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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  G06Q
審判 全部申し立て 2項進歩性  G06Q
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  G06Q
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  G06Q
管理番号 1384161
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2022-05-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-08-03 
確定日 2021-12-17 
異議申立件数
事件の表示 特許第6824538号発明「プログラム及び情報処理装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6824538号の請求項1ないし10に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6824538号の請求項1〜10に係る特許についての出願は、令和元年10月23日に出願され、令和3年1月15日にその特許権の設定登録がされ、同年2月3日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、同年8月3日に異議申立人 遠藤眞理子(以下、「申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。

第2 本件発明
特許第6824538号の特許請求の範囲の請求項1〜10には、次のとおりのものが記載されている。
「【請求項1】
施設の広告情報を含む複数の広告情報と、ユーザ毎の将来又は過去の移動情報と、を記憶する記憶手段にアクセス可能で、且つ、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、
前記端末装置から要求があった場合、当該端末装置のユーザに対応する移動情報を前記記憶手段から取得する取得手段、
前記取得手段が取得した移動情報に基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段、
として機能させ、
前記移動情報は、ユーザが過去に移動した出発地から目的地までの移動経路情報を含み、
前記決定手段は、前記複数の広告情報のうち前記移動経路情報が示す移動経路の周辺に存在する施設の広告情報を決定する、
プログラム。
【請求項2】
施設の広告情報を含む複数の広告情報と、ユーザ毎の将来又は過去の移動情報と、を記憶する記憶手段にアクセス可能で、且つ、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、
前記端末装置から要求があった場合、当該端末装置のユーザに対応する移動情報を前記記憶手段から取得する取得手段、
前記取得手段が取得した移動情報に基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段、
として機能させ、
前記移動情報は、ユーザにより過去に使用された交通機関情報を含み、
前記決定手段は、前記複数の広告情報のうち前記交通機関情報が示す交通機関で移動可能な施設の広告情報を決定する、
プログラム。
るためのプログラム。
【請求項3】
複数の広告情報と、ユーザの移動目的を示す目的情報を含むユーザ毎の将来又は過去の移動情報と、を記憶する記憶手段にアクセス可能で、且つ、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、
前記目的情報に基づき、ユーザの嗜好を推測する推測手段、
前記端末装置から要求があった場合、当該端末装置のユーザに対応する移動情報を前記記憶手段から取得する取得手段、
前記取得手段が取得した移動情報と前記推測手段により推測された嗜好とに基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段、
として機能させるプログラム。
【請求項4】
複数の広告情報と、ユーザ毎の将来又は過去の移動情報と、ユーザ毎の住所情報と、を記憶する記憶手段にアクセス可能で、且つ、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、
前記端末装置から要求があった場合、当該端末装置のユーザに対応する移動情報を前記記憶手段から取得し、且つ、当該端末装置のユーザに対応する住所情報を前記記憶手段から取得する取得手段、
前記取得手段が取得した移動情報と前記端末装置のユーザに対応する住所情報とに基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段、
として機能させるプログラム。
【請求項5】
複数の広告情報と、ユーザ毎の将来又は過去の移動情報と、を記憶する記憶手段にアクセス可能で、且つ、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、
前記端末装置から要求があった場合、当該端末装置のユーザに対応する移動情報を前記記憶手段から取得し、且つ、ユーザの住所情報が示す住所の天候情報を取得する取得手段、
前記取得手段が取得した移動情報と前記取得手段が取得した天候情報とに基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段、
として機能させるプログラム。
【請求項6】
複数の広告情報と、ユーザ毎の将来又は過去の移動情報と、ユーザ毎のスケジュールと、を記憶する記憶手段にアクセス可能で、且つ、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、
前記端末装置から要求があった場合、当該端末装置のユーザに対応する移動情報を前記記憶手段から取得し、且つ、当該端末装置のユーザに対応するスケジュールを前記記憶手段から取得する取得手段、
前記取得手段が取得した移動情報と前記取得手段が取得したスケジュールとに基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段、
として機能させるプログラム。
【請求項7】
ユーザの端末装置と通信可能な情報処理装置であって、
施設の広告情報を含む複数の広告情報と、ユーザ毎の将来又は過去の移動情報と、を記憶する記憶手段と、
前記端末装置から要求があった場合、当該端末装置のユーザに対応する移動情報を前記記憶手段から取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した移動情報に基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段と、
を備え、
前記移動情報は、ユーザが過去に移動した出発地から目的地までの移動経路情報を含み、
前記決定手段は、前記複数の広告情報のうち前記移動経路情報が示す移動経路の周辺に存在する施設の広告情報を決定する、
情報処理装置。
【請求項8】
ユーザの端末装置と通信可能な情報処理装置であって、
施設の広告情報を含む複数の広告情報と、ユーザ毎の将来又は過去の移動情報と、を記憶する記憶手段と、
前記端末装置から要求があった場合、当該端末装置のユーザに対応する移動情報を前記記憶手段から取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した移動情報に基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段と、
を備え、
前記移動情報は、ユーザにより過去に使用された交通機関情報を含み、
前記決定手段は、前記複数の広告情報のうち前記交通機関情報が示す交通機関で移動可能な施設の広告情報を決定する、
情報処理装置。
【請求項9】
ユーザの端末装置と通信可能な情報処理装置であって、
複数の広告情報と、ユーザの移動目的を示す目的情報を含むユーザ毎の将来又は過去の移動情報と、を記憶する記憶手段と、
前記目的情報に基づき、ユーザの嗜好を推測する推測手段と、
前記端末装置から要求があった場合、当該端末装置のユーザに対応する移動情報を前記記憶手段から取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した移動情報と前記推測手段により推測された嗜好とに基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項10】
ユーザの端末装置と通信可能な情報処理装置であって、
複数の広告情報と、ユーザ毎の将来又は過去の移動情報と、ユーザ毎の住所情報と、を記憶する記憶手段と、
前記端末装置から要求があった場合、当該端末装置のユーザに対応する移動情報を前記記憶手段から取得し、且つ、当該端末装置のユーザに対応する住所情報を前記記憶手段から取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した移動情報と前記端末装置のユーザに対応する住所情報とに基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段と、
を備える情報処理装置。」

この中で、請求項1、3〜10に係る発明は、それぞれ、上記の特許請求の範囲の請求項1、3〜10に記載された事項により特定されるものとして認定する。(以下、それぞれ、「本件発明1」、「本件発明3」〜「本件発明10」という。)
なお、請求項2において、末尾が「プログラム。るためのプログラム。」とあるのは、正しくは「プログラム。」を指すものであることは明らかであるから、「プログラム。」の誤記と認め、請求項2に係る発明を次のとおり認定する。(以下、「本件発明2」という。)
「【請求項2】
施設の広告情報を含む複数の広告情報と、ユーザ毎の将来又は過去の移動情報と、を記憶する記憶手段にアクセス可能で、且つ、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、
前記端末装置から要求があった場合、当該端末装置のユーザに対応する移動情報を前記記憶手段から取得する取得手段、
前記取得手段が取得した移動情報に基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段、
として機能させ、
前記移動情報は、ユーザにより過去に使用された交通機関情報を含み、
前記決定手段は、前記複数の広告情報のうち前記交通機関情報が示す交通機関で移動可能な施設の広告情報を決定する、
プログラム。」

第3 申立理由の概要
申立人は、概略、以下のとおり主張している。

1 証拠方法
甲第1号証:特開2004−69318号公報
甲第2号証:特開2013−86768号公報
甲第3号証:特開2011−128721号公報
甲第4号証:特開2019−53435号公報
甲第5号証:特開2002−189656号公報
甲第6号証:特開2009−271845号公報
甲第7号証:特開2015−45827号公報
甲第8号証:特開2008−281726号公報
甲第9号証:特開2018−124292号公報
甲第10号証:特開2019−57025号公報
甲第11号証:特開2019−101521号公報
(「甲第1号証」ないし「甲第11号証」を、以下、「甲1」ないし「甲11」という。)

2 申立理由の概要
(1)特許法第29条第1項第3号、第2項
申立人は、上記1の甲1〜甲11を証拠方法として提出し、本件発明1、7は、甲1に記載された発明である、又は、甲1及び周知技術(甲2)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明2、8は、甲1に記載された発明である、又は、甲1ないし甲4に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明3、9は、甲5若しくは甲6に記載された発明である、又は、甲1、甲2、甲5及び甲6に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明4、10は、甲5若しくは甲7に記載された発明である、又は、甲1、甲2、甲5及び甲7に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明5は、甲1、甲2、甲8及び甲9に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明6は、甲10若しくは甲11に記載された発明である、又は、甲1、甲2、甲10及び甲11に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、したがって、請求項1〜4、6〜10に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものであり、請求項1〜10に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1〜10に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。
なお、本件発明1〜4、6〜10に対する新規性なしと主張する理由を、それぞれ、「理由1−1−1」〜「理由1−1−4」、「理由1−1−6」〜「理由1−1−10」とする。
また、本件発明1〜10に対する進歩性なしと主張する理由を、それぞれ、「理由1−2−1」〜「理由1−2−10」とする。

(2)特許法第36条第6項第1号
申立人は、本件発明5、6は、発明の詳細な説明に記載されていないから、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしておらず(以下、「理由2」という。)、請求項5、6に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。

(3)特許法第36条第6項第2号
本件発明2、6は、発明が明確に記載されていないから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしておらず(以下、「理由3」という。)、請求項2、6に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。

(4)特許法第36条第4項第1号
本件明細書の発明の詳細な説明は、当業者が本件発明4、5、10を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されていないから、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしておらず(以下、「理由4」という。)、請求項4、5、10に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。

第4 甲1〜11の記載
1 甲1(特開2004−69318号公報)
(1)甲1には、以下のとおりの記載がある。下線は、注目箇所に当審が付した。以下、同様。
「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両走行経路近傍に関する各種広告データの送受信を行う広告提示装置に関する。」

「【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る広告提示装置の構成を示すブロック図である。同図に示すように、該広告提示装置100は、車両に搭載される情報提供装置10と、車両との間で通信が可能であり、各種広告データを送信する広告配信センター20と、から構成されている。
【0011】
情報提供装置10は、車両の現在地を示し、ユーザが指定した目的地を案内するナビゲーション部11と、広告配信センター20と通信を行うための通信制御部(車両側通信制御手段)12と、経路探索を行った経路の履歴のみならず、経路案内を行わずに走行した経路や走行時間、時期、渋滞情報等の各種の情報の履歴を管理する履歴管理部(履歴管理手段)13と、目的地を推定し、且つ推定した目的地までの経路を履歴管理部13に保存されている情報に基づいて推定する経路推定部(経路推定手段)14と、リモコン、タッチパネル等の入力部15と、現在地情報等の各種情報を表示する表示部16と、GPSやジャイロセンサ、VICS等のセンサ部17と、を具備している。
【0012】
また、広告配信線センター20は、情報提供装置10と配信する広告データ等の通信を行う通信制御部(センター側通信制御手段)21と、情報提供装置10に配信する広告データベースを管理する広告管理部23と、通信制御部21より受信した情報提供装置10からの走行想定経路データに基づいて広告管理部23から有効な広告データを選択し、この広告データを情報提供装置10に配信する広告配信制御部(広告配信制御手段)22と、を具備している。
【0013】
図2は、本実施形態の動作を示すフローチャートであり、推定目的地より運転者が走行するであろう経路を推定し、表示する広告を受信するまでの流れを示している。
【0014】
また、図2に示すフローチャートは、推定された目的地(行き先)として、勤務先の会社が設定された場合について示している。目的地の推定方法としては、特開平7−83678号公報に記載された、過去の履歴を用いて目的地の推定を行っても良いし、PDAやインターネットを使用して個人のスケジュール帳とリンクし、目的地を推定しても良い。
【0015】
まず、現在の日時、位置情報を取得する(ステップS101)。次に、ステップS101で取得した位置情報から現在地を決定し、目的地である勤務先までの経路の推定を行う(ステップS102)。経路を推定する方法として、情報提供装置10では、今までに走行した経路に関する情報を履歴管理部13にデータベースとして保存しており、その情報を用いて経路推定部14により経路の推定を行う。
【0016】
推定方法の一例として、履歴管理部13は、図3に示す如くの情報、即ち、走行の「日時」、「走行時間」、「走行経路」、「渋滞道路情報」の情報を保存しており、これらの情報により、出発時間の差異、渋滞中である場合にはその渋滞の距離、渋滞の度合いにより渋滞道路を使用しているか回避しているかや、道路によっては、渋滞していても必ず通過している、夏は使用しないが冬は使用している、といった複数の過去の履歴を参照することによって、今から使用するであろう、最適な経路を推定し、推定経路を保存する。」

「【0021】
経路推定部14によって推定された経路情報に基づき、表示したい広告データを受信するため、情報提供装置10の通信制御部12と広告配信センター20の通信制御部21との間で通信を行い、通信制御部12から広告配信センター20へ、経路情報を送信する(ステップS103)。
【0022】
広告配信センター20側では、接続されている情報提供装置10より通信制御部21にてデータを受信し、受信した経路情報から広告配信制御部22によって、広告管理部23で管理されている広告のデータベース中から、経路上にある有効な広告データを選択し、情報提供装置10に送信する広告データを作成する(ステップS104)。
【0023】
そのとき、経路上にある広告データの選択方法として、情報提供装置10の所有者の好みを予め登録しておき、好みに応じた情報を優先的に選択して送信しても良いし、現在の時間や到着予定時間から有効であろう広告を選択しても良い。また、情報提供装置10より経路情報が送信されると同時に推定される利用形態の情報を送信し、それを参考にして広告データを選択しても良い。
【0024】
次いで、作成された広告データを通信制御部21によって通信情報提供装置10に送信する(ステップ105)。
【0025】
情報提供装置10の通信制御部12では、広告配信センター20より配信された広告データを受信する(ステップS106)。受信した広告データの例としては、広告主が存在する位置情報、表示する広告の文字データ、画像データ等を含んでいる。
【0026】
図5に情報提供装置10による広告表示の一例を示す。この例では、枠51にナビゲーションの現在位置の地図が表示され、枠52には広告内容を表示している。この表示した広告の位置(地点53)は、枠51に表示されている地図上にアイコン等で運転者に分かり易いように表示されている。また、枠52に広告内容を表示しているが、広告の内容を音声によって読み上げることによって、広告内容を運転者に通知する構成としても良い。」

「【図1】



「【図2】



「【図5】



甲1の段落【0012】及び図2から、広告配信センターは、コンピュータシステムで構成されており、プログラムによって、広告配信センターの各部の機能が実現され、処理が実行されるものである。

甲1の段落【0026】及び図5には、情報提供装置による広告表示の一例として、表示されるナビゲーションの現在位置の地図上(枠51)において、広告の位置に対応する地点にアイコン等を表示するとともに、枠52に広告内容として、
「○○○○○○○
3/10〜3/15日まで全品15%OFF
TELL:XX-XXX-XXXX」
と表示している。

(2)甲1発明
上記(1)によれば、甲1には、
「車両に搭載される情報提供装置と、車両との間で通信が可能であって、車両走行経路近傍に関する各種広告データを送信する広告配信センターであって、広告提示装置を含む広告配信センターを構成するコンピュータシステムを(【0001】、【0010】)、
情報提供装置と配信する広告データ等の通信を行う通信制御部(センター側通信制御手段)と、情報提供装置に配信する広告データベースを管理する広告管理部と、通信制御部より受信した情報提供装置からの走行想定経路データに基づいて広告管理部から有効な広告データを選択し、この広告データを情報提供装置に配信する広告配信制御部、として機能させ(【0012】)、
情報提供装置には、広告配信センターと通信を行うための通信制御部(車両側通信制御手段)と、経路探索を行った経路の履歴や、経路案内を行わずに走行した経路や走行時間、時期、渋滞情報等の各種の情報の履歴を管理する履歴管理部と、目的地を推定し、且つ推定した目的地までの経路を履歴管理部に保存されている情報に基づいて推定する経路推定部が具備され(【0011】)、
情報提供装置側において、現在の日時、位置情報が取得され、取得された位置情報から現在地が決定され、履歴管理部に保存される今までに走行した経路に関する情報を用いて、経路推定部により目的地までの経路の推定が行われた(【0015】、図2)後、推定された経路情報に基づき、表示したい広告データを受信するため、経路情報が広告配信センターへ送信されると(【0021】)、
広告配信センター側では、広告管理部で管理されている広告のデータベース中から、経路上にある有効な広告データを受信した経路情報に基づいて選択し、情報提供装置に送信する広告データを作成して(【0022】)、情報提供装置に作成された広告データを配信し(【0024】)、情報提供装置の通信制御部で広告配信センターより配信された広告データを受信すると(【0025】)、広告内容と、この広告の位置に対応する地点にアイコン等とが表示される(【0026】、図5)、ように機能させるプログラム。」
の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。

2 甲2(特開2013−86768号公報)
(1)甲2には、以下のとおりの記載がある。
「【0024】
<利用交通機関特定システムの構成>
図1は、本実施形態に係る利用交通機関特定システムの構成を説明する概略構成図である。図1に示すように、利用交通機関特定システム1は、移動端末10と、利用交通機関特定サーバ20と、を含んで構成される。移動端末10と利用交通機関特定サーバ20とは、移動体通信網を介した無線通信により情報の送受信が行われる。この利用交通機関特定システム1は、例えば、公共交通機関に係る交通情報(例えば、遅延情報等)を提供するサーバや、移動端末10の位置に応じた地域情報(例えば、店舗情報等)を提供するサーバ等に適用される。そして、移動端末10から自機の位置を示す情報を利用交通機関特定サーバ20に対して送信することにより、利用交通機関特定サーバ20により移動端末10の位置に応じた情報が提供される機能を有する。」

「【0034】
次に、利用交通機関特定サーバ20について説明する。利用交通機関特定サーバ20は、通信部21(位置情報取得手段)、位置情報格納部22、移動経路推定部23(移動経路推定手段)、空間的同一経路判定部24(移動経路更新手段)、移動経路更新部25(移動経路更新手段)、移動経路格納部26(移動経路保持手段)、交通網格納部27(交通網情報保持手段)、空間的重複駅特定部28(利用ポイント特定手段)、乗下車駅特定部29(利用交通機関特定手段)、交通経路特定部30(利用交通機関特定手段)、利用路線格納部31、乗換地点特定部32(利用交通機関特定手段)、コンテンツ格納部33、及びコンテンツ配信部34を含んで構成される。
【0035】
通信部21は、移動端末10との間で情報の送受信を行う機能を有する。具体的には、移動端末10から送信される位置情報を受信すると共に、移動端末10からの位置情報に基づいたコンテンツを移動端末10に対して送信する機能を有する。通信部21により受信された移動端末10からの位置情報は、位置情報格納部22へ送られる。
【0036】
位置情報格納部22は、移動端末10から送信される位置情報を格納する機能を有する。位置情報格納部22に格納される情報は、後述の移動経路推定部23、空間的同一経路判定部24、移動経路更新部25により利用される。
【0037】
移動経路推定部23は、位置情報に基づいて、移動端末10の移動経路を推定する機能を有する。移動経路を推定する方法としては、例えば、以下の方法がある。移動経路推定部23は、移動端末10からの位置情報に基づいて、移動端末が存在するエリアを所定の周期毎に検出し、図4に示すように、エリアを特定するためのエリアIDを付与付けて蓄積していく。ここで、移動端末が存在するエリアとは、緯度、経度及び測定誤差により特定される円領域であるが、後述する空間的同一経路判定部における処理を簡略化するため、円領域を含む矩形領域として表現されてもよい。そして、移動端末10の一連の移動行為(位置情報から「移動中」であると連続して判断された間の移動のことをいう)において、移動端末10がどのエリアを移動したかに基づいて移動経路を推定する。例えば、移動端末10が図5に示すR1の経路を辿って移動した場合に、位置情報に基づいて移動端末10が存在すると判断されたエリアが時系列順で、E001,E003,E005だったとする。この場合、移動経路推定部では、E001→E003→E005の経路を辿ったと判断する。この移動経路推定部23により推定された移動経路に係る情報は空間的同一経路判定部24に送られる。
【0038】
空間的同一経路判定部24では、移動経路推定部23により推定された移動経路が、過去に移動端末10が移動した経路と同一であるか否かを判定する機能を有する。これは、移動経路格納部26に格納されている情報から特定される移動経路と、移動経路推定部23により推定された移動経路とが一致するか否かにより判断される。移動経路格納部26に格納されている情報から特定される移動経路と、移動経路推定部23により推定された移動経路とが一致するか否かの判定は、例えば特開2010−160779号公報に記載の技術により実現可能である。空間的同一経路判定部24により判定された結果は、移動経路更新部25に送られる。
【0039】
移動経路更新部25では、移動経路格納部26に格納された移動経路に係る情報を空間的同一経路判定部24による判定結果に基づいて更新する。
【0040】
移動経路格納部26に格納される移動経路に係る情報の一例を図6に示す。図6に示すように移動経路格納部26では、出発エリア、経由エリア、及び到着エリアにより示される移動経路と、当該移動経路の移動回数(利用回数)と、を格納している。空間的同一経路判定部24により、移動端末10の移動経路が過去の移動経路と同一であると判断された場合、すなわち、移動経路格納部26に、既に移動経路が格納されている場合には、移動経路更新部26により当該移動経路の移動回数に1を加える。一方、空間的同一経路判定部24により、移動端末10の移動経路が新規の経路であると判断された場合には、移動経路更新部26により新規の移動経路を移動経路格納部26に格納される。このようにして、移動経路格納部26に対して、移動端末10の移動経路に係る情報が格納される。移動経路格納部26に格納された移動端末10の移動経路に係る情報を用いて、後述の移動端末10の利用交通機関が特定される。移動経路の更新を行うことにより、当該情報を利用してより正確な情報を提供することが可能となる。
【0041】
交通網格納部27は、ユーザが利用する可能性のある交通機関を利用開始又は終了するための利用ポイントの位置を示す情報が含まれた交通網情報を格納する機能を有する。本実施形態では、電車による移動を想定しているため、電車を利用開始又は終了するための利用ポイントとなる「駅」に係る情報として、当該駅に乗り入れる路線を特定する情報と、当該駅に隣接する駅を特定する情報と、当該駅の位置を特定する情報と、が格納されている。具体的には、図7に示すように、路線ID(路線を特定する情報)、路線名、駅ID(駅を特定する情報)、駅名、路線順序(路線における駅の順序)、隣接駅(隣接する駅を特定する駅ID)、駅グループID(乗換可能駅がある場合に利用する)、緯度、経度が対応付けて格納されている。」

「【0049】
以下、上記のプロセスを実現する各部の機能について説明する。空間的重複駅特定部28は、移動経路格納部26に格納された移動端末10の移動経路と、交通網格納部27に格納された駅を特定する情報とを比較し、移動端末10の移動経路と空間的に重複する駅を特定する機能を有する。具体的には、移動端末10の移動経路に含まれるエリアと空間的に重複する駅を特定する情報を交通網格納部27に格納された駅から抽出する。ここで、交通網格納部27に格納された情報は、図7に示すように、緯度及び経度より導かれる駅の一点を示す情報であるので、例えば、駅の緯度及び経度により特定される点を中心とした東西及び南北の一辺が200mの正方形のエリアを「駅エリア」とし、この駅エリアと重複するエリアが移動経路に含まれるか否かにより重複する駅を抽出する方法がある。空間的重複駅特定部28により重複すると判断された駅の情報は、乗下車駅特定部29へ送られる。
【0050】
乗下車駅特定部29では、空間的重複駅特定部28により移動経路上にあると判断された駅のうちから「乗車駅」「下車駅」の候補となる駅を特定する機能を有する。移動端末10が一連の移動行為において複数の駅を移動した場合、移動経路の始点に近い駅において交通機関の利用を開始した可能性が高く、移動経路の終点に近い駅において交通機関の利用を終了した可能性が高い。乗下車駅特定部29では、上記の観点から、乗車駅候補及び下車駅候補の駅を抽出する。具体的な方法としては、移動経路の始点から最も近い駅を「乗車駅」の候補の1つとして抽出し、当該駅と移動経路の始点との距離dを算出する。その後、この距離dに対して所定の距離αを加えた距離d+αを利用可能距離(乗車駅として利用可能と推定される距離)とし、当該利用可能距離よりも始点からの距離が小さい駅を「乗車駅候補」としてさらに抽出する。同様に、下車駅についても、移動経路の終点からの距離を利用して複数の候補を抽出する。また、この方法で抽出した複数の候補に同一路線の駅が複数含まれる場合には、一般的に最も近い駅以外の駅において乗車又は下車をする可能性は低いと考えられるため、始点又は終点から一番近い駅以外は除外することが好ましい。このように特定された乗下車駅に関する情報は、交通経路特定部30に送られる。
【0051】
交通経路特定部30は、空間的重複駅特定部28により移動経路上にあると判断された駅の情報と、乗下車駅特定部29により特定された乗車駅候補と下車駅候補と、に基づいて、乗車駅候補から下車駅候補へ到達することが可能な路線を特定する機能を有する。具体的な手法としては、移動経路上にあると判断された駅について、交通網格納部27から当該駅の駅IDに対応させて隣接駅ID,駅グループIDを取得し、ダイクストラ、A*等の経路探索アルゴリズムを用いて交通経路を特定する。そして、総コストが最小となる乗車駅、下車駅、利用路線、利用駅を特定する。なお、経路探索アルゴリズムには、適宜条件を付加することができる。経路探索の際の付加条件としては、例えば、移動経路の始点と終点との距離が所定の閾値より小さい場合には、ユーザは特急車両を利用しないという条件が挙げられる。」

「【0055】
コンテンツ配信部34は、交通経路特定部32により特定・抽出された移動経路・利用交通機関に係る情報に基づいて、コンテンツ格納部33からコンテンツを取得し、移動端末10に対して配信する機能を有する。具体的には、交通経路特定部30により特定された移動端末10のユーザの利用交通機関、乗車駅、下車駅、また、乗り換え地点特定部32により特定された移動端末10のユーザの乗換地点に関する情報をコンテンツ格納部33に格納された情報から抽出する。そして、これを通信部21から移動端末10に対して送信させることにより、移動端末10に対してコンテンツを配信する。」

(2)上記(1)によると、甲2には、
「移動端末と利用交通機関特定サーバとが、移動体通信網を介した無線通信により情報の送受信を行い、移動端末から自機の位置を示す情報を利用交通機関特定サーバに対して送信することにより、利用交通機関特定サーバにより移動端末の位置に応じた情報が提供される利用交通機関特定システム(【0024】)における、利用交通機関特定サーバであって、
移動端末から送信される位置情報を受信すると共に、移動端末からの位置情報に基づいたコンテンツを移動端末に対して送信する通信部と(【0035】)、
位置情報に基づいて、移動端末の移動経路を推定する移動経路推定部と(【0037】)、
移動経路推定部により推定された移動経路が、過去に移動端末が移動した経路と同一であるか否かを、移動経路格納部に格納されている情報から特定される移動経路と、移動経路推定部により推定された移動経路とが一致するか否かにより判定する空間的同一経路判定部と(【0038】)、
出発エリア、経由エリア、及び到着エリアにより示される移動経路と、当該移動経路の移動回数(利用回数)とを格納し、空間的同一経路判定部により、移動端末の移動経路が過去の移動経路と同一であると判断された場合、すなわち、移動経路格納部に、既に移動経路が格納されている場合には、当該移動経路の移動回数に1を加え、移動経路が新規の経路であると判断された場合には、新規の移動経路が格納される、移動経路格納部と(【0040】)、
電車の駅に乗り入れる路線を特定する情報と、当該駅に隣接する駅を特定する情報と、当該駅の位置を特定する情報と、が格納される交通網格納部と(【0041】)、
移動経路格納部に格納された移動端末の移動経路と、交通網格納部に格納された駅を特定する情報とを比較し、移動端末の移動経路と空間的に重複する駅を特定する空間的重複駅特定部と(【0049】)、
空間的重複駅特定部により移動経路上にあると判断された駅のうちから「乗車駅」「下車駅」の候補となる駅を特定する乗下車駅特定部と(【0050】)、
空間的重複駅特定部により移動経路上にあると判断された駅の情報と、乗下車駅特定部により特定された乗車駅候補と下車駅候補と、に基づいて、乗車駅候補から下車駅候補へ到達することが可能な路線を特定する交通経路特定部と(【0051】)、
交通経路特定部により特定・抽出された移動経路・利用交通機関に係る情報に基づいて、コンテンツ格納部からコンテンツを取得し、移動端末に対して配信するコンテンツ配信部であって、交通経路特定部により特定された移動端末のユーザの利用交通機関、乗車駅、下車駅、また、乗り換え地点特定部により特定された移動端末のユーザの乗換地点に関する情報をコンテンツ格納部に格納された情報から抽出して、これを通信部から移動端末に対して送信させることにより、移動端末に対してコンテンツを配信するコンテンツ配信部(【0055】)を含む、利用交通機関特定サーバ。」
が記載されている。

3 甲3(特開2011−128721号公報)
(1)甲3には、以下のとおりの記載がある。
「【0019】
−−−システム構成−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態の情報配信システム100を含むネットワーク構成図である。図1に示す情報配信システム100(以下、システム100)は、定期券範囲外の通過駅に関連する情報を鉄道利用者に提供するコンピュータシステムであり、具体的にはサーバ装置を想定できる。
【0020】
本実施形態では、前記システム100と、駅務機器200および鉄道定期券利用者の端末300とがWANやインターネットなどの適宜なネットワーク15で結ばれている。前記駅務機器200は、無線ICチップ30入りの鉄道定期券40の自動改札機などであり、当然ながら無線ICチップ30に対する読み取り動作、および読み取り内容に応じた改札扉の開閉制御等を実行する装置である。」

「【0024】
続いて、前記システム100が、例えばプログラム102に基づき記憶部101にて構成・保持する機能部につき説明を行う。なお、前記システム100は、記憶部101において、少なくとも定期券テーブル125、路線テーブル126、広告情報テーブル127、アドレステーブル128を記憶している。
【0025】
こうした前記システム100は、鉄道定期券40の改札処理を行った駅務機器200より、定期券識別情報、入退場駅名、および入退場日時のデータを含む入退場データを受信し記憶部101に格納するデータ取得部110を備えている。
【0026】
また、前記システム100は、記憶部101に格納してある入退場データを読み出し、定期券識別情報毎に入退場駅名を定期券テーブル125に照合して、入場駅ないし退場駅が該当鉄道定期券で規定される利用可能駅か否か判定し、入場駅ないし退場駅が利用可能駅でない場合、該当駅および利用可能駅を路線テーブル126に照合して利用可能駅と該当駅とを結ぶ区間に含まれる途中駅を特定する途中駅特定部111を備えている。
【0027】
また、前記システム100は、特定した途中駅の情報を広告情報テーブル127に照合し、該当駅に関して配信すべき配信情報を特定し、定期券識別情報をアドレステーブル128に照合して情報配信先となるアドレス情報を特定し、特定した配信情報を特定したアドレス情報に宛てて送信する配信処理部112を備えている。」

「【0039】
−−−処理手順例1−−−
以下、本実施形態における情報配信方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明する情報配信方法に対応する各種動作は、前記システム100のメモリに読み出して実行するプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。図9は、本実施形態の情報配信方法の処理フロー例1を示す図である。ここでは、前記システム100が駅務機器200から改札処理時に得られるデータを取得し、乗車傾向抽出テーブル129を生成する処理について説明する。
【0040】
この場合、前記システム100のデータ取得部110は、鉄道定期券40の改札処理を行った各駅の駅務機器200より、この駅務機器200(=自動改札機)を通過した利用者の鉄道定期券40に関する、定期券識別情報(=チップIDであり、利用者IDとも言える)、入退場駅名、および入退場日時のデータを含む入退場データを受信し記憶部101に格納する(ステップS1−1)。この入退場データの受信は一定周期毎に行うとしても勿論よい。
【0041】
次に、前記システム100の途中駅特定部111は、記憶部101に格納してある前記入退場データを読み出し、定期券識別情報毎に振り分けする(ステップS1−2)。また、途中駅特定部111は、入退場データが含む入退場駅名(例えば、“AA0001”なる利用者IDに関する“ab10”駅)を定期券テーブル125に照合して、入場駅ないし退場駅が該当鉄道定期券40で規定される利用可能駅か否か判定する(ステップS1−3)。
【0042】
前記ステップS1−3の判定において、前記入場駅ないし退場駅が利用可能駅である場合(ステップS1−3:YES)、前記途中駅特定部111は、該当利用者“AA0001”に関して既に乗車傾向抽出テーブル129にて登録済みの該当駅(例えば、“ab1”駅)のポイントに“1”を加算し、当該処理フローを終了する。なお、乗車傾向抽出テーブル129には、このポイントと共に、後述する「頻度」の値も格納しているものとする(図7参照)。
【0043】
一方、前記ステップS1−3の判定において、前記入場駅ないし退場駅が利用可能駅でない場合(ステップS1−3:NO)、前記途中駅特定部111は、該当利用者“AA0001”に関して該当駅(例えば、“ab10”駅)のレコードが乗車傾向抽出テーブル129に存在するか検索して判定する(ステップS1−4)。前記判定において、乗車傾向抽出テーブル129にレコードが存在しない駅であった場合(ステップS1−4:無し)、該当駅に関するレコードを作成し(ステップS1−5)、該当駅に関してポイントを“1”と付与したデータを前記レコードに設定する(ステップS1−6)。他方、前記判定において、乗車傾向抽出テーブル129にレコードが既に存在している駅であった場合(ステップS1−4:有り)、前記途中駅特定部111は該当駅のレコードにおいてポイントを“1”加算する(ステップS1−6)。
【0044】
次に、前記途中駅特定部111は、前記該当駅(例えば、“ab10”)および利用可能駅(前記ステップS1−3の判定で用いた情報。例えば、“ab1〜ab6”)を路線テーブル126に照合して利用可能駅と該当駅とを結ぶ区間に含まれる途中通過駅(途中駅)を特定する(ステップS1−7)。上記例の場合、利用可能駅の“ab6”から“ab10”駅までの間の駅である、“ab7”〜“ab9”駅が途中通過駅として特定できることとなる。
【0045】
また、前記途中駅特定部111は、該当利用者“AA0001”に関して前記途中通過駅(例えば、“ab7”〜“ab9”駅)のレコードが乗車傾向抽出テーブル129に存在するか検索して判定する(ステップS1−8)。前記判定において、乗車傾向抽出テーブル129にレコードが存在しない駅であった場合(ステップS1−8:無し)、該当駅に関するレコードを作成し(ステップS1−9)、該当駅に関してポイントを“1”と付与したデータを前記レコードに設定する(ステップS1−10)。他方、前記判定において、乗車傾向抽出テーブル129にレコードが既に存在している駅であった場合(ステップS1−8:有り)、前記途中駅特定部111は該当駅のレコードにおいてポイントを“1”加算する(ステップS1−10)。
【0046】
また、前記途中駅特定部111は、前記乗車傾向抽出テーブル129に設定されている各駅の合計ポイントを、例えば、所定集計期間の日数の2倍で除算し、各駅ごとの乗車頻度を算定して乗車傾向抽出テーブル129における該当レコードに書き込む(ステップS1−11)。この頻度算定の処理は、例えば、週一回(=7日間)、定期券範囲外の駅を往復(=2ポイントに該当)で利用する場合、途中通過駅を含めた各駅の利用頻度は、2ポイント/(7日×2)=0.14、となる。
【0047】
なお、上述の例の如く、途中通過駅が1路線にのみ含まれると特定される場合だけでなく、複数路線に関して特定可能な場合も想定できる。この場合、前記途中駅特定部111は、利用可能駅でないと判定された入場駅ないし退場駅と、該当鉄道定期券40に関する利用可能駅の情報を路線テーブル126に照合し、利用可能駅と該当駅とを結ぶ区間を複数特定する。また、途中駅特定部111は、駅務機器200から得ている入退場日時のデータから入退場駅間での滞在時間を算定し、入場駅から前記区間を経て退場駅までの間に要する鉄道の運行時間を前記路線テーブル126に基づいて区間毎に算定する。最後に、途中駅特定部111は、各区間のうち運行時間が前記滞在時間以下でなおかつ前記滞在時間に最も近似するものを特定し、ここで特定した該当区間に含まれる途中通過駅を前記路線テーブル126で特定することとなる。」

「【0051】
−−−処理手順例2−−−
図10は本実施形態の情報配信方法の処理フロー例2を示す図である。次に、配信条件に応じた者に情報配信を行う処理について説明する。ここではまず、広告主による店舗の情報や広告情報の登録処理から説明する。この場合、前記システム100の配信処理部112は、広告主が利用する所定端末より、所在駅名、店名称、改札内外の種別、取扱商品、および広告内容とその配信条件の各データをネットワーク15を介して受け付けて、これらデータを店舗属性情報テーブル127aと広告情報テーブル127に登録する(ステップS2−1)。
【0052】
続いて前記配信処理部112は、情報配信先の特定処理に移る。配信処理部112は、まず、店舗属性情報テーブル127aの所定店舗、例えば、“SH001”に関して、所在地が駅の改札内か改札外かを該当データ(改札内/改札外種別のデータ)から判定し(ステップS2−2)、以後、該当店舗“SH001”が改札内に設置されている場合はステップS2−21以降、一方、改札外に設置されている場合はステップS2−22以降の処理を実施する。
【0053】
次に配信処理部112は、乗車傾向抽出テーブル129より、該当店舗“SH001”の設置駅、例えば、“ab8”駅を定期券範囲に含んでいる利用者のIDを抽出する(ステップS2−3)。また配信処理部112は、乗車傾向抽出テーブル129より、該当店舗“SH001”の設置駅、例えば、“ab8”駅を定期券範囲ではなく乗降駅に含んでいる利用者のIDを抽出する(ステップS2−4)。この抽出処理は、前記乗車傾向抽出テーブル129の「乗・降駅情報」の値として利用頻度3−2がゼロより大きい値が設定されている者を抽出すればよい。
【0054】
なお、前記ステップS2−21で店舗“SH001”が改札内に設置されていると判定されている場合のみ、配信処理部112は更に、乗車傾向抽出テーブル129より、途中通過駅として前記“ab8”駅が設定されている利用者IDを抽出する。この抽出処理は、前記乗車傾向抽出テーブル129の「通過駅情報」の値として利用頻度3−3がゼロより大きい値が設定されている者を抽出すればよい。
【0055】
続いて配信処理部112は、前記ステップS2−4ないしS2−5までで抽出された利用者IDの中から、広告情報テーブル127における配信条件7−3の条件に合致するものの絞り込みを実行する(ステップS2−6)。この絞り込み処理は、例えば前記配信処理部112が、記憶部101(の乗車傾向抽出テーブル129)における該当「通過駅」=“ab8”駅に関する頻度(ないしポイント数)の情報が規定値以上(例えば、“0.14”以上)となっている者を特定する。
【0056】
また配信処理部112は、前記ステップS2−6で抽出された利用者IDに対応したメールアドレス(例えば、“abcde@xxx.ne.jp”)を前記アドレステーブル128にて抽出する(ステップS2−7)。また、配信処理部112は、前記店舗“SH001”の広告内容7−2を広告情報テーブル127より抽出し、これを該当メールアドレスに送信し(ステップS2−8)、処理は終了する。なお、メールアドレスに宛てて情報配信を行う場合だけでなく、例えば、駅構内などの公共施設内に設置された、駅/店舗内の情報表示端末において鉄道定期券40をかざした利用者に関して、前記システム100が前記情報表示端末と必要なデータの授受を行って、前記利用者が配信条件を満たすか上記同様に判定処理を実行し、該当する広告情報を情報表示端末に配信するとしてもよい。
【0057】
なお、上記例では広告主たる店舗を最初に1つ選び、この店舗に関する配信条件に合致する利用者を特定する流れを例示したが、これに限定されず、例えば、まず、乗車傾向抽出テーブル129における頻度ないしポイント数の情報が規定値以上となっている途中駅を特定し、ここで特定した途中駅の情報を広告情報テーブル127に照合し、該当駅に関して配信すべき配信情報を特定し、前記途中駅を利用駅に含む利用者の利用者ID(定期券識別情報)をアドレステーブル128に照合して情報配信先となるアドレス情報を特定し、特定した配信情報を特定したアドレス情報に宛てて送信するとしてもよい。」

「【図7】



(2)上記(1)によると、甲3には、
「定期券範囲外の通過駅に関連する情報を鉄道利用者に提供する情報配信システムであって(【0019】)、情報配信システムは、無線ICチップ入りの鉄道定期券の自動改札機などである駅務機器および鉄道定期券利用者の端末とWANやインターネットなどの適宜なネットワークで結ばれており(【0020】)、
情報配信システムは、
記憶部において、少なくとも定期券テーブル、路線テーブル、広告情報テーブル、アドレステーブルを記憶しており(【0024】)、
鉄道定期券の改札処理を行った駅務機器より、定期券識別情報、入退場駅名、および入退場日時のデータを含む入退場データを受信して記憶部に格納するデータ取得部と(【0025】)、
記憶部に格納してある入退場データを読み出し、定期券識別情報毎に入退場駅名を定期券テーブルに照合して、入場駅ないし退場駅が該当鉄道定期券で規定される利用可能駅か否か判定し、入場駅ないし退場駅が利用可能駅でない場合、該当駅および利用可能駅を路線テーブルに照合して利用可能駅と該当駅とを結ぶ区間に含まれる途中駅を特定する途中駅特定部と(【0026】)、
特定した途中駅の情報を広告情報テーブルに照合し、該当駅に関して配信すべき配信情報を特定し、定期券識別情報をアドレステーブルに照合して情報配信先となるアドレス情報を特定し、特定した配信情報を特定したアドレス情報に宛てて送信する配信処理部とを備え(【0027】)、
情報配信システムは、データ取得部によって、鉄道定期券の改札処理を行った各駅の駅務機器より、この駅務機器(自動改札機)を通過した利用者の鉄道定期券に関する、定期券識別情報(利用者ID)、入退場駅名、および入退場日時のデータを含む入退場データを受信し記憶部に格納すると(【0040】)、途中駅特定部によって、記憶部に格納してある前記入退場データを読み出し、定期券識別情報毎に振り分けた後、入退場データが含む入退場駅名(例えば、“AA0001”なる利用者IDに関する“ab10”駅)を定期券テーブルに照合して、入場駅ないし退場駅が該当鉄道定期券で規定される利用可能駅か否か判定し(【0041】)、前記入場駅ないし退場駅が利用可能駅である場合は、該当利用者“AA0001”に関して既に乗車傾向抽出テーブルにて登録済みの該当駅(例えば、“ab1”駅)のポイントに“1”を加算して当該処理フローを終了し(【0042】)、前記入場駅ないし退場駅が利用可能駅でない場合は、該当利用者“AA0001”に関して該当駅(例えば、“ab10”駅)のレコードが乗車傾向抽出テーブルに存在するか検索して判定し、レコードが存在しない駅であった場合は該当駅に関するレコードを作成して、新たに作成した、またはレコードが既に存在している該当駅に関してポイントを“1”加算した(【0043】)後、前記該当駅(例えば、“ab10”)と利用可能駅(例えば、“ab1〜ab6”)とを結ぶ区間に含まれる途中通過駅(途中駅、“ab7”〜“ab9”駅)を特定し(【0044】)、該当利用者“AA0001”に関して前記途中通過駅(例えば、“ab7”〜“ab9”駅)のレコードが乗車傾向抽出テーブルに存在するか検索して判定し、乗車傾向抽出テーブルにレコードが存在しない駅であった場合は該当駅に関するレコードを作成して、新たに作成した、またはレコードが既に存在している該当駅のレコードにおいてポイントを“1”加算し(【0045】)、乗車傾向抽出テーブルに設定されている各駅の合計ポイントを所定集計期間の日数の2倍で除算して、各駅ごとの乗車頻度を算定して乗車傾向抽出テーブルにおける該当レコードに書き込む(【0046】)ことにより、乗車傾向抽出テーブルを生成し(【0039】)、
情報配信システムの配信処理部は、広告主が利用する所定端末より、所在駅名、店名称、改札内外の種別、取扱商品、および広告内容とその配信条件の各データをネットワークを介して受け付けて、これらデータを店舗属性情報テーブルと広告情報テーブルに登録する(【0051】)と、乗車傾向抽出テーブルより、該当店舗“SH001”の設置駅、例えば、“ab8”駅を定期券範囲に含んでいる利用者と、“ab8”駅を定期券範囲ではなく乗降駅に含んでいる利用者のIDを抽出し(【0053】)、店舗“SH001”が改札内に設置されている場合は更に、乗車傾向抽出テーブルより、途中通過駅として前記“ab8”駅が設定されている利用者IDを抽出し(【0054】)、抽出された利用者IDの中から、広告情報テーブルにおける配信条件に合致する利用者IDに対応したメールアドレスに、前記店舗“SH001”の広告内容を広告情報テーブルより抽出して送信する(【0055】〜【0056】)。」
が記載されている。

4 甲4(特開2019−53435号公報)
(1)甲4には、以下のとおりの記載がある。
「【0012】
図1では、インターネット等の所定のネットワークN(例えば、図2参照)を介して、各利用者U1、U2(以下、「利用者U」と総称する場合がある。)が使用する端末装置101、102(以下、「端末装置100」と総称する場合がある。)、検索サーバ200および情報提供装置10は、相互に通信可能である。また、情報提供装置10は、検索サーバ200以外にも、各種の外部サーバ300(例えば、図2参照)と相互に通信可能であるものとする。
【0013】
端末装置100は、スマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、3G(3rd Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。なお、端末装置100は、スマートデバイスのみならず、デスクトップPC(Personal Computer)やノートPC等の情報処理装置であってもよい。
【0014】
また、端末装置100は、GPS(Global Positioning System)等の測位システムを用いて、現在位置を特定し、特定した位置を示す位置情報を出力する機能を有するものとする。また、端末装置100は、加速度センサを有し、加速度センサが取得した加速度の情報を情報提供装置10へと出力する機能を有するものとする。また、端末装置100は、加速度や位置以外にも、音声や明るさ等、端末装置100本体または端末装置100の周囲の状況を検出し、検出した情報を示す情報を出力する機能を有するものとする。また、以下の説明では、端末装置100が検出して出力する情報を、センシングデータと記載する場合がある。すなわち、端末装置100は、各種のセンサが検出したセンシングデータを出力する機能を有する。」

「【0016】
検索サーバ200は、経路検索に関するサービスを利用者Uに対して提供する情報処理装置であり、例えば、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、検索サーバ200は、端末装置100から出発地および到着地を経路検索の検索クエリとして受付ける。このような場合、検索サーバ200は、出発地から到着地までの移動経路、交通手段(列車、バス、タクシー、徒歩等)、所要時間、到着予測時刻等を検索し、検索結果を端末装置100へと提供する。」

「【0024】
〔1−3.決定処理の一例について〕
まず、図1を用いて、情報提供装置10が実行する決定処理の一例について説明する。例えば、検索サーバ200は、経路検索の検索クエリとして、出発地と到着地の指定を受付ける(ステップS1)。より具体的には、検索サーバ200は、出発地となる駅、到着地となる駅、到着日時、および利用者Uを識別する利用者ID(Identifier)を含む検索クエリを受付ける。なお、検索サーバ200は、出発日時が指定された検索クエリのログを受付けてもよい。
【0025】
このような場合、検索サーバ200は、検索クエリの内容に基づいて、経路検索を行い、検索結果を端末装置100へと提供する(ステップS2)。また、検索サーバ200は、検索クエリとして受付けた出発地および到着地と、検索結果として提供した到着日時、すなわち、検索結果において到着地へ到着する日時とを対応付けた経路検索のログを保持する。
【0026】
一方、情報提供装置10は、所定のタイミング(例えば、一定期間ごと)で、経路検索のログを行動予定情報として取得する(ステップS3)。すなわち、情報提供装置10は、利用者Uが入力した検索クエリであって、所定の出発地から所定の到着地までの移動経路を検索するための検索クエリを行動予定情報として取得する。また、情報提供装置10は、端末装置100から、位置情報の履歴である位置履歴を取得する(ステップS4)。
【0027】
そして、情報提供装置10は、処理対象となる利用者Uの経路検索のログや位置情報の履歴に基づいて、利用者Uの行動に関するパターンを特定する(ステップS5)。例えば、図1に示す例では、情報提供装置10は、利用者ID「U1」が示す利用者U1が入力した経路検索のログとして、到着日時「2017/12/12/9:00」、出発地「駅A」、到着地「駅B」が対応付けられたログ、到着日時「2017/12/12/17:00」、出発地「駅B」、到着地「駅C」が対応付けられたログ、到着日時「2017/12/12/21:00」、出発地「駅D」、到着地「駅A」が対応付けられたログ等を取得する。また、情報提供装置10は、利用者U1の位置履歴として、取得日時「2017/12/12/8:00」における利用者U1の位置を示す位置情報「位置#1」、取得日時「2017/12/12/9:00」における利用者U1の位置を示す位置情報「位置#2」、および取得日時「2017/12/12/10:00」における利用者U1の位置を示す位置情報「位置#3」を取得する。
【0028】
情報提供装置10は、このような経路検索のログと位置情報の履歴とを用いて、利用者Uの行動に関する通常パターンNPを特定する。なお、このようなパターンの特定は、各種のパターン検出技術が採用可能である。例えば、情報提供装置10は、位置情報を用いて、経路検索のログが示す移動経路のうち、利用者Uが実際に用いた移動経路を示すログを特定する。例えば、情報提供装置10は、経路検索のログのうち、各日時における利用者Uの位置情報と矛盾しないログを抽出する。そして、情報提供装置10は、出発日時や到着日時の時間帯、曜日、出発地や到着地となる駅や駅が所在する地域等、任意の粒度で抽出した経路検索のログのグルーピングを行う。そして、情報提供装置10は、各グループに分類されるログの数に基づいて、利用者Uの経路検索のログが有するパターンを特定する。
【0029】
より具体的な例を挙げると、情報提供装置10は、例えば、到着日時が平日の午前8時から午前9時までの間に設定され、出発地を「駅A」とし、到着地を「駅B」とするログの数が所定の閾値を超える場合は、かかる内容を利用者U1の行動の通常パターンNPとする。例えば、情報提供装置10は、曜日「月〜金」、時間帯「8:00〜9:00」、出発地「駅A」、および到着地「駅B」の組に対し、パターンを識別するパターンID「PID#1」を対応付けて保持する。
【0030】
また、情報提供装置10は、例えば、到着日時が平日の午後21時から午後22時までの間に設定され、出発地を「駅C」とし、到着地を「駅A」とするログの数が所定の閾値を超える場合は、かかる内容を利用者U1の行動の通常パターンNPとする。例えば、情報提供装置10は、曜日「月〜金」、時間帯「21:00〜22:00」、出発地「駅C」、および到着地「駅A」の組に対し、パターンを識別するパターンID「PID#2」を対応付けて保持する。
【0031】
さらに、情報提供装置10は、各パターンが示す行動の目的を推定する。例えば、情報提供装置10は、位置情報の履歴から利用者Uの拠点を特定するとともに、特定した拠点が利用者Uの自宅であるか、職場であるか、利用者Uが定期的に訪問する施設等であるかを推定する。例えば、情報提供装置10は、パターンNPから逸脱した利用者Uのログを異常パターンとして抽出する。ここで、異常パターンは、利用者Uの非日常的な行動を示すと考えられる。例えば、異常パターンは、休日における利用者Uの行動や、利用者Uの急な予定を示すと考えられる。このような非日常的な行動が行われた場合、経路検索の出発地や目的地は、利用者Uの自宅周辺に所在する駅を示す可能性が高いと推定される。
【0032】
そこで、情報提供装置10は、異常パターンの出発地や到着地の分布に基づいて、異常パターンが示す行動に関する利用者Uの意図を推定し、推定結果に基づいて、位置履歴が示す各位置と利用者Uとの関係性を推定する。例えば、情報提供装置10は、利用者Uの位置履歴が示す各位置をクラスタリングすることにより、利用者Uが拠点とする位置を特定する。また、情報提供装置10は、異常パターンの出発地および到着地のうち、最も出現回数が多い出発地や到着地を特定し、各拠点のうち、特定した出発地または到着地の近傍の位置を利用者Uの自宅の位置とする。
【0033】
なお、情報提供装置10は、異常パターンにおいて、所定の期間内において最初の出発地とされ、かつ、所定の期間内において最後の到着地とされた駅を利用者Uの自宅の近傍の駅であると推定し、かかる駅の近傍にある拠点を利用者Uの自宅と推定してもよい。また、情報提供装置10は、利用者U1の自宅となる拠点を推定した場合、かかる拠点から日常的に訪問する拠点を職場として推定する。例えば、情報提供装置10は、自宅となる拠点の近傍にある駅から日常的に向かっている駅を特定し、特定した駅の近傍にある拠点を利用者Uの職場と推定してもよい。
【0034】
そして、情報提供装置10は、各パターンが示す行動における利用者Uの目的、すなわち、移動のコンテキストを推定する。例えば、情報提供装置10は、あるパターンが、平日の朝の間に、自宅の近傍の駅から、職場の近傍の駅まで移動する旨を示す場合は、かかるパターンの目的が「出勤」である旨を推定する。また、情報提供装置10は、あるパターンが、平日の夜の間に、職場の近傍の駅から、自宅の近傍の駅まで移動する旨を示す場合は、かかるパターンの目的が「帰宅」である旨を推定する。
【0035】
なお、上述した行動の目的の推定は、複数の経路検索のログの特徴から、利用者Uの移動の意図の特徴を推定するように学習が行われたSVM(Support Vector Machine)やDNN(Deep Neural Network)等の各種モデルにより実現されてもよい。また、上述した目的の推定は、所定の運営者が予め登録した日時、曜日、頻度を満たすか否か等に応じて、任意の条件の元推定が行われてもよい。また、推定結果となる移動意図は、出勤や帰宅のみならず、例えば、飲食に関連する意図であってもよく、旅行に関連する意図であってもよい。
【0036】
このように、情報提供装置10は、利用者Uの行動に関するパターンであって、利用者Uに関する情報の履歴に基づくパターンを特定する。より具体的には、情報提供装置10は、利用者Uの日常的な行動に関するパターンに基づいて、利用者Uの移動に関する状態を推定する。例えば、情報提供装置10は、利用者Uの行動に関するパターンのうち、利用者Uの日常的な行動に関するパターン以外のパターン(すなわち、異常パターン)に基づいて、利用者Uの移動に関する状態を推定する。
【0037】
ここで、情報提供装置10は、利用者Uの行動に関するパターンとして、利用者Uが移動する際の出発地、目的地、及び時間帯のパターンを特定する。より具体的には、情報提供装置10は、利用者Uが入力した経路検索の履歴に基づくパターンを特定する。そして、情報提供装置10は、特定したパターンに基づいて、利用者Uの移動の意図を推定する。
【0038】
例えば、情報提供装置10は、最新の位置情報を利用者Uから取得する(ステップS6)。そして、情報提供装置10は、最新の位置情報と特定したパターンとに基づいて、現在の利用者Uの移動に関する状態、すなわち、コンテキストを推定する(ステップS7)。換言すると、情報提供装置10は、利用者Uの行動に関するパターンと、検出された情報とに基づいて、利用者Uの移動に関する状態を推定する。すなわち、情報提供装置10は、所定の検出装置により検出された情報に基づいて、情報が検出された際における利用者Uの移動に関する状態を推定する。
【0039】
例えば、情報提供装置10は、日時「2017/12/13/21:15」において取得された位置情報が「位置#2」を示す場合、パターンの中から、「位置#2」の近傍にある駅(例えば、「駅C」)を出発地とし、時間帯が日時「2017/12/13/21:15」を含むパターン、すなわち、パターンID「PID#2」が示すパターンを特定する。そして、情報提供装置10は、特定したパターンの移動意図「帰宅」を特定する。
【0040】
また、情報提供装置10は、推定した移動に関するコンテキストに応じて、利用者Uに対して提供する処理の内容を決定する(ステップS8)。例えば、情報提供装置10は、利用者Uに対して提供する情報の内容や、情報を提供するタイミング等を処理の内容として決定する。そして、情報提供装置10は、決定した内容の処理を提供する(ステップS9)。」

「【0046】
また、情報提供装置10は、推定した移動の意図に応じて、処理を提供するタイミングを決定してよく、利用者Uに対して提供する情報の内容を決定してもよい。例えば、情報提供装置10は、推定した意図が「出勤」である場合は、その場で経路検索の結果を提供することで、迅速な情報提供を実現してもよい。また、情報提供装置10は、推定した意図が「帰宅」である場合は、その場で経路検索の結果を提供せずともよく、例えば、利用者Uが駅に到着した際に、経路検索の結果とともに、移動経路上における各種店舗の広告を配信してもよい。」

(2)上記(1)によると、甲4には、
「インターネット等の所定のネットワークを介して、各利用者が使用するスマートフォンやタブレット等のスマートデバイスである端末装置や、検索サーバと相互に通信可能な情報提供装置であって(【0012】〜【0013】)、
端末装置は、GPS(Global Positioning System)等の測位システムを用いて、現在位置を特定し、特定した位置を示す位置情報を出力する機能を有し(【0014】)、
検索サーバは、端末装置から出発地および到着地を経路検索の検索クエリとして受付けると、出発地から到着地までの移動経路、交通手段(列車、バス、タクシー、徒歩等)、所要時間、到着予測時刻等を検索し、検索結果を端末装置へと提供し(【0016】)、検索クエリとして受付けた出発地および到着地と、検索結果として提供した到着日時とを対応付けた経路検索のログを保持し(【0025】)、
情報提供装置は、所定のタイミング(例えば、一定期間ごと)で、利用者が入力した所定の出発地から所定の到着地までの移動経路を検索するための検索クエリを行動予定情報として取得し、端末装置から位置情報の履歴である位置履歴を取得した(【0026】)後、処理対象となる利用者の経路検索のログや位置情報の履歴に基づいて、利用者の行動に関するパターンを特定し(【0027】)、位置情報の履歴から利用者の拠点を特定するとともに、特定した拠点が利用者の自宅であるか、職場であるか、利用者が定期的に訪問する施設等であるかを推定し(【0031】)、例えば、あるパターンが、平日の朝の間に、自宅の近傍の駅から、職場の近傍の駅まで移動する旨を示す場合は、かかるパターンの目的が「出勤」であり、平日の夜の間に、職場の近傍の駅から、自宅の近傍の駅まで移動する旨を示す場合は、かかるパターンの目的が「帰宅」である旨を推定することにより、各パターンが示す行動における利用者の目的、すなわち、移動のコンテキストを推定し(【0034】)、
最新の位置情報を利用者から取得すると、最新の位置情報と特定したパターンとに基づいて、現在の利用者の移動に関する状態、すなわち、コンテキストを推定し(【0038】)、推定した移動に関するコンテキストに応じて、利用者に対して提供する情報の内容や、情報を提供するタイミング等を処理の内容として決定して、決定した内容の処理を提供するものであり(【0040】)、
推定した意図が「帰宅」である場合は、利用者が駅に到着した際に、経路検索の結果とともに、移動経路上における各種店舗の広告を配信する(【0046】)、情報提供装置。」
が記載されている。

5 甲5(特開2002−189656号公報)
(1)甲5には、以下のとおりの記載がある。
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インターネットを介した情報配信サービスシステムであって、詳しくは個人情報管理支援システムに記録された個人予定表に連動して行動予定、時間、場所を判断し利用者個人に適切な情報配信サービスを行うシステムに関する。」

「【0017】図1は本発明の実施例である情報配信サービスシステム100の構成図を示す。
【0018】ここで、10は情報配信サービス事業者の業務サービスコンピュータであり、この業務サービスコンピュータ10は以下のような業務を行う。
【0019】すなわち、個人情報管理支援応用ソフト13xをインターネット20を介して利用会員に提供し、その利用会員のクライアント端末30で入力したデータを受信し、その利用者がいつでもアクセスできるように個人予定表データベース14xに記録して管理する第1の業務と共に、その利用会員の希望者と契約し、当該契約利用会員の個人予定表データベース14xを呼出し、少なくともその会員の行動を伴う場所である時間とその位置情報に基づいて必要或は参考となる情報データをタイミングに合った時刻にその契約利用会員に配信する第2の業務の2つの業務を行う。
【0020】20はインターネット回線、30は前記業務サービスコンピュータ10とインターネット20を介して交信する契約利用会員のインターネット対応のクライアント端末である。」

「【0022】次に、前記業務サービスコンピュータ10についての構成の一実施例を以下詳細に説明する。
【0023】11はファイアウォール、13はWebサーバ、15はデータベース装置14を管理するデータベースサーバ、16は業務処理端末、12はLANを示す。
【0024】Webサーバ13及びデータベース装置14の詳細は図2に示してある。
【0025】データベース装置14は、少なくとも前記第1の業務のための利用会員データベース14aと個人予定表データベース14xがあり、また、前記第2の業務のための情報配信の契約利用会員は本実施例では利用会員データベース14aに付記するようにしたが、別に契約利用会員だけのデータベースを作成するようにしてもよい。14bは第2の業務のための契約会員予定表データベースであり、データベース14aから転記したものである。
【0026】Webサーバ13は、第1の業務のための個人情報管理支援応用ソフト13xを備えている。利用したい者はクライアント端末30からインターネット20を介して業務サービスコンピュータ10にアクセスし第1の業務依頼を行い、所定の入力Web画面を受けて入会の手続を行い利用会員データベース14aに登録され、利用会員はそのソフトを使用し、個人予定表データベース14xに入力し、利用会員はいつでも、自分の予定表にアクセスし確認し、また追記、更新を行うことができる状態にある。
【0027】以上の状態で、業務サービスコンピュータ10のWebサーバ13が第2の業務である情報配信の業務依頼をクライアント端末30から受けるため、手段13a〜13hを備える。また、情報提供企業40または統計の調査希望企業にレポートを提供する手段13iを備える。」

「【0029】また、予定表登録手段13bは、契約利用会員の個人予定表を所定時刻毎に個人予定表データベース14xより呼出し、契約会員予定表データベース14bへ書込み更新する。
【0030】また、予定情報配信手段13cは、契約会員予定表データベース14bに登録された各会員毎の予定表より現住所、居住地、会社などへの勤務地、出張先の会社・事務所・宿泊ホテル、待合駅、出発・終着駅、乗換駅、空港、予定業務毎開始・終了時刻、待合せ時刻などを含む時間位置情報を抽出して、会員が必要或は希望すると指定した移動経路、歩行、電車、新幹線、飛行機、自家用車、タクシー、バスなど交通移動手段、所要時間、宿泊施設、経費を少なくとも含む予想情報を選択できる各種項目のメニューWeb画面を配信する。
【0031】(省略)
【0032】また、サポート情報配信手段13eは、抽出した前記時間位置情報と、会員が前記予定表に記入した通勤、招待又は接待、出張又は私的旅行などを含む会員の移動目的情報とにより、会員にとって必要或は興味があると判断した情報提供企業からのメール形式情報と、少なくとも会社、役所、学校、銀行、郵便局、料理店、販売店、デパート、駅、スーパーストアなどに関する経路探索ソフト、住所検索ソフト、地図情報ソフトを提供する各種情報提供企業40,40A,40B,‥‥を選択できる各種項目のメニューWeb画面を配信する。」

「【0035】また、行動類型情報配信手段13hは、契約会員予定表データベース14bから過去の行動履歴を検索し行動パターン、行動地域を含む行動類型に分類し、契約会員の行動類型に応じた必要或いは参考となる情報データを配信する。」

「【0038】なお、情報配信データの具体例として、メール形式、地図形式を説明したが、前記情報配信データは、インターネットを介して配信可能なテキスト、静止画像、動画像、音声、リンク動作などの作用を行うプログラムを含むデータであって、前記各情報提供企業が前記情報配信サービス事業者に配信を委託した広告を含む。」

「【0042】次に、コンピュータ10は契約利用会員の個人予定表を所定時刻毎に個人予定表データベース14xより呼出し、契約会員予定表データベース14bへ書込み更新する(S33)。
【0043】次に、コンピュータ10は契約会員予定表データベース14bに登録された各会員毎の予定表より時間位置情報を抽出する(S34)。
【0044】次に、コンピュータ10は抽出したデータより会員が必要或は希望すると指定した予想情報を選択できる各種項目のメニューWeb画面を端末30へ配信する(S35)。
【0045】コンピュータ10はその選択信号を受信してその予想情報Web画面を端末30へ配信する(S36)。
【0046】次に、コンピュータ10はデータベース14bで抽出した時間位置情報より現在時刻における会員のいる場所・地図を特定又は指定し、その位置付近の地図などの現在情報を選択できるメニューWeb画面を端末30へ配信する(S37)。
【0047】コンピュータ10はその選択信号を受信して選択した現在情報のWeb画面を端末30へ配信する(S38)。
【0048】また、コンピュータ10は、各ステップで随時データベース14bで抽出した時間位置情報と会員が予定表に記入した移動目的情報とにより、会員にとって必要或は興味があると判断した情報提供企業からのメール形式情報と、目的先に関する経路探索ソフト、住所検索ソフト、地図情報ソフト等を提供する各種情報提供企業40を選択できるメニューWeb画面を端末30へ配信する(S41)。
【0049】コンピュータ10は、その選択信号を受信して、選択項目に該当する情報提供企業40にアクセスしてその選択情報ソフトを端末30へ配信する(S42)。」

「【0056】図6の60は個人予定表データベース14xから個人予定表を呼出し、データ検索・確認を行う場合を示し、予定表60から既に書込んである予定61を端末30に表示した場合を示す。この端末30の表示部下側に(出発地)61a、(経路)61b、(目的地)61cの選択メニューが表示されている。
【0057】61a,61b,61cを選択すれば、それぞれ「出発先から最寄駅までのルート」62、「途中の路線経路」63、「最寄駅から目的地までの経路」64を表示させることができる。さらに、それらの交信の間に「場所・経路・目的に応じた情報」65を端末30へ提供する。例えば、図6に示すように○○屋のコマーシャル、TELナンバー、地図・住所(65a)、○○路線事故の通報(65b)、それらの地図図面表示(65c)などである。
【0058】以上の情報によって、予定表60を端末30から修正することもできる。尚、本実施の形態の説明で経路探索・住所検索ソフト、地図情報について外部の各種情報提供企業40とリンクさせる形態を説明したが業務サービスコンピュータ10にデータベースを備え直接サービスする形態を取ることもできる。」

「【図1】



「【図2】




「【図6】


(2)甲5発明
ア 段落【0001】によると、甲5には、
「インターネットを介した情報配信サービスシステムであって、個人情報管理支援システムに記録された個人予定表に連動して行動予定、時間、場所を判断し利用者個人に適切な情報配信サービスを行う情報配信サービスシステム。」が記載されている。
また、段落【0019】によると、業務サービスコンピュータは、「個人予定表データベース14xには、利用者がいつでもアクセス可能であり、利用者の行動を伴う場所である時間とその位置情報に基づいて必要或いは参考となる情報データをタイミングに合った時刻に利用者に配信する」ものである。
また、図1によると、情報配信サービスシステムは、業務サービスコンピュータと、地図情報提供企業のコンピュータと、利用会員のクライアント端末と、情報提供企業のコンピュータとから構成され、それぞれは、インターネットを介して接続され、段落【0058】によると、各種情報提供企業で行う実施形態は、直接、業務サービスコンピュータが行ってよいものである。
よって、甲5には、「業務サービスコンピュータと、利用会員のクライアント端末とが、インターネットを介して接続された情報配信サービスシステムであって、個人予定表データベース14xには、利用者がいつでもアクセス可能であり、個人予定表データベース14xに記録された個人予定表に連動して行動予定、時間、場所を判断し、利用者の行動を伴う場所である時間とその位置情報に基づいて必要或いは参考となる情報データをタイミングに合った時刻に利用者に配信する情報配信サービスを行う情報配信サービスシステム。」が記載されている。

イ 段落【0029】、【0030】、図2によると、甲5の業務サービスコンピュータは、「契約利用会員の個人予定表として、現住所、居住地、会社などへの勤務地、出張先の会社・事務所・宿泊ホテル、待合駅、出発・終着駅、乗換駅、空港、予定業務毎開始・終了時刻、待合せ時刻などを含む時間位置情報が登録された契約会員予定表データベース14b」を備えている。

ウ 段落【0058】によると、経路探索・住所検索ソフト、地図情報は、業務サービスコンピュータ10が直接サービスする形態を取ることができるから、段落【0030】、【0032】によると、甲5の業務サービスコンピュータは、「契約会員予定表データベース14bから、契約会員予定表データベース14bに登録された各会員毎の予定表より現住所、居住地、会社などへの勤務地、出張先の会社・事務所・宿泊ホテル、待合駅、出発・終着駅、乗換駅、空港、予定業務毎開始・終了時刻、待合せ時刻などを含む時間位置情報を抽出して、会員が必要或いは希望すると指定した移動経路、歩行、電車、新幹線、飛行機、自家用車、タクシー、バスなど交通移動手段、所要時間、宿泊施設、経費を少なくとも含む予想情報を選択できる各種項目のメニューWeb画面を配信する予定情報配信手段13c」と、「抽出した前記時間位置情報と、会員が前記予定表に記入した通勤、招待又は接待、出張又は私的旅行などを含む会員の移動目的情報とにより、会員にとって必要或いは興味があると判断した情報提供企業からのメール形式情報と、少なくとも会社、役所、学校、銀行、郵便局、料理店、販売店、デパート、駅、スーパーストアなどに関する経路探索ソフト、住所検索ソフト、地図情報ソフトを選択できる各種項目のメニューWeb画面を配信するサポート情報配信手段13e」を備えている。

エ 段落【0035】によると、甲5の業務サービスコンピュータは、「契約会員予定表データベース14bから過去の行動履歴を検索し行動パターン、行動地域を含む行動類型に分類し、契約会員の行動類型に応じた必要或いは参考となる情報データを配信する行動類型情報配信手段13h」を備えている。

オ 段落【0038】によると、情報配信データは、インターネットを介して配信可能なテキスト、静止画像、動画像、音声、リンク動作などの作用を行うプログラムを含むデータであって、前記各情報提供企業が前記情報配信サービス事業者に配信を委託した広告を含むものである。
また、段落【0058】によると、経路探索・住所検索ソフト、地図情報は、業務サービスコンピュータ10が直接サービスする形態を取ることができるから、上記の「各情報提供企業が前記情報配信サービス事業者に配信を委託した広告」は、甲5の業務サービスコンピュータが保有、すなわち、記憶してもよいものである。

カ 段落【0019】、【0026】、【0027】によると、甲5の業務サービスコンピュータは、個人情報管理支援応用ソフト13xをインターネット20を介して利用会員に提供し、その利用会員のクライアント端末30で入力したデータを受信し、その利用者がいつでもアクセスできるように個人予定表データベース14xに記録して管理する第1の業務を提供している状態で、その利用会員の希望者と契約し、当該契約利用会員の個人予定表データベース14xを呼出し、少なくともその会員の行動を伴う場所である時間とその位置情報に基づいて必要或は参考となる情報データをタイミングに合った時刻にその契約利用会員に配信する第2の業務であって、第2の業務である情報配信の業務依頼をクライアント端末30から受け取るものである。
段落【0030】から、情報配信は、会員が必要或は希望すると指定した移動経路、歩行、電車、新幹線、飛行機、自家用車、タクシー、バスなど交通移動手段、所要時間、宿泊施設、経費を少なくとも含む予想情報を選択できる各種項目のメニューWeb画面を配信することである。
段落【0042】〜【0047】によると、甲5の業務サービスコンピュータは、個人予定表を所定時刻毎に個人予定表データベース14xより呼出し、契約会員予定表データベースへ書き込み更新し、契約会員予定表データベース14bに登録された各会員毎の予定表より時間位置情報を抽出し、抽出したデータより会員が必要或いは希望すると指定した予想情報を選択できる各種項目のメニューWeb画面を端末30へ配信し、端末30からの選択信号を受信してその予想情報Web画面を端末30へ配信し、データベース14bで抽出した時間位置情報より現在時刻における会員のいる場所・地図を特定又は指定し、その位置付近の地図などの現在情報を選択できるメニューWeb画面を端末30へ配信し、端末30からの選択信号を受信して選択した現在情報のWeb画面を端末30へ配信する(S38)ものである。

キ 段落【0058】によると、経路探索・住所検索ソフト、地図情報は、業務サービスコンピュータ10が直接サービスする形態を取ることができるから、段落【0048】、【0049】によると、甲5の業務サービスコンピュータは、「各ステップで、随時データベース14bで抽出した時間位置情報と会員が予定表に記入した移動目的情報とにより、会員にとって必要或いは興味があると判断した情報提供企業からのメール形式情報と、目的先に関する経路探索ソフト、住所検索ソフト、地図情報ソフト等を選択できるメニューWeb画面を端末30へ配信し(S41)、端末30からの選択信号を受信して、選択情報ソフトを端末30へ配信する(S42)」ものである。

ク 段落【0056】、【0057】、図6によると、「具体例として、個人予定表データベース14xから個人予定表を呼出し、予定表60から既に書込んである予定61を端末30に表示させ、この端末30の表示部下側の(出発地)61a、(経路)61b、(目的地)61cの選択メニューから、61a,61b,61cが選択されると、それぞれ「出発先から最寄駅までのルート」62、「途中の路線経路」63、「最寄駅から目的地までの経路」64を表示させ、さらに、それらの交信の間に○○屋のコマーシャル、TELナンバー、地図・住所(65a)、○○路線事故の通報(65b)、それらの地図図面表示(65c)などの「場所・経路・目的に応じた情報」65を端末30へ提供する」ものである。

ケ また、甲5の業務サービスコンピュータは、コンピュータであるから、プログラムで動作するものである。

以上より、甲5には、
「業務サービスコンピュータと、利用会員のクライアント端末とが、インターネットを介して接続された情報配信サービスシステムであって、個人予定表データベース14xには、利用者がいつでもアクセス可能であり、個人予定表データベース14xに記録された個人予定表に連動して行動予定、時間、場所を判断し、利用者の行動を伴う場所である時間とその位置情報に基づいて必要或いは参考となる情報データをタイミングに合った時刻に利用者に配信する情報配信サービスを行う情報配信サービスシステムにおいて、
業務サービスコンピュータは、契約利用会員の個人予定表として、現住所、居住地、会社などへの勤務地、出張先の会社・事務所・宿泊ホテル、待合駅、出発・終着駅、乗換駅、空港、予定業務毎開始・終了時刻、待合せ時刻などを含む時間位置情報が登録された契約会員予定表データベース14bを備え、
業務サービスコンピュータを、
契約会員予定表データベース14bから、契約会員予定表データベース14bに登録された各会員毎の予定表より現住所、居住地、会社などへの勤務地、出張先の会社・事務所・宿泊ホテル、待合駅、出発・終着駅、乗換駅、空港、予定業務毎開始・終了時刻、待合せ時刻などを含む時間位置情報を抽出して、会員が必要或は希望すると指定した移動経路、歩行、電車、新幹線、飛行機、自家用車、タクシー、バスなど交通移動手段、所要時間、宿泊施設、経費を少なくとも含む予想情報を選択できる各種項目のメニューWeb画面を配信する予定情報配信手段13cと、
抽出した前記時間位置情報と、会員が前記予定表に記入した通勤、招待又は接待、出張又は私的旅行などを含む会員の移動目的情報とにより、会員にとって必要或いは興味があると判断した情報提供企業からのメール形式情報と、少なくとも会社、役所、学校、銀行、郵便局、料理店、販売店、デパート、駅、スーパーストアなどに関する経路探索ソフト、住所検索ソフト、地図情報ソフトを選択できる各種項目のメニューWeb画面を配信するサポート情報配信手段13eと、
契約会員予定表データベース14bから過去の行動履歴を検索し行動パターン、行動地域を含む行動類型に分類し、契約会員の行動類型に応じた必要或いは参考となる情報データを配信する行動類型情報配信手段13hと、
して機能させるプログラムであって、
情報配信データは、インターネットを介して配信可能なテキスト、静止画像、動画像、音声、リンク動作などの作用を行うプログラムを含むデータであって、前記各情報提供企業が前記情報配信サービス事業者に配信を委託した広告を含み、当該広告を記憶するものであり、
会員が必要或は希望すると指定した予想情報を選択すると、個人予定表を所定時刻毎に個人予定表データベース14xより呼出し、契約会員予定表データベースへ書き込み更新し、契約会員予定表データベース14bに登録された各会員毎の予定表より時間位置情報を抽出し、
抽出したデータより会員が必要或いは希望すると指定した予想情報を選択できる各種項目のメニューWeb画面を端末30へ配信し、端末30からの選択信号を受信してその予想情報Web画面を端末30へ配信し、データベース14bで抽出した時間位置情報より現在時刻における会員のいる場所・地図を特定又は指定し、その位置付近の地図などの現在情報を選択できるメニューWeb画面を端末30へ配信し、端末30からの選択信号を受信して選択した現在情報のWeb画面を端末30へ配信し(S38)、
各ステップで随時、データベース14bで抽出した時間位置情報と会員が予定表に記入した移動目的情報とにより、会員にとって必要或いは興味があると判断した情報提供企業からのメール形式情報と、目的先に関する経路探索ソフト、住所検索ソフト、地図情報ソフト等を選択できるメニューWeb画面を端末30へ配信し(S41)、端末30からの選択信号を受信して、選択情報ソフトを端末30へ配信(S42)するものであり、
具体例として、個人予定表データベース14xから個人予定表を呼出し、予定表60から既に書込んである予定61を端末30に表示させ、この端末30の表示部下側の(出発地)61a、(経路)61b、(目的地)61cの選択メニューから、61a,61b,61cが選択されると、それぞれ「出発先から最寄駅までのルート」62、「途中の路線経路」63、「最寄駅から目的地までの経路」64を表示させ、さらに、それらの交信の間に○○屋のコマーシャル、TELナンバー、地図・住所(65a)、○○路線事故の通報(65b)、それらの地図図面表示(65c)などの「場所・経路・目的に応じた情報」65を端末30へ提供する、
処理を、業務サービスコンピュータに実行させるプログラム。」
の発明(以下、「甲5発明」)が記載されている。

6 甲6(特開2009−271845号公報)
(1)甲6には、以下のとおりの記載がある。
「【0018】
本実施形態にかかる情報提供システム1は、情報提供装置10、及び移動体通信網60を介して情報提供装置10に接続可能とされた移動機端末50を含んで構成される。
【0019】
情報提供装置10は、広告管理部11(コンテンツ管理手段)、広告DB12(コンテンツ保持手段)、ユーザ位置情報取得部13(ユーザ位置情報取得手段)、広告抽出部14(コンテンツ抽出手段)、距離算出部15(距離算出手段)、距離DB16、履歴DB17(履歴保持手段)、履歴管理部18(履歴管理手段)、嗜好値算出部19(嗜好値算出手段)、広告評価部20(コンテンツ評価手段)、順位付け部21(順位付け手段)及び、広告送信部22(コンテンツ送信手段)を含んで構成されている。」

「【0039】
続いて、本実施形態にかかる情報提供システムの動作について説明する。図3は、本実施形態にかかる情報提供システムの動作を示すフローチャートである。
【0040】
移動機端末50における情報提供要求部51は、情報提供要求及び現在存在する位置情報としてのユーザ位置情報を情報提供装置10におけるユーザ位置情報取得部13に送信する(ステップS1)。
【0041】
情報提供要求を受けた情報提供装置10におけるユーザ位置情報取得部13は、要求を行った移動機端末50が現在存在する位置情報としてのユーザ位置情報を取得し、取得したユーザ位置情報を広告抽出部14及び距離算出部15へ送る(ステップS2)。
【0042】
広告抽出部14は、ユーザ位置情報取得部13から受け取ったユーザ位置情報、現在時間、ユーザの性別と年代、広告DB12を参照することで得られる提供対象エリア、広告送信時間帯、対象性別、対象年代に基づいて、広告DB12に保持されている広告の中から、ユーザの条件に該当する広告を抽出する(ステップS3)。」

「【0045】
ユーザの条件に該当する広告がある場合(ステップS4において“有り”)、距離算出部15は、広告DB12に含まれる広告の実店舗の位置を参照し、当該位置とユーザ位置情報取得部13から受け取ったユーザ位置情報が示す位置との間の距離を後で詳述する方法により算出する(ステップS6)。
【0046】
嗜好値算出部19は、履歴DB17を参照して得られる広告閲覧履歴と、広告DB12を参照して得られる広告の詳細情報と、に基づいて後で詳述する方法によって嗜好値を算出する(ステップS7)。
【0047】
広告評価部20は、距離算出部15が算出した広告の実店舗の位置とユーザ位置情報が示す位置との間の距離と、嗜好値算出部19が算出した嗜好値と、広告DB12を参照して得られる広告提供者のサーバが登録した広告配信代金の金額と、に基づいて後で詳述する方法によって広告の価値を評価する(ステップS8)。
【0048】
順位付け部21は、広告評価部20によって評価された広告の価値に基づいて広告に順位を付ける(ステップS9)。
【0049】
広告送信部22は、順位付け部21によって順位付けられた広告を、移動機端末50における広告受信部52に対して送信する(ステップS10)。」

「【0076】
本実施形態においては、広告閲覧履歴に基づき重視する選択基準とその選択基準内の基準内重視項目を算出し、広告に付随する属性項目と同一の基準内重視項目がその選択基準内における全詳細項目の中での集中度を嗜好の度合い(嗜好値)とする。また、広告に対し、複数の基準が該当する場合はその広告はよりユーザにとって重視すべき広告であることから嗜好値を大きくする。上記嗜好値を抽出する手段は、各ユーザが広告の種別ごとに重視する基準とその基準に適合する広告を結びつけることができ、ユーザにとって重視する広告の嗜好値を適切に高くできる。また、複数の基準に該当する広告は嗜好値を大きくすることからユーザにとって重要で価値のある広告が上位に順位付けされる可能性を高めることができる。
【0077】
上記嗜好値を抽出する手段は、各ユーザが広告の種別ごとに重視する基準とその基準に適合する広告を結びつけることができ、ユーザにとって重視する広告を抽出できる。また、複数の基準に該当する広告は嗜好値を大きくすることからユーザにとって重要で価値のある広告が上位に順位付けされる可能性を高めることができる。」

「【0095】
上記実施形態においては、履歴管理部18は、広告閲覧履歴を保持しているが、本発明の別の実施形態においては、広告閲覧履歴のみでなく、ユーザによる移動機端末50の操作履歴を保持しても良い。それによって、より的確にユーザの嗜好を把握することができる。
【0096】
なお、上記実施形態においては、最低限、広告DB12、ユーザ位置情報取得部13、広告抽出部14、履歴DB17、嗜好値算出部19、順位付け部21、及び広告送信部22の構成を備えればよい。この場合、配信される広告を広告DB12が保持し、移動機端末における広告閲覧に関する広告閲覧履歴を履歴DB17が保持し、ユーザ位置情報取得部13は、予め区分けされたエリアのうち、移動機端末のユーザの現在位置を示すユーザ位置情報を取得し、広告抽出部14は、ユーザ位置情報取得手段が取得したユーザ位置情報に基づいて、広告DB12が保持する広告の中から広告を抽出し、嗜好値算出部19は、履歴DB17が保持する広告閲覧履歴から広告種別毎のユーザ嗜好情報を抽出し、広告種別毎の所定の評価基準と、前記広告種別毎のユーザ嗜好情報と、に基づいてユーザの前記広告に対する嗜好値を算出し、順位付け部21は、嗜好値算出部19が算出した嗜好値に基づいて広告を順位付けし、広告送信部22は、順位付けされた広告を移動機端末へ送信する。」

「【図1】



甲6の段落【0019】及び図1から、情報提供装置は、コンピュータシステムで構成されており、プログラムによって情報提供装置の各部の機能が実現され、処理が実行されるものである。

(2)甲6発明
上記(1)によると、甲6には、
「情報提供装置、及び移動体通信網を介して情報提供装置に接続可能とされた移動機端末を含んで構成される情報提供システムにおける情報配信装置(【0018】)であって、情報提供装置を、広告管理部、広告DB、ユーザ位置情報取得部、広告抽出部、距離算出部、距離DB、履歴DB、履歴管理部、嗜好値算出部、広告評価部、順位付け部、及び、広告送信部として機能させる(【0019】)プログラムは、
ユーザ位置情報取得部に、移動機端末より情報提供要求を受けて、要求を行った移動機端末が現在存在する位置情報としてのユーザ位置情報を取得させ、取得したユーザ位置情報を広告抽出部及び距離算出部へ送信させ(【0041】)、
広告抽出部に、ユーザ位置情報取得部から受け取ったユーザ位置情報、現在時間、ユーザの性別と年代、広告DBを参照することで得られる提供対象エリア、広告送信時間帯、対象性別、対象年代に基づいて、広告DBに保持されている広告の中から、ユーザの条件に該当する広告を抽出させ(【0042】)、
距離算出部に、広告DBに含まれるユーザの条件に該当する広告の実店舗の位置を参照し、当該位置とユーザ位置情報取得部から受け取ったユーザ位置情報が示す位置との間の距離を算出させ(【0045】)、
嗜好値算出部に、履歴DBを参照して得られる広告閲覧履歴と、広告DBを参照して得られる広告の詳細情報と、に基づいて嗜好値を算出させ(【0046】)、
広告評価部において、距離算出部が算出した距離と、嗜好値算出部が算出した嗜好値と、広告DBを参照して得られる広告提供者のサーバが登録した広告配信代金の金額と、に基づいて広告の価値を評価させ(【0047】)、
順位付け部に、広告評価部によって評価された広告の価値に基づいて広告に順位を付けさせ(【0048】)、
広告送信部に、順位付け部によって順位付けられた広告を、移動機端末における広告受信部に対して送信させる(【0049】)、よう機能させ、
より的確にユーザの嗜好を把握するために、履歴管理部に、広告閲覧履歴のみでなく、ユーザによる移動機端末の操作履歴を保持させ(【0095】)、
嗜好値算出部に、履歴DBが保持する広告閲覧履歴から広告種別毎のユーザ嗜好情報を抽出し、広告種別毎の所定の評価基準と、前記広告種別毎のユーザ嗜好情報と、に基づいてユーザの前記広告に対する嗜好値を算出させる(【0096】)、よう機能させる、
広告閲覧履歴に基づき重視する選択基準とその選択基準内の基準内重視項目を算出し、広告に付随する属性項目と同一の基準内重視項目がその選択基準内における全詳細項目の中での集中度を嗜好の度合い(嗜好値)とし、各ユーザが広告の種別ごとに重視する基準とその基準に適合する広告を結びつけることができ、ユーザにとって重視する広告の嗜好値を適切に高くできる(【0076】)、
プログラム。」
の発明(以下、「甲6発明」という。)が記載されている。

7 甲7(特開2015−45827号公報)
(1)甲7には、以下のとおりの記載がある。
「【0016】
3.広告配信装置
本発明の広告配信装置は、上述の通信システムにおいて用いられる。広告配信装置は、広告情報をクライアント端末に送信する広告情報送信手段と、送信する広告情報を、クライアント端末のユーザの情報であるユーザ情報等に基づいて選択する広告情報選択手段とを備えている。広告情報選択手段が、ユーザ情報等に基づいて、クライアント端末に送信する広告情報を選択するため、クライアント端末側の広告表示手段は、ユーザ情報に基づいて選択された広告情報に基づく広告、すなわち、スマートフォン等のクライアント端末を使用しているユーザが必要としている、あるいは高い関心を有していると予想される広告を表示可能である。
【0017】
広告情報選択手段は、ユーザ情報のみならず、広告配信条件情報に基づいて広告情報を選択することが好ましい。ここで、広告配信条件情報とは、広告主の希望する広告情報配信の条件を示す情報であり、例えば、広告情報を配信する期間、配信対象のユーザの性別、年齢、所在地等を含む。広告情報選択手段は、好ましくは、広告配信条件情報の規定する広告情報配信の条件に合致するユーザを、ユーザ情報に基づいて判断、選択し、当該ユーザへ送信する広告情報を選択する。そしてこの場合、広告配信装置は、広告情報と、広告配信条件情報とを記憶する配信側記憶手段をさらに有することが好ましい。」

「【0022】
5.ユーザ情報
本発明におけるユーザ情報とは、クライアント端末のユーザに関する情報である。より具体的には、ユーザ情報は、ユーザ固有の情報、例えば、ユーザの性別、生年月日、のみならず、ユーザによるそのときのクライアント端末の使用状況に関する情報、例えば、使用している位置を示すGPS情報、端末情報等を含む。なお、ユーザ情報のうち、ユーザ固有の情報としてユーザの性別および生年月日のみを用いることにより、ユーザからの最低限の情報開示により、適当な広告表示を実現することができる。ただし、さらに、ユーザの名前、住所、メールアドレス、趣味等のユーザ固有の情報をユーザ情報として活用することにより、広告主のニーズと広告の対象となるユーザとのマッチング精度を高めることもできる。」

「【0030】
本発明の通信ネットワーク10(通信システム)は、図1に示されるように、スマートフォン端末20(クライアント端末)、および広告配信装置部40(広告配信装置)を含む。そして、スマートフォン端末20のユーザAは、広告情報を受信可能なアプリケーションをスマートフォン端末20にインストールする。なおユーザAは、例えば、B県在住の20歳の男性であり、C地区の大学に通う大学生である。このユーザAは、アプリケーションインストール時に、アプリケーションからの許可要求に応じてセキュリティロック解除時の広告表示を予め許可する。また、ユーザAは、ユーザ情報として自分の「性別」および「生年月日」等をアプリケーション内に入力する。これらのユーザ情報は、スマートフォン端末20のアプリケーション部22に設けられた端末側ユーザ情報記憶メモリ23(図2参照)に記憶される。
【0031】
ユーザAのユーザ情報は、端末側ユーザ情報記憶メモリ23に記憶されるとともに、登録時送信回路25により広告配信装置部40に送信される。広告配信装置部40においては、ユーザAのユーザ情報が、登録時受信メモリ41において受信され、ユーザ情報記憶メモリ42(ユーザ情報記憶手段)において記憶される。
【0032】
なお、スマートフォン端末20の起動時に、アプリケーション部22は、スマートフォン端末20の現在位置を示すGPS情報、およびスマートフォン端末20を識別するための端末情報を受信し、端末側GPS情報記憶メモリ27に一時的に記憶する。このGPS情報は、定期的に、定期送信回路29により広告配信装置部40に送信される。広告配信装置部40では、GPS情報が、定期受信メモリ43において受信され、ユーザ情報記憶メモリ42(ユーザ情報記憶手段)において記憶される。」

「【0035】
本実施例においては、スマートフォン端末20のアプリケーション部22と広告配信装置部40との通信は、基本的に1時間ごとに行われる。すなわち、アプリケーション部22は、1時間毎に、先の1時間での広告表示実績情報と現在のGPS情報等を広告配信装置部40に送信し、ほぼ同時に、広告配信装置部40は、受信したこれらの情報に基づいて、次の1時間にスマートフォン端末20において表示させるべき広告情報を決定し、アプリケーション部22に送信する。」

「【図2】



甲7の段落【0016】及び図2から、広告配信装置は、コンピュータシステムで構成されており、プログラムによって広告配信装置の各部の機能が実現され、処理が実行されるものである。

(2)甲7発明
上記(1)によれば、甲7には、
「広告配信装置を、広告情報をクライアント端末に送信する広告情報送信手段と、送信する広告情報を、クライアント端末のユーザの情報であるユーザ情報等に基づいて選択する広告情報選択手段として機能させるプログラムであって(【0016】)、
広告情報選択手段に、広告配信条件情報の規定する広告情報を配信する期間、配信対象のユーザの性別、年齢、所在地等を含む広告情報配信の条件に合致するユーザを、ユーザ情報に基づいて判断、選択し、当該ユーザへ送信する広告情報を選択させるよう機能させ(【0017】)、
ユーザ情報は、クライアント端末のユーザに関する情報であり、ユーザの性別、生年月日、ユーザの名前、住所、メールアドレス、趣味等のユーザ固有の情報、のみならず、ユーザによるそのときのクライアント端末の使用状況に関する情報、例えば、使用している位置を示すGPS情報、端末情報等を含み(【0022】)、広告配信装置部(広告配信装置)の登録時受信メモリにおいて受信され、ユーザ情報記憶メモリ(ユーザ情報記憶手段)に記憶され(【0031】、図2)、スマートフォン端末(クライアント端末)の現在位置を示すGPS情報は、定期的に、スマートフォン端末の定期送信回路により広告配信装置部に送信され、定期受信メモリにおいて受信され、ユーザ情報記憶メモリ(ユーザ情報記憶手段)に記憶され(【0032】、図2)、
スマートフォン端末(クライアント端末)のアプリケーション部と広告配信装置部(広告配信装置)との通信を1時間ごとに行わせ、アプリケーション部に、1時間毎に、先の1時間での広告表示実績情報と現在のGPS情報等を広告配信装置部(広告配信装置)に送信させ、広告配信装置部(広告配信装置)に、受信したこれらの情報に基づいて、次の1時間にスマートフォン端末(クライアント端末)において表示させるべき広告情報を決定させ、アプリケーション部に送信させる(【0035】、図2)、
プログラム。」
の発明(以下、「甲7発明」という。)が記載されている。

8 甲8(特開2008−281726号公報)
(1)甲8には、以下のとおりの記載がある。
「【実施例1】
【0013】
図1は本発明になる広告配信システムの実施例1のブロック図を示す。同図に示すように、本実施例の広告配信システムは、広告配信サーバ101と、車載装置111から構成される。広告配信サーバ101は、サーバ側データベース102、確率計算部103、広告選択部104及びサーバ側制御部105から構成される。車載装置111は、広告提示・ユーザ反応取得部112、状況情報取得部113及び車載側制御部114から構成される。広告配信サーバ101と車載装置111とは、例えば携帯電話を利用したネットワークで通信可能であるものとする。
【0014】
これらはそれぞれ概略次のように動作する。被広告情報配信装置の一例である車載装置111は、従来のカーナビゲーションシステムと同様、ユーザに対して地図表示や目的地までのルート、道案内機能等を提供する(しない場合もありうる)。その上で、車載装置111は、ユーザが運転中に適当なタイミング(例えば一定時間毎)に広告を提示するため、車載側制御部114において広告配信サーバ101に接続する。この際、状況情報取得部113から運転中の状況情報(例えば現在位置、目的地、目的地までのルート、ワイパー動作などの車両情報等)を取得し、ユーザのid(あるいは車載装置の識別情報)と共に広告配信サーバ101に渡す。
【0015】
広告配信サーバ101は、上記の状況情報及びidを受信すると、サーバ側制御部105において、車両の現在位置に基づいて、広告候補をサーバ側データベース102から取り出す。ここで、広告候補の選択は、次のような方法が考えられる。広告には出稿場所という概念があり、例えば道路沿いのある特定の場所に出稿されているとする。サーバ側制御部105は、当該出稿場所と車両の現在位置を比較し、例えば出稿場所が車両の現在位置から一定の距離内にある、という条件で複数の広告を取り出す。
【0016】
次に、広告配信サーバ101は、サーバ側データベース102から、候補となる広告について、ユーザの反応がどのようなものになるか、確率計算部103を用いて推定する。ここでは、ユーザに提示する広告は「広告された場所を経由地として設定することを促す」ものとする。例えば、レストランの広告が提示されると、車載装置111はユーザに対して当該レストランを経由地として設定するかどうかをユーザに尋ね、ユーザは経由地に設定するかどうかを車載装置111に伝える。この、「経由地に設定するかどうか」がユーザの反応である(別のタイプの反応をユーザに求める広告もありうる。)。
【0017】
確率計算部103の動作は次のようになる。まず、サーバ側データベース102には、例えば図2に示すような形で、これまでユーザに広告を提示した際の履歴が広告毎に保存されている。図2(A)はid000101の広告の履歴を示し、同図(B)はid093250の広告の履歴を示す。この履歴には、ユーザの反応に加え、そのユーザの属性(住所、性別、年齢等)、広告を提示した際の状況(目的地、目的地までの距離、これまで運転した距離、現在時刻等)、これまでに提示した広告idとその反応(経由地設定した広告、キャンセルした広告)などが保存されている。
【0018】
これを基に、確率計算部103は図3に示すような「確率テーブル」を作成する。図3(A)はid000101の広告の確率テーブルを示し、同図(B)はid093250の広告の確率テーブルを示す。この確率テーブルには、ユーザの属性(住所、性別、年齢等)、これまでに提示して経由地設定した広告idなどのそれぞれについて確率値が対応付けられたものである。この確率テーブルの作成は、広告要求が行われた時に行ってもよいが、負荷低減、応答性能向上のため、夜間バッチなどの形で定期的に作成しておいてもよい。上記の確率値は、「属性・状況・履歴等が当該値の場合に、当該広告を提示した際に経由地設定するであろう確率」を表し、図4の式を用いて計算する。」

「【0020】
次に、確率計算部103は広告要求のあったユーザの属性情報、及び状況情報を構成する。広告要求時の状況は、車載装置111から与えられたものを用いる。属性情報、及びこれまでに提示した広告idとその反応は、サーバ側データベース102内に、ユーザid毎に保存されているものとし、これをサーバ側データベース102から検索する。これは、状況情報と同様、車載装置111から与えられるとしてもよいが、サーバ側データベース102に保存しておいた方が、通信量は削減できる。これら構成された広告要求のあったユーザの属性情報、及び状況情報は図5に示される。図5(A)はユーザid102135の属性・履歴を示し、住所、性別、年齢等の属性と、これまでに経由地設定した広告idとこれまでにキャンセルした広告idの履歴からなる。また、図5(B)は上記の広告要求時の状況情報を示し、目的地、目的地までの距離、これまで運転した距離、時刻、天気などからなる。
【0021】
そして、確率計算部103は、ユーザの属性情報、及び状況情報から、各広告候補の各項目について、経由地設定確率を図3の確率テーブルから検索する。この様子を図6に示す。上記の確率テーブルは項目毎の確率値を示しているので、確率計算部103は、それらの項目が同時に成立した場合の確率(全項目が成立した場合の確率)、すなわちP(R|X1,X2,・・・,Xn)を求める。図6(A)は広告id000101に対する個別要因に関する確率テーブルから全項目が成立した場合の確率が「0.3」である事を求めることを示す。図6(B)は広告id000101に対する個別要因に関する確率テーブルから全項目が成立した場合の確率が「0.3」である事を求めることを示す。
【0022】〜【0023】(省略)
【0024】
以上により、各広告候補をユーザに提示した際に、経由地として設定される確率が推定できる。この確率を用い、広告選択部104が広告候補の中から一つの広告を選ぶ。
【0025】
ここで、広告には「ルール」が付加されていても良いものとする。ここでいう「ルール」とは、広告を提示する条件で、例えば「男性のみ」、「30才から35才のみ」、「10時から13時または16時から22時のみ」、「広告id〜の広告に対し、経由地設定をした人のみ」などである。このルールを用いることで、例えば閉店時には広告を提示しない、特定の属性を持つユーザのみを広告対象にしたい、などを実現できる。このルールを用い、広告候補からルールにマッチしない候補を除外する。これは、上記確率を求める前に行っておくことで、確率計算の手間を省くことができる。
【0026】
そして、ルールにマッチする広告候補に対し、経由地として設定される確率を用いて、広告を選択する。この際、単純に高確率のものを選択する手法の他、広告主が払った広告料金を加味する手法なども考えられる。更に、経由地として設定される確率が一定以下の場合、広告を提示すること自体を取り止めるということも考えられる。
【0027】
選択された広告は、車載装置111に渡される。車載装置111は音声や、ナビゲーションシステムが持つ画面などの手段を用いて、広告内容をユーザに提示する。ユーザは広告内容によって、経由地に設定するかどうかを判断し、経由地設定、あるいはキャンセルの判断を行い、車載装置111に伝える。車載装置111は、経由地に設定する場合はナビゲーションシステムを用いてルート設定を行ったり、地図上の位置を示したりする。ユーザの判断内容は、広告配信サーバ101に伝えられる。そして、このユーザの判断内容は、図2に示されるような履歴データとしてサーバ側データベース102に蓄えられる。
【0028】
以上の実施の形態の説明では、広告先を経由地として設定する広告を対象として説明したが、それ以外の広告や単なる情報配信の場合にも利用可能である。この場合、ユーザの反応としては、経由地設定を行ったかどうかではなく、例えば「広告や情報を途中でキャンセルしたか、最後まで視聴したか」というものにすればよい。
【0029】
次に、本実施の形態の全体の動作について詳細に説明する(ここでは、広告先を経由地として設定する広告を対象に説明する。)。まず、確率計算や「ルール」で用いる、ユーザの属性情報、状況情報、履歴等について整理する。ユーザの属性情報としては、図2の中にある住所、性別、年齢の他に誕生日や、アンケートで取得した好みの情報なども考えられる。状況情報としては、車載装置111から得られる情報として、目的地、目的地までの距離、これまで運転した距離、現在時刻、車速、残りガソリン量、天気(ワイパーの動作から取得など)、家族連れか、恋人とドライブか、一人かなど(ユーザが乗車時に設定して取得など)、今回のドライブですでに広告を提示したか、その結果経由地設定を行ったか、などが考えられる。」

「【0033】
次に、図9から図12のフローチャートを参照して、各部の動作を詳細に説明する。まず、広告配信サーバ101の動作について説明する。サーバ側制御部105の動作を図9のフローチャートと共に説明する。サーバ側制御部105は要求によって動作を切り替えるため、まず要求種別の確認を行う(ステップ901)。もし、要求が広告出稿者106からの広告出稿要求である場合、ステップ902に進む。広告出稿要求は、例えばワールド・ワイド・ウェブ(WWW)上に構築されたウェブ(Web)サーバを経由して、広告出稿者106が直接行う場合も考えられるし、また、広告出稿者106からの要求、契約はオフラインでなされ、サーバへの登録は広告配信を行うことも考えられる。
【0034】〜【0035】(省略)
【0036】
一方、前記ステップ901での要求種別が、車載装置111から出稿するための広告を要求するものであった場合(ステップ905)、まず、サーバ側データベース102に保存されている広告情報の中から対象とする広告候補を抽出する(ステップ906)。広告要求にはユーザid及び、車の状況を表す情報が付与されている。ステップ906では、車の状況情報から、現在位置を抽出し、広告情報の広告出稿場所が、現在位置から一定の距離にあるものを抽出するなどして、広告候補を求める。他にも、道路をある区間を持つ「ブロック」に分け、広告出稿はブロック単位で行い、車の現在位置のブロックの広告を選択する、などの方法も考えられる。また更に、広告出稿場所と経由地として誘導する場所を分けて登録せず、経由地として誘導する場所のみを登録し、車の現在位置から、経由地までの距離が一定のものを選択するという方法も考えられる。
【0037】
次に、サーバ側制御部105は、広告選択部104を用い、広告候補の中から広告を選択する(ステップ907)。広告選択部104の動作については後述する。続いて、サーバ側制御部105は、ステップ907で選択した広告を車載装置111に返送する(ステップ908)。車載装置111では広告をユーザに提示し、その反応を取得する。この反応は車載装置111からサーバ側制御部105が受け取る(ステップ909)。
【0038】
そして、サーバ側制御部105は、車載装置111から受け取った、広告に対する反応をサーバ側データベース102に記録する(ステップ910)。すなわち、図2に相当する履歴テーブルに、車載装置111の状況情報やユーザの属性と共に記録する。また、ユーザの属性情報は図5(A)のような形でユーザid毎にサーバ側データベース102に保存されている。これは、ユーザがこの車載装置111を利用する契約時に登録するなどして、得られるものとする。図2に相当する履歴テーブルには、ユーザの利用履歴として、これまでに経由地設定した広告id、及びこれまでにキャンセルした広告idも、例えば図5(A)のテーブルの下部のような形で保存するため、ユーザの広告に対する反応をこの部分に追加記録する。
【0039】
次に、ステップ907で利用した、広告選択部104の動作を図10のフローチャートを用いて説明する。広告選択部104では、まず、候補となる広告に対して広告登録時に設定された「ルール」を抽出する(ステップ1001)。このルールと、車載装置111から与えられた状況情報、さらにユーザidを用いてサーバ側データベース102から抽出したユーザの属性情報、履歴情報を用い、まずルールに沿わない広告候補を除外する。 次に、残りの広告候補に対し、確率計算部103を用いて、提示した場合に経由地に設定する確率を計算する(ステップ1002)。確率計算部103の動作については後述する。そして、広告選択部104は、得られた確率に基づき、提示する広告を選択する(ステップ1003)。」

「【0049】
次に、本実施例の作用、効果について説明する。本実施例では、車載装置111でユーザ115に広告提示を行う際には、広告配信サーバ101にユーザのid及び現在の状況を伝え、提示する広告を渡すよう依頼する。広告配信サーバ101は、ユーザのidから、サーバ側データベース102からそのユーザの属性や、過去の広告に対する反応の履歴を検索できる。また、広告配信サーバ101では、サーバ側データベース102上に、各広告を過去に提示した際のユーザの反応、及びその時の「状況、ユーザの属性、ユーザの他の広告に対する反応の履歴」等が記録されている。この記録に基づいて、ある状況、属性、履歴等の場合にユーザが示す反応の確率が、確率計算部で計算できる。これを基に、広告要求を行った車載装置111におけるユーザの属性、履歴、現在の状況から、複数の広告候補に対し、ユーザが好ましい反応(例えば広告に示された場所を経由地に設定)を示す確率を確率計算部103が計算する。この確率の大小を用い、広告選択部104が広告を選択し、車載装置111に渡すよう動作する。
【0050】
すなわち、本実施例では、ユーザ115の属性情報、車載装置111の状況情報、ユーザの広告に対する反応の履歴を用い、確率計算を基に、よりユーザ115が経由地に設定する可能性が高い広告を選択して提示するというように構成されているため、ユーザ115がなるべく不快に思わず、かつ、広告効果の高い広告の配信が実現できる。」

「【図2】



「【図5】



「【図6】



「【図9】



「【図10】



ここで、甲8の段落【0013】によると、広告配信サーバは、コンピュータシステムで構成されており、プログラムによって広告配信サーバの各部の機能が実現され、処理が実行されるものである。
また、甲8の段落【0020】、【0021】、【図6】によると、状況情報に基づき検索される確率テーブルの項目には、「目的地」、「天気」が含まれている。

(2)甲8発明
上記(1)によれば、甲8には、
「サーバ側データベース、確率計算部、広告選択部及びサーバ側制御部から構成される広告配信サーバと、広告提示・ユーザ反応取得部、状況情報取得部及び車載側制御部から構成される車載装置が、携帯電話を利用したネットワークで通信可能である広告配信システムにおいて、広告配信サーバに処理を実行させるプログラムであって(【0013】)、
車載装置において、ユーザが運転中に適当なタイミング(例えば一定時間毎)に広告を提示するため、車載側制御部によって広告配信サーバに接続され、その際に、状況情報取得部から取得した運転中の状況情報(現在位置、目的地、目的地までのルート、ワイパー動作などの車両情報等)が、ユーザidと共に広告配信サーバに送信され(【0014】)、
サーバ側データベースには、これまでユーザに広告を提示した際の履歴として、そのユーザの属性(住所、性別、年齢等)、及びこれまでに提示した広告idとその反応(経由地設定した広告、キャンセルした広告)が、ユーザid毎に保存されるとともに、広告要求時や広告を提示した際の状況情報として、目的地、目的地までの距離、これまで運転した距離、時刻などが保存されており(【0017】、【0020】)、
広告配信サーバは、状況情報及びユーザidを受信すると、サーバ側制御部において、車両の現在位置に基づいて、広告に対応する出稿場所が車両の現在位置から一定の距離内にある、という条件で、複数の広告候補をサーバ側データベースから取り出し(【0015】)、
広告を提示する条件であるルールを用い、広告候補からルールにマッチしない候補を除外した後(【0025】)、
確率推定部において、サーバ側データベースに保存されたユーザの属性、広告を提示した際の状況、これまでに提示した広告idとその反応などの履歴を基に、属性・状況・履歴等が当該値の場合に、当該広告を提示した際に経由地設定するであろう確率を表す確率値を、これまでに提示して経由地設定した広告idなどのそれぞれについて計算して対応付けた確率テーブルを作成し(【0017】〜【0018】、図5)、広告要求のあったユーザの属性情報、及び、目的地、目的地までの距離、これまで運転した距離、時刻、天気などからなる広告要求時の状況情報から、各広告候補の各項目について、経由地設定確率を、「目的地」、「天気」等を項目として確率テーブルから検索し、各広告候補をユーザに提示した際に、経由地として設定される確率を推定し(【0020】〜【0024】、図2)、
ルールにマッチする広告候補に対し、経由地として設定される確率を用いて、広告を選択し(【0026】)、選択された広告は、車載装置に渡され(【0027】)、
選択された広告を受信した車載装置において、音声や、ナビゲーションシステムが持つ画面などの手段を用いて、広告内容がユーザに提示されるとともに、当該広告内容によってユーザにより経由地に設定されたかどうかの判断内容が、広告配信サーバに伝えられると、履歴データとしてサーバ側データベースに蓄える(【0027】)ものであって、
車載装置から得られる状況情報としては、目的地、目的地までの距離、これまで運転した距離、現在時刻、車速、残りガソリン量、天気(ワイパーの動作から取得など)、家族連れか、恋人とドライブか、一人かなど(ユーザが乗車時に設定して取得など)、今回のドライブですでに広告を提示したか、その結果経由地設定を行ったか、などが含まれ(【0029】)、
車載装置から広告が要求(広告要求)された場合、まず、広告要求に付与されたユーザid及び、車の状況情報から、現在位置を抽出し、広告情報の広告出稿場所が、現在位置から一定の距離にあるものを抽出するなどして、サーバ側データベースに保存されている広告情報の中から対象とする広告候補を抽出し(【0033】、【0036】)、次に、サーバ側制御部は、広告選択部を用い、広告候補の中から広告を選択し、選択した広告を車載装置に返送し(【0037】)、
広告選択部において、まず、候補となる広告に対して広告登録時に設定されたルールと、車載装置から与えられた状況情報、さらにユーザidを用いてサーバ側データベースから抽出したユーザの属性情報、履歴情報を用い、まずルールに沿わない広告候補を除外し、次に、残りの広告候補に対し、確率計算部を用いて、提示した場合に経由地に設定する確率を計算し、得られた確率に基づき、提示する広告を選択する(【0039】、【0049】、【0050】)、
処理を実行させるプログラム。」
の発明(以下、「甲8発明」という。)が記載されている。

9 甲9(特開2018−124292号公報)
(1)甲9には、以下のとおりの記載がある。
「【0035】
[旅行支援サーバ200の構成]
ここで、図1において、旅行支援サーバ200は、端末装置100の入力部118を介して入力され、端末装置100から送信された旅行計画情報に含まれる訪問予定地情報が、記憶部206に記憶された他の利用者の旅行情報に含まれる場合、当該他の利用者の旅行情報に含まれる、当該訪問予定地情報に基づく訪問予定地を含む、移動経路と関連付けられた、訪問地に関する訪問地情報を取得し、取得された移動経路と関連付けられた訪問地情報を含む旅行支援情報を作成し、作成された旅行支援情報を端末装置100に送信する等の機能を有する。旅行支援サーバ200は、通信制御インターフェース部204を介してネットワーク300を経由し、端末装置100と相互に通信可能に接続されており、制御部202と記憶部206とを備える。制御部202は、各種処理を行う制御手段である。通信制御インターフェース部204は、通信回線や電話回線等に接続されるアンテナやルータ等の通信装置(図示せず)に接続されるインターフェースであり、旅行支援サーバ200とネットワーク300との間における通信制御を行う機能を有する。すなわち、通信制御インターフェース部204は、端末装置100等と通信回線を介してデータを通信する機能を有している。記憶部206は、HDD(Hard Disk Drive)等の固定ディスク装置またはSSD(Solid State Drive)等のストレージ手段であり、各種のデータベースやテーブル(旅行情報データベース206a、ネットワーク情報データベース206b、交通情報データベース206c、地図情報データベース206d、および、案内情報データベース206e等)を格納する。
【0036】
これら記憶部206の各構成要素のうち、旅行情報データベース206aは、他の利用者の旅行情報を記憶する旅行情報記憶手段である。ここで、旅行情報は、移動履歴情報、旅行計画情報、および、地点検索履歴情報等を含んでいてもよい。ここで、移動履歴情報は、他の利用者(ユーザ)の現在位置の測位履歴に関する情報であってもよい。また、移動履歴情報は、他の利用者が訪問地(POI等のスポット)に立ち寄った際のチェックイン情報であってもよい。また、旅行情報は、他の利用者が過去に投稿した情報であってもよく、当該他の利用者に対してメッセージを通知し、情報提供を要求して得た情報であってもよい。また、旅行情報データベース206aは、利用者の過去の旅行情報を、他の利用者の旅行情報として記憶していてもよい。」

「【0050】
また、制御部202は、OS(Operating System)等の制御プログラムや、各種の処理手順等を規定したプログラム、および、所要データを格納するための内部メモリを有する。そして、制御部202は、これらのプログラム等により、種々の処理を実行するための情報処理を行う。制御部202は、機能概念的に、旅行計画情報受信部202a、訪問地情報取得部202b、旅行支援情報作成部202c、および、旅行支援情報送信部202dを備える。」

「【0073】
図2に示すように、まず、端末装置100の旅行計画情報送信部102bは、旅行計画情報を入力するための入力画面を表示部114に表示させ、利用者により入力部118を介して訪問予定地情報を含む旅行計画情報が入力された場合、当該旅行計画情報を旅行支援サーバ200に送信する(ステップSA−1)。ここで、旅行計画情報は、更に、出発地情報、目的地情報、気象(天候)情報、移動手段情報(例えば、公共交通機関利用、徒歩利用、自転車利用、鉄道利用、または、自動車利用等)、出発日(出発日時)、および/または、日程(日付)等(例えば、経路探索条件など)を含んでいてもよい。また、訪問予定地情報は、利用者が訪問を予定する地点(旅行先)の名称、または、位置情報(例えば、表示された地図情報上でタップした位置に対応する地点情報等)などであってもよい。例えば、旅行計画情報送信部102bは、地図情報を含む入力画面を表示部114に表示させ、利用者により入力部118を介して表示した地図情報がタップされた場合、当該タップされた位置に対応する地点情報を訪問予定地情報として取得し、当該訪問予定地情報を含む旅行計画情報を旅行支援サーバ200に送信してもよい。」

「【0076】
図2に戻り、旅行支援サーバ200の旅行計画情報受信部202aは、端末装置100から送信された訪問予定地情報を含む旅行計画情報を受信する(ステップSA−2)。
【0077】
そして、旅行支援サーバ200の訪問地情報取得部202bは、旅行計画情報受信部202aにより受信された訪問予定地情報が、旅行情報データベース206aに記憶された他の利用者の旅行情報に含まれる場合、当該他の利用者の旅行情報に含まれる、当該訪問予定地情報に基づく訪問予定地を含む、移動経路と関連付けられた、訪問地に関する訪問地情報を取得する(ステップSA−3)。ここで、訪問地情報取得部202bは、旅行計画情報受信部202aにより受信された訪問予定地情報が、旅行情報データベース206aに記憶された他の利用者の旅行情報に含まれる場合、旅行計画情報受信部202aにより受信された旅行計画情報に含まれる気象情報に基づく天候、および/または、移動手段情報に基づく利用移動手段に基づき、当該他の利用者の旅行情報に含まれる、当該訪問予定地情報に基づく訪問予定地を含む、移動経路と関連付けられた、訪問地に関する訪問地情報を取得してもよい。また、移動経路と関連付けられたとは、移動経路として探索された経路でもよく、実際の移動履歴を伴った経路でもよく、ユーザが一連の旅行計画として関連付けた組合せであって、道路に沿った経路を持っていないというものでもよい。すなわち、訪問地情報取得部202bは、旅行情報データベース206aに記憶された他の利用者の移動履歴情報、旅行計画情報、および、地点検索履歴情報の中から、利用者により入力された旅行計画に関連する情報(訪問地情報)を抽出してもよい。」

「【0085】
図2に戻り、旅行支援サーバ200の旅行支援情報作成部202cは、訪問地情報取得部202bにより取得された、移動経路と関連付けられた訪問地情報を含む旅行支援情報を作成する(ステップSA−4)。ここで、旅行支援情報作成部202cは、訪問地情報取得部202bにより取得された訪問地情報を所定条件に基づき選択し、当該選択された訪問地情報を含む旅行支援情報を作成してもよい。また、旅行支援情報作成部202cは、訪問地情報取得部202bにより取得された、移動経路と関連付けられた訪問地情報を所定条件に基づき集計し、当該集計された訪問地情報を含む旅行支援情報を作成してもよい。また、旅行支援情報作成部202cは、更に、訪問地情報取得部202bにより取得された訪問地情報に基づく訪問地に関連付けられた移動経路に基づいて、訪問予定地と訪問地との間の移動手段に関する移動手段情報、および/または、所要時間を含む旅行支援情報を作成してもよい。また、旅行支援情報作成部202cは、更に、訪問地情報取得部202bにより取得された訪問地情報に基づく訪問地に関連付けられた移動経路に基づいて、訪問予定地間、または、訪問地間の移動手段に関する移動手段情報、および/または、所要時間を含む旅行支援情報を作成してもよい。」

「【0087】
そして、旅行支援サーバ200の旅行支援情報送信部202dは、旅行支援情報作成部202cにより作成された旅行支援情報を端末装置100に送信する(ステップSA−5)。」

「【0093】
また、図11は、集計した条件別に支援情報(参考情報)を含む旅行支援情報を表示した例であり、例えば、本実施形態においては、条件が天候の場合、旅行当日が晴れ、または、雨天の違いにより、集計された移動経路に基づく訪問地情報、および、支援情報(参考情報)を表示してもよい。ここで、条件は、天候だけでなく、移動手段等であってもよい。
【0094】
また、図12は、図4に示す旅行計画情報(旅行予定)に基づき作成された旅行支援情報(おすすめ旅行計画)の一例であり、出発日(2012/2/1)、日程(1泊2日)、出発地(A駅)から経由地1(D寺)および経由地2(B城)を順に訪問する移動経路に関する経路情報、経路情報が重畳された地図情報、ならびに、旅行計画を修正するためのボタン(修正する)を含んでいてもよい。ここで、旅行支援情報は、図12に示すように、訪問地間の発着時刻、および、移動手段情報等の参考情報を含んでいてもよい。また、移動経路は、参考情報を考慮した訪問順の経路であってもよい。また、旅行支援情報は、参考情報を考慮した訪問地での滞在時間を含んでいてもよい。また、旅行支援情報は、旅行日が悪天候の場合の代替予定の候補情報を含んでいてもよい。」

ここで、甲9の段落【0035】によると、旅行支援サーバは、コンピュータシステムで構成されており、プログラムによって、旅行支援サーバの各部の機能が実現され、処理が実行されるものである。

(2)上記(1)によれば、甲9には、
「通信制御インターフェース部を介してネットワークを経由し、端末装置と相互に通信可能に接続され、制御部と記憶部とを備える旅行支援サーバを構成するコンピュータシステムを機能させるプログラムであって(【0035】)、
記憶部に格納される旅行情報データベースは、他の利用者の旅行情報を記憶する旅行情報記憶手段であり、旅行情報には、移動履歴情報、旅行計画情報、および、地点検索履歴情報等が含まれ(【0036】)、
制御部には、旅行計画情報受信部、訪問地情報取得部、旅行支援情報作成部、および、旅行支援情報送信部が含まれ(【0050】)、
端末装置において、利用者により入力部を介して訪問予定地情報、出発地情報、目的地情報、気象(天候)情報、移動手段情報(例えば、公共交通機関利用、徒歩利用、自転車利用、鉄道利用、または、自動車利用等)、出発日(出発日時)、および/または、日程(日付)等(例えば、経路探索条件など)を含む旅行計画情報が入力された場合、端末装置の旅行計画情報送信部によって、当該旅行計画情報が旅行支援サーバに送信されるものであり、ここで、訪問予定地情報は、利用者が訪問を予定する地点(旅行先)の名称、または、位置情報(例えば、表示された地図情報上でタップした位置に対応する地点情報等)などであってもよく(【0073】)、
旅行計画情報受信部によって、端末装置から送信された旅行計画情報が受信され(【0076】)、
旅行計画情報受信部により受信された訪問予定地情報が、旅行情報データベースに記憶された他の利用者の旅行情報に含まれる場合、訪問地情報取得部によって、旅行計画情報受信部により受信された旅行計画情報に含まれる気象情報に基づく天候、および/または、移動手段情報に基づく利用移動手段に基づき、当該他の利用者の旅行情報に含まれる、当該訪問予定地情報に基づく訪問予定地を含む、移動経路と関連付けられた、訪問地に関する訪問地情報が取得され、他の利用者の移動履歴情報、旅行計画情報、および、地点検索履歴情報の中から、利用者により入力された旅行計画に関連する情報(訪問地情報)が抽出され(【0077】)、
訪問地情報取得部により取得された、移動経路と関連付けられた訪問地情報は、旅行支援情報作成部によって所定条件に基づき集計され、当該集計された訪問地情報を含む旅行支援情報が作成され(【0085】)、条件が天候の場合、旅行当日が晴れ、または、雨天の違いにより、集計された移動経路に基づく訪問地情報、および、支援情報(参考情報)が表示され(【0093】)、旅行支援情報は、旅行日が悪天候の場合の代替予定の候補情報が含まれ(【0094】)、
旅行支援情報作成部により作成された旅行支援情報が、旅行支援情報送信部によって端末装置に送信される(【0087】)ようにコンピュータシステムを機能させるプログラム。」
が記載されている。

10 甲10(特開2019−57025号公報)
(1)甲10には、以下のとおりの記載がある。
「【0020】
[広告情報提供システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る広告情報提供システム及びその通信先の構成を示すブロック図である。本実施の形態の広告情報提供システムは、図1における広告情報提供装置(以下、単に「提供装置」という)1で構成されている。この提供装置1は、各種サービスに係る広告情報をユーザに対して提供するためのコンピュータシステムであって、各ユーザが携行する携帯端末2,2,…と、インターネット等の通信ネットワーク101を介して通信可能に接続されている。ここで、携帯端末2,2,…は、例えば携帯電話機及びタブレット端末等の通信機能を有する装置で構成される。また、提供装置1は、各ユーザ側に設けられている情報端末3,3,…とも、通信ネットワーク101を介して通信可能に接続されている。ここで、情報端末3,3,…は、文書、音楽、画像、及び映像等の各種コンテンツを視聴可能な装置であって、例えばパーソナルコンピュータ、テレビ端末、及びラジオ端末等の通信機能を有する装置で構成される。なお、携帯端末2が情報端末3として機能することもある。
【0021】
[提供装置の構成]
以下、上述した提供装置1の詳細な構成について説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る提供装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すとおり、コンピュータ(提供装置)1は、CPU11、ROM12、RAM13、ハードディスク14、及び通信インタフェース(I/F)15を備えており、これらのCPU11、ROM12、RAM13、ハードディスク14、及び通信I/F15は、バス16によって接続されている。」

「【0025】
ハードディスク14には、CPU11に実行させるための各種のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータ等が予めインストールされている。また、このハードディスク14には、各ユーザの行動履歴に関する行動履歴情報が格納される行動履歴(DB)14Aと、各ユーザのコンテンツ視聴履歴に関する視聴履歴情報が格納される視聴履歴データベース(DB)14Bと、各ユーザの行動予定に関する行動予定情報が格納される行動予定データベース(DB)14Cと、各ユーザが関心を有している事柄に関する関心事情報が格納される関心事データベース(DB)14Dと、各ユーザに対して提供される広告に関連する広告関連情報が格納される広告関連データベース(DB)14Eとが設けられている。これらの各データベースの詳細については後述する。」

「【0028】
以下、ハードディスク14に設けられている各データベースの詳細について説明する。
(A)行動履歴DB14A
図3は、本発明の実施の形態に係る提供装置1に設けられている行動履歴DB14Aのレイアウトの一例を示す図である。図3に示すように、行動履歴DB14Aは、ユーザを識別するためのユーザIDが格納されるユーザIDフィールド111、ユーザが滞在していた位置(経度及び緯度)を示す位置情報が格納される位置フィールド112、その位置によって特定される地点を識別するための地点IDが格納される地点IDフィールド113、ユーザがその地点での滞在を開始した日時及び終了した日時がそれぞれ格納される開始日時フィールド114及び終了日時フィールド115、並びに、これらの地点、開始日時及び終了日時によって推測されるユーザの関心事が格納される関心事フィールド116を少なくとも有している。この行動履歴DB14Aに格納される行動履歴情報は、後述する行動履歴収集処理によって生成される。
【0029】
(B)視聴履歴DB14B
図4は、本発明の実施の形態に係る提供装置1に設けられている視聴履歴DB14Bのレイアウトの一例を示す図である。図4に示すように、視聴履歴DB14Bは、ユーザIDが格納されるユーザIDフィールド211、ユーザによって視聴されたコンテンツを識別するためのコンテンツIDが格納されるコンテンツIDフィールド212、コンテンツの視聴が開始された日時及び終了した日時がそれぞれ格納される開始日時フィールド213及び終了日時フィールド214、並びに、これらのコンテンツ、開始日時及び終了日時によって推測されるユーザの関心事が格納される関心事フィールド215を少なくとも有している。この視聴履歴DB14Bに格納される視聴履歴情報は、後述する視聴履歴収集処理によって生成される。
【0030】
(C)行動予定DB14C
図5は、本発明の実施の形態に係る提供装置1に設けられている行動予定DB14Cのレイアウトの一例を示す図である。図5に示すように、行動予定DB14Cは、ユーザIDが格納されるユーザIDフィールド311、ユーザの行動の開始予定日時が格納される開始予定日時フィールド312、同じく終了予定日時が格納される終了予定日時フィールド313、行動の内容が格納される内容フィールド314、及び、これらの行動の開始予定日時及び終了予定日時並びに行動の内容によって推測されるユーザの関心事が格納される関心事フィールド315を少なくとも有している。この行動予定DB14Cに格納される行動予定情報は、後述する行動予定収集処理によって生成される。
【0031】
(D)関心事DB14D
図6は、本発明の実施の形態に係る提供装置1に設けられている関心事DB14Dのレイアウトの一例を示す図である。図6に示すように、関心事DB14Dは、ユーザIDが格納されるユーザIDフィールド411、ユーザの関心事が格納される関心事フィールド412、及び、その関心事に対して付与される重要度が格納される重要度フィールド413を少なくとも有している。この関心事DB14Dに格納される関心事情報は、後述するように、行動履歴情報、視聴履歴情報、及び行動予定情報に基づいて生成される。
【0032】(省略)
【0033】
(E)広告関連DB14E
図7は、本発明の実施の形態に係る提供装置1に設けられている広告関連DB14Eのレイアウトの一例を示す図である。図7に示すように、広告関連DB14Eは、広告を識別するための広告IDが格納される広告IDフィールド511、広告に係るサービスを提供する提供地の位置を示す位置情報(経度及び緯度)が格納される位置フィールド512、そのサービスを受けるために要する所要時間が格納される所要時間フィールド513、そのサービスの概要が格納されるサービス概要フィールド514、及び、そのサービスに係る広告の内容を示す広告内容情報の格納先が格納される広告内容フィールド515を少なくとも有している。この広告関連DB14Eに格納される広告関連情報は、広告主である店舗等から取得された情報に基づいて生成される。」

「【0036】
(1−1)行動履歴収集処理
図8は、本発明の実施の形態に係る提供装置1によって実行される行動履歴収集処理の手順を示すフローチャートである。図8に示すように、提供装置1は、各ユーザが携行する携帯端末2から、ユーザの行動を示す行動情報を取得する(S101)。この行動情報には、ユーザの位置を示す位置情報、並びにその位置における滞在の開始日時及び終了日時が含まれている。携帯端末2は、当該位置における滞在時間が一定時間(例えば5分等)を超えた場合に、行動情報を生成し、提供装置1に対して送信する。この行動情報の送信は、所定の時間間隔で繰り返し実行されてもよく、また、提供装置1から行動情報の送信要求を受信した場合にその要求に応じて実行されてもよい。ステップS101における行動情報の取得は、このようにして携帯端末2から送信された行動情報を提供装置1が受信することによって可能となる。
【0037】
次に、提供装置1は、取得した行動情報に含まれている位置情報に基づいて、ユーザが滞在していた地点を特定する(S102)。そして、提供装置1は、行動情報に含まれている滞在の開始日時及び終了日時から滞在時間を算出し、その滞在時間と特定した地点とに基づいて、ユーザの関心事を推測する関心事推測処理を実行する(S103)。この関心事推測処理において、提供装置1は、ユーザが滞在していた地点に関する事柄について当該ユーザは関心を有している可能性があると判断し、また、滞在時間が長いほどその関心の度合いが高いと判断する。例えば、特定した地点が靴店舗内のサンダル売り場であった場合、提供装置1は、ユーザがサンダルの購入に関心を有している可能性があると判断する。ここで、提供装置1は、滞在時間が所定値未満である場合はその関心の度合いが低いと判断し、ユーザはサンダルの購入に関心を有していないと推測する一方、滞在時間が所定値以上である場合はその関心の度合いが高いと判断し、サンダルの購入がユーザの関心事であると推測する。
【0038】
次に、提供装置1は、上述したようにして得られた位置情報、地点、滞在の開始日時及び終了日時、並びに推測された関心事を示す情報を用いて行動履歴情報を生成し(S104)、これを行動履歴DB14Aに登録する(S105)。なお、上記の関心事推測処理(S103)によってユーザの関心事が得られなかった場合、当該行動からは関心事が導かれなかったものとして、関心事フィールド116は空白となる。」

「【0042】
(1−3)行動予定収集処理
図10は、本発明の実施の形態に係る提供装置1によって実行される行動予定収集処理の手順を示すフローチャートである。図10に示すように、提供装置1は、各ユーザの携帯端末2から、ユーザの行動の予定を示す予定情報を取得する(S301)。この予定情報には、ユーザが予定している行動の内容並びにその行動の開始予定日時及び終了予定日時が含まれている。携帯端末2は、ユーザによって行動の予定が入力された場合に、予定情報を生成し、提供装置1に対して送信する。この予定情報の送信は、所定の時間間隔で繰り返し実行されてもよく、また、提供装置1から受信した送信要求に応じて実行されてもよい。ステップS301における予定情報の取得は、このようにして携帯端末2から送信された予定情報を提供装置1が受信することによって可能となる。
【0043】
次に、提供装置1は、取得した予定情報に含まれている行動の内容と開始予定日時及び終了予定日時とに基づいて、ユーザの関心事を推測する関心事推測処理を実行する(S302)。この関心事推測処理において、提供装置1は、ユーザが予定している行動の内容に関する事柄について当該ユーザは関心を有している可能性があると判断する。例えば、ユーザがニューヨーク旅行を予定している場合、提供装置1は、英会話のレッスンに関心を有していると推測する。この場合、提供装置1は、旅行の開始予定日時等に基づいて関心の有無を判定するようにしてもよい。具体的には、提供装置1が、旅行の開始予定日時及び終了予定日時を参照し、それらの日時から得られるニューヨークでの滞在時間が所定値以上である場合、又は旅行の開始予定日時が近づいている場合にユーザが英会話のレッスンに関心を有していると判定すること等が考えられる。
【0044】
次に、提供装置1は、上述したようにして得られた行動の内容、行動の開始予定日時及び終了予定日時、並びに推測された関心事を示す情報を用いて行動予定情報を生成し(S303)、これを行動予定DB14Cに登録する(S304)。なお、上記の関心事推測処理(S302)によってユーザの関心事が得られなかった場合、当該行動予定からは関心事が得られなかったものとして、関心事フィールド315は空白となる。」

「【0047】
(2)広告情報提供処理
図11は、本発明の実施の形態に係る提供装置1及び携帯端末2によって実行される広告情報提供処理の手順を示すフローチャートである。ユーザは、次の予定までの間に特別な用事がない時間(空き時間)が発生したと判断した場合、そのことを示す空き時間情報を提供装置1へ送信するように携帯端末2に指示する。具体的には、例えば知人とレストランでの食事を予定しているユーザが、そのレストランの最寄り駅に想定よりも早く到着した場合、空き時間が発生したと判断し、空き時間情報の提供装置1への送信を携帯端末2に指示する。この指示を受け付けた携帯端末2は、図11に示すように、提供装置1に対して空き時間情報を送信する(S401)。なお、この空き時間情報には、次の予定(例えば、知人との夕食等)に係る場所(例えば、レストラン等)の位置及びその予定の開始日時(例えば、夜7時等)並びにユーザの現在位置が含まれている。
【0048】
提供装置1は、携帯端末2から空き時間情報を受信した場合(S501)、ユーザに空き時間が発生したと判定し、以下の処理を実行する。まず、提供装置1は、その空き時間情報に基づいて、ユーザの空き時間内に完了可能なサービスを広告関連DB14Eから特定する(S502)。このステップS502について詳述すると、提供装置1はまず、空き時間情報に含まれているユーザの現在位置及び予定場所の位置を参照し、それらの位置の少なくとも一方と所定距離内の場所において提供可能なサービスに係る広告情報を、広告関連DB14Eから抽出する。具体的には、ユーザの現在位置又は予定場所の位置と、広告情報に含まれるサービスの提供地の位置とを比較し、それらの間の距離が所定値以内である場合、提供装置1は、当該サービスに係る広告情報を広告関連DB14Eから抽出する。
【0049】
次に、提供装置1は、現在時刻及び空き時間情報に含まれている次の予定の開始日時を参照し、どのサービスであれば空き時間内に完了させることができるかを判定する。このとき、提供装置1は、ユーザの現在位置からサービスの提供地までの移動時間、及びその提供地から次の予定場所の位置までの移動時間を算出し、これらの移動時間とサービス所要時間との和が、現在時刻から次の予定の開始日時までの時間内であるか否かによって、空き時間内にサービスが完了するか否かを判定する。このような処理によって空き時間内に完了可能であると判定されたサービスがステップS502によって特定されることになる。
【0050】
次に、提供装置1は、関心事DB14D及び広告関連DB14Eを参照して、ステップS502において特定されたサービスの中から、ユーザの関心事に適合するサービスを特定する(S503)。より詳細には、提供装置1は、関心事DB14Dにおいて当該ユーザと紐付けられている関心事、及び、ステップS502にて特定されたサービスと広告関連DB14Eにおいて紐付けられているサービス概要を参照し、それらが一致するか否かを判定することにより、ユーザの関心事に適合するサービスの特定を行う。例えば、図6に例示されている関心事「サンダル購入」と図7に例示されているサービス概要「サンダル販売」とは一致すると判定され、この「サンダル販売」のサービスについてユーザが関心を有しているものと判断される。
【0051】
次に、提供装置1は、ステップS503によって特定されたサービスに係る広告関連情報を広告関連DB14Eから抽出し(S504)、その抽出した広告関連情報に示されている広告内容情報を含む広告表示情報を携帯端末2に対して送信する(S505)。携帯端末2は、広告表示情報を受信した場合(S402)、その広告表示情報にしたがって広告表示画面を表示部に表示する(S403)。」
なお、段落【0048】における「広告情報」は、「広告関連情報」の誤記であることは明らかである。

「【0063】
また、上記の実施の形態では、滞在時間が所定時間以上の行動を行動履歴情報としているが、これに限定されるわけではない。携帯端末2がユーザの移動の軌跡を可能な限り記録しておき、その記録情報を携帯端末2から取得した提供装置1がそれに基づいて行動履歴情報を生成し、行動履歴DB14Aに登録するようにしてもよい。
【0064】
また、上記の実施の形態において、提供装置1は、ユーザの次の予定に関する情報を、広告情報提供処理の実行時携帯端末2から受信しているが、当該情報を携帯端末2から事前に取得するようにしてもよい。例えば、ユーザが携帯端末2を用いてスケジュール管理を行っている場合であれば、提供装置1が所定のタイミングで携帯端末2からユーザのスケジュール情報を受信し、これを蓄積しておくことが考えられる。その場合、提供装置1は、そのスケジュール情報と現在時刻とに基づいてユーザの次の予定を検出することができ、その検出したユーザの次の予定に基づいて上述した広告情報提供処理と同様の処理を実行することができる。」

「【図3】



「【図5】



ここで、甲10の段落【0020】によると、広告情報提供装置(提供装置)は、コンピュータシステムで構成されており、プログラムによって、広告情報提供装置(提供装置)の各部の機能が実現され、処理が実行されるものである。
また、甲10の図5には、段落【0030】で説明された行動予定DB14Cのレイアウトについて、「内容フィールド314」に格納される行動の内容の具体例として、「沖縄旅行」、「福岡出張」、「仙台出張」、「ニューヨーク旅行」が示されている。

(2)甲10発明
上記(1)によれば、甲10には、
「各ユーザが携行する携帯端末と、インターネット等の通信ネットワークを介して通信可能に接続されている広告情報提供装置(提供装置)として、各種サービスに係る広告情報をユーザに対して提供するためのコンピュータシステムを機能させるプログラムであって(【0020】)、
提供装置が備えるハードディスクには、データベースとして、
行動履歴収集処理によって生成される、ユーザを識別するためのユーザID、ユーザが滞在していた位置(経度及び緯度)を示す位置情報、その位置によって特定される地点を識別するための地点ID、ユーザがその地点での滞在を開始した日時及び終了した日時、並びに、これらの地点、開始日時及び終了日時によって推測されるユーザの関心事を行動履歴情報として格納する行動履歴DBと(【0025】、【0028】、図3)、
視聴履歴情報を格納する視聴履歴DBと(【0029】)、
行動予定収集処理によって生成される、ユーザID、ユーザの行動の開始予定日時、同じく終了予定日時、「沖縄旅行」、「福岡出張」、「仙台出張」、「ニューヨーク旅行」といった行動の内容、及び、これらの行動の開始予定日時及び終了予定日時並びに行動の内容によって推測されるユーザの関心事を行動予定情報として格納する行動予定DBと(【0025】、【0030】、図5)、
行動履歴情報、視聴履歴情報、及び行動予定情報に基づいて生成される関心事情報を格納する関心事DBと(【0031】)、
広告主である店舗等から取得された情報に基づいて生成される、広告を識別するための広告ID、広告に係るサービスを提供する提供地の位置を示す位置情報(経度及び緯度)、そのサービスを受けるために要する所要時間、そのサービスの概要、及び、そのサービスに係る広告の内容を示す広告内容情報の格納先を広告関連情報として格納する広告関連DBと(【0025】、【0033】)、が設けられ、
各ユーザが携行する携帯端末から、ユーザの位置を示す位置情報、並びにその位置における滞在の開始日時及び終了日時が含まれる、ユーザの行動を示す行動情報を取得し(【0036】)、取得した行動情報に含まれている位置情報に基づいて、ユーザが滞在していた地点を特定し、行動情報に含まれている滞在の開始日時及び終了日時から滞在時間を算出し、その滞在時間と特定した地点とに基づいて、ユーザの関心事を推測する関心事推測処理を実行し(【0037】)、得られた位置情報、地点、滞在の開始日時及び終了日時、並びに推測された関心事を示す情報を用いて行動履歴情報を生成して行動履歴DBに登録する(【0038】)行動履歴収集処理と、
各ユーザの携帯端末から、ユーザが予定している行動の内容並びにその行動の開始予定日時及び終了予定日時が含まれる、ユーザの行動の予定を示す予定情報を取得し(【0042】)、取得した予定情報に含まれている行動の内容と開始予定日時及び終了予定日時とに基づいて、ユーザの関心事を推測する関心事推測処理を実行し(【0043】)、得られた行動の内容、行動の開始予定日時及び終了予定日時、並びに推測された関心事を示す情報を用いて行動予定情報を生成して行動予定DBに登録する(【0044】)行動予定収集処理と、
ユーザが次の予定までの間に特別な用事がない時間(空き時間)が発生したと判断した場合、次の予定に係る場所の位置及びその予定の開始日時並びにユーザの現在位置が含まれる空き時間情報を送信するよう携帯端末に指示し(【0047】)、携帯端末から空き時間情報を受信した場合は、その空き時間情報に基づいて、空き時間情報に含まれているユーザの現在位置及び予定場所の位置を参照し、それらの位置の少なくとも一方と所定距離内の場所において提供可能なサービスに係る広告関連情報を、広告関連DBから特定し(【0048】〜【0049】)、関心事DB及び広告関連DBを参照して、特定されたサービスの中から、ユーザの関心事に適合するサービスを特定し(【0050】)、特定されたサービスに係る広告関連情報を広告関連DBから抽出し(【0051】)、
その抽出した広告関連情報に示されている広告内容情報を含む広告表示情報を携帯端末に対して送信する(【0051】)広告情報提供処理を実行し、
行動履歴DBに登録される行動履歴情報は、携帯端末がユーザの移動の軌跡を可能な限り記録した記録情報に基づいて生成されるものであり(【0063】)、
ユーザが携帯端末を用いてスケジュール管理を行っている場合であれば、提供装置が所定のタイミングで携帯端末からユーザのスケジュール情報を受信し、これを蓄積しておくことにより、ユーザの次の予定に関する情報を携帯端末から事前に取得することが可能な(【0064】)、
プログラム。」
の発明(以下、「甲10発明」という。)が記載されている。

11 甲11(特開2019−101521号公報)
(1)甲11には、以下のとおりの記載がある。
「【0001】
本願発明は、ユーザへ最適な広告を配信するための広告配信システムに関するものである。」

「【0011】
本願発明の実施形態を、本願出願人の提供するカレンダー共有アプリケーションを例にして説明する。
まず、カレンダー共有アプリケーションとは、スマートフォンやタブレットなどの携帯端末やパソコンなどにアプリケーションソフトウェアをダウンロードし、家族・職場・友人・恋人などのグループでカレンダーを共有するサービスである(但し、個人のみの単独で利用することも可能である)。
【0012】
図1に示すように、このカレンダー共有アプリケーションをダウンロードして利用可能になったスマートフォン10の画面上には、カレンダー20が表示されて、ユーザがそのカレンダー20に予定を入力するとともに、カレンダー20を共有するグループの他のユーザの入力した予定がそのカレンダー20に反映される。予定の入力は、タイトルや開始時間など予定に必要な情報となっている。」

「【0015】
続いて、図4〜図5に基づいて本願発明に係る広告配信システムについて説明する。
広告配信システム30は、カレンダー20を共有するユーザA,B,C・・・Xがカレンダー20に入力した予定データ及び予定データに関連して入力された追加データを取得する「予定データ取得機能」を備える。予定データ及び追加データには、ユーザが積極的に入力して得られた直接的なデータの他に、入力時刻や入力回数など入力行為等によって派生して得られる間接的なデータも含まれる。
【0016】
予定データ及び追加データの具体例としては、次のようなものである(一部使用も可)が、これに限られるものではない。
・予定名(タイトル)
・日付及び時刻
・参加者(予定への参加者)
・場所(駅名、店名など予定を行う場所)
・URL(飲食店などのホームページ)
・利用用途(家族利用・仕事利用・恋人利用など)
・カレンダーへの参加人数
・予定の色
・予定の繰り返し登録(毎週水曜日にまとめて登録してる等)
・予定の作成者/編集者かどうか
・メモ(予定ごとに備考欄があるのでそこに記載されている内容)
・コメント(予定ごとにチャット機能ができるのでテキストや画像、URLなどを含むその内容)
・広告に対する広告非表示アクション(広告の配信拒否の設定)
・性別
・年齢
・独身・既婚などの婚歴(現在のステータス)
・子供の有無
【0017】
次に、その取得したユーザの予定データ及び追加データを分析し、当該ユーザの予定の内容を特定する「予定分析・特定機能」を備える。
分析の例としては、予定を分類する予定カテゴリを用意し(例:大分類−教育カテゴリ、中分類−子育てカテゴリ、中分類−小学生カテゴリ)、取得した予定データ及び追加データをそれに照らし合わせてカテゴリに分類するなどである。なお、AI(人工知能)の技術などを利用して、予定データ及び追加データを機械学習(共通する特徴を抽出して自動的に分析していく仕組み)によりカテゴリに分類していくこともよい。
また、分析は、予定の入っている日時のデータだけではなく、予定の入っていない日時のデータもその対象となる。すなわち、予定の入っていない日時をターゲットにした広告を配信すれば広告効果を期待できるからである。
その他に、予定に参加しているユーザのリアクション(例えば、コメントが多いなど)を分析することで、重要度や実行確度が分かり、予定の精度が上がる。
なお、ユーザが広告に対する広告非表示アクション(広告の配信拒否の設定)をしている追加データを取得している場合には、当該ユーザには広告効果を期待できないので、広告配信をしない処理を行う。
【0018】
さらに、特定されたユーザの予定内容に基づいて、当該ユーザへ広告を配信する回数を広告在庫として予測計測する「広告在庫予測計測機能」を備える。
広告在庫予測計測機能には、未来の予定をターゲティングしたものと過去の予定をターゲティングしたものとが挙げられる。
【0019】
前者(未来予定ターゲティング)は、まだ将来の予定内容に対して、予定入力後の所定の期間及び/又は予定履行日前の所定の期間に当該ユーザへ広告を配信する回数を広告在庫として予測計測することである。
すなわち、カレンダーに入っている未来の予定内容に対して、その予定内容にあったターゲティング配信を行うものであり、例えば、旅行の予定が入っているユーザに対して、アイマスクの広告を配信することである。その広告配信のタイミングは、ターゲティング対象予定の予定入力直後の1週間、ターゲティング対象予定の予定当日の1か月〜2週間前などとする。予定入力直後や予定当日の前が広告効果を期待できるからである。
【0020】
後者(過去予定ターゲティング)は、既に過去の予定内容に対して、現時点以降、広告を配信する回数を広告在庫として予測計測することである。
すなわち、過去の予定からそのユーザの興味関心を推測して、そのユーザの興味関心にあったターゲティング配信を行うものであり、例えば、過去に映画の予定が多く入っていた場合、映画愛好者と推測して映画の広告を配信することである。その広告配信のタイミングは、現在以降であればいつでも配信タイミングとなる。
【0021】
そして、予測計測された広告在庫をもとに、ユーザに広告配信を希望する広告主へ広告枠を販売する「広告在庫販売機能」と、販売された広告在庫へ広告主の広告を配信する「広告配信機能」と、を備える。」

ここで、甲11の段落【0015】〜【0021】によると、広告配信システムは、コンピュータシステムで構成されており、プログラムによって、広告配信システムの各機能が実現され、処理が実行されるものである。

(2)甲11発明
上記(1)によると、甲11には、
「ユーザへ最適な広告を配信するための広告配信システムに(【0001】)、
スマートフォンやタブレットなどの携帯端末やパソコンなどにアプリケーションソフトウェアをダウンロードし、家族・職場・友人・恋人などのグループでカレンダーを共有するサービスであるカレンダー共有アプリケーション(【0011】)を利用して、スマートフォンの画面上に表示されたカレンダーに、ユーザがタイトルや開始時間などの予定を入力すると(【0012】)、
ユーザがカレンダーに入力した、予定名(タイトル)、日付及び時刻、場所(駅名、店名など予定を行う場所)、利用用途(家族利用・仕事利用・恋人利用など)等の予定データ及び予定データに関連して入力された追加データを取得して(【0015】〜【0016】)、その取得したユーザの予定データ及び追加データを分析し、当該ユーザの予定の内容を特定し(【0017】)、特定されたユーザの予定内容に基づいて、当該ユーザへ広告を配信する回数を広告在庫として予測計測し(【0018】)、予測計測された広告在庫をもとに、ユーザに広告配信を希望する広告主への広告枠の販売と、販売された広告在庫へ広告主の広告の配信を行うものであり(【0021】)、
広告在庫の予測計測において、カレンダーに入っている未来の予定内容に対して、その予定内容にあったターゲティング配信を行う未来予定ターゲティング(【0019】)と、過去の予定からそのユーザの興味関心を推測して、そのユーザの興味関心にあったターゲティング配信を行う過去予定ターゲティング(【0020】)により、配信する広告を決定する、ことを実行させるプログラム。」
の発明(以下、「甲11発明」という。)が記載されている。

第5 理由1についての当審の判断
1 理由1−1−1(新規性)、理由1−2−1(進歩性)について
(1)本件発明1と甲1発明とを対比する。
ア 甲1発明の「広告配信センター」は、通信制御部より受信した情報提供装置からの走行想定経路データに基づいて、広告管理部で管理されている広告のデータベース中から、経路上にある有効な広告データを選択するものであるところ、「経路上にある有効な広告データ」は、車両走行経路近傍に位置する店舗の広告データであるから、本件発明1の「施設の広告情報」に相当する。ここで、甲1発明の「広告配信センター」は「広告のデータベース」から経路上にある有効な広告データを選択しており、複数の「施設の広告情報を含む複数の広告情報」が記憶されているといえるから、甲1発明の「広告のデータベース」の「広告管理部」は、「ユーザ毎の将来又は過去の移動情報」を記憶するものではない点で相違するものの、本件発明1の「施設の広告情報を含む複数の広告情報」「を記憶する記憶手段」に相当する。
また、甲1発明は、車両に搭載される情報提供装置において、経路探索を行った経路の履歴や、経路案内を行わずに走行した経路や走行時間、時期、渋滞情報等の各種の情報の履歴を管理する履歴管理部が設けられ、経路推定部により経路の推定が行われた後、推定された経路情報を広告配信センターへ送信するものであり、甲1発明の「経路案内を行わずに走行した経路」「の履歴」は、車両に搭載される情報提供装置の履歴管理部に記憶されるものであって、「広告配信センター」が「アクセス可能」な「記憶手段」に記憶されていない点で相違するものの、本件発明1の「過去の移動情報」に相当する。
そして、甲1発明の「広告配信センター」が通信を行う「車両に搭載される情報提供装置」は、本件発明1の「ユーザの端末装置」に相当するものであるから、甲1発明の「広告配信センターを構成するコンピュータシステム」は、後述する相違点は別にして、本件発明1の「施設の広告情報を含む複数の広告情報」「を記憶する記憶手段にアクセス可能で、且つ、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータ」と、「施設の広告情報を含む複数の広告情報を記憶する記憶手段にアクセス可能で、且つ、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータ」である点で共通する。

イ 甲1発明の「推定された経路情報」は、現在の日時以降における現在地から目的地までの経路を推定したものであるから、本件発明1の「将来の移動情報」に相当する。甲1発明は、「情報提供装置」が、広告データを受信するために、「経路情報」を「広告配信センター」に送信し、「広告配信センター」が「経路情報」を受信するものであり、「情報提供装置」から「経路情報」を受信することは、本件発明1の「端末装置から」の「要求があった場合」に相当するといえ、甲1発明の「広告配信センター」が受信する「経路情報」は、「過去」の移動情報ではない点で相違するものの、本件発明1の「端末装置のユーザに対応する移動情報」に相当する。
そして、甲1発明の「広告配信センター」は、この「経路情報」を受信する手段を有していることは明らかであり、この受信により、有効な広告データを選択する処理を実行するものであるところ、「経路情報」の取得元が、「広告配信センター」が「アクセス可能」な「記憶手段」ではない点で相違するものの、「経路情報」を取得する点で、甲1発明の当該受信する手段は、本件発明1の「前記端末装置から要求があった場合、当該端末装置のユーザに対応する移動情報を」「取得する取得手段」に相当する。

ウ 甲1発明の「走行想定経路データ」(経路情報)は、本件発明1の「将来の移動情報」に相当し、甲1発明の「広告配信センター」における、情報提供装置からの「走行想定経路データ」(経路情報)に基づいて広告管理部から有効な広告データを選択し、この広告データを情報提供装置に配信する「広告配信制御部」は、「走行想定経路データ」(経路情報)が「過去の移動情報」ではない点で相違するものの、本件発明1の「取得手段が取得した移動情報に基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段」に相当する。

エ 本件発明1に係る「前記移動情報は、ユーザが過去に移動した出発地から目的地までの移動経路情報を含み、」という事項において、「前記移動情報」としては、
a 「記憶手段」に記憶される「ユーザ毎の将来又は過去の移動情報」、
b 「取得手段」が取得する「当該端末装置のユーザに対応する移動情報」、
c 「決定手段」が端末装置に出力する広告情報を決定する際に参照する「前記取得手段が取得した移動情報」(bと同じ)、
が対応すると考えられるところ、本件発明1に係る当該事項は、これらの「移動情報」が「ユーザが過去に移動した出発地から目的地までの移動経路情報」を含むことを意味するものである。
これに対し、甲1発明は、情報提供装置の「履歴管理部」において、今までに走行した経路に関する情報、すなわち「ユーザが過去に移動した出発地から目的地までの移動経路情報」が記憶されるものの、上記アでした対比により、情報提供装置の「履歴管理部」は、本件発明1の「記憶手段」とは相違する手段である。
また、甲1発明の「広告配信センター」において取得される「経路情報」は、上記イでした対比のとおり、「将来の移動情報」に相当するものであるから、ユーザの将来の「目的地までの移動経路情報」を含むものの、本件発明1の「ユーザが過去に移動した出発地から目的地までの移動経路情報」とは相違する情報である。
してみると、甲1発明の「経路情報」は、上記a〜cのいずれにも該当しておらず、「ユーザが過去に移動した出発地から目的地までの移動経路情報」とは相違するものの、「目的地までの移動経路情報」である点で、本件発明1の「前記移動情報は」「目的地までの移動経路情報を含」むことに相当する。
そして、上記ウでした対比のとおり、甲1発明の「走行想定経路データ」(経路情報)は、本件発明1の「将来の移動情報」に相当し、「ユーザが過去に移動した出発地から目的地までの移動経路情報」ではない点で相違するものの、甲1発明の「広告配信制御部」が、複数の広告情報のうち「走行想定経路データ」(経路情報)が示す移動経路の周辺に存在する施設の広告情報を決定することは、本件発明1の「前記決定手段は、前記複数の広告情報のうち前記移動情報が示す移動経路の周辺に存在する施設の広告情報を決定する」ことに相当する。

オ 甲1発明の「プログラム」は、後述する相違点は別にして、本件発明1の「プログラム」に相当する。

カ 以上、ア〜オによると、本件発明1と甲1発明とは、以下の一致点、相違点を有する。
[一致点]
「施設の広告情報を含む複数の広告情報を記憶する記憶手段にアクセス可能で、且つ、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、
前記端末装置から要求があった場合、当該端末装置のユーザに対応する移動情報を取得する取得手段、
前記取得手段が取得した移動情報に基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段、
として機能させ、
前記移動情報は、目的地までの移動経路情報を含み、
前記決定手段は、前記複数の広告情報のうち前記移動経路情報が示す移動経路の周辺に存在する施設の広告情報を決定する、
プログラム。」

[相違点1−1]
コンピュータがアクセス可能な記憶手段に関して、本件発明1は、「施設の広告情報を含む複数の広告情報と、ユーザ毎の将来又は過去の移動情報」を記憶するのに対し、甲1発明は、「施設の広告情報を含む複数の広告情報」は記憶するものの、「ユーザ毎の将来又は過去の移動情報」を記憶するものではなく、過去の移動情報を車両に搭載される「端末装置」の履歴管理部に記憶する点。

[相違点1−2]
取得手段が「端末装置のユーザに対応する移動情報」を取得する際に、本件発明1は、コンピュータがアクセス可能な「記憶手段」から取得し、記憶手段から取得された「移動情報」に基づき、少なくとも一つの広告情報を決定するのに対し、甲1発明は、「端末装置」において、経路推定部により経路の推定が行われた後、「端末装置」から、推定された経路情報が送信されることにより取得する点。

[相違点1−3]
取得手段が取得し、決定手段が広告情報を決定する際に用いる「移動情報」について、本件発明1は、「ユーザが過去に移動した出発地から目的地までの移動経路情報」を含むものであるのに対し、甲1発明の「移動情報」は、将来の移動に関する「目的地までの移動経路情報」であって、「ユーザが過去に移動した」「移動経路情報」を含まない点。

(2)理由1−1−1(新規性)について。
上記(1)のとおり、本件発明1と甲1発明との間には、[相違点1−1]〜[相違点1−3]があるため、本件発明1は、甲1に記載された発明ではない。

(3)理由1−2−1(進歩性)について。
上記(1)カで挙げた相違点について、事案に鑑み、上記[相違点1−3]について検討する。
甲2に記載の「利用交通機関特定サーバ」は、「移動端末から送信される位置情報」を受信すると、位置情報に基づいて移動端末の移動経路を推定し、推定された移動経路が過去に移動端末が移動した経路と同一であるか否かを、移動経路格納部に格納されている情報から特定される移動経路と、移動経路推定部により推定された移動経路とが一致するか否かにより判定し、判定結果に基づき、移動端末の移動経路が既に移動経路格納部に格納されている移動経路と同一であると判断された場合には、当該移動経路の移動回数に1を加え、移動経路が新規の経路であると判断された場合には、新規の移動経路を移動経路格納部に格納することにより、出発エリア、経由エリア、及び到着エリアにより示される移動経路と、当該移動経路の移動回数(利用回数)とを移動経路格納部に格納するものである。
そうすると、甲2に記載の「移動経路格納部」に格納される「出発エリア、経由エリア、及び到着エリアにより示される移動経路」は、「移動端末から送信される位置情報」に基づいて利用交通機関特定サーバが「推定した」いわゆる将来の情報であって、ユーザの「出発地から目的地までの移動経路情報」とはいえるものの、「ユーザが過去に移動した」「移動経路情報」ではない。
このため、甲1発明に、甲2に記載された技術的事項を適用しても、上記相違点1−3の構成には至らない。
そして、上記相違点1−3の構成とすることで、ユーザに最適な広告情報を出力することができる(本件特許明細書【0006】)という、格別顕著な作用効果を奏するものである。
したがって、甲1発明、甲2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が上記[相違点1−3]に係る構成を容易に想到し得た事項であるとはいえない。
よって、上記[相違点1−1]、上記[相違点1−2]について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明及び甲2に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

2 理由1−1−2(新規性)、理由1−2−2(進歩性)について
(1)本件発明2と甲1発明とを対比する。
ア 上記(1)ア〜ウ及びオでした対比は、本件発明2と甲1発明との対比においても同様である。

イ 本件発明2に係る「前記移動情報は、ユーザにより過去に使用された交通機関情報を含み、」という事項において、「前記移動情報」としては、
a 「記憶手段」に記憶される「ユーザ毎の将来又は過去の移動情報」、
b 「取得手段」が取得する「当該端末装置のユーザに対応する移動情報」、
c 「決定手段」が端末装置に出力する広告情報を決定する際に参照する「前記取得手段が取得した移動情報」(bと同じ)、
が対応すると考えられるところ、本件発明2に係る当該事項は、これらの「移動情報」が「ユーザにより過去に使用された交通機関情報」を含むことを意味するものである。
そして、甲1発明の「広告配信センター」は、情報提供装置から受信した「経路情報」に基づいて有効な広告データを選択するものであるところ、上記(1)エでした対比と同様に、「経路情報」は、上記a〜cのいずれにも該当しないものであるから、「前記移動情報」が「ユーザにより過去に使用された」情報を含まない点で、本件発明2と相違するし、甲1発明の「経路情報」が「交通機関情報」を含まない点においても、本件発明2と相違する。
さらに、甲1発明の「広告配信制御部」は、上記(1)ウでした対比と同様に、「走行想定経路データ」(経路情報)が「過去の移動情報」ではない点で相違するものの、本件発明2の「取得手段が取得した移動情報に基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段」に相当し、甲1発明の「広告配信制御部」が、複数の広告情報のうち「走行想定経路データ」(経路情報)が示す移動経路の周辺に存在する施設の広告情報を決定することは、広告情報が「交通機関情報が示す交通機関で移動可能な施設の広告情報」ではない点で相違するものの、本件発明2の「前記決定手段は、前記複数の広告情報のうち」「施設の広告情報を決定する」に相当する。

ウ 以上、ア〜イによると、本件発明2と甲1発明とは、以下の一致点、相違点を有する。
[一致点]
「施設の広告情報を含む複数の広告情報を記憶する記憶手段アクセス可能で、且つ、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、
前記端末装置から要求があった場合、当該端末装置のユーザに対応する移動情報を取得する取得手段、
前記取得手段が取得した移動情報に基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段、
として機能させ、
前記決定手段は、前記複数の広告情報のうち施設の広告情報を決定する、
プログラム。」

[相違点2−1]
コンピュータがアクセス可能な記憶手段に関して、本件発明2は、「施設の広告情報を含む複数の広告情報と、ユーザ毎の将来又は過去の移動情報」を記憶するのに対し、甲1発明は、「施設の広告情報を含む複数の広告情報」は記憶するものの、「ユーザ毎の将来又は過去の移動情報」を記憶するものではなく、過去の移動情報を車両に搭載される「端末装置」の履歴管理部に記憶する点。

[相違点2−2]
取得手段が「端末装置のユーザに対応する移動情報」を取得する際に、本件発明2は、コンピュータがアクセス可能な「記憶手段」から取得し、記憶手段から取得された「移動情報」に基づき、少なくとも一つの広告情報を決定するのに対し、甲1発明は、「端末装置」において、経路推定部により経路の推定が行われた後、「端末装置」から、推定された経路情報が送信されることにより取得する点。

[相違点2−3]
取得手段が取得し、決定手段が広告情報を決定する際に用いる「移動情報」が、本件発明2では、「ユーザにより過去に使用された交通機関情報」を含むのに対し、甲1発明では、将来の移動に関する「目的地までの移動経路情報」であって、「ユーザにより過去に使用された」ものを含まない点。

[相違点2−4]
本件発明2は、決定手段が広告情報を決定する際に、「交通機関情報が示す交通機関で移動可能な施設の広告情報」を決定するのに対し、甲1発明は、「交通機関情報」に基づいて広告情報を決定するものではない点。

(2)理由1−1−2(新規性)について
上記(1)のとおり、本件発明2と甲1発明との間には、[相違点2−1]〜[相違点2−4]があるため、本件発明2は、甲1に記載された発明ではない。

(3)理由1−2−2(進歩性)について
上記(1)ウで挙げた相違点について、事案に鑑み、上記[相違点2−3]について検討する。
甲2に記載の「利用交通機関特定サーバ」は、移動経路格納部に格納された移動端末の移動経路と、交通網格納部に格納された駅を特定する情報とを比較して、移動端末の移動経路と空間的に重複する駅を特定し、移動経路上にあると判断された駅のうちから乗車駅と下車駅の候補となる駅を特定した後、「交通経路特定部」において、乗車駅候補から下車駅候補へ到達することが可能な路線を特定することにより、移動経路・利用交通機関に係る情報を特定・抽出するものである。
ここで、上記1(3)で示したとおり、甲2に記載の「移動経路格納部」に格納される「出発エリア、経由エリア、及び到着エリアにより示される移動経路」は、「移動端末から送信される位置情報」に基づいて利用交通機関特定サーバが「推定した」いわゆる将来の情報であって、当該移動経路を用いて特定される「利用交通機関」に関しても、利用交通機関特定サーバが「推定した」いわゆる将来の情報であるから、ユーザの「交通機関情報」とはいえるものの、「ユーザにより過去に使用された」「交通機関情報」ではない。
そうすると、甲2には、「移動情報」として「交通機関情報」を含むことは記載されているが、「ユーザにより過去に使用された交通機関情報」を含むものではない。
また、甲3及び甲4にも、「ユーザにより過去に使用された交通機関情報」に基づいて、ユーザの端末装置に出力する広告情報を決定することは、記載も示唆もされていない。
このため、甲1発明に、甲2〜甲4に記載された技術的事項を適用しても、上記相違点2−3の構成には至らない。
そして、上記相違点2−3の構成とすることで、ユーザに最適な広告情報を出力することができる(本件特許明細書【0006】)という、格別顕著な作用効果を奏するものである。
したがって、甲1発明、甲2〜甲4に記載された技術的事項に基づいて、当業者が上記[相違点2−3]に係る構成を容易に想到し得た事項であるとはいえない。
よって、上記[相違点2−1]、上記[相違点2−2]及び上記[相違点2−4]について検討するまでもなく、本件発明2は、甲1発明及び甲2〜4に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

3 理由1−1−3(新規性)、理由1−2−3(進歩性)について
(1)本件発明3と甲5発明との対比
ア 甲5発明の「利用会員のクライアント端末」は、本件発明3の「ユーザの端末装置」に相当する。
また、甲5発明の「業務サービスコンピュータ」は、「利用会員のクライアント端末」とインターネットを介して接続されているから、後述する相違点は別にして、本件発明3の「ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータ」に相当する。

イ 甲5発明の「通勤、招待又は接待、出張又は私的旅行などを含む会員の移動目的情報」は、会員が予定表に記入した情報であるから、本件発明3の「ユーザの移動目的を示す目的情報」に相当する。
甲5発明の「契約会員予定表データベース14b」に記憶される「現住所、居住地、会社などへの勤務地、出張先の会社・事務所・宿泊ホテル、待合駅、出発・終着駅、乗換駅、空港、予定業務毎開始・終了時刻、待合せ時刻などを含む時間位置情報」は、移動の出発地と到着地と時刻の予定を含んでいるが、経路は、経路探索ソフトにより得ており、経路情報は含んではいないから、甲5発明の「現住所、居住地、会社などへの勤務地、出張先の会社・事務所・宿泊ホテル、待合駅、出発・終着駅、乗換駅、空港、予定業務毎開始・終了時刻、待合せ時刻などを含む時間位置情報」と、本件発明3の「ユーザ毎の将来又は過去の移動情報」とは、「ユーザ毎の将来の移動に関する情報」である点で共通する。甲5発明の「契約会員予定表データベース14b」は、複数の広告情報と過去の移動情報が登録されていない点で相違するものの、本件発明4の「記憶手段」に相当する。
また、甲5発明の「業務サービスコンピュータ」が「契約会員予定表データベース14b」にアクセス可能であることは明らかである。
よって、甲5発明の、「通勤、招待又は接待、出張又は私的旅行などを含む会員の移動目的情報」と「現住所、居住地、会社などへの勤務地、出張先の会社・事務所・宿泊ホテル、待合駅、出発・終着駅、乗換駅、空港、予定業務毎開始・終了時刻、待合せ時刻などを含む時間位置情報」とを含む予定表にアクセス可能であることと、本件発明3の「ユーザの移動目的を示す目的情報を含むユーザ毎の将来又は過去の移動情報と、を記憶する記憶手段にアクセス可能」であることとは、いずれも、「ユーザの移動目的を示す目的情報を含むユーザ毎の将来の移動に関する情報と、を記憶する記憶手段にアクセス可能」である点で共通する。

ウ 甲5発明において配信される情報は、「個人予定表データベース14xに記録された個人予定表に連動して行動予定、時間、場所を判断し、利用者の行動を伴う場所である時間とその位置情報に基づいて必要或いは参考となる情報データをタイミングに合った時刻に利用者に配信」されるから、ユーザの要求に基づいて利用者に配信されるとはいえない。
また、甲5発明は、「会員が前記予定表に記入した通勤、招待又は接待、出張又は私的旅行などを含む会員の移動目的情報とにより、会員にとって必要或は興味があると判断した情報提供企業からのメール形式情報」を選択しているが、「興味」自体を推測しているとはいえない。
さらに、甲5発明の「会員が必要或は希望すると指定した予想情報を選択すると、個人予定表を所定時刻毎に個人予定表データベース14xより呼出し、契約会員予定表データベースへ書き込み更新し、契約会員予定表データベース14bに登録された各会員毎の予定表より時間位置情報を抽出」することと、本件発明3の「当該端末装置のユーザに対応する移動情報を前記記憶手段から取得する取得手段」とは、いずれも、「当該端末装置のユーザに対応する移動に関する情報を前記記憶手段から取得する取得手段」である点で共通する。

エ 甲5発明は、「データベース14bで抽出した時間位置情報と会員が予定表に記入した移動目的情報とにより、会員にとって必要或は興味があると判断した情報提供企業からのメール形式情報と、目的先に関する経路探索ソフト、住所検索ソフト、地図情報ソフト等を選択できるメニューWeb画面を端末30へ配信し(S41)、端末30からの選択信号を受信して、選択情報ソフトを端末30へ配信」し、配信される情報は広告でもよい、とする機能を有し、当該機能を実現する手段を有することは明らかであるから、甲5発明の当該機能と、本件発明3の「前記目的情報に基づき、ユーザの嗜好を推測する推測手段」、及び、「前記取得手段が取得した移動情報と前記推測手段により推測された嗜好とに基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定」することとは、いずれも、「移動に関する情報と嗜好に関する情報とに基づき、少なくとも一つの広告情報を決定する手段」である点で共通する。

オ 甲5発明の「プログラム」は、後述する相違点は別にして、本件発明3の「プログラム」に相当する。

カ 以上、ア〜オによると、本件発明3と甲5発明とは、以下の一致点、相違点を有する。
[一致点]
ユーザの移動目的を示す目的情報を含むユーザ毎の将来の移動に関する情報と、を記憶する記憶手段にアクセス可能で、且つ、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、
当該端末装置のユーザに対応する移動に関する情報を前記記憶手段から取得する取得手段、
移動に関する情報と嗜好に関する情報とに基づき、少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する手段、
として機能させるプログラム。

[相違点3−1]
移動に関する情報が、本件発明3では、「ユーザ毎の将来又は過去の移動情報」であるのに対し、甲5発明では、出発地、目的地、及び時刻の情報を含むものの、移動情報ではない点。

[相違点3−2]
本件発明3は、「記憶手段」に複数の広告情報を記憶し、決定手段が、記憶手段に記憶された「前記複数の広告情報のうち」少なくとも一つの広告情報を決定するのに対し、甲5発明は、「契約会員予定表データベース14b」が広告情報を記憶しておらず、「少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する手段」が、広告情報の決定を「契約会員予定表データベース14b」に記憶された情報のうちから決定していない点。

[相違点3−3]
複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定するための嗜好に関する情報について、本件発明3は、「推測手段」が、目的情報に基づき、ユーザの嗜好を推測し、広告情報の選択が、推測された嗜好に基づいているのに対し、甲5発明では、目的情報に基づき、ユーザの嗜好を推測する推測手段を有しておらず、広告情報の選択が、予定表の目的そのものに基づいている点。

[相違点3−4]
複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定するための「移動に関する情報」が、本件発明3では、端末装置から要求があった場合に取得されるのに対し、甲5発明では、端末装置から要求があった場合のものではなく、予定表に基づく、利用者の行動を伴う場所である時間とその位置情報に基づくタイミングに合った時刻のものである点。

(2)本件発明3と甲6発明との対比
判断の便宜から、甲6発明が、本件発明3の上記[相違点3−3]に係る構成を有しているかについて検討する。
甲6発明の「情報配信装置」は、移動機端末より情報提供要求を受けて、当該移動機端末に広告を送信する際に、ユーザ位置情報、現在時間、ユーザの性別と年代、広告DBを参照することで得られる提供対象エリア、広告送信時間帯、対象性別、対象年代に基づいて、広告DBに保持されている広告の中から、ユーザの条件に該当する広告を抽出した後、広告の実店舗の位置とユーザ位置情報が示す位置との間の距離と、嗜好値算出部が算出した嗜好値と、広告提供者のサーバが登録した広告配信代金の金額とに基づいて評価された広告の価値に基づいて順位付けられた広告を、移動機端末に送信するものである。ここで、甲6発明の「嗜好値」は、履歴DBを参照して得られる広告閲覧履歴と、広告DBを参照して得られる広告の詳細情報とに基づいて算出されるものであって、ユーザの移動目的とは関連しないものである。
そうすると、甲6発明は、広告閲覧履歴と広告の詳細情報に基づいて、嗜好値算出部が算出した嗜好値を用いるものの、「ユーザの移動目的を示す目的情報」「に基づき、ユーザの嗜好を推測する」ものではない。
よって、本件発明3と甲6発明とは、少なくとも、次の点で相違する。
[相違点3−3]′
複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定するための嗜好に関する情報について、本件発明3は、推測手段が、目的情報に基づき、ユーザの嗜好を推測し、広告情報の選択が、推測された嗜好に基づいているのに対し、甲6発明では、目的情報に基づき、ユーザの嗜好を推測する推測手段を有しておらず、広告情報の選択が、履歴DBを参照して得られる広告閲覧履歴と、広告DBを参照して得られる広告の詳細情報とに基づいて算出される嗜好値に基づいている点。

(3)理由1−1−3(新規性)について
上記(1)のとおり、本件発明3と甲5発明との間には、[相違点3−1]〜[相違点3−4]があるため、本件発明3は、甲5に記載された発明ではない。また、上記(2)のとおり、本件発明3と甲6発明との間には、少なくとも[相違点3−3]′があるため、本件発明3は、甲6に記載された発明ではない。

(4)理由1−2−3(進歩性)について
上記(1)、(2)で示したとおり、上記[相違点3−3]、[相違点3−3]′に係る構成である、「目的情報に基づき、ユーザの嗜好を推測する推測手段」に関しては、甲5発明及び甲6発明ともに、そのような構成を有していない。
このため、甲5発明に、甲6発明を適用したとしても、当該[相違点3−3]に係る構成には至らず、また、甲6発明に、甲5発明を適用したとしても、当該[相違点3−3]′に係る構成には至らない。
さらに、上記第4 1、2のとおり、甲1発明、甲2に記載された技術的事項は、「目的情報に基づき、ユーザの嗜好を推測する」ものではなく、そもそも「移動情報」に「ユーザの移動目的を示す目的情報を含む」ものでもないことから、甲1発明、甲2に記載された技術的事項、甲5発明及び甲6発明に基づいて、当業者が上記[相違点3−3]([相違点3−3]′)に係る構成を容易に想到し得たとはいえない。
よって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明3は、甲1発明、甲2に記載された技術的事項、甲5発明及び甲6発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

4 理由1−1−4(新規性)、理由1−2−4(進歩性)について
(1)本件発明4と甲5発明との対比
ア 甲5発明の「利用会員のクライアント端末」は、本件発明4の「ユーザの端末装置」に相当する。
また、甲5発明の「業務サービスコンピュータ」は、「利用会員のクライアント端末」とインターネットを介して接続されているから、後述する相違点は別にして、本件発明4の「ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータ」に相当する。

イ 甲5発明の「契約会員予定表データベース14b」に記憶される「現住所、居住地、会社などへの勤務地、出張先の会社・事務所・宿泊ホテル、待合駅、出発・終着駅、乗換駅、空港、予定業務毎開始・終了時刻、待合せ時刻などを含む時間位置情報」は、移動の出発地と到着地と時刻の予定を含んでいるが、経路は、経路探索ソフトにより得ており、経路情報は含んではいないから、甲5発明の「現住所、居住地、会社などへの勤務地、出張先の会社・事務所・宿泊ホテル、待合駅、出発・終着駅、乗換駅、空港、予定業務毎開始・終了時刻、待合せ時刻などを含む時間位置情報」と、本件発明4の「ユーザ毎の将来又は過去の移動情報」とは、「ユーザ毎の将来の移動に関する情報」である点で共通する。
また、甲5発明の「契約会員予定表データベース14b」に登録された「現住所、居住地」は、本件発明4の「ユーザ毎の住所情報」に相当し、甲5発明の「契約会員予定表データベース14b」は、複数の広告情報と過去の移動情報が登録されていない点で相違するものの、本件発明4の「記憶手段」に相当する。
そして、甲5発明の「業務サービスコンピュータ」が「契約会員予定表データベース14b」にアクセス可能であることは明らかである。
よって、甲5発明の、「通勤、招待又は接待、出張又は私的旅行などを含む会員の移動目的情報」と「現住所、居住地、会社などへの勤務地、出張先の会社・事務所・宿泊ホテル、待合駅、出発・終着駅、乗換駅、空港、予定業務毎開始・終了時刻、待合せ時刻などを含む時間位置情報」とを含む予定表にアクセス可能であることと、本件発明4の「ユーザ毎の将来又は過去の移動情報と、ユーザ毎の住所情報と、を記憶する記憶手段にアクセス可能」であることとは、いずれも、「ユーザ毎の将来の移動に関する情報と、ユーザ毎の住所情報と、を記憶する記憶手段にアクセス可能」である点で共通する。

ウ 甲5発明において配信される情報は、「個人予定表データベース14xに記録された個人予定表に連動して行動予定、時間、場所を判断し、利用者の行動を伴う場所である時間とその位置情報に基づいて必要或いは参考となる情報データをタイミングに合った時刻に利用者に配信」されるから、ユーザの要求に基づいて利用者に配信されるとはいえない。
また、甲5発明の「会員が必要或は希望すると指定した予想情報を選択すると、個人予定表を所定時刻毎に個人予定表データベース14xより呼出し、契約会員予定表データベースへ書き込み更新し、契約会員予定表データベース14bに登録された各会員毎の予定表より時間位置情報を抽出」することについて、甲5発明の「データベース14bで抽出した時間位置情報」は、「現住所、居住地」を含むものであるから、本件発明4の「端末装置のユーザに対応する住所情報」を含むものであり、甲5発明のこのような抽出を行う機能を実現する手段と、本件発明4の「当該端末装置のユーザに対応する移動情報を前記記憶手段から取得し、且つ、当該端末装置のユーザに対応する住所情報を前記記憶手段から取得する取得手段」とは、いずれも、「当該端末装置のユーザに対応する移動に関する情報を前記記憶手段から取得し、且つ、当該端末装置のユーザに対応する住所情報を前記記憶手段から取得する取得手段」である点で共通する。

エ 甲5発明は、「データベース14bで抽出した時間位置情報と会員が予定表に記入した移動目的情報とにより、会員にとって必要或は興味があると判断した情報提供企業からのメール形式情報と、目的先に関する経路探索ソフト、住所検索ソフト、地図情報ソフト等を選択できるメニューWeb画面を端末30へ配信し(S41)、端末30からの選択信号を受信して、選択情報ソフトを端末30へ配信」し、「データベース14bで抽出した時間位置情報」には「現住所、居住地」が含まれ、配信される情報は広告でもよい、とする機能を有し、当該機能を実現する手段を有することは明らかであるから、甲5発明の当該機能と、本件発明4の「前記取得手段が取得した移動情報と前記端末装置のユーザに対応する住所情報とに基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定する決定手段」とは、いずれも、「移動に関する情報と前記端末装置のユーザに対応する住所情報とに基づき、少なくとも一つの広告情報を決定する決定手段」である点で共通する。

オ 甲5発明の「プログラム」は、後述する相違点は別にして、本件発明4の「プログラム」に相当する。

カ 以上、ア〜オによると、本件発明4と甲5発明とは、以下の一致点、相違点を有する。
[一致点]
ユーザ毎の将来の移動に関する情報と、ユーザ毎の住所情報と、を記憶する記憶手段にアクセス可能で、且つ、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、
当該端末装置のユーザに対応する移動に関する情報を前記記憶手段から取得し、且つ、当該端末装置のユーザに対応する住所情報を前記記憶手段から取得する取得手段、
移動に関する情報と前記端末装置のユーザに対応する住所情報とに基づき、少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段、
として機能させるプログラム。

[相違点4−1]
移動に関する情報が、本件発明4では、「ユーザ毎の将来又は過去の移動情報」であるのに対し、甲5発明では、出発地、目的地、及び時刻の情報を含むものの、移動情報ではない点。

[相違点4−2]
本件発明4は、「記憶手段」に複数の広告情報を記憶し、決定手段が、記憶手段に記憶された「前記複数の広告情報のうち」少なくとも一つの広告情報を決定するのに対し、甲5発明は、「契約会員予定表データベース14b」が広告情報を記憶しておらず、広告情報の決定を「契約会員予定表データベース14b」に記憶された情報のうちから決定していない点。

[相違点4−3]
複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定するための「移動に関する情報」が、本件発明4では、端末装置から要求があった場合に、取得されるのに対し、甲5発明では、端末装置から要求があった場合のものではなく、予定表に基づく、利用者の行動を伴う場所である時間とその位置情報に基づくタイミングに合った時刻のものである点。

(2)本件発明4と甲7発明との対比
ア 甲7発明が、上記[相違点4−1]に係る構成である「ユーザ毎の将来又は過去の移動情報」を有しているか
甲7発明の「広告配信装置」は、「広告配信条件情報の規定する広告情報を配信する期間、配信対象のユーザの性別、年齢、所在地等を含む広告情報配信の条件に合致するユーザを、ユーザ情報に基づいて判断、選択し、当該ユーザへ送信する広告情報を選択」するものであり、「ユーザ情報」として「ユーザの性別、生年月日、ユーザの名前、住所、メールアドレス、趣味等のユーザ固有の情報、のみならず、ユーザによるそのときのクライアント端末の使用状況に関する情報、例えば、使用している位置を示すGPS情報、端末情報等を含」むものの、クライアント端末の使用状況に関する情報である「使用している位置を示すGPS情報」は、「現在位置情報」であって、「移動情報」ではないから、甲7発明は、「ユーザ毎の将来又は過去の移動情報」を有するものではない。本件発明4と甲7発明とは、少なくとも次の点において、相違する。
[相違点4−1]′
広告を選択するための情報が、本件発明4では、「ユーザ毎の将来又は過去の移動情報」であるのに対し、甲7発明では、ユーザの現在位置情報であって、移動情報ではない点。
イ 甲7発明が、上記[相違点4−3]に係る構成である、移動に関する情報を、端末装置から要求があった場合に記憶手段から取得する構成を有するものであるか
上記アのとおり、甲7発明は、「使用している位置を示すGPS情報」に基づいて広告情報を選択するものであり、「使用している位置を示すGPS情報」は「現在位置情報」であって、「移動情報」でも「移動に関する情報」でもなく、甲7発明の「使用している位置を示すGPS情報」である「現在位置情報」と本件発明7の「移動情報」とは、「位置情報を含む情報」である点で共通する。
そして、甲7発明の「使用している位置を示すGPS情報」は、クライアント端末の現在位置において取得され、広告配信装置に定期的に送信するものであるから、「使用している位置を示すGPS情報」をクライアント端末が広告配信装置に取得の要求をすることはない。
よって、本件発明4と甲7発明とは、少なくとも次の点で相違する。
[相違点4−3]′
複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定するための「位置情報を含む情報」が、本件発明4では、端末装置から要求があった場合に「記憶手段」から取得されたものであるのに対し、甲7発明では、端末装置から要求があった場合のものではなく、記憶手段から取得されたものでもなく、端末装置から定期的に送信されたものである点。

(3)理由1−1−4(新規性)について
上記(1)に示したとおり、本件発明4と甲5発明との間には、[相違点4−1]及び[相違点4−3]があるため、本件発明4は、甲5に記載された発明ではない。また、上記(2)のとおり、本件発明4と甲7発明との間には、少なくとも[相違点4−1]′及び[相違点4−3]′があるため、本件発明4は、甲7に記載された発明ではない。

(4)理由1−2−4(進歩性)について
上記(1)に示したとおり、上記[相違点4−1]に係る構成である、「ユーザ毎の将来又は過去の移動情報」、及び上記[相違点4−3]に係る構成である、「前記端末装置から要求があった場合」に広告情報を決定するための情報を取得する構成に関しては、甲5発明及び甲7発明ともに、そのような構成を有していない。
このため、甲5発明に、甲7発明を適用したとしても、当該[相違点4−1]及び[相違点4−3]の構成には至らない。また、甲7発明に、甲5発明を適用したとしても、当該[相違点4−1]′及び[相違点4−3]′の構成には至らない。
また、上記第4 1、及び上記第5 1(1)イのとおり、甲1発明の「広告配信センター」は、「ユーザの端末装置」に相当する「情報提供装置」から、当該情報提供装置が広告データを受信するために、「経路情報」を受信するものであるから、本件発明4の「前記端末装置から要求があった場合、当該端末装置のユーザに対応する移動情報を」「取得する」構成を有する点で、本件発明4と共通するものの、上記第5 1(1)カのとおり、甲1発明の「経路情報」は、「端末装置」から送信されることにより取得するものであるから、「移動情報を前記記憶手段から取得」するものではない点で、甲4発明の「前記端末装置から要求があった場合、当該端末装置のユーザに対応する移動情報を前記記憶手段から取得」する構成と相違する。そのため、甲5発明、または甲7発明に、甲1発明を適用したとしても、上記[相違点4−3]([相違点4−3]′)に係る構成には至らない。
さらに、上記第4 2のとおり、甲2に記載された技術的事項は、「前記端末装置から要求があった場合、当該端末装置のユーザに対応する移動情報を前記記憶手段から取得」するものではないことから、甲1発明、甲2に記載された技術的事項、甲5発明及び甲7発明に基づいて、当業者が上記[相違点4−3]([相違点4−3]′)に係る構成を容易に想到し得たとはいえない。
よって、他の相違点を検討するまでもなく、本件発明4は、甲1発明、甲2に記載された技術的事項、甲5発明及び甲7発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

5 理由1−2−5(進歩性)について
(1)本件発明5と甲8発明とを対比する。
ア 甲8発明では、「サーバ側データベース」には「そのユーザの属性(住所、性別、年齢等)、及びこれまでに提示した広告idとその反応(経由地設定した広告、キャンセルした広告)が、ユーザid毎に保存されるとともに、広告要求時や広告を提示した際の状況情報として、目的地、目的地までの距離、これまで運転した距離、時刻など」及び「広告情報」が保存されており、このうち、「状況情報として、目的地、目的地までの距離、これまで運転した距離」は、ユーザidごとに保存されることは明らかであり、「目的地」は、以前に広告を配信したときの状況情報であり、過去の目的地、目的地までの距離、これまで運転した距離は、移動情報そのものではないから、本件発明5の「ユーザ毎の将来又は過去の移動情報」と、「ユーザ毎の過去の移動に関する情報」である点で共通する。
そして、甲8発明の「サーバ側データベース」は、後述する相違点は別にして、本件発明5の「記憶手段」に相当する。
さらに、甲8発明の「車載装置」は、本件発明5の「ユーザの端末装置」に相当する。
そうすると、甲8発明の、「車載装置」と「ネットワークで通信可能」であって、「サーバ側データベース」を構成に含む「広告配信サーバ」と、後述する相違点は別にして、本件発明5の「複数の広告情報と、ユーザ毎の将来又は過去の移動情報と、を記憶する記憶手段にアクセス可能で、且つ、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータ」とは、「複数の広告情報と、ユーザ毎の過去の移動に関する情報と、を記憶する記憶手段にアクセス可能で、且つ、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータ」である点で共通する。

イ 甲8発明の「車載装置から広告が要求(広告要求)された場合」は、本件発明5の「前記端末装置から要求があった場合」に相当する。
甲8発明の、「運転中の状況情報」である「車の状況情報」には、「現在位置、目的地、目的地までのルート、ワイパー動作などの車両情報等」が含まれ、そのうちの「ワイパー動作」は、このワイパーの動作から「天気」に関する情報が得られることから、本件発明5の「天気情報」と、「天気に関する情報」である点で共通し、甲8発明の「車の状況情報」に含まれる「目的地までのルート」は、本件発明5の「当該端末装置のユーザに対応する移動に関する情報」に相当する。
そして、甲8発明の、広告配信サーバは、「車の状況情報」を受信する機能を有しており、この機能を実現する手段と、本件発明5の「前記端末装置から要求があった場合、当該端末装置のユーザに対応する移動情報を前記記憶手段から取得し、且つ、ユーザの住所情報が示す住所の天候情報を取得する取得手段」とは、「前記端末装置から要求があった場合、当該端末装置のユーザに対応する移動に関する情報を取得し、且つ、天気に関する情報を取得する取得手段」である点で共通する。

ウ 甲8発明の、「車の状況情報」に基づき広告を選択することと、本件発明5の「前記取得手段が取得した移動情報と前記取得手段が取得した天候情報とに基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定」することとは、「前記取得手段が取得した移動に関する情報と前記取得手段が取得した天気に関する情報とに基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定」する点で共通し、甲8発明の、選択した広告を車載装置に返送することは、本件発明5の「前記端末装置に出力する」ことに相当し、甲8発明の広告配信サーバは、広告情報を選択し、選択した広告を車載装置に返送する機能を有しており、この機能を実現する手段と、本件発明5の「前記取得手段が取得した移動情報と前記取得手段が取得した天候情報とに基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段」とは、「前記取得手段が取得した移動に関する情報と前記取得手段が取得した天気に関する情報とに基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段」である点で共通する。

エ 甲8発明の「広告配信サーバに処理を実行させるプログラム」は、後述する相違点は別にして、本件発明5の「プログラム」に相当する。

オ 以上、ア〜エによると、本件発明5と甲8発明とは、以下の一致点、相違点を有する。
[一致点]
複数の広告情報と、ユーザ毎の過去の移動に関する情報と、を記憶する記憶手段にアクセス可能で、且つ、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、
前記端末装置から要求があった場合、当該端末装置のユーザに対応する移動に関する情報を取得し、且つ、天気に関する情報を取得する取得手段、
前記取得手段が取得した移動に関する情報と前記取得手段が取得した天気に関する情報に基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段」、
として機能させるプログラム。

[相違点5−1]
過去の移動に関する情報が、本件発明5は、「将来又は過去の移動情報」であるのに対し、甲8発明は、過去の目的地、目的地までの距離、これまで運転した距離であって、「移動情報」ではない点。

[相違点5−2]
本件発明5は、「当該端末装置のユーザに対応する移動情報を前記記憶手段から取得」するのに対し、甲8発明は、車の状況情報に含まれる「目的地までのルート」を車載装置から取得する点。

[相違点5−3]
本件発明5は、「天気に関する情報」が、「ユーザの住所情報が示す住所」の「天候情報」であるのに対し、甲8発明は、「天気に関する情報」が「車の状況情報」に含まれる「ワイパー動作」である点。

[相違点5−4]
本件発明5は、「前記取得手段が取得した移動情報と前記取得手段が取得した天候情報とに基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定」するのに対し、甲8発明は、車載装置から取得した運転中の車の状況である「車の状況情報」に基づき、広告を決定する点。

(2)上記(1)オで挙げた相違点について、事案に鑑み、上記[相違点5−3]について検討する。
甲9発明の「旅行支援サーバ」は、端末装置の利用者によって入力された、訪問予定地情報、出発地情報、目的地情報、気象(天候)情報、移動手段情報(例えば、公共交通機関利用、徒歩利用、自転車利用、鉄道利用、または、自動車利用等)、出発日(出発日時)、および/または、日程(日付)等(例えば、経路探索条件など)を含む旅行計画情報を受信すると、受信された旅行計画情報に含まれる気象情報に基づく天候に基づき、他の利用者の移動履歴情報、旅行計画情報、および、地点検索履歴情報の中から、利用者により入力された旅行計画に関連する情報(訪問地情報)を抽出し、移動経路と関連付けられた訪問地情報は、旅行当日が晴れ、または、雨天の違いにより集計され、旅行日が悪天候の場合の代替予定の候補情報が含まれる旅行支援情報が作成されて、端末装置に送信されるものである。ここで、甲9発明の「気象(天候)情報」は、利用者の旅行計画に関連する訪問地情報が示す訪問地の天候に関するものであって、「ユーザの住所情報が示す住所」とは関連しないものである。
そうすると、甲9発明は、天候情報に基づいて作成される旅行支援情報が端末装置に送信されるものの、「ユーザの住所情報が示す住所の天候情報」を取得するものではなく、当該天候情報に基づいて複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定するものでもない。このため、甲9発明は、上記[相違点5−3]に係る構成である「ユーザの住所情報が示す住所の天候情報」を取得するものではなく、当該天候情報に基づいて複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定するものでもない。
さらに、上記第4 1、2のとおり、甲1発明、甲2に記載された技術的事項は、複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定するために「ユーザの住所情報が示す住所の天候情報を取得する」ものではなく、そもそも「天候情報」自体扱われないものであるから、甲1発明、甲2に記載された技術的事項、甲8発明及び甲9発明に基づいて、当業者が上記[相違点5−3]に係る構成を容易に想到し得たとはいえない。
よって、上記[相違点5−1]、[相違点5−2]及び「相違点5−4」について検討するまでもなく、本件発明5は、甲1発明、甲2に記載された技術的事項、甲8発明及び甲9発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

6 理由1−1−6(新規性)、理由1−2−6(進歩性)について
(1)本件発明6と甲10発明との対比
ア 甲10発明の「広告を識別するための広告ID、広告に係るサービスを提供する提供地の位置を示す位置情報(経度及び緯度)、そのサービスを受けるために要する所要時間、そのサービスの概要、及び、そのサービスに係る広告の内容を示す広告内容情報の格納先」である「広告関連情報」と、本件発明6の「複数の広告情報」とは、「複数の広告に関する情報」である点で共通する。
甲10発明の「ユーザを識別するためのユーザID、ユーザが滞在していた位置(経度及び緯度)を示す位置情報、その位置によって特定される地点を識別するための地点ID、ユーザがその地点での滞在を開始した日時及び終了した日時、並びに、これらの地点、開始日時及び終了日時によって推測されるユーザの関心事である行動履歴情報」と、本件発明6の「ユーザ毎の過去」「の移動情報」とは、「過去の移動関連情報」である点で共通する。
また、甲10発明の「ユーザID、ユーザの行動の開始予定日時、同じく終了予定日時、「沖縄旅行」、「福岡出張」、「仙台出張」、「ニューヨーク旅行」といった行動の内容、及び、これらの行動の開始予定日時及び終了予定日時並びに行動の内容によって推測されるユーザの関心事である行動予定情報」と、本件発明6の「ユーザ毎の」「将来の移動情報」とは、「将来の移動に関する情報」である点で共通する。また、甲10発明の、この「行動予定情報」は、ユーザの将来に予定を示す情報でもある点で、本件発明6の「ユーザ毎のスケジュール情報」に相当する。
さらに、甲10発明の「行動履歴情報」を格納する「行動履歴DB」、「行動予定情報」を格納する「行動予定DB」、「広告関連情報」を格納する「広告関連DB」が設けられている「ハードディスク」と、本件発明6の「複数の広告情報と、ユーザ毎の将来又は過去の移動情報と、ユーザ毎のスケジュールと、を記憶する記憶手段」とは、「複数の広告に関する情報と、ユーザ毎の将来又は過去の移動に関する情報と、ユーザ毎のスケジュールと、を記憶する記憶手段」である点で共通する。
そして、甲10発明の「各ユーザが携行する携帯端末」は、本件発明6の「ユーザの端末装置」に相当する。甲10発明の「各ユーザが携行する携帯端末と、インターネット等の通信ネットワークを介して通信可能に接続されている広告情報提供装置(提供装置)」は、ハードディスクを備えていることから、これにアクセス可能であることは明らかである点で、本件発明6の「複数の広告情報と、ユーザ毎の将来又は過去の移動情報と、ユーザ毎のスケジュールと、を記憶する記憶手段にアクセス可能で、且つ、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータ」と、「複数の広告に関する情報と、ユーザ毎の将来又は過去の移動に関する情報と、ユーザ毎のスケジュールと、を記憶する記憶手段にアクセス可能で、且つ、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータ」である点で共通する。

イ 甲10発明の「ユーザが次の予定までの間に特別な用事がない時間(空き時間)が発生したと判断した場合、次の予定に係る場所の位置及びその予定の開始日時並びにユーザの現在位置が含まれる空き時間情報を送信するよう携帯端末に指示し」、「携帯端末から空き時間情報を受信した場合」は、本件発明6の「前記端末装置から要求があった場合」に相当する。
また、甲10発明の、「空き時間情報に含まれているユーザの現在位置及び予定場所の位置を参照し、それらの位置の少なくとも一方と所定距離内の場所において提供可能なサービスに係る広告関連情報を広告関連DBから特定」における「予定場所の位置」は、目的地を示す点で、本件発明6の「スケジュール」に相当するといえ、甲10発明の、「予定場所の位置」に基づき「広告関連情報」を特定することで「抽出した広告関連情報に示されている広告内容情報を含む広告表示情報を携帯端末に対して送信する」ことは、広告関連情報に基づき、結果として、広告表示情報を携帯端末に送信する点で、甲10発明は、このような機能を実現する手段を備えており、甲10発明のこの手段と、本件発明6の「前記取得手段が取得した移動情報と前記取得手段が取得したスケジュールとに基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段」とは、「スケジュールに基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段」する点で共通する。

ウ 甲10発明の「プログラム」は、後述する相違点は別にして、本件発明6の「プログラム」に相当する。

エ 以上、ア〜ウによると、本件発明6と甲10発明とは、以下の一致点、相違点を有する。
[一致点]
複数の広告に関する情報と、ユーザ毎の将来又は過去の移動に関する情報と、ユーザ毎のスケジュールと、を記憶する記憶手段にアクセス可能で、且つ、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、
前記端末装置から要求があった場合、
スケジュールに基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する決定手段、
として機能させるプログラム。

[相違点6−1]
広告に関する情報が、本件発明6では、「複数の広告情報」であるのに対し、甲10発明では、「広告を識別するための広告ID、広告に係るサービスを提供する提供地の位置を示す位置情報(経度及び緯度)、そのサービスを受けるために要する所要時間、そのサービスの概要、及び、そのサービスに係る広告の内容を示す広告内容情報の格納先」である「広告関連情報」であって、広告情報そのものではない点。

[相違点6−2]
将来又は過去の移動に関する情報が、本件発明6では、「将来又は過去の移動情報」であるのに対し、甲10発明では、将来のものについては、ユーザID、ユーザの行動の開始予定日時、同じく終了予定日時、「沖縄旅行」、「福岡出張」、「仙台出張」、「ニューヨーク旅行」といった行動の内容、及び、これらの行動の開始予定日時及び終了予定日時並びに行動の内容によって推測されるユーザの関心事である行動予定情報」であり、過去のものについては、「ユーザを識別するためのユーザID、ユーザが滞在していた位置(経度及び緯度)を示す位置情報、その位置によって特定される地点を識別するための地点ID、ユーザがその地点での滞在を開始した日時及び終了した日時、並びに、これらの地点、開始日時及び終了日時によって推測されるユーザの関心事である行動履歴情報」であって、「移動情報」であるか定かではない点。

[相違点6−3]
本件発明6では、「移動情報」と「スケジュール」を、それぞれ「記憶手段から取得する」のに対し、甲10発明では、ユーザ端末から送信される「空き時間情報」に含まれる「ユーザの現在位置及び予定場所の位置」を取得する点。

[相違点6−4]
本件発明6は、「前記取得手段が取得した移動情報と前記取得手段が取得したスケジュールとに基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する」として、広告の決定を「前記取得手段が取得した移動情報と前記取得手段が取得したスケジュールとに基づき」行うのに対し、甲10発明は、ユーザ端末から送信される「空き時間情報」に含まれる「ユーザの現在位置及び予定場所の位置」に基づき「広告関連情報」を特定し、広告関連情報に基づき広告表示情報を特定している点。

(2)本件発明6と甲11発明との対比
判断の便宜から、甲11発明が、上記[相違点6−3]及び[相違点6−4]に係る構成を有しているかについて検討する。
甲11発明の「広告配信システム」は、スマートフォンのカレンダー共有アプリケーションを利用して、ユーザがカレンダーに入力した、予定名(タイトル)、日付及び時刻、場所(駅名、店名など予定を行う場所)、利用用途(家族利用・仕事利用・恋人利用など)等の予定データ及び予定データに関連して入力された追加データを分析して、当該ユーザの予定の内容を特定し、特定されたユーザの予定内容に基づいて、ユーザに広告配信を希望する広告主への広告枠の販売と、広告主の広告の配信を行うものであり、甲11発明において、ユーザが入力した「予定データ」は、本件発明6の「当該端末装置のユーザに対応するスケジュール」に相当し、甲11発明の「予定データ」に含まれる「場所(駅名、店名など予定を行う場所)」は、ユーザの将来の位置に関する情報とはいえるものの、移動情報ではない。
そうすると、甲11発明は、複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定するための情報として、「端末装置のユーザに対応するスケジュール」を用いるものの、「ユーザ毎の将来又は過去の移動情報」を用いるものではなく、「移動情報」を記憶手段から取得するものでもない。
よって、本件発明6と甲11発明とは、少なくとも、以下の点で相違する。
[相違点6−3]′
本件発明6では、「移動情報」と「スケジュール」を、それぞれ「記憶手段から取得する」のに対し、甲11発明では、ユーザ端末から「位置情報」及び「スケジュール」を取得するものの、「移動情報」を取得するものではない点。
[相違点6−4]′
本件発明6は、「前記取得手段が取得した移動情報と前記取得手段が取得したスケジュールとに基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定し、前記端末装置に出力する」として、広告の決定を「前記取得手段が取得した移動情報と前記取得手段が取得したスケジュールとに基づき」行うのに対し、甲11発明は、ユーザ端末から送信される「位置情報」及び「スケジュール」に基づいて特定された「予定情報」に基づき「広告情報」を決定している点。

(3)理由1−1−6(新規性)について
上記(1)のとおり、本件発明6と甲10発明との間には、[相違点6−1]〜[相違点6−4]があるため、本件発明6は、甲10に記載された発明ではない。また、上記(2)のとおり、本件発明6と甲11発明との間にも、少なくとも[相違点6−3]′及び[相違点6−4]′があるため、本件発明6は、甲11に記載された発明ではない。

(4)理由1−2−6(進歩性)について
上記(1)、(2)に示したとおり、上記[相違点6−3]及び[相違点6−4]に係る構成である、複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定するための情報として、少なくとも「移動情報」を、「記憶手段から取得する取得手段」に関しては、甲10発明及び甲11発明ともに、そのような構成を有していない。
このため、甲10発明に、甲11発明を適用したとしても、当該[相違点6−3]の構成には至らず、また、甲11発明に、甲10発明を適用したとしても、当該[相違点6−3]′の構成には至らない。
さらに、上記第4 1、2のとおり、甲1発明、甲2に記載された技術的事項は、「端末装置のユーザに対応するスケジュール」を含むものではないから、甲1発明、甲2に記載された技術的事項、甲10発明及び甲11発明に基づいて、当業者が上記[相違点6−3]及び[相違点6−4]([相違点6−3]′及び[相違点6−4]′)に係る構成を容易に想到し得たとはいえない。
よって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明6は、甲1発明、甲2に記載された技術的事項、甲10発明及び甲11発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

7 理由1−1−7(新規性)、理由1−2−7(進歩性)について
本件発明7は、本件発明1の「プログラム」の発明を「情報処理装置」として記載した発明であって、上記[相違点1−1]〜上記[相違点1−3]に係る構成を有しているから、上記1に示した理由と同様の理由により、甲1に記載された発明ではなく、また、甲1発明及び甲2に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

8 理由1−1−8(新規性)、理由1−2−8(進歩性)について
本件発明8は、本件発明2の「プログラム」の発明を「情報処理装置」として記載した発明であって、上記[相違点2−1]〜上記[相違点2−4]に係る構成を有しているから、上記2に示した理由と同様の理由により、甲1に記載された発明ではなく、また、甲1発明及び甲2〜甲4に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

9 理由1−1−9(新規性)、理由1−2−9(進歩性)について
本件発明9は、本件発明3の「プログラム」の発明を「情報処理装置」として記載した発明であって上記[相違点3−1]及び上記[相違点3−3]に係る構成を有しているから、上記3に示した理由と同様の理由により、甲5及び甲6のいずれにも記載された発明ではなく、また、甲1発明、甲2に記載された技術的事項、甲5発明及び甲6発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

10 理由1−1−10(新規性)、理由1−2−10(進歩性)について
本件発明10は、本件発明4の「プログラム」の発明を「情報処理装置」として記載した発明であって上記[相違点4−1]及び上記[相違点4−2]に係る構成を有しているから、上記4に示した理由と同様の理由により、甲5及び甲7のいずれにも記載された発明ではなく、また、甲1発明、甲2に記載された技術的事項、甲5発明及び甲7発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

11 理由1についてのまとめ
以上によれば、本件発明1〜4、6〜10は、甲1、5〜7、10、11に記載された発明ではなく、また、本件発明1〜本件発明10は、甲1〜甲11に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

第6 理由2(特許法第36条第6項第1号)についての当審の判断
1 本件特許明細書の記載
本件特許明細書には以下のとおりの記載がある。
「【0031】
図3に示すように、サーバ装置10は、機能的構成として、記憶手段50と、取得手段52と、推測手段54と、決定手段56と、を備える。記憶手段50は、メモリ24又は/及び記憶装置28で実現される。その他の機能的構成は、制御装置20がプログラムを実行することにより実現される。
【0032】
記憶手段50は、ウェブページ50Aと、広告情報50Bと、ユーザ毎のユーザ情報50Cと、ユーザ毎のカレンダー50Dと、を記憶する機能を有する。
【0033】
ウェブページ50Aは、後述するトップページやスケジュールページ等、一又は複数のウェブページを含む。広告情報50Bとしては、広告が掲載されているURL(Uniform Resource Locator)や、広告そのものを示す情報等が挙げられる。広告情報50Bは、商品、サービス又は/及び施設の広告情報を含む。ユーザ情報50Cは、ユーザの名前や住所、年齢、性別、ログイン情報(ユーザIDやパスワード)、家族情報等を含む。カレンダー50Dは、1日毎に、ユーザの一又は複数のスケジュールを含む。このスケジュールには、ユーザの将来又は過去の移動情報を含む。具体的には、移動情報としては、将来の移動予定や過去の移動履歴が挙げられる。移動予定としては、ユーザが将来移動する予定の出発地から目的地までの移動経路情報や、ユーザにより移動に使用する予定の交通機関情報、ユーザの目的地での移動目的を示す目的情報等が挙げられる。移動履歴としては、ユーザが過去に移動した出発地から目的地までの移動経路情報や、ユーザにより過去に使用された交通機関情報、ユーザの目的地での移動目的を示す目的情報等が挙げられる。移動目的としては、会議や食事、旅行、宿泊、デート、遊び、飲み会、講演会等が挙げられる。本実施形態では、移動情報が移動履歴である場合を説明する。
【0034】
図4は、ユーザのカレンダー50Dの一例を示す図である。
【0035】
図4に示すように、カレンダー50Dは、複数のスケジュール51を含む。これらのスケジュール51は、移動以外の目的(会議や講演等)の通常スケジュール51Aや、□□駅から〇×駅まで電車で移動という、ユーザの移動情報を示す移動スケジュール51Bを含む。
【0036】
図3に戻って、取得手段52は、端末装置12から要求があった場合、当該端末装置12のユーザに対応するカレンダー50Dに含まれる移動情報を記憶手段50から取得する機能を有する。また、取得手段52は、移動情報の代わりに、又は、移動情報と共に、ユーザの住所情報が示す住所の天候情報を通信ネットワークNT上の不図示のサーバ装置から取得してもよい。また、取得手段52は、端末装置12から要求があった場合、当該端末装置12のユーザに対応する住所情報を記憶手段50のユーザ情報50Cから取得してもよい。
【0037】(省略)
【0038】
決定手段56は、取得手段52が取得した移動情報に基づき、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定し、端末装置12に出力する機能を有する。また、決定手段56は、複数の広告情報50Bのうち移動経路情報が示す移動経路の周辺に存在する施設の広告情報50Bを決定してもよい。また、決定手段56は、複数の広告情報50Bのうち交通機関情報が示す交通機関で移動可能な施設の広告情報50Bを決定してもよい。また、決定手段56は、推測手段54により推測された嗜好に基づき、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定してもよい。また、決定手段56は、当該端末装置12のユーザに対応する住所情報に基づき、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定してもよい。具体的には、決定手段56は、当該端末装置12のユーザに対応する住所情報が示す住所の周辺の施設の広告情報を決定してもよい。また、決定手段56は、当該端末装置12のユーザに対応する住所情報が示す住所と目的地の間の移動経路の周辺の施設の広告情報を決定してもよい。また、決定手段56は、取得手段52が取得した天候情報に基づいて、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定してもよい。なお、上記「周辺の施設」とは、例えば、移動経路から予め定められた距離の範囲内に存在する施設である。この予め定められた距離は、ユーザ又はサーバ装置10の管理者等の操作により、適宜変更が可能である。」

「【0070】
また、本実施形態では、取得手段52は、ユーザの住所情報が示す住所の天候情報を取得し、決定手段56は、取得手段52が取得した天候情報に基づいて、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定する。
【0071】
この構成によれば、天候情報に合った広告情報が決定されるので、ユーザに最適な施設の広告情報を出力することができる。
【0072】
<変形例>
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。すなわち、上記の実施形態に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。また、上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0073】
例えば、上記実施形態では、決定手段56は、ユーザの移動情報に基づき、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定する場合を説明したが、カレンダー50Dに含まれる、移動情報の代わりに、又は、移動情報と共に、ユーザのスケジュール51に基づき、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定してもよい。すなわち、取得手段52は、端末装置12から要求があった場合、当該端末装置12のユーザに対応するスケジュール51を記憶手段50から取得し、決定手段56は、取得手段52が取得したスケジュール51に基づいて、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定してもよい。具体的には、決定手段56は、取得手段52が取得したスケジュール51の空き時間に基づいて、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定してもよい。より具体的には、決定手段56は、ユーザのスケジュール51において12時〜13時の間が空いている場合には、ランチが食べれるレストランの広告情報50Bを決定する。また、決定手段56は、ユーザのスケジュール51において18時〜20時の間が空いている場合には、ディナーが食べれるレストランの広告情報50Bを決定する。また、決定手段56は、ユーザのスケジュール51において22時〜24時の間が空いている場合には、その時間帯に空いているレストランの広告情報50Bを決定する。また、決定手段56は、ユーザのスケジュール51において、土日が空いている場合には旅行に関する広告情報50Bを決定し、土曜日又は日曜日のみが空いている場合には美容室の広告に関する広告情報50Bを決定してもよい。この構成によれば、ユーザにスケジュール51に最適な広告情報を出力することができる。」

2 本件発明5について
(1)申立人の主張する理由
本件発明5について、申立人の主張する理由は、本件発明5は、移動情報と天候情報とに基づいて広告情報を決定する技術について規定したものであるが、本件特許明細書【0070】には、移動情報をどのように用いるか記載されておらず、本件特許明細書【0038】には、移動情報と天候情報の双方に基づいて広告情報を決定する旨の記載はないというものである。

(2)判断
本件発明5の「決定手段」は、「前記取得手段が取得した移動情報と前記取得手段が取得した天候情報とに基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定」するものである。
そして、本件特許明細書の段落【0036】には、「図3に戻って、取得手段52は、端末装置12から要求があった場合、当該端末装置12のユーザに対応するカレンダー50Dに含まれる移動情報を記憶手段50から取得する機能を有する。また、取得手段52は、移動情報の代わりに、又は、移動情報と共に、ユーザの住所情報が示す住所の天候情報を通信ネットワークNT上の不図示のサーバ装置から取得してもよい。」と記載され、取得手段は、移動情報と共に天候情報を取得することが記載されている。さらに、段落【0038】には、「決定手段56は、取得手段52が取得した移動情報に基づき、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定し、端末装置12に出力する機能を有する。」、「また、決定手段56は、取得手段52が取得した天候情報に基づいて、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定してもよい。」と記載されており、決定手段は、移動情報又は天候情報に基づいて少なくとも一の広告情報を決定することが記載されている。そして、「取得手段52は、移動情報の代わりに、又は、移動情報と共に、ユーザの住所情報が示す住所の天候情報を通信ネットワークNT上の不図示のサーバ装置から取得してもよい。」との記載を考慮すると、取得手段による情報の取得は、決定手段による少なくとも一の広告の決定のために行われることから、取得手段が移動情報と共に天候情報を取得した場合には、決定手段は、移動情報と共に天候情報を用いて少なくとも一の広告情報を決定するものであると考えることが自然である。
段落【0072】の「上記実施形態及び後述する変形例が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ」るとの記載に基づけば、段落【0057】に記載された移動情報に基づいて広告情報を決定するものと、段落【0070】に記載された天候情報に基ついて、広告情報を決定するものとを組み合わせ可能であることから、段落【0038】及び段落【0070】の記載をもって、本件発明5が、本件明細書にサポートされていないとすることはできない。
したがって、本件発明5は、発明の詳細な説明に記載されたものである。

3 本件発明6について
(1)申立人の主張する理由
本件発明6について、申立人の主張する理由は、本件発明6は、移動情報とスケジュールとに基づいて広告情報を決定する技術について規定したものであるが、本件特許明細書【0073】には、請求項6と同様の記載はあるものの、移動情報とスケジュールの双方に基づいて広告情報を決定する旨の実装例又は具体的な実施例の記載はないというものである。

(2)判断
本件発明6の「決定手段」は、「前記取得手段が取得した移動情報と前記取得手段が取得したスケジュールとに基づき、前記複数の広告情報のうち少なくとも一つの広告情報を決定」するものである。
そして、本件特許明細書の段落【0073】には、変形例として「例えば、上記実施形態では、決定手段56は、ユーザの移動情報に基づき、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定する場合を説明したが、カレンダー50Dに含まれる、移動情報の代わりに、又は、移動情報と共に、ユーザのスケジュール51に基づき、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定してもよい。すなわち、取得手段52は、端末装置12から要求があった場合、当該端末装置12のユーザに対応するスケジュール51を記憶手段50から取得し、決定手段56は、取得手段52が取得したスケジュール51に基づいて、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定してもよい。」と記載され、決定手段が、移動情報と共にスケジュールを用いて少なくとも一の広告情報を決定することが記載されているから、本件発明6に記載の技術が発明の詳細な説明に記載した範囲を超えるものであって、本件明細書に開示のない技術であるとすることはできない。
したがって、本件発明6は、発明の詳細な説明に記載されたものである。

4 理由2についてのまとめ
以上のとおり、本件発明5、6は、発明の詳細な説明に記載されたものであるから、本件特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしている。

第7 理由3(特許法第36条第6項第2号)についての当審の判断
1 本件発明2について
申立人は、本件発明2の末尾における「プログラム。るためのプログラム。」が何を意味しているのかが不明であり、明確ではないと主張している。
この点に関して、本件発明2の「プログラム。るためのプログラム。」という記載には、表現上に明らかな誤記が存在するものの、本件発明2が「プログラム」の発明であると一意に特定でき、「プログラム」の発明以外のものと解釈する余地はない。
したがって、本件発明2が「プログラム」の発明であることは明らかであるから、特許請求の範囲の請求項2の記載は明確である。

2 本件発明6について
申立人は、本件発明6の「複数の広告情報と、ユーザ毎の将来又は過去の移動情報と、ユーザ毎のスケジュールと、を記憶する記憶手段にアクセス可能で、且つ、ユーザの端末装置と通信可能なコンピュータを、」という記載に関し、本件発明6の当該記載では、「移動情報」と「スケジュール」とが明確に書き分けられているが、本件特許明細書の段落【0033】には、「このスケジュールには、ユーザの将来又は過去の移動情報を含む。」と記載され、段落【0035】には、「これらのスケジュール51は、移動以外の目的(会議や講演等)の通常スケジュール51Aや、□□駅から〇×駅まで電車で移動という、ユーザの移動情報を示す移動スケジュール51Bを含む。」と記載されていることから、本件発明6の「移動情報」と「スケジュール」が別のものであるのか、それとも、「移動情報」は「スケジュール」に含まれている情報であるのかが不明確であり、これによって、本件発明6の技術的範囲が不明確である旨を主張している。
ここで、本件特許明細書及び図面には、「スケジュール」について、次のように記載されている。
「【0035】
図4に示すように、カレンダー50Dは、複数のスケジュール51を含む。これらのスケジュール51は、移動以外の目的(会議や講演等)の通常スケジュール51Aや、□□駅から○×駅まで電車で移動という、ユーザの移動情報を示す移動スケジュール51Bを含む。」



図4からは、開始時間と終了時間とで特定された時間帯に、会議、移動、講演の目的が示されたスケジュールが見てとれる。
よって、本件特許明細書及び図面の記載によると、カレンダーに含まれる「スケジュール」には、「通常スケジュール」と「移動スケジュール」とがあり、「移動スケジュール」には、「□□駅から○×駅まで電車で移動という、ユーザの移動情報」が示されるものであって、「スケジュール」とは、カレンダーに含まれる開始時間と終了時間とで特定される時間帯に対して、目的が特定された予定のことであり、「移動情報」とは、「スケジュール」のうち、目的が移動である「移動スケジュール」の内容として示された「□□駅から○×駅まで電車で移動」といったものであることは明らかであるから、本件特許明細書及び図面の記載において、「スケジュール」と「移動情報」とは明確に区別されている。
さらに、本件発明6の「移動情報」及び「スケジュール」の技術的意味について以下に検討する。
「移動情報」について、本件特許明細書の段落【0033】には、
「具体的には、移動情報としては、将来の移動予定や過去の移動履歴が挙げられる。移動予定としては、ユーザが将来移動する予定の出発地から目的地までの移動経路情報や、ユーザにより移動に使用する予定の交通機関情報、ユーザの目的地での移動目的を示す目的情報等が挙げられる。移動履歴としては、ユーザが過去に移動した出発地から目的地までの移動経路情報や、ユーザにより過去に使用された交通機関情報、ユーザの目的地での移動目的を示す目的情報等が挙げられる。」
と記載され、段落【0038】には、
「決定手段56は、取得手段52が取得した移動情報に基づき、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定し、端末装置12に出力する機能を有する。また、決定手段56は、複数の広告情報50Bのうち移動経路情報が示す移動経路の周辺に存在する施設の広告情報50Bを決定してもよい。また、決定手段56は、複数の広告情報50Bのうち交通機関情報が示す交通機関で移動可能な施設の広告情報50Bを決定してもよい。」
と記載されるように、「移動情報」は「移動経路情報」や「交通機関情報」を含み、「移動経路情報」が示す移動経路の周辺に存在する施設の広告情報や、「交通機関情報」が示す交通機関で移動可能な施設の広告情報を決定するための情報を意図したものであることから、「移動情報」は、ユーザの過去の移動履歴又は将来の移動予定の情報であって、地理的な条件に合致した広告情報を決定するための情報であるといえる。
次に、「スケジュール」について、本件特許明細書の段落【0073】には、
「具体的には、決定手段56は、取得手段52が取得したスケジュール51の空き時間に基づいて、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定してもよい。より具体的には、決定手段56は、ユーザのスケジュール51において12時〜13時の間が空いている場合には、ランチが食べれるレストランの広告情報50Bを決定する。また、決定手段56は、ユーザのスケジュール51において18時〜20時の間が空いている場合には、ディナーが食べれるレストランの広告情報50Bを決定する。また、決定手段56は、ユーザのスケジュール51において22時〜24時の間が空いている場合には、その時間帯に空いているレストランの広告情報50Bを決定する。また、決定手段56は、ユーザのスケジュール51において、土日が空いている場合には旅行に関する広告情報50Bを決定し、土曜日又は日曜日のみが空いている場合には美容室の広告に関する広告情報50Bを決定してもよい。」
と記載されるように、「スケジュール」は、ユーザのスケジュールの空き時間に基づいて広告情報を決定するための情報を意図したものであることから、「スケジュール」は時間的な条件に合致した広告情報を決定するための情報であるといえる。
よって、「移動情報」と「スケジュール」とは、本件特許明細書及び図面において、明確に区別された情報であって、その技術的意味もそれぞれ、異なる観点で広告情報を決定するための情報であるから、本件発明6について、「移動情報」と「スケジュール」とを別の情報として分けて記載した特許請求の範囲の請求項6の記載は明確である。

3 理由3についてのまとめ
以上のとおり、本件発明2、6について、特許請求の範囲の請求項2、6の記載は、明確であるから、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしている。

第8 理由4(特許法第36条第4項第1号)についての当審の判断
1 本件発明4、10について
申立人は、本件特許明細書には、移動情報とユーザの住所情報との双方に基づいて広告を出力する技術についての説明がないため、本件発明4は実施可能要件に違反し、本件発明10に関しても同様に実施可能要件に違反する旨を主張している。
これに関して、本件特許明細書には、次の記載がある。なお、下線は、当審が付与した。
「【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザに最適な広告情報を出力することができるプログラム及び情報処理装置を提供することにある。」
「【0032】
記憶手段50は、ウェブページ50Aと、広告情報50Bと、ユーザ毎のユーザ情報50Cと、ユーザ毎のカレンダー50Dと、を記憶する機能を有する。
【0033】
ウェブページ50Aは、後述するトップページやスケジュールページ等、一又は複数のウェブページを含む。広告情報50Bとしては、広告が掲載されているURL(Uniform Resource Locator)や、広告そのものを示す情報等が挙げられる。広告情報50Bは、商品、サービス又は/及び施設の広告情報を含む。ユーザ情報50Cは、ユーザの名前や住所、年齢、性別、ログイン情報(ユーザIDやパスワード)、家族情報等を含む。カレンダー50Dは、1日毎に、ユーザの一又は複数のスケジュールを含む。このスケジュールには、ユーザの将来又は過去の移動情報を含む。具体的には、移動情報としては、将来の移動予定や過去の移動履歴が挙げられる。移動予定としては、ユーザが将来移動する予定の出発地から目的地までの移動経路情報や、ユーザにより移動に使用する予定の交通機関情報、ユーザの目的地での移動目的を示す目的情報等が挙げられる。移動履歴としては、ユーザが過去に移動した出発地から目的地までの移動経路情報や、ユーザにより過去に使用された交通機関情報、ユーザの目的地での移動目的を示す目的情報等が挙げられる。移動目的としては、会議や食事、旅行、宿泊、デート、遊び、飲み会、講演会等が挙げられる。本実施形態では、移動情報が移動履歴である場合を説明する。」
「【0036】
図3に戻って、取得手段52は、端末装置12から要求があった場合、当該端末装置12のユーザに対応するカレンダー50Dに含まれる移動情報を記憶手段50から取得する機能を有する。また、取得手段52は、移動情報の代わりに、又は、移動情報と共に、ユーザの住所情報が示す住所の天候情報を通信ネットワークNT上の不図示のサーバ装置から取得してもよい。また、取得手段52は、端末装置12から要求があった場合、当該端末装置12のユーザに対応する住所情報を記憶手段50のユーザ情報50Cから取得してもよい。」
「【0038】
決定手段56は、取得手段52が取得した移動情報に基づき、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定し、端末装置12に出力する機能を有する。また、決定手段56は、複数の広告情報50Bのうち移動経路情報が示す移動経路の周辺に存在する施設の広告情報50Bを決定してもよい。また、決定手段56は、複数の広告情報50Bのうち交通機関情報が示す交通機関で移動可能な施設の広告情報50Bを決定してもよい。また、決定手段56は、推測手段54により推測された嗜好に基づき、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定してもよい。また、決定手段56は、当該端末装置12のユーザに対応する住所情報に基づき、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定してもよい。具体的には、決定手段56は、当該端末装置12のユーザに対応する住所情報が示す住所の周辺の施設の広告情報を決定してもよい。また、決定手段56は、当該端末装置12のユーザに対応する住所情報が示す住所と目的地の間の移動経路の周辺の施設の広告情報を決定してもよい。また、決定手段56は、取得手段52が取得した天候情報に基づいて、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定してもよい。なお、上記「周辺の施設」とは、例えば、移動経路から予め定められた距離の範囲内に存在する施設である。この予め定められた距離は、ユーザ又はサーバ装置10の管理者等の操作により、適宜変更が可能である。」
「【0073】
例えば、上記実施形態では、決定手段56は、ユーザの移動情報に基づき、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定する場合を説明したが、カレンダー50Dに含まれる、移動情報の代わりに、又は、移動情報と共に、ユーザのスケジュール51に基づき、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定してもよい。すなわち、取得手段52は、端末装置12から要求があった場合、当該端末装置12のユーザに対応するスケジュール51を記憶手段50から取得し、決定手段56は、取得手段52が取得したスケジュール51に基づいて、複数の広告情報50Bのうち少なくとも一つの広告情報を決定してもよい。(以下、省略)」
本件特許明細書の上記記載によると、本件発明4は、ユーザに最適な広告情報を出力することを目的とするものである。また、本件特許明細書によると、決定手段が少なくとも一の広告を決定するために、移動情報のみで行うだけではなく、移動情報と共にユーザの住所情報が示す住所の天候情報に基づき行うこと、移動情報と共にスケジュールに基づき行うことも示唆されている。そして、これらの情報に基づき少なくとも一の広告を決定することは、広告の検索処理によって実現できることは明らかである。そして、ユーザに関する情報が多いと、広告の絞り込みができることも技術常識である。このような本件特許明細書において、【0038】には、移動情報に基づき少なくとも一の広告を決定すること、ユーザに対応する住所情報に基づき少なくとも一の広告を決定することが記載されていることから、当業者であれば、ユーザに最適な広告情報を出力するために、一般的な検索技術を考慮して、移動情報と共にユーザに対応する住所情報とに基づき少なくとも一の広告を決定することを実施できることは明らかである。
したがって、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載は、当業者が本件発明4を実施できる程度に明確かつ十分に記載されたものである。また、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載は、同様の理由により、当業者が本件発明10を実施できる程度に明確かつ十分に記載されたものである。

2 本件発明5について
申立人は、本件特許明細書には、段落【0070】の記載から、ユーザの自宅の天候情報のみを用いて広告を決定すること及び移動情報のみを用いて広告を決定することは容易に想到できるものの、これらの二つの情報を用いてどのように広告を決定するのかはこの記載からは不明であるから、当業者であっても本件明細書の内容から本件発明5に記載の発明を実装することはできず、本件発明5は実施可能要件に違反する旨を主張している。
上記1と同様に、本件特許明細書の上記記載によると、本件発明5は、ユーザに最適な広告情報を出力することを目的とするものである。また、本件特許明細書【0036】に決定手段が少なくとも一の広告を決定するために、移動情報のみで行うだけではなく、移動情報と共にユーザの住所情報が示す住所の天候情報に基づき行うことも示唆されている。そして、これらの情報に基づき少なくとも一の広告を決定することは、広告の検索処理によって実現できることは明らかである。そして、ユーザに関する情報が多いと、広告の絞り込みができることも技術常識である。そうすると、移動情報とユーザの住所が示す住所の天候情報に基づき、少なくとも一の広告を決定することは、移動情報とユーザの住所が示す住所の天候情報とを広告の検索条件としているにすぎないことから、当業者であれば、そのような検索処理を実施できることは明らかである。
したがって、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載は、当業者が本件発明5を実施できる程度に明確かつ十分に記載されたものである。

3 理由4についてのまとめ
以上によると、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載は、当業者が本件発明4、5、10を実施できる程度に明確かつ十分に記載されたものであるから、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしている。

第9 むすび
以上のとおり、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1〜10に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1〜10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。

 
異議決定日 2021-12-08 
出願番号 P2019-192645
審決分類 P 1 651・ 537- Y (G06Q)
P 1 651・ 536- Y (G06Q)
P 1 651・ 121- Y (G06Q)
P 1 651・ 113- Y (G06Q)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 高瀬 勤
特許庁審判官 松田 直也
古川 哲也
登録日 2021-01-15 
登録番号 6824538
権利者 株式会社MaaS Tech Japan
発明の名称 プログラム及び情報処理装置  
代理人 小林 功  
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