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審決分類 審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 F24F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F24F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F24F
管理番号 1383825
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-05-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-04-28 
確定日 2022-04-14 
事件の表示 特願2016−122174「表示方法、プログラム及び表示制御システム」拒絶査定不服審判事件〔平成29年12月28日出願公開、特開2017−227353〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成28年6月20日の出願であって、その手続の主な経緯は以下のとおりである。
令和元年11月8日付けで拒絶理由通知
令和2年3月18日に意見書及び手続補正書の提出
令和2年5月25日付けで最後の拒絶理由通知
令和2年8月3日に意見書及び手続補正書の提出
令和3年1月26日付けで令和2年8月3日にされた手続補正についての補正の却下の決定及び拒絶査定(以下「原査定」という。)
令和3年4月28日に拒絶査定不服審判の請求及びその請求と同時に手続補正書の提出

第2 令和3年4月28日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年4月28日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
本件補正は、本件補正前に下記(2)のとおりであった特許請求の範囲の記載を、下記(1)のとおり補正するものである。

(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の記載は、次のとおり補正された。(下線は、補正箇所を示すために請求人が付したものである。)
「 【請求項1】
情報端末装置の表示部に情報を表示させる表示方法であって、
前記表示部に表示させる情報であって施設における空気質の状態に関する空気質情報を生成する表示制御ステップと、
前記空気質情報を出力する出力ステップとを含み、
前記空気質について複数種類の検出対象があり、
前記施設には、前記複数種類の検出対象について検出処理が行われる複数のエリアが含まれており、
前記表示制御ステップは、前記表示部が表示する画面において、前記複数のエリアごとの表示領域を表示させ、複数の前記表示領域ごとに前記複数種類の検出対象の検出結果のそれぞれを同一の表示態様で表示させる情報である前記空気質情報を生成する、
ことを特徴とする表示方法。
【請求項2】
前記空気質情報は、オブジェクトの色、かたち、大きさ、数、動き及びこれらの組み合わせのいずれかで表示される
ことを特徴とする請求項1に記載の表示方法。
【請求項3】
前記表示制御ステップは、さらに、前記複数のエリアのうち一のエリアで検出されたすべての検出結果を含む詳細情報を生成し、
前記出力ステップは、さらに、前記詳細情報を出力する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示方法。
【請求項4】
前記複数種類の検出対象には、空気の汚れの原因となる粒子及び粉塵が含まれる
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の表示方法。
【請求項5】
前記表示制御ステップは、さらに、
前記空気質情報に含まれる前記少なくとも1つの検出対象の検出結果に応じたメッセージを取得し、
前記出力ステップは、さらに、前記メッセージを出力する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の表示方法。
【請求項6】
コンピュータに、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の表示方法に含まれる前記表示制御ステップと前記出力ステップとを、実行させるためのプログラム。
【請求項7】
情報端末装置の表示部に情報を表示させる表示制御システムであって、
前記表示部に表示させる情報であって施設における空気質の状態に関する空気質情報を生成する表示制御部と、
前記空気質情報を出力する出力部とを備え、
前記空気質について複数種類の検出対象があり、
前記施設には、前記複数種類の検出対象について検出処理が行われる複数のエリアが含まれており、
前記表示制御部は、前記表示部が表示する画面において、前記複数のエリアごとの表示領域を表示させ、複数の前記表示領域ごとに前記複数種類の検出対象の検出結果のそれぞれを同一の表示態様で表示させる情報である前記空気質情報を生成する、
ことを特徴とする表示制御システム。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、令和2年3月18日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の記載は次のとおりである。
「 【請求項1】
情報端末装置の表示部に情報を表示させる表示方法であって、
前記表示部に表示させる情報であって施設における空気質の状態に関する空気質情報を生成する表示制御ステップと、
前記空気質情報を出力する出力ステップとを含み、
前記空気質について複数種類の検出対象があり、
前記施設には、前記複数種類の検出対象のうち少なくとも1つの検出対象について検出処理が行われる複数のエリアが含まれており、
前記表示制御ステップは、前記複数のエリアごとに前記少なくとも1つの検出対象の検出結果を含む前記空気質情報を生成し、
前記表示制御ステップは、前記空気質情報に含まれる前記少なくとも1つの検出対象の検出結果すべてを、同一の表示態様で前記表示部に表示させる
ことを特徴とする表示方法。
【請求項2】
前記空気質情報は、オブジェクトの色、かたち、大きさ、数、動き及びこれらの組み合わせのいずれかで表示される
ことを特徴とする請求項1に記載の表示方法。
【請求項3】
前記表示制御ステップは、さらに、前記複数のエリアのうち一のエリアで検出されたすべての検出結果を含む詳細情報を生成し、
前記出力ステップは、さらに、前記詳細情報を出力する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の表示方法。
【請求項4】
前記空気質情報は、前記複数の検出結果のうち検出結果に対する評価が最も悪い検出結果である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の表示方法。
【請求項5】
前記複数種類の検出対象には、空気の汚れの原因となる粒子及び粉塵が含まれる
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の表示方法。
【請求項6】
前記表示制御ステップは、さらに、
前記空気質情報に含まれる前記少なくとも1つの検出対象の検出結果に応じたメッセージを取得し、
前記出力ステップは、さらに、前記メッセージを出力する
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の表示方法。
【請求項7】
コンピュータに、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の表示方法に含まれる前記表示制御ステップと前記出力ステップとを、実行させるためのプログラム。
【請求項8】
情報端末装置の表示部に情報を表示させる表示制御システムであって、
前記表示部に表示させる情報であって施設における空気質の状態に関する空気質情報を生成する表示制御部と、
前記空気質情報を出力する出力部とを備え、
前記空気質について複数種類の検出対象があり、
前記施設には、前記複数種類の検出対象のうち少なくとも1つの検出対象について検出処理が行われる複数のエリアが含まれており、
前記表示制御部は、前記複数のエリアごとに前記少なくとも1つの検出対象の検出結果を含む前記空気質情報を生成し、
前記表示制御部は、前記空気質情報に含まれる前記少なくとも1つの検出対象の検出結果すべてを、同一の表示態様で前記表示部に表示させる
ことを特徴とする表示制御システム。」

2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された、「複数のエリア」において「検出処理」が行われる対象であって、「空気質情報」に含まれる「検出結果」の対象である、「前記複数種類の検出対象のうち少なくとも1つの検出対象」について、本件補正後の請求項1において、「前記複数種類の検出対象」として、「少なくとも1つ」を除くものに限定し、さらに、本件補正前の請求項1に記載された、「前記表示制御ステップは、前記空気質情報に含まれる前記少なくとも1つの検出対象の検出結果すべてを、同一の表示態様で前記表示部に表示させる」ことについて、本件補正後の請求項1において、「前記表示制御ステップは、前記表示部が表示する画面において、前記複数のエリアごとの表示領域を表示させ、複数の前記表示領域ごとに前記複数種類の検出対象の検出結果のそれぞれを同一の表示態様で表示させる情報である前記空気質情報を生成する」とし、表示制御部が空気質情報に含まれる検出結果を表示部に表示させる態様を限定するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。

<特許法第29条第2項進歩性)について>
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)の請求項1に記載した事項により特定されるとおりのものである。

(2)引用文献
ア 引用文献1
(ア)引用文献1の記載
原査定の拒絶の理由で引用文献1として引用された文献であって、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2012−251889号公報(以下「引用文献1」という。)には、次の記載がある。(なお、下線は当審において付したものである。また、「・・・」は記載の省略を示す。以下同様。)
「【0001】
この発明は制御装置および提示方法に関し、特に、検出装置での検出結果の提示を制御する制御装置およびその提示方法に関する。
・・・
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は空気中の菌の量を検出する技術ではないため、空気の汚染度の状態が正しく判定されない場合もある、という問題がある。
【0006】
一方、特許文献2の技術では複数の環境パラメータを組み合わせて用いるために空気中の菌が多いことは予測され得る。しかしながら、特許文献2では実際に菌の量を検出するものではなく、複数の環境パラメータの相互関係に基づいた予測であるため、やはり、空気の汚染度の状態が正しく判定されない場合もある、という問題がある。
【0007】
さらに、特許文献2の技術では、検出対象のエリアの状態を考慮して総合的に空気の汚染度の状態を判定することができない、という問題もある。
【0008】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであって、適切に空気の状態を提示することができる制御装置および提示方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のある局面に従うと、制御装置は、空気の状態を検出するためのセンサを含んだ検出装置と接続され、検出装置での検出結果を提示するための制御装置であって、検出装置から検出結果を含む情報を取得するための第1の取得手段と、検出装置の位置を特定する情報を取得するための第2の取得手段と、第1の取得手段で取得した情報を第2の取得手段で取得した検出装置の位置に基づいて提示するための提示手段とを備える。
・・・
【0014】
好ましくは、提示手段は、表示画面において、複数のエリアを含んだ領域の空気の状態の検出結果を表示する第1の画面と、前記エリアごとの空気の状態の検出結果を表示する第2の画面とを表示することで第1の取得手段で取得した情報を提示する。」

「【0026】
<システム構成>
図1は、本実施の形態にかかる環境検出システム(以下、システムと略する)1の構成の具体例を示す図である。
【0027】
図1を参照して、システム1は、有線または無線のネットワーク600で接続された、環境情報を取得するための複数の環境検出装置100A,100B,…と、環境属性を検出するための属性検出装置200と、表示部を備えた処理装置300と、環境を調整するための調整装置400と、表示部550を有する表示端末500とを含む。なお、上記複数の環境検出装置100A,100B,…を代表させて環境検出装置100と称する。
【0028】
表示端末500として、複数の表示端末500A,500B,…が含まれてもよい。この場合、これら複数の表示端末500A,500B,…を代表させて表示端末500と称する。
【0029】
環境検出装置100は、各々、環境情報を取得するための、複数のセンサを含む。環境情報とは測定対象の空間の空気の状態を決定付けるパラメータの量を表わす情報を指し、たとえば、測定対象の空間の空気中の微生物量、埃量、湿度、温度、においの原因となるガス量、などが相当する。そのため、後述するように、環境検出装置100は、各々、微生物センサ、埃センサ、湿度センサ、温度センサ、においの原因となるガスセンサ、などを含む。
【0030】
複数の環境検出装置100A,100B,…は、各々、様々な異なる位置に設置されることが想定される。たとえば、複数の部屋を有する空間である場合に、部屋ごとに設置されてもよいし、複数フロアを有する空間である場合に、フロアごとに設置されてもよい。」
・・・
【0035】
処理装置300は、少なくとも、通信機能と表示部と演算装置とを備えていれば、どのような装置で構成されてもよい。一例として、一般的なパーソナルコンピュータで構成されていてよい。処理装置300は環境検出装置100からのセンサ信号をネットワーク600を介して受信し、それを、後述する表示部で表示するための処理を行なう。
【0036】
調整装置400は、対象の空間の空気の状態を決定付けるパラメータの量を調整するための装置であって、たとえば、加湿・除湿機やイオン発生装置などが該当する。
【0037】
表示端末500は少なくとも表示機能と通信機能とを有する装置であればどのような装置であってもよく、携帯電話機や電子書籍閲覧端末やパソコン(PC)やテレビジョン受像機、などが該当する。処理装置300は、表示端末500とネットワーク600を介して相互に通信することで、それらが設置されている位置を特定し、記憶しておく。テレビジョン受像機のように設置される位置が原則固定される装置である場合、設置位置が予め処理装置300に登録されていてもよい。さらに、処理装置300は、表示端末500とユーザとの対応関係を記憶していてもよい。
【0038】
ネットワーク600は、LAN(Local Area Network)、無線LANなどの専用回線を用いた通信を利用するネットワークや、インターネットなどの公衆回線を用いた通信を利用するネットワークなどであってもよいし、無線通信などを用いて直接通信するものであってもよい。」

「【0039】
<装置構成>
図2は、環境検出装置100の構成の具体例を示すブロック図である。
【0040】
図2を参照して、環境検出装置100は、環境情報を取得するセンサとしての、微生物センサ1001、埃センサ1002、湿度センサ1003、温度センサ1004、およびガスセンサ1005と、図示しないCPU(Central Processing Unit)を含んで、装置全体を制御するための制御部110と、CPUで実行されるプログラムやセンサからのセンサ信号や自身の識別情報などを記憶するためのメモリ120と、ネットワーク600を介して他の装置と通信するための第1通信部130と、属性検出装置200と無線通信するための第2通信部140とを含む。各センサの詳細な構成については後述する。
【0041】
さらに図2を参照して、環境検出装置100の制御部110は、各センサからの信号を処理するための機能である信号処理部30と、当該信号に基づいて検出対象のパラメータ量を算出する処理を実行するための機能である測定検出部40と、検出結果である算出されたパラメータ量を環境情報として、予め記憶している自身の識別情報や名称やネットワークのアドレスなどの属性情報と共に処理装置300に対して送信するための機能である送信処理部111と、属性検出装置200からの要求に応じて予め記憶している自身の識別情報を属性検出装置200に対して送信するための応答部112とを含む。これらは、制御部110に含まれるCPUがメモリ120に記憶されるプログラムを読み込んで実行することで、主にCPUで形成される機能であるが、少なくとも一部が電気回路などのハードウェアで構成されてもよい。」

「【0047】
図4(A)は、処理装置300の構成の具体例を示すブロック図である。処理装置300は、上述のように、一般的なパーソナルコンピュータで構成されるものとする。そのため、図4(A)に示されるような、一般的なパーソナルコンピュータの構成を有する。
【0048】
すなわち、図4(A)を参照して、処理装置300は、図示しないCPUを含んで装置全体を制御するための制御部310と、CPUで実行されるプログラムやセンサからのセンサ信号や表示処理に必要な情報などを記憶するためのメモリ320と、ネットワーク600を介して他の装置と通信するための通信部330と、表示部350とを含む。」

「【0153】
[第1の実施の形態]
<動作概要>
第1の実施の形態にかかるシステム1では、環境検出装置100がそれぞれ様々な位置に設置され、予め規定されたエリアごとに当該エリアの空気の状態が表示される。
【0154】
各環境検出装置100が設置される位置は属性検出装置200によって検出され、環境検出装置100の位置を表わした情報が環境属性として属性検出装置200から処理装置300に対して送られる。処理装置300では、属性検出装置200からの環境属性に基づいて各環境検出装置100が設置されているエリアを特定する。そして、エリアごとの空気の状態を当該エリアに設置されている環境検出装置100からの検出結果に基づいて表示する。この表示のための処理を、以降、第1の表示処理と称する。
【0155】
また、属性検出装置200によってユーザのいる位置が検出され、ユーザのいる位置を表わした情報が環境属性として属性検出装置200から処理装置300に対して送られる。処理装置300では、環境検出装置100での検出結果を表示する際に、ユーザのいる位置を含んだエリアの空気の状態を、対応する表示端末500で表示する。この表示のための処理を、以降、第2の表示処理と称する。
【0156】
なお、処理装置300は予め調整装置400の設けられた位置を記憶しておき、環境検出装置100での検出結果に応じて、必要な位置に配された調整装置400を、適した制御量で制御する。調整装置400の位置は、環境検出装置100の位置を検出する方法と同じ方法で属性検出装置200によって検出されて処理装置300に送られてもよい。これは、上述の第1の表示処理または第2の表示処理と並行して行なわれてもよい。
【0157】
<機能構成>
図17は、第1の実施の形態にかかる表示制御を行なうための処理装置300の機能構成の具体例を示すブロック図である。図17に示される各機能は、処理装置300の制御部310に含まれるCPUがメモリ320に記憶されるプログラムを読み込んで実行することで、主にCPUに形成されるものであるが、少なくとも一部が電気回路などのハードウェア構成で実現されてもよい。
【0158】
図17を参照して、第1の実施の形態にかかる表示制御を行なうための処理装置300は、環境検出装置100からの環境情報として測定値と当該環境検出装置100の識別情報との入力を受け付けるための測定値入力部311と、属性検出装置200からの環境属性として検出対象範囲内の人の有無・その位置、風向・風量、および環境検出装置100の位置などの情報の入力を受け付けるための属性入力部312と、これら入力された情報に基づいて、環境検出装置100が設置されたエリアや、ユーザのいるエリアなどを特定するための特定部313と、表示内容を決定して表示部350などに表示させる処理を実行するための表示処理部315と、操作部370からの表示に関する指示の入力を受け付けるための指示入力部314とを含む。
【0159】
当該システム1においては、検出対象の空間に対して予め表示の単位であるエリアが設定されており、当該空間内の様々な位置に環境検出装置100が配置されている。
【0160】
第1の表示処理を実行する場合、メモリ320の所定領域には、予め、エリアごとの位置情報が記憶されている。たとえば位置情報が緯度・経度で表わされ、表示の単位であるエリアが部屋である場合、部屋ごとの緯度・経度が予め記憶されている。
【0161】
特定部313はメモリ320の所定領域に記憶されているエリアごとの位置情報を参照して、環境情報を入力した環境検出装置100がどのエリアに配置されているか、つまり、入力された検出結果がどのエリアの検出結果であるかを特定する。そして、表示処理部315は、入力された検出結果に基づいて表示対象のエリアについて空気の状態を表示するための処理を実行する。
【0162】
また、特定部313はメモリ320の所定領域に記憶されているエリアごとの位置情報を参照して、予め記憶している属性検出装置200の設置されている位置、またはネットワーク600を介して相互に通信することで得られた属性検出装置200の設置されている位置に基づき、環境属性を入力した属性検出装置200がどのエリアに配置されているか、つまり、入力された環境属性がどのエリアの環境属性であるかを特定する。そして、表示処理部315は、さらに環境属性も用いて、表示対象のエリアについて空気の状態を表示するための処理を実行する。」

「【0163】
<第1の表示処理の動作フロー>
図18は、処理装置300での第1の表示処理の流れを表わしたフローチャートである。図18のフローチャートに表わされた動作は、処理装置300の制御部310に含まれるCPUが、メモリ320に記憶されるプログラムを読み出して実行し、図17に示される各部を機能させることで実現される。
【0164】
図18を参照して、環境検出装置100から識別情報などの属性情報と共に検出結果の入力を受け付けると(ステップS101でYES)、ステップS103でCPUは、当該環境検出装置100の検出エリアを特定する。ここでは、予め属性検出装置200から、環境検出装置100の識別情報と共に当該環境検出装置100の位置情報を取得しておき、記憶している。位置情報が属性検出装置200からの相対位置である場合には、CPUは、予め記憶している属性検出装置200の位置情報に基づいて環境検出装置100の位置を算出することで、その位置情報を取得する。ステップS103でCPUは、ステップS101で検出結果と共に入力された識別情報で表わされた環境検出装置100の位置情報を特定し、その位置情報とメモリ320の所定領域に記憶されているエリアごとの位置情報とを比較することで、当該環境検出装置100の設置されているエリアを特定する。
【0165】
ステップS105でCPUは、表示対象とするエリアについて、当該エリアの検出結果に基づいて表示態様を決定する。つまり、上記ステップS101で検出結果を入力した環境検出装置100の設置されているエリアが表示対象のエリアである場合、上記ステップS101で入力された検出結果に基づいて当該表示対象のエリアの表示態様を決定する。なお、当該表示対象のエリアに設置される環境検出装置100が複数ある場合、これら複数の環境検出装置100での検出結果に基づいて当該表示対象のエリアの表示態様を決定する。たとえば、複数の環境検出装置100での検出結果を合算して得られた値に基づいて当該表示対象のエリアの表示態様を決定してもよいし、これらの平均値などの統計値を用いて当該表示対象のエリアの表示態様を決定してもよい。ここでの決定方法については、後に具体例を挙げて説明する。
【0166】
CPUは、操作部370から、検出結果を表示させるエリアの指定を受け付けると(ステップS107でYES)、そのエリアの検出結果を表示部350に表示するための処理を実行する。これにより、指示されたエリアについての検出結果が表示部350に表示されることになる。
【0167】
図19は、第1の表示処理における表示画面の第1の具体例を示す図である。
具体例として、表示対象のエリアにある環境検出装置100の微生物センサ1001での検出結果に基づいて、当該エリア内の空気の状態を表示するための処理を行なうものとする。このとき、表示処理部315は、予め菌を「多い」「少ない」「なし」とランクわけするための基準値を記憶しておき、基準値と当該環境検出装置100からの検出値とを比較することで、菌の量をランクわけする。
【0168】
さらに、CPUは、予め菌の量のランクと表示態様との対応を記憶している。一例として、図19では、菌の量が「多い」ランクの場合には斜線でハッチング、「少ない」ランクの場合には点線横線でハッチング、「なし」ランクの場合にはハッチングなし、の表示態様が記憶されている例が示されている。表示態様はハッチングに限定されず、色や濃度や表示サイズやそれらの組み合わせなどが含まれる。また、表示は2次元表示に限定されず3次元表示でもよく、その場合、表示態様には3次元の奥行きも含まれる。
【0169】
図19の例では、メモリ320には、予め表示の単位であるエリアとしての、1F〜5Fまでの各フロアについてのエリアA〜F(またはエリアA〜E)について、それぞれの位置情報が記憶されている。そして、各環境検出装置100の位置情報と比較することで表示対象のエリアに設置されている環境検出装置100を特定して、当該環境検出装置100からの検出結果である菌の量を得る。このとき、上述のように、表示対象のエリアに環境検出装置100が複数設置されている場合には、これら複数の環境検出装置100での検出結果に基づいて当該エリアについての菌の量を得る。そして、その菌の量に基づいて当該エリアの空気の状態を表わす表示態様を決定する。
【0170】
図19の表示例では、そのようにして各フロアのエリアごとの空気の状態が、検出された菌の量に応じた表示態様で表示されている例が示されている。このように表示されることで、各エリア(各フロアの各エリア)の空気の状態を一目で把握することができる。
【0171】
さらに、複数のエリアを併せた広い範囲についての検出結果を表示するようにしてもよい。すなわち、図19に示されているように、各フロアについて、当該フロアのエリアごとの検出結果に基づいた当該フロアの菌の量を表示するようにしてもよい。
【0172】
さらに、第1の表示処理として、表示画面において位置を指定する指示を受け付けることで、さらにその位置について実際の配置に応じた表示を行なってもよい。図20は、第1の表示処理における表示画面の第2の具体例を示す図であって、図19において矢印で表わされているように、5Fを表わすボタンがクリックされたときに表示部350に表示される画面を表わしている。
【0173】
図20の例では、メモリ320には、予めフロアごとのエリアの配置、大きさがマップ情報として記憶されている。そして、当該マップ情報に基づいて5FのエリアA〜Fの表示範囲を決定した上で、それぞれのエリアの菌の量に応じた表示態様を決定する。
【0174】
図20の表示例では、そのようにして、指定されたフロアの各エリアの空気の状態が、実際の配置、大きさに従った表示範囲で、検出された菌の量に応じた表示態様で表示されている例が示されている。このように表示されることで、各エリアの位置関係、大きさと共に、指定されたフロアの各エリアの空気の状態を一目で把握することができる。
【0175】
1つのエリアに複数の環境検出装置100が配置されている場合、当該エリアのより詳細な空気の状態として、各環境検出装置100での検出結果に基づいてそれぞれの設置位置付近の空気の状態を表示するようにしてもよい。
【0176】
図21は、第1の表示処理における表示画面の第3の具体例を示す図であって、図19において矢印で表わされているように、または図20において矢印で表わされているように、5FのエリアAを表わすボタンがクリックされたときに表示部350に表示される画面を表わしている。5FのエリアAには、2つの環境検出装置100が設置されているものとする。
【0177】
図21の表示例では、5FのエリアAに設置されたそれぞれの環境検出装置100での検出結果に基づいた空気の状態が、それぞれの設置位置に応じた位置に当該検出結果に応じた表示態様で表示されている。この場合、処理装置300のCPUは、環境検出装置100の位置情報とエリアの位置情報とに基づいて、当該エリア内の環境検出装置100のそれぞれの位置を特定する。そして、当該エリアの表示範囲のうちの環境検出装置100の設置位置に応じた位置に、それぞれの検出結果に応じた表示態様で表示する。このように表示されることで、1つのエリア内の空気の状態の分布を一目で把握することができる。
【0178】
さらに、図21の表示例では、空気の状態と共に、調整装置400が表示されている。この場合、処理装置300のCPUは、予め記憶している調整装置400の位置情報に基づいて表示対象のエリア内の当該調整装置400の位置を特定する。そして、当該エリアの表示範囲のうちの調整装置400の設置位置に応じた位置に、調整装置400を表わすマークを表示する。当該マークは選択可能なマークであって、図21に示されるように、そのマークの選択(クリック)を受け付けることで、処理装置300のCPUは、当該調整装置400への制御指示を受け付けるモードとなる。
【0179】
さらに好ましくは、図21に示されるように、表示画面には調整装置400の調整部460の駆動量を指示するための選択肢が表示される。図21の例では、「強」「中」「弱」「止」の駆動量が表示されている。図21の画面において調整装置400を表わすマークの選択を受け付け、さらに、駆動量の選択を受け付けることで、処理装置300のCPUは、選択された駆動量となるように制御信号を調整装置400に対して送信する。
【0180】
このようにすることで、空気の状態の表示を見たユーザは、当該エリアに設置されている調整装置400の駆動を指示することができる。調整装置400がイオン発生装置であり、当該エリアの空気の状態が菌の量が「多い」状態であった場合には、ユーザは、そのエリアに設置されている調整装置400、または、菌の量が「多い」状態とされた位置付近に設置されている調整装置400を駆動量が「強」となるようにして、空気の清浄能力が高くなるように指示することができる。逆に、当該エリアの空気の状態が菌の量が「少ない」状態または「なし」状態であった場合には、ユーザは、そのエリアに設置されている調整装置400を駆動量が「弱」となるように、または駆動を中止するように指示することができる。このように、表示された空気の状態に応じた最適な駆動量とすることができる。
【0181】
なお、図21の例では、ユーザからの選択操作を受け付けることで処理装置300のCPUが調整装置400の駆動量を制御するものとしているが、処理装置300のメモリ220が予め空気の状態と調整装置400の駆動量との対応関係を記憶しておくことで、CPUが当該対応関係に基づいて、対象とするエリアの検出結果から得られた空気の状態に基づいて当該エリアに設置された調整装置400の駆動量を決定し、その駆動量となるような制御信号を調整装置400に対して送信するようにしてもよい。
【0182】
このようにすることで、各エリアの空気の状態が表示されつつ、さらに、よりよい空気の状態となるように調整装置400が自動的に制御される。そして、その制御の結果、空気の状態が変化した場合には、その変化後の空気の状態も表示されることになり、ユーザは制御の効果を確認することができる。
【0183】
なお、上の例では、菌の量に基づく空気の状態が表示されるものとしているが、他のパラメータに基づく空気の状態が表示されてもよいし、複数のパラメータの組み合わせに基づく空気の状態が表示されてもよい。」

















(イ)上記(ア)及び図面の記載から認められる事項
上記(ア)及び図面の記載から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。
a 上記(ア)の段落0001〜0014、0026〜0038、0039〜0041、0047、0048及び0153〜0183並びに図1、2、4及び17〜21の記載(特に段落0001及び0008の記載)によれば、引用文献1には、提示方法が記載されている。

b 上記(ア)の段落0048、0158、0166、0172及び0176並びに図4及び17〜21の記載によれば、提示方法において、表示部350に情報を表示させることが認められる。

c 上記(ア)の段落0158、0165、0169及び0173並びに図17〜21の記載(特に段落0158及び0165並びに図18の記載)によれば、提示方法において、表示部350に表示させる情報であって施設における空気質の状態に関する空気の状態を表す表示態様を決定する表示処理部315による表示態様決定のステップ105を備えることが認められる。
ここで、空気の状態を表す表示態様が施設における空気質の状態に関するものであることは、「空気質」が「建物内の空気の質。二酸化炭素・揮発性有機化合物・花粉・かび・たばこの煙などの汚染の因子がある。」(広辞苑第六版)であるところ、上記(ア)の段落0029、0030、0165及び0169〜0177並びに図17〜21において、空気質の状態を表す空気中の微生物量、埃量、湿度、温度、においの原因となるガス量などの環境情報を検出する環境検出装置を複数の部屋ごと、複数のフロアごとに設置され、それらの検出結果から表示態様を決定することからみて明らかである。

d 上記(ア)の段落0158、0166及び0170〜0177並びに図17〜21の記載(特に段落0158及び0166並びに図18の記載)によれば、提示方法において、空気の状態を表す表示態様を表示するための処理を実行する表示処理部315による表示処理のステップ108を備えることが認められる。

e 上記(ア)の段落0029及び0040並びに図2の記載によれば、提示方法において、空気質について環境情報である空気中の微生物量、埃量、湿度、温度、においの原因となるガス量などの複数種類の検出対象があること認められる。

f 上記(ア)の段落0029、0030、0165、0169及び0183並びに図17〜21の記載によれば、段落0168及び図19の例で、菌の量の1種類の検出結果について表示することが示され、また、段落0183において、複数種類の検出対象の検出結果について組み合わせて表示することが示されていることから、施設には、複数種類の検出対象のうち少なくとも1つの検出対象について検出処理が行われる部屋ごと又はフロアごとの複数のエリアが含まれていることが認められる。

g 上記(ア)の段落0153〜0183及び図17〜21の記載(特に段落0153、0154、0157、0158、0161、0165〜0171、0183及び図17〜19の記載)によれば、表示処理部315による表示態様決定のステップ105は、表示部350が表示する画面において、複数のエリアごとの表示領域を表示させ、複数の前記表示領域ごとに複数種類の検出対象のうち少なくとも1つの検出対象の検出結果を同一の表示態様で表示させる情報である空気の状態を表す表示態様を決定することが認められる。
ここで、複数の前記表示領域ごとに複数種類の検出対象のうち少なくとも1つの検出対象の検出結果を同一の表示態様で表示させることについては、例えば段落0168及び図19に記載があるように、複数のエリアごとの表示領域に対して、菌の量のランクをハッチングの有無及び異なるハッチングによる同一の表示形態で表示されていること、及び段落0183において、複数種類の検出対象の検出結果について組み合わせて表示することが示されていることから認められる。

(ウ)引用発明
上記(ア)及び(イ)から、本件補正発明に倣って整理すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「処理装置300の表示部350に情報を表示させる提示方法であって、
前記表示部350に表示させる情報であって施設における空気質の状態に関する空気の状態を表す表示態様を決定する表示処理部315による表示態様決定のステップ105と、
前記空気の状態を表す表示態様を表示するための処理を実行する表示処理部315による表示処理のステップ108とを含み、
前記空気質について環境情報である空気中の微生物量、埃量、湿度、温度、においの原因となるガス量などの複数種類の検出対象があり、
前記施設には、前記複数種類の検出対象のうち少なくとも1つの検出対象について検出処理が行われる部屋ごと又はフロアごとの複数のエリアが含まれており、
前記表示処理部315による表示態様決定のステップ105は、前記表示部350が表示する画面において、前記複数のエリアごとの表示領域を表示させ、複数の前記表示領域ごとに前記少なくとも1つの検出対象の検出結果を同一の表示態様で表示させる情報である前記空気の状態を表す表示態様を決定する、
提示方法。」

イ 引用文献2
(ア)引用文献2の記載
原査定の拒絶の理由で引用された文献であって、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2012−47427号公報(以下「引用文献2」という。)には、次の記載がある。
「【0001】
この発明は空気清浄機および空気清浄機における表示方法に関し、特に、表示部を備えた空気清浄機および該空気清浄機における表示方法に関する。」

「【0019】
実施の形態においては、図1(A)は、本実施の形態にかかる空気清浄機1の外観の具体例を示す図である。図1(A)を参照して、空気清浄機1は、操作指示を受け付けるためのスイッチ110と、検出結果などを表示するための表示パネル130と、複数の種類の、空気中の所定の粒子または成分を検出するためのセンサ100A,100B,…(これらを代表させてセンサ100とも称する)と、イオン発生装置300と、送風装置400とを含む。その他、図示されない、空気を導入するための吸引口、排気するための排気口、などを含む。さらに、空気清浄機1は、他の装置と通信するための通信部150を含んでもよい。
【0020】
センサ100としては、後述する空気中の浮遊粒子から微生物を検出するためのセンサや、花粉センサや、においセンサ(ガスセンサ)、などが該当する。ここでは、センサ100Aが微生物を検出するためのセンサ、センサ100Bが花粉センサ、センサ100Cがにおいセンサであるものとする。この「微生物」とは、以降の説明においては菌、ウィルスなどの微生物(死骸も含む)が代表されるが、生死に関わらず、生命活動を行なうものまたはその一部であって空気中に浮遊する程度のサイズのものを指す。具体的には、菌、ウィルスなどの微生物(死骸も含む)の他に、ダニ(死骸も含む)等を含み得る。
【0021】
なお、空気清浄機1には、センサ100に併せて、空気の状態を検出するためのセンサが含まれてもよい。空気の状態を検出するためのセンサとしては、たとえば湿度センサや温度センサなどが該当する。
【0022】
表示パネル130での表示方法としては、好ましくは、LED(Light Emitting Diode)や液晶等による電光掲示板方式が採用される。これにより、後述する表示の切替えを容易とすることができる。
【0023】
図1(B)を参照して、空気清浄機1は、さらに、制御装置200を含む。制御装置200は、図示しないCPU(Central Processing Unit)およびメモリを含む。CPUは、スイッチ110からの指示信号に従って、メモリに記憶されているプログラムを読み出して実行する。これにより、表示パネル130での表示や、センサ100の制御や、通信部150の制御や、イオン発生装置300の制御などを実現する。そのため、制御装置200は、表示パネル130での表示を制御するための表示制御部210と、センサ100を制御するための検出制御部220と、イオン発生装置300を制御するためのイオン制御部230と、送風装置400を制御するための風量制御部240とを含む。表示制御部210、検出制御部220およびイオン制御部230は、プログラムを実行することで主にCPUに構成される機能であってもよいし、電気回路などのハードウェアで構成される機能であってもよい。」

「【0167】
<表示制御の説明>
表示制御部210は、センサ100から受信した検出結果などを表示パネル130に表示させるための処理を実行する。具体例として、表示制御部210は、空気中の微生物量、空気中の埃量、空気中の花粉量、空気中のガス量、およびこれらを総合した空気の状態などを表示させる。
【0168】
図29は、表示制御部210の機能構成の具体例を示すブロック図である。図29では、表示制御部210の機能が主にソフトウェア構成である例が示されている。しかしながら、これら機能のうちの少なくとも一部は、電気回路などのハードウェア構成で実現されてもよい。
【0169】
図29を参照して、表示制御部210は、センサ100からの検出結果の入力を受け付けるための入力部201と、後述する表示量を演算するための演算部202と、表示データを生成するための生成部203と、表示データを表示パネル130に対して出力し画面表示を行なわせるための出力部204と、表示データ等を記憶するための記憶部205とを含む。
【0170】
なお、ここで「空気の状態」とは、各センサでの検出結果に基づいて算出される、空気中の汚染物質(所定の粒子または成分)の量を表わす値であって、それぞれの検出結果を加算することによって算出される。たとえば、空気中の微生物量、空気中の埃量、空気中の花粉量、および空気中のガス量のそれぞれについての、所定のセンシング対象の空気量に対する割合(%)を加えて得られる値(%)を「空気の状態」とし、「空気の状態」でセンシング対象の空気量における清浄ではない要素の量の割合を表わす。これら各センサでの検出結果に基づき、他の方法で空気の状態が表わされてもよい。」

「【0193】
第2の表示制御において、表示制御部210は、第1の表示制御で説明された制御と同様にして、空気中の微生物量、空気中の埃量、空気中の花粉量、空気中のガス量、およびそれらを総合して得られる空気の状態を表わす値などの各項目についての値を算出し、それに基づいて表示セグメント131Aで表示させるための制御を行なう。そして、出力部204は、各項目について生成された表示データのうち、同時に表示パネル130で表示させる項目として予め設定されている項目についての表示データを記憶部205から読み出して表示パネル130に対して出力し、これら表示データで表わされるそれぞれの表示バーを表示パネル130で同時に表示させる。
【0194】
図32に示されたように、現時点での検出結果が複数の項目について表示されることで、ユーザは、複数の項目の検出結果を総合して現時点の空気の状態を一目で詳細に把握することができる。つまり、空気清浄機1が設置された室内の空気中の汚染物質の内訳を一目で把握することができる。このように複数の項目の検出結果を把握できることで、送風装置400での風量や、イオン発生装置300でのイオン発生量を、それぞれ適正に設定することができる。」









ウ 引用文献3
(ア)引用文献3の記載
原査定の拒絶の理由で引用された文献であって、本願の出願前に頒布された特開2005−238063号公報(以下「引用文献3」という。)には、次の記載がある。
「【0001】
本発明は、雰囲気の汚れに応じて空気清浄機の送風量を自動的に調節し、適切な制御をを行う空気清浄機の制御装置に関するものである」

「【0008】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1の空気清浄機の制御装置のブロック図、図2は同空気清浄機の制御装置の動作を示すフローチャートであるである。
本発明の実施の形態1の空気清浄機の制御装置は、ニオイやダストを検出するセンサ手段1と、センサ手段1が検出した検出信号に基づいてニオイやダストの判定や判定結果の記憶と風量の決定などの制御を行う制御手段2と、制御手段2が判定したニオイやダストの判定結果を表示する表示手段3とから大略構成されている。
【0009】
センサ手段1は、ニオイセンサ5とダストセンサ6とから構成されている。
ニオイセンサ5は雰囲気中のニオイ成分の元となるガスの濃度に応じた信号を発生する。
また、ダストセンサ6は内部に取り込んだ空気に光源の光を照射し、空気中の塵の粒子が照射領域を通過する際に、粒子のサイズに対応したレベルの散乱光パルスを発生させ、その散乱光パルスのレベルとセンサ外部より入力したしきい値発生手段7のしきい値レベルと比較し、しきい値を超える場合に検出パルスを発生する。このしきい値発生手段7は制御手段2に設けられたしきい値切換手段8の信号により所定のしきい値レベルをダストセンサ6に出力する。」

「【0028】
図9は空気清浄機の制御装置のランク表示手段の表示例を示す。各ランク表示手段22〜24の動作はニオイ、煙、花粉とも同じであるので、ここでは代表して煙ランク表示手段について説明する。
表示手段3の煙ランク表示手段23には、最新ランク表示部36、各1〜5回前のランク表示部37〜41がある。
煙ランクによってランクが1の時は一番下の表示が点灯し、ランクが2の時は1番下と下から2番目が点灯し、ランクが1つずつ上がる毎に、点灯の数が下から順に増えていく。従って、ランクが5で5つの表示が全て点灯することとなる。つまりランク1からランク5を5段階に表示する。
【0029】
また、計時手段17の記憶開始指令信号の出力間隔、即ち表示更新間隔を5分に設定してあるので、5分毎にさかのぼって過去25分前のランクまで表示することができる。
さらに、表示手段3の煙ランク表示手段23における最新ランク表示部36と各1〜5回前のランク表示部37〜41のうち、最新ランク表示部36は各1〜5回前のランク表示部37〜41より大きく形成されている。なお、ニオイランク表示手段22及び花粉ランク表示手段24の最新ランク表示部も煙ランク表示手段23の最新ランク表示部と同様に他のランク表示部より大きく形成されている。
【0030】
以上のように動作する本発明の実施の形態1に示す空気清浄機の制御装置によれば、ニオイセンサ5の信号からニオイランク判定手段11でニオイランクが決定され、ダストセンサ6のしきい値レベルに応じて動作した煙ランク判定手段12又は花粉ランク判定手段13で煙ランク又は花粉ランクが決定され、決定されたニオイ、煙、花粉ランクを所定間隔でニオイランク記憶手段14、煙ランク記憶手段15、花粉ランク記憶手段16が所定数記憶し、前記記憶手段が記憶したニオイ、煙、花粉ランクをニオイランク表示手段22、煙ランク表示手段23、花粉ランク表示手段24が各々経時的に最新のランクから所定間隔で所定数さかのぼって表示するようにしたので、空気清浄機の浄化作用が現在から所定の過去まで一目で確認でき、使い勝手のよい空気清浄機を提供することができる。」





(3)対比
本件補正発明と引用発明とを、その機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。
ア 後者の「提示方法」は、前者の「表示方法」に相当し、以下同様に、「空気質」は「空気質」に、「空気の状態を表す表示態様」は「空気質情報」に、「決定する」は「生成する」に、「表示処理部315による表示態様決定のステップ105」は「表示制御ステップ」に、「表示するための処理を実行する」は「出力する」に、「表示処理部315による表示処理のステップ108」は「出力ステップ」に、「環境情報である空気中の微生物量、埃量、湿度、温度、においの原因となるガス量などの複数種類の検出対象」は「複数種類の検出対象」に、「部屋ごと又はフロアごとの複数のエリア」は「複数のエリア」に、「表示領域」は「表示領域」に、それぞれ相当する。

イ 後者の「処理装置300の表示部350」は、前者の「情報端末装置の表示部」に、「情報処理装置の表示部」という点で一致する。

ウ 後者の「前記施設には、前記複数種類の検出対象のうち少なくとも1つの検出対象について検出処理が行われる部屋ごと又はフロアごとの複数のエリアが含まれており」は、前者の「前記施設には、前記複数種類の検出対象について検出処理が行われる複数のエリアが含まれており」に、「前記施設には、前記複数種類の検出対象のうち少なくとも1つの検出対象について検出処理が行われる複数のエリアが含まれており」という点で一致する。

エ 後者の「前記表示処理部315による表示態様決定のステップ105は、前記表示部350が表示する画面において、前記複数のエリアごとの表示領域を表示させ、複数の前記表示領域ごとに前記少なくとも1つの検出対象の検出結果を同一の表示態様で表示させる情報である前記空気の状態を表す表示態様を決定する」ことは、前者の「前記表示制御ステップは、前記表示部が表示する画面において、前記複数のエリアごとの表示領域を表示させ、複数の前記表示領域ごとに前記複数種類の検出対象の検出結果のそれぞれを同一の表示態様で表示させる情報である前記空気質情報を生成する」ことに、「前記表示制御ステップは、前記表示部が表示する画面において、前記複数のエリアごとの表示領域を表示させ、複数の前記表示領域ごとに前記少なくとも1つの検出対象の検出結果を同一の表示態様で表示させる情報である前記空気質情報を生成する」という点で一致する。

以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
「情報処理装置の表示部に情報を表示させる表示方法であって、
前記表示部に表示させる情報であって施設における空気質の状態に関する空気質情報を生成する表示制御ステップと、
前記空気質情報を出力する出力ステップとを含み、
前記空気質について複数種類の検出対象があり、
前記施設には、前記複数種類の検出対象のうち少なくとも1つの検出対象について検出処理が行われる複数のエリアが含まれており、
前記表示制御ステップは、前記表示部が表示する画面において、前記複数のエリアごとの表示領域を表示させ、複数の前記表示領域ごとに前記少なくとも1つの検出対象の検出結果を同一の表示態様で表示させる情報である前記空気質情報を生成する、
表示方法。」

[相違点1]
「情報処理装置の表示部」に関し、本件補正発明では、「情報端末装置の表示部」であるのに対して、引用発明では、「処理装置300の表示部350」である点。

[相違点2]
「前記施設には、前記複数種類の検出対象のうち少なくとも1つの検出対象について検出処理が行われる複数のエリアが含まれており」、「前記表示制御ステップは、前記表示部が表示する画面において、前記複数のエリアごとの表示領域を表示させ、複数の前記表示領域ごとに前記少なくとも1つの検出対象の検出結果を同一の表示態様で表示させる情報である前記空気質情報を生成する」ことに関し、
本件補正発明では、「前記複数種類の検出対象について検出処理が行われ」、「複数の前記表示領域ごとに前記複数種類の検出対象の検出結果のそれぞれを同一の表示態様で表示させる情報である前記空気質情報を生成する」のに対して、
引用発明では、「前記複数種類の検出対象のうち少なくとも1つの検出対象について検出処理が行われ」、「複数の前記表示領域ごとに前記少なくとも1つの検出対象の検出結果を同一の表示態様で表示させる情報である前記空気の状態を表す表示態様を決定する」ものであり、複数種類の検出対象について検出処理が行われ、複数の表示領域ごとに複数種類の検出対象の検出結果のそれぞれを同一の表示態様で表示させるかは不明である点。

(4)判断
ア 相違点1について
引用発明の「処理装置300」は、引用文献1の段落0158及び図17の記載によれば、表示部350に加えて、操作部370からの表示に関する指示の入力を受け付けるための指示入力部314を含むものであり、情報処理端末としても使用されるものであり、引用発明の「処理装置300の表示部350」は「情報処理端末の表示部」といえるから、相違点1は実質的な相違点ではない。
仮に、引用発明の「処理装置300の表示部350」が「情報処理端末の表示部」と解せないとしても、情報処理装置において、情報の処理量が多い(処理負荷が大きい)場合には、処理能力の高いサーバーと、表示部と操作入力部を有する情報処理端末により構成することは、本願の出願前に技術常識であるから、引用発明の「処理装置300の表示部350」を「情報処理端末の表示部」とし、相違点1に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得たことである。

イ 相違点2について
例えば引用文献2及び3の上記(2)イ及びウに記載があるように、表示部に空気質に関する情報を表示させる表示方法において、空気質に関する複数種類の検出対象について検出処理を行い、前記複数種類の検出対象の検出結果のそれぞれを同一の表示態様で表示させることは、本願の出願前に周知の技術(以下「周知技術」という。)であり、当該周知技術は空気質の状態の内訳を一目で把握することを可能とするものである(引用文献2の段落0194及び図32、引用文献3の段落0030及び図9)。
そして、引用発明は、引用文献1の段落0170及び図19に記載されているように、空気質についての複数の検出結果を一目で把握することができる点で周知技術と共通するものであって、引用文献1の段落0183に記載にされているように、環境情報である空気中の微生物量、埃量、湿度、温度、においの原因となるガス量などの複数種類の検出対象の検出結果を組み合わせて表示することが想定されているから、引用発明に周知技術を適用して、複数のエリアごとに表示された複数の表示領域ごとの表示について、複数種類の検出対象の検出結果のそれぞれを同一の表示態様で表示させるようにし、上記相違点2に係る本件補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

ウ 請求人の主張について
請求人は、審判請求書の7ページ7行〜8ページ2行において、「また審査時において、引用文献1記載の発明において、引用文献2,3を勘案することを指摘されております。しかしながら、以下に示す理由により、引用文献1記載の発明における表示態様を、引用文献2,3記載の表示態様に改変しようと当業者は考えません。すなわち、引用文献1の発明は、「検出対象のエリアの状態を考慮して総合的に空気の汚染度の状態を判定することができない」等の課題([発明が解決しようとする課題])に基づき、検出エリアまたは検出装置の位置に応じた画面上の位置に、検出した菌の量に応じた表示態様で空気の状態を総合的に表示させるものです([請求項1])。また、複数のパラメータで検出する場合にも、「複数のパラメータの組み合わせに基づく空気の状態」として一つの結果が表示されるため(段落[0183])、複数のパラメータの検出結果を「それぞれ」同一の表示態様で表示させるものではありません。このため、引用文献1記載の発明に引用文献2,3を適用すると、検出対象のエリアの位置を考慮した総合的な空気の汚染状態を見せることができないため、このような改変を行おうと当業者は考えません。
拒絶査定では、この主張に対して『引用文献1記載の発明において引用文献2,3に記載の周知技術を勘案するにあたり、阻害要因はない。よって、当該主張は採用できない。』と審査官殿はご認定されていますが、請求人はこのご認定に承服できません。以下にその理由を説明します。
まず、引用文献1の段落[0174]及び図20などに開示されている「各エリアの空気の状態が、実際の配置、大きさに従った表示範囲で、検出された菌の量に応じた表示態様で表示されている」構成に接した当業者は、「各フロアの位置関係、大きさと共に、指定されたフロアの各エリアの空気の状態を一目で把握することができる」というメリットを認識すると共に、このメリットを維持しようと考えるはずです。
ここで、上記メリットを維持したまま、複数エリアのそれぞれで複数のパラメータのそれぞれを表示させようとすると、図20の表示態様などでは、小さいエリアでは複数のパラメータのそれぞれを表示させることがスペースの都合でできないか、表示させても視認性が低下します。これにより、「適切に空気の状態を提示する」(段落[0008])という引用文献1の目的が達成できなくおそれがあります。そして、引用文献1の目的を達成しつつ、複数エリアのそれぞれで複数のパラメータのそれぞれを表示させようとすると、「各フロアの位置関係、大きさと共に、指定されたフロアの各エリアの空気の状態を一目で把握することができる」というメリットが得られない表示態様になります。引用文献1に接した当業者は、上記メリットが得られない表示態様にする改変を行ってまで、複数エリアのそれぞれで複数のパラメータのそれぞれを表示させようとは通常考えません。
したがいまして、引用文献1記載の発明に引用文献2,3を適用することは当業者にとっても容易ではないと思料致します。つまり、上記A構成を有する本願発明は、引用文献1−3に対して、進歩性を有するものと思料致します。」と主張する。
しかし、引用発明では、複数のエリアごとに表示された複数の表示領域ごとに検出対象の検出結果を表示するものであるから、引用発明に周知技術を適用したものにおいて、上記イで述べたように、複数の表示領域ごとに複数種類の検出対象の検出結果(複数のパラメータ)のそれぞれを表示させることになり、そのような表示を一目で確認可能とするために必要なサイズの画面を表示部が有するようににすることは当然のことといえるから、請求人の上記主張は採用できない。

エ 効果について
そして、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

オ まとめ
したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし8に係る発明は、令和2年3月18日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2の[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由の一部は、概略以下のとおりである。(詳細は、令和2年5月25日付け最後の拒絶理由通知を参照。)
<理由1(新規性)について>
本願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
<理由2(進歩性)について>
本願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2及び3に例証される周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特開2012−251889号公報
引用文献2:特開2012−47427号公報
引用文献3:特開2005−238063号公報

3 引用文献
(1)引用文献1
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及びその記載は、前記第2の[理由]2(2)ア(ア)に記載したとおりであり、前記第2の[理由]2(2)ア(イ)の検討を踏まえると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明’」という。)が記載されていると認められる。
「処理装置300の表示部350に情報を表示させる提示方法であって、
前記表示部350に表示させる情報であって施設における空気質の状態に関する空気の状態を表す表示態様を決定する表示処理部315による表示態様決定のステップ105と、
前記空気の状態を表す表示態様を表示するための処理を実行する表示処理部315による表示処理のステップ108とを含み、
前記空気質について環境情報である空気中の微生物量、埃量、湿度、温度、においの原因となるガス量などの複数種類の検出対象があり、
前記施設には、前記複数種類の検出対象のうち少なくとも1つの検出対象について検出処理が行われる部屋ごと又はフロアごとの複数のエリアが含まれており、
前記表示処理部315による表示態様決定のステップ105は、前記複数のエリアごとに前記少なくとも1つの検出対象の検出結果を含む前記空気の状態を表す表示態様を生成し、
前記表示処理部315による表示態様決定のステップ105は、前記空気の状態を表す表示態様に含まれる前記少なくとも1つの検出対象の検出結果を、同一の表示態様で前記表示部350に表示させる
提示方法。」

(2)原査定の拒絶の理由で引用された引用文献2及び3、並びに、それらの記載は、前記第2の[理由]2(2)イ及びウに記載したとおりであり、引用文献2及び3に例証される周知技術は、前記第2の[理由]2(4)の検討で述べたとおりである。

4 対比
本願発明と引用発明’とを、前記第2の[理由]2(3)の対比を踏まえて対比する。
後者の「前記表示処理部315による表示態様決定のステップ105は、前記空気の状態を表す表示態様に含まれる前記少なくとも1つの検出対象の検出結果を、同一の表示態様で前記表示部350に表示させる」は、前者の「前記表示制御ステップは、前記空気質情報に含まれる前記少なくとも1つの検出対象の検出結果すべてを、同一の表示態様で前記表示部に表示させる」に、「前記表示制御ステップは、前記空気質情報に含まれる前記少なくとも1つの検出対象の検出結果を、同一の表示態様で前記表示部に表示させる」という点で一致する。
そうすると、本願発明と引用発明’との一致点及び相違点は、前記第2の[理由]2(3)の対比を踏まえると、次の通りである。
[一致点]
「情報処理装置の表示部に情報を表示させる表示方法であって、
前記表示部に表示させる情報であって施設における空気質の状態に関する空気質情報を生成する表示制御ステップと、
前記空気質情報を出力する出力ステップとを含み、
前記空気質について複数種類の検出対象があり、
前記施設には、前記複数種類の検出対象のうち少なくとも1つの検出対象について検出処理が行われる複数のエリアが含まれており、
前記表示制御ステップは、前記複数のエリアごとに前記少なくとも1つの検出対象の検出結果を含む前記空気質情報を生成し、
前記表示制御ステップは、前記空気質情報に含まれる前記少なくとも1つの検出対象の検出結果を、同一の表示態様で前記表示部に表示させる
表示方法。」

[相違点1’]
「情報処理装置の表示部」に関し、本願発明では、「情報端末装置の表示部」であるのに対して、引用発明’では、「処理装置300の表示部350」である点。

[相違点2’]
「前記表示制御ステップは、前記空気質情報に含まれる前記少なくとも1つの検出対象の検出結果を、同一の表示態様で前記表示部に表示させる」ことに関し、
本願発明では、「前記表示制御ステップは、前記空気質情報に含まれる前記少なくとも1つの検出対象の検出結果すべてを、同一の表示態様で前記表示部に表示させる」のに対して、
引用発明’では、「前記表示処理部315による表示態様決定のステップ105は、前記空気の状態を表す表示態様に含まれる前記少なくとも1つの検出対象の検出結果を、同一の表示態様で前記表示部350に表示させる」ものであり、少なくとも1つの検出対象の検出結果すべてを、同一の表示態様で前記表示部に表示させるかは不明である点。

5 判断
ア 相違点1’について
相違点1’は相違点1と同じであり、前記第2の[理由]2(4)アの検討を踏まえると、相違点1’は実質的な相違点ではなく、仮にそのように解せないとしても、引用発明2の「処理装置300の表示部350」を「情報処理端末の表示部」とし、相違点1’に係る本願発明の構成とすることは、当業者が適宜なし得たことである。

イ 相違点2’について
引用発明’において、複数のエリアごとに少なくとも1つの検出対象の検出結果を、同一の表示態様で表示部350(表示部)に表示させるところ、少なくとも1つの検出対象の検出結果が検出されたエリアについては、すべてのエリアにおいて少なくとも1つの検出対象の検出結果が同一の表示態様で表示部350に表示されると解するのが自然であるから、相違点2’は実質的な相違点ではない。
仮に、引用発明’において、すべてのエリアにおいて少なくとも1つの検出対象の検出結果が同一の表示態様で表示部350に表示されると解せないとしても、すべてのエリアにおいて少なくとも1つの検出対象の検出結果が同一の表示態様で表示部350に表示されるようにすることは、当業者が適宜なし得ることである。
また、相違点2’に係る本願発明の構成において、複数のエリアごとに複数種類の検出対象の検出結果を表示部350に表示する場合に、各エリアにおいて、複数種類の検出対象の検出結果すべてを、同一の表示態様で表示部350(表示部)に表示させることを含むものであると解するとしても、前記第2の[理由]2(4)イの検討を踏まえると、そのように構成することは、引用文献2及び3に例証される前記周知技術に基づいて、当業者が容易になし得たことである。

ウ 効果について
そして、本願発明の奏する作用効果は、引用発明’の奏する作用効果から、又は、引用発明’及び周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

エ したがって、本願発明は、引用文献1に記載された引用発明’であり、特許法第29条第1項第3号の規定に該当するものであるか、又は、引用発明’に基いて、或いは、引用発明’及び周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項又は同条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第1項又は同条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
 
審理終結日 2022-02-04 
結審通知日 2022-02-08 
審決日 2022-02-25 
出願番号 P2016-122174
審決分類 P 1 8・ 113- Z (F24F)
P 1 8・ 575- Z (F24F)
P 1 8・ 121- Z (F24F)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 松下 聡
特許庁審判官 槙原 進
山崎 勝司
発明の名称 表示方法、プログラム及び表示制御システム  
代理人 特許業務法人北斗特許事務所  
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