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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  H01L
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  H01L
審判 全部申し立て 2項進歩性  H01L
管理番号 1379839
異議申立番号 異議2020-700428  
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-12-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2020-06-18 
確定日 2021-10-14 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6621990号発明「紫外発光ダイオード」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6621990号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?7〕について訂正することを認める。 特許第6621990号の請求項1?7に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6621990号(以下「本件特許」という。)の請求項1?7に係る特許についての出願は、平成27年1月15日(優先権主張 平成26年1月16日)に出願され、令和元年11月29日にその特許権の設定登録がされ、令和元年12月18日に特許掲載公報が発行された。
本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和2年 6月18日 :特許異議申立人中野圭二(以下「申立人」という。)による請求項1?7に係る特許に対する特許異議の申立て
令和2年10月21日付け:取消理由通知書
令和2年12月25日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
なお、令和3年3月12日付けで当審から申立人に対し訂正請求があった旨の通知(特許法第120条の5第5項)をするとともに、期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、申立人から意見書は提出されなかった。

第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
(1)令和2年12月25日に提出された訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)は、次のとおりである(下線は、訂正箇所として特許権者が付したものである。)。
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「光が放射される発光主面を有する基板、n型層、活性層、およびp型層がこの順で積層された積層構造を有し、さらに、
前記p型層上にp型電極を有し、かつ前記p型層、および前記活性層の一部の領域を除去して露出させた前記n型層上にn型電極を有する発光ダイオードであって、
発光ピーク波長が220?350nmの範囲にあり、
前記n型層が、Al_(X1)Ga_(1-X1)N層(0.65≦X1≦0.80)であり、
前記n型電極が、前記n型層に直接に接して形成されており、
前記n型電極の固有接触抵抗値(Ω・cm^(2))を該n型電極が設置された部分の電極面積(cm^(2))で除したn型電極抵抗値が1.0Ω未満であり、
25℃において、駆動電流値150mAにおける発光出力密度が10W/cm^(2)以上であり、
25℃で駆動電流値を150mAとしたときの駆動電圧値が10V以下であることを特徴とした紫外発光ダイオード。」と記載されているのを、
「光が放射される発光主面を有する基板、n型層、活性層、およびp型層がこの順で積層された積層構造を有し、さらに、
前記p型層上にp型電極を有し、かつ前記p型層、および前記活性層の一部の領域を除去して露出させた前記n型層上にn型電極を有する発光ダイオードであって、
発光ピーク波長が220?350nmの範囲にあり、
前記基板が、転位密度が10^(6)cm^(-2)以下であるAlN単結晶基板であり、
前記発光ピーク波長の紫外光に対する前記基板の内部透過率が85%以上であり、
前記n型層が、Al_(X1)Ga_(1-X1)N層(0.65≦X1≦0.80)であり、
前記活性層が、量子井戸層と障壁層とが組み合わされた量子井戸構造を有し、該量子井戸構造は3層以上前記量子井戸層を有する多重量子井戸構造であり、前記量子井戸層および前記障壁層のそれぞれがAlGaN層であり、
前記p型層が、前記活性層上に順に積層された、p型Al_(X3)Ga_(1-X3)N層(0.5≦X3≦1.0)、p型Al_(X4)Ga_(1-X4)N層、p型In_(Y)Ga_(1-Y)N層(0≦X3≦0.1)層を備え、X1≦X4≦X3であり、
前記n型電極が、前記n型層に直接に接して形成されており、
前記n型電極は、前記n型電極の固有接触抵抗値(Ω・cm^(2))を該n型電極が設置された部分の電極面積(cm^(2))で除したn型電極抵抗値が1.0Ω未満となる電極面積で形成されており、
前記n型電極の電極面積が0.002?0.5cm^(2)であり、
前記p型電極は、25℃において、駆動電流値150mAにおける発光出力(W)を該p型電極が設置された部分の電極面積(cm^(2))で除した発光出力密度が10.1W/cm^(2)以上となる電極面積で形成されており、
25℃で駆動電流値を150mAとしたときの駆動電圧値が9.7V以下であることを特徴とした紫外発光ダイオード。」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2?7も同様に訂正する。)。

イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項4に、
「前記発光主面を有する基板が、窒化アルミニウム単結晶からなることを特徴とした請求項1?3のいずれかに記載の紫外発光ダイオード。」と記載されているのを、
「前記n型電極が、前記n型層上に順に形成された、第1の電極金属層および第2の電極金属層を備え、
前記第1の電極金属層が、Ti、V及びTaから選ばれる少なくとも1種からなる金属層であり、
前記第2の電極金属層が、前記第1の電極金属層上に順に形成された、Ti、V及びTaから選ばれる少なくとも1種からなる接合金属層、仕事関数が4.0eV?4.8eVであり且つ比抵抗が1.5×10^(-6)Ω・cm?4.0×10^(-6)Ω・cmである金属からなる高導電性金属層、並びに、Au及び/又はPtからなる貴金属層を含む多層構造を有し、
前記p型電極が、Ni及びAuを含む電極材料により形成されていることを特徴とした請求項1?3のいずれかに記載の紫外発光ダイオード。」に訂正する(請求項4の記載を引用する請求項5?7も同様に訂正する。)。

ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項7に、
「前記基板が、窒化アルミニウム単結晶基板であり、
駆動電流値を150mAとして25℃で連続運転した際、発光出力値が初期発光出力値の70%となるまでの寿命時間が1000時間以上であることを特徴とする、請求項1?6のいずれかに記載の紫外発光ダイオード。」と記載されているのを、
「 駆動電流値を150mAとして25℃で連続運転した際、発光出力値が初期発光出力値の70%となるまでの寿命時間が1000時間以上であることを特徴とする、請求項1?6のいずれかに記載の紫外発光ダイオード。」に訂正する。

(2)なお、本件訂正は、一群の請求項〔1?7〕に対して請求されたものである。

2 訂正要件の判断
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的
(ア)訂正事項1は、以下の内容からなるものである。
a 訂正前の請求項1に記載された発明の「基板」を、「転位密度が10^(6)cm^(-2)以下であるAlN単結晶基板」に限定し、「前記発光ピーク波長の紫外光に対する前記基板の内部透過率が85%以上」と更に限定すること。
b 訂正前の請求項1に記載された発明の「活性層」を、「量子井戸層と障壁層とが組み合わされた量子井戸構造を有し、該量子井戸構造は3層以上前記量子井戸層を有する多重量子井戸構造であり、前記量子井戸層および前記障壁層のそれぞれがAlGaN層であり」と限定すること。
c 訂正前の請求項1に記載された発明の「p型層」を、「前記活性層上に順に積層された、p型Al_(X3)Ga_(1-X3)N層層(0.5≦X3≦1.0)、p型Al_(X4)Ga_(1-X4)N層、p型In_(Y)Ga_(1-Y)N層(0≦X3≦0.1)層を備え、X1≦X4≦X3であり」と限定すること。
d 訂正前の請求項1に記載された発明の「前記n型電極の固有接触抵抗値(Ω・cm^(2))を該n型電極が設置された部分の電極面積(cm^(2))で除したn型電極抵抗値が1.0Ω未満」であることを、「前記n型電極は、前記n型電極の固有接触抵抗値(Ω・cm^(2))を該n型電極が設置された部分の電極面積(cm^(2))で除したn型電極抵抗値が1.0Ω未満となる電極面積で形成されており」、かつ、「前記n型電極の電極面積が0.002?0.5cm^(2)であり」と限定すること。
e 訂正前の請求項1に記載された発明の「25℃において、駆動電流値150mAにおける発光出力密度が10W/cm^(2)以上」であることを、「前記p型電極は、25℃において、駆動電流値150mAにおける発光出力(W)を該p型電極が設置された部分の電極面積(cm^(2))で除した発光出力密度が10.1W/cm^(2)以上となる電極面積で形成されており」と限定すること。
f 訂正前の請求項1に記載された発明の「25℃で駆動電流値を150mAとしたときの駆動電圧値が10V以下」であったのを、「9.7V以下」と限定すること。
(イ)したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

イ 新規事項追加の有無
(ア)上記ア(ア)aについて
本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)の【0031】及び【0042】には、「基板」として、「転位密度が10^(6)cm^(-2)以下であるAlN単結晶基板」が、好ましい例として記載されている。
また、本件明細書等の【0032】には、基板の内部透過率について、「前記発光ピーク波長の紫外光に対する前記基板の内部透過率が85%以上」と、好ましい例として記載されている。
(イ)上記ア(ア)bについて
本件明細書等の【0043】及び【0044】には、「活性層」として、「量子井戸層と障壁層とが組み合わされた量子井戸構造を有し、該量子井戸構造は3層以上前記量子井戸層を有する多重量子井戸構造であり、前記量子井戸層および前記障壁層のそれぞれがAlGaN層」であるものが記載されている。
(ウ)上記ア(ア)cについて
本件明細書等の【0049】?【0051】には、「図1に例示する紫外発光ダイオード1は、p型Al_(X3)Ga_(1-X3)N層5、p型Al_(X4)Ga_(1-X4)N層6、p型In_(Y)Ga_(1-Y)N層7の順で活性層4上に積層された3層構造からなるp型層8を有している」、「p型Al_(X3)Ga_(1-X3)N層5、およびp型Al_(X4)Ga_(1-X4)N層6のAl組成は、n型層3の場合と同様に、所望の発光ピーク波長に応じて0.5≦X3≦1.0、0.2≦X4≦0.9の範囲で適宜決定することができる。…(中略)…。また、より高い出力密度を得るためには、さらにX1≦X4≦X3であることが好ましい。」及び「p型In_(Y)Ga_(1-Y)N層7は、p型電極(p型電極層)10との接触抵抗を低減するために設けられる層である。In組成比のYは特に限定されるものではないが、一般的には0≦Y≦0.1である。」と記載されている。
したがって、本件明細書等には、「p型層」として、「前記活性層上に順に積層された、p型Al_(X3)Ga_(1-X3)N層層(0.5≦X3≦1.0)、p型Al_(X4)Ga_(1-X4)N層、p型In_(Y)Ga_(1-Y)N層(0≦Y≦0.1)層を備え、X1≦X4≦X3」であるものが記載されている。
(エ)上記ア(ア)dについて
本件明細書等の【0060】及び【0061】には、「…(前略)…、その一定の電極形成条件を採用した際に、n型電極抵抗値が1.0Ω未満となるような電極面積を算出し、その電極面積のn型電極を形成すればよい。」及び「…(前略)…、n型電極面積とn型電極抵抗値との関係に基づいてn型電極抵抗値が1.0Ω未満となるn型電極面積を決定して、紫外発光ダイオードを作製している」と記載されており、「n型電極抵抗値が1.0Ω未満」であることは、n型電極の電極面積により定まることが記載されているといえる。
したがって、本件明細書等には、「前記n型電極は、前記n型電極の固有接触抵抗値(Ω・cm^(2))を該n型電極が設置された部分の電極面積(cm^(2))で除したn型電極抵抗値が1.0Ω未満となる電極面積で形成されており」との事項が記載されている。
また、本件明細書等の【0057】には、「また、電極面積は、n型電極抵抗に合わせて適宜調整すればよく、紫外発光ダイオードの大きさにもよるが、通常、0.5?0.0001cm^(2)の範囲内である」と記載されている。
そして、表1?3中の実施例1?17におけるn型電極の電極面積の最小値は「0.002」(cm^(2))である。
したがって、本件明細書等には、「前記n型電極の電極面積が0.002?0.5cm^(2)であり」との事項が記載されているといえる。
(オ)上記ア(ア)eについて
本件明細書等の【0027】には、「…(前略)…。本発明における発光出力密度とは、本発明の紫外発光ダイオードの、上述の発光スペクトルの全光束測定によって求められる発光出力(W)を、紫外発光ダイオードのp型電極の面積(cm^(2))で除した値である。」と記載されている。
また、上記【0027】の記載より、「発光出力密度」は、「p型電極の面積」により定まるものと理解できる。
更に、本件明細書等の表1?3中の実施例1?17より、25℃において、駆動電流値150mAにおける発光出力密度の最小値は「10.1W/cm^(2)」(実施例5)であるから、「発光出力密度」が「10.1W/cm^(2)」のものは、本件明細書等に記載されているといえる。
したがって、「前記p型電極は、25℃において、駆動電流値150mAにおける発光出力(W)を該p型電極が設置された部分の電極面積(cm^(2))で除した発光出力密度が10.1W/cm^(2)以上となる電極面積で形成されており」との事項は、本件明細書等に記載されているといえる。
(カ)上記ア(ア)fについて
「25℃で駆動電流値を150mAとしたときの駆動電圧値」について、本件明細書等の表1?3中の実施例1?17における駆動電圧値の最大値は「9.7V」(実施例16)であるから、「25℃で駆動電流値を150mAとしたときの駆動電圧値」として「9.7V以下」のものは、本件明細書等に記載されている。
したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。

ウ 特許請求の範囲の実質拡張変更の有無
上記ア及びイにも照らせば、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。

エ 訂正事項1の小括
よって、訂正事項1は、訂正要件を満たす。

(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的
(ア) 訂正事項2は、以下の内容からなるものである。
a 請求項4が引用する訂正後の請求項1が、上記(1)ア(ア)のとおり、「基板」が「転位密度が10^(6)cm^(-2)以下であるAlN単結晶基板」に限定されたことに伴い、訂正前の請求項4の「前記発光主面を有する基板が、窒化アルミニウム単結晶からなる」の記載との関係が明瞭でなくなったことから、当該記載を削除して、明瞭にすること。
b 「n型電極」を、「前記n型層上に順に形成された、第1の電極金属層および第2の電極金属層を備え、
前記第1の電極金属層が、Ti、V及びTaから選ばれる少なくとも1種からなる金属層であり、
前記第2の電極金属層が、前記第1の電極金属層上に順に形成された、Ti、V及びTaから選ばれる少なくとも1種からなる接合金属層、仕事関数が4.0eV?4.8eVであり且つ比抵抗が1.5×10^(-6)Ω・cm?4.0×10^(-6)Ω・cmである金属からなる高導電性金属層、並びに、Au及び/又はPtからなる貴金属層を含む多層構造を有し」と限定すること。
c 更に、「p型電極」を「Ni及びAuを含む電極材料により形成されている」と限定すること。
(イ)したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮、及び特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 新規事項追加の有無
(ア)上記ア(ア)aについて
「前記発光主面を有する基板が、窒化アルミニウム単結晶からなる」との記載の削除は、訂正後の請求項1と重複する記載を削除するものであるから、新規事項を追加するものではない。
(イ)上記ア(ア)bについて
本件明細書等の【0055】には、「n型電極」について、「…(前略)…。特許文献2には、III族窒化物単結晶からなるn型半導体層の上にn型コンタクト電極を形成する方法であって、該n型半導体層上にTi、VおよびTaからなる群より選ばれる少なくとも1種からなる金属層からなる第一の電極金属層を形成した後、800℃以上1200℃以下の温度で熱処理を行う工程、及び、第一の電極金属層上に仕事関数が4.0eV?4.8eVであり且つ比抵抗が1.5×10^(-6)Ω・cm?4.0×10^(-6)Ω・cmである金属からなる高導電性金属層を含んでなる第二の電極金属層を形成した後、700℃以上1000℃以下の温度で熱処理を行う工程とを含む、n型コンタクト電極の形成方法が開示されている。…(後略)…。」と記載されている。
(ウ)上記ア(ア)cについて
本件明細書等の【0055】には、「p型電極」について、「p型電極(p型電極層)10は、公知のp型オーミック電極材料を使用することができる。…(中略)…、例えば、特許第3499385号公報(特許文献3)に記載されている、NiおよびAuを含む電極材料を好ましく採用することができる。特許文献3の内容はここに参照を以って組み入れられる。」と記載されている。
したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。

ウ 特許請求の範囲の実質拡張変更の有無
上記ア及びイにも照らせば、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。

エ 訂正事項2の小括
よって、訂正事項2は、訂正要件を満たす。

(3)訂正事項3について
ア 訂正の目的
訂正事項3は、請求項7が引用する訂正後の請求項1が、上記(1)ア(ア)のとおり、「基板」が「転位密度が10^(6)cm^(-2)以下であるAlN単結晶基板」に限定されたことに伴い、訂正前の請求項7の「前記発光主面を有する基板が、窒化アルミニウム単結晶からなる」の記載との関係が明瞭でなくなったことから、当該記載を削除して、明瞭にするものである。
したがって、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 新規事項追加の有無
「前記基板が、窒化アルミニウム単結晶基板であり」との記載の削除は、訂正後の請求項1と重複する記載を削除するものであるから、新規事項を追加するものではない。
したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合する。

ウ 特許請求の範囲の実質拡張変更の有無
上記ア及びイにも照らせば、訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合する。

エ 訂正事項3の小括
よって、訂正事項3は、訂正要件を満たす。

3 訂正の適否の小括
以上のとおり、本件訂正は、訂正要件を満たす。
よって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、本件訂正後の請求項〔1?7〕について訂正することを認める。

第3 本件訂正後の請求項
本件訂正は上記第2のとおり認められたので、本件訂正後の請求項1?7に係る発明(以下「本件発明1」?「本件発明7」といい、これらを総称して「本件発明」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1?7に記載された次のとおりのものである。

「【請求項1】
光が放射される発光主面を有する基板、n型層、活性層、およびp型層がこの順で積層された積層構造を有し、さらに、
前記p型層上にp型電極を有し、かつ前記p型層、および前記活性層の一部の領域を除去して露出させた前記n型層上にn型電極を有する発光ダイオードであって、
発光ピーク波長が220?350nmの範囲にあり、
前記基板が、転位密度が10^(6)cm^(-2)以下であるAlN単結晶基板であり、
前記発光ピーク波長の紫外光に対する前記基板の内部透過率が85%以上であり、
前記n型層が、Al_(X1)Ga_(1-X1)N層(0.65≦X1≦0.80)であり、
前記活性層が、量子井戸層と障壁層とが組み合わされた量子井戸構造を有し、該量子井戸構造は3層以上前記量子井戸層を有する多重量子井戸構造であり、前記量子井戸層および前記障壁層のそれぞれがAlGaN層であり、
前記p型層が、前記活性層上に順に積層された、p型Al_(X3)Ga_(1-X3)N層層(0.5≦X3≦1.0)、p型Al_(X4)Ga_(1-X4)N層、p型In_(Y)Ga_(1-Y)N層(0≦X3≦0.1)層を備え、X1≦X4≦X3であり、
前記n型電極が、前記n型層に直接に接して形成されており、
前記n型電極は、前記n型電極の固有接触抵抗値(Ω・cm^(2))を該n型電極が設置された部分の電極面積(cm^(2))で除したn型電極抵抗値が1.0Ω未満となる電極面積で形成されており、
前記n型電極の電極面積が0.002?0.5cm^(2)であり、
前記p型電極は、25℃において、駆動電流値150mAにおける発光出力(W)を該p型電極が設置された部分の電極面積(cm^(2))で除した発光出力密度が10.1W/cm^(2)以上となる電極面積で形成されており、
25℃で駆動電流値を150mAとしたときの駆動電圧値が9.7V以下であることを特徴とした紫外発光ダイオード。
【請求項2】
前記p型電極の面積が0.0001?0.01cm^(2)である請求項1に記載の紫外発光ダイオード。
【請求項3】
前記発光主面に凹凸構造が形成されていることを特徴とした請求項1又は2に記載の紫外発光ダイオード。
【請求項4】
前記n型電極が、前記n型層上に順に形成された、第1の電極金属層および第2の電極金属層を備え、
前記第1の電極金属層が、Ti、V及びTaから選ばれる少なくとも1種からなる金属層であり、
前記第2の電極金属層が、前記第1の電極金属層上に順に形成された、Ti、V及びTaから選ばれる少なくとも1種からなる接合金属層、仕事関数が4.0eV?4.8eVであり且つ比抵抗が1.5×10^(-6)Ω・cm?4.0×10^(-6)Ω・cmである金属からなる高導電性金属層、並びに、Au及び/又はPtからなる貴金属層を含む多層構造を有し、
前記p型電極が、Ni及びAuを含む電極材料により形成されていることを特徴とした請求項1?3のいずれかに記載の紫外発光ダイオード。
【請求項5】
前記活性層、および前記p型層が、Al_(X)Ga_(1-X)N(但し、Xは、0≦X≦1.0)で表されるIII族窒化物半導体からなることを特徴とする請求項1?4のいずれかに記載の紫外発光ダイオード。
【請求項6】
発光ピーク波長が220?245nmの範囲にあり、外部量子効率が0.3%以上であり、
駆動電流値を150mAとして25℃で連続運転した際、発光出力値が初期発光出力値の70%となるまでの寿命時間が300時間以上であることを特徴とした請求項1?5のいずれかに記載の紫外発光ダイオード。
【請求項7】
駆動電流値を150mAとして25℃で連続運転した際、発光出力値が初期発光出力値の70%となるまでの寿命時間が1000時間以上であることを特徴とする、請求項1?6のいずれかに記載の紫外発光ダイオード。」

第4 令和2年10月21日付け取消理由通知書で通知した取消理由の概要
本件訂正前の請求項1?7に係る特許に対して、当審が令和2年10月21日付け取消理由通知書(以下、単に「取消理由通知書」という。)により特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。
なお、取消理由通知書において採用しなかった特許異議申立理由は存在しない。

1.本件特許は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
2.本件特許は、発明の詳細な説明の記載が不備のため、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
3.下記の請求項に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物である又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の文献に記載された発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、下記の請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。


<引用文献等一覧>
甲第1号証:特開2013-138093号公報
甲第2号証:特開2013-243411号公報
甲第3号証:特開2014-203874号公報
甲第4号証:特開2013-161902号公報
甲第5号証:特開2005-354020号公報
引用文献1:KINOSHITA Toru et al., ”Deep-Ultraviolet Light-Emitting Diodes Fabricated on AlN Substrates Prepared by Hydride Vapor Phase Epitaxy”, Applied Physics Express 5 (2012) 122101(当審注:本件明細書等【0008】記載の【非特許文献3】である。)

第5 取消理由通知書で通知した取消理由に対する当審の判断
1 特許法第36条第6項第1号について
(1)訂正前の請求項1に記載された「基板」は、訂正事項1により、「前記基板が、転位密度が10^(6)cm^(-2)以下であるAlN単結晶基板であり」及び「前記発光ピーク波長の紫外光に対する前記基板の内部透過率が85%以上であり」と限定され、本件訂正後の明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「訂正明細書等」という。)の【0010】?【0012】に記載された「高出力密度と低駆動電圧特性を有する紫外発光ダイオードを提供すること」という本件課題を解決するための前提事項が特定されたことから、訂正事項1により訂正された「基板」は、本件課題を解決できると認識できるものとなった。
(2)訂正前の請求項1に記載された「発光出力密度が10W/cm^(2)以上」及び「駆動電圧値が10V以下」との特定は、訂正事項1(上記第2の1(1)ア)により、「発光出力密度が10.1W/cm^(2)以上」及び「駆動電圧値が9.7V以下」と訂正され、訂正明細書等に記載したものとなった。
(3)取消理由通知では、「即ち、上記「高出力密度」と「低駆動電圧特性」とは相反する要請であり、訂正明細書等をみても、当該相反する要請をどのように満たすのか、その原理的な説明はなされておらず、【表1】及び【表2】に記載された特定の実施例がこれを満たしているにとどまるものである。」と説示したが、下記のとおりであるから、「高出力密度」と「低駆動電圧特性」との要請をどのように満たすのかは、訂正明細書等より理解することができるといえる。
a 本件発明1は、「25℃において、駆動電流値150mAにおける発光出力密度が10.1W/cm^(2)以上」及び「25℃で駆動電流値を150mAとしたときの駆動電圧値が9.7V以下」と特定しており、当該数値範囲を満たす全ての紫外発光ダイオードを含むものである。
b ここで、実施例1(p型電極面積「0.001cm^(2)」、150mA動作時の発光出力密度「28.6W/cm^(2)」)及び実施例17(p型電極面積「0.002cm^(2)」、150mA動作時の発光出力密度「15.2W/cm^(2)」)、或いは比較例1(p型電極面積「0.001cm^(2)」、150mA動作時の発光出力密度「28.8W/cm^(2)」)及び比較例4(p型電極面積「0.0003cm^(2)」、150mA動作時の発光出力密度「72.8W/cm^(2)」)を対比してみれば、150mA動作時において、p型電極の面積を変えることで、発光出力密度を制御し得ることが理解できる。
また、実施例1(n型電極面積「0.002cm^(2)」、150mA動作時の駆動電圧「8.8V」)及び比較例1(n型電極面積「0.0008cm^(2)」、150mA動作時の駆動電圧「12.3V」)、或いは実施例16(n型電極面積「0.003cm^(2)」、150mA動作時の駆動電圧「9.7V」)及び比較例4(n型電極面積「0.0008cm^(2)」、150mA動作時の駆動電圧「14.0V」)を対比してみれば、150mA動作時において、n型電極の面積を変えることで、駆動電圧値を制御し得ることが理解できる。
c 上記bによれば、「発光出力密度」及び「駆動電圧値」は、それぞれ、「p型電極の面積」及び「n型電極の面積」により、独立して制御し得るものと解される。
d したがって、「高出力密度」と「低駆動電圧特性」とは、独立して制御可能であることが、訂正明細書等に記載されているといえるから、上記数値範囲を満たす全ての紫外発光ダイオードを作成し得ることについて、訂正明細書等に記載されているといえる。
(4)以上のとおりであるから、本件発明1?7は、訂正明細書等に記載したものである。

2 特許法第36条第4項第1号について
上記1(3)のとおり、本件発明1?7の「発光出力密度」及び「駆動電圧値」は、それぞれ、p型電極の面積及びn型電極の面積により、独立して制御し得るものと理解できる。
したがって、訂正明細書等は、本件発明1?7を実施できる程度に明確かつ十分に記載したものである。

3 特許法第29条第2項について1(引用文献1に記載された発明を主引用発明として)
(1)本件発明1に対して
ア 引用文献の記載事項
(ア)引用文献1に記載された事項
a 引用文献1には、図面と共に、以下の事項が記載されている(下線は当審が付与した。以下同じ。)。
「A schematic of the DUV-LED structure fabricated in this study is shown in Fig. 2. First, a100-nm-thick AlN homo epitaxial layer was grown on the polished HVPE-AlN surface, followed by a 1.0-μm -thick Si-doped n- Al_(0.75)Ga_(0.25)N hetero epitaxial layer. Typical full width at half maximum (FWHM) values of the (0002) and(10-12) reflections of HRXRD ω-rocking curves obtained from the n- Al_(0.75)Ga_(0.25)N layer were 90 and 60 arcsec, respectively. The active region consisted of three multiple quantum wells (MQWs), followed by a Mg-doped p-AlN electron blocking layer and a p- Al_(0.75)Ga_(0.25)N cladding layer. In this work, a p-GaN layer was deposited on the cladding layer to form p-type ohmic contact in spite of serious optical loss due to DUV light absorption in GaN.
(日本語仮訳:本研究で作製したDUV-LED構造の模式図を図2に示す。まず、研磨されたHVPE-AlN表面に100nm厚のAlNホモエピタキシャル層を成長させ、次に1.0μm厚のSiドープn-Al_(0.75)Ga_(0.25)Nヘテロエピタキシャル層を成長させた。n- Al_(0.75)Ga_(0.25)N層から得られたHRXRDのω-ロッキング曲線の半値最大全幅(FWHM)値は、それぞれ90アークセックと60アークセックであった。活性領域は3つの多重量子井戸(MQW)からなり、Mgドープのp-AlN電子阻止層とp- Al_(0.75)Ga_(0.25)Nクラッド層が続いた。本研究では、GaNのDUV光吸収による重大な光学損失にもかかわらず、クラッド層上にp-GaN層を堆積させ、p型オーミックコンタクトを形成した。)」(第1頁右欄第22行?第2頁左欄第10行)
「DUV-LEDs of 400 × 600 μm^(2) size were fabricated by conventional LED processing techniques of photolithography, dry etching, and metal evaporation. The finger-shape electrode area was approximately 0.001 cm^(2). Thin Ni/Au and Ti/Al/Au films were used as p- and n-type contacts, respectively. After the LED processing, the back side of the substrate was mechanically polished to remove the PVT portion of the AlN substrate. The thickness of the remaining HVPE-AlN substrate was approximately 170 μm. The electroluminescence(EL) spectra of the on-wafer configuration were measured using a charge-coupled device photodetector with a spectrometer through the substrate before and after removing the PVT portion of the AlN substrate. Then, the LED wafer was diced, and each chip was flip-chip-mounted on a sintered AlN submount with Au-Sn solder bumps. The submount with an LED chip was glued on a 1× 0:5mm^(2) sintered AlN carrier with the Ag paste. The electrical and optical characteristics of the fabricated DUV-LEDs
were measured under continuous wave (CW) current injection at room temperature. The output power was measured by using a calibrated integration sphere.
(日本語仮訳:フォトリソグラフィー、ドライエッチング、金属蒸着の従来のLED加工技術を用いて、400×600μm^(2)サイズのDUV-LEDを作製した。指状電極面積は約0.001cm^(2)であった。p型コンタクト、n型コンタクトとして、それぞれNi/Au薄膜、Ti/Al/Au薄膜を用いた。LED処理後、裏面を機械的に研磨し、AlN基板のPVT部分を除去した。残されたHVPE-AlN基板の厚さは約170μmであった。AlN基板のPVT部分を除去する前後で、基板を貫通した電荷結合素子型光検出器を用いて、オンウェハ構成のエレクトロルミネッセンス(EL)スペクトルを測定した。その後、LEDウェハをダイシングし、各チップをAu-Snはんだバンプを有する焼結AlNサブマウント上にフリップチップマウントした。LEDチップを搭載したサブマウントは、Agペーストを用いて、1×0:5mm^(2)の焼結AlNキャリア上に接着した。製造されたDUV-LEDの電気的および光学的特性は、室温で連続波(CW)電流注入下で測定した。出力電力は、校正された積分球を用いて測定した。)」(第2頁左欄第11行?第31行)
「The EL spectra of a flip-chip-mounted DUV-LED under forward bias are shown in Fig. 5. In addition to the emission peak at a wavelength of 268 nm, a weak parasitic peak at a wave length of around 300 nm was observed besides the main peak. This peak is likely to be due to the recombination from the conduction band to the deep acceptor level in the p- Al_(0.75)Ga_(0.25)N cladding layer.
(日本語仮訳:図5にフリップチップ実装型 DUV-LEDの順方向バイアス下での EL スペクトルを示す。波長268nmの発光ピークに加え、主ピークの他に波長300nm付近に弱い寄生ピークが観測された。このピークは、p- Al_(0.75)Ga_(0.25)Nクラッド層の伝導帯からディープアクセプタレベルへの再結合によるものと考えられる。)」(第3頁左欄第9行?第15行)
「Figure 6 shows the output power and EQE of the DUV-LED as a function of injection current. The CW output power and EQE at an injection current of 250mA reached 28mW and 2.4%, respectively. The output power increased super linearly when the injection current was increased above 100 mA. The EQE also increased from 1.3 to 2.4% within creasing injection current. These characteristics of output power and EQE were reported to be due to the thermal activation in p-type layers caused by self-heating effect.
(日本語仮訳:図6に射出電流の関数としての DUV-LED の出力電力と EQE を示す。注入電流250mAでのCW出力電力は28mW、EQEは2.4%に達した。注入電流を100mA以上にすると、出力電力は超直線的に増加した。また、注入電流を増加させると、出力電力は1.3mWから2.4%に増加した。これらの出力電力とEQEの特性は、自己発熱効果によるp型層の熱活性化によるものであることが報告された。)」(第3頁左欄第16行?右欄第3行)
「In summary, AlGaN-based DUV-LEDs were fabricated on HVPE-AlN substrates grown on bulk PVT-AlN substrates. The DUV-LEDs exhibited a single emission peaking at 268 nm through the HVPE-AlN substrate by removing the PVT-AlN substrate, which yielded the reduction of optical loss due to absorption in AlN substrate. The output power and EQE of the DUV-LEDs were recorded to be as high as28mW and 2.4%, respectively.
(日本語仮訳:本研究では、PVT-AlN基板上に成長させたHVPE-AlN基板上にAlGaNベースのDUV-LEDを作製し、PVT-AlN基板を除去することで268nmの単一発光ピークを示した。その結果、PVT-AlN基板を除去することで、HVPE-AlN基板を介して268nmに単一の発光ピークを示し、AlN基板の吸収による光損失を低減することができた。DUV-LEDの出力電力は28mW、外部量子効率は2.4%と高い値を記録した。)」(第3頁右欄第4行?第11行)
「Fig. 2


「Fig. 6


b 引用文献1に記載された技術的事項
上記aの記載から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
(ア)図2から、露出したn- Al_(0.75)Ga_(0.25)Nヘテロエピタキシャル層上に、n型コンタクトを形成した構成がみてとれる。
また、引用文献1の「フォトリソグラフィー、ドライエッチング、金属蒸着の従来のLED加工技術を用いて、400×600 μm^(2)サイズのDUV-LEDを作製した」との記載と合わせて図2をみれば、「p-GaN層、Mgドープのp-AlN電子阻止層とp- Al_(0.75)Ga_(0.25)Nクラッド層、3つの多重量子井戸(MQW)の一部の領域」が、ドライエッチングにより除去され、Siドープn- Al_(0.75)Ga_(0.25)Nヘテロエピタキシャル層が露出させられていることは明らかである。
(イ)引用文献1には「指状電極面積は約0.001cm^(2)であった」と記載されているところ、発光素子の構造と各電極の配置に鑑みれば、「p型オーミックコンタクト」の形状を示していることは明らかである。
(ウ)引用文献1には「製造されたDUV-LEDの電気的および光学的特性は、室温で連続波(CW)電流注入下で測定した」と記載され、図6から、「注入電流150mAでのCW出力電力は13mW、EQEは2.0%である」ことがみてとれる。

c 引用文献1に記載された発明
上記a?bより、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

<引用発明>
「400×600 μm^(2)サイズのフリップチップ実装型DUV-LEDであって、
研磨されたHVPE-AlN基板の表面に100nm厚のAlNホモエピタキシャル層を成長させ、
次にSiドープn- Al_(0.75)Ga_(0.25)Nヘテロエピタキシャル層を成長させ、
活性領域は3つの多重量子井戸(MQW)からなり、
Mgドープのp-AlN電子阻止層とp-Al_(0.75)Ga_(0.25)Nクラッド層が続き、
クラッド層上にp-GaN層を堆積させ、
p型オーミックコンタクトを形成し、指状電極面積は約0.001cm^(2)であり、
p-GaN層、Mgドープのp-AlN電子阻止層とp-Al0:75Ga0:25Nクラッド層及び3つの多重量子井戸(MQW)の一部の領域が、ドライエッチングにより除去され、露出したSiドープn-Al_(0.75)Ga_(0.25)Nヘテロエピタキシャル層上に、n型コンタクトを形成し、
電気的および光学的特性は、室温で連続波(CW)電流注入下で測定し、
出力電力は、校正された積分球を用いて測定し、
注入電流150mAでのCW出力電力は13mW、EQEは2.0%であるDUV-LED。」

イ 対比
(ア)引用発明の「DUV-LED」、「HVPE-AlN基板」、「Siドープn-Al_(0.75)Ga_(0.25)Nヘテロエピタキシャル層」、「3つの多重量子井戸(MQW)」、「Mgドープのp-AlN電子阻止層とp-Al_(0.75)Ga_(0.25)Nクラッド層、p-GaN層」、「p型オーミックコンタクト」及び「n型コンタクト」は、それぞれ本件発明1の「紫外発光ダイオード」、「基板」、「n型層」、「活性層」、「p型層」、「p型電極」及び「n型電極」に相当する。
(イ)引用発明の「DUV-LED」は、「フリップチップ実装型」であるから、「DUV-LED」からの放射光は「HVPE-AlN基板」側から放射される。
したがって、引用発明の「HVPE-AlN基板」は、本件発明1の「光が放射される発光主面を有する基板」といえる。
(ウ)引用発明の「n型コンタクト」は、「p-GaN層、Mgドープのp-AlN電子阻止層とp- Al_(0.75)Ga_(0.25)Nクラッド層及び3つの多重量子井戸(MQW)の一部の領域が、ドライエッチングにより除去され」、「露出したSiドープn- Al_(0.75)Ga_(0.25)Nヘテロエピタキシャル層上」に形成されている。
したがって、引用発明は、本件発明1の「前記p型層、および前記活性層の一部の領域を除去して露出させた前記n型層上にn型電極を有する」との構成を備えるといえる。
(エ)引用発明の「DUV-LED」は、「268nmの単一発光ピーク」を示すものであるから、本件発明1の「発光ピーク波長が220?350nmの範囲にあり」との構成を満たしている。
(オ)引用発明は、「Siドープn-Al_(0.75)Ga_(0.25)Nヘテロエピタキシャル層」を有していることから、本件発明1の「前記n型層が、Al_(X1)Ga_(1-X1)N層(0.65≦X1≦0.80)であり」との構成を満たしている。
(カ)引用発明の「n型コンタクト」は、「露出したSiドープn-Al_(0.75)Ga_(0.25)Nヘテロエピタキシャル層」上に形成されていることから、本件発明1の「前記n型電極が、前記n型層に直接に接して形成されており」との構成を満たすといえる。
(キ)上記(ア)?(カ)のとおりであるから、本件発明1と引用発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。

<一致点>
「光が放射される発光主面を有する基板、n型層、活性層、およびp型層がこの順で積層された積層構造を有し、さらに、
前記p型層上にp型電極を有し、かつ前記p型層、および前記活性層の一部の領域を除去して露出させた前記n型層上にn型電極を有する発光ダイオードであって、
発光ピーク波長が220?350nmの範囲にあり、
前記n型層が、Al_(X1)Ga_(1-X1)N層(0.65≦X1≦0.80)であり、
前記n型電極が、前記n型層に直接に接して形成されている、紫外発光ダイオード。」

<相違点>
・相違点1
「n型電極」について、本件発明1では、「前記n型電極の固有接触抵抗値(Ω・cm^(2))を該n型電極が設置された部分の電極面積(cm^(2))で除したn型電極抵抗値が1.0Ω未満となる電極面積で形成されて」おり、n型電極の電極面積は、「0.002?0.5cm^(2)」であるのに対して、引用発明では不明である点。
・相違点2
「p型電極」について、本件発明1では、「前記p型電極は、25℃において、駆動電流値150mAにおける発光出力(W)を該p型電極が設置された部分の電極面積(cm^(2))で除した発光出力密度が10.1W/cm^(2)以上となる電極面積で形成されて」いるのに対して、引用発明では不明である点。
・相違点3
「駆動電圧値」について、本件発明1では、「25℃で駆動電流値を150mAとしたときの駆動電圧値が9.7V以下」であるのに対して、引用発明では不明である点。
・相違点4
「基板」について、本件発明1では、基板は、「転位密度が10^(6)cm^(-2)以下であるAlN単結晶基板」であり、「前記発光ピーク波長の紫外光に対する前記基板の内部透過率が85%以上」であるのに対して、引用発明では、基板の「転位密度」及び「発光ピーク波長の紫外光に対する基板の内部透過率」は不明である点。
・相違点5
「活性層」について、本件発明1では、「前記活性層が、量子井戸層と障壁層とが組み合わされた量子井戸構造を有し、該量子井戸構造は3層以上前記量子井戸層を有する多重量子井戸構造であり、前記量子井戸層および前記障壁層のそれぞれがAlGaN層であ」るのに対して、引用発明では不明である点。
・相違点6
「p型層」について、本件発明1では、「前記p型層が、前記活性層上に順に積層された、p型Al_(X3)Ga_(1-X3)N層層(0.5≦X3≦1.0)、p型Al_(X4)Ga_(1-X4)N層、p型In_(Y)Ga_(1-Y)N層(0≦X3≦0.1)層を備え、X1≦X4≦X3であ」るのに対して、引用発明では不明である点。

ウ 判断
(ア)相違点1及び相違点2について
事案に鑑みて、相違点1及び相違点2を合わせて検討する。
a 引用発明は、「400×600 μm^(2)サイズのフリップチップ実装型DUV-LED」であるところ、「フリップチップ実装型DUV-LED」の「サイズ」とは、図2でいうと、「HVPE-AlN基板」の表面法線方向から見たときの面積であると解されるから、結局、「露出したSiドープn-Al_(0.75)Ga_(0.25)Nヘテロエピタキシャル層」の表面及び「p-GaN層」の表面の合計面積であると解される。そして、当該「露出したSiドープn-Al_(0.75)Ga_(0.25)Nヘテロエピタキシャル層」の表面及び「p-GaN層」の表面は、それぞれn型コンタクト及びp型オーミックコンタクトが形成される面であるといえる。
そうすると、引用発明では、n型コンタクト及びp型オーミックコンタクトが形成される面の合計面積が当該「サイズ」の値と一致し、0.0024cm^(2)(400×600 μm^(2))と解される。
そして、引用発明の「p型オーミックコンタクト」の面積は、「約0.001cm^(2)」であるから、引用発明の「n型コンタクト」の面積は、約0.0014cm^(2)(0.0024-0.001)を超えることはないといえる。
b 一方、相違点1に係る「n型電極の電極面積」は、「0.002?0.5cm^(2)」であるから、引用発明において、相違点1の構成に至るためには、チップサイズを維持しつつp型オーミックコンタクトの面積を小さくするか、又は、チップサイズを大きくしつつp型オーミックコンタクトの面積をさほど大きくしないかのいずれかが必要である。
(a)しかしながら、チップサイズを維持しつつp型オーミックコンタクトの面積を小さくするということは、発光層の面積を減少させるという帰結をもたらすところ、これは、発光出力の低下につながることから、特別な事情がなければ行われないことであり、引用文献1の記載を参酌しても、引用発明において、発光層の面積を小さくする特別な事情は認められないものである。
(b)また、引用発明において、チップサイズを大きくしつつp型オーミックコンタクトの面積をさほど大きくしないことについては、チップサイズを大きくすることの技術的意義が、発光出力の増大(発光層の面積の増大)であることは技術常識であり、チップサイズを大きく変更するに応じて、相似的に発光層も大きく形成されることが自然であるから、引用発明のチップサイズを大きく変更するに際して、相似的に大きく形成され、発光出力が増大されるはずの発光層、ひいてはp型オーミックコンタクトの面積を変更しないとすることは、当業者が容易に想到し得ることとはいえず、引用文献1の記載を参酌しても、引用発明において、前記の構成とする動機は認められないものである。
c したがって、引用発明において、相違点1及び相違点2に係る構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。

(イ)小括
上記(ア)のとおりであるから、相違点3?6について検討するまでもなく、本件発明1は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたということができない。

(2)本件発明2?7に対して
本件発明2?7は、本件発明1の構成を全て具備するものであるから、本件発明2?7も本件発明1と同じ理由により、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたということができない。

4 特許法第29条第2項について2(甲第1号証に記載された発明を主引用発明として)
(1)本件発明1に対して
ア 引用文献の記載事項
(ア)甲第1号証(特開2013-138093号公報)に記載された事項
a 甲第1号証には、図面と共に、次の記載がなされている。
「【0052】
図9に示すように、本発明素子10は、サファイア(0001)基板11上にAlN層12とAlGaN層13を成長させた基板をテンプレート14として用い、当該テンプレート14上に、n型AlGaNからなるn型クラッド層15、活性層16、Alモル分率が活性層16より大きいp型AlGaNの電子ブロック層17、p型AlGaNのp型クラッド層18、p型GaNのp型コンタクト層19を順番に積層した積層構造を有している。n型クラッド層15より上部の活性層16、電子ブロック層17、p型クラッド層18、p型コンタクト層19からなる積層構造(デバイス構造層に相当)の一部が、n型クラッド層15の一部表面が露出するまで反応性イオンエッチング等により除去され、n型クラッド層16上の第1領域(A1)に活性層16からp型コンタクト層19までの積層構造が形成されている。n型クラッド層15は、第1領域(A1)以外の第2領域(A2)において表面が露出する。」
「【0057】
p型コンタクト層19の表面に、例えば、Ni/Auのp電極21が、第2領域(A2)内のn型クラッド層15の露出面の溝20が形成されたn電極形成面に、例えば、Ti/Al/Ti/Auのn電極22が形成されている。n電極22は、溝20と溝20の間のn型クラッド層15の露出面、及び、溝20の各側壁面及び各底面において、n型クラッド層15と接触している。尚、p電極21の2層金属膜の各層の膜厚は、例えば、記載順に、60nm/50nmである。また、n電極22の4層金属膜の各層の膜厚は、例えば、記載順に、20nm/100nm/50nm/100nmである。
【0058】
尚、図9に示す素子構造は、図15に示す従来の発光ダイオードの素子構造と、n電極22の下地構造(本コンタクト構造)を除き、基本的に同じである。従って、本発明素子10は、本コンタクト構造に特徴がある。従って、n型クラッド層15のAlNモル分率が60%以上に場合において、活性層のバンドギャップエネルギに換算すると4.4eV以上(中心発光波長では約280nm以下)の紫外線発光素子において、本コンタクト構造を採用することの効果、つまり、n電極22の接触抵抗の低抵抗化及びバラツキ抑制効果が図られ、電気的特性の向上(特に順方向電圧の低電圧化)及び歩留まりの向上が期待される。」
「図9


b 甲第1号証に記載された発明
上記アから、甲第1号証には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

<甲1発明>
「サファイア(0001)基板11上にAlN層12とAlGaN層13を成長させた基板をテンプレート14として用い、
当該テンプレート14上に、n型AlGaNからなるn型クラッド層15、活性層16、Alモル分率が活性層16より大きいp型AlGaNの電子ブロック層17、p型AlGaNのp型クラッド層18、p型GaNのp型コンタクト層19を順番に積層した積層構造を有し、
n型クラッド層15より上部の活性層16、電子ブロック層17、p型クラッド層18、p型コンタクト層19からなる積層構造(デバイス構造層に相当)の一部が、n型クラッド層15の一部表面が露出するまで反応性イオンエッチング等により除去され、
n型クラッド層16上の第1領域(A1)に活性層16からp型コンタクト層19までの積層構造が形成され、
n型クラッド層15は、第1領域(A1)以外の第2領域(A2)において表面が露出し、(【0052】)
p型コンタクト層19の表面にp電極21が、第2領域(A2)内のn型クラッド層15の露出面の溝20が形成されたn電極形成面にn電極22が形成され、(【0057】)
n型クラッド層15のAlNモル分率が60%以上の場合において、活性層のバンドギャップエネルギに換算すると4.4eV以上(中心発光波長では約280nm以下)の紫外線発光素子において、n電極22の接触抵抗の低抵抗化及びバラツキ抑制効果が図られ、電気的特性の向上(特に順方向電圧の低電圧化)及び歩留まりの向上が期待される、(【0058】)
紫外線発光素子。」

イ 対比
(ア)甲1発明の「テンプレート14」は、「サファイア(0001)基板11上にAlN層12とAlGaN層13を成長させた基板」であり、n型クラッド層等が積層されるものであるから、当該「テンプレート14」は、本件発明1の「基板」に相当するといえる。
また、甲1発明の「n型AlGaNからなるn型クラッド層15」及び「活性層16」は、それぞれ本件発明1の「n型層」及び「活性層」に相当し、甲1発明の「Alモル分率が活性層16より大きいp型AlGaNの電子ブロック層17」、「p型AlGaNのp型クラッド層18」及び「p型GaNのp型コンタクト層19」は、全て「p型」の層であるから、本件発明1の「p型層」に相当するといえる。
(イ)甲1発明は、「当該テンプレート14上に、n型AlGaNからなるn型クラッド層15、活性層16、Alモル分率が活性層16より大きいp型AlGaNの電子ブロック層17、p型AlGaNのp型クラッド層18、p型GaNのp型コンタクト層19を順番に積層した積層構造を有し」ていることから、本件発明1の「基板、n型層、活性層、およびp型層がこの順で積層された積層構造」を有しているといえる。
(ウ)甲1発明の「p電極21」及び「n電極22」は、それぞれ本件発明1の「p型電極」及び「n型電極」に相当する。
そして、甲1発明の「p電極21」は、「p型コンタクト層19の表面」に形成されるものであるから、本件発明1の「前記p型層上にp型電極を有し」との構成を満たしている。
また、甲1発明では、「n型クラッド層15より上部の活性層16、電子ブロック層17、p型クラッド層18、p型コンタクト層19からなる積層構造(デバイス構造層に相当)の一部が、n型クラッド層15の一部表面が露出するまで反応性イオンエッチング等により除去され」ている。
そして、甲1発明の「n電極22」は、「n型クラッド層15の露出面の溝20が形成されたn電極形成面」に形成されていることから、甲1発明は、本件発明1の「かつ前記p型層、および前記活性層の一部の領域を除去して露出させた前記n型層上にn型電極を有する」との構成を備えるといえる。
(エ)甲1発明は「n型クラッド層15のAlNモル分率が60%以上に場合において、活性層のバンドギャップエネルギに換算すると4.4eV以上(中心発光波長では約280nm以下)の紫外線発光素子」であるから、本件発明1の「発光ピーク波長が220?350nmの範囲にあり」及び「前記n型層が、Al_(X1)Ga_(1-X1)N層(0.65≦X1≦0.80)であり」との構成を満たしている。
(オ)甲1発明の「n電極22」は、「n型クラッド層15の露出面の溝20が形成されたn電極形成面」に形成されていることから、本件発明1の「前記n型層に直接に接して形成されており」との構成を満たしている。
(カ)上記(ア)?(オ)より、本件発明1と甲1発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。

<一致点>
「基板、n型層、活性層、およびp型層がこの順で積層された積層構造を有し、さらに、
前記p型層上にp型電極を有し、かつ前記p型層、および前記活性層の一部の領域を除去して露出させた前記n型層上にn型電極を有する発光ダイオードであって、
発光ピーク波長が220?350nmの範囲にあり、
前記n型層が、Al_(X1)Ga_(1-X1)N層(0.65≦X1≦0.80)であり、
前記n型電極が、前記n型層に直接に接して形成されている、紫外発光ダイオード。」

<相違点>
・相違点1
「n型電極」について、本件発明1では、「前記n型電極の固有接触抵抗値(Ω・cm^(2))を該n型電極が設置された部分の電極面積(cm^(2))で除したn型電極抵抗値が1.0Ω未満となる電極面積で形成されて」おり、n型電極の電極面積は、「0.002?0.5cm^(2)」であるのに対して、甲1発明では不明である点。
・相違点2
「p型電極」について、本件発明1では、「前記p型電極は、25℃において、駆動電流値150mAにおける発光出力(W)を該p型電極が設置された部分の電極面積(cm^(2))で除した発光出力密度が10.1W/cm^(2)以上となる電極面積で形成されて」いるのに対して、甲1発明では不明である点。
・相違点3
「駆動電圧値」について、本件発明1では、「25℃で駆動電流値を150mAとしたときの駆動電圧値が9.7V以下」であるのに対して、甲1発明では不明である点。
・相違点4
「基板」について、本件発明1では、基板は、「光が放射される発光主面を有」し、「転位密度が10^(6)cm^(-2)以下であるAlN単結晶基板」であり、「前記発光ピーク波長の紫外光に対する前記基板の内部透過率が85%以上」であるのに対して、甲1発明では、基板の「発光主面」、「転位密度」及び「発光ピーク波長の紫外光に対する基板の内部透過率」は不明である点。
・相違点5
「活性層」について、本件発明1では、「前記活性層が、量子井戸層と障壁層とが組み合わされた量子井戸構造を有し、該量子井戸構造は3層以上前記量子井戸層を有する多重量子井戸構造であり、前記量子井戸層および前記障壁層のそれぞれがAlGaN層であ」るのに対して、甲1発明では不明である点。
・相違点6
「p型層」について、本件発明1では、「前記p型層が、前記活性層上に順に積層された、p型Al_(X3)Ga_(1-X3)N層層(0.5≦X3≦1.0)、p型Al_(X4)Ga_(1-X4)N層、p型In_(Y)Ga_(1-Y)N層(0≦X3≦0.1)層を備え、X1≦X4≦X3であ」るのに対して、甲1発明では不明である点。

ウ 判断
(ア)相違点1及び相違点2について
事案に鑑みて、相違点1及び相違点2を合わせて検討する。
a 甲1発明の「n電極22」の面積は不明であるが、その上限は、上面電極型発光素子のチップサイズに応じて定まるものといえ、チップサイズが大きくなれば、「n電極22」の面積も大きく設計し得るものと理解できる。
そして、チップサイズは、実施に当たり適宜設計されるものであるから、相違点1に係る「n型電極の電極面積」が「0.002?0.5cm^(2)」である構成は、甲1発明のチップサイズをある程度よりも大きくすることで、満たされ得るものということができる。
b 相違点2に係る「発光出力密度」は、「発光出力(W)」を「p型電極が設置された部分の電極面積(cm^(2))で除した」ものであるから、甲1発明の「p電極21」の「電極面積」をある程度よりも小さくすることで、相違点2に係る「25℃において、駆動電流値150mAにおける発光出力密度が10.1W/cm^(2)以上」との事項は、満たされ得るということができる。
そして、「p電極21」の「電極面積」は、発光層の全領域に電流を注入し得るよう形成されるものであることから、発光層の面積と実質的に等しいものと解され、よって、上述の「p電極21」の「電極面積」をある程度よりも小さくするということは、発光層の面積をある程度よりも小さくすることに等しいものと理解できる。
c ここで、上記aのとおり、甲1発明のチップサイズを大きく設計した場合に、相違点1に係る構成が満たされ得るとしても、チップサイズを大きく設計することの技術的意義は、発光出力の増大(発光層の面積の増大)であることが技術常識であることを踏まえると、チップサイズを大きく設計するということは、発光層の面積がある程度よりも大きくなることを意味するものと理解できる。
d 一方、上記bのとおり、相違点2に係る構成は、甲1発明の「p電極21」の「電極面積」がある程度よりも小さく設計された時に満たされ得るものであるから、ある程度よりも発光層の面積が小さくなることを意味するものである。
e そうすると、上記c及びdより、甲1発明において、相違点1と相違点2とを同時に満たす構成には、発光層の面積を、(チップサイズを調整すること等により)単に大きくしたり、単に小さくしたりするだけで至ることはない。そして、これらの構成に至るための動機があることを示す証拠はなく、本件発明1は、相違点1及び相違点2を同時に満たすことにより、高い発光出力密度を得て、光源装置を小型化し得ると共に、駆動電圧を低減するという効果を奏するものである。
f 以上のとおりであるから、本件発明1は、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたということはできないものである。

(イ)小括
上記(ア)のとおりであるから、相違点3?6について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたということはできないものである。

(2)本件発明2?7に対して
本件発明2?7は、本件発明1の構成を全て具備するものであるから、本件発明2?7も本件発明1と同じ理由により、甲1発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたということはできないものである。

5 特許法第29条第2項について3(甲第2号証に記載された発明を主引例発明として)
(1)本件発明1に対して
ア 引用文献の記載事項
(ア)甲第2号証(特開2013-243411号公報)に記載された事項
a 甲第2号証には、図面と共に、次の記載がなされている。
「【0026】
III族窒化物半導体素子(深紫外発光素子)
本発明の一実施形態に係る半導体素子1は波長が300nm以下(深紫外領域)の光を発する発光素子である。図1に示すように、基板11上に形成されたバッファ層12上において、半導体素子1はN型クラッド層13、活性層14および本発明に係るIII族窒化物積層体10が順に積層された構造を有している。半導体素子1を構成する各層は、結晶質、特に単結晶であることが好ましい。そして、N型クラッド層13には負電極20が形成されており、後述するP型キャップ層16には正電極21が形成されている。
【0027】
本実施形態では、III族窒化物積層体10は、P型クラッド層15としてのP型AlGaInN層と、P型キャップ層16としてのP型GaN層と、が積層された構成を有している。
【0028】
基板11は、半導体素子1の製造時の処理温度に耐える材料であれば、特に制限されず、サファイア、SiC、Si、GaN、AlN、AlGaN、ZnO、ZrB_(2)などを用いればよい。本実施形態ではサファイア単結晶を用いることが好ましい。」
「【0032】
また、N型クラッド層13の積層面の一部は積層方向に露出している。この露出している面には負電極20が形成されている。」
「【0101】
発光素子の作製
参考例7
参考例1と同様の手順でAlN層(バッファ層)を基板上に層厚み0.45μmで形成した後、基板温度が1150℃、TMG流量が10μmol/min、TMA流量が35μmol/min、アンモニア流量が1.5slm、テトラエチルシラン流量が2nmol/min、全流量が10slm、圧力が50Torrの条件でSiドーピングAl_(0.7)Ga_(0.3)N層(N型クラッド層)を層厚み1.0μmで形成した。
【0102】
次いで、活性層を以下のようにして形成した。まず、TMG流量が14μmol/min、TMAが10μmol/min、アンモニア流量が1.5slmの条件で障壁層を層厚み7nmで形成した。次いで、アンモニア流量を変化させずに、TMG流量を23μmol/min、TMA流量を5μmol/minに変化させた条件で井戸層を層厚み2nmで形成後した後、再度障壁層を層厚み7nmで形成した。すなわち、活性層はMQW構造を有していた。
【0103】
(III族窒化物積層体の作製)
(P型Al_(0.8)Ga_(0.2)N層の形成)
次いで、TMG流量が5μmol/min、TMA流量が35μmol/min、Cp2Mg流量が0.5μmol/minの条件でMgドーピングAl_(0.8)Ga_(0.2)N層(P型クラッド層)を層厚み30nmで形成した。
【0104】
(P型Al_(0.7)Ga_(0.3)N層の形成)
次いで、TMG流量を10μmol/minに増やして、MgドーピングAl_(0.7)Ga_(0.3)N(P型クラッド層)を層厚み50nmで形成した。この参考例においては、Al_(X)Ga_(Y)In_(Z)N層は、上記MgドーピングAl_(0.8)Ga_(0.2)N層、およびMgドーピングAl_(0.7)Ga_(0.3)N層の2層から構成されており、両層がP型クラッド層となる。
【0105】
(P型GaN層の形成)
その後、基板温度が1080℃、TMG流量が22μmol/min、Cp2Mg流量が0.5μmol/min、アンモニア流量が2.0slm(V/III比=4020)、全流量が7slm、圧力が150Torrの条件(参考例1と同様)でP型GaN層(MgドーピングGaN層)を層厚みが0.2μmとなるように形成した。このP型GaN層の成長速度を参考例1と同様の方法により測定した結果、成長速度は0.48μm/hであった。」
「【0107】
次いで、基板を複数個の15mm角程度の正方形に切断し、窒素雰囲気中,20分間,800℃の条件で熱処理を行った。次いで、フォトリソグラフィーにより所定のレジストパターンを形成し、レジストパターンの形成されていない窓部を反応性イオンエッチングによりSiドーピングAl_(0.7)Ga_(0.3)N層(N型クラッド層)の表面が露出するまでエッチングした。その後、SiドーピングAl_(0.7)Ga_(0.3)N層表面に真空蒸着法によりTi(20nm)/Al(100nm)/Ti(20nm)/Au(50nm)電極(負電極)を形成し、窒素雰囲気中,1分間,900℃の条件で熱処理を行った。次いで、P型GaN層表面に、真空蒸着法によりNi(20nm)/Au(100nm)電極(正電極)を形成し、窒素雰囲気中,5分間,500℃の条件で熱処理を行い、発光素子を完成させた。」
「図1


b 甲第2号証に記載された技術的事項
図1から、N型クラッド層13の露出している面に直接に接して負電極20が形成されている」構成がみてとれる。
c 甲第2号証に記載された発明
上記a?bより、甲第2号証には次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されているものと認められる。

<甲2発明>
「基板11上に形成されたバッファ層12上において、半導体素子1はN型クラッド層13、活性層14およびIII族窒化物積層体10が順に積層された構造を有し、(【0026】)
III族窒化物積層体10は、P型クラッド層15としてのP型AlGaInN層と、P型キャップ層16としてのP型GaN層と、が積層された構成を有し、(【0027】)
N型クラッド層13の積層面の一部は積層方向に露出し、この露出している面には負電極20が形成されており、(【0032】、上記b)
P型キャップ層16には正電極21が形成されている、(【0026】)
波長が300nm以下(深紫外領域)の光を発する発光素子であって、(【0026】)
前記n型クラッド層13は、SiドーピングAl_(0.7)Ga_(0.3)N層であり、(【0101】)
反応性イオンエッチングによりSiドーピングAl_(0.7)Ga_(0.3)N層(N型クラッド層)の表面が露出するまでエッチングし、(【0107】)
前記P型クラッド層15は、MgドーピングAl_(0.8)Ga_(0.2)N層、およびMgドーピングAl_(0.7)Ga_(0.3)N層の2層から構成されている、(【0104】)
深紫外発光素子。」

イ 対比
(ア)甲2発明の「基板11」、「N型クラッド層13」、「活性層14」、「III族窒化物積層体10」、「正電極21」、「負電極20」及び「深紫外発光素子」は、それぞれ本件発明1の「基板」、「n型層」、「活性層」、「p型層」、「p型電極」、「n型電極」及び「紫外発光ダイオード」に相当する。
(イ)甲2発明は、「基板11上に形成されたバッファ層12上において、半導体素子1はN型クラッド層13、活性層14およびIII族窒化物積層体10が順に積層された構造を有し」ていることから、本件発明1の「基板、n型層、活性層、およびp型層がこの順で積層された積層構造」を有しているといえる。
(ウ)甲2発明は、「反応性イオンエッチングによりSiドーピングAl_(0.7)Ga_(0.3)N層(N型クラッド層)の表面が露出するまでエッチングし」、「この露出している面には負電極20が形成されて」いることから、本件発明1の「かつ前記p型層、および前記活性層の一部の領域を除去して露出させた前記n型層上にn型電極を有する」との構成を有しているといえる。
(エ)甲2発明の「深紫外発光素子」は、「波長が300nm以下(深紫外領域)の光を発する発光素子」であるから、甲2発明は、本件発明1の「発光ピーク波長が220?350nmの範囲にあり」との特定を満たすといえる。
(オ)甲2発明の「n型クラッド層13」は、「SiドーピングAl_(0.7)Ga_(0.3)N層」であるから、本件発明1の「前記n型層が、Al_(X1)Ga_(1-X1)N層(0.65≦X1≦0.80)であり」との特定を満たすといえる。
(カ)上記(ア)?(オ)より、本件発明1と甲2発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。

<一致点>
「基板、n型層、活性層、およびp型層がこの順で積層された積層構造を有し、さらに、
前記p型層上にp型電極を有し、かつ前記p型層、および前記活性層の一部の領域を除去して露出させた前記n型層上にn型電極を有する発光ダイオードであって、
発光ピーク波長が220?350nmの範囲にあり、
前記n型層が、Al_(X1)Ga_(1-X1)N層(0.65≦X1≦0.80)であり、
前記n型電極が、前記n型層に直接に接して形成されている、紫外発光ダイオード。」

<相違点>
・相違点1
「n型電極」について、本件発明1では、「前記n型電極の固有接触抵抗値(Ω・cm^(2))を該n型電極が設置された部分の電極面積(cm^(2))で除したn型電極抵抗値が1.0Ω未満となる電極面積で形成されて」おり、n型電極の電極面積は、「0.002?0.5cm^(2)」であるのに対して、甲2発明では不明である点。
・相違点2
「p型電極」について、本件発明1では、「前記p型電極は、25℃において、駆動電流値150mAにおける発光出力(W)を該p型電極が設置された部分の電極面積(cm^(2))で除した発光出力密度が10.1W/cm^(2)以上となる電極面積で形成されて」いるのに対して、甲2発明では不明である点。
・相違点3
「駆動電圧値」について、本件発明1では、「25℃で駆動電流値を150mAとしたときの駆動電圧値が9.7V以下」であるのに対して、甲2発明では不明である点。
・相違点4
「基板」について、本件発明1では、基板は、「光が放射される発光主面を有」し、「転位密度が10^(6)cm^(-2)以下であるAlN単結晶基板」であり、「前記発光ピーク波長の紫外光に対する前記基板の内部透過率が85%以上」であるのに対して、甲2発明では、基板の「発光主面」、「転位密度」及び「発光ピーク波長の紫外光に対する基板の内部透過率」は不明である点。
・相違点5
「活性層」について、本件発明1では、「前記活性層が、量子井戸層と障壁層とが組み合わされた量子井戸構造を有し、該量子井戸構造は3層以上前記量子井戸層を有する多重量子井戸構造であり、前記量子井戸層および前記障壁層のそれぞれがAlGaN層であ」るのに対して、甲2発明では不明である点。
・相違点6
「p型層」について、本件発明1では、「前記p型層が、前記活性層上に順に積層された、p型Al_(X3)Ga_(1-X3)N層層(0.5≦X3≦1.0)、p型Al_(X4)Ga_(1-X4)N層、p型In_(Y)Ga_(1-Y)N層(0≦X3≦0.1)層を備え、X1≦X4≦X3であ」るのに対して、甲2発明では不明である点。

ウ 判断
(ア)相違点1及び相違点2について
事案に鑑みて、相違点1及び相違点2を合わせて検討する。
上記本件発明1と甲2発明との相違点1?6は、本件発明1と甲1発明との相違点1?6(上記4(1)イ)と同じであり、甲2発明の「負電極20」の面積は、甲1発明と同様に不明であることを踏まえると、上記相違点1及び相違点2についての判断は、本件発明1と甲1発明との相違点1及び相違点2に対する判断(上記4(1)ウ(ア))と、同様に判断される。
したがって、本件発明1は、甲2発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたということはできないものである。

(イ)小括
上記(ア)のとおりであるから、相違点3?6について検討するまでもなく、本件発明1は、甲2発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたということはできないものである。

(2)本件発明2?7に対して
本件発明2?7は、本件発明1の構成を全て具備するものであるから、本件発明2?7も本件発明1と同じ理由により、甲2発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたということはできないものである。

第7 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1?7に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1?7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光が放射される発光主面を有する基板、n型層、活性層、およびp型層がこの順で積層された積層構造を有し、さらに、
前記p型層上にp型電極を有し、かつ前記p型層、および前記活性層の一部の領域を除去して露出させた前記n型層上にn型電極を有する発光ダイオードであって、
発光ピーク波長が220?350nmの範囲にあり、
前記基板が、転位密度が10^(6)cm^(-2)以下であるAlN単結晶基板であり、
前記発光ピーク波長の紫外光に対する前記基板の内部透過率が85%以上であり、
前記n型層が、Al_(X1)Ga_(1-X1)N層(0.65≦X1≦0.80)であり、
前記活性層が、量子井戸層と障壁層とが組み合わされた量子井戸構造を有し、該量子井戸構造は3層以上の前記量子井戸層を有する多重量子井戸構造であり、
前記量子井戸層および前記障壁層のそれぞれがAlGaN層であり、
前記p型層が、前記活性層上に順に積層された、p型Al_(X3)Ga_(1-X3)N層(0.5≦X3≦1.0)、p型Al_(X4)Ga_(1-X4)N層、及びp型In_(Y)Ga_(1-Y)N(0≦Y≦0.1)層を備え、X1≦X4≦X3であり、
前記n型電極が、前記n型層に直接に接して形成されており、
前記n型電極は、前記n型電極の固有接触抵抗値(Ω・cm^(2))を該n型電極が設置された部分の電極面積(cm^(2))で除したn型電極抵抗値が1.0Ω未満となる電極面積で形成されており、
前記n型電極の電極面積が0.002?0.5cm^(2)であり、
前記p型電極は、25℃において、駆動電流値150mAにおける発光出力(W)を該p型電極が設置された部分の電極面積(cm^(2))で除した発光出力密度が10.1W/cm^(2)以上となる電極面積で形成されており、
25℃で駆動電流値を150mAとしたときの駆動電圧値が9.7V以下であることを特徴とした紫外発光ダイオード。
【請求項2】
前記p型電極の面積が0.0001?0.01cm^(2)である請求項1に記載の紫外発光ダイオード。
【請求項3】
前記発光主面に凹凸構造が形成されていることを特徴とした請求項1又は2に記載の紫外発光ダイオード。
【請求項4】
前記n型電極が、前記n型層上に順に形成された、第1の電極金属層および第2の電極金属層を備え、
前記第1の電極金属層が、Ti、V、及びTaから選ばれる少なくとも1種からなる金属層であり、
前記第2の電極金属層が、前記第1の電極金属層上に順に形成された、Ti、V、及びTaから選ばれる少なくとも1種からなる接合金属層、仕事関数が4.0?4.8eVであり且つ比抵抗が1.5×10^(-6)?4.0×10^(-6)Ω・cmである金属からなる高導電性金属層、並びに、Au及び/又はPtからなる貴金属層を含む多層構造を有し、
前記p型電極が、Ni及びAuを含む電極材料により形成されていることを特徴とした請求項1?3のいずれかに記載の紫外発光ダイオード。
【請求項5】
前記活性層、および前記p型層が、Al_(X)Ga_(1-X)N(但し、Xは、0≦X≦1.0)で表されるIII族窒化物半導体からなることを特徴とする請求項1?4のいずれかに記載の紫外発光ダイオード。
【請求項6】
発光ピーク波長が220?245nmの範囲にあり、外部量子効率が0.3%以上であり、
駆動電流値を150mAとして25℃で連続運転した際、発光出力値が初期発光出力値の70%となるまでの寿命時間が300時間以上であることを特徴とした請求項1?5のいずれかに記載の紫外発光ダイオード。
【請求項7】
駆動電流値を150mAとして25℃で連続運転した際、発光出力値が初期発光出力値の70%となるまでの寿命時間が1000時間以上である
ことを特徴とする、請求項1?6のいずれかに記載の紫外発光ダイオード。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2021-09-30 
出願番号 特願2015-5543(P2015-5543)
審決分類 P 1 651・ 536- YAA (H01L)
P 1 651・ 121- YAA (H01L)
P 1 651・ 537- YAA (H01L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 竹村 真一郎  
特許庁審判長 山村 浩
特許庁審判官 吉野 三寛
野村 伸雄
登録日 2019-11-29 
登録番号 特許第6621990号(P6621990)
権利者 スタンレー電気株式会社
発明の名称 紫外発光ダイオード  
代理人 岸本 達人  
代理人 山下 昭彦  
代理人 山下 昭彦  
代理人 山本 典輝  
代理人 山本 典輝  
代理人 岸本 達人  
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