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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  C08F
審判 全部申し立て 2項進歩性  C08F
管理番号 1379836
異議申立番号 異議2021-700040  
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-12-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-01-14 
確定日 2021-10-12 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6721670号発明「組成物、膜、硬化膜、光学センサおよび膜の製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6721670号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-17〕について訂正することを認める。 特許第6721670号の請求項6に係る特許に対する申立てを却下する。 特許第6721670号の請求項1?5、7?17に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6721670号(請求項の数17。以下、「本件特許」という。)は、平成28年11月8日(優先権主張:平成28年3月14日、日本国)を国際出願日とする特許出願(特願2018-505229号)に係るものであって、令和2年6月22日に設定登録されたものである(特許掲載公報の発行日は、令和2年7月15日である。)。

その後、令和3年1月14日に、本件特許の請求項1?17に係る特許に対して、特許異議申立人である東レ株式会社(以下、「申立人」という。)により、特許異議の申立てがされたものである。

(1)特許異議申立以降の経緯
令和3年 1月14日 特許異議申立書
同年 4月22日付け 取消理由通知書
同年 7月 1日 意見書・訂正請求書(特許権者)
同年 7月15日付け 通知書(申立人あて)
同年 8月18日 意見書(申立人)

(2)証拠方法
申立人が、特許異議申立書に添付して提出した証拠方法は、以下のとおりである。

・甲第1号証:特開2015-172173号公報
・甲第2号証:特開2014-108985号公報
・甲第3号証:特開2015-22030号公報


第2 訂正の適否についての判断
令和3年7月1日にした訂正請求は、以下の訂正事項を含むものである。
(以下、訂正事項をまとめて「本件訂正」という。また、設定登録時の本件願書に添付した明細書及び特許請求の範囲を「本件特許明細書等」という。)

1 訂正の内容
(1)各訂正事項について
ア 訂正事項1
訂正前の特許請求の範囲の請求項1に「前記粒子は、酸化チタンであり」と記載されているのを、「前記粒子は、ステアリン酸、シランカップリング剤、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、含水シリカおよび酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも1つを含む表面処理剤により表面処理された酸化チタンであり」に訂正する。

イ 訂正事項2
訂正前の特許請求の範囲の請求項1に「前記粒子の含有量は、組成物の全固形分に対して30?60質量%であり」と記載されているのを、「前記粒子の含有量は、組成物の全固形分に対して30?50質量%であり」に訂正する。

ウ 訂正事項3
訂正前の特許請求の範囲の請求項6を削除する。

エ 訂正事項4
訂正前の特許請求の範囲の請求項7に「前記樹脂がアルカリ可溶性樹脂である、請求項1?6のいずれか一項に記載の組成物。」と記載されているのを、「前記樹脂がアルカリ可溶性樹脂である、請求項1?5のいずれか一項に記載の組成物。」に訂正する。

オ 訂正事項5
訂正前の特許請求の範囲の請求項8に「前記組成物が、ラジカル重合性化合物および重合開始剤を有する、請求項1?7のいずれか一項に記載の組成物。」と記載されているのを、「前記組成物が、ラジカル重合性化合物および重合開始剤を有する、請求項1?5、7のいずれか一項に記載の組成物。」に訂正する。

カ 訂正事項6
訂正前の特許請求の範囲の請求項9に「前記組成物が、さらに着色防止剤を有する、請求項1?8のいずれか一項に記載の組成物。」と記載されているのを、「前記組成物が、さらに着色防止剤を有する、請求項1?5、7、8のいずれか一項に記載の組成物。」に訂正する。

キ 訂正事項7
訂正前の特許請求の範囲の請求項10に「前記組成物が、さらに連鎖移動剤を有する、請求項1?9のいずれか一項に記載の組成物。」と記載されているのを、「前記組成物が、さらに連鎖移動剤を有する、請求項1?5、7?9のいずれか一項に記載の組成物。」に訂正する。

ク 訂正事項8
訂正前の特許請求の範囲の請求項11に「前記組成物が、分散剤および分散助剤のうち少なくとも一方を有する、請求項1?10のいずれか一項に記載の組成物。」と記載されているのを、「前記組成物が、分散剤および分散助剤のうち少なくとも一方を有する、請求項1?5,7?10のいずれか一項に記載の組成物。」に訂正する。

ケ 訂正事項9
訂正前の特許請求の範囲の請求項12に「請求項1?11のいずれか一項に記載の組成物を用いて形成された、膜。」と記載されているのを、「請求項1?5、7?11のいずれか一項に記載の組成物を用いて形成された、膜。」に訂正する。

コ 訂正事項10
訂正前の特許請求の範囲の請求項17に「請求項1?11のいずれか一項に記載の組成物を、パターンを有するマスクを介して露光する工程と」と記載されているのを、「請求項1?5、7?11のいずれか一項に記載の組成物を、パターンを有するマスクを介して露光する工程と」に訂正する。

(2)一群の請求項
本件訂正前の請求項2?17は、それぞれ訂正前の請求項1を直接的又は間接的に引用するものであり、訂正事項1、2によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであり、本件訂正前の請求項1?17は一群の請求項である。
よって、本件訂正は、一群の請求項に対してなされたものである。

2 判断
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的
訂正事項1による訂正は、訂正前の請求項1の「粒子」である「酸化チタン」について、「ステアリン酸、シランカップリング剤、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、含水シリカおよび酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも1つを含む表面処理剤により表面処理された」ものであることを特定・減縮するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるといえる。

新規事項の追加及び実質上の特許請求の範囲の拡張・変更
訂正事項1による訂正の「酸化チタン」について、「ステアリン酸、シランカップリング剤、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、含水シリカおよび酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも1つを含む表面処理剤により表面処理された」ものであることを特定・減縮する訂正は、本件明細書の下記摘記(本b)の段落【0031】に「酸化チタンなどの無機粒子は、有機化合物などの表面処理剤により表面処理されたものであってもよい。表面処理に用いる表面処理剤の例には、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ(酸化ケイ素)、含水シリカ、・・・、ステアリン酸、・・・、酸化ジルコニウム、・・・、シランカップリング剤、・・・などが挙げられる」と記載されていることから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内であるといえる。
また、訂正事項1による訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲の拡張又は変更に当たらないことも明らかである。

(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的
訂正事項2による訂正の「前記粒子の含有量」について、「組成物の全固形分に対して30?60質量%であり」と記載されているのを、上限についてさらに特定して「前記粒子の含有量は、組成物の全固形分に対して30?50質量%であり」とするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるといえる。

新規事項の追加及び実質上の特許請求の範囲の拡張・変更
訂正事項2による訂正の「前記粒子の含有量」について、その上限をさらに特定して「前記粒子の含有量は、組成物の全固形分に対して30?50質量%であり」とする訂正は、本件明細書の下記摘記(本c)の段落【0040】に「特定粒子の含有量は、・・・上限としては特に制限はないが、組成物の全固形分に対して70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましく、50質量%以下であることが特に好ましい」と記載されていることから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内であるといえる。
また、訂正事項2による訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、実質上特許請求の範囲の拡張又は変更に当たらないことも明らかである。

(3)訂正事項3について
ア 訂正の目的
訂正事項3による訂正は、訂正前の請求項6を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

新規事項の追加及び実質上の特許請求の範囲の拡張・変更
訂正事項3は、訂正前の請求項6を削除するものであるから、新規事項の追加、実質上の特許請求の範囲の拡張又は変更に当たらないことは明らかである。

(4)訂正事項4?10について
ア 訂正の目的
訂正事項4?10は、上記の訂正事項3による訂正前の請求項6の削除に合わせて、引用請求項の一部を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

新規事項の追加及び実質上の特許請求の範囲の拡張・変更
訂正事項4?10は、本件特許の願書に添付した明細書又は特許請求の範囲に記載した事項の範囲内においてするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないことは明らかである。

(5)まとめ
以上のとおりであるから、訂正事項1?10による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる目的に適合し、また、同法同条第9項において準用する同法第126条第5及び6項の規定に適合するから、本件訂正を認める。


第3 特許請求の範囲の記載
上記「第2 訂正の適否についての判断」のとおり、本件訂正は適法であるので、特許第6721670号の特許請求の範囲の記載は、訂正後の特許請求の範囲の請求項1?17のとおりのものである(以下、請求項1?17に記載された事項により特定される発明を「本件発明1」?「本件発明17」といい、まとめて「本件発明」ともいう。また、本件訂正後の願書に添付した明細書を「本件明細書」という。)。

「【請求項1】
平均一次粒子径70?130nmの粒子および平均長軸長が50?150nmの粒子のうち少なくとも一方と、樹脂とを含む組成物であって、
前記粒子は、ステアリン酸、シランカップリング剤、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、含水シリカおよび酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも1つを含む表面処理剤により表面処理された酸化チタンであり、
前記粒子の含有量は、組成物の全固形分に対して30?50質量%であり、
前記組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が35?70である、組成物。
【請求項2】
前記組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が35?63.1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合に、前記膜の波長400-700nmの範囲における平均透過率が50%以下である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記粒子は、平均長軸長が50?150nmの粒子である、請求項1?3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が硬化性組成物である、請求項1?4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
前記樹脂がアルカリ可溶性樹脂である、請求項1?5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、ラジカル重合性化合物および重合開始剤を有する、請求項1?5、7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、さらに着色防止剤を有する、請求項1?5、7、8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、さらに連鎖移動剤を有する、請求項1?5、7?9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、分散剤および分散助剤のうち少なくとも一方を有する、請求項1?5、7?10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1?5、7?11のいずれか一項に記載の組成物を用いて形成された、膜。
【請求項13】
厚さ3μmにおける、波長400?700nmの範囲における平均透過率が1%以上である、請求項12に記載の膜。
【請求項14】
厚さが10μm以下である、請求項12または13に記載の膜。
【請求項15】
請求項12?14のいずれか一項に記載の膜を硬化した、硬化膜。
【請求項16】
請求項15に記載の硬化膜を有する光学センサ。
【請求項17】
請求項1?5、7?11のいずれか一項に記載の組成物を、パターンを有するマスクを介して露光する工程と、
露光された前記組成物を現像してパターン形成する工程とを含む、膜の製造方法。」


第4 特許異議申立理由及び取消理由の概要
1 取消理由通知の概要
当審が取消理由通知で通知した取消理由の概要は、以下に示すとおりである。

(1)取消理由A(新規性)
本件訂正前の請求項1?17に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である甲第2号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。
よって、本件訂正前の請求項1?17に係る発明の特許は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものに対してされたものであるから、同法第113条第2号に該当し取り消されるべきものである。

(2)取消理由B(進歩性)
本件訂正前の請求項1?17に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である甲第2号証に記載された発明及び本件特許に係る出願の優先日当時に知られた技術的事項に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、本件訂正前の請求項1?17に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものに対してされたものであるから、同法第113条第2号に該当し取り消されるべきものである。

2 特許異議申立理由の概要
申立人が特許異議申立書に記載した申立理由の概要は、以下に示すとおりである。

(1)申立理由1(新規性)
本件訂正前の請求項1?2、5?12、15?16に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である甲第1号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない。
よって、本件訂正前の請求項1?2、5?12、15?16に係る発明の特許は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものに対してされたものであるから、同法第113条第2号に該当し取り消されるべきものである。

(2)申立理由2(進歩性)
本件訂正前の請求項1?17に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である甲第1号証に記載された発明及び甲第2?3号証に記載された技術的事項に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、本件訂正前の請求項1?17に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものに対してされたものであるから、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。


第5 本件明細書及び各甲号証に記載された事項
1 本件明細書に記載された事項
本件明細書には、以下の事項が記載されている。

(本a)「【技術分野】
【0001】
本発明は、組成物、膜、硬化膜、光学センサおよび膜の製造方法に関する。
・・・
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
樹脂および粒子を含む組成物を用いた膜は、白色の膜として、半導体を用いた光学センサ用途に用いることができる。半導体を用いた光学センサ用途の膜では、膜は薄膜でありながら光学センサを隠蔽可能な遮蔽度を持ち、同時に光学センサを駆動させて受光量の変化を検出するために十分な光を通す遮蔽膜が求められる。純白色に近いCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が75を超える領域の膜では光の透過率が低く、光学センサを駆動させて受光量の変化を検出するために十分な量の光を透過しにくい。薄膜とした場合も光学センサを隠蔽させる観点から、膜は白色度としてCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が35以上であることが必要である。そのため、遮蔽度と透過率を両立するためにはL*が35?75の領域である膜であることが求められている。
【0005】
また、粒子および樹脂を含む組成物を用いて膜を製造する場合、組成物の液経時安定性が低いと、粒子などが沈降することがある。特に、半導体を用いた光学センサ用途には、粒子などが沈降し難い組成物であることが求められる。
【0006】
本発明の解決しようとする課題は、厚さ3μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が35?75であり、かつ、液経時安定性が優れる組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる状況のもと、本発明者らが鋭意検討を行った結果、特許文献1?5に記載の樹脂および粒子を含む組成物は、以下の(1)と(2)の用途で使用されていた。
(1)粒子径が大きい粒子(例えば180nm以上)を用い、CIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が75を超える、白色化および隠蔽率を重視した反射膜用途。
(2)粒子径が小さい(例えば50nm未満)を用い、CIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が35未満である、透明化および高屈折率化を重視した反射防止膜などの光学用途。
本発明者らは、上記(1)と(2)の用途では用いられていなかった以下の構成とすることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。本発明および本発明の好ましい構成は以下のとおりである。
・・・
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、厚さ3μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が35?75であり、かつ、液経時安定性が優れる組成物を提供できる。
また、本発明によれば、膜、硬化膜、光学センサおよび膜の製造方法を提供できる。」

(本b)「【0012】
[組成物]
本発明の組成物は、平均一次粒子径50?150nmの粒子および平均長軸長が50?150nmの粒子のうち少なくとも一方と、樹脂とを含む組成物であって、組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が35?75である。
平均一次粒子径または平均長軸長が上限値以下であれば、組成物中に沈降が生じ難くなり、液経時安定性が改善する。また、平均一次粒子径または平均長軸長が上限値以下であると、厚さ3μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*を75以下に制御しやすい。平均一次粒子径または平均長軸長が下限値以上であると、厚さ3μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*を35以上に制御しやすい。
・・・
【0015】
<<a*およびb*>>
本発明の組成物は、組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるa*は-30?30が好ましく、-20?20がより好ましく、-10?10が特に好ましい。
本発明の組成物は、組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるb*は-35?30が好ましく、-33?0がより好ましく、-30?-15が特に好ましい。
・・・
【0017】
<<固形分濃度>>
組成物の固形分濃度は、20?75質量%が好ましい。上限は、60質量%以下がより好ましい。下限は、30質量%以上がより好ましい。組成物の固形分濃度を上記の範囲とすることで、組成物の粘度を高めて、粒子の沈降などを効果的に抑制でき、組成物の液経時安定性を改良できる。
【0018】
<組成物の組成>
以下、組成物の組成について詳細に説明する。
【0019】
<<平均一次粒子径50?150nmの粒子および平均長軸長が50?150nmの粒子(特定粒子)>>
本発明の組成物は、平均一次粒子径50?150nmの粒子および平均長軸長が50?150nmの粒子のうち少なくとも一方を含有する。平均一次粒子径50?150nmの粒子および平均長軸長が50?150nmの粒子を、以下、特定粒子ともいう。
本発明の組成物は、厚さ3μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*を35?75に制御しやすい観点から、平均一次粒子径50?150nmの粒子を含有することが好ましい。
【0020】
平均一次粒子径50?150nmの粒子は、平均一次粒子径が60?140nmであることが好ましく、80?130nmであることがより好ましい。平均一次粒子径50?150nmの粒子は、粒子を撮影した透過型電子顕微鏡の写真において、円状粒子であることが好ましい。平均一次粒子径50?150nmの粒子は、厳密な円状粒子ではなく、後述の長軸と短軸を有する粒子であってもよい。
本発明の組成物では、平均一次粒子径50?150nmの粒子は、一次粒子径50?150nmの粒子(好ましくは、60?140nm、より好ましくは、80?130nm)を30?60質量%の割合で含有することが好ましく、30?50質量%の割合で含有することがより好ましく、35?50質量%の割合で含有することが特に好ましい。一次粒子径50?150nmの粒子が30質量%以上であると、厚さ3μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*を35?75に制御しやすく、かつ、液経時安定性が優れる組成物を提供しやすい。
・・・
【0021】
・・・
本発明の組成物では、平均長軸長が50?150nmの粒子は、長軸長が50?150nmの粒子(好ましくは、60?140nm、より好ましくは、60?140nm)を30?60質量%の割合で含有することが好ましく、30?50質量%の割合で含有することがより好ましく、35?50質量%の割合で含有することが特に好ましい。長軸長が50?150nmの粒子が30質量%以上であると、厚さ3μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*を35?75に制御しやすく、かつ、液経時安定性が優れる組成物を提供しやすい。
・・・
【0025】
本発明の組成物では、無機粒子は、白色顔料であることが好ましい。無機粒子として白色顔料を用いることで、組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*を好ましい範囲に制御しやすい。本発明において、白色顔料は純白色のみならず、白に近い明るい灰色(例えば灰白色、薄灰色など)の顔料などを含むこととする。
白色顔料は、密度が大きい傾向にあり、組成物中において沈降が生じやすい。本発明によれば、平均一次粒子径50?150nmの粒子および平均長軸長が50?150nmの粒子のうち少なくとも一方を用いるため、粒子として白色顔料を用いる場合であっても、白色顔料の沈降を抑制して、液経時安定性が優れる組成物を提供できる。
白色顔料は、例えば、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク、マイカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、中空樹脂粒子、硫化亜鉛などが挙げられる。白色顔料は、チタン原子を有する粒子が好ましく、酸化チタンがより好ましい。すなわち、本発明の組成物では、無機粒子は、酸化チタンを含むことが好ましい。
・・・
【0028】
平均一次粒子径50?150nmの酸化チタン粒子および平均長軸長が50?150nmの酸化チタン粒子は、光を散乱して白色に見せることができ、組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*を35?75に制御しやすい。酸化チタン粒子の平均一次粒子径の好ましい範囲は、平均一次粒子径50?150nmの粒子および平均長軸長が50?150nmの粒子の平均一次粒子径の好ましい範囲と同様である。
・・・
【0031】
酸化チタンなどの無機粒子は、有機化合物などの表面処理剤により表面処理されたものであってもよい。表面処理に用いる表面処理剤の例には、ポリオール、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ(酸化ケイ素)、含水シリカ、アルカノールアミン、ステアリン酸、オルガノシロキサン、酸化ジルコニウム、ハイドロゲンジメチコン、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などが挙げられる。中でもシランカップリング剤が好ましい。また、酸化チタンなどの無機粒子は、Al、Si、Zrおよび有機物よりなる群より選択されるいずれか1つ以上の表面処理剤で処理されたものであることが好ましく、Al(アルミニウム)、Si(ケイ素)及び有機物の表面処理剤で処理されたものであることがより好ましく、Al化合物および有機物よりなる群より選択されるいずれか1つの表面処理剤で処理されたものであることが特に好ましい。酸化チタンなどの無機粒子の表面がコートされるので、酸化チタンなどの無機粒子の光触媒活性を抑制することができ、耐光性が向上する。表面処理は、1種類単独の表面処理剤でも、2種類以上の表面処理剤を組み合わせて実施してもよい。また、酸化チタンなどの無機粒子の表面が、酸化アルミニウム、シリカ、酸化ジルコニウムなどの酸化物により覆われていることもまた好ましい。これにより、より耐光性および分散性が向上する。」

(本c)「【0040】
特定粒子の含有量は、組成物の全固形分に対して1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることが特に好ましく、30質量%以上であることがより特に好ましく、35質量%以上であることがさらにより特に好ましい。上限としては特に制限はないが、組成物の全固形分に対して70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましく、50質量%以下であることが特に好ましい。」

(本d)「【0243】
[膜]
本発明の膜の第1の態様は、本発明の組成物を用いて形成された膜である。
本発明の膜の第2の態様は、平均一次粒子径50?150nmの粒子および平均長軸長が50?150nmの粒子のうち少なくとも一方と、樹脂とを含有し、
CIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が35?75である、膜である。
【0244】
<L*>
本発明の膜は、CIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が35?75であることが好ましい。膜は、CIE1976のL*a*b*表色系におけるL*の上限は70以下であることがより好ましい。膜は、CIE1976のL*a*b*表色系におけるL*の下限は40以上であることがより好ましく、50以上であることが特に好ましい。尚、第2の態様のL*は、膜厚のみを第1の態様から変更し、他は実施例に記載の方法と同様の方法で測定される。
【0245】
<a*およびb*>
本発明の膜は、CIE1976のL*a*b*表色系におけるa*およびb*は-30?30が好ましく、-20?20がより好ましく、-10?10が特に好ましい。
【0246】
<厚さ>
本発明の膜は、厚さが10μm以下であることが好ましく、3μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることが特に好ましい。厚さの下限値は、0.5μm以上であることが好ましい。
【0247】
<平均透過率>
本発明の膜は、厚さ3μmの波長400?700nmの範囲における平均透過率が1%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましく、30%以上であるこ
とが特に好ましい。波長400?700nmの範囲における平均透過率の上限値は、50%以下であることが好ましい。
【0248】
<用途>
本発明の膜は、固体撮像素子などの各種類のセンサや、画像表示装置(例えば、液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置など)に組み込んで用いることができる。また、光学部材の外観調整用途の材料として用いることもできる。
本発明の膜は、例えば、各種類のセンサや、画像表示装置などに組み込んで、光を適度に遮光ないし透過する部材や、光を散乱する部材として用いることもできる。また、発光ダイオード(LED)反射用途、有機EL光散乱層用途、導電材料、絶縁材料、太陽電池用材料などに用いることもできる。
【0249】
[硬化膜]
本発明の硬化膜は、本発明の膜を硬化した、硬化膜である。硬化膜は、本発明の膜から溶剤を除去されたことが好ましい。また、硬化膜は、本発明の膜の重合性化合物を重合して硬化されたことが好ましい。
本発明の硬化膜は、硬化膜の状態でCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が35?75であることが好ましい。本発明の硬化膜は、硬化膜の状態でCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*の上限は70以下であることが好ましい。本発明の硬化膜は、硬化膜の状態でCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*の下限は40以上であることが好ましく、50以上であることがより好ましい。」

(本e)「【実施例】
【0264】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
・・・
【0269】
[実施例1?39、比較例1?6]
<分散液の製造>
下記組成の混合液に対し、循環型分散装置(ビーズミル)として、寿工業(株)製ウルトラアペックスミルを用いて、以下のようにして分散処理を行い、分散液を製造した。
<<混合液の組成>>
下記表に記載の粒子:30質量部、下記表に記載の分散剤:下記表に記載の量、プロピレングリコール-1-モノメチルエーテル-2-アセテート(PGMEA):下記表に記載の量
また分散装置は以下の条件で運転した。
ビーズ径:直径0.2mm、ビーズ充填率:65体積%、周速:6m/秒、ポンプ供給量:10.8kg/時、冷却水:水道水、ビーズミル環状通路内容積:0.15L、分散処理する混合液量:0.65kg
【0270】
分散開始後、30分間隔で、粒子の平均粒子径の測定を行った。粒子の平均粒子径は分散時間とともに減少していったが、次第にその変化量が少なくなっていった。粒度分布におけるd50(積算値50%)の変化量がなくなった時点で分散を終了した。
得られた分散液1?5、7、11?14、16?33の組成を下記表に示す。
【表5】


【0271】
(粒子)
A-1?A-5、A-7、A-11?A-14、A-16?A-26として、以下の表に示す粒子を用いた。
【表6】


・・・
【0275】
<組成物の調製>
下記表に記載の原料を混合して、組成物を調製した。尚、表中の「-」は含有されないことを表す。
【0276】
【表7】


【0277】
【表8】


・・・
【0289】
[評価]
<L*>
上記で得られた各組成物を、下塗り層(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製CT-4000L;膜厚0.1μm)付き8インチ(1インチは2.54cmである)ガラスウェハ上に乾燥後の膜厚が3.0μmになるようにスピンコータを用いて塗布し、110℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行った。
次いで、i線ステッパー露光装置FPA-3000i5+(Canon(株)製)を使用して、365nmの波長光を1000mJ/cm^(2)にて、2cm×2cmのパターンを有するマスクを介して露光した。
その後、露光された塗布膜が形成されているガラスウェハをスピンシャワー現像機(DW-30型、(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に載置し、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)0.3質量%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行い、ガラスウェハ上に白色パターンを形成した。
白色パターンが形成されたガラスウェハを真空チャック方式で水平回転テーブルに固定し、回転装置によってガラスウェハを回転数50rpmで回転させつつ、その回転中心の上方より純水を噴出ノズルからシャワー状に供給してリンス処理を行い、その後スプレー乾燥した。本明細書中、L*は、膜に含まれる溶剤が1質量%以下になった状態で測定する。
分光測光器を用いて、測定条件をD65光源、観測視野を2°、白色基準はX-rite528(商品名、X-rite社製)に付属のキャリブレーション基準板のホワイトパッチを用いて、得られた白色パターンのCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*値を測定した。その結果を、L*として下記表に記載した。分光測光器として、X-rite528(商品名、X-rite社製)を用いた。同様にa*、b*の値も表に記載した。
【0290】
<液経時安定性>
上記で得られた各組成物を、オーブンを用いて160℃1時間の条件で揮発分を乾燥させた。乾燥前後の乾燥減量を測定することで揮発量を求め、各組成物の乾燥前の重量と揮発量との差を計算して、「遠心処理の前の固形分」を算出した。
また、得られた組成物を、室温、3500rpmの条件で47分間遠心処理を行った後の上澄み液について、上記と同様の方法で「遠心処理の後の固形分」を算出した。
「遠心処理の後の固形分」と「遠心処理の前の固形分」との差を、「遠心処理の前の固形分」で割り、百分率として固形分沈降率を算出し、下記のように分類を行い、液経時安定性の試験とした。A、BまたはCの評価であれば実用上問題ないと判断する。AまたはBの評価であることが好ましく、Aの評価であることがより好ましい。得られた結果を下記表に記載した。
A:固形分沈降率が2質量%以下の範囲であるもの。
B:固形分沈降率が2質量%を超え、5質量%以下の範囲であるもの。
C:固形分沈降率が5質量%を超え、10質量%以下の範囲であるもの。
D:固形分沈降率が10質量%を超え、15質量%以下の範囲であるもの。
E:固形分沈降率が15質量%を超えるもの。
【0291】
<耐光性>
上記で得られた各組成物を、下塗り層(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製CT-4000L;膜厚0.1μm)付き8インチガラスウェハ上に乾燥後の膜厚が5.0μmになるようにスピンコータを用いて塗布し、110℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行った。
次いで、i線ステッパー露光装置FPA-3000i5+(Canon(株)製)を使用して、365nmの波長光を1000mJ/cm^(2)にて、2cm×2cmのパターンを有するマスクを介して露光した。
その後、露光された膜が形成されているガラスウェハをスピンシャワー現像機(DW-30型、(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に載置し、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)0.3質量%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行い、ガラスウェハ上に白色パターンを形成した。
白色パターンが形成されたガラスウェハを真空チャック方式で水平回転テーブルに固定し、回転装置によってガラスウェハを回転数50rpmで回転させつつ、その回転中心の上方より純水を噴出ノズルからシャワー状に供給してリンス処理を行い、その後スプレー乾燥した。その後200℃のホットプレートを用いて5分間加熱処理(ポストベーク)を行い、触針式膜厚測定機DEKTAKを用いてポストベーク後の膜厚を測定した。
次いで、スガ試験機(株)製スーパーキセノンウェザーメーターSX75を用い、照度10万ルクス、50時間照射した後の膜厚を測定し、耐光試験後の膜厚とした。
ポストベーク後の膜厚に対する耐光試験後の膜厚(%)について、下記のように分類を行い、耐光性試験の評価とした。A、B、CまたはDの評価であることが好ましく、A、BまたはCの評価であることがより好ましく、AまたはBの評価であることが特に好ましく、Aの評価であることがより特に好ましい。得られた結果を下記表に記載した。
A:ポストベーク後の膜厚に対する耐光試験後の膜厚が95?100%の範囲であるもの。
B:ポストベーク後の膜厚に対する耐光試験後の膜厚が90%以上95%未満の範囲であるもの。
C:ポストベーク後の膜厚に対する耐光試験後の膜厚が80%以上90%未満範囲であるもの。
D:ポストベーク後の膜厚に対する耐光試験後の膜厚が70%以上80%未満範囲であるもの。
E:ポストベーク後の膜厚に対する耐光試験後の膜厚が70%未満であるもの。
・・・
【0297】
【表9】


【0298】
上記表より、各実施例の組成物は、厚さ3.0μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が35?75であり、かつ、液経時安定性が優れることがわかった。
これに対し、平均一次粒子径が50nmを下回る粒子を用いた比較例1の組成物は、厚さ3.0μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が35未満であった。平均一次粒子径が150nmを超える粒子を用いた比較例2?6の組成物は、液経時安定性が劣ることがわかった。
・・・
【産業上の利用可能性】
【0302】
本発明の組成物から形成された膜は、厚さ3.0μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が35?75であり、かつ、液経時安定性が優れる膜である。このような膜は、硬化して硬化膜として固体撮像素子などの各種類の光学センサに利用した場合に、良好な光学センサ機能を発揮でき、産業上の利用可能性が高い。」

2 各甲号証に記載された事項
(1)甲第1号証に記載された事項
甲第1号証には、以下の事項が記載されている。

(甲1a)「【請求項1】
(A)アクリロイル基及び/又はメタアクリロイル基を有するポリシロキサン100質量部と、
(B)ラジカル開始剤0.1?10質量部と、
(C)白色顔料50?600質量部と、
を含む、光反射材用樹脂組成物。
・・・
【請求項3】
前記(A)成分100質量部に対して、(E)カップリング剤1?40質量部を、更に含む、請求項1又は2に記載の光反射材用樹脂組成物。
【請求項4】
前記(E)成分が、(a)(メタ)アクリロイル基と、(b)エポキシ基、メトキシ基、及びエトキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1つと、を有するシランカップリング剤である、請求項3に記載の光反射材用樹脂組成物。
【請求項5】
前記(C)成分の平均粒子径が、0.1μm?0.3μmである、請求項1?4のいずれかに記載の光反射材用樹脂組成物。
【請求項6】
前記(A)成分100質量部に対して、(D)シリカ50?500質量部を、更に含む、請求項1?5のいずれかに記載の光反射材用樹脂組成物。
【請求項7】
前記(D)成分が、表面の少なくとも一部に、アクリロイル基及び/又はメタアクリロイル基を有するシリカである、請求項6に記載の光反射材用樹脂組成物。
【請求項8】
前記(D)成分が、平均粒子径10μm?100μmであるシリカ粒子aと、平均粒子径0.1μm?1μmであるシリカ粒子bと、を含む、請求項6又は7に記載の光反射材用樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1?8のいずれか一項に記載の光反射材用樹脂組成物を硬化させることによって得られる光反射材。
【請求項10】
前記光反射材は、成形方法として液状インジェクション成形法によって成形されたものである、請求項9に記載の光反射材。」

(甲1b)「【技術分野】
【0001】
本発明は、光反射材用樹脂組成物、これを用いた光反射材、光半導体部品用リフレクタ、及び光半導体部品に関する。
・・・
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、変色の抑制が不十分であるといった問題がある。そのため、特許文献1に記載の光反射材は、ハイパワーデバイスのリフレクタ等への使用が困難である。特許文献2に記載の技術では、セラミック材料は、その成形温度をかなり高くする必要があるため取扱性や作業性に問題があり、さらには微細な構造体や大面積の構造体への成形に不向きであるといった問題もある。特許文献3に記載の技術では、ガスバリア性に劣るという問題がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ガスバリア性に優れるとともに、常温下及び高温環境下での光反射性にも優れる硬化物を実現可能な光反射材用樹脂組成物を提供することを目的とする。
・・・
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ガスバリア性に優れるとともに、常温下及び高温環境下での光反射性にも優れる硬化物を実現可能な光反射材用樹脂組成物を提供することができる。
・・・
【0015】
本実施形態の光反射材用樹脂組成物は、(A)(メタ)アクリロイル基を有するポリシロキサン100質量部と、(B)ラジカル開始剤0.1?10質量部と、(C)白色顔料50?600質量部とを含有する光反射材用樹脂組成物である。本実施形態の光反射材用樹脂組成物は、ガスバリア性に優れるとともに、常温下及び高温環境下での光反射性にも優れる硬化物を実現できる。本実施形態の光反射材用樹脂組成物から得られる硬化物のガスバリア性に関して、少なくとも硬化直後のガスバリア性が優れているならば、当該硬化物を高温環境下に置いた後も優れたガスバリア性を維持できること等も認められる。
【0016】
さらに、最近のLEDパッケージにはハイパワー化と低コスト化が同時に求められるようになり、リフレクタの成形方法にも変革の波が押し寄せている。リフレクタの成形方法としては、低コスト化を実現する観点から、従来の個片成形(パンチタイプ)ではなく、リフレクタを面状に一体成形して多数個のリフレクタを一括成形した後、ダイシングによって個片化する成形方法(MAPタイプ)が採用される傾向にある。その際、リフレクタ部材には、ダイシング工程時に端面に大きな欠けが生じない加工性(ダイシング加工性)が新たに求められている。本発明者らは、かかる実情も踏まえて検討した結果、意外にも、本実施形態の光反射材用樹脂組成物は、成形体とした際のダイシング性にも優れていることを見出した。詳しくは後述するが、加えて、(A)成分であるポリシロキサンに特定の構造を導入することで、ダイシング性が一層向上すること等も更に見出した。」

(甲1c)「【0017】
<(A)(メタ)アクリロイル基を有するポリシロキサン>
(A)成分である(メタ)アクリロイル基を有するポリシロキサンは、(メタ)アクリロイル基及びシロキサン結合を有するポリシロキサンである。
・・・
【0037】
直鎖構造だけでなく架橋構造も有するポリシロキサンを用いることで、ダイシング加工性等に優れる理由は、必ずしも明確ではないが、ポリマー構造が3次元的に広がった構造を有するので白色顔料等との相互作用が向上するからではないかと推察される。そして、かかる効果は、上述したような架橋構造を採用することで、一層向上することが期待される(但し、本実施形態の作用効果はこれらに限定されない。)。」

(甲1d)「【0038】
<(B)ラジカル開始剤>
(B)ラジカル開始剤は、熱及び/又は光によって自らが分解し、それによって(A)成分の(メタ)アクリロイル基等をラジカル重合させ得るものであればよく、その種類は特に限定されない。(B)成分としては、熱ラジカル開始剤、光ラジカル開始剤等が挙げられる。」

(甲1e)「【0045】
<(C)白色顔料>
(C)白色顔料とは、白色を呈する顔料である。白色顔料としては、特に限定されず、例えば、酸化マグネシウム、アルミナ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等が挙げられる。これらの中でも、高屈折率及び材料の入手容易性等の観点から、酸化チタンが好ましい。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
・・・
【0047】
(A)成分100質量部に対する(C)成分の含有量は、50?600質量部である。(A)成分100質量部に対する(C)成分の含有量がこの範囲外であると、流動性や、硬化物の光反射性能が不十分となる傾向にある。
【0048】
(A)成分100質量部に対する(C)成分の含有量は、100?600質量部であることが好ましく、100?400質量部であることがより好ましい。(C)成分の配合量がこの範囲内であると、本実施形態の組成物の流動性が一層向上し、硬化物の光反射性も一層向上する傾向にある。
【0049】
(C)成分の平均粒子径は、0.01?200μmであることが好ましく、0.1?0.3μmであることがより好ましい。この範囲の平均粒子径を有する(C)成分を用いることで、得られる硬化物の光反射性が一層向上する。ここで、なお、平均粒子径は、SEM解析によって得られた画像から100個の粒子を抽出して、その粒子の直径を測定し、これらの相加平均をとることで求めることができる。」

(甲1f)「【0050】
<(D)シリカ粒子>
本実施形態の光反射材用樹脂組成物は、シリカを更に含むことが好ましい。シリカを含有することによって、硬化物のダイシング性が一層向上する。本実施形態で使用するシリカ粒子の製法は特に限定されるものではなく、例えば、破砕シリカを溶融して製造するもの、金属シリコンを爆燃法で製造するもの、アルコキシケイ素化合物をゾル-ゲル法で製造するもの等が挙げられる。
【0051】
(D)成分は、その表面の少なくとも一部に、アクリロイル基及び/又はメタアクリロイル基を有するシリカであることが好ましい。(D)成分の表面にアクリロイル基やメタアクリロイル基が少なくとも存在することで、硬化物のダイシング性が一層向上する傾向にある。
・・・
【0053】
(D)成分の平均粒子径は0.01?100μmであることが好ましく、0.1?100μmであることがより好ましい。(D)成分の平均粒子径が上記範囲であると、硬化物のダイシング性を一層向上する。なお、平均粒子径は、SEM解析によって得られた画像から100個の粒子を抽出して、その粒子の直径を測定し、これらの相加平均をとることで求めることができる。
【0054】
(D)成分は、平均粒子径が異なるシリカ粒子を併用することが好ましい。具体的には、平均粒子径が10?100μmであるシリカ粒子a(大粒子)と、平均粒子径が0.1?1μmであるシリカ粒子b(小粒子)とを含むことがより好ましい。このようなシリカ粒子を併用することで、硬化物のダイシング性が一層向上する。特に、(A)成分が架橋構造を含有したものであり、かつ、(D)成分として、平均粒子径が異なるシリカ粒子を2種以上併用している場合に、かかる効果はより一層優れたものになる。このように架橋構造を含有する(A)成分と併用する場合、(D)成分としては、上記したような大粒径のシリカ粒子と小粒径のシリカ粒子とを併用することが、上記効果の観点から、一層好ましい。
・・・
【0056】
(A)成分100質量部に対する(D)成分の含有量は、特に限定されないが、50?600質量部であることが好ましく、400?600質量部であることがより好ましい。(D)成分の含有量をこの範囲にすることによって硬化物のダイシング性が一層向上する。」

(甲1g)「【0057】
<(E)カップリング剤>
本実施形態の光反射材用樹脂組成物は、金属配線(リードフレーム)等との密着性を向上させる目的等で、(E)カップリング剤を更に含むことが好ましい。カップリング剤としては、特に限定されず、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤等が挙げられる。
【0058】
(E)シランカップリング剤としては、例えば、エポキシ基、アミノ基、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、メルカプト基、及びアルコキシ基等からなる群より選ばれる少なくとも1つを含むシラン系化合物、並びに分子中にこれらの官能基を複数含む化合物等が挙げられる。これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0059】
(E)成分としては、(a)(メタ)アクリロイル基と、(b)エポキシ基、メトキシ基、及びエトキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1つと、を有するシランカップリング剤であることが好ましい。このような(E)シランカップリング剤を使用することによって、成形時の金型からの離型性を確保しながら、金属配線(リードフレーム)等との密着性を高めることができるので特に好ましい。
【0060】
(E)成分の含有量は、特に限定されないが、(A)成分100質量部に対して、1?40質量部であることが好ましく、1?10質量部であることがより好ましく、1?5質量部であることが更に好ましい。(E)成分の含有量をこの範囲内にすることで、密着性が一層向上する。」

(甲1h)「【0061】
本実施形態において、必要に応じて、酸化防止剤、離型剤、イオン捕捉剤、ガラスファイバー等の他の無機系添加剤といった公知の各種添加剤を更に添加してもよい。本実施形態の光反射材用樹脂組成物中の(A)成分の含有量は、有機系成分(無機系成分((C)成分、(D)成分、及び上記した(C)成分と(D)成分以外の他の無機系添加剤)を除いた成分))に対して、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることが更に好ましい。」

(甲1i)「【実施例】
【0073】
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより詳述するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、20℃、湿度50%の条件下で実験を行った。
【0074】
(材料等)
以下のものを使用した。
(A)ポリシロキサン
・(a-1)信越化学工業社製、「X22-164」(両末端にメタアクリロイル基を含有するジメチルシリコーン;官能基当量190g/mol)
・(a-2)東亞合成社製「AC-SQ SI-20」(分子骨格中に、T構造の架橋構造を有し、かつ、メタアクリロイル基を含有するポリシロキサン;官能基当量350g/mol)
・(a-3)1、3、5、7-テトラメチルシクロテトラシロキサン100g(0.416mol、ハイドロジェンポリシロキサン(8)に相当)、ビニルジメチルシロキシ末端ジメチルジシロキサン124g(0.665mol、ケイ素原子に直接結合したビニル基を2個以上有するビニル基含有オルガノポリシロキサンに相当)、3-ブテニルメタクリレート93.2g(0.665mol、(a)ビニル基と(b)アクリロイル基及び/又はメタアクリロイル基を共に含む有機化合物に相当)に、塩化白金酸触媒を加え、トルエン中にて65℃で92時間反応させた後、活性炭処理し、揮発成分を留去して、分子骨格中に、架橋構造を有し、かつ、メタアクリロイル基を有するポリシロキサンを得た((a-3);官能基当量814g/mol)
なお、特に断りがない限り、構造の同定は、日本分光社製、FT-NMR核磁気共鳴装置「α-400」を用いて行った。例えば、(a-3)では、^(1)H-NMR、^(13)C-NMR及び^(29)Si-NMRを測定し、環状のテトラシロキサンがビニルジメチルシロキサンで架橋された架橋構造を有し、ブテニル基を含む分子構造であることを確認した。また、^(1)H-NMR、^(29)Si-NMRから求めた1分子あたりの平均組成から、メタアクリロイル基の官能基当量(官能基1モル当りの質量)を算出した。
【0075】
(B)ラジカル開始剤
火薬アクゾ社製、「トリゴノックス121-50E」(tert-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノレート
【0076】
(C)白色顔料
・(c-1)堺化学社製、「R-11P」(酸化チタン、平均粒子径0.2μm)
・(c-2)堺化学社製、「R-38L」(酸化チタン、平均粒子径0.4μm)
・(c-3)石原産業社製、「PT-401M」(酸化チタン、平均粒子径0.07μm)
なお、白色顔料の平均粒子径は、SEM解析(日立ハイテクノロジーズ社製、走査型電子顕微鏡「S-3000N」、加速電圧:8.0kV、撮像倍率:1500倍)によって得られた画像から100個の粒子を抽出して、その粒子の直径を測定し、これらの相加平均をとることで算出した。
【0077】
(D)シリカ粒子
・(d-1)アドマテックス社製、「FEDSeries」(シリカ粒子、平均粒子径20μm)
・(d-2)アドマテックス社製、「FEDSeries-SM」(メタクリル修飾シリカ粒子、平均粒子径20μm)
・(d-3)アドマテックス社製、「SO-02」(シリカ粒子、平均粒子径0.5μm)
なお、シリカ粒子の平均粒子径は、SEM解析(日立ハイテクノロジーズ社製、走査型電子顕微鏡「S-3000N」)によって得られた画像から100個のシリカ粒子を抽出して、このシリカ粒子の直径を測定し、相加平均をとることで測定した。
(E)カップリング剤
・(e-1)信越シリコーン社製、「KBM-503」(3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン)
・(e-2)信越化学工業社製、「LS-2940」(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)
・(e-3)協栄社化学社製、「ライトエステルG」(グリシジルメタクリレート)
【0078】
シリコーン、信越化学工業社製、「KER-2500」
エポキシ、ダイセル化学社製、「W0931」
【0079】
(実施例、比較例)
1.光反射材用樹脂組成物の調製と硬化物の作製
表1及び表2に示した配合割合に従って各成分を配合し、三本ロールによって混練して光反射材用樹脂組成物を得た。得られた組成物を10mm×10mm×0.5mmの型に流し込んで、AMK社製の遠赤外線加熱炉にて、150℃、表1及び表2に記載の硬化時間の条件にて硬化させ、硬化物を得た。なお、表1及び表2に示した各成分の配合量の単位は、特に断りがない限り、「質量部」である。各表における「-」は該当する成分が配合されていなかったことを意味する。
【0080】
2.光反射材用樹脂組成物の評価
各実施例及び各比較例の光反射材用樹脂組成物の硬化直後の硬化物について、光反射率(初期反射率)とガスバリア性を以下の方法によって測定した。さらに、これらの各硬化物を150℃で1000時間静置したものについて、光反射率を測定した。
(光反射率)
光反射率は、積分球型分光光度計「V-750型」(日本分光社製)を用いて、波長400nmにおける各試験片の光反射率を測定した。
(ガスバリア性)
ガスバリア性は、酸素透過率測定装置「Model8001」(イリノイ社製)を用いて、温度25℃、50%RHの条件で各試験片の酸素透過率を測定した。以下の基準に基づき、酸素透過率を評価した。
○:酸素透過率が1000mL/m^(2)/日未満であった場合
×:酸素透過率が1000mL/m^(2)/日以上であった場合
【0081】
(密着性)
密着性は、Al板(2cm×10cm×厚み1mm)に各実施例及び各比較例の光反射材用樹脂組成物を1cm四方サイズで塗布した後、別のAl板を対向密着させ硬化(150℃×2時間)し、得られた試験片を引張試験機(島津製作所社製、オートグラフAGS-Xシリーズ)で引っ張り評価を行った。以下の基準に基づき、密着性を評価した。
◎:密着強度が40kgf/cm^(2)以上であった場合
○:10kgf/cm^(2)以上40kgf/cm^(2)未満であった場合
△:10kgf/cm^(2)未満であった場合
【0082】
(ダイシング性)
各実施例の光反射材用樹脂組成物を実施例1と同様にして硬化させて硬化物を得た。得られた硬化物を、ディスコ社製、「DFDシリーズ」のダイサーで、レジンブレードを使ってダイシングした。ダイシング後、その切断端面を上部から顕微鏡観察(倍率:100倍)し、欠けの大きさを観察した。以下の基準に基づき、ダイシング性を評価した。
◎:欠けの大きさが20μm未満であった場合
○:欠けの大きさが20μm以上30μm未満であった場合
△:欠けの大きさが30μm以上40μm未満であった場合
×:欠けの大きさが40μm以上であった場合
【0083】
(成形性)
一例として、実施例1の組成物についてLIM成形性の評価を行った。液状インジェクション成形の評価は、ソディック社製射出成形機「LS40EHV」を用いて行った。5050サイズのリフレクタ形状(厚み0.8mm)を126個彫り込んだ下金型を準備し、上金型と型締めした後、金型温度を120℃に保った。その後、実施例1の光反射材用樹脂組成物を型に注液し、金型を120℃で5分間保持した後、型開きを行って成形物を取り出した(成形体1)。成形物の離型性は良好であった。
トランスファー成形物の評価は、アピック社製トランスファー成形機「G Line Manual System」を用いて行った。実施例1の光反射材用樹脂組成物をタブレット型(10mmφ×15mm)に注液して100℃×15秒加熱してタブレットを得た。このタブレットを、5050サイズのリフレクタ形状(厚み0.8mm)を126個彫り込み120℃に保たれた下金型に配置した。そして、型締めしてタブレットを金型内に押し込んだ後、金型を引き続き120℃で5分間保持した。その後、型開きを行って成形物を取り出した(成形体2)。成形体の離型性は良好であった。
成形体1と成形体2をオーブンで追硬化(150℃×1時間)した後、各成形体の表面を光学顕微鏡で拡大観察した。その結果、成形体2は実用レベルでは問題ない程度の欠けしか確認できず、成形体1は欠けが全く確認されなかった。これらのことから、当該実施例の光反射材用樹脂組成物の成形手法としてはLIM成形が一層好適であることが確認できた。
【0084】
各実施例及び各比較例の結果を、表1及び表2に示す。
【0085】
【表1】


【0086】
【表2】




(2)甲第2号証に記載された事項
甲第2号証には、以下の事項が記載されている。

(甲2a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】
(成分A)金属酸化物粒子、
(成分B)分散剤、
(成分C)溶剤、及び、
(成分D)式(D-1)で表される構成単位を含む重合体を含有することを特徴とする、
分散組成物。
【化1】
・・・
【請求項2】
透明膜形成用である、請求項1に記載の分散組成物。
【請求項3】
成分Aの平均一次粒子径が1nm?60nmである、請求項1又は2に記載の分散組成物。
【請求項4】
成分Aの一次粒子の平均アスペクト比(長径/短径)が1以上4以下である、請求項1?3のいずれか1項に記載の分散組成物。
【請求項5】
成分Bが酸基を有する分散剤を含有する、請求項1?4のいずれか1項に記載の分散組成物。
・・・
【請求項7】
成分Cがプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを含む、請求項1?6のいずれか1項に記載の分散組成物。
【請求項8】
成分Dが酸基を有する構成単位を更に含む、請求項1?7のいずれか1項に記載の分散組成物。
【請求項9】
成分Dが式(D-1)で表される構成単位を1?50質量%含有する、請求項1?8のいずれか1項に記載の分散組成物。
・・・
【請求項11】
成分Aが、酸化チタン粒子又は酸化ジルコニウム粒子である、請求項1?10のいずれか1項に記載の分散組成物。
【請求項12】
成分Dの含有量が成分Aに対して1?50質量%である、請求項1?11のいずれか1項に記載の分散組成物。
【請求項13】
成分Bの含有量が成分Aに対して10?50質量%である、請求項1?12のいずれか1項に記載の分散組成物。
【請求項14】
固形分中の成分Aの濃度が60%以上で乾燥膜厚1.5μmに製膜した時の全光線透過率が80%以上である、請求項1?13のいずれか1項に記載の分散組成物。
【請求項15】
請求項1?14のいずれか1項に記載の分散組成物、並びに、(成分E)酸基が酸分解性基で保護された基を有する構成単位を含む重合体、及び、(成分F)光酸発生剤を含有する、感光性樹脂組成物。
・・・
【請求項17】
請求項1?14のいずれか1項に記載の分散組成物、並びに、(成分G)バインダーポリマー、(成分H)エチレン性不飽和化合物、及び、(成分I)光重合開始剤を含有する、感光性樹脂組成物。
【請求項18】
固形分中の成分Aの濃度が40%以上で乾燥膜厚2.4μmに製膜した硬化物の全光線透過率が80%以上である、請求項15?17のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
【請求項19】
少なくとも工程(a)?(c)をこの順に含むことを特徴とする硬化物の製造方法。
(a)請求項15?17のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程
(b)塗布された樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
(c)溶剤が除去された樹脂組成物を熱処理する熱処理工程、又は、溶剤が除去された樹脂組成物に活性光線を照射する露光工程
【請求項20】
少なくとも工程(1)?(4)をこの順に含むことを特徴とする樹脂パターン製造方法。
(1)請求項15?17のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布する塗布工程
(2)塗布された樹脂組成物から溶剤を除去する溶剤除去工程
(3)溶剤が除去された樹脂組成物を活性光線によりパターン状に露光する露光工程
(4)露光された樹脂組成物又は未露光の樹脂組成物を水性現像液により現像する現像工程
【請求項21】
請求項19に記載の硬化物の製造方法、又は、請求項20に記載の樹脂パターン製造方法により得られた硬化物。
【請求項22】
請求項15?17のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜。
【請求項23】
層間絶縁膜である、請求項22に記載の硬化膜。
【請求項24】
請求項22又は23に記載の硬化膜を有する液晶表示装置。
【請求項25】
請求項22又は23に記載の硬化膜を有する有機EL表示装置。
【請求項26】
請求項22又は23に記載の硬化膜を有するタッチパネル表示装置。」

(甲2b)「【技術分野】
【0001】
本発明は、分散組成物、感光性樹脂組成物(以下、単に、「本発明の組成物」ということがある。)に関する。また、上記感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化物及びその製造方法、上記感光性樹脂組成物を用いた樹脂パターン製造方法の製造方法、上記感光性樹脂組成物を硬化してなる硬化膜、並びに、上記硬化膜を用いた各種画像表示装置に関する。
更に詳しくは、液晶表示装置、有機EL表示装置、タッチパネル表示装置、集積回路素子、固体撮像素子などの電子部品の平坦化膜、保護膜や層間絶縁膜の形成に好適な、感光性樹脂組成物及びそれを用いた硬化膜の製造方法に関する。
・・・
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、金属酸化物粒子を溶剤中に分散させた分散組成物とした場合、分散性が十分ではなく、その結果、上記分散組成物を用いて作製された感光性樹脂組成物中においても金属酸化物粒子の分散性が不十分となり、ヘイズが向上したり、透過率が向上する等の問題があった。更に、現像性が悪化するという問題があった。
【0005】
本発明は、ヘイズが低く、透過性に優れ、金属酸化物粒子の分散性に優れた分散組成物を提供することを目的とする。また、ヘイズが低く、透過性に優れた硬化膜が得られ、更に、現像性に優れた感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。更に、上記感光性樹脂組成物を用いた硬化物の製造方法、樹脂パターンの製造方法、硬化物、硬化膜、液晶表示装置、有機EL表示装置、並びに、タッチパネル表示装置を提供することを目的とする。
・・・
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ヘイズが低く、透過性に優れ、金属酸化物粒子の分散性に優れた分散組成物を提供することができた。また、ヘイズが低く、透過性に優れた硬化膜が得られ、更に、現像性に優れた感光性樹脂組成物を提供することができた。更に、上記感光性樹脂組成物を用いた硬化物の製造方法、樹脂パターンの製造方法、硬化物、硬化膜、液晶表示装置、有機EL表示装置、並びに、タッチパネル表示装置を提供することができた。」

(甲2c)「【0020】
本発明の分散液は、透明膜形成用の分散液として好適に使用することができる。
金属酸化物粒子を含有する分散液を調製する際、金属酸化物粒子の分散性が十分ではないために、ヘイズが高くなるという問題があった。本発明者等は鋭意検討した結果、成分A?成分Dを含有する分散組成物は、成分Aの分散性に極めて優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
以下、本発明の分散液について詳細に検討する。
【0021】
(成分A)金属酸化物粒子
本発明の分散組成物は、(成分A)金属酸化物粒子を含有する。金属酸化物粒子は、後述する感光性樹脂組成物において、屈折率や光透過性を調節することを目的として、添加される。金属酸化物粒子は、透明性が高く、光透過性を有するため、高屈折率で、透明性に優れた感光性樹脂組成物が得られる。
成分Aは、当該粒子を除いた材料からなる樹脂組成物の屈折率より屈折率が高いものであることが好ましく、具体的には、400?750nmの波長を有する光における屈折率が1.50以上の粒子がより好ましく、屈折率が1.70以上の粒子が更に好ましく、1.90以上の粒子が特に好ましい。
・・・
【0022】
なお、本発明における金属酸化物粒子の金属には、B、Si、Ge、As、Sb、Te等の半金属も含まれるものとする。
光透過性で屈折率の高い金属酸化物粒子としては、・・・、二酸化チタンが最も好ましい。二酸化チタンとしては、特に屈折率の高いルチル型が好ましい。これら金属酸化物粒子は、分散安定性付与のために表面を有機材料で処理することもできる。
【0023】
金属酸化物粒子の平均一次粒子径は、1?200nmであることが好ましく、2?100nmであることがより好ましく、1?60nmであることが更に好ましく、5?50nmであることが特に好ましい。上記範囲であると、粒子の分散性に優れ、また、高屈折率であり、かつ透明性により優れる硬化物が得られる。
金属酸化物粒子の平均一次粒子径は、分散した金属酸化物粒子を透過型電子顕微鏡により観察し、得られた写真から求めることができる。具体的には金属酸化物粒子の投影面積を求め、それに対応する円相当径を金属酸化物粒子の平均一次粒子径とする。なお、本発明における平均一次粒子径は、300個の金属酸化物粒子について求めた円相当径の算術平均値とする。
また、本発明においては、平均一次粒子径の指標として数平均粒子径を用いることもできる。本発明における金属酸化物粒子の数平均粒子径は、金属酸化物粒子を含む混合液又は分散液を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートで80倍に希釈し、得られた希釈液について動的光散乱法を用いて測定することにより得られた値のことを言う。この測定は、日機装(株)製マイクロトラックUPA-EX150を用いて行って得られた数平均粒子径であることが好ましい。
【0024】
金属酸化物粒子の形状には、特に制限はない。例えば、米粒状、球形状、立方体状、紡錘形状又は不定形状であることができる。
金属酸化物の平均アスペクト比(長辺/短辺)は、1?5であることが好ましく、1?4.5であることがより好ましく、1?4であることが更に好ましく、1?3であることが特に好ましい。
平均アスペクト比は、以下の方法により測定される。すなわち、透過型電子顕微鏡(TEM)にて撮像した粒子画像のアスペクト比(長辺/短辺)を300個測定した平均値を平均アスペクト比とした。
・・・
【0026】
金属酸化物粒子は、有機化合物により表面処理されたものであってもよい。表面処理に用いる有機化合物の例には、ポリオール、アルカノールアミン、ステアリン酸、シランカップリング剤及びチタネートカップリング剤が含まれる。中でも、ステアリン酸が好ましい。
表面処理は、1種単独の表面処理剤でも、2種類以上の表面処理剤を組み合わせて実施してもよい。
また、金属酸化物粒子の表面が、アルミニウム、ケイ素、ジルコニアなどの酸化物により覆われていることもまた好ましい。これにより、より耐候性が向上する。
・・・
【0028】
また、成分Aは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
分散組成物における金属酸化物の含有量は、全固形分に対して30?90質量%であることが好ましく、45?85質量%であることがより好ましく、60?80質量%であることが更に好ましい。
また、後述する本発明の感光性樹脂組成物における金属酸化物粒子の含有量は、感光性樹脂組成物により得られる光学部材に要求される屈折率や、光透過性等を考慮して、適宜決定すればよいが、本発明の感光性樹脂組成物の全固形分に対して、10質量%以上であることが好ましく、30質量%以上であることがより好ましく、40質量%以上であることが更に好ましい。また、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましい。」

(甲2d)「【0301】
本発明の硬化物又は硬化膜は、マイクロレンズ、光導波路、反射防止膜、LED用封止材及びLED用チップコート材等の光学部材、又は、タッチパネルに使用される配線電極の視認性低減用硬化物として好適に用いることができる。
また、本発明の硬化物又は硬化膜は、例えば、後述するような、液晶表示装置又は有機EL装置等における平坦化膜や層間絶縁膜、カラーフィルターの保護膜、液晶表示装置における液晶層の厚みを一定に保持するためのスペーサー、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスの構造部材等に好適に用いることができる。」

(甲2e)「【実施例】
【0317】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
【0318】
実施例において、以下の符号はそれぞれ以下の化合物を表す。
MMA:メタクリル酸メチル(和光純薬工業(株)製)
MAA:メタクリル酸(和光純薬工業(株)製)
St:スチレン(和光純薬工業(株)製)
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
【0319】
まず、実施例及び比較例で用いられる成分について説明する。
(重合体I?VIIの合成)
含窒素原子を含む重合体Iは、以下のようにして合成した。
すなわち、上記単量体M-12を7.5部、メタクリル酸メチル38.75部、メタクリル酸3.75部、及びメトキシプロピレングリコール167質量部を、窒素置換した三口フラスコに導入し、撹拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて撹拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して78℃まで昇温する。これにジメチル-2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)(和光純薬工業(株)製V-601)を0.1部加え、78℃にて2時間加熱撹拌を行った。2時間後、更にV-601を0.1部加え、3時加熱撹拌し、重合体Iの30%溶液を得た。
得られた重合体Iのゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した重量平均分子量(Mw)(標準ポリスチレン換算)は、10,000であった。
【0320】
また、重合体II?VIIは、上記重合体Iの合成において使用された単量体及びその仕込み量を、下記表1に記載の単量体及び仕込み量に代え、V-601添加量を任意で変更した以外は、同様にして合成した。
下記表1には、重合体I?VIIを合成する際に用いられる単量体とその仕込み量、合成された重合体I?VIIの重量平均分子量について示す。
【0321】
【表1】


【0322】
(実施例1-1)
(分散液Aの調製)
下記組成の分散液を調合し、これをジルコニアビーズ(0.3mmφ)17,000部と混合し、ペイントシェーカーを用いて12時間分散を行った。ジルコニアビ-ズ(0.3mmφ)をろ別し、分散液Aを得た。
・二酸化チタン(石原産業(株)製、商品名:TTO-51A、平均一次粒径:10?30nm):1,875部
・分散剤(BYK-111、ビックケミー・ジャパン(株)製):487.5部
・重合体II(30%PGMEA溶液):625部(固形で187.5部)
・溶剤(PGMEA):4,512.5部
・・・
【0327】
(実施例1-2?1-10及び比較例1-1?1-7)
使用した金属酸化物、分散剤及び重合体を表2に記載のように変更した以外は、実施例1-1の分散液Aと同様にして分散液B?分散液Qを調製し、実施例1-1と同様にして評価を行った。
【0328】
【表2】


【0329】
表2で使用した成分は以下の通りである。
<酸化チタン>
・・・
・MT-700B:酸化チタン(TiO_(2))、テイカ(株)製
・・・
<分散剤>
・BYK-111:ビックケミー・ジャパン(株)製
・分散剤1:下記構造の分散剤
【0330】
【化44】


【0322】
[感光性樹脂組成物の調整]
・・・
【0340】
【表3】


【0341】
(実施例3-1)
<第2の感光性樹脂組成物(ネガ)の作製>
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 362.3部
・ポリマー(30wt%)(P-1) 94.2部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(M-1) 37.7部
・オキシム系光重合開始剤(I-1) 5.67部
・パーフルオロアルキル含有ノニオン界面活性剤(F-554、DIC(株)製の2.0%PGMEA溶液) 0.25部
・分散液A 500.0部
【0342】
実施例3-1で使用した成分は以下の通りである。
・ポリマー(P-1):下記ポリマー(重量平均分子量30,000)のPGMEA30wt%溶液(なお、下記の重合比は、モル比を意味する。)
【0343】
【化47】


【0344】
・オキシム系光重合開始剤(I-1):Irgacure OXE 01(下記構造、BASF製)
【0345】
【化48】
・・・
【0346】
<感光性樹脂組成物のヘイズ評価>
100mm×100mmのガラス基板(商品名:XG、コーニング社製)上に、得られた組成物を乾燥膜厚が2.4μmとなるようにスピンコーターにて塗布し、80℃のホットプレート上で120秒乾燥(プリベーク)した。高圧水銀灯露光機にて、塗膜の全面に200mJ/cm^(2)(i線での露光量)にて(エネルギー強度20mW/cm^(2))露光した。ヘイズを日本電色工業(株)製NDH-5000にて膜面を上にして、プラスチック製品試験方法(JIS K7136・JIS K7361・ASTM D1003)に準拠し、曇り度(ヘイズ値)を測定した。
【0347】
<全光線透過率の評価>
ヘイズ測定で使用した露光後の基板を用いて、日本電色工業(株)製NDH-5000にて膜面を上にして、プラスチック製品試験方法(JIS K7136・JIS K7361・ASTM D1003)に準拠し、全光線透過率を測定した。
評価基準は、以下の通りである。
1:85%以上
2:80%以上85%未満
3:80%未満
・・・
【0349】
<現像性の評価>
ガラス基板上に、感光性樹脂組成物をスピンコーターを用いて、膜厚2.4μmとなるように塗布した。次に80℃で120秒間ホットプレート上において溶媒除去して膜厚2.4μmの塗膜を形成した。
次に、1:1のラインアンドスペースのマスクを介して、超高圧水銀灯露光機にて200mj/cm^(2)(i線で測定)露光量露光した。次に富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製CDK-1(KOH系現像液)10%の水溶液により24℃で50秒間液盛り法により現像し、更に純水で10秒間リンスし、エアーガンで水分を除去して、電子顕微鏡により観察した。
評価基準は以下の通りである。
1:残渣なし
2:残渣あり
3:パターン形成せず
【0350】
(実施例3-2?3-10、比較例3-1?3-7)
使用した分散液を表4に記載のように変更した以外は実施例3-1と同様にして感光性樹脂組成物を調製し、評価を行った。結果を以下の表4に示す。
【0351】
【表4】




(3)甲第3号証に記載された事項
甲第3号証には、以下の事項が記載されている。

(甲3a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂(A)、光散乱粒子(B)、無機酸化物微粒子(C)、多官能モノマー(D)、および光重合開始剤(F)を含む光散乱膜用感光性樹脂組成物であって、
光散乱粒子(B)の平均一次粒子径が200?800nmであり、
無機酸化物微粒子(C)の一次粒子の短軸径が60nm以下であり、
樹脂(A)が、少なくとも1種の不飽和結合を有する化合物(A1)(但し(A2)を除く)と、1分子中にエポキシ基および不飽和結合を有する化合物(A2)とを共重合させて共重合体(A6)を得て、得られた共重合体(A6)と不飽和1塩基酸を有する化合物(A4)とを反応させて共重合体(A7)を得て、更に得られた共重合体(A7)と多塩基酸無水物(A5)とを反応させて得られる樹脂(a1)を含むことを特徴とする光散乱膜用感光性樹脂組成物。
【請求項2】
多塩基酸無水物(A5)が、テトラヒドロ無水フタル酸または無水マレイン酸であることを特徴とする請求項1に記載の光散乱膜用感光性樹脂組成物。
【請求項3】
樹脂(a1)が、350g/mol以上1000g/mol以下の二重結合当量を有することを特徴とする請求項1または2記載の光散乱膜用感光性樹脂組成物。
【請求項4】
光散乱粒子(B)が、樹脂粒子であることを特徴とする請求項1?3いずれか1項に記載の光散乱膜用感光性樹脂組成物。
【請求項5】
金属酸化物微粒子(C)が酸化ジルコニアまたは酸化チタンであることを特徴とする請求項1?4いずれか1項に記載の光散乱膜用感光性樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1?5いずれか1項に記載の光散乱層用樹脂組成物を用いて形成された光散乱層。
【請求項7】
透光性基板上に、請求項6記載の光散乱層と、透光性を有する第1の電極と、発光層を含む少なくとも1つの有機層と、光反射性を有する第2の電極とが順次積層された有機エレクトロルミネッセンス装置。
【請求項8】
照明装置または表示装置である請求項7記載の有機エレクトロルミネッセンス装置。」

(甲3b)「【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス(以下、ELともいう)装置の発光効率を高めるために用いられる光散乱層用樹脂組成物、該光散乱層用樹脂組成物から形成された光散乱層、並びに該光散乱層を具備する有機EL装置に関する。
・・・
【0008】
しかし、光散乱層は粒径が比較的大きい散乱粒子を含むため、散乱層表面の凹凸度合い(表面荒さ)が悪化することが多い。それにより散乱層上に形成する透光性電極の表面もそれに追従して表面が凹凸となり、ダークスポットや短絡の原因となる。このことを解決するためには、散乱層上に平坦層を形成することや層構成を工夫することによる改善が提案されている。(特許文献4参照)
しかし、複雑な工程を必要とすることや層構成が限定されてしまうことから、有機EL装置の形成においてデメリットが発生する。
【0009】
そこで本発明では、散乱層自身の表面荒さを低減することで、散乱層上に形成される各層への影響を最小限に抑え、ダークスポットや短絡の発生をなくし、有機EL装置の寿命を長くすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の光散乱膜用感光性樹脂組成物は、平均一次粒子径が200?800nmである光散乱粒子(B)と、一次粒子の短軸径が60nm以下である無機酸化物微粒子(C)と、特定の樹脂(A1)とを含むことにより、有機EL装置の光取出し効率向上のために透光性電極と透光性基板との間に設置する光散乱層として用いることが出来、光取り出し効率向上、透過率、現像性に優れた光散乱層用樹脂組成物、これを用いて形成された光散乱層、並びに、この光散乱層を具備する有機EL装置を提供することができる。
・・・
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、有機EL装置の光取出し効率向上のために透光性電極と透光性基板との間に設置する光散乱層として用いることが出来、平坦性、ダークスポット低減、透過率、現像性に優れた光散乱層用樹脂組成物、これを用いて形成された光散乱層、並びに、この光散乱層を具備する有機EL装置を提供することができる。」

(甲3c)「【0067】
<光散乱粒子(B)>
本発明の光散乱膜用感光性樹脂組成物において、光散乱粒子(B)は平均一次粒子径が200nm以上800nm以下である。
光散乱粒子(B)の平均一次粒子径が200nm未満であると、充分な散乱効果が現れない上に、バインダー組成物の屈折率に影響を与えてしまうため、好ましくない場合がある。また、800nmより大きいと、散乱強度(ヘイズ値)が高くても散乱角度が狭くなるため、全反射に有効な散乱が得られず、取り出し効率が低くなったり、光取り出し効率の波長による変化が大きくなり色調が変化しやすく、好ましくない場合がある。より好ましくは、250nm?500nmである。
・・・
【0069】
光散乱粒子(B)は、有機EL装置内で全反射により導波している光を散乱し、取り出す効果を有するものであれば特に限定されず、有機粒子であっても、無機粒子であってもよい。
有機粒子としては、ポリメチルメタクリレートビーズ、アクリル-スチレン共重合体ビーズ、メラミン樹脂ビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリスチレンビーズ、架橋ポリスチレンビーズ、ポリ塩化ビニルビーズ、およびベンゾグアナミン-メラミンホルムアルデヒド縮合物ビーズ等が用いられる。無機粒子としては、酸化ケイ素(SiO_(2))、酸化ジルコニウム(ZrO_(2))、酸化チタン(TiO_(2))、酸化アルミニウム(Al_(2)O_(3))、酸化インジウム(In_(2)O_(3))、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO_(2))、および酸化アンチモン(Sb_(2)O_(3))等が用いられる。これらは、単独で用いても2種類以上を併用してもよい。
・・・
【0075】
光散乱粒子(B)の使用量は、光散乱層用樹脂組成物の固形分中、1?30重量%が好ましく、1?20重量%がより好ましい。1重量%未満では充分な散乱効果が現れないおそれがあり、30重量%を超えると粒子同士が凝集しやすく、光散乱層の表面粗さが大きくなるおそれがある。
・・・
本明細書において、「バインダー組成物の屈折率」は、アッベ屈折計により実測した値である。」

(甲3d)「【0076】
<金属酸化物微粒子(C)>
本発明の感光性樹脂組成物は、金属酸化物微粒子(C)を含む。これにより、感光性樹脂組成物を任意の屈折率に調整することが出来る。
本発明で用いられる金属酸化物微粒子(C)は、可視光域において1.8?2.8の屈折率を有することが望ましい。
本明細書において、「金属酸化物微粒子(C)の屈折率」とは、金属酸化物微粒子を構成する材料のバルクの屈折率を意味する。バルク材料の屈折率は、アッベ屈折率計あるいはV ブロック方式の屈折率計を用いて測定することができる。
【0077】
金属酸化物微粒子(C)としては、具体的には、酸化チタン(TiO_(2))、酸化ジルコニウム(ZrO_(2))、酸化セリウム(CeO_(2))、酸化ハフニウム(HfO_(2))、五酸化ニオブ(Nb_(2)O_(5))、五酸化タンタル(Ta_(2)O_(5))、酸化インジウム(In_(2)O_(3))、酸化スズ(SnO_(2))、酸化インジウムスズ(ITO)、および酸化亜鉛(ZnO)から成る群から選択された少なくとも1種の材料から成る粒子が挙げられる。
【0078】
(無機酸化物微粒子(C)の一次粒子の粒子径測定)
本発明でいう無機酸化物微粒子(C)の一次粒子の短軸径は、凝集を加味しない個々の粒子径のことを示し、透過型(TEM)電子顕微鏡を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定することができる。測定方法として具体的には、個々の酸化チタン粒子(C)の一次粒子の短軸径を計測し、平均をその一次粒子の短軸径とした。
同様にして無機酸化物微粒子(C)の一次粒子の長軸径も計測することができる。
なお、アスペクト比が0.9?1.1の範囲内であり、形状がほぼ球状である場合には、個々の無機酸化物微粒子(C)の一次粒子の短軸径と長軸径の平均値をその一次粒子の短軸径とした。
【0079】
本発明における無機酸化物微粒子(C)の一次粒子の短軸径は、60nm以下である。一次粒子の短軸径が60nmを超えると、塗膜としたときの透明性が低下したり、表面粗さが悪化する場合がある。一次粒子の短軸径が5nm未満の場合には入手性の観点から好ましくなく、また凝集力が高いために安定な分散体を得ることが難しい。
【0080】
無機酸化物微粒子(C)の短軸径と長軸径のアスペクト比は、1?10であることが好ましく、1?6であることがより好ましい。アスペクト比が10を超えると、酸化チタン分散液の粒径分布が広くなり、透過率が下がりやすいため好ましくない場合がある。
・・・
【0082】
金属酸化物微粒子(C)としては、酸化チタン(TiO_(2))、酸化ジルコニウム(ZrO_(2))、酸化亜鉛(ZnO)、および酸化スズ(SnO_(2))が好ましい。酸化チタン(TiO_(2))、および酸化ジルコニウム(ZrO_(2))が、透光性、分散性、耐候性、および耐光性等の観点から特に好ましい。
・・・
【0085】
本発明の光散乱層用樹脂組成物で用いられる金属酸化物微粒子(C)の使用量は、光散乱層用樹脂組成物中、80重量%以下であるのが好ましく、60重量%以下がより好ましい。60重量%を超えると、粒子同士が凝集したり、樹脂(A)量が少なくなるため塗膜が脆くなったりするおそれがある
【0086】
本発明の金属酸化物微粒子(C)が酸化チタン(TiO_(2))、酸化ジルコニウム(ZrO_(2))である場合は、表面被膜処理がされた粒子であり、平均一次粒子径が5nm?60nmであることが好ましい。このような粒子を用いることで、優れた光学特性(透明性、屈折率)、光取り出し効率を有する塗膜を形成することができる。
【0087】
酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO_(2))は、有機化合物や有機金属化合物などで表面被膜処理されていることが好ましい。表面被膜処理の方法としては、前処理法とインテグラルブレンド法があげられるが、本発明では前処理法が好ましい。前処理法には湿式法、乾式法があり、湿式法には水処理法と溶媒処理法がある。
・・・
【0091】
本発明の酸化チタン(TiO_(2))、酸化ジルコニウム(ZrO_(2))の表面被膜処理に使用できる表面処理剤としては、有機化合物及び有機金属化合物の少なくとも1つが用いられる。これら化合物の具体例としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンなどの各種のシリコーンオイル、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、n-オクタデシルジメチル(3-(トリメトキシシリル)プロピル)アンモニウムクロライドなどの各種のアルキルシラン、トリフルオロメチルエチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシランなどの各種のフルオロアルキルシラン、特にビニルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤に代表される、シラン系、チタン系、アルミ系、アルミナ-ジルコニア系などの各金属系カップリング剤の有機金属化合物、イソステアリン酸、ステアリン酸などの脂肪酸やそれらの金属塩、さらに界面活性剤などの有機化合物いずれの処理剤も使用可能であり、これらを単独、または二種以上を混合して用いることができる。特にこれを含むコーティング組成物から得る塗膜に硬度、密着性、耐擦傷性を発現させる場合、表面処理はアルミニウム、ケイ素、ジルコニウムを含む無機化合物による処理を含むことが好ましく、特に水酸化アルミニウムで被覆されているものが特に好ましい。
・・・
【0098】
分散液中の酸化チタン(TiO_(2))、酸化ジルコニウム(ZrO_(2))の固形分濃度としては、1?80重量%、より好ましくは2?65重量%が好ましい。1重量%より少ない量では感光性樹脂組成物の全固形分濃度は小さすぎて、適当な膜厚の塗膜が得られないため不適である。80重量%を超えると、高粘度化するなどのハンドリング上の不便が生じやすいため不適である。なお、上記分散剤の使用量は、酸化チタン、酸化ジルコニウム固形分100重量部に対して、分散剤有効成分で0.5?30重量部、好ましくは1?20重量部が好ましい。0.5重量部より少ないと、分散剤添加効果が現れないため適さない。30重量部よりも多いと過剰な分散剤が塗膜の耐擦傷性、耐候性の低下をもたらす上に、感光性樹脂組成物が十分な屈折率を得ることが出来ず不適である。
・・・
【0100】
酸化チタン粒子(C)は、表面処理前の酸化チタンを前述した方法にて表面処理して用いるのでもよく、平均一次粒子径が5nm?60nmである市販品の表面被膜処理後の酸化チタン粒子を用いても良い。
【0101】
以下に、本発明の短軸径が5nm?60nmである酸化チタン粒子の市販品について例示する。
・・・
「MPT-136」(短軸径:15nm、長軸径:75nm、Al(OH)_(3)表面処理など)、
・・・
この中でも、Al(OH)_(3)表面処理が施されている酸化チタンが好ましい。
・・・
【0158】
また、感光性樹脂組成物は、当該金属酸化物微粒子(C)の分散体に、光重合開始剤(F)と、必要に応じて、樹脂(A)、溶剤、添加剤、多官能モノマー(D)、着色剤、連鎖移動剤、可塑剤、表面調整剤、紫外線防止剤、光安定化剤、酸化防止剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤、消泡剤、粘度調整剤、ワックス、界面活性剤、レベリング剤等、その他成分を混合攪拌して製造することができる。製造方法は特に限定されるものではなく、粒子と上記材料を均一に混合するのに用いられる方法であれば良く、通常用いられる従来公知の方法で何ら構わない。・・・」

(甲3e)「【0160】
「光散乱層」
本発明の光散乱層は、上記の本発明の光散乱層用樹脂組成物を用いて形成されたものである。
・・・
光散乱層の厚みは特に限定されないが、通常、0.5?20μmであることが好ましい。また、本発明の感光性樹脂組成物は、光散乱膜用途として使用することが出来る。特に有機EL装置の光散乱膜用途として使用されることが好ましいが、とくにこの用途に限定されるものではない。」

(甲3f)「【実施例】
【0191】
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の権利範囲を何ら制限するものではない。特に明記しない限り、「部」は「重量部」を表し、
「%」は重量%を示す。
・・・
【0199】
続いて、樹脂(A)溶液、光散乱粒子(B)分散液、および無機酸化物微粒子(C1)分散液の製造方法について説明する。
【0200】
<樹脂(A)溶液の製造方法>
(樹脂溶液(A?1))
(段階1:樹脂主鎖の重合)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)100部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら120℃に加熱して、同温度で滴下管よりM110(パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート)17.2部、メチルメタクリレート25.0部、ベンジルメタクリレート7.2部、グリシジルメタクリレート18.2部、およびこの段階における前駆体の化合に要する触媒としてアゾビスイソブチロニトリル1.0部の混合物を2.5時間かけて滴下し重合反応を行った。
(段階2:エポキシ基への化合)
次にフラスコ内を空気置換し、アクリル酸11.0部およびこの段階における前駆体の化合に要する触媒としてトリスジメチルアミノメチルフェノール0.3部、及びハイドロキノン0.1部を投入し、120℃で5時間反応を行い、重量平均分子量が約19000(GPCによる測定)の樹脂溶液を得た。投入したアクリル酸はグリシジルメタクリレート構成単位のエポキシ基末端にエステル結合するので樹脂構造中にカルボキシル基を生じさせない。
(段階3:水酸基への化合)
さらに無水フタル酸21.4部およびこの段階における前駆体の化合に要する触媒として、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で4時間反応させた。加えた無水フタル酸は無水カルボン酸部位が開裂して生じた2個のカルボキシル基の一方が樹脂構造中の水酸基にエステル結合し、他方がカルボキシル基末端を生じさせる。
(段階4:不揮発分の調整)
不揮発分が40%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して樹脂溶液(B1-1)を得た。
【0201】
(樹脂溶液(A?2)?(A?14))
樹脂溶液(A-1)の各原料の配合比を表1の様に変えた以外は樹脂溶液(A-1)と同様の方法にて合成反応を行い、樹脂溶液(A-2)?(A-14)を調製した。
【0202】
【表1】


【0203】
表1中の各略号は以下のとおりである。
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、
M110:パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート
DCPMA:ジシクロペンタニルメタクリレート、
CHMA:シクロヘキシルメタクリレート、
St:スチレン、
HEMA:ヒドロキシエチルメタクリレート、
MAA:メタクリル酸、
GMA:グリシジルメタクリレート、
MMA:メチルメタクリレート。
AA:アクリル酸
BzMA:ベンジルメタクリレート
表1中の配合量の単位は、「部」である。
【0204】
<光散乱粒子(B)分散液の製造方法>
(光散乱粒子分散液(B-1))
工程1:分散剤(T-1)の製造
撹拌機、還流冷却管、ドライエアー導入管、および温度計を備えた4口フラスコに、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(三菱化学(株)社製)80.0部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)社製、商品名:KAYARAD PET-30)250.0部、ヒドロキノン(和光純薬工業(株)社製)0.16部、およびシクロヘキサノン141.2部を仕込み、85℃まで昇温した。次いで触媒として1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(東京化成工業(株)社製)1.65部を加え、85℃で8時間撹拌した。その後、グリシジルメタクリレート(ダウ・ケミカル日本(株)社製)77.3部、およびシクロヘキサノン33.9部を加え、次いで触媒として、ジメチルベンジルアミン(和光純薬工業(株)社製)2.65部を加え、85℃で6時間撹拌し、室温まで冷却して反応を終了した。
得られた反応溶液は、淡黄色透明で固形分70重量%であった。反応生成物の重量平均分子量(Mw)は約3130であった。
【0205】
工程2:分散液の製造
平均一次粒子径が250nmの酸化チタン(TiO_(2))粒子15部に、分散媒としてメチルイソブチルケトン77.9部、および上記分散剤(T-1)7.1部を加えた。ジルコニアビーズ(1.25mm)をメディアとして用い、ダイノミルで1時間分散処理を行い、光散乱粒子分散液(B-1)(酸化チタン粒子分散液)を作製した。
光散乱粒子分散液(B-1)の組成と、分散機、粒子の平均一次粒子径、分散液中の分散粒子径、分散液中の粒子全量に対する粒子径600nm以上の粒子含有量、および分散液中の粒子の変動係数を表2に示す。
・・・
【0208】
【表2】


【0209】
表2中の各略号は以下の通りである。
酸化チタン1:石原産業社製タイペークCR-97、
シリカ1:日本触媒社製シーホスターKE-S30
シリカ2:日本触媒社製シーホスターKE-E150、
メラミン:日本触媒社製エポスターS6(メラミン樹脂)。
【0210】
<金属酸化物微粒子(C)分散液の製造方法>
(金属酸化物微粒子分散液(C?1))
一次粒子の短軸径が15nmのアルミナ微粒子(日産化学工業(株)製、アルミナゾル-200)15gに、分散媒としてPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)77.9g、分散剤として製造例12の工程1で得られた分散剤(T-1)7.1gを加えた。得られた液に対して、2段階の分散処理を行った。前分散として、ジルコニアビーズ(平均径:1.25mm)をメディアとして用い、ペイントシェイカーで1時間分散した。本分散として、ジルコニアビーズ(平均径:0.1mm)をメディアとして用い、寿工業(株)社製分散機UAM-015で7時間分散した。以上のようにして、金属酸化物微粒子分散液(C-1)(アルミナ粒子分散液)を作製した。
【0211】
(金属酸化物微粒子分散液(C?2)?(C-3))
表3記載の配合組成および分散機にそれぞれ変更した以外は、金属酸化物微粒子分散液(C-1)と同様の方法で、光散乱粒子分散液(C-2)?(C-3)を作製した。
【0212】
【表3】


【0213】
表3中の各略号は以下の通りである。
アルミナ: 日産化学工業(株)製、アルミナゾル-200
酸化チタン2: MPT-136(石原産業株式会社製) Al(OH)_(3)、ステアリン酸処理(24%含有)
酸化チタン3: MTY-700BS(テイカ株式会社製) シリコーン処理品 粒径80nm
【0214】
[実施例1]
(光散乱層用樹脂組成物1)
下記の材料を加え、均一になるように撹拌および混合し、メッシュ径5μmのフィルタで濾過し、光散乱層用樹脂組成物1を作製した。
詳細配合組成を表4に示す。

・樹脂(A-1) 10.6部
・光散乱粒子分散液(B?1) 13.3部
・酸化チタン粒子分散液(C-1) 53.3部
・アロニックスM402 3.0部
・イルガキュア907 0.6部
・BYK330 0.02部
・PGMEA 15.1部
・シクロヘキサノン 4.0部
【0215】
[実施例2?19、比較例1?3]
(光散乱層用樹脂組成物2?27)
表4に示した配合組成とした以外は実施例1の光散乱層用樹脂組成物1と同様にして、光散乱層用樹脂組成物2?22を得た。
【0216】
【表4】


【0217】
表3中の各略号は以下の通りである。
V#802:大阪有機化学工業社製ビスコート#802、
M402:東亞合成社製アロニックスM402、
Irg907:BASF社製イルガキュア907、
OXE-01:BASF社製イルガキュアOXE01、
BYK330:ビックケミー社製BYK330。
1,3-BGDA:1,3-ブチレングリコールジアセテート。
・・・
【0227】
【表6】




第6 当審の判断
当審は、本件発明6に係る特許については特許異議の申立てを却下することとし、また、当審が通知した取消理由A?B及び申立人がした申立理由1?2によっては、いずれも、本件発明1?5、7?17に係る特許を取り消すことはできないと判断する。
その理由は以下のとおりである。

1 申立ての却下
上記「第2 訂正の適否についての判断」及び「第3 特許請求の範囲の記載」で示したとおり、請求項6は、本件訂正により削除されているので、請求項6についての申立てを却下する。

2 取消理由について
取消理由A(新規性)及び取消理由B(進歩性)について、以下に検討する。

(1)甲第2号証に記載された発明
甲第2号証の(甲2e)の段落【0350】及び【0351】の表4の比較例3-5に着目し、段落【0317】?【0322】、【0327】?【0330】、【0341】?【0345】の記載を踏まえると、甲第2号証には、以下の発明が記載されているといえる。

「・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 362.3質量部
ポリマー(P-1)(重量平均分子量30,000)のPGMEA30wt%溶液 94.2質量部
【化47】


(重合比は、モル比を意味する)
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(M-1) 37.7質量部
・オキシム系光重合開始剤(I-1) 5.67質量部
・パーフルオロアルキル含有ノニオン界面活性剤(F-554、DIC(株)製の2.0%PGMEA(溶液) 0.25質量部
・分散液O 500.0質量部
からなる感光性樹脂組成物であって、
上記分散液Oは、
・MT-700B(酸化チタン(TiO_(2))、テイカ(株)製、平均一次粒子径:80nm):1,875質量部
・分散剤(BYK-111、ビックケミー・ジャパン(株)製):487.5質量部
・重合体VII(30%PGMEA溶液):625質量部(固形で187.5質量部)
・溶剤(PGMEA):4,512.5質量部
からなる組成の分散液を調合し、これをジルコニアビーズ(0.3mmφ)17,000部と混合し、ペイントシェーカーを用いて12時間分散を行い、ジルコニアビ-ズ(0.3mmφ)をろ別して得たものであり、
上記分散剤(BYK-111、ビックケミー・ジャパン(株)製)は、下記の構造の分散剤であり、
【化44】


上記重合体VIIは、スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸=20/70/10である、
上記感光性樹脂組成物」(以下、「甲2発明A」という。)

(2)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲2発明Aとを対比する。

甲2発明Aの「MT-700B(酸化チタン(TiO_(2))、テイカ(株)製、平均一次粒子径:80nm)」は、「平均一次粒子径」が「80nm」であり、「アスペクト比」が「1?2」であることから、本件明細書の(本b)の段落【0020】の「平均一次粒子径50?150nmの粒子は、厳密な円状粒子ではなく、後述の長軸と短軸を有する粒子であってもよい」及び段落【0021】の「平均長軸長が50?150nmの粒子は、平均長軸長が平均短軸長の2?10倍であることが好ましく、3?6倍であることがより好ましく」の記載からみて、本件発明1の「平均一次粒子径70?130nmの粒子」ないしは「平均長軸長が50?150nmの粒子」であって「酸化チタン」である「粒子」に相当するといえる。
また、甲2発明Aの「MT-700B(酸化チタン(TiO_(2))、テイカ(株)製、平均一次粒子径:80nm)」は、本件明細書の(本e)の段落【0271】の【表6】の「A-12」の粒子であり、「表面処理剤」がないものである。

甲2発明Aの「ポリマー(30wt%)(P-1)」及び「重合体VII(30%PGMEA溶液)」は、本件発明1の「樹脂」であるといえる。

甲2発明Aの「感光性樹脂組成物」543.62質量部中に、「MT-700B(酸化チタン(TiO_(2))、テイカ(株)製、平均一次粒子径:80nm)」は、125質量部(=1,875(質量部)×500質量部/7500質量部)存在する。
一方、「感光性樹脂組成物」の「固形分濃度」は、241.635質量部(=94.2質量部×30/100 + 37.7質量部 + 5.67質量部 + 0.25質量部×2/100 + 1,875質量部×500質量部/7500質量部 + 487.5質量部×500質量部/7500質量部 + 625質量部×30/100×500質量部/7500質量部)
であることから、「MT-700B(酸化チタン(TiO_(2))、テイカ(株)製、平均一次粒子径:80nm)」の含有量は、「感光性樹脂組成物」の「全固形分濃度」に対して51.7質量%(=125質量部/241.635質量部)である。

そうすると、本件発明1と甲2発明Aとは、
「平均一次粒子径70?130nmの粒子および平均長軸長が50?150nmの粒子のうち少なくとも一方と、樹脂とを含む組成物であって、
前記粒子は、酸化チタンである、組成物」
である点で一致し、以下の点で相違する。

相違点1:「組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*」について、本件発明1では、「35?70」であるのに対し、甲2発明Aでは明らかでない点。

相違点2:「粒子」である「酸化チタン」について、本件発明1では、「ステアリン酸、シランカップリング剤、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、含水シリカおよび酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも1つを含む表面処理剤により表面処理された」ものであるのに対し、甲2発明Aは、「表面処理剤により表面処理された」ものではない点。

相違点3:「粒子の含有量」について、本件発明1では、「組成物の全固形分に対して30?50質量%」であるのに対し、甲2発明Aでは、「51.7質量%」である点。

イ 判断
以下、相違点1、2について検討する。

(ア)相違点1について
a 相違点1について
本件発明1において、「組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が35?70である」ものとすることに関して、本件明細書には、以下の記載がある。

(a)「本発明の組成物は、平均一次粒子径50?150nmの粒子および平均長軸長が50?150nmの粒子のうち少なくとも一方と、樹脂とを含む組成物であって、・・・。平均一次粒子径または平均長軸長が上限値以下であれば、組成物中に沈降が生じ難くなり、液経時安定性が改善する。また、平均一次粒子径または平均長軸長が上限値以下であると、厚さ3μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*を75以下に制御しやすい。平均一次粒子径または平均長軸長が下限値以上であると、厚さ3μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*を35以上に制御しやすい。」((本b)の段落【0012】)
(b)「本発明の組成物では、平均一次粒子径50?150nmの粒子は、一次粒子径50?150nmの粒子(・・・)を30?60質量%の割合で含有することが好ましく、・・・一次粒子径50?150nmの粒子が30質量%以上であると、厚さ3μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*を35?75に制御しやすく、かつ、液経時安定性が優れる組成物を提供しやすい」((本b)の段落【0020】)
(c)「本発明の組成物では、平均長軸長が50?150nmの粒子は、長軸長が50?150nmの粒子(・・・)を30?60質量%の割合で含有することが好ましく、30?50質量%の割合で含有することがより好ましく、・・・。長軸長が50?150nmの粒子が30質量%以上であると、厚さ3μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*を35?75に制御しやすく、かつ、液経時安定性が優れる組成物を提供しやすい」((本b)の段落【0021】)
(d)「本発明の組成物では、無機粒子は、白色顔料であることが好ましい。無機粒子として白色顔料を用いることで、組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*を好ましい範囲に制御しやすい。・・・本発明の組成物では、無機粒子は、酸化チタンを含むことが好ましい。」((本b)の段落【0025】)
(e)「平均一次粒子径50?150nmの酸化チタン粒子および平均長軸長が50?150nmの酸化チタン粒子は、光を散乱して白色に見せることができ、組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*を35?75に制御しやすい。酸化チタン粒子の平均一次粒子径の好ましい範囲は、平均一次粒子径50?150nmの粒子および平均長軸長が50?150nmの粒子の平均一次粒子径の好ましい範囲と同様である。」((本b)の段落【0028】)
(f)また、本件明細書の段落【0271】の【表6】の「A-12」は、甲2発明Aと同じ「酸化チタン(MT-700B)」を用いたものであり、これを用いた実施例である「分散液12」、「実施例20」は、「固形分濃度」が「40.2質量%」であり、「厚さ3μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*」の値が「50.2」となっている((本e)の段落【0270】の【表5】、【0276】の【表7】、【0297】の【表9】を参照)。

以上の(a)?(f)の記載を踏まえると、「平均一次粒子径50?150nmの粒子および平均長軸長が50?150nmの粒子のうち少なくとも一方」を「30質量%以上」含み、「粒子」として、「無機粒子」の「白色顔料」である「酸化チタン」を用いれば、「組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*を35?75」に制御しやすくなるものと解される。

甲2発明Aの「感光性樹脂組成物」は、上記(1)で述べたように、「MT-700B(酸化チタン(TiO_(2))、テイカ(株)製、平均一次粒子径:80nm)」を全固形分に対して51.7質量%含むものであり、本件明細書の実施例20よりも固形分濃度が若干高いものの、本件明細書の実施例20の「厚さ3μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*」の値からみて、さらには、本件明細書の上記摘記の「CIE1976のL*a*b*表色系におけるL*を35?75に制御しやすい」とされる態様のものといえるから、「厚さ3μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*」の値が「35?70」の範囲内になると認められる。
そうすると、相違点1は、実質的な相違点ではない。

b 令和3年7月1日付け意見書における特許権者の主張
令和3年7月1日付け意見書において、特許権者は、「甲第2号証は、その段落[0005]の記載から、ヘイズが低く、透過性に優れ、金属酸化物粒子の分散性に優れた分散組成物を提供することを目的とする発明であることが把握できる。これに対し、本件特許の請求項1に係る組成物は、厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*を35?75の分光特性を満たすものであり、このような分光特性を有する膜は、適度な遮光性を有するものである。したがって、本件特許の請求項1に係る発明の組成物は、甲第2号証の発明が目的とする「ヘイズが低く、透過性に優れ、金属酸化物粒子の分散性に優れた分散組成物」とは相違するものである」と主張している。
しかしながら、甲2発明Aは、甲第2号証における比較例の発明であり、甲第2号証に記載された発明の目的に沿うものではない。また、甲第2号証の(甲2e)の段落【0351】の【表4】をみると、「実施例3-1」?「実施例3-10」の「ヘイズ」が1.6?8.8、「全光線透過率」の評価が1?2(段落【0347】によれば、80%以上)であるのに対し、甲2発明Aである「比較例3-5」の「ヘイズ」は97.0であり、「全光線透過率」の評価が3(段落【0347】によれば、80%未満)であるから、本件発明1と同様に、ある程度の遮光性を有していると評価できる。そして、上記aで検討したとおり、甲2発明Aの「感光性樹脂組成物」は、本件明細書の上記摘記の「CIE1976のL*a*b*表色系におけるL*を35?75に制御しやすい」とされる態様のものといえるから、「厚さ3μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*」の値が「35?70」の範囲内になると認められる。

(イ)相違点2について
甲2発明Aの「MT-700B(酸化チタン(TiO_(2))、テイカ(株)製、平均一次粒子径:80nm)」は、上記アで述べたとおり、「表面処理剤により表面処理された」ものではないため、相違点2は実質的な相違点である。

次に、甲2発明Aの「MT-700B(酸化チタン(TiO_(2))、テイカ(株)製、平均一次粒子径:80nm)」について、「ステアリン酸、シランカップリング剤、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、含水シリカおよび酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも1つを含む表面処理剤により表面処理された」ものとすることが容易に発明をすることができたものかを検討する。
甲第2号証の(甲2c)の段落【0026】には、「金属酸化物粒子は、有機化合物により表面処理されたものであってもよい。表面処理に用いる有機化合物の例には、・・・、ステアリン酸、シランカップリング剤及び・・・が含まれる」ことが記載されている。しかしながら、甲2発明Aは、甲第2号証における比較例であるため、甲第2号証には、甲2発明Aの「MT-700B(酸化チタン(TiO_(2))、テイカ(株)製、平均一次粒子径:80nm)」について「ステアリン酸、シランカップリング剤、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、含水シリカおよび酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも1つを含む表面処理剤により表面処理された」ものとし、これを用いようとする積極的な動機付けを見いだすことはできない。
また、甲第1号証の(甲1e)の段落【0045】には「光反射用樹脂組成物」において、「白色顔料」として「酸化チタン」を用いること、(甲1g)の段落【0057】?【0059】には「シランカップリング剤」を添加することが記載されているものの、「白色顔料」である「酸化チタン」について「・・・、シランカップリング剤、・・・を含む表面処理剤により表面処理された」ものとすることまでは記載されていない。
甲第3号証の(甲3d)の段落【0077】、【0086】?【0087】、【0091】には、「光散乱用感光性樹脂組成物」において、「金属酸化物粒子(c)として表面処理がされた「酸化チタン」を用いること、「酸化チタン(TiO_(2))、酸化ジルコニウム(ZrO_(2))は、有機化合物や有機金属化合物などで表面被膜処理されていることが好ましい」ことが記載されているものの、上述のとおり、甲第2号証における比較例であるため、甲第3号証の記載からも、甲2発明Aの「MT-700B(酸化チタン(TiO_(2))、テイカ(株)製、平均一次粒子径:80nm)」について「ステアリン酸、シランカップリング剤、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、含水シリカおよび酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも1つを含む表面処理剤により表面処理された」ものとする積極的な動機付けを見いだすことはできない。

したがって、相違点2については、甲第2号証に記載された発明、甲第1号証及び甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたと判断することはできない。

(ウ)本件発明の効果について
また、本件発明1の「粒子」として「ステアリン酸、シランカップリング剤、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、含水シリカおよび酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも1つを含む表面処理剤により表面処理された酸化チタン」を用いたことによる効果について、本件明細書の(本e)の実施例を確認すると、「表面処理剤により表面処理」された「酸化チタン」である段落【0271】の【表2】のA-1、3?4、7、11、13?14、16?18、21?24の粒子を用いた段落【0276】?【0277】の【表7】?【表8】の実施例1?15、17?18、21、23?39の「分散液」は、段落【0297】の【表9】をみると「耐光性」がいずれも「A」評価であるのに対し、「表面処理剤により表面処理」されていない「酸化チタン」である段落【0271】の【表2】のA-2、5、12、21の粒子を用いた段落【0276】?【0277】の【表7】?【表8】の実施例16、19?20、22の「分散液」は段落【0297】の【表9】をみると「耐光性」がいずれも「C」ないし「D」評価となっており、「ステアリン酸、シランカップリング剤、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、含水シリカおよび酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも1つを含む表面処理剤により表面処理された酸化チタン」を用いたことにより、「耐光性」が優れたものになるという効果を確認することができる。
一方、甲第1?3号証には、「ステアリン酸、シランカップリング剤、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、含水シリカおよび酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも1つを含む表面処理剤により表面処理された酸化チタン」を用いたことにより、「耐光性」が優れたものになることは記載されていないから、本件発明の当該効果は、甲第1?3号証から予測可能なものであったとはいえない。

ウ 小括
したがって、上記相違点3について検討するまでもなく、本件発明1は、甲2号証に記載された発明ではなく、また、甲2号証に記載された発明及び甲第1、3号証に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。

(3)本件発明2?5、7?17について
本件発明2?5、7?17は、本件発明1を直接的又は間接的に引用して限定した発明であるから、上記(2)イ(イ)で示した理由と同じ理由により、甲第2号証に記載された発明ではなく、また、甲第2号証に記載された発明及び甲第1号証、甲第3号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(4)まとめ
以上のとおり、取消理由A及び取消理由Bは、理由がない。

3 特許異議申立書に記載された申立理由について
申立理由1(新規性)及び申立理由2(進歩性)について、以下に検討する。

(1)甲第1号証に記載された発明
甲第1号証の(甲1i)の段落【0085】の【表1】の実施例8に着目し、段落【0074】?【0079】の記載を踏まえると、甲第1号証には、以下の発明が記載されているといえる。

「ポリシロキサン(a-2)(東亞合成社製「AC-SQ SI-20」(分子骨格中に、T構造の架橋構造を有し、かつ、メタアクリロイル基を含有するポリシロキサン;官能基当量350g/mol)) 100質量部
ラジカル開始剤(B)(火薬アクゾ社製、「トリゴノックス121-50E」(tert-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノレート) 2.0質量部
白色顔料(c-3)(石原産業社製、「PT-401M」(酸化チタン、平均粒子径0.07μm)) 300質量部
シリカ(d-1)(アドマテックス社製、「FEDSeries」(シリカ粒子、平均粒子径20μm)) 350質量部
シリカ(d-3)(アドマテックス社製、「SO-02」(シリカ粒子、平均粒子径0.5μm)) 35質量部
シランカップリング剤(e-2)(信越化学工業社製、「LS-2940」(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)) 20質量部
からなる光反射材用樹脂組成物」の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているといえる。

(2)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。

甲1発明の「白色顔料(c-3)(石原産業社製、「PT-401M」(酸化チタン、平均粒子径0.07μm))」は、本件明細書の(本e)の段落【0271】の【表6】の「A-2」の粒子であり、「平均一次粒子径」が「70nm」であり、「表面処理剤」により表面処理されていないものであるから、本件発明1の「平均一次粒子径70?130nmの粒子」であって「酸化チタン」である「粒子」に相当するといえる。

甲1発明の「ポリシロキサン(a-2)(東亞合成社製「AC-SQ SI-20」(分子骨格中に、T構造の架橋構造を有し、かつ、メタアクリロイル基を含有するポリシロキサン;官能基当量350g/mol))」は、本件発明1の「樹脂」であるといえる。

甲1発明の「光反射材用樹脂組成物」は、溶剤を含まないものであるから、「全固形分濃度」は807質量部(=100質量部 + 2.0質量部 + 300質量部 + 350質量部 + 35質量部 + 20質量部)であり、このうち、「白色顔料(c-3)(石原産業社製、「PT-401M」(酸化チタン、平均粒子径0.07μm))」は300質量部であるから、「白色顔料(c-3)(石原産業社製、「PT-401M」(酸化チタン、平均粒子径0.07μm))」の含有量は、「光反射材用樹脂組成物」の「全固形分濃度」に対して、37.1質量%(=300質量部/807質量部)であり、本件発明1の「組成物の全固形分に対して30?50質量%」の範囲内であるといえる。

そうすると、本件発明1と甲1発明とは、
「平均一次粒子径70?130nmの粒子および平均長軸長が50?150nmの粒子のうち少なくとも一方と、樹脂とを含む組成物であって、
前記粒子は、酸化チタンであり、
前記粒子の含有量は、組成物の全固形分に対して30?50質量%である、組成物」である点で一致し、以下の点で相違する。

相違点4:「組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*」について、本件発明1では、「35?70」であるのに対し、甲1発明では明らかでない点。

相違点5:「粒子」である「酸化チタン」について、本件発明1では、「ステアリン酸、シランカップリング剤、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、含水シリカおよび酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも1つを含む表面処理剤により表面処理された」ものであるのに対し、甲1発明は、「表面処理剤により表面処理された」ものではない点。

イ 判断
上記相違点4について検討する。

甲1発明の「光反射材用樹脂組成物」は、「白色顔料(c-3)(石原産業社製、「PT-401M」(酸化チタン、平均粒子径0.07μm))」に加えて、「シリカ(d-1)(アドマテックス社製、「FEDSeries」(シリカ粒子、平均粒子径20μm))」及び「シリカ(d-3)(アドマテックス社製、「SO-02」(シリカ粒子、平均粒子径0.5μm))」を含むものである。

甲第1号証には、「光反射材用樹脂組成物」について、「組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*」が「35?70」になることは記載されていない。
また、上記「2 取消理由について」「(2)本件発明1について」「イ 判断」「(ア)相違点1について」において摘記した本件明細書の(a)?(f)の記載を踏まえて検討すると、「光反射材用樹脂組成物」中に、「白色顔料(c-3)(石原産業社製、「PT-401M」(酸化チタン、平均粒子径0.07μm))」を「37.1質量%」を含むのみであれば、「厚さ3μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*」の値が「35?70」の範囲内になると認められる。
しかしながら、甲1発明の「光反射材用樹脂組成物」は、さらに、「シリカ(d-1)(アドマテックス社製、「FEDSeries」(シリカ粒子、平均粒子径20μm))」を「350質量部」及び「シリカ(d-3)(アドマテックス社製、「SO-02」(シリカ粒子、平均粒子径0.5μm))」を「35質量部」と相当量含むものである。そして、これらの「シリカ(d-1)」及び「シリカ(d-2)」は、本件明細書の(本b)の段落【0028】において「シリカ」が「白色顔料」として列記されていることからみて、「厚さ3μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*」の値に大きな影響を及ぼすといえるから、本件明細書の(a)?(f)の記載から、甲1発明の「光反射材用樹脂組成物」について、「組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*」が「35?70」になることを推認することはできない。また、甲第1号証及び本件明細書の他の記載を参照しても、甲1発明の「光反射材用樹脂組成物」について、「組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*」が「35?70」になると推認できる記載はない。
したがって、相違点4は、実質的な相違点であるといえる。

次に、甲1発明の「光反射材用樹脂組成物」について、「組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*」が「35?70」となるように調整することが動機づけられるかを検討する。
甲第1号証には、上述のとおり、「光反射材用樹脂組成物」について、「組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*」を「35?70」とすることについて記載されていない。また、甲第1号証の(甲1b)の段落【0009】には、「ガスバリア性に優れるとともに、常温下及び高温環境下での光反射性にも優れる硬化物を実現可能な光反射材用樹脂組成物を提供することを目的とする」ことが記載されているものの、「組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*」を「35?70」とすることまでは記載されていない。
さらに、甲1発明において「シリカ」を含めないことの可否について検討すると、甲第1号証の(甲1f)の段落【0050】の「本実施形態の光反射材用樹脂組成物は、シリカを更に含むことが好ましい。シリカを含有することによって、硬化物のダイシング性が一層向上する」との記載からみて、甲1発明の「光反射材用樹脂組成物」において、「シリカ(d-1)」及び「シリカ(d-2)」を含まないものとする積極的な動機付けがあるとはいえない。

また、甲第2?3号証にも、甲1発明の「光反射材用樹脂組成物」について、「組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*」を「35?70」とすること、甲1発明の「光反射材用樹脂組成物」において、「シリカ(d-1)」及び「シリカ(d-2)」を含めないものとすることを動機づける記載はない。

したがって、相違点4について、甲第1号証に記載された発明、及び、甲第2号証及び甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたと判断することはできない。

ウ 申立人の主張について
(ア)申立人の主張について
特許異議申立書の「(4)具体的理由」の「ウ 本件特許発明と証拠に記載された発明との対比」において、申立人は、本件発明1の「組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が35?70である」(Eの構成要件)ことについて、以下の点を主張している。
(主張1)「甲1中の実施例8に記載された樹脂組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合に、CIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が35?70を満足する蓋然性が高いことは当業者であれば合理的に理解されるから、Eの構成要件は甲1に記載されているに等しい。また、本件特許発明が属する技術分野において、「L*が35?75の領域である膜であることが求められている」のは普遍的な課題であると理解され(本件特許明細書段落[0004] ) 、当該課題自体をEの構成要件として規定しているということができる。一方、このEの構成要件を満足するための手段について、「平均一次粒子径または平均長軸長が上限値以下であれば、組成物中に沈降が生じ難くなり、液経時安定性が改善する。また、平均一次粒子径または平均長軸長が上限値以下であると、厚さ3μmの膜を形成した場合CIE1976のL*a*b*表色系におけるL*を75以下に制御しやすい。平均一次粒子径または平均長軸長が下限値以上であると、厚さ3μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*を35以上に制御しやすい。」と説明されており(本件特許明細書段落[0012] ) 、要すれば、Aの構成要件によってEの構成要件を達成できると解されるのである。してみれば、Eの構成要件は実体のない規定といわざるを得ない。」
(主張2)「甲2の比較例3-5に記載された樹脂組成物を用いて厚さ3μの膜を形成した場合に、CIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が35?70を満足する蓋然性が高いことも当業者であれば合理的に理解されるから、Eの構成要件は甲2に記載されているに等しい。そして、甲2は前記のとおり、甲1と技術分野が共通するから、甲1に記載された発明と組合せることに何ら阻害要因は見当たらない」

(イ)上記主張1について
上記「イ 判断」で検討したとおり、甲1発明の「光反射材用樹脂組成物」は、「白色顔料(c-3)(石原産業社製、「PT-401M」(酸化チタン、平均粒子径0.07μm))」に加えて、「シリカ(d-1)(アドマテックス社製、「FEDSeries」(シリカ粒子、平均粒子径20μm))」及び「シリカ(d-3)(アドマテックス社製、「SO-02」(シリカ粒子、平均粒子径0.5μm))」を含むものであり、これらの「シリカ(d-1)」及び「シリカ(d-2)」は、「厚さ3μmの膜を形成した場合のCIE1976のL*」の値に大きな影響を及ぼすといえるから、本件明細書の上記の(a)?(f)の記載から、甲1発明の「光反射材用樹脂組成物」について、「組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*」が「35?70」になることを推認することはできない。
したがって、上記主張1を採用することはできない。

(ウ)上記主張2について
上記「2 取消理由について」「(2)本件発明1について」「イ 判断」「(ア)相違点1について」において検討したとおり、甲第2号証の比較例3-5に記載された樹脂組成物を用いて厚さ3μの膜を形成した場合に、CIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が35?70を満足する蓋然性が高いことも当業者であれば合理的に理解できるといえるものの、甲2の比較例3-5は実施例ではなく比較例であるから、甲2の比較例3-5の例を、甲1発明の「光反射材用樹脂組成物」に積極的に適用することはできない。
また、仮に、甲2の比較例3-5の例を、甲1発明の「光反射材用樹脂組成物」に適用したとしても、甲1発明の「光反射材用樹脂組成物」は、「シリカ(d-1)(アドマテックス社製、「FEDSeries」(シリカ粒子、平均粒子径20μm))」及び「シリカ(d-3)(アドマテックス社製、「SO-02」(シリカ粒子、平均粒子径0.5μm))」を含むものであり、上記「イ 判断」で検討したとおり、甲1発明の「光反射材用樹脂組成物」において、「シリカ(d-1)」及び「シリカ(d-2)」を含めないものとする積極的な動機付けがあるとはいえない。
したがって、上記主張2も採用することはできない。

エ 小括
したがって、上記相違点5について検討するまでもなく、本件発明1は、甲第1号証に記載された発明ではなく、また、甲1号証に記載された発明及び甲第2号証?甲第3号証に記載された技術的事項に基づいて当業者が容易に発明できたものとはいえない。

(3)本件発明2?5、7?17について
本件発明2?5、7?17は、本件発明1を直接的又は間接的に引用して限定した発明であるから、上記(2)イで示した理由と同じ理由により、甲第1号証に記載された発明及び甲第2号証?甲第3号証に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(4)まとめ
以上のとおり、申立理由1及び申立理由2は、理由がない。


第7 むすび
特許第6721670号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1-17]について訂正することを認める。
本件発明6に係る特許に対する申立は、特許法第120条の8で準用する同法第135条の規定により却下する。
当審が通知した取消理由および申立人がした申立理由によっては、本件発明1-5、7-17に係る特許を取り消すことはできない。
また、ほかに本件発明1-5、7-17に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。

 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均一次粒子径70?130nmの粒子および平均長軸長が50?150nmの粒子のうち少なくとも一方と、樹脂とを含む組成物であって、
前記粒子は、ステアリン酸、シランカップリング剤、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、含水シリカおよび酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも1つを含む表面処理剤により表面処理された酸化チタンであり、
前記粒子の含有量は、組成物の全固形分に対して30?50質量%であり、
前記組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が35?70である、組成物。
【請求項2】
前記組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合にCIE1976のL*a*b*表色系におけるL*が35?63.1である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物を用いて厚さ3μmの膜を形成した場合に、前記膜の波長400-700nmの範囲における平均透過率が50%以下である、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記粒子は、平均長軸長が50?150nmの粒子である、請求項1?3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が硬化性組成物である、請求項1?4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
前記樹脂がアルカリ可溶性樹脂である、請求項1?5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、ラジカル重合性化合物および重合開始剤を有する、請求項1?5、7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、さらに着色防止剤を有する、請求項1?5、7、8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、さらに連鎖移動剤を有する、請求項1?5、7?9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、分散剤および分散助剤のうち少なくとも一方を有する、請求項1?5、7?10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
請求項1?5、7?11のいずれか一項に記載の組成物を用いて形成された、膜。
【請求項13】
厚さ3μmにおける、波長400?700nmの範囲における平均透過率が1%以上である、請求項12に記載の膜。
【請求項14】
厚さが10μm以下である、請求項12または13に記載の膜。
【請求項15】
請求項12?14のいずれか一項に記載の膜を硬化した、硬化膜。
【請求項16】
請求項15に記載の硬化膜を有する光学センサ。
【請求項17】
請求項1?5、7?11のいずれか一項に記載の組成物を、パターンを有するマスクを介して露光する工程と、
露光された前記組成物を現像してパターン形成する工程とを含む、膜の製造方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2021-09-30 
出願番号 特願2018-505229(P2018-505229)
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (C08F)
P 1 651・ 121- YAA (C08F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 中根 知大三原 健治  
特許庁審判長 近野 光知
特許庁審判官 杉江 渉
佐藤 玲奈
登録日 2020-06-22 
登録番号 特許第6721670号(P6721670)
権利者 富士フイルム株式会社
発明の名称 組成物、膜、硬化膜、光学センサおよび膜の製造方法  
代理人 特許業務法人特許事務所サイクス  
代理人 特許業務法人特許事務所サイクス  
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