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審決分類 審判 査定不服 原文新規事項追加の補正 特許、登録しない。 H02J
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 H02J
管理番号 1379520
審判番号 不服2020-14259  
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-12-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-10-09 
確定日 2021-11-02 
事件の表示 特願2017-516942「エネルギー管理カプセル及びエネルギー管理カプセルのネットワークを使用して収集されたセンサデータ、又は他の収集された時系列データを処理する方法」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 4月 7日国際公開、WO2016/051125、平成29年10月26日国内公表、特表2017-531981〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、2015年9月30日(パリ条約に基づく優先権主張外国庁受理 2014年9月30日 英国(GB))を国際出願日とする出願であって、令和1年8月13日付け拒絶理由通知に対して、出願人からは何らの応答もなく、令和2年5月29日付けで拒絶査定(原査定)がなされ、これに対して、同年10月9日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正がなされたものである。

第2 令和2年10月9日の手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
令和2年10月9日の手続補正を却下する。

[理 由]
1.補正の内容
令和2年10月9日の手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の請求項1について、本件補正前には、
「【請求項1】
エネルギー管理モジュール又はカプセルであって、
幹線電源に接続するための接続手段と、
1つ以上の外部電気装置に物理的に接続するための手段と、
インターネットとデータを通信するためのデータ送受信手段と、
前記データ送受信手段を使用することによって、インターネットから受信されるデータを用いて、前記1つ以上の外部電気装置に対する電気出力を制御するための制御手段と、
を備える、エネルギー管理モジュール又はカプセル。」

とあったものを、

「【請求項1】
エネルギー管理カプセルであって、
幹線電源に接続するための接続手段と、
1つ以上の外部電気装置に物理的に接続するための手段と、
インターネットとデータを通信するためのデータ送受信手段と、
前記データ送受信手段を使用することによって、インターネットから受信されるデータを用いて、前記1つ以上の外部電気装置に対する電気出力を制御するための制御手段と、
を備え、
前記エネルギー管理カプセルは、有線又は無線で接続されるように構成され、
前記エネルギー管理カプセルは、幹線配線又は低電圧配線を介して、1つ以上の他の外部エネルギー管理カプセルとデジタル的に通信するように構成され、前記1つ以上の他の外部エネルギー管理カプセルは、異なる構成のセンサ、及び/又は他の入力装置、及び/又は電気出力、及び/又はデジタル通信構成要素を有し、
前記エネルギー管理カプセルのネットワークからセンサデータ又は他の収集された時系列データを収集するように構成され、使用時に、センサデータのパターンの変化を識別するか、又は電力に対する将来需要を予測する、ウェブサービス処理手段と、
前記センサデータと他の収集された時系列データを結合し、電力に対する将来需要を分析及び予測する手段とを更に備える、エネルギー管理カプセル。」
とする補正を含むものである(なお、下線部は補正箇所を示す。)。

2.補正の適否
上記補正は、以下の補正事項を含む。
(1)「エネルギー管理モジュール又はカプセル」を「エネルギー管理カプセル」とする補正。
(2)「前記エネルギー管理カプセルは、有線又は無線で接続されるように構成され、前記エネルギー管理カプセルは、幹線配線又は低電圧配線を介して、1つ以上の他の外部エネルギー管理カプセルとデジタル的に通信するように構成され、前記1つ以上の他の外部エネルギー管理カプセルは、異なる構成のセンサ、及び/又は他の入力装置、及び/又は電気出力、及び/又はデジタル通信構成要素を有」することを付加する補正。
(3)「前記エネルギー管理カプセルのネットワークからセンサデータ又は他の収集された時系列データを収集するように構成され、使用時に、センサデータのパターンの変化を識別するか、又は電力に対する将来需要を予測する、ウェブサービス処理手段と、前記センサデータと他の収集された時系列データを結合し、電力に対する将来需要を分析及び予測する手段とを更に備える」ことを付加する補正。

ここで、上記(3)の補正によれば、「エネルギー管理カプセル」が、エネルギー管理カプセルのネットワークからセンサデータ又は他の収集された時系列データを収集するように構成され、使用時に、センサデータのパターンの変化を識別するか、又は電力に対する将来需要を予測する「ウェブサービス処理手段」と、センサデータと他の収集された時系列データを結合し、「電力に対する将来需要を分析及び予測する手段」とを備えるとされている。
そこで、上記(3)の補正を含む本件補正が、特許法第184条の12第2項の規定により読み替える同法第17条の2第3項の規定に適合するか、すなわち、国際出願日における国際特許出願の明細書もしくは図面(図面の中の説明に限る。)の翻訳文、国際出願日における国際特許出願の請求の範囲の翻訳文又は国際出願日における国際特許出願の図面(図面の中の説明を除く)(以下、「外国語書面の翻訳文等」という。)に記載した事項の範囲内においてするものであるかについて、以下に検討する。

出願当初明細書等にあたる外国語書面の翻訳文等には、審判請求人が上記(3)の補正の根拠として挙げた段落【0019】に「ソフトウェアは、センサデータを格納し、そのセンサデータを他のデータソースと結合し、データ分析を実施するか、又は将来の電気需要を予測するような、他の目的のための情報を提供する。」と記載されている。かかる記載によれば、センサデータを他のデータソースと結合し、データ分析を実施するか、又は将来の電気需要を予測するのは「ソフトウェア」である。
しかしながら、段落【0014】の「エネルギー管理モジュール、又は『カプセル』において、内部のセンサ、又はカプセルに接続されたセンサは、インターネットを介してソフトウェアシステムにデータとして送られる物理的特性を測定する。ソフトウェアは、データを処理し、且つカプセル又は複数のカプセルに制御信号を送り返す。他のユーザ又はシステムもまた、情報を受信することが可能である。」と記載されており、かかる記載を参酌すれば、上記「ソフトウェア」とは、インターネットを介して接続された「ソフトウェアシステム」のことを意味するものと解され、「エネルギー管理カプセル」が有するソフトウェアを意味するものとは解し得ない。
その他、外国語書面の翻訳文等には、段落【0044】に「パイプ23は、有線接続及び無線接続を介した、インターネット又はローカル・エリア・ネットワークとのデジタル通信セットワークを表す。パイプ23は、ウェブサービス24、25、26、27及び28を提供する。この場合、・・・サービス26は、現在値と履歴センサ値の時系列比較を含む、データ分析サービスである。これらは変化と呼ばれる。サービス27は、ウェブブラウザ又はスマートフォンアプリケーションのようなインターネット接続装置に、センサ値及び変化を提示するものである。」とあり、インターネット等を介して接続された外部のウェブサービスにおいてデータ分析を行うことは記載されているものの、「エネルギー管理カプセル」内においてデータ分析を行うことについては記載も示唆もない。
なお、審判請求人は上記(3)の補正の根拠として補正前の請求項9も挙げており、当該補正前の請求項9には「請求項6に記載のモジュールネットワークを使用して収集されたセンサデータ、又は他の収集された時系列データを処理する方法であって、使用時に、センサデータのパターンの変化を識別するか、又は電力に対する将来需要を予測する、方法。」と記載されている。しかしながら、当該補正前の請求項9には、時系列データを処理し、使用時に、センサデータのパターンの変化を識別するか、又は電力に対する将来需要を予測することを何処が行うのかは記載されておらず、当該請求項9が引用する請求項6の「センサデータをウェブサービスに送信すると共に、1つ以上のモジュール又はカプセルの前記電気出力を制御するためのデータを受信する」なる記載や、上記段落【0014】、【0044】の記載も踏まえると、インターネット等を介して接続された外部のウェブサービス(ソフトウェアシステム)が行うものと解され、「エネルギー管理カプセル」内で行うものであると解することはできない。
したがって、上記(3)の補正により付加された事項については、外国語書面の翻訳文等には記載されておらず、同翻訳文等の記載からみて自明なことともいえない。
よって、上記(3)の補正を含む本件補正は、外国語書面の翻訳文等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであるとはいえず、外国語書面の翻訳文等に記載した事項の範囲内においてしたものではない。

3.補正却下の決定についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17の2第3項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について

1.本願発明
令和2年10月9日の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし9に係る発明は、外国語書面の翻訳文(翻訳文提出書)の特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。
「【請求項1】
エネルギー管理モジュール又はカプセルであって、
幹線電源に接続するための接続手段と、
1つ以上の外部電気装置に物理的に接続するための手段と、
インターネットとデータを通信するためのデータ送受信手段と、
前記データ送受信手段を使用することによって、インターネットから受信されるデータを用いて、前記1つ以上の外部電気装置に対する電気出力を制御するための制御手段と、
を備える、エネルギー管理モジュール又はカプセル。」

2.原査定の拒絶の理由
本願の請求項1に対する原査定(令和2年5月29日付け拒絶査定)の拒絶の理由のうち、理由1は次のとおりである。
(新規性)この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1ないし4のいずれかに記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

1.国際公開第2013/160705号
2.特開2013-115885号公報
3.国際公開第2014/141191号
4.米国特許出願公開第2007/0220907号明細書

3.引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献2(特開2013-115885号公報)には、「電力需要制御システム、方法及び電源コンセント装置」について、図面とともに以下の各記載がある(なお、下線は当審で付与した。)。
(1)「【請求項12】
処理装置との間でネットワークを経由して信号を送受信する通信部と、
電源を入力する需要者側施設の壁面に埋込設置した埋込コンセントに着脱自在なインレットと、
前記機器に電源を出力する電源プラグを着脱自在なアウトレットと、
前記アウトレットに対する電源供給をオン、オフする遮断器と、
前記機器の消費電力量を検知して前記ネットワークを経由して前記処理装置に送信すると共に前記処理装置からの制御信号を受信して前記遮断器をオン、オフ制御する電源制御部と、
を備えたことを特徴とする電源コンセント装置。」

(2)「【0017】
(電源コンセント装置)
本発明は、電源コンセント装置に於いて、
処理装置との間でネットワークを経由して信号を送受信する通信部と、
電源を入力する需要者側施設の壁面に埋込設置した埋込コンセントに着脱自在なインレットと、
機器に電源を出力する電源プラグを着脱自在なアウトレットと、
アウトレットに対する電源供給をオン、オフする遮断器と、
機器の消費電力量を検知してネットワークを経由して処理装置に送信すると共に処理装置からの制御信号を受信して遮断器をオン、オフ制御する電源制御部と、
を備えたことを特徴とする。」

(3)「【0032】
電源コンセント装置10には、電源プラグによりこれに接続している上の各家電機器(電気機器)に対する供給電力量(接続されている家電機器の消費電力量)を定期的に測定する機能と、外部からの制御信号に基づいて、接続している家電機器に対する電源供給をオン、オフする機能を設けている。即ち、電源コンセント装置10は電源プラグにより接続している家電機器に対する消費電力量を定期的に測定し、ゲートウェイ装置12からインターネット20を経由してネットワーク上の処理装置として機能する電力事業者(電力会社)のサーバ22に送信する。そして、ゲートウェイ装置12を経由してサーバ22から送られてくる制御信号に基づいて、自己に接続されている負荷(電気機器)への電源供給をオン、オフする。」

(4)「【0076】
図5は図1に設けた電源コンセント装置の外観を例示した説明図であり、図5(A)に前面側を、図5(B)に背面側を示している。図5において、電源コンセント装置10は例えば合成樹脂で成型された箱形の装置本体10aの前面に、差込口としてアウトレット38を設けており、ここに電源を供給する機器の電源プラグを必要に応じて挿入接続する。
【0077】
また装置本体10の上部にはLED等を使用した電源表示灯48が設けられ、インレット(プラグ)36から電源供給を受けている場合に電源表示灯48が点灯する。また停電制御の開始を検知した場合や停電制御停止を検知した場合には電源表示灯48を点滅又は明滅させるようにしても良いし、それぞれ表示色を異ならせても良い。
【0078】
装置本体10aの背面の上部には一対のプラグ端子金具を設けたインレット36を設けており、壁面などに設置している電源コンセント等にインレット36を差し込んで使用する。また背面下部には操作部50が設けられ、例えば通信周波数チャンネル切替ノブ50aやリセットスイッチ釦50bを設けている。」

(5)「【0089】
電源コンセント装置10-1はプロセッサ44と先述した無線通信部45を備え、Z-Wave(R)の無線通信プロトコルに準拠した市販の無線送受信チップにあっては、プロセッサ60と無線送信回路56及び無線受信回路58を含んだ無線送受信ICチップとして提供されており、これを利用することができる。後述するゲートウェイ装置12の無線通信部106にも、同様の無線送受信チップが使用できる。
【0090】
電源コンセント装置10-1には商用交流電源を入力するインレット(プラグ)36と、インレット36から入力した商用交流電源を出力するアウトレット38が設けられ、電力負荷となる家電機器等の電源プラグを接続可能としている。インレット36から出力用のアウトレット38に繋がる一対の電源線の一方には電流センサ40が挿入接続され、アウトレット38に接続される機器で消費される交流電流を検出してプロセッサ44に入力している。
【0091】
なお、インレット36およびアウトレット38としては具体的にはプラグやソケットを利用しており、電源の入力や出力ラインには適宜にヒューズやノイズフィルタ等を挿入している(図示省略)。
【0092】
またインレット36とアウトレット38の間には遮断器42を設けており、プロセッサ44からの制御信号によりオン、オフして、アウトレット38に対する電源供給を断接する。遮断器42としては例えばリレーやSCRなどを使用する。
【0093】
無線通信部45はアンテナ46を接続した無線送信回路56と無線受信回路58、及びプロセッサ60を備え、アンテナ46を介し、本実施形態ではZ-Wave(R)に準拠した第1無線通信プロトコルに従って例えば900MHz帯を使用して信号を送受信する。
【0094】
なお、アンテナ46を介して無線受信回路58で受信された信号はプロセッサ60で解読される。以下、この解読までを含めて受信と呼ぶことがある。また特に、解読の結果有効な信号と判定されることを区別して表す場合には有効受信と呼ぶ。後に説明する図8のゲートウェイ装置12の場合も同様に、無線通信部106に設けた無線受信回路120で受信した信号をプロセッサ122で解読する。
【0095】
プロセッサ44には電源制御部62の機能が設けられている。電源制御部62は、アウトレット38に接続した負荷機器である家電機器等の消費電力量を測定し、測定結果に基づき、図1に示したゲートウェイ装置12およびインターネット20を経由してサーバ22に対して電力測定電文を送信する一方、サーバ22からインターネット22およびゲートウェイ装置を経由して送られてくる停電制御開始電文の有効受信を検知した場合に、遮断器42をオフ制御して、負荷機器に対する電源供給を遮断し、また同経路で送られてくるサーバ22からの停電制御終了電文の有効受信を検知した場合には、遮断器42をオン制御して、負荷機器に対する電源供給を再開する。」

上記(1)ないし(5)から以下のことがいえる。
・上記(1)ないし(5)の記載事項、及び図1、図5、図7によれば、引用文献2に記載の「電力需要制御システム、方法及び電源コンセント装置」のうちの「電源コンセント装置」は、箱形の装置本体10aと、無線通信部45と、商用交流電源を入力するインレット(プラグ)36と、電力負荷となる家電機器の電源プラグを接続可能とし、家電機器にインレット36から入力した商用交流電源を出力するアウトレット38と、アウトレット38に対する電源供給をオン、オフする遮断器42と、家電機器の消費電力量を測定(検知)してネットワークを経由してサーバ22に送信すると共にサーバ22からの制御信号を受信して遮断器42をオン、オフ制御する電源制御部62と、を備えるものである。
・上記(3)、(5)の記載事項、及び図1、図7によれば、電源コンセント装置とネットワーク上の処理装置として機能するサーバ22との間で行われる信号の送受信に関して、電源コンセント装置の電源制御部62は、測定した家電機器の消費電力量を無線通信部45からゲートウェイ装置12およびインターネット20を経由してネットワーク上のサーバ22に送信し、サーバ22側からインターネット20およびゲートウェイ装置12を経由して無線通信部45で受信した制御信号(停電制御開始電文、停電制御終了電文)に基づいて遮断器42のオン、オフ制御を行うようにしてなるものである。

以上のことから、上記記載事項及び図面を総合勘案すると、引用文献2には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「箱形の装置本体と、
商用交流電源を入力するインレット(プラグ)と、
電力負荷となる家電機器の電源プラグを接続可能とし、当該家電機器に前記インレットから入力した商用交流電源を出力するアウトレットと
無線通信部と、
前記アウトレットに対する電源供給をオン、オフする遮断器と、
前記家電機器の消費電力量を測定(検知)して前記無線通信部からゲートウェイ装置およびインターネットを経由してネットワーク上の処理装置として機能するサーバに送信すると共に当該サーバからインターネットおよびゲートウェイ装置を経由して前記無線通信部で受信した制御信号に基づいて前記遮断器をオン、オフ制御する電源制御部と、を備える電源コンセント装置。」

4.対比・判断
本願発明と引用発明とを対比する。
(1)引用発明における「商用交流電源を入力するインレット(プラグ)」は、本願発明でいう「幹線電源に接続するための接続手段」に相当することは明らかである。
したがって、本願発明と引用発明とは、「幹線電源に接続するための接続手段と」を備えるものである点で一致する。

(2)引用発明における電力負荷となる「家電機器」は、本願発明でいう1つ以上の「外部電気装置」に相当し、引用発明における「アウトレット」は、家電機器の電源プラグを接続可能としてなるものであるから、本願発明でいう「外部電気装置に物理的に接続するための手段」に相当する。
したがって、本願発明と引用発明とは、「1つ以上の外部電気装置に物理的に接続するための手段と」を備えるものである点で一致する。

(3)引用発明における「無線通信部」は、ゲートウェイ装置およびインターネットを経由してネットワーク上の処理装置として機能するサーバに所定のデータ(家電機器の消費電力量に関するデータ)を送信するとともに、サーバからインターネットおよびゲートウェイ装置を経由して所定のデータ(遮断器のオン、オフ制御に関する制御信号)を受信するためのものであり、ゲートウェイ装置は中継装置にすぎないことを踏まえると、インターネットを介してネットワーク上のサーバと所定データを通信するためのものであるということができ、本願発明でいう「データ送受信手段」に相当するものである。
したがって、本願発明と引用発明とは、「インターネットとデータを通信するためのデータ送受信手段と」を備えるものである点で一致するといえる。

(4)引用発明における「電源制御部」は、ネットワーク上のサーバからインターネットおよびゲートウェイ装置を経由して無線通信部で受信した制御信号に基づいてアウトレットに対する電源供給をオン、オフする遮断器をオン、オフ制御する、すなわち、無線通信部を使用することによって、インターネットから受信されるデータ(制御信号)を用いてアウトレットに対する電源供給をオン、オフ制御するものであるといえる。そして、アウトレットに対する電源供給をオン、オフ制御することは、アウトレットに接続される家電機器に対する電源供給をオン、オフ制御することであり、家電機器に対する電気出力を制御することに他ならないことから、本願発明でいう「制御手段」に相当するものである。
したがって、本願発明と引用発明とは、「前記データ送受信手段を使用することによって、インターネットから受信されるデータを用いて、前記1つ以上の外部電気装置に対する電気出力を制御するための制御手段と」を備えるものである点で一致する。

(5)そして、引用発明における「電源コンセント装置」は、箱形の装置本体と、本願発明でいう「接続手段」、「外部電気装置に物理的に接続するための手段」、「データ送受信手段」、及び「制御手段」とを備える装置であることから、本願発明でいう「エネルギー管理モジュール又はカプセル」に相当するといえるものである。

よって、上記(1)ないし(5)によれば、本願発明と引用発明とは、
「エネルギー管理モジュール又はカプセルであって、
幹線電源に接続するための接続手段と、
1つ以上の外部電気装置に物理的に接続するための手段と、
インターネットとデータを通信するためのデータ送受信手段と、
前記データ送受信手段を使用することによって、インターネットから受信されるデータを用いて、前記1つ以上の外部電気装置に対する電気出力を制御するための制御手段と、
を備える、エネルギー管理モジュール又はカプセル。」
である点で一致し、相違するところがない。

よって、本願発明は、引用文献2に記載された発明である。

第4 むすび

以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第1項3号に該当し、特許を受けることができないものであるから、その余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。

 
別掲
 
審理終結日 2021-05-18 
結審通知日 2021-05-25 
審決日 2021-06-08 
出願番号 特願2017-516942(P2017-516942)
審決分類 P 1 8・ 562- Z (H02J)
P 1 8・ 113- Z (H02J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 須藤 竜也田中 寛人羽鳥 友哉  
特許庁審判長 清水 稔
特許庁審判官 井上 信一
畑中 博幸
発明の名称 エネルギー管理カプセル及びエネルギー管理カプセルのネットワークを使用して収集されたセンサデータ、又は他の収集された時系列データを処理する方法  
代理人 ▲吉▼川 俊雄  
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