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審決分類 |
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 C08B 審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備 C08B 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 C08B 審判 全部申し立て 2項進歩性 C08B |
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管理番号 | 1385227 |
総通号数 | 6 |
発行国 | JP |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2022-06-24 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2022-02-18 |
確定日 | 2022-05-30 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第6921351号発明「粉末状セルロース、その用途及び製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6921351号の請求項1ないし7に係る特許を維持する。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6921351号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし7に係る特許についての出願は、令和2年9月1日を出願日とする特願2020−147148号の一部を令和3年3月16日に新たな特許出願としたものであって、同年7月29日にその特許権の設定登録(請求項の数7)がされ、同年8月18日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許に対し、令和4年2月18日に特許異議申立人 赤松 智信(以下、「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立て(対象請求項:請求項1ないし7)がされたものである。 第2 本件特許発明 本件特許の請求項1ないし7に係る発明(以下、順に「本件特許発明1」のようにいい、総称して「本件特許発明」という。)は、それぞれ、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 平均粒子径が5〜150μmであり、水中分散性(BS)が15.0%を超えて20.0%以下であり、且つ、湿式測定において体積蓄積分布の積算値が90%となるときの粒子径分布が100μm以上である粉末状セルロース。 【請求項2】 長径/短径比が、3.5〜8.0である、請求項1に記載の粉末状セルロース。 【請求項3】 請求項1又は2に記載の粉末状セルロースを含む賦形剤。 【請求項4】 請求項1又は2に記載の粉末状セルロースを含む成形体。 【請求項5】 請求項1又は2に記載の粉末状セルロースを含む、食品添加剤。 【請求項6】 請求項1又は2に記載の粉末状セルロースを含む、化粧品添加剤。 【請求項7】 請求項1又は2に記載の粉末状セルロースを含む、工業用添加剤。」 第3 特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要 令和4年2月18日に特許異議申立人が提出した特許異議申立書(以下、「特許異議申立書」という。)に記載した申立ての理由の概要は次のとおりである。 1 申立理由1(甲第1号証に基づく新規性) 本件特許の請求項1、3及び4に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1、3及び4に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。 2 申立理由2(甲第1号証に基づく進歩性) 本件特許の請求項1ないし7に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、同法同条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1ないし7に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。 3 申立理由3(サポート要件) 本件特許の請求項1ないし7に係る特許は、下記の点で特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し取り消すべきものである。 ・本件特許明細書において、本件特許発明の効果を奏することが記載されているのは、「セルロース原料の酸加水分解処理を行い、気流式乾燥機を用いる乾燥処理などの前処理を行った後に、粉砕処理を行うこと」によって調製された粉末状セルロースのみであるにもかかわらず、本件特許発明には、気流式乾燥機を用いる乾燥処理以外の乾燥処理を行って調製された粉末状セルロースも含まれる。 したがって、本件特許発明は、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載された発明ではない。 4 申立理由4(実施可能要件) 本件特許の請求項1ないし7に係る特許は、下記の点で特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し取り消すべきものである。 ・上記3で示した点で、本件特許明細書には、本件特許発明の全範囲において当業者が実施できるように記載されていない。 5 証拠方法 甲第1号証:旭化成株式会社セオラス営業部、「セオラスレポート Vol.9」、平成28年4月1日発行、第13〜26ページ 甲第2号証:旭化成ケミカルズ株式会社セオラス営業部、「セオラスレポート Vol.8」、平成24年11月20日発行、第2〜7ページ 甲第3号証:特開2020−164820号公報 甲第4号証:特開2020−164821号公報 甲第5号証:旭化成株式会社、CEOLUS.com「製品情報 セオラス○R(当審注:○Rは、Rを○で囲んだ記号である。以下、同様。)概要」、[on line]、[検索・出力日:令和4年2月7日]、インターネット<https://www.ceolus.com/ja/pharma/products/ceolus_outline/?t=tab02#content03> 甲第6号証:日本製紙株式会社、特願2020−147148の令和2年12月25日提出の意見書、特許情報プラットフォーム J-PlatPat 経過情報照会 [on line]、[検索・出力日:令和4年2月7日] 証拠の表記は、特許異議申立書の記載におおむね従った。以下、順に「甲1」のようにいう。 第4 当審の判断 1 主な証拠に記載された事項等 (1)甲1に記載された事項等 ア 甲1に記載された事項 甲1には、おおむね次の事項が記載されている。なお、下線は当審で付したものである。他の証拠についても同様。 ・「2.結晶セルロースセオラス○R各種グレードについて セオラス○Rには様々なグレードがあり、用途に応じて選択することにより製剤設計の幅が広がる。以下にそれぞれのグレードの特徴について簡単に説明する。図1、表1に結晶セルロース(MCC)グレードの製剤特性及び粉体物性について示す。」(第13ページ第14ないし17行) ・「 」 (第13ページ右下) ・「崩壊時間:崩壊試験機(NT−40 HS、富山産業製)を用い、純水37℃、ディスク無しの条件にて測定した錠剤6個の平均値とした。」(第14ページ第20及び21行) ・「崩壊性:UFグレードはKG、PH−100系に比べて速い崩壊性を示した。これは、UFがポーラスな形状のため水が入りやすく膨潤しやすいためと推測。」(第14ページ第32及び33行) ・「 」(第15ページ中段) ・「崩壊時間:崩壊試験機(NT−40 HS、富山産業製)を用い、純水37℃、ディスク無しの条件にて測定した錠剤6個の平均値とした。」(第20ページ下から2及び1行) ・「 」(第21ページ右下) イ 甲1に記載された発明 甲1に記載された事項を、結晶セルロースセオラスのグレードのうち「UF−702」に関して整理すると、甲1には次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認める。 <甲1発明> 「平均粒径が90μmであり、崩壊性に優れている、登録商標名「セオラス」である「UF−702」というグレードの結晶セルロース。」(以下、当該結晶セルロースを「結晶セルロースセオラスUF−702」という。) (2)甲3に記載された事項 甲3には、「粉末状セルロース及びその製造方法、並びにその用途」に関して、おおむね次の事項が記載されている。 ・「【請求項1】 平均粒子径が5〜70μmであり、水中分散性(BS)が5〜15%である、粉末状セルロース。」 ・「【0040】 <平均粒子径> マスターサイザー3000、スペクトリス社製を用いて測定した。測定原理としてレーザー散乱法を用いて、粒度分布を蓄積分布として表した場合に、体積蓄積分布の積算値が50%となる値を平均粒子径とした。」 ・「【0053】 <比較例3> 市販の粉末状セルロースUF−F702(旭化成社製)を比較例3の粉末状セルロースとして用いた。各種物性値、並びに錠剤崩壊性及び錠剤硬度を表1に記す。」 ・「【0055】 【表1】 」 (3)甲4に記載された事項 甲4には、「粉末状セルロース及びその製造方法、並びにその用途」に関して、おおむね次の事項が記載されている。 ・「【請求項1】 平均粒子径が5〜70μmであり、下記式(α)で表される水中残存率が60〜95%である、粉末状セルロース。 (α):超音波を当てた湿式粒子径分布(D.50)/乾式粒子径分布(D.50)×100」 ・「【0040】 <平均粒子径> マスターサイザー3000、スペクトリス社製を用いて測定した。測定原理としてレーザー散乱法を用いて、粒度分布を蓄積分布として表した場合に、体積蓄積分布の積算値が50%となる値を平均粒子径とした。」 ・「【0053】 <比較例3> 市販の粉末状セルロースUF−F702(旭化成社製)を比較例3の粉末状セルロースとして用いた。各種物性値、並びに錠剤崩壊性及び錠剤硬度を表1に記す。」 ・「【0055】 【表1】 」 (4)甲5に記載された事項 甲5には、おおむね次の事項が記載されている。 ・「 」(第1/2ページ) ・「 」(第2/2ページ) (5)甲6に記載された事項 甲6には、おおむね次の事項が記載されている。 ・「本願発明における水中分散性(BS)は、セルロースの粒子形状およびフィブリル化の程度を示す指標である」(第2/6ページ第13及び14行) ・「引用文献1の実施例等では送風乾燥を実施しており、後述するとおり本願発明のBSを達成するために重要な要素の1つである気流式乾燥ではないことによります。 従って、引用文献1に記載されているセルロース粒子は、アルカリ処理や凝集体化以外の条件による変動を考慮しても、BSが15.0%を超えない点で、本願発明のセルロース粒子とは区別されます。」(第2/6ページ第24ないし30行) ・「しかし、引用文献1に関し述べましたように、粉末状セルロースの物性には酸濃度だけでなく様々な調製条件が影響することは当分野の技術常識です。」(第4/6ページ第4及び5行) ・「本願請求項8記載の発明においては、セルロース原料の酸加水分解処理を行い、気流式乾燥機を用いる乾燥処理などの前処理を行った後に、粉砕処理を行うことにより、平均粒子径が5〜150μmであり、水中分散性(BS)が15.0%を超えて20.0%以下である粉末状セルロースを効率よく得ることができます。」(第4/6ページ第31ないし34行) 2 申立理由1(甲1に基づく新規性)及び申立理由2(甲1に基づく進歩性)について (1)本件特許発明1について 本件特許発明1と甲1発明を対比する。 甲1発明における「結晶セルロースセオラスUF−702」は、その測定方法が不明であるものの90μmの平均粒径を持つものであるから、「粉末状セルロース」であることは明らかである。 そうすると、両者は次の点で一致する。 <一致点> 「粉末状セルロース。」 そして、両者は次の点で相違又は一応相違する。 <相違点1> 本件特許発明1においては、「平均粒子径が5〜150μmであり」(当審注:測定方法は本件特許明細書の記載から「湿式測定」であると解される。)と特定されているのに対し、甲1発明においては、「平均粒径が90μm」(当審注:ただし、その測定方法は不明である。)であると特定されている点。 <相違点2> 本件特許発明1においては、「水中分散性(BS)が15.0%を超えて20.0%以下であり」と特定されているのに対し、甲1発明においては、そのようには特定されていない点。 <相違点3> 本件特許発明1においては、「湿式測定において体積蓄積分布の積算値が90%となるときの粒子径分布が100μm以上である」と特定されているのに対し、甲1発明においては、そのようには特定されていない点。 そこで、事案に鑑み、相違点3から検討する。 甲1発明が「湿式測定において体積蓄積分布の積算値が90%となるときの粒子径分布が100μm以上である」ことを示す記載は甲1にはないし、そのことを認めるに足りる証拠もない。 仮に、甲5に記載された事項から、甲1発明(結晶セルロースセオラスUF−702)と甲3及び4に記載された「セオラスUF−F702」の粉体特性が同じであるといえ、甲1発明における「湿式測定」による「平均粒子径」が「21.3μm」であるといえたとしても、甲1発明における「湿式測定において体積蓄積分布の積算値が90%となるときの粒子径分布」が「100μm以上」であることにはならないし、そうなる蓋然性が高いともいえない。 なお、特許異議申立人は、「賦形剤として使用される粉末状セルロースD90は、一般的に100μm以上である。実際に、本件明細書の表1のデータによれば、D50が最も小さい比較例2の粉末状セルロースでも、D90は100μm以上であるし、そもそも、表1に記載の全ての粉末状のセルロースのD90は100μm以上である。したがって、仮に、粉末状セルロース「セオラスUF−702」の湿式測定で測定されたD90が21.3μm程度であったとしても、湿式測定で測定されたD90は100μm以上である蓋然性が高い。」旨主張する(特許異議申立書第22ページ第9ないし15行)が、本件特許明細書は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものではなく、新規性・進歩性の判断の根拠とすることはできないので、該主張は採用できない。 したがって、相違点3は実質的な相違点である。 また、甲1発明において、「湿式測定において体積蓄積分布の積算値が90%となるときの粒子径分布」に着目し、これを「100μm以上である」とする動機付けは見当たらない。 なお、特許異議申立人は、「錠剤の賦形剤として使用される粉末状セルロースの湿式測定で測定されたD90は、一般的に100μm以上である。実際に、本件明細書の実施例のうち、実施例1〜6と比較例1〜2のD90は、いずれも100μm以上である。このため、仮に、甲1発明の粉末状セルロース「セオラスUF−702」の湿式測定で測定されたD90が100μm未満であったとしても、他の粉末状セルロースと同様に、D90を100μm以上とすることは、当業者が通常行う設計事項に過ぎない。」旨主張する(特許異議申立書第26ページ第3ないし9行)が、上記のとおり、本件特許明細書は、新規性・進歩性の判断の根拠とすることはできないので、該主張も採用できない。 したがって、甲1発明において、相違点3に係る本件特許発明1の発明特定事項を採用することは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。 よって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は甲1発明であるとはいえないし、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。 (2)本件特許発明2及び5ないし7について 本件特許発明2及び5ないし7は、請求項1を直接又は間接的に引用するものであり、本件特許発明1の発明特定事項を全て有するものであるから、本件特許発明1と同様に、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 (3)本件特許発明3及び4について 本件特許発明3及び4は、請求項1を直接又は間接的に引用するものであり、本件特許発明1の発明特定事項を全て有するものであるから、本件特許発明1と同様に、甲1発明であるとはいえないし、甲1発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。 (4)申立理由1及び2についてのむすび したがって、本件特許発明1、3及び4は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるとはいえないから、本件特許の請求項1、3及び4に係る特許は、同法第113条第2号に該当しないので、申立理由1によっては取り消すことはできない。 また、本件特許発明1ないし7は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるともいえないから、本件特許の請求項1ないし7に係る特許は、同法第113条第2号に該当しないので、申立理由2によっては取り消すことはできない。 3 申立理由3(サポート要件)について (1)判断基準 特許請求の範囲の記載が、サポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。 そこで、検討する。 (2)特許請求の範囲の記載 本件特許の特許請求の範囲の記載は、上記第2のとおりである。 (3)発明の詳細な説明の記載 本件特許の発明の詳細な説明にはおおむね次の記載がある。 ・「【技術分野】 【0001】 本発明は、粉末状セルロース、その用途及び製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 粉末状セルロースは、増粘性、乳化安定性、保水性、吸油性、保形性等の特徴を有する。そのため、粉末状セルロースは、食品添加剤、錠剤賦形剤、分散剤、保形剤、保水剤、ろ過助剤、充填剤、塗料・接着剤用添加剤等の用途として、食品、医薬、化粧品、建材、窯業、ゴム、プラスチック等の幅広い分野で使用されている。中でも、安全性が高いことから、食品添加剤、錠剤賦形剤の用途において汎用されている。 ・・・(略)・・・ 【発明が解決しようとする課題】 【0006】 しかしながら、各文献には、粉末状セルロースの物性と、得られる成形体の崩壊性について特段記載されていない。 【0007】 本発明は、成形体とした際に、崩壊性が良好な粉末状セルロースを提供することを目的とする。」 ・「【課題を解決するための手段】 【0008】 本発明は、以下の[1]〜[8]を提供する。 [1]平均粒子径が5〜150μmであり、水中分散性(BS)が15.0%を超えて20.0%以下である粉末状セルロース。 [2]長径/短径比が、3.5〜8.0である、[1]に記載の粉末状セルロース。 [3][1]又は[2]に記載の粉末状セルロースを含む賦形剤。 [4][1]又は[2]に記載の粉末状セルロースを含む成形体。 [5][1]又は[2]に記載の粉末状セルロースを含む、食品添加剤。 [6][1]又は[2]に記載の粉末状セルロースを含む、化粧品添加剤。 [7][1]又は[2]に記載の粉末状セルロースを含む、工業用添加剤。 [8]セルロース原料の酸加水分解処理、粉砕処理の前処理及び粉砕処理を少なくとも含み、前処理は、気流式乾燥機を用いる乾燥処理を少なくとも含む、[1]又は[2]に記載の粉末状セルロースの製造方法。」 ・「【発明の効果】 【0009】 本発明によれば、錠剤等の成形体とした際に、崩壊性の良好な粉末状セルロースを提供できる。」 ・「【発明を実施するための形態】 【0010】 以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。なお、本明細書中、「AA〜BB」の表記は、AA以上BB以下を示すものとする。 【0011】 [粉末状セルロース] 本発明の粉末状セルロースは、以下の物性を有することが好ましく、通常は以下の物性のうち所定の平均粒子径及び水中分散性(BS)を少なくとも有する。 【0012】 <水中分散性(BS)> 粉末状セルロースの水中分散性(BS)は、通常14.5以上、又は15.0%以上、好ましくは15.3%以上、より好ましくは15.5%以上である。上限は、通常20.0%以下、好ましくは19.0%以下、より好ましくは18.5%以下である。従って、水中分散性(BS)は、通常14.5以上20.0%以下、好ましくは15.3〜19.0%、より好ましくは15.5〜18.5%である。水中分散性が上記の範囲であることにより、粉末状セルロースから調製した成形体を体内投与した際に均等に分散する等良好な分散性が発揮でき、吸収効率の向上が期待できる。 【0013】 水中分散性は、粉末状セルロースの形状に影響するものと推測され、粉末状セルロースの物性(例えば、粒子形状(例えば、球状、棒状、折れ曲がった棒状)、フィブリル化の程度)を総合的に表す指標といえる。水中分散性が上記範囲であることにより、粉末状セルロースから得た成形体は、適度な沈降性を有し、また、セルロース表面の毛羽立ち(フィブリル化)による繊維結合を有するため、良好な崩壊性を示し得る。 【0014】 水中分散性は、以下の条件で測定できる。粉末状セルロースの0.5重量%水分散液15mLを500rpmで30秒攪拌し、攪拌子を素早く取り除いた後に直径25mmの筒状のガラス製セルに注ぎ、セル中の測定試料の底部から高さ16mmの位置に、波長が880nmである入射光を照射する。入射光に対して135°の位置で測定試料からの後方散乱光を検出して、測定開始から30分後の後方散乱光強度(%)を測定する。測定は、測定試料の調製から1分以内に開始する。 【0015】 <粒子径分布、平均粒子径、粒子径分布のスパン> 粉末状セルロースの粒子径分布は、体積蓄積分布の積算値が10%、50%、90%となるときの粒子径分布(10%径、50%径、90%径、それぞれ、D.10、D.50、D.90)として表すことができる。本明細書において粒子径分布は、測定原理としてレーザー散乱法を用いて、湿式測定にて得られる値である。 【0016】 粒子径分布のスパンは、粒子径分布の広さを示す数値である。粉末状セルロースの形状に影響するものと推測され、本発明においては粉末状セルロースの粒子形状(球状、棒状、折れ曲がった棒状など)や、繊維凝集などの状態を総合的に表す指標といえる。粒度分布のスパンが適切な範囲である粉末状セルロースは、適度な繊維長、繊維幅を有し、成形した際に繊維どうしが結合することで、崩壊しにくい。 【0017】 粒子径分布のスパンは、各方法により得られるD.10、D.50、D.90を下記式(1)に代入して算出する。 式(1):粒子径分布のスパン=((D.90)−(D.10))/(D.50) 【0018】 −湿式測定の条件− 本明細書において湿式条件とは、そのまま試料の粒子径を測定する条件を言う。湿式条件のD.10、D.50、D.90、スパンの好ましい範囲は以下のとおりである。 D.10は、通常5μm以上、10.0μm以上又は14.0μm以上、好ましくは15.0μm以上、より好ましくは15.5μm以上である。上限は、通常40.0μm以下又は25.0μm以下、好ましくは24.0μm以下、より好ましくは23.0μm以下である。 D.50(平均粒子径)は、通常、5.0μm以上、10.0μm以上、20.0μm以上、30.0以上、40.0μm以上又は45.0μm以上、好ましくは46.0μm以上又は47.0μm以上、より好ましくは48.0μm以上である(但し、D.10よりも大きい値である)。これにより、粉末状セルロースの凝集性の上昇及びこれに起因する粉体流動性の低下を抑制でき、作業性の悪化を抑制できる。上限は、通常150.0μm以下、140.0μm以下、130.0μm以下、120μm以下又は110.0μm以下、好ましくは100μm以下、95.0μm以下又は90.0μm以下、より好ましくは85.0μm以下、更に好ましくは83.0μm以下である。これにより、崩壊性が良好な成形体を得ることができる。 D.90は、通常、100.0μm以上、110.0μm以上又は115.0μm以上、好ましくは120.0μm以上、125.0μm以上又は130.0μm以上、より好ましくは135μm以上、更に好ましくは140.0μm以上である(但し、D.50よりも大きい値である)。上限は、250.0以下、240.0μm以下、又は230μm以下、好ましくは220μm以下又は210μm以下、より好ましくは200μm以下、更に好ましくは195μm以下である。 粒子径分布のスパンは、通常1.5以上、好ましくは1.7以上、より好ましくは1.9以上、更に好ましくは2.0以上である。上限は、通常4.0以下、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.1以下である。」 ・「【0022】 <長径/短径比(L/D)> 粉末状セルロースの長径/短径比(L/D)は、通常3.5〜7.0であり、好ましくは3.5〜6.5であり、より好ましくは4.0〜6.0である。」 ・「【0025】 [粉末状セルロースの製造方法] 粉末状セルロースの製造方法としては、セルロース原料から粉末状セルロースを得る方法であれば特に限定されないが、例えば、少なくとも粉砕処理を含む方法が挙げられ、不純物が少ない粉末状セルロースが得られやすい点で、酸加水分解処理をさらに行う方法が好ましい。 【0026】 <セルロース原料> セルロース原料は、通常は天然由来のセルロースであり、パルプが好ましく、木材由来のパルプがより好ましい。・・・(略)・・・ 【0028】 <酸加水分解処理> 酸加水分解処理に用いる酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸が挙げられる。酸濃度は、特に限定されない・・・(略)・・・ 【0030】 <中和・洗浄・脱液・乾燥処理> 加水分解処理後、得られる処理物は、粉砕処理の前に適宜前処理を経る。前処理としては例えば、中和、洗浄、脱液、乾燥処理が挙げられ、中和、洗浄、脱液、乾燥処理をこの順に行うことが好ましい。中和処理は、アルカリ剤を添加して行えばよい。脱液処理は通常は固液分離処理であり、加水分解処理物から廃酸を分離できる。さらに、加水分解物は、乾燥(脱水)処理を経てもよい。これにより、固形分濃度を調整でき、粉末状セルロースの物性値の制御が容易にできる。固形分濃度は、通常、15%以上、好ましくは20%以上に調整される。乾燥は、気流式乾燥機を用いることが好ましい。これにより、加水分解後の処理物がケーキ状固体、スラリー、溶液等の態様にかかわらず、これらを気流中に分散しながら高速の熱風を当てることができ、かつ、ドライヤー内部の減圧効果を利用でき、瞬時に乾燥できる。また、熱風に触れる時間が極めて短いため、製品温度を低く保つことができ、熱に敏感な製品や融点の低い製品の乾燥に最適である。気流式乾燥機による乾燥の条件は特に限定されず、適宜設定できるが、一例を挙げると以下のとおりである。出口乾燥温度は、通常80〜180℃、好ましくは90℃〜160℃である。給気量は、通常150〜350m3/h、好ましくは160〜320m3/hである。 一方、噴霧乾燥機を用いる場合、噴霧し熱風で瞬時に乾燥させ顆粒物を生成する。そのため、水分量が少ない固形状・半固形状の対象物の乾燥には適さないことが多く、気流式乾燥機による乾燥よりも粒子が瞬間的に高熱に暴露されやすく、製品への影響が懸念される。 【0031】 <粉砕処理> 粉砕処理は、前工程を経た処理物を機械的に粉砕する処理である。粉砕と同時、又は粉砕後に、分級処理を行ってもよい。 【0032】 粉砕機としては、以下を例示できる。 ・・・(略)・・・が好ましい。」 ・「【0036】 〔粉末状セルロースの用途〕 粉末状セルロースは、成形体の賦形剤として用いることができる。これにより、成形体は良好な崩壊性を示すことができ、有効成分とともに粉末状セルロースを含む成型体は、良好な徐放性を示すことができる。成形体の剤型としては、例えば、錠剤が挙げられる。 【0037】 粉末状セルロースは、食品添加剤として用いることができる。これにより、食品の物性を改良し、又は品質を向上させることができる。食品としては、例えば、シュレッドチーズ、フライ製品、パン粉、ハムやソーセージのケーシングやそれらのピックル液、チキンサラダ、粉末調味料、練り製品、人工米、グミ製品、スープ類、ハンバーグ、餃子、焼き菓子、ソフトクリーム、から揚げ、パン、ドーナッツ、ホイップクリーム等の加工食品が挙げられる。 【0038】 粉末状セルロースの他の用途としては、例えば、衛生用品/化粧品添加剤(例えば、洗顔剤、歯磨剤、ファンデーション用)、工業用添加剤(例えば、ポリプロピレン、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の樹脂用)、ろ過助剤(例えば、レアメタル、食品用)、塗料/接着剤添加剤(例えば、ウレタン塗料用)、飼料(例えば、ペットフード、釣り餌)が挙げられる。」 ・「【実施例】 【0039】 以下に実施例を挙げて本発明を具体的に示すが、本願は勿論、かかる実施例に限定されるものではない。本願の実施例における試験方法を、次に示す。なお、物性値等の測定方法は、別途記載がない限り、上記に記載した測定方法である。 ・・・(略)・・・ 【0042】 <錠剤崩壊性> 粉末状セルロース100%の錠剤は、以下のようにして作製した。試料0.3gを、臼(市橋精機社製、直径8mm)に入れ、直径8mmの杵(市橋精機社製)で圧縮した。粉末状セルロース100%を5MPaで圧縮し、その応力を10秒間保持し、錠剤を作製した(圧縮機はエナパック社製、HANDTAB−100を使用した)。 【0043】 作製した錠剤を試験管に入れ、純水20mlを加えた。振動機(アドバンテック東洋社製、振とう機TBK型)で3時間振動した後、75μm(JIS規格Z8801ワイヤー)を通過させ、残渣を回収した。残渣を105℃で乾燥し、重量を求め、作製した錠剤の重量に対する割合を求めた。測定は3回行い、その平均値を算出した。錠剤崩壊性が40%以下の場合良好、40%超65%以下の場合やや良好、65%超の場合不良、とそれぞれ判断できる。 【0044】 <水中分散性(BS)> 粉末状セルロースを純水で濃度0.5重量%に調整し、500rpmの条件で30秒間撹拌して測定試料を調製した。攪拌子を素早く取り除いた後に、調製した測定試料15mLを、直径25mmの筒状のガラス製セルに注ぎ、セル中の測定試料の底部から高さ16mmの位置に、波長が880nmである入射光を照射した。入射光に対して135°の位置で測定試料からの後方散乱光を検出して後方散乱光強度(%)を測定した。測定は、測定試料の調製から1分以内に開始した。測定試料の後方散乱光強度を測定する装置として、英弘精機社製「タービスキャンLab」を使用した。 【0045】 <粒子径分布、平均粒子径、粒子径分布のスパン> レーザー回析式粒度分布測定装置(マスターサイザー3000、スペクトリス社マルバーンパナリティカル事業部)を用いた。測定原理としてレーザー散乱法を用いて、乾式測定、湿式測定(超音波照射あり)、及び湿式測定(超音波照射なし)により粒子径分布を測定した。粒度分布を体積蓄積分布として表した場合に、体積蓄積分布の積算値が10%、50%、90%である値を、それぞれ粒子径分布D.10、D.50、D.90とした。湿式(超音波照射なし)のD.50を平均粒子径とした。また、前記の式(1)により、粒子径分布のスパンを算出した。 ・・・(略)・・・ 【0049】 <長径(L)、短径(D)、長径短径比(L/D)> JIS試験用ふるい(東京スクリーン社製:75μm)にて粉末状セルロース1gを分級し、観察用試料を調整した。光学顕微鏡を用いて、観察用試料を100倍の倍率で観察し、無作為に選んだ140本の粉末状セルロースの長径(L)及び短径(D)を計測し、それぞれの長径/短径比(L/D)を算出した。Lは最大径を、D2は最小径をそれぞれ表す。算出した長径/短径比(L/D)のうち、上下20の値を除いた合計100個の粉末状セルロースの平均値として算出した。 【0050】 <粉末状セルロースの調製> <実施例1> 無塩素漂白パルプを、パルプ濃度5.5%、塩酸濃度1.2Nにおいて95℃で2時間、加水分解反応させた。加水分解反応が終了した後、水酸化ナトリウムで中和し、工業用水で洗浄した後、脱液した。これを、固形分が25%以上になるように脱水し、出口乾燥温度100℃、給気量270m3/hで1時間、気流式乾燥機にて送風乾燥し、酸加水分解処理パルプを得た。得られた酸加水分解処理パルプを、ハンマーミル(ホソカワミクロン社製、マイクロパルペライザAP−S型)を用いて機械的に適宜粉砕・分級を行い、平均粒子径50.2μmの粉末状セルロースを得た。 ・・・(略)・・・ 【0058】 各サンプルの物性値、測定値を表1に示す。 【0059】 【表1】 【0060】 表1から明らかなとおり、比較例1〜2の粉末状セルロースは、水中分散性が15%以下であり、錠剤崩壊性に劣っていたのに対し、実施例1〜6の粉末状セルロースは、いずれも、水中分散性が15%超20%以下と比較的高く、錠剤崩壊性が良好であった。これらの結果は、本発明の粉末状セルロースが、錠剤等の成形体とした際の崩壊性が良好であり、体内投与した際に均等に分散する等良好な分散性が発揮でき、吸収効率の向上が期待できることを示している。」 (4)サポート要件の判断 本件特許の発明の詳細な説明の【0001】ないし【0007】によると、本件特許発明1及び2が解決しようとする課題は、「成形体とした際に、崩壊性が良好な粉末状セルロース」を提供することであり、本件特許発明3ないし7が解決しようとする課題は、それぞれ、上記「粉末状セルロース」を用いた「賦形剤」、「成形体、「食品添加剤」、「化粧品添加剤」及び「工業用添加剤」を提供すること(以下、総称して「発明の課題」という。)である。 他方、上記(3)のとおり、本件特許の発明の詳細な説明には、本件特許発明1ないし7の各発明特定事項について具体的に記載されており、特に【0012】には、粉末状セルロースの水中分散性(BS)が15.0%以上20.0%以下の範囲であることにより、粉末状セルロースから調製した成形体を体内投与した際に均等に分散する等良好な分散性が発揮でき、吸収効率の向上が期待できる旨の記載があり、【0013】には、粉末状セルロースの水中分散性(BS)が15.0%以上20.0%以下の範囲であることにより、良好な崩壊性を示し得る旨の記載がある。 そして、本件特許の発明の詳細な説明の【0059】の【表1】において、粉末状セルロースの水中分散性(BS)が15.0%以上20.0%以下の範囲である実施例1ないし6が、そうでない比較例1及び2と比べて、錠剤崩壊性が良好であることを確認している。 そうすると、当業者は、粉末状セルロースの水中分散性(BS)が15.0%以上20.0%以下の範囲である粉末状セルロースは発明の課題を解決できると認識できる。 そして、本件特許発明1は、粉末状セルロースの水中分散性(BS)が15.0%以上20.0%以下の範囲である粉末状セルロースをさらに限定したものである。 したがって、本件特許発明1は、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるといえる。 また、本件特許発明2ないし7についても、本件特許発明1と同様である。 よって、本件特許発明1ないし7に関して、特許請求の範囲の記載は、サポート要件に適合する。 (5)申立理由3についてのむすび したがって、本件特許の請求項1ないし7に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるとはいえないから、同法第113条第4号に該当しないので、申立理由3によっては取り消すことはできない。 4 申立理由4(実施可能要件)について (1)判断基準 上記第2のとおり、本件特許発明1ないし7は物の発明であるところ、物の発明について実施可能要件を充足するためには、発明の詳細な説明に、当業者が、発明の詳細な説明の記載及び出願時の技術常識に基づいて、過度の試行錯誤を要することなく、その物を生産し、使用することができる程度の記載があることを要する。 そこで、検討する。 (2)実施可能要件の判断 上記3(3)のとおり、本件特許の発明の詳細な説明には、本件特許発明1の各発明特定事項及びその製造方法について具体的に記載されており、また、本件特許発明1の実施例である実施例1ないし6についても、その製造方法を含め具体的に記載されている。 したがって、発明の詳細な説明において、当業者が、発明の詳細な記載及び出願時の技術常識に基づき、過度の試行錯誤を要することなく、本件特許発明1を生産し、使用することができる程度の記載があるといえる。 なお、発明の詳細な説明に気流式乾燥機を用いて乾燥する以外の実施例の記載がないとしても、発明の詳細な説明に、本件特許発明1を生産し、使用することができる程度の記載があることに変わりはない。 また、本件特許発明2ないし7についても、本件特許発明1と同様である。 よって、本件特許発明1ないし7に関して、発明の詳細な説明の記載は、実施可能要件を充足する。 (3)申立理由4についてのむすび したがって、本件特許の請求項1ないし7に係る特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるとはいえないから、同法第113条第4号に該当しないので、申立理由4によっては、取り消すことはできない。 第5 結語 上記第4のとおり、本件特許の請求項1ないし7に係る特許は、特許異議申立書に記載した申立ての理由によっては、取り消すことはできない。 また、他に本件特許の請求項1ないし7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2022-05-20 |
出願番号 | P2021-042321 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
Y
(C08B)
P 1 651・ 537- Y (C08B) P 1 651・ 536- Y (C08B) P 1 651・ 113- Y (C08B) |
最終処分 | 07 維持 |
特許庁審判長 |
須藤 康洋 |
特許庁審判官 |
加藤 友也 奥田 雄介 |
登録日 | 2021-07-29 |
登録番号 | 6921351 |
権利者 | 日本製紙株式会社 |
発明の名称 | 粉末状セルロース、その用途及び製造方法 |
代理人 | 特許業務法人酒井国際特許事務所 |