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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04W
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 H04W
管理番号 1381551
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-02-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-04-13 
確定日 2022-02-08 
事件の表示 特願2018−504783「狭帯域通信のためのバンドルサイズ決定」拒絶査定不服審判事件〔平成29年2月9日国際公開、WO2017/023585、平成30年10月4日国内公表、特表2018−529254、請求項の数(15)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2016年(平成28年)7月22日(パリ条約による優先権主張 外国庁受理 2015年7月31日 アメリカ合衆国(US)、2015年9月23日 アメリカ合衆国(US)、2016年7月21日 アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和元年6月28日 上申書及び手続補正書の提出
令和2年6月12日付け 拒絶理由通知書
令和2年9月16日 意見書及び手続補正書の提出
令和3年2月17日付け 拒絶査定
令和3年4月13日 審判請求書の提出

第2 原査定の概要
原査定(令和3年2月17日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

1.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)

・請求項1ないし3、5ないし10、12ないし15に対して、引用文献1

引用文献等一覧
1.米国特許出願公開第2015/0131579号明細書(以下、「引用文献1」という。)

第3 本願発明
本願の請求項1ないし15に係る発明(以下、「本願発明1」ないし「本願発明15」という。)は、令和2年9月16日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし15に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
ワイヤレス通信の方法であって、
制御チャネル送信において受信機に送信されるべき情報の冗長バージョンの数を示す第1のバンドリングレベルを識別することと、
共有チャネル送信において前記受信機に送信されるべき情報の冗長バージョンの数を示す第2のバンドリングレベルを識別することと、
前記第1のバンドリングレベルとインジケータとに基づいて、前記第2のバンドリングレベルを示すために、前記制御チャネル送信において制御情報フィールド中で前記インジケータを設定することと、
を備える、方法。
【請求項2】
前記インジケータを設定することが、さらに、前記第2のバンドリングレベルと前記第1のバンドリングレベルと前記インジケータ中に含まれている情報との間のマッピングに少なくとも部分的に基づき、ここにおいて、前記マッピングは、前記制御チャネル情報中の前記インジケータを、前記制御チャネル送信のバンドリングレベルとともに、前記共有チャネル送信のためのバンドリングレベルにマッピングする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記マッピングが、前記制御チャネル送信より前に前記受信機に送信される、および、前記マッピングが好ましくは、システム情報ブロック(SIB)または無線リソース制御(RRC)構成情報のうちの1つまたは複数中で送信される、請求項2に記載の方法、または、
前記制御情報フィールドが、前記受信機に与えられるダウンリンク制御情報(DCI)中に含まれる情報フィールドである、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のバンドリングレベルに少なくとも部分的に基づいて、前記情報の送信より前に前記情報をスクランブルするためのスクランブリングシーケンスを選択することと、
前記選択されたスクランブリングシーケンスに少なくとも部分的に基づいて前記情報をスクランブルすることと、
をさらに備え、前記情報が好ましくは、データと、前記データに関連する巡回冗長検査(CRC)とを備え、ここにおいて、前記情報を前記スクランブルすることが、前記選択されたスクランブリングシーケンスを使用して前記巡回冗長検査(CRC)をスクランブルすることを備える、または、
前記スクランブリングシーケンスが好ましくは、さらに、前記受信機の無線ネットワーク一時識別子(RNTI)に少なくとも部分的に基づいて選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ワイヤレス通信の方法であって、
制御チャネル送信の制御情報フィールド中で、1つまたは複数の共有チャネル送信において受信されるべき送信のためのバンドリングレベルを示すためのインジケータを受信することと、前記バンドリングレベルが、前記1つまたは複数の共有チャネル送信中に含まれるべき情報の冗長バージョンの数を示す、
前記受信される制御チャネル送信の第1のバンドリングレベルを決定することと、
前記第1のバンドリングレベルと前記インジケータとに基づいて、第1の共有チャネル送信の第2のバンドリングレベルを決定することと、
を備える、方法。
【請求項6】
前記第2のバンドリングレベルを前記決定することが、さらに、前記第2のバンドリングレベルと前記第1のバンドリングレベルと前記インジケータ中に含まれている情報との間のマッピングに少なくとも部分的に基づき、ここにおいて、前記マッピングは、前記制御チャネル情報中の前記インジケータを、前記制御チャネル送信のバンドリングレベルとともに、前記共有チャネル送信のためのバンドリングレベルにマッピングする、請求項5に記載の方法、または、
前記マッピングが、前記制御チャネル送信より前に受信される、および、前記マッピングが好ましくは、システム情報ブロック(SIB)または無線リソース制御(RRC)構成情報のうちの1つまたは複数中で受信される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記制御情報フィールドが、送信機からのダウンリンク制御情報(DCI)中で受信される情報フィールドである、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
第1のスクランブリングシーケンスを使用して前記受信される制御チャネル送信の少なくとも一部分をデスクランブルすることと、
前記第1のスクランブリングシーケンスを使用した、前記受信される制御チャネル送信の少なくとも前記一部分の成功したデスクランブリングに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の共有チャネル送信のために使用される前記第2のバンドリングレベルを決定することと、
をさらに備え、前記情報が好ましくは、データと、前記データに関連する巡回冗長検査(CRC)とを備え、ここにおいて、
前記制御チャネル送信の前記一部分をデスクランブルすることが、前記第1のスクランブリングシーケンスを使用して前記CRCをデスクランブルすることを備える、
前記第1のスクランブリングシーケンスがさらにより好ましくは、前記受信される送信の受信機の無線ネットワーク一時識別子(RNTI)に少なくとも部分的に基づく、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
ワイヤレス通信のための装置であって、
制御チャネル送信において受信機に送信されるべき情報の冗長バージョンの数を示す第1のバンドリングレベルを識別するための手段と、
共有チャネル送信において前記受信機に送信されるべき情報の冗長バージョンの数を示す第2のバンドリングレベルを識別するための手段と、
前記第1のバンドリングレベルとインジケータとに基づいて、前記第2のバンドリングレベルを示すために、前記制御チャネル送信において制御情報フィールド中で前記インジケータを設定するための手段と、
を備える、装置。
【請求項10】
前記インジケータを設定するための前記手段が、さらに、前記第2のバンドリングレベルと前記第1のバンドリングレベルと前記インジケータ中に含まれている情報との間のマッピングに少なくとも部分的に基づいて前記インジケータを設定するための手段を含み、ここにおいて、前記マッピングは、前記制御チャネル情報中の前記インジケータを、前記制御チャネル送信のバンドリングレベルとともに、前記共有チャネル送信のためのバンドリングレベルにマッピングする、請求項9に記載の装置、または、
前記マッピングが、前記制御チャネル送信より前に前記受信機に送信される、および、前記マッピングが好ましくは、システム情報ブロック(SIB)または無線リソース制御(RRC)構成情報のうちの1つまたは複数中で送信される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第1のバンドリングレベルに少なくとも部分的に基づいて、前記情報の送信より前に前記情報をスクランブルするためのスクランブリングシーケンスを選択するための手段と、
前記選択されたスクランブリングシーケンスに少なくとも部分的に基づいて前記情報をスクランブルするための手段と、
をさらに備え、前記情報が好ましくは、データと、前記データに関連する巡回冗長検査(CRC)とを備え、ここにおいて、前記情報を前記スクランブルすることが、前記選択されたスクランブリングシーケンスを使用して前記巡回冗長検査(CRC)をスクランブルすることを備える、または、前記スクランブリングシーケンスが好ましくは、さらに、前記受信機の無線ネットワーク一時識別子(RNTI)に少なくとも部分的に基づいて選択される、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
ワイヤレス通信のための装置であって、
制御チャネル送信の制御情報フィールド中で、1つまたは複数の共有チャネル送信において受信されるべき送信のためのバンドリングレベルを示すためのインジケータを受信するための手段と、前記バンドリングレベルが、前記1つまたは複数の共有チャネル送信中に含まれるべき情報の冗長バージョンの数を示す、
前記受信される制御チャネル送信の第1のバンドリングレベルを決定するための手段と、
前記第1のバンドリングレベルと前記インジケータとに基づいて、第1の共有チャネル送信の第2のバンドリングレベルを決定するための手段とを備える、装置。
【請求項13】
前記第2のバンドリングレベルを決定するための前記手段が、さらに、前記第2のバンドリングレベルと前記第1のバンドリングレベルと前記インジケータ中に含まれている情報との間のマッピングに少なくとも部分的に基づいて前記第2のバンドリングレベルを決定するための手段を含み、ここにおいて、前記マッピングは、前記制御チャネル情報中の前記インジケータを、前記制御チャネル送信のバンドリングレベルとともに、前記共有チャネル送信のためのバンドリングレベルにマッピングする、請求項12に記載の装置、または、
前記マッピングが、前記制御チャネル送信より前に受信される、および、前記マッピングが好ましくは、システム情報ブロック(SIB)または無線リソース制御(RRC)構成情報のうちの1つまたは複数中で受信される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
第1のスクランブリングシーケンスを使用して前記受信される制御チャネル送信の少なくとも一部分をデスクランブルするための手段と、
前記第1のスクランブリングシーケンスを使用した、前記受信される制御チャネル送信の少なくとも前記一部分の成功したデスクランブリングに少なくとも部分的に基づいて、前記第1の共有チャネル送信のために使用される前記第2のバンドリングレベルを決定するための手段と
をさらに備え、前記情報が好ましくは、データと、前記データに関連する巡回冗長検査(CRC)とを備え、ここにおいて、前記制御チャネル送信の前記一部分をデスクランブルすることが、前記第1のスクランブリングシーケンスを使用して前記CRCをデスクランブルすることを備える、または、
前記第1のスクランブリングシーケンスが好ましくは、前記受信される送信の受信機の無線ネットワーク一時識別子(RNTI)に少なくとも部分的に基づく、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
実行されたとき、プロセッサに、請求項1乃至8のいずれかに記載の方法を実行するために実行させるように構成された命令を含む、コンピュータ実行可能ソフトウェアコードを備える、コンピュータプログラム。」

第4 引用文献及び引用発明
1 引用文献1について
原査定の拒絶の理由で引用され、本願優先日前に公開された引用文献1(米国特許出願公開第2015/0131579号明細書)には、図面とともに以下の記載がある。(なお、下線は当審で付与した。)

(1)「[0002] The present application relates generally to wireless communications and, more specifically, to control and data signaling for coverage enhancements.」
(当審仮訳:[0002] 本願は、一般的にはワイヤレス通信に関するものであり、より具体的には、カバレッジエンハンスメントのための制御及びデータシグナリングに関するものである。)

(2)「[0080] ・・・(中略)・・・An eNB, such as eNB 102, can transmit data information through Physical DL Shared CHannels (PDSCHs). The eNB 102 can transmit DCI through Physical DL Control CHannels (PDCCHs) or through Enhanced PDCCHs (EPDCCHs)see also REF 1.」
(当審仮訳:[0080] ・・・(中略)・・・eNB 102等のeNBは、物理DL共有チャネル(PDSCHs)を通じてデータ情報を送信することができる。eNB 102は、物理DL制御チャネル(PDCCHs)を通じて、又はエンハンスドPDCCHs(EPDCCHs)を通じて、DCIを送信することができる(REF 1も参照)。)

(3)「[0227] In a first alternative, a number of PDSCH repetitions can be dynamically derived from a number of EPDCCH repetitions conveying a DCI format scheduling the PDSCH. A low cost UE can be configured with a set of multiple numbers of EPDCCH repetitions (the elements of the set are assumed to be placed in an ascending order). Then, by detecting a valid DCI format for one of the multiple numbers of EPDCCH repetitions, {NEPDCCH,1, . . . , NEPDCCH,Q}, the low cost UE can determine a number of PDSCH repetitions through a relationship between a target coverage enhancement level for EPDCCH and a target coverage enhancement level for PDSCH. This relationship can be determined in a system operation or it can be configured by a serving eNB through higher layer signaling.」
(当審仮訳:[0227] 第1の選択肢では、PDSCHの繰り返し数は、PDSCHをスケジューリングするDCIフォーマットを伝えるEPDCCHの繰り返し数から動的に導き出すことができる。低コストUEは、複数のEPDCCH繰り返し数のセット(セットの要素は昇順に配置されると想定される)により設定されることができる。そして、複数のEPDCCH繰り返し数{NEPDCCH,1, ・・・, NEPDCCH,Q}のうちの1つについての有効なDCIフォーマットを検出することにより、低コストUEは、EPDCCHの目標カバレッジエンハンスメントレベルとPDSCHの目標カバレッジエンハンスメントレベルとの関係を通じて、PDSCHの繰り返し数を決定することができる。この関係は、システム運用で決定することもできるし、上位層のシグナリングを通じてサービングeNBが設定することもできる。)

引用文献1の上記記載、及び無線通信システムの分野における技術常識を考慮すると、次のことがいえる。

ア 上記「(1)」の「本願は、一般的にはワイヤレス通信に関するものであり」との記載によれば、引用文献1に記載されているものは、ワイヤレス通信の方法であるといえる。

イ 上記「(2)」の「物理DL共有チャネル(PDSCHs)」との記載によれば、PDSCHは、共有チャネルである。また、上記「(2)」の「物理DL制御チャネル(PDCCHs)」との記載を考慮し、上記「(2)」の「エンハンスドPDCCHs(EPDCCHs)」との記載によれば、EPDCCHは、制御チャネルである。

ウ 上記「(3)」の「PDSCHの繰り返し数は、PDSCHをスケジューリングするDCIフォーマットを伝えるEPDCCHの繰り返し数から動的に導き出すことができる。」及び「複数のEPDCCH繰り返し数{NEPDCCH,1, ・・・, NEPDCCH,Q}のうちの1つについての有効なDCIフォーマットを検出することにより、低コストUEは、EPDCCHの目標カバレッジエンハンスメントレベルとPDSCHの目標カバレッジエンハンスメントレベルとの関係を通じて、PDSCHの繰り返し数を決定することができる。」との記載によれば、低コストUEは、EPDCCHの複数の繰り返し数のうちの1つについての有効なDCIフォーマットを検出することにより、EPDCCHカバレッジエンハンスメントレベルとPDSCHのカバレッジエンハンスメントレベルとの関係を通じて、PDSCHの繰り返し数を決定するものといえる。

したがって、上記「ア」ないし「ウ」を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「ワイヤレス通信の方法であって、低コストUEが、制御チャネルであるEPDCCHの複数の繰り返し数のうちの1つについての有効なDCIフォーマットを検出することにより、EPDCCHカバレッジエンハンスメントレベルとPDSCHのカバレッジエンハンスメントレベルとの関係を通じて、共有チャネルであるPDSCHの繰り返し数を決定する、方法。」

第5 対比及び判断
1 本願発明5について
(1)特許法第29条第1項第3号について
本願発明5と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア 引用発明における「ワイヤレス通信の方法」は、本願発明5の「ワイヤレス通信の方法」に相当する。

イ 引用発明における「制御チャネルであるEPDCCH」は、基地局によって送信され、UEによって受信されるものであることが無線通信システムの分野における技術常識であるから、本願発明5の「受信される制御チャネル送信」に含まれる。
また、無線通信システム分野において、バンドリングとは送信を繰り返し行うことを意味し、その程度を表すバンドリングレベルには、対応した繰り返し回数が設定されていることが技術常識である。そうすると、引用発明における「制御チャネルであるEPDCCH」の「繰り返し数」は、本願発明5の「制御チャネル送信の第1のバンドリングレベル」に含まれる。
さらに、引用発明において「制御チャネルであるEPDCCHの複数の繰り返し数のうちの1つについての有効なDCIフォーマットを検出する」ことにより、制御チャネルであるEPDCCHの複数の繰り返し数のうちの1つの繰り返し数を決定していることは明らかである。
以上のことから、引用発明における「制御チャネルであるEPDCCHの複数の繰り返し数のうちの1つについての有効なDCIフォーマットを検出する」ことは、本願発明5の「受信される制御チャネル送信の第1のバンドリングレベルを決定する」ことに含まれる。

ウ 引用発明における「共有チャネルであるPDSCH」は、基地局によって送信されるものであることが無線通信システムの分野における技術常識であるから、本願発明5の「第1の共有チャネル送信」に含まれる。
また、上記「イ」で説示したように、無線通信システム分野において、バンドリングとは送信を繰り返し行うことを意味し、その程度を表すバンドリングレベルには、対応した繰り返し回数が設定されていることが技術常識である。そうすると、引用発明における「共有チャネルであるPDSCH」の「繰り返し数」は、本願発明5の「第1の共有チャネル送信の第2のバンドリングレベル」に含まれる。
さらに、上記「イ」で説示したように、引用発明における「制御チャネルであるEPDCCHの複数の繰り返し数のうちの1つについての有効なDCIフォーマットを検出する」ことは、本願発明5の「受信される制御チャネル送信の第1のバンドリングレベルを決定する」ことに含まれることも考慮すると、引用発明における「制御チャネルであるEPDCCHの複数の繰り返し数のうちの1つについての有効なDCIフォーマットを検出することにより」「共有チャネルであるPDSCHの繰り返し数を決定する」ことは、本願発明5の「前記第1のバンドリングレベルに基づいて」「第1の共有チャネル送信の第2のバンドリングレベルを決定する」ことに含まれる。
以上のことから、引用発明における「制御チャネルであるEPDCCHの複数の繰り返し数のうちの1つについての有効なDCIフォーマットを検出することにより、EPDCCHカバレッジエンハンスメントレベルとPDSCHのカバレッジエンハンスメントレベルとの関係を通じて、共有チャネルであるPDSCHの繰り返し数を決定する」ことと、本願発明5の「前記第1のバンドリングレベルと前記インジケータとに基づいて、第1の共有チャネル送信の第2のバンドリングレベルを決定する」こととは、「前記第1のバンドリングレベルに基づいて、第1の共有チャネル送信の第2のバンドリングレベルを決定する」点で共通する。

したがって、上記「ア」ないし「ウ」を総合すれば、本願発明5と引用発明は、以下の点で一致し、また相違する。

<一致点>
「ワイヤレス通信の方法であって、
受信される制御チャネル送信の第1のバンドリングレベルを決定することと、
前記第1のバンドリングレベルに基づいて、第1の共有チャネル送信の第2のバンドリングレベルを決定することと、
を備える、方法。」

<相違点1>
本願発明5における「ワイヤレス通信の方法」が「制御チャネル送信の制御情報フィールド中で、1つまたは複数の共有チャネル送信において受信されるべき送信のためのバンドリングレベルを示すためのインジケータを受信」し、「前記第1のバンドリングレベルと前記インジケータとに基づいて、第1の共有チャネル送信の第2のバンドリングレベルを決定する」のに対して、引用発明における「ワイヤレス通信の方法」は当該発明特定事項が特定されていない点。

<相違点2>
本願発明5における「バンドリングレベル」が「前記1つまたは複数の共有チャネル送信中に含まれるべき情報の冗長バージョンの数を示す」のに対して、引用発明における「繰り返し数」は当該発明特定事項が特定されていない点。

したがって,本願発明5と引用発明は、上記相違点1及び2で相違するから、本願発明5は引用発明であるとはいえない。

(2)特許法第29条第2項について
本願発明5と引用発明との一致点、及び相違点は、上記「(1)」で説示したとおりである。

上記相違点1について検討する。
上記相違点1に係る「ワイヤレス通信の方法」が「制御チャネル送信の制御情報フィールド中で、1つまたは複数の共有チャネル送信において受信されるべき送信のためのバンドリングレベルを示すためのインジケータを受信」し、「前記第1のバンドリングレベルと前記インジケータとに基づいて、第1の共有チャネル送信の第2のバンドリングレベルを決定する」という発明特定事項は、引用文献1には記載も示唆もされておらず、また当該技術分野における周知技術であるともいえない。
よって、引用発明において、上記相違点1に係る「ワイヤレス通信の方法」が「制御チャネル送信の制御情報フィールド中で、1つまたは複数の共有チャネル送信において受信されるべき送信のためのバンドリングレベルを示すためのインジケータを受信」し、「前記第1のバンドリングレベルと前記インジケータとに基づいて、第1の共有チャネル送信の第2のバンドリングレベルを決定する」ものとすることは、当業者といえども容易に想到し得たとはいえない。
したがって、上記相違点2について判断するまでもなく、本願発明5は、当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

2 本願発明6ないし8について
本願発明6ないし8は、本願発明5の発明特定事項を全て備えるものであるから、本願発明5と同じ理由により、引用発明であるとはいえず、また当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

3 本願発明12ないし14について
本願発明12は、ワイヤレス通信の方法発明である本願発明5を、ワイヤレス通信のための装置発明としたものである。そして、本願発明12は、上記「1」で説示した相違点1に対応する「制御チャネル送信の制御情報フィールド中で、1つまたは複数の共有チャネル送信において受信されるべき送信のためのバンドリングレベルを示すためのインジケータを受信」し、「前記第1のバンドリングレベルと前記インジケータとに基づいて、第1の共有チャネル送信の第2のバンドリングレベルを決定する」という発明特定事項を少なくとも含むものであるから、本願発明5と同様な理由により、引用発明であるとはいえず、また当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、本願発明13及び14は、本願発明12の発明特定事項を全て備えるものであるから、本願発明12と同じ理由により、引用発明であるとはいえず、また当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

4 本願発明1ないし4について
本願発明1は、ワイヤレス通信の発明である本願発明5を、当該ワイヤレス通信の相手側ノードにおけるワイヤレス通信の発明としたものである。そして、本願発明1は、上記「1」で説示した相違点1に対応する「前記第1のバンドリングレベルとインジケータとに基づいて、前記第2のバンドリングレベルを示すために、前記制御チャネル送信において制御情報フィールド中で前記インジケータを設定する」という発明特定事項を少なくとも含むものであるから、本願発明5と同様な理由により、引用発明であるとはいえず、また当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、本願発明2ないし4は、本願発明1の発明特定事項を全て備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用発明であるとはいえず、また当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

5 本願発明9ないし11について
本願発明9は、ワイヤレス通信の方法発明である本願発明1を、ワイヤレス通信のための装置発明としたものである。そして、本願発明9は、上記「1」で説示した相違点1に対応する「前記第1のバンドリングレベルとインジケータとに基づいて、前記第2のバンドリングレベルを示すために、前記制御チャネル送信において制御情報フィールド中で前記インジケータを設定する」という発明特定事項を少なくとも含むものであるから、本願発明1と同様な理由により、引用発明であるとはいえず、また当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、本願発明10及び11は、本願発明9の発明特定事項を全て備えるものであるから、本願発明9と同じ理由により、引用発明であるとはいえず、また当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

6 本願発明15について
本願発明15は、本願発明1ないし8のいずれかの発明特定事項を全て備えるものであるから、本願発明1ないし8と同じ理由により、引用発明であるとはいえず、また当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明1ないし15は、引用発明であるとはいえず、また当業者であっても引用発明に基いて容易に発明をすることができたものとはいえない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

 
審決日 2022-01-19 
出願番号 P2018-504783
審決分類 P 1 8・ 113- WY (H04W)
P 1 8・ 121- WY (H04W)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 廣川 浩
特許庁審判官 本郷 彰
横田 有光
発明の名称 狭帯域通信のためのバンドルサイズ決定  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 岡田 貴志  
代理人 井関 守三  
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