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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する H04N 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する H04N |
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管理番号 | 1382327 |
総通号数 | 3 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2022-03-25 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2021-03-25 |
確定日 | 2021-10-21 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第4571489号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第4571489号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項〔22、23〕、〔24〜27〕のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第4571489号は、2003年(平成15年)4月23日(パリ条約に基づく優先権主張外国庁受理 2002年4月23日 米国)を国際出願日とする特願2004−500513として特許出願したものであって、その請求項1から27に係る発明について、平成22年8月20日に特許権の設定登録がされたものであり、令和3年3月25日に本件訂正審判の請求がされたものである。 第2 請求の趣旨及び訂正の内容 本件訂正審判の請求の趣旨は、 「特許第4571489号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項22〜27について訂正することを認める、との審決を求める。」 というものであって、その訂正の内容は、次の訂正事項からなる。 1 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項22の訂正前の第1段落に、「デコードされたデジタルビデオシーケンスを生成するビデオデコード用途」との記載があるが、これを「ビデオデコード用途」に訂正すると共に、訂正前第9段落の「提供される、デコード方法」との記載を、「適用され、前記ビデオデコード用途は、デコードされたデジタルビデオシーケンスを生成する、デコード方法」のように訂正し、更に「適用され、」の後に改行を追加して、「適用され、」の後を訂正後の第10段落とする。 また、請求項22の第3段落の「前記シーケンス」との記載を「前記デジタルビデオシーケンス」に訂正し、第4段落の「デジタルビデオシーケンス」との記載を「前記デジタルビデオシーケンス」に訂正する。請求項22の記載を引用する請求項23も同様に訂正する。 2 訂正事項2 特許請求の範囲の請求項22の第2段落の「多数のフレーム」との記載を「複数のフレーム」に訂正すると共に、第3段落の「各フレーム」との記載を「前記複数のフレームの各々」に訂正する。請求項22の記載を引用する請求項23も同様に訂正する。 3 訂正事項3 特許請求の範囲の請求項22の第3段落の「各ブロック」との記載を「前記複数のブロックの各々」に訂正する。請求項22の記載を引用する請求項23も同様に訂正する。 4 訂正事項4 特許請求の範囲の請求項22の第4段落の後ろに、「ピクセルのブロックに動き補償予測を適用し、対応する予測エラー値のブロックを生成するステップと、」との記載を挿入する。請求項22の記載を引用する請求項23も同様に訂正する。 5 訂正事項5 特許請求の範囲の請求項22の第5段落の「予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、予測エラー値の前記ブロックに変化符号化手法を適用するステップと、」との記載を削除する。請求項22の記載を引用する請求項23も同様に訂正する。 6 訂正事項6 特許請求の範囲の請求項22の第6,7段落に、「予測エラー値の前記ブロック」との記載が3カ所あるが、これらを「前記予測エラー値のブロック」に訂正する。請求項22の記載を引用する請求項23も同様に訂正する。 7 訂正事項7 特許請求の範囲の請求項22の第7段落の「変換係数値の前記セット」との記載を、「前記変換係数値のセット」に訂正する。請求項22の記載を引用する請求項23も同様に訂正する。 8 訂正事項8 特許請求の範囲の請求項22の訂正前の第9,10段落に、「エンコードされたデジタルビデオシーケンス」との記載があるが、これらを「前記エンコードされたデジタルビデオシーケンス」に訂正する。請求項22の記載を引用する請求項23も同様に訂正する。 9 訂正事項9 特許請求の範囲の請求項22の訂正前の第10段落に「量子化された変換係数値のセット」との記載があるが、これを「前記量子化された変換係数値のセット」に訂正する。請求項22の記載を引用する請求項23も同様に訂正する。 10 訂正事項10 特許請求の範囲の請求項22の訂正前の第11段落に「エンコードされたビットストリーム」との記載があるが、これを「前記エンコードされたビットストリーム」に訂正する。請求項22の記載を引用する請求項23も同様に訂正する。 11 訂正事項11 特許請求の範囲の請求項22の訂正前の第11段落に「量子化の前記レベルの指標」との記載があるが、これを「前記指標」に訂正する。請求項22の記載を引用する請求項23も同様に訂正する。 12 訂正事項12 特許請求の範囲の請求項22の訂正前の第11段落に「デコード方法」との記載があるが、これを「方法」に訂正する。請求項22の記載を引用する請求項23も同様に訂正する。 13 訂正事項13 特許請求の範囲の請求項23の第1段落に「量子化された変換係数値の前記セットを与えるステップ」との記載があるが、これを「前記量子化のレベルを適用するステップ」に訂正する。 14 訂正事項14 特許請求の範囲の請求項23の第2段落に「デコード方法」との記載が2カ所あるが、これらを「方法」に訂正する。 15 訂正事項15 特許請求の範囲の請求項23の第2段落に「逆量子化のデフォルトレベル」との記載があるが、これを「前記逆量子化のデフォルトレベル」に訂正する。 16 訂正事項16 特許請求の範囲の請求項24の訂正前の第1段落に、「デコードされたデジタルビデオシーケンスを生成するために、」との記載があるが、これを削除し、その代わりに訂正前第10段落の「前記ビデオデコーダは、」との語句を、「前記ビデオデコーダは、デコードされたデジタルビデオシーケンスを生成し、前記ビデオデコーダは、」のように訂正し、更に直後に改行を追加する。また、請求項24の第3段落の「前記シーケンス」との記載を「前記デジタルビデオシーケンス」に訂正し、第5段落の「デジタルビデオシーケンス」との記載を「前記デジタルビデオシーケンス」に訂正する。請求項24の記載を引用する請求項25〜27も同様に訂正する。 17 訂正事項17 特許請求の範囲の請求項24の第2段落の「多数のフレーム」との記載を「複数のフレーム」に訂正すると共に、第3段落の「各フレーム」との記載を「前記複数のフレームの各々」に訂正する。請求項24の記載を引用する請求項25〜27も同様に訂正する。 18 訂正事項18 特許請求の範囲の請求項24の第4段落の「各ブロック」との記載を「前記複数のブロックの各々」に訂正する。請求項24の記載を引用する請求項25〜27も同様に訂正する。 19 訂正事項19 特許請求の範囲の請求項24の第5段落の後ろに、「ピクセルのブロックに動き補償予測を適用し、対応する予測エラー値のブロックを生成するステップと、」との記載を挿入する。請求項24の記載を引用する請求項25〜27も同様に訂正する。 20 訂正事項20 特許請求の範囲の請求項24の第6段落の「予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、予測エラー値の前記ブロックに変化符号化手法を適用するステップと、」との記載を削除する。請求項24の記載を引用する請求項25〜27も同様に訂正する。 21 訂正事項21 特許請求の範囲の請求項24の第7,8段落に、「予測エラー値の前記ブロック」との記載が3カ所あるが、これらを「前記予測エラー値のブロック」に訂正する。請求項24の記載を引用する請求項25〜27も同様に訂正する。 22 訂正事項22 特許請求の範囲の請求項24の第8段落の「変換係数値の前記セット」との記載を、「前記変換係数値のセット」に訂正する。請求項24の記載を引用する請求項25〜27も同様に訂正する。 23 訂正事項23 特許請求の範囲の請求項24の訂正前の第9,10,11段落に、「エンコードされたデジタルビデオシーケンス」との記載があるが、これらを「前記エンコードされたデジタルビデオシーケンス」に訂正する。請求項24の記載を引用する請求項25〜27も同様に訂正する。 24 訂正事項24 特許請求の範囲の請求項24の訂正前の第10,12段落に「エンコードされたビットストリーム」との記載があるが、これらを「前記エンコードされたビットストリーム」に訂正する。請求項24の記載を引用する請求項25〜27も同様に訂正する。 25 訂正事項25 特許請求の範囲の請求項24の訂正前の第10段落に「取り出すための手段」との記載があり、訂正前の第11段落に「選択するための手段」との記載があるが、これらをそれぞれ「取り出す手段」「選択する手段」に訂正する。請求項24の記載を引用する請求項25〜27も同様に訂正する。 26 訂正事項26 特許請求の範囲の請求項24の訂正前の第11段落に「量子化された変換係数値のセット」との記載があるが、これを「前記量子化された変換係数値のセット」に訂正する。請求項24の記載を引用する請求項25〜27も同様に訂正する。 27 訂正事項27 特許請求の範囲の請求項24の訂正前の第12段落に「量子化の前記レベルの指標」との記載があるが、これを「前記指標」に訂正する。請求項24の記載を引用する請求項25〜27も同様に訂正する。 28 訂正事項28 特許請求の範囲の請求項25の第1段落に「最子化された変換係数値の前記セットを与えるステップ」との記載があるが、これを「前記量子化のレベルを適用するステップ」に訂正する。 29 訂正事項29 特許請求の範囲の請求項25の第2段落に「逆量子化のデフォルトレベル」との記載があるが、これを「前記逆量子化のデフォルトレベル」に訂正する。 第3 当審の判断 1 訂正前の請求項の記載事項 訂正前の請求項22〜27は以下のとおりである。(符号は合議体が付したものであり、以下、構成A〜K、A’〜K’等という。) 【請求項22】 A デコードされたデジタルビデオシーケンスを生成するビデオデコード用途に用いられる、エンコードされたデジタルビデオシーケンスをデコードする方法において、 B 前記デジタルビデオシーケンスは、多数のフレームを含み、 C 前記シーケンスの各フレームは複数のブロックに分割されたピクセルの配列を含み、 D 各ブロックは一定数の前記ピクセルを含み、 E デジタルビデオシーケンスのフレームは、 F11 予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、 F12 予測エラー値の前記ブロックに変化符号化手法を適用するステップと、 F21 予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、 F22 予測エラー値の前記ブロックに変換符号化手法を適用するステップと、 F31 予測エラー値の前記ブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、 F32 変換係数値の前記セットに量子化のレベルを適用するステップと、 F によりエンコードされ、 G 量子化の前記レベルの指標は、エンコードされたデジタルビデオシーケンスを含むエンコードされたビットストリーム中で提供される、 A1 デコード方法であって、 H 量子化された変換係数値のセットを逆量子化するために、エンコードされたデジタルビデオシーケンスのデコードにおいて用いられる逆量子化のデフォルトレベルを選択するステップを含み、 I 前記逆量子化のデフォルトレベルは、エンコードされたビットストリーム中で提供される量子化の前記レベルの指標に基づいて選択される、 A2 デコード方法。 【請求項23】 J 量子化の前記レベルは、量子化された変換係数値の前記セットを与えるステップにおいて更新され、 A3 前記デコード方法は、 K 量子化の更新されたレベルに応答して逆量子化のデフォルトレベルを更新するステップを更に含む、 A4 請求項22に記載のデコード方法。 【請求項24】 A’ デコードされたデジタルビデオシーケンスを生成するために、エンコードされたデジタルビデオシーケンスをデコードするためのビデオデコーダであって、 B’ 前記デジタルビデオシーケンスは、多数のフレームを含み、 C’ 前記シーケンスの各フレームは複数のブロックに分割されたピクセルの配列を含み、 D’ 各ブロックは一定数の前記ピクセルを含み、 E’ デジタルビデオシーケンスのフレームは、 F11’ 予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、 F12’ 予測エラー値の前記ブロックに変化符号化手法を適用するステップと、 F21’ 予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、 F22’ 予測エラー値の前記ブロックに変換符号化手法を適用するステップと、 F31’ 予測エラー値の前記ブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、 F32’ 変換係数値の前記セットに量子化のレベルを適用するステップと、 F’ によりエンコードされ、 G’ 量子化の前記レベルの指標は、エンコードされたデジタルビデオシーケンスを含むエンコードされたビットストリーム中で提供され、 A1’ 前記ビデオデコーダは、 H1’ エンコードされたビットストリームから、エンコードされたデジタルビデオシーケンスを取り出すための手段と、 H2’ 量子化された変換係数値のセットを逆量子化するために、エンコードされたデジタルビデオシーケンスのデコードにおいて用いられる逆量子化のデフォルトレベルを選択するための手段と、を備え、 I’ 逆量子化の前記デフォルトレベルは、エンコードされたビットストリーム中で提供される量子化の前記レベルの指標に基づいて選択される、 A2’ ビデオデコーダ。 【請求項25】 J’ 量子化の前記レベルは、量子化された変換係数値の前記セットを与えるステップにおいて更新され、 A3’ 前記ビデオデコーダは、 K’ 量子化の更新されたレベルに応答して逆量子化のデフォルトレベルを更新するために構成される、 A4’ 請求項24に記載のビデオデコーダ。 【請求項26】 マルチメディア端末中に設けられる、請求項24に記載のビデオデコーダ。 【請求項27】 無線通信装置中に設けられる、請求項24に記載のビデオデコーダ。 2 訂正後の請求項の記載事項 訂正後の請求項22〜27は以下のとおりである。(符号は合議体が付したものであり、以下、構成a〜k、a’〜k’等という。)なお、下線部は訂正箇所を示す。 【請求項22】 a ビデオデコード用途に用いられる、エンコードされたデジタルビデオシーケンスをデコードする方法において、 b 前記デジタルビデオシーケンスは、複数のフレームを含み、 c 前記デジタルビデオシーケンスの前記複数のフレームの各々は複数のブロックに分割されたピクセルの配列を含み、 d 前記複数のブロックの各々は一定数の前記ピクセルを含み、 e 前記デジタルビデオシーケンスのフレームは、 f0 ピクセルのブロックに動き補償予測を適用し、対応する予測エラー値のブロックを生成するステップと、 f21 前記予測エラー値のブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、 f22 前記予測エラー値のブロックに変換符号化手法を適用するステップと、 f31 前記予測エラー値のブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、 f32 前記変換係数値のセットに量子化のレベルを適用するステップと、 f によりエンコードされ、 g 量子化の前記レベルの指標は、前記エンコードされたデジタルビデオシーケンスを含むエンコードされたビットストリーム中で提供され、 a1 前記ビデオデコード用途は、デコードされたデジタルビデオシーケンスを生成する、デコード方法であって、 h 前記量子化された変換係数値のセットを逆量子化するために、前記エンコードされたデジタルビデオシーケンスのデコードにおいて用いられる逆量子化のデフォルトレベルを選択するステップを含み、 i 前記逆量子化のデフォルトレベルは、前記エンコードされたビットストリーム中で提供される前記指標に基づいて選択される、 a2 方法。 【請求項23】 j 量子化の前記レベルは、前記量子化のレベルを適用するステップにおいて更新され、 a3 前記方法は、 k 量子化の更新されたレベルに応答して前記逆量子化のデフォルトレベルを更新するステップを更に含む、 a4 請求項22に記載の方法。 【請求項24】 a’エンコードされたデジタルビデオシーケンスをデコードするためのビデオデコーダであって、 b’ 前記デジタルビデオシーケンスは、複数のフレームを含み、 c’ 前記デジタルビデオシーケンスの前記複数のフレームの各々は複数のブロックに分割されたピクセルの配列を含み、 d’ 前記複数のブロックの各々は一定数の前記ピクセルを含み、 e’ 前記デジタルビデオシーケンスのフレームは、 f0’ ピクセルのブロックに動き補償予測を適用し、対応する予測エラーのブロックを生成するステップと、 f21’ 前記予測エラー値のブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、 f22’ 前記予測エラー値のブロックに変換符号化手法を適用するステップと、 f31’ 前記予測エラー値のブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、 f32’ 前記変換係数値のセットに量子化のレベルを適用するステップと、 f によりエンコードされ、 g’ 量子化の前記レベルの指標は、前記エンコードされたデジタルビデオシーケンスを含むエンコードされたビットストリーム中で提供され、 a’ 前記ビデオデコーダは、デコードされたデジタルビデオシーケンスを生成し、 a1’前記ビデオデコーダは、 h1’ 前記エンコードされたビットストリームから、前記エンコードされたデジタルビデオシーケンスを取り出す手段と、 h2’ 前記量子化された変換係数値のセットを逆量子化するために、前記エンコードされたデジタルビデオシーケンスのデコードにおいて用いられる逆量子化のデフォルトレベルを選択する手段と、を備え、 i’ 逆量子化の前記デフォルトレベルは、前記エンコードされたビットストリーム中で提供される前記指標に基づいて選択される、 a2’ ビデオデコーダ。 【請求項25】 j’ 量子化の前記レベルは、前記量子化のレベルを適用するステップにおいて更新され、 a3’ 前記ビデオデコーダは、 k’ 量子化の更新されたレベルに応答して前記逆量子化のデフォルトレベルを更新するために構成される、 a4’ 請求項24に記載のビデオデコーダ。 【請求項26】 マルチメディア端末中に設けられる、請求項24に記載のビデオデコーダ。 【請求項27】 無線通信装置中に設けられる、請求項24に記載のビデオデコーダ。 3 一群の請求項について 訂正事項1〜12に係る訂正前の請求項22〜23について、請求項23は請求項22を直接的に引用するものであるから、訂正事項1〜12によって記載が訂正される請求項22に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項22〜23に対応する訂正後の請求項22〜23は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。 次に、訂正事項16〜27に係る訂正前の請求項24〜27について、請求項25〜27は請求項24を直接的に引用するものであるから、訂正事項16〜27によって記載が訂正される請求項24に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項24〜27に対応する訂正後の請求項24〜27は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。 4 各訂正事項について (1) 訂正事項1 ア 訂正の目的について 訂正事項1は、請求項22中の記載の整合性を向上させるための訂正であって、構成Cの「前記シーケンス」及び構成Eの「デジタルビデオシーケンス」との記載に対応する事項を正確に記載するための訂正である。 訂正前は、構成Aに「デコードされたデジタルビデオシーケンス」「エンコードされたデジタルビデオシーケンス」と、「デジタルビデオシーケンス」との語句が2つ存在したため、構成Bの「前記デジタルビデオシーケンス」、構成Cの「前記シーケンス」、構成Eの「デジタルビデオシーケンス」の語句に対応する事項がどちらのデジタルビデオシーケンスを指すのか不明確となる可能性があった。 そこで、当該訂正により、訂正前の構成Aのうち「デコードされたデジタルビデオシーケンスを生成するビデオデコード用途」との事項を、構成Gの「量子化の前記レベルの指標は、エンコードされたデジタルビデオシーケンスを含むエンコードされたビットストリーム中で提供される、」の後ろであって、構成A1の「デコード方法であって」の前に移動するとともに、構成Cの「前記シーケンス」と構成Eの「デジタルビデオシーケンス」を「前記デジタルビデオシーケンス」とすることで、構成Bの「前記デジタルビデオシーケンス」、構成Cの「前記シーケンス」、構成Eの「デジタルビデオシーケンス」が、いずれも「エンコードされたデジタルビデオシーケンス」であることを明確にするものである。 よって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項1は、請求項22中の記載の整合性を向上させるための訂正であって、訂正前の構成Bの「前記デジタルビデオシーケンス」、構成Cの「前記シーケンス」、及び構成Eの「デジタルビデオシーケンス」との記載に対応する事項が「エンコードされたデジタルビデオシーケンス」であることを正確に記載するための訂正に過ぎず、請求項22の記載自体に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項1は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (2) 訂正事項2 ア 訂正の目的について 訂正事項2は、請求項22中の記載の明確性を向上させるための訂正であって、訂正前の構成Bの「多数のフレーム」との語句に内在しうる不明確さを生じさせないために、「複数のフレーム」と訂正するとともに、構成Cの「各フレーム」を「前記複数のフレームの各々」とする訂正である。 よって、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正前の請求項22には、構成B、Cに「前記デジタルビデオシーケンスは、多数のフレームを含み、前記シーケンスの各フレーム」という記載があり、構成Cの「前記シーケンスの各フレーム」とは、構成Bの「前記デジタルビデオシーケンス」の「多数のフレーム」の各々のフレームを指すことは明らかである。 また、上記「多数のフレーム」という記載は、どの程度の数のフレームなのか不明確であるが、【0003】に「非圧縮のデジタルビデオシーケンスの各フレームは、画像ピクセルの配列を含む」という記載があることから、デジタルビデオシーケンスには、各フレームといえるだけの数のフレームがあることから、少なくとも2つ、すなわち複数、のフレームを有することがいえる。 そうすると、上記「多数のフレーム」を構成bのように「複数のフレーム」と訂正することは、請求項22の記載自体及び願書に添付した明細書の記載に基づく訂正であるといえる。 ここで、構成Bにおける「多数のフレーム」を構成bのように「複数のフレーム」と訂正した場合、構成Cの「前記シーケンスの各フレーム」とは、構成bの「前記デジタルビデオシーケンスは、複数のフレームを含」む「前記デジタルビデオシーケンス」の「複数のフレーム」の各々のフレームを指すことも明らかである。 したがって、構成cのように「(前記デジタルビデオシーケンスの)前記複数のフレームの各々」と訂正することは、請求項22の記載自体に基づく訂正である。 以上のことから、訂正事項2は、請求項22の記載自体及び願書に添付した明細書の記載に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項2は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項2は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (3) 訂正事項3 ア 訂正の目的について 訂正事項3は、請求項22の記載の明確性を向上させるための訂正であって、構成Dの「各ブロック」に対応する事項が構成Cの「複数のブロック」であることを正確に記載するための訂正である。 よって、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項3は、請求項22中の記載の整合性を向上させるための訂正であって、構成Dの「各ブロック」に対応する事項が、構成Cの「複数のブロック」であることを正確に記載するための訂正に過ぎず、請求項22の記載自体に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項3は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (4) 訂正事項4 ア 訂正の目的について 訂正事項4は、構成F21、F22の「予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、予測エラー値の前記ブロックに変換符号化手法を適用する」における「予測エラー値の前記ブロック」(訂正事項6による訂正後の「前記予測エラー値のブロック」)が表す事項を特定するために「予測エラー値のブロックを生成するステップ」を追加する訂正である。 よって、訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項4は、明細書の【0077】の、「デジタルビデオシーケンスのフレームは、予測エラー値の対応するブロックを生成するために動き補償予測をピクセルのブロックに適用し、予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために変換符号化手法を予測エラー値のブロックに適用し、予測エラー値のブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、量子化のレベルを変換係数値のセットに適用することによりエンコードされる。」との記載によりサポートされている。 したがって、訂正事項4は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項4は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (5)訂正事項5 ア 訂正の目的について 訂正前の請求項22には、構成F11〜F22に「予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、予測エラー値の前記ブロックに変化符号化手法を適用するステップと、予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、予測エラー値の前記ブロックに変換符号化手法を適用するステップと、」と記載されている。 ここで、「変化符号化」との用語が一般に存在せず、明細書中でも使われていないこと、「変化」と「変換」は音として「ん」の一音しか違わず似ていることから、「変化」は「変換」のタイプミスであると推測できる。 そこで、上記「変化符号化手法」は「変換符号化手法」の誤記であるとして、上記「変化符号化手法」という記載を「変換符号化手法」と読み替えてみる。 そうすると、読み替えられた構成F11〜F22の記載は、「予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、予測エラー値の前記ブロックに変換符号化手法を適用するステップと、予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、予測エラー値の前記ブロックに変換符号化手法を適用するステップと、」となることから、請求項22の構成F11〜F32により特定される構成は、構成F11〜F22により「予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、予測エラー値の前記ブロックに変換符号化手法を適用するステップ」を2回繰り返して行い、その後に、構成F31において「量子化された変換係数の値のセットを与える」ことになる。 一方、明細書の【0077】の「本発明の第4の局面によれば、エンコードされたデジタルビデオシーケンスをデコードしてデコードされたデジタルビデオシーケンスを生成するためのデコーダが提供される。このデジタルビデオシーケンスは、多数のフレームを含んでおり、シーケンスの各フレームはピクセルの配列を含み複数のブロックに分割され、各ブロックは一定数のピクセルを含んでおり、デジタルビデオシーケンスのフレームは、予測エラー値の対応するブロックを生成するために動き補償予測をピクセルのブロックに適用し、予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために変換符号化手法を予測エラー値のブロックに適用し、予測エラー値のブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、量子化のレベルを変換係数値のセットに適用することによりエンコードされる。」との記載によれば、エンコードされたデジタルビデオシーケンスのフレームは、予測エラー値のブロックに変換符号化を1回行うことで、予測エラー値の変換係数値のセットを生成し、その後、量子化された変換係数値のセットを与えることがいえる。 これらを比較すると、読み替えられた構成F11〜F22の記載は、願書に添付した明細書の記載とは、予測エラー値ブロックに変換符号化を行う回数について整合しないことがいえる。 また、請求項1には、 「【請求項1】 デジタルビデオシーケンスを表すエンコードされたビデオビットストリームを生成するビデオ符号化用途に用いられる、デジタルビデオシーケンスをエンコードする方法において、 デジタルビデオシーケンスは、多数のフレームを含み、前記シーケンスの各フレームは複数のブロックに分割されたピクセルの配列を含み、各ブロックは一定数の前記ピクセルを含む方法であって、 予測エラー値の対応するブロックを生成するために、動き補償予測をピクセルのブロックに適用することにより、デジタルビデオシーケンスのフレームをエンコードするステップと、 予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、予測エラー値の前記ブロックに変換符号化手法を適用するステップと、 変換係数値のセットを量子化するために、デジタルビデオシーケンスのエンコードにおいて用いられる量子化のデフォルトレベルを定義するステップと、 量子化のデフォルトレベルの指標を前記デジタルビデオシーケンスを表すエンコードされたビットストリーム中で提供するステップと、 を含む方法。」 という記載がある。 これに対して、明細書の【0049】には「本発明の第1の局面によれば、デジタルビデオシーケンスをエンコードする方法が提供され、この方法は、ビデオ符号化用途に適用されて、デジタルビデオシーケンスを表すエンコードされたビデオビットストリームを生成する。このデジタルビデオシーケンスは、多数のフレームを含んでおり、ピクセルの配列を含むシーケンスの各フレームは複数のブロックに分割され、各ブロックは一定数のピクセルを含む。この方法は、動き補償予測をピクセルのブロックに適用することによりデジタルビデオシーケンスのフレームをエンコードするステップを含み、それにより、予測エラー値の対応するブロックを生成する。予測エラー値のブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、変換符号化手法が予測エラー値のブロックに適用され、量子化された変換係数値のセットを与えるために、量子化のレベルが変換係数値のセットに適用される。」という記載がある。 この記載は、請求項1の記載と整合し、請求項1、明細書の【0049】いずれの記載も、エンコードされたデジタルビデオシーケンスのフレームは、予測エラー値のブロックに変換符号化を1回行うことで、予測エラー値の変換係数値のセットを生成し、その後量子化された変換係数値のセットを与えることを示している。 上記記載を総合すると、訂正事項5は、訂正前の請求項22の構成F12に含まれる「変化符号化」という誤記、及び単にこの誤記を「変換符号化」と読み替えることにより、読み替えた後の請求項22の構成F11〜F22において生じる「予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、予測エラー値の前記ブロックに変換符号化手法を適用するステップ」を2回行った後に、構成F31の「量子化された変換係数の値のセットを与える」という事項が、請求項1の記載や願書に添付した明細書の記載の事項と整合していないことを総合的に正すことを目的とする訂正であり、特許法第126条第3項の明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正である。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正後の請求項22の記載は、明細書の【0077】の、「デジタルビデオシーケンスのフレームは、予測エラー値の対応するブロックを生成するために動き補償予測をピクセルのブロックに適用し、予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために変換符号化手法を予測エラー値のブロックに適用し、予測エラー値のブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、量子化のレベルを変換係数値のセットに適用することによりエンコードされる。」との記載に合致する。 したがって、訂正事項5は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項5はカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (6)訂正事項6 ア 訂正の目的について 訂正事項6は、請求項中の記載の整合性を向上させるための訂正である。 訂正事項3、4により訂正された請求項22には、構成Cの「複数のブロック」と、訂正事項4により構成Eの後ろに追加された「ピクセルのブロック」及び「予測エラー値のブロック」(構成f0)と、「ブロック」を含む語句が3つあるので、訂正前の構成F21、F22、F31の「予測エラー値の前記ブロック」との記載では、この記載中の「前記ブロック」が、上記3つの「ブロック」のどれを指すのかについて、疑義が生じる可能性がある。 そこで、訂正事項6は、構成F21〜F31の「予測エラー値の前記ブロック」が、訂正事項4により構成Eの後ろに追加された「予測エラー値のブロック」(構成f0)であることを明らかにするために、「前記予測エラー値のブロック」に訂正することにより、そのような疑義が生じないようにするものである。 よって、訂正事項6は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項6は、請求項22中の記載の整合性を向上させるための訂正であり、訂正事項4により構成Eの後ろに追加された「予測エラー値ブロック」(構成f0)の根拠となる記載と関連する、明細書の【0077】の「予測エラー値の対応するブロックを生成するために動き補償予測をピクセルのブロックに適用し、予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために変換符号化手法を予測エラー値のブロックに適用し、予測エラー値のブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、量子化のレベルを変換係数値のセットに適用する」という記載に基づくものである。 したがって、訂正事項6は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項6は、請求項中の記載の整合性を向上させるための訂正であって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (7)訂正事項7 ア 訂正の目的について 訂正事項7は、請求項22中の記載の整合性を向上させるための訂正である。 請求項22には、訂正事項6により訂正された構成f21の「前記予測エラー値のブロックを表す変換係数値のセット」と、構成f31の「量子化された変換係数値のセット」と、「セット」を含む語句が2つあるので、訂正前の構成F32の「変換係数値の前記セット」との記載では、この記載中の「前記セット」が、上記2つの「セット」のどれを指すのかについて、疑義が生じる可能性がある。 この点につき、明細書の【0077】には「予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために変換符号化手法を予測エラー値のブロックに適用し、予測エラー値のブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、量子化のレベルを変換係数値のセットに適用する」という記載がある。 すなわち、量子化のレベルを変換係数値のセットに適用するのであれば、当該量子化レベルが適用される「変換係数値のセット」は量子化のレベルが変換される前の変換係数値のセットであり、「量子化された変換係数値のセット」ではないことは明らかである。 そこで、訂正事項7は、構成F32の「変換係数値の前記セット」が、訂正事項6により訂正された構成f21の「前記予測エラー値のブロックを表す変換係数値のセット」であることを明らかにするために、「前記変換係数値のセット」に訂正することで、そのような疑義が生じないようにするものである。 よって、訂正事項7は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項7は、明細書の【0077】の「予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために変換符号化手法を予測エラー値のブロックに適用し、予測エラー値のブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、量子化のレベルを変換係数値のセットに適用する」という記載にサポートされている。 したがって、訂正事項7は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項7は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (8)訂正事項8 ア 訂正の目的について 訂正事項8は、請求項22中の記載の整合性を向上させるための訂正であり、訂正前の請求項22の構成G、Hの「エンコードされたデジタルビデオシーケンス」が、その前に構成Aとして特定される「エンコードされたデジタルビデオシーケンス」を指すことを明確にするための訂正である。 よって、訂正事項8は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項8は、請求項22中の記載の整合性を向上させるための訂正であり、請求項22の記載自体に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項8は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は圏面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項8は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (9)訂正事項9 ア 訂正の目的について 訂正事項9は、請求項22中の記載の整合性を向上させるための訂正であり、請求項22の構成Hの「量子化された変換係数値のセット」が、その前に構成F31として特定される「量子化された変換係数値のセット」を指すことを明確にするための訂正である。 よって、訂正事項9は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項9は、請求項22中の記載の整合性を向上させるための訂正であり、請求項22の記載自体に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項9は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項9は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (10)訂正事項10 ア 訂正の目的について 訂正事項10は、請求項22中の記載の整合性を向上させるための訂正であり、請求項22の構成Iの「エンコードされたビットストリーム」が、その前に構成Gとして特定される「エンコードされたビットストリーム」を指すことを明確にするための訂正である。 よって、訂正事項10は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項10は、請求項22中の記載の整合性を向上させるための訂正であり、請求項22の記載自体に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項10は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項10は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (11)訂正事項11 ア 訂正の目的について 訂正事項11は、請求項22中の記載を簡潔にしつつ整合性を向上させるための訂正であって、構成Iの「量子化の前記レベルの指標」における「指標」という語句の前に「前記」を付加し、「量子化の前記レベルの」という記載を削除することで、記載を簡潔にするとともに、この「指標」が、その前に構成Gとして特定される「量子化の前記レベルの指標」を指すことを、明確化するための訂正である。 よって、訂正事項11は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項11は、請求項22中の記載を簡潔にしつつ整合性を向上させるための訂正であり、請求項22の記載自体に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項11は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項11は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (12)訂正事項12 ア 訂正の目的について 訂正事項12は、請求項22中の記載の整合性を向上させるための訂正であって、訂正前は、構成Aでは「デコードする方法」、構成A2では「デコード方法」と、表現が異なっていたので、この相違を解消して明確性を向上させるための訂正である。 よって、訂正事項12は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項12は、請求項22中の記載の整合性を向上させるための訂正であり、請求項22の記載自体に基づくものである。 したがって、訂正事項12は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項12は、請求項22中の記載の整合性を向上させるための訂正であって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (13)訂正事項13 ア 訂正の目的について 訂正事項13は、請求項23と、その引用先請求項である請求項22との間で記載の整合性を向上させるための訂正である。 訂正前の請求項23の構成Jの「量子化された変換係数値の前記セットを与えるステップ」に対応する請求項22の発明特定事項は、量子化された変換係数値のセットを与えることに関する事項であり、訂正前の構成F31、F32を訂正事項6、7により訂正した構成であって、「前記予測エラー値のブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、前記変換係数値のセットに量子化のレベルを適用するステップ」(構成f31、f32)である。 ところが、請求項22における上記ステップは「(前記変換係数値のセットに)量子化のレベルを適用するステップ」であるのに対して、請求項23では「量子化された変換係数値の前記セットを与えるステップ」と特定されており、両者の記載は整合しない。 そこで、これを統一して明確性を向上させることが、訂正事項13の目的である。 よって、訂正事項13は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項13は、請求項23と、その引用先請求項である請求項22との間で記載の整合性を向上させるための訂正であり、請求項22及び23の記載自体に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項13は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項13は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (14)訂正事項14 ア 訂正の目的について 訂正事項14は、請求項23と、その引用先請求項である請求項22との間で記載の整合性を向上させるための訂正である。 訂正前の請求項23の構成A3、A4は、「デコード方法」と記載されているが、請求項22の訂正前の構成A2が訂正事項12により「方法」(構成a2)と訂正されたことに伴って、請求項22との記載の整合性を図り、明確性を向上させるための訂正である。 よって、訂正事項14は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項14は、請求項23と、その引用先請求項である請求項22との間で記載の整合性を向上させるための訂正であり、請求項22及び23の記載自体に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項14は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項14は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (15)訂正事項15 ア 訂正の目的について 訂正事項15は、請求項23と、その引用先請求項である請求項22との間で記載の整合性を向上させるための訂正であって、構成Kの「逆量子化のデフォルトレベル」との語句の前に「前記」を付加することで、この「逆量子化のデフォルトレベル」が、その前に構成Hとして記載される「逆量子化のデフォルトレベル」を指すことを、明確化するための訂正である。 よって、訂正事項15は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項15は、請求項23と、その引用先請求項である請求項22との間で記載の整合性を向上させるための訂正であるから、請求項22及び23の記載自体に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項15は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項15は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (16)訂正事項16 ア 訂正の目的について 訂正事項16は、請求項24中の記載の整合性を向上させるための訂正であって、構成C’の「前記シーケンス」及び構成E’の「デジタルビデオシーケンス」との記載に対応する事項を正確に記載するための訂正である。 訂正前は、構成A’に「デコードされたデジタルビデオシーケンス」「エンコードされたデジタルビデオシーケンス」と、「デジタルビデオシーケンス」との語句が2つ存在したため、構成B’の「前記デジタルビデオシーケンス」、構成C’の「前記シーケンス」、構成E’の「デジタルビデオシーケンス」の語句に対応する事項がどちらのデジタルビデオシーケンスを指すのか不明確となる可能性があった。 そこで、当該訂正により、訂正前の構成A’のうち「デコードされたデジタルビデオシーケンスを生成するビデオデコード用途」との事項を、構成G’の「量子化の前記レベルの指標は、エンコードされたデジタルビデオシーケンスを含むエンコードされたビットストリーム中で提供される、」の後ろであって、構成A1’の「前記ビデオデコーダは」の前に移動するとともに、構成C’の「前記シーケンス」と構成E’の「デジタルビデオシーケンス」を「前記デジタルビデオシーケンス」とすることで、構成B’の「前記デジタルビデオシーケンス」、構成C’の「前記シーケンス」、構成E’の「デジタルビデオシーケンス」が、いずれも「エンコードされたデジタルビデオシーケンス」であることを明確にするものである。 よって訂正事項16は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項16は、請求項24中の記載の整合性を向上させるための訂正であって、訂正前の構成B’の「前記デジタルビデオシーケンス」、構成C’の「前記シーケンス」、及び構成E’の「デジタルビデオシーケンス」との記載に対応する事項が「エンコードされたデジタルビデオシーケンス」であることを正確に記載するための訂正に過ぎず、請求項24の記載自体に基づいて導き出される事項である。 また、訂正事項16は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない したがって訂正事項16は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項16は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (17)訂正事項17 ア 訂正の目的について 訂正事項17は、請求項24中の記載の明確性を向上させるための訂正であって、訂正前の構成B’の「多数のフレーム」との語句に内在しうる不明確さを生じさせないために、「複数のフレーム」と訂正するとともに、構成C’の「各フレーム」を「前記複数のフレームの各々」とする訂正である。 よって、訂正事項17は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正前の請求項24には、構成B’、C’に「前記デジタルビデオシーケンスは、多数のフレームを含み、前記シーケンスの各フレーム」という記載があり、構成C’の「前記シーケンスの各フレーム」とは、構成B’の「前記デジタルビデオシーケンス」の「多数のフレーム」の各々のフレームを指すことは明らかである。 また、上記「多数のフレーム」という記載は、どの程度の数のフレームなのか不明確であるが、【0003】に「非圧縮のデジタルビデオシーケンスの各フレームは、画像ピクセルの配列を含む」という記載があることから、デジタルビデオシーケンスには、各フレームといえるだけの数のフレームがあることから、少なくとも2つ、すなわち複数、のフレームを有することがいえる。 そうすると、上記「多数のフレーム」を構成b’のように「複数のフレーム」と訂正することは、請求項24の記載自体及び願書に添付した明細書の記載に基づく訂正であるといえる。 ここで、構成B’における「多数のフレーム」を構成b’のように「複数のフレーム」と訂正した場合、構成C’の「前記シーケンスの各フレーム」とは、構成b’の「前記デジタルビデオシーケンスは、複数のフレームを含」む「前記デジタルビデオシーケンス」の「複数のフレーム」の各々のフレームを指すことも明らかである。 したがって、構成c’のように「(前記デジタルビデオシーケンスの)前記複数のフレームの各々」と訂正することは、請求項24の記載自体に基づく訂正である。 以上のことから、訂正事項17は、請求項24の記載自体及び願書に添付した明細書の記載に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項17は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項17は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (18)訂正事項18 ア 訂正の目的について 訂正事項18は、請求項24の記載の明確性を向上させるための訂正であって、構成D’の「各ブロック」に対応する事項が構成C’の「複数のブロック」であることを正確に記載するための訂正である。 よって、訂正事項18は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項18は、請求項24中の記載の整合性を向上させるための訂正であって、構成D’の「各ブロック」に対応する事項が、構成C’の「複数のブロック」であることを正確に記載するための訂正に過ぎず、請求項24の記載自体に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項18は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項18は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (19)訂正事項19 ア 訂正の目的について 訂正事項19は、構成F21’、F22’の「予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、予測エラー値の前記ブロックに変換符号化手法を適用する」における「予測エラー値の前記ブロック」(訂正事項21による訂正後の「前記予測エラー値のブロック」)が表す事項を特定するために「予測エラー値のブロックを生成するステップ」を追加する訂正である。 よって、訂正事項19は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正である。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項19は、明細書の【0077】の、「デジタルビデオシーケンスのフレームは、予測エラー値の対応するブロックを生成するために動き補償予測をピクセルのブロックに適用し、予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために変換符号化手法を予測エラー値のブロックに適用し、予測エラー値のブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、量子化のレベルを変換係数値のセットに適用することによりエンコードされる」との記載によりサポートされている。 したがって、訂正事項19は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項19は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (20)訂正事項20 ア 訂正の目的について 訂正前の請求項24には、構成F11’〜F22’に「予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、予測エラー値の前記ブロックに変化符号化手法を適用するステップと、予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、予測エラー値の前記ブロックに変換符号化手法を適用するステップと、」と記載されている。 ここで、「変化符号化」との用語が一般に存在せず、明細書中でも使われていないこと、「変化」と「変換」は音として「ん」の一音しか違わず似ていることから、「変化」は「変換」のタイプミスであると推測できる。 そこで、上記「変化符号化手法」は「変換符号化手法」の誤記であるとして、上記「変化符号化手法」という記載を「変換符号化手法」と読み替えてみる。 そうすると、読み替えられた構成F11’〜F22’の記載は、「予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、予測エラー値の前記ブロックに変換符号化手法を適用するステップと、予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、予測エラー値の前記ブロックに変換符号化手法を適用するステップと、」となることから、請求項24の構成F11’〜F32’により特定される構成は、構成F11’〜F22’により「予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、予測エラー値の前記ブロックに変換符号化手法を適用するステップ」を2回繰り返して行い、その後に、構成F31’において「量子化された変換係数の値のセットを与える」ことになる。 一方、明細書の【0077】の「本発明の第4の局面によれば、エンコードされたデジタルビデオシーケンスをデコードしてデコードされたデジタルビデオシーケンスを生成するためのデコーダが提供される。このデジタルビデオシーケンスは、多数のフレームを含んでおり、シーケンスの各フレームはピクセルの配列を含み複数のブロックに分割され、各ブロックは一定数のピクセルを含んでおり、デジタルビデオシーケンスのフレームは、予測エラー値の対応するブロックを生成するために動き補償予測をピクセルのブロックに適用し、予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために変換符号化手法を予測エラー値のブロックに適用し、予測エラー値のブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、量子化のレベルを変換係数値のセットに適用することによりエンコードされる。」との記載によれば、エンコードされたデジタルビデオシーケンスのフレームは、予測エラー値のブロックに変換符号化を1回行うことで、予測エラー値の変換係数値のセットを生成し、その後、量子化された変換係数値のセットを与えることがいえる。 これらを比較すると、読み替えられた構成F11’〜F22’の記載は、願書に添付した明細書の記載とは、予測エラー値ブロックに変換符号化を行う回数について整合しないことがいえる。 また、請求項1には、 「【請求項1】 デジタルビデオシーケンスを表すエンコードされたビデオビットストリームを生成するビデオ符号化用途に用いられる、デジタルビデオシーケンスをエンコードする方法において、 デジタルビデオシーケンスは、多数のフレームを含み、前記シーケンスの各フレームは複数のブロックに分割されたピクセルの配列を含み、各ブロックは一定数の前記ピクセルを含む方法であって、 予測エラー値の対応するブロックを生成するために、動き補償予測をピクセルのブロックに適用することにより、デジタルビデオシーケンスのフレームをエンコードするステップと、 予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、予測エラー値の前記ブロックに変換符号化手法を適用するステップと、 変換係数値のセットを量子化するために、デジタルビデオシーケンスのエンコードにおいて用いられる量子化のデフォルトレベルを定義するステップと、 量子化のデフォルトレベルの指標を前記デジタルビデオシーケンスを表すエンコードされたビットストリーム中で提供するステップと、 を含む方法。」 という記載がある。 これに対して、明細書の【0049】には「本発明の第1の局面によれば、デジタルビデオシーケンスをエンコードする方法が提供され、この方法は、ビデオ符号化用途に適用されて、デジタルビデオシーケンスを表すエンコードされたビデオビットストリームを生成する。このデジタルビデオシーケンスは、多数のフレームを含んでおり、ピクセルの配列を含むシーケンスの各フレームは複数のブロックに分割され、各ブロックは一定数のピクセルを含む。この方法は、動き補償予測をピクセルのブロックに適用することによりデジタルビデオシーケンスのフレームをエンコードするステップを含み、それにより、予測エラー値の対応するブロックを生成する。予測エラー値のブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、変換符号化手法が予測エラー値のブロックに適用され、量子化された変換係数値のセットを与えるために、量子化のレベルが変換係数値のセットに適用される。」という記載がある。 この記載は、請求項1の記載と整合し、請求項1、明細書の【0049】いずれの記載も、エンコードされたデジタルビデオシーケンスのフレームは、予測エラー値のブロックに変換符号化を1回行うことで、予測エラー値の変換係数値のセットを生成し、その後量子化された変換係数値のセットを与えることを示している。 上記記載を総合すると、訂正事項20は、訂正前の請求項24の構成F12’に含まれる「変化符号化」という誤記、及び単にこの誤記を「変換符号化」と読み替えることにより、読み替えた後の請求項24の構成F11’〜F22’において生じる「予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、予測エラー値の前記ブロックに変換符号化手法を適用するステップ」を2回行った後に、構成F31’の「量子化された変換係数の値のセットを与える」という事項が、請求項1の記載や願書に添付した明細書の記載の事項と整合していないことを総合的に正すことを目的とする訂正であり、特許法第126条第3項の明瞭でない記載の釈明を目的とする訂正である。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正後の請求項24の記載は、明細書の【0077】の、「デジタルビデオシーケンスのフレームは、予測エラー値の対応するブロックを生成するために動き補償予測をピクセルのブロックに適用し、予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために変換符号化手法を予測エラー値のブロックに適用し、予測エラー値のブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、量子化のレベルを変換係数値のセットに適用することによりエンコードされる。」との記載に合致する。 したがって、訂正事項20は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項20はカテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (21)訂正事項21 ア 訂正の目的について 訂正事項21は、請求項中の記載の整合性を向上させるための訂正である。 訂正事項18,19により訂正された請求項24には、構成C’の「複数のブロック」と、訂正事項19により構成E’の後ろに追加された「ピクセルのブロック」及び「予測エラー値のブロック」(構成f0’)と、「ブロック」を含む語句が3つあるので、訂正前の構成F21’、F22’、F31’の「予測エラー値の前記ブロック」との記載では、この記載中の「前記ブロック」が、上記3つの「ブロック」のどれを指すのかについて、疑義が生じる可能性がある。 そこで、訂正事項21は、構成F21’〜F31’の「予測エラー値の前記ブロック」が、訂正事項19により構成E’の後ろに追加された「予測エラー値のブロック」(構成f0’)であることを明らかにするために、「前記予測エラー値のブロック」に訂正することにより、そのような疑義が生じないようにするものである。 よって、訂正事項21は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項21は、請求項24中の記載の整合性を向上させるための訂正であり、訂正事項19により構成E’の後ろに追加された「予測エラー値ブロック」(構成f0’)の根拠となる記載と関連する、明細書の【0077】の「予測エラー値の対応するブロックを生成するために動き補償予測をピクセルのブロックに適用し、予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために変換符号化手法を予測エラー値のブロックに適用し、予測エラー値のブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、量子化のレベルを変換係数値のセットに適用する」という記載に基づくものである。 したがって、訂正事項21は、解釈に疑義が生じないようにするための表現の微調整に過ぎない訂正であるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 訂正事項21は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (22)訂正事項22 ア 訂正の目的について 訂正事項22は、請求項24中の記載の整合性を向上させるための訂正である。 請求項24には、訂正事項21により訂正された構成f21’の「前記予測エラー値のブロックを表す変換係数値のセット」と、構成f31’の「量子化された変換係数値のセット」と、「セット」を含む語旬が2つあるので、訂正前の構成F32’の「変換係数値の前記セット」との記載では、この記載中の「前記セット」が、上記2つの「セット」のどちらを指すのかについて、疑義が生じる可能性がある。 この点につき、明細書の【0077】には「予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために変換符号化手法を予測エラー値のブロックに適用し、予測エラー値のブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、量子化のレベルを変換係数値のセットに適用する」という記載がある。 すなわち、量子化のレベルを変換係数値のセットに適用するのであれば、当該量子化レベルが適用される「変換係数値のセット」は量子化のレベルが変換される前の変換係数値のセットであり、「量子化された変換係数値のセット」ではないことは明らかである。 そこで、訂正事項22は、構成F32’の「変換係数値の前記セット」が訂正事項21により訂正された構成f21’の「前記予測エラー値のブロックを表す変換係数値のセット」であることを明らかにするために、「前記変換係数値のセット」に訂正することで、そのような疑義が生じないようにするものである。 よって、訂正事項22は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項22は、明細書の【0077】の「予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために変換符号化手法を予測エラー値のブロックに適用し、予測エラー値のブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、量子化のレベルを変換係数値のセットに適用する」という記載にサポートされている。 したがって、訂正事項22は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項22は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (23)訂正事項23 ア 訂正の目的について 訂正事項23は、請求項24中の記載の整合性を向上させるための訂正であり、訂正前の請求項24の構成G’、H1’、H2’の「エンコードされたデジタルビデオシーケンス」が、その前に構成A’として特定される「エンコードされたデジタルビデオシーケンス」を指すことを明確にするための訂正である。 よって、訂正事項23は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項23は、請求項24中の記載の整合性を向上させるための訂正であって、請求項24の記載自体に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項23は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項23は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (24)訂正事項24 ア 訂正の目的について 訂正事項24は、請求項24中の記載の整合性を向上させるための訂正であり、請求項24の構成H1’、I’の「エンコードされたビットストリーム」が、その前に構成G’において特定される「エンコードされたビットストリーム」を指すことを明確にするための訂正である。 よって、訂正事項24は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項24は、請求項24中の記載の整合性を向上させるための訂正であり、請求項24の記載自体に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項24は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項24は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (25)訂正事項25 ア 訂正の目的について 訂正事項25は、請求項24中の記載の明確性を向上させるための訂正であり、訂正前の構成H1’の「取り出すための手段」、構成H2’の「選択するための手段」を、それぞれ「取り出す手段」、「選択する手段」に変更することにより、「手段」の内容をより明確に特定することが目的の訂正である。 よって、訂正事項25は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項25は、請求項24中の記載の明確性を向上させるための訂正であって、請求項24の記載自体に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項25は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項25は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (26)訂正事項26 ア 訂正の目的について 訂正事項26は、請求項24中の記載の整合性を向上させるための訂正であり、請求項24の構成H2’に記載の「量子化された変換係数値のセット」が、その前に構成F31’として特定される「量子化された変換係数値のセット」を指すことを明確にするための訂正である。 よって、訂正事項26は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項26は、請求項24中の記載の整合性を向上させるための訂正であり、請求項24の記載自体に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項26は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項26は、請求項中の記載の整合性を向上させるための訂正であって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (27)訂正事項27 ア 訂正の目的について 訂正事項27は、請求項24中の記載を簡潔にしつつ整合性を向上させるための訂正であって、構成I’の「量子化の前記レベルの指標」における「指標」という語句の前に「前記」を付加し、「量子化の前記レベルの」という記載を削除することで、記載を簡潔にするとともに、この「指標」が、その前に構成G’として特定される「量子化の前記レベルの指標」を指すことを、明確化するためのものである。 よって、訂正事項27は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項27は、請求項24中の記載を簡潔にしつつ整合性を向上させるための訂正であり、請求項24の記載自体に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項27は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項27は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (28)訂正事項28 ア 訂正の目的について 訂正事項28は、請求項25と、その引用先請求項である請求項24との間で記載の整合性を向上させるための訂正である。 訂正前の請求項25の構成J’の「量子化された変換係数値の前記セットを与えるステップ」に対応する請求項24の発明特定事項は、量子化された変換係数値のセットを与えることに関する事項であり、訂正前の構成F31’、F32’を訂正事項21、22により訂正した構成であって、「前記予測エラー値のブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、前記変換係数値のセットに量子化のレベルを適用するステップ」(構成f31’、f32’)である。 ところが、請求項24における上記ステップは「(前記変換係数値のセットに)量子化のレベルを適用するステップ」であるのに対して、請求項25では「量子化された変換係数値の前記セットを与えるステップ」と特定されており、両者の記載は整合しない。 そこで、これを統一して明確性を向上させることが、訂正事項28の目的である。 よって、訂正事項28は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項28は、請求項25と、その引用先請求項である請求項24との間で記載の整合性を向上させるための訂正であり、請求項24及び25の記載自体に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項28は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項28は、請求項間の記載の整合性を向上させるための訂正であって、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 (29)訂正事項29 ア 訂正の目的について 訂正事項29は、請求項25と、その引用先請求項である請求項24との間で記載の整合性を向上させるための訂正であって、構成K’の「逆量子化のデフォルトレベル」との語句の前に「前記」を付加することで、この「逆量子化のデフォルトレベル」が、その前に構成H2’として記載される「逆量子化のデフォルトレベル」を指すことを、明確化するための訂正である。 よって、訂正事項29は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の存否及び特許請求の範囲の拡張又は変更の存否について 訂正事項29は、請求項25と、その引用先請求項である請求項24との間で記載の整合性を向上させるための訂正であるから、請求項24及び25の記載自体に基づいて導き出される事項である。 したがって、訂正事項29は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。 また、訂正事項29は、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項に適合するものである。 5 独立特許要件について 訂正事項4、19は、上記のとおり、特許請求の範囲を減縮するものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 そして、訂正事項4、19に係る訂正後の請求項22及び請求項24、請求項22を引用する請求項23、請求項24を引用する請求項25〜27について、それらの請求項に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができない理由を発見しない。 したがって、訂正事項4、19は、特許法第126条第7項の規定に適合する。 第4 むすび 以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」及び第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とし、かつ、同法同条第3項、第5項ないし第7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 デジタルビデオシーケンスを表すエンコードされたビデオビットストリームを生成するビデオ符号化用途に用いられる、デジタルビデオシーケンスをエンコードする方法において、 デジタルビデオシーケンスは、多数のフレームを含み、前記シーケンスの各フレームは複数のブロックに分割されたピクセルの配列を含み、各ブロックは一定数の前記ピクセルを含む方法であって、 予測エラー値の対応するブロックを生成するために、動き補償予測をピクセルのブロックに適用することにより、デジタルビデオシーケンスのフレームをエンコードするステップと、 予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、予測エラー値の前記ブロックに変換符号化手法を適用するステップと、 変換係数値のセットを量子化するために、デジタルビデオシーケンスのエンコードにおいて用いられる量子化のデフォルトレベルを定義するステップと、 量子化のデフォルトレベルの指標を前記デジタルビデオシーケンスを表すエンコードされたビットストリーム中で提供するステップと、 を含む方法。 【請求項2】 量子化のデフォルトレベルの前記指標は、デジタルビデオシーケンスを表すエンコードされたビットストリーム中で提供される、請求項1に記載のエンコード方法。 【請求項3】 エンコードされたビットストリームはビデオエンコード装置から対応するビデオデコード装置に伝送される、請求項2に記載のエンコード方法。 【請求項4】 デジタルビデオシーケンスのエンコードの間に量子化のデフォルトレベルが更新され、 量子化の更新されたデフォルトレベルの指標をビットストリーム中に提供するステップをさらに含む、請求項1に記載のエンコード方法。 【請求項5】 量子化のデフォルトレベルと異なる量子化の実際のレベルに基づいて予測エラー値の前記ブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、変換係数値の前記セットが量子化される、請求項1に記載のエンコード方法。 【請求項6】 量子化の前記実際のレベルと量子化のデフォルトレベルとの差分の指標を前記ビットストリーム中に提供するステップをさらに含む、請求項5に記載のエンコード方法。 【請求項7】 量子化の前記実際のレベルは、デジタルビデオシーケンスの特定のフレームについての変換係数のセットに適用される量子化の実際のレベルが量子化のデフォルトレベルと異なるように、デジタルビデオシーケンスの1つのフレームから別のフレームにかけて調整される、請求項5に記載のエンコード方法。 【請求項8】 量子化の前記実際のレベルと量子化のデフォルトレベルとの差分の指標を前記ビットストリーム中で提供するステップを更に含む、請求項7に記載のエンコード方法。 【請求項9】 前記デジタルビデオシーケンスのフレームが分割されるピクセルの複数のブロックは、1つ以上のセグメントにグループ化され、 変換係数値の前記セットに適用される量子化のレベルは、フレームの特定のセグメントについての変換計数のセットに適用される量子化の実際のレベルが量子化のデフォルトレベルと異なるようにフレームの1つのセグメントから別のセグメントにかけて調整される、請求項5に記載のエンコード方法。 【請求項10】 量子化の前記実際のレベルと量子化のデフォルトレベルとの差分の指標を前記ビットストリーム中で提供するステップをさらに含む、請求項9に記載のエンコード方法。 【請求項11】 デジタルビデオシーケンスをエンコードしてそのデジタルビデオシーケンスを表すエンコードされたビデオビットストリームを生成するためのビデオエンコーダにおいて、 前記デジタルビデオシーケンスは、多数のフレームを含み、 前記シーケンスの各フレームは複数のブロックに分割されたピクセルの配列を含み、 各ブロックは一定数の前記ピクセルを含む、ビデオエンコーダであって、 予測エラー値の対応するブロックを提供するために、動き補償予測をピクセルのブロックに適用することにより、デジタルビデオシーケンスのフレームをエンコードするための手段と、 予測エラー値の前記ブロックを表す変換係数値のセットを提供するために、予測エラー値の前記ブロックを変換するための手段と、 変換係数値の前記セットを量子化するために、量子化のデフォルトレベルを選択するための手段と、 量子化の前記デフォルトレベルの指標を、デジタルビデオシーケンスを表すエンコードされたビットストリーム中で提供するための手段と、を備えるビデオエンコーダ。 【請求項12】 量子化のデフォルトレベルと異なる量子化の実際のレベルに基づいて、予測エラー値の前記ブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、変換係数値の前記セットが量子化される、請求項11に記載のビデオエンコーダ。 【請求項13】 量子化の前記実際のレベルとエンコードされたビットストリーム中の量子化のデフォルトレベルとの差分の指標を提供するようになっている、請求項12に記載のビデオエンコーダ。 【請求項14】 量子化のデフォルトレベルが更新でき、 ビデオエンコーダは、量子化の更新されたデフォルトレベルの指標を、エンコードされたビットストリーム中で提供するようになっている、請求項11に記載のビデオエンコーダ。 【請求項15】 量子化のデフォルトレベルと異なる量子化の実際のレベルに基づいて、予測エラー値の前記ブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、変換係数値の前記セットが量子化される、請求項11に記載のビデオエンコーダ。 【請求項16】 変換係数値の前記セットに適用される量子化の前記実際のレベルは、デジタルビデオシーケンスの特定のフレームについての変換計数のセットに量子化の実際のレベルを適用するために調整でき、 量子化の前記実際のレベルは量子化のデフォルトレベルと異なる、請求項12に記載のビデオエンコーダ。 【請求項17】 デジタルビデオシーケンスを表すエンコードされたビットストリーム中に、量子化のデフォルトレベルを基準とした前記差分の指標を提供するようになっている、請求項16に記載のビデオエンコーダ。 【請求項18】 前記デジタルビデオシーケンスのフレームが分割される複数のブロックを1つ以上のセグメントにグループ化するようになっており、 フレームの特定のセグメントについての変換係数のセットに量子化の実際のレベルの適用するために、変換係数値の前記セットに適用される量子化のレベルをフレームの1つのセグメントから別のセグメントにかけて調整するようになっている、ビデオエンコーダであって、 量子化の前記実際のレベルが量子化のデフォルトレベルと異なっており、 前記ビデオエンコーダは、特定のセグメントにおいて用いられる量子化の実際のレベルを量子化のデフォルトレベルを基準とした差分として表すようになっている、請求項12に記載のビデオエンコーダ。 【請求項19】 さらに、デジタルビデオシーケンスを表すエンコードされたビットストリーム中の量子化のデフォルトレベルを基準とした前記差分の指標を提供するようになっている、請求項18に記載のビデオエンコーダ。 【請求項20】 マルチメディア端末中に設けられる、請求項11に記載のビデオエンコーダ。 【請求項21】 無線通信装置中に設けられる、請求項11に記載のビデオエンコーダ。 【請求項22】 ビデオデコード用途に用いられる、エンコードされたデジタルビデオシーケンスをデコードする方法において、 前記デジタルビデオシーケンスは、複数のフレームを含み、 前記デジタルビデオシーケンスの前記複数のフレームの各々は複数のブロックに分割されたピクセルの配列を含み、前記複数のブロックの各々は一定数の前記ピクセルを含み、 前記デジタルビデオシーケンスのフレームは、 ピクセルのブロックに動き補償予測を適用し、対応する予測エラー値のブロックを生成するステップと、 前記予測エラー値のブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、前記予測エラー値のブロックに変換符号化手法を適用するステップと、 前記予測エラー値のブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、前記変換係数値のセットに量子化のレベルを適用するステップと、 によりエンコードされ、 量子化の前記レベルの指標は、前記エンコードされたデジタルビデオシーケンスを含むエンコードされたビットストリーム中で提供され、 前記ビデオデコード用途は、デコードされたデジタルビデオシーケンスを生成する、デコード方法であって、 前記量子化された変換係数値のセットを逆量子化するために、前記エンコードされたデジタルビデオシーケンスのデコードにおいて用いられる逆量子化のデフォルトレベルを選択するステップを含み、 前記逆量子化のデフォルトレベルは、前記エンコードされたビットストリーム中で提供される前記指標に基づいて選択される、方法。 【請求項23】 量子化の前記レベルは、前記量子化のレベルを適用するステップにおいて更新され、 前記方法は、量子化の更新されたレベルに応答して前記逆量子化のデフォルトレベルを更新するステップを更に含む、請求項22に記載の方法。 【請求項24】 エンコードされたデジタルビデオシーケンスをデコードするためのビデオデコーダであって、 前記デジタルビデオシーケンスは、複数のフレームを含み、 前記デジタルビデオシーケンスの前記複数のフレームの各々は複数のブロックに分割されたピクセルの配列を含み、 前記複数のブロックの各々は一定数の前記ピクセルを含み、 前記デジタルビデオシーケンスのフレームは、 ピクセルのブロックに動き補償予測を適用し、対応する予測エラー値のブロックを生成するステップと、 前記予測エラー値のブロックを表す変換係数値のセットを生成するために、前記予測エラー値のブロックに変換符号化手法を適用するステップと、 前記予測エラー値のブロックを表す量子化された変換係数値のセットを与えるために、前記変換係数値のセットに量子化のレベルを適用するステップと、によりエンコードされ、 量子化の前記レベルの指標は、前記エンコードされたデジタルビデオシーケンスを含むエンコードされたビットストリーム中で提供され、 前記ビデオデコーダは、デコードされたデジタルビデオシーケンスを生成し、前記ビデオデコーダは、 前記エンコードされたビットストリームから、前記エンコードされたデジタルビデオシーケンスを取り出す手段と、 前記量子化された変換係数値のセットを逆量子化するために、前記エンコードされたデジタルビデオシーケンスのデコードにおいて用いられる逆量子化のデフォルトレベルを選択する手段と、を備え、 逆量子化の前記デフォルトレベルは、前記エンコードされたビットストリーム中で提供される前記指標に基づいて選択される、ビデオデコーダ。 【請求項25】 量子化の前記レベルは、前記量子化のレベルを適用するステップにおいて更新され、 前記ビデオデコーダは、量子化の更新されたレベルに応答して前記逆量子化のデフォルトレベルを更新するために構成される、請求項24に記載のビデオデコーダ。 【請求項26】 マルチメディア端末中に設けられる、請求項24に記載のビデオデコーダ。 【請求項27】 無線通信装置中に設けられる、請求項24に記載のビデオデコーダ。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2021-09-17 |
結審通知日 | 2021-09-24 |
審決日 | 2021-10-11 |
出願番号 | P2004-500513 |
審決分類 |
P
1
41・
854-
Y
(H04N)
P 1 41・ 853- Y (H04N) |
最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
清水 正一 |
特許庁審判官 |
樫本 剛 川崎 優 |
登録日 | 2010-08-20 |
登録番号 | 4571489 |
発明の名称 | ビデオ符号化システムにおける量子化器パラメータを表示するための方法および装置 |
代理人 | 川守田 光紀 |
代理人 | 川守田 光紀 |