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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1379438
審判番号 不服2021-4360  
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-04-05 
確定日 2021-10-28 
事件の表示 特願2019-138393号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年10月17日出願公開、特開2019-177279号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件に係る出願(以下「本願」という。)は、令和1年7月27日の出願であって、令和2年6月12日付けで拒絶理由が通知され、同年7月27日に意見書及び手続補正書が提出され、同年9月17日に最後の拒絶理由が通知され、同年11月20日に意見書及び手続補正書が提出され、同年12月16日付け(謄本送達日:令和3年1月5日)で令和2年11月20日提出の手続補正書による補正が却下されるともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、これに対し、令和3年4月5日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年4月5日に提出された手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲についてする補正を含むものであって、令和2年7月27日提出の手続補正書によって補正された本件補正前の請求項1に、
「【請求項1】
複数種類の表示演出を実行可能な表示手段を備える遊技機であって、
前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第1の表示演出をおこなう場合があり、
前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第2の表示演出をおこなう場合があり、
前記第1の表示演出は、複数のリーチ演出選択領域から成る第1の領域を表示する演出であり、
前記第2の表示演出は、複数のリーチ演出選択領域から成る第2の領域を表示する演出であり、
前記リーチ演出選択領域は、所定のリーチ演出への発展を示唆するリーチ演出示唆画像を含む領域であり、
前記第2の領域における前記複数のリーチ演出選択領域は、前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域に対応しないリーチ演出選択領域を含んでおり、
前記第1の表示演出と前記第2の表示演出とを含む組み合わせ演出がおこなわれる場合があり、
前記組み合わせ演出では、前記第1の表示演出がおこなわれた後、前記第2の表示演出がおこなわれ、その後、前記第2の領域における前記複数のリーチ演出選択領域のうちの一つのリーチ演出選択領域が選択され、選択されたリーチ演出選択領域に含まれる前記リーチ演出示唆画像が表すリーチ演出がおこなわれる、
ことを特徴とする遊技機。」とあったものを、

「複数種類の表示演出を実行可能な表示手段を備える遊技機であって、
前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第1の表示演出をおこなう場合があり、
前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第2の表示演出をおこなう場合があり、
前記第1の表示演出は、複数のリーチ演出選択領域を合算して成る第1の領域を表示する演出であり、
前記第2の表示演出は、複数のリーチ演出選択領域を合算して成る第2の領域を表示する演出であり、
前記リーチ演出選択領域は、所定のリーチ演出への発展を示唆するリーチ演出示唆画像を含む領域であり、
前記第2の領域における前記複数のリーチ演出選択領域は、前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域に対応しないリーチ演出選択領域を含んでおり、
前記第2の領域における前記複数のリーチ演出選択領域のうち、前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域に対応するリーチ演出選択領域は、それぞれ、対応する前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域と比較して形状が変化しており、
前記第1の領域と前記第2の領域との形状は同じ形状であり、
前記第1の表示演出と前記第2の表示演出とを含む組み合わせ演出がおこなわれる場合があり、
前記組み合わせ演出では、前記第1の表示演出がおこなわれた後、前記第2の表示演出がおこなわれ、その後、前記第2の領域における前記複数のリーチ演出選択領域のうちの一つのリーチ演出選択領域が選択され、選択されたリーチ演出選択領域に含まれる前記リーチ演出示唆画像が表すリーチ演出がおこなわれる、
ことを特徴とする遊技機。」とする補正を含むものである(なお、下線は補正前後の箇所を明示するために合議体が付した。)。

2 補正の適否について
(1) 補正の目的
ア 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「複数のリーチ演出選択領域から成る第1の領域」を「複数のリーチ演出選択領域を合算して成る第1の領域」と限定するものである。

イ 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「複数のリーチ演出選択領域から成る第2の領域」を「複数のリーチ演出選択領域を合算して成る第2の領域」と限定するものである。

ウ 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「リーチ演出選択領域」に関し、「前記第2の領域における前記複数のリーチ演出選択領域のうち、前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域に対応するリーチ演出選択領域は、それぞれ、対応する前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域と比較して形状が変化しており、」と限定するものである。

エ 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「第1の領域」及び「第2の領域」に関し、「前記第1の領域と前記第2の領域との形状は同じ形状であり、」と、限定するものである。

オ 上記アないしエからみて、本件補正は、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

(2)新規事項
本件補正は、本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面における【1040】、【1041】、【1045】、【1046】、図158及び図159等の記載に基づくものであり、新たな技術事項を導入するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

3 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)についても、以下、検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明を再掲すると、次のとおりのものである(なお、AないしLについては、分説するため合議体が付した。以下A等を付した事項を「特定事項A」等という。)。

「A 複数種類の表示演出を実行可能な表示手段を備える遊技機であって、
B 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第1の表示演出をおこなう場合があり、
C 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第2の表示演出をおこなう場合があり、
D 前記第1の表示演出は、複数のリーチ演出選択領域を合算して成る第1の領域を表示する演出であり、
E 前記第2の表示演出は、複数のリーチ演出選択領域を合算して成る第2の領域を表示する演出であり、
F 前記リーチ演出選択領域は、所定のリーチ演出への発展を示唆するリーチ演出示唆画像を含む領域であり、
G 前記第2の領域における前記複数のリーチ演出選択領域は、前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域に対応しないリーチ演出選択領域を含んでおり、
H 前記第2の領域における前記複数のリーチ演出選択領域のうち、前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域に対応するリーチ演出選択領域は、それぞれ、対応する前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域と比較して形状が変化しており、
I 前記第1の領域と前記第2の領域との形状は同じ形状であり、
J 前記第1の表示演出と前記第2の表示演出とを含む組み合わせ演出がおこなわれる場合があり、
K 前記組み合わせ演出では、前記第1の表示演出がおこなわれた後、前記第2の表示演出がおこなわれ、その後、前記第2の領域における前記複数のリーチ演出選択領域のうちの一つのリーチ演出選択領域が選択され、選択されたリーチ演出選択領域に含まれる前記リーチ演出示唆画像が表すリーチ演出がおこなわれる、
L ことを特徴とする遊技機。」

(2)引用文献の記載事項
ア 原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用され、本願出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2012-235823号公報(平成24年12月6日出願公開、以下同じく「引用文献1」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている(なお、下線は引用発明等の認定に関連する箇所を明示するために合議体が付した。以下同様。)。

(ア) 「【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば、パチンコ遊技機やコイン遊技機等で代表される遊技機に関し、特に、遊技者が所定の遊技を行ない、遊技の結果が特定遊技結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機に関する。
・・・略・・・
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述のような従来の遊技機においては、実行するリーチ演出が、最初に表示された複数の画像に対応するリーチ演出のうちのいずれかに限定されるので、演出を選択するときの演出態様に変化が乏しいという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、演出を選択するときの演出態様を変化に富んだものとすることで遊技の興趣を向上させることを可能とする遊技機を提供することである。
【0007】
(1) 遊技者が所定の遊技を行ない、遊技の結果が特定遊技結果(変動表示結果が大当り表示結果)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
遊技者の操作を受付ける操作手段(プッシュボタン31B)と、
画像を表示する画像表示手段(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、画像表示装置5)と、
該画像表示手段において、特定演出を選択するための特定画像(演出選択肢51?54)が複数表示される(図7(B),(C)、図8(B),(C)等の選択肢提示画像)とともに、予め定められた有効期間中に前記操作手段が操作されたことに応じて、表示されている複数の特定画像(演出選択肢51?54)のうちからいずれかの特定画像が選択される(図7(F)、図8(F)等の選択状態提示画像)選択演出(リーチ選択演出)を実行するか否かを決定する選択演出決定手段(図14のS273,S274)と、
前記画像表示手段において、該選択演出決定手段の決定結果に基づいて前記選択演出を実行するとともに、該選択演出において選択された前記特定画像に応じた特定演出を実行する特定演出実行手段(図16のS172、図18のS522,S523、図19のS540?S547、図26のS540?S547A)と、
前記選択演出において表示する前記特定画像の種類および/または数を、前記有効期間中に変化させるか否かを決定する特定画像変化決定手段(図14のS273,S274)と、
該特定画像変化決定手段により前記有効期間中に変化させる決定がされたときに、前記選択演出において表示されている前記特定画像の種類および/または数を、前記有効期間の途中に設定された変化点(図20に示す変化点のようなリーチ選択演出の開始時から所定時間(たとえば5秒)が経過したタイミング)から変化させる(図7(D),(E)、図8(D),(E))特定画像変化手段(図18のS523)とを備える。
【0008】
このような構成によれば、有効期間中に操作手段が操作されたことに応じて特定演出を選択するための特定画像の種類および/または数が、有効期間の途中に設定された変化点から変化させられるので、有効期間中において操作手段が操作されなかった期間の長さに応じて、操作に応じて選択できる特定画像の種類および/または数が変化する場合が生じる。これにより、有効期間中に操作手段が操作されるタイミングにより特定演出の選択範囲が変化するので、演出を選択するときの演出態様を変化に富んだものとすることができ、これにより、遊技の興趣を向上させることができる。」

(イ) 「【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はパチンコ遊技機に限られず、コイン遊技機等のその他の遊技機であってもよく、遊技者が所定の遊技を行ない、遊技の結果が特定遊技結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する遊技機であればよい。
【0031】
〔第1実施形態〕
図1は、この実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図である。図2は、パチンコ遊技機に搭載された各種の制御基板等を示す構成図である。
・・・略・・・
【0034】
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、たとえばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特別図柄ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特別図柄の変動表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特別図柄の変動表示のそれぞれに対応して、たとえば3つといった複数の変動表示部となる飾り図柄表示エリアで、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が変動表示される。この飾り図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。」

(ウ) 「【0150】
次に、本実施の形態において実行される演出の1つとしてのリーチ選択演出を説明する。リーチ選択演出は、スーパーリーチを実行するときのリーチ演出を選択するために行なわれる演出であり、画像表示装置5において以下に示すような画像を表示する制御が行なわれるとともに、必要に応じて、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力する制御が行なわれる。
【0151】
図5?図8は、リーチ選択演出の演出例を示す画像表示装置5の表示画面図である。図5においては、提示された3つの演出選択肢の中から1つの演出選択肢が選択され、選択された演出選択肢に対応する演出が実行される例が示されている。
【0152】
図5を参照して、スーパーリーチの演出が行なわれるときには、変動表示においてリーチ表示態様となったときに、(A)のように、飾り図柄が画面隅部で縮小画像50で表示され、画面中央部において、「リーチを選べ」というような、特定演出としてのリーチ演出(スーパーリーチのリーチ演出)で用いられる演出を選択することを要求する選択要求画像が表示される。そして、(B),(C)のように、特定演出を選択するための特定画像である3つの演出選択肢51,52,53を提示する表示としての選択肢提示画像が表示される。
【0153】
第1演出選択肢51は、Aリーチの演出に対応した演出選択肢である。第2演出選択肢52は、Bリーチの演出に対応した演出選択肢である。第3演出選択肢53はCリーチの演出に対応した演出選択肢である。ここで、Aリーチ、Bリーチ、および、Cリーチは、演出時に表示されるキャラクタが異なる等、演出態様が異なるリーチ演出が実行されるリーチである。この実施の形態の場合は、スーパーリーチの基本的なリーチ演出としてこれら3つのリーチ演出が設けられている。また、この実施の形態では、基本的なリーチ演出以外のリーチ演出として、Dリーチ、Eリーチ、AB共同リーチ、AC共同リーチ、および、BC共同リーチが設けられている。このような共同リーチとは、たとえば、AB共同リーチの場合は、Aリーチにおいて表示されるキャラクタと、Bリーチに表示されるキャラクタとが同時に表示されて、A,Bの各リーチでは表示されないような共同動作をする等の各リーチでは実行されない特別な演出が行なわれるリーチである。このように、共同リーチにおいては、選択された複数の演出選択肢に対応する複数のリーチ演出を複合した態様のリーチ演出が行なわれる。これら複数種類のリーチ演出は、演出時に表示されるキャラクタが異なる等、演出態様が異なるとともに、はずれとなるときに選択される割合、および、大当りとなるときに選択される割合が異なる。
【0154】
また、(B),(C)のように、選択肢提示画像では、表示された3つの演出選択肢51,52,53のうち、いずれか1つまたは複数の外周を所定幅で囲む画像(付随する画像)であって、演出選択肢を選択する指標となる選択指標画像である選択指標71が、演出選択肢51,52,53のそれぞれの画像の外周に沿った表示位置で表示される。選択肢提示画像では、演出選択肢51,52,53のうち、選択指標71が外周に表示されたものが、対応するリーチ演出が選択されるものに該当することが示される。選択指標71は、演出選択肢51,52,53の各外周を所定順番で巡回して発光表示させるような態様で、各演出選択肢の外周において所定順番で出没表示される。これにより、演出選択肢51,52,53それぞれの外周の表示位置を選択指標71が順番に移動していくような表示の変化態様で、選択指標71の表示位置が変化することによって、演出選択肢51,52,53が所定の順番で選択される状態の選択肢提示画像が表示されることとなる。
・・・略・・・
【0161】
図7を参照して、スーパーリーチの演出が行なわれるときには、図5(A)?(C)と同様の選択要求画像および選択肢提示画像が表示された後、リーチ選択演出の開始時から所定時間(たとえば5秒)が経過したタイミングのように、操作有効期間の途中に設定された変化点(変化時点)で、(D)のように、爆発を示す画像が表示された後、(E)のように、4つの演出選択肢51,52,53,54を提示する表示としての選択肢提示画像が表示される。この場合において、爆発表示の後(E)には、爆発表示の前(C)と比べて、提示する演出選択肢の数が増加させられる。第4演出選択肢54はDリーチの演出に対応した演出選択肢である。4つの演出選択肢51,52,53,54は、所定順番で選択指標71が表示されることで、選択指標71の表示位置が変化し、演出選択肢51,52,53,54が所定の順番で選択指標の対象として特定されることとなる。
【0162】
そして、所定の操作有効期間内にプッシュボタン31Bが遊技者により操作されると、その操作に応じて、(F)のように、選択指標71の表示位置が変化する表示が停止し、いずれか1つの演出選択肢(図7の場合は第4演出選択肢54)の外周で選択指標71が固定的に表示されることで、1つの演出選択肢が選択指標71により固定的に選択され、演出選択肢51,52,53,54の選択状態が特定される表示としての選択状態提示画像が表示される。このような選択状態提示画像は、操作有効期間が終了するまで継続して表示される。
【0163】
そして、1つの演出選択肢が選択されたことに基づいて、(G)のように、たとえば「Dリーチ!」というような選択決定されたリーチ演出を示すメッセージと、選択決定されたリーチ演出において表示される所定のキャラクタC2とが表示され、選択された演出選択肢に対応するリーチ演出(図7の場合はDリーチの演出)がスーパーリーチの演出として実行される。
【0164】
図7のようなリーチ選択演出が行なわれれば、提示した演出選択肢の選択状態が、演出選択肢の選択中における所定のタイミングで変更されるので、演出選択肢の選択状態が変化することにより、遊技の興趣を向上させることができる。
・・・略・・・
【0400】
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) たとえば、図9における第4?第11特別リーチ、図24における第4?第11特別リーチが実行されることにより、図7(B)?(E)、図8(B)?(E)に示されるように、操作有効期間中にプッシュボタン31Bが操作されたことに応じてスーパーリーチ演出のような特定演出を選択するための演出選択肢の種類および/または数が、図7(E)、図8(E)、図20に示されるような操作有効期間の途中に設定された変化点から変化させられるので、操作有効期間中において操作がされなかった期間の長さに応じて、操作に応じて選択できる演出選択肢の種類および/または数が変化する場合が生じる。これにより、操作有効期間中に操作がされるタイミングにより、演出の選択範囲が変化するので、演出を選択するときの演出態様を変化に富んだものとすることができ、これにより、遊技の興趣を向上させることができる。」

(エ) 「【図5】




(オ) 「【図7】



(カ)【0150】に「リーチ選択演出は、スーパーリーチを実行するときのリーチ演出を選択するために行なわれる演出であり、画像表示装置5において以下に示すような画像を表示する制御が行なわれるとともに、」と記載され、【0151】に「図5?図8は、リーチ選択演出の演出例を示す画像表示装置5の表示画面図である。」と記載され、【0152】に「図5を参照して、・・・(略)・・・そして、(B),(C)のように、特定演出を選択するための特定画像である3つの演出選択肢51,52,53を提示する表示としての選択肢提示画像が表示される。」と記載され、図5(B)ないし(D)には、3つの演出選択肢51、52、53の画像を表示することが示されていることから、引用文献1には、リーチ選択演出において、画像表示装置5に、3つの演出選択肢51、52、53の画像を表示することが記載されていると認められる。
そして、【0150】に「リーチ選択演出は、スーパーリーチを実行するときのリーチ演出を選択するために行なわれる演出であり、画像表示装置5において以下に示すような画像を表示する制御が行なわれるとともに、」と記載され、【0152】に「図5を参照して、・・・(略)・・・そして、(B),(C)のように、特定演出を選択するための特定画像である3つの演出選択肢51,52,53を提示する表示としての選択肢提示画像が表示される。」と記載され、【0161】に「図7を参照して、スーパーリーチの演出が行なわれるときには、図5(A)?(C)と同様の選択要求画像および選択肢提示画像が表示された後、・・・(略)・・・、(E)のように、4つの演出選択肢51,52,53,54を提示する表示としての選択肢提示画像が表示される。」と記載され、図5(B)ないし(D)には、3つの演出選択肢51、52、53の画像を表示することが示され、図7(E)には、4つの演出選択肢51、52、53、54の画像を表示することが示されていることから、引用文献1には、リーチ選択演出において、画像表示装置5に、4つの演出選択肢51、52、53、54の画像を表示すること、及び、3つの演出選択肢51、52、53の画像を表示した後、4つの演出選択肢51、52、53、54の画像を表示することが記載されていると認められる。
さらに、【0153】に「第1演出選択肢51」、「第2演出選択肢52」、「第3演出選択肢53」との記載があり、【0161】に「第4演出選択肢54」との記載があることから、引用文献1には、3つの演出選択肢51、52、53の画像として、第1演出選択肢51の画像、第2演出選択肢52の画像、第3演出選択肢53の画像を表示すること、及び、4つの演出選択肢51、52、53、54の画像として、第1演出選択肢51の画像、第2演出選択肢52の画像、第3演出選択肢53の画像、第4演出選択肢54の画像を表示することが記載されていると認められる。

(キ) 【図5】(B)、【図7】(B)、(E)には、第1演出選択肢51の画像は「A」という文字画像を含み、第2演出選択肢52の画像は「B」という文字画像を含み、第3演出選択肢53の画像は「C」という文字画像を含み、第4演出選択肢54の画像は「D」という文字画像を含むことが示されている。

(ク) 上記(ア)ないし(キ)から、引用文献1には、次の発明が記載されている。なお、aないしlについては本願補正発明のAないしLに概ね対応させて付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。

「a 各種の演出画像を表示する表示領域を形成している画像表示装置5が設けられる(【0034】)パチンコ遊技機(【0031】)であって、
b、d リーチ選択演出において、画像表示装置5に、3つの演出選択肢51、52、53の画像を表示し(上記(カ))、第1演出選択肢51はAリーチの演出に対応した演出選択肢であり、第2演出選択肢52はBリーチの演出に対応した演出選択肢であり、第3演出選択肢53はCリーチの演出に対応した演出選択肢であり(【0153】)、
c、e リーチ選択演出において、画像表示装置5に、4つの演出選択肢51、52、53、54の画像を表示し(上記(カ))、第1演出選択肢51はAリーチの演出に対応した演出選択肢であり、第2演出選択肢52はBリーチの演出に対応した演出選択肢であり、第3演出選択肢53はCリーチの演出に対応した演出選択肢であり(【0153】)、第4演出選択肢54はDリーチの演出に対応した演出選択肢であり(【0161】)、
f Aリーチの演出に対応する第1演出選択肢51の画像は「A」という文字画像を含み、Bリーチの演出に対応する第2演出選択肢52の画像は「B」という文字画像を含み、Cリーチの演出に対応する第3演出選択肢53の画像は「C」という文字画像を含み、Dリーチの演出に対応する第4演出選択肢54の画像は「D」という文字画像を含み(【0153】、【0161】、上記(キ))、
g、h 3つの演出選択肢51、52、53の画像として、第1演出選択肢51の画像、第2演出選択肢52の画像、第3演出選択肢53の画像を表示し、4つの演出選択肢51、52、53、54の画像として、第1演出選択肢51の画像、第2演出選択肢52の画像、第3演出選択肢53の画像、第4演出選択肢54の画像を表示し、(上記(カ))、
j、k 3つの演出選択肢51、52、53の画像を表示した後、4つの演出選択肢51、52、53、54の画像を表示し(上記(カ))、1つの演出選択肢が選択指標71により固定的に選択され(【0162】)、1つの演出選択肢が選択されたことに基づいて、選択された演出選択肢に対応するリーチ演出がスーパーリーチの演出として実行される(【0163】)、
l パチンコ遊技機(【0031】)。」(以下「引用発明」という。)

イ 令和2年12月16日付けの補正の却下の決定に引用文献2として引用され、本願出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2009-11632号公報(平成21年1月22日出願公開、以下同じく「引用文献2」という。)には、遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている

(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、始動条件の成立に伴い複数種類の図柄を変動させる図柄変動ゲームを実行する遊技機に関するものである。
・・・略・・・
【0012】
以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1?図16にしたがって説明する。 図1には、パチンコ遊技機10と該パチンコ遊技機10が遊技場の遊技機設置設備(遊技島)に設置された際に並設される遊技媒体貸出用ユニットとしてのカードユニット装置11が略示されている。カードユニット装置11には、遊技者に貸し出される貸出用遊技媒体としての遊技球(貸し球)と交換可能な交換媒体としてのプリペイドカードを投入するための投入口11aが設けられている。カードユニット装置11は、投入されたプリペイドカードの価値を読み書き可能な構成となっている。具体的に言えば、カードユニット装置11は、投入時にプリペイドカードの残金(価値)を読込むとともに、貸し球の払出しに伴ってプリペイドカードの残金(価値)を書き替える。」

(イ)「【0039】
本実施形態においては、該選択演出の結果として選択されるスーパーリーチを予め定め、該スーパーリーチを含んで構成される複数種類(本実施形態では、4種類)の選択対象から該スーパーリーチを選択する態様で実行される第1の選択演出を備えている。また、第1の選択演出の実行後、該第1の選択演出の選択対象からスーパーリーチを選択することなく該第1の選択演出を経由して、該第1の選択演出で選択対象となるスーパーリーチとは異なる種類のスーパーリーチから構成される選択対象から遊技者自身にスーパーリーチを自由に選択させる態様で実行される第2の選択演出を備えている。そして、各選択演出を伴う図柄変動ゲームでは、演出用ボタン39の操作を許容する有効期間(本実施形態では、5000ms)が設定されるようになっており、該有効期間中に各選択演出が行われるようになっている。すなわち、各選択演出中には、演出用ボタン39の操作が許容され、該演出用ボタン39を用いた選択演出により遊技者参加型の演出が行われる。本実施形態では、第1の選択演出が行われる有効期間が第1の有効期間であって、第2の選択演出が行われる有効期間が第2の有効期間である。そして、第1の選択演出を伴う図柄変動ゲームでは、1回の図柄変動ゲームにおいて、第1の有効期間の1回の演出用ボタン39の操作を許容する有効期間が設定される。一方、第2の選択演出を伴う図柄変動ゲームでは、第1の選択演出を経由して行われるため、1回の図柄変動ゲームにおいて、第1の有効期間と、第2の有効期間との2回の演出用ボタン39の操作を許容する有効期間が設定される。
【0040】
そして、第1の選択演出では、キャラ系リーチA,B,C,Dに登場するキャラクタを示唆するキャラクタの名称である「A」、「B」、「C」、「D」を示すそれぞれの4種類の示唆画像を演出表示装置28に同時に表示させて(図15(b)?(e)参照)、これら示唆画像から示唆されるスーパーリーチ(キャラ系演出)が演出用ボタン39の操作に基づく選択対象となっている旨を遊技者に報知し、演出用ボタン39の操作、又は第1の有効期間の終了時に該選択対象の中から1の示唆画像が選択される。そして、第1の選択演出で示唆画像の選択後、該第1の選択演出で選択された示唆画像に対応するスーパーリーチが実行される。第1の選択演出では、選択対象の中から選択される示唆画像が予め定められているため、遊技者の演出用ボタン39の操作の有無や、操作のタイミングに拘らず、予め定められている示唆画像が選択されるようになっている。すなわち、第1の選択演出は、変動パターンに予め定められている示唆画像(スーパーリーチ)を遊技者に選択したかのように見せる擬似的な選択演出であって、内部的に予め決定している内容を遊技者の演出用ボタン39の操作に応じて遊技者に報知する役割を担っている。
【0041】
また、第2の選択演出では、ストーリー系リーチE,F,Gのストーリー内容を示唆するキャラクタE、キャラクタF、キャラクタGを示すそれぞれの3種類の示唆画像を演出表示装置28に同時に表示させて(図16(b)?(d)参照)、これら示唆画像から示唆されるスーパーリーチ(ストーリー系演出)が選択対象となっている旨を遊技者に報知し、演出用ボタン39の操作に応じて選択対象の中から1の示唆画像を選択させる。第2の選択演出では、選択対象の中から示唆画像を遊技者自身に選択させ、第2の有効期間(第2の選択演出)の終了時に遊技者自身が選択している示唆画像の選択が確定されるようになっている。そして、第2の選択演出で示唆画像の確定後、該第2の選択演出で決定された示唆画像に対応するスーパーリーチが実行される。すなわち、第2の選択演出は、スーパーリーチを遊技者自身に選択させる遊技者の意思を反映する選択演出であって、スーパーリーチを予め定めることなく遊技者の意思に基づくスーパーリーチを決定する役割を担っている。
【0042】
本実施形態において、示唆画像とは、その画像から遊技者がスーパーリーチの種類を連想することができる画像であって、例えば、「A」という画像からキャラクタAを連想し、リーチ演出としてキャラクタAが登場するキャラ系リーチAを連想することができるものである。また、キャラクタEの示唆画像から、該キャラクタEに因んだストーリー(例えば、キャラクタEが装備している「剣」に因んだストーリー)を連想し、リーチ演出としてキャラクタEに因んだストーリー系リーチEを連想することができるものである。すなわち、示唆画像とは、リーチ演出(表示演出)の内容に関する要素(キャラクタ、キャラクタ名称、リーチ演出名称若しくはリーチ演出の背景又はこれらの結合で構成される画像)によって構成されるものであり、該示唆画像を遊技者が視認することを以てリーチ演出(表示演出)の種類を連想することができるものである。」

(ウ)「【図15】




【図16】



ウ 令和2年12月16日付けの補正の却下の決定に引用文献3として引用され、本願出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2014-161589号公報(平成26年9月8日出願公開、以下同じく「引用文献3」という。)には、弾球遊技機(発明の名称)に関し、次の事項が図とともに記載されている。

(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機に関し、特に、演出中に複数の発展先から1つが選択されて当該演出を実行する弾球遊技機に関する。
・・・略・・・
【0009】
以下、本発明の実施の形態における弾球遊技機として、パチンコ遊技機を例にして図面を参照しながら説明する。パチンコホールの台島には、図1に示すように、外枠1が設置されている。この外枠1は前後面が開口する四角筒状をなすものであり、外枠1の前端面には前枠2が左側辺部の垂直な軸を中心に回動可能に装着されている。この前枠2の前面には下端部に位置して横長な長方形状の下皿板3が固定されており、下皿板3の前面には上面が開口する下皿4が固定されている。この下皿板3の上方には上皿板5が配置されている。この上皿板5は前枠2に装着されたものであり、上皿板5の前面には上面が開口する上皿6が固定されている。」

(イ)「【0040】
ここで、図5の演出パターン決定処理のステップS24で、選択演出と選択肢削減演出を含む特定の演出パターンを選択した場合のリーチ演出について、図7及び図8を用いて詳述する。なお、選択演出とは、複数の選択肢の中から1つが選択される演出を指し、選択肢削減演出とは、複数の選択肢の中から1つが選択されるタイミングで1つが選択されずに選択肢の数を減らす演出が行われるものを指す。また、他の演出パターンを選択した場合のリーチ演出については、説明を省略する。
【0041】
まず、図7の(a)?(c)及び図8の(j),(k)を用いて、選択演出を含む演出パターンのリーチ演出の一例について詳述する。図6のステップS35で大当り又は外れリーチと判定されて、ステップS36でリーチ演出を行うこととなった場合、図柄表示装置25の表示画面25Aにおいて、左列図柄及び右列図柄が仮停止したリーチ状態で表示され、中列図柄が透明かつ高速で変動表示された状態(図示省略)となる。
【0042】
当該状態から、本実施の形態の演出パターンのリーチ演出の一例では、まず、左列図柄及び右列図柄が仮停止した状態で小さく表示され、中列図柄が透明かつ高速で小さく変動表示された状態(図示省略)にされた後、図7の(a)に示すように、リーチ演出の発展先を示す選択肢が複数表示される。ここでは、リーチ演出の発展先として、大当りに対する信頼度3の犬キャラクタリーチ演出、信頼度1の猫キャラクタリーチ演出、信頼度2のうさぎキャラクタリーチ演出、信頼度4のくまキャラクタリーチ演出がある。そして、表示画面25Aが横方向に4分割され、ここに前記したリーチ演出の発展先を示す選択肢として、犬キャラクタ選択肢(星3つ)201、猫キャラクタ選択肢(星1つ)202、うさぎキャラクタ選択肢(星2つ)203、くまキャラクタ選択肢(星4つ)204が表示されるようになっている。
・・・略・・・
【0048】
次に、図7の(a)?(i)及び図8の(l)を用いて、選択肢削減演出と選択演出を含む演出パターンのリーチ演出の一例について詳述する。なお、リーチ演出の始めの段階と図7の(a)?(c)に示す演出までは、前記した選択演出を含むパターンのリーチ演出の一例と同様であるので、説明を省略する。
【0049】
図7の(c)で指示表示が行われた後、遊技者が指示表示に応じて演出ボタン6Aを押した場合に、前記したような図8の(j)のように、選択肢の1つが選択される演出の代わりに、図7の(d)に示すように、選択肢の数を減らすような演出(選択肢削減演出)が行われる。すなわち、演出ボタン6Aを押したときに、選択肢の1つが選択されずに、選択肢が複数残るように、選択肢が削減される演出が行われるものである。具体的には、ここでは、演出ボタン6Aが押されたときに、犬キャラクタ選択肢201とくまキャラクタ選択肢204の2つの選択肢が残り(明るい状態となる)、猫キャラクタ選択肢202とうさぎキャラクタ選択肢203がガラスが割れて砕けるように選択肢から削減されることで、選択肢が4つから2つに削減されるものである。
・・・略・・・
【0052】
その後、図7の(e)に示すように、削減された選択肢が消えて空白205となった後、図7の(f)に示すように、残った犬キャラクタ選択肢201とくまキャラクタ選択肢204の幅が拡がって2つのキャラクタ選択肢201,204で表示画面25Aいっぱいとなる。
・・・略・・・
【0055】
その後、遊技者が指示表示に応じて演出ボタン6Aを押すことにより、図7の(i)に示すように、2つの選択肢のうちの一方が選択される(選択演出)。ここでは、信頼度の高いくまキャラクタ選択肢(星4つ)204が選択されるようになっている。このとき、当該選択肢が選択されたことが分かり易いように、通常よりも選択肢全体を光らせる、キャラクタが動く、くまの吠える声がする等の演出があると良い。なお、本実施の形態では、遊技者が指示表示に応じない(すなわち、演出ボタン6Aを押さない)で一定時間が経過した場合にも、自動的に、図7の(i)に示すように、2つの選択肢のうちの一方が選択される選択演出が行われるようになっている。
【0056】
その後、図8の(l)に示すように、選択されたくまキャラクタ選択肢204が表示画面25Aいっぱいに拡大表示され、くまリーチ演出に発展していく。」

(ウ)「【図7】



エ 上記イ及びウからみて、引用文献2、3には、以下の事項が記載されていると認められる。
「リーチ演出の選択肢を提示する演出を実行可能なパチンコ遊技機において、
提示する選択肢の数が異なる場合、各選択肢の表示領域を合算した領域の形状は同じとし、該領域内の各選択肢の表示領域の形状が異なるようにした、
パチンコ遊技機。」(以下「引用文献2及び3記載の技術事項」という。)

(3)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する(見出し(a)ないし(l)は、本願補正発明の特定事項AないしLに概ね対応する。)。

(a)(l)引用発明のaの「各種の演出画像を表示する表示領域を形成している画像表示装置5」は、本願補正発明の「複数の表示演出を実行可能な表示手段」に相当する。また、引用発明の「パチンコ遊技機」は、本願補正発明の「遊技機」に相当する。
そうすると、引用発明のa及びlは、それぞれ本願補正発明の特定事項A及びLに相当する。

(b)(d)引用発明のb、dの「演出選択肢」の「画像」は、リーチ選択演出において表示され、選択肢となる各リーチの演出に対応するものであるから、本願補正発明の「リーチ演出選択領域」に相当する。
そして、引用発明のb、dの「3つの演出選択肢51、52、53の画像」を合算したものが、本願補正発明の「複数のリーチ演出選択領域を合算して成る第1の領域」に相当し、引用発明のb、dの「3つの演出選択肢51、52、53の画像を表示」することは、本願補正発明の「第1の表示演出」に相当する。また、引用発明の「画像表示装置5」(本願補正発明の「表示手段」に相当)では、他の表示演出をおこなう場合もあることは明らかであるから、複数の表示演出のうちの一つの演出として、「3つの演出選択肢51、52、53の画像を表示」すること(本願補正発明の「第1表示演出」に相当)をおこなう場合があるといえる。
そうすると、引用発明のb、dは、本願補正発明の特定事項B及びDを備えている。

(c)(e)引用発明のc、eの「4つの演出選択肢51、52、53、54の画像」を合算したものが、本願補正発明の「複数のリーチ演出選択領域を合算して成る第2の領域」に相当し、引用発明のc、eの「4つの演出選択肢51、52、53、54の画像を表示」することは、本願補正発明の「第2の表示演出」に相当する。また、引用発明の「画像表示装置5」(本願補正発明の「表示手段」に相当)では、他の表示演出をおこなう場合もあることは明らかであるから、複数の表示演出のうちの一つの演出として、「4つの演出選択肢51、52、53、54の画像を表示」すること(本願補正発明の「第2表示演出」に相当)をおこなう場合があるといえる。
そうすると、引用発明のc、eは、本願補正発明の特定事項C及びEを備えている。

(f)引用発明のfの「『A』という文字画像」は、Aリーチの演出に対応する演出選択肢51の画像に含まれるから、Aリーチの演出への発展を示唆するものであることは明らかである。同様に、「『B』という文字画像」、「『C』という文字画像」、「『D』という文字画像」は、それぞれ、Bリーチの演出、Cリーチの演出、Dリーチの演出への発展を示唆するものであるといえる。よって、引用発明のfの「『A』という文字画像」、「『B』という文字画像」、「『C』という文字画像」及び「『D』という文字画像」は、本願補正発明の「リーチ演出示唆画像」に相当する。
そうすると、引用発明のfは、本願補正発明の特定事項Fを備えている。

(g)引用発明のg、hの「3つの演出選択肢51、52、53の画像」として表示される「第1演出選択肢51の画像、第2演出選択肢52の画像、第3演出選択肢53の画像」は、本願補正発明の「前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域」に相当し、「4つの演出選択肢51、52、53、54の画像」として表示される「第1演出選択肢51の画像、第2演出選択肢52の画像、第3演出選択肢53の画像、第4演出選択肢54の画像」は、本願補正発明の「前記第2の領域における前記複数のリーチ演出選択領域」に相当する。
また、引用発明のg、hの「第4演出選択肢54の画像」は、「第1演出選択肢51の画像、第2演出選択肢52の画像、第3演出選択肢53の画像」(本願補正発明の「前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域」に相当)には含まれないから、本願補正発明の「前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域に対応しないリーチ演出選択領域」に相当する。
そして、引用発明のg、hの「第1演出選択肢51の画像、第2演出選択肢52の画像、第3演出選択肢53の画像、第4演出選択肢54の画像」(本願補正発明の「前記第2の領域における前記複数のリーチ演出選択領域」に相当)は、「第4演出選択肢54の画像」(本願補正発明の「前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域に対応しないリーチ演出選択領域」に相当)を含んでいる。
そうすると、引用発明のg、hは、本願補正発明の特定事項Gを備えているといえる。

(h)引用発明g、hの「第1演出選択肢51の画像」、「第2演出選択肢52の画像」及び「第3演出選択肢53の画像」は、「第1演出選択肢51の画像、第2演出選択肢52の画像、第3演出選択肢53の画像」(本願補正発明の「前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域」に相当)にも含まれ、「第1演出選択肢51の画像、第2演出選択肢52の画像、第3演出選択肢53の画像、第4演出選択肢54の画像」(本願補正発明の「前記第2の領域における前記複数のリーチ演出選択領域」に相当)にも含まれるから、本願補正発明の「前記第2の領域における前記複数のリーチ演出選択領域のうち、前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域に対応するリーチ演出選択領域」に相当する。
そうすると、引用発明のg、hと、本願発明の「H 前記第2の領域における前記複数のリーチ演出選択領域のうち、前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域に対応するリーチ演出選択領域は、それぞれ、対応する前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域と比較して形状が変化しており、」とは、「前記第2の領域における前記複数のリーチ演出選択領域のうち、前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域に対応するリーチ演出選択領域を有」する点で共通する。

(j)、(k)引用発明のj、kの「3つの選択肢51、52、53の画像を表示した後、4つの選択肢51、52、53、54の画像を表示」することは、本願補正発明の「前記第1の表示演出と前記第2の表示演出とを含む組み合わせ演出がおこなわれる場合があり、」及び「前記組み合わせ演出では、前記第1の表示演出がおこなわれた後、前記第2の表示演出がおこなわれ、」に相当する。
また、引用発明のj、kの「1つの演出選択肢が選択指標71により固定的に選択され」ることは、本願補正発明の「前記第2の領域における前記複数のリーチ演出選択領域のうちの一つのリーチ演出選択領域が選択され、」に相当する。
さらに、引用発明のj、kの「1つの演出選択肢が選択されたことに基づいて、選択された演出選択肢に対応するリーチ演出がスーパーリーチの演出として実行される」は、本願補正発明の「選択されたリーチ演出選択領域に含まれる前記リーチ演出示唆画像が表すリーチ演出がおこなわれる」に相当する。
そうすると、引用発明のj、kは、本願補正発明の特定事項J及びKを備えている。

以上のとおりであるから、本願補正発明と引用発明とは、
「A 複数種類の表示演出を実行可能な表示手段を備える遊技機であって、
B 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第1の表示演出をおこなう場合があり、
C 前記複数の表示演出のうちの一つの演出として、第2の表示演出をおこなう場合があり、
D 前記第1の表示演出は、複数のリーチ演出選択領域を合算して成る第1の領域を表示する演出であり、
E 前記第2の表示演出は、複数のリーチ演出選択領域を合算して成る第2の領域を表示する演出であり、
F 前記リーチ演出選択領域は、所定のリーチ演出への発展を示唆するリーチ演出示唆画像を含む領域であり、
G 前記第2の領域における前記複数のリーチ演出選択領域は、前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域に対応しないリーチ演出選択領域を含んでおり、
H’前記第2の領域における前記複数のリーチ演出選択領域のうち、前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域に対応するリーチ演出選択領域を有し、
J 前記第1の表示演出と前記第2の表示演出とを含む組み合わせ演出がおこなわれる場合があり、
K 前記組み合わせ演出では、前記第1の表示演出がおこなわれた後、前記第2の表示演出がおこなわれ、その後、前記第2の領域における前記複数のリーチ演出選択領域のうちの一つのリーチ演出選択領域が選択され、選択されたリーチ演出選択領域に含まれる前記リーチ演出示唆画像が表すリーチ演出がおこなわれる、
L ことを特徴とする遊技機。」である点で一致し、以下の点で相違する。

・相違点1(特定事項H)
「前記第2の領域における前記複数のリーチ演出選択領域のうち、前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域に対応するリーチ演出選択領域」は、本願補正発明では、「それぞれ、対応する前記第1の領域における前記複数のリーチ演出選択領域と比較して形状が変化して」いるのに対し、引用発明では、形状が変化していない点。

・相違点2(特定事項I)
本願補正発明では、「前記第1の領域と前記第2の領域との形状は同じ形状であ」るのに対し、引用発明では、「3つの演出選択肢51、52、53の画像」を合算したもの(第1の領域)と「4つの演出選択肢51、52、53、54の画像」を合算したもの(第2の領域)との形状が同じ形状でない点。

(4)判断
上記相違点1と2は相互に関連するのでまとめて検討する。
ア 引用文献2、3には、パチンコ遊技機におけるリーチ演出の選択肢を提示する演出において、提示する選択肢の数が異なる場合、各選択肢の表示領域を合算した領域の形状は同じとし、該領域内の各選択肢の表示領域の形状が異なるようにする技術(以下「引用文献2及び3記載の技術事項」という。)が記載されている。

イ 引用発明と、引用文献2及び3記載の技術事項とは、パチンコ遊技機でリーチ演出を選択するために行われる演出において、リーチ演出の選択肢を提示するという作用・機能が共通するものであるから、引用発明における演出選択肢の提示態様として、引用文献2及び3記載の技術事項を採用し、3つの演出選択肢51、52、53の画像を表示する場合と、4つの演出選択肢51、52、53、54の画像を表示する場合とで、各演出選択肢の画像を合算した領域の形状を同じとし、該領域内の各演出選択肢画像の形状を異ならせるようになすことは、当業者が容易に想到し得たことである。
以上のとおり、引用発明において、上記相違点1及び2に係る本願補正発明の特定事項となすことは当業者が引用文献2及び3記載の技術事項に基づいて容易になし得たことである。
そして、本願補正発明の効果も、引用発明、引用文献2及び3記載の技術事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎない。

(5)請求人の主張について
請求人は、審判請求書の「(3)本願発明が特許されるべき理由」において、概ね以下のとおり主張している。
「一方、本願発明は、上記構成[4]?[6]、[8]に示すように、第2の領域における複数のリーチ演出選択領域は、第1の領域における複数のリーチ演出選択領域に対応しないリーチ演出選択領域を含んでおり、第2の領域における複数のリーチ演出選択領域のうち、第1の領域における複数のリーチ演出選択領域に対応するリーチ演出選択領域は、それぞれ、対応する第1の領域における複数のリーチ演出選択領域と比較して形状が変化しており、第1の領域と第2の領域との形状は同じ形状であり、複数のリーチ演出選択領域を合算して成る第1の領域を表示する第1の表示演出がおこなわれた後、複数のリーチ演出選択領域を合算して成る第2の領域を表示する第2の表示演出がおこなわれ、その後、第2の領域における複数のリーチ演出選択領域のうちの一つのリーチ演出選択領域が選択され、選択されたリーチ演出選択領域に含まれるリーチ演出示唆画像が表すリーチ演出がおこなわれます。

この構成によれば、第1の領域と第2の領域とが同じ形状であり、かつ、第2の領域において第1の領域におけるリーチ演出選択領域に対応する対応リーチ演出選択領域が存在し、当該対応リーチ演出選択領域の形状が変化することで、第2の領域における対応リーチ演出選択領域の変化を遊技者が認識し易くすることでき、対応リーチ演出選択領域の変化によって大当たり期待度の向上を強調することができます。さらには、第1の領域と第2の領域とが同じ形状であり、かつ、第2の領域において第1の領域におけるリーチ演出選択領域に対応しないリーチ演出選択領域を含むことで、第2の領域における当該リーチ演出選択領域の出現を遊技者が認識し易くすることができ、当該リーチ演出選択領域の出現によって大当たり期待度の向上を強調することができます。従って、リーチ演出に至る前の演出についても興趣性を高めることができ、転じて、リーチ演出の興趣性も高めることができます。その結果、遊技の興趣を向上させることができます。

引用文献1?3には、このような構成、作用・効果(技術思想)は、開示も示唆もされておらず、引用文献1?3を組み合わせても本願発明には想到することができません。

以上のように、当業者は、構成[4]?[6]、[8]を有する本願発明を想到し得ません。」

しかしながら、上記(4)で示したとおり、引用文献2及び3には、提示する選択肢の数が異なる場合、各選択肢の表示領域を合算した領域の形状は同じとし、該領域内の各選択肢の表示領域の形状が異なるようにする技術が記載されており、引用文献1に記載された発明(引用発明)に引用文献2及び3記載の技術事項を適用して本願補正発明のようになすことは、当業者が容易になし得たことである。そして、引用文献2及び3に記載の技術事項のように各選択肢の表示領域を合算した領域の形状を同じとした場合、該領域内の各選択肢の表示領域の数や形状の変化を遊技者が認識しやすくすることができることは明らかであるから、請求人の主張する本願補正発明の効果も、引用文献1に記載された発明及び引用文献2及び3記載の技術事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎない。よって、上記主張は採用できない。

(6)まとめ
以上のように、本願補正発明は、当業者が、引用発明及び引用文献2及び3記載の技術事項に基いて容易に発明をすることができたものである。
したがって、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

4 むすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和2年7月27日提出の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2[理由]1(1)に本件補正前の請求項1として記載したとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由は、概略、以下の理由を含むものである。
(理由1)この出願の令和2年7月27日提出の手続補正書により補正された下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
(理由2)この出願の令和2年7月27日提出の手続補正書により補正された下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

●理由1(新規性)、理由2(進歩性)について
・請求項1
・引用文献等 1

<引用文献等一覧>
引用文献1.特開2012-235823号公報

3 引用文献
引用文献1は、上記第2[理由]3(2)アに記載したとおりである。

4 対比
本願発明は、本願補正発明から、特定事項H及びIに係る発明特定事項を削除するとともに、「複数のリーチ演出選択領域を合算して成る第1の領域」(特定事項D)を「複数のリーチ演出選択領域から成る第1の領域」と上位概念化し、「複数のリーチ演出選択領域を合算して成る第2の領域」(特定事項E)を「複数のリーチ演出選択領域から成る第2の領域」と上位概念化したものである。
そうすると、本願発明と引用発明とは、上記相違点(特定事項H、I)が存在しないことになるとともに、その他の特定事項についても相違する点がないから、同一である。
よって、本願発明は、引用文献1に記載された発明である。

5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。
したがって、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2021-08-17 
結審通知日 2021-08-24 
審決日 2021-09-07 
出願番号 特願2019-138393(P2019-138393)
審決分類 P 1 8・ 113- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 堀 圭史  
特許庁審判長 瀬津 太朗
特許庁審判官 鉄 豊郎
千本 潤介
発明の名称 遊技機  
代理人 田邊 淳也  
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