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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1386035
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-09-10 
確定日 2022-06-09 
事件の表示 特願2017−193061「判定プログラム、判定方法、及び端末装置」拒絶査定不服審判事件〔平成31年 4月25日出願公開、特開2019− 67214〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成29年10月2日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。

令和3年 3月11日付け:拒絶理由通知書
令和3年 5月14日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年 6月 7日付け:拒絶査定(原査定)
令和3年 9月10日 :審判請求書、手続補正書の提出
令和3年11月19日 :上申書の提出

第2 令和3年9月10日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年9月10日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲
本件補正により、特許請求の範囲の請求項12の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)

「 端末装置が実行する判定方法であって、
複数のページを含むコンテンツのうち一のページが表示された前記端末装置の画面に対するユーザのタップ操作であって、前記一のページから他のページへ遷移を行うためのタップ操作に関するセンサ情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された前記センサ情報に基づいて、前記タップ操作に続けて前記端末装置の画面に対するユーザの次のタップ操作が行われるかを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記次のタップ操作が行われないと判定された場合、前記一のページから前記タップ操作に対応するページに表示を遷移させ、前記判定工程により前記次のタップ操作が行われると判定された場合、前記一のページの表示を維持し、前記次のタップ操作がされた際に、前記一のページから前記次のタップ操作に対応するページに表示を遷移させる表示工程と、
を含むことを特徴とする判定方法。」

(2)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和3年5月14日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項13の記載は次のとおりである。

「 端末装置が実行する判定方法であって、
複数のページを含むコンテンツのうち一のページが表示された前記端末装置の画面に対するユーザのタップ操作であって、前記一のページから他のページへ遷移を行うためのタップ操作に関するセンサ情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された前記センサ情報に基づいて、前記タップ操作に続けて前記端末装置の画面に対するユーザの次のタップ操作が行われるかを判定する判定工程と、
を含むことを特徴とする判定方法。」

なお、前記(1)の本件補正後の請求項12に係る発明は、本件補正により、本件補正前の請求項13に係る発明を補正したものである。

2 補正の適否
本件補正は、本件補正前の請求項13に係る発明を特定するために必要な事項である「判定方法」について、上記下線部のとおりの限定を付加するものであって、本件補正前の請求項13に係る発明と本件補正後の請求項12に係る発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項12に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。

(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。

(2)引用文献、引用発明等
ア 引用文献1
(ア)引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された引用文献である、特開2015−7946号公報(平成27年1月15日出願公開。以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに次の記載がある。(なお、下線は、強調のため当審が付与した。以下同様。)

a 「【背景技術】
【0002】
近年、ユーザの指あるいはスタイラスなどの操作オブジェクトによりタッチパネル等の入力部がタッチされた位置のX、Y座標値に基づいてタッチ操作を認識し、タッチ操作に応じた各種処理を実行するタッチ入力機器が普及している。タッチ操作の中には、タッチパネル等を操作オブジェクトによってタッチして離す動作を複数回繰り返すことで、ある1つの処理の実行を指示するタッチ操作として認識されるものが存在する。つまり、操作中に一旦、タッチパネル等から指あるいはスタイラスを離す(以下ではリリースする、という)場合がある。このように、第1の入力とそれに後続する入力とで構成されるタッチ操作として、ダブルタップが知られている。ダブルタップは、タップ(タッチパネル上をタッチして素早くリリースする操作)が、所定の期間の間に2回連続して入力されたことに応じて認識される。ダブルタップに対し、1回タップするだけで終了される操作を一般的にシングルタップと呼ぶ。
【0003】
特許文献1には、1回目にタッチパネルがタッチされた時点から所定時間内に2回目のタッチがされないことを確認した後でシングルタップを示す信号を通知することで、ダブルタップとシングルタップを区別する方法が開示されている。」

b 「【0013】
図1(a)は、本実施形態に係る情報処理装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。システムバス101は、情報処理装置100を構成する各構成要素を接続し、相互に情報のやり取りを行う。CPU(Central Processing Unit)102は、各種処理のための演算や論理判断などを行い、システムバス101に接続された各構成要素を制御する。この情報処理装置100には、プログラムメモリとデータメモリを含むメモリが搭載されている。ROM(Read−Only Memory)103は、プログラムメモリであって、後述する各種処理手順を含むCPU102による制御のためのプログラムを格納する。RAM(Random Access Memory)104は、データメモリであり、CPU102の上記プログラムのワーク領域、エラー処理時のデータの退避領域、上記制御プログラムのロード領域などを有する。入出力インタフェース107を介して外部記憶装置111などからRAM104にプログラムをロードすることで、プログラムメモリを実現しても構わない。ここで、外部記憶装置111は、例えば、メディア(記録媒体)と、当該メディアへのアクセスを実現するための外部記憶ドライブとで実現することができる。このようなメディアとしては、例えば、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVD、USBメモリ、MO、フラッシュメモリ等が知られている。また、外部記憶装置111は、ネットワークで接続されたサーバ装置などであってもよい。本実施形態において必要な情報は、RAM104や外部記憶装置111に保持される。入力インタフェース105は、ポインティングデバイスなどの入力部を制御し、入力信号を取得して、システムバス101を介してシステムに通知する。出力インタフェース106は、表示部を有する出力部に対して、少なくとも、後述する各種の処理を実行した結果の出力を制御する信号を出力する。タッチセンサ108は、入力部が有する入力対象面に対するタッチ位置を検出し、入力インタフェース105に通知する。タッチセンサ108としては、抵抗膜方式、静電容量方式、赤外線方式、超音波方式、音響波方式、振動検出方式等の各種タッチパネルが利用できる。他にも、距離画像センサや、ステレオカメラなどの三次元空間での位置を検出できるもので入力対象面に触れたかどうかを検出し、入力対象面上で定義される位置情報を取得してもよい。近接センサ109は、入力対象面に操作オブジェクトが近接している状態(入力対象面と操作オブジェクトとが、非接触ではあるが近傍に存在する状態)でも入力対象面に対する位置情報を検出し、入力インタフェース105に通知する。なお、近接状態にある操作オブジェクトの位置検出は、ホバー状態での検出、ホバー位置の検出と呼ばれることもある。近接センサ109としては、静電容量方式、赤外線方式、超音波方式、音響波方式などのタッチパネルを用いることができる。これらタッチパネルの感度を高めることで、操作オブジェクトが入力対象面に近接している状態(以下では、近接状態という)でも位置情報を検出できる。他にも、距離画像センサや、ステレオカメラなどの三次元空間での位置を検出することで、入力対象面から離れた状態での位置を取得してもよい。ディスプレイ110は、情報処理装置100での各種処理の実行結果を表示する。ディスプレイ110としては、液晶ディスプレイ、テレビモニタ、プロジェクタなどがある。本実施形態においては、タッチセンサ108、近接センサ109に静電容量方式のタッチパネルを利用し、ディスプレイ110である液晶ディスプレイの表示画面に重畳するように設置されたものである。つまり、ディスプレイ上に設置されたタッチパネル表面が入力対象面に相当する。なお、タッチセンサ108と近接センサ109の信号は、タッチパネルが出力する信号としてまとめて通知されてもよい。タッチパネルと液晶ディスプレイは、一体化したタッチパネル内蔵ディスプレイであってもよい。本実施形態では、タッチパネルは、操作オブジェクトと、タッチパネル表面とが接触する面を検出し、タッチ位置としてそのうちの1点の座標を特定する。静電容量の検出感度を高めた検出方式により、近接状態においても同様にタッチパネル表面に近接するユーザの指の位置を検出し、1点の座標を近接位置として特定する。この時、タッチ状態で検出された位置と、近接状態で検出された位置は区別可能であり、タッチパネルからタッチ状態と近接状態を区別する情報と共に位置情報が情報処理装置へ通知される。なお、本実施形態においては、タッチセンサ108によって、タッチパネル表面に接触していることが検出されている操作オブジェクトに関しては、近接センサ109は近接位置を検出しない。あくまでも近接位置としては、タッチパネル表面と非接触状態にあり、かつ、位置情報を検出可能な程度に近接している操作オブジェクトの先端部(例えば、ユーザの指先)の位置情報が検出される。」

c 「【0015】
まず、本実施形態の情報処理装置100は、タッチ位置検出部121、近接位置検出部122、認識部123、判定部124、出力制御部125を有する。これらの各機能部は、CPU102が、ROM103に格納されたプログラムをRAM104に展開し、後述する各フローチャートに従った処理を実行することで実現されている。ただし、本発明は、これらの機能部をハードウェアで実現する情報処理装置によっても同様に実現可能である。以下、各要素について説明する。
【0016】
タッチ位置検出部121は、入力インタフェース105から通知された信号に基づき、ユーザによってタッチされたタッチ位置に関する情報を検出する。その際、本実施形態では、入力インタフェース105が、入力部であるタッチパネルが検出しているタッチ位置の情報を一定の間隔で参照し、タッチ位置の情報を取得する毎に順次、タッチ位置検出部121に信号を通知する。タッチ位置検出部121が検出するタッチ位置に関する情報には、少なくともタッチイベントの位置情報が含まれる。タッチイベントとは、通知されるタッチ情報の種別を表す情報である。本実施形態では、操作オブジェクトが新たにタッチパネル表面に接触したこと、あるいは接触が継続されていることに応じたタッチ情報の通知時は「TOUCH」というイベントが通知される。また、操作オブジェクトがタッチパネルからリリースされたことに応じたタッチ情報の通知時には「RELEASE」というタッチイベントが通知される。すなわち、タッチイベントが「TOUCH」であった場合には、通知される情報には操作オブジェクトによってタッチされているタッチ位置を示す座標情報が含まれる。「RELEASE」であった場合には、操作オブジェクトはタッチパネル表面に接触していないので、タッチ位置の情報は検出されない。本実施形態において、タッチ位置検出部121が検出するタッチ位置に関する情報には、更にタッチ位置あるいはタッチイベントが検出された時間を示す情報や、タッチ位置を識別するためのIDを含む。IDには、タッチ位置が検出された順番を関連させた識別子を用いることで、検出されるタッチ位置の数が複数である場合に管理がしやすくなる。また、本実施形態では、タッチ位置検出部121は、IDを基にタッチ位置の最新の情報を検出し、同じIDのタッチ位置が以前に検出された位置と異なる位置で検出されたことに基づき、タッチ位置が移動したことを検出することができる。ただし、同じIDのタッチ位置が以前に検出された位置と異なる位置で検出されたことに応じたタッチ情報の通知時に「MOVE」というタッチイベントが通知される検出システムに適応しても構わない。
【0017】
近接位置検出部122は、タッチ位置検出部121と同様に、操作オブジェクトが入力対象面(タッチパネル表面)に近接している状態での位置に関する情報を検出する。なお、ここで検出する近接位置は、タッチパネル表面に平行な二次元平面における、操作オブジェクトの先端部(例えば、ユーザの指先)座標である。本実施形態では、タッチパネル表面に垂直な方向(高さ方向)の位置に関する情報は検出されない。また、本実施形態においては、タッチパネル表面に接触している操作オブジェクトに関しては、近接位置は検出されない。ただし、タッチ位置検出部121が取得したタッチイベントの通知が「RELEASE」であった場合には、操作オブジェクトはタッチパネル表面から離れている。従って、「RELEASE」イベントの通知と略同時のタイミングで、近接位置検出部122によって近接位置が検出されることがある。
【0018】
本実施形態においては、タッチ位置検出部121と検出間隔や近接位置検出部122によって通知される情報(タッチイベント、ID、位置を示す座標情報、検出時刻等)の内容は、同じ形式に統一され、RAM104上に保持されて処理される。ただし、近接位置検出部122による通知情報には、近接状態で検出したことを示す情報が付加される。例えば、近接フラグの値を「ON」とする。
【0019】
認識部123は、タッチ位置検出部121にて検出されたタッチ位置に基づいてタッチ操作を認識する。例えば、1つ以上の操作オブジェクトによるシングルタップ、ダブルタップ、トリプルタップ、スワイプ(タッチパネル表面を特定の一方向になぞる操作)、フリック(タッチパネル表面を指で弾くように高速で動かしてリリースする操作)などを認識する。また、複数の操作オブジェクトによる複数のタッチ位置の相対距離等に基づいて、表示画像を拡大縮小させるピンチ、表示画像を回転させるローテート等のマルチタッチ操作や、タッチ位置の軌跡によって図形や文字を描く手書き入力操作を認識する。なお、トリプルタップを認識する場合は、第1の入力に相当するタップに後続する第2の入力のタップ、さらに後続する第3の入力のタップを検出する必要がある。このように、第1の入力に後続する入力とは、複数回分の入力である場合もある。
【0020】
判定部124は、ユーザによって指がリリースされた直後から近接位置検出部122にて検出される一連の近接位置が所定の条件を満たすかに基づいて、後続する入力を待たずに出力を開始するかを判定する。具体的には、近接位置の移動距離や、移動速度、移動方向などが所定の条件を満たす場合には、タッチ操作が継続されていると判定する。ここで、操作が継続中ではないと判定された場合、すなわち1つのタッチ操作が終了と判定された場合、直前に指がリリースされるまでに検出されたタッチ位置に基づいて、認識部123が認識するタッチ操作の内容を即座に出力制御部125に通知する。一方で操作が継続されていると判定された場合、続くタッチ位置の情報を待ち受け、出力制御部125に対して通知は行わない。
【0021】
出力制御部125は、入力された操作に対して応答する為、情報処理装置100の各機能部を制御する。本実施形態では、少なくとも判定部124から通知された操作内容に基づいて表示画像を生成し、出力部であるディスプレイ110に出力する。」

d 「【0042】
(操作例1)
ここで、具体的に、第1の実施形態による情報処理装置100をユーザが操作する操作例1を説明する。
【0043】
図3は、タップが行われる際に検出される一連のタッチ位置及び近接位置の一例を示す。図3(a)は、本実施形態で使用するタッチパネルの一例を説明する図である。タッチパネル表面の入力領域300は、図面に向かって左上を原点とし、x軸方向に960dot、y軸方向に540dotの幅を持つ座標平面として、タッチ位置及び近接位置を座標情報として扱う。タッチパネルの解像度は、ディスプレイに合わせてあるものとし、単位はdotとする。タッチ位置及び近接位置の検出情報は、入力インタフェース105から20ms毎に通知されるものとする。なお、入力領域300は、入力対象面としてのタッチパネル表面の全体であってもよいし、入力対象面内の一部の領域であってもよい。操作オブジェクトとしてのユーザの指301は、入力領域300に対してシングルタップ操作、あるいはダブルタップ操作を入力する。図3(b)は、図3(a)における指301付近を、紙面に向かって下から上方向に見た状態に相当する。そして、指301が、図3(a)に示された位置で、シングルタップを入力し、その後、近接状態で指301が移動するのに伴い、一連の近接位置が検出される様子を示す。図3(d)は、図3(b)に示されるタッチ位置、及び近接位置が検出される際に保持される関連情報をまとめた図である。
【0044】
同様に図3(c)は、図3(a)の位置で、指301によりダブルタップが入力された後に近接状態で検出される一連の位置情報を示している。図3(e)は、図3(c)に示されるタッチ位置、及び近接位置が検出される際に保持される関連情報をまとめた図である。
【0045】
まず、シングルタップ操作かダブルタップ操作かに関わらず、ユーザが入力領域300にタッチしようと指301を近付けた際に、情報処理装置100において実行される処理を説明する。まず、ユーザが指301をタッチパネルに接触させるまでの間に、近接センサ109が近付いてきた指301を検出する場合、入力インタフェース105を介して近接位置が情報処理装置100に通知される。これにより、タッチ操作を認識する処理(図2のフローチャート)が開始される。ただし、まだタッチ操作は開始されていないため、ステップS203、ステップS205でNO、ステップS209でYES、ステップS210でNOという処理により処理は終了し、次の通知を待つことになる。
【0046】
次に、ユーザが指301を進めて入力領域300にタッチしたことに応じて、タッチセンサ108が指301を検出し、入力インタフェース105を介してタッチ位置が情報処理装置100に通知される。これにより、図2のフローチャートのタッチ操作を認識する処理が開始される。この場合、タッチ位置検出部121が入力インタフェース105を介して通知されたタッチ位置を検出する(ステップS201)。近接位置検出部122は、近接位置を検出しようとするが、この時はタッチされている状態であるため、近接位置としては検出されない(ステップS202)。そして、認識部123は、タッチ位置が検出されたと判定し(ステップS203でYES)、タッチ操作を認識するために必要な情報を保持し、タッチ操作を認識する処理を終了する(ステップS204)。これ以降、タッチ位置の情報が20ms毎に通知される度に、タッチ操作を認識する処理が起動され、指301がリリースされるまでは同様の処理が繰り返される。
【0047】
ここまでの操作は、シングルタップ操作とダブルタップ操作に共通した。ここからは、後続する入力を待たずにタッチ操作に対する出力を開始するかを判定するために用いられる移動距離の閾値を20dotとして、シングルタップ操作が行われる場合とダブルタップ操作が行われる場合をそれぞれ示す。」

e 「【0048】
まず、図3(b)及び図3(d)に基づいて、ユーザがシングルタップ操作を行う場合に、本実施形態の情報処理装置100で実行される処理を説明する。点311はタッチ位置であり、ユーザがシングルタップを入力した際に指301を入力領域300から離す直前に検出していたタッチ位置である。説明を簡単にするため、ここではこの時の検出時刻を0msとする。このタッチ位置が検出されたことに応じて、上述した通りステップS203でYES、ステップS204の処理が実行される。次に、点312〜316は一連の近接位置であり、ユーザがシングルタップを入力して、指301を入力領域300から離した後、近接センサ109が入力領域300から離れた指301の位置を検出したものである。検出された近接位置は、入力インタフェース105を介して近接位置が情報処理装置100に通知される。
【0049】
初めの近接位置312が通知されたことに応じて、図2のフローチャートの処理が起動される。操作オブジェクトはタッチパネルに接触していないため、タッチ位置は検出されず、近接位置検出部122が近接位置を検出する(ステップS202)。ここでは、認識部123は、タッチ位置を検出しておらず(ステップS203でNO)、また、リリース直後であると判定する(ステップS205でYES)。さらに認識部123は、ステップS204にて保持している最初に検出されたタッチ位置と時刻、最後に検出されたタッチ位置とその時刻を利用してシングルタップ操作を認識する(ステップS206)。例えば、最初のタッチ位置から最後のタッチ位置までの移動距離が閾値以内であり、最初のタッチ位置が検出された時間から最後のタッチ位置が検出された時間までの経過時間が閾値以内である場合にシングルタップと認識する。なお、ここではシングルタップのみを例に挙げているが、もちろん他の操作に適応することも可能である。次に、判定部124は、シングルタップが認識されたと判定し(ステップS207でYES)、継続判定フラグを「ON」にする(ステップS208)。近接位置を検出し(ステップS209でYES)、継続判定フラグが「ON」であるため(ステップS210でYES)、判定部124は、近接状態での移動距離を求める(ステップS211)。ただし、この時は近接位置が点312のみしか検出されていないため、移動距離が0で取得閾値以上とならず(ステップS212でNO)、タッチ操作を認識する処理を終了する。
【0050】
次に、近接位置313が通知されると、タッチ操作を認識する処理が開始され、ステップS205までは近接位置312を用いた説明と同様に処理が実行される。ただし、今回はリリース直後でない。従って、ステップS205でNO、ステップS209でYES、ステップS210でYESという順に処理が進む。そして、判定部124により、前回保持した最初の近接位置312(397、299)から今回の近接位置313(403、298)までの移動距離が約6.08dotと取得される(ステップS211)。そして、判定部124は、取得された移動距離取得約6.08dotは閾値20dotを超えないため、タッチ操作を認識する処理を終了し、次のタッチの入力を待つ。
【0051】
次に、近接位置314が通知されると、タッチ操作を認識する処理が開始され、ステップS211までは近接位置313を用いた説明と同様に進む。そして判定部124により、保持されている最初の近接位置312(397、299)から今回の近接位置314(410、284)までの移動距離を約21.74dotと取得される(ステップS211)。今回取得された移動距離約21.74dotは閾値20dotを超えているため(ステップS212でYES)、判定部124がステップS206にて認識されたタッチ操作であるシングルタップを出力制御部125に通知する(ステップS213)。判定部124は、継続判定を停止するために継続判定フラグをOFFにし、タッチ操作を認識する処理を終了する(ステップS214)。図3(d)に示すように、近接位置314の検出時間は、シングルタップ操作の最後のタッチ位置が検出された時刻を0msとして、60ms後である。
【0052】
この後、近接位置315〜近接位置316が通知されても、継続判定フラグがOFFになっているため、ステップS210でNOに進み、継続判定処理は行われない。
【0053】
このように、ユーザがシングルタップを入力した場合には、タップ入力後に指をどけるために近接状態での指の移動距離が大きくなる。この例では、タッチ位置の最後の検出時刻から60ms後には、シングルタップ操作が入力されたことを速やかに判断することができる。」

f 「【0054】
次に、図3(c)と図3(e)を用いて、ダブルタップが入力される場合の例を説明する。点321はタッチ位置であり、ユーザがダブルタップ操作を構成する1回目のタップを入力し、入力領域300から指301をリリースする直前に検出されたタッチ位置である。このタッチ位置が検出された際に、タッチ操作を認識する処理は、上述の通り、ステップS203でYES、ステップS204の処理が実行される。点322〜325は近接位置であり、ユーザが1回目のタップを入力してから一旦、指301を入力領域300から離して再び接触させるまでの間に、近接センサ109が検出したものである。検出された近接位置は、入力インタフェース105を介して近接位置が情報処理装置100に通知される。点326はタッチ位置であり、ユーザがダブルタップの2回目のタップを入力するために指301を再び入力領域300に接触させた際のタッチ位置である。
【0055】
最初に、近接位置322が通知される場合に行われる処理は、図3(b)の近接位置312の場合と同じであるため省略する。
【0056】
近接位置323が通知されると、タッチ操作を認識する処理が開始され、近接位置313を用いた説明と同様に処理される。ただし、ステップS211では、保持されている最初の近接位置322(400、301)から今回の近接位置323(400、299)までの移動距離を約2.00dotと取得する。取得移動距離約2.00dotは、閾値20dotを超えないため(ステップS212でNO)、タッチ操作を認識する処理を終了し、次の操作を待ち受ける。
【0057】
これ以降、近接位置324〜325の情報が通知される度、同様の処理に従って移動距離を取得する。近接位置323から近接位置324(402、298)までの移動距離は4.24dot、近接位置325(402、297)までの移動距離は5.24dotとなり、いずれも閾値20dotを超えない。
【0058】
タッチ位置326が通知されると、タッチ操作を認識する処理が開始され、2回目のタップを認識する処理が実行される。この後、2回目のタップがリリースされると、ステップS206にてダブルタップが認識される。この後も同様に、近接状態における継続判定が行われ、継続しないと判定された場合には即座にダブルタップを通知し、継続すると判定されている間はトリプルタップのための3回目のタップを待ち合わせる。ただし、例えば予め辞書情報に登録されたタッチ操作に、トリプルタップが含まれない場合には、ステップS208において継続フラグを「OFF」とし、ダブルタップを認識したとして、出力制御部125に対する通知を行ってもよい。
【0059】
…(中略)…
【0060】
このように、ユーザがダブルタップを入力しようとしている場合には、タップ入力後に次の操作のために指を待機させるため、近接状態での指の移動距離が小さくなる。これを判定することで次の操作を待つことができる。また、2点以上を利用するマルチタッチによるタップにおいても、複数の操作オブジェクトに対応する近接位置において移動距離を求めて閾値と比較することで継続判定を行う事ができる。マルチタッチの場合は、全ての近接位置の移動距離が閾値未満の場合のみ、次操作が継続されないと判定するのが望ましい。
【0061】
以上説明したように、本実施形態では、タッチ操作を認識した後、入力対象面から操作オブジェクトを離した近接状態での移動距離が大きいか否かを判定することで、次の操作が継続して入力されるか否かを判定する。近接状態での移動距離が大きい場合はユーザが操作を終了し、指を移動させた可能性が高いとみなし、直前まで検出されていたタッチ位置に関する情報から認識されるタッチ操作に対する出力を速やかに指示する。近接状態での移動距離が小さい場合はユーザが操作を続けて入力するために指を待機させている可能性が高いとみなし、タッチ操作を通知せずに次の入力を待つ。この判断方法は、第1の入力とそれに後続する入力とでタッチ操作が構成される場合でも、第1の入力と後続する入力とのタッチ開始位置が同じあるいは近傍であることが予想される操作について判断を行う場合、特に有効である。これにより、ユーザの意図に従いつつ、次の入力を待機する必要が無い場合には速やかに操作に対するフィードバックを示すことが可能となるので、操作の追従性を損なう恐れが低減される。装置によっては、アプリケーションの違い等により、シングルタップ操作とダブルタップ操作がいずれも有効な場面と、シングルタップ操作のみが有効な場面が両方存在する場合がある。その場合、シングルタップ操作のみが有効な場面においては、次の入力を待機する必要がないため、速やかにタッチ操作に対する応答がなされることが多い。本実施形態によれば、シングルタップ操作とダブルタップ操作がいずれも有効な場面においても、シングルタップ操作に対しても速やかに反応できるので、ユーザに対して、場面毎に操作感が異なるという違和感を、感じさせ難くなる。」

g 「【図1】



h 「【図2】



i 「【図3】



(イ)引用発明
引用文献1の【0047】の記載「シングルタップ操作が行われる場合とダブルタップ操作が行われる場合をそれぞれ示す。」、同【0053】の記載「シングルタップ操作が入力されたことを速やかに判断することができる。」、同【0058】の記載「ダブルタップを認識したとして、出力制御部125に対する通知を行ってもよい。」等からすると、引用文献1には、「シングルタップ操作とダブルタップ操作を認識する方法」が記載されているといえる。
よって、前記(ア)のbないしiの特に下線部に着目すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「 シングルタップ操作とダブルタップ操作を認識する方法であって、
情報処理装置100のハードウェア構成として、
入力インタフェース105は、ポインティングデバイスなどの入力部を制御し、入力信号を取得して、システムバス101を介してシステムに通知し、
タッチセンサ108は、入力部が有する入力対象面に対するタッチ位置を検出し、入力インタフェース105に通知し、
近接センサ109は、入力対象面に操作オブジェクトが近接している状態(入力対象面と操作オブジェクトとが、非接触ではあるが近傍に存在する状態)でも入力対象面に対する位置情報を検出し、入力インタフェース105に通知し、
タッチセンサ108、近接センサ109に静電容量方式のタッチパネルを利用し、ディスプレイ110の表示画面に重畳するように設置され、
情報処理装置100は、機能部として、タッチ位置検出部121、近接位置検出部122、認識部123、判定部124、出力制御部125を有し、
タッチ位置検出部121は、入力インタフェース105から通知された信号に基づき、ユーザによってタッチされたタッチ位置に関する情報を検出し、
近接位置検出部122は、タッチ位置検出部121と同様に、操作オブジェクトが入力対象面(タッチパネル表面)に近接している状態での位置に関する情報を検出し、
認識部123は、タッチ位置検出部121にて検出されたタッチ位置に基づいてタッチ操作を認識し、例えば、1つ以上の操作オブジェクトによるシングルタップ、ダブルタップなどを認識し、
判定部124は、ユーザによって指がリリースされた直後から近接位置検出部122にて検出される一連の近接位置が所定の条件を満たすかに基づいて、後続する入力を待たずに出力を開始するかを判定し、
出力制御部125は、入力された操作に対して応答する為、判定部124から通知された操作内容に基づいて表示画像を生成し、出力部であるディスプレイ110に出力し、
タッチパネル表面の入力領域300は、タッチ位置及び近接位置を座標情報として扱い、
タッチ位置及び近接位置の検出情報は、入力インタフェース105から20ms毎に通知され、
シングルタップ操作かダブルタップ操作かに関わらず、ユーザが指301を進めて入力領域300にタッチしたことに応じて、タッチセンサ108が指301を検出し、入力インタフェース105を介してタッチ位置が情報処理装置100に通知され、タッチ位置検出部121が入力インタフェース105を介して通知されたタッチ位置を検出し、
後続する入力を待たずにタッチ操作に対する出力を開始するかを判定するために用いられる移動距離の閾値を20dotとし、
ユーザがシングルタップ操作を行う場合、
ユーザがシングルタップを入力して、指301を入力領域300から離した後、近接センサ109が入力領域300から離れた指301の位置を検出し、検出された近接位置は、入力インタフェース105を介して近接位置が情報処理装置100に通知され、
近接位置312が通知されたことに応じて、シングルタップ操作を認識(ステップS206)し、
判定部124は、シングルタップが認識されたと判定し、近接位置を検出し、近接状態での移動距離を求め、ただし、この時は近接位置が点312のみしか検出されていないため、移動距離が0で取得閾値以上とならず、タッチ操作を認識する処理を終了し、
次に、近接位置313が通知されると、タッチ操作を認識する処理が開始され、判定部124により、前回保持した最初の近接位置312から今回の近接位置313までの移動距離が約6.08dotと取得され、取得された移動距離取得約6.08dotは閾値20dotを超えないため、タッチ操作を認識する処理を終了し、次のタッチの入力を待ち、
次に、近接位置314が通知されると、タッチ操作を認識する処理が開始され、判定部124により、保持されている最初の近接位置312から今回の近接位置314までの移動距離を約21.74dotと取得され、今回取得された移動距離約21.74dotは閾値20dotを超えているため、判定部124がステップS206にて認識されたタッチ操作であるシングルタップを出力制御部125に通知し、
このように、ユーザがシングルタップを入力した場合には、タップ入力後に指をどけるために近接状態での指の移動距離が大きくなり、タッチ位置の最後の検出時刻から60ms後には、シングルタップ操作が入力されたことを速やかに判断することができ、
ダブルタップが入力される場合、
点321は、ユーザがダブルタップ操作を構成する1回目のタップを入力し、入力領域300から指301をリリースする直前に検出されたタッチ位置であり、
最初に、近接位置323が通知されると、タッチ操作を認識する処理が開始され、保持されている最初の近接位置322から今回の近接位置323までの移動距離を約2.00dotと取得し、取得移動距離約2.00dotは、閾値20dotを超えないため、タッチ操作を認識する処理を終了し、
これ以降、近接位置324〜325の情報が通知される度、同様の処理に従って移動距離を取得し、近接位置323から近接位置324までの移動距離は4.24dot、近接位置325までの移動距離は5.24dotとなり、いずれも閾値20dotを超えず、
タッチ位置326が通知されると、タッチ操作を認識する処理が開始され、2回目のタップを認識する処理が実行され、この後、2回目のタップがリリースされると、ステップS206にてダブルタップが認識され、タッチ操作に、トリプルタップが含まれない場合には、ダブルタップを認識したとして、出力制御部125に対する通知を行い、
このように、ユーザがダブルタップを入力しようとしている場合には、タップ入力後に次の操作のために指を待機させるため、近接状態での指の移動距離が小さくなり、これを判定することで次の操作を待つことができる、
方法。」

(ウ)周知技術1
前記(ア)aの特に下線部に着目すると、引用文献1には、以下の周知技術(以下、「周知技術1」という。)が記載されていると認められる。

「 1回目にタッチパネルがタッチされた時点から所定時間内に2回目のタッチがされないことを確認した後でシングルタップを示す信号を通知することで、ダブルタップとシングルタップを区別する方法。」

イ 引用文献2
(ア)引用文献2の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された引用文献である特開2015−87806号公報(平成27年5月7日出願公開。以下、「引用文献2」という。)には、図面とともに次の記載がある。

「【0013】
[電子書籍閲覧装置100の基本構成]
図1は、第1の実施形態の電子書籍閲覧装置100の構成を示す図である。
本明細書において、電子書籍は、書籍、コミック、雑誌、プレゼンテーション資料、写真群など、複数のページから構成されるデジタルコンテンツを指す。
電子書籍閲覧装置100は、電子書籍を閲覧することができる端末であり、例えば、タブレット端末、スマートフォン、コンピュータ、又は情報処理機能を伴うテレビ、スクリーン、ガラス、メガネ等の情報端末である。電子書籍閲覧装置100は、操作部110、制御部120、記憶部130、表示バッファ140及び表示部150を備える。
本明細書において、電子書籍閲覧装置の構成や操作の具体例を示すために、スマートフォンやタブレッド等のタッチパネル端末に対する指による操作を想定した具体例を記述する。」

「【0030】
画像作成部122は、フリックの操作方向に応じて、「ページ早送りモード」、「ページ早戻しモード」、「サマリモード」、「本棚モード」のいずれかを特定する。また、画像作成部122は、操作の種別がダブルタップである場合、操作を検出した位置を中心にして、画像を拡大又は縮小する。画像作成部122は、操作の種別がピンチイン又はピンチアウトの場合に、画像を拡大又は縮小してもよい。画像作成部122は、操作の種別が、図2における領域Cのタップである場合、「メニューモード」と特定する。」

「【0033】
表示制御部123は、操作受付部121が、電子書籍の単一ページ又は見開きページが表示部150に表示されたページ閲覧モードの状態で、操作メニューが表示されていない所定領域を特定する第1の操作(例えば、タップ)を受け付けると、電子書籍のページを1ページ単位で切り替えて表示部150に表示させる。例えば、操作受付部121が、縦書きの電子書籍が表示部150に表示された状態で、電子書籍閲覧装置100のユーザの指が1回のみ触れた操作の種別を「画面右側のタップ」であると検出した場合に、表示制御部123は、表示しているページの1ページ前のページを表示部150に表示させる。」

(イ)引用文献2技術事項
前記(ア)の特に下線部に着目すると、引用文献2には、次の技術事項が(以下、「引用文献2技術事項」という。)記載されていると認められる。

「 電子書籍を閲覧することができる端末において、
操作の種別がダブルタップである場合、操作を検出した位置を中心にして、画像を拡大又は縮小し、
所定領域を特定する操作(例えば、タップ)を受け付けると、電子書籍のページを1ページ単位で切り替えて表示すること。」

(3)引用発明との対比
ア 対比
本件補正発明と引用発明とを対比する。

(ア) 引用発明の「情報処理装置100」は、機能部として、「タッチ位置検出部121、近接位置検出部122、認識部123、判定部124、出力制御部125」を有し、「判定部124」は、「ユーザによって指がリリースされた直後から近接位置検出部122にて検出される一連の近接位置が所定の条件を満たすかに基づいて、後続する入力を待たずに出力を開始するかを判定」し、「出力制御部125」は、「入力された操作に対して応答する為、判定部124から通知された操作内容に基づいて表示画像を生成し、出力部であるディスプレイ110に出力」するものである。
すると、引用発明の「情報処理装置100」は、「判定」を実行するものであり、また、「入力」に対して「出力」(表示)を行う装置であることから、「端末装置」といい得るものである。
よって、引用発明の「シングルタップ操作とダブルタップ操作を認識する方法」は、本件補正発明の「端末装置が実行する判定方法」に相当する。

(イ) 引用発明の「シングルタップ操作」は、本件補正発明の「(ユーザの)タップ操作」に相当する。
また、引用発明の「情報処理装置100」は、「タッチセンサ108、近接センサ109に静電容量方式のタッチパネルを利用し、ディスプレイ110の表示画面に重畳するように設置され」たものであり、「タッチセンサ108」は、「入力部が有する入力対象面に対するタッチ位置を検出」するものであり、「近接センサ109」は、「入力対象面に操作オブジェクトが近接している状態(入力対象面と操作オブジェクトとが、非接触ではあるが近傍に存在する状態)でも入力対象面に対する位置情報を検出」するものであり、さらに、引用発明において、「シングルタップ操作を行う場合」において、「タッチ位置」及び「近接位置」が検出されるから、引用発明において、「シングルタップ操作」は、「ディスプレイ110の表示画面」に表示される「表示画像」に対するユーザの操作といい得るものである。
また、引用発明において、「出力制御部125」は、「入力された操作に対して応答する為、判定部124から通知された操作内容に基づいて表示画像を生成し、出力部であるディスプレイ110に出力」するものであることからすれば、「シングルタップ操作」は、「ディスプレイ110の表示画面」に表示される「表示画像」を変化(遷移)させるための操作といえる。
ここで、引用発明の「ディスプレイ110の表示画面」は、「情報処理装置100」の「画面」に相当し、引用発明の「表示画像」は、前記「画面」に表示される「コンテンツ」といい得るものである。
そして、引用発明の「タッチ位置」及び「近接位置」はそれぞれ、「タッチ位置検出部121」及び「近接位置検出部122」の各々が、「タッチセンサ108」及び「近接センサ109」という各センサから「入力インタフェース105」を介して取得する情報であるから、本件補正発明の「センサ情報」に相当する。
以上から、引用発明において、「タッチ位置検出部121」が「入力インタフェース105から通知された信号に基づき、ユーザによってタッチされたタッチ位置に関する情報を検出」し、及び、「近接位置検出部122」が「タッチ位置検出部121と同様に、操作オブジェクトが入力対象面(タッチパネル表面)に近接している状態での位置に関する情報を検出」する工程と、本件補正発明の「複数のページを含むコンテンツのうち一のページが表示された前記端末装置の画面に対するユーザのタップ操作であって、前記一のページから他のページへ遷移を行うためのタップ操作に関するセンサ情報を取得する取得工程」とは、「コンテンツが表示された前記端末装置の画面に対するユーザのタップ操作であって、前記コンテンツの遷移を行うためのタップ操作に関するセンサ情報を取得する取得工程」である点において共通する。

(ウ) 引用発明において、「タッチ位置検出部121」が「入力インタフェース105」を介して通知された「タッチ位置」を検出した後で、(「近接位置検出部122」によって検出された)「近接位置312」が「情報処理装置100」(「認識部123」)に通知されて、(「認識部123」が)「ステップS206」において「シングルタップ操作」を認識し、その後、「近接位置313」が通知されると、「近接位置312」から「近接位置313」までの移動距離(約6.08dot)が「閾値」(20dot)を超えないため、タッチ操作を認識する処理を終了し、「次のタッチ」の入力を待ち、次に「近接位置314」が通知され、「判定部124」が、保持されている最初の「近接位置312」から今回の「近接位置314」までの移動距離(約21.74dot)が「閾値」(20dot)を超えていると判断し、「ステップS206」にて認識されたタッチ操作である「シングルタップ(操作)」を「出力制御部125」に通知すること(工程)は、「シングルタップ操作が入力されたことを速やかに判断する」ものである。
そうすると、引用発明は、「タッチ位置」(タップ操作)が検出された後に、最初の「近接位置」(近接位置312)から直近の「近接位置」(近接位置313)までの移動距離が「閾値」を超えないときには、タッチ操作を認識する処理を終了して「次のタッチ」の入力を待ち、一方、最初の「近接位置」(近接位置312)から直近の「近接位置」(近接位置314)までの移動距離が「閾値」を超えるときには、「次のタッチ」(次のタップ操作)の入力を待つことなく、「シングルタップ操作」による入力であることを速やかに判断しているから、「タップ操作」に続けて「次のタップ操作が行われるかを判定」するものといえる。
よって、前記(ア)及び(イ)を参酌すれば、引用発明は、本件補正発明の「前記取得工程により取得された前記センサ情報に基づいて、前記タップ操作に続けて前記端末装置の画面に対するユーザの次のタップ操作が行われるかを判定する判定工程」に相当する工程を備えているといえる。

(エ) 引用発明において、「シングルタップ操作」が入力されたと判断された場合は、前記(ウ)を参酌すれば、「ダブルタップ操作」のために「次のタップ操作」が行われないと判断することに等しいから、本件補正発明の「前記判定工程により前記次のタップ操作が行われないと判定された場合」に相当する。
また、引用発明において、「シングルタップ操作」が入力されたと判断された場合には、前記(イ)を参酌すれば、「ディスプレイ110の表示画面」に表示される「表示画像」を変化(遷移)させる工程を行うものであり、当該工程と、本件補正発明の「前記判定工程により前記次のタップ操作が行われないと判定された場合、前記一のページから前記タップ操作に対応するページに表示を遷移させ」「る表示工程」とは、「前記判定工程により前記次のタップ操作が行われないと判定された場合、表示を遷移させ」「る表示工程」である点において共通する。

(オ) 引用発明において、「ダブルタップが入力される場合」は、「ユーザがダブルタップ操作を構成する1回目のタップを入力」し、「タッチ位置」(点321)を検出した後で、「判定部124」は、「近接位置324〜325」の情報が通知されても、最初の「近接位置323」からの移動距離が「閾値」を超えないため、「シングルタップ操作」が入力されたとは判断せず、その後、「タッチ位置326」が通知され「ステップS206にてダブルタップが認識され」るまでは、「ダブルタップを認識したとして、出力制御部125に対する通知」がなされることはないから、「ディスプレイ110の表示画面」に表示される「表示画像」は維持される。
また、「シングルタップ操作」が入力されたとは判断しないことは、逆に「ダブルタップ操作」のために「次のタップ操作」が行われる可能性があると判断していることに他ならない。
よって、引用発明において、「シングルタップ操作」が入力されたとは判断しないこと(工程)と、本件補正発明の「前記判定工程により前記次のタップ操作が行われると判定された場合、前記一のページの表示を維持し、前記次のタップ操作がされた際に、前記一のページから前記次のタップ操作に対応するページに表示を遷移させる表示工程」とは、「前記判定工程により前記次のタップ操作が行われると判定された場合、前記表示を維持させる表示工程」である点において共通する。

(カ) 引用発明の「シングルタップ操作とダブルタップ操作を認識する方法」は、後述する相違点を除いて、上記(イ)ないし(オ)の各工程を含むものである。

イ 一致点、相違点
以上のことから、本件補正発明と引用発明は、次の点において一致ないし相違する。

[一致点]
「 端末装置が実行する判定方法であって、
コンテンツが表示された前記端末装置の画面に対するユーザのタップ操作であって、前記コンテンツの遷移を行うためのタップ操作に関するセンサ情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された前記センサ情報に基づいて、前記タップ操作に続けて前記端末装置の画面に対するユーザの次のタップ操作が行われるかを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記次のタップ操作が行われないと判定された場合、表示を遷移させ、前記判定工程により前記次のタップ操作が行われると判定された場合、前記一のページの表示を維持させる表示工程と、
を含むことを特徴とする判定方法。」

[相違点]
<相違点1>
本件補正発明は、「画面」に表示される「コンテンツ」が、「複数のページを含むコンテンツ」であり、「タップ操作」が、前記「コンテンツ」のうちの「一のページ」が表示された「画面」に対するものであり、かつ、「前記一のページから他のページへ遷移を行うため」のものであるところ「前記判定工程により前記次のタップ操作が行われないと判定された場合」に「前記一のページから前記タップ操作に対応するページに表示を遷移させ」るのに対し、引用発明において、「ディスプレイ110の表示画面」に表示される「表示画像」がどのようなものであるのか、また、「シングルタップ操作」が入力されたと判断された場合に、「表示画像」をどのように変化させるのかを具体的に特定していない点。

<相違点2>
本件補正発明の「表示工程」は、「前記判定工程により前記次のタップ操作が行われると判定された場合、前記一のページの表示を維持し、前記次のタップ操作がされた際に、前記一のページから前記次のタップ操作に対応するページに表示を遷移させる」処理を含むのに対し、引用発明は、前記処理のうち下線部の処理を具体的に特定していない点。

(4)判断
ア 相違点についての判断
以下、上記各相違点について検討する。

(ア)相違点1について
引用文献2技術事項にあるように、「電子書籍を閲覧することができる端末」において、「所定領域を特定する操作(例えば、タップ)を受け付けると、電子書籍のページを1ページ単位で切り替えて表示すること」は、本願出願前の周知技術といえる。
また、引用文献1の【0061】(上記(2)ア(ア)f)に「装置によっては、アプリケーションの違い等により、シングルタップ操作とダブルタップ操作がいずれも有効な場面と、シングルタップ操作のみが有効な場面が両方存在する場合がある。」と記載されているように、引用文献1には、「情報処理装置100」に何らかの「アプリケーション」がインストールされ得ることが示唆されており、引用文献1の他の記載を参酌しても、この「アプリケーション」の種類、機能等に制限があるとはいえない。
また、「電子書籍」は「複数のページを含むコンテンツ」といい得るものであり、「コンテンツ」のうちの少なくとも「一のページ」が画面に表示されるものといえる。
よって、引用文献2技術事項を参酌することにより、引用発明の「情報処理装置100」を「電子書籍を閲覧することができる」アプリケーションをインストールしたものとして、「情報処理装置100の表示画面」が表示する「表示画像」を、「複数のページを含むコンテンツ」とし、並びに、「シングルタップ操作」を、前記「コンテンツ」のうちの「一のページ」が表示された画面に対してなされ、「前記一のページから他のページへ遷移を行うため」のものとし、及び、「シングルタップ操作」が入力されたと判断された場合に、「前記一のページから前記タップ操作に対応するページに表示を遷移させ」るようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

(イ)相違点2について
本件補正発明は、「前記判定工程により前記次のタップ操作が行われないと判定された場合」と「前記判定工程により前記次のタップ操作が行われると判定された場合」のいずれにおいても、「前記一のページから前記次のタップ操作に対応するページに表示を遷移させる」ことになり、これらの構成による技術的意義が不明確である。
そこで、本願明細書の記載を参酌するに、本願明細書には、次のように記載されている。

「【0023】…(中略)…また、例えば、端末装置10は、あるタップ(1回目のタップ)を行った時点から待機期間TM経過後に次のタップ(2回目のタップ)が行われた場合、ユーザの操作が2回のシングルタップであるとして受け付けるものとする。」

「【0045】
このように、端末装置10は、ユーザの操作がダブルタップの1回目である可能性が高いと判定した場合、ダブルタップの2回目のタップ操作を待機期間TMの間を待つ。そして、端末装置10は、待機期間TM内にユーザの操作が2回目のタップ操作を行った場合、ダブルタップに対応する画面の表示に変更する。これにより、端末装置10は、ユーザの操作がダブルタップである可能性が高い場合、待機期間TMの間、次のタップ操作を待つことにより、ユーザによるダブルタップの操作を適切に受け付けることができる。
【0046】
また、端末装置10は、待機期間TM内にユーザの操作が2回目のタップ操作が行われなかった場合、ユーザのタップ操作をシングルタップとして、シングルタップに対応する画面の表示に変更する。このように、端末装置10は、待機期間TMを待つ場合であっても、待機期間TM内にユーザの操作が2回目のタップ操作が行われなかった場合、ユーザのタップ操作をシングルタップとして、シングルタップに対応する画面の表示に変更する。このように、端末装置10は、誤操作としてユーザの操作に対応する処理を行わないのではなく、シングルタップかダブルタップのいずれかとして処理を行うことが可能となる。これにより、端末装置10は、ユーザに何度も操作を行わせることを抑制することが可能となる。したがって、端末装置10は、ユーザの操作性の向上を可能にすることができる。」

本願明細書の上記記載によれば、本願明細書には、ユーザの操作がダブルタップの1回目である可能性が高いと判定した場合に、ダブルタップの2回目のタップ操作を待機期間TMの間を待ち、待機期間TM内にユーザの操作が2回目のタップ操作が行われなかった場合、1回目のタップ操作をシングルタップとして処理し(【0045】、【0046】)、待機期間TM後に2回目のタップ操作が行われた場合、当該2回目のタップ操作は、2回目のシングルタップとして処理する(【0023】)ことが記載されているといえる。
上記記載を参酌すれば、本件補正発明の「前記判定工程により前記次のタップ操作が行われると判定された場合、前記一のページの表示を維持し、前記次のタップ操作がされた際に、前記一のページから前記次のタップ操作に対応するページに表示を遷移させる」は、「前記判定工程により前記次のタップ操作が行われると判定された場合、待機時間TM、前記一のページの表示を維持し、待機時間TM後に前記次のタップ操作がされた際に、前記一のページから前記次のタップ操作に対応するページに表示を遷移させる」との構成を含むものとしてその技術的意義を理解することができる。
ここで、上記周知技術1にあるように、「1回目にタッチパネルがタッチされた時点から所定時間内に2回目のタッチがされないことを確認した後でシングルタップを示す信号を通知することで、ダブルタップとシングルタップを区別する方法」は本願出願前の周知技術であり、また、引用発明は、ユーザが「シングルタップ操作」を意図して「2回目のタップ操作」(次のタップ操作)を行わずに「シングルタップ操作」を行ったタッチ位置の近辺で指を停滞させている場合は、「シングルタップ操作」が入力されたとは判断されない状態で「2回目のタップ」(次のタップ操作)が認識されない期間が長く続き、結果的に、「シングルタップ操作」が入力されたと判断できない期間が長く続く場合が想定されるところ、このような場合は、「第1の入力とそれに後続する入力とで構成される操作を認識可能な場合であっても、第1の入力のみによって構成される操作に対応する応答を速やかに開始することを主な目的とする。」(引用文献1の【0007】参照。)という課題を必ずしも解決できていないから、当該課題を解決するため、引用発明に前記周知技術を適用することにより、「ユーザがダブルタップ操作を構成する1回目のタップを入力」し、「タッチ位置」(点321)を検出した後、所定時間(待機時間)、表示を維持し、所定時間(待機時間)後に「2回目のタップ」(次のタップ操作)が入力されたと判断した場合には、「1回目のタップ」に続く「2回目のタップ」(次のタップ操作)とは判断せずに、2回目の「シングルタップ操作」が入力されたと判断して、2回目の「シングルタップ操作」に対応する「表示画像」を表示するように構成することにより、相違点2に係る本件補正発明の「前記判定工程により前記次のタップ操作が行われると判定された場合、前記一のページの表示を維持し、前記次のタップ操作がされた際に、前記一のページから前記次のタップ操作に対応するページに表示を遷移させる」との構成を付加することは、当業者が容易に想到し得たことである。

イ 作用効果について
これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2に記載された技術事項並びに周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。

ウ 小括
したがって、本件補正発明は、当業者が、引用発明及び引用文献2に記載された技術事項並びに周知技術に基いて、容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3 本件補正についてのむすび
よって、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので、同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本願発明について
1 本願発明
令和3年9月10日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和3年5月14日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし14に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項13に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項13に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1、4、6及び9ないし14に係る発明は、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献5に記載された周知技術に基いて、請求項2、3及び5に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明並びに引用文献2及び5に記載された周知技術に基いて、また請求項7及び8に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献3ないし5に記載された周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

引用文献1:特開2015−007946号公報
引用文献2:特表2016−531357号公報
引用文献3:特許第5906345号公報(周知技術を示す文献)
引用文献4:特許第5613314号公報(周知技術を示す文献)
引用文献5:特開2015−087806号公報(周知技術を示す文献)

なお、原査定における引用文献1及び5はそれぞれ、前記第2の[理由]2(2)の引用文献1及び引用文献2に該当する。

3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及び5及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「前記判定工程により前記次のタップ操作が行われないと判定された場合、前記一のページから前記タップ操作に対応するページに表示を遷移させ、前記判定工程により前記次のタップ操作が行われると判定された場合、前記一のページの表示を維持し、前記次のタップ操作がされた際に、前記一のページから前記次のタップ操作に対応するページに表示を遷移させる表示工程と、」との限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに上記限定事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、当業者が、引用発明及び引用文献2(原査定の引用文献5)に記載された技術事項並びに周知技術に基いて、容易に発明をすることができたものであり、前記限定事項は、本件補正発明と引用発明との間の相違点2に関する事項であることからすれば、本願発明は、当業者が、引用発明及び引用文献2(原査定の引用文献5)に記載された技術事項に基いて、容易に発明をすることができたものである。

第4 請求人の主張について
1 審判請求書の主張について
請求人は、審判請求書において、以下のように主張している。

「 このように、本願発明は、複数のページを含むコンテンツのうち一のページが表示された端末装置の画面に対するユーザのタップ操作であって、一のページから他のページへ遷移を行うためのタップ操作に関するセンサ情報センサ情報([当審注]原文ママ)に基づいて、タップ操作に続けて端末装置の画面に対するユーザの次のタップ操作が行われるかを判定します。そして、本願発明は、次のタップ操作が行われないと判定された場合、一のページからタップ操作に対応するページに表示を遷移させ、次のタップ操作が行われると判定された場合、一のページの表示を維持し、次のタップ操作がされた際に、一のページから次のタップ操作に対応するページに表示を遷移させます。これにより、本願発明は、コンテンツのページ遷移の操作に関するユーザビリティを向上させることができ、ユーザの操作性の向上を可能にすることができるという効果を奏します。
一方、引用文献1−5は、本願発明の特徴については開示されていません。
例えば、引用文献1には、「判定部124により、保持されている最初の近接位置312(397、299)から今回の近接位置314(410、284)までの移動距離を約21.74dotと取得される(ステップS211)。今回取得された移動距離約21.74dotは閾値20dotを超えているため(ステップS212でYES)、判定部124がステップS206にて認識されたタッチ操作であるシングルタップを出力制御部125に通知する(ステップS213)。判定部124は、継続判定を停止するために継続判定フラグをOFFにし、タッチ操作を認識する処理を終了する(ステップS214)。図3(d)に示すように、近接位置314の検出時間は、シングルタップ操作の最後のタッチ位置が検出された時刻を0msとして、60ms後である。」(段落0051)と記載されているに過ぎず、タッチ操作について通知する処理が記載されているに過ぎません。
例えば、引用文献5には、「表示制御部123は、操作受付部121が、電子書籍の単一ページ又は見開きページが表示部150に表示されたページ閲覧モードの状態で、操作メニューが表示されていない所定領域を特定する第1の操作(例えば、タップ)を受け付けると、電子書籍のページを1ページ単位で切り替えて表示部150に表示させる。例えば、操作受付部121が、縦書きの電子書籍が表示部150に表示された状態で、電子書籍閲覧装置100のユーザの指が1回のみ触れた操作の種別を「画面右側のタップ」であると検出した場合に、表示制御部123は、表示しているページの1ページ前のページを表示部150に表示させる。」(段落0033)と記載されているに過ぎず、単にタップでページを遷移させる点が記載されているに過ぎません。
また、引用文献2−4にも本願発明の特徴について何ら開示されていません。
このため、引用文献1−5に記載の技術では、上記のような本願発明の効果を奏することが到底できません。
以上のことから、本願の請求項1に係る発明は、審査官殿がご指摘された引用文献1−5のいずれにも開示されておらず、引用文献1−5と比較して有利な効果を奏します。そして、引用文献1−5に基づいて、当業者が本願の請求項1に係る発明を容易に想到できたことの論理付けは不可能であり、第29条第2項の規定により本願の請求項1に係る発明を拒絶するには無理があると考えます。また、本願の請求項2−13に係る発明は、請求項1に係る発明と同様の特徴を有するので、第29条第2項の規定により拒絶されることはないと考えます。」

上記主張について検討するに、前記第2の2(4)で述べたように、本件補正発明は、当業者が、引用発明及び引用文献2に記載された技術事項並びに周知技術に基いて、容易に発明をすることができたものであるから、上記主張は、採用することができない。

2 上申書の主張について
請求人は、令和3年11月19日に提出した上申書において、以下のように主張している。(なお、下線は、請求人が付したものである。)

「 しかしながら、下記の補正案が示す補正の準備がありますので、補正案の内容、および、以下の意見の内容を参酌の上、補正の機会を賜りたくお願い申し上げます。
出願人は、以下に示す補正の準備があります。

『[請求項1]
…(中略)…
[請求項12]
端末装置が実行する判定方法であって、
複数のページを含むコンテンツのうち一のページが表示された前記端末装置の画面に対するユーザのタップ操作であって、前記一のページから他のページへ遷移を行うためのタップ操作に関するセンサ情報を取得する取得工程と、
前記取得工程により取得された前記センサ情報に基づいて、前記タップ操作が行われた時点から所定の待機期間の間に、前記タップ操作に続けて前記端末装置の画面に対するユーザの次のタップ操作が行われるかを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記次のタップ操作が行われないと判定された場合、前記所定の待機期間の経過を待つことなく、前記一のページから前記タップ操作に対応するページに表示を遷移させ、前記判定工程により前記次のタップ操作が行われると判定された場合、前記一のページの表示を維持し、前記所定の待機期間の経過する前に前記次のタップ操作がされた際に、前記一のページから前記次のタップ操作に対応するページに表示を遷移させる表示工程と、
を含むことを特徴とする判定方法。
[請求項13]
…(以下省略)』

なお、上記補正案は、新規事項の追加に該当するものではありません。
具体的には、補正案における請求項1に係る補正は、出願当初の明細書の段落0035−0045、図1等の記載に基づくものです。また、補正案における請求項12、13に係る補正事項は、上記請求項1と同様の記載事項に基づくものです。」

補正の機会は制限されている(特許法第17条第1項ただし書き)ため、上記補正案による補正の機会を認めることはできないものの、上記補正案における各請求項に係る発明の特許性について、付帯的に検討する。
上記補正案の[請求項12]の「前記所定の待機期間の経過する前に前記次のタップ操作がされた際に、前記一のページから前記次のタップ操作に対応するページに表示を遷移させる」に関して、本願の出願当初の明細書には、次の記載がある。(なお、下線は、強調のために当審が付したものである。)

「端末装置10は、ユーザが端末装置10の画面をダブルタップした場合、ユーザがダブルタップした位置を中心として拡大表示する操作として受け付ける。」(【0022】)

「端末装置10は、日時dt21のタップ操作と、日時dt22のタップ操作とは、ダブルタップであると判定したため、画面の表示をページPG1において、ユーザU1がダブルタップした位置を中心として拡大表示するように変更する。」(【0044】)

「端末装置10は、待機期間TM内にユーザの操作が2回目のタップ操作を行った場合、ダブルタップに対応する画面の表示に変更する。」(【0045】)

上記各記載からすると、出願当初の明細書には、「前記所定の待機期間の経過する前に前記次のタップ操作がされた際」に「拡大表示」することは記載されているといえる。
しかしながら、出願当初の明細書、特許請求の範囲及び図面(以下、「当初明細書等」という。)には、「前記所定の待機期間の経過する前に前記次のタップ操作がされた際」に「前記一のページから前記次のタップ操作に対応するページに表示を遷移させる」ことは、記載も示唆もされておらず、そのような処理を行うことが本願出願時の技術常識から自明とも認められない。
そうすると、上記補正案の[請求項12]とする補正は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものとはいえないから、特許法第17条の2第3項に規定する新規事項の追加に該当する。
上記補正案の[請求項1]ないし[請求項11]及び[請求項13]についても同様である。
よって、上記補正案に係る各請求項に係る発明は、拒絶の理由があるから、特許を受けることができない。

第5 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
 
審理終結日 2022-03-30 
結審通知日 2022-04-05 
審決日 2022-04-19 
出願番号 P2017-193061
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 林 毅
富澤 哲生
発明の名称 判定プログラム、判定方法、及び端末装置  
代理人 特許業務法人酒井国際特許事務所  
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