• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1383026
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-04-16 
確定日 2022-02-24 
事件の表示 特願2019−19010号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成31年4月25日出願公開、特開2019−63668号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯の概要
本願は、平成26年4月21日に出願した特願2014−87226号の一部を平成31年2月5日に新たな特許出願(特願2019−19010号)としたものであって、令和1年12月5日付けで拒絶の理由が通知され、令和2年2月14日に意見書及び手続補正書が提出され、同年6月19日付けで最後の拒絶の理由が通知され、同年8月27日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、令和3年1月7日付け(送達日:同年同月19日)で、令和2年8月27日付け手続補正が却下されるとともに拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、それに対して、令和3年4月16日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 令和3年4月16日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年4月16日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 補正の内容
本件補正により、令和2年2月14日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1、2のうち、請求項1における
「【請求項1】
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
表示部を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を行う先特定手段と、
前記先特定処理の結果が所定結果であった場合、当該先特定処理の対象となった特別情報に対応する遊技回の実行前に特別報知を行う特別報知手段と
を備え、
前記特別報知の報知態様には、当該特別報知の契機となった特別情報が明示されるようにして行われる第1報知態様と、当該特別報知の契機となった特別情報が明示されないようにして行われる第2報知態様とが設定されており、
前記特別報知の実行中において当該特別報知の契機となった特別情報より後に記憶される後の特別情報について前記先特定手段による先特定処理の結果が所定結果となった場合に前記後の特別情報について前記第2報知態様の特別報知を実行する手段を備えていることを特徴とする遊技機。」は、
審判請求時に提出された手続補正書(令和3年4月16日付け)の特許請求の範囲の請求項1における
「【請求項1】
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
表示部を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を行う先特定手段と、
前記先特定処理の結果が所定結果であった場合、当該先特定処理の対象となった特別情報に対応する遊技回の実行前に特別報知を行う特別報知手段と
を備え、
前記特別報知手段は、特別報知の契機となった特別情報が明示される第1報知態様の特別報知を実行する第1手段と、特別報知の契機となった特別情報が明示されない第2報知態様の特別報知を実行する第2手段とを備え、1の特別情報を契機として前記第1手段による前記第1報知態様の特別報知と前記第2手段による前記第2報知態様の特別報知とを実行することが可能となっており、
特別報知の実行中において当該特別報知の契機となった特別情報より後に記憶される後の特別情報について前記先特定手段による先特定処理の結果が所定結果となった場合に前記後の特別情報について前記第1報知態様の特別報知の実行を規制することを可能とする手段と、
特別報知の実行中において前記後の特別情報について前記先特定手段による先特定処理の結果が所定結果となった場合に前記後の特別情報について前記第2報知態様の特別報知の実行を許容することを可能とする手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。」に補正された(下線は、補正箇所を明示するために合議体にて付した。)。

2 補正の適否
2−1 補正の目的及び新規事項について
本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「特別報知」に関して、「前記特別報知の報知態様には、当該特別報知の契機となった特別情報が明示されるようにして行われる第1報知態様と、当該特別報知の契機となった特別情報が明示されないようにして行われる第2報知態様とが設定されており、」とあったものを「前記特別報知手段は、特別報知の契機となった特別情報が明示される第1報知態様の特別報知を実行する第1手段と、特別報知の契機となった特別情報が明示されない第2報知態様の特別報知を実行する第2手段とを備え、1の特別情報を契機として前記第1手段による前記第1報知態様の特別報知と前記第2手段による前記第2報知態様の特別報知とを実行することが可能となっており」と限定するとともに、
同じく「特別報知」に関して、本件補正前に「前記特別報知の実行中において当該特別報知の契機となった特別情報より後に記憶される後の特別情報について前記先特定手段による先特定処理の結果が所定結果となった場合に前記後の特別情報について前記第2報知態様の特別報知を実行する手段を備えている」とあったものを「特別報知の実行中において当該特別報知の契機となった特別情報より後に記憶される後の特別情報について前記先特定手段による先特定処理の結果が所定結果となった場合に前記後の特別情報について前記第1報知態様の特別報知の実行を規制することを可能とする手段と、
特別報知の実行中において前記後の特別情報について前記先特定手段による先特定処理の結果が所定結果となった場合に前記後の特別情報について前記第2報知態様の特別報知の実行を許容することを可能とする手段と、
を備えている」と限定することを含むものである。

そして、補正後の請求項1に係る発明は、補正前の請求項1に係る発明と、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、本件補正のうち特許請求の範囲の請求項1についてする補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とする補正に該当する。
また、本件補正は、願書に最初に添付した明細書の段落【0265】〜【0267】、【0274】〜【0275】、【0288】、【0336】、【0373】、【0604】等の記載からみて、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

2−2 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるか否か、すなわち、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか否かについて、以下に検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、次のとおりのものであると認める(記号A〜Lは、分説するため当審判合議体にて付した。)。
「A 予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
B 前記情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段と、
C 前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段と、
D 前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
E 表示部を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段と、
F 前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段と、
G 前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を行う先特定手段と、
H 前記先特定処理の結果が所定結果であった場合、当該先特定処理の対象となった特別情報に対応する遊技回の実行前に特別報知を行う特別報知手段と
を備え、
I 前記特別報知手段は、特別報知の契機となった特別情報が明示される第1報知態様の特別報知を実行する第1手段と、特別報知の契機となった特別情報が明示されない第2報知態様の特別報知を実行する第2手段とを備え、1の特別情報を契機として前記第1手段による前記第1報知態様の特別報知と前記第2手段による前記第2報知態様の特別報知とを実行することが可能となっており、
J 特別報知の実行中において当該特別報知の契機となった特別情報より後に記憶される後の特別情報について前記先特定手段による先特定処理の結果が所定結果となった場合に前記後の特別情報について前記第1報知態様の特別報知の実行を規制することを可能とする手段と、
K 特別報知の実行中において前記後の特別情報について前記先特定手段による先特定処理の結果が所定結果となった場合に前記後の特別情報について前記第2報知態様の特別報知の実行を許容することを可能とする手段と、
を備えている
L ことを特徴とする遊技機。」

(2)引用発明
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開2012−213567号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審判合議体にて付した。以下同じ。)。
ア 「【0016】
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出実行手段としての演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数の図柄列(本実施形態では3列)を変動表示させて行う図柄変動ゲーム(以下、「変動ゲーム」と示す)を含み、該変動ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。なお、演出表示装置11の変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄、以下、「飾図」と示す)を用いて行われる。
【0017】
また、演出表示装置11の右下には、複数個(本実施形態では7個)の第1特図発光部を有する第1特別図柄表示装置12aが、演出表示装置11の左下には、複数個(本実施形態では7個)の第2特図発光部を有する第2特別図柄表示装置12bが、それぞれ配設されている。第1特別図柄表示装置12a又は第2特別図柄表示装置12bでは、特別図柄(以下、「特図」と示す)を変動させて表示する変動ゲームが行われる。特図は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果、小当りか否かの内部抽選(小当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。本実施形態において、変動ゲームは、各表示装置12a,12bにおいて、特図の変動表示が開始されてから確定停止表示される迄を1回として実行される。以下、第1特別図柄表示装置12aで行われる変動ゲームを「第1変動ゲーム(第1図柄変動ゲーム)」と示すことがあり、第2特別図柄表示装置12bで行われる変動ゲームを「第2変動ゲーム(第2図柄変動ゲーム)」と示すことがある。
・・・
【0020】
そして、演出表示装置11には、各表示装置12a,12bの表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的には、第1特別図柄表示装置12a又は第2特別図柄表示装置12bに大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、原則として、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図による大当り図柄としては、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせである(例えば、[222][777]など)。」

イ 「【0051】
次に、パチンコ遊技機の制御構成について図3を参照して説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機の機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が配設されている。主制御手段としての主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と表示制御基板32とが配設されている。演出制御手段としての統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、表示制御基板32を制御する。演出制御手段としての表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示装置11の表示態様(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの表示画像など)を制御する。
【0052】
ここで、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32の具体的構成について以下に説明する。
まず、主制御基板30について図3を参照して以下に説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1?SW4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、第1特別図柄表示装置12a、第2特別図柄表示装置12b、第1特別図柄保留表示装置13a、第2特別図柄保留表示装置13b、普通図柄表示装置20、普通電動役物ソレノイドSOL1、及び大入賞口ソレノイドSOL2が接続されている。
【0053】
また、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、特図振分乱数、リーチ判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数の値などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)及び小当り抽選(小当り判定)で用いる乱数である。特図振分乱数は、大当り図柄となる特図の決定で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチを形成するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。変動パターン振分用乱数は、変動ゲームにおける変動パターンを決定するための乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。例えば、主制御用RAM30cには、普図ゲームにおいて普通当りとなるか否かを判定する場合に用いる普通当り判定用乱数が記憶されている。
・・・
【0055】
また、主制御用ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、変動ゲームが開始してから変動ゲームが終了するまでの間の演出(遊技演出)のベースとなるパターンであって、変動ゲームの変動内容(演出内容)及び変動時間(演出時間)を特定(指定)し得る。本実施形態において、複数種類の変動パターンは、大当り変動用の変動パターン、確変示唆変動用の変動パターン、はずれリーチ変動用の変動パターン、及びはずれ変動用の変動パターンに概ね分類できる。大当り変動は、16R大当り遊技、特定8R大当り遊技が付与されると決定された場合に行われる変動であり、演出表示装置11では、リーチ演出を経て、変動ゲームが最終的に大当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。確変示唆変動は、非特定8R大当り遊技又は小当り遊技が付与されると決定された場合に行われる変動であり、演出表示装置11では、リーチ演出を経て、変動ゲームが最終的に大当り図柄又は小当り図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。はずれリーチ変動は、大当り遊技が付与されないと決定された場合に行われる変動であり、演出表示装置11では、リーチ演出を経て、変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。はずれ変動は、大当り遊技が付与されないと決定された場合に行われる変動であり、演出表示装置11では、リーチ演出を経ないで、変動ゲームが最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出が実行される。
・・・
【0057】
次に、統括制御基板31について図3を参照して以下に説明する。
統括制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する統括制御用CPU31aと、統括制御用CPU31aの統括制御プログラムを格納する統括制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM31cが設けられている。統括制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、統括制御用CPU31aには、表示制御基板32が接続されている。統括制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、統括制御プログラムに基づいて各種制御を実行する。
【0058】
次に、表示制御基板32について図3を参照して以下に説明する。
表示制御基板32には、表示制御動作を所定の手順で実行する表示制御用CPU32aと、表示制御用CPU32aの表示制御プログラムを格納する表示制御用ROM32bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM32cが設けられている。表示制御用ROM32bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。表示制御用RAM32cには、パチンコ遊技機の表示動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、表示制御用CPU32aには、演出表示装置11が接続されている。表示制御用CPU32aは、各種制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づいて各種制御を実行する。」

ウ 「【0074】
まず、特別図柄入力処理について以下に説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、第1始動口スイッチSW1から検知信号を入力しているか否かに基づいて、第1始動入賞口14に遊技球が入賞したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。第1保留記憶数が「4」未満である場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を「1」加算する。第1保留記憶数を更新(「1」加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の第1保留記憶数を表示するように第1特別図柄保留表示装置13aの表示内容を制御する。次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値(本実施形態では、当り判定用乱数、特図振分乱数、リーチ判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数の値など)を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を第1保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。また、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を指定する保留指定コマンドを統括制御基板31に出力する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0075】
その一方で、第1始動入賞口14に遊技球が入賞しない場合、又は第1始動入賞口14に遊技球が入賞したが第1保留記憶数が「4」未満でない場合、主制御用CPU30aは、第2始動口スイッチSW2から検知信号を入力しているか否かに基づいて、第2始動入賞口15に遊技球が入賞したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数が上限数の「4」未満であるか否かを判定する。第2保留記憶数が「4」未満でない場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。その一方で、第2保留記憶数が「4」未満である場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を「1」加算する。第2保留記憶数を更新(「1」加算)した主制御用CPU30aは、更新後(加算後)の第2保留記憶数を表示するように第2特別図柄保留表示装置13bの表示内容を制御する。次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値(本実施形態では、当り判定用乱数、特図振分乱数、リーチ判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数の値など)を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を第2保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。また、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を指定する保留指定コマンドを統括制御基板31に出力する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
・・・
【0077】
その一方で、この判定結果が否定(変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する第2保留判定処理を実行する。第2保留記憶数が「1」以上の場合、第2保留記憶数を「1」減算し、更新後(減算後)の第2保留記憶数を表示するように第2特別図柄保留表示装置13bの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を指定する保留指定コマンドを統括制御基板31に出力する。そして、主制御用CPU30aは、第2大当り判定処理を実行する。
【0078】
その一方で、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数が「0」である場合、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する第1保留判定処理を実行する。第1保留記憶数が「1」以上の場合、第1保留記憶数を「1」減算し、更新後(減算後)の第1保留記憶数を表示するように第1特別図柄保留表示装置13aの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を指定する保留指定コマンドを統括制御基板31に出力する。そして、主制御用CPU30aは、第1大当り判定処理を実行する。
・・・
【0080】
第1大当り判定処理において、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値を読み出す。続いて、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定をする。なお、本実施形態において、主制御用CPU30aは、変動ゲーム(第1変動ゲーム及び第2変動ゲーム)の大当りの当選確率を、非確変状態では低確率状態(本実施形態では、212/65536)で、確変状態では高確率状態(本実施形態では、1695/65536)で大当り判定を行うこととなる。
【0081】
この大当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当りとなる変動ゲームであることを示す大当りフラグに「1」を設定し、大当りとなる変動ゲームを実行させるための第1大当り時変動処理を実行する。第1大当り時変動処理において主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられた特図振分乱数の値を主制御用RAM30cから読み出し、該特図振分乱数の値に基づいて、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特図(最終停止図柄)として大当り図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、決定した大当り図柄から大当り遊技の種類を特定し、第1保留記憶数に対応付けられた変動パターン振分用乱数の値に基づいて、その大当り遊技の種類に対応する変動パターンを決定する。具体的には、主制御用CPU30aは、大当り遊技の種類が16R大当り遊技又は特定8R大当り遊技であると特定した場合、大当り変動用の変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その一方で、主制御用CPU30aは、非特定8R大当り遊技であると特定した場合、確変示唆変動用の変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0082】
その一方で、上記大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値と小当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの小当り判定をする。なお、本実施形態において、主制御用CPU30aは、変動ゲームの小当り確率を、確変状態であるか否かに拘わらず、所定の確率(本実施形態では、327/65536)で、小当り判定を行うこととなる。
【0083】
この小当り判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、小当りとなる変動ゲームであることを示す小当りフラグに「1」を設定し、小当りとなる変動ゲームを実行させるための第1小当り時変動処理を実行する。第1小当り時変動処理において主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられた特図振分乱数の値を主制御用RAM30cから読み出し、該特図振分乱数の値に基づいて、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特図として小当り図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられた変動パターン振分用乱数の値に基づいて、確変示唆変動用の変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0084】
その一方で、上記小当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値が大当り又は小当りとなる値ではないことからはずれを特定する。このため、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられたリーチ判定用乱数の値を読み出すとともに、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かのリーチ判定を行う。なお、リーチ判定値としては、図5に示すように、確変状態や変短状態が付与されているか否か、減算後の合算保留記憶数によって異なる値が定められており、リーチ演出を実行させるか否かを決定する確率が異なる場合がある。
【0085】
このリーチ判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ判定に当選したことから、はずれリーチ変動となる変動ゲームを実行させるための第1リーチ時変動処理を実行する。第1リーチ時変動処理において主制御用CPU30aは、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定するとともに、第1保留記憶数に対応付けられた変動パターン振分用乱数の値に基づいて、はずれリーチ変動用の変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0086】
その一方で、リーチ判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ判定に当選しなかったことから、はずれ変動となる変動ゲームを実行させるための第1はずれ時変動処理を実行する。第1はずれ時変動処理において主制御用CPU30aは、第1特別図柄表示装置12aに確定停止表示させる特図としてはずれ図柄を決定する。続いて、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数に対応付けられた変動パターン振分用乱数の値に基づいて、はずれ変動用の変動パターンの中から何れかを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0087】
その一方で、第2大当り判定処理において、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値を読み出す。続いて、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定をする。」

エ 「【0093】
その後、特別図柄開始処理とは別の処理において、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理において決定した決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力する。具体的には、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図を指定する特図用の特図指定コマンドを変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図の確定停止表示に際して全図柄停止コマンドを統括制御基板31に出力する。なお、これら変動パターン指定コマンド、特図指定コマンド、全図柄停止コマンドは、実行する変動ゲームの種類(第1変動ゲーム、第2変動ゲーム)毎に規定されており、統括制御用CPU31aも、何れの変動ゲームが実行されているか特定可能である。
【0094】
このように、主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づいて特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、統括制御基板31の統括制御用CPU31aに対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。主制御用CPU30aは、変動ゲームが終了すると、オープニングコマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、ラウンドの開始毎にラウンドコマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、最後のラウンドのラウンド遊技が終了すると、インターバル時間の経過後にエンディングコマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、エンディング時間の経過後、大当りフラグに「0」を設定し(クリアし)、大当り遊技を終了させる。なお、主制御用CPU30aは、当りに当選した場合、大入賞口18を開放させるときに、開放信号を出力し、大入賞口18を閉鎖させるときに、閉鎖信号を出力する。
・・・
【0101】
また、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特図指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンド及び当該特図指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づいて、演出表示装置11に表示させる飾図を決定する。」

オ 「【0108】
次に、表示制御基板32の表示制御用CPU32aが表示制御プログラムに基づいて実行する各種処理について以下に説明する。
表示制御用CPU32aは、統括制御基板31(統括制御用CPU31a)から制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づいて、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、表示制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンで飾図を変動表示させて変動ゲームを開始させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU32aは、全図柄停止コマンドを入力すると、飾図柄指定コマンドで指定された飾図を確定停止表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。この制御により、演出表示装置11では変動ゲームが行われる。
・・・
【0110】
本実施形態では、先読み予告演出が実行される。先読み予告演出とは、該先読み予告演出の対象となる変動ゲーム(以下、「予告契機図柄変動ゲーム」と示す。)の実行が制御される前に、該変動ゲームの大当り期待度を示唆する予告演出であり、その予告契機図柄変動ゲームの始動保留球と対応付けて記憶された当り判定用乱数に基づいて実行される。また、本実施形態では、保留先読み予告演出(第1予告演出)、背景先読み予告演出(第2予告演出)の2種類の先読み予告演出がある。
【0111】
保留先読み予告演出とは、保留記憶数を示す保留画像を、通常時における青色とは異なる緑色、赤色の表示態様で表示させることによって、その保留記憶数に対応する変動ゲームおける大当り期待度を示唆する演出である。なお、本実施形態において、保留先読み予告演出は、予告契機図柄変動ゲームに対応する保留画像のみを通常時とは異なる表示態様で表示させ、それ以外の変動ゲームに対応する保留画像を通常時の表示態様で表示させる。その一方で、背景先読み予告演出とは、保留画像などを用いることなく、背景となる画像を変更させる演出である。つまり、保留先読み予告演出は、予告契機図柄変動ゲームを報知する演出であるが、背景画像先読み予告演出は、予告契機図柄変動ゲームを報知しない演出である。また、保留先読み予告演出は、その実行される演出の種類によって大当り期待度を示唆する演出であり、背景先読み予告演出は、連続して実行される図柄変動ゲームの回数によって大当り期待度を示唆する演出である。
【0112】
これら2種類の先読み予告演出は、第1始動入賞口14、又は第2始動入賞口15への遊技球の入賞に応じて実行される。特に、保留先読み予告演出は、図6(a)に示すように、第1始動入賞口14、又は第2始動入賞口15に遊技球が入賞されたときに実行が開始され、背景先読み予告演出では、図6(b)に示すように、第1始動入賞口14、又は第2始動入賞口15に遊技球が入賞された直後の変動ゲームが開始されるときに実行が開始される。言い換えると、背景先読み予告演出は、第1始動入賞口14、又は第2始動入賞口15に遊技球が入賞されたときに、既に実行が保留されていた変動ゲーム(保留図柄変動ゲーム)、又は予告契機図柄変動ゲームの開始を契機に実行される。
・・・
【0114】
このような連続予告演出について図7?図9を参照して以下に説明する。
演出表示装置11の画像表示部GHでは、変動ゲームが開始されると、図7(a)に示すように、左列、中列、右列の全列において図柄(飾図)が変動表示される。この場合において、第1始動入賞口14に遊技球が入賞したときには、図7(b)に示すように、画像表示部GHには、第1保留記憶数を示す1つの保留画像H1が表示される。また、変動ゲーム中に、再度、第1始動入賞口14に遊技球が入賞した場合には、第1保留記憶数が「2」となり、図7(c)に示すように、2つの保留画像H1,H2が表示される。また、飾図が確定停止表示されて、変動ゲームが終了した後には、図7(d)に示すように、飾図の変動表示が開始され、次の変動ゲーム(第1変動ゲーム)が開始されるが、第1保留記憶数が「2」から「1」となるように1つの保留画像H1が表示される。」

カ 「【0121】
ここで、主制御用CPU30aによって実行される事前判定処理について図10及び図11を参照して以下に説明する。この事前判定処理は、先読み予告演出を実行させるか否かを決定するための処理である。また、事前判定処理は、特別図柄入力処理の終了直後に実行され、特別図柄入力処理において第1始動入賞口14、又は第2始動入賞口15への入賞に伴って取得された各種の乱数を、該入賞に対応する変動ゲームの実行よりも前に(事前に)判定する処理である。主制御用CPU30aは、本処理を所定周期毎に実行するようになっている。なお、本実施形態では、以下に説明する各種処理を実行する主制御用CPU30aが事前判定手段として機能する。
・・・
【0125】
ステップS104において、主制御用CPU30aは、大当り時の先読みコマンドを決定し、主制御用RAM30cに記憶する。この処理において、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理において主制御用RAM30cに記憶された特図振分乱数の値に基づいて、大当りの種類を特定する。そして、事前判定の対象となる変動ゲームの種類(第1変動ゲーム)と、その入賞時における保留記憶数と、その大当りの種類とに対応する大当り時の先読みコマンドを決定することとなる。その後、主制御用CPU30aは、事前判定処理を終了する。
・・・
【0131】
ステップS106において、主制御用CPU30aは、小当り時の先読みコマンドを決定し、主制御用RAM30cに記憶する。この処理において、主制御用CPU30aは、事前判定の対象となる変動ゲームの種類と、その入賞時における保留記憶数とに対応する小当り時の先読みコマンドを決定することとなる。その後、主制御用CPU30aは、事前判定処理を終了する。
・・・
【0134】
ステップS108において、主制御用CPU30aは、はずれリーチ確定時の先読みコマンドを決定し、主制御用RAM30cに記憶する。この処理において、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理において主制御用RAM30cに記憶された変動パターン振分用乱数の値により、変動パターンを特定する。具体的には、図13に示すように、主制御用CPU30aは、変動パターン振分用乱数の値が「0」?「183」の場合には、NR演出が実行される変動パターンであると特定する。また、主制御用CPU30aは、変動パターン振分用乱数の値が「184」?「245」の場合には、SR1演出が実行される変動パターンであり、「246」?「250」の場合には、SR2演出が実行される変動パターンであると、それぞれ特定する。そして、主制御用CPU30aは、事前判定の対象となる変動ゲームの種類と、その入賞時における保留記憶数と、特定した変動パターンとに対応するはずれリーチ確定時の先読みコマンドを決定することとなる。その後、主制御用CPU30aは、事前判定処理を終了する。
・・・
【0137】
ステップS110において、主制御用CPU30aは、事前判定の対象となる変動ゲームの種類と、その入賞時における保留記憶数とに対応するはずれリーチ非確定時の先読みコマンドを決定し、主制御用RAM30cに記憶する。その後、主制御用CPU30aは、事前判定処理を終了する。」

キ 「【0151】
ここで、統括制御用CPU31aによって実行される保留記憶数制御処理について図14及び図15を参照して以下に説明する。この保留記憶数制御処理は、保留指定コマンドや先読みコマンドの入力に伴い、保留画像の表示制御を行うための処理である。統括制御用CPU31aは、保留記憶数制御処理を所定周期毎に実行するようになっている。なお、本実施形態では、以下に説明する各種処理を実行する統括制御用CPU31aが事前判定手段、演出制御手段として機能する。
【0152】
まず、図14に示すように、統括制御用CPU31aは、保留指定コマンドを入力したか否かを判定する(ステップS201)。この判定結果が否定の場合(保留指定コマンドを入力しない)、統括制御用CPU31aは、保留記憶数制御処理を終了する。その一方で、ステップS201の判定結果が肯定の場合(保留指定コマンドを入力した)、統括制御用CPU31aは、入力した保留指定コマンドに基づいて、保留記憶数が増加するか否かを判定する(ステップS202)。具体的には、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに記憶された現在の保留記憶数と、保留指定コマンドにより指定される保留記憶数とを比較して、保留記憶数が増加するか否かを判定することとなる。この判定結果が否定の場合(保留記憶数が増加する)、統括制御用CPU31aは、ステップS209に移行する。その一方で、ステップS202の判定結果が肯定の場合(保留記憶数が増加しない)、統括制御用CPU31aは、ステップS203に移行する。
・・・
【0154】
ステップS203において、統括制御用CPU31aは、先読みコマンドを入力したか否かを判定する。この判定結果が否定の場合(先読みコマンドを入力しない)、統括制御用CPU31aは、ステップS204?S207を実行することなく、入賞した保留記憶数を示す保留画像の表示態様を通常時(青色)として決定し(ステップS208)、図15のステップS211に移行する。具体的な一例としては、統括制御用CPU31aは、保留記憶数が「2」から「3」に増加する旨の保留指定コマンドを入力した場合には、保留記憶数を示す3つ目の保留画像を青色で表示させるように決定する。その一方で、ステップS203の判定結果が肯定の場合(先読みコマンドを入力した)、ステップS204に移行する。
【0155】
ステップS204において、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cの所定領域に割り当てられた実行フラグから値を読み出し、その値に基づいて先読み予告演出が既に実行中であるか否かを判定する。これによって、統括制御用CPU31aは、先読み予告演出の重複実行を規制することとなる。なお、この実行フラグには、保留先読み予告演出が実行されている場合には「1」が、背景先読み予告演出が実行されている場合には「2」が、何れの先読み予告演出が実行されていない場合には「0」が、それぞれ設定される。つまり、統括制御用CPU31aは、保留先読み予告演出、及び背景先読み予告演出の何れかに関する制御が既に行われているときには、第1始動入賞口14、又は第2始動入賞口15への遊技球の入賞に応じて保留先読み予告演出(背景先読み予告演出)を実行させない制御を行う。
・・・
【0160】
ステップS207において、統括制御用CPU31aは、保留先読み予告演出決定処理を実行する。この処理において、統括制御用CPU31aは、図16に示す保留先読み予告演出決定テーブルを参照し、現在の遊技状態と、入力した先読みコマンドとに基づいて、保留先読み予告演出を実行させるか否か、実行させる場合にはその保留先読み予告演出の種類を決定する。そして、統括制御用CPU31aは、保留先読み予告演出を実行させると決定した場合には、保留先読み予告演出の種類(保留画像の表示態様)を示す演出パターンを、予告契機図柄変動ゲームの始動保留球に対応させて記憶するとともに、保留先読み予告演出を示す値を実行フラグに設定する。また、このように演出パターンを予告契機図柄変動ゲームの始動保留球に対応させて記憶することで、ステップS209において、統括制御用CPU31aは、この演出パターンを参照し、予告契機図柄変動ゲームが演出パターンにより指定された保留記憶数となったときに、緑色の保留画像を赤色の保留画像に変更させる制御を行うこととなる。そして、統括制御用CPU31aは、その決定結果に基づいて、入賞した保留記憶数を示す保留画像の表示態様を決定し(ステップS208)、図15のステップS211に移行する。
・・・
【0173】
保留記憶数制御処理の説明に戻り、図15のステップS211において、統括制御用CPU31aは、ステップS204と同じように、統括制御用RAM31cの所定領域に割り当てられた実行フラグから値を読み出し、その値に基づいて既に先読み予告演出が実行されているか否かを判定する。これによって、統括制御用CPU31aは、先読み予告演出の重複実行を規制することとなる。なお、ステップS207において保留先読み予告演出が実行されると決定された直後にステップS211の判定を行う場合でも、判定結果が肯定となる。つまり、統括制御用CPU31aは、保留先読み予告演出、及び背景先読み予告演出の何れかに関する制御が既に行われているときには、第1始動入賞口14、又は第2始動入賞口15への遊技球の入賞に応じて背景先読み予告演出(保留先読み予告演出)を実行させない制御を行う。また、統括制御用CPU31aは、保留先読み予告演出、及び背景先読み予告演出に関する制御が行われていないときには、第1始動入賞口14、又は第2始動入賞口15への遊技球の入賞に応じて、保留先読み予告演出、及び背景先読み予告演出の何れか一方を実行可能であり、何れか他方を実行させない制御を行う。」

ク 「【0187】
保留記憶数制御処理の説明に戻り、ステップS217において、統括制御用CPU31aは、背景先読み予告演出決定処理を実行する。この処理において、統括制御用CPU31aは、図18に示す背景先読み予告演出決定テーブルを参照し、入力した先読みコマンドに基づいて、背景先読み予告演出を実行させるか否かを決定する。そして、統括制御用CPU31aは、背景先読み予告演出を実行させると決定した場合には、次に実行される変動ゲームから予告契機図柄変動ゲームまでの変動ゲームの始動保留球に対応させて、背景先読み予告演出の種類を示すデータを記憶するとともに、背景先読み予告演出を示す値を実行フラグに設定する。なお、この背景先読み予告演出の種類を示すデータとしては、背景先読み予告演出が連続して実行される第1変動ゲームの回数を示すデータとなる。」

ケ 「【0218】
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、同種、異種に限らず先読み予告演出の重複実行を規制したが、これに限らない。例えば、異種の先読み予告演出の重複実行を規制するが、同種の先読み予告演出の重複実行を許可してもよい。また、例えば、同種の先読み予告演出の重複実行を規制するが、異種の先読み予告演出の重複実行を許可してもよい。また、例えば、保留先読み予告演出に限り、同種の先読み予告演出の重複実行を許可してもよい。また、例えば、背景先読み予告演出に限り、同種の先読み予告演出の重複実行を許可してもよい。また、例えば、同種、異種に限らず先読み予告演出の重複実行を許可してもよい。」

コ 上記引用文献1の記載事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる(a〜lは、本件補正発明のA〜Iに概ね対応させて付与した。)。
「a 液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出実行手段としての演出表示装置11(【0016】)と、
第1特別図柄表示装置12aと第2特別図柄表示装置12b(【0017】)と、
パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30と、
主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、表示制御基板32を制御する演出制御手段としての統括制御基板31と、
主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、演出表示装置11の表示態様(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの表示画像など)を制御する演出制御手段としての表示制御基板32と
が配設され(【0051】)、
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられ(【0052】)、
統括制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行する統括制御用CPU31aが設けられ(【0057】)、
表示制御基板32には、表示制御動作を所定の手順で実行する表示制御用CPU32aが設けられ(【0058】)、
主制御用CPU30aは、第1始動口スイッチSW1、又は、第2始動口スイッチSW2から検知信号を入力しているか否かに基づいて、遊技球が入賞したか否かを判定し、この判定結果が肯定の場合であって、第1保留記憶数、又は、第2保留記憶数が上限数の「4」未満である場合、各種乱数の値(当り判定用乱数、特図振分乱数、リーチ判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数の値など)を主制御用RAM30cから読み出して取得し(【0074】、【0075】)、

b 主制御用RAM30cは、第1保留記憶数、又は、第2保留記憶数が「4」未満である場合、取得された各種乱数の値を、それぞれ、第1保留記憶数、又は、第2保留記憶数に対応する所定の記憶領域に記憶し(【0053】、【0074】、【0075】)、

c 主制御用CPU30aは、
第1保留記憶数、又は、第2保留記憶数が「1」以上の場合、第1保留記憶数、又は、第2保留記憶数を「1」減算し、更新後の第1保留記憶数、又は、第2保留記憶数を表示し(【0077】、【0078】)、
第1保留記憶数、又は、第2保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値を読み出し、第1保留記憶数、又は、第2保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定を行う第1大当り判定処理、又は、第2大当り判定処理を実行し(【0080】、【0087】)、

d 主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づいて、第1特別図柄表示装置12a、第2特別図柄表示装置12bで、特図を変動させて表示する変動ゲームを行い、特図の変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づいて特定された種類の大当り遊技の制御を行い(【0017】、【0094】)、

e 表示制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンで飾図を変動表示させて変動ゲームを開始させるように演出表示装置11の表示内容を制御し(【0108】)、
演出表示装置11の画像表示部GHには、保留画像H1が表示され(【0114】)、

f 特図の変動ゲームは、各表示装置12a,12bにおいて、特図の変動表示が開始されてから確定停止表示される迄を1回として実行され(【0017】)、
演出表示装置11には、各表示装置12a、12bの表示結果に応じた表示結果が表示され(【0020】)、
主制御用CPU30aは、
大当り判定の判定結果が肯定の場合、
大当り図柄を決定し、決定した大当り図柄から大当り遊技の種類を特定し、第1保留記憶数に対応付けられた変動パターン振分用乱数の値に基づいて、その大当り遊技の種類に対応する変動パターンを決定し(【0080】、【0081】)、
大当り判定の判定結果が否定の場合、小当り判定を行い(【0082】)、
小当り判定の判定結果が肯定の場合、
小当り図柄を決定し、第1保留記憶数に対応付けられた変動パターン振分用乱数の値に基づいて、確変示唆変動用の変動パターンの中から何れかを決定し(【0083】)、
小当り判定の判定結果が否定の場合、リーチ判定を行い(【0084】)、
リーチ判定の判定結果が肯定の場合、
はずれ図柄を決定し、第1保留記憶数に対応付けられた変動パターン振分用乱数の値に基づいて、はずれリーチ変動用の変動パターンの中から何れかを決定し(【0085】)、
リーチ判定の判定結果が否定の場合、
はずれ図柄を決定し、第1保留記憶数に対応付けられた変動パターン振分用乱数の値に基づいて、はずれ変動用の変動パターンの中から何れかを決定し(【0086】)、
変動パターンを指示するとともに変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを変動ゲームの開始に際して最初に出力し(【0093】)、

統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特図指定コマンドが入力されると、当該変動パターン指定コマンド及び当該特図指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づいて、演出表示装置11に表示させる飾図を決定し(【0101】)、

表示制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンドが入力されると、当該変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンで飾図を変動表示させて変動ゲームを開始させるように演出表示装置11の表示内容を制御し、全図柄停止コマンドが入力されると、飾図柄指定コマンドで指定された飾図を確定停止表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御することで演出表示装置11で飾図による変動ゲームを行い(【0108】)、

g 先読み予告演出は、該先読み予告演出の対象となる変動ゲームの実行が制御される前に、該変動ゲームの大当り期待度を示唆する予告演出であり(【0110】)、
主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理の終了直後に実行され、特別図柄入力処理において第1始動入賞口14、又は第2始動入賞口15への入賞に伴って取得された各種の乱数を、該入賞に対応する変動ゲームの実行よりも前に(事前に)判定する処理である、先読み予告演出を実行させるか否かを決定するための事前判定処理を実行し、事前判定処理において、大当り時の先読みコマンド、小当り時の先読みコマンド、はずれリーチ確定時の先読みコマンド、はずれリーチ非確定時の先読みコマンドのいずれかの先読みコマンドを決定した後、事前判定処理を終了し(【0121】、【0125】、【0131】、【0134】、【0137】)、

h 先読み予告演出には、保留先読み予告演出、背景先読み予告演出の2種類があり(【0110】)、
統括制御用CPU31aは、保留記憶数制御処理において(【0151】)、
先読みコマンドを入力した後(【0154】)、
保留先読み予告演出決定テーブルを参照し、現在の遊技状態と、入力した先読みコマンドとに基づいて、保留先読み予告演出を実行させるか否か、実行させる場合にはその保留先読み予告演出の種類を決定する、保留先読み予告演出決定処理を実行し(【0160】)、
背景先読み予告演出決定テーブルを参照し、入力した先読みコマンドに基づいて、背景先読み予告演出を実行させるか否か、実行させる場合には、次に実行される変動ゲームから予告契機図柄変動ゲームまでの変動ゲームの始動保留球に対応させて、背景先読み予告演出の種類を示すデータを記憶する背景先読み予告演出決定処理を実行し(【0187】)、
保留先読み予告演出、及び背景先読み予告演出に関する制御が行われていないときには、第1始動入賞口14、又は第2始動入賞口15への入賞に応じて、保留先読み予告演出、及び、背景先読み予告演出の何れか一方を実行可能であり(【0173】)、

i 保留先読み予告演出とは、保留記憶数を示す保留画像を、通常時における青色とは異なる緑色、赤色の表示態様で表示させることによって、その保留記憶数に対応する変動ゲームおける大当り期待度を示唆する演出であり、
背景先読み予告演出とは、保留画像などを用いることなく、背景となる画像を変更させる演出であり(【0111】)、
統括制御用CPU31aは、保留指定コマンドを入力した場合、保留先読み予告演出が実行されると決定された直後に、既に先読み予告演出が実行されているか否かの判定を行う場合、背景先読み予告演出を実行させない制御を行い(【0152】、【0173】)、

j、k 統括制御用CPU31aは、既に先読み予告演出が実行されているか否かを判定し、保留先読み予告演出、及び、背景先読み予告演出の何れかに関する制御が既に行われているときには、第1始動入賞口14、又は第2始動入賞口15への遊技球の入賞に応じて背景先読み予告演出(保留先読み予告演出)を実行させない制御を行うことで、先読み予告演出の重複実行を規制する(【0173】)、
l パチンコ遊技機(【0016】)。」

(3)引用文献1に記載された技術事項
引用文献1には、次の技術事項(以下「引用文献1に記載された技術事項」という。)が記載されている。
「同種、異種に限らず先読み予告演出の重複実行を規制したが、
オ.異種の先読み予告演出の重複実行を規制するが、同種の先読み予告演出の重複実行を許可してもよく、
カ.同種の先読み予告演出の重複実行を規制するが、異種の先読み予告演出の重複実行を許可してもよく、
キ.保留先読み予告演出に限り、同種の先読み予告演出の重複実行を許可してもよく、
ク.背景先読み予告演出に限り、同種の先読み予告演出の重複実行を許可してもよく、
ケ.同種、異種に限らず先読み予告演出の重複実行を許可してもよい(【0218】)、
パチンコ遊技機(【0016】)。」(符号オ〜ケは、先読み予告演出の重複実行に関する変形例を区別するために合議体にて付した。)

(4)対比
本件補正発明と引用発明とを、分説に従い対比する。
(a)
引用発明の「第1始動口スイッチSW1、又は、第2始動口スイッチSW2から検知信号を入力している」ことは、本件補正発明の「予め定められた取得条件が成立したこと」に相当する。
そして、引用発明の「各種乱数の値(当り判定用乱数、特図振分乱数、リーチ判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数の値など)」は、本件補正発明の「特別情報」に相当する。
したがって、引用発明の構成aにおける「第1始動口スイッチSW1、又は、第2始動口スイッチSW2から検知信号を入力していることに基づいて、各種乱数の値(当り判定用乱数、特図振分乱数、リーチ判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数の値など)を主制御用RAM30cから読み出して取得」する「主制御用CPU30a」は、本件補正発明の構成Aにおける「予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段」としての機能を有する。

(b)
上記(a)より、引用発明の「取得された各種乱数の値」は、本件補正発明の「情報取得手段の取得した特別情報」に相当する。
そして、引用発明の第1保留記憶数、又は、第2保留記憶数の「4」は、「第1保留記憶数、又は、第2保留記憶数」の「上限数」であるから、本件補正発明の「複数の数として予め定められた」「上限」の「規定数」に相当する。
したがって、引用発明の構成bの「取得された各種乱数の値」をそれぞれ記憶する「主制御用RAM30c」は、本件補正発明の構成Bの「情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段」に相当する。

(c)
上記(b)より、引用発明の「主制御用RAM30c」は、本件補正発明の「取得情報記憶手段」に相当する。
そして、上記(a)より、引用発明の「当り判定用乱数の値」は、本件補正発明の「特別情報」に相当する。
また、引用発明の「大当り判定値」は、本件補正発明の「付与情報」に相当する。
そうすると、引用発明の「第1保留記憶数、又は、第2保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定」は、本件補正発明の「特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定」に相当する。
ここで、引用発明の「第1保留記憶数、又は、第2保留記憶数が「1」以上の場合、第1保留記憶数、又は、第2保留記憶数を「1」減算し」、「第1大当り判定処理、又は、第2大当り判定処理を実行」することは、「第1保留記憶数、又は、第2保留記憶数」の回数だけ、順次対応する「主制御用RAM30cの所定の記憶領域」から「当り判定用乱数の値を読み出し」、「大当り判定値」と「比較」することで、「大当り判定を行」うことであるから、本件補正発明の「取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して付与判定を順次行う」ことに相当する。
したがって、引用発明の構成cの「第1保留記憶数、又は、第2保留記憶数が「1」以上の場合、第1保留記憶数、又は、第2保留記憶数を「1」減算」し、「第1保留記憶数、又は、第2保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの大当り判定を行う第1大当り判定処理、又は、第2大当り判定処理を実行」する「主制御用CPU30a」は、本件補正発明の構成Cの「取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して付与判定を順次行う付与判定手段」としての機能を有する。

(d)
引用発明の「大当りを決定した場合」は、本件補正発明の「付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が付与情報に対応しているとする付与対応結果となったこと」に相当する。
そして、引用発明の「大当り遊技の制御を行」うことは、遊技者に何らかの特典が付与されることが自明であるから、本件補正発明の「遊技者に特典を付与する」ことに相当する。
したがって、引用発明の構成dの「大当りを決定した場合、決定した」「特図の変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づいて特定された種類の大当り遊技の制御を行」う「主制御用CPU30a」は、本件補正発明の「付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段」としての機能を有する。

(e)
引用発明の「画像表示部GH」は、本件補正発明の「表示部」に相当する。
そして、引用発明の「飾図を変動表示させ」ることは、本件補正発明の「絵柄を可変表示する」ことに相当する。
また、引用発明の「演出表示装置11」は、本件補正発明の「絵柄表示手段」に相当する。
したがって、引用発明の構成eの「画像表示部GH」を有し、「飾図」が「変動表示」される「演出表示装置11」は、本件補正発明の構成Eの「表示部を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段」に相当する。

(f)
引用発明における「主制御用CPU30a」が、「大当り判定の判定結果」に応じた「変動パターンを決定」し、「表示制御用CPU32aは」、「決定」された「変動パターン」に対応する「変動パターン指定コマンド」が「入力」されることで、「当該変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンで飾図を変動表示させて変動ゲームを開始させる」ことは、本件補正発明における「付与判定手段により付与判定が行われたことに基づいて絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ」ることに相当する。
そして、引用発明において、「飾図柄指定コマンド」は、「飾図」が、「大当り判定の判定結果」に応じて「指示」される「変動パターン指定コマンド」に基づいて決定されるものである。
そうすると、引用発明の「全図柄停止コマンドを入力すると、飾図柄指定コマンドで指定された飾図を確定停止表示させるように演出表示装置11の表示内容を制御する」ことは、本件補正発明の「付与判定の結果に対応した停止結果を表示し絵柄の可変表示が終了される」ことに相当する。
また、引用発明は、「変動ゲームは、」「特図の変動表示が開始されてから確定停止表示される迄を1回として実行され」るものである。
ここで、引用発明は、構成c、dによると、「第1保留記憶数、又は、第2保留記憶数が「1」以上の場合、第1保留記憶数、又は、第2保留記憶数を「1」減算し、第1大当り判定処理を実行」するものであって、「保留記憶」がなされてから、当該「保留記憶」についての「大当り判定」がなされるまでの間、各「大当り判定」に基づいて決定された「変動パターンに基づく変動ゲーム」が複数回行われるものであるから、本件補正発明の「付与判定手段により付与判定が行われることに先立って」「絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ」る構成、及び、「取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われる」構成を備えるものである。
したがって、引用発明の構成fの「演出表示装置11の表示内容を制御する」「表示制御用CPU32a」は、本件補正発明の構成Fの「絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段」としての機能を有するものである。

(g)
上記(b)より、引用発明の「取得された各種乱数の値」をそれぞれ記憶する「主制御用RAM30c」は、本件補正発明の「特別情報を」「記憶する取得情報記憶手段」に相当することから、引用発明の「特別図柄入力処理の終了直後に実行され、特別図柄入力処理において第1始動入賞口14、又は第2始動入賞口15への入賞に伴って取得された各種の乱数」は、本件補正発明の「取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報」に相当する。
引用発明の「事前判定処理において」「決定」される「大当り時の先読みコマンド、小当り時の先読みコマンド、はずれリーチ確定時の先読みコマンド、はずれリーチ非確定時の先読みコマンドのいずれかの先読みコマンド」は、構成fの大当り判定結果である「大当り」、「小当り」、「はずれ」に対応する判定結果であるといえることから、本件補正発明における「判定結果に対応する情報」に相当する。
そうすると、引用発明における「大当り時の先読みコマンド、小当り時の先読みコマンド、はずれリーチ確定時の先読みコマンド、はずれリーチ非確定時の先読みコマンドのいずれかの先読みコマンド」を「入賞に対応する変動ゲームの実行よりも前に(事前に)」「決定する」「事前判定処理」は、本件補正発明における「判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理」に相当する。
したがって、引用発明の構成gの「事前判定処理を実行」する「主制御用CPU30a」は、本件補正発明の構成Gの「先特定処理を行う先特定手段」としての機能を有する。

(h)
引用発明の「保留先読み予告演出の種類」、及び「背景先読み予告演出の種類」は、構成gにおける、「事前判定処理」において「決定」された「先読みコマンド」が、統括制御用CPU31aに入力された後の、「保留先読み決定処理」、及び「背景先読み決定処理」で決定されるものである。
そうすると、引用発明の「保留先読み予告演出を実行させる」場合の「保留先読み予告演出の種類」、及び、「背景先読み予告演出を実行させる」場合の「背景先読み予告演出の種類」は、本件補正発明の「先特定処理の結果」である「所定結果」に相当する。
そして、引用発明の「先読み予告演出」は、「先読み予告演出の対象となる変動ゲームの実行が制御される前に、該変動ゲームの大当り期待度を示唆する予告演出であ」るが、当該記載中の「先読み予告演出の対象となる変動ゲームの実行が制御される前」は、本件補正発明の「先特定処理の対象となった特別情報に対応する遊技回の実行前」に相当する。
また、引用発明の「保留先読み予告演出、及び、背景先読み予告演出」は、本件補正発明の「特別報知」に相当する。
したがって、引用発明の構成hの「統括制御用CPU31a」は、本件補正発明の構成Hの「特別報知手段」としての機能を有する。

(i)
引用発明の「保留記憶数を示す保留画像を、通常時における青色とは異なる緑色、赤色の表示態様で表示させる」「保留先読み予告演出」は、保留画像を緑色又は赤色の表示態様で表示させることが、保留先読み予告(特別報知)の契機となる保留(特別情報)を明示していることが自明であるから、本件補正発明の「特別報知の契機となった特別情報が明示される第1報知態様の特別報知」に相当する。
そして、引用発明の「保留画像などを用いることなく、背景となる画像を変更させる演出であ」る「背景先読み予告演出」は、本件補正発明の「特別報知の契機となった特別情報が明示されない第2報知態様の特別報知」に相当する。
また、上記(b)より、引用発明の「各種乱数の値」は、本件補正発明の「特別情報」に相当する。
ここで、引用発明の構成hによると、「先読み予告演出」は、「統括制御用CPU31a」により実行されるものである。
そうすると、引用発明の「保留先読み予告演出」を実行する「統括制御用CPU31a」、「背景先読み予告演出」を実行する「統括制御用CPU31a」は、それぞれ、本件補正発明の「第1報知態様の特別報知を実行する第1手段」、「第2報知態様の特別報知を実行する第2手段」の機能を有する。
したがって、引用発明の構成iと本件補正発明の構成Iとは、「特別報知手段は、特別報知の契機となった特別情報が明示される第1報知態様の特別報知を実行する第1手段と、特別報知の契機となった特別情報が明示されない第2報知態様の特別報知を実行する第2手段とを備え」ることで共通する。

(j)
引用発明の「保留先読み予告演出、及び背景先読み予告演出の何れかに関する制御が既に行われているときには、第1始動入賞口14、又は第2始動入賞口15への遊技球の入賞に応じて背景先読み予告演出(保留先読み予告演出)を実行させない制御」には、次のア〜エの制御事項が含まれる。
ア.保留先読み予告演出が既に行われるときに、保留先読み予告演出を実行させない。
イ.保留先読み予告演出が既に行われるときに、背景先読み予告演出を実行させない。
ウ.背景先読み予告演出が既に行われるときに、保留先読み予告演出を実行させない。
エ.背景先読み予告演出が既に行われるときに、背景先読み予告演出を実行させない。
そして、引用発明の「保留先読み予告演出、及び背景先読み予告演出の何れかに関する制御が既に行われているとき」は、本件補正発明の「特別報知の実行中」に相当する。
また、上記(i)より、引用発明の「保留先読み予告演出」は、本件補正発明の「第1報知態様の特別報知」に相当することからみて、上記制御事項ア〜エのうち、制御事項アとウは、先読み予告演出が既に行われているときに、保留先読み予告演出を実行させないことで、その実行を制限可能とすることであるから、本件補正発明の「特別報知の契機となった特別情報より後に記憶される後の特別情報について先特定手段による先特定処理の結果が所定結果となった場合に後の特別情報について第1報知態様の特別報知の実行を規制することを可能とする」ことに相当する。
したがって、引用発明の構成j、kは、本件補正発明の構成Jに相当する。

(l)
引用発明の「パチンコ遊技機」は、本件補正発明の「遊技機」に相当する。

上記(a)〜(l)によれば、本件補正発明と引用発明は、
「A 予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
B 前記情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段と、
C 前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段と、
D 前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
E 表示部を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段と、
F 前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段と、
G 前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を行う先特定手段と、
H 前記先特定処理の結果が所定結果であった場合、当該先特定処理の対象となった特別情報に対応する遊技回の実行前に特別報知を行う特別報知手段と
を備え、
I´前記特別報知手段は、特別報知の契機となった特別情報が明示される第1報知態様の特別報知を実行する第1手段と、特別報知の契機となった特別情報が明示されない第2報知態様の特別報知を実行する第2手段とを備え、
J 特別報知の実行中において当該特別報知の契機となった特別情報より後に記憶される後の特別情報について前記先特定手段による先特定処理の結果が所定結果となった場合に前記後の特別情報について前記第1報知態様の特別報知の実行を規制することを可能とする手段を備えている
L 遊技機。」
の点で一致し、次の点で相違する。

[相違点1](構成I)
「特別報知手段」に関し、
本件補正発明は、「1の特別情報を契機として第1手段による第1報知態様の特別報知と第2手段による第2報知態様の特別報知とを実行することが可能となって」いるのに対して、
引用発明は、保留指定コマンドを入力した場合、保留先読み予告演出が実行されると決定された直後に、既に先読み予告演出が実行されているか否かの判定を行う場合、背景先読み予告演出を実行させない制御を行う点。

[相違点2](構成K)
「特別報知手段」に関し、
本件補正発明は、「特別報知の実行中において後の特別情報について先特定手段による先特定処理の結果が所定結果となった場合に後の特別情報について第2報知態様の特別報知の実行を許容することを可能とする手段を備えている」のに対して、
引用発明は、保留先読み予告演出、及び、背景先読み予告演出の何れかに関する制御が既に行われているときには、第1始動入賞口14、又は第2始動入賞口15への遊技球の入賞に応じて背景先読み予告演出(保留先読み予告演出)を実行させない制御を行うことで、先読み予告演出の重複実行を規制する点。

(5)当審判合議体の判断
ア 相違点1について
上記相違点1について検討する。
引用発明の「統括制御用CPU31a」は、1つの「保留指定コマンドを入力」することで、「保留先読み予告演出が実行される」ことの決定と、「背景先読み予告演出」が実行されることの決定を行うことが可能である。

ここで、引用文献1に記載された技術事項のうちカ、ケには、後に行われる「先読み予告演出」について、先に行われる「先読み予告演出」と「異種」の「先読み予告演出の重複実行を許可してもよい」ことが示唆されている。
引用文献1に記載された技術事項における「先読み予告演出の重複実行」には、引用文献1の「なお、ステップS207において保留先読み予告演出が実行されると決定された直後にステップS211の判定を行う場合でも、判定結果が肯定となる。つまり、統括制御用CPU31aは、保留先読み予告演出、及び背景先読み予告演出の何れかに関する制御が既に行われているときには、第1始動入賞口14、又は第2始動入賞口15への遊技球の入賞に応じて背景先読み予告演出(保留先読み予告演出)を実行させない制御を行う。」(【0173】)との記載から、1つの「保留コマンドを入力」する場合に、「保留先読み予告演出」、及び「背景先読み予告演出」を重複実行することを含むものである。
そうすると、引用発明に引用文献1に記載された技術事項のうちカ、ケを適用して、「統括制御用CPU31a」が、「保留先読み予告演出が実行されると決定された直後に、既に先読み予告演出が実行されているか否かの判定を行う場合、」「保留先読み予告演出」と異種の演出である「背景先読み予告演出」の重複実行を可能とし、上記相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。

イ 相違点2について
引用発明の構成j、kは、上記「(4)対比 (j)」において検討したように、
「イ.保留先読み予告演出が既に行われるときに、背景先読み予告演出を実行させない。」、及び、
「エ.背景先読み予告演出が既に行われるときに、背景先読み予告演出を実行させない。」との制御事項を含むものである。

そして、上記アにおける検討内容と同様に、引用発明の上記制御事項イに、引用文献1に記載された技術事項カを適用して、「保留先読み予告演出が既に行われるときに、」「保留先読み予告演出」と異種の演出である「背景先読み予告演出」の重複実行を可能とし、「保留先読み予告演出」と同種の演出である「保留先読み予告演出」の重複実行を制限し、上記相違点2に係る本件補正発明の構成J、Kとすることは、当業者が容易になし得たものである。
また、引用文献1に記載された技術事項オには、後に行われる「先読み予告演出」について、先に行われる「先読み予告演出」と「異種」の「先読み予告演出の重複実行を規制するが」、先に行われる「先読み予告演出」と「同種」の「先読み予告演出の重複実行を許可してもよい」ことが示唆されている。
そうすると、引用発明の上記制御事項エに、引用文献2に記載された技術事項のオを適用して、「背景先読み予告演出が既に行われるときに」、「背景先読み予告演出」と異種の「保留先読み予告演出」の「重複実行を規制するが」、「背景先読み予告演出」と同種の「背景先読み予告演出」の重複実行を許容することを可能とする手段を備え、上記相違点2に係る本件補正発明の構成J、Kとすることは、当業者が容易になし得たものである。

ウ 請求人の主張について
請求人は、令和3年1月15日付けの審判請求書において、次の点について主張をする。
「これに対して引用文献1には、保留情報が取得された場合に先読み演出(特別報知)が実行されているか否かを判定し、先読み演出の実行中である場合は、取得された保留情報を契機とする先読み演出の実行を禁止するパチンコ機が記載されている(引用文献1の段落0578欄)。引用文献1に記載された上記構成は、先読み演出の実行中に取得された保留情報を契機とする先読み演出について、その種類を問わず一律に実行を規制するというものであり、第1報知態様の特別報知と第2報知態様の特別報知との特性の違いを踏まえて実行可否を振り分けるものではない。」((2)拒絶査定に対する意見)

そこで、請求人の上記主張について検討する。
請求人が上記主張の中で引用する引用文献1の【0578】の記載は、令和3年1月7日付け(送達日:同年同月19日)補正の却下の決定において、新たに引用された特開2013−215253号公報の記載に係るものであって、原査定の対象とされた令和2年6月19日付けの拒絶理由通知において引用された特開2012−213567号公報の記載に係るものではない。
したがって、請求人の上記主張は、本審決で引用した引用文献1と異なる文献に基づく主張であるから、請求人の上記主張を採用しない。
一方、拒絶査定の対象とされた令和2年6月19日付けの拒絶理由通知において引用された引用文献1(特開2012−213567号公報)に記載された技術事項のオ〜クは、先に行われた先読み予告演出が、保留先読み予告演出(「第1報知態様の特別報知」)、背景先読み予告演出(「第2報知態様の特別報知」)のうちのいずれであるかに応じて、後から行う先読み予告演出の実行可否を振り分けるものである。
そして、先読み予告演出の特性の違いや、遊技者の興趣向上を考慮して、当該振り分けを、引用文献1に記載された技術事項のうち、オ〜クのいずれとするかを決定することは、当業者が適宜なし得たものである。

エ 小括
本件補正発明により奏される効果は、当業者が、引用発明及び引用文献1に記載された技術事項から予測し得た効果の範囲内のものであって、格別なものではない。
よって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献1に記載された技術事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。

(6)まとめ
上記(1)〜(5)より、本件補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、同法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たさないものであり、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されることとなったので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、令和2年2月14日付け手続補正書の請求項1に記載された、次のとおりのものであると認める。
「A 予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段と、
B 前記情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段と、
C 前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段と、
D 前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段と、
E 表示部を有し、当該表示部にて絵柄を可変表示する絵柄表示手段と、
F 前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて前記絵柄表示手段において絵柄の可変表示を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を表示し前記絵柄の可変表示が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の絵柄の可変表示が行われるように前記絵柄表示手段を制御する遊技回制御手段と、
G 前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定処理を行う先特定手段と、

H 前記先特定処理の結果が所定結果であった場合、当該先特定処理の対象となった特別情報に対応する遊技回の実行前に特別報知を行う特別報知手段と
を備え、
I2 前記特別報知の報知態様には、当該特別報知の契機となった特別情報が明示されるようにして行われる第1報知態様と、当該特別報知の契機となった特別情報が明示されないようにして行われる第2報知態様とが設定されており、
K2 前記特別報知の実行中において当該特別報知の契機となった特別情報より後に記憶される後の特別情報について前記先特定手段による先特定処理の結果が所定結果となった場合に前記後の特別情報について前記第2報知態様の特別報知を実行する手段を備えている
L ことを特徴とする遊技機。」

2 原査定の拒絶の理由の概要
1.(新規性)この出願の請求項1、2に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。

2.(進歩性)この出願の請求項1、2に係る発明は、その出願前に日 本国内において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
<引用文献等一覧>
1.特開2012−213567号公報

3 引用例に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1の記載事項、引用発明の認定、及び、引用文献1に記載された技術事項の認定については、前記「第2[理由] 2−2(2)、(3)」に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記「第2[理由] 2−2(1)」で検討した本件補正発明の「特別報知」に関し、
「前記特別報知手段は、特別報知の契機となった特別情報が明示される第1報知態様の特別報知を実行する第1手段と、特別報知の契機となった特別情報が明示されない第2報知態様の特別報知を実行する第2手段とを備え、1の特別情報を契機として前記第1手段による前記第1報知態様の特別報知と前記第2手段による前記第2報知態様の特別報知とを実行することが可能となっており」と限定されていたものを
「前記特別報知の報知態様には、当該特別報知の契機となった特別情報が明示されるようにして行われる第1報知態様と、当該特別報知の契機となった特別情報が明示されないようにして行われる第2報知態様とが設定されており、」と、その限定を省略するとともに、
同じく、「特別報知」に関し、
「特別報知の実行中において当該特別報知の契機となった特別情報より後に記憶される後の特別情報について前記先特定手段による先特定処理の結果が所定結果となった場合に前記後の特別情報について前記第1報知態様の特別報知の実行を規制することを可能とする手段と、
特別報知の実行中において前記後の特別情報について前記先特定手段による先特定処理の結果が所定結果となった場合に前記後の特別情報について前記第2報知態様の特別報知の実行を許容することを可能とする手段と、
を備えている」と限定されていたものを、
「前記特別報知の実行中において当該特別報知の契機となった特別情報より後に記憶される後の特別情報について前記先特定手段による先特定処理の結果が所定結果となった場合に前記後の特別情報について前記第2報知態様の特別報知を実行する手段を備えている」と、その限定を省くものである。

ここで、本願発明の構成I2と引用発明の構成iとを対比する。
前記「第2[理由] 2−2(4)(i)」より、引用発明の「保留記憶数を示す保留画像を、通常時における青色とは異なる緑色、赤色」「で表示させる」「表示態様」は、本願発明の「特別報知の契機となった特別情報が明示されるようにして行われる第1報知態様」に相当する。
そして、引用発明の「保留画像などを用いることなく、背景となる画像を変更させる」態様は、本願発明の「特別報知の契機となった特別情報が明示されないようにして行われる第2報知態様」に相当する。
したがって、引用発明の構成iは、本願発明の構成I2に相当する。

そうすると、本願発明と引用発明とは、前記「第2[理由] 2−2(4)対比」における認定と同様に、次の相違点3において相違し、その余の点において一致する。

[相違点3](構成K2)
「特別報知手段」に関し、
本願発明は、「前記特別報知の実行中において当該特別報知の契機となった特別情報より後に記憶される後の特別情報について先特定手段による先特定処理の結果が所定結果となった場合に後の特別情報について前記第2報知態様の特別報知を実行する手段を備えている」のに対して、
引用発明は、保留先読み予告演出、及び、背景先読み予告演出の何れかに関する制御が既に行われているときには、第1始動入賞口14、又は第2始動入賞口15への遊技球の入賞に応じて背景先読み予告演出(保留先読み予告演出)を実行させない制御を行うことで、先読み予告演出の重複実行を規制する点。

そこで、上記相違点3について検討する。
前記「第2[理由] 2−2(5)イ 相違点2について」における検討内容と同様に、引用発明の制御事項イ「保留先読み予告演出が既に行われるときに、背景先読み予告演出を実行させない。」に、引用文献1に記載された技術事項カ、ケを適用して、「保留先読み予告演出が既に行われるときに、」「保留先読み予告演出」と異種の演出である「背景先読み予告演出」を重複実行可能とし、上記相違点3に係る本願発明の構成とすること、及び、引用発明のエの構成に、引用文献2に記載された技術事項のオ、ク、ケを適用して、「背景先読み予告演出が既に行われるときに、」「背景先読み予告演出」と同種の「背景先読み予告演出」を重複実行する手段を備えることは、当業者が容易になし得たものである。

5 請求人の主張について
請求人は、令和2年8月27日付け意見書において、次の主張をしている。
(1)
「引用文献1において複数の先読み予告演出が重複して実行されることを全面的に禁止するのは、同文献の段落0209欄に記載のように「複数種類の先読み予告演出を円滑に進行させる」ことを目的とするものでしかなく、後の特別報知としてその契機となった特別情報を明示する報知が行われることで、先の特別報知やその対象となった特別情報(遊技回)への注目度が低下することに配慮したものではありません。よって、引用文献1の重複実行を避ける構成は、後の特別報知の報知態様が第1報知態様となることを規制する本願発明の構成とは技術的意義が大きく異なります。」((2−2)理由2、理由3(新規性進歩性)について)
(2)
「このように本願では、先の特別情報を契機として行われる特別報知の種類を問わないため、先の特別報知の種類に対して同種や異種となる後の特別報知の実行を許容したり、規制したりするという概念が存在しません。よって、本願の構成は、引用文献1の段落0218欄に列記された構成のいずれにも該当しないと思料します。」((2−2)理由2、理由3(新規性進歩性)について)

そこで、請求人の上記主張について検討する。
上記請求人の主張(1)について
上記「4 対比・判断」において検討したように、引用発明に引用文献1に記載された技術事項を適用して、本願発明の構成K2を備えることは、当業者が容易になし得たものであるものであるから、そのものが、本願発明と同様の効果を奏するものといえる。

上記請求人の主張(2)について
上記「4 対比・判断」において検討したように、引用発明において、「既に行われ」ていた「先読み予告演出」が、「保留先読み予告演出」、「背景先読み予告演出」のいずれであっても、「背景先読み予告演出」を重複実行可能とすることは当業者が容易になし得たものである。
上記「「保留先読み予告演出」、「背景先読み予告演出」のいずれであっても」は、「既に行われ」ていた「先読み予告演出」が、「保留先読み予告演出」、「背景先読み予告演出」のうちいずれであってもいえることであるから、「既に行われ」ていた「先読み予告演出」の種類を問わないものといえる。

したがって、請求人の上記主張(1)、(2)は、採用することができない。

6 むすび
上記1〜5より、本願発明は、特許法第29条第2項の規定に基いて特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
 
審理終結日 2021-12-07 
結審通知日 2021-12-14 
審決日 2022-01-04 
出願番号 P2019-019010
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A63F)
P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 鉄 豊郎
特許庁審判官 長崎 洋一
▲高▼橋 祐介
発明の名称 遊技機  
代理人 山田 強  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ