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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G09F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G09F
管理番号 1387101
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-08-06 
確定日 2022-07-13 
事件の表示 特願2019−124084「表示装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 1月16日出願公開、特開2020− 8856〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2019年(令和元年)7月3日を出願日とする特許出願(パリ条約による優先権主張2018年7月3日、韓国)であって、その出願後の手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和 2年 7月27日付け:拒絶理由通知書
同年11月 4日 :手続補正書、意見書の提出
同月27日付け:拒絶理由通知書(最後)
令和 3年 3月 8日 :手続補正書、意見書の提出
同月30日付け:補正の却下の決定、拒絶査定
(同年 4月 6日:拒絶査定(以下「原査定」という。)の謄本の送達)
同年 8月 6日 :審判請求書、手続補正書の提出


第2 令和3年8月6日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和3年8月6日にされた手続補正を却下する。

[補正の却下の決定の理由]
1 補正の内容
令和3年8月6日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲について補正をするものである。本件補正前(令和2年11月4日にされた手続補正後をいう。以下同じ。)の特許請求の範囲の請求項1及び本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。下線は補正箇所を示す。

(1)本件補正前の請求項1
「 表示パネルと、
前記表示パネルの下側エッジが固定されたローラと、
前記表示パネルの上側エッジに一端が連結された複数のリンクと、
前記ローラを回転させるように前記ローラ外部に配置された駆動部と、
前記複数のリンクのそれぞれの他端に連結されて、前記ローラ外部にそれぞれ配置された複数の弾性部材とを含み、
前記複数のリンクのそれぞれは、
前記弾性部材から力が印加され、前記弾性部材に結合した他端を有する下部リンクと、
前記表示パネルの前記上側エッジに回転可能に結合した一端及び前記下部リンクの一端に回転可能に結合した他端を有する上部リンクと、
前記上部リンクの他端に配置されたギア及び前記下部リンクの一端に配置されたギアと、を含み、
前記下部リンクは、支持軸に回転可能に結合し、
前記弾性部材は、前記支持軸を中心として前記下部リンクの他端を回転させて、前記下部リンクの一端を上昇させ、
前記弾性部材による前記下部リンクの回転に従って前記上部リンクが回転するように、前記上部リンクの他端のギアの歯車及び前記下部リンクの一端のギアの歯車が互いに噛み合い、
前記表示パネルは、前記駆動部によって回転する前記ローラによって巻かれ、前記表示パネルが解かれるときに前記複数のリンクによって支持される表示装置。」

(2)本件補正後の請求項1
「 表示パネルと、
前記表示パネルの下側エッジが固定されたローラと、
前記表示パネルの上側エッジに一端が連結された複数のリンクと、
前記ローラを回転させるように前記ローラ外部に配置された駆動部と、
前記複数のリンクのそれぞれの他端に連結されて、前記ローラ外部にそれぞれ配置された複数の弾性部材とを含み、
前記複数のリンクのそれぞれは、
前記弾性部材から力が印加され、前記弾性部材に結合した他端を有する下部リンクと、
前記表示パネルの前記上側エッジに回転可能に結合した一端及び前記下部リンクの一端に回転可能に結合した他端を有する上部リンクと、
前記上部リンクの他端に配置されたギア及び前記下部リンクの一端に配置されたギアと、を含み、
前記下部リンクは、支持軸に回転可能に結合し、
前記支持軸から前記下部リンクの他端までの長さは、前記支持軸から前記下部リンクの一端までの長さよりも短く、
前記弾性部材は、前記支持軸を中心として前記下部リンクの他端を回転させて、前記下部リンクの一端を上昇させ、
前記弾性部材による前記下部リンクの回転に従って前記上部リンクが回転するように、前記上部リンクの他端のギアの歯車及び前記下部リンクの一端のギアの歯車が互いに噛み合い、
前記表示パネルは、前記駆動部によって回転する前記ローラによって巻かれ、前記表示パネルが解かれるときに前記複数のリンクによって支持され、
前記上部リンクの他端は、前記駆動部から前記下部リンクの一端に力を伝達するために前記下部リンクの一端に回転可能に結合され、
前記表示パネルを巻く間に、前記駆動部から前記下部リンクの一端に伝達される力は、前記弾性部材から前記下部リンクの他端に伝達される力よりも弱く、
前記表示パネルを巻く間に、前記駆動部からの力によって前記下部リンクの一端に生じるトルクは、前記弾性部材からの力によって前記下部リンクの他端に生じるトルクよりも強い、表示装置」

2 本件補正の適否
(1) 本件補正の目的
本件補正による特許請求の範囲の請求項1についての補正は、次のアからウの限定をするものである。
ア 「支持軸」と「下部リンク」の関係について、「前記支持軸から前記下部リンクの他端までの長さは、前記支持軸から前記下部リンクの一端までの長さよりも短[い]」点を限定すること。
イ 「上部リンク」と「下部リンク」の関係について、「前記上部リンクの他端は、前記駆動部から前記下部リンクの一端に力を伝達するために前記下部リンクの一端に回転可能に結合され[ている]」点を限定すること。
ウ 「駆動部」、「弾性部材」及び「下部リンク」の関係について、「前記表示パネルを巻く間に、前記駆動部から前記下部リンクの一端に伝達される力は、前記弾性部材から前記下部リンクの他端に伝達される力よりも弱[い]」点及び「前記表示パネルを巻く間に、前記駆動部からの力によって前記下部リンクの一端に生じるトルクは、前記弾性部材からの力によって前記下部リンクの他端に生じるトルクよりも強い」点を限定すること。
そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は、同一である。
したがって、特許請求の範囲を補正する本件補正のうちの請求項1についての補正は、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

(2) 独立特許要件について
本件補正による請求項1についての補正は、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下検討を行う。

ア 本件補正発明
本件補正発明は、前記1(2)に摘記した、本件補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。

イ 先行技術
(ア) 引用文献1に記載された発明の認定
a 引用文献1の記載事項
本願の優先日前に発行された特開平6−235974号公報(以下「引用文献1」という。)には、以下の記載がある。下線は、当審において付したものであり、後述の引用発明の認定に直接用いるところに付してある。
(a) 【特許請求の範囲】の【請求項1】
「 支持フレームと、
支持フレームに回転可能に支持される巻取パイプと、
巻取パイプを回転駆動可能なモータと、
巻取パイプに一端が連結されるとともにこれによって巻取り又は巻解き可能なスクリーンと、
スクリーンの他端側に取り付けられる張出レールと、
一端が支持フレームに回転可能に連結されたフレーム側アームの他端と、一端が張出レールに回転可能に連結されたレール側アームの他端とを、互いに回転可能に連結することによって構成した一対のリンク機構と、
リンク機構にこれを伸長させる方向の力を作用させるスプリングと、
を有する映写用スクリーンにおいて、
巻取パイプの外周に隣接してモータ非常停止用のリミットスイッチが設けられており、
リミットスイッチの作動片は、スクリーンがすべて巻取パイプに巻き取られた状態においても、スクリーンとの間にすきまを有するように設定されている、
ことを特徴とする映写用スクリーン。」

(b) 【0001】〜【0007】
「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、映写用スクリーンに関するものである。
…(中略)…
【0006】
【実施例】
(第1実施例)図1及び2に本発明の実施例を示す。図示してない収納ボックス内に固定された支持フレーム14に、巻取パイプ16が回転可能に支持されている。巻取パイプ16は、モータ18によって回転駆動可能である。巻取パイプ16にはスクリーン20の一端側が連結されており、スクリーン20は巻取パイプ16に巻取り及び巻解き可能である。一方、スクリーン20の他端にはこれを保持するための張出レール22が連結されている。張出レール22と支持フレーム14とは、一対のリンク機構24によって連結されている。リンク機構24は、支持フレーム14にピン26によって一端を回転可能に支持されるフレーム側アーム28と、張出レール22に一端が回転可能に連結されるレール側アーム30と、から構成されており、フレーム側アーム28及びレール側アーム30の他端同士がピン31によって回転可能に連結されている。アーム30及びアーム28の内部にワイヤ32が沿通されている。ワイヤ32の上端はレール側アーム30の上端側に固着されており、ワイヤ32はアーム30に沿ってこれの内部に設けられ、次いでピン30(当審注:「ピン31」の誤記)によって曲げられた後フレーム側アーム28内を通り、更にピン26に沿って曲げられ、ワイヤ32の下端側はスプリング34の一端に連結されている。スプリング34は巻取パイプ16と平行に配置されており、スプリング34の他端は支持フレーム14に固着されている。支持フレーム14には、スクリーンカバー54が取り付けられている。スクリーンカバー54は、図2に示すように、巻取パイプ16の上部を覆うように円弧状断面を有しており、巻取パイプ16の全長にわたって設けられている。スクリーンカバー54の両端部寄りの位置にそれぞれリミットスイッチ52が設けられている。リミットスイッチ52の作動片52aは、図2に示すように、スクリーンカバー54を貫通して、巻取パイプ16の外周に近接した位置まで達している。ただし、スクリーン20が巻取パイプ16に完全に巻き取られた状態においても、作動片52aとスクリーン20との間にはすきまができるようにしてある。リミットスイッチ52はモータ18非常停止用のものである。
【0007】次に、この実施例の動作について説明する。映写用スクリーンを使用しない状態においては、スクリーン20は巻取パイプ16に完全に巻き取られており、リンク機構24は折りたたまれた状態、すなわち収縮した状態となっている。映写のために映写用スクリーンを使用する場合には、モータ18を作動させ、巻取パイプ16を巻解方向に回転させる。ワイヤ32は、レール側アーム30及びフレーム側アーム28に沿って「く」の字状に折り曲がっており、このワイヤ32にスプリング34の引張力が作用しているため、リンク機構24は常に伸長する方向の力を受けている。したがって、スクリーン20が巻取パイプ16から巻き解かれていくと、スプリング34の力によってリンク機構24が伸長し、張出レール22が持ち上げられる。スクリーン20が完全に巻き解かれた状態でモータ18を停止させる。この状態では、スクリーン20は、張出レール22に作用するリンク機構24からの力によって所定の緊張状態に保持される。したがって、スクリーン20はしわのない平面を形成し、これの上に画像を映写することができる。スクリーン20を展開する途中で張出レール22が障害物に当って上昇が阻止された場合には、モータ18が回転を続けるため、スクリーン20が巻取パイプ16の周囲で緩み、外周に膨れてくる。このため、リミットスイッチ52の作動片52aが作動し、モータ18が停止され、これ以上スクリーン20が緩むことが防止される。したがって、スクリーン20が巻取パイプ16に逆方向に巻き取られたり、しわが付いたりすることはない。」

(c) 【符号の説明】
「12 収納ボックス
14 支持フレーム
16 巻取パイプ
20 スクリーン
22 張出レール
24 リンク機構
28 フレーム側アーム
30 レール側アーム
34 スプリング
52 リミットスイッチ
52a 作動片」

(d) 【図1】




(e) 図1から読み取れる事項
図1から、「一対のスプリング34は巻取パイプ16の外部に配置されていること」が読み取れる。

引用発明の認定
前記a(a)〜(d)において摘記した事項及び前記a(e)において認定した事項を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
<引用発明>
「支持フレーム14と、
支持フレーム14に回転可能に支持される巻取パイプ16と、
巻取パイプ16を回転駆動可能なモータ18と、
巻取パイプ16に一端が連結されるとともにこれによって巻取り又は巻解き可能なスクリーン20と、
スクリーン20の他端側に取り付けられる張出レール22と、
一端が支持フレーム14に回転可能に連結されたフレーム側アーム28の他端と、一端が張出レール22に回転可能に連結されたレール側アーム30の他端とを、互いに回転可能に連結することによって構成した一対のリンク機構24と、
リンク機構24にこれを伸長させる方向の力を作用させるスプリング34と、
を有する映写用スクリーンであって(【請求項1】、【符号の説明】、【図1】)、
フレーム側アーム28は支持フレーム14にピン26によって一端を回転可能に支持されており、
フレーム側アーム28及びレール側アーム30の他端同士がピン31によって回転可能に連結されており、
レール側アーム30及びフレーム側アーム28の内部にワイヤ32が沿通されており、
ワイヤ32の上端はレール側アーム30の上端側に固着されており、
ワイヤ32はレール側アーム30に沿ってこれの内部に設けられ、次いでピン31によって曲げられた後フレーム側アーム28内を通り、更にピン26に沿って曲げられ、ワイヤ32の下端側はスプリング34の一端に連結されており、
スプリング34は巻取パイプ16と平行に配置されており、
スプリング34の他端は支持フレーム14に固着されており(【0006】)、
映写用スクリーンを使用しない状態においては、スクリーン20は巻取パイプ16に完全に巻き取られており、リンク機構24は折りたたまれた状態、すなわち収縮した状態となっており、
映写のために映写用スクリーンを使用する場合には、モータ18を作動させ、巻取パイプ16を巻解方向に回転させ、ワイヤ32は、レール側アーム30及びフレーム側アーム28に沿って「く」の字状に折り曲がっており、ワイヤ32にスプリング34の引張力が作用しているため、リンク機構24は常に伸長する方向の力を受けており、
スクリーン20が巻取パイプ16から巻き解かれていくと、スプリング34の力によってリンク機構24が伸長し、張出レール22が持ち上げられ、
スクリーン20が完全に巻き解かれた状態でモータ18を停止させた状態では、スクリーン20は、張出レール22に作用するリンク機構24からの力によって所定の緊張状態に保持され、スクリーン20はしわのない平面を形成し、これの上に画像を映写することができ(【0007】)、
一対のスプリング34は巻取パイプ16の外部に配置されている(図1から読み取れる事項)、
映写用スクリーン。」

(イ) 周知技術A
a 引用文献2の記載事項
本願の優先日前に発行された特開2017−198970号公報(以下「引用文献2」という。)には、以下の記載がある。下線は当審において付した。
(a) 【0001】〜【0003】
「【技術分野】
【0001】
本発明は、必要によって軟性表示パネルが広げられたり巻かれるローラブルディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ディスプレイ装置は、映像を具現するための機器を意味する。例えば、上記ディスプレイ装置は、液晶表示装置、プラズマ表示装置及び有機電界発光表示装置を含むことができる。
【0003】
携帯性及び空間活用性を改善するために、上記ディスプレイ装置は、柔軟性を有する軟性表示パネルを含むことができる。ユーザの映像具現要請に応じて、ローラなどに巻かれている軟性表示パネルが広げられるディスプレイ装置を、ローラブルディスプレイ装置と定義することができる。例えば、上記ローラブルディスプレイ装置は、メインローラを含む本体、上記メインローラに巻き取られている軟性表示パネル、及び上記軟性表示パネルを広げるための2つのリンク組立体を含むことができる。上記2つのリンク組立体は上記軟性表示パネルの左側及び右側に位置し得る。」

(b) 【0027】〜【0040】
「【0027】
(実施例)
【0028】
図1Aは、本発明の実施例に係るローラブルディスプレイ装置を示す図である。図1Bは、本発明の実施例に係るローラブルディスプレイ装置の軟性表示パネル(flexible display panel)の断面を概略的に示す図である。
【0029】
図1A及び図1Bを参照すると、本発明の実施例に係るローラブルディスプレイ装置は、本体100、軟性表示パネル200、リンク組立体300及びバックカバー600を含むことができる。
【0030】
上記本体100は、上記軟性表示パネル200及び上記リンク組立体300を収納可能な空間を提供することができる。例えば、上記本体100は、上記軟性表示パネル200が巻かれるメインローラ110、及び上記リンク組立体300を駆動するためのリンク駆動部120を含むことができる。上記本体100は、上記軟性表示パネル200に映像を具現するための信号を供給するセットパワーボードボックス(setpower board box)130をさらに含んでもよい。上記セットパワーボードボックス130は上記本体100の背面に位置してもよい。
【0031】
上記メインローラ110は円筒形であってもよい。上記軟性表示パネル200は上記メインローラ110の外面に沿って巻かれ得る。例えば、上記軟性表示パネル200の下端部は上記メインローラ110と結合してもよい。上記メインローラ110は、上記軟性表示パネル200が広げられたり巻かれたりする途中に損傷することを防止することができる。例えば、上記本体100は、上記軟性表示パネル200が完全に巻かれた状態で上記メインローラ110を回転させるための弾性部材をさらに含んでもよい。上記弾性部材はばねを含んでもよい。
【0032】
上記本体100は、上記軟性表示パネル200の移動を補助するための補助ローラ140,150をさらに含んでもよい。例えば、上記メインローラ110に巻かれる上記軟性表示パネル200の前面は前面補助ローラ140と接触し、上記軟性表示パネル200の背面は背面補助ローラ150と接触し得る。上記前面補助ローラ140及び上記背面補助ローラ150は上記メーンローラ110と相対的位置が異なってもよい。例えば、上記前面補助ローラ140と上記背面補助ローラ150は、異なる高さに位置してもよい。
【0033】
上記リンク駆動部120は、上記リンク組立体300を回転/移動させて上記軟性表示パネル200の上端部を上昇又は下降させることができる。上記メインローラ110に巻かれた上記軟性表示パネル200は、上記リンク駆動部120によって完全に広げられ得る。完全に広げられていた上記軟性表示パネル200は、上記リンク駆動部120によって上記メインローラ110の方に移動し得る。上記リンク駆動部120によって上記メインローラ110の方に移動する上記軟性表示パネル200は、上記メインローラ110の回転によって上記メインローラ110の外面に沿って巻かれ得る。
【0034】
上記本体100は、上記リンク駆動部120を制御するためのコントロールパネル160をさらに含んでもよい。上記コントロールパネル160は上記本体100の背面に位置してもよい。
【0035】
上記軟性表示パネル200は映像を具現するものであって、柔軟性を有する表示パネルであってもよい。例えば、上記軟性表示パネル200は、第1フレキシブル基板201、及び該第1フレキシブル基板201と接着している第2フレキシブル基板202を含むことができる。上記第1フレキシブル基板201と上記第2フレキシブル基板202との間には薄膜トランジスター203及び発光素子204が位置してもよい。上記発光素子204は、下部発光電極204a、有機発光層204b及び上部発光電極204cを含むことができる。例えば、上記軟性表示パネル200は、有機発光層を有するOLEDパネルであってもよい。上記軟性表示パネル200は、上記薄膜トランジスター203と上記発光素子204との間に位置するオーバーコート層205、上記下部発光電極204aの縁を覆うバンク絶縁膜206、上記発光素子204上に位置する上部保護膜207、及び上記第2フレキシブル基板202と上記上部保護膜207との間に位置する接着層208をさらに含むことができる。
【0036】
上記リンク組立体300は上記リンク駆動部120と連結されてもよい。上記リンク組立体300は上記リンク駆動部120によって回転/移動して上記軟性表示パネル200の上端部を上昇又は下降させることができる。例えば、上記リンク組立体300は、上記リンク駆動部120と上記軟性表示パネル200の上端部とを連結することができる。
…(中略)…
【0039】
図2Aは、本発明の実施例に係るローラブルディスプレイ装置のバックカバー600が除去された背面を示す図である。図2Bは、軟性表示パネルが完全に広げられた時、本発明の実施例に係るローラブルディスプレイ装置の第1リンク組立体300Rを示す図である。
【0040】
図1A、図1B、図2A及び図2Bを参照すると、本発明の実施例に係るローラブルディスプレイ装置のリンク組立体300は、第1リンク組立体300R及び第2リンク組立体300Lを含むことができる。」

(c) 【図1A】、【図1B】




(d) 【図2A】、【図2B】




b 周知技術Aの認定
前記aに摘記して示した引用文献2に例示されるように、「柔軟性を有する軟性表示パネルを含み、ユーザの映像具現要請に応じて、ローラなどに巻かれている軟性表示パネルが広げられるディスプレイ装置。」は、周知の技術(以下「周知技術A」という。)であると認められる。

(ウ) 周知技術Bの認定
a 引用文献5の記載事項
本願の優先日前に発行された特開平9−329844号公報(以下「引用文献5」という。)には、以下の記載がある。下線は当審において付した。

(a) 【特許請求の範囲】の【請求項1】
「映像光線を反射させて映像を映すスクリーンと、該スクリーンを巻取って収納するスクリーン巻取部と、音声を出力するスピーカとからなり、前記スピーカは、前記スクリーンの動きに同期して前記スクリーン巻取部内に出没自在に構成したことを特徴とするスピーカを備えた映像用スクリーン装置。」

(b) 【0001】の【0024】
「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ホームシアタ等で使用されるプロジェクタのスクリーン装置に関するものであり、詳しくはスクリーンの収納に連動してスピーカを収納自在にした映像用スクリーン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、一般家庭において、プロジェクタにより大型のスクリーン画面一杯にテレビジョン映像や映画を写し出すと共にスピーカからの豊富な音量の音声を出力して映画館や劇場の雰囲気を楽しむ、所謂ホームシアタが普及する傾向が急激に増大している。
【0003】しかし、一般家庭等にホームシアタを設置する場合、映像の画質及び音声の音質が重要であることは勿論であるが、ホームシアタを実現することができる空間には限りがあるから、可能な限りスペース効率を良くする必要がある。また、ホームシアタを一定の場所に常設しておくよりは、任意の時に任意の場所に設置することができる方が望ましいから、移動に便利なことも要求される。
【0004】上記要求を満たすため、従来、スクリーンを使用しない時は巻き取って収納することができるようにした巻取収納機構を備えたスクリーン装置が存在している。」
・・・(中略)・・・
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に係るスピーカを備えたスクリーン装置の望ましい実施の形態は、一般家庭等においてオーバーヘッドプロジェクタを用いたホームシアタ用のスピーカを備えたスクリーン装置であって、不使用時に、スクリーンとスピーカとを一つのスピーカ巻取部に相当する台兼収納箱に、一個の駆動モータにより起立及び伏倒させて出没自在に収納するようにしたスピーカを備えたスクリーン装置である。以下、図面を参照にして種々の実施形態について説明する。
【0009】本発明に係る第1の実施形態であるスピーカを備えたスクリーン装置は、図1に示すように、(1)プロジエクタからの映像光線を反射して映像を映し出すスクリーン1と、(2)スピーカを内蔵した左右のスピーカボックス2と、(3)使用時にはスクリーン1及びスピーカボックス2を立設する台となり、不使用時にはスクリーン1及びスピーカボックス2を収納する収納箱となるスピーカ巻取部に相当する台兼収納箱3と、(4)使用時には、台兼収納箱3内からスクリーン1を引き出して展張し、不使用時にはスクリーン1を台兼収納箱3内へモータ駆動で自動的に巻き取る機能を持つ、図2に示すようなスクリーン巻取装置4と、(5)使用時には、スピーカボックス2を台兼収納箱3からモータ駆動で自動的に出し、不使用時には、スピーカボックス2を台兼収納箱3にモータ駆動で自動的に収納する機能を持つ、図3及び図4に示すようなスピーカ起倒装置5と、(6)図3(B)に示す制御装置6と、(7)1個の駆動モータ12とを有している。
【0010】図1(A)は、スピーカを備えたスクリーン装置の使用時の外観を示し、図1(B)は不使用時の外観を示す。このように、使用時においては、スクリーン1及びスピーカボックス2は、台兼収納箱3の上に設置され、不使用時には、スクリーン1とスピーカボックス2とは両方共スクリーン巻取部である台兼収納箱3の中に収納される。
【0011】スクリーン1は、図2に示すように、横長の矩形状の映写用シート7と、シート7の横方向長さよりやや長い水平枠8とからなる。水平枠8は、シート7の上端部を前後から挟む二本の棒8a、8bからなる。
【0012】スピーカボックス2は、図1及び図3に示すように、四角な箱の前面に2個のスピーカを上下に配置した周知の形状及び性能を有するものである。
【0013】スクリーン巻取装置4は、図2(A)に正面図、図2(B)に側面図を示すように、2本のアーム9と、各アーム9に付属する2個のスプリング10と、シート巻き取り軸11と、駆動モータ12(図3(B)参照)とを有している。
【0014】アーム9は、2本の同一長の上腕部9aと下腕部9bとからなり、上腕部9aの下端と下腕部9bの上端とを互いに回動自在に結合した結合部9cで屈伸可能にしたものである。
【0015】スプリング10は、強い弾性金属線をコイル状に巻き、両端部10a、10bをそれぞれ反対方向へ直線的に伸ばしてそれぞれ固定端としたものである。このスプリング10は、アーム9の結合部9cの側面に、コイル部10cの中心軸が結合部9cの回転中心軸と平行になるようにして両端部10a、10bを固定することにより取り付けられている。
【0016】上記スプリング10付きアーム9は、上腕部9aと下腕部9bとをスプリング10を挟んで屈曲した時、スプリング10の弾性復元力により上腕部9aと下腕部9bとのなす角度θが180度になる(つまりアーム9が真っ直ぐになる)方向に常に付勢されることになる。
【0017】上記構造の二本のスプリング10付きアーム9は、互いのスプリング10を対向させるような左右対称位置に、それぞれの上端はスクリーン1の上端を挟む水平枠8の後側の棒8bの左右の回転軸8c、8dに回動自在に軸支され、それぞれの下端は台兼収納箱3の上面に設けられた左右の回転軸3a、3bにより回動自在に軸支される。
【0018】シート巻き取り軸11は、スクリーン1のシート7の横幅よりやや長い長さの円筒状の軽い金属性のパイプからなり、両端に回転軸を有しており、台兼収納箱3の内部の左右両側部に設けられた軸受けにより回動自在に軸支されている。このシート巻き取り軸11には、シート7の下端部が固定されている。
【0019】駆動モータ12の回転軸は、図3に示すように、シート巻き取り軸11の回転軸と適当な結合機構により結合している。なお、駆動モータ12の回転軸は、後述するスピーカ起倒装置5とも適当な結合機構により結合されている。そして、駆動モータ12の回転は制御装置6により制御されている。
【0020】シート7が起立した展開状態にある時(図2参照)、図示しない巻き取りボタンを押して制御装置6により制御して駆動モータ12を巻き取り方向に回転すると、シート巻き取り軸11は巻き取り方向に回転し、シート7を巻き取ろうとして下方向に引っ張る。この力は、図2に示すように、シート7を通じて、アーム9により支えられている水平枠8に伝達される。この水平枠8に下向きに加えられた力は、アーム9を屈曲させるように働き、スプリング10の弾性に打ち勝つ。
【0021】その結果、左右のアーム9の各屈曲角θは、図2(C)、図2(D)に示すように段々小さくなり、それにつれて、シート7はシート巻き取り軸11に逐次巻き取られ、最後に、水平枠8が台兼収納箱3の上面と面一になるまで巻き取られ、そこで駆動モータ12は制御装置6の制御により停止し、スピーカを備えたスクリーン装置は図1(B)に示すように伏倒して内部に収納した状態となる。
【0022】スピーカ起倒装置5は、図3及び図4に示すように、上記スクリーン巻取装置4の巻き取り軸11の回転軸の先端に固定された歯車5aと、スピーカボックス2の内側側面に歯車5aの軸と平行に突出する固定軸に固定された歯車5bとを有している。つまり、スピーカボックス2は歯車5bが回転すると、前後方向に回動するようになっている。
【0023】歯車5aと歯車5bとは、噛合するように取り付けられており、ギア比(直径比)は、シート巻き取り軸11がシート7を全部巻き取るに要する回転角度(360度×回転数)と、スピーカ2が回転する角度90度との比に等しくしてある。
【0024】駆動モータ12が回転すると、巻き取り軸11が回転し、歯車5aが回転する。歯車5aの回転は歯車5bに伝達され、その結果、スピーカ2が回動する。スクリーン1とスピーカボックス2との台兼収納箱3への起立及び伏倒する出没は同期し、例えば、巻取り時においては、スクリーン1の巻取りとスピーカボックス2の回動とは同時に開始され、スクリーン1及びスピーカボックス2の台兼収納箱3への収納は同時に終わるようになっている。」

(c) 【符号の説明】
「1:スクリーン,2:スピーカボックス,3:台兼収納箱,4:スクリーン巻取装置,5、25:スピーカ起倒装置,6:制御装置,7:シート,8:水平枠,9:アーム,9a:上腕部,9b:下腕部,9c:結合部,10:スプリング,10a、10b:端部,10c:コイル部,11:シート巻き取り軸,12、21、26:駆動モータ,14、20:スピーカ昇降装置,15:昇降シャフト,16、24:ガイド軸,17、18:傘型歯車,19:歯車保持部,22:歯車,23:ラック。」

(d) 【図1】




(e) 【図2】




(f) 【図3】




(g) 【図4】




b 引用文献5に記載された技術の認定
引用文献5の段落【0019】の「駆動モータ12の回転軸は、図3に示すように、シート巻き取り軸11の回転軸と適当な結合機構により結合している。なお、駆動モータ12の回転軸は、後述するスピーカ起倒装置5とも適当な結合機構により結合されている。そして、駆動モータ12の回転は制御装置6により制御されている。」との記載及び【図3】及び【図4】の記載を参酌すると、シート巻き取り軸11の外部にモータが配置されていると認められる。この点も踏まえると、引用文献5には次の技術が記載されていると認められる(以下「引用文献5に記載された技術」という。)。

<引用文献5に記載された技術>
「不使用時にはスクリーン1を台兼収納箱3内へモータ駆動で自動的に巻き取る機能を持つ(【0009】)映像用スクリーン装置であって(【請求項1】)、
スクリーン1は、横長の矩形状の映写用シート7と、シート7の横方向長さよりやや長い水平枠8とからなり(【0011】)、
シート巻き取り軸11に、シート7の下端部が固定されており(【0018】)、
シート巻き取り軸11の外部にモータが配置されている(【0019】、【図3】、【図4】)、
映像用スクリーン装置。」

c 周知技術Bの認定
上記(イ)において認定した「引用文献5に記載された技術」に例示されるように、「不使用時にはスクリーンを台兼収納箱内へモータ駆動で自動的に巻き取る機能を持つ映像用スクリーン装置において、スクリーンを巻き取る部材の外部にモータを配置すること」は周知技術であると認められる(以下「周知技術B」という。)。

(エ) 周知技術Cの認定
a 引用文献7の記載事項
本願の優先日前に発行された実願昭49−4899号(実開昭50−97428号)のマイクロフィルム(以下「引用文献7」という。)には、以下の記載がある。
(a) 2頁1−2行
「本考案は、透過型スクリーンを内蔵した携帯式映写機に関するものである。」

(b) 3頁3−19行
「1は図示しないが光源装置、映写用フイルム装填装置、映写レンズ及び後述の透過型スクリーン5へ投映像を導びくための反射鏡等を有する本体ケース、2は蝶番3により本体ケース1に開閉可能に枢着された蓋体ケース、4はそれぞれ基部が蓋体ケース2の隅部に枢着されていて該蓋体ケース2の側壁に当接し得る突起4aを有する一対の支持アーム、5は両側板上部が各支持アーム4の先端部により枢支された透過型スクリーン、6はそれぞれ本体ケース1に回転可能に取り付けられて各先端部がスクリーン5の両側板下部にそれぞれ枢着されていて起立時本体ケース1の一部に係合してその起立位置を限定する係合部6aを有する一対の支持レバー、7は支持レバー6をそれぞれ第1図の位置で反時計方向へ弾圧するスプリング」

(c) 7頁2−11行
「次に映写機を使用状態にセットする場合には蓋体ケース2を第5図矢印方向へ手操作により旋回させれば、スプリング7による支持レバー6の起立力との協働作用により蓋体ケ一ス2は急速に開放し、スクリーン5および各遮光板8は前述の場合とは逆の順序でそれぞれ作動して展開し、各支持レバー6の係合部6aが本体ケ一ス1の一部に当接することにより各要素は第1図の一に静止して映写可能の状態となる。」

(d) 第1図




(e) 第2図




(f) 第5図




b 引用文献9の記載事項
当審において新たに引用する,本願の優先日前に発行された実公昭8−8283号公報(以下「引用文献9」という。)には、以下の記載がある。なお、戦前の文書であり句点及び濁音の点が打たれていないところ、当審において句点及び濁音の点を補った。また、旧字体は新字体に改めた。

(a) 1−15行
「携帯用活動写真映写幕
・・・(中略)・・・
実用新案ノ性質、作用及効果ノ要領
図中(1)ハ木製ノ器框ニシテ一側ニ蓋板(2)ヲ蝶着ス。(3)ハ器框(1)ノ底部ニ軸架セル捲込転子ニシテ之ガ軸(4)ニ螺状ノ弾条(5)ヲ捲装シテ捲込転子(3)ヲ捲込方向ニ牽引セシム。(6)ハ下端縁ヲ捲込転子(3)ニ上端縁ヲ縁杆(7)ニ夫々固着セル映写幕ナリ。(8)(8’)ハ映写幕(6)ノ両側縁ヲ支張スル張杆ニシテ上下杆(9)(10)ノ二杆ヨリ成リ蝶番金具(11)ニテ連係ス。(12)ハ縁杆(7)ニ(13)ハ器框(1)ニ夫夫固定セル取着金具ニシテ之ニ上杆(9)ノ上端部及下杆(10)ノ下端部ヲ夫々「ピン」(14)ニテ枢着セシメ且取着金具(12)(13)ニ夫々一端ヲ連係セル牽引弾条(15)ノ先端ヲ上下杆(9)(10)ノ先端ニ繋着シ該杆ヲ常ニ起立ノ方向ニ牽引セシムルモノナリトス。
本案ハ叙上ノ如クナルヲ以テ映写幕(6)ヲ倦込転子(3)ニ捲込マシメテ器枢(1)内ニ収蔵セル際ニハ張杆(8)(8’)ハ第二図鎖線図示ノ如ク牽引弾条(15)を伸張セシメテ屈曲シ縁杆(7)以下ノ機構ヲ器框(1)内ニ収容セシムルモノナリ。次ニ映写幕(6)ヲ開張セシムル際ニハ単ニ縁杆(7)ヲ捲込転子(3)ノ弾條(5)ノ弾力ニ抗シテ引上ゲハ張杆(8)(8’)ハ牽引弾條(15)ノ復帰力ニヨリ順次起立シテ直立ニ至リ映写幕(6)ヲ全開セシムルモノナリ。而シテ此張杆(8)(8’)ハ起立ノ際ニハ弾條(5)ガ映写幕(6)ヲ下方ニ牽引スルニヨリ任意位置ニ停止シ映写幕(6)ヲ緊張セシムルモノナリ。本案ニアリテハ張杆(8)(8’)ノ両端ヲ槓杆状ニ枢着セシメテ牽引弾条ヲ附シ且之ヲ惓込転子(3)ノ弾条ニ関連セシメテ映写幕ヲ起伏セシメタルニヨリ起立及捲込ノ初期並ニ其途中及終期ノ運動ハ在来ノ斯種開幕装置ノモノニ比シ円滑軽快ナルノミナラス映写幕ハ起立ノ終期ハ勿論途中ニ於テモ極メテ強ク緊張セシメラレ該幕ニ皺ヲ生ゼシメザルノ実利アリ。且張杆(8)(8’)ハ起立ノ際映写幕(6)ノ裏側ニ於ケル両端縁ニ接近シ該膜ノ端縁ノ補強ヲナス等ノ効アルモノナリ。」

(b) 第1図




(c) 第2図




c 周知技術Cの認定
前記a及びbに例示したように、次のリンク機構は周知のもの(以下「周知技術C」という。)であると認められる。
「リンク機構であって、支持軸を中心として回転可能に取り付けられたレバーを備え、前記レバーの一端に当該リンク機構の他のレバーが回転可能に結合され、当該レバーの他端にスプリングが係合されてレバーが起立する方向に付勢され、前記支持軸から前記レバーの他端までの長さは、前記支持軸から前記レバーの一端までの長さよりも短い、リンク機構。」


(オ) 引用文献8に記載された技術事項の認定
a 引用文献8の記載事項
本願の優先日前に発行された米国特許出願公開第2017/0013726号明細書(以下「引用文献8」という。)には、以下の記載がある。括弧内に当審において作成した日本語訳を示す。
(a) [0003]
「 The present invention relates to a display device and, more particularly, to a display device which is enabled to wind and unwind a module cover and a display panel without any support structure.」
(本発明は、表示装置に関し、特に、支持構造なしにモジュールカバー及び表示パネルの巻き取り及び巻き戻しが可能な表示装置に関する。)

(b) 「[0102]
「 Referring to FIG. 14, in the display device according to the present invention, the other side of the upper support link 73 and one side of the lower support link 73b within the connector 152 may be in the shape of gears engaged with each other. The connector 152 may fix the upper support link 73a and the lower support link 73b so that end gears of the upper support link 73a and the lower support link 73b, which are facing each other, may be engaged with each other.」
(図14を参照すると、本発明に係るディスプレイ装置において、連結部152内の上部支持リンク73の他方側と下部支持リンク73bの一方側は、互いに噛み合うギア形状であってもよい。連結部152は、互いに対向する上部支持リンク73a及び下部支持リンク73bの端部ギアが互いに噛み合うように、上部支持リンク73a及び下部支持リンク73bを固定することができる。)

(c) Fig.14




b 引用文献8記載の技術事項
引用文献8には次の技術事項(以下「引用文献8記載の技術事項)という。)が記載されていると認められる。
「上部支持リンクの下部支持リンク側と下部支持リンクの上部支持リンク側をギア形状とし、連結部において互いに噛み合うようにすること。」


ウ 対比
(ア) 対比分析
本件補正後の請求項1の記載の順に沿って、本件補正発明と引用発明を対比する。
a 次の引用発明の欄に記載した引用発明の各構成は、それぞれ、本件補正発明の欄に記載した本件補正発明の構成に相当する。
<引用発明> <本件補正発明>
巻取パイプ16 ローラ
モータ18 駆動部
リンク機構24 リンク
レール側アーム30 上部リンク
フレーム側アーム28 下部リンク
スプリング34 弾性部材
ピン26 支持軸

b 「映写用スクリーン」の発明である引用発明と「表示装置」の発明である本件補正発明は、「表示のために使用される装置」の発明の点で共通する。

c 引用発明における「巻取パイプ16」「によって巻取り又は巻解き可能なスクリーン20」と本件補正発明における「前記ローラによって巻かれ」たり「解かれ」たりする「前記表示パネル」は、「ローラによって巻かれたり解かれたりする部材」の点で共通する。したがって、上記bの点も踏まえると、本件補正発明と引用発明は、「ローラによって巻かれたり解かれたりする、表示のために使用される部材」を含む点で共通する。

d 引用発明においては、「巻取パイプ16に一端が連結されるとともにこれによって巻取り又は巻解き可能なスクリーン20」を備えているところ、「前記表示パネルの下側エッジに一端が固定されたローラ」を備える本件補正発明と比較すると、両者は「ローラによって巻かれたり解かれたりする、表示のために使用される部材の下側エッジが固定されたローラ」を備える点で共通する。

e(a) 本件出願の明細書の段落【0045】を参照すると、「ヘッドバー130は、表示部DPと上部リンク121Uを連結するための部材である。ヘッドバー130は、表示部DPの上側エッジに固定されることができる。ヘッドバー130に上部リンク121Uが回転可能に結合し、上部リンク121Uの回転によってヘッドバー130が上下方向に移動することができる。そこで、ヘッドバー130に固定された表示部DPもヘッドバー130に沿って上下方向に移動することができる。」と記載されている。したがって、本件補正発明においては「前記表示パネルの上側エッジに一端が連結された複数のリンク」を備えるところ、「連結」には、「ヘッドバー130」等の他の部材を介して連結されることも含むことが理解される。
(b) 上記(a)の点も踏まえると、「前記表示パネルの上側エッジに一端が連結された複数のリンク」を備える本件補正発明は、「スクリーン20の他端側に取り付けられる張出レール22」を備え、「一端が張出レール22に回転可能に連結されたレール側アーム30」を含んで構成した一対のリンク機構24」を備える引用発明と、「ローラによって巻かれたり解かれたりする、表示のために使用される部材の上側エッジに一端が連結された複数のリンク」を備える点で共通する。

f 「前記ローラを回転させるように前記ローラ外部に配置された駆動部」を備える本件補正発明と「巻取パイプ16を回転駆動可能なモータ」を備える引用発明は、「前記ローラを回転させるように配置された駆動部を備える」点で共通する。

g 引用発明は「一対のスプリング34は巻取パイプ16の外部に配置されている」から、本件補正発明と引用発明は、「前記ローラ外部にそれぞれ配置された複数の弾性部材」を備える点で共通する。

h(a) 引用発明において、「一端が張出レール22に回転可能に連結された」「レール側アーム30」は、本件補正発明における「前記上側エッジに回転可能に結合した一端」を有する「上部リンク」に相当する。
(b) 引用発明において、「フレーム側アーム28の他端」と、その(レール側アーム30の)「他端」とが、「互いに回転可能に連結」された「レール側アーム30」は、本件補正発明における「前記下部リンクの一端に回転可能に結合した他端を有する上部リンク」に相当する。
(c) 上記(a)及び(b)を踏まえると、本件補正発明と引用発明は次の点で共通する。
「 前記複数のリンクのそれぞれは、
下部リンクと、
ローラによって巻かれたり解かれたりする、表示のために使用される部材の前記上側エッジに回転可能に結合した一端及び前記下部リンクの一端に回転可能に結合した他端を有する上部リンクと、」
を含む点。

i 引用発明においては、「フレーム側アーム28は支持フレーム14にピン26によって一端を回転可能に支持されて」いるから、本件補正発明と引用発明は、「前記下部リンクは、支持軸に回転可能に結合し[ている]」点で一致する。

j 引用発明においては、「ワイヤ32にスプリング34の引張力が作用しているため、リンク機構24は常に伸長する方向の力を受けており」、「スクリーン20が巻取パイプ16から巻き解かれていくと、スプリング34の力によってリンク機構24が伸長し、張出レール22が持ち上げられ」るから、
本件補正発明と引用発明は、「前記弾性部材は、前記下部リンクの一端を上昇させ[る]」点で共通する。

k 引用発明においては、「ワイヤ32にスプリング34の引張力が作用しているため、リンク機構24は常に伸長する方向の力を受けて[いる]」から、フレーム側アーム28は、スプリング34により回転させられる。したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記弾性部材」は「前記下部リンク」を「回転」させる点で一致する。

l(a) 引用発明は、「巻取パイプ16を回転駆動可能なモータ」を備え、「スクリーン20」は「巻取パイプ16に一端が連結されるとともにこれによって巻取り又は巻解き可能」であるから、「スクリーン20はモーターによって回転する巻取パイプ16によって巻かれる」ことは明らかである。
(b) また、引用発明においては、「スクリーン20が完全に巻き解かれた状態でモータ18を停止させた状態では、スクリーン20は、張出レール22に作用するリンク機構24からの力によって所定の緊張状態に保持され」るところ、不完全な巻き解かれ状態でも張出レール22に作用するリンク機構24からの力によって緊張状態に保持されることは明らかである。したがって、「スクリーン20」は、「スクリーン20」が巻き解かれるときに一対のリンク機構によって支持されている。
(c) 上記(a)及び(b)の点を踏まえると、本件補正発明と引用発明は、「ローラによって巻かれたり解かれたりする、表示のために使用される部材は、前記駆動部によって回転する前記ローラによって巻かれ、当該部材が解かれるときに前記複数のリンクによって支持され[る]」点で一致する。

m 引用発明においては「フレーム側アームの他端」が「レール側アームの他端」と「互いに回転可能に連結」されているところ、モータがスクリーン20を巻き取ったときに、モーターからの力が「レール側アームの他端」を介して「フレーム側アームの他端」に力が伝達されることは明らかである。したがって、本件補正発明と引用発明は、「前記上部リンクの他端は、前記駆動部から前記下部リンクの一端に力を伝達するために前記下部リンクの一端に回転可能に結合され[ている]」点において一致する。

(イ) 一致点及び相違点
前記(ア)の対比分析の結果をまとめると、本件補正発明と引用発明の一致点及び相違点は、次のとおりである。
a 一致点
「 ローラによって巻かれたり解かれたりする、表示のために使用される部材(以下「部材A」という。)と、
前記部材Aの下側エッジが固定されたローラと、
前記部材Aの上側エッジに一端が連結された複数のリンクと、
前記ローラを回転させるように配置された駆動部と、
前記ローラ外部にそれぞれ配置された複数の弾性部材とを含み、
前記複数のリンクのそれぞれは、
下部リンクと、
前記部材Aの前記上側エッジに回転可能に結合した一端及び前記下部リンクの一端に回転可能に結合した他端を有する上部リンクと、
を含み、
前記下部リンクは、支持軸に回転可能に結合し、
前記弾性部材は、前記下部リンクを回転させ、前記下部リンクの一端を上昇させるものであり
前記部材Aは、前記駆動部によって回転する前記ローラによって巻かれ、前記部材Aが解かれるときに前記複数のリンクによって支持され、
前記上部リンクの他端は、前記駆動部から前記下部リンクの一端に力を伝達するために前記下部リンクの一端に回転可能に結合される、
表示のために使用される装置。」

b 相違点
本件補正発明と引用発明は、次の相違点1から相違点4の四つの点で相違する。
(a) 相違点1
本件発明は、ローラによって巻かれたり解かれたりする、表示のために使用される部材(部材A)が、表示パネルであり、表示装置の発明であるのに対して、引用発明は、部材Aがスクリーン20であり、映写用スクリーンの発明である点。

(b) 相違点2
本件補正発明の駆動部は、「前記ローラ外部に配置され[る]」のに対して、引用発明においてはそのような限定がない点。

(c) 相違点3
本件補正発明においては、「前記上部リンクの他端に配置されたギア及び前記下部リンクの一端に配置されたギア」を含み、「前記下部リンクの回転に従って前記上部リンクが回転するように、前記上部リンクの他端のギアの歯車及び前記下部リンクの一端のギアの歯車が互いに噛み合う」のに対して、
引用発明においては、ギアを有さず、上部リンクと下部リンクは、ピン31によって回転可能に連結されている点。

(d) 相違点4
弾性部材が前記下部リンクを回転させ、前記下部リンクの一端を上昇させるようになっている複数のリンクについて、
本件補正発明は、
「前記支持軸から前記下部リンクの他端までの長さは、前記支持軸から前記下部リンクの一端までの長さよりも短く、
下部リンクは、前記弾性部材から力が印加され、前記弾性部材に結合した他端を有し、弾性部材は前記複数のリンクのそれぞれの他端に連結されており、
前記弾性部材は、前記支持軸を中心として前記下部リンクの他端を回転させて、前記下部リンクの一端を上昇させるものであり、
ローラによって巻かれたり解かれたりする、表示のために使用される部材(部材A)を巻く間に、前記駆動部から前記下部リンクの一端に伝達される力は、前記弾性部材から前記下部リンクの他端に伝達される力よりも弱く、
前記部材Aを巻く間に、前記駆動部からの力によって前記下部リンクの一端に生じるトルクは、前記弾性部材からの力によって前記下部リンクの他端に生じるトルクよりも強い」のに対して、
引用発明は、
前記支持軸は前記下部リンクの他端と一致しており、
弾性部材は下部リンクの他端には結合しておらず、ワイヤ32の下端に結合しており、上端がレール側アーム30の上端側に固着されたワイヤ32を引っ張る力を作用させて、前記下部リンクの上端を回転させて、前記下部リンクの一端を上昇させるものである点。

エ 判断
(ア) 相違点1について
前記2イ(イ)bにおいて認定したように、「柔軟性を有する軟性表示パネルを含み、ユーザの映像具現要請に応じて、ローラなどに巻かれている軟性表示パネルが広げられるディスプレイ装置。」は、周知技術である(「周知技術A」)。
引用発明と周知技術Aは、映像などの表示のために使用される装置として用途に共通するところがあり、映写用スクリーンの当業者は、周知技術Aがディスプレイ装置の技術であるとはいえ、認識しているとみるべきである。そして、引用発明と周知技術Aは、不使用時にはローラによって巻かれて収納されるという共通点があるところ、当業者としては、自己の有する技術を他の製品へ転用することを試みるのが常であるから、映写用スクリーンの発明である引用発明を「柔軟性を有する軟性表示パネルを含み、ユーザの映像具現要請に応じて、ローラなどに巻かれている軟性表示パネルが広げられるディスプレイ装置」に転用することは当業者にとっては動機があるといえ、自明な転用である。
したがって、引用発明における、「ローラによって巻かれたり解かれたりする、表示のために使用される部材」をスクリーン20から表示パネルに変更して相違点1を備えるようにすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

(イ) 相違点2について
前記2イ(ウ)cにおいて認定したように、「不使用時にはスクリーンを台兼収納箱内へモータ駆動で自動的に巻き取る機能を持つ映像用スクリーン装置において、スクリーンを巻き取る部材の外部にモータを配置すること」は周知技術である(「周知技術B」)。
したがって、引用発明において、駆動部をローラ外部に配置するようにすることは、当業者には自明の設計変更にすぎず、相違点2は格別のものではない。

(ウ) 相違点3について
引用文献8には「上部支持リンクの下部支持リンク側と下部支持リンクの上部支持リンク側をギア形状とし、連結部において互いに噛み合うようにすること。」が記載されている。引用発明において、上部リンクと下部リンクを回転可能に結合する手段として、ピン31による結合に代えて、引用文献8記載の技術事項を選択採用することは、当業者が適宜選択すべき自明の設計変更にすぎない。したがって、引用発明において、「前記上部リンクの他端に配置されたギア及び前記下部リンクの一端に配置されたギア」を含み、「前記下部リンクの回転に従って前記上部リンクが回転するように、前記上部リンクの他端のギアの歯車及び前記下部リンクの一端のギアの歯車が互いに噛み合う」ようにすることは、格別のものではない。

(エ) 相違点4について
「弾性部材が、下部リンクを回転させ、下部リンクの一端を上昇させるリンク」として、「リンク機構であって、支持軸を中心として回転可能に取り付けられたレバーを備え、前記レバーの一端に当該リンク機構の他のレバーが回転可能に結合され、当該レバーの他端にスプリングが係合されてレバーが起立する方向に付勢され、前記支持軸から前記レバーの他端までの長さは、前記支持軸から前記レバーの一端までの長さよりも短い、リンク機構」は、周知のものである(「周知技術C」)。したがって、引用発明における「弾性部材が、下部リンクを回転させ、下部リンクの一端を上昇させるリンク」として、周知技術Cのリンク機構を採用することは、当業者が適宜なしえる設計変更にすぎない。
すなわち、引用発明において、「前記支持軸から前記下部リンクの他端までの長さは、前記支持軸から前記下部リンクの一端までの長さよりも短く、下部リンクは、前記弾性部材から力が印加され、前記弾性部材に結合した他端を有し、弾性部材は前記複数のリンクのそれぞれの他端に連結されており、前記弾性部材は、前記支持軸を中心として前記下部リンクの他端を回転させて、前記下部リンクの一端を上昇させるものである」という構成を備えるようにすることは、当業者が適宜選択できることにすぎず、格別のものではない。
本件補正発明においては、「前記表示パネルを巻く間に、前記駆動部からの力によって前記下部リンクの一端に生じるトルクは、前記弾性部材からの力によって前記下部リンクの他端に生じるトルクよりも強い」との特定があるところ、この特定は、表示パネルを駆動部によって巻き取ることができるようにするために必要な当業者にとって自明の条件を、「トルク」(回転軸のまわりの力のモーメント)という古典力学において広く知られた概念を用いて規定したものにすぎないから、この点も格別のものではない。
また、本件補正発明においては、「前記表示パネルを巻く間に、前記駆動部から前記下部リンクの一端に伝達される力は、前記弾性部材から前記下部リンクの他端に伝達される力よりも弱い」との限定があるところ、「前記支持軸から前記レバーの他端までの長さは、前記支持軸から前記レバーの一端までの長さよりも短い、リンク機構」を含む周知技術Cにおいて、スプリングの付勢力に釣り合うためのレバーの一端に必要な力が小さくてもよいことは、てこの原理により当業者には自明であり、また、駆動部となるモーターの出力を小さくすることができれば、コスト削減や小型化の観点から望ましいことは当業者には自明であるから、当該限定も格別のものではない。
以上検討のとおり、相違点4は、格別のものではない。

(オ) 総合検討
前記相違点1から4を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明、周知技術A〜C及び引用文献8記載の技術事項から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著な効果を認めることはできない。

(カ) 小括
したがって、相違点1〜4は、格別のものではなく、本件補正発明は引用発明、周知技術A〜C及び引用文献8記載の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(キ) 請求人の主張について
請求人の審判請求書における主張は、各引用文献に記載されたものと本件補正発明との相違を主張するだけのものであり、上記(カ)の結論を左右するものではない。

オ 独立特許要件についての判断のまとめ
前記エにおいて検討したとおり、本件補正発明は、引用発明、周知技術A〜C及び引用文献8記載の技術事項に基づいて、優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

3 補正の却下の決定の理由のむすび
以上検討のとおり、本件補正は、特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するから、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、補正の却下の決定の結論のとおり決定する。


第3 本件発明について
1 本件発明の認定
本件補正は、上記第2において示したとおり却下したから、本願の請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、前記第2の1(1)の本件補正前の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。

2 原査定における拒絶の理由の概要
原査定における請求項1についての拒絶の理由のうち、理由1(進歩性欠如)の概要は、次のとおりである。

1.(進歩性)この出願の請求項1に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明(下記引用文献1から8参照)に基づいて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。



1.特開平6−235974号公報
2.特開2017−198970号公報(周知技術を示す文献)
3.特開2016−85454号公報(周知技術を示す文献)
4.特表2018−503866号公報(周知技術を示す文献)
5.特開平9−329844号公報(周知技術を示す文献)
6.特開平9−325422号公報(周知技術を示す文献)
7.実願昭49−4899号(実開昭50−97428号)のマイクロフィルム
8.米国特許出願公開第2017/0013726号明細書

3 引用文献に記載された発明等
引用文献1に記載された技術事項及び引用発明の認定、周知技術A〜Cの認定及び引用文献8記載の技術事項の認定は、前記第2の2(2)イにおいて示したとおりである。

4 対比・判断
本件発明は、本件補正発明のうち、前記第2の2(1)に示したアからウの限定を省いたものである。
そして、本件発明の構成を全て含み、さらに前記アからウの限定を付加した本件補正発明は、前記第2の2(2)において示したとおり、引用発明、周知技術A〜C及び引用文献8記載の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、この限定を省いた本件発明も、同様に、引用発明、周知技術A〜C及び引用文献8記載の技術事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。


第4 むすび
以上検討のとおり、本件発明は、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。

審判長 中塚 直樹
出訴期間として在外者に対し90日を附加する。
 
審理終結日 2022-02-04 
結審通知日 2022-02-08 
審決日 2022-02-24 
出願番号 P2019-124084
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G09F)
P 1 8・ 575- Z (G09F)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 中塚 直樹
特許庁審判官 岡田 吉美
濱野 隆
発明の名称 表示装置  
代理人 園田・小林特許業務法人  
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