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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A24F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A24F
管理番号 1383717
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-05-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-02-01 
確定日 2022-04-22 
事件の表示 特願2017−549470「エアロゾル発生システム用の長いヒーター組立品および加熱組立品」拒絶査定不服審判事件〔平成28年10月 6日国際公開、WO2016/156103、平成30年 4月26日国内公表、特表2018−511316〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2016年3月22日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2015年3月31日、欧州特許庁)を国際出願日とする出願であって、その手続の主な経緯は以下のとおりである。
令和2年3月16日付けで拒絶理由通知
令和2年6月23日に意見書の提出
令和2年9月25日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)
令和3年2月1日に拒絶査定不服審判の請求及びその請求と同時に手続補正書の提出
令和3年4月26日に審判請求書の請求の理由を補正する手続補正書(方式)の提出

第2 令和3年2月1日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年2月1日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
本件補正は、本件補正前に下記(2)のとおりであった特許請求の範囲の記載を、下記(1)のとおり補正するものである。

(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の記載は、次のとおり補正された。(下線は、補正箇所を示すために請求人が付したものである。)
「 【請求項1】
エアロゾル形成基体を加熱するための加熱組立品であって、
電気抵抗性のある発熱体およびヒーター基体を備えたヒーターと、
前記ヒーターに結合されたヒーターマウントとを備え、
前記電気抵抗性のある発熱体が、電流が前記発熱体を通過する時、第一の部分が第二の部分よりも高い温度に加熱されるように構成された前記第一の部分および前記第二の部分を備え、また前記発熱体の前記第一の部分が前記ヒーター基体の加熱領域上に位置付けられ、かつ前記発熱体の前記第二の部分が前記ヒーター基体の保持領域上に位置付けられ、また前記ヒーターマウントが前記ヒーター基体の前記保持領域に固定され、また前記電気抵抗性のある発熱体の前記第二の部分が前記電気抵抗性のある発熱体の前記第一の部分よりも長く、前記電気抵抗性のある発熱体の前記第二の部分が12mm〜20mmの長さを持つ、加熱組立品。
【請求項2】
前記電気抵抗性のある発熱体の前記第二の部分が約13mmまたは約14mmの長さを持つ、請求項1に記載の加熱組立品。
【請求項3】
前記電気抵抗性のある発熱体の前記第一の部分が8mm〜12mm、例えば約10mmまたは約11mmの長さを持つ、請求項1または2に記載の加熱組立品。
【請求項4】
前記電気抵抗性のある発熱体の前記第二の部分が前記ヒーターの長さ13.9mmプラスマイナス0.5mmに沿って延び、かつ前記電気抵抗性のある発熱体の前記第一の部分が前記ヒーターの長さ10.5mmプラスマイナス0.5mmに沿って延びる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱組立品。
【請求項5】
前記ヒーターマウントが成形可能な高分子材料、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱組立品。
【請求項6】
前記発熱体の前記第一の部分が第一の材料から形成され、かつ前記発熱体の前記第二の部分が第二の材料から形成され、前記第一の材料が前記第二の材料よりも高い電気抵抗係数を持つ、請求項1〜5のいずれか1項に記載の加熱組立品。
【請求項7】
前記発熱体が電源への電気的接続用に構成された第三の部分を含み、前記第三の部分が前記発熱体の前記第一の部分に対して前記ヒーターマウントの反対側に位置付けられる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の加熱組立品。
【請求項8】
前記ヒーターマウントの少なくとも一部分が、前記加熱部分に向かう方向に前記保持部分に沿って延びる際に内側に向かってテーパーを持つ、請求項1〜7のいずれか1項に記載の加熱組立品。
【請求項9】
前記ヒーターマウントの少なくとも一部分が、前記保持部分の長さの50%を超える長さにわたり前記保持部分に沿って延びる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の加熱組立品。
【請求項10】
前記ヒーターマウントの少なくとも一部分が円錐形である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の加熱組立品。
【請求項11】
ハウジングと、請求項1〜10のいずれか1項に記載の加熱組立品であって、前記ヒーターマウントが前記ハウジングに結合されているものと、前記発熱体に結合された電力供給源と、前記電源から前記発熱体への動力供給を制御するように構成された制御要素とを備える、エアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記ハウジングが前記発熱体の前記第一の部分を囲むくぼみを画定し、前記くぼみがエアロゾル形成基体を含むエアロゾル形成物品を受けるように構成された、請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
請求項11または12に記載のエアロゾル発生装置、および加熱式エアロゾル発生物品を含むエアロゾル発生システムであって、前記加熱式エアロゾル発生物品が、ラッパー内に組み込まれて口側の端および前記口側の端の上流にある遠位端を持つロッドを形成するエアロゾル形成基体を含む複数の構成要素を備え、ここで5mm〜15mmの外径および5mm〜15mmの長さを持つ中空管が前記ラッパー内で前記エアロゾル形成基体の上流に配置され、前記エアロゾル発生装置の前記ヒーターが、前記中空管を通って延びて前記加熱式エアロゾル発生物品が前記エアロゾル発生装置と係合する時に前記エアロゾル形成基体を貫通するのに十分な長さである、エアロゾル発生システム。
【請求項14】
エアロゾル発生物品がさらに、エアロゾル冷却要素、および前記エアロゾル形成基体の下流に位置するマウスピースフィルターを備える、請求項13に記載のエアロゾル発生システム。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、特許請求の範囲の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
エアロゾル形成基体を加熱するための加熱組立品であって、
電気抵抗性のある発熱体およびヒーター基体を備えたヒーターと、
前記ヒーターに結合されたヒーターマウントとを備え、
前記電気抵抗性のある発熱体が、電流が前記発熱体を通過する時、第一の部分が第二の部分よりも高い温度に加熱されるように構成された前記第一の部分および前記第二の部分を備え、また前記発熱体の前記第一の部分が前記ヒーター基体の加熱領域上に位置付けられ、かつ前記発熱体の前記第二の部分が前記ヒーター基体の保持領域上に位置付けられ、また前記ヒーターマウントが前記ヒーター基体の前記保持領域に固定され、また前記電気抵抗性のある発熱体の前記第二の部分が前記電気抵抗性のある発熱体の前記第一の部分よりも長い、加熱組立品。
【請求項2】
前記電気抵抗性のある発熱体の前記第二の部分が12mm〜20mm、例えば約13mmまたは約14mmの長さを持つ、請求項1に記載の加熱組立品。
【請求項3】
前記電気抵抗性のある発熱体の前記第一の部分が8mm〜12mm、例えば約10mmまたは約11mmの長さを持つ、請求項1または2に記載の加熱組立品。
【請求項4】
前記電気抵抗性のある発熱体の前記第二の部分が前記ヒーターの長さ13.9mmプラスマイナス0.5mmに沿って延び、かつ前記電気抵抗性のある発熱体の前記第一の部分が前記ヒーターの長さ10.5mmプラスマイナス0.5mmに沿って延びる、請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱組立品。
【請求項5】
前記ヒーターマウントが成形可能な高分子材料、例えばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱組立品。
【請求項6】
前記発熱体の前記第一の部分が第一の材料から形成され、かつ前記発熱体の前記第二の部分が第二の材料から形成され、前記第一の材料が前記第二の材料よりも高い電気抵抗係数を持つ、請求項1〜5のいずれか1項に記載の加熱組立品。
【請求項7】
前記発熱体が電源への電気的接続用に構成された第三の部分を含み、前記第三の部分が前記発熱体の前記第一の部分に対して前記ヒーターマウントの反対側に位置付けられる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の加熱組立品。
【請求項8】
前記ヒーターマウントの少なくとも一部分が、前記加熱部分に向かう方向に前記保持部分に沿って延びる際に内側に向かってテーパーを持つ、請求項1〜7のいずれか1項に記載の加熱組立品。
【請求項9】
前記ヒーターマウントの少なくとも一部分が、前記保持部分の長さの50%を超える長さにわたり前記保持部分に沿って延びる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の加熱組立品。
【請求項10】
前記ヒーターマウントの少なくとも一部分が円錐形である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の加熱組立品。
【請求項11】
ハウジングと、請求項1〜10のいずれか1項に記載の加熱組立品であって、前記ヒーターマウントが前記ハウジングに結合されているものと、前記発熱体に結合された電力供給源と、前記電源から前記発熱体への動力供給を制御するように構成された制御要素とを備える、エアロゾル発生装置。
【請求項12】
前記ハウジングが前記発熱体の前記第一の部分を囲むくぼみを画定し、前記くぼみがエアロゾル形成基体を含むエアロゾル形成物品を受けるように構成された、請求項11に記載のエアロゾル発生装置。
【請求項13】
請求項11または12に記載のエアロゾル発生装置、および加熱式エアロゾル発生物品を含むエアロゾル発生システムであって、前記加熱式エアロゾル発生物品が、ラッパー内に組み込まれて口側の端および前記口側の端の上流にある遠位端を持つロッドを形成するエアロゾル形成基体を含む複数の構成要素を備え、ここで5mm〜15mmの外径および5mm〜15mmの長さを持つ中空管が前記ラッパー内で前記エアロゾル形成基体の上流に配置され、前記エアロゾル発生装置の前記ヒーターが、前記中空管を通って延びて前記加熱式エアロゾル発生物品が前記エアロゾル発生装置と係合する時に前記エアロゾル形成基体を貫通するのに十分な長さである、エアロゾル発生システム。
【請求項14】
エアロゾル発生物品がさらに、エアロゾル冷却要素、および前記エアロゾル形成基体の下流に位置するマウスピースフィルターを備える、請求項13に記載のエアロゾル発生システム。」

2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された「電気抵抗性のある発熱体」の「第二の部分」について、「前記電気抵抗性のある発熱体の前記第二の部分が12mm〜20mmの長さを持つ」という事項を追加することにより、長さの限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。

<特許法第29条第2項進歩性)について>
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)の請求項1に記載した事項により特定されるとおりのものである。

(2)引用文献
ア 引用文献1及びその記載
原査定の拒絶の理由で引用された文献であって、本願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった国際公開第2014/102092号(以下「引用文献1」という。)には、「HEATING ASSEMBLY FOR AN AEROSOL GENERATING SYSTEM(エアロゾル発生システムのための加熱アセンブリ)」に関し、次の記載がある。
なお、翻訳文は、引用文献1のファミリー文献である特表2015−524261号公報における該当箇所を援用した。また、下線は当審において付したものであり、「・・・」は記載の省略を示す。

(ア)「(57)Abstract: A heating assembly for heating an aerosol-forming substrate, the heating assembly comprising: a heater comprising an electrically resistive heating element and a heater substrate; and a heater mount coupled to the heater; wherein the heating element comprises a first portion and a second portion configured such that, when an electrical current is passed through the heating element the first portion is heated to a higher temperature than the second portion as a result of the electrical current; and wherein the heater mount surrounds the second portion of the heating element.」(フロントページ下から5行〜同ページ末行)
<翻訳文>
「(57)要約:エアロゾル形成基材を加熱するための加熱アセンブリであって、電気抵抗式加熱要素及びヒータ基板を含むヒータと、ヒータに結合されたヒータマウントとを備え、加熱要素は、第1の部分及び第2の部分を有し、これらの第1及び第2の部分は、加熱要素に電流が流れた時に、この電流の結果として第1の部分が第2の部分よりも高い温度に加熱されるように構成され、ヒータマウントは、加熱要素の第2の部分を取り囲む。」(【要約】)

(イ)「1. A heating assembly for heating an aerosol-forming substrate, comprising:
a heater comprising an electrically resistive heating element and a heater substrate; and
a heater mount coupled to the heater;
wherein the heating element comprises a first portion and a second portion configured such that, when an electrical current is passed through the heating element the first portion is heated to a higher temperature than the second portion, wherein the first portion of the heating element is positioned on a heating area of the heater substrate and the second portion of the heating element is positioned on a holding area of the heater substrate; and wherein the heater mount is fixed to the holding area of the heater substrate. 」(17ページ3行〜同ページ13行)
<翻訳文>
「エアロゾル形成基材を加熱するための加熱アセンブリであって、
電気抵抗式加熱要素及びヒータ基板を含むヒータと、
前記ヒータに結合されたヒータマウントと、
を備え、前記加熱要素は、第1の部分及び第2の部分を有し、該第1及び第2の部分は、前記加熱要素に電流が流れた時に前記第1の部分が前記第2の部分よりも高い温度に加熱されるように構成され、前記加熱要素の前記第1の部分は、前記ヒータ基板の加熱領域に位置し、前記加熱要素の前記第2の部分は、前記ヒータ基板の保持領域に位置し、前記ヒータマウントは、前記ヒータ基板の前記保持領域に固定される、
ことを特徴とする加熱アセンブリ。」(【請求項1】)

(ウ)「The specification relates to a heating assembly suitable for use in an aerosol- generating system. In particular the invention relates to a heating assembly suitable for insertion into an aerosol-forming substrate of a smoking article in order to internally heat the aerosol-forming substrate.」(1ページ3行〜同ページ6行)
<翻訳文>
「本明細書は、エアロゾル発生システムで使用するのに適した加熱アセンブリに関する。特に、本発明は、エアロゾル形成基材を内部的に加熱するために喫煙物品のエアロゾル形成基材に挿入するのに適した加熱アセンブリに関する。」(【0001】)

(エ)「Any aerosol-generating device that operates by heating an aerosol-forming substrate must include a heating assembly. A number of different types of heating assembly have been proposed for different types of aerosol-forming substrate.」(1ページ12行〜同ページ14行)
<翻訳文>
「エアロゾル形成基材を加熱することによって動作するエアロゾル発生装置は、いずれも加熱アセンブリを含む。異なるタイプのエアロゾル形成基材のために、複数の異なるタイプの加熱アセンブリが提案されている。」(【0003】)

(オ)「It would be desirable to provide a robust, inexpensive heating assembly for an aerosol-generating device that provides a localised source of heat for heating an aerosol- forming substrate.」(1ページ21行〜同ページ23行)
<翻訳文>
「エアロゾル形成基材を加熱するための熱源を局所化した、エアロゾル発生装置のための頑丈でコストの低い加熱アセンブリを提供することが望ましいと思われる。」(【0006】)

(カ)「In a first aspect of the invention, there is provided a heating assembly for heating an aerosol-forming substrate, the heating assembly comprising:
a heater comprising an electrically resistive heating element and a heater substrate; and
a heater mount coupled to the heater;
wherein the heating element comprises a first portion and a second portion configured such that, when an electrical current is passed through the heating element the first portion is heated to a higher temperature than the second portion, wherein the first portion of the heating element is positioned on a heating area of the heater substrate and the second portion of the heating element is positioned on a holding area of the heater substrate; and wherein the heater mount is fixed to the holding area of the heater substrate.」(1ページ24行〜同ページ35行)
<翻訳文>
「本発明の第1の態様では、エアロゾル形成基材を加熱するための加熱アセンブリを提供し、この加熱アセンブリは、
電気抵抗式加熱要素及びヒータ基板を含むヒータと、
ヒータに結合されたヒータマウントと、
を備え、加熱要素は、第1の部分及び第2の部分を有し、これらの第1及び第2の部分は、加熱要素に電流が流れた時に第1の部分が第2の部分よりも高い温度に加熱されるように構成され、加熱要素の第1の部分は、ヒータ基板の加熱領域に位置し、加熱要素の第2の部分は、ヒータ基板の保持領域に位置し、ヒータマウントは、ヒータ基板の保持領域に固定される。」(【0007】)

(キ)「As used herein, the term 'aerosol-forming substrate' relates to a substrate capable of releasing volatile compounds that can form an aerosol. Such volatile compounds may be released by heating the aerosol-forming substrate. An aerosol-forming substrate may conveniently be part of an aerosol-generating article or smoking article.」(1ページ末行〜2ページ3行)
<翻訳文>
本明細書で使用する「エアロゾル形成基材」という用語は、エアロゾルを形成できる揮発性化合物を放出することが可能な基材に関連する。このような揮発性化合物は、エアロゾル形成基材を加熱することによって放出することができる。エアロゾル形成基材は、便宜上、エアロゾル発生物品又は喫煙物品の一部とすることができる。」(【0008】)

(ク)「The first portion is heated to a higher temperature than the second portion as a result of the electrical current passing through the heating element. In one embodiment, the first portion of the heating element is configured to reach a temperature of between about 300°C and about 550°C in use. Preferably, the heating element is configured to reach a temperature of between about 320°C and about 350°C.」(2ページ11行〜同ページ15行)
<翻訳文>
「加熱要素に電流が流れた結果、第1の部分は、第2の部分よりも高い温度に加熱される。1つの実施形態では、加熱要素の第1の部分が、使用時に約300℃〜約550℃の温度に達するように構成される。加熱要素は、約320℃〜約350℃の温度に達するように構成されることが好ましい。」(【0010】)

(ケ)「The heater mount provides structural support to the heater and allows it to be securely fixed within an aerosol-generating device. The heater mount may comprise a polymeric material and advantageously is formed from a mouldable polymeric material, such as polyether ether ketone (PEEK). The use of a mouldable polymer allows the heater mount to be moulded around the heater and thereby firmly hold the heater. ・・・
The use of a polymer to hold the heater means that the temperature of the heater in the vicinity of the heater mount must be controlled to be below the temperature at which the polymer will melt burn or otherwise degrade. At the same time the temperature of the portion of the heater within the aerosol-forming substrate must be sufficient to produce an aerosol with the desired properties. It is therefore desirable to ensure that the second portion of the heating element, at least at those points in contact with the heater mount, remain below a maximum allowable temperature during use.」(2ページ16行〜同ページ32行)
<翻訳文>
「ヒータマウントは、ヒータを構造的に支持し、ヒータをエアロゾル発生装置内に確実に固定できるようにする。ヒータマウントは、ポリマ材料を含むことができ、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)などの成形用ポリマ材料から形成されることが有利である。成形用ポリマを使用すると、ヒータマウントをヒータの周囲に成形することができ、これによりヒータを確実に保持することができる。・・・
ポリマを用いてヒータを保持するということは、ヒータマウント近傍のヒータの温度を、ポリマが溶解燃焼又は別様に劣化する温度未満に制御しなければならないことを意味する。同時に、エアロゾル形成基材内のヒータ部分の温度は、所望の特性のエアロゾルを生成するのに十分な温度でなければならない。従って、使用中に加熱要素の第2の部分の少なくともヒータマウントに接する箇所が最大許容温度未満に保たれることを確実にすることが望ましい。」(【0011】、【0012】)

(コ)「In an electrically resistive heater, the heat produced by the heater is dependent on the resistance of the heating element. For a given current, the higher the resistance of the heating element the more heat is produced. It is desirable that most of the heat produced is produced by the first portion of the heating element. Accordingly it is desirable that the first portion of the heating element has a greater electrical resistance per unit length than the second portion of the heater element.
・・・
The heating element may comprise a third portion configured for electrical connection to power supply, wherein the third portion is positioned on an opposite side of the heater mount to the first portion of the heating element. The third portion may be formed from a different material to the first and second portions, and may be chosen to provide a low electrical resistance and good connection properties, for example, easily solderable. In practice, silver has been found to be a good choice for the third portion. Alternatively, gold may be used as the material for the third portion. The third portion may comprise a plurality of sections, each connected to a section of the second portion of the heating element.
There may be overlap between the different portions of the heating element to ensure a good electrical connection. For example, the first portion and the third portions may partially overlie or underlie the second portion. Furthermore, the heating element may comprise more than three distinct portions」(2ページ33行〜4ページ2行)
<翻訳文>
「電気抵抗式ヒータでは、ヒータによって生成される熱が、加熱要素の抵抗に依存する。所与の電流では、加熱要素の抵抗が高ければ高いほどより多くの熱が生成される。生成される熱のほとんどは、加熱要素の第1の部分によって生成されることが望ましい。従って、加熱要素の第1の部分は、単位長当たりの電気抵抗がヒータ要素の第2の部分よりも高いことが望ましい。
・・・
加熱要素は、ヒータマウントの、加熱要素の第1の部分とは反対側に位置する、電源に電気的に接続するように構成された第3の部分を含むこともできる。この第3の部分は、第1及び第2の部分とは異なる材料から形成することができ、低電気抵抗、及び、例えば半田付けが容易であることなどの良好な接続特性を提供するように選択することができる。実際には、第3の部分には、銀が良好な選択であることが分かっている。或いは、第3の部分の材料として金を使用することもできる。第3の部分は、各々が加熱要素の第2の部分の区域に接続された複数の区域を含むことができる。
加熱要素の異なる部分の間には、良好な電気的接続を確実にするために重複部分が存在する。例えば、第1の部分と第3の部分は、部分的に第2の部分の上側又は下側に重なることができる。さらに、加熱要素は、3つよりも多くの異なる部分を含むこともできる。」(【0013】〜【0018】)

(サ)「Advantageously, the first portion of the heating element is spaced from the heater mount. The part of the heater between the first portion of the heating element and the heater mount advantageously has a thermal gradient between a higher temperature at the first portion of the heater element and a lower temperature at the heater mount. The distance between the first portion of the heating element and the heater mount is chosen to ensure a sufficient temperature drop is obtained.」(4ページ18行〜同ページ23行)
<翻訳文>
「加熱要素の第1の部分は、ヒータマウントから間隔を置くことが有利である。加熱要素の第1の部分とヒータマウントの間のヒータ部分は、ヒータ要素の第1の部分における高温とヒータマウントにおける低温の間の熱勾配を有することが有利である。加熱要素の第1の部分とヒータマウントの間の距離は、十分な温度降下が得られることを確実にするように選択される。」(【0021】)

(シ)「Advantageously, the heater assembly is configured such that, if the maximum temperature of the first portion is T1, the ambient temperature is T0, and the temperature of the second portion of the heater element in contact with the heater mount is T2, then:
(T1-T0)/(T2-T0)>2」(5ページ1行〜同ページ4行)
<翻訳文>
「ヒータアセンブリは、第1の部分の最高温度がT1であり、大気温度がT0であり、ヒータ要素のヒータマウントに接する第2の部分の温度がT2である場合、(T1−T0)/(T2−T0)>2となるように構成されることが有利である。」(【0023】)

(ス)「The dimensions of the heater may be chosen to suit the application of the heating assembly, and it should be clear that the width, length and thickness of the heater may be selected independently of one another. In one embodiment the heater is substantially blade shaped and has a tapered end for insertion into an aerosol-forming substrate. The heater may have a length of between about 10mm and about 30mm, and advantageously between about 15 and about 25mm. The surface of the heater on which the heating element is positioned may have a width of between about 2mm and about 10mm, and advantageously between about 3mm and about 6mm. The heater may have a thickness of between about 0.2mm and about 0.5mm and preferably between 0 3 and 0.4mm. The active heating area of the heater, corresponding to the portion of the heater in which the first portion of the heating element is positioned, may have a length of between 5mm and 20mm and advantageously is between 8mm and 15mm. The heater mount may contact the heater over a length of between 2mm and 5mm and advantageously over a length of about 3mm. The distance between the heater mount and the first portion of the heating element may be at least 2mm and advantageously at least 2.5mm. In a preferred embodiment the distance between the heater mount and the first portion of the heating element is 3mm.」(5ページ14行〜同ページ29行)
<翻訳文>
「ヒータの寸法は、加熱アセンブリの用途に合うように選択することができ、ヒータの幅、長さ及び厚みは、互いに関係なく選択できることが明らかであろう。1つの実施形態では、ヒータが実質的にブレード形状であり、エアロゾル形成基材に挿入できるようにテーパ状の端部を有する。ヒータは、約10mm〜約30mmの長さを有することができ、約15〜約25mmであることが有利である。加熱要素が配置されたヒータの表面は、約2mm〜約10mmの幅を有することができ、約3mm〜約6mmであることが有利である。ヒータは、約0.2mm〜約0.5mmの厚みを有することができ、0.3〜0.4mmであることが好ましい。加熱要素の第1の部分が配置されたヒータ部分に対応するヒータのアクティブな加熱領域は、5mm〜20mmの長さを有することができ、8mm〜15mmであることが有利である。ヒータマウントは、2mm〜5mmの長さにわたってヒータに接することができ、この長さは約3mmであることが有利である。ヒータマウントと加熱要素の第1の部分との間の距離は、少なくとも2mmとすることができ、少なくとも2.5mmであることが有利である。好ましい実施形態では、ヒータマウントと加熱要素の第1の部分との間の距離が3mmである。」(【0025】)

(セ)「In a still further aspect of the invention, there is provided a heating assembly for heating an aerosol-forming substrate, the heating assembly comprising:
a heater comprising an electrically resistive heating element; and
a heater mount coupled to the heater;
wherein the heating element comprises a first portion and a second portion configured such that, when an electrical current is passed through the heating element the first portion is heated to a higher temperature than the second portion as a result of the electrical current; and wherein the heater mount surrounds the second portion of the heating element and is formed from a moulded polymeric material.」(10ページ25行〜同ページ33行)
<翻訳文>
「本発明のさらに別の態様では、エアロゾル形成基材を加熱するための加熱アセンブリを提供し、この加熱アセンブリは、
電気抵抗式加熱要素を含むヒータと、
ヒータに結合されたヒータマウントと、
を備え、加熱要素は、第1の部分及び第2の部分を有し、これらの第1及び第2の部分は、加熱要素に電流が流れた時に、この電流の結果として第1の部分が第2の部分よりも高い温度に加熱されるように構成され、ヒータマウントは、加熱要素の第2の部分を取り囲み、成形ポリマ材料から形成される。」(【0051】)

(ソ)「The electrically heated aerosol generating system 100 comprises an aerosol- generating device having a housing 10 and an aerosol-forming article12, for example a tobacco stick. The aerosol-forming article12 includes an aerosol-forming substrate that is pushed inside the housing 10 to come into thermal proximity with heater 14. The aerosol- forming substrate will release a range of volatile compounds at different temperatures.」(11ページ21行〜同ページ25行)
<翻訳文>
「電気加熱式エアロゾル発生システム100は、ハウジング10と、例えばタバコスティックなどのエアロゾル形成物品12とを有するエアロゾル発生装置を備える。エアロゾル形成物品12は、ハウジング10の内部に押し込まれてヒータ14と熱的に近接するエアロゾル形成基材を含む。エアロゾル形成基材は、異なる温度において様々な範囲の揮発性化合物を放出する。」(【0056】)

(タ)「The housing 10 of aerosol-generating device defines a cavity, open at the proximal end (or mouth end), for receiving an aerosol-generating article 12 for consumption. The distal end of the cavity is spanned by a heating assembly 24 comprising a heater 14 and a heater mount 26. The heater 14 is retained by the heater mount 26 such that an active heating area of the heater is located within the cavity. The active heating area of the heater 14 is positioned within a distal end of the aerosol-generating article 12 when the aerosol- generating article 12 is fully received within the cavity.」(12ページ4行〜同ページ10行)
<翻訳文>
「エアロゾル発生装置のハウジング10は、消費されるエアロゾル発生物品12を受け入れるための、近位端(又は唇側端部)側が開放されたキャビティを定める。キャビティの遠位端には、ヒータ14とヒータマウント26とを含む加熱アセンブリ24が広がる。ヒータ14は、ヒータのアクティブな加熱領域がキャビティ内に位置するようにヒータマウント26によって保持される。エアロゾル発生物品12がキャビティ内に全部受け入れられた場合、ヒータ14のアクティブな加熱領域は、エアロゾル発生物品12の遠位端の内部に位置する。」(【0059】)

(チ)「Figure 3 illustrates a heater element 14 of the type shown in Figure 2 in greater detail. The heater 14 comprises an electrically insulating heater substrate 80, which defines the shape of the heating element 14. The heater substrate 80 is formed from an electrically insulating material, which may be, for example, alumina (Al203) or stabilized zirconia (Zr02). It will be apparent to one of ordinary skill in the art that the electrically insulating material may be any suitable electrically insulating material and that many ceramic materials are suitable for use as the electrically insulating substrate. The heater substrate 80 is substantially blade-shaped. That is, the heater substrate has a length that in use extends along the longitudinal axis of an aerosol-forming article engaged with the heater, a width and a thickness. The width is greater than the thickness. The heater substrate 80 terminates in a point or spike 90 for penetrating an aerosol-forming substrate 30.」(13ページ16行〜同ページ26行)
<翻訳文>
「図3に、図2に示すタイプのヒータ要素14をさらに詳細に示す。ヒータ14は、加熱要素14の形状を定める電気絶縁式ヒータ基板80を有する。ヒータ基板80は、例えばアルミナ(Al2O3)又は安定化ジルコニア(ZrO2)とすることができる電気絶縁材料から形成される。当業者には、この電気絶縁材料はいずれの好適な電気絶縁材料であってもよく、電気絶縁基板としての使用には多くのセラミック材料が適していることが明らかであろう。ヒータ基板80は、実質的にブレード形状である。すなわち、ヒータ基板は、使用時にヒータと係合したエアロゾル形成物品の長手方向軸に沿って延びる長さ、幅及び厚みを有する。幅は厚みよりも大きい。ヒータ基板80は、エアロゾル形成基材30を貫通するための先端部又はスパイク90で終端する。」(【0068】)

(ツ)「A heating element 82 formed from electrically conductive material is deposited on a planar surface of the heater substrate 80 using evaporation or any other suitable technique. The heating element is formed in three distinct portions. A first portion 84 is formed from platinum The first portion is positioned in the active heating area 91. This is the area of the heater which reaches the maximum temperature and provides heat to an aerosol-forming substrate in use. The first portion is U-shaped or in the shape of a hairpin A second portion 86 is formed from gold. The second portion comprises two parallel tracks, each connected to an end of the first portion 84. The second portion spans the holding area 93 of the heater, which is the area of the heater that is in contact with the heater mount 26, as shown in Figure 4. A third portion 88 is formed from silver. The third portion is positioned in the connecting area 95 and provides bonding pads to which external wires can be fixed using solder paste or other bonding techniques. The third portion comprises two parallel pads, each connected to an end of one of the parallel tracks of the second portion 86, opposite to the first portion 84. The third portion 88 is positioned on an opposite side of the holding area 93 to the first portion.」(13ページ27行〜14ページ5行)
<翻訳文>
「ヒータ基板80の平面上には、蒸着又は他のいずれかの好適な技術を用いて、導電性材料から形成された加熱要素82が堆積される。加熱要素は、3つの異なる部分で形成される。第1の部分84はプラチナで形成される。第1の部分は、アクティブな加熱領域91内に位置する。この領域は、使用時に最高温度に達してエアロゾル形成基材に熱を与えるヒータ領域である。第1の部分は、U字形又はヘアピン形状である。第2の部分86は金で形成される。第2の部分は、各々が第1の部分84の終端部に接続された2つの平行トラックを含む。第2の部分は、図4に示すヒータマウント26に接触するヒータ領域であるヒータの保持領域93に及ぶ。第3の部分88は銀で形成される。第3の部分は、接続領域95内に位置し、半田ペースト又はその他のボンディング技術を用いて外部ワイヤを固定できるボンディングパッドを提供する。第3の部分は、各々が第2の部分86の平行トラックの一方の第1の部分84とは反対側の端部に接続された2つの平行パッドを含む。第3の部分88は、保持領域93の第1の部分とは反対側に位置する。」(【0069】)

(テ)「The shape, thickness and width of the first, second and third portions may be chosen to provide the desired resistance and temperature distribution in use. However, the first portion has a significantly greater electrical resistance per unit length than the second and third portions and, as a result, when an electrical current passes through the heating element 82, it is the first portion that generates the most heat and so reaches the highest temperature. The second and third portions are configured to have a very low electrical resistance and so provide very little Joule heating. The total electrical resistance of the heating element is about 0.80 Ohms at 0°C, rising to about 2 Ohms when the active heating area 91 reaches 400°C. The battery voltage of the lithium ion battery is around 3.7 Volts so that the typical peak current supplied by the power supply (at 0°C) is around 4.6 A.」(14ページ6行〜同ページ15行)
<翻訳文>
「第1、第2及び第3の部分の形状、厚み及び幅は、使用時に所望の抵抗及び温度分布をもたらすように選択することができる。しかしながら、第1の部分は、第2及び第3の部分よりも大幅に大きな単位長当たりの電気抵抗を有し、この結果、加熱要素82に電流が流れた時にほとんどの熱を生成し、従って最高温度に達するのが第1の部分である。第2及び第3の部分は、非常に低い電気抵抗を有し、従ってほんの少しのジュール加熱しかもたらさないように構成される。加熱要素の総電気抵抗は、0℃において約0.80オームであり、アクティブな加熱領域91が400℃に達した時に約2オームに上昇する。リチウムイオン電池のバッテリ電圧は3.7ボルト前後であり、従って電源によって供給される(0℃における)一般的なピーク電流は4.6A前後になる。」(【0070】)

(ト)「Figure 4 shows the heater 14 assembled to a heater mount 26 to form a heating assembly. The heater mount 26 is formed from polyether ether ketone (PEEK) and is injection moulded around the heater to surround the holding area 93. The heater substrate 80 may be formed with notches or protrusion in the holding area to ensure a strong fixing between the heater mount and the heater. In this embodiment the heater mount 26 has a circular cross-section to engage a circular housing 10 of the aerosol-generating device. However, the heater mount may be moulded to have any desired shape and any desired engagement features for engaging with other components of the aerosol-generating device.」(14ページ26行〜同ページ34行)
<翻訳文>
「図4に、ヒータマウント26に取り付けられて加熱アセンブリを形成するヒータ14を示す。ヒータマウント26は、ポリエーテル・エーテル・ケトン(PEEK)から形成され、保持領域93を取り囲むようにヒータの周囲に射出成形される。ヒータ基板80には、ヒータマウントとヒータの強固な固定を確実にするために、保持領域内にノッチ又は突起を形成することができる。この実施形態では、ヒータマウント26が、エアロゾル発生装置の円形ハウジング10に係合するように円形断面を有する。しかしながら、ヒータマウントは、エアロゾル発生装置の他の構成要素と係合するためのあらゆる所望の形状及びあらゆる所望の特徴部を有するように成形することができる。」(【0072】)

(ナ)「Figure 5 is schematic-cross section of the heater of Figure 3. Figure 5 illustrates that there is overlap between the first, second and third portions of the heating element. The construction of the heater can be described as follows. The heater substrate 80 is covered with layers of glass 92, 96, on both the first and second surfaces. This protects the substrate and improves the distribution of heat across the surface of the heater in the active heating area. The gold tracks forming the second portion 86 of the heating element are then deposited onto the glass layer 92. The platinum track, forming the first portion 84 of the heating element, is then deposited on the glass layer 92, in an overlapping relation with the gold tracks to ensure a low electrical resistance contact between the first and second portions. The silver connection pads forming the third portion 88 of the heating element are also deposited on the glass layer 92, in an overlapping relation with the gold tracks to ensure a low electrical resistance contact between the third and second portions. Finally an overlying glass layer 94 is formed, covering the heating element 82 and protecting the heating element from corrosion. The heater mount can then be moulded around the heater.
The heater is configured so that the active heating area, corresponding to the first portion of the heating element, is spaced from the heater mount. The area of the heater that extends into the cavity of the aerosol-generating device is referred to as the insertion area 97. The part of the second portion 86 of the heating element that extends into the insertion area 97 provides an energy transfer area.」(14ページ35行〜15ページ18行)
<翻訳文>
「図5は、図3のヒータの概略断面図である。図5には、加熱要素の第1、第2及び第3の部分の間に重複部分があることを示している。ヒータの構成は以下のように説明することができる。ヒータ基板80は、第1及び第2の表面がいずれもガラス層92、96で覆われる。この層は基板を保護し、アクティブな加熱領域内のヒータの表面にわたる熱の分散を高める。次に、ガラス層92上に、加熱要素の第2の部分86を形成する金製のトラックを堆積させる。次に、第1の部分と第2の部分の間の低電気抵抗接触を確実にするために、ガラス層92上に、金製のトラックに重ね合わせて、加熱要素の第1の部分84を形成するプラチナ製のトラックを堆積させる。さらに、第3の部分と第2の部分の間の低電気抵抗接触を確実にするために、ガラス層92上に、金製のトラックに重ね合わせて、加熱要素の第3の部分88を形成する銀製のトラックを堆積させる。最後に、上に重なるガラス層94を形成し、加熱要素82を覆って加熱要素を腐食から保護する。その後、このヒータの周囲にヒータマウントを成形することができる。
このヒータは、加熱要素の第1の部分に対応するアクティブな加熱領域がヒータマウントから間隔を置くように構成される。エアロゾル発生装置のキャビティ内に延びるヒータ領域は、挿入領域97と呼ばれる。加熱要素の第2の部分86の挿入領域97内に延びる部分は、エネルギー伝達領域を提供する。」(【0073】、【0074】)

(ニ)「Figure 6 is plot 100 showing the temperature of the heater as a function of distance along the length of the heater during operation of the heater illustrated in Figure 3. The heater is shown below the plot such that the plot of temperature is aligned with the heater. Ideally the heater is hot in the insertion area 97 and cool in the holding area 93 and connection area 95. An ideal temperature profile is shown by dotted line 06. In reality the temperature profile can never be so sharply stepped. It can be seen from the actual temperature plot 100 that the heater is hottest in the active heating area, where the first portion of the heating element is positioned. The peak temperature is around 420°C during aerosol generation, in the energy transfer area between the active heating area and the holding area, the temperature drops rapidly. In this embodiment, at the heater mount, it is desirable that the temperature of the heater is lower than 200°C, as shown by line 102. The maximum temperature allowable at the heater mount will depend on the material used to form the heater mount. The position of the closest part of heater mount to the active heating area is shown as line 104. The heater is configured to ensure that the temperature at the heater mount 26 is less that 200°C when the active area of the heater reaches its maximum temperature in use. In the example shown in Figure 6 the distance between the platinum portion of the heating element and the heater mount is 3mm. This is sufficient a distance to ensure the required temperature drop. Gold is chosen as the material for the second portion of the heating element because, in addition to a high electrical conductivity, gold has a relatively low thermal conductivity, ensuring a rapid temperature drop between the active heating area and the holding area. An additional temperature drop to approximately 50°C is further desirable in at least a portion of connecting area 95 in including third portion 88 of the heating element. In particular, it is desirable to minimize the temperature of element 14 closest to controller 18, the electrical energy supply 16, and a user interface 20. For example, such temperature minimization will reduce or eliminate the need to correct for thermal induced variation in the electronic chips and/or systems comprising controller 18, supply 16, and interface 20.」(15ページ19行〜16ページ9行)
<翻訳文>
「図6は、図3に示すヒータの動作中におけるヒータの温度をヒータの長さに沿った距離の関数として示すプロット100である。プロットの下部にヒータを示して、温度のプロットをヒータと位置合わせしている。ヒータは、挿入領域97において高温であり、保持領域93及び接続領域95では低温であることが理想的である。理想温度プロファイルを点線106で示している。実際には、温度プロファイルがこれほど急激に上昇することはありえない。実際の温度プロット100からは、加熱要素の第1の部分が位置するアクティブな加熱領域においてヒータが最も高温になることが分かる。エアロゾル発生中のピーク温度は420℃前後である。アクティブな加熱領域と保持領域の間のエネルギー伝達領域では、温度が急速に降下する。この実施形態では、ヒータマウントにおいて、ヒータの温度が、線102で示す200℃未満であることが望ましい。ヒータマウントにおいて許容できる最高温度は、ヒータマウントの形成に使用する材料に依存する。アクティブな加熱領域に最も近いヒータマウント部分の位置は、線104として示している。ヒータは、使用時にヒータのアクティブ領域がその最高温度に達した時に、ヒータマウント26における温度が確実に200℃未満になるように構成される。図6に示す例では、加熱要素のプラチナ部分とヒータマウントの間の距離が3mmである。この距離は、必要な温度降下を確実にするのに十分な距離である。加熱要素の第2の部分の材料としては、導電率が高いことに加え、熱伝導率が比較的低く、アクティブな加熱領域と保持領域の間の急速な温度降下が確実になるという理由で金が選択される。加熱要素の第3の部分88を含む接続領域95の少なくとも一部では、約50℃までのさらなる温度降下がさらに望ましい。特に、コントローラ18、電気エネルギー源16及びユーザインターフェイス20に最も近い要素14の温度を最低限に抑えることが望ましい。例えば、このような温度の最小化により、電子チップ、及び/又はコントローラ18、電源16及びインターフェイス20を含むシステムの熱によって生じる変動を補正する必要性が低減又は排除される。」(【0075】)















イ 上記ア及び図面の記載から認められる事項
上記ア及び図面の記載から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
(ア)上記アの(ア)〜(キ)、(セ)及び(ソ)[翻訳文の要約、請求項1並びに段落0001、0003、0006〜0008、0051及び0056]並びに図2の記載によれば、引用文献1には、エアロゾル形成基材30を加熱するための加熱アセンブリ24が記載されている。

(イ)上記アの(ア)〜(ウ)、(カ)及び(チ)〜(テ)[翻訳文の要約、請求項1並びに段落0007、0050、0068〜0070及び0073]並びに図3の記載によれば、加熱アセンブリ24において、電気抵抗式の加熱要素82およびヒータ基板80を備えたヒータ14を備えている。

(ウ)上記アの(ア)、(イ)、(カ)、(セ)、(タ)及び(ト)[翻訳文の要約、請求項1並びに段落0007、0051、0059及び0072]並びに図4の記載によれば、加熱アセンブリ24において、ヒータ14に結合されたポリエーテル・エーテル・ケトンから形成されるヒータマウント26を備えている。

(エ)上記アの(ア)、(イ)、(カ)、(ク)〜(シ)、(セ)及び(テ)[翻訳文の要約、請求項1並びに段落0007、0010、0012、0013、0021、0023、0051及び0070]並びに図6の記載によれば、加熱アセンブリ24において、電気抵抗式の加熱要素82が、電流が前記電気抵抗式の加熱要素82を通過する時、第1の部分84が第2の部分86よりも高い温度に加熱されるように構成された前記第1の部分84および前記第2の部分86を備えている。

(オ)上記アの(イ)、(カ)、(ス)、(ツ)及び(ニ)[請求項1並びに段落0007、0025、0069及び0075]並びに図3及び図4の記載によれば、加熱アセンブリ24において、電気抵抗式の加熱要素82の第1の部分84がヒータ基板80の加熱領域91上に位置付けられている。

(カ)上記アの(イ)、(カ)、(ス)、(ツ)及び(ト)[請求項1並びに段落0007、0069及び0072]並びに図3及び図4の記載によれば、加熱アセンブリ24において、電気抵抗式の加熱要素82の第2の部分86がヒータ基板80の保持領域93上に位置付けられている。

(キ)上記アの(イ)、(カ)、(ス)、(ツ)及び(ト)[請求項1並びに段落0007、0069及び0072]並びに図3及び図4の記載によれば、加熱アセンブリ24において、ヒータマウント26がヒータ基板80の前記保持領域93に固定されている。

(ク)上記アの(ケ)、(サ)、(ス)、(ナ)及び(ニ)[段落0012、0021、0025及び0075]並びに図3,図4及び図6の記載によれば、加熱アセンブリ24において、ヒータ14は約10mm〜約30mmの長さを有することができ、ヒータマウント26は、2〜5mmの長さにわたって前記ヒータ14に接し、前記ヒータマウント26と電気抵抗式の加熱要素82の第1の部分84との間の距離は少なくとも2mmとされ、前記電気抵抗式の加熱要素82の前記第1の部分84が配置された前記加熱領域91は5mm〜20mmの長さを有している。

ウ 引用発明
上記ア及びイから、本件補正発明に倣って整理すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「エアロゾル形成基材30を加熱するための加熱アセンブリ24であって、
電気抵抗式の加熱要素82およびヒータ基板80を備えたヒータ14と、
前記ヒータ14に結合されたポリエーテル・エーテル・ケトンから形成されるヒータマウント26とを備え、
前記電気抵抗式の加熱要素82が、電流が前記電気抵抗式の加熱要素82を通過する時、第1の部分84が第2の部分86よりも高い温度に加熱されるように構成された前記第1の部分84および前記第2の部分86を備え、また前記電気抵抗式の加熱要素82の前記第1の部分84が前記ヒータ基板80の加熱領域91上に位置付けられ、かつ前記電気抵抗式の加熱要素82の前記第2の部分86が前記ヒータ基板80の保持領域93上に位置付けられ、また前記ヒータマウント26が前記ヒータ基板80の前記保持領域93に固定され、また前記ヒータ14は約10mm〜約30mmの長さを有することができ、前記ヒータマウント26は、2〜5mmの長さにわたって前記ヒータ14に接し、前記ヒータマウント26と前記電気抵抗式の加熱要素82の前記第1の部分84との間の距離は少なくとも2mmとされ、前記電気抵抗式の加熱要素82の前記第1の部分84が配置された前記加熱領域91は5mm〜20mmの長さを有する、加熱アセンブリ24。」

(3)引用発明との対比
本件補正発明と引用発明とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
後者の「エアロゾル形成基材30」は、前者の「エアロゾル形成基体」に相当し、以下同様に、「加熱アセンブリ24」は「加熱組立品」に、「電気抵抗式の加熱要素82」は「電気抵抗性のある発熱体」に、「ヒータ基板80」は「ヒーター基体」に、「ヒータ14」は「ヒーター」に、「ヒータマウント26」は「ヒーターマウント」に、「第1の部分84」は「第一の部分」に、「第2の部分86」は「第二の部分」に、「加熱領域91」は「加熱領域」に、「保持領域93」は「保持領域」に、それぞれ相当する。

以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「エアロゾル形成基体を加熱するための加熱組立品であって、
電気抵抗性のある発熱体およびヒーター基体を備えたヒーターと、
前記ヒーターに結合されたヒーターマウントとを備え、
前記電気抵抗性のある発熱体が、電流が前記発熱体を通過する時、第一の部分が第二の部分よりも高い温度に加熱されるように構成された前記第一の部分および前記第二の部分を備え、また前記発熱体の前記第一の部分が前記ヒーター基体の加熱領域上に位置付けられ、かつ前記発熱体の前記第二の部分が前記ヒーター基体の保持領域上に位置付けられ、また前記ヒーターマウントが前記ヒーター基体の前記保持領域に固定される、加熱組立品。」

[相違点]
本件補正発明では、「前記電気抵抗性のある発熱体の前記第二の部分が前記電気抵抗性のある発熱体の前記第一の部分よりも長く、前記電気抵抗性のある発熱体の前記第二の部分が12mm〜20mmの長さを持つ」のに対して、引用発明では、「前記ヒータ14は約10mm〜約30mmの長さを有することができ、前記ヒータマウント26は、2〜5mmの長さにわたって前記ヒータ14に接し、前記ヒータマウント26と前記電気抵抗式の加熱要素82の前記第1の部分84との間の距離は少なくとも2mmとされ、前記電気抵抗式の加熱要素82の前記第1の部分84が配置された前記加熱領域は5mm〜20mmの長さを有する」ものであり、電気抵抗式の加熱要素82(電気抵抗性のある発熱体)の第2の部分86(第二の部分)の長さについて、電気抵抗式の加熱要素82の第1の部分84(第一の部分)よりも長い関係及びその関係にある数値範囲を特定するものではない点。

(4)判断
ア 相違点について
上記相違点について検討する。
引用発明において、ヒータマウント26(ヒーターマウント)が固定されるヒータ基板80の保持領域93上には電気抵抗式の加熱要素82(電気抵抗性のある発熱体)の第2の部分86(第二の部分)が位置することから、電気抵抗式の加熱要素82の第2の部分86の長さは、ヒータマウント26がヒータ14(ヒーター)に接する2〜5mmの長さを含むといえる。
また、電気抵抗式の加熱要素82の第2の部分86の長さは、ヒータマウント26と電気抵抗式の加熱要素82の第1の部分84(第一の部分)との間の部分(当該部分について、引用文献1には、上記(2)ア(サ)に記載の「加熱要素の第1の部分とヒータマウントの間のヒータ部分」や上記(2)ア(ナ)に記載の「加熱要素の第2の部分86の挿入領域97内に延びる部分」として説明されている。)の少なくとも2mmの長さを含んでいるから、上記ヒータマウント26がヒータ14に接する長さ2〜5mmのうちの最長の長さである5mmの長さと合わせて、電気抵抗式の加熱要素82の第2の部分86の長さは、少なくとも7mmの態様を含むものである。
さらに、電気抵抗式の加熱要素82の第1の部分84(第一の部分)は、ヒータ基板80の加熱領域91(加熱領域)上に位置付けられるから、電気抵抗式の加熱要素82の第1の部分84の長さは、加熱領域91の5mm〜20mmの長さと同等であり、最小5mmである。
そうすると、引用発明は、電気抵抗式の加熱要素82の第2の部分86の長さが電気抵抗式の加熱要素82の第1の部分84よりも長い態様(例えば、第2の部分86の長さが少なくとも7mmで、第1の部分84の長さが5mmのもの)を含むものといえる。
次に、電気抵抗式の加熱要素82の第2の部分86(第二の部分)の長さが、本件補正発明における12mm〜20mmの範囲を含むか否かについて検討する。
例えば、引用文献1の図3〜6の例において、ヒータ14の長さ約10mm〜約30mmの上限値約30mmから、ヒータ基板80の加熱領域91の長さ5mm〜20mmの下限値5mmを除いた長さは、25mmの長さとなり、さらに第3の部分88を配置した部分の長さについては明細書に明記されていないが、仮に5mmとすると、電気抵抗式の加熱要素82の第2の部分86の最大の長さとして20mmを採用し得る。また、電気抵抗式の加熱要素82の第2の部分86の長さは、上記したように少なくとも7mmであるので、第2の部分86(第二の部分)の長さが12mm〜20mmの範囲を含むといえる。
以上によれば、引用発明は、上記相違点に係る本件補正発明の構成を含むものであるところ、長さの関係や数値限定を特定し得るかについて以下に検討する。
上記(2)ア(カ)の記載、上記(2)ア(ケ)の記載、上記(2)ア(サ)の記載、及び上記(2)ア(ニ)の記載を総合すると、引用文献1には、「ヒータマウントや電子部品を、第2の部分より高い温度に加熱するように構成された第1の部分から離間させる必要があること。」(以下、「引用文献1の記載事項」という。)が示されている。

そして、引用文献1の記載事項を考慮すると、引用発明において、ヒータマウント26及び電子部品を第1の部分84から離間させるため、第1の部分を短くして第2の部分86の長さを長くする、言い換えると、第1の部分より第2の部分の長さを長くするという動機付けはあるといえ、そのように構成することになんら困難性はない。また、その際に、第2の部分の長さを、引用発明において含みうる、12mm〜20mmの長さとすることは、当業者が適宜設計しうる事項である。
そうすると、引用発明において、上記相違点に係る本件補正発明の構成とすることは、引用文献1の記載事項に基づいて当業者が容易になし得たことである。

イ 請求人の主張について
(ア)請求人は、令和3年4月26日に提出された審判請求書の請求の理由を補正する手続補正書(方式)の3ページ22〜36行において、
「引用文献1(国際公開第2014/102092号)は、加熱領域とヒーターマウントとの間に空間ないし距離を設けることにより、必要とされる温度降下を達成する発明を開示するものではあるものの、この発明の課題は、発熱体の第二の部分が発熱体の第一の部分よりも長いことによって解決されるものではありません。
引用文献1に記載されている発明では、発熱体82の第二の部分86は、第一の部分84よりも長くはなく、むしろ、第一の部分84よりも短くなっています(引用文献1の図3)。拒絶査定でも指摘されているように、引用文献1に記載されている発明では、発熱体82の第一の部分84とヒーターマウント26の間で温度降下を起こすために、第一の部分84とヒーターマウント26の間に距離をおくこととされています(引用文献1の図4)。
しかしながら、引用文献1に記載されている発明においてこのような位置関係となっているのは、発熱体82の第二の部分86が第一の部分84よりも短くなっているためです。したがって、引用文献1に記載されている発明を変更して、本発明が教示するように、発熱体の第二の部分を発熱体の第一の部分よりも長くしたとしても、課題を解決することとはならないものと思料いたします。」と主張する。
しかし、引用文献1の図3は概略図であるから、必ずしも請求人が主張するように、発熱体82の第二の部分86は、第一の部分84よりも短いとはいえない。むしろ、上記アで検討したとおり、引用発明において、ヒータマウント26を形成するポリマが溶解燃焼又は別様に劣化する温度未満に制御すること、及び、コントローラ18等の電子部品の温度を最低限に抑えることを達成するための引用文献1の記載事項を考慮することにより、電気抵抗式の加熱要素82の第2の部分86を、電気抵抗式の加熱要素82の第1の部分84よりも長くするのであるから、電気抵抗式の加熱要素82の第2の部分86を、電気抵抗式の加熱要素82の第1の部分84よりも長くすることで、請求人の主張による「必要とされる温度降下を達成する」という課題を解決し得るものといえるから、請求人の上記主張は採用できない。

(イ)また、請求人は、令和3年4月26日に提出された手続補正書(方式)の3ページ37〜45行において、
「引用文献1の開示内容中には、発熱体82の第二の部分の長さを増大ないし調整することに対する動機付けとなるような記載は、一切見当たりません。上記のとおり、引用文献1に開示されているのは、発熱体82の第二の部分86が第一の部分84よりも短い発明です。しかも、引用文献1に記載されている発明では、エアロゾル形成基体30がエアロゾル形成物品12の遠位端に設けられ、非消耗要素である中空管40が、エアロゾル形成基体30の下流に、すなわちエアロゾル形成物品12の近位端の方向に配置されています(引用文献1の図1)。このような構造を有する引用文献1に記載されている発明を、発熱体82の第二の部分の長さが増大するように変更したのでは、エアロゾル形成基体30が加熱されないこととなってしまいます。」と主張する。
しかし、上記アで検討したとおり、引用発明において、引用文献1の記載事項に基づくことにより、電気抵抗式の加熱要素82の第2の部分86の長さを増大させる動機付けがあるといえる。
また、引用発明において、請求人が主張するように「エアロゾル形成基体30がエアロゾル形成物品12の遠位端に設けられ、非消耗要素である中空管40が、エアロゾル形成基体30の下流に、すなわちエアロゾル形成物品12の近位端の方向に配置されてい」るとしても、エアロゾル形成基体30を加熱することは必須のことであって、それを前提として、引用文献1の記載事項に基づいて、電気抵抗式の加熱要素82の第2の部分86の長さを増大することになるのであるから、エアロゾル形成基体30が加熱されないとまではいえない。
したがって、請求人の上記主張は採用できない。

(ウ)さらに、請求人は、令和3年4月26日に提出された手続補正書(方式)の3ページ46行〜4ページ13行において、
「補正後の請求項1に係る発明は、さらに、「前記電気抵抗性のある発熱体の前記第二の部分が12mm〜20mmの長さを持つ」ことを特徴としています。これは、拒絶査定において、「・・・第二の部分をより長くすることは、遠位端に位置する非消耗要素を有するエアロゾル発生物品にとって有利なものであるとしても、その長さは、非消耗要素に近接する第二の部分の長さに依存するもので、第一の部分の長さとは関係がない。」(下線は強調のため付しました。)とのご指摘を受けて、発熱体の第二の部分の長さを具体的に特定したものです。この補正により、本発明が採用する発熱体の構成が、遠位端に位置する非消耗要素を有するエアロゾル発生物品にとって有利なものとなることが、一層明らかになったものと思料いたします。電気抵抗性のある発熱体の第二の部分が12mm〜20mmの長さを持つ、という本発明の特徴は、引用文献1には何ら開示も示唆もされていません。そして、引用文献1に記載されている発明が、エアロゾル形成基体30がエアロゾル形成物品12の遠位端に設けられ、非消耗要素である中空管40がエアロゾル形成基体30の下流に配置されている構造を有することからすれば、当業者が引用文献1に記載されている発明において発熱体の第二の部分の長さを12mm〜20mmにしてみよう、と考えるべき合理的理由は、一切ありません。」と主張する。
しかし、上記アで検討したとおり、引用発明において、引用文献1の記載事項に基づいて電気抵抗式の加熱要素82の第2の部分86の長さを増大させる際に、電気抵抗式の加熱要素82の第2の部分86を12mm〜20mmの長さを持つようにすることは、ヒータマウント26の許容温度、コントローラ18等の電子部品の許容温度と配置位置、及び電気加熱式エアロゾル発生装置100の寸法等の仕様等に応じて適宜設計し得ることである。
したがって、請求人の上記主張は採用できない。

ウ 効果について
そして、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献1の記載事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

エ まとめ
したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献1の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1〜14に係る発明は、本願の願書に最初に添付された特許請求の範囲の請求項1〜14に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2の[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由の一部は、以下のとおりである。
<理由(進歩性)について>
本願の請求項1に係る発明は、その出願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:国際公開第2014/102092号

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1、その記載及び引用発明は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。
また、引用文献1の記載事項は、前記第2の[理由]2(4)アにおいて記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]1で検討した本件補正発明から「電気抵抗性のある発熱体」の「第二の部分」の限定事項である「前記電気抵抗性のある発熱体の前記第二の部分が12mm〜20mmの長さを持つ」との構成を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(4)に記載したとおり、引用発明及び引用文献1の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び引用文献1の記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。

審判長 林 茂樹
出訴期間として在外者に対し90日を附加する。
 
審理終結日 2021-11-18 
結審通知日 2021-11-22 
審決日 2021-12-08 
出願番号 P2017-549470
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A24F)
P 1 8・ 575- Z (A24F)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 林 茂樹
特許庁審判官 槙原 進
松下 聡
発明の名称 エアロゾル発生システム用の長いヒーター組立品および加熱組立品  
代理人 西島 孝喜  
代理人 田中 伸一郎  
代理人 上杉 浩  
代理人 大塚 文昭  
代理人 近藤 直樹  
代理人 那須 威夫  
代理人 須田 洋之  
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