-IR)を越えない範囲で蓄電池26の適正充電電流IBBを計算」し、また、上記「(3)イ」で述べたように、(IL+IB)が(IA-IR)を越えるケースは当然想定されていることであり、(IL+IB)が(IA-IR)を越えた場合、「HEMS管理サーバ34」が蓄電池26の適正充電電流IBBを小さくするよう制御することは明らかであるから、「HEMS管理サーバ34」は、少なくとも夜間において、送配電線路14から分電盤16に供給される電流が閾値を越えた場合、適正充電電流IBBを小さくするといえる。
さらに、上記引用文献1の段落【0037】によれば、引用発明の「送配電線路14」から供給される「商用電源」の受電電圧は一定であり、電力は電流と電圧との積であることからすれば、引用発明の「HEMS管理サーバ34」は、少なくとも夜間において、送配電線路14から分電盤16に供給される電力が閾値を越えた場合、適正充電電流IBBを小さくすることと同等な処理を行っているといえる。
よって、「第2処理」における「電力系統から前記配電回路に入力される第2電力が第2閾値よりも大きい場合」に最大充電電流値を小さくすることは、実質的な相違点とはいえない。

(ウ)仮に、最大充電電流値の制御を、本件補正発明は、電力系統から配電回路に入力される「電力」に基づいているのに対し、引用発明は、送配電線路14から分電盤16に供給される「電流」に基づいている点で相違するとしても、上記のように、引用発明の「送配電線路14」から供給される「商用電源」の受電電圧は一定であり、電力は電流と電圧との積であることからすれば、引用発明においても、送配電線路14から分電盤16に供給される「電力」に基づいて最大充電電流値を制御することは当業者が適宜なし得ることである。
また、電力系統から供給される電力が所定の閾値しきいを越えた場合、蓄電池への充電電流や充電電力を下げることも慣用的に行われている事項に過ぎないから(必要とあれば、特開2005-65480号公報の段落【0029】ないし【0032】、特開2012-244801号公報の段落【0033】ないし【0037】、特開2012-200084号公報の段落【0020】ないし【0025】を参照)、この点からしても、引用発明において、送配電線路14から分電盤16に供給される「電力」に基づいて最大充電電流値を制御することは当業者が適宜なし得ることである。
よって、仮に、「第2処理」における「電力系統から前記配電回路に入力される第2電力が第2閾値よりも大きい場合」に最大充電電流値を小さくすることが実質的な相違点であるとしても、相違点に係るこのような構成は、引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。

ウ 以上から、相違点に係る構成は、引用発明に引用文献2に記載された技術を適用し、当業者が容易になし得たことである。
そして、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明、引用文献2に記載された技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない

エ 審判請求人の主張について
(ア)請求人は、令和2年12月21日付けの審判請求書において、「本願発明は、「前記制御部は、前記蓄電池を常に満充電の状態にするための強制充電モード、決められた時間帯に前記蓄電池を充電する許可時間充電モード、前記第1電力が発生した場合にのみ、前記蓄電池を充電する逆潮充電モード、及び前記決められた時間帯であるか否かの判定結果、及び前記第1電力が発生しているか否かの判定結果に基づいて前記蓄電池を充電する逆潮・許可時間充電モードのいずれかで、前記第1処理と前記第2処理との少なくとも一方を実行する」、という構成を備える。
一方、引用文献1、2には、上述の各モードについての記載及び示唆はない。
すなわち、本願発明の上述の各モードが引用文献1、2には記載、示唆されていないことから、本願発明は、引用文献1、2に記載されたものとは異なる。さらに、引用文献1、2には、上述の各モードのいずれかで第1処理と第2処理との少なくとも一方を実行することの動機付けもない。すなわち、本願発明は、上述の各モードの記載、示唆がない引用文献1、2からは着想できず、引用文献1、2に基づいて本願発明が容易に想到できたとは考えられない。」と主張する。

(イ)上記「(3)ウ」で検討したとおり、本件補正発明は、「・・・強制充電モード、・・・許可時間充電モード、・・・逆潮充電モード、及び・・・逆潮・許可時間充電モード」の「いずれか」で、「前記第1処理と前記第2処理との少なくとも一方を実行する」ことを規定しているのみであって、「・・・強制充電モード、・・・許可時間充電モード、・・・逆潮充電モード、及び・・・逆潮・許可時間充電モード」の各モード全てを備えることを必須の要件とするものではないから、本件補正発明における「制御部」が「前記蓄電池を常に満充電の状態にするための強制充電モード」、「前記第1電力が発生した場合にのみ、前記蓄電池を充電する逆潮充電モード」及び「前記決められた時間帯であるか否かの判定結果、及び前記第1電力が発生しているか否かの判定結果に基づいて前記蓄電池を充電する逆潮・許可時間充電モード」の「いずれかで、前記第1処理と前記第2処理との少なくとも一方を実行する」ことは、引用発明に対する相違点とはいえない。
そして、引用発明は、上記「(3)ウ」で述べたように、指定された時間帯に蓄電池を充電する充電モードを有し、上記「イ(イ)」の点も踏まえれば、該充電モードにおいて、送配電線路14側から分電盤16に供給される電力が閾値を越えた場合、適正充電電流IBBを小さくすることは明らかである。

(ウ)仮に、本件補正発明が、「・・・強制充電モード、・・・許可時間充電モード、・・・逆潮充電モード、及び・・・逆潮・許可時間充電モード」の4つの充電モードを備えるものとしても、引用発明においてこのような4つの充電モードを備えることは、以下のとおり当業者が容易になし得たことである。

a 通常時、常に蓄電池を満充電の状態に充電することは普通に行われていることであるから(必要とあれば、特開2016-185054号公報の段落【0059】、特開2015-165732号公報の【0047】を参照)、引用発明において、通常時、常に蓄電池を満充電の状態に充電するような充電モードを備えることに格別な困難性はない。

b 引用文献2の段落【0050】ないし【0051】、及び、図3に示されたフローチャートを参照すると、引用文献2に記載された「太陽光発電システム100」では、売電されていない場合、即ち、太陽光発電システム100から商用電力系統CSに逆潮流電力WCが逆潮流されていない場合、蓄電装置2に対する充電制御は行わない。
そして、引用文献2に記載された技術事項では、「太陽光発電システム100から商用電力系統CSに逆潮流電力WCが逆潮流されて売電され、逆潮流電力WCが上限設定値WSに達すると判定される場合、逆潮流電力WCを減少させるべく、双方向DC/DCコンバータ33の充電変換量を増加させ、蓄電装置2に供給される充電電力を多くする」ことから、引用文献2に記載された「太陽光発電システム100」は、太陽光発電システム100から商用電力系統CSに逆潮流電力WCが逆潮流されて売電されている場合にのみ、蓄電装置2を充電しているといえる。
よって、引用発明に引用文献2に記載された技術を採用し、分電盤16から送配電線路14に逆潮流電力が逆潮流されて売電されている場合にのみ、蓄電池26を充電する充電モードを備えることは当業者が容易になし得たことである。

c 引用発明では、「昼間は自家発電電源装置24から充電し、残りは深夜電力を充電する制御」を行うところ、上記bで述べたように、引用文献2に記載された「太陽光発電システム100」は、太陽光発電システム100から商用電力系統CSに逆潮流電力WCが逆潮流されて売電されている場合にのみ、蓄電装置2を充電している。
よって、引用発明に引用文献2に記載された技術を採用し、引用発明において、「昼間」に「自家発電電源装置24から充電」する際、「太陽光発電装置である自家発電電源装置24」から「送配電線路14」に逆潮流電力が逆潮流されている場合にのみ「蓄電池26」を充電することは当業者が容易に想到し得たことである。
さらに、引用発明は「昼間は自家発電電源装置24から充電し、残りは深夜電力を充電する制御の場合」、「自家発電電源装置24を使用して蓄電池の充電を開始して、充電が中断したときには、夜間電力送電開始時を指定された充電再開時刻まで待って充電を再開するように制御し、また、夜間電力を使用して充電を開始して、充電が完了しないまま夜間電力送電時刻を過ぎたときには、充電を中断させ、自家発電電源装置24が動作する時刻に充電を再開する」のであるから、引用発明に引用文献2に記載された技術を採用したものにおいても、指定された時間であるか否かの判定結果、及び、逆潮流電力が逆潮流されているか否かの判定結果に基づいて蓄電池を充電するといえる。
よって、引用発明に引用文献2に記載された技術を採用し、指定された時間であるか否かの判定結果、及び、逆潮流電力が逆潮流されているか否かの判定結果に基づいて蓄電池を充電する充電モードを備えることは当業者が容易になし得たことである。

d そして、上記「(3)ウ」で述べた点も踏まえれば、引用発明に引用文献2に記載された技術を採用し、「強制充電モード」、「許可時間充電モード」、「逆潮充電モード」、及び「逆潮・許可時間充電モード」の4つの充電モードを備えることは、当業者が容易になし得たことである。

(エ)以上から、請求人の主張は採用できない。

(5)したがって、本件補正発明は、引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
したがって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
令和2年12月21日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし10に係る発明は、令和2年8月31日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(本願発明)は、その請求項1に記載された事項により特定される、上記「第2[理由]1」に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由の概要
この出願の請求項1ないし2、9ないし10に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない、
この出願の請求項1ないし5、8ないし10に係る発明は、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、この出願の請求項1ないし10に係る発明は、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明に及び引用文献2に記載された技術事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
<引用文献等一覧>
1.特開2012-191773号公報
2.特開2016-127634号公報

3 引用文献、引用発明
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項、引用発明、及び、引用文献2の記載事項、引用文献2に記載された技術事項は、前記「第2[理由]2(2)」に記載したとおりである。

4 引用発明との対比
本願発明と引用発明とを対比する。

ア 上記「第2[理由]2(3)ア」で述べた点を踏まえれば、引用発明は、本願発明の「分散電源から給電されて電力系統との間で電力を入出力する配電回路からの電力により電動車両の蓄電池を充電するための最大充電電流値を決定する制御部」に相当する構成を備えている。

イ 上記「第2[理由]2(3)イ」で述べた点を踏まえれば、引用発明と本願発明とは、「制御部は、第1処理と、第2処理と、のうち、少なくとも前記第2処理を有し、前記第2処理は、所定の条件の場合、最大充電電流値を小さくする処理を含」む点で共通する。
ただし、第2処理に関し、本願発明は「電力系統から前記配電回路に入力される第2電力が第2閾値よりも大きい場合」に最大充電電流値を小さくするのに対し、引用発明は「電力系統から前記配電回路に入力される第2電力が第2閾値よりも大きい場合」に最大充電電流値を小さくすることが特定されていない点で相違する。

そうすると、本願発明と引用発明との一致点及び相違点’は以下のとおりである。

(一致点)
「分散電源から給電されて電力系統との間で電力を入出力する配電回路からの電力により電動車両の蓄電池を充電するための最大充電電流値を決定する制御部を備え、
前記制御部は、第1処理と、第2処理と、のうち、少なくとも前記第2処理を有し、
前記第2処理は、所定の条件の場合、前記最大充電電流値を小さくする処理を含む、
充電装置。」

(相違点’)
第2処理に関し、本願発明は「電力系統から前記配電回路に入力される第2電力が第2閾値よりも大きい場合」に最大充電電流値を小さくするのに対し、引用発明は「電力系統から前記配電回路に入力される第2電力が第2閾値よりも大きい場合」に最大充電電流値を小さくすることが特定されていない点。

5 相違点’に対する判断
ア 上記「第2[理由]2(4)イ(イ)」で述べた点を踏まえれば、上記相違点’は実質的な相違点とはいえない。

イ 仮に、上記相違点’が実質的な相違点であるとしても、上記「第2[理由]2(4)イ(ウ)」で述べた点を踏まえれば、上記相違点’は、引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得たことである。

ウ したがって、本願発明は、引用文献1に記載された発明であり、また、引用文献1に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第4 むすび
以上のとおり,請求項1に係る発明は特許法第29条第1項第3号に該当し,特許を受けることができず、また、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから,他の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶されるべきものである。
よって,結論のとおり審決する。

 
審理終結日 2021-08-18 
結審通知日 2021-08-24 
審決日 2021-09-08 
出願番号 特願2017-17968(P2017-17968)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H02J)
P 1 8・ 113- Z (H02J)
P 1 8・ 575- Z (H02J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宮本 秀一  
特許庁審判長 酒井 朋広
特許庁審判官 永井 啓司
畑中 博幸
発明の名称 充電装置及び電力需給システム  
代理人 特許業務法人北斗特許事務所  

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