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審決分類 審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  B32B
審判 全部申し立て 2項進歩性  B32B
管理番号 1387528
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2022-08-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-03-14 
確定日 2022-07-11 
異議申立件数
事件の表示 特許第6936044号発明「ラミネート材」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6936044号の請求項1〜3に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6936044号の請求項1〜3に係る特許についての出願は、平成29年5月1日に出願され、令和3年8月30日にその特許権の設定登録がされ、令和3年9月15日に特許掲載公報が発行された。その後、請求項1〜3に係る特許に対し、令和4年3月14日に特許異議申立人下河あい(以下、「申立人」という。)により、特許異議の申立てがされたものである。

第2 本件発明
本件特許の請求項1〜3に係る発明(以下「本件発明1」〜「本件発明3」という。まとめて「本件発明」ともいう。)は、その特許請求の範囲の請求項1〜3に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。

「【請求項1】
基材層、バリア層、シーラント層が順次貼り合わされたラミネート材であり、
前記基材層が、ポリエチレンテレフタレート(PET)層と、ポリブチレンテレフタレート(PBT)層が積層された2層からなり、前記PBT層がバリア層に臨む方向で貼り合わされ、前記PET層の厚みが前記PBT層よりも薄いことを特徴とするラミネート材。
【請求項2】
請求項1に記載されているラミネート材のシーラント層同士を向かい合わせて、電池本体の収納空間が形成されてなることを特徴とする電池用外装体。
【請求項3】
請求項2に記載された電池用外装体と、この外装体内に収納された電池本体を備えていることを特徴とする電池。」

第3 申立理由の概要
申立人は、証拠として、以下の甲第1号証〜甲第6号証(以下「甲1」〜「甲6」という。)を提出し、以下の理由1〜2を申立てている。

1.理由1(進歩性
本件発明1〜3は、甲1〜3に記載された何れかの発明及び甲4〜甲6に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定に違反するものであるから、本件発明1〜3に係る特許は、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。

2.理由2(サポート要件)
本件発明1〜3は、本件特許明細書に記載されたものでないから、本件特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
本件明細書には、実施例1〜3として、PET層とPBT層の厚みの組み合わせが3例のみ示されているに過ぎず、PET層、PBT層の厚みがどのような値であっても、「前記PET層の厚みが前記PBT層よりも薄い」という構成要件を満たせば、本件発明における所定の効果を奏するとは言えない。本件特許の出願時の技術常識に照らしても、発明の詳細な説明に開示された内容を本件発明1の範囲まで、拡張・一般化できるとは言えない。

3.証拠方法
甲1:国際公開第2016/010044号
甲2:特開2016−068391号公報
甲3:特開2015−131888号公報
甲4:”ポリエチレンテレフタレート(PET樹脂)の物性と用途、特性
について”[online]、[検索日:2022年2月28日]、インターネ
ット
<URL:https://www.toishi.info/sozai/plastic/pet.html>
甲5:”ポリブチレンテレフタレート(PBT樹脂)の物性と用途、特性
について”[online]、[検索日:2022年2月28日]、インターネ
ット
<URL:https://www.toishi.info/sozai/plastic/pbt.html>
甲6:株式会社興人 フィルム事業部、「【開発品】二軸延伸PBTフィ ルムのご紹介(リチウムイオン電池パック用)」、2012年7月

第4 甲1〜6の記載
1.甲1について
(1)甲1に記載された事項
甲1には、次の事項が記載されている。以下、下線は、理解の便宜のため、当審が付した。
「[請求項1]
基材層と、該基材層の一方の面上に形成された易接着処理層と、該易接着処理層の前記基材層とは反対の面上に形成された接着層と、該接着層の前記易接着処理層とは反対の面上に形成された金属箔層と、該金属箔層の前記接着層とは反対の面上に配置されたシーラント層とを備え、
前記基材層は、二軸延伸フィルムからなり、引張試験(試験片形状:JIS K7127に規定される試験片タイプ5、チャック間距離:60mm、引張速度:50mm/min)において、4方向(0°(MD)、45°、90°(TD)、135°)のうちの少なくとも一つの方向の破断強度が240MPa以上であり、且つ、少なくとも一つの方向の伸びが80%以上である層である、蓄電装置用外装材。
・・・
[請求項4]
前記基材層が、二軸延伸ポリエステルフィルム又は二軸延伸ポリアミドフィルムである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蓄電装置用外装材。
[請求項5]
前記基材層の前記易接着処理層とは反対の面上に形成された基材保護層を更に備える、請求項1〜4のいずれか一項に記載の蓄電装置用外装材。」
「[0001]
本発明は、蓄電装置用外装材、及びそれを用いた蓄電装置に関する。」
「[0023]
[蓄電装置用外装材]
図1は、本発明の蓄電装置用外装材の一実施形態を模式的に表す断面図である。図1に示すように、本実施形態の外装材(蓄電装置用外装材)10は、基材層11と、該基材層11の一方の面上に形成(配置)された易接着処理層12と、該易接着処理層12の基材層11とは反対の面上に形成(配置)された接着層13と、該接着層13の易接着処理層12とは反対の面上に形成(配置)された金属箔層14と、該金属箔層14の接着層13とは反対の面上に形成(配置)された腐食防止処理層15と、該腐食防止処理層15の金属箔層14とは反対の面上にシーラント接着層16を介して形成(配置)されたシーラント層17と、が順次積層された積層体である。外装材10は、基材層11が最外層、シーラント層17が最内層である。すなわち、外装材10は、基材層11を蓄電装置の外部側、シーラント層17を蓄電装置の内部側に向けて使用される。以下、各層について説明する。」
「[0027]
基材層11を構成する二軸延伸フィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム等の二軸延伸フィルムが挙げられる。これらの中でも、基材層11は、より優れた深絞り成型性が得られる観点から、二軸延伸ポリエステルフィルム又は二軸延伸ポリアミドフィルムであることが好ましい。
[0028]
二軸延伸ポリエステルフィルムを構成するポリエステル樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、共重合ポリエステル、ポリカーボネート等が挙げられる。
・・・
[0031]
基材層11の厚さは、6〜40μmであることが好ましく、10〜30μmであることがより好ましい。基材層11の厚さが6μm以上であることにより、蓄電装置用外装材10の耐ピンホール性及び絶縁性を向上できる傾向がある。一方、基材層11の厚さが40μm以下であることにより、蓄電装置用外装材10の深絞り成型性をより向上できる傾向がある。」
「[0033]
易接着処理層12は、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリルグラフトポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含む層であることが好ましい。かかる易接着処理層12は、例えば、基材層11の一方の面上に、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリルグラフトポリエステル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を主成分とする塗工剤を塗布して形成することができる。
・・・
[0050]
接着層13を構成する接着剤としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール等のポリオールよりなる主剤と、芳香族系や脂肪族系のイソシアネートよりなる硬化剤と、を有する二液硬化型のポリウレタン系接着剤を用いることができる。上記接着剤において、主剤の水酸基に対する硬化剤のイソシアネート基のモル比(=NCO/OH)は、1〜10が好ましく、2〜5がより好ましい。」
「[0073]
(腐食防止処理層15)
腐食防止処理層15は、電解液、又は、電解液と水分の反応により発生するフッ酸による金属箔層14の腐食を抑制する役割を果たす。また、金属箔層14とシーラント接着層16との密着力を高める役割を果たす。
・・・
[0077]
また、上述した腐食防止処理以外の手法、例えば、純粋なコーティング手法のみで腐食防止処理層15を形成してもよい。このような方法では、例えば、金属箔層14の腐食防止効果(インヒビター効果)を有し、かつ、環境側面的にも好適な材料(具体的には、例えば、希土類元素系酸化物のゾル(例えば、平均粒径100nm以下の酸化セリウム))を用いてもよい。このような方法を用いることで、一般的なコーティング方法でもアルミニウム箔層等の金属箔に腐食防止効果を付与することができる。
・・・
[0091]
シーラント接着層16として、例えば、接着樹脂を有機溶媒に分散させたディスパージョンタイプの接着樹脂液を用いてもよい。」
「[0106]
また、蓄電装置用外装材10には、蓄電装置を製造する際の後述する加圧熱融着工程における耐熱性を外装材10に付与し、加工又は流通の際に起こり得るピンホールの発生を抑制する等の観点から、基材層11の易接着処理層12とは反対の面上に、接着層を介して下記のような基材保護層が形成されていてもよい。特に、基材層11が二軸延伸ポリアミドフィルムで構成される場合、電解液耐性を向上させる観点から、基材保護層を形成することが好ましい。なお、基材層11と基材保護層とを接着するための接着層としては、上述した接着層13を構成する接着剤と同様の接着剤を用いることができる。
・・・
[0108]
(基材保護層)
基材保護層は、例えば、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂及びポリカーボネート樹脂等を含んで構成され、好ましくはポリエステル樹脂を含んで構成される。
・・・
[0111]
ポリエステル樹脂を含んで構成される基材保護層は、延伸ポリエステルフィルムであることがより好ましく、突刺強度又は衝撃強度に優れる点から、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムであることがより好ましい。
[0112]
基材保護層の厚さは、4〜20μmであることが好ましく、10〜15μmであることがより好ましい。基材保護層の厚さが20μm以下であることにより、成型加工により延伸された箇所の基材保護層の収縮率の増加を抑制でき、成型加工後の反りを低減できる。また、基材保護層の厚さが4μm以上であることにより、金属箔層の保護効果が向上する。」
「[図1]



(2)甲1に記載された発明
上記(1)の記載事項を総合すると、甲1には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されている。
「基材保護層、接着層、基材層11、易接着処理層12、接着層13、金属薄層14、腐食防止処理層15、シーラント接着層16、シーラント層17が順次積層された蓄電装置用外装材であり、
前記基材保護層が、厚さ4〜20μmのポリエステルフィルムであり、
前記基材層11が、厚さ6〜40μmのポリエステルフィルムである、
蓄電装置用外装材。」

2.甲2について
(1)甲2に記載された事項
甲2には、次の事項が記載されている。
「【0001】
本発明は、例えば、ノートパソコン用、携帯電話用、車載用、定置型のリチウムイオン二次電池のケースとして好適に用いられ、また食品の包装材、医薬品の包装材として好適に用いられる成形用包装材および成形ケースに関する。」
「【0020】
[1]に記載の成形用包装材によれば、保護コート層を形成する樹脂の主剤樹脂として、高い安定性を有するフェノキシ樹脂と高い柔軟性を有するウレタン樹脂の混合樹脂が用いられているので、成形性、耐薬品性、耐溶剤性および耐スクラッチ性を兼ね備えた成形用包装材となし得る。」
「【0070】
次に、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれら実施例のものに限定されるものではない。
〈実施例1〜10〉
図1に示した積層構造の成形用包装材(1)を作製した。実施例1〜10は保護コート層(14)を構成する樹脂組成物または厚みのみが異なり、保護コート層(14)を除いた積層体(10)の材料および作製工程は各実施例で共通である。前記積層体(10)の材料および作製は以下のとおりである。
【0071】
〈積層体〉
金属箔層(11)は厚さ40μmのアルミニウム箔であり、このアルミニウム箔の両面に、ポリアクリル酸、三価クロム化合物、水、アルコールからなる化成処理液を塗布し、180℃で乾燥を行って化成皮膜を形成した。この化成皮膜によるクロム付着量は10mg/m2である。
【0072】
化成皮膜を形成した金属箔層(11)の一方の面に、外側基材層(13)として厚さ25μmの二軸延伸6−ポリアミドフィルムを、外側接着剤層(13)として二液硬化型のウレタン系接着剤を用いてドライラミネートした。
【0073】
また、内側接着剤層(15)の接着剤として金属箔層(11)とポリプロピレンの双方に接着性を有するマレイン酸変性ポリプロピレン樹脂と、内側シーラント層(16)として融点が140℃、MFRが7g/10minのエチレン−プロピレンランダム共重合体樹脂とをTダイ法により、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂層が7μm、エチレン−プロピレンランダム共重合体層が40μmの積層フィルムとして押出して準備した。即ち、この積層フィルムは厚さ40μmの内側シーラント層(16)と厚さ7μmの内側接着剤層(15)とが積層されたフィルムである。
【0074】
次いで、前記金属箔層(11)の他方の面に、前記積層フィルムの内側接着剤層(15)を重ね合わせ、150℃に熱せられた熱ロールを通過させて五層構造の積層体(10)を得た。
【0075】
作製した前記積層体(10)を共通に用いて実施例1〜10の成形用包装材を作製した。」
「【0079】
〈比較例2〉
外側基材層として厚さ12μmのPETフィルムと厚さ15μmの二軸延伸6ポリアミドフィルムを積層した複層フィルムを用いたことを以外は、実施例1〜10と同じ方法で積層体を作製し、これを成形用包装材とした。比較例2の成形用包装材の六層構造の積層体であり、最外層はPETフィルムである。」
「【表1】



(2)甲2に記載された発明
上記(1)の比較例2に関する記載事項を総合すると、甲2には次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。
「外側基材層、外側接着剤層、金属箔、内側接着剤層、内側シーラントが順次積層された成形用包装材であり、
前記外側基材層が、厚さ12μmのPETフィルムと厚さ15μmの6ポリアミドフィルムを最外層がPETフィルムとなるように積層した複層フィルムである、
成形用包装材。」

3.甲3について
(1)甲3に記載された事項
甲3には、次の事項が記載されている。
「【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚みあたり曲げ剛性が長手方向と幅方向の平均値で0.05mg/μm以上、0.35mg/μm以下であって、加工硬化指数の長手方向幅方向の平均値が1.8以上、3.0以下であるポリエステルフィルム。
【請求項2】
厚みが18μm以上30μm以下である請求項1に記載のポリエステルフィルム。
【請求項3】
ポリエチレンテレフタレートを主体として構成される層(A層)とガラス転移温度がA層を構成する樹脂よりも20℃以上低い樹脂を主体として構成される層(B層)を含む請求項1または請求項2に記載のポリエステルフィルム。
【請求項4】
B層/A層/B層の順に積層された少なくとも3層構成である請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
【請求項5】
B層の厚みがポリエステルフィルム全層厚みに対して18%以上67%以下の割合である請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
・・・
【請求項7】
B層を構成する樹脂がポリブチレンテレフタレートを主たる構成成分とする請求項1〜6のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
・・・
【請求項10】
電池外装用に用いられる請求項1〜9のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
・・・
【請求項12】
請求項1〜9のいずれかに記載のポリエステルフィルムと厚みが10μm以上100μm以下である金属箔とを接着層を介して貼り合せた複合体であって、長手方向と幅方向の破断伸度が共に23%以上50%以下かつ、長手方向と幅方向の平均破断伸度が25%以上42%以下である複合体。
【請求項13】
請求項12に記載の複合体とさらに金属箔側にシーラント層を設けたポリエステルフィルム/接着層/金属箔/シーラント層の順となるように配置された構成体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電池外装用ポリエステルフィルム、医薬包装用ポリエステルフィルム、該フィルムに接着層を介して金属箔が積層された複合体、および該複合体とシーラント層とを含む構成体に関し、特に電池外装用、医薬包装用に好適に使用できるポリエステルフィルム、複合体および構成体に関する。」
「【0018】
本発明のポリエステルフィルムは、多層構成である場合、B層/A層/B層のように中心層を基点に対称構成であることが製膜後の反りを抑制する観点から好ましい。製膜後に反りが発生すると、その後の電池製造工程などでハンドリング性が悪化することがある。また、本発明ではB/A/B/A/Bといった5層の構成でもよい。多層構成である場合、製膜後の反りの観点からB/A/Bの3層積層構成が好ましい。本発明では分子配向が異なるA層/B層のような2層構成であると、製膜直後の時点で反りが発生することがある。ただし、本発明の効果を阻害しないのであれば、A/Bの2層構成のように非対称構成でもかまわない。」
「【0024】
本発明のポリエステルフィルムと金属箔とを積層する方法としては、特に限定されない
が、密着性の観点から接着剤からなる接着層を設けて接着させるドライラミネーションが
好ましく用いられる。
・・・
【0025】
本発明では、ヒートシール性およびバリア性向上の観点から複合体にさらにシーラント層が設けられたポリエステルフィルム/接着層/金属箔/シーラント層の順に配置された構成体とすることが好ましい。上記構成体を電池外装用として用いることで、耐電解液性、絞り成形性、成形後の耐反り性および生産性に優れた電池包装材とすることができる。・・・」
「【0062】
(実施例1〜14、比較例1、3〜5)
押出機1および押出機2を用い、表1に記載のポリエステル種、粒子マスターをそれぞれ真空乾燥機にて180℃4時間乾燥し、水分を十分に除去した後、表1に記載のとおり押出機1にはA層の主原料を、押出機2にはB層の主原料、副原料、粒子マスターを投入し、280℃にて溶融した。次いで押出機1から溶融押出された層がA層、押出機2から溶融押出された層がB層として、それぞれ表1および表2に示す積層構成、積層比、となるようにマルチマニホールドにて各層を合流させ、口金から吐出された樹脂を25℃に冷却されたキャストドラム上に冷却固化して未延伸シートを得た。その際、Tダイのリップと冷却ドラム間の距離は35mmに設定し、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して14kVの電圧で静電印加させ、冷却ドラムに密着をさせた。実施例1については、B層がキャストに接着する面とした。また、未延伸シートの冷却ドラムの通過速度は25m/分、未延伸シートの冷却ドラムとの接触長さは、2.5mとした。
【0063】
続いて、該未延伸シートを60〜80℃の温度に加熱したロール群で予熱した後、88℃の温度の加熱ロールを用いて長手方向(縦方向)にそれぞれ表2に示した倍率に延伸し、25℃の温度のロール群で冷却して一軸延伸フィルムを得た。
【0064】
この一軸延伸フィルムに空気中でコロナ放電処理を施し、その処理面にアンカーコート層として塗剤Aを超音波分散させながら混合し、#4メタリングバーにてキャストと接着した面に均一に塗布して表面処理を施した。次いで、一軸延伸フィルムの両端をクリップで把持しながらテンター内の80℃の温度の予熱ゾーンに導き、引き続き連続的に90℃に保たれた加熱ゾーンで長手方向に直角な方向(幅方向)にそれぞれ表2に示した倍率に延伸した。さらに引き続いて、テンター内の熱処理ゾーンで表2に示す熱処理温度にて20秒間の熱処理を施し、さらに表2に示す弛緩温度で5%幅方向に弛緩処理を行った。次いで、均一に徐冷し、表2に示す厚さのポリエステルフィルムを得た。ポリエステルフィルムの特性は表1〜表3に示したとおりである。
【0065】
得られたポリエステルフィルムの表面処理面側と金属箔Aが接着するようにドライラミネート法によって、ウレタン系接着剤である東洋インキ製“AD502”AD502、CAT10L、酢酸エチルを25:15:2の比率となるように混合した塗剤を接着層として用いて張り合わせた。ここで、接着剤塗布量は固形分としてポリエステルフィルム表面処理面側に5g/m2とし、張り合わせ後に60℃、144時間のエージング処理をして複合体を得た。複合体の特性は表3に示したとおりである。
【0066】
得られた複合体の金属箔A上に、シーラントとしてマレイン酸変性ポリプロピレン樹脂とポリプロピレンとを共押出しした2層共押出しフィルム(マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂層:20μm、ポリプロピレン樹脂層:60μm)を、マレイン酸変性ポリプロピレン樹脂層が金属箔側に位置するようにし、ラミネーターを用いて加熱圧着(160℃、0.3MPa、2m/min)させることで積層させ、ポリエステルフィルム/接着層/アルミニウム箔/シーラントとなる構成体を作成した。得られた構成体の評価をした結果は表4に示したとおりであり、実施例1〜15については絞り成形性、成形後の反りに優れていることが確認できた。」
「【表1】


「【表2】


「【表4】



(2)甲3に記載された発明
上記(1)の実施例1に関する記載事項を総合すると、甲3には次の発明(以下「甲3発明」という。)が記載されていると認められる。
「ポリエステルフィルム、接着層、金属箔、シーラント層が順次配置された構成体であり、
前記ポリエステルフィルムが、厚さ20μmのポリエチレンテレフタレートを主たる構成成分とするA層と、厚さ5μmのポリブチレンテレフタレートを主たる構成成分とするB層が積層された2層からなり、前記B層が金属箔に臨む方向で配置された、構成体。」

4.甲4〜甲6について
(1)甲4及び甲5に記載された事項
甲4には以下の記載がある。




甲5には以下の記載がある。



上記の記載事項のうち、特に吸水率、成形収縮率及び熱変形温度に着目すると、甲4及び甲5には以下の事項(以下「甲4及び甲5記載事項」という。)が記載されている。
「PET樹脂はPBT樹脂よりも、吸水率が大きく、生成収縮率が大きく、熱変形温度が低い。」

(2)甲6に記載された事項
甲6には以下の記載がある。




上記の記載事項のうち、レーダーチャートの「冷間成形性」及び「耐熱性」について着目すると、甲6には以下の事項(以下「甲6記載事項」という。)が記載されている。
「OPBTはOPETよりも冷間成形性及び耐熱性が優れる。」

第5 当審の判断
1.進歩性について
(1)本件発明1について
ア 甲1発明を主引例とした理由
(ア)対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
甲1発明の「金属薄層14」は本件発明1の「バリア層」に相当する。同様に「シーラント層17」は「シーラント層」に相当する。
甲1発明の「基材保護層、接着層、基材層11」と、本件発明1の「基材層」とは、甲1発明の「基材保護層」及び「基材層11」がポリエステルフィルムであること、並びに、本件発明1の基材層が「ポリエチレンテレフタレート(PET)層と、ポリブチレンテレフタレート(PBT)層が積層された2層からなる」ことからみて、「二層のポリエステルフィルムからなる基材層」という限りにおいて一致する。
本件明細書の段落【0022】の記載からみて、本件発明1の「基材層」と「バリア層」、「バリア層」と「シーラント層」は、各々接着剤層を介して貼り合わされているものである。
そうすると、甲1発明の二層のポリエステルフィルムからなる基材層に係る「基材保護層、接着層、基材層11」に続けて積層される「易接着処理層12、接着層13、金属薄層14、腐食防止処理層15、シーラント接着層16、シーラント層17が順次積層された蓄電装置用外装材」は、各層を順次貼り合わせたものといえるから、本件発明1の二層のポリエステルフィルムからなる基材層に係る「基材層」に続けて積層される「バリア層、シーラント層が順次貼り合わされたラミネート材」に相当する。

以上から、本件発明1と甲1発明とは、以下の点で一致し、その余の点で相違する。
<一致点1>
「二層のポリエステルフィルムからなる基材層、バリア層、シーラント層が順次貼り合わされたラミネート材。」

<相違点1−1>
基材層を構成する二層のポリエステルフィルムが、本件発明1では「ポリエチレンテレフタレート(PET)層と、ポリブチレンテレフタレート(PBT)層が積層された2層からなり、前記PBT層がバリア層に臨む方向で張り合わされ」ているのに対し、甲1発明では、「前記基材保護層が、「ポリエステルフィルムであ」る「基材保護層」と「ポリエステルフィルムであ」る「基材層11」が「接着層」を介して積層されている点。

<相違点1−2>
二層のポリエステルフィルムからなる基材層の各層の厚さが、本件発明1では「PET層の厚みがPBT層よりも薄い」のに対し、甲1発明では「基材保護層が、厚さ4〜20μm」であり「基材層11が、厚さ6〜40μm」である点。

(イ)判断
相違点1−1について検討する。
本件発明1は、「基材層が、ポリエチレンテレフタレート(PET)層と、ポリブチレンテレフタレート(PBT)層が積層された2層からなり…貼り合わされ」と特定され、本件明細書の「二軸延伸多層フィルムは接着剤を用いることなく直接積層されているため、層の厚みが抑えられ、かついずれもポリエステル系樹脂で構成されているため界面間で起こる可能性のあるデラミネーションなどの発生を抑制できる。」([0015])との記載に加えて、PETとPBTとが共押出しされるものである([0026])ことをふまえると、該「2層からなり…貼り合わされ」とは、接着層等を介することなく2層を貼り合わせるものであり、当該構成を採用することで、「基材層を構成する二軸延伸多層フィルムがPET層を含んでいるため、耐水性、耐熱性に優れて、さらにPBT層を含んでいるため同時に成形性にも優れている。」([0016])という効果を奏するものである。
これに対し、甲1の実施例1〜8は、基材層11としてナイロン6フィルムを用いるのみであって、甲1の[0106]及び[請求項5]の記載によれば、基材保護層を設けることは任意の態様であり、その上、基材層11に基材保護層を接着する際には接着層を用いることが記載されている([0106]及び[0107])。そうすると、甲1において、基材層11として例示される複数の樹脂の中にポリブチレンテレフタレートとする記載があり、基材保護層として例示される複数の樹脂の中にポリエチレンテレフタレートとする記載があるとしても([0028]、[0111])、基材層及び基材保護層をそれぞれ例示された樹脂の中の特定の組み合わせとする動機付けはないし、更に組み合わされた樹脂において接着層等を介することなく接着することの記載も示唆もない。
したがって、相違点1−2について検討するまでもなく、本件発明1は甲1発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

なお、相違点1−2について補足的に当審の見解を示す。
甲1に記載されている基材保護層の厚さの範囲と、基材層11の厚さの範囲は重複範囲を有するものであり、基材保護層の厚さを基材層11の厚さより薄くすることが自明であるとまではいえない。
また、技術常識に照らせば、甲4及び甲5でいうところの「吸水率」は樹脂が水をどの程度吸収するかを示したものであり、「成形収縮率」は射出成形等の成形後に樹脂が金型寸法に対してどの程度収縮するかを示したものであり、本件明細書でいうところの「耐水性」や「成形性」とは異なる物性である。また、甲4及び甲5でいうところの「熱変形温度」は本件明細書でいうところの「耐熱性」と同等の意味を有する物性であると考えられるが、甲4及び甲5においては、PET樹脂のほうがPBT樹脂よりも熱変形温度(耐熱性)が低いこととなっている。
そうすると、甲4及び甲5から、本件発明の「成形性、耐水性、耐熱性を維持しつつ、基材の厚みを可及的に薄くすることができる」という効果は導き出せない。

イ 甲2発明を主引例とした理由
(ア)対比
本件発明1と甲2発明とを対比する。
甲2発明の「金属薄11」は「バリア層」に相当する。同様に「内側シーラント」は「シーラント層」に、「成形用包装材」は「ラミネート材」に相当する。
甲2発明の「厚さ12μmのPETフィルムと厚さ15μmの6ポリアミドフィルムを最外層がPETフィルムとなるように積層した複層フィルムである」「外側基材層」と、本件発明1の「ポリエチレンテレフタレート(PET)層と、ポリブチレンテレフタレート(PBT)層が積層された2層からなり、前記PBT層がバリア層に臨む方向で貼り合わされ、前記PET層の厚みが前記PBT層よりも薄い」「基材層」とは、「外側層と内側層が積層された2層からなり、前記内側層がバリア層に臨む方向で貼り合わされ、前記外側層の厚みが前記内側層よりも薄い」「基材層」という限りにおいて一致する。
本件明細書の段落【0022】の記載からみて、本件発明1の「基材層」と「バリア層」、「バリア層」と「シーラント層」は、各々接着剤層を介して貼り合されているものである。
そうすると、甲2発明の上記限り一致とした「外側基材層」に続けて積層される「外側接着剤層、金属箔、内側接着剤層、内側シーラントが順次積層された成形用包装材」は、本件発明1の上記限り一致とした「基材層」に続けて積層される「バリア層、シーラント層が順次貼り合わされたラミネート材」に相当する。

以上から、本件発明1と甲2発明とは、以下の点で一致し、その余の点で相違する。
<一致点2>
「基材層、バリア層、シーラント層が順次貼り合わされたラミネート材であり、
前記基材層が、外側層と、内側層が積層された2層からなり、前記内側層がバリア層に臨む方向で貼り合わされ、前記外側層の厚みが前記内側層よりも薄い、ラミネート材。」

<相違点2>
外側層と内側層の2層からなる基材層の樹脂が、本件発明1では、「ポリエチレンテレフタレート(PET)層」と「ポリブチレンテレフタレート(PBT)層」であるのに対し、甲2発明では、「PETフィルム」と「6ポリアミドフィルム」である点。

(イ)判断
甲2には、当該複層のうちのポリアミドフィルムのみを他の樹脂に変更することについては記載も示唆もされていない。
ここで、「OPBTはOPETよりも冷間成形性及び耐熱性が優れる 。」という甲6記載事項を参酌したとしても、2層からなる外側基材層の内層を構成するポリアミドフィルムの樹脂を変更する動機付けになるとはいえない。
したがって、本件発明1は甲2発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

ウ 甲3発明を主引例とした理由
(ア)対比
本件発明1と甲3発明とを対比すると、
甲3発明の「金属箔」は本件発明の1の「バリア層」に相当する。同様に「シーラント層」は「シーラント層」に、「ポリエチレンテレフタレートを主たる構成成分とするA層」は「ポリエチレンテレフタレート(PET)層」に、「ポリブチレンテレフタレートを主たる構成成分とするB層」は「ポリブチレンテレフタレート(PBT)層」に、「ポリエステルフィルム」は「基材層」に、それぞれ相当する。
甲3発明の「厚さ20μmのポリエチレンテレフタレートを主たる構成成分とするA層と、厚さ5μmのポリブチレンテレフタレートを主たる構成成分とするB層が積層された2層からなり、前記B層が金属箔に臨む方向で配置された」「ポリエステルフィルム」と、本件発明1の「ポリエチレンテレフタレート(PET)層と、ポリブチレンテレフタレート(PBT)層が積層された2層からなり、前記PBT層がバリア層に臨む方向で貼り合わされ、前記PET層の厚みが前記PBT層よりも薄い」「基材層」とは、「ポリエチレンテレフタレート(PET)層と、ポリブチレンテレフタレート(PBT)層が積層された2層からなり、前記PBT層がバリア層に臨む方向で貼り合わされ」た「基材層」という限りにおいて一致する。
本件明細書の段落【0022】の記載からみて、本件発明1の「基材層」と「バリア層」、「バリア層」と「シーラント層」は、各々接着剤層を介して貼り合されているものである。他方、甲3発明も同様に「接着層」により貼り合わせている(甲3の段落【0024】)ものである。
そうすると、甲3発明の上記限り一致に係る「ポリエステルフィルム」に続いて積層される「接着層、金属箔、シーラント層が順次配置された構成体」は、本件発明1の上記限り一致に係る「基材層」に続いて積層される「バリア層、シーラント層が順次貼り合わされたラミネート材」に相当する。

以上から、本件発明1と甲3発明とは、以下の点で一致し、その余の点で相違する。
<一致点3>
「基材層、バリア層、シーラント層が順次貼り合わされたラミネート材であり、
前記基材層が、ポリエチレンテレフタレート(PET)層と、ポリブチレンテレフタレート(PBT)層が積層された2層からなり、前記PBT層がバリア層に臨む方向で貼り合わされた、ラミネート材。」

<相違点3>
PET層とPBT層の厚みが、本件発明1では「PET層の厚みがPBT層よりも薄い」のに対し、甲3発明では「ポリエチレンテレフタレートを主たる構成成分とするA層」が「厚さ20μm」であり「ポリブチレンテレフタレートを主たる構成成分とするB層」が「厚さ5μm」である点。

(イ)判断
甲3発明は、「耐電解液性、絞り成形性、成形後の耐反り性および生産性に優れた電池包装材とする」(段落【0025】)ことが課題であり、甲3発明である実施例1については、表4と共に、「絞り成形性、成形後の反りに優れていることが確認できた。」(段落【0066】)と記載されている。そして、積層体を構成する各層の厚さを変更した場合、反りの状態も影響を受けることは技術常識から明らかであるから、甲3発明における「ポリエチレンテレフタレートを主たる構成成分とするA層」が「厚さ20μm」であり「ポリブチレンテレフタレートを主たる構成成分とするB層」が「厚さ5μm」である厚みの大小関係を逆転させて、本件発明1の「PET層の厚みがPBT層よりも薄い」という構成とすることは阻害要因があるといえる。
したがって、本件発明1は甲3発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2)本件発明2〜3について
本件発明2は、本件発明1の発明特定事項を全て含み、さらに発明特定事項を加えて限定するものであるから、上記(1)で検討したのと同じ理由により、本件発明2〜3は、甲1、甲2又は甲3に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

2.サポート要件について
(1)特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定される要件に適合するか否かは、特許請求の範囲と発明の詳細な説明とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきである。
(2)本件特許の発明の詳細な説明には、本件発明の解決しようとする課題について、「様々な環境で使用される電池用外装体は、成形性、耐溶剤性、耐水性、耐熱性といった全ての点で優れていることが要求され、さらなる向上が求められている。一方で、電池の薄型化、軽量化のために、ラミネート材の厚みを増大させることなく上記の特性を備えさせることも求められている。」(段落【0006】)と記載されている。また、この課題の解決のために、本件特許の発明の詳細な説明には「PET層の厚みT2は基材層13の厚みT1、即ちPET層とPBT層の合計厚みの5%〜50%が好ましい。PET層の厚みT2が5%未満では耐熱性が悪化し、50%を超えると成形性が悪化し、上記範囲に設定することによって、成形性、耐水性、耐熱性を維持しつつ、基材層13の厚みT1を可及的に薄くすることができる。特に好ましいPET層の厚みT2はT1の10%〜45%である。」(段落【0028】)と記載されている。当該記載からすると、PET層がPBT層よりも薄い場合において、「成形性、耐水性、耐熱性を維持しつつ、基材層13の厚みT1を可及的に薄くすることができる。」という課題を解決し得ると認識できる。
(3)また、本件特許の発明の詳細な説明には、PET層とPBT層の厚みについて、「(成形性)株式会社アマダ製の深絞り成形具を用い、・・・深絞り成形を行った。成形深さを変えて数個の成形を行い、・・・最大の成形深さをそのラミネート材の最大成形深さとして下記の基準で評価した。」(段落【0040】)との評価結果が【表1】として示されており、当該評価結果の実施例1、3及び参考例2からは、PET層の厚みをPBT層よりも薄くすることにより成形性が向上することが裏付けられている。
(4)したがって、本件発明は、発明の詳細な説明に記載したものである。

第5 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1〜3に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1〜3に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。

 
異議決定日 2022-06-29 
出願番号 P2017-090975
審決分類 P 1 651・ 121- Y (B32B)
P 1 651・ 537- Y (B32B)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 藤原 直欣
特許庁審判官 稲葉 大紀
塩治 雅也
登録日 2021-08-30 
登録番号 6936044
権利者 昭和電工パッケージング株式会社
発明の名称 ラミネート材  
代理人 高田 健市  
代理人 清水 久義  
代理人 清水 義仁  

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