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審決分類 |
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する F21S 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正する F21S 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する F21S 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する F21S 審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正する F21S 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する F21S |
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管理番号 | 1383995 |
総通号数 | 5 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2022-05-27 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2021-10-14 |
確定日 | 2022-02-18 |
訂正明細書 | true |
事件の表示 | 特許第5498618号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第5498618号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本件特許第5498618号の請求項1〜3に係る特許(以下、「本件特許」という。)についての出願は、平成25年1月17日を出願日とする特願2013−6626号の出願の一部を、同年11月15日に新たな特許出願としたものであって、平成26年3月14日にその特許権の設定登録がされ、令和3年10月14日付けで訂正審判(以下「本件訂正審判」という。)の請求され、令和4年1月21日に刊行物等提出書が提出されたものである。 第2 請求の趣旨 本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第5498618号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正することを認める、との審決を求めるものである。 第3 本件訂正の内容 請求人が求めている訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである(審決注:下線部分は訂正箇所であり、請求人が訂正特許請求の範囲において示したとおりである。)。 1 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「前記凹所は、少なくとも前記第1突壁部又は前記第2突壁部と対向する内壁面が反射面となっている」と記載されているのを、「前記凹所は、少なくとも前記第1突壁部又は前記第2突壁部と対向する面及び前記開口面と対向する面を含む内壁面が反射面となっている」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2〜3も同様に訂正する)。 2 訂正事項2 願書に添付した明細書の段落【0009】に記載された「前記凹所は、少なくとも前記第1突壁部又は前記第2突壁部と対向する内壁面が反射面となっている」を、「前記凹所は、少なくとも前記第1突壁部又は前記第2突壁部と対向する面及び前記開口面と対向する面を含む内壁面が反射面となっている」に訂正する。 第4 当審の判断 1 訂正の目的の適否について (1)訂正事項1について 本件訂正前の請求項1には「凹所」について、「少なくとも前記第1突壁部又は前記第2突壁部と対向する内壁面が反射面となっている」と記載されている。 これに対して、本件訂正後の請求項1の「前記凹所は、少なくとも前記第1突壁部又は前記第2突壁部と対向する面及び前記開口面と対向する面を含む内壁面が反射面となっている」との記載は、反射面となっている凹所の内壁面の構成をさらに限定するものであるから、訂正事項1による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (2)訂正事項2について 訂正事項2は、訂正事項1の訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るものであるから、訂正事項2による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 2 新規事項の追加の有無について (1)訂正事項1について ア 願書に添付した明細書の段落【0055】には「そこで本実施形態では、凹所52の内壁面(反射部材6の側板61の表面及び取付板5の下面)を白色塗装などで反射面としている。」と記載され、段落【0053】には「凹所52は、照明空間に向けて開口しているが、その開口面(下面)はカバー部材33の延出部332と重なって隠されている。」と記載されており、凹所52の「内壁面」が「反射部材6の側板61の表面及び取付板5の下面」を含むこと、凹所52の照明空間に向けて開口した面が「開口面」であることがわかる。 イ そして、段落【0053】の「ここで、点灯モジュール2においては、光源ユニット3と取付板5の差込部51との干渉を避けるため、光源ユニット3(カバー部材33の突壁部331a,331b)と反射部材6の側板61との間に隙間(凹所52)を形成している(図1参照)。」との記載、段落【0060】の「突壁部331a(第1突壁部)及び突壁部331b(第2突壁部)」との記載及び下記図1から、上記「反射部材6の側板61の表面」は「第1突壁部(突壁部331a)又は第2突壁部(331b)と対向する面」であると認められる。また、下記図1に示された「凹所52」と「取付板5」との位置関係から、「凹所52」の内壁面である上記「取付板5の下面」は「開口面と対向する面」であると認められる。 【図1】 ![]() ウ 以上のことから、本件特許の願書に添付した明細書及び図面には、「前記凹所は、少なくとも前記第1突壁部又は前記第2突壁部と対向する面及び前記開口面と対向する面を含む内壁面が反射面となっている」との構成が記載されていると認められる。 したがって、訂正事項1による訂正は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 (2)訂正事項2について 上記(1)に記載したとおり、本件特許の願書に添付した明細書及び図面には、「前記凹所は、少なくとも前記第1突壁部又は前記第2突壁部と対向する面及び前記開口面と対向する面を含む内壁面が反射面となっている」との構成が記載されていると認められる。 したがって、訂正事項2による訂正は、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものであり、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。 3 特許請求の範囲の実質上の拡張・変更の存否について (1)訂正事項1について 訂正事項1による訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり(上記「1 (1)」)、かつ、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (2)訂正事項2について 訂正事項2による訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり(上記「1 (2)」)、かつ、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 4 独立特許要件について 上記訂正事項1による請求項1〜3についての訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである(上記「1 (1)」)ところ、本件訂正後における特許請求の範囲の請求項1〜3に記載されている事項により特定される発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由は見いだせないから、上記訂正事項1による訂正は特許法第126条第7項の規定に適合する。 第5 むすび 以上のとおりであるから、本件審判の請求による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】照明器具 【発明の詳細な説明】 【技術分野】 【0001】 本発明は、照明器具に関するものである。 【背景技術】 【0002】 近年、従来の蛍光ランプや白熱ランプに代えて発光ダイオードを光源とする照明器具が急速に普及してきている。発光ダイオードを光源とする照明器具の従来例として、特許文献1に記載のものを例示する。 【0003】 この照明器具は、横長且つ長尺状に形成された器具本体と、係止部材を用いて器具本体に取り付けられる光源部とを備え、器具本体の略中央には光源部を収容するための収容凹部が全長に亘って設けられている。 【0004】 また、光源部は、器具本体と同様に横長且つ長尺状に形成された取付部材と、複数の発光ダイオード(LED)がそれぞれ実装されて取付部材の下面に取り付けられる複数の基板と、複数の基板を覆うようにして取付部材に取り付けられるカバー部材とを有する。 【0005】 そして、一体に組み付けられた光源部は、その一部が器具本体の収容凹部に収容された状態で、係止部材を用いて器具本体に取り付けられる。なお、カバー部材は、アクリル樹脂等の透光性材料で長尺の略半円筒状に形成され、LEDから放射される光を透過させるとともに拡散させている。 【先行技術文献】 【特許文献】 【0006】 【特許文献1】特開2012−3993号公報 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0007】 ところで、特許文献1記載の従来例では、カバー部材の長手方向に沿った側端部と、器具本体の収容凹部の側壁との間に隙間が空いている。そのため、カバー部材及び器具本体の側板部(収容凹部の外側の部分)の輝度に比べて、上記隙間の部分の輝度が著しく低下してしまい、カバー部材の両脇に暗い筋が生じて見栄えが良くないという問題があった。 【0008】 本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、従来例に比べて見栄えの向上を図ることを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0009】 本発明の照明器具は、光を放射する光源ユニットと、前記光源ユニットから放射される光を照明空間に向けて反射する反射部材とを備え、前記光源ユニットと前記反射部材との間に、前記照明空間に向けて開口する凹所が形成された照明器具であって、前記光源ユニットは、基板に実装された1乃至複数の発光素子と、前記基板が取り付けられる取付部材と、透光性を有し且つ前記発光素子を覆うように前記取付部材に取り付けられるカバー部材とを具備し、前記カバー部材は、主部と、前記主部の幅方向における両端部より互いに並行するように前記照明空間と反対側に突出した第1突壁部及び第2突壁部と、前記第1突壁部及び前記第2突壁部の各々から外側に延出して前記凹所の開口面と重なる延出部とを有し、前記凹所は、少なくとも前記第1突壁部又は前記第2突壁部と対向する面及び前記開口面と対向する面を含む内壁面が反射面となっていることを特徴とする。 【0010】 この照明器具において、前記カバー部材は、乳白色の拡散材が混入された材料により形成され、前記凹所の内壁面は、白色塗装が施されているのが好ましい。 【0011】 また、この照明器具において、前記取付部材は、長尺且つ矩形板状に形成された底壁部と、前記底壁部の幅方向における両端から前記底壁部と交差する方向に延出する第1側壁部及び第2側壁部とで形成されており、前記取付部材は、前記カバー部材が取り付けられる際には、前記第1側壁部が前記第1突壁部と対向し且つ前記第2側壁部が前記第2突壁部と対向するようにして前記第1突壁部と前記第2突壁部との間に配置され、前記第1突壁部の先端に設けられた突起部を前記第1側壁部の先端部に引っ掛け且つ前記第2突壁部の先端に設けられた突起部を前記第2側壁部の先端部に引っ掛けることで、前記カバー部材が前記取付部材に取り付けられるのも好ましい。 【発明の効果】 【0012】 本発明の照明器具は、発光素子から放射されてカバー部材の内部を導光される光が、光源ユニットと反射部材との間に形成された凹所へ出射されると、凹所の内壁面で反射され、カバー部材の延出部を通して照明空間へ出射される。これにより、凹所(延出部)における輝度の低下が抑えられ、カバー部材の両端に暗い筋が生じ難くなり、その結果、従来例に比べて見栄えの向上を図ることができるという効果がある。 【図面の簡単な説明】 【0013】 【図1】本発明に係る照明器具の実施形態を示す要部の断面図である。 【図2】同上の分解斜視図である。 【図3】同上の斜視図である。 【図4】同上の断面図である。 【図5】同上における光源ユニットを示し、(a)は上面図、(b)は側面半断面図、(c)は下面半断面図、(d)は側面図である。 【図6】同上における光源ユニットの断面図である。 【図7】同上における点灯モジュールを示し、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図である。 【図8】同上における器具本体を示し、(a)は下面図、(b)は側面図、(c)は側面図である。 【発明を実施するための形態】 【0014】 以下、天井に配設される照明器具に本発明の技術思想を適用した実施形態について説明する。したがって、本実施形態における照明空間とは、天井に配設される照明器具の下方の空間を意味している。ただし、本実施形態では発光素子として発光ダイオード(LED)を例示するが、LED以外の発光素子、例えば、有機エレクトロルミネッセンス素子などが用いられても構わない。なお、以下の説明では、特に断りの無い限り、図2において上下左右及び前後の各向きを規定する。 【0015】 本実施形態の照明器具は、図2に示すように器具本体1と、器具本体1に対して着脱自在に取り付けられる点灯モジュール2とを備える。 【0016】 点灯モジュール2は、複数(図示例では4つ)の光源ユニット3、複数(図示例では2つ)の点灯装置4、取付板5、複数(図示例では3つ)の反射部材6などを備える。 【0017】 光源ユニット3は、図5に示すように複数(図示例では2枚)の基板31、基板31が取り付けられる取付部材32、基板31を覆うようにして取付部材32に取り付けられるカバー部材33などを有する。 【0018】 基板31は、絶縁材料(例えば、セラミック)によって長尺の板状に形成されている。基板31の表面(下面)には、複数個のLED(発光素子)30が、基板31の短手方向における中央部において、基板31の長手方向に沿って2列に並べて実装されている(図5(c)参照)。これらのLED30は、例えば、青色光を放射するLEDチップが、蛍光材料を含む封止材(例えば、シリコーン樹脂)で封止されてなる。 【0019】 つまり、LEDチップから放射される光の一部が蛍光材料で波長変換され、波長変換された光(例えば、黄色光)と波長変換されなかった光(青色光)が混ざることにより、LED30から放射される光が全体として白色光となる。 【0020】 また、基板31表面の短手方向におけるLED30の外側に、各LED30のアノード及びカソードを電気的に接続するための導電体(図示せず)が形成されている。さらに、基板31表面の長手方向における両端にコネクタ311,312が実装され、各コネクタ311,312に上記導電体が接続されている。一方のコネクタ311は電線313を介して、後述するレセプタクルコネクタ34に接続されている。また、他方のコネクタ312は、隣の基板31に実装されているコネクタ312と接続される。 【0021】 さらに、基板31の短手方向の両端部には、厚み方向(上下方向)に貫通する矩形の挿通孔310が長手方向に沿って複数(図示例では4つ)設けられている。なお、これらの挿通孔310は、後述するように各々固定部322が挿通されるものであり、各固定部322と対応する位置に設けられている。 【0022】 取付部材32は、板金に曲げ加工を施すことにより、長尺且つ矩形板状の底壁部320と、側壁部321a(第1側壁部)及び側壁部321b(第2側壁部)とを有する角樋状に形成されている(図6参照)。側壁部321a,321bは、底壁部320の左右方向(短手方向)における両端から上下方向に延出する。底壁部320の略中央部には、基板31を収容するための凹所3200が全長に亘って設けられている。 【0023】 また、側壁部321a,321bの先端には、互いに離れる方向に傾斜する傾斜部3210がそれぞれ全長に亘って設けられている。なお、底壁部320の長手方向における一端側に電線挿通孔3201が貫通しており、この電線挿通孔3201を通して電線313が底壁部320の上面側に引き出されている(図5参照)。 【0024】 また、凹所3200には、基板31の複数の挿通孔310に挿通される複数(図示例では8つ)の固定部322が、LED30を挟んで対向する位置に設けられている。これらの固定部322は、凹所3200の底を切り起こすことで鈎形に形成されている。そして、各固定部322は、基板31の挿通孔310に挿通された後、先端側がLED30から遠のく向きに曲げられることにより、凹所3200の底との間に基板31を挟み込んで固定する(図5(c)参照)。 【0025】 ここで、底壁部320の底面及び基板31の表面には、弾性材料製の反射シート35が貼り付けられている。反射シート35は、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂材料がシート状に形成されてなり、白色に着色されることで表面(接着剤が塗布されていない面)が反射面となるように形成されている。つまり、LED30から放射される光を反射シート35の反射面に反射させることで、より多くの光を照明空間に照射することができる。 【0026】 また、図5に示すように、取付部材32の底壁部320の上面側に、取付金具340を用いてレセプタクルコネクタ34が取り付けられている。レセプタクルコネクタ34は、長手方向の一端側で電線313と接続され、長手方向の他端側にプラグコネクタ(図示せず)が挿抜自在に接続される。プラグコネクタは給電線(図示せず)を介して点灯装置4に接続されており、プラグコネクタがレセプタクルコネクタ34に差込接続されることで点灯装置4と光源ユニット3が電気的に接続される。 【0027】 カバー部材33は、図6に示すように透光性を有する材料(例えば、アクリル樹脂等)により、略半円筒形の主部330と、突壁部331a(第1突壁部)及び突壁部331b(第2突壁部)とが一体に形成されている。突壁部331a,331bは、主部330の長手方向に沿った両端部より互いに並行するように上向きに突出している。なお、突壁部331a,331bの先端(上端)には、内向きに突出する突起部3310がそれぞれ一体に設けられている。 【0028】 また、主部330の長手方向に沿った両端部には、主部330と連なるように突壁部331a及び突壁部331bの各々から外側に延出された延出部332がそれぞれ一体に形成されている。そして、カバー部材33は、基板31の表面を覆うように取付部材32の下面側に取り付けられる。 【0029】 このとき、突壁部331aの突起部3310は、取付部材32の側壁部321aの傾斜部3210に係合され、突壁部331bの突起部3310は、取付部材321の側壁部321bの傾斜部3210に係合される。なお、カバー部材33は乳白色の拡散材が混入され、LED30から放射される光を拡散させて照明空間へ照射するように構成されている。 【0030】 ここで、側壁部321a,321bの長手方向の中央から外向きに突設された凸部3211が、突壁部331a,331bの長手方向の中央に貫通した嵌合孔3311に嵌合している(図5(b)及び図6参照)。つまり、一対の凸部3211をそれぞれ嵌合孔3311に嵌合することにより、取付部材32に対するカバー部材33の位置決めと、長手方向に沿ったカバー部材33の移動規制とが実現できる。 【0031】 また、光源ユニット3を取付板5に取り付けるため、一対の取付金具36が取付部材32の上面側に固定される。取付金具36は、板金を曲げ加工することにより、矩形板状の固定片360と、固定片360の長手方向の両端部から下向きに曲げ起こされた一対の脚片361とが一体に形成されてなる。 【0032】 固定片360の中央には、取付板5にねじ止めするためのねじ孔3600が設けられ ている。また、各脚片361には、取付部材32の側壁部321a,321bにねじ止 めするためのねじ孔3610が設けられている。 【0033】 つまり、取付部材32の側壁部321a,321b間に収められ、カバー部材33の突壁部331a,331bに貫設されたねじ挿通孔3312と、側壁部321a,321bに貫設されたねじ挿通孔3212とに挿通された固定ねじ362が、固定片360のねじ孔3600にねじ込まれることで取付金具36が取付部材32に固定される。 【0034】 なお、カバー部材33の挿通孔3312は、カバー部材33の長手方向を長軸方向とする長孔状に形成されており(図5(b)参照)、カバー部材33が熱膨張した場合にねじ挿通孔3312の周辺に割れなどの不具合が生じないようにしている。 【0035】 2つの点灯装置4は何れも同一の構成を有し、交流の電圧・電流を直流の電圧・電流に変換する電力変換回路や入力端子台41、2つの出力端子台42、信号端子台43などが実装されたプリント配線板を金属製のケース40に収納して構成される(図7参照)。 【0036】 ケース40は、角樋状に形成されたケース本体400と、ケース本体400の上に被せられる箱形のケース蓋401とを組み立てて構成される。ただし、入力端子台41、出力端子台42、信号端子台43が実装されているプリント配線板の長手方向の両端部はケース蓋401で覆われていない。 【0037】 なお、2つの点灯装置4は電流容量が異なっており、電流容量が大きい方の点灯装置4は、電流容量が小さい方の点灯装置4よりも長手方向の寸法が大きくなっている。以下、電流容量が大きい方(長手方向の寸法が大きい方)の点灯装置4を第1点灯装置4Aとし、電流容量が小さい方(長手方向の寸法が小さい方)の点灯装置4を第2点灯装置4Bとする。ただし、第1点灯装置4Aと第2点灯装置4Bを区別しない場合は点灯装置4と表記する。 【0038】 取付板5は、鋼板などの金属板が矩形(正方形)に加工されてなる。ただし、取付板5は、4つの辺が同じ向き(下向き)に曲げ起こされることで強度の向上が図られている。そして、4つの光源ユニット3は、長手方向に沿って互いに平行となり且つ隣の光源ユニット3との間隔が何れも等しくなるように並べた状態で取付板5の下面に固定される(図2及び図4参照)。 【0039】 すなわち、取付板5には複数のねじ挿通孔(図示せず)が設けられており、各ねじ挿通孔に挿通される固定ねじ50が、取付金具36の固定片360に設けられているねじ孔3600にねじ込まれることにより、光源ユニット3が取付板5に固定される。なお、取付板5には4つの窓孔53が1つの辺に沿って等間隔且つ1列に並ぶように設けられており、各光源ユニット3のレセプタクルコネクタ34がそれぞれ窓孔53を通して取付板5の上面側に露出している(図7(a)参照)。 【0040】 反射部材6は、隣り合う光源ユニット3の間に生じる3箇所のスペースにそれぞれ配置される。これらの反射部材6は同一の構成を有し、一対の反射板60と、各反射板60の上端から上向きに延出された一対の側板61と、各側板61の上端から水平外向きに突出する突板62とが、長方形状の金属板を曲げ加工することで一体に形成されている(図2参照)。 【0041】 一対の反射板60は、長手方向に沿った一方の端縁同士が繋がっており、長手方向から見てV字状に形成されている。また、各突板62の長手方向の両端近傍には、突板62の一部が切り欠かれることで差込片63が形成されている。そして、取付板5に設けられている複数の差込部51にそれぞれ差込片63が差し込まれることにより、取付板5に反射部材6が取り付けられる。なお、差込部51は、取付板5の下面側に突出するとともに片側の側面が開口した凹所からなり、側面の開口から差込片63が差し込まれる(図1参照)。 【0042】 点灯装置(第1点灯装置4A及び第2点灯装置4B)は、それぞれ長手方向を光源ユニット3の長手方向と一致させ、且つ出力端子台42が配置されている側が窓孔53に近くなる向きで、互いに間隔を空けて取付板5の上面にねじ止めされる(図7参照)。そして、第1点灯装置4Aの片方の出力端子台42に接続される給電線(図示せず)には、レセプタクルコネクタ34と各別に接続される2つのプラグコネクタ(図示せず) が分岐接続されている。なお、第1点灯装置4Aのもう片方の出力端子台42に接続される給電線(図示せず)には、1つのプラグコネクタ(図示せず)のみが接続されている。 【0043】 一方、第2点灯装置4Bの片方の出力端子台42に接続される給電線(図示せず)には、1つのレセプタクルコネクタ34のみが接続されている。つまり、第1点灯装置4Aは、給電線及び3つのプラグコネクタを介して3つの光源ユニット3が接続され、これら3つの光源ユニット3を全て点灯させる。一方、第2点灯装置4Bは、給電線及び1つのプラグコネクタを介して1つの光源ユニット3に接続され、当該1つの光源ユニット3のみを点灯させる。 【0044】 このように1つの点灯装置(第1点灯装置4A)が複数(本実施形態では3つ)の光源ユニット3を点灯させるように構成すれば、全ての光源ユニット3を1つの点灯装置で各別に点灯させる場合と比較して、点灯装置の個数を減らすことができる。故に、点灯装置と光源ユニット3の間に給電線を配線する作業の簡素化を図ることができる。 【0045】 しかも、本実施形態では、点灯装置4が光源ユニット3とともに取付板5に取り付けられ、点灯モジュール2として光源ユニット3と一体に器具本体1に取り付けたり、器具本体1から取り外すことができる。したがって、光源ユニット3が取付板5に取り付けられ、点灯装置4が器具本体1に取り付けられる場合と比較して、点灯装置4の交換やメンテナンスなどの作業を器具本体1から取り外した状態で行うことができる。その結果、施工作業やメンテナンス作業の作業性の向上を図ることができる。 【0046】 また、第1点灯装置4A並びに第2点灯装置4Bを、出力端子台42が配置されている側が窓孔53に近くなる向きで取付板5に取り付けているので、給電線を引き回す距離が短くなることで配線作業の作業性の向上を図ることもできる。 【0047】 さらに、点灯装置4は、取付板5の厚み方向(下方向)おける投影範囲X1の少なくとも一部が、光源ユニット3の基板31の前記厚み方向における投影範囲X2と重ならないように取付板5に取り付けられている(図4参照)。したがって、点灯装置4と基板31(LED30)との間の熱電動を抑制し、点灯装置4及びLED30のそれぞれにおける温度上昇を抑えることができる。 【0048】 器具本体1は、図2及び図8に示すように鋼板などの金属板により、下面が開口した矩形箱状に形成されている。この器具本体1において、左右方向に対向する一対の側壁が下方に向かって外向きに傾斜しており、この傾斜した部分が反射板13を構成している。また、器具本体1において、前後方向に対向する一対の側壁に、点灯モジュール2を固定するための固定片14が切り起こして形成されている。 【0049】 固定片14は、長手方向の両端近くにねじ孔140がそれぞれ設けられる。そして、取付板5に設けられるねじ挿通孔(図示せず)に固定ねじ141が挿通され、各固定ねじ141が固定片14のねじ孔140にそれぞれねじ込まれることにより、器具本体1内に収納された状態で点灯モジュール2が固定片14に固定される。このとき、器具本体1の各反射板13の長手方向と、光源ユニット3の長手方向とを一致させる向きで、点灯モジュール2が器具本体1に取り付けられる。 【0050】 なお、ねじ挿通孔は、上下方向から見て反射部材6と重なる位置に設けられる。したがって、各反射部材6の反射板60には、固定ねじ141並びにドライバの軸を挿通するための孔(図示せず)が長手方向の両端近くに貫通している。 【0051】 また、器具本体1の底板10には、商用電源用の電線挿通孔100が貫通している。そして、この電線挿通孔100に挿通された電源線(図示せず)は、底板10に固定される電源端子台15に接続される。電源端子台15には、点灯装置4の入力端子台41が電線(図示せず)を介して接続されており、電源端子台15を介して点灯装置4に商用電源(交流電源)が供給される。また、底板10には信号端子台16も設けられており、電線挿通孔100に挿通された信号線(図示せず)が信号端子台16に接続される。 【0052】 さらに、底板10の中央には、吊りボルト81が挿通される複数(図示例では5つ)のボルト挿通孔101が一列に並べて設けられる。すなわち、器具本体1は、これらのボルト挿通孔101に挿通される吊りボルト81にナット82が締め付けられることにより、天井板8に設けられる埋込孔80に埋込配設される(図4参照)。なお、器具本体1の下端には、天井板8の下面に当接する矩形枠状のフランジ12が設けられている。つまり、このフランジ12は、埋込孔80の内周縁と器具本体1との間に生じる隙間を塞ぐために設けられている。 【0053】 ここで、点灯モジュール2においては、光源ユニット3と取付板5の差込部51との干渉を避けるため、光源ユニット3(カバー部材33の突壁部331a,331b)と反射部材6の側板61との間に隙間(凹所52)を形成している(図1参照)。凹所52は、照明空間に向けて開口しているが、その開口面(下面)はカバー部材33の延出部332と重なって隠されている。 【0054】 一方、光源ユニット3においては、LED30から放射されてカバー部材33の主部330に入射する光の一部が主部330の内部を導光され、延出部332及び突壁部331a,331bから凹所52へ出射される。 【0055】 そこで本実施形態では、凹所52の内壁面(反射部材6の側板61の表面及び取付板5の下面)を白色塗装などで反射面としている。これにより、延出部332及び突壁部331a,331bから凹所52へ出射された光を反射し、延出部332を通してカバー部材33の前方(下方)へ出射させている。その結果、凹所52(延出部332)における輝度の低下が抑えられ、カバー部材33の両端に暗い筋が生じ難くなるので、従来例に比べて見栄えの向上を図ることができる。 【0056】 なお、カバー部材33は、延出部332の厚み寸法が主部330の厚み寸法以下に形成されることが好ましい。つまり、延出部332の厚み寸法を主部330の厚み寸法以下とすることにより、凹所52の内壁面に反射された後に延出部332を通過する光の量を増やすことができる。 【0057】 ところで、延出部332から出射する光の一部は、隣り合う反射板60に反射されて照明空間に照射される。このとき、延出部332から反射板60までの距離は、主部330から反射板60までの距離に比べて近いため、延出部332から出射した光により、反射板60の一部に明るい筋が生じてしまうことがある。そこで本実施形態では、延出部332を、凹所52に対して反射板60よりも照明空間側(下側)に位置させないことにより、反射板60の一部に明るい筋が生じ難くしている(図1参照)。 【0058】 ここで、点灯モジュール2を構成する光源ユニット3の個数は4つに限定されるものではなく、3つ又は2つ、あるいは5つ以上であっても構わない。また、光源ユニット3を構成する基板31の枚数も2枚に限定されるものではなく、1枚又は3枚以上であっても構わない。さらに、本発明に係る照明器具は天井板8の埋込孔80に埋め込まれるものに限定されず、天井板8に直付けされるものであっても構わない。 【0059】 なお、本実施形態では図示を省略しているが、グレアを抑制するためのルーバを器具本体1若しくは点灯モジュール2に設けてもよい。あるいは、透光性材料からなり且つ拡散性を有するパネルで器具本体1の開口を塞いでもよい。 【0060】 本実施形態の照明器具は、光を放射する光源ユニット3と、光源ユニット3から放射される光を照明空間に向けて反射する反射部材6とを備え、光源ユニット3と反射部材6との間に、照明空間に向けて開口する凹所52が形成されている。この照明器具において、光源ユニット3は、基板31に実装された1乃至複数のLED30(発光素子)と、基板31が取り付けられる取付部材32と、透光性を有し且つLED30を覆うように取付部材32に取り付けられるカバー部材33とを具備する。カバー部材33は、主部330と、突壁部331a(第1突壁部)及び突壁部331b(第2突壁部)と、延出部332,332とを有する。突壁部331a,331bは、主部330の幅方向における両端部より互いに並行するように照明空間と反対側に突出する。延出部332,332は、突壁部331a,331bの各々から外側に延出して凹所52の開口面と重なる。そして、凹所52は、少なくとも突壁部331a又は突壁部331bと対向する内壁面が反射面となっている。 【0061】 また、本実施形態の照明器具のように、カバー部材33は、乳白色の拡散材が混入された材料により形成され、凹所52の内壁面は、白色塗装が施されているのが好ましい。 【0062】 また、本実施形態の照明器具のように、取付部材32は、長尺且つ矩形板状に形成された底壁部320と、側壁部321a(第1側壁部)及び側壁部321b(第2側壁部)とで形成されるのが好ましい。この場合、側壁部321a,321bは、底壁部320の幅方向における両端から底壁部320と交差する方向に延出する。取付部材32は、カバー部材33が取り付けられる際には、側壁部321aが突壁部331aと対向し且つ側壁部321bが突壁部331bと対向するようにして、突壁部331aと突壁部331bとの間に配置される。そして、突壁部331aの先端に設けられた突起部3310を側壁部321aの先端部に引っ掛け且つ突壁部331bの先端に設けられた突起部3310を側壁部321bの先端部に引っ掛けることで、カバー部材33が取付部材32に取り付けられる。 【符号の説明】 【0063】 3 光源ユニット 6 反射部材 30 LED(発光素子) 31 基板 32 取付部材 33 カバー部材 52 凹所 330 主部 331a 突壁部(第1突壁部) 331b 突壁部(第2突壁部) 332 延出部 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 光を放射する光源ユニットと、前記光源ユニットから放射される光を照明空間に向けて反射する反射部材とを備え、前記光源ユニットと前記反射部材との間に、前記照明空間に向けて開口する凹所が形成された照明器具であって、 前記光源ユニットは、基板に実装された1乃至複数の発光素子と、前記基板が取り付けられる取付部材と、透光性を有し且つ前記発光素子を覆うように前記取付部材に取り付けられるカバー部材とを具備し、 前記カバー部材は、主部と、前記主部の幅方向における両端部より互いに並行するように前記照明空間と反対側に突出した第1突壁部及び第2突壁部と、前記第1突壁部及び前記第2突壁部の各々から外側に延出して前記凹所の開口面と重なる延出部とを有し、前記凹所は、少なくとも前記第1突壁部又は前記第2突壁部と対向する面及び前記開口面と対向する面を含む内壁面が反射面となっていることを特徴とする照明器具。 【請求項2】 前記カバー部材は、乳白色の拡散材が混入された材料により形成され、前記凹所の内壁面は、白色塗装が施されていることを特徴とする請求項1記載の照明器具。 【請求項3】 前記取付部材は、長尺且つ矩形板状に形成された底壁部と、前記底壁部の幅方向における両端から前記底壁部と交差する方向に延出する第1側壁部及び第2側壁部とで形成されており、 前記取付部材は、前記カバー部材が取り付けられる際には、前記第1側壁部が前記第1突壁部と対向し且つ前記第2側壁部が前記第2突壁部と対向するようにして前記第1突壁部と前記第2突壁部との間に配置され、 前記第1突壁部の先端に設けられた突起部を前記第1側壁部の先端部に引っ掛け且つ前記第2突壁部の先端に設けられた突起部を前記第2側壁部の先端部に引っ掛けることで、前記カバー部材が前記取付部材に取り付けられることを特徴とする請求項1又は2記載の照明器具。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2022-01-25 |
結審通知日 | 2022-01-28 |
審決日 | 2022-02-08 |
出願番号 | P2013-237185 |
審決分類 |
P
1
41・
853-
Y
(F21S)
P 1 41・ 841- Y (F21S) P 1 41・ 855- Y (F21S) P 1 41・ 851- Y (F21S) P 1 41・ 854- Y (F21S) P 1 41・ 856- Y (F21S) |
最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
島田 信一 |
特許庁審判官 |
藤井 昇 畔津 圭介 |
登録日 | 2014-03-14 |
登録番号 | 5498618 |
発明の名称 | 照明器具 |
代理人 | 特許業務法人北斗特許事務所 |
代理人 | 特許業務法人北斗特許事務所 |