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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1387420
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2022-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-02-14 
確定日 2022-08-16 
事件の表示 特願2019−534880「メディアコンテンツアイテム間を遷移するためのシステムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成30年 7月 5日国際公開、WO2018/125274、令和 2年 3月12日国内公表、特表2020−507833、請求項の数(12)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2017年(平成29年)5月22日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2016年12月30日(US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。

令和3年 2月26日付け:拒絶理由通知
令和3年 5月31日 :意見書、手続補正書の提出
令和3年10月 8日付け:拒絶査定
令和4年 2月14日 :審判請求書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定(令和3年10月8日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1〜3、6、8〜10、12〜14に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の引用文献1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。また、本願請求項1〜6、8〜15に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の引用文献1に記載された発明に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。さらに、本願請求項7に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の引用文献1及び2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献1: 特開2012−234566号公報
引用文献2: 特開2016−040731号公報

第3 本願発明
本願請求項1〜12に係る発明(以下、「本願発明1」〜「本願発明12」という。)は、令和4年2月14日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1〜12に記載された事項により特定される発明であり、それらのうちの本願発明1は、以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
コンピューティングシステムが、第1のメディアコンテンツアイテム中に描写されたコンセプトに対する第1のメディアコンテンツアイテムに関連付けられた方位データを判定すること、ここで前記方位データは、前記第1のメディアコンテンツアイテム中に描写されたコンセプトに対するユーザの閲覧角度を少なくとも含むものであり、
前記コンピューティングシステムが、複数のメディアコンテンツアイテムを、前記複数のメディアコンテンツアイテムの各々に関連付けられた方位データが、前記第1のメディアコンテンツアイテムに関連付けられた前記方位データと一致する度合いに基づいて、スコア付けすること、
前記コンピューティングシステムが、前記スコア付けに基づいて、前記第1のメディアコンテンツが遷移できる第2のメディアコンテンツアイテムを、前記方位データに基づいて、前記複数のメディアコンテンツアイテムから選択すること、ここで当該選択は、前記第2のメディアコンテンツアイテムに関連付けられた方位データが、前記第1のメディアコンテンツアイテムに関連付けられた方位データと同じであるか、または前記第1のメディアコンテンツアイテムに関連付けられた方位データの閾値差内にあることを、前記第2のメディアコンテンツアイテムについてのスコアが示すことを判定することによって行われるものであり、および
前記コンピューティングシステムが、前記第1のメディアコンテンツアイテムから前記第2のメディアコンテンツアイテムへの遷移を提示すること、
を含む、コンピュータ実施方法。」

なお、本願発明2〜12の概要は以下のとおりである。

本願発明2〜6は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明7は、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明であって、本願発明1を「システム」の発明として特定したものである。
本願発明8〜9は、本願発明7を減縮した発明である。
本願発明10は、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明であって、本願発明1を「非一時的なコンピュータ可読記憶媒体」の発明として特定したものである。
本願発明11〜12は、本願発明10を減縮した発明である。

第4 引用文献、引用発明
1 引用文献1、引用発明1
(1)原査定の拒絶の理由にて引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審による。以下同様。)。

「【0001】
本発明は、画像検索装置および画像検索方法に関し、詳しくは、多数の写真画像の中から画像を迅速かつ分かりやすく検索可能な画像検索装置および画像検索方法に関する。」

「【0008】
以下、図面に従って本発明を適用したカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態に係わるカメラ10の構成を示すブロック図である。カメラ10はデジタルカメラであり、制御部1、類似判定部1a、タイミング制御部1b、撮像部2、光学系制御部3、記録部4、特徴(角度)データ記録部4a、顔データベース( DB)4b、サムネイル部4c、顔検出部5、角度判定部5a、大きさ判定部5b、切出部6、動画処理部7、表示部8、表示制御部8a、マルチ画像表示部8b、動画表示制御部8c、時計部9、操作判定部11、六軸センサ12、通信部14を有し、インターネット網15を介して外部サーバー20と接続可能である。」

「【0019】
撮影画像に人物が含まれる場合、顔検出部5が顔パターンを判定し、顔の部分を検出する。そして、検出された顔と、記録部4内の顔データベース4bに記録されている顔とを、類似判定部1aによって比較し、被写体が誰であるかを特定する。また、顔の眼と鼻の陰影を分析して、角度判定部5aが、顔が左右等のどちらを向いているかを判定し(角度を検出)、撮影画像に「顔の向いている角度と被写体の人物が誰か」の情報を付加し、記録部4に記録する。
【0020】
この撮影時における被写体の顔に関する情報の記録について、図2を用いて、説明する。人物100を撮影すると、類似判定部1aは、撮影画像100aと顔DB4bに記録されている各画像と比較し、個人名(ここでは「Bさん」と称す)を特定することができる。撮影画像の顔の向きは、角度判定部5aによって判定され、この判定結果に基づいて、撮影画像100aと、被写体と顔角度の関係が分類信号として、特徴(角度)データ記録部4aに記録される。」

「【0022】
このように、本実施形態においては、同一人物であっても、顔の向いている角度を顔DB4bに記録し、データベース化している。データベース作成にあたっては、図3に示すように、予め、被写体である人物100を種々の角度から連写で撮影しておき、この連写撮影から得た画像データを顔DB4bに記録するようにしてもよい。このデータベース撮影の際には、カメラ10の動きを六軸センサ12によって取得し、この情報に基づいて顔の向きに関する角度情報として撮影画像と一緒に、顔DB4bに記録しておく。
【0023】
また、図3に示すような連写で得た顔画像は、画像検索用のインデックス画像として用いることもできる。すなわち、切出部6によって撮影画像の顔の部分を画像データから切り出し、顔インデックス画像化して、記録部4内のサムネイル部4cに記録し、これを画像検索に利用する。また、図3に示すような連写で顔画像を得る以外にも、通常の撮影の際に得た同一人物の顔画像を、顔の向いている角度ごとに整理し、動画処理部7によって、順次、顔を動かしているように動画処理し、顔インデックス用のサムネイル画像としてもよい。
【0024】
サムネイル部4cに記録されたサムネイル画像は、図1に示すように、表示部8のインデックス部84にサムネイル画像81として表示される。図1に示した例では、縦に個人別の顔インデックス画像83が並べられたサムネイル画像81が表示されており、ユーザーはサムネイル画像81の中から見たい被写体(顔インデックス画像83)を選ぶと、選択された人物で同じ方向を向いている画像82が、記録部4内の特徴(角度)データ記録部4aの中から検索され、検索表示部85に表示される。
【0025】
本実施形態においては、図2を用いて説明したように、撮影の都度、顔DB 4bに記憶されている顔インデックス画像と比較し、撮影画像中の各人物画像は、どのインデックスの顔に対応し、しかも、どの角度に分類されるかを判定し、判定結果を特徴データ記録部4aに記録している。したがって、これを参照することにより、選択されたインデックス顔画像83と同一人物であって、かつ同じ向きを向いている画像82を検索することができる。」

「【0032】
このように本実施形態においては、特定の人物画像を高速で検索することができる。また、顔の向きによって、検索される画像が変わるので、家族写真のように同じ人物が多数に撮影された場合でも、その人物について顔の向き等の条件をつけることによって、目的とする画像を容易に検索することができる。気に入った画像が見つかれば、その画像を選択することにより、表示面の画面いっぱいに拡大表示し、楽しむことができる。」

「【0041】
次に、ステップS22における検索再生について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。このフローに入ると、まず、サンプル画像、すなわちサムネイル画像81を表示部8のインデックス部84に表示する(S31)。続いて、ユーザーが見たいインデックス顔画像83を選択したか否かを判定する(S32)。判定の結果、選択されていた場合には、この選択されたインデックス顔画像83が図4(a)→(b)→(c)に示したように、サイクリックに変化する。
【0042】
このとき、選択されていないインデックス顔画像83は静止したままである。選択したインデックス顔画像83が、静止画状態から動画状態に変換するによって、ユーザーは選択されたことを把握でき、また動画像の鑑賞も兼ねて楽しめる。
【0043】
続いて、動画表示されているインデックス顔画像83と類似する顔で、かつ同じ方向を向いている顔が写っている撮影画像82が有るか否かを検索し判定する(S34)。判定の結果、撮影画像82が検索された場合には、その撮影画像82を表示する(S35)。これによって、インデックス顔画像83の顔の向きが順次変化し、この向きに連動して同一人物で同じ向きを向いている顔が写っている撮影画像82が順次、表示される。
【0044】
次に、ユーザーによって撮影画像82が選択されたか否かの判定を行う(S36)。ステップS35における撮影画像82の表示は縮小画像によって行われており、ユーザーが撮影画像82を鑑賞するために、拡大表示を望む場合には、その撮影画像82を選択する。判定の結果、選択されていない場合には、ステップS38にジャンプし、一方、選択された場合には、その画像を表示部8の表示画面に拡大表示する(S37)。続いて、検索表示を終了するか否かの判定を行い、終了する場合には、元のルーチンに戻り、一方、終了しない場合には、ステップS32に戻る。」


【図1】






【図2】





【図4】




【図7】



(2)引用発明1
上記(1)から、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。

「画像検索方法であって、
カメラ10はデジタルカメラであり、制御部1、類似判定部1a、タイミング制御部1b、撮像部2、光学系制御部3、記録部4、特徴(角度)データ記録部4a、顔データベース( DB)4b、サムネイル部4c、顔検出部5、角度判定部5a、大きさ判定部5b、切出部6、動画処理部7、表示部8、表示制御部8a、マルチ画像表示部8b、動画表示制御部8c、時計部9、操作判定部11、六軸センサ12、通信部14を有し、インターネット網15を介して外部サーバー20と接続可能であり、
顔の眼と鼻の陰影を分析して、角度判定部5aが、顔が左右等のどちらを向いているかを判定し(角度を検出)、撮影画像に「顔の向いている角度と被写体の人物が誰か」の情報を付加し、記録部4に記録し、
サムネイル部4cに記録されたサムネイル画像は、表示部8のインデックス部84にサムネイル画像81として表示され、縦に個人別の顔インデックス画像83が並べられたサムネイル画像81が表示されており、ユーザーはサムネイル画像81の中から見たい被写体(顔インデックス画像83)を選ぶと、選択された人物で同じ方向を向いている画像82が、記録部4内の特徴(角度)データ記録部4aの中から検索され、検索表示部85に表示され、
気に入った画像が見つかれば、その画像を選択することにより、表示面の画面いっぱいに拡大表示し、楽しむことができ、
サンプル画像、すなわちサムネイル画像81を表示部8のインデックス部84に表示し(S31)、続いて、ユーザーが見たいインデックス顔画像83を選択したか否かを判定し(S32)、
動画表示されているインデックス顔画像83と類似する顔で、かつ同じ方向を向いている顔が写っている撮影画像82が有るか否かを検索し判定し(S34)、判定の結果、撮影画像82が検索された場合には、その撮影画像82を表示し(S35)、
ユーザーによって撮影画像82が選択されたか否かの判定を行い(S36)、ステップS35における撮影画像82の表示は縮小画像によって行われており、ユーザーが撮影画像82を鑑賞するために、拡大表示を望む場合には、その撮影画像82を選択する。判定の結果、選択されていない場合には、ステップS38にジャンプし、一方、選択された場合には、その画像を表示部8の表示画面に拡大表示する(S37)、
画像検索方法。」

第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
ア 本願発明1と引用発明1とを対比すると、次のことがいえる。

(ア)引用発明1の「カメラ10」は、制御部1などを有していることからコンピューティングシステムの一種であることは明らかである。したがって、引用発明1の「カメラ10」は、本願発明1の「コンピューティングシステム」に相当する。

(イ)引用発明1の「サムネイル画像81」は、画像であることからメディアコンテンツアイテムの一種であることは明らかである。したがって、引用発明1の「サムネイル画像81」は、本願発明1の「第1のメディアコンテンツアイテム」に相当する。

(ウ)「ユーザーはサムネイル画像81の中から見たい被写体(顔インデックス画像83)を選ぶ」から、引用発明1の「顔インデックス画像83(インデックス顔画像83)」は、サムネイル画像81に描写されていることは明らかである。したがって、引用発明1の「顔インデックス画像83(インデックス顔画像83)」は、本願発明1の「コンセプト」に相当する。

(エ)引用発明1の「顔の向いている角度」は、本願発明1の「方位データ」に相当する。また、引用発明1において、顔の向いている角度が顔インデックス画像83(インデックス顔画像83)に関連付けられていることは明らかである

(オ)上記(イ)乃至(エ)を踏まえると、引用発明1の「動画表示されているインデックス顔画像83と類似する顔で、かつ同じ方向を向いている顔が写っている撮影画像82が有るか否かを検索し判定」することは、本願発明1の「第1のメディアコンテンツアイテム中に描写されたコンセプトに対する第1のメディアコンテンツアイテムに関連付けられた方位データを判定すること」に相当するといえる。

(カ)引用発明1の「ユーザー」は、本願発明1の「ユーザ」に相当する。

(キ)引用発明1の「撮影画像82」は、画像であることからメディアコンテンツアイテムの一種であることは明らかである。また、引用発明1において、サムネイル画像81が表示されてから、撮影画像82の縮小画像の選択によって、拡大表示された撮影画像82が表示され、その拡大表示は表示面の画面いっぱいに表示されることは明らかである。したがって、表示面においてサムネイル画像81から拡大表示された撮影画像82に遷移していることは明らかである。よって、引用発明1の「撮影画像82」は、本願発明1の「第1のメディアコンテンツが遷移できる第2のメディアコンテンツアイテム」に相当する。

(ク)引用発明1の「ユーザーが見たいインデックス顔画像83を選択したか否かを判定し(S32)、動画表示されているインデックス顔画像83と」「同じ方向を向いている顔が写っている撮影画像82が有るか否かを検索し判定」することは、本願発明1の「前記スコア付けに基づいて、前記第1のメディアコンテンツが遷移できる第2のメディアコンテンツアイテムを、前記方位データに基づいて、前記複数のメディアコンテンツアイテムから選択すること、ここで当該選択は、前記第2のメディアコンテンツアイテムに関連付けられた方位データが、前記第1のメディアコンテンツアイテムに関連付けられた方位データと同じであるか、または前記第1のメディアコンテンツアイテムに関連付けられた方位データの閾値差内にあることを、前記第2のメディアコンテンツアイテムについてのスコアが示すことを判定することによって行われるものであ」ることと、「前記第1のメディアコンテンツが遷移できる第2のメディアコンテンツアイテムを、前記方位データに基づいて、前記複数のメディアコンテンツアイテムから選択すること、ここで当該選択は、前記第2のメディアコンテンツアイテムに関連付けられた方位データが、前記第1のメディアコンテンツアイテムに関連付けられた方位データと同じであるかを判定することによって行われるものであ」る点で共通するといえる。

(ケ)引用発明1において、縮小画像の撮影画像82を表示し、ユーザーがその撮影画像82を選択することにより、サムネイル画像81から、拡大表示された撮影画像82に遷移していることは明らかであるから、縮小画像の撮影画像82を表示することは、本願発明1の「前記第1のメディアコンテンツアイテムから前記第2のメディアコンテンツアイテムへの遷移を提示すること」に相当するといえる。

(コ)引用発明1の「画像検索方法」はコンピューティングシステムの一種であるカメラ10が実施していることは明らかである。したがって、引用発明1の「画像検索方法」は、本願発明1の「コンピュータ実施方法」に相当する。

イ 上記アから、本願発明1と引用発明1との間には、次の一致点、相違点があるといえる。

(一致点)
「コンピューティングシステムが、第1のメディアコンテンツアイテム中に描写されたコンセプトに対する第1のメディアコンテンツアイテムに関連付けられた方位データを判定すること、
コンピューティングシステムが、前記第1のメディアコンテンツが遷移できる第2のメディアコンテンツアイテムを、前記方位データに基づいて、前記複数のメディアコンテンツアイテムから選択すること、ここで当該選択は、前記第2のメディアコンテンツアイテムに関連付けられた方位データが、前記第1のメディアコンテンツアイテムに関連付けられた方位データと同じであるかを判定することによって行われるものであり、および
前記コンピューティングシステムが、前記第1のメディアコンテンツアイテムから前記第2のメディアコンテンツアイテムへの遷移を提示すること、
を含む、コンピュータ実施方法。」

(相違点1)
本願発明1では「ここで前記方位データは、前記第1のメディアコンテンツアイテム中に描写されたコンセプトに対するユーザの閲覧角度を少なくとも含むものであ」るのに対して、引用発明1では、方位データが顔の向いている角度である点。

(相違点2)
本願発明1では「複数のメディアコンテンツアイテムを、前記複数のメディアコンテンツアイテムの各々に関連付けられた方位データが、前記第1のメディアコンテンツアイテムに関連付けられた前記方位データと一致する度合いに基づいて、スコア付け」し、「前記スコア付けに基づいて、前記第1のメディアコンテンツが遷移できる第2のメディアコンテンツアイテムを、前記方位データに基づいて、前記複数のメディアコンテンツアイテムから選択すること、ここで当該選択は、前記第2のメディアコンテンツアイテムに関連付けられた方位データが、前記第1のメディアコンテンツアイテムに関連付けられた方位データと同じであるか、または前記第1のメディアコンテンツアイテムに関連付けられた方位データの閾値差内にあることを、前記第2のメディアコンテンツアイテムについてのスコアが示すことを判定することによって行われるものであ」るのに対して、引用発明1では、撮影画像82に関連付けられた顔の向いている角度と、顔インデックス画像83(インデックス顔画像83)の顔の向いている角度とが同じ方向を向いているかを検索し判定しており、スコア付けなどスコアに関する構成については特定されていない点。

(2)判断
ア 相違点1について検討する。
本願発明1の「第1のメディアコンテンツアイテム中に描写されたコンセプトに対するユーザの閲覧角度」は、コンセプトを閲覧しているユーザの閲覧角度を意味しているから、引用発明1の「顔の向いている角度」とは相違しており、引用発明1において開示も示唆もなく、また自明なことでもない。
さらに、引用文献1及び2のいずれにも、本願発明1の「ここで前記方位データは、前記第1のメディアコンテンツアイテム中に描写されたコンセプトに対するユーザの閲覧角度を少なくとも含むものであ」ることは開示も示唆もされておらず、そのようなことが本願の優先日前において周知技術であったともいえないから、引用発明1において、方位データに第1のメディアコンテンツアイテム中に描写されたコンセプトに対するユーザの閲覧角度を含むようにすることは、当業者であっても容易に想到し得ない。

(3)結語
よって、本願発明1は、相違点2について検討するまでもなく、引用文献1に記載された発明ではなく、また、当業者であっても、引用文献1及び2に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2 本願発明2〜6について
本願発明2〜6も、本願発明1の「ここで前記方位データは、前記第1のメディアコンテンツアイテム中に描写されたコンセプトに対するユーザの閲覧角度を少なくとも含むものであ」ることと同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用文献1に記載された発明ではなく、また、当業者であっても、引用文献1及び2に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

3 本願発明7について
本願発明7は、本願発明1に対応するシステムの発明であり、本願発明1の「ここで前記方位データは、前記第1のメディアコンテンツアイテム中に描写されたコンセプトに対するユーザの閲覧角度を少なくとも含むものであ」ることと同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用文献1に記載された発明ではなく、また、当業者であっても、引用文献1及び2に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

4 本願発明8〜9について
本願発明8〜9は、本願発明7同様、本願発明1の「ここで前記方位データは、前記第1のメディアコンテンツアイテム中に描写されたコンセプトに対するユーザの閲覧角度を少なくとも含むものであ」ることと同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用文献1に記載された発明ではなく、また、当業者であっても、引用文献1及び2に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

5 本願発明10について
本願発明10は、本願発明1に対応する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体の発明であり、本願発明1の「ここで前記方位データは、前記第1のメディアコンテンツアイテム中に描写されたコンセプトに対するユーザの閲覧角度を少なくとも含むものであ」ることと同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用文献1に記載された発明ではなく、また、当業者であっても、引用文献1及び2に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

6 本願発明11〜12について
本願発明11〜12は、本願発明10同様、本願発明1の「ここで前記方位データは、前記第1のメディアコンテンツアイテム中に描写されたコンセプトに対するユーザの閲覧角度を少なくとも含むものであ」ることと同一の構成を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、引用文献1に記載された発明ではなく、また、当業者であっても、引用文献1及び2に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第6 原査定について
審判請求時の補正により、本願発明1−12は、方位データは、第1のメディアコンテンツアイテム中に描写されたコンセプトに対するユーザの閲覧角度を少なくとも含む構成を備えるものとなっており、上記第5のとおり、拒絶査定において引用された引用文献1に記載された発明ではなく、また、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1及び2に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。
したがって、原査定の理由を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

 
審決日 2022-08-02 
出願番号 P2019-534880
審決分類 P 1 8・ 113- WY (G06F)
P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 稲葉 和生
特許庁審判官 ▲吉▼田 耕一
中野 裕二
発明の名称 メディアコンテンツアイテム間を遷移するためのシステムおよび方法  
代理人 特許業務法人World IP  
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