• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
管理番号 1387541
総通号数
発行国 JP 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2022-08-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-04-20 
確定日 2022-08-05 
異議申立件数
事件の表示 特許第6959095号発明「遊技機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6959095号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6959095号(以下「本件特許」という。)の請求項1に係る特許についての出願は、平成29年10月10日に出願され、令和3年10月11日にその特許権の設定登録がされ、同年11月2日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、令和4年4月20日に特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会社(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがなされた。

第2 本件発明
本件特許の請求項1の特許に係る発明(以下「本件発明」という。)は、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(なお、A〜Nの符号は、当審にて分説するために付した。)。

「【請求項1】
A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
B 前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであって、
C 導出が許容される表示結果を決定する事前決定手段と、
D 表示結果を導出させるために操作される導出操作手段と、
E 複数の発光部と、
F 所定表示結果の導出が許容され、且つ報知条件が成立したときに、前記複数の発光部を用いて該所定表示結果を導出させるための前記導出操作手段の操作態様である特定操作態様を報知する操作態様報知手段とを備え、
G 前記特定操作態様は、前記導出操作手段が第1態様で操作された後に、前記導出操作手段が第2態様で操作される操作態様であり、
H 前記複数の発光部は、第1発光部と、第2発光部とを含み、
I 前記操作態様報知手段は、前記第1態様での操作を報知するときに前記第1発光部を発光させ、前記第2態様での操作を報知するときに前記第2発光部を発光させ、
J 前記特定操作態様が報知され、且つ該特定操作態様で前記導出操作手段が操作された結果として前記所定表示結果が導出されたときに、前記第1発光部と前記第2発光部とを発光させる導出報知手段を更に備え、
K 前記特定操作態様が報知されず、且つ該特定操作態様で前記導出操作手段が操作された結果として前記所定表示結果が導出されたときに、前記第1発光部と前記第2発光部とを発光させず、
L 前記第1発光部と前記第2発光部とは、それぞれ複数種類の発光色で発光可能であり、
M 前記所定表示結果は複数種類設けられ、
N 前記導出報知手段は、導出された前記所定表示結果の種類に応じた発光色で前記第1発光部と前記第2発光部とを発光させる、スロットマシン。」

第3 特許異議申立ての申立理由の概要
申立人は、証拠方法として甲第1〜5号証を提出し、本件発明は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された事項に基いて、又は、甲第1号証ないし甲第5号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号の規定に該当し、本件特許は取り消されるべきものである旨を主張する(特許異議申立書の第2ページ第4行〜第6ページ第18行、第41ページ第17行〜第42ページ第15行)。

<証拠方法>
甲第1号証:特開2008−229375号公報
甲第2号証:特開2013−244400号公報
甲第3号証:特開2017−55792号公報
甲第4号証:特開2011−206304号公報
甲第5号証:特開2012−45129号公報

第4 各甲号証の内容
1 甲第1号証について
(1)甲第1号証の記載(下線は当審で付した。以下同様。)

ア「【0009】
<スロットマシンの構成>
図1は、本発明の一実施形態に係るスロットマシン100の概略を示す正面図である。スロットマシン100の前面側の中央内部には、絵柄の組み合せを変動可能に表示する3つのリール(左リール110、中リール111、右リール112)が、それぞれ独立して回転可能に収容されている。各リール110乃至112の外周面には、例えば、図9に示すように複数種類の絵柄、「赤7」、「BAR」「スイカ」、「ベル」、「チェリー」、「Rep」が施されており、遊技者から見ると、概ね各リール毎に3つの絵柄、合計9つの絵柄がリール110乃至112の停止時にリール表示窓113を通して見えるようになっている。」

イ「【0017】
スタートレバー140は、各リール110乃至112の回転を開始させるレバー型のスイッチである。停止ボタン141乃至143は、回転しているリール110乃至112の各々を停止させるボタン型のスイッチであって、左の停止ボタン141の押下に対応して左リール110を、中の停止ボタン142の押下に対応して中リール111を、右の停止ボタン143の押下に対応して右リール112を、各々個別に停止させることができる。」

ウ「【0056】
スタートレバー140の操作があると、ST1006へ進み、MCPU200が乱数発生器210から乱数を取得する。本実施形態では、ST1006で、以後の各種の抽選で使用する乱数の全てを取得しているが、無論、抽選処理を行う毎に乱数取得を行っても良い。取得した乱数に基づいて、乱数抽選を行う。ここでは、主として、複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する内部抽選を行う。」

エ「【0060】
その後、所定時間が経過して全リールが定速回転になると、ST1016へ進み、遊技者による停止ボタン141乃至143の操作の受付を開始する。ST1016では、遊技者が操作した停止ボタンがいずれのリールに対応する停止ボタンであるかを停止ボタンセンサ221により検知し、検知されると、停止ボタンが操作されたことを、停止ボタン受付コマンドを送信して、副制御部にどの停止ボタンが操作されたかを認識させる。」

オ「【0062】
ST1018では、全リールが停止したか否かを判定する。ST1020では、停止したリール110乃至112によって、リール表示窓113上の有効化された入賞ライン114a乃至c上に、各入賞役に対応して予め定められた絵柄の組み合せが揃って表示されているか否かに基づいて入賞の判定をする。主制御部は入賞判定後に判定結果に対応した入賞判定結果コマンドを副制御部に送信し、入賞状況を認識させる。」

カ「【0095】
次に、本実施形態のスロットマシン100は、入賞役の内部当選を内部当選確率に基づいて決定し、決定した入賞役に対応して設定された1もしくは複数の停止位置データから抽選で選択された停止位置データに基づいてリールの停止制御が行われる。このため、各入賞役に入賞するに至るまでには、内部当選し、その入賞役に対応する絵柄組合せが表示されることが許容されている停止位置データが選択され、かつ、入賞ライン上にその入賞役に対応する絵柄組み合わせが表示されてはじめて入賞となるように構成されている。」

キ「【0097】
更に本実施形態では、小役2の停止位置データ選択確率が180/256と高確率に設定されている。詳しくは後述するが、小役2に関しては、他の小役とは異なり、内部当選して停止位置データが選択された場合、特定の停止操作手順で停止操作された場合にのみ入賞するように停止位置データが設定される。特定の停止操作手順とは、本実施形態では、停止ボタン141乃至143の停止操作順序がこれに当たる。すなわち小役2の停止位置データが設定されている停止順序と合致した順番に停止ボタンを操作したときに小役2の入賞絵柄が有効ライン上に停止表示されるように制御される。停止ボタンの押し順は、左→中→右、左→右→中、中→左→右、中→右→左、右→左→右、右→中→左の6通りである。したがって、小役2の実質の入賞確率は、1/1.2×180/256×1/6=約1/10となる。」

ク「【0112】
特別遊技においては、RB2の絵柄組み合せである赤7−Rep−Rep及びBAR−Rep−Repの停止位置データが1/1.2×60/256=約1/5の高確率で選択されるように設定されている。特別遊技中のみ設定されているRB2の絵柄組み合せが揃うと、RB入賞と判定され、次回の遊技から後述する役物遊技に突入する。役物遊技が終了すると再び特別遊技の一般遊技に戻る。」

ケ「【0116】
・小役1乃至3
小役1:スイカ−スイカ−スイカ、小役2:ベル−ベル−ベル、小役3:チェリー−ANY−ANYが、リール表示窓113のいずれかの入賞ライン114上に揃うと、対応する配当数のメダルが払い出される。なお、ANYとは、任意の絵柄を意味する。小役は入賞により別の遊技が開始されない。」

コ「【0121】
[小役2の停止位置データの内容]
上述した通り、小役2とRB2の停止位置データは、停止ボタンの操作順序が所定の順序の場合にその絵柄組合せを表示させるデータである。ここでは、小役2の停止位置データを例に挙げてリールの停止制御について説明する。
・・・
【0125】
それ以外の停止操作順序で各停止ボタンを停止させるといずれかの停止操作時にはハズレの停止位置データが選択されることになるため小役2を入賞ライン114上に停止表示させることができないこととなる。この停止位置データ参照エリアのいずれに設定されるかは抽選で決定されるため、小役2は毎回異なる停止操作順序で入賞することとなる。」

サ「【0131】
以上のようにして全リールが停止するまでステップ3からステップ5を繰返し全リールが停止される。第2停止リールを右リールに対応する停止ボタン、第3停止リールを左リールに対応する停止ボタンが操作された場合は、図に示すように入賞ライン上に小役2に対応する絵柄組み合せであるベル絵柄が揃うこととなる。特定入賞役についても小役2と同じく所定の停止操作順序の領域にのみRBの停止位置データアドレスが設定される。」

シ「【0154】
[ナビゲーション演出]
次に、特別遊技中、小役2内部当選時及び特定入賞役放出時に副制御部で行われるナビゲーション演出について説明する。ナビゲーション演出は、停止位置データ参照エリアに設定されている入賞可能な停止位置データが設定されている停止順序及び停止リールを遊技者に報知するための演出である。
【0155】
図12にナビゲーション演出例を示す。本図は、上述の小役2の内部当選時に中→右→左の停止操作手順を教示する演出を示している。演出は、各リールに設けられたバックランプで行われる。初めに図12(a)に示すように全リール回転中に中リール111のバックランプのみを点灯させ、他のバックランプを消灯させることで中リール111の停止操作を行うように報知する。遊技者は、バックランプが点灯している中リール111に対応した停止ボタン142を停止操作する。結果、中リール111中段にベルが停止表示される。報知手順と同じ停止ボタンが操作された場合は、リール停止時にバックランプを点灯状態のまま維持する。逆に他の停止ボタンが操作された場合は、操作された停止ボタンに対応するリールを停止させると共にバックランプを消灯のまま維持し、停止操作が間違っていることを報知する。
【0156】
次に、図12(b)に示すように回転中の右リール112のバックランプを点灯させて次の停止操作が右リール112であることを遊技者に報知する。遊技者が右リール112に対応する停止ボタン143を停止操作した結果、中段入賞ラインにベル絵柄が停止する。最後に残った左リールを停止操作することで中段入賞ライン上にベル絵柄が揃って小役2に入賞する。」

ス「【0173】
特別遊技中は遊技区間制御カウンタに設定されている遊技回数分、高確率でRBを放出する抽選(停止位置データの抽選)が行われる。ストックされたRBは、RB2の停止位置データが選択されたときに入賞ライン上に揃えることができる。特別遊技中のRB2は、ナビゲーション演出で報知される停止操作順序に従って停止操作を行うことで入賞させることができる。
【0174】
制御的には、特別遊技中にRB2の停止位置データが選択されると、主制御部より特別遊技中のRB2内部当選に対応する演出コマンドが、副制御部へと送信される。副制御部は、受信した演出コマンドから特別遊技中のRB2若しくは小役2内部当選時に実行するナビゲーション演出の演出データをバックランプ制御部、ドットマトリクス表示部、音声制御部等の各デバイスに設定する。副制御部は、図12に示すように遊技操作に関する制御コマンドを受信する都度、各デバイスでナビゲーション演出を実行する。ナビゲーション演出に基づいて停止操作することで遊技者は、容易にRB2の絵柄組み合せを入賞させることができる。
【0175】
ここで小役2とRB2のナビゲーション演出が行われるため、いずれかの入賞役であるかを遊技者に認識させるためバックランプの発光色をそれぞれの入賞役に応じて設定するとよい。遊技者は、ナビゲーション演出のバックランプ発光色でいずれかの入賞役であるかを認識することができる。無論、演出表示部190やその他のデバイスを用いて報知するようにしてもよい。」

セ「【図12】



ソ 認定事項
【0155】の「図12にナビゲーション演出例を示す。本図は、上述の小役2の内部当選時に中→右→左の停止操作手順を教示する演出を示している。」、「初めに図12(a)に示すように全リール回転中に中リール111のバックランプのみを点灯させ、他のバックランプを消灯させることで中リール111の停止操作を行うように報知する。」、「報知手順と同じ停止ボタンが操作された場合は、リール停止時にバックランプを点灯状態のまま維持する。」という記載、及び【図12】(a)ないし(c)を踏まえると、甲第1号証には、ナビゲーション演出が行われ、左リール110、中リール111、右リール112の中段入賞ライン上にベルが停止表示されて小役2が入賞したときに、左リール110、中リール111、右リール112のバックランプを点灯状態のまま維持することが記載されているものと認められる。

(2)甲第1号証に記載された発明
上記(1)ア〜ソからみて、甲第1号証には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。なお、符号a〜nについては、本件発明の構成A〜Nに概ね対応させて付与し、引用箇所の段落番号等を併記した。

a 外周面に複数種類の絵柄が施され、絵柄の組み合せを変動可能に表示する左リール110、中リール111、右リール112(【0009】)を備え、
b、d 全リールが定速回転になると、回転しているリール110乃至112の各々を停止させる停止ボタン141乃至143の操作の受付を開始し(【0017】、【0060】)、停止したリール110乃至112によって、リール表示窓113上の有効化された入賞ライン114a乃至c上に、各入賞役に対応して予め定められた絵柄の組み合せが揃って表示されているか否かに基づいて入賞の判定をする(【0062】)スロットマシン100(【0009】)であって、
c スタートレバー140の操作があると、乱数発生器210から乱数を取得し、取得した乱数に基づいて、複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する内部抽選を行うMCPU200と(【0056】)、
e 各リールに設けられたバックランプと(【0155】)、
f 特別遊技中のRB2若しくは小役2内部当選時に、入賞可能な停止位置データが設定されている停止順序及び停止リールを遊技者に報知するための演出であるナビゲーション演出が行われる副制御部(【0154】、【0174】)とを備え、
g、h、i 小役2の内部当選時に中→右→左の停止操作手順を教示するナビゲーション演出は、各リールに設けられたバックランプで行われ、全リール回転中に中リール111のバックランプのみを点灯させ、他のバックランプを消灯させることで中リール111の停止操作を行うように報知し、遊技者は、バックランプが点灯している中リール111に対応した停止ボタン142を停止操作し、結果、中リール111中段にベルが停止表示され(【0155】)、次に、回転中の右リール112のバックランプを点灯させて次の停止操作が右リール112であることを遊技者に報知し、遊技者が右リール112に対応する停止ボタン143を停止操作した結果、中段入賞ラインにベル絵柄が停止し、最後に残った左リールを停止操作することで中段入賞ライン上にベル絵柄が揃って小役2に入賞し(【0156】)、
j ナビゲーション演出が行われ、左リール110、中リール111、右リール112の中段入賞ライン上にベルが停止表示されて小役2が入賞したときに、左リール110、中リール111、右リール112のバックランプを点灯状態のまま維持し(ソの認定事項)、
l、m、n 各入賞役に入賞するに至るまでには、内部当選し、その入賞役に対応する絵柄組合せが表示されることが許容されている停止位置データが選択され、かつ、入賞ライン上にその入賞役に対応する絵柄組み合わせが表示されてはじめて入賞となるように構成されており(【0095】)、小役2とRB2の停止位置データは、停止ボタンの操作順序が所定の順序の場合にその絵柄組合せを表示させるデータであり(【0121】)、毎回異なる停止操作順序で入賞することとなり(【0125】)、停止ボタンの押し順は、左→中→右、左→右→中、中→左→右、中→右→左、右→左→右、右→中→左の6通りであり(【0097】)、小役2に対応する絵柄組み合せはベル−ベル−ベルであり(【0116】、【0131】)、RB2の絵柄組み合せは赤7−Rep−Rep及びBAR−Rep−Repであり(【0112】)、特別遊技中のRB2は、ナビゲーション演出で報知される停止操作順序に従って停止操作を行うことで入賞させることができ(【0173】)、小役2とRB2のナビゲーション演出が行われるため、いずれかの入賞役であるかを遊技者に認識させるためバックランプの発光色をそれぞれの入賞役に応じて設定する(【0175】)、スロットマシン100(【0009】)。

2 甲第2号証について
(1)甲第2号証の記載

ア「【0036】
以下、上記図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係るスロットマシンの全体的な構成について、図1及び図2を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、「遊技役が成立する」及び「遊技役の成立」等と記載する場合の「成立」とは、後述の役決定手段により選出された役決定結果に対応する遊技役(遊技メダルの払出しがある遊技役(小役等の入賞役)か、払出しのない遊技役(再遊技役やBB役)かは問わない)を構成する図柄の組合せ(対応図柄)が、後述の有効ライン上に停止表示されたことを示す概念として用いている。ただし、成立のタイミングについては、例えば、遊技役の対応図柄を有効ライン上に停止表示させることが可能なタイミングでリール停止操作が行われた時点や、遊技役の対応図柄が有効ライン上に停止表示された時点、スロットマシンが、遊技役の対応図柄が有効ライン上に停止表示されたことを識別した時点や、識別した結果を記憶領域に格納した時点等、適宜のタイミングとすることができる。」

イ「【0105】
バックランプ演出制御手段2021は、任意の遊技役が成立したことを契機として、バックランプ38a,38b,38cを用いて各リール3a,3b,3cを、その内部から所定のパターンで照明するバックランプ演出(後述のバックランプ演出A)を実行するように構成されている。特に、後述の特定RP(再遊技役2〜21)のうち、後述するベルRP(再遊技役2〜6)、赤7揃いRP(再遊技役7)、スイカ揃いRP(再遊技役13)が成立した場合には、これらの再遊技役の成立時に所定位置(第2の所定位置)に停止表示される特定の図柄組合せ(後述の「ベル・ベル・ベル」、「赤セブン・赤セブン・赤セブン」、「スイカA/B・スイカA・スイカA」)を、各リール3a,3b,3cの内部から所定のパターンで照明するバックランプ演出(後述のバックランプ演出B)を実行するように構成されている。また、後述のチャンスRP(再遊技役18〜21)が成立した場合にも、所定の態様のバックランプ演出(後述のバックランプ演出C)を実行するように構成されている。」

ウ「【0191】
《バックランプ演出》
本実施形態において実行されるバックランプ演出は、特別役(BB役またはRB役)、小役1〜21の何れかまたは通常RPである再遊技役1が成立した場合に行われるバックランプ演出Aと、上述のベルRP(再遊技役2〜6)、赤7揃いRP(再遊技役7)、スイカ揃いRP(再遊技役13)が成立した場合に行われるバックランプ演出Bと、上述のチャンスRP(再遊技役18〜21)が成立した場合に行われるバックランプ演出Cとがある。これらのバックランプ演出A〜Cは、バックランプ38a,38b,38cを用いて行われるものであり、上述の各遊技役が成立したことを契機として、バックランプ38a,38b,38cによる全点灯状態(表示窓W内に臨む各リール3a,3b,3cの全領域を各リール3a,3b,3cの内部から均一に照明する状態)から切り替えて、各リール3a,3b,3cにおける所定領域を所定のパターンにより各リール3a,3b,3cの内部から照明するものである(バックランプ演出A〜Cの終了後は、上記全点灯状態に再び切り替わる)。バックランプ演出のパターンとしては、停止表示された所定の図柄組合せを目立たせるように、全点灯状態のバックランプ38a,38b,38cのうち、所定の図柄組合せが停止表示された領域以外を照明するバックランプについてはこれを消灯し、所定の図柄組合せが停止表示された領域のみを、他のバックランプを点灯または点滅させることにより照明することが一例として挙げられる。あるいは、これとは逆に目立たせたい領域のみを消灯し、他の領域を点灯または点滅するようにしてもよい。また、本実施形態におけるバックランプ演出A〜Cは、何れも各リール3a,3b,3cが回転開始するまでに終了する(全点灯状態に戻る)ように構成されており、リール回転により変動表示される図柄の視認性に影響を及ぼすことがないようになっている。したがって、バックランプ演出A〜Cの実行により、遊技者によるリール回転停止操作(目押し)が妨げられたり、逆に援助されたりするようなことはない。」

エ「【0216】
押し順ナビ演出は、ATが設定された状態において、上述の押し順対応の役決定結果(役決定結果B2〜B4,C1〜C3の何れか)が役決定処理により選出された場合に、遊技者にとって有利となる正解押し順を報知する単発の演出であり、本実施形態では、押し順ナビ演出A及び押し順ナビ演出Bの2つの態様の押し順ナビ演出がある。
・・・
【0221】
押し順ナビ演出Bは、上述の押し順対応の役決定結果のうち、上述の「押し順リプレイB」に対応した役決定結果B3(図12参照)、上述の「押し順リプレイC」に対応した役決定結果B4(図12参照)の何れかが選出された際に実行されるものである。上述したように、「押し順リプレイB」では、リール回転停止操作の順序が正解押し順(「右第一」)であっても、目押しにより右リールにおいて図柄「赤セブン」を引き込めなかった場合には、通常RPである再遊技役1が成立し、引き込めた場合には、その後のリール回転停止操作の順序や操作タイミングにより、赤7揃いRPである再遊技役7、赤7外しRPである再遊技役8〜12の何れかが成立する。」

オ「【0440】
また、上述のアシスト演出が実行されたか否かによって、バックランプ演出等を実行するか否かを決めるようにしてもよい。例えば、上記RT4遊技状態(ボーナス)中において、上述の押し順リプレイBに対応した役決定結果B3が選出された場合には、抽選によりアシスト演出(押し順ナビ演出B)を実行するか否かを決定するように構成し、押し順ナビ演出Bの実行により赤7揃いRP(再遊技役7)が成立した場合には、バックランプ演出Bを実行するが、押し順ナビ演出Bを実行しなかった場合には、赤7揃いRPが成立した場合であってもバックランプ演出Bを実行しないようにすることが例として挙げられる。」

(2)甲第2号証に記載された発明
上記(1)ア〜オからみて、甲第2号証には次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。

「赤7揃いRP(再遊技役7)が成立した場合には、再遊技役の成立時に所定位置に停止表示される特定の図柄組合せ「赤セブン・赤セブン・赤セブン」を、各リール3a,3b,3cの内部から所定のパターンで照明するバックランプ演出Bを実行するように構成され(【0105】)、
バックランプ演出Bは、バックランプ38a,38b,38cを用いて行われるものであり、各遊技役が成立したことを契機として、バックランプ38a,38b,38cによる全点灯状態(表示窓W内に臨む各リール3a,3b,3cの全領域を各リール3a,3b,3cの内部から均一に照明する状態)から切り替えて、各リール3a,3b,3cにおける所定領域を所定のパターンにより各リール3a,3b,3cの内部から照明するものであり、バックランプ演出Bの終了後は、全点灯状態に再び切り替わり(【0191】)、
押し順ナビ演出Bは、ATが設定された状態において、押し順対応の役決定結果のうち、「押し順リプレイB」に対応した役決定結果B3、「押し順リプレイC」に対応した役決定結果B4の何れかが役決定処理により選出された場合に、遊技者にとって有利となる正解押し順を報知する単発の演出であり(【0216】、【0221】)、
アシスト演出が実行されたか否かによって、バックランプ演出を実行するか否かを決めるようにしてもよく、押し順ナビ演出Bの実行により赤7揃いRP(再遊技役7)が成立した場合には、バックランプ演出Bを実行するが、押し順ナビ演出Bを実行しなかった場合には、赤7揃いRPが成立した場合であってもバックランプ演出Bを実行しない(【0440】)、
スロットマシン(【0036】)。」

3 甲第3号証について
(1)甲第3号証の記載

ア「【0010】
<第1実施形態>
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
<遊技機の構造>
図1〜図3を用いて、第1実施形態における遊技機1の構造について説明する。図1は、遊技機1の正面図の一例である。遊技者は、遊技媒体(例えばメダルや遊技球)を用いて遊技機1で遊技する。本実施形態においては、遊技媒体としてメダルが使用される遊技機1(パチスロ機)を例示する。」

イ「【0040】
各停止操作順序表示ランプ29は、パネル10のうち表示窓11より下側の領域に設けられ、各停止ボタン25の操作の順序を報知する。具体的には、停止操作順序表示ランプ29Lは、リール12Lに対応する位置(表示窓11の左下側)に設けられ、停止操作順序表示ランプ29Cは、リール12Cに対応する位置(表示窓11の中央下側)に設けられ、停止操作順序表示ランプ29Rは、リール12Rに対応する位置(表示窓11の右下側)に設けられる。例えば、第1停止操作で停止ボタン25R、第2停止操作で停止ボタン25C、第3停止操作で停止ボタン25Lの順序(いわゆる逆押し)を遊技者に対して報知する場合を想定する。以上の場合、遊技が開始された時点で停止操作順序表示ランプ29Rが点灯し、停止ボタン25Rが操作された後に停止操作順序表示ランプ29Cが点灯し、停止ボタン25Cが操作された後に停止操作順序表示ランプ29Lが点灯する。」

(2)甲第3号証に記載された発明
上記(1)ア〜イからみて、甲第3号証には次の発明(以下「甲3発明」という。)が記載されていると認められる。

「リール12Lに対応する位置に設けられる停止操作順序表示ランプ29Lと、リール12Cに対応する位置に設けられる停止操作順序表示ランプ29Cと、リール12Rに対応する位置に設けられる停止操作順序表示ランプ29R(【0040】)を備えた、
パチスロ機(【0010】)。」

4 甲第4号証について
(1)甲第4号証の記載

ア「【0013】
[スロットマシン本体]
図1は、本発明の実施形態に係るスロットマシンの外観を示す正面図、図2は、本発明の実施形態に係るスロットマシンの外観を示す斜視図、図3は、本発明の実施形態に係るスロットマシンの内部構成を示す斜視図である。
これらの図に示すように、本実施形態のスロットマシン1は、複数のリール21a,21b,21cを回転させることによって遊技媒体であるメダルを獲得することができる回胴式遊技機を構成している。」

イ「【0033】
第二発光部190は、各停止ボタン42a,42b,42cに対応するLEDB1〜B3を備えている。各LEDB1〜B3は、基板160の前面に配置されており、ケース110の後面側に形成される入射孔113を介して、各収容部111と隣接して形成される光路室114に光を入射するようになっている。
この光路室114は、第一発光部180からの光と干渉しない光路を形成するためのもので、光路室114に後方から入射された第二発光部190の光は、光路室114の前端開口から出射される。」

ウ「【0044】
押し順ナビは、抽せん結果に対応した図柄の組合せを、停止ボタン42a,42b,42cの押し順(操作順)により導出させる場合に、各停止ボタン42a,42b,42cの押し順を表示する演出表示であり、本実施形態では、押し順にしたがって各停止ボタン42a,42b,42cの近傍に所定の絵柄Eが順次出現するように第二発光部190の発光制御を行う。
このような第二発光部190を用いた押し順ナビによれば、通常時には何も無い箇所に突然所定の絵柄Eが出現し、その出現順序にしたがって各停止ボタン42a,42b,42cを押下操作することにより、所定の当たり役(小役、再遊技役)が獲得できるので、意外性のある演出表示とすることができるだけでなく、点灯時に視認可能となる所定の絵柄Eは、各停止ボタン42a,42b,42cの近傍かつ右上方に配置されるので、演出表示が遊技者の手で隠れることを防止し、演出表示の視認性が確保されて、操作性が向上する。」

(2)甲第4号証に記載された発明
上記(1)ア〜ウからみて、甲第4号証には次の発明(以下「甲4発明」という。)が記載されていると認められる。

「各停止ボタン42a,42b,42cに対応するLEDB1〜B3を備え(【0033】)、押し順にしたがって各停止ボタン42a,42b,42cの近傍に発光制御が行われる第二発光部190(【0044】)を備えた、
スロットマシン1(【0013】)。」

5 甲第5号証について
(1)甲第5号証の記載

ア「【0235】
図22には、スロットマシン100の匡体の左側に設けられた左リール停止ナビ用ランプ4201と、上部に設けられた中リール停止ナビ用ランプ4202と、右側に設けられた右リール停止ナビ用ランプ4203が示されている。また、リール110〜112の右側には、縦に並んだ3つのランプが示されている。このランプを拡大した図が右側に示されている。この縦に並んだ3つのランプは、上から順に、左リール停止ナビ用ランプ4211、中リール停止ナビ用ランプ4212、右リール停止ナビ用ランプ4213である。なお、これら6つのランプ(4201,4202,4203,4211,4212,4213)は、図3に示す各種ランプ420に相当するものである。」

(2)甲第5号証に記載された発明
上記(1)アからみて、甲第5号証には次の発明(以下「甲5発明」という。)が記載されていると認められる。

「匡体の左側に設けられた左リール停止ナビ用ランプ4201、上部に設けられた中リール停止ナビ用ランプ4202、右側に設けられた右リール停止ナビ用ランプ4203と、リール110〜112の右側に縦に並んだ、左リール停止ナビ用ランプ4211、中リール停止ナビ用ランプ4212、右リール停止ナビ用ランプ4213(【0235】)とを備えた、
スロットマシン100(【0235】)。」

第5 判断
1 本件発明と甲1発明との対比
(1)本件発明の構成Aについて
甲1発明の構成aの「複数種類の絵柄」、「絵柄の組み合せを変動可能に表示する左リール110、中リール111、右リール112」は、それぞれ本件発明の構成Aの「各々が識別可能な複数種類の識別情報」、「識別情報を変動表示可能な可変表示部」に相当する。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成Aの構成を備えたものである。

(2)本件発明の構成B、Dについて
甲1発明の構成b、dの「各入賞役に対応して予め定められた絵柄の組み合せが揃って表示されているか否かに基づいて入賞の判定をする」ことから、甲1発明では表示結果に応じて入賞が発生可能であることは自明である。
したがって、甲1発明の構成b、dの「全リールが定速回転になると、回転しているリール110乃至112の各々を停止させる停止ボタン141乃至143の操作の受付を開始し、停止したリール110乃至112によって、リール表示窓113上の有効化された入賞ライン114a乃至c上に、各入賞役に対応して予め定められた絵柄の組み合せが揃って表示されているか否かに基づいて入賞の判定をするスロットマシン100」は、本件発明の構成Bの「前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシン」に相当する。
また、甲1発明の構成b、dの「回転しているリール110乃至112の各々を停止させる停止ボタン141乃至143」は、本件発明の構成Dの「表示結果を導出させるために操作される導出操作手段導出操作手段」に相当する。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成B、Dの構成を備えたものである。

(3)本件発明の構成Cについて
甲1発明の構成cの「複数種類の入賞役の内部当選の当否を抽選により判定する内部抽選を行うMCPU200」は、本件発明の構成Cの「導出が許容される表示結果を決定する事前決定手段」に相当する。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成Cの構成を備えたものである。

(4)本件発明の構成Eについて
甲1発明の構成eの「各リールに設けられたバックランプ」は、本件発明の構成Eの「複数の発光部」に相当する。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成Eの構成を備えたものである。

(5)本件発明の構成Fについて
甲1発明の構成f、及び甲1発明の構成l、m、nより、「RB2若しくは小役2」に「内部当選し」、「停止ボタンの操作順序が所定の順序の場合に」「ベル−ベル−ベル」若しくは「赤7−Rep−Rep及びBAR−Rep−Rep」の「絵柄組み合せ」「が表示されてはじめて入賞となる」ことを踏まえると、「RB2若しくは小役2」に「内部当選し」た時点で、「ベル−ベル−ベル」若しくは「赤7−Rep−Rep及びBAR−Rep−Rep」の「絵柄組み合せ」の「表示」が可能となることは明らかであるから、甲1発明の構成l、m、nの「ベル−ベル−ベル」及び「赤7−Rep−Rep及びBAR−Rep−Rep」の「絵柄組み合せ」の「表示」は、本件発明の構成Fの「所定表示結果」に相当するとともに、甲1発明の構成fの「RB2若しくは小役2内部当選時」、「特別遊技中」は、それぞれ本件発明の構成Fの「所定表示結果の導出が許容され」たとき、「報知条件が成立したとき」に相当するといえる。
また、甲1発明の構成f、及び甲1発明の構成l、m、nの「小役2とRB2の」「絵柄組合せを表示させる」「停止ボタンの」「停止順序」は、本件発明の構成Fの「該所定表示結果を導出させるための前記導出操作手段の操作態様である特定操作態様」に相当し、甲1発明の構成fの「停止順序」「を遊技者に報知するための演出であるナビゲーション演出が行われる副制御部」は、本件発明の構成Fの「特定操作態様を報知する操作態様報知手段」に相当する。
そして、甲1発明の構成g、h、iにおいて、「小役2の内部当選時に」「停止操作手順を教示する演出は、各リールに設けられたバックランプで行われ」るところ、甲1発明の「各リールに設けられたバックランプで」「停止操作手順を教示する」「ナビゲーション演出」を行うことは、本件発明の構成Fの「前記複数の発光部を用いて」「特定操作態様を報知する」ことに相当する。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成Fの構成を備えたものである。

(6)本件発明の構成G、H、Iについて
甲1発明の構成l、m、nより、「停止ボタンの押し順は、左→中→右、左→右→中、中→左→右、中→右→左、右→左→右、右→中→左の6通りであり」、「小役2とRB2」は、「停止ボタンの操作順序が」「毎回異なる」「所定の」「停止操作順序」「の場合にその絵柄組合せを表示させ」るものであり、また、甲1発明の構成g、h、iより、「中→右→左の停止操作手順を教示するナビゲーション演出」が示されていることを踏まえると、「所定の」「停止操作順序」として、「中→右→左の停止操作手順」となる場合があることは明らかであるから、甲1発明の構成g、h、iの「中リールの停止操作」、「右リールの停止操作」は、それぞれ本件発明の構成Gの「第1態様で操作」、「第2態様で操作」に相当し、甲1発明の構成g、h、i、及び甲1発明の構成l、m、nの「小役2とRB2の」「絵柄組合せを表示させる」「停止ボタンの」「所定の」「停止操作順序」として、「中→右→左の停止操作手順」となることは、本件発明の構成Gの「前記特定操作態様は、前記導出操作手段が第1態様で操作された後に、前記導出操作手段が第2態様で操作される操作態様であ」ることに相当する。
また、甲1発明の構成g、h、iの「中リール111のバックランプ」、「右リール112のバックランプ」は、それぞれ本件発明の構成Hの「第1発光部」、「第2発光部」に相当し、甲1発明の構成g、h、iの「中リール111の停止操作を行うように報知」するために「中リール111のバックランプ」「を点灯させ」ることは、本件発明の構成Iの「前記第1態様での操作を報知するときに前記第1発光部を発光させ」ることに相当するとともに、甲1発明の構成g、h、iの「次の停止操作が右リール112であることを遊技者に報知」するために「右リール112のバックランプを点灯させ」ることは、本件発明の構成Iの「前記第2態様での操作を報知するときに前記第2発光部を発光させ」ることに相当する。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成G、H、Iの構成を備えたものである。

(7)本件発明の構成Jについて
甲1発明の構成jにおいて、「ナビゲーション演出が行われ」、「小役2が入賞したときに」、「左リール110、中リール111、右リール112のバックランプを点灯状態のまま維持」することから、甲1発明が、ナビゲーション演出が行われ、小役2が入賞したときに、「中リール111、右リール112のバックランプを点灯」させるものであることは明らかであり、甲1発明の構成jの「ナビゲーション演出が行われ、左リール110、中リール111、右リール112の中段入賞ライン上にベルが停止表示されて小役2が入賞したときに、左リール110、中リール111、右リール112のバックランプを点灯状態のまま維持」することは、本件発明の構成Jの「前記特定操作態様が報知され、且つ該特定操作態様で前記導出操作手段が操作された結果として前記所定表示結果が導出されたときに、前記第1発光部と前記第2発光部とを発光させる」ことに相当する。
また、甲1発明の構成f、及び構成g、h、iより、「副制御部」で「各リールに設けられたバックランプで行われ」る「ナビゲーション演出が行われる」ことから、「副制御部」は、本件発明の構成Jの「導出報知手段」に相当する。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成Jの構成を備えたものである。

(8)本件発明の構成L、M、Nについて
甲1発明の構成l、m、nより、「小役2とRB2」「に対応する絵柄組み合せ」として「ベル−ベル−ベル」と「赤7−Rep−Rep及びBAR−Rep−Rep」が設定されているのであるから、甲1発明は、本件発明の構成Mの「前記所定表示結果は複数種類設けられ」る構成を備えている。
また、甲1発明の構成l、m、nでは、「小役2とRB2のナビゲーション演出が行われるため、いずれかの入賞役であるかを遊技者に認識させるためバックランプの発光色をそれぞれの入賞役に応じて設定する」ことから、入賞役「小役2」と「RB2」とで、バックランプの発光色を異ならせることは自明であり、また、甲1発明の構成j及び甲1発明の構成l、m、nにおいて、入賞役「小役2」と「RB2」とで、左リール110、中リール111、右リール112のバックランプを異なる発光色で点灯状態のまま維持することから、甲1発明は、本件発明の構成Lの「前記第1発光部と前記第2発光部とは、それぞれ複数種類の発光色で発光可能であり」、及び本件発明の構成Nの「前記導出報知手段は、導出された前記所定表示結果の種類に応じた発光色で前記第1発光部と前記第2発光部とを発光させる」構成を備えている。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成L、M、Nの構成を備えたものである。

(9)本件発明と甲1発明との一致点、相違点
上記(1)ないし(8)の検討を踏まえると、本件発明と甲1発明とは、次の一致点で一致し、相違点1で相違する。

(一致点)
「A 各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、
B 前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能なスロットマシンであって、
C 導出が許容される表示結果を決定する事前決定手段と、
D 表示結果を導出させるために操作される導出操作手段と、
E 複数の発光部と、
F 所定表示結果の導出が許容され、且つ報知条件が成立したときに、前記複数の発光部を用いて該所定表示結果を導出させるための前記導出操作手段の操作態様である特定操作態様を報知する操作態様報知手段とを備え、
G 前記特定操作態様は、前記導出操作手段が第1態様で操作された後に、前記導出操作手段が第2態様で操作される操作態様であり、
H 前記複数の発光部は、第1発光部と、第2発光部とを含み、
I 前記操作態様報知手段は、前記第1態様での操作を報知するときに前記第1発光部を発光させ、前記第2態様での操作を報知するときに前記第2発光部を発光させ、
J 前記特定操作態様が報知され、且つ該特定操作態様で前記導出操作手段が操作された結果として前記所定表示結果が導出されたときに、前記第1発光部と前記第2発光部とを発光させる導出報知手段を更に備え、
L 前記第1発光部と前記第2発光部とは、それぞれ複数種類の発光色で発光可能であり、
M 前記所定表示結果は複数種類設けられ、
N 前記導出報知手段は、導出された前記所定表示結果の種類に応じた発光色で前記第1発光部と前記第2発光部とを発光させる、スロットマシン。」

(相違点1)(本件発明の構成K)
本件発明は、「前記特定操作態様が報知されず、且つ該特定操作態様で前記導出操作手段が操作された結果として前記所定表示結果が導出されたときに、前記第1発光部と前記第2発光部とを発光させず」とされるのに対し、甲1発明では、ナビゲーション演出が行われず、特定の停止操作手順で停止操作されてRB2若しくは小役2が入賞したときに、各リールに設けられたバックランプを点灯させない点について特定されていない点。

2 相違点についての判断
相違点1について検討する。
甲2発明の「バックランプ38a,38b,38c」は、本件発明の「複数の発光部」に相当し、また、甲2発明の「ATが設定された状態において」、「役決定結果B3」、「役決定結果B4の何れかが役決定処理により選出された場合に、遊技者にとって有利となる正解押し順を報知する」「押し順ナビ演出Bを実行」することは、本件発明の「所定表示結果の導出が許容され、且つ報知条件が成立したときに、該所定表示結果を導出させるための前記導出操作手段の操作態様である特定操作態様を報知する」ことに相当する。
そうすると、甲2発明は、「複数の発光部と、所定表示結果の導出が許容され、且つ報知条件が成立したときに、該所定表示結果を導出させるための前記導出操作手段の操作態様である特定操作態様を報知する操作態様報知手段とを備え、前記複数の発光部は、第1発光部と、第2発光部とを含み、」に対応する特定事項を備える。
しかしながら、甲2発明は「押し順ナビ演出Bを実行しなかった場合には、赤7揃いRPが成立した場合であってもバックランプ演出Bを実行しない」ものであるところ、この「バックランプ演出B」とは、「バックランプ38a,38b,38cによる全点灯状態から切り替えて、各リール3a,3b,3cにおける所定領域を所定のパターンにより各リール3a,3b,3cの内部から照明する」演出であるから、このような「バックランプ演出B」を実行しないのであれば、バックランプ38a,38b,38cによる全点灯状態から切り替えられず、バックランプ38a,38b,38cによる全点灯状態のままであると解するべきであり、少なくともバックランプ38a,38b,38cを点灯させないことについては、甲第2号証には記載されていると認められない。
そうすると、甲1発明に甲2発明を適用しても、上記相違点1に係る本件発明の構成Kは、記載も示唆もされていないため、本件発明は、甲1発明及び甲2発明に基いて当業者が容易に想到しうるものではない。
また、甲3発明ないし甲5発明を見ても、上記の「前記特定操作態様が報知されず、且つ該特定操作態様で前記導出操作手段が操作された結果として前記所定表示結果が導出されたときに、前記第1発光部と前記第2発光部とを発光させず」(構成K)を開示するものは見当たらないため、本件発明は、甲1発明ないし甲5発明に基いて当業者が容易に想到しうるものでもない。

3 申立人の主張について
上記相違点1の、特に構成Kに係る点について、申立人は、異議申立書で以下ア〜イを主張している。

ア「 以上の記載事項、図示内容から、甲第2号証には以下のことが記載されている。

(k)段落0010には、スロットマシンが記載されている。
・・・(中略)・・・
また、段落0191より、バックランプ演出Bは、バックランプ38a,38b,38cを全点灯状態から切り替えて、各リール3a,3b,3cにおける所定領域を所定のパターンにより各リール3a,3b,3cの内部から照明するものなので、段落0440に記載のバックランプ演出Bを実行しないことは、バックランプ38aとバックランプ38bとを点灯させないことといえる。
そうすると、これらの段落には、正解押し順が報知されず、且つ正解押し順でストップスイッチが操作された結果として図柄「赤セブン」が3個とも有効ライン29上に揃うときに、バックランプ38aとバックランプ38bとを点灯させない、スロットマシンが記載されているといえる。」(特許異議申立書の第31ページ第1行〜第33ページ第6行)

イ「 カ 備考
上記したように、本申立書では、甲第1号証として特開2008−229375号公報を採用し、甲1発明の「複数のバックランプ」が本件特許発明の「複数の発光部」に相当するものとした。
このように、「複数の発光部」に相当するものは他にも多数あり、例えば、特開2017−055792号公報(甲第3号証)の段落0040及び図1に記載された「停止操作順序表示ランプ29L、停止操作順序表示ランプ29C、停止操作順序表示ランプ29R」、特開2011−206304号公報(甲第4号証)の段落0044及び図7に記載された「第二発光部190」、特開2012−045129号公報(甲第5号証)の段落0235及び図22に記載された「左リール停止ナビ用ランプ4201、中リール停止ナビ用ランプ4202、右リール停止ナビ用ランプ4203や、左リール停止ナビ用ランプ4211、中リール停止ナビ用ランプ4212、右リール停止ナビ用ランプ4213」などがあり、これらはいずれも本件特許発明の「複数の発光部」に相当する。
・・・(中略)・・・
よって、本件特許発明の「複数の発光部」を上記した甲第3号証、甲第4号証、甲第5号証に記載された事項のように限定的に訂正したとしても、本件特許発明の進歩性が肯定されるわけではないことを申し述べておく。」(特許異議申立書の第41ページ第17行〜第42ページ第15行)

しかしながら、上記アの主張について、甲第2号証には、「バックランプ演出Bを実行しない」場合に、バックランプ38a,38b,38cによる全点灯状態から切り替えられず、バックランプ38a,38b,38cによる全点灯状態のままであると解するべきであり、少なくともバックランプ38a,38b,38cを点灯させないことについて、甲第2号証には記載されていないことは、上記2で述べたとおりである。
また、上記イの主張について、甲第3号証ないし甲第5号証は「複数の発光部」を限定するものであり、本件発明の構成Kを開示するものでないことも、上記2で述べたとおりである。
そうすると、申立人の上記主張には理由がない。

4 まとめ
以上のとおりであるから、本件発明は、甲1発明及び甲2発明に基いて、又は、甲1発明ないし甲5発明に基いて当業者が容易に発明することができたものではない。
したがって、本件特許の請求項1に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反したものではない。

第6 むすび
以上のとおり、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。

 
異議決定日 2022-07-26 
出願番号 P2017-196805
審決分類 P 1 651・ 121- Y (A63F)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 小林 俊久
特許庁審判官 三田村 陽平
太田 恒明
登録日 2021-10-11 
登録番号 6959095
権利者 株式会社三共
発明の名称 遊技機  
代理人 弁理士法人武和国際特許事務所  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ