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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B43L
審判 査定不服 (159条1項、163条1項、174条1項で準用) 特許、登録しない。 B43L
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B43L
管理番号 1387223
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2021-10-13 
確定日 2022-02-17 
事件の表示 特願2019−523883「字消し」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 6月20日国際公開、WO2019/117126〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成30年12月11日(優先権主張 平成29年12月12日(以下「優先権主張日」という。))を国際出願日とする出願であって、令和2年5月25日付けで拒絶理由が通知され、同年9月24日に意見書及び手続補正書が提出され、令和3年1月19日付けで拒絶理由が通知され、同年3月25日に意見書及び手続補正書が提出され、同年8月17日付けで拒絶査定(以下「原査定」という。)がなされ、これに対し、同年10月13日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正書が提出されたものである。


第2 令和3年10月13日に提出された手続補正書による補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
令和3年10月13日に提出された手続補正書による補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲について、下記(1)に示す本件補正前の(すなわち、令和3年3月25日に提出された手続補正書により補正された)特許請求の範囲の請求項1を、下記(2)に示す本件補正後の特許請求の範囲の請求項1へと補正することを含むものである。(下線は当審決で付した。以下同じ。)
(1)本件補正前の特許請求の範囲
「【請求項1】
樹脂成分と、可塑剤と、充填剤と、安定剤と、を含有する母材と、
前記母材が含浸されるメラミンフォームと、を含み、
前記母材に対する前記樹脂成分の含有割合は25.0質量%以上45.0質量%以下であり、
前記可塑剤がATBC(アセチルクエン酸トリブチル)であり、前記母材に対する前記可塑剤の含有比率は20質量%以上55質量%以下であり、
前記母材に対する前記充填剤の含有割合は19.5質量%以上25.4質量%以下である、
字消し。」

(2)本件補正後の特許請求の範囲
「【請求項1】
樹脂成分と、可塑剤と、充填剤と、安定剤と、を含有する母材と、
前記母材が含浸される多孔質フォームであるメラミンフォームと、を含み、
前記母材に対する前記樹脂成分の含有割合は25.0質量%以上45.0質量%以下であり、
前記母材に対する前記可塑剤の含有比率は20質量%以上55質量%以下であり、前記可塑剤はATBC(アセチルクエン酸トリブチル)のみであり、
前記母材に対する前記充填剤の含有割合は19.5質量%以上25.4質量%以下である、
字消し。」

2 本件補正の適否について
本件補正により、本件補正前の請求項1の発明特定事項である「字消し」の「メラミンフォーム」について、「多孔質フォームである」との限定を付加するとともに、「可塑剤」について、「前記可塑剤はATBC(アセチルクエン酸トリブチル)『のみ』であり」との限定を付加するものである。
そして、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明とは、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
そうすると、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。
また、本件補正は、本願の願書の最初に添付した明細書の
「【0025】
このような可塑剤としては、例えば、フタル酸エステル系可塑剤としてフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(DOP)(SP値:8.9)、フタル酸ジイソノニル(DINP)(SP値:8.9)、フタル酸ジウンデシル(DUP)(SP値:8.6)、アジピン酸エステル系可塑剤としてジ−2−エチルヘキシルアジペート(DOA)(SP値:8.5)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)(SP値:8.5)、トリメリット酸エステル系可塑剤(SP値:9.0)、アジピン酸ポリエステル系可塑剤(SP値:9.0〜9.4)、フタル酸ポリエステル系可塑剤(SP値:9.3)、クエン酸エステル系可塑剤としてアセチルクエン酸トリブチル(ATBC)(SP値:9.0)、安息香酸エステル系可塑剤として安息香酸グリコールエステル(SP値:9.9)、テレフタル酸エステル系可塑剤としてテレフタル酸ビス(2−エチルヘキシル)(SP値:8.9)が挙げられる。なお、これら可塑剤については単独で用いてもよく、必要に応じてこれらのうち2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
ここで、例えば、母材100がポリ塩化ビニル(SP値:9.5)を含む場合、可塑剤として、アセチルクエン酸トリブチル(ATBC)等のアセチルクエン酸エステル系可塑剤、およびジ−2−エチルヘキシルアジペート(DOA)等のアジピン酸エステル系可塑剤が好適に用いられる。」
「【0036】
これらのうち、母材100との親和性が高く、紙面に対する摩擦力により組織が容易に分断され、かつ適度な引張弾性率を付与する観点から、上記多孔質フォーム200が、メラミン樹脂から形成されるメラミンフォームであるのが好ましい。」
「【0047】
(実施例1)
(字消しの調製)
下記組成を有する母材と、下記に示す多孔質フォームとを用いて実施例1に係る字消しを調製した。なお、後述する粒子径の測定については、JISK5600−2−5;1999に準拠した方法で行い、100μmグライドゲージで三本目を測定した。
【0048】
[母材]
(1)樹脂:ポリ塩化ビニル(商品名「ZESTP21」、新第一塩ビ株式会社製)(粒子径:55μm、重合度1550、K値75.1、粘度5300(mPa・s))31.0質量部
(2)可塑剤:ATBC(アセチルクエン酸トリブチル)48.0質量部
(3)充填剤:重質炭酸カルシウム(商品名「ライトンA−4」、備北粉化工業株式会社製)20.5重量部
(4)安定剤:
(4−1)マグネシウム−亜鉛系安定剤(Mg/Zn複合金属石鹸)(商品名「EMBILIZERR−23L」、東京ファインケミカル株式会社製)0.4質量部
(4−2)有機リン系安定剤(亜リン酸エステル)(商品名「EMBILIZERTC−110S」、東京ファインケミカル株式会社製)0.1質量部
【0049】
[多孔質フォーム]
メラミンフォーム(商品名「バソテクト(Basotect)(登録商標)」(メラミンフォームの引張弾性率:0.22MPa、密度:9.0kg/m3)、BASF社製)
【0050】
母材を構成する各成分を撹拌容器に投入し、均一になるまで撹拌することにより母材を調製した。所定の大きさ(60mm×23mm×10mm)にカットしたシート状のメラミンフォーム0.15質量部に対して、母材を20質量部含浸させた。メラミンフォームが母材を含浸した状態で、温度を120℃としてプレス圧10kgf/cm2(=98N/cm2)で10分間熱プレスし、母材を硬化させることにより字消しを調製した。」
の記載に基づいており、新規事項を追加するものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たす。

3 独立特許要件について
本件補正の目的が、特許請求の範囲の減縮を目的としているので、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本願補正発明」という。)が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。

(1)本願補正発明
本願補正発明は、上記「1 (2)本件補正後の特許請求の範囲」の【請求項1】に記載したとおりのものと認める。

(2)引用例
ア 引用例1
原査定の拒絶の理由において引用され、本願の優先権主張日前に頒布された特開2001−138688号公報(以下「引用例1」という。)には、次の事項が記載されている。
(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は字消しに関し、より詳細には、軽いタッチで消去することができ、しかも割れ難く、さらに消し屑の纏まり性が良好であり、消字性が優れている字消しに関する。」
(イ)「【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、字消しに要求される性能は、主に消字性及び使用感が挙げられるが、近年では消し屑の形態や纏まり方(消し屑の纏まり性)が重視されるようになっている。これらの性能は字消し本体を構成する字消し組成物の弾性体の固さによりほぼ決定され、概略この弾性体が軟らかいほど消字性はよく、消し屑が纏まり易くなるが、反面、使用感は重たく、また繰り返しの使用や力強い使用などによって割れが発生し易くなる傾向にある。字消し本体の固さは、ゴム成分や樹脂成分の種類、粘度及び分子量、可塑剤や軟化剤の種類及びその割合、研磨剤等の添加物の種類及びその割合の他、製造条件などで制御することができ、製造者は前述の傾向を勘案の上、組成や製造条件を制御して字消しの固さを決定することになる。従って、従来の字消しでは、消字性、消し屑の纏まり性、使用感触、割れ難さ(耐破断性)等、すべての性能を最大の状態にすることはできず、各性能が実用上支障とならない様にバランスを考慮して、仕様を決定せざるを得ない。
【0004】ところで、特開平8−258493号は、塩化ビニル樹脂、可塑剤、充填剤を含む字消し基材、および自己摩耗性多孔質材からなる字消し材を提案している。この発明の字消しによれば、消字性を失うことなく、強度が向上し、腰の強い字消しを得ることが出来るとしている。
【0005】しかし、特開平8−258493号によれば、自己摩耗性多孔質材とは、鉛筆芯の構造のごとく連続層であるバインダー層よりなる層と、界面への接着へ寄与しない不連続の窒化ホウ素、タルク、マイカなどの無機質体質材からなる層の複合材であると定義されている。そして、このバインダーによって結合した窒化ホウ素、タルク、マイカなどの無機質体質材が、鉛筆のごとく紙面との擦過等により細かくくずれながら、字消し基材によって紙面の字を消去するメカニズムとなっている。
【0006】従って、特開平8−258493号の字消しは、無機質の体質材を含む多孔質材を用いているため、従来の字消しと比較して強度は向上しているが、従来の字消しと比較して弾力性が極端に低下しており、当該弾力性によって本来発揮されるはずの字消し基材の消字性が損なわれている。また、この極度の弾力性の喪失により、従来の字消しと比較して違和感があり、使用感に乏しいともいえる。さらに、字消しは消字の際に割れが生じないだけでなく、消字後において消し屑が連続化し纏まっていることが要求されているが、ゴム基材とは異質な無機材質を多孔質材に用いているため、充分に纏まった消し屑とはなり難い。
【0007】本発明の目的は、従来の字消しと比較して、強度があり、腰が強く割れ難く、消し屑の纏まり性が良好であって、消字性が優れており、さらに使用感に富んだ字消しを提供することにある。」
(ウ)「【0044】より具体的には、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル−エチレン−酢酸ビニル系樹脂などの塩化ビニル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂などの酢酸ビニル系樹脂などを好適に用いることができる。特に、塩化ビニル系樹脂と可塑剤とによるゾル状組成物を原材料として用いることが最適である。これは、塩化ビニル系樹脂と可塑剤とによるゾル状組成物が、骨格組織の多孔性構造体に含浸、吸収させる上で流動性があり、かつ骨格組織の多孔性構造体の空隙部において硬化し易いためである。」
(エ)「【0067】
【実施例】(字消し材料)以下の実施例及び比較例では、字消し材料(字消し基材)として、次の組成のポリ塩化ビニルゾル組成物を用いた。
ポリ塩化ビニルゾルの組成
・樹脂(ポリ塩化ビニル、商品名「ZESTP21」、新第一塩ビ社製)
:32重量部
・可塑剤(ジオクチルフタレート、商品名「サンソサイザーDOP」、新日本理化社製)
:50重量部
・充填剤(重質炭酸カルシウム、備北粉化工社製)
:17重量部
・安定剤(マグネシウム−亜鉛系、商品名「R−23L」、東京ファインケミカル社製)
:1重量部
【0068】(実施例1)メラミン系樹脂の発泡体:
0.15重量部に対して、上記ポリ塩化ビニルゾル組成物:20重量部を含浸させた後、温度130℃で20分間加熱して、字消しを調製した。メラミン系樹脂の発泡体はBASF社製、商品名「バソテクト(Basotect)」である。」

そうすると、上記事項(ア)〜(エ)より、引用例1には、次の発明(以下「引用発明1という。)が示されているものと認められる。
「メラミン系樹脂の発泡体に対して、以下の組成のポリ塩化ビニルゾル組成物を含浸させた字消し
ポリ塩化ビニルゾルの組成は、
樹脂(ポリ塩化ビニル、商品名「ZESTP21」、新第一塩ビ社製):32重量部、
可塑剤(ジオクチルフタレート、商品名「サンソサイザーDOP」、新日本理化社製):50重量部
充填剤(重質炭酸カルシウム、備北粉化工社製):17重量部
安定剤(マグネシウム−亜鉛系、商品名「R−23L」、東京ファインケミカル社製):1重量部
である字消し。」

イ 引用例2
本願の優先権主張日前に頒布された特開2010−167717号公報(以下「引用例2」という。)には、次の事項が記載されている。
(ア)「【技術分野】
【0001】
本発明は、鉛筆やシャープペンシル等の筆跡を消去するための消しゴムの製造方法に関し、更に詳細には、適度な硬度があり消し屑が散らばりにくく、まとめる事ができる消しゴムの製造方法に関する。」
(イ)「【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に記載されている消しゴムの製造方法は、30℃以下の温度で減圧脱泡しながら混合混練して、塩化ビニル樹脂と可塑剤との吸着が進みゲル化することを避けている。しかし、30℃以下の温度で混合混練したのでは、塩化ビニル樹脂の粒子内にまで可塑剤が浸透できず、塩化ビニル樹脂と可塑剤の吸着が不十分である。塩化ビニルと可塑剤の吸着が不充分であると、消しゴムを紙面に擦って消し屑を発生させる際、塩化ビニルと可塑剤との吸着が不十分な部分で消し屑が分断される為、消し屑のまとまり性がない。
また、特許文献2に記載されている消しゴムの製造方法でも、常温で混合攪拌し脱泡し、130℃〜140℃で成型するのみなので、塩化ビニル樹脂と可塑剤の吸着が不十分な状態でゲル化し成型していることとなり、消し屑のまとまり性が十分ではなかった。」
(ウ)「【0011】
ペースト状のプラスチゾルは加熱すると塩化ビニル樹脂の粒子表面の塩化ビニル樹脂分子間が電気的に結合している部分に可塑剤が吸着しゲル化を始める。しかし塩化ビニル樹脂粒子は60℃未満では軟化温度に達しておらず、粒子内の塩化ビニル樹脂間が密に結合している為、ゲル化は塩化ビニル樹脂粒子の表面に留まり内部に浸透する事はできない。塩化ビニル樹脂の軟化温度である60℃を越えると、塩化ビニル樹脂は分子運動を始めて軟化し、可塑剤は分子運動を高めて粘度低下する。この段階から塩化ビニル樹脂間の結合が緩み、可塑剤が塩化ビニル樹脂粒子の内部に浸透する事ができる。ここで塩化ビニル樹脂粒子と可塑剤との混合物に、攪拌、混練などを施してせん断力を付与すると、塩化ビニル樹脂粒子に対する可塑剤の浸透を更に促進させることができると共に、塩化ビニル樹脂粒子の表面と内部の浸透量を均一化させる事ができ、塩化ビニル樹脂と可塑剤との吸着が十分に進むとともに混合物の均一化が図れる。ただし、塩化ビニル樹脂は150〜200℃にかけて熱分解する為、150℃未満で混煉りする事が必要である。

【0013】
塩化ビニル樹脂は、上述のように消しゴムの樹脂基材である。具体的には、ポリ塩化ビニルとして、ゼオン121、同131(以上、日本ゼオン(株)製)、ビニカP410、同P440、同P510(以上、三菱化成ビニル(株)製)、リューロンTH−700、同TH−1000、同TH−1300(以上、東ソー(株)製)などが挙げられ、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体としてビニカP500(三菱化成ビニル(株)製)、リューロンTC−806(東ソー(株)製)等が挙げられる。使用量は10〜35重量%が好ましい。上記塩化ビニル系樹脂は単独でも2種以上併用してもよい。
【0014】
基材である塩化ビニル樹脂を軟化させる可塑剤は、フタル酸エステル、脂肪族二塩基酸エステル、クエン酸エステル、トリメリット酸エステル、脂環式ポリカルボン酸エステルが挙げられ、具体的にはフタル酸エステルとしてフタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ブチルベンジル、脂肪族二塩基酸エステルとしてアジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、クエン酸エステルとしてアセチルクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリブチル、トリメリット酸エステルとしてトリメリット酸トリ2−エチルヘキシル、脂環式ポリカルボン酸エステルとしてシクロヘキサン−1,2−ジ−2−エチルヘキシルエステル、シクロヘキサン−1,2−ジイソノニルエステル、シクロヘキサン−1,2−ジイソデシルエステルが挙げられる。使用量は30〜60重量%が好ましい。上記可塑剤は単独でも2種以上併用してもよい。
【0015】
その他、消しゴムの硬度や曲げ性、使用時の消去感を調整する場合充填材として炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどを使用する。具体的には炭酸カルシウムとしてソフトン3200、同2600、同2200、同1800、同1500、同1200、同1000(以上、備北粉化工業(株)製)、MSK−C、MSK−G、MSK−K、MSK−PO、カルファイン100、カルファイン200、カルファイン500、カーレックス、MT−100、MS−R、MS−100M、MS−600、MS−700、シーレッツ、MC−5、MC−K、MC−SII、MC−S5、MC−T、ウィスカル、軽質炭酸カルシウム(以上、丸尾カルシウム(株)製)、白艶華CC、同DD、同U、同O、同A、同AA、カルモス、白艶華CCR、同R06、同TDD、ホワイトンSSB(赤)、同SSB(青)、同SB(赤)、SB(青)、ホモカルD、ホモカルDM、ゲルトン50、白艶華PZ、ツネックスE、シルバーW、PC、(以上、白石工業(株)製)、ネオライトS、同SP、同SPR、サンライトSL−100、同SL−300、同SL−700、同SL−800、同SL−1000、同SL―1500、同SL−2000、同SL―2200、(以上、竹原化学工業(株)製)。R重炭、重炭N−35、重質炭酸カルシウム、スーパーS、スペシャルライスS、スーパーSS、スーパーSSS、スーパー4S、スーパー#1500、スーパー#1700、スーパー#2000、スーパー#2300、ナノックス#25、ナノックス#30(以上、丸尾カルシクム(株)製)、酸化亜鉛として1種、2種、3種(堺化学工業(株)製)、酸化マグネシウムとしてキョーワマグ150、キョーワマグ30、キョーワマグMF−150、キョーワマグMF−30(以上、協和化学工業(株)製)、スターマグU、同M、同L、同P、同CX−150,同G、同L−10(以上、神島化学工業(株)製)、#500、H−10,#1000,#5000(以上、タテホ化学工業(株)製)、UC95、UC99(以上、宇部マテリアルズ(株)製)、炭酸マグネシウムとして工業用炭酸マグネシウム(軽質)、同(重質)(以上、協和化学工業(株)製)、水酸化マグネシウムとしてUD−65、UD−650,UD−653(以上、宇部マテリアルズ(株)製)、マグスター#20、同#5、同#4、同#20(以上、タテホ化学(株)製)が挙げられる。また消しゴムを着色する場合は酸化チタン、カーボンブラック等の顔料を用いる。また消しゴムに香りをつける場合は香料を用いる。具体的にはD−リモネン、Α−ピネン、Β−ピネン、ミルセン、ターピローネン、ターピネオール(ヤスハラケミカル(株)製)が挙げられる。」
(エ)「【0021】
(実施例6)
(プラスチゾルの作成)
ゼオン121(塩化ビニル樹脂、日本ゼオン(株)製) 25.0重量部
ATBC(クエン酸アセチルトリブチルエステル、旭化成ファインケム(株)製) 40.0重量部
ホワイトンSSB(赤)(炭酸カルシウム、白石工業(株)製) 35.0重量部
上記成分を実施例1と同様になしてペースト状のプラスチゾルとした。
(プラスチゾルの加熱工程)
このペースト状のプラスチゾルを2本ロールミルを用いて前後ロール温度80℃、ロール間隔1mmで10分間混練りを行った。なおペースト状のプラスチゾルの80℃での貯蔵弾性率は875Pa(振り角1%、周波数1Hz)だった。
(消しゴムの成型工程)
混練りが終了したペースト状のプラスチゾルを長さ44ミリ、幅18ミリ、高さ12ミリの形状に成型できる金型にペーストを流し込み125℃で30分加熱して消しゴムを得た。」
(オ)「【0029】
【表1】


(カ)上記(ウ)【0014】の「アセチルクエン酸トリブチル」と(エ)【0021】の「クエン酸アセチルトリブチルエステル」とは、同一物質であるから、上記(エ)【0021】の「ATBC」は可塑剤といえる。

そうすると、上記事項(ア)〜(カ)より、引用例2には、次の発明(以下「引用発明2という。)が示されているものと認められる。
「混練りが終了したペースト状のプラスチゾルを金型に流し込み加熱して成型した消しゴムであって、
ペースト状のプラスチゾルが、
樹脂基材であるゼオン121(塩化ビニル樹脂、日本ゼオン(株)製)25.0重量部
可塑剤であるATBC(クエン酸アセチルトリブチルエステル、旭化成ファインケム(株)製)40.0重量部
充填材としてホワイトンSSB(赤)(炭酸カルシウム、白石工業(株)製)35.0重量部
からなる、消しゴム。」

ウ 引用例3
原査定の拒絶の理由において引用され、本願の優先権主張日前に頒布された特開2003−105150号公報(以下「引用例3」という。)には、次の事項が記載されている。
(ア)「【特許請求の範囲】
【請求項1】 アセチルクエン酸トリブチルからなる可塑剤(A)と、トリメリット酸系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤から選ばれる少なくとも1種の可塑剤(B)とを含有してなることを特徴とする塩化ビニル系樹脂製字消し。」
(イ)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は字消しに関し、更に詳しくは、安全性や耐環境汚染性が高く、消し屑のまとまり性及び耐折れ性に優れた字消しに関する。」
(ウ)「【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、塩化ビニル系樹脂字消しは、種々の可塑剤を大量に含有するため、人体への安全性や環境を汚染するという問題を有しているが、これまで、かかる観点からの字消しの研究、開発は報告されていないのが実情である。本発明は、かかる実情に鑑み、安全性及び耐環境汚染性に優れ、消し屑のまとまり性及び耐折れ性に優れた字消しを提供するものである。」
(エ)「【0020】
【実施例】以下、実施例及び比較例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を何ら制限するものではない。
【0021】以下の実施例及び比較例で用いた材料を表1に示す。以下の記載において、「部」は特に断らない限り「重量部」を表す。
【0022】
【表1】


(オ)「【0028】実施例1〜9、比較例1〜4
表2に示す配合の樹脂組成物を混合攪拌し真空脱泡した後、130〜145℃に保温した100×100×10m/mの金型に流し込み26分間加熱した後冷却し、金型から取り出して試料を得た。各試料について消字率、耐折れ性、消し屑のまとまり性及び移行性を上記方法で測定した結果を表2に示す。
【0029】
【表2】



そうすると、上記事項(ア)〜(オ)より、引用例3には、次の発明(以下「引用発明3という。)が示されているものと認められる。
「アセチルクエン酸トリブチルからなる可塑剤(A)と、トリメリット酸系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤から選ばれる少なくとも1種の可塑剤(B)とを含有してなることを特徴とする塩化ビニル系樹脂製字消し。」


(3)対比
そこで、本願補正発明と引用発明1とを対比する。
ア 後者の「樹脂(ポリ塩化ビニル、商品名「ZESTP21」、新第一塩ビ社製)」、「可塑剤(ジオクチルフタレート、商品名「サンソサイザーDOP」、新日本理化社製)」、「充填剤(重質炭酸カルシウム、備北粉化工社製)」、「安定剤(マグネシウム−亜鉛系、商品名「R−23L」、東京ファインケミカル社製)」、「ポリ塩化ビニルゾル組成物」、「メラミン系樹脂の発泡体」、及び「字消し」は、それぞれ、前者の「樹脂成分」、「可塑剤」、「充填剤」、「安定剤」、「母材」、「多孔質フォームであるメラミンフォーム」、及び「字消し」に相当する。
イ 後者の「メラミン系樹脂の発泡体」は、ポリ塩化ビニルゾル組成物が含浸されるのであるから、前者の「多孔質フォームであるメラミンフォーム」と後者の「メラミン系樹脂の発泡体」とは、「母材が含浸される」ものとの概念で共通する。
ウ 後者の「樹脂(ポリ塩化ビニル、商品名「ZESTP21」、新第一塩ビ社製)」は、ポリ塩化ビニルゾルに対して32重量部の組成であるから、前者の「樹脂成分」と後者の「樹脂(ポリ塩化ビニル、商品名「ZESTP21」、新第一塩ビ社製)」とは、含有割合が32質量%である点で一致する。
エ 後者の「可塑剤(ジオクチルフタレート、商品名「サンソサイザーDOP」、新日本理化社製)」は、ポリ塩化ビニルゾルに対して50重量部の組成であるから、前者の「可塑剤」と後者の「可塑剤(ジオクチルフタレート、商品名「サンソサイザーDOP」、新日本理化社製)」とは、含有割合が50質量%である点で一致する。

したがって、両者は、
「樹脂成分と、可塑剤と、充填剤と、安定剤と、を含有する母材と、
前記母材が含浸される多孔質フォームであるメラミンフォームと、を含み、
前記母材に対する前記樹脂成分の含有割合は32質量%であり、
前記母材に対する前記可塑剤の含有比率は50質量%であり、
字消し。」
の点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1]
「可塑剤」が、本願補正発明では、「ATBC(アセチルクエン酸トリブチル)のみ」であるのに対し、引用発明1は、ジオクチルフタレート、商品名「サンソサイザーDOP」、新日本理化社製である点。

[相違点2]
「母材に対する充填剤の含有割合」が、本願補正発明では、「19.5質量%以上25.4質量%以下である」のに対し、引用発明1は、17重量部である点。

(4)判断
上記各相違点について、以下検討する。
ア [相違点1]について
引用発明2の「可塑剤」、「ATBC(クエン酸アセチルトリブチルエステル、旭化成ファインケム(株)製)」、「消しゴム」はそれぞれ、本願補正発明の「可塑剤」、「ATBC(アセチルクエン酸トリブチル)」、「字消し」に相当する。
そして、引用発明2のペースト状のプラスチックゾルには、「可塑剤であるATBC(クエン酸アセチルトリブチルエステル、旭化成ファインケム(株)製)」のみしか含有されていないから、引用発明2には、消しゴムの材料としての可塑剤として、ATBC(クエン酸アセチルトリブチルエステル、旭化成ファインケム(株)製)のみを用いることが示されているといえる。
そうすると、引用発明2には、上記相違点1に係る本願補正発明の構成が示されているといえる。
そして、引用発明1には、字消しの組成として、多孔性構造体に含浸、吸収させる上で流動性があることで可塑剤を用いているところ(【0044】参照。)、引用発明2の可塑剤も、内部に浸透する事ができる材料として共通する作用を示すものであることから(【0011】参照。)、引用発明1の可塑剤に引用発明2のATBC(クエン酸アセチルトリブチルエステル、旭化成ファインケム(株)製)のみからなる可塑剤を採用することは当業者が容易になし得るものである。
そうすると、引用発明1の可塑剤に引用発明2のATBC(クエン酸アセチルトリブチルエステル、旭化成ファインケム(株)製)のみからなる可塑剤を採用し、上記相違点1の構成とすることは、当業者が容易になし得るものである。

イ [相違点2]について
本願補正発明の「充填剤」について、願書に添付した明細書、図面又は特許請求の範囲(以下「明細書等」という。)には、以下のとおり記載されている。
「【0031】上記母材100は、さらに炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、シリカ、タルク、クレー、珪藻土、石英粉、アルミナ、アルミナシルケート、マイカ等の充填剤を含んでもよい。充填剤の含有の割合は、例えば、母材100質量%中0質量%以上70質量%以下、好ましくは5質量%以上40質量%以下である。」
「【0073】
【表1】

【0074】
【表2】

【0075】
【表3】


しかし、上記明細書等には、充填剤の数値範囲につき、「19.5質量%以上25.4質量%以下」との数値範囲と、前記数値範囲以外とで、消字率及び引張弾性率について臨界的意義を認めることはできない。
そうすると、上記相違点2に係る本願補正発明の構成は、消字率及び引張弾性率を考慮して、当業者が適宜なし得る設計的事項というべきである。


(5)請求人の主張について
請求人は、
「引用文献2(上記引用例3を指す。以下、同様。)には、可塑剤としてATBCを単独で使用すると消し屑のまとまり性が悪くなり、ATBC単独で字消しの可塑剤として使用することは好ましくない旨の記載があり、その内容を具体的に示す例(比較例1)も記載されています。引用文献2の記載は、ATBC単独を字消しの可塑剤として用いることに対する阻害要因であると思料します。とりわけ、「消し屑のまとまり性が良好である」ことを特徴とする引用文献1の字消しに対して、ATBC単独を可塑剤として適用する動機がありません。引用文献1における「公知の可塑剤を用いることができる」との記載は可能性の示唆に過ぎず、具体的に、引用文献2のATBCを引用文献1に適用することを示唆するとはいえないと思料します。むしろ引用文献2を引用文献1に適用することには、阻害要因があると思料します。」
と主張する。
しかし、引用例2には、「可塑剤は単独でも2種以上併用してもよい」(段落【0014】参照。)と記載され、(実施例6)は可塑剤としてATBCを単独で使用した実施例であって、その消し屑のまとまり率は90%であって(【0029】【表1】参照。)、他の実施例と遜色がないことからすれば、引用発明1に引用発明2を適用することに何ら阻害要因があるとはいえない。
よって、請求人の主張は採用できない。

したがって、本願補正発明は、特許法第29条第2項に該当し、特許を受けることができない発明であって、特許出願の際、独立して特許を受けることが出来ないものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反してされたものである。

(6)むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。


第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、令和3年3月25日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
樹脂成分と、可塑剤と、充填剤と、安定剤と、を含有する母材と、
前記母材が含浸されるメラミンフォームと、を含み、
前記母材に対する前記樹脂成分の含有割合は25.0質量%以上45.0質量%以下であり、
前記可塑剤がATBC(アセチルクエン酸トリブチル)であり、前記母材に対する前記可塑剤の含有比率は20質量%以上55質量%以下であり、
前記母材に対する前記充填剤の含有割合は19.5質量%以上25.4質量%以下である、
字消し。」(以下「本願発明」という。)

2 原査定の拒絶の理由
原査定の理由は、
進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

・請求項 1
・引用文献1:特開2001−138688号公報(上記引用例1)
引用文献2:特開2003−105150号公報(上記引用例3)
という理由を含むものである。


3 引用例
令和3年1月19日付けの拒絶理由通知に引用された引用例、及び、その記載内容は上記「第2 3 (2)引用例」に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、実質的に、本願発明の「多孔質フォームである」及び可塑剤はATBC(アセチルクエン酸トリブチル)「のみ」との限定を省くものである。

そうすると、本願発明と引用発明とを対比すると、上記「第2 3 (3)対比」での検討を勘案すると、両者は、
「樹脂成分と、可塑剤と、充填剤と、安定剤と、を含有する母材と、
前記母材が含浸されるメラミンフォームと、を含み、
前記母材に対する前記樹脂成分の含有割合は32質量%であり、
前記母材に対する前記可塑剤の含有比率は50質量%であり、
字消し。」
の点で一致し、以下の点で相違する。

[相違点1’]
「可塑剤」が、本願発明では、「ATBC(アセチルクエン酸トリブチル)」であるのに対し、引用発明1は、ジオクチルフタレート、商品名「サンソサイザーDOP」、新日本理化社製である点。

[相違点2]
「母材に対する充填剤の含有割合」が、本願発明では、「19.5質量%以上25.4質量%以下である」のに対し、引用発明1は、17重量部である点。

そこで、上記[相違点1’]について検討する。
引用発明3の「可塑剤」、「アセチルクエン酸トリブチル」、「字消し」はそれぞれ、本願発明の「可塑剤」、「ATBC(アセチルクエン酸トリブチル)」、「字消し」に相当する。
そうすると、引用発明3には、上記相違点1’に係る本願発明の構成が示されているといえる。
そして、字消しの材料として可塑剤を用いることは、引用発明1には、字消しの組成として、多孔性構造体に含浸、吸収させる上で流動性があることで可塑剤を用いているところ(【0044】参照。)、引用発明3の可塑剤も、同様の作用があることは、可塑剤の機能として自明であるから、引用発明1の可塑剤に引用発明3のアセチルクエン酸トリブチルからなる可塑剤(A)と、トリメリット酸系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤から選ばれる少なくとも1種の可塑剤(B)を採用することは当業者が容易になし得るものである。
そして、本願発明は、「可塑剤がATBC(アセチルクエン酸トリブチル)であり」と特定されているだけであって、可塑剤がATBC(アセチルクエン酸トリブチル)のみでありと特定されているのではないことからすると、引用発明1の可塑剤に引用発明3のアセチルクエン酸トリブチルからなる可塑剤(A)と、トリメリット酸系可塑剤、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤から選ばれる少なくとも1種の可塑剤(B)からなる可塑剤を採用し、上記相違点1’の構成とすることは、当業者が容易になし得るものである。

また、上記[相違点2]については、上記「第2 3 (4)判断」のとおりである。

してみると、本願発明は、引用発明1及び引用発明3に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。


5 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

 
別掲 (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
 
審理終結日 2021-12-08 
結審通知日 2021-12-14 
審決日 2021-12-28 
出願番号 P2019-523883
審決分類 P 1 8・ 575- Z (B43L)
P 1 8・ 56- Z (B43L)
P 1 8・ 121- Z (B43L)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 藤田 年彦
特許庁審判官 佐々木 創太郎
藤本 義仁
発明の名称 字消し  
代理人 北野 修平  

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