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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  F21V
管理番号 1379871
異議申立番号 異議2021-700603  
総通号数 264 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-12-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-06-24 
確定日 2021-11-10 
異議申立件数
事件の表示 特許第6810106号発明「客室LED管型カメラシステム、それを利用した旅客室用照明・監視システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6810106号の請求項1ないし12に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6810106号の請求項1?12に係る特許についての出願は、平成30年8月4日に出願され、令和2年12月14日にその特許権の設定登録がされ、令和3年1月6日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許の請求項1?12について、同年6月24日に特許異議申立人有限会社ヒロサポート(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。

第2 本件発明
本件の請求項1?12に係る発明(以下「本件発明1」?「本件発明12」という。)は、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲の請求項1?12に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。

「【請求項1】
仮想水平軸心の周囲に筒状壁が設けられ、該筒状壁の少なくとも対象旅客室の天井に設置された場合に下がわとなる壁範囲が透光性を有するものとされ、該筒状壁の外周囲が飛散防止膜で被覆されたガラス直管、および、該ガラス直管の内端に同仮想水平軸心上に連続するよう設けられたユニットカバーからなり、該ユニットカバーのガラス直管が設けられた内端とは反対がわとなる外端に設けられ、該仮想水平軸心に平行な電源端子が突設された口金と、該ガラス直管のユニットカバーが設けられた内端とは反対がわとなる外端に設けられ、該仮想水平軸心に平行なダミー端子が突設された口金とを有し、直管型蛍光灯の外郭形状が再現されたランプ外殻が設けられ、該ガラス直管の略全長に渡り、対象旅客室に設置された場合に、下がわを照明するようLED発光部が下向き内装され、該ユニットカバーには、電源部、制御回路、撮像部、無線通信部を有した制御ユニットが内装され、該撮像部は、該仮想水平軸心に平行な方向の水平画角が140°ないし180°、該仮想水平軸心に直交する方向の垂直画角が90°ないし180°の広角レンズを有し、撮像の光軸が、該仮想水平軸心を通る垂線に対して、40°ないし45°の傾き角度をもつよう該仮想水平軸心回りの何れか一方に傾けられたカメラが設けられ、該制御回路には、撮像データを読み書き可能なリムーバブルメデイア用のリーダー・ライター部を有するリムーバブルメデイア用スロット、および、該リムーバブルメディア用スロットに装着されたリムーバブルメデイアが設けられたものとしてなることを特徴とする客室LED管型カメラシステム。
【請求項2】
仮想水平軸心の周囲に筒状壁が設けられ、該筒状壁の少なくとも対象旅客室の天井に設置された場合に下がわとなる壁範囲が透光性を有するものとされ、該筒状壁の外周囲が飛散防止膜で被覆されたガラス直管、および、該ガラス直管の内端に同仮想水平軸心上に連続するよう設けられたユニットカバーからなり、該ユニットカバーのガラス直管が設けられた内端とは反対がわとなる外端に設けられ、該仮想水平軸心に平行な電源端子が突設された口金と、該ガラス直管のユニットカバーが設けられた内端とは反対がわとなる外端に設けられ、該仮想水平軸心に平行なダミー端子が突設された口金とを有し、直管型蛍光灯の外郭形状が再現されたランプ外殻が設けられ、該ガラス直管の略全長に渡り、対象旅客室に設置された場合に、下がわを照明するようLED発光部が下向き内装され、該ユニットカバーには、電源部、制御回路、撮像部、無線通信部を有した制御ユニットが内装され、該撮像部は、該仮想水平軸心に平行な方向の水平画角が140°ないし180°、該仮想水平軸心に直交する方向の垂直画角が90°ないし180°の広角レンズを有し、撮像の光軸が、該仮想水平軸心を通る垂線に対して、40°ないし45°の傾き角度をもつよう該仮想水平軸心回りの何れか一方に傾けられたカメラが設けられ、該制御回路には、撮像データを読み書き可能なリムーバブルメデイア用のリーダー・ライター部を有するリムーバブルメデイア用スロット、および、該リムーバブルメディア用スロットに装着されたリムーバブルメデイアが設けられ、対象旅客室内の天井の対象旅客室幅寸法間の中央から対象旅客室幅寸法方向の何れか一方端寄りに設置され、対象車両進行方向の前後に、一対のソケット部が対峙された直管用照明器具に対して装着された場合に、該撮像部の撮像の光軸の向きが、鉛直下方の床面から、対象旅客室幅寸法間の中央の床面、および、該直管用照明器具が設置されたのとは反対がわとなる対象旅客室幅寸法方向の何れか他方の座席を含み、対象旅客室幅寸法方向の何れか他方となる対象旅客室内側壁の網棚上に至る範囲を含む対象旅客室幅寸法方向の撮像範囲を確保するよう設定されてなるものとされたことを特徴とする客室LED管型カメラシステム。
【請求項3】
仮想水平軸心の周囲に筒状壁が設けられ、該筒状壁の少なくとも対象旅客室の天井に設置された場合に下がわとなる壁範囲が透光性を有するものとされ、該筒状壁の外周囲が飛散防止膜で被覆されたガラス直管、および、該ガラス直管の内端に同仮想水平軸心上に連続するよう設けられたユニットカバーからなり、該ユニットカバーのガラス直管が設けられた内端とは反対がわとなる外端に設けられ、該仮想水平軸心を中心とする仮想円と、同仮想水平軸心に直交する仮想径線との2つの交点から、同仮想水平軸心に平行するよう二本の電源端子が外向きに突設された口金と、該ガラス直管のユニットカバーが設けられた内端とは反対がわとなる外端に設けられ、該仮想水平軸心に一致するよう外向きに一本のダミー端子が突設された口金とを有し、直管型蛍光灯の外郭形状が再現されたランプ外殻が設けられ、該ガラス直管の略全長に渡り、該仮想水平軸心および前記二本の電源端子を結ぶ仮想径線が、水平面に一致された場合に、下がわを照明するようLED発光部が下向き内装され、該ユニットカバーには、電源部、制御回路、撮像部、無線通信部を有した制御ユニットが内装され、該撮像部は、該仮想水平軸心に平行な方向の水平画角が140°ないし180°、該仮想水平軸心に直交する方向の垂直画角が90°ないし180°の広角レンズを有し、撮像の光軸が、該仮想水平軸心および前記二本の電源端子を結ぶ仮想径線が、水平面に一致された場合に、該仮想水平軸心を通る垂線に対して、40°ないし45°の傾き角度をもつよう該仮想水平軸心回りの何れか一方に傾けられたカメラが設けられ、該制御回路には、撮像データを読み書き可能なリムーバブルメデイア用のリーダー・ライター部を有するリムーバブルメデイア用スロット、および、該リムーバブルメディア用スロットに装着されたリムーバブルメデイアが設けられたものとしてなることを特徴とする客室LED管型カメラシステム。
【請求項4】
制御ユニットの電源部が、電源端子がわから順に、保護回路、定電圧電源回路および定電流電源回路を経てLED発光部に接続されてなる、請求項1ないし請求項3何れか一記載の客室LED管型カメラシステム。
【請求項5】
制御ユニットの電源部が、電源端子がわから順に、保護回路、定電圧電源回路、DC/DCコンバータおよび緊急用蓄電デバイスを経て制御回路に設けられた中央演算処理装置に接続されてなる、請求項1ないし請求項4何れか一記載の客室LED管型カメラシステム。
【請求項6】
制御ユニットの電源部が、電源端子がわから順に、保護回路、定電圧電源回路、DC/DCコンバータを経て撮像部に接続されてなる、請求項1ないし請求項5何れか一記載の客室LED管型カメラシステム。
【請求項7】
制御ユニットの制御回路が中央演算処理装置を有し、該中央演算処理装置が、無線LANモジュールおよび無線アンテナを有した無線通信部と接続され、通信可能範囲に設置された客室LED管型カメラシステムの無線通信部、または、無線通信部を備えた通信端末装置の少なくとも何れか一方と通信可能なものとされた、請求項1ないし請求項6何れか一記載の客室LED管型カメラシステム。
【請求項8】
制御ユニットの制御回路が中央演算処理装置を有し、ユニットカバーが、該ユニットカバーの下がわ向きとなる外がわに発光部分が露出されたエラー表示LEDを有し、該中央演算処理装置に対し、エラー表示LEDが、同エラー表示LEDの電源スイッチを介して接続され、該中央演算処理装置が、撮像部および無線通信部の正常動作を検知した場合、および、撮像部または無線通信部の少なくとも何れか一方に誤作動を生じた場合の夫々に、エラー表示LEDの電源スイッチの開閉制御を自動的に行うものとされた、請求項1ないし請求項7何れか一記載の客室LED管型カメラシステム。
【請求項9】
制御ユニットの制御回路が中央演算処理装置を有し、該中央演算処理装置が、クロックIC、撮像部、および、リムーバブルメデイア用スロットに装着され、該リムーバブルメデイア用スロットに設けられたリムーバブルメディア用スロットに装着されたリムーバブルメデイアの夫々と通信可能に接続されてなる、請求項1ないし請求項8何れか一記載の客室LED管型カメラシステム。
【請求項10】
ユニットカバーが、該ユニットカバー内に収容された制御ユニットを下がわから覆う下ユニットカバー部、および、該制御ユニットを上がわから覆う上ユニットカバー部が、ネジ結合によって一体化されたものであって、該ネジ結合によって一体に組み合わせられたユニットカバー内に、リムーバブルメデイア用スロット、および、該リムーバブルメデイア用スロットに装着されたリムーバブルメデイアが、ネジの取り外し無しには取り出せないよう収容されてなるものとされた、請求項1ないし請求項9何れか一記載の客室LED管型カメラシステム。
【請求項11】
対象旅客室内天井の対象旅客室幅寸法間の中央から対象旅客室幅寸法方向端寄りとなる双方に計二列、前後に間隔を隔てて複数行の配置に設けられ、各々の対象車両進行方向の前後に、一対のソケット部が対峙された直管用照明器具に対して夫々装着され、互いの無線通信部間でアドホック・モードの無線通信が可能なものとされた、前記請求項1ないし請求項10の何れか一記載の客室LED管型カメラシステムの複数と、それら互いにアドホック・モードの無線通信が可能とされた複数の客室LED管型カメラシステムの中の少なくとも何れか一つの無線通信部と直接的にか、または、無線通信ネットワークを介して間接的にかの少なくとも何れか一方で無線通信が可能な通信端末装置との組み合わせからなり、該通信端末装置が、少なくとも各客室LED管型カメラシステムのリムーバブルメデイアに蓄積された撮像データを、無線受信可能なものとされてなる、前記請求項1ないし請求項10の何れか一記載の客室LED管型カメラシステムを利用した旅客室用照明・監視システム。
【請求項12】
対象旅客室内天井の対象旅客室幅寸法間の中央から対象旅客室幅寸法方向端寄りとなる双方に計二列、前後に間隔を隔てて複数行の配置に設けられ、各々の対象車両進行方向の前後に、一対のソケット部が対峙された直管用照明器具に対して夫々装着された、前記請求項1ないし請求項10の何れか一記載の客室LED管型カメラシステムの複数と、各客室LED管型カメラシステムの無線通信部と直接的にか、または、無線通信ネットワークを介して間接的にかの少なくとも何れか一方でインストラクチャー・モードの無線通信が可能な通信端末装置との組み合わせからなり、該通信端末装置が、少なくとも各客室LED管型カメラシステムのリムーバブルメデイアに蓄積された撮像データを、無線受信可能なものとされてなる、前記請求項1ないし請求項10の何れか一記載の客室LED管型カメラシステムを利用した旅客室用照明・監視システム。」

第3 特許異議申立理由の概要
申立人は、主たる証拠として以下の甲第1号証及び従たる証拠として以下の甲第2?6号証を提出し、請求項1?12に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1?12に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。
甲第1号証:特開2017-10725号公報
甲第2号証:特開2015-220222号公報
甲第3号証:特開2018-81936号公報
甲第4号証:特開2017-158048号公報
甲第5号証:登録実用新案第3214832号公報
甲第6号証:特開2012-1191号公報
(以下それぞれ「甲1」?「甲6」という。)

第4 当審の判断
1 文献の記載事項等
(1)甲1
ア 記載事項
甲1には、図面とともに次の事項が記載されている(なお、下線は当審で付加した。以下同様。)。
・「【0017】
図1は、(a)が本発明の実施例1に係るLED照明システム1の構成を模式的に示した図であり、(b)が(a)に示したLED照明装置10の詳細構成を模式的に示した図である。図2は、図1に示したLED照明装置10の斜視図である。図3は、LED照明装置10の付加機能部20周辺を断面視してその構成を模式的に示した図である。図4は、(a)が直管状着脱自在部11の斜視図であり、(b)が(a)に示した直管状着脱自在部11の付加機能部20周辺を拡大した図である。
本発明の実施例に係るLED照明システム1は、例えば、電車内に設置されている直管状蛍光管を有する蛍光灯に置き換えてLEDを光源とするLED照明装置10を含むものである。
【0018】
このLED照明システム1は、無線通信部24および静止画あるいは動画を撮像する撮像部21を含む付加機能部20を備え、かつ、光源となるLEDを光透過部分を含む直管状カバー12aの内部に設けたLED照明装置10と、LED照明装置10と無線通信部24を介して無線通信可能な携帯端末40と、を有する。
【0019】
まず、LED照明装置10について説明する。
LED照明装置10は、蛍光管の標準規格に対応した直管状部分であり、かつ、保持部30に着脱自在に設けた直管状着脱自在部11と、直管状着脱自在部11の両端を保持する一対の保持部30と、内面に反射材等を貼り付けることによってLEDから出射される光を照明エリアに向けて反射するとともに、不図示の直流電源等を収容するフード部14と、を有する。
【0020】
直管状着脱自在部11は、図1(b)に示すように、光源となる不図示のLEDを光透過部分を含む直管状カバー12aの内部に設けた直管状照明部12と、直管状着脱自在部11の一端側に直管状照明部12と一体的に設けた付加機能部20と、一対の保持部30によって保持される部分となる一対の被保持部13と、を有する。
【0021】
直管状照明部12は、長手方向に沿って複数のLEDを不図示の回路基板上に配置し、LEDから出射した光を直管状カバー12aから外部に出射する部分である。」

・「【0023】
付加機能部20は、静止画データ、あるいは、動画データ(以下、静止画データ、あるいは、動画データを単に「撮像データ」という。)を取得する撮像部21と、音声データを取得するマイク部22と、ランプ部28と、記憶部23と、携帯端末40との無線通信を可能にする無線通信部24と、LED照明装置10の各駆動部を制御する制御部25と、撮像部21、マイク部22、記憶部23、無線通信部24、および、制御部25を内部に収容する直管状のカバー部26と、を有する。
【0024】
撮像部21は、カメラ機能をなす部分であり、レンズ21aと、例えば、CMOSイメージセンサによって実現するイメージセンサ21bと、を有する。
【0025】
ランプ部28は、例えば、LEDによって実現し、撮像部21の駆動と連動して発光するものでる。すなわち、LED照明装置10は、このランプ部28が発光することによって、撮像部21が録画中であることを周知させるようになっている。
【0026】
記憶部23は、例えば、RОM(Read Only Memory)、および、RAM(Random Access Memory)を備えることによって実現し、撮像部21によって撮像した撮像データ、あるいは、動画データにマイク部22によって取得した音データを合わせて保存する。
【0027】
無線通信部24は、近距離無線通信の規格であるBluetooth(登録商標)、あるいは、無線LAN、あるいは、Bluetooth(登録商標) Low Energy等によって実現する。
【0028】
制御部25は、プリント配線板等の回路基板によって実現する。この制御部25は、無線通信部24との通信可能エリアAr内の携帯端末40から記憶部23に保存した撮像データの送信要求信号を受信した場合、撮像データを携帯端末40に送信するように制御するデータ送信制御部25aを有する。
【0029】
カバー部26は、撮像部21のレンズ21aに対向する位置、および、マイク部22に対向する位置に開口26a、26bを形成し、その外表面にはレンズ21aを保護するレンズカバー27が貼付されている。
【0030】
一対の被保持部13は、直管状着脱自在部11の両端面から外方に突出したピン状部分であり、保持部30に形成した不図示の溝に嵌め込むことによって直管状着脱自在部11の両端部が保持部30によって保持されるようになっている。
なお、各被保持部13は、不図示の直流電源から電力を供給するための端子部分として機能するようにしてもよい。
【0031】
一対の保持部30は、上述したように直管状着脱自在部11を保持する部分である。
この保持部30は、直管状の蛍光管の給電ソケットを代用することで、LED照明装置10の設置コストを削減することができる。
また、保持部30は、直流電源の給電ソケットとして用いてもよいし、給電機能を有さない直管状着脱自在部11の単なる保持部材として用いるだけでもよい。
【0032】
このようなLED照明装置10は、直管状着脱自在部11の両端部を一対の保持部30によって保持することによって、LEDを光源とした照明装置として機能するとともに、LEDと同じ直流電源を利用して付加機能部20の撮像部21等の駆動系を駆動することができるようになっている。」

・図1?4は以下のとおりである。


イ 認定事項
・段落【0017】の「電車内に設置されている直管状蛍光管を有する蛍光灯に置き換えてLEDを光源とするLED照明装置10」との記載における「電車内に設置されている」とは、図1?3の記載を参酌すると、電車内の天井に設置されていることが明らかである。
そして、段落【0019】の「LED照明装置10は、蛍光管の標準規格に対応した直管状部分であり、かつ、保持部30に着脱自在に設けた直管状着脱自在部11と、直管状着脱自在部11の両端を保持する一対の保持部30」という記載と併せて、「電車内の天井に設置されている直管状蛍光管を有する蛍光灯に置き換えてLEDを光源とするLED照明装置10の、蛍光管の標準規格に対応した直管状部分であり、かつ、直管状着脱自在部11の両端を保持する一対の保持部30に着脱自在に設けた直管状着脱自在部11」が認定できる。

・段落【0030】の「なお、各被保持部13は、不図示の直流電源から電力を供給するための端子部分として機能するようにしてもよい。」との記載における「直流電源」は、段落【0019】の「内面に反射材等を貼り付けることによってLEDから出射される光を照明エリアに向けて反射するとともに、不図示の直流電源等を収容するフード部14」との記載における「直流電源」であることは明らかである。また、段落【0030】の「一対の被保持部13は、直管状着脱自在部11の両端面から外方に突出したピン状部分であり」との記載及び図4の記載より「各被保持部13」は、それぞれ2本の「ピン状部分」からなることも明らかである。
そうすると、「各被保持部13は、フード部14に収容された直流電源から電力を供給するための端子部分として機能する2本のピン状部分からな」ることが認定できる。

・図2、4の記載と照明器具の技術常識から、「直管状着脱自在部11の一端側」に設けられた「付加機能部20」の「カバー部26」は、口金といえるものである。また、同様に「直管状着脱自在部11」の他端側にも口金といえるものを有していることが明らかである。そして、段落【0030】の「一対の被保持部13は、直管状着脱自在部11の両端面から外方に突出したピン状部分であり」との記載も併せると、それら口金から各「被保持部13」が外方に突出されていることも明らかである。
そうすると、「直管状着脱自在部11の一端側に設けられた付加機能部20のカバー部26は、被保持部13が外方に突出した口金であり、直管状着脱自在部11の他端側に、被保持部13が外方に突出した口金を設け」ることが認定できる。

ウ 甲1発明
上記ア、イより、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認める。
「電車内の天井に設置されている直管状蛍光管を有する蛍光灯に置き換えてLEDを光源とするLED照明装置10の、蛍光管の標準規格に対応した直管状部分であり、かつ、直管状着脱自在部11の両端を保持する一対の保持部30に着脱自在に設けた直管状着脱自在部11であって、
直管状着脱自在部11は、光源となるLEDを光透過部分を含む直管状カバー12aの内部に設けた直管状照明部12と、直管状着脱自在部11の一端側に直管状照明部12と一体的に設けた付加機能部20と、一対の保持部30によって保持される部分となる一対の被保持部13と、を有し、
付加機能部20は、撮像データを取得する撮像部21と、音声データを取得するマイク部22と、ランプ部28と、記憶部23と、携帯端末40との無線通信を可能にする無線通信部24と、LED照明装置10の各駆動部を制御する制御部25と、撮像部21、記憶部23、無線通信部24、および、制御部25を内部に収容する直管状のカバー部26と、を有し、
撮像部21は、カメラ機能をなす部分であり、レンズ21aと、イメージセンサ21bと、を有し、
制御部25は、回路基板によって実現するものであり、
各被保持部13は、フード部14に収容された直流電源から電力を供給するための端子部分として機能する2本のピン状部分からなり、
直管状着脱自在部11の一端側に設けられた付加機能部20のカバー部26は、被保持部13が外方に突出した口金であり、直管状着脱自在部11の他端側に、被保持部13が外方に突出した口金を設け、
記憶部23は、撮像部21によって撮像した撮像データにマイク部22によって取得した音データを合わせて保存する、
直管状着脱自在部11。」

(2)甲2
ア 記載事項
甲2には、図面とともに次の事項が記載されている。
・「【0014】
一実施例において、ランプソケットは、電源入力端子を備えた第1のソケットと、放熱胴体で第1のソケットの反対側に位置する第2のソケットを備え、第2のソケットは電源入力端子と同一な形態のダミー端子を備え、バッテリーモジュールは第2のソケットと一体に結合する。」

・「【0050】
第1のソケット(141)は、ソケットの内部から外部に突出される電源入力端子(143)と、放熱胴体(11)との結合のために外部からボルト(またはネジ)が挿入される第1のホール(145)を備える。そして、第2のソケット(142)は、ソケットの内部から外部に突出されるダミー端子(144)と、放熱胴体(11)との結合のために、外部からボルト(またはネジ)が挿入される第2のホール(146)を備える。」

・「【0079】
図5を参照すると、本実施例による無停電直管型LEDランプの駆動回路は、電源回路(160)、LED駆動回路(166)及び充放電制御回路(183)を含む。電源回路(160)とLED駆動回路(166)は第1の電源回路に対応し、充放電制御回路(183)は第2の電源回路に対応する。」

・「【0109】
一方、前述した実施例の蓋固定構造以外にネジなどの締結手段を用いて開口部を覆う蓋を放熱胴体に固定することが可能であり、このような多様な固定構造は、前述した第2の電源回路で第1の電源回路の入力電圧を感知してバッテリー電源をLED光源モジュールに供給する構成と、後述するバッテリーパックの固定構造とともに本発明の実施例の変形例に適切に採用され得る。」

・図1は以下のとおりである。


(3)甲3
ア 記載事項
甲3には、次の事項が記載されている。
・「【0091】
また、ガラス管6の表面にガラス片の飛散を防止する飛散防止膜を設けてもよい。
実施の形態1?5において、G13タイプの口金で説明したが、口金はG13に限るのではなく、GX16タイプのもの、その他のタイプのものであっても構わない。」

(4)甲4
ア 記載事項
甲4には、図面とともに次の事項が記載されている。
・「【0002】
従来から、店舗や住宅、車など様々な用途で、人の動きや周辺の状態を把握する為に、カメラを使用した数多くのシステムが提案されている。そのようなシステムにおいて、シーンに応じてカメラ映像内の特定の領域を詳細に監視したいという要求がある。特に、バスや電車といった旅客車両においては、ホームにおける事故を防止し安全に運航したい、あるいはホームにおける乗降客の混雑度合いを検知したい、といった様々な理由によりホームや乗降口付近の監視を可能とするシステムが求められている。」

・「【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、広い範囲に対して視認性のよい撮影画像を得ることができる画像処理装置、及び画像処理方法に関する。」

・「【0019】
・・・広角カメラ106の取り付け角度は、光軸方向が旅客車両108の側面(広角カメラ106が取り付けられている面)に対して鋭角となる。また、この図に示すように、広角カメラ106は旅客車両108の乗降口110の上部、もしくはより高い位置に設置される。このように広角カメラ106を設置することにより、乗降口109、110、111付近に加え、視認できることが望ましいホーム領域に関しても広く画像内に収めることが可能となる。・・・」

・「【0020】
・・・広角カメラ106は、例えば魚眼レンズを搭載した魚眼カメラであり、上下左右方向にそれぞれ約170度の広い画角を持つものとする。・・・」

・図2、3は以下のとおりである。




(5)甲5
ア 記載事項
甲5には、次の事項が記載されている。
・「【請求項1】
鉄道車両に配置されるレンズユニットとメインユニットとを備え、
前記レンズユニットは、レンズと、撮像素子とを備え、
前記メインユニットは、記録部と、処理部とを備え、
前記レンズユニットは、撮影方向を鉄道車両の車内側へ向けて配置され、
前記処理部は、前記レンズユニットで撮影された録画画像を前記記録部に記録させ、
前記記録部は、前記メインユニットと着脱可能な記憶媒体を用いることを特徴とする鉄道車両用防犯カメラシステム。」

・「【請求項10】
前記無線通信部は、Wi-Fiの規格による通信が適用されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の鉄道車両用防犯カメラシステム。
【請求項11】
着脱可能な前記記憶媒体は、SDメモリカード、SDHCメモリカード、SDXCメモリカードのいずれかを用いることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の鉄道車両用防犯カメラシステム。」

・「【0001】
本考案は、鉄道車両用防犯カメラシステムに関し、特に、鉄道車両内を監視する鉄道車両用防犯カメラシステムに関する。」

・「【0015】
・・・また、レンズユニット10の画角は、例えば、水平画角で、±50°(100°)以上、さらには、±62.5°(125°)以上、さらには、±64°(128°)以上、さらには、±65°(130°)を適用することができ、垂直画角で、±30°(60°)以上、さらには、±35°(70°)以上、さらには、±37.5°(75°)を適用することができる。・・・後述するようにレンズユニット10の取付位置により画角が異なるものを適用してもよい。・・・
【0016】
レンズユニット10の設置位置は、鉄道車両における車内(乗客が乗車する空間)を撮影されるためのふさわしい場所に設置される。例えば、ドアの上側(カモイ部)付近や、車両の前後方向の側面(ツマ部)等に車内側に向けて設置される。設置高さは人の高さよりも高い位置(例えば、1.8m以上、さらには2.0m以上の高さ)に設置することで、撮影できる範囲を広げることができる。」

・「【0018】
処理部22は、レンズユニット10で撮影するための制御を行うことができる。具体的には、撮影する際に撮像素子12で取得する画像の画素数の指定や時間当たりのフレーム数の指定等をする。また、処理部22は、レンズユニット10で撮影された画像情報を映像デコーダ21を介して入力して、記録部23に記録させる処理を行うことができる。さらに、処理部22は、記録部23に記録させた画像を無線通信部26や有線通信用ポート27から送信させる制御を行うことができる。さらに、処理部22は、記録部23に記録した録画画像を自己診断機能も有していてもよい。例えば、黒の画面だけになる等の場合は撮影が適切に行われていないと判断する等である。処理部22は、制御や演算等のために必要なCPU等により構成される。」

・「【0039】
図6は、本考案の鉄道車両用防犯カメラシステムにおけるレンズユニットの一例を示す図1におけるAA断面図である。・・・また、取付孔58は雌ねじを備える構成とすることができる。」

・「【0046】
インジケータランプ36は、図1で示したインジケータランプ28である。これは、複数設けることも可能である。図7、8に示すように2つのランプを設けて、1つは電源投入時に点灯する等して電源投入状況を知らせるランプ、もう1つは異常発生時に点灯又は色替えするなどして異常発生の有無を知らせるランプとしてもよい。」

(6)甲6
ア 記載事項
甲6には、次の事項が記載されている。
・「【0001】
本発明は、鉄道車両側方の車外及び車内に位置する乗客等を監視する鉄道車両の状況監視装置に関する。」

・「【0025】
カメラ103a,104a,105a,106aを、横方向(鉄道車両101の長手方向)の画角が180度前後の広角カメラとすると、少ない個数のカメラで鉄道車両の車外側に漏れのない撮像範囲を設定することができる。乗務員室に設置されるモニタ111は、カメラ103a,104a,105a,106aやその他の鉄道車両に設置されたカメラの映像をレンズ歪の補正後、俯瞰変換してパノラマ合成した映像を表示する。」

・「【0037】
・・・カメラ103aの光軸方向を鉄道車両101の側面に沿う鉛直方向に向けるとともに、カメラ103aの設置俯角を大きくすることによって、鉄道車両101の車外側の撮像範囲305と、鉄道車両101の車内側の撮像範囲306との両方の撮像範囲に属する被写体を撮像することができる。」

・「【0040】
・・・カメラ103aの撮像範囲は、乗降口202の車外側のプラットホーム200上面の撮像範囲305と、乗降口202の車内側の撮像範囲306であり、車外のプラットホーム200上に位置する乗客等と車内の乗客等の両方の撮像を同時に得ることができる。」

2 対比・判断
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
(ア)後者の「電車内の天井」は前者の「対象旅客室の天井」に相当し、以下同様に、「LED」は「LED発光部」に、「直流電源」は「電源部」に、「回路基板によって実現する」「制御部25」は「制御回路」に、「撮像部21」は「撮像部」に、「無線通信部24」は「無線通信部」に、「撮像部21、記憶部23、無線通信部24、および、制御部25」からなるものは「制御ユニット」に、「撮像部21」の「レンズ21aと、イメージセンサ21bと」からなるものは「カメラ」に、それぞれ相当する。
また、後者の「直管状カバー12a」と、前者の「ガラス直管」とは、「直管」であることで共通する。
そして、後者の「記憶部23」と、前者の「撮像データを読み書き可能なリムーバブルメデイア用のリーダー・ライター部を有するリムーバブルメデイア用スロット、および、該リムーバブルメディア用スロットに装着されたリムーバブルメデイアが設けられたもの」とは、「記憶手段」であることで共通する。

(イ)後者の「直管状着脱自在部11」は、「電車内」に設置されるものであり、「LED」と、「撮像部21」を有する「付加機能部20」とを有し、さらに全体としてシステムを構成するといえるから、前者の「客室用LED管型カメラシステム」に相当する。

(ウ)甲1の図2、4の記載からみて、後者の「光透過部分を含む直管状カバー12a」の長さ方向に延びる中心の軸が、前者の「仮想水平軸心」に相当するといえる。そして、後者の「直管状カバー12a」は、筒状壁といえるものを有していることは明らかである。そして、甲1の図1?3の記載からみて、後者の「光透過部分を含む直管状カバー12a」は、電車内の天井に設置された場合に下がわとなる壁範囲が光透過部分となっていることも明らかである。
そうすると、上記(ア)を踏まえると、後者の「電車内の天井に設置されている直管状蛍光管を有する蛍光灯に置き換えてLEDを光源とするLED照明装置10」の「直管状着脱自在部11」の「光透過部分を含む直管状カバー12a」は、前者の「仮想水平軸心の周囲に筒状壁が設けられ」るという事項、及び、「該筒状壁の少なくとも対象旅客室の天井に設置された場合に下がわとなる壁範囲が透光性を有するものとされ」るという事項を実質的に有している。

(エ)甲1の図4の記載及び照明器具の技術常識からみて、後者の「電力を供給するための端子部分として機能する2本のピンからな」る「被保持部13」は、後者の「電源端子」に相当し、また、上記(ウ)の仮想水平軸心と平行となっていることは明らかである。
また、後者の「被保持部13が外方に突出した口金であ」る「管状着脱自在部11の一端側に設けられた付加機能部20のカバー部26」と、前者の「ユニットカバー」とは、その機能を鑑みると「ユニットカバー機能を有する構成」である点で共通し、さらに、前者の「電源端子が突設された口金」とは、「電源端子が突設された口金機能を有する構成」である点でも共通する。
そして、後者の「直管状着脱自在部11」の外殻を構成する部分は、前者の「ランプ外殻」に相当し、後者の「直管状着脱自在部11」が「蛍光管の標準規格に対応した直管状部分であ」るということは、前者の「直管型蛍光灯の外郭形状が再現されたランプ外殻が設けられ」ることに相当する。
そうすると、上記(ア)を踏まえると、後者の「直管状着脱自在部11は、光源となるLEDを光透過部分を含む直管状カバー12aの内部に設けた直管状照明部12と、直管状着脱自在部11の一端側に直管状照明部12と一体的に設けた付加機能部20と、一対の保持部30によって保持される部分となる一対の被保持部13と、を有し」、「各被保持部13は、フード部14に収容された直流電源から電力を供給するための端子部分として機能する2本のピン状部分からなり、直管状着脱自在部11の一端側に設けられた付加機能部20のカバー部26は、被保持部13が外方に突出した口金であり、直管状着脱自在部11の他端側に、被保持部13が外方に突出した口金を設ける」ことと、前者の「該筒状壁の外周囲が飛散防止膜で被覆されたガラス直管、および、該ガラス直管の内端に同仮想水平軸心上に連続するよう設けられたユニットカバーからなり、該ユニットカバーのガラス直管が設けられた内端とは反対がわとなる外端に設けられ、該仮想水平軸心に平行な電源端子が突設された口金と、該ガラス直管のユニットカバーが設けられた内端とは反対がわとなる外端に設けられ、該仮想水平軸心に平行なダミー端子が突設された口金とを有し、直管型蛍光灯の外郭形状が再現されたランプ外殻が設けられ」ていることとは、「直管、および、該直管の端に同仮想水平軸心上に連続するよう設けられたユニットカバー機能を有する構成、および、該仮想水平軸心に平行な電源端子が突設された口金機能を有する構成と、該直管のユニットカバー機能を有する構成が設けられた端とは反対がわとなる外端に設けられ、該仮想水平軸心に平行な端子が突設された口金とを有し、直管型蛍光灯の外郭形状が再現されたランプ外殻が設けられ」ていることにおいて共通する。

(オ)甲1の図1?3の記載からみて、後者の「光源となるLED」は、電車内の天井に設置された場合に、下がわを照明するように設けられていることは明らかである。また、「直管状蛍光管を有する蛍光灯に置き換えてLEDを光源とするLED照明装置」の分野の技術常識からみて、後者の「光源となるLED」は、「直管状カバー12a」の略全長に渡って内装されていることは明らかである。
そうすると、上記(ア)を踏まえると、後者の「光源となるLEDを光透過部分を含む直管状カバー12aの内部に設けた直管状照明部12」と、前者の「該ガラス直管の略全長に渡り、対象旅客室に設置された場合に、下がわを照明するようLED発光部が下向き内装され」ることとは、「該直管の略全長に渡り、対象旅客室に設置された場合に、下がわを照明するようLED発光部が下向き内装され」ていることにおいて共通する。

(カ)上記(ア)、(エ)を踏まえると、後者の「付加機能部20は、撮像データを取得する撮像部21と、音声データを取得するマイク部22と、ランプ部28と、記憶部23と、携帯端末40との無線通信を可能にする無線通信部24と、LED照明装置10の各駆動部を制御する制御部25と、撮像部21、記憶部23、無線通信部24、および、制御部25を内部に収容する直管状のカバー部26と、を有し」ていることと、後者の「該ユニットカバーには、電源部、制御回路、撮像部、無線通信部を有した制御ユニットが内装され」ていることとは、「該ユニットカバー機能を有する構成には、制御回路、撮像部、無線通信部を有した制御ユニットが内装され」ていることにおいて共通する。

(キ)後者の「撮像部21は、カメラ機能をなす部分であり、レンズ21aと、イメージセンサ21bと、を有し」ていることと、前者の「該撮像部は、該仮想水平軸心に平行な方向の水平画角が140°ないし180°、該仮想水平軸心に直交する方向の垂直画角が90°ないし180°の広角レンズを有し、撮像の光軸が、該仮想水平軸心を通る垂線に対して、40°ないし45°の傾き角度をもつよう該仮想水平軸心回りの何れか一方に傾けられたカメラが設けられ」ていることとは、「該撮像部は、カメラが設けられ」ていることにおいて共通する。

(ク)後者の「記憶部23」は「制御部25」により制御されるものであるから、上記(ア)を踏まえると、「記憶部23は、撮像部21によって撮像した撮像データにマイク部22によって取得した音データを合わせて保存する」ことと、前者の「該制御回路には、撮像データを読み書き可能なリムーバブルメデイア用のリーダー・ライター部を有するリムーバブルメデイア用スロット、および、該リムーバブルメディア用スロットに装着されたリムーバブルメデイアが設けられたものとしてなる」こととは、「該制御回路には、撮像データを保存する記憶手段が設けられたものとしてなる」ことにおいて共通する。

(ケ)以上のことより、本件発明1と甲1発明との一致点、相違点は次のとおりと認める。
〔一致点A〕
「仮想水平軸心の周囲に筒状壁が設けられ、該筒状壁の少なくとも対象旅客室の天井に設置された場合に下がわとなる壁範囲が透光性を有するものとされ、直管、および、該直管の端に同仮想水平軸心上に連続するよう設けられたユニットカバー機能を有する構成、および、該仮想水平軸心に平行な電源端子が突設された口金機能を有する構成と、該直管のユニットカバー機能を有する構成が設けられた端とは反対がわとなる外端に設けられ、該仮想水平軸心に平行な端子が突設された口金とを有し、直管型蛍光灯の外郭形状が再現されたランプ外殻が設けられ、該直管の略全長に渡り、対象旅客室に設置された場合に、下がわを照明するようLED発光部が下向き内装され、該ユニットカバー機能を有する構成には、制御回路、撮像部、無線通信部を有した制御ユニットが内装され、該撮影部は、カメラが設けられ、該制御回路には、撮像データを保存する記憶手段が設けられたものとしてなる客室LED管型カメラシステム。」

〔相違点1A〕
「直管」に関し、本件発明1は、「該筒状壁の外周囲が飛散防止膜で被覆されたガラス直管」であるのに対し、甲1発明は、「直管状カバー12a」(直管)自体の材質の特定がなく、さらに飛散防止膜の特定もない点。

〔相違点2A〕
「該直管の端に同仮想水平軸心上に連続するよう設けられたユニットカバー機能を有する構成、および、該仮想水平軸心に平行な電源端子が突設された口金機能を有する構成」及び「ランプ外殻」に関し、本件発明1は、「ユニットカバー」がガラス直管の「内端」に設けられたものであり、「口金」が「該ユニットカバーのガラス直管が設けられた内端とは反対がわとなる外端に設けられ」ており、「ランプ外殻」が「ガラス直管」及び「ユニットカバーからな」り、2つの「口金」とを有するのに対し、甲1発明は、「直管状着脱自在部11の一端側に設けられた付加機能部20のカバー部26は、被保持部13が外方に突出した口金であ」るもの、すなわち、ユニットカバー機能を有する構成と口金機能を有する構成が、「カバー部26」という同一部材であって、本件発明1のような配置関係になく、「ランプ外殻」がそのような「カバー部26」を含む「直管状着脱自在部11」の外殻からなるものである点。

〔相違点3A〕
「該直管のユニットカバー機能を有する構成が設けられた端とは反対がわとなる外端に設けられ、該仮想水平軸心に平行な端子が突設された口金」に関し、本件発明1は、「ダミー端子」であるのに対し、甲1発明は、「電力を供給するための端子部分として機能する2本のピン状部分からな」る「被保持部13」であり、ダミー端子ではない点。

〔相違点4A〕
「電源部」に関し、本件発明1は、「ユニットカバー」に「内装され」た「制御ユニット」の一部を構成するものであるのに対し、甲1発明は、「直流電源」(電源部)が「フード部14に収容された」、すなわち、「カバー部26」(ユニットカバー機能を有する構成)の外部に配置されている点。

〔相違点5A〕
「カメラ」に関し、本件発明1は、「該仮想水平軸心に平行な方向の水平画角が140°ないし180°、該仮想水平軸心に直交する方向の垂直画角が90°ないし180°の広角レンズを有し、撮像の光軸が、該仮想水平軸心を通る垂線に対して、40°ないし45°の傾き角度をもつよう該仮想水平軸心回りの何れか一方に傾けられた」ものであるのに対し、甲1発明の「レンズ21aと、イメージセンサ21bと」からなるもの(カメラ)は、そのような特定がない点。

〔相違点6A〕
「撮像データを保存する記憶手段」に関し、本件発明1は、「撮像データを読み書き可能なリムーバブルメデイア用のリーダー・ライター部を有するリムーバブルメデイア用スロット、および、該リムーバブルメディア用スロットに装着されたリムーバブルメデイア」であるのに対し、甲1発明の「記憶部23」(記憶手段)は、そのような特定がない点。

イ 判断
事案に鑑み、上記相違点2Aについて検討する。
上記1(2)?(6)で示したとおり、甲2?6には、上記相違点2Aに係る本件発明1の「直管」と「ユニットカバー」と「口金」の配置関係の開示ないし示唆はない。
したがって、甲1発明に、甲2?6に記載された技術的事項を適用しても、上記相違点2Aに係る本件発明1の事項を有するものには至らない。
そして、甲1発明において、上記相違点2Aに係る本件発明1の事項を有するものに変更することを容易想到とする証拠も見当たらない。
よって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明及び甲2?6に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

(2)本件発明2について
ア 対比
本件発明2と甲1発明とを対比すると、上記(1)アと同様のことがいえる。
そうすると、本件発明2と甲1発明との一致点、相違点は次のとおりと認める。
〔一致点B〕
「仮想水平軸心の周囲に筒状壁が設けられ、該筒状壁の少なくとも対象旅客室の天井に設置された場合に下がわとなる壁範囲が透光性を有するものとされ、直管、および、該直管の端に同仮想水平軸心上に連続するよう設けられたユニットカバー機能を有する構成、および、該仮想水平軸心に平行な電源端子が突設された口金機能を有する構成と、該直管のユニットカバー機能を有する構成が設けられた端とは反対がわとなる外端に設けられ、該仮想水平軸心に平行な端子が突設された口金とを有し、直管型蛍光灯の外郭形状が再現されたランプ外殻が設けられ、該直管の略全長に渡り、対象旅客室に設置された場合に、下がわを照明するようLED発光部が下向き内装され、該ユニットカバー機能を有する構成には、制御回路、撮像部、無線通信部を有した制御ユニットが内装され、該撮影部は、カメラが設けられ、該制御回路には、撮像データを保存する記憶手段が設けられたものとしてなる客室LED管型カメラシステム。」

〔相違点1B〕
「直管」に関し、本件発明2は、「該筒状壁の外周囲が飛散防止膜で被覆されたガラス直管」であるのに対し、甲1発明は、「直管状カバー12a」(直管)自体の材質の特定がなく、さらに飛散防止膜の特定もない点。

〔相違点2B〕
「該直管の端に同仮想水平軸心上に連続するよう設けられたユニットカバー、および、該仮想水平軸心に平行な電源端子が突設された口金」及び「ランプ外殻」に関し、本件発明2は、「ユニットカバー」がガラス直管の「内端」に設けられたものであり、「口金」が「該ユニットカバーのガラス直管が設けられた内端とは反対がわとなる外端に設けられ」ており、「ランプ外殻」が「ガラス直管」及び「ユニットカバーからな」り、2つの「口金」とを有するのに対し、甲1発明は、「直管状着脱自在部11の一端側に設けられた付加機能部20のカバー部26は、被保持部13が外方に突出した口金であ」るもの、すなわち、ユニットカバー機能を有する構成と口金機能を有する構成が、「カバー部26」という同一部材であって、本件発明2のような配置関係になく、「ランプ外殻」がそのような「カバー部26」を含む「直管状着脱自在部11」の外殻からなるものである点。

〔相違点3B〕
「該直管のユニットカバー機能を有する構成が設けられた端とは反対がわとなる外端に設けられ、該仮想水平軸心に平行な端子が突設された口金」に関し、本件発明2は、「ダミー端子」であるのに対し、甲1発明は、「電力を供給するための端子部分として機能する2本のピン状部分からな」る「被保持部13」であり、ダミー端子ではない点。

〔相違点4B〕
「電源部」に関し、本件発明2は、「ユニットカバー」に「内装され」た「制御ユニット」の一部を構成するものであるのに対し、甲1発明は、「直流電源」(電源部)が「フード部14に収容された」、すなわち、「カバー部26」(ユニットカバー機能を有する構成)の外部に配置されている点。

〔相違点5B〕
「カメラ」に関し、本件発明2は、「該仮想水平軸心に平行な方向の水平画角が140°ないし180°、該仮想水平軸心に直交する方向の垂直画角が90°ないし180°の広角レンズを有し、撮像の光軸が、該仮想水平軸心を通る垂線に対して、40°ないし45°の傾き角度をもつよう該仮想水平軸心回りの何れか一方に傾けられた」ものであるのに対し、甲1発明の「レンズ21aと、イメージセンサ21bと」からなるもの(カメラ)は、そのような特定がない点。

〔相違点6B〕
「撮像データを保存する記憶手段」に関し、本件発明2は、「撮像データを読み書き可能なリムーバブルメデイア用のリーダー・ライター部を有するリムーバブルメデイア用スロット、および、該リムーバブルメディア用スロットに装着されたリムーバブルメデイア」であるのに対し、甲1発明の「記憶部23」(記憶手段)は、そのような特定がない点。

〔相違点7B〕
本件発明2は、「対象旅客室内の天井の対象旅客室幅寸法間の中央から対象旅客室幅寸法方向の何れか一方端寄りに設置され、対象車両進行方向の前後に、一対のソケット部が対峙された直管用照明器具に対して装着された場合に、該撮像部の撮像の光軸の向きが、鉛直下方の床面から、対象旅客室幅寸法間の中央の床面、および、該直管用照明器具が設置されたのとは反対がわとなる対象旅客室幅寸法方向の何れか他方の座席を含み、対象旅客室幅寸法方向の何れか他方となる対象旅客室内側壁の網棚上に至る範囲を含む対象旅客室幅寸法方向の撮像範囲を確保するよう設定されてなるものとされた」のに対し、甲1発明は、そのような特定がない点。

イ 判断
事案に鑑み、上記相違点2Bについて検討する。
上記相違点2Bは、上記相違点2Aと同様内容であり、その判断についても上記(1)イで説示したとおりである。
よって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明2は、甲1発明及び甲2?6に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

(3)本件発明3について
ア 対比
本件発明3と甲1発明とを対比すると、上記(1)アと同様のことがいえ、さらに以下のことがいえる。
(ア)甲1の図2?4の記載及び直管状蛍光管を有する蛍光灯に置き換えてLEDを光源とするLED照明装置の技術常識からみて、後者の「電力を供給するための端子部分として機能する2本のピン状部分からな」る「被保持部13」も、仮想水平軸心を中心とする仮想円と、同仮想水平軸心に直交する仮想径線との2つの交点から、同仮想水平軸心に平行するよう2本のピン状部分が外向きに突出しているという事項を実質的に有していることは明らかである。
そうすると、上記(1)ア(ア)、(エ)も踏まえると、後者の「直管状着脱自在部11は、光源となるLEDを光透過部分を含む直管状カバー12aの内部に設けた直管状照明部12と、直管状着脱自在部11の一端側に直管状照明部12と一体的に設けた付加機能部20と、一対の保持部30によって保持される部分となる一対の被保持部13と、を有し」、「各被保持部13は、フード部14に収容された直流電源から電力を供給するための端子部分として機能する2本のピン状部分からなり、直管状着脱自在部11の一端側に設けられた付加機能部20のカバー部26は、被保持部13が外方に突出した口金であり、直管状着脱自在部11の他端側に、被保持部13が外方に突出した口金を設ける」ことと、前者の「該筒状壁の外周囲が飛散防止膜で被覆されたガラス直管、および、該ガラス直管の内端に同仮想水平軸心上に連続するよう設けられたユニットカバーからなり、該ユニットカバーのガラス直管が設けられた内端とは反対がわとなる外端に設けられ、該仮想水平軸心を中心とする仮想円と、同仮想水平軸心に直交する仮想径線との2つの交点から、同仮想水平軸心に平行するよう二本の電源端子が外向きに突設された口金と、該ガラス直管のユニットカバーが設けられた内端とは反対がわとなる外端に設けられ、該仮想水平軸心に一致するよう外向きに一本のダミー端子が突設された口金とを有し」ていることとは、「直管、および、該直管の端に同仮想水平軸心上に連続するよう設けられたユニットカバー機能を有する構成、および、該仮想水平軸心を中心とする仮想円と、同仮想水平軸心に直交する仮想径線との2つの交点から、同仮想水平軸心に平行するよう二本の電源端子が外向きに突設された口金機能を有する構成と、該直管のユニットカバー機能を有する構成が設けられた端とは反対がわとなる外端に設けられ、外向きに端子が突設された口金とを有し」ていることにおいて共通する。

(イ)上記(ア)に加え、図4における「被保持部13」の「2本のピン状部分」と「開口26a」の位置関係を参酌し、かつ、後者の「直管状着脱自在部11」が「電車内の天井に設置され」るものであることを鑑みると、後者の「光源となるLED」は、仮想水平軸心および「電力を供給するための端子部分として機能する2本のピン状部分からな」る「被保持部13」を結ぶ仮想径線が、水平面に一致された場合に、下がわを照明するものであることも明らかである。
そうすると、上記(1)ア(オ)も踏まえると、後者の「光源となるLEDを光透過部分を含む直管状カバー12aの内部に設けた直管状照明部12」と、前者の「該ガラス直管の略全長に渡り、該仮想水平軸心および前記二本の電源端子を結ぶ仮想径線が、水平面に一致された場合に、下がわを照明するようLED発光部が下向き内装され」ることとは、「該直管の略全長に渡り、該仮想水平軸心および前記二本の電源端子を結ぶ仮想径線が、水平面に一致された場合に、下がわを照明するようLED発光部が下向き内装され」ていることにおいて共通する。

(ウ)以上のことより、本件発明3と甲1発明との一致点、相違点は次のとおりと認める。
〔一致点C〕
「仮想水平軸心の周囲に筒状壁が設けられ、該筒状壁の少なくとも対象旅客室の天井に設置された場合に下がわとなる壁範囲が透光性を有するものとされ、直管、および、該直管の端に同仮想水平軸心上に連続するよう設けられたユニットカバー機能を有する構成、および、該仮想水平軸心を中心とする仮想円と、同仮想水平軸心に直交する仮想径線との2つの交点から、同仮想水平軸心に平行するよう二本の電源端子が外向きに突設された口金機能を有する構成と、該直管のユニットカバー機能を有する構成が設けられた端とは反対がわとなる外端に設けられ、外向きに端子が突設された口金とを有し、直管型蛍光灯の外郭形状が再現されたランプ外殻が設けられ、該直管の略全長に渡り、対象旅客室に設置された場合に、下がわを照明するようLED発光部が下向き内装され、該ユニットカバー機能を有する構成には、制御回路、撮像部、無線通信部を有した制御ユニットが内装され、該撮影部は、カメラが設けられ、該制御回路には、撮像データを保存する記憶手段が設けられてものとしてなる客室LED管型カメラシステム。」

〔相違点1C〕
「直管」に関し、本件発明3は、「該筒状壁の外周囲が飛散防止膜で被覆されたガラス直管」であるのに対し、甲1発明は、「直管状カバー12a」(直管)自体の材質の特定がなく、さらに飛散防止膜の特定もない点。

〔相違点2C〕
「該直管の端に同仮想水平軸心上に連続するよう設けられたユニットカバー機能を有する構成、および、該仮想水平軸心を中心とする仮想円と、同仮想水平軸心に直交する仮想径線との2つの交点から、同仮想水平軸心に平行するよう二本の電源端子が外向きに突設された口金機能を有する構成」及び「ランプ外殻」に関し、本件発明3は、「ユニットカバー」がガラス直管の「内端」に設けられたものであり、「口金」が「該ユニットカバーのガラス直管が設けられた内端とは反対がわとなる外端に設けられ」ており、「ランプ外殻」が「ガラス直管」及び「ユニットカバーからな」り、2つの「口金」とを有するのに対し、甲1発明は、「直管状着脱自在部11の一端側に設けられた付加機能部20のカバー部26は、被保持部13が外方に突出した口金であ」るもの、すなわち、ユニットカバー機能を有する構成と口金機能を有する構成が、「カバー部26」という同一部材であって、本件発明3のような配置関係になく、「ランプ外殻」がそのような「カバー部26」を含む「直管状着脱自在部11」の外殻からなるものである点。

〔相違点3C〕
「該直管のユニットカバー機能を有する構成が設けられた端とは反対がわとなる外端に設けられ、該仮想水平軸心に平行な端子が突設された口金」に関し、本件発明3は、「該仮想水平軸心に一致するよう」にした「一本のダミー端子」であるのに対し、甲1発明は、「電力を供給するための端子部分として機能する2本のピン状部分からな」る「被保持部13」であり、そのようなダミー端子ではない点。

〔相違点4C〕
「電源部」に関し、本件発明3は、「ユニットカバー」に「内装され」た「制御ユニット」の一部を構成するものであるのに対し、甲1発明は、「直流電源」(電源部)が「フード部14に収容された」、すなわち、「カバー部26」(ユニットカバー機能を有する構成)の外部に配置されている点。

〔相違点5C〕
「カメラ」に関し、本件発明3は、「該仮想水平軸心に平行な方向の水平画角が140°ないし180°、該仮想水平軸心に直交する方向の垂直画角が90°ないし180°の広角レンズを有し、撮像の光軸が、該仮想水平軸心および前記二本の電源端子を結ぶ仮想径線が、水平面に一致された場合に、該仮想水平軸心を通る垂線に対して、40°ないし45°の傾き角度をもつよう該仮想水平軸心回りの何れか一方に傾けられた」ものであるのに対し、甲1発明の「レンズ21aと、イメージセンサ21bと」からなるもの(カメラ)は、そのような特定がない点。

〔相違点6C〕
「撮像データを保存する記憶手段」に関し、本件発明3は、「撮像データを読み書き可能なリムーバブルメデイア用のリーダー・ライター部を有するリムーバブルメデイア用スロット、および、該リムーバブルメディア用スロットに装着されたリムーバブルメデイア」であるのに対し、甲1発明の「記憶部23」(記憶手段)は、そのような特定がない点。

イ 判断
事案に鑑み、上記相違点2Cについて検討する。
上記相違点2Cは、上記相違点2Aと同様内容であり、その判断についても上記(1)イで説示したとおりである。
よって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明3は、甲1発明及び甲2?6に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

(4)本件発明4?12について
本件発明4?12は、本件発明1?3の発明特定事項を全て含み、請求項4?12において特定した事項をさらに付加することにより限定をしたものであるから、上記(1)?(3)で説示したのと同様の理由により、甲1発明及び甲2?6に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできない。

第5 むすび
以上のとおりであるから、本件請求項1?12に係る特許は、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由及び証拠によっては、取り消すことができない。
また、他に本件請求項1?12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2021-10-28 
出願番号 特願2018-147295(P2018-147295)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (F21V)
最終処分 維持  
前審関与審査官 安食 泰秀  
特許庁審判長 藤井 昇
特許庁審判官 畔津 圭介
一ノ瀬 覚
登録日 2020-12-14 
登録番号 特許第6810106号(P6810106)
権利者 アイテック阪急阪神株式会社 浜井電球工業株式会社
発明の名称 客室LED管型カメラシステム、それを利用した旅客室用照明・監視システム  
代理人 佐々木 實  
代理人 佐々木 實  

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