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審決分類 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  B32B
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  B32B
審判 全部申し立て 2項進歩性  B32B
管理番号 1386114
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2022-07-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-05-07 
確定日 2022-04-07 
異議申立件数
訂正明細書 true 
事件の表示 特許第6786256号発明「複合材料を形成するためのシステム及び方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6786256号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1〜10〕について訂正することを認める。 特許第6786256号の請求項1〜13に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6786256号の請求項1〜13に係る特許についての出願は、平成28年5月2日(パリ条約による優先権主張2015年(平成27年)5月14日 米国)を出願日とする出願であって、令和2年10月30日にその特許権の設定登録がされ、同年11月18日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許について、令和3年5月7日に特許異議申立人特許業務法人朝比奈特許事務所(以下「申立人」という。)により、特許異議の申立てがされ、当審は、令和3年8月10日付けで期間を指定して取消理由を通知した。特許権者は、その指定期間内である令和3年11月10日に意見書の提出及び訂正の請求を行い、その訂正の請求に対して、申立人は、令和3年12月14日に意見書を提出した。

第2 訂正の適否について
1 訂正の内容
令和3年11月10日提出の訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)は、特許第6786256号の特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1〜10について訂正することを求める、というものであって、その内容は以下のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示す。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の「複数の他の複合層(500)と共に複合膜集合体を形成するように構成された複合層(500)であって、当該複合層」を、「複合層(500)および複数の他の複合層を含む複合膜集合体であって、前記複合層(500)」に訂正する。
また、同項の末尾「複合層。」を、「複合膜集合体。」に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2の末尾「複合層(500)。」を、「複合膜集合体。」に訂正する。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項3の末尾「複合層(500)。」を、「複合膜集合体。」に訂正する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項4の末尾「複合層(500)。」を、「複合膜集合体。」に訂正する。

(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項5の末尾「複合層(500)。」を、「複合膜集合体。」に訂正する。

(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項6の末尾「複合層(500)。」を、「複合膜集合体。」に訂正する。

(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項7の末尾「複合層(500)。」を、「複合膜集合体。」に訂正する。

(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項8の末尾「複合層(500)。」を、「複合膜集合体。」に訂正する。

(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項9の末尾「複合層(500)。」を、「複合膜集合体。」に訂正する。

(10)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項10の末尾「複合層(500)。」を、「複合膜集合体。」に訂正する。

(11)一群の請求項
本件訂正前の請求項1〜10は、請求項2〜10が、本件訂正の対象である請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する関係にあり、訂正事項1によって訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、本件訂正請求は、一群の請求項に対して請求されたものである。

2 訂正要件の判断
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的
訂正事項1は、訂正前の請求項1における「複数の他の複合層(500)と共に複合膜集合体を形成するように構成された複合層(500)であって、当該複合層は、・・・複合層。」との記載では、「複合層」が“複合膜集合体の一部である複合層”の他、“複合膜集合体を形成する前の単独の複合層”を含む結果、「複合層」としての構成が不明確であったものを、「複合層(500)および複数の他の複合層を含む複合膜集合体であって、前記複合層(500)は、・・・複合膜集合体。」とすることで、「複合層」が“複合膜集合体の一部である複合層”であることを明確とするものであるから、訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。

イ 新規事項の有無
本件発明の願書に添付した明細書(以下、「本件明細書」という。)には、「【0058】図9は、複数の複合層902、904、906、908、910、912を積層して成る複合膜集合体900の側面概略図である。図示のように、隣接する層902〜912に形成された斜角切込み914は、互いに重なり合わない。すなわち、隣接する層902〜912の斜角切込み914は、互い違いに、あるいは、互いにずらして配置されている。積層複合膜集合体900は、図示したよりも多くの複合層または少ない複合層を含みうる。隣接する複合層902〜912における斜角切込み914のいずれも、互いに当接しておらず、よって複数の複合層902〜912間に連続する切込みは形成されない。」との記載から、訂正事項1は、本件明細書に記載した事項の範囲内の訂正である。

ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正前の請求項1は、「複合層」が、「複数の他の複合層(500)と共に複合膜集合体を形成するように構成された」ものであること、「前記主体部の前記厚みを介して形成された前記少なくとも1つの非直交切込みは、隣接する複合層の厚みを介して形成された少なくとも1つの他の非直交切込みに対し、配向が逆である」ことを特定しており、“複合層に隣接する複合層が存在することが前提であるもの”を包含していたところ、訂正により、当該“複合層に隣接する複合層が存在することが前提であるもの”を、「複合層(500)および複数の他の複合層を含む複合膜集合体」と記載したものであるから、実質上訂正前後の技術的事項が異なるものではないから、特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(2)訂正事項2〜10について
訂正事項2〜10は、上記訂正事項1に係る訂正に伴って、請求項1を直接的あるいは間接的に引用している請求項2〜10の末尾の記載を「複合膜集合体。」として記載の整合を図るために訂正したものであり、上記(1)ア〜ウに示したのと同様に、明瞭でない記載の釈明及び特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正、且つ実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

3 小括
以上のとおりであるから、訂正事項1〜10は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものに該当し、同条第4項、並びに、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、特許請求の範囲を、本訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1〜10〕について訂正することを認める。

第3 訂正後の本件発明
本件訂正後の請求項1〜13に係る発明(以下「本件発明1」等という。また、本件発明1〜13を「本件発明」と総称することもある。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1〜13に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】
複合層(500)および複数の他の複合層を含む複合膜集合体であって、前記複合層(500)は、
樹脂で結着された複数の強化繊維(502)を含む主体部(501)を備えており、前記主体部(501)は、対向する端面(508、510)および対向する側面(511)を介して、反対側の境界面(506)に連なる底面(504)を含み、
前記主体部の長手方向に対して非直交状である少なくとも1つの非直交切込み(514)が、前記対向する端面の間において、前記主体部(501)の厚みを介して前記底面(504)から前記境界面(506)まで形成されており、
前記主体部の前記厚みを介して形成された前記少なくとも1つの非直交切込みは、隣接する複合層の厚みを介して形成された少なくとも1つの他の非直交切込みに対し、配向が逆である、複合膜集合体。
【請求項2】
前記少なくとも1つの非直交切込み(514)は、前記隣接する複合層における前記少なくとも1つの他の非直交切込み(514)に対してずらして配置されていることにより、前記少なくとも1つの非直交切込み(514)は、前記隣接する複合層における前記少なくとも1つの他の非直交切込み(514)と連続する線状の切込みを形成しない、請求項1に記載の複合膜集合体。
【請求項3】
前記非直交切込み(514)は、当該複合層の長手面(512)に対して非直交の角度を形成し、前記長手面(512)は、前記対向する端面(508、510)の間を、前記底面(504)および前記反対側の境界面(506)の一方あるいは両方に対して平行に延びる、請求項1または2に記載の複合膜集合体。
【請求項4】
前記非直交の角度は、5度以上且つ80度以下である、請求項3に記載の複合膜集合体。
【請求項5】
前記非直交の角度は、10度以上且つ20度以下である、請求項3に記載の複合膜集合体。
【請求項6】
前記少なくとも1つの非直交切込み(514)は、互いに継ぎ合わされた層セグメント(518、520)を形成する、請求項1、2、4、5のいずれか1つに記載の複合膜集合体。
【請求項7】
前記少なくとも1つの非直交切込み(514)は、複数の非直交切込み(514)を含む、請求項1、2、4、5のいずれか1つに記載の複合膜集合体。
【請求項8】
前記複数の非直交切込み(514)は、同一の角度で形成されている、請求項7に記載の複合膜集合体。
【請求項9】
前記複数の非直交切込み(514)のうちの少なくとも2つは、異なる角度で形成されている、請求項7に記載の複合膜集合体。
【請求項10】
前記複数の非直交切込み(514)のうちの少なくとも2つは、異なる方向に配向されている、請求項7に記載の複合膜集合体。
【請求項11】
複合膜集合体(1000)を形成する方法であって、
当該方法は、複数の複合層(1002、1004)を形成することを含み、前記複数の複合層の各々は、樹脂で結着された複数の強化繊維を含む主体部を有しており、前記主体部は、対向する端面および対向する側面を介して、反対側の境界面に連なる底面を含んでおり、
当該方法は、前記複数の複合層(1002、1004)のうちの少なくとも1つの複合層において、前記主体部の長手方向に対して非直交状である少なくとも1つの非直交切込み(1008)を形成することを含み、当該少なくとも1つの非直交切込みの形成は、前記少なくとも1つの非直交切込みを、(a)前記対向する端面の間において、前記主体部の厚みを介して前記底面から前記境界面まで延びるように形成するとともに、(b)隣接する複合層の厚みを介して形成された少なくとも1つの他の非直交切込みに対し、配向が逆となるように形成することを含んでおり、
当該方法は、隣接する複合層(1002、1004)における前記非直交切込み(1008)が互いにずれて配置されるように前記複合層(1002、1004)を積層すること、を含む。
【請求項12】
前記少なくとも1つの非直交切込み(1008)を形成する工程は、前記少なくとも1つの非直交切込み(1008)を、前記複数の複合層(1002、1004)の長手方向軸に対して10度以上且つ20度以下の角度で形成することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの非直交切込み(1008)を形成する工程は、前記複数の複合層(1002、1004)に、複数の非直交切込み(1008)を形成することを含む、請求項11または12に記載の方法。」

第4 取消理由通知書に記載した取消理由について
1 取消理由の概要
本件訂正前の請求項1〜10に係る特許に対して、当審が令和3年8月10日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
(1)(明確性)本件訂正前の請求項1の「前記主体部の前記厚みを介して形成された前記少なくとも1つの非直交切込みは、隣接する複合層の厚みを介して形成された少なくとも1つの他の非直交切込みに対し、配向が逆である」こと、及び、本件訂正前の請求項2の「前記少なくとも1つの非直交切込み(514)は、前記隣接する複合層における前記少なくとも1つの他の非直交切込み(514)に対してずらして配置されていることにより、前記少なくとも1つの非直交切込み(514)は、前記隣接する複合層における前記少なくとも1つの他の非直交切込み(514)と連続する線状の切込みを形成しない」ことは、「複合層」と「複数の他の複合層」とで形成される「複合膜集合体」の一部である「単独の複合層」について、当該複合層とは別の構成である「隣接する複合層」に関する事項によって特定しようとするものとも解釈でき、本件訂正前の請求項1〜10に係る「複合層」の構造、機能等がどのようなものであるかが明確でないから、本件特許の請求項1〜10に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
(2)(新規性)本件特許の請求項1〜8に係る発明は、本件特許の出願日前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから、その特許は特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。
(3)(進歩性)本件特許の請求項1〜10に係る発明は、本件特許の出願日前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
引用文献1:特開2008−207544号公報(甲第1号証)

2 当審の判断
(1)明確性について
本件訂正により、請求項1〜10に係る発明は、「複合層(500)および複数の他の複合層を含む複合膜集合体」に訂正されたことにより、請求項1に係る「前記主体部の前記厚みを介して形成された前記少なくとも1つの非直交切込みは、隣接する複合層の厚みを介して形成された少なくとも1つの他の非直交切込みに対し、配向が逆である」点、及び、請求項2に係る「前記少なくとも1つの非直交切込み(514)は、前記隣接する複合層における前記少なくとも1つの他の非直交切込み(514)に対してずらして配置されていることにより、前記少なくとも1つの非直交切込み(514)は、前記隣接する複合層における前記少なくとも1つの他の非直交切込み(514)と連続する線状の切込みを形成しない」点は、いずれも複合膜集合体に含まれる複数の複合層の配置に関する特徴であることが明確となったから、当該理由は解消した。

(2)新規性及び進歩性について
ア 引用文献
「【請求項1】 強化繊維が一方向に引き揃えられたプリプレグ基材であって、該プリプレグ基材の全面に強化繊維を横切る方向へ断続的な切り込みからなる列が複数列設けられており、前記Wsが30μm〜10mmであり、実質的に強化繊維のすべてが前記切り込みにより分断され、前記切り込みにより分断された強化繊維の繊維長さLが10〜100mmであり、繊維体積含有率Vfが45〜65%の範囲内である切込プリプレグ基材。
【請求項2】
前記切込プリプレグ基材の厚みHが30〜150μmである、請求項1に記載の切込プリプレグ基材。 」
「【0025】
本発明者らは、良好な流動性、複雑な形状の成形追従性を有し、繊維強化プラスチックとした場合、優れた力学物性、その低バラツキ性、優れた寸法安定性を発現するプリプレグ基材を得るため、鋭意検討し、プリプレグ基材として、一方向に引き揃えられた強化繊維とマトリックス樹脂から構成されるプリプレグ基材という特定の基材に特定な切り込みパターンを挿入し、該プリプレグ基材を積層し、加圧成形することにより、かかる課題を一挙に解決することを究明したのである。なお、本発明で用いられるプリプレグ基材には、一方向に引き揃えられた強化繊維や強化繊維基材に樹脂が完全に含浸した基材に加え、樹脂シートが繊維内に完全に含浸していない状態で一体化した樹脂半含浸基材(セミプレグ:以下、半含浸プリプレグを称することもある。)を含むものとする。」
「【0027】
さらに、本発明のプリプレグ基材は、全面に強化繊維を横切る方向へ断続的な切り込みからなる列が複数列設けられており、切り込みを強化繊維の垂直方向に投影した投影長さWsが30μm〜10mmであり、実質的に強化繊維のすべてが切り込みにより分断され、切り込みにより分断された強化繊維の繊維長さLが10〜100mmであり、繊維体積含有率Vfが45〜65%の範囲内である。なお、本発明において“実質的にすべての強化繊維が切り込みにより分断され”とは、本発明の切り込みにより分断されていない連続繊維が引き揃えられている面積が、プリプレグ基材面積に占める割合の5%より小さいことを示す。」
「【0033】
本発明の切込プリプレグ基材の厚みHは30〜150μmの範囲であることが好ましい。前述のように、強化繊維をどれだけ分断しているかが大きく力学特性に影響するため、厚みが薄い方が切断される強化繊維の数が少ないため、切込プリプレグ基材を積層して硬化させた繊維強化プラスチックの強度が高くなる。また、該繊維強化プラスチックは切り込み部からの層間剥離の進展が大きな影響を与えており、切り込みが深いほど層間剥離しやすく、結果的に強度が下がる。鋭意検討の結果、Hが150μm以下の際、大きく強度向上が見込まれることがわかった。しかしながら、あまりにも薄いプリプレグ基材は製造上安定性に欠け、高コストとなる。特にHが30μm以下の場合、プリプレグ基材の歩止まりが低下する。プリプレグ基材の生産性と力学特性との関係を鑑みると、さらに好ましくは50〜130μmの範囲であることが好ましい。」
「【0041】
本発明の切込プリプレグ基材を得るためにプリプレグ基材に切り込みを入れる方法としては、まず一方向に引き揃えられた連続繊維の予備プリプレグ基材を作製し、その後カッターを用いての手作業や裁断機により切り込みを入れる方法、あるいは一方向に引き揃えられた連続繊維のプリプレグ製造工程において所定の位置に刃を配置した回転ローラーを連続的に押し当てたり、多層に予備プリプレグ基材を重ねて所定の位置に刃を配置した型で押し切りする等の方法がある。簡易に予備プリプレグ基材に切り込みを入れる場合には前者が、生産効率を考慮し大量に作製する場合には後者が適している。回転ローラーを用いる場合には、直接ローラーを削りだして所定の刃を設けてもよいが、マグネットローラーなどに平板を削りだして所定の位置に刃を配置したシート状の型を巻きつけることにより、刃の取りかえが容易で好ましい。このような回転ローラーを用いることで、Wsの小さな(具体的には1mm以下であっても)切込プリプレグ基材でも良好に切り込みを挿入することができる。切り込みを入れた後、さらに、切込プリプレグ基材をローラー等で熱圧着することで、切り込み部に樹脂が充填、融着することにより、取り扱い性を向上させてもよい。」
「【0048】
さらに好ましくは切り込みが、切込プリプレグ基材の厚み方向に斜めに設けられており、任意の切り込みにおいて、切込プリプレグ基材の上面における強化繊維の分断線と下面における分断線との繊維長手方向における距離をせん断距離Sとすると、切込プリプレグ基材の厚みHとをもちいて、次の(式1)から導かれる角度Θが1〜25°の範囲内にある切込プリプレグ基材がよい。
【0049】
[数3]


「【0051】
上記のような切り込みを実現する手段としては、直接斜めに切り込みを入れる方法もあるが、例えば、強化繊維が一方向に引きそろえられた予備プリプレグ基材を準備し、厚み方向に層を貫く切り込みを入れた後、予備プリプレグ基材を加熱・軟化させた状態で上面と下面とで回転速度の異なるニップローラーを押し当て、せん断力によって、強化繊維の分断面を厚み方向に斜めにする、などの方法もある。後者の場合、強化繊維の側面部が見られるような切込プリプレグ基材面外方向に垂直に切り出した断面において、切り込みによる繊維分断線は直線状ではなく、図6に示すようにがたがた(つまり、直線とは言えない形状)になるが、便宜的に切込プリプレグ基材上面の切り込みと切込プリプレグ基材下面の切り込みとの繊維方向における距離をせん断距離Sとして用いることができ、切込プリプレグ基材全面の各切り込みのせん断距離の平均をSとして(式1)に代入して切り込み角度Θが求めることができる。」
「【0053】
成形に用いる積層基材としては、本発明の切込プリプレグ基材を含む、強化繊維を一方向に引き揃えられたプリプレグ基材が積層された積層基材であって、少なくとも2方向以上に繊維方向が異なる層が積層されているのがよい。例えば、図3には切込プリプレグ基材10と切り込みのないプリプレグ基材11のハイブリッド積層を例示した。プリプレグ基材としては、一方向基材や織物基材などがある。また、全面が切込プリプレグ基材で構成されていてもよい。」
「【図3】


「【0054】
(中略)図4に切込プリプレグ基材の流動メカニズムの例を示した。図4a)のとおり、90°のプリプレグ基材に0°の切込プリプレグ基材が挟まれた積層基材12の上から圧力13が加わり成形する際、図4b)のように、圧力で押し出された樹脂が90°方向に流れ14を作り、その流れに従って強化繊維の端部の開き15が起こる。」
「【図4】


「【0057】
さらに好ましくは積層基材において、繊維方向が実質的に同一方向である隣接する層(積層基材が[+45/0/−45/90]Sならば+45°層同士、0°層同士、−45°層同士、90°層同士)において、両層の断続的な切り込みからなる列が等間隔であり、一方の層の切込プリプレグ基材の前記切り込みからなる列が、他方の層の切込プリプレグ基材の前記切り込みからなる列に対し繊維長手方向にずれて配置されていることである。」
「【0104】
<厚み方向に斜めに切り込まれた切込プリプレグ基材の比較(表10)>
(実施例42〜46)
実施例1のプリプレグ基材に切り込みを入れた後、切込プリプレグ基材の厚み方向にせん断力を加え、切り込みを斜めにする以外は、実施例1と同様にして繊維強化プラスチックを得た。実施例1のように層を貫く切込プリプレグ基材に鉛直な切り込みを入れた後、切込プリプレグ基材を60℃で加熱・軟化させた状態で、図8に示した、上面と下面とで回転速度の異なるニップローラーを押し当て、せん断力によって、強化繊維の分断面を厚み方向に斜めにした。図6のように、切込プリプレグ基材の上面における強化繊維の分断線と下面における分断線との繊維方向における距離17をせん断距離Sとすると、250×250mmに切り出した切込プリプレグ基材上で5ヶ所以上の切り込み部においてせん断距離Sを測定し、平均したものを式1に代入して切り込みのなす角19、すなわちテーパー角度Θを算出した。実施例42はせん断距離Sが12.5mm、テーパー角度Θが0.6°、実施例43はSが6.25mm、Θが1.1°、実施例44はSが1mm、Θが7.1°、実施例45はSが0.5mm、Θが1.4mm、実施例46はSが0.25mm、Θが27°とした。」
「【図6】


「【0105】
得られた繊維強化プラスチックはいずれも繊維のうねりはなく、実施例42は若干のソリが発生したものの、いずれも良好な外観品位、平滑性を保っていた。引張弾性率は43〜45GPaとほぼ理論値通り発現しており、引張強度は実施例43が460MPa、実施例44が450MPa、実施例45が440MPa、実施例46が430MPaと実施例1と比較しても同等以上であった。特に、テーパー角度Θが小さいほど、繊維束端部の応力集中が緩和されるせいか、高い引張強度を得た。ただし、テーパー角度が1°以下となった実施例42では、せん断距離Sが非常に長くなっており、切り込み部ごとのSのバラツキが大きくなり、工程安定性に欠けた。
【0106】
(実施例47〜51) 実施例42〜46と同様に切込プリプレグ基材の切り込みを斜めにする以外は、実施例9と同様にして繊維強化プラスチックを得た。実施例47はせん断距離Sが12.5mm、テーパー角度Θが0.6°、実施例48はSが6.25mm、Θが1.1°、実施例49はSが1mm、Θが7.1°、実施例50はSが0.5mm、Θが1.4mm、実施例51はSが0.25mm、Θが27°とした。
【0107】
得られた繊維強化プラスチックはいずれも繊維のうねりはなく、実施例47は若干のソリが発生したものの、いずれも良好な外観品位、平滑性を保っていた。引張弾性率は45〜47GPa、引張強度は実施例47が480MPa、実施例48が460MPa、実施例49が420MPa、実施例50が380MPa、実施例51が350MPaと実施例9と比較しても実施例51を除いては引張強度のみならず引張弾性率まで高くなった。実施例42〜46と同様、特に、切り込みの傾き角度Θが小さいほど、高い引張強度を得た。実施例9からの強度向上率は実施例42〜46の実施例1からの強度向上率よりも高く、繊維束端部が近づいているほど、テーパー角度Θが小さい効果、すなわち応力集中が少ない影響が大きく働くことがわかった。」
「【0144】
【表10】


上記表10には、実施例45として、せん断距離Sが0.5mm、基材厚みHが125μmであって(式1)から導かれる角度Θが14°の切り込みが形成されたプリプレグ基材が記載されている。

以上の記載を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「強化繊維を一方向に引き揃えられたプリプレグ基材が積層された積層基材であって、
前記プリプレグ基材は、
一方向に引き揃えられた強化繊維とマトリックス樹脂から構成され、
30〜150μmの範囲の厚みを有し、
全面に強化繊維を横切る方向へ断続的な切り込みからなる列が複数列設けられて切込プリプレグ基材をなし、
切り込みは、プリプレグ基材の厚み方向に斜めに設けられており、
切込プリプレグ基材の上面における強化繊維の分断線と下面における分断線との繊維長手方向における距離をせん断距離Sとすると、切込プリプレグ基材厚みHとをもちいて、次の(式1)から導かれる角度Θが1〜25°の範囲内にあり、



その具体的な実施例として、せん断距離Sが0.5mm、基材厚みHが125μmであって(式1)から導かれる角度Θが14°の切り込みが形成され、
当該切り込みは、厚み方向に層を切り貫く切り込みを入れた後、せん断力によって、強化繊維の分断面を斜め方向にすることで形成される、積層基材。」

イ 本件発明1について
(ア)対比
本件発明1と引用発明とを対比する。
引用発明の「一方向に引き揃えられた強化繊維とマトリックス樹脂から構成され」る「プリプレグ基材」及び「切り込み」が設けられた「切込プリプレグ基材」は、いずれも本件発明1の「樹脂で結着された複数の強化繊維(502)を含む主体部(501)を備え」た「複合層」に相当し、引用発明の「プリプレグ基材が積層された積層基材」は、本件発明1の「複合層および複数の他の複合層を含む複合膜集合体」に相当する。
引用発明のプリプレグ基材の「上面」及び「下面」は、他のプリプレグ基材が積層されることから、それぞれ、本件発明1の「境界面(506)」及び「境界面(506)に連なる底面(504)」に相当する。
引用発明のプリプレグ基材は「30〜150μmの範囲の厚みを有」するものであるから、上面及び下面の他、4つの側面(「対向する端面(508、510)」と、「対向する側面(511)」に相当)が存在することは自明である。
引用発明の「プリプレグ基材の厚み方向に斜めに設けられ」、「繊維長手方向の距離S」を基準として導かれる「角度Θが1〜25°の範囲内」の「切り込み」は、本件発明1の「主体部の長手方向に対して非直交である少なくとも1つの非直交切込み(514)」に相当する。
引用発明の「厚み方向に層を切り貫く切込みを入れ」て切り込みを形成する点は、本件発明1の「対向する端面の間において、主体部(501)の厚みを介して前記底面(504)から前記境界面(506)まで形成」することに相当する。

そうすると、本件発明1と引用発明とは、次の点で一致し、相違する。
<一致点>
「複合層(500)および複数の他の複合層を含む複合膜集合体であって、前記複合層(500)は、
樹脂で結着された複数の強化繊維(502)を含む主体部(501)を備えており、前記主体部(501)は、対向する端面(508、510)および対向する側面(511)を介して、反対側の境界面(506)に連なる底面(504)を含み、
前記主体部の長手方向に対して非直交状である少なくとも1つの非直交切込み(514)が、前記対向する端面の間において、前記主体部(501)の厚みを介して前記底面(504)から前記境界面(506)まで形成されている、複合膜集合体。」

<相違点>
本件発明1は、「非直交切込み」について、さらに「隣接する複合層の厚みを介して形成された少なくとも1つの他の非直交切込みに対し、配向が逆である」点が特定されているのに対し、引用発明は、隣接するプリプレグ基材に形成された切り込みの配向について特定されていない点。

(イ)判断
上記相違点について検討する。
引用文献1には、「繊維方向が実質的に同一方向である隣接する層(積層基材が[+45/0/−45/90]Sならば+45°層同士、0°層同士、−45°層同士、90°層同士)において、両層の断続的な切り込みからなる列が等間隔であり、一方の層の切込プリプレグ基材の前記切り込みからなる列が、他方の層の切込プリプレグ基材の前記切り込みからなる列に対し繊維長手方向にずれて配置されていることである。」(【0057】)ことが記載されており、隣接する切込プリプレグ基材の切り込みをずらして配置することは特定されているものの、切り込みの配向が逆である点は記載も示唆もない。
また、複数の複合層を含む複合膜集合体において、隣接する複合層に形成された切込みの配向を逆にする点が、本件特許の出願前に周知又は公知であったとする他の証拠も提出されていない。
そうすると、本件発明1の上記相違点に係る構成は、実質的なものであって、本件発明1が引用発明であるとはいえないし、本件発明1は、引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得たものともいえない。

(ウ)申立人の主張について
申立人は、特許異議申立書において、「甲1発明(引用文献1として引用)の具体例である実施例42〜45によれば、厚み方向に斜めの切り込みを有するプリプレグが開示されている([0104]〜[0107])。これら実施例では、プリプレグを対称積層している(なお、表10における「積層構成」中の記号“s”が対称(symmetry)積層を表すことは技術常識である(要すればJIS K7016−4:2009を参照))。そうすると、これらの実施例において、中央の二層の切り込みの「配向」は、以下の模式図に示されるよう、逆になっている」旨、主張する。


上記主張について検討する。
申立人が技術常識の根拠として示したJIS K7016−4:2009 付属書A「A3 パラメータの表示欄」には、積層構成中の記号“s”は、「積層中央面に対して上下が対称的な積層を表すもので,下付き添字で示す。」ことが記載されており、積層順が対称である(上記申立人の模式図であれば、“1/2/3/4/4/3/2/1”の順に積層される)ことを表すものであって、「裏返して積層」することを意味するものではない。そうすると、引用文献1に記載された積層構成からは、中央の二層に繊維の配向方向が同じ層が隣接して配置されることが記載されているにすぎず、当該層に形成された切り込みの配向が逆であるかは把握できない。
よって、申立人の主張は採用できない。

ウ 本件発明2〜10について
本件発明2〜10は、直接的又は間接的に本件発明1を引用するものであって、本件発明2〜10と引用発明とを対比すると、いずれの場合であっても、少なくとも前記相違点1の点で相違するから、そのほかの相違点について検討するまでもなく、本件発明2〜10が引用発明であるとはいえない。
そして、引用発明において、前記相違点1に係る本件発明1の発明特定事項を有するものとすることが、当業者が容易になし得るものではないことは、上記イ(イ)に記載のとおりであるから、そのほかの相違点について検討するまでもなく、本件発明2〜10は、引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。

第5 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
1 特許異議申立の理由中、取消理由に採用しなかったものは、概略以下のとおりである。
(1)申立ての理由1(新規性
設定登録時の請求項11〜13に係る発明は、甲第1号証に記載の発明であるから、その特許は特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。
(2)申立ての理由2(進歩性
設定登録時の請求項11〜13に係る発明は、甲第1号証に記載の発明に基づき容易想到であるから、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
甲第1号証:特開2008−207544号公報

2 甲第1号証の記載事項
甲第1号証は、上記引用文献1であって、上記第4 2(2)アに摘記した事項が記載されている。

3 申立理由に対する当審の判断
本件発明11は、「(b)隣接する複合層の厚みを介して形成された少なくとも1つの他の非直交切込みに対し、配向が逆となるように形成する」ことを発明特定事項として含むものであって、上記第4 2(2)イ(イ)で検討したとおり、当該発明特定事項は、実質的な相違点であるから、本件発明11は甲第1号証に記載の発明であるとはいえないし、本件発明11は、甲第1号証に記載の発明に基づき容易想到であるともいえない。
また、本件発明12〜13は、本件発明11の発明特定事項を全て含み、さらに発明特定事項を加え、本件発明11を限定するものであるから、上記上記第4 2(2)イ(イ)で検討したのと同じ理由により、甲第1号証に記載の発明であるとはいえないし、本件発明12〜13は、甲第1号証に記載の発明に基づき容易想到であるともいえない。

第6 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された取消理由によっては、本件請求項1〜13に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1〜13に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合層(500)および複数の他の複合層を含む複合膜集合体であって、前記複合層(500)は、
樹脂で結着された複数の強化繊維(502)を含む主体部(501)を備えており、前記主体部(501)は、対向する端面(508、510)および対向する側面(511)を介して、反対側の境界面(506)に連なる底面(504)を含み、
前記主体部の長手方向に対して非直交状である少なくとも1つの非直交切込み(514)が、前記対向する端面の間において、前記主体部(501)の厚みを介して前記底面(504)から前記境界面(506)まで形成されており、
前記主体部の前記厚みを介して形成された前記少なくとも1つの非直交切込みは、隣接する複合層の厚みを介して形成された少なくとも1つの他の非直交切込みに対し、配向が逆である、複合膜集合体。
【請求項2】
前記少なくとも1つの非直交切込み(514)は、前記隣接する複合層における前記少なくとも1つの他の非直交切込み(514)に対してずらして配置されていることにより、前記少なくとも1つの非直交切込み(514)は、前記隣接する複合層における前記少なくとも1つの他の非直交切込み(514)と連続する線状の切込みを形成しない、請求項1に記載の複合膜集合体。
【請求項3】
前記非直交切込み(514)は、当該複合層の長手面(512)に対して非直交の角度を形成し、前記長手面(512)は、前記対向する端面(508、510)の間を、前記底面(504)および前記反対側の境界面(506)の一方あるいは両方に対して平行に延びる、請求項1または2に記載の複合膜集合体。
【請求項4】
前記非直交の角度は、5度以上且つ80度以下である、請求項3に記載の複合膜集合体。
【請求項5】
前記非直交の角度は、10度以上且つ20度以下である、請求項3に記載の複合膜集合体。
【請求項6】
前記少なくとも1つの非直交切込み(514)は、互いに継ぎ合わされた層セグメント(518、520)を形成する、請求項1、2、4、5のいずれか1つに記載の複合膜集合体。
【請求項7】
前記少なくとも1つの非直交切込み(514)は、複数の非直交切込み(514)を含む、請求項1、2、4、5のいずれか1つに記載の複合膜集合体。
【請求項8】
前記複数の非直交切込み(514)は、同一の角度で形成されている、請求項7に記載の複合膜集合体。
【請求項9】
前記複数の非直交切込み(514)のうちの少なくとも2つは、異なる角度で形成されている、請求項7に記載の複合膜集合体。
【請求項10】
前記複数の非直交切込み(514)のうちの少なくとも2つは、異なる方向に配向されている、請求項7に記載の複合膜集合体。
【請求項11】
複合膜集合体(1000)を形成する方法であって、
当該方法は、複数の複合層(1002、1004)を形成することを含み、前記複数の複合層の各々は、樹脂で結着された複数の強化繊維を含む主体部を有しており、前記主体部は、対向する端面および対向する側面を介して、反対側の境界面に連なる底面を含んでおり、
当該方法は、前記複数の複合層(1002、1004)のうちの少なくとも1つの複合層において、前記主体部の長手方向に対して非直交状である少なくとも1つの非直交切込み(1008)を形成することを含み、当該少なくとも1つの非直交切込みの形成は、前記少なくとも1つの非直交切込みを、(a)前記対向する端面の間において、前記主体部の厚みを介して前記底面から前記境界面まで延びるように形成するとともに、(b)隣接する複合層の厚みを介して形成された少なくとも1つの他の非直交切込みに対し、配向が逆となるように形成することを含んでおり、
当該方法は、隣接する複合層(1002、1004)における前記非直交切込み(1008)が互いにずれて配置されるように前記複合層(1002、1004)を積層すること、を含む。
【請求項12】
前記少なくとも1つの非直交切込み(1008)を形成する工程は、前記少なくとも1つの非直交切込み(1008)を、前記複数の複合層(1002、1004)の長手方向軸に対して10度以上且つ20度以下の角度で形成することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの非直交切込み(1008)を形成する工程は、前記複数の複合層(1002、1004)に、複数の非直交切込み(1008)を形成することを含む、請求項11または12に記載の方法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照
異議決定日 2022-03-30 
出願番号 P2016-092538
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (B32B)
P 1 651・ 537- YAA (B32B)
P 1 651・ 121- YAA (B32B)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 久保 克彦
特許庁審判官 平野 崇
石井 孝明
登録日 2020-10-30 
登録番号 6786256
権利者 ザ・ボーイング・カンパニー
発明の名称 複合材料を形成するためのシステム及び方法  
代理人 吉田 稔  
代理人 吉田 稔  
代理人 臼井 尚  
代理人 田中 達也  
代理人 小淵 景太  
代理人 小淵 景太  
代理人 鈴木 伸太郎  
代理人 田中 達也  
代理人 鈴木 伸太郎  
代理人 鈴木 泰光  
代理人 鈴木 泰光  
代理人 臼井 尚  

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